説明

再循環NOxを用いたディーゼル微粒子フィルタのNO2利用再生のための方法および装置

再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための方法では、CO、CO、NOが生成されるように前記DPF内の煤煙をNOで酸化することにより前記DPFが再生され、分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流のポイントまで少なくとも一部のNOxが再循環される。前記再循環NOをOと反応させることによりNOが生成される。前記DPFの再生中に、前記DPF内の煤煙を酸化する前記NOの少なくとも一部が、NOを生成するためのOと反応する再循環NOから生成される。再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するため排気後処理装置も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)の再生つまり蓄積した微粒子状物質または煤煙をDPFから除去するための方法および装置、より詳しくは、NOとの酸化反応を伴う方法および装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、本出願と同じ日に出願され譲受人を同じくする、「有効NO供給強化の能動的NO利用再生による触媒作用ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)を再生するための方法および装置」という名称の同時係属出願第PCT/US2009/033510号(代理人ドケット番号第000009−260号)に関連し、「微粒子フィルタの能動的NO再生のためのNO反応物の煤煙還元能力を最大化するための方法」という名称の2009年2月7日に出願の米国仮出願第61/063,900号の優先権を主張する。
【0003】
DPFから煤煙を除去するための最も一般的な方法は、捕捉された煤煙を酸化して、フィルタ媒体を通過できるガス状生成物(COおよびCO)を発生させることであり、このプロセスは再生と呼ばれる。再生に使用される主な仕組みには二つあり、O利用再生と呼ばれるOによる煤煙の酸化((C+O→CO)および/または(2C+O→2CO))と、NO利用再生と呼ばれるNOによる煤煙の酸化((C+2NO→CO+2NO)および/または(C+NO→CO+NO))である。
【0004】
DPF再生のための現在周知で実行されている解決法は、能動的O利用再生システム、受動的NO利用再生システム、またはこれらの組合せを包含する。能動的O利用再生システムは、O/煤煙反応を確立および維持するため多様な方法によって反応物の温度を上昇させる。能動的O利用再生の間には、実質的にすべての煤煙除去がOとの反応によるものである。受動的NO利用システムは、一般的にはDPFの上流の酸化触媒において排気ガス中にすでに存在するNOからNOを生成するためと、反応物の能動的熱管理を伴わずに正常なエンジン動作範囲の一部で達成することが可能な温度レベルでNO/煤煙反応を発生させるのに必要な活性化エネルギーを減少させるために、触媒剤を使用する。
【0005】
DPF再生のための能動的O利用および受動的NO利用のコンセプトについて、多くの実行例が実証されている。受動的NO利用再生の主な制約は、すべての用途においてDPFの適切な再生を保証できないことである。これを解決するため、受動的NO利用再生に代わって、またはこれに加えて、能動的O利用再生が実行される。O利用再生の主な制約は、観察されなければならない最大DPF煤煙捕集レベルが低いことと、NO利用再生に必要であるよりも温度要件が著しく高いことである。より頻繁な再生の必要性に加えて、高い温度要件は、SCRシステムなど煤煙濾過再生部品の下流にあるものを含めて、影響を受けるすべての排気後処理装置の性能および耐久性の低下につながることがある。温度問題の解決は、よりロバストな後処理装置の開発および/またはDPF後方の温度を低下させる付加的な装置、システム、および/または方法の実行によって行われなければならない。
【0006】
能動的O利用および受動的NO利用再生のコンセプトを補ういくつかの方法が提案されている。特許文献1には、適切な反応物温度が受動的に確立された動作期間中に最適なNOの発生を行う代替的な制御戦略を開始させる方法が記載されている。特許文献2には、適切な受動的NO利用再生活動が達成される動作期間を延長するため、反応物温度およびDPF体積流量(ゆえにDPF滞留時間)が能動的に操作される方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0234711号明細書
【特許文献2】米国特許第6,910,329号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様によれば、再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための方法は、CO、CO、NOが生成されるようにDPF内の煤煙をNOで酸化することによりDPFを再生することと、分岐ポイントから分岐ポイントの上流のポイントまで少なくとも一部のNOを再循環させることと、再循環NOをOと反応させることによりNOを生成することとを包含する。DPFの再生中には、DPF内の煤煙を酸化するNOの少なくとも一部が再循環NOから生成される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための排気後処理システムは、NOx含有排気ガス流をディーゼルエンジンから受け取るように構成されたエンジンの下流のDPFと、分岐ポイントから分岐ポイントの上流のポイントまでの少なくとも一部のNOを含むガスの再循環を可能にするための導管と、再循環NOをOと反応させてDPF内の煤煙を酸化するのに適したNOを生成するように構成された反応領域とを包含する。
【0010】
本発明のまた別の態様によれば、再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための方法は、CO、CO、NOが生成されて少なくともCO、CO、NO、NOがDPF内に存在するようにDPF内の煤煙をNOで酸化することによりDPFを再生することと、分岐ポイントから分岐ポイントの上流まで少なくとも一部のNOを再循環させることとを包含する。DPFの再生中には、DPF内の煤煙を酸化するNOの少なくとも一部は再循環NOである。
【0011】
本発明のまた別の態様によれば、再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための排気後処理システムは、NOx含有排気ガス流をディーゼルエンジンから受け取るように構成されたエンジン下流のDPFと、分岐ポイントから分岐ポイントの上流の吐出ポイントまでの少なくとも一部のNOを含むガスの再循環を可能にして再循環NOによるDPF内の煤煙の酸化を可能にするための導管とを包含する。
【0012】
ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)を再生するまた別の方法によれば、CO、CO、NOが生成されるようにDPF内の煤煙をNOで酸化することによりDPFを再生することと、分岐ポイントから分岐ポイントの上流のポイントまで少なくとも一部のNOを再循環させることと、再循環したNOをOと反応させることによりNOを生成することとを包含して、DPFの再生中にDPF内の煤煙を酸化するNOの少なくとも一部が再循環NOから生成される第1再生が、再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタのNO利用再生を実施することによりDPFを少なくとも部分的に再生するために実施され、また、従来のNO利用再生と、有効NO供給強化の能動的NO利用再生と、能動的O利用再生とのうち少なくとも一つを実施することによりDPFを少なくとも部分的に再生するために第2再生が実施される。
【0013】
ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)を再生するまた別の方法によれば、CO、CO、NOが生成されて少なくともCO、CO、NO、NOがDPF内に存在するようにDPF内の煤煙をNOで酸化することによりDPFを再生することと、分岐ポイントから分岐ポイントの上流まで少なくとも一部のNOを再循環させることとを包含して、DPFの再生中にDPF内の煤煙を酸化するNOの少なくとも一部が再循環NOである第1再生が、再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタのNO利用再生を実施することによりDPFを少なくとも部分的に再生するために実施され、また、従来のNO利用再生と、有効NO供給強化の能動的NO利用再生と、能動的O利用再生とのうち少なくとも一つを実施することによりDPFを少なくとも部分的に再生するために、第2再生が実施される。
【0014】
本発明のまた別の態様によれば、ディーゼル微粒子フィルタの再生を向上させるための方法は、空気とOの少なくとも一方を排気ガス流に噴射することを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の特徴および長所は、同様の数字が類似の要素を指す図面と関連して以下の詳細な説明を読むことにより良く理解されるだろう。
【図1】本発明の態様によるNO再循環を描いたDPF通路壁の一部を、部分的断面図で概略的に示す。
【図2】それ以上であるとNOがNOに転換する平衡ラインを示す、様々な排気質量流量でのサンプルディーゼル酸化触媒(DOC)についてのNO転換効率と温度とのグラフである。
【図3A】従来のNO利用再生を、本発明の態様による有効NO供給強化の能動的NO利用再生と比較する、煤煙捕集量と再生時間とのグラフである。
【図3B】図3Aにグラフとして示されたデータの表である。
【図4】本発明の態様による排気後処理システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初は現時点で発明者らにより理解されている一般的でより理論的な表現で、その後はより特定の態様に関して、本発明を説明するものとする。本発明がどのように機能するかについて発明者らが現時点で理解していることを説明するために提示される理論が、請求項に明白に含まれる場合を除いて、本発明を限定するとは考えられない。
【0017】
DPF中の煤煙の反応速度が制限される状態は二つあることを発明者らは認識している。この反応は、(反応物の温度が低過ぎることにより)反応速度支配型であるか、(反応物の供給量が低過ぎることにより)拡散制限型であるかである。簡単に述べると、必要な反応物が供給されなければならず、反応の最小活性化エネルギーに到達されなければならない。これらの条件は、能動的制御により満たされるか、正常動作中に受動的に達成される。
【0018】
能動的熱制御を利用するいかなるタイプの能動的再生プロセスでも、所望の反応に充分な反応速度が確立されるポイントまで反応物の温度が上昇する。再生をサポートするのに不充分である正常動作温度を上回るまで、外部手段によって(炭化水素の触媒酸化、バーナシステム、電気加熱、マイクロ波などによって)、フィルタ媒体、排気ガス、および/または捕捉された煤煙の温度を上昇させることにより、一般的にこれが達成される。能動的再生プロセスでは反応物供給の能動的制御が実施されるとよいが、これは行われていない。例えば、O利用再生は反応速度に支配されて大量のOを有するが、従来のNO戦略では一般的にNOまたはNOx供給を能動的に調整することはない。
【0019】
定義上、受動的再生システムは、再生を促進する目的で反応物の温度または反応物の供給を能動的に制御するものではない。しかし、再生活動を促進するためにいくつかの受動的手段が使用される。すなわち、DPF内の触媒コーティングなど、捕捉された煤煙と接触状態にある触媒剤が、関連の反応に必要な活性化エネルギー(温度)を低下させるのに使用されることで、反応の反応速度支配を軽減する(高い反応速度を可能にする)。すべての反応物の完全反応をサポートする以上のことを行う充分に高い反応温度が存在する場合、反応は拡散制限型である。煤煙で一杯になったDPFの場合には、拡散制限反応は、酸素含有反応物の供給が制限されることを意味する。そのため、使用不能なNOを有益なNOに転換するなど、反応物供給を受動的に増加させるのに触媒が使用されることにより、反応の拡散制限を軽減する(つまり高い反応速度を可能にする)。
【0020】
煤煙酸化プロセス、つまりDPFからの煤煙の除去の実際的な用途を検討する際には、反応速度、煤煙酸化速度、エンジン煤煙発生速度、煤煙除去速度の間で区別が成されなければならない。DPF煤煙除去という実際的な目的から始めて、化学反応速度についてのより本質的かつ理論的なコンセプトに戻ることになる。煤煙質量除去速度は、単純に時間ごとのDPF煤煙質量の変化である。煤煙除去速度は、時間とともに変化する捕捉煤煙質量と相関するので、再生事象の間、一定ではない。煤煙除去速度は、煤煙酸化速度とエンジン煤煙発生速度との間の差に等しい。数1は、時間の関数としてのDPF内の煤煙質量を示す。
【数1】

煤煙捕集密度、煤煙酸化速度、煤煙発生との間の関係には、いくつかの因果関係が存在する。(温度および反応物供給を含む再生条件がすでに安定している)安定した再生プロセスについては、再生事象の開始時に最高の煤煙酸化速度および煤煙除去速度が達成されている。再生が進行するにつれて煤煙酸化速度は低下して、ついに最後には煤煙発生速度と交差し、このポイントで煤煙除去速度はゼロに等しくなる。結果的に、能動的O利用再生を含むすべての再生プロセスは、ゼロではない平衡煤煙捕集量に近づく。特に効果的な戦略では、ほぼ完全な煤煙再生に近づくかもしれないが、到達することはない。
【0021】
数2に表された煤煙酸化速度は、捕捉された煤煙質量と化学反応速度を掛けたものに等しい。反応速度は主として、反応に関与しているNOの温度および量の関数であり、これは、NO供給量と、煤煙質量と、平均して一つのNO分子が二つ以上のC原子の酸化反応に関与するものであるとして「再循環」が定義される場合の再循環の回数との関数である。再循環はNO酸化反応であるので、再循環の回数は主として、NO酸化反応速度および滞留時間によって決定される。NO酸化反応速度は主として、温度と反応物有効性と触媒有効性との関数である。
【数2】

m=煤煙質量
C=定数
[NO]=反応に関与するDPF内のNOの濃度
T=反応温度
E=活性化エネルギー
R=普遍気体定数
アルファ、ベータ、ガンマは指数である。
【0022】
再生プロセスは主として、不均一に分散された固体と、さらに(一般的に)触媒との接触状態になければならないガス状反応物との間の表面反応を包含する。そのため、移動する酸素含有ガス粒子が、静止した固体触媒の存在下にもある静止した(そして不均一に分散された)煤煙粒子を(即座に)発見する可能性は、煤煙密度が上昇につれて高くなるだろう。そのため、煤煙捕集密度が上昇するにつれて一度により多くの反応が発生するだろう。これは、すべてではないとしてもほとんどの反応速度制限型の再生プロセスに当てはまる。制限的反応物が再循環される拡散制限型反応のすべてはないとしてもほとんどにこれが当てはまることを、発明者らは認識している。DPF11に触媒10が存在した状態でNOがOと反応してNOを生成し、NOがDPFの煤煙12と反応してNO+CO+COなどを生成し、触媒の存在下でNOがOと再び反応してNOなどを生成して、最後にNOまたはNOがシステムから出る再循環現象が、図1に概略的に図示されている。制限的反応物が再循環できないか再循環しない煤煙が豊富にある拡散制限型反応については、煤煙捕集密度が上昇するにつれてより多くの反応が一度に発生することが概して当てはまらないことを発明者らは認識している。この場合、制限的反応物のすべてはすでに消費されて再利用されず、そのため最大回数の反応がすでに発生している。結果的に、本発明の態様による方法は、従来のNO利用方法を超える長所を有する、すなわち、煤煙捕集量が増加するにつれて再生効果およびNOx効率は著しく上昇するだろう。
【0023】
ディーゼル排気ガス中に存在するNOxは主としてNOを包含し、ごくわずかにNOを含む。そのため、受動的再生システムでは、NOからNOを生成するのにディーゼル酸化触媒(DOC)などの触媒剤が一般的に使用される。
【0024】
NO/NO比を上昇させてNO全体または反応物の量を増加させることにより所与のNOx量について達成可能な受動的NO利用再生活動度を上昇させることが通常は望ましい。言い換えると、制限的反応物NOの供給量を増加させることによりDPF内の煤煙の反応速度を上昇させることが通常は望ましいのである。しかし、図2に見られるように、所与の排気質量流量では、NOからNOへの転換時の触媒の効果は、最初に温度上昇とともに上昇してから低下し始め、最後にはNO−NO平衡ラインに沿って下降する。いったん平衡ラインを辿ると、NO供給量が平衡リミットとなる。平衡リミットに等しいかこれより低い、実際に測定されたNO供給量は、「平衡制限型のNO供給量」と呼ばれるものとする。
【0025】
平衡制限型のNO供給量は、DPFの上流に触媒剤を含むシステムにも含まないシステムにも関係する。DPFの上流に有効触媒剤を備えるシステムの場合には、平衡制限型のNO供給量は、DPFの上流で生成されてこれに送られる実際のNO量を指すだろう。DPFの上流に触媒剤を備えるシステムについては、再生事象中に、NOx含有ガスのNO供給量を実質的に増加させるように触媒剤が作用しなければならず、さもなければ、平衡制限型のNO供給量を決定する際に、システムがDPFの上流に触媒剤を何も有していないと考えられることは言うまでもない。煤煙が存在しないDPFの場合のように、触媒剤からDPFまで利用可能なNOの量が、煤煙酸化反応に関与するNOが存在しない時にDPFから出るNOより著しく少ない場合にも、再生事象中にNO供給量を著しく増加させるように触媒剤が作用することはないと考えられる。DPFの上流に触媒剤を備えず触媒作用DPFでNOが生成されるシステムの場合には、平衡制限型のNO供給量は、煤煙酸化反応に関与するNOがない時にDPFから出るNOの量を指す。
【0026】
受動的NO利用再生の間、煤煙酸化反応は反応速度支配型か拡散制限型である。一杯に捕集したDPFの場合には、制限のタイプは、反応物温度ばかりでなく反応に供給されるNOの量に左右される。
【0027】
反応速度支配型のNO/煤煙反応は、DPFを通過したNOのすべてがDPF内にある間に反応するのでなく、そのため「浪費」されることを意味する。能動的O利用再生の場合のOと異なり、NO(とNOx)は規制排出物であり、そのため煤煙再生に関与しないNOの不必要な発生は回避されるべきである。
【0028】
あるいは、拡散制限型のNO/煤煙反応は、供給されるNOの量が、周囲温度で所与の滞留時間内に反応することが可能であるものより少ないことを意味する。同様に、反応が煤煙による拡散制限型である場合、これはDPF煤煙捕集量が低いことを意味する。反応物(NO)が反応器(DPF)内で費やす時間は、滞留時間と呼ばれる。拡散制限型の反応の場合には、NO供給量の増加とともに煤煙再生が短時間で終了する。受動的NO利用再生事象では、最適なNO量は、周囲温度での速度論的反応速度にほぼ適合した平衡制限型のNO供給量を発生させるものであろう。そのため、反応は、反応速度支配型と拡散制限型との間の均衡点に近づくだろう。これを目的として反応物の温度および/または供給量および/または滞留時間を能動的に制御する能動的NO利用再生コンセプトが考案されるとよい。これらのアプローチは、受動的に実行されるものであれ能動的に実行されるものであれ、「従来式」NO利用再生コンセプトと呼ばれるだろう。従来式NO利用再生コンセプトは、反応速度および拡散による制限の間の均衡点に最適な形で近づくことにより、NO/煤煙反応速度を最高にするだろう。
【0029】
認識されていてもいなくても、従来式NO利用再生方法は、反応速度支配型と拡散制限型の煤煙酸化反応の間の均衡点が達成される限り、反応に供給されるNOx量のNO百分率(「NOパーセント」)を最適な形で上昇させること、および/または反応物温度を最適な形で調整することにより、煤煙再生効果および/または効率を上昇させようとするものである。従来方法で反応に供給されるNOパーセントを上昇させようとする場合には、DPFに供給されるNOパーセントあるいはDPF内の潜在的平衡NOパーセントのいずれかを上昇させることによりこれが達成され、DPF内の周囲条件であるDPFへのNOとNOとの混合物の供給により、そしてNO−NO平衡関係により、潜在的平衡NOパーセントが決定される。
【0030】
本発明の態様による方法は、従来の方法より高い煤煙再生効果または効率を達成できることを発明者らは認識している。煤煙と反応するNOの量は、反応器(DPF)へ供給されるNOの量よりはるかに多いことを発明者らは認識している。さらに、所与の時間内に煤煙と反応するNOの量は、同じ時間内に反応器を通過するNOの理論的平衡量よりやはり多いことを発明者らは認識している。本発明の態様による方法では、DPFに供給されるNO濃度およびDPF内での平衡NO濃度を低下させるとしても、煤煙酸化反応速度とNO酸化反応速度とを上昇させることにより煤煙と反応するNOの量を増加させる。こうする際に、本発明の態様による方法では、煤煙再生プロセスに対するNO再循環機構の利点を著しく高めることで、従来のNO利用の方法よりも著しく高い煤煙再生効果および効率が認められる。
【0031】
本発明の態様では、平衡制限的なNO供給量を最大化すること、または反応速度支配型と拡散制限型との間でほぼ均衡が取れた煤煙酸化反応を確立することは、必ずしも必要ではない。従来のNO利用再生が発生するエンジン動作範囲を(熱、体積流量、反応物供給の管理により)能動的に拡大することも、本発明の態様では必ずしも必要ではない。代わりに、「有効NO供給」というコンセプトが導入され、この有効供給は、平衡制限的NO供給量が減少した場合でも、従来のNO利用再生中に予想される効果よりも煤煙除去効果を高めるために向上される。本出願において有効NO供給量は、煤煙酸化に関与するNOの量として定義される。関与NOは、平衡制限的NO供給量、触媒作用DPFで酸化されたNO、再循環NOのいずれかから直接求められる。NO反応物の煤煙除去能力というコンセプトも導入される。採用される方法が平衡制限的NO供給量を減少させるとしても、同時に有効NO供給量も大きく増加させることで、平衡制限型のNO供給量の煤煙除去能力を高め、結果的に著しく高い煤煙酸化速度が得られる。従来条件下よりも少量のNOがDPFに供給されても、NOがNOに転換されてNOがDPF内の煤煙と反応する際の速度が、大量のNOがDPFに供給される従来条件下よりも高くなるように、条件が制御される。本発明の態様では、触媒反応を通して通常は1回を越えてNOが効果的に「再循環」されてNOを生成し、このNOが煤煙と反応して、触媒反応を受けるNOを再び生成する。こうして、本発明の態様により制御される条件下におけるエンジン排気中の特定量のNOxは、平衡制限型のNO供給量よりも大量の煤煙を酸化するように作用する。本発明のこの態様は、「有効NO供給強化の(DPFの)能動的NO利用再生」と呼ばれる。従来の能動的NO利用再生中の有効NO量は、主として、(用途により決定される)許容NOx量合計と、(能動的に制御されるものを含む)所与の動作条件集合についての平衡NO−NO比とによって決定される。コンセプト(方法および装置)の適用とその効果および効率の両方において、従来式NO利用再生コンセプトとここに提示されるコンセプトとの異なる目的の持つ意味が重要である。
【0032】
/煤煙反応を開始させるのに必要な活性化エネルギーは、NO/煤煙反応に必要なものより極めて高い。O/煤煙反応に必要な高い活性化エネルギーのため、触媒技術分野の現状では、ディーゼルエンジンの正常動作条件下で実際的な煤煙の受動的O利用再生を実施する能力は実証されていない。実際、効果的なO利用再生は、約600℃を上回る温度でのみ能動的に実施されていた。そのため、DPFの再生に熟知した者にとって、「能動的」再生のコンセプトおよび実行は概してO利用再生についてのものであり、用語は互換的に使用されていた。同様に、「受動的」再生およびNO利用再生のコンセプトおよび専門用語は概して互換的に広く使用されてきたが、区別が成されるべきであった。本発明では、従来のNO利用再生よりも著しく高い煤煙除去効果を持ち、NOx効率全体が改良された能動的な「再循環」NO利用再生のためのコンセプトを特定してその方法および装置を確立し、これにより能動的O利用再生の場合に匹敵するかこれを超える煤煙除去効果が、著しく低い排気温度で達成されるばかりでなく、能動的O利用再生よりも高いDPF煤煙捕集量と、広い動作範囲にわたる適用とを可能にする。NOx効率は、実質的に一杯になったDPFを効果的に再生するのに必要な時間に対して有意であるがこれを超えることのない時間にわたってDPFに供給される質量のNOx(gNOx)により除去される煤煙の質量(gC)として明白に定義されるものとする。“gC”の単位はDPFから除去された煤煙の質量であり、“gNOx”の単位は蓄積されたNOx供給物の質量である。DPF煤煙捕集量が、検討対象のシステムにおいて通常は再生が開始される煤煙捕集量の少なくとも90%である時に、DPFは実質的に一杯になったと考えられる。有意の煤煙除去速度が維持されなくなると、DPFは効果的に再生されると考えられる。有意の煤煙除去速度は、煤煙除去の大部分での煤煙除去速度について決定される。煤煙除去の大部分は、除去される煤煙全体のおよそ50%であると考えられる。
【0033】
従来の再生コンセプトと対照的に、本方法および装置の態様では、具体的にはDPFの熱管理である反応物の能動的熱管理とNOx発生の能動的制御との組合せによって、NO利用再生を能動的に最大化して、NO反応物の煤煙除去能力を強化するため、NO反応物の体積流量(そのため滞留時間)の能動的操作を可能にする。対照的に、従来のNO利用再生コンセプトでは主として、触媒剤の使用および/またはあまり一般的ではないがNOx発生の能動的制御により、NO反応物の量全体を周囲の反応物温度に適切なレベルまで上昇させるか、あるいは熱および体積流量の制御により、従来のNO利用再生が発生する動作期間を能動的に拡大しようとする。
【0034】
有効NO供給量を向上させた能動的NO利用再生の方法および装置では、NO/NO比、ゆえに平衡制限的NO供給量が低下しても、NO反応物の煤煙除去能力を最大化するというコンセプトが提示され、主としてこれを目的とする。これは実際には、主として従来のNO利用再生の場合よりも反応速度の運動項がかなり高いことにより、NO/煤煙反応が拡散制限型であることを通常は意味する。
【0035】
DPF内に捕捉された各C原子は、一つのNO分子との酸化反応(C+NO→CO+NO)、あるいは二つのNO分子との酸化反応(C+2NO→CO+2NO)に関与する。NO(46.01g/mol)およびC(12.01g/mol)のモル質量に基づいて、この反応ストイキオメトリーは、反応後の煤煙の質量が反応後のNOの質量の〜13%(1:2モル反応の場合)と26%(1:1モル反応の場合)であることを示している。粒子状物質が、普通は経験的にC8Hと表される煤煙と、それほど重要ではないが未燃焼HCsおよび不活性物質とを主として包含することは認識されている。そのため、再生の過程におけるDPF煤煙捕集量の変化が主としてCの除去に寄与すると推定するのは妥当であろう。ここで行われる計算では、DPF煤煙質量の変化は、Cの除去のみに寄与すると仮定するものとする。
【0036】
DPF内での正常な温度および滞留時間範囲におけるNOによる触媒作用DPFの受動的再生の場合、最も望ましいケースは一般的に、所与のNO分子、または最初に酸化されてNOとなるNO分子が、DPFから出る前に平均して1回未満の煤煙酸化反応を終了できることであろう。これは主として、従来の動作では、NOが反応する時間がない短い滞留時間(つまり高い排気質量流量および温度)で高いDPFおよび煤煙の温度が一般的に達成されるという事実による。同様に、滞留時間が長くなる(質量流量および温度が低くなる)と、DPFおよび煤煙の温度上昇が達成されない。
【0037】
NO利用再生試験では、特定方法の効果を評価するため、NOおよびCの反応ストイキオメトリーに関連するNO効率の測定が導入される。NO効率は、実質的に一杯のDPFを効果的に再生するのに必要な時間に対して有意であるがこれを超えることのない時間にわたって決定される、DPFから除去されたCの質量をDPFに提供されるNOの質量で割ったものとして、明白に定義される。DPF煤煙捕集量が、検討対象のシステムで通常は再生が開始される煤煙捕集量の少なくとも90%である時に、DPFは実質的に一杯であると考えられる。有意の煤煙除去速度が維持されなくなると、DPFは効果的に再生されると考えられる。有意の煤煙除去速度は、煤煙除去の大部分における煤煙除去速度に関して決定される。煤煙除去の大部分は、除去された煤煙全体のおよそ50%であると考えられる。
【0038】
DPFを効果的に再生するのに必要な時間に対して有意である時間にわたるNOおよびNOx効率を定義することにより、一時的出現に基づいて計算される、および/または、有意の煤煙除去速度がもはや維持されないポイントを超えても継続する再生を表す測定を除外することが意図されている。試験の際には、再生された煤煙の一部が流入する排気から供給され、関連する再生反応はDPF煤煙捕集量を減少させない。これは、測定されたNO効率を他の要因とともに低下させる。従来のNO利用再生についての従来の知識では、NO効率が12.01gC/46.01gNO=〜0.26gC/gNOを大きく超えることはないとされている。単位“gC”はDPFから除去された煤煙の質量であり、単位“gNO”は蓄積された平衡制限的NO供給物の質量である。それでも、(図2に見られるようなNO−NO転換の平坦部の付近またはこれを少し越えた)高い温度では、徐々に減少する平衡制限的NO供給物が温度上昇を利用できないので、NO利用煤煙酸化活動全体が著しく低下すると推定された。言い換えると、温度上昇はNO供給量を単純に低下させて、結果的により拡散制限的な反応となり、そのため反応速度を低下させることで煤煙除去全体の低下を達成する。従来の受動的NO利用再生は、実質的に一杯になったDPFを再生するのに必要な時間に対して有意であるがこれを超えない時間にわたって、0.52gC/gNOをかなり下回る、より一般的には0.26gC/gNOより低いNO効率を有する。
【0039】
しかし、提示される方法の態様において、0.52gC/gNOを大きく上回るNO効率を持ち従来のNO利用再生技術よりも著しく良好な煤煙除去結果を達成できるのは、反応物温度を能動的に上昇させることのみによる。この方法によって、0.52gC/gNOより何倍も高いNO効率が可能となる。これは、有効NO供給(必ずしも平衡制限的NO供給でない)を強化する目的でNOの煤煙除去能力を高めることによって達成される。NOの煤煙除去能力を高めるための機構は、NO再循環機構である。充分に長い滞留時間と充分に高い温度とが与えられた触媒作用DPFにおいて、煤煙と反応してNO分子を生成するNO分子が再循環されてNOとなり、これが別の煤煙酸化作用に関与することを発明者らは認識している。滞留時間、煤煙酸化およびNO酸化反応の速度論的反応速度、煤煙の有効性、酸素の有効性、そして触媒の有効性から可能となる回数だけ、このプロセスが繰り返される。
【0040】
測定基準となる「NO効率」は、提供されるモルNOごとに除去されるモルCについても定義されることに注意すべきである。しかし、NO効率はここでは主として、従来の受動的NO利用再生の性能を、有効NO供給強化の能動的NO利用再生と比較するための測定基準として使用されるため、gC/gNOに関してまたはモルC/モルNOに関して表されるかどうかは、現時点では重要であるとは考えられない。従来の受動的NO利用再生中には、NOの再循環が行われるのは当然であるが、再循環の量は、有効NO供給強化の能動的NO利用再生を介して達成されるものよりかなり低いだろうということに言及しておく。
【0041】
さらに、NO効率の測定基準は、触媒剤がDPFの上流に設けられた場合に触媒剤が有効触媒剤であると仮定したものである。有効触媒剤は、実質的には該当するガスの条件にとって可能な最高平衡レベルまでNOレベルを上昇させるものであると考えられる。他の仮定では、従来の受動的NO利用再生中に、効果的でない上流の触媒剤が低レベルのNOを伝達し、DPFの再生がたいていはDPFにおけるNOからNOへの転換の関数であって、本発明の態様による煤煙除去効果を達成することなく高いNO効率を示すという危険が生じる。ここに記すモデルおよび例は、上流の触媒剤が効果的な触媒剤であると仮定している。なんらかのシステム、つまり効果的な上流の触媒剤を含むもの、効果的でない上流の触媒剤を含むもの、触媒剤を含まないものについては、平衡制限的なNO供給は、煤煙が存在しないDPFの場合のように、NOが煤煙酸化反応に関係しない時にDPFを通過したNOの量を指すとも考えられる。
【0042】
温度を能動的に上昇させることにより(そして可能な滞留時間である限り)、提案の方法では、NO再循環機構により提供される長所を最大化しようとする。滞留時間を延長する様々な方法によりいくらかの効果が達成されるが、従来の駆動系機構では、エンジン動作ポイント(速度および負荷)によりこれが大きく左右され、そのため滞留時間を短縮する可能性が制限される。NO分子が再循環される回数を最大化することは、主として、反応物の熱管理によりNO酸化反応の運動項を増加させることによって達成されるだろう。NO再循環の回数は、平衡制限的なNO供給量が低下するよりも速く温度とともに増加するため、平衡制限的NO供給量が減少しても有効NO供給量が増加する。
【0043】
実際には、有効NO供給強化の能動的NO利用再生の最適温度は一般的に、許容範囲の最高温度であろう。この最高温度は、たいていはシステムごとに変化する、制御不能なO利用再生が発生する温度、つまり部品温度リミットからの許容安全マージンなどを含む温度でよい。しかし、動作条件が、NO再循環の実際的な最大リミットが所与の温度で達成されるようなものである場合には、さらに温度が上昇すると実際には有効NO供給を減少させるだろう。NO再循環の実際的な最大リミットは、DPF設計およびDPF壁の物理的特徴などの要因に影響される。DPF温度の上昇に使用される方法が再生性能に影響することにも注意すること。すなわち、触媒作用燃焼システムを含む炭化水素(HC)を燃焼させるシステムについては、DPFへの過剰なHCスリップはNO再循環プロセスにマイナスの影響を与える。この場合、DPF温度の上昇の結果、DPFへのHCスリップがかなり上昇する動作条件では、再生性能はマイナスの影響を受ける。
【0044】
他の制約により制限されなければ、許容可能な最高温度は、非制御O利用再生を開始させる温度に近づくが、これからの適切な安全マージンは維持する。非制御O利用再生を作動させるのに必要な温度は、触媒の特徴および煤煙密度の上昇の関数として低下する。実際には、非制御O利用再生が開始されないことと、有効NO供給強化の非常に効果的な能動的NO利用再生が達成されることの両方を保証するため、約550℃以下または約500℃以下のDPF入口温度が使用されている。非制御O利用再生が開始されない限り、煤煙除去結果を向上させる高い温度が使用されてもよい。必要であれば、煤煙酸化性能の低下が観察されるが、低い温度が使用されてもよい。
【0045】
通常、本発明の態様による方法を適用する時には、入力NOxの流れが最適な形で増加すると煤煙酸化が最大化する。そのため、許容可能な最大NOx流に課せられる制約は、煤煙除去性能、つまり所与の開始時煤煙捕集量から所与の終了時煤煙捕集量までDPFを再生するのにどれだけの時間が必要か、を低下させる。しかし、入力NOxの量はNO再循環機構に重大な影響を与えないため、入力NOx量の減少はNOx効率を大きく低下させない。概念的に述べると、NOx流全体の減少は有効NO供給流を減少させるが、NO反応物の煤煙除去能力を低下させることはない。これは、所与の煤煙量を再生するにはほぼ同じNOx総量が必要とされ、長い再生事象を単純に必要とすることを意味する。そのため、本発明の態様を用いて所与の煤煙量を再生するのにエンジンから必要とされるNOx量全体は、従来のNO利用再生事象に必要とされるものよりかなり少ない。
【0046】
反応物温度を能動的に上昇させるために付加的エネルギーが消費されなければならないことに注意すべきである。そのため、有効NO供給強化の低コストの能動的NO利用再生は、最小の時間量(つまり許容可能な最高温度、可能な最長滞留時間、許容可能な最高入力NOx量)で終了する再生である。有効NO供給強化の能動的NO利用再生の再生性能は、許容可能な最高シリンダ圧力などの基本的なエンジン制約により、多量のNOxを発生させる能力において制限を受ける。同様に、有効NO供給強化の能動的NO利用再生を開始させる能力は、最低触媒温度を必要とするDOCシステムなど、反応物温度を能動的に調整する能力によって制限される。
【0047】
SCRなどのNOx後処理装置は、この方法の実行に必要ではないが、DPFから出る高いNOxレベルの完全または部分的な低下を可能にするだろう。NOx発生は(質量流量の操作とともに)、エンジン制御(噴射タイミング、噴射圧力、ターボチャージャベーン位置、EGRバルブ位置を含む)を通して達成される。有効NO供給強化の能動的NO利用再生中の最適な(または許容可能な最高の)NOx発生、排気ガス温度、そしてDPF滞留時間のために考案された代替的な制御戦略が、ECUにより実行および開始される。後処理炭化水素噴射器は、DOCの上流に燃料を噴射する。噴射された燃料はDOCにおいて酸化されて排気ガス温度を上昇させることで、DPFと捕捉された煤煙との温度を上昇させる。さらにDOCは、入力されたNOx量からNO供給を発生させる。DOCで発生されるNO量が次にDPFに送られ、ここで上記の方法および機構にしたがって煤煙酸化が実行される。
【0048】
DOC内でNO分子からNOが一度に生成されることが観察されるはずである。しかし図1に図示されているように、NO再循環機構により、触媒作用DPF内で数回にわたってNOがNO分子から再生成されてもよい。本発明の態様では、有効なNOの発生の大半がDPF内で行われるため、DOCは必要ない。そのため、バーナシステム、電気加熱システム、マイクロ波システムなど、反応物温度を能動的に調整することがさらに可能な触媒作用DPFを備えるシステムが、本方法の実行に使用されるのである。コンセプトおよび方法を説明および記載するのに使用される図のシステムは、この方法が実行されるすべてのシステムを代表するためのものではない。
【0049】
触媒技術分野の現状では、ディーゼルエンジンの所定の高排気温度動作期間での従来のNO利用再生を可能にするが、能動的O利用再生について実証されたものよりは効果が低い。そのため、多くの用途では、従来のNO利用再生のみに頼るだけでは、必要な煤煙除去レベルを満たすのに充分でなく、能動的O利用再生と、能動的O利用および従来のNO利用再生との組合せのいずれかが採用されている。しかし、発熱および反応速度が制御されるというO/煤煙反応の性質のため、制御不能なO利用再生を回避するための制約が必要とされる。すなわち、最少の排気質量流量および最大の許容可能DPF煤煙捕集量という要件が維持されなければならないのである。最少排気質量流量の制約は、実際に実行される時に不完全な再生が発生する可能性を高める。最大DPF煤煙捕集量は、DPF再生がどれほどの頻度で必要とされるかなどを決定するだろう。
【0050】
有効NO供給強化の能動的NO利用再生方法の拡散制限という性質により、制御不能なNO煤煙酸化反応は発生しない。本発明の態様により、非制御O利用再生を開始させることが可能である。しかし、有効NO供給強化の方法および装置による能動的NO利用再生の態様により、排気質量流量の制約が軽減される。同様に、本発明の態様により、非制御O利用再生を開始させるのに必要なDPF煤煙密度が著しく上昇する。高い許容可能DPF煤煙捕集レベルのため、あまり頻繁に再生をしなくてよい。ある用途では、許容可能DPF煤煙捕集レベルが高いので、最高DPF煤煙捕集レベルより低いがO利用再生システムで可能であるものよりは高い平衡煤煙捕集レベルに達する結果となる。そのため、正常な状況でのこれらの用途では、能動的再生が必要ではない。しかし、異常な作業、部品の故障、または他の原因のためDPF捕集が予想の平衡状態を超えて上昇し続ける場合にも、有効NO供給強化の能動的NO利用再生によって、O利用再生では可能ではない安全な再生が可能である。
【0051】
さらに、有効NO供給強化の能動的NO利用再生は、同等の効果を持つO利用再生よりもかなり低い温度を達成でき、これにより関連の排気後処理装置へのマイナスの性能影響および故障の可能性を低下させる。これは、SCRなど、煤煙濾過再生システムの下流の部品を含むだろう。
【0052】
図3Aは、従来のNO利用再生の例と有効NO供給強化の能動的NO利用再生の例とをグラフで示している。例1および2は従来のNO方法を用いた再生結果を示すのに対して、例3Aおよび3Bは、本発明の態様を用いた再生結果を示す。図3Aにグラフで示された再生の事象時間合計が、図3Bの表に示されている。これらの再生の事象時間合計は試験システムの暖機に費やされた時間を含んでおり、ゆえに下の表1に示されたNOxおよびNOは、正常な再生条件に達した後の期間のみについてNOxおよびNOの量が測定された場合よりもおそらくわずかに低い。しかし、暖機期間が含まれない場合には、例1および2の従来NO利用再生と例3Aおよび3Bの有効NO供給強化の能動的NO利用再生との間の差はさらに劇的に好ましいものとなると予想される。
【0053】
例1,2,3Aおよび3Bで説明される試験はすべてエンジン動力計で実施され、エンジンは同じエンジン速度およびブレーキトルクで作動した。また各試験に同じ機器が使用された。エンジンはUS2010 Volvo MD11L B−Phase大型ディーゼルエンジンであり、排気後処理システムはVolvo US2010 MD11用のFleetguard B−Phase DOCおよびDPFであった。DOCおよびDPFは貴金属酸化触媒を含んでおり、使用された加熱機構はDOCへのHC噴射であった。
【0054】
試験方法は、煤煙捕集量測定について以下のように行われた。DPFで捕集を行う所定の煤煙捕集ルーチンでエンジンが作動した。吸湿による誤差を回避するためDPFは高温で計量され、開始時煤煙捕集量が計算された。DPFが再度設置され、測定時間長にわたって所望の再生方法が実施された。再生の直後に、高温重量が記録され、新たな煤煙捕集量が計算され、煤煙捕集量の変化が判断された。この時点で、例1および2について、1回か2回の付加的再生がそれぞれ実施され、各再生後の新たな煤煙捕集量が測定された。所望の回数の再生が終了すると、効果の高い方法を用いて延長時間にわたってDPFが再生された。
【0055】
表1は、四つの例の主要統計の要約、つまり除去された煤煙質量、蓄積されたNOxおよびNO、計算されたNOxおよびNO効率、消費燃料合計を示す。NOxおよびNO効率計算に使用される蓄積NOxおよびNOの量を判断するため、DPF入口におけるNOxおよびNOの総和が求められた。蓄積されたNOを判断するため、ここではNOパーセントと呼ばれるNOxに対するNOの百分率を決定するように、DOCのNO転換効率のモデルがすべての例について作成された。さらに、例3Aおよび3Bの条件を繰り返した試験では、例3Aおよび3Bで達成された不測の結果を確認するためNOが測定された。
【0056】
【表1】

【0057】
例1および2では、NOx発生を増加させるため、そしてHC噴射の補助なしで排気ガス温度をできる限り上昇させるため、エンジンが較正された。NOx発生と排気ガス温度との間にはトレードオフが存在する。例1では、より高い排気ガス温度のためにトレードオフが行われたのに対して、例2ではより高いNOx質量流量のためにバイアスが加えられた。結果的に得られた例1および2のDPF流入温度はおよそ350〜390℃の範囲であり、平均DPF温度はおよそ325〜375℃であった。
【0058】
これらの平均DPF温度は、典型的なデューティサイクルの少なくとも一部での運転中、典型的な受動的NO利用再生で見られるものに近づく。分析がより容易な定常状態試験を行うため、従来の方法と有効NO供給強化の能動的NO利用再生との間の適正な比較を表す例であると考えられる。
【0059】
例3Aおよび3Bは、有効NO供給強化の能動的NO利用再生が二つの異なる再生時間で実施されたことを示す。例3Aおよび3Bでは、例2よりもNOxをさらに上昇させるようにエンジンが較正された。さらに、DPF入口温度をおよそ490℃に制御するためDOCに対するHC噴射が用いられ、その結果、平均DPF温度はおよそ470℃となった。ここで従来技術と呼ばれるものによる再生(例1および2)は、有効NO供給強化の能動的NO利用再生(例3Aおよび3B)よりも時間がかかる傾向があることが、例1,2,3A,3Bの比較から分かる。また、有効NO供給強化の能動的NO利用再生のNOx効率およびNO効率が、従来技術のNOx効率およびNO効率よりもかなり高くなる傾向がある。
【0060】
ディーゼルエンジン23に関して特に有益な排気後処理システム(EATS)21が図4に示されている。EATS21は、ディーゼルエンジン23の下流のディーゼル微粒子フィルタ(DPF)25を包含する。DPF25は、エンジン23から排気ガス流を受け取るように構成されている。
【0061】
有効NO供給強化の能動的NO利用再生を実施するため、ディーゼルエンジン構成は、NOx含有ガスを触媒作用DPF25へ導入するように構成されたディーゼルエンジン23を包含する。NOx含有ガスの質量流量は、可変バルブタイミング、シリンダ作動停止、または従来とは異なる駆動系機構の使用など、適当な方法で制御されるとよい。有効NO供給強化の能動的NO利用再生では、通常は、DPFの上流のエンジンシリンダでの局所的火炎温度を調節することにより、DPF25の入口でのNOxレベルが制御される。また、DPF25、NOx含有ガス、および/またはDPF内の煤煙のうち少なくとも一つの温度を制御するように加熱機構47が構成されている。NOx含有ガスが触媒と反応してNO分子を生成し、その後で煤煙粒子と反応してCO、CO、NO分子を生成して、0.52gC/gNOより高い、より好ましくは約1.04gC/gNOより高いNO効率を達成するように温度を制御することにより、加熱機構を制御して、有効NO供給強化の能動的NO利用再生を補助するように、制御装置53が構成されている。
【0062】
加熱機構47は、DPFの上流でディーゼルエンジン排気流に炭化水素を噴射することによりDPF25とNOx含有ガスの少なくとも一方の温度を制御するように構成された炭化水素噴射機構を包含する。加熱機構は、炭化水素と反応して、排気ガス温度を上昇させる、および/または、NOからNOへの転換を促進するため、DPFの上流のDPF25またはDOC43などの触媒を包含する。加熱機構47は、炭化水素を燃焼させるためのバーナを包含する。加熱機構47は、煤煙を加熱するための電気加熱機構またはマイクロ波機構など、NOx含有ガス流の代わりにDPF25を加熱するタイプのものでよい。
【0063】
通常はDPF25の下流のポイント31から通常はDPFの上流のポイント33まで再循環されるNOおよび/またはNOまたはその両方を含むガスの再循環を可能にするため、導管29が設けられている。受動的または能動的な従来のNO利用再生の間およびO利用再生の間ばかりでなく、有効NO供給強化の能動的NO利用再生の間に、NOおよび/またはNOを再循環させることが有益である。DPF25についての「DPFの下流」および「DPFの上流」という表現は、DPFの実質的部分の下流または上流であるDPF上のポイント、つまり導管29がDPFの入口の下流の第1ポイントにおよび第1ポイントの下流の別のポイントに接続するように導管がDPF上の一つ以上のポイントに直接接続するという構成ばかりでなく、ポイント31および33がDPFから離間している構成を含むものとする。DOCなどの酸化触媒がDPFの上流(DOC43)または下流(DOC2 43’)に設けられて、上流の酸化触媒の入口とDPFの出口との間のポイントなどから分岐ポイントの上流のポイントまで再循環が行われるなど、他の構成も可能である。再循環の分岐が、DPFの下流の酸化触媒DOC2 43’からである場合には、再循環はDPFの出口の上流のポイントまでである。理論上、少なくとも一部のNOx(NO、Oと反応してNOを生成するにはNO、および/またはその両方)が再循環されるように、酸化触媒(設けられる場合)またはDPFの入口の下流の分岐ポイントから分岐ポイントの上流のポイントまで再循環が行われればよい。
【0064】
再循環したNOをOと反応させてNOを生成するように反応領域が構成されるとよい。反応領域は、空気またはO(以下、「空気/O」と呼ばれる)が噴射され再循環NOと混合されてNOを生成するポイント35を含む領域37を包含する。反応領域は、触媒の存在下で再循環NOがOと反応してNOを生成する領域を付加的または代替的に包含する。触媒の存在下で再循環NOがOと反応する領域は、触媒がDPFにある領域39であるが、触媒の存在下で再循環NOがOと反応する領域は、DPFの上流のディーゼル酸化触媒(DOC)43を触媒が包含する領域41である。反応領域は、反応領域37,39,41のうち一つ以上に加えて、NOがOと反応する他の領域を包含し、これらの領域を設ける目的は、ただNOとOとの反応を促進してNOを生成することである。
【0065】
空気/Oは、DPF25の下流および下流のDOC2 43’の上流に噴射される。これは例えば、NOがDPF25へ再循環されるようにDOC2 43’においてNOからNOへの転換を促進するのに有益である。再生を向上させる目的で、排気後処理システムの何らかの箇所に空気/Oが噴射されてもよい。
【0066】
NOの再生、または再循環NOからNOを生成した後にNOを用いて煤煙を酸化してCO、CO、NOを生成してからNOをNOに再循環させて、少なくともさらに1回の煤煙酸化反応を終了させてDPF25を再生することは、「再循環NOxを用いた有効NO供給強化の(DPFの)能動的NO利用再生」と呼ばれるものとする。NOxを再循環させる方法は、再生効果を高めるばかりでなく、調整後にシステムから出るNOxを増加させずにこれを行う。触媒作用DPFにおけるNO滞留時間を増加させるためなど、このDPFでのNO再循環とNOx再循環の両方が一緒に有効に使用されることが考えられる。有効NO供給強化の能動的NO利用再生(触媒作用DPFを含まなければならず、NOx再循環を伴う必要はない)と、再循環NOxを用いたNO利用再生(触媒作用DPFを伴う必要はない)の両方は、反応速度制限と拡散制限との間の均衡点に近づこうとする従来のNO利用再生と対照的である。有効NO供給強化の能動的NO利用再生と、再循環NOxを用いたNO利用再生の両方も、実質的にすべての煤煙がOとの反応により除去されて、従来のNO利用再生、有効NO供給強化の能動的NO利用再生、または再循環NOxを用いるNO利用再生よりもかなり高い温度(触媒作用DPFについては約600℃から約625℃、触媒作用のないDPFについては660℃まで、また時には660℃を超える)で一般的に実施される能動的O利用再生と対照的である。能動的O利用再生はまた、後処理炭化水素噴射器などの加熱機構47など、DPFの入口45での排気流の加熱を一般的に伴う。
【0067】
NOx排出物を削減するため、選択的触媒還元後処理装置(SCR)49などのNOx後処理装置がDPF25の下流に設けられるとよい。空気/Oが噴射される反応領域37は、DPF25の下流とSCR49の上流に配置されてもよいが、通常は、DPFと、設けられるならばDOC43との上流に配置される。しかし状況によっては、DPF25の下流に空気/Oを噴射することが有益であるかもしれない。あるいは空気/Oの噴射ポイント35がDOC43(設けられるならば)の下流であってもよい。再循環NOxを用いたNO利用再生のために、導管を再循環したガスが、再循環NOと反応してNOを生成する噴射空気/Oの少なくとも一部を含むように、導管29、より詳しくはDPF25の下流にある導管のポイント31が、空気/Oが噴射される領域51の下流に配置されてもよい。
【0068】
温度モニタ52が設けられ、これが、DPF25またはDPFの入口45の温度を制御するため例えば一つ以上のコンピュータまたはマイクロプロセッサを包含する一つ以上のECUなどの制御装置53と関連する。温度モニタ52は通常、DPF25の入口45またはその上流に配置される。通常、有効NO供給強化の能動的NO利用再生の間の温度は、約550℃以下または約500℃以下に維持され、通常は最低で450℃に維持される。「約」何度以下として温度が表記される場合、温度がこの特定値を少量だけ超えてもよく、少量以上に特定値を超えることが一時的に発現してもよいことは言うまでもない。温度を所望の温度範囲内まで上昇させるため、加熱機構47は制御装置53により制御される。温度が所望範囲を上回る場合には、制御装置53を介してバルブ55を制御することにより噴射領域37に外部の空気/Oを導入するなど、適切な冷却手段が取られてもよい。SCR49の温度を制御するため、または再循環NOとOとの混合を制御するために、DPF25の下流の空気/Oライン51(設けられる場合)のバルブ56を制御装置53が制御してもよい。
【0069】
上記の温度範囲が約550℃以上に近づく間に、通常、多量の煤煙捕集量を持つDPFで制御不能な再生が起こる危険が高くなる。約550℃以下の温度では、理論上、有効NO供給強化の能動的NO利用再生の間に、除去された煤煙の3分の2未満、おそらくは半分未満がOとの反応により除去される。ガス中のO分子との酸化によりDPFから除去されてCOおよびCO分子を生成する煤煙質量の理論的百分率の評価(煤煙除去における「O関与」と短縮した言葉でも表されるものとする)は、実質的に一杯になったDPFの有効再生の長さに対して有意であるがこれを超えることのない時間にわたって行われなければならない。有意の煤煙除去速度が維持されなくなると、DPFは効果的に再生されたと考えられる。有意の煤煙除去速度は、煤煙除去の大部分における煤煙除去速度について決定される。煤煙除去の大部分とは、除去される煤煙全体のおよそ50%であると考えられる。DPF煤煙捕集量が、通常は検討対象のシステムにおいて再生が開始される煤煙捕集量の少なくとも90%である時に、DPFは実質的に一杯であると考えられる。様々な理由から、理論上、実際に発生するよりも高いO関与を示唆する傾向があることが現在認識されている。
【0070】
約550℃以下の温度では、有効NO供給強化の能動的NO利用再生中に発生するようにDPFの入口でのNOxレベルが制御されない場合には、実質的にすべての煤煙除去がOとの反応によるものである低速の再生が実施される。有効NO供給強化の能動的NO利用再生を介した温度の制御およびNOxレベルの制御は、通常、再生効果を実質的に上昇させる。
【0071】
通常、除去される煤煙の3分の2以上がOとの反応により除去されるのに充分なほど温度が上昇する時に、この温度は、一般的にある種のO利用再生の低い温度範囲と関連する温度に近づくが、このようなO利用再生では、理論上、有効NO供給強化の能動的NO利用再生のようにNOxは制御されないため、実質的にすべての煤煙除去がOにより実施される。有効NO供給強化の能動的NO利用再生のようにDPFの入口でのNOxレベルが制御されて、除去される煤煙の3分の2以上がOとの反応により除去されるのに充分なほど温度が上昇すると、多量の煤煙を捕集したDPFには非制御再生の危険が生じることがある。
【0072】
ガス中のO分子による酸化つまりO関与によりCOおよびCO分子を生成する、有効NO供給強化の能動的NO利用再生中などに何らかの方法でDPFから除去された煤煙質量の百分率を判断するための、有益であるが必ずしも限定的ではない技術は、一連の経験的試験、すなわち一連の経験的再生を伴い、DPFを効果的に再生するのに必要な時間に対して有意であるがこれを超えることのない同じ時間にわたって、各再生が行われた。有意の煤煙除去速度が維持されなくなると、DPFは有効に再生されたと見なされるものとする。有意の煤煙除去速度は、煤煙除去の大部分における煤煙除去速度に関して決定される。煤煙除去の大部分は、除去される煤煙全体のおよそ50%であると考えられる。
【0073】
関与を判断するために考案された技術は、以下のように進行する。
(A)DPFが効果的にクリーニングされる。DPFのクリーニングのための様々な適当な方法は周知であり、DPFをクリーニングするのに使用される特定の方法は、この方法がかなり一貫した結果をもたらさなければならず、同じ方法が一貫して使用されるべきであることを除いて、特に重要であるとは考えられない。
(B)ステップ(A)に続いて、検討対象のシステムで通常、再生が開始される煤煙捕集量の少なくとも90%までDPFで捕集が行われる。DPFで捕集を行うための特定条件および方法は、かなり一貫した結果をもたらすべきであり、同じ条件および方法が一貫して使用されるべきである。
(C)ステップ(B)に続いて、DPFを効果的に再生するのに必要な時間に対して有意であるがこれを超えることのない時間にわたって、有効NO供給強化のNO利用再生など、調査対象の方法によってDPFが再生される(「調査的再生」)。再生中の煤煙除去全体が測定される。
(D)ステップ(C)に続いて、DPFが再び効果的にクリーニングされる。
(E)ステップ(D)に続いて、調査的再生と同じ開始時煤煙捕集量まで(あるいは妥当な捕集量近くまで)DPFで捕集が行われる。
(F)ステップ(E)に続いて、調査的再生の時間と等しい時間、相対的再生方法によってDPFが再生される(「相対的再生」)。相対的再生は、DPFの入口でのNOxレベルがDPFの再生に対して有意であるレベルまで低下していることを除いて、調査的再生と同一の方法で実施される。相対的再生の終了時に、煤煙除去合計が測定される。
(G)相対的再生による煤煙除去合計が調査的再生の煤煙除去合計で割られて、調査的再生中にガス中のO分子による酸化によりDPFから除去されてCOおよびCO分子を生成する煤煙質量の最大画分が決定される。
【0074】
有効に再生を行うのに必要な時間に対して有意である時間におけるO関与を規定することにより、一時的出現に基づいて計算される、およびまたは、有意の煤煙除去速度がもはや維持されないポイントを超えても継続する再生を表す測定値を除外することが意図されている。
【0075】
ここに説明される技術は、調査的再生中にOにより除去される煤煙質量の実際の画分を過大評価したものであると予想され、そのためO関与の従来基準である。より正確な経験的および/または理論的技術は、上述した方法により実証されると予想されるものよりさらに低いO関与レベルを示すことがある。
【0076】
制御装置53は、再循環ガスから生成されるかこれによって運搬されるNOにより煤煙の少なくとも一部が酸化される再循環NOxを用いるNO利用再生が中止または開始されるように、また、再循環NOxを用いるNO利用再生が中止されると、再循環なしで煤煙が酸化される、従来の、または有効NO供給強化の能動的NO利用再生による再生動作が発生するように、導管29のバルブ57を開閉することなどにより導管におけるNOxの再循環を開始および中止するようにも構成されている。再循環NOxを用いたNO利用再生が完全に中止、一部中止、または最大容量で作動するように、導管29のバルブ57は通常、全開および全閉を含む複数の位置に加えて、全開と全閉との間の位置へ調節可能である。再循環NOxを用いてNO利用再生が調節可能であると、エンジン23からのNOx発生の制御および/またはDPFの再生速度の制御を促進することができる。
【0077】
制御装置53は、加熱機構47を制御して、有効NO供給強化の能動的NO利用再生または再循環NOxを用いたNO利用再生が少なくとも部分的に中止された時に、DPF25の入口45での温度が排気流中のOでDPF内の煤煙を酸化するのに充分なほど上昇する能動的O利用再生動作を開始させるようにも構成されている。煤煙捕集レベルが充分に低い時に、DPFの入口45の温度を上昇させること、DPF25の温度を上昇させること、煤煙の温度を上昇させることなどにより、この方法は少なくとも部分的に中止され、能動的O利用再生が開始される。
【0078】
圧力センサ機構59はDPF25に関連した構成を持ち、DPFにおける圧力低下に対応する信号を制御装置53に送るのに適している。DPF25における圧力低下は(DPFにおける体積流量とともに)DPFの煤煙捕集量と関係を持っていることが多い。様々な再生方法を伴う様々な再生方式が実施されてもよい。例えば、DPF25における圧力低下または他に煤煙捕集を示すものに応じて、様々な再生方法を実施するように再生方式が考案されてもよい。高い煤煙捕集レベルでは、O利用再生と関連する温度は一般的に、DPFにダメージを与える可能性のある制御不能再生を起こさせるのに充分なほど高い。有効NO供給強化の能動的NO利用再生と一般的に関連した、O利用再生に関する低い温度はまだ、煤煙捕集レベルがまだ高い時にDPFにダメージを与える制御不能O利用再生反応を開始させるのに充分なほど高い。このような高い煤煙捕集レベルでは、従来のNO利用再生、つまり0.52gC/gNOより低いNO効率を持つNO利用再生とともに再生方式が開始してから、DPF25における圧力低下(または他に煤煙捕集を示す基準)が低い煤煙捕集レベルを示した後で、有効NO供給強化の能動的NO利用再生に切り換わる。表示された煤煙捕集量がさらに低下すると、能動的O利用再生が開始される。従来のNO利用再生、有効NO供給強化の能動的NO利用再生、能動的O利用再生のいずれかでは、再循環NOxを用いたNO利用再生(NOおよび/またはNOの再循環を伴う)が同時に実施されることが可能である。また、従来のNO利用再生、有効NO供給強化の能動的NO利用再生、能動的O利用再生のいずれかでは、再循環NOxを用いてこの再生がNO利用再生に切り換わるか、その逆が行われる。
【0079】
通常は、DPFの上流のエンジンシリンダの局所的火炎温度を調節することにより、従来の、および/または有効NO供給強化の能動的NO利用再生、および/またはエンジン23からのNOx発生の速度を調節する目的で排気ガス流のNOxレベルを調節するようにも、制御装置53は構成されている。これは例えば、燃料噴射システム61の燃料噴射タイミングおよび/または燃料噴射圧力、ターボチャージャ63のベーン位置、EGRバルブ65の位置のうち一つ以上の適切な調節により、さらにすべて制御装置53により制御されるスロットルなど他のアクチュエータにより、達成される。このようにして、従来のNO利用再生、有効NO2供給強化の能動的NO利用再生、再循環NOxを用いたNO利用再生に利用可能なNOxに加えて、EATS21からのNOx排出物が調節される。一般的に、有効NO供給強化の能動的NO利用再生では、環境関連法により一般的に規定されるレベルである、DPFの入口のNOxレベルをガスが通常有するレベルよりも高くすることにより、これが制御される。NOxレベルが制御される程度は一般的に、異なるサイズのディーゼルエンジンのような特定のNOx発生源と他の動作条件などの要因に左右され、システムごとに大きく変化する。
【0080】
導管にポンプを設けることなどにより、導管29内のガスを再循環させるための機械的手段67(点線で図示)が設けられるか、例えばDPFの上流の排気ライン69を通るガス流から生じるベンチュリ効果によりガスが再循環される。
【0081】
本発明の態様によるDPF25を再生するための方法では、CO、CO、NOが生成されるように触媒作用DPF25の煤煙がNOで酸化される。この方法によれば、NOx含有ガスが触媒作用DPF25に導入され、DPF、捕捉された煤煙、NOx含有ガスの少なくとも一つの温度が加熱機構47などによって制御され、NOx含有ガスが触媒と反応して、後に煤煙粒子と反応してCO、CO、NO分子を生成するNO分子を生成して、NO効率が0.52gC/gNOより高くなるように、そしてDPFから除去された煤煙質量の3分の2未満がガス内のO分子によって酸化されてCOおよびCO分子を生成するように、DPFの入口でのNOxレベルが制御される。
【0082】
DPF25、捕捉された煤煙、NOx含有ガスの少なくとも一つの温度は、この温度が約550℃以下、約500℃以下、少なくとも450度を上回るように通常は制御される。DPF25の下流からのNOxは、DPFの上流、通常は、設けられたDPFの上流のディーゼル酸化触媒(DOC)43の上流に再循環される。DOC43の入口の温度は、DOCの上流のディーゼルエンジン排気流に炭化水素を噴射することなどによって制御される。
【0083】
DPFへ流入するNOx含有ガスの組成を調節するため、様々な措置が取られる。空気/OはDPFの上流に噴射される。DPFの上流のエンジンシリンダの局所的火炎温度を調節することなどにより、DPFの上流のディーゼルエンジンのNOx発生が調節される。
【0084】
DPFからのNOの少なくとも一部を再循環させて一つ以上の反応領域37,39,および/または41で再循環NOをOと反応させることでNOを生成することにより、再循環NOxを用いたDPF25のNO利用再生が実施される。再循環NOxを用いたNO利用再生の間、DPF25内の煤煙を酸化させたNOの少なくとも一部は、再循環ガスから生成されるかこれにより運搬されたNOである。DPF25の入口45の温度は通常、この温度が約500℃であって少なくとも450℃を上回るように、触媒作用DPFを用いて実施される時に有効NO供給強化の能動的NO利用再生および再循環NOxを用いたNO利用再生の間に制御される。
【0085】
再循環NOxを用いたNO利用再生の間、DPF25の下流のポイント31からのNOxは、DPFの上流のポイント33へ再循環される。Oが再循環NOと反応して再循環NOを生成する反応領域37などで、能動的再生中に空気/OがDPF25の上流に噴射される。付加的または代替的に、DOC43の反応領域41および/または触媒作用DPF25の反応領域39などで、能動的再生中に触媒の存在下で再循環NOがOと反応する。
【0086】
DPF25から出て再循環されないNOxガスは、DPFの下流のSCR49などで、NOxレベルを低下させるように処理される。空気/OはDPFの下流およびSCRの上流のポイント51に噴射され、噴射された空気/Oの一部は再循環NOxとともに再循環されて、再循環NOxを用いたNO利用再生に使用するためのNOの生成を促進する。噴射された空気/Oは、SCR49の入口での温度を制御するのにも使用される。
【0087】
エンジンのシリンダの局所的火炎温度を制御することなどにより、DPF25の上流のディーゼルエンジン23において制御装置53などによりNOx発生が制御される。これは、例えば、燃料噴射システム61の燃料噴射のタイミングおよび圧力、ターボチャージャ63のベーン位置、EGRバルブ65の位置を調節することによって達成される。このようにして、従来のNO利用再生、または有効NO供給強化の能動的NO利用再生、または再循環NOxを用いたNO利用再生に有効なNOxが、EATS21からのNOx排出物とともに調節される。
【0088】
DPFにおける煤煙捕集レベル、またはDPF25の圧力低下のように煤煙捕集レベルなどを示す何らかの特徴に基づいて、能動的O利用再生が制御装置53などにより開始される。また、導管29のバルブ57を閉じることなどにより、再循環NOxを用いたNO利用再生が終了され、再循環NOなしの煤煙の酸化を含む能動的O利用再生または従来のNO利用再生または有効NO供給強化の能動的NO利用再生が実施される。このようにして、DPFの再生速度および/またはEATS21からのNOx排出物が調節される。
【0089】
本出願では、“including(を含む)”の使用は非限定的であり、“comprising(を包含する)”などの語と同じ意味を持つが、他の構造、材料、作用の存在を除外するものではない。同様に、“can”または“may”の語の使用は、非制限的であることとその構造、材料、作用が必要でないことを表す意図を持つが、このような語を使用しなくても、構造、材料、作用が不可欠であることを表す意図はない。この構造、材料、作用が現時点で不可欠であると考えられる限り、そのように明記される。
【0090】
好適な実施形態にしたがって本発明を図示および説明したが、請求項に提示される本発明から逸脱することなく変形および変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0091】
10 触媒
11 ディーゼル微粒子フィルタ
12 煤煙
21 EATS(排気後処理システム)
23 ディーゼルエンジン
25 DPF(ディーゼル微粒子フィルタ)
29 導管
31 分岐ポイント
33 吐出ポイント
35 噴射ポイント
37 噴射領域
39,41 反応領域
43 DOC(ディーゼル酸化触媒)
43’ DOC2(ディーゼル酸化触媒2)
45 入口
47 加熱機構
49 SCR(選択的触媒還元後処理装置)
51 空気/Oライン
52 温度モニタ
53 制御装置
55,56,57 バルブ
59 圧力センサ機構
61 燃料噴射システム
63 ターボチャージャ
65 EGRバルブ
67 機械的手段
69 排気ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための方法であって、
CO、CO、NOが生成されるように前記DPF内の煤煙をNOで酸化することにより前記DPFを再生することと、
分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流のポイントまで少なくとも一部のNOを再循環させることと、
前記再循環NOをOと反応させることによりNOを生成することと、
を包含し、
前記DPFの再生中に、前記DPF内の煤煙を酸化する前記NOの少なくとも一部が再循環NOから生成される、
方法。
【請求項2】
触媒作用DPFにおいて前記再循環NOをOと反応させることによりNOを生成することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
再生中に前記DPFと前記DPFの入口の直近のNOx含有ガス流との少なくとも一方の温度が約500℃であるように前記温度を制御することを包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
再生中に前記DPFと前記DPFの入口の直近のNOx含有ガス流との少なくとも一方の温度を約450℃より上に維持することを包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
再生中に触媒の存在下で前記再循環NOをOと反応させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分岐ポイントの上流においてディーゼル酸化触媒(DOC)の上流にNOを再循環させることを包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
空気とOの少なくとも一方を前記DPFの上流に噴射することを包含する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
NOの再循環を中止することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記DPFの上流においてエンジンのシリンダの局所的火炎温度を調節してNOx発生を調節することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
空気とOの少なくとも一方を噴射することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための排気後処理システムであって、
NOx含有排気ガス流を前記エンジンから受け取るように構成された、ディーゼルエンジンの下流のDPFと、
分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流のポイントまで少なくとも一部のNOを含むガスの再循環を可能にするための導管と、
再循環NOをOと反応させて、前記DPF内の煤煙を酸化するのに適したNOを生成するように構成された反応領域と、
を包含する排気後処理システム。
【請求項12】
前記反応領域が、空気とOの少なくとも一方が噴射されて前記再循環NOと混合され、NOを生成する領域を包含する、請求項11に記載の排気後処理システム。
【請求項13】
前記反応領域が、前記再循環NOが触媒の存在下でOと反応してNOを生成する領域を包含する、請求項11に記載の排気後処理システム。
【請求項14】
前記触媒が前記DPF内の触媒を包含する、請求項13に記載の排気後処理システム。
【請求項15】
前記触媒が、前記DPFの上流のディーゼル酸化触媒(DOC)を包含する、請求項13に記載の排気後処理システム。
【請求項16】
前記DOCの入口の温度を制御するための加熱機構を包含する、請求項15に記載の排気後処理システム。
【請求項17】
温度モニタと、前記NOが前記DPF内の煤煙を酸化する前記DPFの能動的NO利用再生の間に、前記DPFの入口の温度が約500℃であるように前記温度を制御するための制御装置とを包含する、請求項11に記載の排気後処理システム。
【請求項18】
前記DPFの入口の温度を制御するための加熱機構を包含する、請求項11に記載の排気後処理システム。
【請求項19】
前記導管にバルブを包含し、全開と全閉とを含む複数の位置に前記バルブが調節可能である、請求項11に記載の排気後処理システム。
【請求項20】
全開と全閉との間の位置へ前記バルブの位置を制御するように構成された制御装置を包含する、請求項19に記載の排気後処理システム。
【請求項21】
前記導管においてガスを機械的に再循環させるための手段を包含する、請求項10に記載の排気後処理システム。
【請求項22】
再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための方法であって、
CO、CO、NOが生成されて前記DPFに少なくともCO、CO、NO、NOが存在するように、前記DPF内の煤煙をNOで酸化することにより前記DPFを再生することと、
分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流まで少なくとも一部のNOを再循環させることと、
を包含し、
前記DPFの再生中に、前記DPF内の煤煙を酸化する前記NOの少なくとも一部が再循環NOである、
方法。
【請求項23】
再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のNO利用再生を実施するための排気後処理システムであって、
ディーゼルエンジンからNOx含有排気ガス流を受け取るように構成された、前記エンジンの下流のDPFと、
分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流の吐出ポイントまでの少なくとも一部のNOを含むガスの再循環を可能にして、再循環NOによる前記DPF内の煤煙の酸化を可能にするための導管と、
を包含する排気後処理システム。
【請求項24】
ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)を再生する方法であって、
CO、CO、NOが生成されるように前記DPF内の煤煙をNOで酸化することにより前記DPFを再生することと、分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流のポイントまで少なくとも一部のNOを再循環させることと、前記再循環NOをOと反応させることによりNOを生成することとを包含して、前記DPFの再生中に前記DPF内の煤煙を酸化する前記NOの少なくとも一部が再循環NOから生成される、再循環NOxを用いてディーゼル微粒子フィルタのNO利用再生を実施することにより前記DPFを少なくとも部分的に再生する第1再生を実施することと、
従来のNO利用再生と、有効NO供給強化の能動的NO利用再生と、能動的O利用再生のうち少なくとも一つを実施することにより、前記DPFを少なくとも部分的に再生する第2再生を実施することと、
を包含する方法。
【請求項25】
前記第2再生の前に前記第1再生が実施される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2再生の後に前記第1再生が実施される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第2再生中に、少なくとも一部のNOが再循環されて、再循環NOをOと反応させることによりNOを生成し、前記第2再生中に、前記DPF内の煤煙の少なくとも一部が再循環NOから生成されたNOにより酸化される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)を再生する方法であって、
CO、CO、NOが生成されて前記DPF内に少なくともCO、CO、NO、NOが存在するように前記DPF内の煤煙をNOにより酸化することにより前記DPFを再生することと、少なくとも一部のNOを分岐ポイントから前記分岐ポイントの上流まで再循環させることとを包含し、前記DPFの再生中に前記DPF内の煤煙を酸化する前記NOの少なくとも一部が再循環NOである、再循環NOを用いてディーゼル微粒子フィルタのNO利用再生を実施することにより前記DPFを少なくとも部分的に再生する第1再生を実施することと、
従来のNO利用再生と、有効NO2供給強化の能動的NO利用再生と、能動的O利用再生とのうち少なくとも一つを実施することにより、前記DPFを少なくとも部分的に再生する第2再生を実施することと、
を包含する方法。
【請求項29】
前記第2再生の前に前記第1再生が実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2再生の後に前記第1再生が実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第2再生中に少なくとも一部のNOが再循環され、前記第2再生中に前記DPF内の前記煤煙の少なくとも一部が再循環NOにより酸化される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
空気とOの少なくとも一方を排気ガス流に噴射することを包含する、ディーゼル微粒子フィルタの再生を強化するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−511898(P2011−511898A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546086(P2010−546086)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/033512
【国際公開番号】WO2009/100413
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(508205718)マック トラックス インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】