説明

処理システム及び処理サーバ装置並びにプログラム

【課題】リーダ・ライタ装置を備える携帯端末を使って、処理サーバ装置にアクセスする処理システムにおいて、不正なアクセスを抑制して、安全性の高い処理システムを提供する。また、かかる処理システムを構成する処理サーバ装置並びにプログラムを提供する。
【解決手段】処理サーバ装置1に、携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別情報登録部105と、前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された情報と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に記録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可部101と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末と、通信回線を介して該携帯端末に接続される処理サーバ装置とを含む処理システム、及び、該処理システムを構成する処理サーバ装置、並びに、コンピュータにインストールされて当該コンピュータを該処理サーバ装置として機能させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型ICカード(例えば FeliCa(登録商標))は、読み出し・書き込み装置(リーダ・ライタ装置)との間で無線通信を行う手段を内蔵したICカードであり、リーダ・ライタ装置を使ってカードに内蔵された半導体メモリに情報を書き込み、該半導体メモリに記録された情報を読み出すことができる。
【0003】
そのため、非接触型ICカードは電子マネー(例えば、EdyやSuica(いずれも登録商標))用の記録媒体として広く普及している。つまり、非接触型ICカードに、電子マネーとして利用する金額に関する情報(以下、「価値情報」という)を記録することが、広く行われている。
【0004】
電子マネーの利用者は、電子マネーシステムを運営する事業者が設置する自動チャージ機を使って、価値情報を非接触型ICカードに記録して(チャージして)いる。また、電子マネーによる支払いは、支払先の店舗等に設置されたディスチャージ機を使って、非接触型ICカードに記録された価値情報を書き換えて行っている。利用者が自分の非接触型ICカードの利用可能金額(残額)を確認する場合も、自動チャージ機を使う必要がある。
【0005】
また、電子マネーシステムを運営する事業者が、来店回数や購入金額に応じた便益(例えば、値引きや景品の提供)を利用者に供与するために、電子マネーの使用実績(使用回数、使用金額)に応じたポイントを非接触型ICカードに記録することがある。また、異なる事業者から付与されたポイントを相互に付け替えて、利用した店舗等とは別の店舗等で便益の提供を受けられるようなサービス(例えば、家電量販店での買い物で貯めたポイントを、レンタルビデオ店のポイントに付け替えて、DVDのレンタル料金の値引きを受けるサービス)もある。このような、ポイントの記録や付け替えも、自動チャージ機やディスチャージ機で行われる。以下、非接触型ICカードの使用実績に応じて非接触型ICカードに記録されて、何らかの便益と交換されるポイントを「プレミアムポイント」ということにする。
【0006】
また、非接触型ICカードには、その電子マネーの利用者(非接触型ICカードの所有者)の氏名、住所、電話番号等の情報(以下、「利用者情報」という)を記録することがある。また、その他の情報を非接触型ICカードに記録することもある。そして、このような利用者情報やその他の情報を確認する場合にも、自動チャージ機等を利用する必要がある。なお、本明細書では、利用者情報及びその他の情報(つまり、非接触型ICカードに記録される情報のうち、価値情報以外のものを総称して)を「付加情報」ということにする。
【0007】
このように、非接触型ICカードには、価値情報に加えて、各種のデータが記録されているが、利用者は自分の非接触型ICカードに記録された情報にアクセスするために、自動チャージ機等が設置された場所に赴く必要があるので、非常に煩わしい。そこで、リーダ・ライタ装置を備える携帯電話機を使って、非接触型ICカードに記録された情報にアクセスするシステム等が各種、提案されている。
【0008】
例えば、特許文献1では、携帯電話機に非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を備えて、銀行のコンピュータシステムと通信して、価値情報を銀行の預金口座から非接触型ICカードにチャージするシステムを提案している。
【0009】
また、特許文献2では、リーダ・ライタ装置を備えた携帯電話機を使って携帯電話会社が運営するインターネットサイトにアクセスして、該インターネットサイトから価値情報を携帯電話機にダウンロードし、更に該情報を非接触型ICカードにチャージするシステムを提案している。なお、チャージされた価値情報に相当する金額は、通話料金に上乗せされて、後日、携帯電話会社から利用者に請求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−222498号公報
【特許文献2】特開2005−190151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1及び特許文献2に記載のシステムは、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を備えた携帯電話機を使って、非接触型ICカードに電子マネーの価値情報をチャージするので、利用者は価値情報のチャージの為に、自動チャージ機が設置された場所に出向く必要がない。そのため、利便性が向上する。
【0012】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のシステムは、利用者が送信するパスワード等の照合だけで、該利用者が預金口座の名義人であることや、携帯電話の契約者であることを確認しているので、不正を十分に防止できないという問題がある。
【0013】
つまり、特許文献1及び特許文献2に記載のシステムは、預金口座の名義人あるいは携帯電話の契約者が非接触型ICカードの名義人(利用者)と同一であるか否かについてのチェックを行わないので、他人の非接触型ICカードへ価値情報が不正にチャージされることを防止できないという問題がある。
【0014】
本発明は、このような背景の下でなされたものであり、リーダ・ライタ装置を備える携帯端末を使って、処理サーバ装置にアクセスする処理システムにおいて、不正なアクセスを抑制して、安全性の高い処理システムを提供することを目的とする。また、かかる処理システムを構成する処理サーバ装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る処理システムは、少なくとも、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末と、通信回線を介して前記携帯端末に接続される処理サーバ装置と、を含む処理システムにおいて、前記処理サーバ装置は、携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別子登録手段と、前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された情報と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に登録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る処理サーバ装置は、通信回線を介して、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末に接続される処理サーバ装置において、携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別子登録手段と、前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された記録と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に登録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るプログラムは、通信回線を介して、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末に接続されるコンピュータにインストールされて、当該コンピュータを、携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別子登録手段と、前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された情報と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に登録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可手段と、を備える処理サーバ装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯端末から送信される非接触型ICカードに固有の識別子と当該携帯端末に固有の識別子のペアが、識別子登録手段に事前に登録されたペアと一致した場合に限って、処理サーバ装置へのアクセスを許可するので、不正なアクセスを抑制することができる。そのため、システムの安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を示す処理システムの構成図である。
【図2】非接触型ICカードの概念的な構成図である。
【図3】携帯電話機の概念的な構成図である。
【図4】携帯電話基地局の概念的な構成図である。
【図5】処理サーバ装置の概念的な構成図である。
【図6】処理サーバ装置の機能的な構成図である。
【図7】アクセス許可プログラムの概念的なフローチャートである。
【図8】操作メニュー提示プログラムの概念的なフローチャートである。
【図9】携帯電話機に表示される画像の例である。
【図10】情報提示プログラムの概念的なフローチャートである。
【図11】携帯電話機に表示される画像の例である。
【図12】ポイント付替プログラムの概念的なフローチャートである。
【図13】携帯電話機に表示される画像の例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体的な実施形態の一例を、図を参照しながら説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る処理システムは、非接触型ICカード2が装着された携帯電話機3を、電話回線を介して処理サーバ装置1に接続して構成される。
【0022】
処理サーバ装置1は、携帯電話機3と通信して、携帯電話装置3に情報を送信するコンピュータである。また、携帯電話機3と処理サーバ装置1の間には、携帯電話事業者が運営する携帯電話基地局4があって、携帯電話基地局4と処理サーバ装置1の間は、有線又は無線回線で接続されている。
【0023】
非接触型ICカード2は、図示しない電子マネーシステムの価値情報記録媒体であり、図2に示すように、無線部21、CPU22、及びメモリ23を備えて、前記電子マネーシステムを構成する自動チャージ機等(不図示)との間で通信を行って、価値情報及び付加情報を記録する。
【0024】
携帯電話機3は、図3に示すように、無線部31、音声やデータの変復調を行う変復調部32、チャネルコーディック部33、CPU34、及び音声処理部35を備える携帯電話機であり、無線部31を介して携帯電話基地局4に無線接続される。また、携帯電話機3は非接触ICカードリーダ・ライタ装置36を備えて、非接触型ICカード2からのデータの読み出し、データの書き込みを行うことができる。
【0025】
なお、CPU34には表示部34a、操作部34b、ブザー34c及びメモリ37が、音声処理部35にはマイク35a及びレシーバ35bがそれぞれ接続されている。
【0026】
携帯電話基地局4は、図4に示すように、無線部41、変復調部42、チャネルコーディック部43及び音声処理部44を直列に接続して構成されている。また、チャネルコーディック部43にはCPU45が接続され、CPU45にはメモリ46が接続されている。更に音声処理部44及びCPU45には、回線インターフェース(I/F)47が接続され、回線インターフェース47は交換機48に接続される。
【0027】
処理サーバ装置1は、図5に示すように、回線インターフェース(I/F)11、CPU12、操作部13、表示部14、及びメモリ15からなるコンピュータであり、回線インターフェース(I/F)11は携帯電話基地局4の交換機48に接続される。
【0028】
処理サーバ装置1は、以上のような物理的構成を有するが、CPU12に所定のプログラムをインストールし、メモリ15を機能別に分割することによって、処理サーバ装置1は、図6に示すような機能的な構成を備える。すなわち、処理サーバ装置1は、アクセス許可部101、操作メニュー提示部102、情報提示部103及びポイント付替部104を備える。これらは、CPU12にインストールされたプログラムによって実現される機能モジュールであり、これらの機能モジュールの具体的な機能は、後述する。
【0029】
また、処理サーバ装置1は、識別情報登録部105、価値情報記録部106、利用者情報記録部107、ポイント情報記録部108及び一時データ記録部109を備える。これらは、アクセス許可部101ないしポイント付替部104で参照される各種データを記録する情報記録手段であり、メモリ15の記憶領域を分割して実現される。
【0030】
識別情報登録部105は、アクセス許可部101で参照される識別情報を登録する情報記録手段である。ここで、識別情報とは、下記の表1に示すような、非接触型ICカード2の固有の番号と携帯電話機3の電話番号のペアである。非接触型ICカード2の利用者は、特定の非接触型ICカード2について、処理サーバ装置1にアクセスする際には、特定の携帯電話機3を使用することを決めておいて、その特定の非接触型ICカード2の固有の番号と特定の携帯電話機3の電話番号のペアを事業者に届け出るようにしていて、届けられたペアが識別情報登録部105に登録される。
【0031】
【表1】

【0032】
価値情報記録部106には、非接触型ICカード2の固有の番号と、その非接触型ICカード2に、現にチャージされている利用可能残高(価値情報)が、表2に示すような形式で記録されている。
【表2】

【0033】
利用者情報記録部107には、非接触型ICカード2の固有の番号と、その非接触型ICカード2の利用者情報(例えば、利用者の氏名)が、表3に示すような形式で記録されている。
【表3】

【0034】
ポイント情報記録部108には、非接触型ICカード2に付与されているプレミアムポイントが、表4に示すような形式で記録されている。
【表4】

【0035】
一時データ記録部109は、非接触型ICカード2に付与されているプレミアムポイントを、他の非接触型ICカード2に付け替えるときに、そのプレミアムポイントが一時的に記録される。
【0036】
さて、前述したように、処理サーバ装置1のCPU12には、所定のプログラムがインストールされて、これらのプログラムを実行することによって、アクセス許可部101等の機能モジュールが機能する。そこで、CPU12にインストールされるプログラムを、前述の機能モジュールと対応させながら説明する。
【0037】
非接触型ICカード2の利用者が、処理サーバ装置1にアクセスしようとするとき、利用者は、その非接触型ICカード2を携帯電話機3の非接触型ICカードリーダ・ライタ装置36(図3参照)に装着して、携帯電話基地局4(図1、図4参照)を介して、処理サーバ装置1を呼び出すと、アクセス許可プログラムが起動される。
【0038】
アクセス許可プログラムは、CPU12にインストールされて、アクセス許可部101(図6参照)の機能を実現するプログラムである。以下、図7を参照しながらアクセス許可プログラムによる処理を説明する。
【0039】
アクセス許可プログラムが起動されると、処理サーバ装置1は、携帯電話機3に識別情報、つまり、携帯電話機3に装着された非接触型ICカード2固有のカード番号と携帯電話機3の電話番号を送信するように要求する(ステップS01)。
【0040】
携帯電話機3から送信されたカード番号と電話番号を受信すると、処理サーバ装置1は、そのカード番号と電話番号のペアを、識別情報登録部105(図6参照)に登録されている情報と照合する(ステップS02)。つまり、携帯電話機3から送信された、カード番号と電話番号のペアが、利用者が電子マネーシステムへの加入する際に届け出られて、識別情報登録部105に登録されたカード番号と電話番号のペアと一致するか否かを調べる。
【0041】
携帯電話機3から送信されたカード番号と電話番号のペアが、識別情報登録部105に登録されたカード番号と電話番号のペアが一致すれば(ステップS03:YES)、処理サーバ装置1は、携帯電話機3からのアクセスを許可して、操作メニュー提示プログラムを起動(ステップS04)して、アクセス許可プログラムによる処理を終える。
【0042】
一方、携帯電話機3から送信されたカード番号と電話番号のペアが、識別情報登録部105に登録されたカード番号と電話番号のペアと一致しなければ(ステップS03:NO)、処理サーバ装置1は、携帯電話機3からのアクセスを拒絶して(ステップS05)、つまり処理サーバ装置1と携帯電話機3の間の通信を遮断して、アクセス許可プログラムによる処理を終える。
【0043】
さて、操作メニュー提示プログラムは、CPU12にインストールされて、操作メニュー提示部102(図6参照)の機能を実現するプログラムであり、前述したように、アクセス許可プログラムのステップS04を実行すると起動される。以下、操作メニュー提示プログラムによる処理を、図8を参照しながら説明する。
【0044】
操作メニュー提示プログラムが起動されると、処理サーバ装置1は携帯電話機3に操作メニューを送信する(ステップS11)。携帯電話機3が操作メニューを受信すると、携帯電話機3の表示部34aには、図9に示すような画像が表示され、利用者は、その画像に従って、操作部34bを操作する。すなわち、利用者が各種情報の提示を求める場合は、”1”のキーを、プレミアムポイントの付け替えを求める場合は、”2”のキーをそれぞれ押し下げる。
【0045】
利用者が”1”のキーを押し下げると(ステップS12:YES)、処理サーバ装置1は、情報提示プログラムを起動して(ステップS13)、操作メニュー提示プログラムによる処理を終わる。
【0046】
利用者が”2”のキーを押し下げると(ステップS14:YES)、処理サーバ装置1は、ポイント付替プログラムを起動して(ステップS15)、操作メニュー提示プログラムによる処理を終わる。
【0047】
利用者が”1”、”2”以外のキーを押し下げた場合(ステップS12:NO)、(ステップS14:NO)、あるいは所定の時間内に操作部34bを操作しなかった場合は、処理サーバ装置1は、携帯電話機3からのアクセスを終了して(ステップS16)、つまり処理サーバ装置1と携帯電話機3の間の通信を遮断して、処理を終える。
【0048】
情報提示プログラムは、CPU12にインストールされて、情報提示部103(図6参照)の機能を実現するプログラムであり、前述したように、メニュー提示プログラムのステップS13を実行すると起動される。以下、情報提示プログラムによる処理を、図10を参照しながら説明する。
【0049】
情報提示プログラムが起動されると、処理サーバ装置1は携帯電話機3に操作メニューを送信する(ステップS21)。
【0050】
携帯電話機3が操作メニューを受信すると、携帯電話機3の表示部34aには、図11に示すような画像が表示され、利用者は、その画像に従って、操作部34bを操作する。すなわち、利用者が価値情報の提示を求める場合は、”1”のキーを、利用者情報の提示を求める場合は、”2”のキーを、プレミアムポイントの提示を求める場合は、”3”のキーをそれぞれ押し下げる。
【0051】
利用者が”1”のキーを押し下げると(ステップS22:YES)、処理サーバ装置1は、価値情報記録部106(図6参照)から、携帯電話機3に装着されている非接触型ICカード2に係る価値情報を読み出して、携帯電話機3に送信(ステップS23)して、
情報提示プログラムによる処理を終わる。また、価値情報を受信した携帯電話機3はそれを表示部34aに表示する。
【0052】
利用者が”2”のキーを押し下げると(ステップS24:YES)、処理サーバ装置1は、利用者情報記録部107(図6参照)から、携帯電話機3に装着されている非接触型ICカード2に係る利用者情報を読み出して、携帯電話機3に送信(ステップS25)して、情報提示プログラムによる処理を終わる。また、利用者情報を受信した携帯電話機3はそれを表示部34aに表示する。
【0053】
利用者が”3”のキーを押し下げると(ステップS26:YES)、処理サーバ装置1は、ポイント情報記録部108(図6参照)から、携帯電話機3に装着されている非接触型ICカード2に付与されているプレミアムポイントを読み出して、携帯電話機3に送信(ステップS17)して、情報提示プログラムによる処理を終わる。また、プレミアムポイントを受信した携帯電話機3はそれを表示部34aに表示する。
【0054】
利用者が”1”、”2”、”3”以外のキーを押し下げた場合(ステップS22:NO)、(ステップS24:NO)、(ステップS26:NO)、あるいは所定の時間内に操作部34bを操作しなかった場合は、処理サーバ装置1は、携帯電話機3からのアクセスを終了して、つまり処理サーバ装置1と携帯電話機3の間の通信を遮断(ステップS28)して、処理を終える。
【0055】
ポイント付替プログラムは、CPU12にインストールされて、ポイント付替部104(図6参照)の機能を実現するプログラムであり、前述したように、メニュー提示プログラムのステップS15を実行すると起動される。以下、ポイント付替プログラムによる処理を、図12を参照しながら説明する。
【0056】
ポイント付替プログラムが起動されると、処理サーバ装置1は携帯電話機3に操作メニューを送信する(ステップS31)。携帯電話機3が操作メニューを受信すると、携帯電話機3の表示部34aには、図13に示すような画像が表示され、利用者は、その画像に従って、操作部34bを操作して、付け替えるポイントと付け替え先のカードを指定する。
【0057】
付け替えるポイントと付け替え先のカードを、処理サーバ装置1が受信すると、ポイント情報記録部108(図6参照)から、携帯電話機3に装着されている非接触型ICカード2に付与されているプレミアムポイントの内、利用者が指定したポイントを取り出して、一時データ記録部109(図6参照)に書き込む(ステップS32)。
【0058】
次に、処理サーバ装置1は、一時データ記録部109に書き込まれたプレミアムポイントを付け替える非接触型ICカード2を携帯電話機3に装着するように要求するメッセージを携帯電話機3に送信する(ステップS33)。メッセージを受信した携帯電話機3は、そのメッセージを表示部34aに表示して、利用者に非接触型ICカード2の差し替えを促す。そして、利用者は付替え先の非接触型ICカード2を携帯電話機3の非接触型ICカードリーダ・ライタ装置36(図3参照)に装着する。
【0059】
付け替え先の非接触型ICカード2が携帯電話機3に装着されたら、その非接触型ICカード2に固有のカード番号と携帯電話機3の電話番号のペアを、識別情報登録部105(図6参照)に登録された情報と照合し、カード番号と電話番号のペアが識別情報登録部105に登録されていなければ(ステップS34:NO)、ステップS33に戻って、再度、利用者に非接触型ICカード2の差し替えを促す。
【0060】
カード番号と電話番号のペアが識別情報登録部105に登録されていれば(ステップS34:YES)、先に一時データ記録部109に書き込まれたポイントを、ポイント情報記録部108の、付け替え先の非接触型ICカード2に付与されているプレミアムポイントに加算する(ステップS35)。
【0061】
最後に、一時データ記録部109に書き込まれたポイントを消去して(ステップS36)、処理を終える。
【0062】
以上説明したように、処理サーバ装置1は、識別情報登録部105を備えて、携帯電話機3に固有の識別子(電話番号)と非接触型ICカード2に固有の識別子(固有の番号)のペアを登録している。また、処理サーバ装置1はアクセス許可部101を備えて、処理サーバ装置1に接続された携帯電話機3に固有の識別子(電話番号)とその携帯電話機3に装着された非接触型ICカード2に固有の識別子(固有の番号)のペアを識別情報登録部105に登録されたペアと照合して、同一のペアが識別情報登録部105に登録されている場合にだけ、以後のアクセスを許可している。そのため、不正なアクセスが抑制され、処理システムの安全性が向上する。
【0063】
なお、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲において、応用、変形、改良して実施することができる。
【0064】
例えば、上記実施形態に係る処理サーバ装置1では、携帯電話機3に固有の識別子(電話番号)と非接触型ICカード2に固有の識別子(固有の番号)のペアを照合して、アクセスを許可しているが、これに、他の保護手段(例えば、パスワードの入力と照合、生体認証など)を追加することは任意である。
【0065】
また、上記実施形態では、非接触型ICカード2を電子マネーの記録媒体として使用する場合を例にしたが、本発明の対象は電子マネーの記録媒体として使用される非接触型ICカードには限定されない。身分証や会員証あるいはプレミアムポイントの記録媒体など各種の用途に使用される非接触型ICカードについて本発明を適用することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、携帯端末の例として携帯電話機3を示したが、本発明の携帯端末は携帯電話機3に限定されない。通信回線を介して処理サーバ装置に接続可能な端末であれば、種類や形式は問われない。例えば、インターネットを介して処理サーバ装置に接続される携帯型パーソナルコンピュータ等も携帯端末として使用することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、処理サーバ装置1に所定のプログラムをインストールして、アクセス許可部101等の機能を実現する例を示したが、本発明の処理サーバ装置は、このような汎用のハードウェアと専用のソフトウェアを組み合わせた装置には限定されない。アクセス許可部101等を専用のハードウェアで構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、例えば、電子マネーとして使用される非接触型ICカードを装着した携帯端末(携帯電話等)を使って、その非接触型ICカードに係る各種情報を照会する処理システム、及び該処理システムを構成する処理サーバ装置として有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 処理サーバ装置
2 非接触型ICカード
3 携帯電話機
4 携帯電話基地局
11 回線インターフェース
12 CPU
13 操作部
14 表示部
15 メモリ
21 無線部
22 CPU
23 メモリ
31 無線部
32 変復調部
33 チャネルコーディック部
34 CPU
35 音声処理部
36 非接触ICカードリーダ・ライタ装置
41 無線部
42 変復調部
43 チャネルコーディック部
44 音声処理部
45 CPU
46 メモリ
47 回線インターフェース
48 交換機
101 アクセス許可部
102 操作メニュー提示部
103 情報提示部
104 ポイント付替部
105 識別情報登録部
106 価値情報記録部
107 利用者情報記録部
108 ポイント情報記録部
109 一時データ記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末と、通信回線を介して前記携帯端末に接続される処理サーバ装置と、を含む処理システムにおいて、
前記処理サーバ装置は、
携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別子登録手段と、
前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された情報と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に登録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可手段と、を備える
ことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
前記処理サーバ装置は、
前記非接触型ICカードに固有の情報を記録する情報記録手段と、
前記携帯端末から要求があった場合に、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の情報を前記情報記録手段が読み出して、前記携帯端末に送信する情報送信手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記非接触型ICカードに固有の情報は、価値情報である
ことを特徴とする請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記非接触型ICカードに固有の情報は、付加情報である
ことを特徴とする請求項2に記載の処理システム。
【請求項5】
前記付加情報は、非接触型ICカードの利用に応じて付加されるプレミアムポイントである
ことを特徴とする請求項3に記載の処理システム。
【請求項6】
前記処理サーバ装置は、
ある非接触型ICカードを装着した携帯端末が前記処理サーバ装置にアクセスした場合に、当該携帯端末から要求があった場合に、当該非接触型ICカードに付与されているプレミアムポイントを前記情報記録手段から読み出して、当該プレミアムポイントを、当該後にアクセスされた携帯端末に装着された別の非接触型ICカードのプレミアムポイントとして、前記情報記録手段に書き込むポイント付け替え手段を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
通信回線を介して、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末に接続される処理サーバ装置において、
携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別子登録手段と、
前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された情報と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に登録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可手段と、を備える
ことを特徴とする処理サーバ装置。
【請求項8】
通信回線を介して、非接触型ICカード用のリーダ・ライタ装置を有する携帯端末に接続されるコンピュータにインストールされて、
当該コンピュータを、
携帯端末に固有の識別子と非接触型ICカードに固有の識別子とのペアを、事前に登録する識別子登録手段と、
前記携帯端末からアクセス要求があった場合に、当該携帯端末に固有の識別子と、当該携帯端末に装着された非接触型ICカードに固有の識別子のペアを、前記識別子登録手段に登録された情報と照合して、当該ペアが前記識別子登録手段に登録されている場合に、当該携帯端末によるアクセスを許可するアクセス許可手段と、を備える処理サーバ装置として機能させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−257432(P2010−257432A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110115(P2009−110115)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】