説明

処理液吐出装置、洗浄ユニット及び洗浄方法

【課題】ヘッドのノズル面に残留する微細液晶の効率的な除去を実現する。
【解決手段】本発明の処理液吐出装置では、ヘッドのノズル面を洗浄するヘッド洗浄ユニットにて、ヘッドのノズル面に残留する微細液晶を効率的に除去できるように、残留する液晶に気体を噴射してサクションノズル方向に押し出す噴射ノズルを1つ又は複数個設ける。更に、噴射ノズルとサクションノズルとの間隔を調節するための水平駆動部材や、噴射ノズルの吐出口の高さを調節するための昇降部材や、噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を調節するためにの圧力調節手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は処理液吐出装置、洗浄ユニット及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、携帯形コンピューター等の電子機器の表示部として、液晶表示装置が広く利用されている。この液晶表示装置では、ブラックマトリックス、カラーフィルター、共通電極及び配向膜が形成されたカラーフィルター基板と、薄膜トランジスターTFT、画素電極、及び配向膜が形成されたアレイ基板との間の空間に液晶を注入し、液晶の異方性にしたがう光の屈折率の差異を利用して映像効果を得る。
【0003】
カラーフィルター基板とアレイ基板との上に配向液や液晶を塗布する装置として、インクジェット方式の塗布装置が使用されている。しかし、基板に液晶を塗布した後にヘッドに残留する液晶を洗浄する際に、ここでの洗浄が円滑に行われないと、ヘッドに微細な液晶が残ってしまう。このため、基板に塗布される液晶の膜均一度が低下するという問題点が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公開第10−2010−0036166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ヘッドのノズル面に残留する微細な液晶を効率的に除去することのできる処理液吐出装置、洗浄ユニット及び洗浄方法を提供することにある。
【0006】
なお、本発明の目的はここに制限されず、その他の目的については、下の記載から当業者であれば明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を達成するために本発明の実施形態による処理液吐出装置は、インクジェット方式の処理液吐出装置において、ベースと、前記ベースに設置され、基板が置かれる基板支持ユニットと、前記基板支持ユニットの移動経路の上部に配され、前記基板の上にインクジェット方式に薬液を吐出するヘッドが結合されたジェントリーと、前記ベースに設置され、前記ヘッドのノズル面を洗浄するヘッド洗浄ユニットと、を含み、前記ヘッド洗浄ユニットは、前記ヘッドに向かうように形成されたサクションホールを有するサクションノズルと、前記サクションノズルの上部に位置されたヘッドに向かうように形成された吐出口を有する噴射ノズルが1つ又は複数個設けられる気体噴射ユニットと、を含むこと特徴とする。
【0008】
また、前記噴射ノズルを水平方向に移動させる水平駆動部材をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記水平駆動部材が、前記ベース上面に結合されたガイド部材と、前記ガイド部材に沿って直線移動するスライダーと、前記スライダーを駆動させる水平駆動器と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記噴射ノズルが複数個設けられ、前記水平駆動部材が各々の前記噴射ノズルに結合されて独立的に駆動することを特徴とする。
【0011】
また、前記噴射ノズルが複数設けられ、前記噴射ノズルの吐出口の終端の高さが各々異なることを特徴とする。
【0012】
また、前記噴射ノズルが複数個設けられ、前記噴射ノズルの吐出口の終端の高さを独立的に調節するために前記噴射ノズルに各々結合される昇降部材をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記噴射ノズルが複数個設けられ、前記噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を独立的に調節するために前記噴射ノズルに各々結合される圧力調節手段をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
上述した課題を達成するために、本発明の実施形態による洗浄ユニットは、処理液のノズルを洗浄する洗浄ユニットにおいて、上方に向かうように形成されたサクションホールを有するサクションノズルと、前記サクションノズルの上方に位置されたヘッドに向かうように形成された吐出口を有する噴射ノズルが少なくとも1つ設けられる気体噴射ユニットと、を含み、前記噴射ノズルは、第1噴射ノズルと第2噴射ノズルを具備し、前記第1噴射ノズルと前記第2噴射ノズルとは前記サクションノズルに向かって前記サクションノズルと一列に配列され、前記第1噴射ノズルの吐出口の終端の高さと第2噴射ノズルの吐出口の終端の高さとが相違することを特徴とする。
【0015】
また、前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルを水平方向に移動させる水平駆動部材をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記第1噴射ノズルを水平方向に移動させる第1水平駆動部材と、前記第2噴射ノズルを水平方向に移動させる第2水平駆動部材と、をさらに含み、前記第1水平駆動部材と前記第2水平駆動部材とが独立的に制御されることを特徴とする。
【0017】
また、前記第1噴射ノズルの吐出口の高さを調節する第1昇降部材と前記第2噴射ノズルの吐出口の高さを調節する第2昇降部材とをさらに含み、前記第1昇降部材と前記第2昇降部材とが独立的に制御されることを特徴とする。
【0018】
また、前記第1噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を調節する第1圧力調節手段と、前記第2噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を調節する第2圧力調節手段と、をさらに含み、第1圧力調節手段と第2圧力調節手段とが独立的に制御されること特徴とする。
【0019】
上述した課題を達成するために、本発明の実施形態による洗浄方法は、処理液吐出装置の洗浄方法において、複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が近い噴射ノズルが処理液のノズルに残留する液晶に向かって気体を噴射して液晶をサクションノズル方向に押し出した後、複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が遠い噴射ノズルが残留する液晶に向かって再び気体を噴射して液晶をサクションノズル方向に押し出し、サクションノズルに吸入して洗浄することを特徴とする。
【0020】
また、前記複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が近い噴射ノズルの吐出口の高さが前記複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が遠い噴射ノズルの吐出口の高さより低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ヘッドのノズル面に残留する微細な液晶を効率的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】インクジェット方式液晶塗布設備の構成を示す図面である。
【図2】図1の液晶吐出部の斜視図である。
【図3】図1の液晶吐出部の平面図である。
【図4】図3の第1駆動ユニットを示す図面である。
【図5】図3の第2駆動ユニットを示す図面である。
【図6】ジェントリーの直線移動及び回転過程を示す図面である。
【図7】図2及び図3のヘッド移動ユニットの側面を示す図面である。
【図8】図7の第1移動ユニットの正面図である。
【図9】ノズル検査ユニットを示す図面である。
【図10】ヘッド洗浄ユニットの一実施形態を概略的に示す図面である。
【図11】ヘッド洗浄ユニットの他の実施形態を概略的に示す図面である。
【図12】図11のヘッド洗浄ユニットの一部を概略的に示す図面である。
【図13】ヘッド洗浄ユニットのその他の一実施形態を概略的に示す図面である。
【図14】図13のヘッド洗浄ユニットの一部を示す拡大断面図である。
【図15】ヘッド洗浄ユニットの一部に対する他の実施形態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下においては、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。上述した本発明が解決しようとする課題、課題解決手段、及び効果は、添付図面とこれに関連した実施形態を通じて、容易に理解されるものである。各図面は説明を明確にするために一部が簡略、或いは誇張に表現されている。各図面の構成要素に参照番号を付するに際して、同一な構成要素に対しては、他の図面の上においてもできるだけ同一の符号を付している。また、本発明を説明するに際して、関連した公知構成や機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略している。各図面は単なる例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0024】
以下においては、液滴を吐出するインクジェット方式で対象物に処理液を塗布する設備と、これを利用して対象物に処理液を塗布する方法について説明する。
【0025】
例えば、対象物は液晶表示パネルのカラーフィルターCF基板又は薄膜トランジスターTFT基板であり、処理液は液晶(Liquid Crystal)、配向液、溶媒に顔料粒子が混合された赤色R、緑色G、青色Bのインキである。配向液としてはポリイミド(polyimide)が使用される。
【0026】
配向液は、カラーフィルターCF基板と薄膜トランジスターTFT基板との全面に塗布され、液晶は、カラーフィルターCF基板、又は薄膜トランジスターTFT基板の全面に塗布される。インキは、カラーフィルターCF基板の上に格子模様のパターンで配列されたブラックマトリックスの内部領域に塗布される。
【0027】
本実施形態では、処理液に液晶を使用する設備を例として説明したが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。
【0028】
図1はインクジェット方式の液晶塗布設備1の構成を示す図面である。図1の液晶塗布設備1は、液滴を吐出するインクジェット方式で基板S(図2、図3等参照)に液晶を塗布する設備である。
【0029】
基板Sは、液晶表示パネルのカラーフィルターCF基板又は薄膜トランジスターTFT基板であり、液晶は、カラーフィルターCF基板、又は薄膜トランジスターTFT基板の全面に塗布される。
【0030】
図1に示すように、液晶塗布設備1は液晶吐出部10、基板移送部20、ローディング部30、アンローディング部40、液晶供給部50、及びメーン制御部90を含む。液晶吐出部10と基板移送部20とは第1方向Iに一列に配置され、互に隣接するように位置する。液晶吐出部10を中心に基板移送部20と対向する位置には、液晶供給部50とメーン制御部90とが配置される。液晶供給部50とメーン制御部90とは、第2方向IIに一列に配置される。基板移送部20を中心に液晶吐出部10と対向する位置にローディング部30とアンローディング部40とが配置される。ローディング部30とアンローディング部40とは第2方向IIに一列に配置される。
【0031】
ここで、第1方向Iは液晶吐出部10と基板移送部20との配列方向であり、第2方向IIは水平面上で第1方向Iと垂直になる方向であり、第3方向IIIは第1方向Iと第2方向IIに垂直となる方向である。
【0032】
液晶が塗布される基板Sは、ローディング部30に搬入される。基板移送部20はローディング部30に搬入された基板Sを液晶吐出部10に移送する。液晶吐出部10は液晶供給部50から液晶が供給され、液滴を吐出するインクジェット方式で基板Sの上に液晶を吐出する。液晶吐出が完了されると、基板移送部20は液晶吐出部10からアンローディング部40に基板Sを移送する。液晶が塗布された基板Sはアンローディング部40から搬出される。メーン制御部90は液晶吐出部10、基板移送部20、ローディング部30、アンローディング部40、及び液晶供給部50の全ての動作を制御する。
【0033】
図2は図1の液晶吐出部10の斜視図であり、図3は図1の液晶吐出部10の平面図である。図2及び図3に示すように、液晶吐出部10はベースB、基板支持ユニット100、ジェントリー200、ジェントリー移動ユニット300、インクジェットヘッドユニット400、ヘッド移動ユニット500、液晶供給ユニット600、個別ヘッド制御ユニット700、液晶吐出量測定ユニット800、ノズル検査ユニット900、及びヘッド洗浄ユニット1000を含む。
【0034】
以下においては、液晶吐出部10の各々の構成について、詳細に説明する。
【0035】
ベースBは、一定な厚さを有する直六面体形状である。ベースBの上面には基板支持ユニット100が配置される。基板支持ユニット100は基板Sが置かれる支持板110を有する。支持板110は四角形状の板である。支持板110の下面には回転駆動部材120が連結される。回転駆動部材120は回転モーターである。回転駆動部材120は支持板110に垂直となる回転中心軸を中心に、支持板110を回転させる。
【0036】
支持板110が回転駆動部材120によって回転されれば、基板Sは支持板110の回転によって回転される。液晶が塗布される基板Sに形成されたセルの長辺方向が第2方向IIに向かう場合、回転駆動部材120はセルの長辺方向が第1方向Iに向かうように基板Sを回転させる。
【0037】
支持板110と回転駆動部材120とは、直線駆動部材130によって第1方向Iに直線移動される。直線駆動部材130はスライダー132とガイド部材134とを含む。回転駆動部材120はスライダー132の上面に設置される。ガイド部材134はベースBの上面中心部にて第1方向Iに長くなるように延長される。スライダー132にはリニアモーター(図示せず)が内装でき、スライダー132はこのリニアモーターによって、ガイド部材134に沿って第1方向Iに直線移動される。
【0038】
ジェントリー200は支持板110が移動される経路の上部に配される。ジェントリー200は、ベースBの上面から上方向に離隔し、その横方向が第2方向IIに向かうように配置される。インクジェットヘッドユニット400はヘッド移動ユニット500によってジェントリー200に結合される。インクジェットヘッドユニット400はヘッド移動ユニット500によってジェントリー200の横方向、即ち、第2方向IIに直線移動し、また第3方向IIIに直線移動される。
【0039】
ジェントリー移動ユニット300はジェントリー200を第1方向Iへ直線移動させるか、或いはジェントリー200の横方向が第1方向Iに傾いた方向に向かうようにジェントリー200を回転させる。ジェントリー200の回転によって、インクジェットヘッドユニット400のノズル(図示せず)が第1方向Iに傾いた方向に整列される。
【0040】
ジェントリー移動ユニット300は、以下で説明するように、ジェントリー200の一端を回転中心にしてジェントリー200の他端を回転させることや、ジェントリー200のセンターを回転中心にしてジェントリー200を回転させることができる。
【0041】
ジェントリー移動ユニット300は第1駆動ユニット310と第2駆動ユニット320を含む。第2駆動ユニット320は、回転中心となるジェントリー200の一端に設けられ、第1駆動ユニット310はジェントリー200の他端に設けられる。
【0042】
図4は図3の第1駆動ユニット310を示す図面である。図4に示すように、第1駆動ユニット310はスライダー312、第1回転支持部材314、及び第1直線駆動部材318を含む。ジェントリー200の他端側の下端部には、ジェントリー200の横方向に沿ってガイドレール210が設けられ、スライダー312はこのガイドレール210に案内されて直線移動する。スライダー312の下端部には第1回転支持部材314が結合される。第1回転支持部材314は、上部と下部とが相対回転自在なベアリングである。第1回転支持部材314の下面には第1直線駆動部材318が結合される。第1直線駆動部材318は第1回転支持部材314を第1方向Iに直線移動させる。
【0043】
第1直線駆動部材318はガイドレール315とスライダー317とを含む。ガイドレール315はその横方向が第1方向Iに向かい、基板支持ユニット100のガイド部材134を中心としてベースBの上面の他側縁部に配置される。ガイドレール315にはスライダー317が移動できるように結合される。スライダー317の上面には第1回転支持部材314が結合される。スライダー317にはリニアモーター(図示せず)が内装される。スライダー317はこのリニアモーターの駆動力によって、ガイドレール315に沿って第1方向Iに直線移動する。

図5は図3の第2駆動ユニットを示す図面である。図5に示すように、第2駆動ユニット320はジェントリー200の直線移動の時には、ジェントリー200の一端を第1方向Iに直線移動させ、ジェントリー200の回転の時には、ジェントリー200の回転中心となって動作する。
【0044】
第2駆動ユニット320は第2回転支持部材324と第2直線駆動部材328とを含む。ジェントリー200の一端の下面には連結部材322が結合され、連結部材322の下面には第2回転支持部材324が結合される。第2回転支持部材324は上部と下部とが相対回転自在なベアリングである。第2回転支持部材324の下面には第2直線駆動部材328が結合される。第2直線駆動部材328は第2回転支持部材324を第1方向Iに直線移動させる。第2回転支持部材324の直線移動によって、その上部に順次的に結合された連結部材322とジェントリー200の一端が、直線移動される。
【0045】
第2直線駆動部材328はガイドレール325とスライダー327とを含む。ガイドレール325はその横方向が第1方向Iに向かい、基板支持ユニット100のガイド部材134を中心にベースB上面の一側縁部に配置される。ガイドレール325にはスライダー327が移動できるように結合される。スライダー327の上面には第2回転支持部材324が結合される。スライダー327にはリニアモーター(図示せず)が内装される。スライダー327はこのリニアモーターの駆動力によってガイドレール325に沿って第1方向Iへ直線移動する。
【0046】
図6はジェントリー200の回転及び直線移動過程を示す図面である。図3及び図6では図面を簡単にするために液晶供給ユニット600を省略する。
【0047】
図4乃至図6に示すように、ジェントリー200は第1駆動ユニット310と第2駆動ユニット320によって、第1方向Iに傾いた方向に向かうように回転され、第1方向Iへ直線移動される。
【0048】
第2駆動ユニット320の第2直線駆動部材328が固定された状態で、第1駆動ユニット310の第1直線駆動部材318が第1方向Iへ直線移動すれば、ジェントリー200が回転される。これに対して詳細に説明すれば、次の通りである。
【0049】
先ず、第1直線駆動部材318のスライダー317がリニアモーターの駆動力によってガイドレール315に沿って第1方向Iへ移動する。この時、ジェントリー200の一端では第2直線駆動部材328が駆動されないので、第1方向Iに移動されない状態で第2回転支持部材324によって回転される。
【0050】
第1直線駆動部材318のスライダー317が第1方向Iに移動することによって、その上部に配置された第1回転支持部材314がガイドレール315に沿って第1方向Iに直線移動する。同時に、第1回転支持部材314の上端に結合されたスライダー312は第1回転支持部材314の上部と下部との間の相対回転によって回転されながら、ジェントリー200に設けられたガイドレール210に沿って他端側へ移動する。結果的に、ジェントリー200は第2駆動ユニット320の支持位置を中心に回転し、第1駆動ユニット310のジェントリー200支持位置は他端の外方に移動した状態になる。このような動作を通じて、ジェントリー200は第1方向Iに傾いた方向に回転され、これにしたがってインクジェットヘッドユニット400が第1方向Iに傾いた方向に整列される。
【0051】
このように、インクジェットヘッドユニット400が第1方向Iに傾いた方向に整列されれば、液晶が塗布される基板Sのピクセルピッチ変化に対応して柔軟性を持ちつつ液晶吐出ピッチを調節でき、これ通じて基板Sに塗布される液晶の膜均一度を高くすることができる。
【0052】
ジェントリー200は、上述のような方法によって回転することができ、また、回転された状態で第1直線駆動部材318のスライダー317と第2直線駆動部材328のスライダー327とによって更に第1方向Iに直線移動することができる。ジェントリー200の一端は第2直線駆動部材328のスライダー327の移動によって第1方向Iに直線移動され、ジェントリー200の他端は第1直線駆動部材318のスライダー317の移動によって第1方向Iへ直線移動され得る。
【0053】
ジェントリー200が固定され、基板Sが第1方向Iへ移動する場合、基板Sがジェントリー200の一側から他側に移動する必要があるため、設備のフットプリント(Footprint)が増加する虞がある。しかし、本発明では、基板Sを固定させた状態で又は基板Sの直線移動と共に、ジェントリー200を第1方向Iに直線移動させることができるため、設備のフットプリントが減少され得る。
【0054】
ヘッド移動ユニット500はインクジェットヘッドユニット400に各々配されている。本実施形態の場合、3つのインクジェットヘッドユニット400a、400b、400cが設けられているので、ヘッド移動ユニット500は、ヘッドの数に対応して3つ設けられている。これと異なり、ヘッド移動ユニット500を1つだけ設け、インクジェットヘッドユニット400を個別移動でなく一体に移動させてもよい。
【0055】
図7は図2及び図3のヘッド移動ユニット500の側面を示す図面であり、図8は図7の第1移動ユニットの正面図である。
【0056】
図7乃至図8に示すように、ヘッド移動ユニット500は第1移動ユニット520と第2移動ユニット540を含む。第1移動ユニット520はインクジェットヘッドユニット400aをジェントリー200の横方向、即ち、第2方向IIに直線移動させ、第2移動ユニット540はインクジェットヘッドユニット400aを第3方向IIIに直線移動させる。
【0057】
第1移動ユニット520はガイドレール522a、522b、スライダー524a、524b、及び移動プレート526を含む。ガイドレール522a、522bは第2方向IIに延長され、ジェントリー200の前面にて第3方向IIIに離隔設置される。ガイドレール522a、522bにはスライダー524a、524bが移動できるように結合され、スライダー524a、524bには直線駆動器、例えば、リニアモーター(図示せず)が内装される。移動プレート526はスライダー524a、524bに結合される。移動プレート526の上部領域は上部に位置するスライダー524aに結合され、移動プレート526の下部領域は下部に位置するスライダー524bに結合される。移動プレート526は、リニアモーターの駆動力によってガイドレール522a、522bに沿って第2方向IIへ直線移動する。このように、インクジェットヘッドユニット400a、400b、400cが第2方向IIに沿って個別移動されることによって、インクジェットヘッドユニット400a、400b、400cの間隔が調節される。
【0058】
第2移動ユニット540はガイド部材542、スライダー544、検出器546、制御器548を含む。ガイド部材542は第1移動ユニット520の移動プレート526に結合され、スライダー544の第3方向IIIへの直線移動を案内する。スライダー544はガイド部材542に直線移動できるように結合され、スライダー544には直線駆動器、例えば、リニアモーター(図示せず)が内装される。インクジェットヘッドユニット400aはスライダー544に結合され、スライダー544の第3方向IIIの直線移動によって第3方向IIIに移動される。
【0059】
検出器546はジェントリー200に設置され、インクジェットヘッドユニット400aと基板Sとの間隔を検出する。検出器546はビジョンカメラ(vision camera)であり、位置確認及びガラス印刷(glass printing)状態を確認するために使用される。制御器548は検出器546の検出信号に対応する制御信号を生成し、スライダー544に内装されたリニアモーターに制御信号を伝達してリニアモーターの駆動を制御する。検出器546の検出結果によって、インクジェットヘッドユニット400aと基板Sと間隔が既設定の基準値から外れたと判断されれば、制御器548はリニアモーターの駆動を制御してインクジェットヘッドユニット400aと基板Sとの間隔を調節する。
【0060】
インクジェットヘッドユニット400は基板Sに液晶の液滴を吐出する。インクジェットヘッドユニット400は複数個設けられる。本実施形態では3つのインクジェットヘッドユニット400a、400b、400cが設けられた例として説明したが、これに限定されない。インクジェットヘッドユニット400は第2方向IIに一列に配列され、ジェントリー200に結合される。
【0061】
インクジェットヘッドユニット400の底面には液晶の液滴を吐出する複数個のノズル(図示せず)が設けられる。例として、各々のヘッドには128個又は256個のノズルが設けられる。ノズルは、一定なピッチの間隔で一列に配置され、それぞれがμg単位の量で液晶を吐出することができる。
【0062】
従来のシリンジ(Syringe)を利用するポイントドッティング(Point Dotting)方式の場合、液晶の吐出ピッチが大きく、吐出される液晶の量がmg単位であり、液晶の粘性流動抵抗のために、基板S上に液晶が均一に散りにくいとう問題点がある。しかし、本発明は、狭いピッチを有する多数のノズルを通じてμg単位で液晶を吐出するので、液晶の粘性流動抵抗にも関わらず、基板S上により均一に液晶を塗布することができる。
【0063】
各々のインクジェットヘッドユニット400にはノズルと対応する数の圧電素子が配され、ノズルの液滴吐出量はこの圧電素子に印加される電圧の制御によって独立的に各々調節される。
【0064】
液晶供給ユニット600は液晶供給モジュールと圧力調節モジュールとを含む。液晶供給モジュールと圧力調節モジュールとはジェントリー200に結合される。液晶供給モジュールは液晶供給部50(図1参照)から液晶が供給され、液晶を個別ヘッド400a、400b、400cに供給する。圧力調節モジュールは液晶供給モジュールに正の圧力、又は負の圧力を提供して液晶供給モジュールの圧力を調節する。
【0065】
ヘッド制御ユニット700は各々のヘッド400a、400b、400cの液晶吐出を制御する。ヘッド制御ユニット700はヘッド400a、400b、400cに隣接するように液晶吐出部10内に配置される。本実施形態ではヘッド制御ユニット700がジェントリー200の一端に配置されているが、ヘッド制御ユニット700の位置はこれに限定されない。
【0066】
ヘッド制御ユニット700は、各々のヘッド400a、400b、400cに電気的に連結され、各々のヘッド400a、400b、400cに制御信号を印加する。各々のヘッド400a、400b、400cにはノズルに対応する数の圧電素子が設けられ、ヘッド制御ユニット700はこの圧電素子に印加される電圧を制御してノズルの液滴吐出量を調節することができる。
【0067】
液晶吐出量測定ユニット800は個別ヘッド400a、400b、400cの液晶吐出量を測定する。具体的に、液晶吐出量測定ユニット800は個別ヘッド400a、400b、400c毎に全てのノズルから吐出される液晶量を測定する。個別ヘッド400a、400b、400cの液晶吐出量測定を通じて、個別ヘッド400a、400b、400cのノズルの異常の有無を巨視的に確認できる。即ち、個別ヘッド400a、400b、400cの液晶吐出量が基準値を外れれば、ノズルの中で少なくとも1つに異常があることが分かる。液晶吐出量測定ユニット800はベースBの上の支持板110の一側に配置される。液晶吐出量測定ユニット800は第1乃至第3液晶吐出量測定ユニット800a、800、800cを有する。
【0068】
ノズル検査ユニット900は光学検査を通じてヘッド400a、400b、400cに設けた個別ノズルの異常の有無を確認する。液晶吐出量測定ユニット800で巨視的なノズルの異常の有無を確認した結果、不特定のノズルに異常があったと判断された場合、ノズル検査ユニット900は個別ノズルの異常の有無を確認しながらノズルに対する全数検査を進行する。
【0069】
ノズル検査ユニット900はベースBの上の支持板110の一側に配置される。ヘッド400a、400b、400cはジェントリー移動ユニット300とヘッド移動ユニット500によって、第1方向Iと第2方向IIに移動されてノズル検査ユニット900の上方に位置することができる。ヘッド移動ユニット500は、ヘッド400a、400b、400cを第3方向IIIへ移動させることで、ヘッド400a、400b、400cとノズル検査ユニット900との上下方向距離を調節することができる。
【0070】
図9はノズル検査ユニット900を示す図面である。
【0071】
図9に示すように、ノズル検査ユニット900は第1ノズル検査部材920、第1駆動部材940、第2ノズル検査部材960、及び第2駆動部材980、回収部材990を含む。第1ノズル検査部材920はヘッド400a、400b、400cのノズルの液晶吐出の可否、即ち、ノズル詰まりの有無を検査する。第1駆動部材940は第1ノズル検査部材920をノズルの整列方向に移動させる。第2ノズル検査部材960はノズルの整列の可否を検査する。第2駆動部材980は第2ノズル検査部材960をノズルの整列方向に移動させる。図9で、ノズルは第2方向IIに整列されている。
【0072】
第1ノズル検査部材920はバス922、発光部924、及び受光部926を包含する。バス922は開放された上部を有する筒形状を有し、ヘッド400a、400b、400cのノズル(図示せず)から吐出されて落下する液晶を収容する。発光部924はバス922の上部一側に配置され、受光部926はバス922の上部の他側に発光部924と対向するように配置される。発光部924は光信号を放出し、受光部926は発光部924が放出した光信号を受光する。ヘッド400a、400b、400cのノズル(図示せず)から吐出される液晶は発光部924と受光部926との間の領域を通過し、受光部926に受光される光量の差異によって液晶の落下の可否が感知される。液晶が正常的に落下したと判断されれば、ヘッド400a、400b、400cのノズル(図示せず)に詰まりがないことが分かる。
【0073】
第1駆動部材940はガイド部材942、スライダー944、及び駆動器946を含む。ガイド部材942はベースBの上面にて第2方向IIに延長されている。スライダー944にはリニアモーターのような駆動器946が内装される。スライダー944は駆動器946によって駆動され、ガイド部材942に沿って第2方向IIに直線移動される。スライダー944にはバス922が配置され、スライダー944の第2方向IIへの直線移動によってバス922が第2方向IIに直線移動される。
【0074】
第2ノズル検査部材960はフレーム962、照明器964、及び撮影器966を含む。フレーム962は第2方向IIに沿って第1ノズル検査部材920のバス922と隣接するように配置される。フレーム962には照明器964と撮影器966とが配置される。照明器964は検査されるヘッド400a、400b、400cのノズル面に光を照射し、撮影器966は照明器964の光が照射されるヘッド400a、400b、400cのノズル面を撮影してノズルのイメージを得る。得られたイメージからノズルが正しい位置に整列されているか否かを判断する。
【0075】
第2駆動部材980はスライダー984と駆動器986とを含む。スライダー984にはリニアモーターのような駆動器986が内装される。スライダー984は駆動器986によって駆動され、ガイド部材942に沿って第2方向IIに直線移動される。スライダー984には第2ノズル検査部材960のフレーム962が配置され、スライダー984の第2方向IIへの直線移動によって、フレーム962、照明器964及び撮影器966が第2方向IIに直線移動される。
【0076】
回収部材990はバス922から排出される液晶を回収する。回収部材990はハウジング992と回収筒994とを含む。ハウジング992はバス922の下部に配置され、回収筒994を収容する空間を提供する。回収筒994はハウジング992の空間にスライド式で移動することによって分離及び挿入され、バス922から排出される液晶を回収する。回収された液晶は再活用され得る。
【0077】
図10はヘッド洗浄ユニット1000の一実施形態を概略的に示す図面である。
【0078】
図9と図10に示すように、ヘッド洗浄ユニット1000はパージング(Purging)工程と吸入(Suction)工程を進行する。パージング工程はヘッド400a、400b、400cの内部に収容された液晶の一部を高圧で噴射する工程である。吸入工程は、パージング工程の後、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶を吸入して除去する工程である。
【0079】
ヘッド洗浄ユニット1000はヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶を吸入してバス922に流入させる。ヘッド洗浄ユニット1000、及びノズル検査ユニット900の第1ノズル検査部材920は1つのバス922を共通に、又は個別的に使用することができる。バス922はヘッド400a、400b、400cのパージング工程の中で吐出される液晶を収容でき、またヘッド400a、400b、400cのノズルの液晶吐出の可否、即ち、ノズル詰まりの有無の検査の時に吐出される液晶を収容することができる。
【0080】
ヘッド洗浄ユニット1000はサクションノズル1100、気体噴射ユニット1200、支持部材1300を含む。支持部材1300はサクションノズル1100と気体噴射ユニット1200とを支持する。
【0081】
サクションノズル1100はヘッド400a、400b、400cの移動方向に沿って配される。サクションノズル1100の中央部には、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する薬液を吸入するためのサクションラインを設けており、このサクションラインの終端部には、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に向かうようにサクションホール1114を形成している。サクションノズル1100は、ヘッド400a、400b、400cのノズル面から離隔されて設けられる。サクションノズル1100は、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に沿いながらそのノズル面に残留する液晶を吸入して洗浄する。
【0082】
気体噴射ユニット1200はヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に向かって気体を噴射することによって、残留する液晶をサクションノズル1100に押し出し、サクションノズル1100が残留する薬液を容易に吸入、除去できるようにする。
【0083】
気体噴射ユニット1200は噴射ノズル1210、水平駆動部材1220、昇降部材1230、及び圧力調節手段1240を含む。
【0084】
噴射ノズル1210はサクションノズル1100と一列に配される。噴射ノズル1210は、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に向かって気体を噴射するために、噴射ノズル1210の上方に位置されたヘッド400a、400b、400cに向かうように形成された吐出口1214を有する。
【0085】
噴射ノズル1210は少なくとも1つ設けられる。噴射ノズル1210はサクションノズル1100を中心に多様な配置が可能である。噴射ノズル1210の吐出口1214がサクションノズル1100の上方に位置されたヘッド400a、400b、400cに向かうように、噴射ノズル1210を配置する。噴射ノズル1210が複数個設けられる場合、サクションノズル1100の前後に複数個の噴射ノズル1210が全て配置され、サクションノズル1100を挟んで対向するように配置されてもよい。
【0086】
水平駆動部材1220はサクションノズル1100と噴射ノズル1210との間隔、又は複数の噴射ノズル1210間の間隔を調節するために、噴射ノズル1210を水平方向に移動させる。これはヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶の量に対応するためである。
【0087】
例えば、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶が多量である場合には、噴射ノズル1210とサクションノズル1100との間隔を狭くして気体を噴射し、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶が少量である場合には、噴射ノズル1210とサクションノズル1100との間隔を広くして気体を噴射する。
【0088】
水平駆動部材1220はガイド部材1222、スライダー1224、及び水平駆動器1226を含む。ガイド部材1222は支持部材1300の上面にて第2方向IIに延長される。スライダー1224にはリニアモーターのような水平駆動器1226が内装される。スライダー122は水平駆動器1226によって駆動され、ガイド部材1222に沿って第2方向2に直線移動される。
【0089】
水平駆動部材1220は複数個の噴射ノズル1210を各々独立的に駆動するように結合されてもよく、複数個の噴射ノズル1210を同時に水平に駆動させるように結合されてもよい。
【0090】
昇降部材1230は噴射ノズル1210を上下方向に直線移動させる。昇降部材1230は噴射ノズル1210の吐出口1214の高さを調節する。即ち、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に向かって気体を噴射するとき、噴射ノズル1210が上下に移動されることによって、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に対する噴射ノズル1210の相対高さが変更される。
【0091】
昇降部材1230は移動軸1232、及び昇降駆動器1234を含む。噴射ノズル1210の外壁には、昇降駆動器1234によって上下方向に移動される移動軸1232が、各々固定結合される。昇降部材1230によって、噴射ノズル1210は各々の高さが独立的に調節される。
【0092】
昇降部材1230は、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶の量や大きさの変化にしたがって、噴射ノズル1210の終端部の高さを調節することができる。
【0093】
圧力調節手段1240は噴射ノズル1210の吐出口1214の噴射圧力を変化させる。圧力調節手段1240は噴射ノズル1210に各々結合され、吐出口1214の噴射圧力を各々調節する。ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶の残量を測定して液晶の残量の変化に対応するように圧力値を設定し、噴射ノズル1210が各々異なる噴射圧力となるように調節する。
【0094】
ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する相対的に大きな液晶をサクションノズル1100方向に押し出すために、ヘッド400a、400b、400cのノズル面と噴射ノズル1210との間隔が大きな場合には大きい圧力値を設定し、気体を噴射して微細液晶をサクションノズル1100方向に押し出す。ヘッド400a、400b、400cのノズル面と噴射ノズル1210との間隔が小さい場合には、相対的に小さい圧力値を設定する。
【0095】
図11はヘッド洗浄ユニット1000の他の実施形態を概略的に示す図面である。
【0096】
図12は図11のヘッド洗浄ユニット1000の一部を概略的に示す図面である。
【0097】
一実施形態によれば、図11と図12に示すように、噴射ノズル1210は第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとを有する。第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとは、サクションノズル1100に隣接し、ヘッド400a、400b、400cの移動方向に一列に配置される。第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとは1つの水平駆動部材1220に結合され、同時に水平に駆動される。昇降部材1230と圧力調節手段1240とは、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとに個別的に結合されて独立的に作動される。ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶によって、サクションノズル1100と噴射ノズル1210との間隔、各々の噴射ノズル1210の吐出口1214との間隔、各々の噴射ノズル1210の吐出口1214の噴射圧力が調節される。第1噴射ノズル1210aの吐出口1214aの高さと噴射圧力は、第2噴射ノズル1210bの吐出口1214bの高さと噴射圧力とは異なるように調節することができるため、第1噴射ノズル1210aで噴射された気体によってヘッド400a、400b、400cに残留する液晶がサクションノズル1100方向に全て押し出されなかった場合、第2噴射ノズル1210bでは第1噴射ノズル1210aよりも吐出口1214bの高さと噴射圧力を高くしたうえで、微細な残留液晶をサクションノズル1100方向に押し出すことができる。
【0098】
また、他の一実施形態として、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bを、サクションノズル1100の前方にてヘッド400a、400b、400cの移動方向に一列に配置し、それぞれを個別的に水平駆動部材1220に結合し、独立的に水平駆動されるように設けてもよい。このとき、昇降部材1230と圧力調節手段1240とは、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bに個別的に結合されて独立的に作動される。また、ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に応じて、サクションノズル1100と噴射ノズル1210a、1210bとの間隔と、各々の噴射ノズル1210a、1210bの吐出口1214a、1214bとの間隔と、各々の噴射ノズル1210a、1210bの吐出口1214a、1214bの噴射圧力とが調節され得る。また、独立的に駆動する第1噴射ノズル1210aの第1水平駆動部材1220aと第2噴射ノズル1210bの第2水平駆動部材1220bとによって、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとの間隔もヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に応じて調節され得る。
【0099】
図13はヘッド洗浄ユニット1000のその他の一実施形態を概略的に示す図面である。
【0100】
図14は図13のヘッド洗浄ユニット1000の一部を示す拡大断面図である。
【0101】
その他の一実施形態によれば、図13と図14に図示したように、噴射ノズル1210は第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとを有する。第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとはサクションノズル1100を挟んで一列に配置される。また、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとが個別的に水平駆動部材1220a、1220bに結合されて独立的に水平駆動される。昇降部材1230a、1230bと圧力調節手段1240a、1240bとは、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとに個別的に結合され、独立的に作動される。ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に応じて、サクションノズル1100と噴射ノズル1210a、1210bとの間隔、各々の噴射ノズル1210a、1210bの吐出口1214a、1214bとの間隔、各々の噴射ノズル1210a、1210bの吐出口1214a、1214bの噴射圧力を、調節することができる。また、第1噴射ノズル1210aで噴射された気体がヘッド400a、400b、400cに残留する液晶がサクションノズル1100の方向に全て押し出されなかった場合、サクションノズル1100を基準として第1噴射ノズル1210aと反対方向に配置された第2噴射ノズル1210bの、第1噴射ノズル1210aより高く設けた吐出口1214bの高さと吸入圧力によって、微細な残留液晶をサクションノズル1100方向に押し出すことができる。
【0102】
図15はヘッド洗浄ユニット1000の一部に対する他の実施形態を示す拡大断面図である。
【0103】
噴射ノズル1210は第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとを有する。第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとは、サクションノズル1100の後方にてヘッド400a、400b、400cの移動方向に一列に配置される。第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとは、個別的に水平駆動部材1220に結合されて独立的に水平駆動されるか、或いは第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとが1つの水平駆動部材1220に結合されて同時に水平駆動される。昇降部材1230と圧力調節手段1240とは、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとに個別的に結合され、独立的に作動される。ヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する液晶に応じて、サクションノズル1100と噴射ノズル1210a、1210bとの間隔と、各々の噴射ノズル1210a、1210bの吐出口1214a、1214bとの間隔と、各々の噴射ノズル1210a、1210bの吐出口1214a、1214bの噴射圧力とが、調節される。
【0104】
このように、噴射ノズル1210とサクションノズル1100との間隔、又は噴射ノズル1210a、1210b間の間隔と、噴射ノズル1210a、1210bの噴射圧力及び高さを調節することによって、ヘッド400a、400b、400cの洗浄工程の中でヘッド400a、400b、400cのノズル面に残留する微細液晶を、速やかに且つ完全に除去できる。
【0105】
前記実施形態において、ヘッド洗浄ユニット1000は、第1噴射ノズル1210aと第2噴射ノズル1210bとを含む複数個の噴射ノズル1210を有する。しかし、噴射ノズル1210が1つであってもよい。
【0106】
また、前記実施形態ではヘッド400a、400b、400cが移動しながら、このヘッド400a、400b、400cのノズル面が洗浄されるようにヘッド洗浄ユニット1000を設けているが、ヘッド洗浄ユニット1000側が移動しながら、ヘッド400a、400b、400cのノズル面を洗浄するように設けてもよい。
【0107】
また、前記実施形態では、ガイド部材1222、スライダー1224、及び水平駆動器1226を包含するように水平駆動部材1220を設けているが、ラックとピニオンギアやチェーンギアのような水平駆動可能な他の駆動手段によって水平駆動部材1220を設けてもよい。
【0108】
また、前記実施形態ではヘッド400a、400b、400cのノズル面を洗浄するようにヘッド洗浄ユニット1000を設けているが、これに限らず、処理液が吐出されるノズルを洗浄する洗浄ユニットであれば同様の構成が適用される。
【0109】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、当業者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能である。つまり、開示した実施形態は本発明の技術思想を限定するものでなく、説明するためのものであり、これら実施形態によって本発明の技術思想の範囲は限定されない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈され、同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
B ベース
100 基板支持ユニット
200 ジェントリー
300 ジェントリー移動ユニット
400 ヘッド
500 ヘッド移動ユニット
600 液晶供給ユニット
700 ヘッド制御ユニット
800 液晶吐出量測定ユニット
900 ノズル検査ユニット
1000 ヘッド洗浄ユニット
1100 サクションノズル
1200 気体噴射ユニット
1300 支持部材
1210 噴射ノズル
1220 水平駆動部材
1230 昇降部材
1240 圧力調節手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット方式の処理液吐出装置において、
ベースと、
前記ベースに設置され、基板が置かれる基板支持ユニットと、
前記基板支持ユニットの移動経路の上部に配され、前記基板の上にインクジェット方式に薬液を吐出するヘッドが結合されたジェントリーと、
前記ベースに設置され、前記ヘッドのノズル面を洗浄するヘッド洗浄ユニットと、を含み、
前記ヘッド洗浄ユニットは
前記ヘッドに向かうように形成されたサクションホールを有するサクションノズルと、
前記サクションノズルの上方に位置されたヘッドに向かうように形成された吐出口を有する噴射ノズルが1つ又は複数個設けられる気体噴射ユニットと、を含むことを特徴とする処理液吐出装置。
【請求項2】
前記噴射ノズルを水平方向に移動させる水平駆動部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の処理液吐出装置。
【請求項3】
前記水平駆動部材が、
前記ベースの上面に結合されたガイド部材と、
前記ガイド部材に沿って直線移動するスライダーと、
前記スライダーを駆動させる水平駆動器と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の処理液吐出装置。
【請求項4】
前記噴射ノズルが複数個設けられ、
前記水平駆動部材が各々の前記噴射ノズルに結合されて独立的に駆動することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の処理液吐出装置。
【請求項5】
前記噴射ノズルが複数個設けられ、
前記噴射ノズルの吐出口の終端の高さが各々異なることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の処理液吐出装置。
【請求項6】
前記噴射ノズルが複数個設けられ、
前記噴射ノズルの吐出口の終端の高さを独立的に調節するために前記噴射ノズルに各々結合される昇降部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の処理液吐出装置。
【請求項7】
前記噴射ノズルが複数個設けられ、
前記噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を独立的に調節するために前記噴射ノズルに各々結合される圧力調節手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の処理液吐出装置。
【請求項8】
処理液のノズルを洗浄する洗浄ユニットにおいて、
上方に向かうように形成されたサクションホールを有するサクションノズルと、
前記サクションノズルの上方に位置されたヘッドに向かうように形成された吐出口を有する噴射ノズルが少なくとも1つ設けられる気体噴射ユニットと、を含み、
前記噴射ノズルは、
第1噴射ノズルと第2噴射ノズルを具備し、
前記第1噴射ノズルと前記第2噴射ノズルとは前記サクションノズルと一列に配列され、
前記第1噴射ノズルの吐出口の終端の高さと第2噴射ノズルの吐出口の終端の高さとが相違することを特徴とする洗浄ユニット。
【請求項9】
前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルを水平方向に移動させる水平駆動部材をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の洗浄ユニット。
【請求項10】
前記第1噴射ノズルを水平方向に移動させる第1水平駆動部材と前記第2噴射ノズルを水平方向に移動させる第2水平駆動部材とをさらに含み、前記第1水平駆動部材と前記第2水平駆動部材が独立的に制御されることを特徴とする請求項9に記載の洗浄ユニット。
【請求項11】
前記第1噴射ノズルの吐出口の高さを調節する第1昇降部材と前記第2噴射ノズルの吐出口の高さを調節する第2昇降部材をさらに含み、前記第1昇降部材と前記第2昇降部材が独立的に制御されることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
【請求項12】
前記第1噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を調節する第1圧力調節手段と前記第2噴射ノズルの吐出口の噴射圧力を調節する第2圧力調節手段とをさらに含み、第1圧力調節手段と第2圧力調節手段とが独立的に制御されることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
【請求項13】
処理液吐出装置の洗浄方法において、
複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が近い噴射ノズルが処理液のノズルに残留する液晶に向かって気体を噴射して液晶をサクションノズル方向に押し出した後、複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が遠い噴射ノズルが残留する液晶に向かって再び気体を噴射して液晶をサクションノズル方向に押し出し、サクションノズルに吸入して洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【請求項14】
前記複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が近い噴射ノズルの吐出口の高さが前記複数個の噴射ノズルの中でサクションノズルとの距離が遠い噴射ノズルの吐出口の高さより低いことを特徴とする請求項13に記載の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−45936(P2012−45936A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183014(P2011−183014)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(500376449)セメス株式会社 (61)
【Fターム(参考)】