説明

分散体、ゲル、及び乳化系

エモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体。分散体は、水混和性エモリエントエステル及び所望による水と混合することによってゲル状組成物を生成するために用いられることができる。分散体及びゲルは、乳化系を生成するために用いられることができる。分散体、ゲル、及び乳化系は、好ましくは低温及び低せん断において、最終用途の乳剤を生成するために好適であり、そして特に乳剤は高濃度のオイル相を有する。乳剤は、パーソナルケア、家庭用、及び産業用を含む広い範囲の用途に用いられることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸ポリマーを含む分散体、ゲル状組成物及び乳化系の生成に分散体を使用すること、並びに、特に、乳剤の生成に分散体、ゲル、及び乳化系を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳剤及び油中水型乳剤はパーソナルケア及び化粧品産業で広く使用され、ミルク、ローション、若しくはクリームを直接塗布、またはウェットワイプや他の同様の塗布媒体による塗布によって皮膚及び髪に成分を与える。
【0003】
クリーム及びミルクのようなパーソナルケアの乳剤製品は組み合わせて複数の特性を有するのが望ましい。例えば製造、配合、貯蔵、及び使用における安定性;最終用途に適した粘度;並びに好ましくは望ましい身体及び良好な皮膚の感触である。身体及び皮膚の感触は、通常、主観的に判断され、そして良好な身体及び/または皮膚の感触は一般に非ニュートン性のシェアシンニング(shear thinning)粘度特性と関連するが、シェアシンニング特性は良好な身体または皮膚の感触を保証するものではない。
【0004】
乳剤はまた、例えば爆発物のような産業用、並びに例えば靴磨きクリームや家具用艶出し剤などの艶出し剤、例えば自動車ワックス及びタイヤ光沢剤などの自動車(または他の乗り物)のワックス及び艶出し剤のような家庭用、といった他の用途でより幅広い利用がみられる。
【0005】
増粘剤は乳化安定剤として用いられている。そのような増粘剤が用いられる場合の安定化のメカニズムは、増粘剤が十分に乳剤の低ずり粘度を増加することによって系のレオロジーを調整して、恐らく、エマルジョン液滴の移動を抑制することによって、液滴の合体に対する障壁を提供すること、と考えられる。
【0006】
増粘剤の1つの特定の種類は、例えば、微粒子粉末形態で乳化系内に均質に分散される必要があるポリアクリル酸カルボマー種のような高分子量の親水性カルボン酸ポリマーである。第1に、乳剤内においてポリマー粒子の実質的に均質な分散を得ること;そして第2に乳剤の安定性を維持することが必要である。効果的に機能させるためには、ポリマー粒子を完全に濡らしてポリマー鎖のもつれを解きそして乳剤の水相内に分散させまたは溶解させることができるようにする必要がある。これらのポリマーは、オイルさらには乳剤の水相に加えられた場合に凝集する傾向がある。凝集塊の表面は溶媒和して、ポリマー粒子の内部が完全に濡れることを妨げる強固な外部層を生成する。これは過剰な混合及び湿潤時間、粒状構造、減少した粘度及び安定性、よりロバストでないゲル生成、粘着性を含む劣化した皮膚感触、並びに魚眼に類似したゼリー状外観を伴う部分的に濡れた凝集粒子をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、最終用途の乳剤または製剤への改良された導入を可能とする系に含まれる、これらの高分子量の親水性ポリマーの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
我々は、このたび驚いたことに、前述の問題の少なくとも1つを克服または著しく低減する分散体、ゲル状組成物、及び乳化系を発見した。
【0009】
したがって、本発明はエモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体を提供する。
【0010】
本発明はまた、カルボン酸ポリマーの粒子、有機媒体、並びにエモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を混ぜ合わせることを含む分散体の生成方法を提供する。
【0011】
本発明はさらに、(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/または8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)有機媒体及び/または非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマー、を含むゲル状組成物を提供する。
【0012】
本発明はさらに、カルボン酸ポリマーの粒子、所望による水、有機媒体、水混和性エモリエントエステル及び/または8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、並びに有機媒体及び/または非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、を混ぜ合わせることを含むゲルの生成方法を提供する。
【0013】
本発明はさらに、(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマー、を含む乳化系を提供する。
【0014】
本発明はさらに、
(a)エモリエントエステル及び/若しくは非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体;並びに/または
(b)(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/若しくは8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)有機媒体及び/若しくは非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマー、を含むゲル状組成物;並びに/または
(c)(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマー、を含む乳化系、
から生成される乳剤を提供する。
【0015】
本発明はさらに、
(a)エモリエントエステル及び/若しくは非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体;並びに/または
(b)(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/若しくは8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)有機媒体及び/若しくは非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマー、を含むゲル状組成物;並びに/または
(c)(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマー、を含む乳化系、
を使用する方法であって、
乳剤の生成の際に水及び/またはオイル相に微粒子粉末形態のカルボン酸ポリマーを直接添加することによって得られる同等の乳剤と比較して、低減された粒状構造、改良された粘度、改良された安定性、よりロバストなゲル生成、低粘着性を含む改良された皮膚感触、及び/または「魚眼」の低減、のうち少なくとも1つを有する乳剤を生成する方法を提供する。
【0016】
カルボン酸ポリマーは、任意の好適な液体有機媒体の連続相中に分散体に生成されることができる。分散とは、真の分散体、すなわちポリマー粒子が凝集に対して安定である場合を意味する。ポリマーは実質的に均質に分散されて、放置時に凝集または沈降しにくいが、しかしながらいくらかの沈降が起こった場合、単純な攪拌によって粒子を容易に再分散させることができる。
【0017】
本発明による分散体は、本明細書の記載のように測定されて、5℃、及び/または室温(23℃)、及び/または43℃において、好ましくは1ヶ月より長く、さらに好ましくは2ヶ月より長く、特に3ヶ月より長く、及び特に4ヶ月より長く、好適には安定である。さらにより高い温度における安定性もまた重要であることができ、それゆえに本発明による分散体は、本明細書の記載のように測定されて、50℃において、好適には1週間より長く、好ましくは2週間より長く、さらに好ましくは3週間より長く、特に1ヶ月より長く、及び特に2ヶ月より長く、好ましくは安定である。
【0018】
安定な分散体は好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%の範囲のカルボン酸ポリマー、及び40〜80質量%、さらに好ましくは50〜70質量%の液相を含み、前記カルボン酸ポリマーは、エモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を含む有機媒体を含む前記液相中に実質的に均質に分散されている。
【0019】
好ましい実施態様では、本発明による分散体は実質的に無水である。本明細書で用いる「無水」なる用語は、分散体の質量に基づいて、10質量%未満、好ましくは5質量%未満の水を含む分散体を意味する。さらに好ましくは、分散体は実質的に水を含まず、すなわち2質量%未満、好ましくは1質量%未満の水を含む。しかしながら、分散体の成分が、分散体中に存在するだろう少量の残留水(水分)を含んでもよいことは明らかである。
【0020】
本発明の分散体に用いられるカルボン酸ポリマーは、好ましくは高分子量の合成ポリカルボキシまたはポリカルボン酸ポリマー、特にアクリル酸のホモポリマー並びに架橋し得るアクリル酸及びアルキルアルキレートを含む共重合体である。
【0021】
カルボン酸ポリマーは親水性ポリマーであり好適には500より大きい、好ましくは1,000より大きい、さらに好ましくは10,000より大きい、特に40,000〜3,000,000の範囲、及び特に75,000〜2,500,000の分子量を有する。これらのポリマーの分子量は、特に架橋している場合、測定することが難しいことあるが、固有粘度によって測定してもよい。必要ならば、理論的な固有粘度の測定を用いることができる。
【0022】
カルボン酸ポリマーは概して、緊密に渦を巻いた(tightly coiled)分子の形で低水分量(例えば5質量%未満)を有する微粒の白色粉末の形態で供給される。ポリマーは概して分散されることが可能であるが、水または水性媒体に溶解しない傾向がある。しかしながら適切に濡れた場合はポリマーの分子はほどける(uncoil)だろう。使用に際して、好適な塩基を用いて中和することによって酸を塩に変換することが一般的である。中和の機能はポリマー鎖に沿った正電荷を作り出し、電荷反発及びポリマーの膨張を引き起こす。膨張は、膨張した分子の絡み合いによるゲル構造、及び水相の「構造化」を作り出し、高効率の増粘、安定化、及び懸濁特性をもたらす。
【0023】
好ましいカルボン酸ポリマーは3つの異なったカテゴリーに分類されることができ、INCI名称及びNoveonの材料の商標名によっておおよそ決めることができる。好適なポリマーは、カルボマーまたはアクリレーツ/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマーのINCI名称が付けられた任意の材料から選択することができる。例として、Acritamer,Carbopol、Carbopol ETD、Carbopol Ultrez、Pemulen、Aquapec、Junlon、Polygel、Synthalen、及びTego Carbomerの商標名で販売されている材料が挙げられる。
【0024】
第1の分類はINCI名称のカルボマーを有し、そして幅広い様々な会社から各種の商標名で市販されていて、Noveon製のCarbopol系が含まれる。カルボマーは、好ましくは、多価アルコールのポリアルケニルポリエーテルから選択される3〜5個の炭素原子及び5%未満の好適な架橋剤を含む、不飽和カルボン酸のポリマーであり、好ましくは、アセトン若しくは低級アルキルアセテート、またはそれらの混合物から選択される好適な有機溶媒中で合成される。すなわち、カルボマーはペンタエリトリトール、スクロース、またはプロピレンのアリルエーテルで架橋したアクリル酸のホモポリマーである。1つの特に好ましい材料はOptasense(商標)G40 Carbomer(Croda製のポリアクリル酸)である。
【0025】
第2の分類はアクリレーツ/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマーのINCI名称を有する。これらの材料は、複数の会社から様々な商標名で市販されていて、Noveon製のCarbopol ETD及びUltrezが含まれる。アクリレーツ/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマーは、スクロース若しくはペンタエリトリトールのアリルエーテルで架橋した、C10−30アルキルアクリレートとアクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの単純エステルの1以上のモノマーとの共重合体である。「10−30」の意味は、10〜30個の炭素原子を意味する。これらのポリマーは好ましくは、少なくとも85%の3〜5個の炭素原子の不飽和カルボキシルモノマー、さらに好ましくはカルボン酸、並びに好適なケトン、エステル、エーテル、及びアルコール、またはそれらの混合物から選択される有機溶媒中で合成される最大15%のコモノマー、さらに好ましくは酢酸エチル及びシクロヘキサンの混合物を含む。これらのポリマーの機能及び使用の一態様は、上記のカルボマーで記載したもの、すなわち分子鎖のもつれと同様である。しかしながら、ポリマー鎖に沿った疎水性部分の存在が、疎水基をそれら自身及び他の疎水性粒子、種、及びオイルに関連させることを可能として、さらなる安定性及び配合柔軟性をもたらす。
【0026】
第3の分類は、INCI名称のアクリレーツ/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマーも支持する様々なポリマーを対象とするが、第1の乳化剤として機能しようと第2の乳化剤として機能しようと、高電解質水溶液系及び乳化において増加された利点を提供する。これらの材料は他社からも供給されるが、これらの材料の最も有名な供給業者はPemulenの商標名のNoveonである。これらの材料は不飽和カルボン酸の架橋された共重合体、疎水性モノマー、疎水性の連鎖移動剤、及び架橋剤である。増粘のメカニズムは、疎水性部分の割合が高いことを除いて上記の第2の分類に非常に類似し、それゆえに疎水基の存在下でさらなる安定性、及びさらなる配合柔軟性を可能とする。
【0027】
本発明の特に驚くべき特徴は、分散体の総質量に基づいて、好適には5質量%より高い、好ましくは10質量%より高い、さらに好ましくは20〜60質量%の範囲、特に25〜50質量%、及び特に30〜40質量%の濃度でカルボン酸ポリマーを含んで、分散体を作ることができることである。概して、本発明による分散体は約30質量%または40質量%のカルボン酸ポリマーを含む。
【0028】
有機媒体の連続相としては化粧品として受容可能な材料が好ましく、例えば、Cosmetics Toiletries and Fragrance Associationによって溶媒として登録されるもののようなパーソナルケアまたは化粧品に広く用いられる種類のオイルである。有機媒体は好ましくは、主成分または基質として、例えば脂肪族アルコール、グリコール、グリセリドオイル、植物油、エステルオイル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルキルカーボネート、ミネラルオイル、及びシリコーンオイル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるもののような室温で液体である1以上の油状物質を含むか、本質的にそれらの1以上の油状物質からなるか、あるいはそれらの1以上の油状物質からなる。好適なシリコーンオイルまたはシロキサン溶液は、例えばシクロメチコンとして知られるジメチルシロキサンの環状五量体のような環状オリゴマーのジアルキルシロキサンを含む。他のシロキサン溶液には、好適な流動性を有するジメチルシロキサンの直鎖状オリゴマーまたはポリマー、及びフェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(フェニルトリメチコンとしても知られる)が含まれる。
【0029】
好適な有機媒体基質の特定の例にはアボカド油、C12−C15アルキルベンゾエート、C12−C15アルキルエチルヘキサノエート、C12−C15アルキルラクテート、C12−C15アルキルサリチレート、C13−C14イソパラフィン、C18−36酸グリコールエステル、C18−36酸グリセリド、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/リノール酸/ステアリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸トリグリセリド、キャスターオイル、キャスターオイル−シリコーンエステル、セテアリルエチルヘキサノエート、セテアリルイソノナノエート、セテアリルパルミテート、セテアリルステアレート、セチルジメチコン、セチルジメチコンコポリオール、セチルエチルヘキサノエート、セチルグリコールイソステアレート、セチルイソノナノエート、セチルラクテート、セチルミリステート、セチルオレエート、セチルパルミテート、セチルリシノレエート、セチルステアレート、ココグリセリド、ココナッツオイル、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロテトラシロキサン、デシルイソステアレート、デシルオレエート、デシルポリグルコシド、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルダイマージリノレエート、ジエチルヘキシルマレート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルダイマージリノレエート、ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、ジイソステアリルアジペート、ジイソステアリルダイマージリノレエート、ジイソステアリルマレート、ジイソステアリルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、ジラウロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、ジラウリルトリメチロールプロパンシロキシシリケート、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジメチコンプロピルPG−ベタイン、ジメチコノール、ジメチルイソソルビド、ジオクチルマレエート、ジオクチルドデシルダイマージリノレエート(dioctylodedecyl dimer dilonoleate)、エチルヘキシルベンゾエート、エチルヘキシルココエート、エチルヘキシルジメチルPABA、エチルヘキシルエチルヘキサノエート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルヒドロキシステアレートベンゾエート、エチルヘキシルイソノナノエート、エチルヘキシルイソパルミテート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルラウレート、エチルヘキシルメトキシシンナメート、エチルヘキシルミリステート、エチルヘキシルネオペンタノエート、エチルヘキシルオレエート、エチルヘキシルパルミテート、エチルヘキシルサリチレート、エチルヘキシルステアレート、グリセリルカプレート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプリレート/カプレート、グリセリルココエート、グリセリルジラウレート、グリセリルジオレエート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリルイソステアレート、グリセリルラウレート、グリセリルオレエート、グリコールオレエート、グリコールリシノレエート、ヘリアンサスアナス(ハイブリッドサンフラワー)シードオイル、ヘリアンサスアナス(サンフラワー)シードオイル、ホモサレート、イソアミルラウレート、イソアミルp−メトキシシンナメート、イソセチルアルコール、イソセチルベヘネート、イソセチルエチルヘキサノエート、イソセチルイソステアレート、イソセチルラウレート、イソセチルリノレオイルステアレート、イソセチルミリステート、イソセチルパルミテート、イソセチルサリチレート、イソセチルステアレート、イソセチルステアロイルステアレート、イソヘキサデカン、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルC12−15−パレス−9カルボキシレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルラノレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルリノレエート、イソプロピルメトキシシンナメート、イソプロピルミリステート、イソプロピルオレエート,イソプロピルパルミテート、イソプロピルPPG−2−イソデセス−7−カルボキシレート、イソプロピルリシノレエート、イソプロピルステアレート、イソステアリン酸、イソステアリルアルコール、イソステアリルエチルヘキサノエート、イソステアリルイソノナノエート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルラクテート、イソステアリルミリステート、イソステアリルネオペンタノエート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアロイルステアレート、ホホバオイル、ラノリン(ラノリンオイル)、マレイン酸(maleated)大豆油、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルラクテート、ミリスチルミリステート、ミリスチルネオペンタノエート、ミリスチルステアレート、オクトクリレン、オクチルデカノール、オクチルドデカノール、オエノテラビエンニス(イブニングプリムローズオイル)、流動パラフィン(ミネラルオイル)、PCAジメチコン、ペンタエリトリチルテトライソノナノエート、ペンタエリトリチルテトライソステアレート、パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、パーシアグラティッシマ(アボカドオイル)、フェニルトリメチコン、PPG−15ステアリルエーテル、プロピレングリコールセテス−3アセテート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、プロピレングリコールジステアレート,プロピレングリコールイソセテス−3アセテート、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールリシノレエート、プロピレングリコールステアレート、プルーナスダルシス(スウィートアーモンドオイル)、スクアレン、スクアレン、トリカプリリン、トリカプリリルシトレート、トリデシルエチルヘキサノエート、トリデシルネオペンタノエート、トリデシルステアロイルステアレート、トリエチルヘキサノイン、トリエチルヘキシルシトレート、トリヒドロキシステアリン、トリイソセチルシトレート、トリイソステアリン、トリイソステアリルシトレート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、トリメチルシロキシシリケート、トリチカムブルガレ(コムギ胚芽油)、ヴィティスヴィニフェラ(ぶどう)シードオイル、及びそれらの混合物が含まれる。
【0030】
本発明の分散体に用いる好ましい有機媒体の連続相は、主成分または基質として、グリセリドオイル、さらに好ましくはトリグリセリドオイルを含む。とりわけ、グリセリドオイルは概して中鎖脂肪酸種、特に16個以下の炭素原子鎖長を有する脂肪酸を用いて作られるが、出発材料の最大約10質量%は16個より長い炭素原子鎖長を有してもよい。最も好ましくは、グリセリドオイルを作るために用いられる脂肪酸は約C5〜約C14の範囲である。酸種は飽和または不飽和、直鎖状または分枝鎖状、置換または非置換されたものであることができる。好ましい材料は中鎖(主にC14以下の酸を基にする)トリグリセリド、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを含む。
【0031】
本発明の分散体に用いる有機媒体の連続相は好ましくは少なくとも1種の極性材料を含むか、本質的に少なくとも1種の極性材料からなるか、あるいは少なくとも1種の極性材料からなり、当該極性材料は好適には5〜30、好ましくは12〜25、さらに好ましくは15〜23、特に18〜22、及び特に19〜21mN/mの範囲の水に対する界面張力を有する(25℃においてドゥノイリング法によって測定される)。極性材料の混合物が用いられる場合、界面張力の平均値は上述の好ましい範囲内に入ることが好ましい。
【0032】
好適な極性材料は、C12−15アルキルベンゾエート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、セテアリルイソノナノエート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルパルミテート、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルミリステート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデカノール、ペンタエリトリチルテトライソステアレート、PPG−15ステアリルエーテル、トリエチルヘキシルトリグリセリド、ジカプリリルカーボネート、エチルヘキシルステアレート、ヘリアンサスアナス(サンフラワー)シードオイル、イソプロピルパルミテート、オクチルドデシルネオペンタノエート、及びそれらの混合物を含むか、あるいは、それらからなる群から選択される。好ましい極性材料はトリエチルヘキシルトリグリセリド、C12−15アルキルベンゾエート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、イソノニルイソノナノエート、イソステアリルネオペンタノエート、及びオクチルドデシルネオペンタノエートであり、そして特に好ましい極性材料はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドであり、例えばCRODAMOL(商標)GTCC(Croda製)である。
【0033】
本発明の分散体に用いる他の好ましい有機媒体の連続相は、少なくとも一種のミネラルオイルであって特に軽油を含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0034】
本発明による分散体中の有機媒体または基質の濃度は、分散体の総質量に基づいて、好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは25〜65質量%、特に30〜55質量%、及び特に35〜50質量%の範囲である。
【0035】
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化界面活性剤及び/または例えば脂肪酸エステル、エーテル、ヘミ−アセタール、若しくはポリヒドロキシル化合物のアセタール、またはポリヒドロキシル化合物の残基でN−置換された脂肪酸アミド、のような天然材料に由来する界面活性剤であることができる。非イオン性界面活性剤の疎水性物質、通常、ヒドロカルビル基は典型的には鎖式、一般にはアルキル鎖であり、好ましくは8〜24、さらに好ましくは12〜22、及び特に14〜20個の炭素原子を含む。
【0036】
アルコキシル化界面活性剤なる用語は、疎水性物質が、反応性水素原子を有する連結基の残基を通じて、アルキレンオキシド残基(親水性物質)のオリゴマー鎖またはポリマー鎖に結合している界面活性剤を示す。連結基は酸素原子(ヒドロキシル基の残基);カルボキシル基(脂肪酸またはエステルの残基);アミノ基(アミン基の残基);またはカルボキシアミド(カルボン酸アミドの残基)であることができる。アルキレンオキシド残基は概してエチレンオキシド(C24O)若しくはプロピレンオキシド(C36O)の残基またはエチレン及びプロピレンオキシドの残基の組み合わせである。組み合わせた残基が用いられる場合、エチレンオキシド残基の割合は、通常、少なくとも約50モル%、より一般的には少なくとも75モル%であり、残りがプロピレンオキシド残基である。好ましい実施態様では、残基のほとんど全てがエチレンオキシド残基である。界面活性剤分子中のアルキレン残基の数は、好ましくは2〜約200である。アルキルフェニルエトキシレートを用いることができるが、これらは概して、パーソナルケア用途には現在望まれない。
【0037】
好適なアルコキシル化界面活性剤の例には、式(Ia):R1−O−(AO)n−Hのアルコールアルコキシレート;式(Ib):R1−COO−(AO)n−R2(さらに共形成物を加えたもの)の脂肪酸アルコキシレート;式(Ic):R1−NR3−(AO)n−Hの脂肪族アミンアルコキシレート;または式(Id):R1−NR3−(AO)n−Hの脂肪族アミドアルコキシレートが含まれ、
それぞれのR1は独立してC8〜C24、特にC12〜C22のヒドロカルビル、特にアルキル基であり;R2は水素原子またはC1〜C6のアルキル基であり;そしてそれぞれのR3は独立してC1〜C6のアルキル基または(AO)n−Hの原子団であり;
それぞれのAOは独立してエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基であり;そして分子内の指数nの合計は2〜200である。
【0038】
好ましい実施態様では、アルキレンオキシドの誘導体ではない非イオン性界面活性剤が用いられ、すなわち1種または複数種の非イオン性界面活性剤は完全に生物由来物質、特に植物由来物質を原料とする。非イオン性界面活性剤は好ましくは脂肪酸エステル、エーテル、ヘミ−アセタール若しくはポリヒドロキシル化合物のアセタール、またはポリヒドロキシル化合物の残基でN−置換された脂肪酸アミド、特にサッカリド脂肪酸エステルである。
【0039】
特に有益なポリヒドロキシル化合物のエステルは、サッカライドエステル、特に脂肪酸並びに糖類、特にスクロース、フルクトース、及び/またはグルコースのモノ−エステルである。商業的に入手可能な糖エステルは一般的にモノ−エスエル、より多いエステル、及びときには遊離した出発材料(糖類)を含む混合物である。本発明では、比較的高い割合のモノ−エステルを有する糖エステルを用いることが望ましい。概して用いられる糖エステルは少なくとも50%、より一般的には少なくとも60%、及び望ましくは少なくとも65%のモノエステルの含有量を有するだろう。割合は、例えば70%、80%、あるいはより大きくてもよいが、モノエステルを非常に高い割合で有する製剤は非常に高価となる。糖エステルは比較的親水性の界面活性剤であり、そしてより親水性が少ない変異体を用いることができ、サッカライド残基上のヒドロキシル基(通常1つのみ)が概してC1〜C4のアルキル基、例えばメチル基を用いてエーテル化される(アセタール化される)。望ましい糖エステルは式(IIa):R1−COO−(G)aからなることができ、R1は上に定義したようにアルコキシル化界面活性剤のものと同じであり;それぞれのGは独立してサッカライド残基、特にグルコース、マンノース、またはフルクトースの残基であり;そしてaは1〜約5、特に約2であり、特に残基(G)aはスクロースまたはグルコースの残基である。
【0040】
ポリヒドロキシル化合物の他のエステルには好ましくは8〜24、さらに好ましくは12〜22、及び特に16〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、並びにポリオール、特にグリセロール、またはポリグリセロール、または例えばソルビタンのようなアンヒドロ−サッカライドが含まれる。概してこれらの材料は望ましくはまた主にモノ−エステルとして用いられる。例として、グリセロールモノ−ラウレート、トリグリセロールモノ−ステアレート、及び比較的疎水性の界面活性剤のうちのグリセロールモノ−ステアレート、及びソルビタンモノ−オレエート、−ステアレート、イソステアレート、または−ラウレートが挙げられる。そのような好適なエステルは式(IIb):R1−COO−R4からなることができ、R1は上に定義したようにアルコキシル化乳化剤のものと同じであり;そしてR4はポリヒドロキシルヒドロカルビル基、特に3〜10個の炭素原子及び2〜6個のヒドロキシル基を含むアルキル基またはアルキルエーテル基である。
【0041】
他のエステル界面活性剤には、ヒドロキシカルボン酸の脂肪酸エステル、特に、脂肪グリセリド、モノ−及びジ−グリセリド、並びにポリヒドロキシ−カルボン酸の間のエステル交換反応の生成物が含まれる。これらの生成物は、通常、エーテルとして記述されるが、特に脂肪酸残基がヒドロキシカルボン酸上のヒドロキシル基とエステル結合する場合、概して出発材料とエステル交換反応による生成物との混合物である。これらの生成物では、脂肪酸は好ましくは8〜24、さらに好ましくは12〜22、特に16〜20個の炭素原子を有し、そしてヒドロキシカルボン酸は好ましくはクエン酸である。
【0042】
糖類に由来する非イオン性界面活性剤の他の種類は、サッカライドヒドロカルビルエーテル、ヘミ−アセタールまたはアセタール、通常、ヒドロカルビルとして知られ、特にアルキル、ポリサッカライド(さらに適切にはオリゴサッカライド)、及び特に式(IIc):R1−O−(G)aの材料であり、R1は上に定義したようにアルコキシル化界面活性剤のものと同じであり;Gは独立してサッカライド残基、特にグルコース残基であり、そしてaは1〜約5、特に約1.3〜約2.5である。
【0043】
さらなる非イオン性界面活性剤の種類は、N−置換された脂肪酸アミドからなり、N置換基は、一般に、例えばグルコシル基のようなサッカライド残基であるポリヒドロキシル化合物の残基である。界面活性剤のこの種類には、式(IId):R1−CO−NR56の材料が含まれ、R1は上に定義したようにアルコキシル化界面活性剤のものと同じであり;R5は水素原子、C1〜C6のアルキル基、または式R6の原子団であり;そしてR6はポリヒドロキシルヒドロカルビル基であり、特に3〜10個の炭素原子及び2〜6個のヒドロキシル基を含む基であり、並びに概してグルコシル残基である。
【0044】
好ましい実施態様では、非イオン性界面活性剤は比較的疎水性であり、すなわち好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下、及び特に8以下の親水親油バランス(HLB)を有する。そのような非イオン性界面活性剤は好ましくは、平均、2〜約10個のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド残基を有するアルコキシル化界面活性剤;脂肪酸が例えばグリセロールモノ−ステアレート、−オレエート、または−ラウレートのような14〜24個の炭素原子を有する場合のグリセロールエステル;及び例えばソルビタン−ステアレート、−イソステアレート、−ココエート、−オレエート、または−ラウレートのようなアンヒドロサッカライド脂肪エステルからなる群から選択される。好ましい実施態様では、非イオン性界面活性剤はソルビタンオレエート、ソルビタンココエート、ソルビタンステアレート、ソルビタンイソステアレート、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化脂肪族アルコール、グリセロールモノ−オレエート、グリセロールイソステアレート、ポリグリセロールオレエート、ポリグリセロールリシノレエート、及びポリグリセロールイソステアレート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。ポリグリセロールリシノレエートは好ましい非イオン性界面活性剤であり、例えばCrester(商標)PR(Croda製)がある。特に好ましい実施態様では、非イオン性界面活性剤はアンヒドロ−サッカライドのエステル、さらに好ましくは例えばオレエート、−ココエート、ステアレート、イソステアレート、またはラウレートのようなソルビタンエステルを含む。ソルビタンイソステアレート、例えばCrill(商標)6(Croda製)、及びソルビタンココエート、例えばCrill(商標)1(Croda製)は、特に好ましい非イオン性界面活性剤である。
【0045】
本発明の分散体を作る上で、異なる種類の界面活性剤の組み合わせを用いること、特に、大きいHLBを有する、例えば好ましくは10より大きい、さらに好ましくは12より大きいHLBを有する親水性非イオン性界面活性剤と、小さいHLBを有する、例えば好ましくは10より小さい、さらに好ましくは8より小さいHLBを有する疎水性非イオン性界面活性剤とを組み合わせることが有益となり得る。比較的親水性の非イオン性界面活性剤は、平均、約10〜約100個のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシドの残基を有するアルコキシル化乳化剤;並びに糖モノ−エステル及びグリセロールモノ−エステル、ヒドロカルビル、特にアルキル、ポリサッカライドを含む非アルコキシル化非イオン性界面活性剤;脂肪酸が例えばグリセロールモノ−ラウレートのような8〜12個の炭素原子を有する場合の脂肪酸グリセロールエステル及び例えばグルカミドのような脂肪酸N−糖アミドを含む。比較的疎水性の非イオン性界面活性剤は、平均、約2〜10個のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド残基を有するアルコキシル化界面活性剤;脂肪酸が例えばグリセロールモノ−ステアレート、−イソステアレート、−ココエート、または−ラウレートのような14〜24個の炭素原子を有する場合のグリセロールエステル;及び例えばソルビタンモノ−ステアレート、−イソステアレート、−オレエート、−ココエート、または−ラウレートのようなアンヒドロサッカライド脂肪エステルを含む。
【0046】
上述のアルコキシレート及び非アルコキシレート種の非イオン性界面活性剤を自由に組み合わせることは概して技術的に可能である。そのような組み合わせは、分散体が例えば低HLBの非アルコキシル化界面活性剤を組み合わせて用いる親水性のアルコキシル化界面活性剤を含む場合に、魅力的となり得る。しかしながら、親水性の非アルコキシル化界面活性剤、特に糖モノ−エステル界面活性剤は、典型的なアルコキシル化界面活性剤よりも高価であり、アルキレンオキシドの誘導体を含まない界面活性剤系を有することが望ましい場合にのみ一般に用いられるだろう。
【0047】
本発明による分散体中の非イオン性界面活性剤の濃度は、分散体の総質量に基づいて、好適には0〜40質量%、好ましくは2〜25質量%、さらに好ましくは5〜15質量%、特に6〜12質量%、及び特に7〜11質量%の範囲内である。
【0048】
本発明の分散体に用いられるエモリエントエステルは好ましくはアルコキシル化エステル、さらに好ましくはプロポキシル化エステルである。エモリエントエステルは好ましくはアルコキシル化アルコール及びカルボン酸に由来する。エモリエントエステルは好ましくは有機媒体の連続相に混和性を有し、そしてさらに好ましくは水と混ざらない。
【0049】
エモリエントエステルは好ましくは、6〜22個の炭素原子を有するアルコキシル化脂肪族アルコール及びそれらの混合物と反応した2〜12個の炭素原子、さらに好ましくは4〜6個の炭素原子を有する一塩基酸またはモノカルボン酸、ジ−またはトリ−カルボン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択され、アルコキシ基は包含的に平均して2〜3個の炭素原子の鎖長であり、それぞれの分子内に平均して約2〜約50単位で存在する。
【0050】
本発明で用いられる好ましいアルコキシル化エモリエントエステルを生成する反応に用いられるカルボン酸、脂肪族アルコール、及びアルコキシ基が、特に天然資源に由来する場合、及び特定の酸及びアルコールへの言及が、用いられる材料の第1または主な成分を言う場合に、大抵、いろいろな炭素鎖長の様々な類似の化合物を含むことは明らかである。
【0051】
さらに好ましくは、エモリエントエステルは、10〜18個の炭素原子、さらに好ましくは12〜16個の炭素原子を有するアルコキシル化脂肪族アルコール及びそれらの混合物と反応した4〜6個の炭素原子を有するジ−またはトリ−カルボン酸の反応生成物及びそれらの混合物からなる群から選択され、アルコキシ基は包含的に平均して2〜3個の炭素原子の鎖長を有し、それぞれの分子内に平均して約2〜約10単位、さらに好ましくはそれぞれの分子内に平均して約2〜約5単位で存在する。
【0052】
特に好ましいカルボン酸は、ジカルボン酸であるマレイン酸、コハク酸、及びアジピン酸、並びにトリカルボン酸であるクエン酸である。
【0053】
脂肪族アルコールは、直鎖状または分枝鎖状、置換または非置換されたもの、飽和、不飽和、またはポリ不飽和であってもよい。それらは好ましくは6〜22個の炭素鎖長、さらに好ましくは10〜18個の炭素鎖長を有する。それぞれの脂肪族アルコール基が同一である必要はなく、したがってエモリエントエステルは非対称に置換されてもよい。
【0054】
本発明に用いられる好ましいアルコキシル化エモリエントエステルに有益なアルコキシ基は概して2〜3の炭素数の短鎖のアルコキシ基、すなわちエトキシ基及びプロポキシ基である。最も好ましいプロポキシ基は分枝鎖のプロポキシであり、メチル基が鎖の第1または第2の炭素原子に結合している。プロポキシ基の混合物が存在してもよい。アルコキシ置換基は均質(例えばすべてエトキシ)であることができ、またはエトキシ及びプロポキシの混合物及び/または異なる形態のプロポキシ基の混合物であってもよい。異なる形態のプロポキシ基並びに/またはプロポキシ基及びエトキシ基が用いられる場合、順序はランダムまたはひとまとめであることができる。それぞれの基は別々の単位とみなすことができ、それぞれの分子内のアルコキシ単位の平均の数は、概して1〜50個、好ましくは1〜30個、さらに好ましくは2〜15個の範囲であろう。
【0055】
特に好ましいエモリエントエステルは、ジ−PPG−3−ミリスチルエーテルアジペート及びトリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレートであり、特にトリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレートである。
【0056】
エモリエントエステルは好ましくは、15〜25、さらに好ましくは17〜22、特に18.5〜21、並びに特に19.5〜20の範囲内のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する。
【0057】
エモリエントエステルの求められるHLB値は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは4〜8、特に4.5〜6、及び特に5〜5.5の範囲内である。
【0058】
本発明による分散体中のエモリエントエステルの濃度は、分散体の総質量に基づいて、好適には0〜40質量%、好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは5〜25質量%、特に8〜18質量%、及び特に11〜14質量%である。
【0059】
本発明の特に好ましい実施態様では、分散体は、本明細書に記載されるようにエモリエントエステル及び非イオン性界面活性剤の両方を含む。
【0060】
本発明の一実施態様では、分散体は、(i)脂肪族アルコール、グリコール、グリセリドオイル、植物油、エステルオイル、脂肪族アルコールアルコキシレート、アルキルカーボネート、ミネラルオイル、及びシリコーンオイル、並びにそれらの混合物、(ii)非イオン性界面活性剤、並びに(iii)エモリエントエステル、の有機媒体液相中に分散されたカルボン酸ポリマーを含むか、本質的に当該カルボン酸ポリマーからなるか、または当該カルボン酸ポリマーからなる。成分(i)は好ましくは、12〜25、さらに好ましくは15〜23mN/mの水に対する界面張力を有し;並びに/または成分(ii)は好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下のHLB値を有し;並びに/または成分(iii)は好ましくは7〜22、さらに好ましくは18.5〜21のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する。特に好ましい成分は(i)グリセリドオイル、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、(ii)ソルビタンエステル、特にソルビタンイソステアレート及び/若しくはソルビタンココエート、並びに/または(iii)ジ−PPG−3−ミリスチルエーテルアジペート及び/若しくはトリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレートであり、特にトリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレートである。
【0061】
本発明の1つの好ましい実施態様では、分散体が、エモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を含む有機媒体を混ぜ合わせることによって液相を形成すること、次いで微粒子の形態で液相中にカルボン酸ポリマーを分散させることによって得られる。好ましくは、例えばパドルミキサ−のような低せん断混合が使用される。さらに好ましい実施態様では、混合は加熱しないで、すなわち低温または室温で行われる。
【0062】
本発明の分散体中で、カルボン酸ポリマーの成分が安定して分散していることが分かった。結果として、分散体は、水中油型乳剤及び油中水型乳剤、特に本発明の更なる実施態様を構成する最終用途の乳剤または製剤を作るために用いられる場合に、特に効果的である。
【0063】
最終用途の乳剤または製剤を生成するために用いられる分散体の濃度は、乳剤の質量に基づいて、好適には0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%、さらに好ましくは0.2〜1質量%、特に0.25〜0.5質量%、及び特に0.3〜0.4質量%である。
【0064】
いかなる特定の理論にも束縛されること無しに、本発明による分散体の液相は特に、カルボン酸ポリマーのポリマー鎖の凝集を低減及び/またはもつれを解くことに効果的であり、したがって、そのようなカルボン酸ポリマーを用いる場合に一般的に認められるよりも広い範囲にカルボン酸ポリマーを分散させることを可能とする。さらに効果的なポリマー鎖の分散体はまた、本発明の分散体を用いて乳剤を生成する場合に、ポリマー鎖をより効果的に機能させることを可能とする。カルボン酸ポリマーを含む典型的な公知の乳剤と比較して、本発明による分散体が、中和されて6〜7のpHを達成する場合(概してカルボン酸ポリマーの増粘または安定化特性を最大化するために必要とされる)に添加されるより多くの量のpH調整剤、例えばトリエタノールアミンを必要とするという事実によって、ポリマー鎖のより高い利用性が推定される。より多くの量のpH調整剤を使用するということは、公知の乳剤において中和を必要とするものと比べて多くの量の残留酸及びヒドロキシ基を中和する必要性を意味する。これは、本発明による分散体において、そのような残基が中和されることが大いに可能であることを示している。
【0065】
一実施態様では、本発明による分散体が、水混和性(または溶解性)エモリエントエステルと組み合わせて用いられて最終用途の乳剤を生成する。
【0066】
水混和性エモリエントエステルは好ましくは20〜30、さらに好ましくは21〜27、特に22〜25、並びに特に23〜24の範囲内のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する。
【0067】
さらに、水混和性エモリエントエステルは好ましくは8〜18、さらに好ましくは9〜14、特に10〜12、及び特に10.5〜11の範囲内のHLB値を有する。
【0068】
水混和性エモリエントエステルは好ましくはアルコキシル化エステルであり、さらに好ましくはエトキシ化エステルである。アルコキシル化グリセリドが好ましく、特にグリセリドはC6〜C20、好ましくはC6〜C18の脂肪カルボン酸に由来し、概して例えばココナッツオイル及びパームカーネルオイルのような再生可能資源に由来する。そのようなグリセリドのアルコキシ基は概して2〜3の炭素数の短鎖アルコキシ基、すなわちエトキシ基及びプロポキシ基である。プロポキシ基の混合物が存在してもよい。アルコキシ置換基は均質であることができ(例えば好ましくは全てエトキシ)、またはエトキシ及びプロポキシの混合物、及び/または異なる形態のプロポキシ基の混合物であってもよい。異なる形態のプロポキシ並びに/またはプロポキシ基及びエトキシ基が用いられる場合、順序はランダムまたはひとまとめであることができる。それぞれの基は別々の単位とみなすことができ、それぞれの分子内のアルコキシ単位の平均の数は、好ましくは1〜100個、さらに好ましくは1〜50個、及び特に2〜15個の間の範囲であろう。
【0069】
特に好ましいアルコキル化グリセリドは、エトキシココエートグリセリド、エトキシカプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びエトキシパームカーネルグリセリドからなる群から選択され、特にエトキシココエートグリセリド、例えばPEG−7グリセリルココエート(Glycerox(商標)HE(Croda製))である。
【0070】
本明細書に記載される分散体及び水混和性エモリエントエステルは、乳剤の調合において別々の材料として添加してもよい。その場合において、(i)用いられる分散体の濃度は、乳剤の質量に基づいて、好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%、特に0.2〜0.5質量%、及び特に0.3〜0.4質量%であり;そして(ii)用いられる水混和性エモリエントの濃度は、乳剤の質量に基づいて、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%、特に0.3〜2質量%、及び特に0.5〜1質量%である。
【0071】
しかしながら他の実施例では、分散体及び水混和性エモリエントエステル及び/または8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤が、好ましくは水とあらかじめ混ぜ合わされて、好ましくは透明または半透明であり、ゲルのような稠度(ゲルまたは濃度の高い液体(以下ゲルという))を有する組成物を生成する。ゲル状組成物は好ましくは透明で、室温において軟質ゲルであり、容易に水に溶解しそして良好な熱安定性を示す。ゲル状組成物は本発明のさらなる実施態様を構成する。
【0072】
ゲルはまた、水中油型乳剤及び油中水型乳剤に用いられる場合に特に効果的である。分散剤及びゲルの両者の組み合わせもまた、最終用途の乳剤を生成するために用いられることができる。
【0073】
ゲル状組成物は好ましくは、(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/または8以上、好ましくは最大18のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)有機媒体及び/または非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマーを含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0074】
8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤は、好適な本明細書に記載する界面活性剤のいずれかであってもよい。
【0075】
ゲルを生成するために用いられる本明細書に規定される分散体の濃度は、組成物の質量に基づいて、好適には0.5〜40質量%、好ましくは2〜35質量%、さらに好ましくは3〜30質量%、特に4〜25質量%、及び特に5〜20質量%の範囲内である。
【0076】
ゲル中の、水混和性エモリエントエステル及び/または8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤の濃度は、組成物の質量に基づいて、好適には30〜90質量%、好ましくは40〜85質量%、さらに好ましくは50〜80質量%、特に60〜72質量%、及び特に64〜68質量%の範囲内である。
【0077】
ゲル中の水の濃度は、組成物の質量に基づいて、好適には0〜60質量%、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは3〜40質量%、特に4〜35質量%、及び特に5〜30質量%である。
【0078】
ゲル中のカルボン酸ポリマーの濃度は、組成物の質量に基づいて、好適には0.3〜15質量%、好ましくは0.6〜10質量%、さらに好ましくは0.9〜8質量%、特に1.2〜6質量%、及び特に1.5〜5質量%である。
【0079】
本発明のゲル状組成物は、所望に応じて他の材料、例えば前述のような追加の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0080】
本発明による1つの好ましいゲル状組成物は、(i)20〜35質量%、さらに好ましくは25〜30質量%の水、(ii)本明細書に規定されるように1〜10質量%、さらに好ましくは3〜7質量%の分散体、並びに(iii)60〜75質量%、さらに好ましくは65〜70質量%の、21〜27、さらに好ましくは22〜25のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する水混和性エモリエントエステルを含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0081】
本発明による他の好ましいゲル状組成物は、(i)2〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%の水、(ii)本明細書に規定されるように10〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%の分散体、(iii)60〜75質量%、さらに好ましくは65〜70質量%の、21〜27、さらに好ましくは22〜25のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する水混和性エモリエントエステル、並びに(iv)5〜13質量%、さらに好ましくは8〜10質量%の、好ましくは8未満のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、を含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0082】
最終用途の乳剤を生成するために用いられるゲルの濃度は、乳剤の質量に基づいて、好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%、特に2〜6質量%、及び特に3〜5質量%の範囲内である。
【0083】
本発明のさらなる実施態様では、本明細書に規定される分散体及び/またはゲル状組成物、好ましくは分散体を、最終用途の乳剤または調合製品を作るために用いることもできる乳化系またはプレ乳剤(若しくは濃縮乳剤)を作るために用いることができる。乳化系は好ましくは水中油型乳剤の形態である。乳化系は、任意の必要な有効成分とともに水及び/またはオイルの単純な添加を行うことによって、すなわちさらに非イオン性界面活性剤または乳化剤を添加する必要がなく、安定な水中油型または油中水型の乳剤を生成することを可能とする完全に調合された系と見なされることができる。これは、最終用途の調合者に、特に低温または室温において、特に低せん断混合によって、単一の乳化系から幅広い範囲の乳剤を生成することができる優れた柔軟性を与える。
【0084】
本発明による乳化系を生成するために用いられる本明細書に規定される分散体及び/またはゲル状組成物、好ましくは分散体の濃度は、組成物の質量に基づいて、好適には0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%、特に2.5〜3.5質量%、及び特に2.7〜3.3質量%の範囲内である。
【0085】
乳化系は好ましくは(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマーを含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0086】
乳化系内の水の濃度は、系の質量に基づいて、好適には10〜60質量%、好ましくは15〜50質量%、さらに好ましくは20〜40質量%、特に25〜35質量%、及び特に28〜32質量%である。
【0087】
乳化系のオイル成分またはオイル相は、分散体を生成するための本明細書に記載される1種以上の有機媒体を含んでもよく、好適には同じ好ましい材料、すなわち特にグリセリドオイルを含む。
【0088】
乳化系中のオイルの濃度は、系の質量に基づいて、好適には15〜70質量%、好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは25〜50質量%、特に30〜45質量%、及び特に35〜40質量%である。
【0089】
乳化系の非イオン性界面活性剤の成分は、分散体を生成するための本明細書に記載される1種以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性界面活性剤の成分は乳化剤として、特に水中油型乳化剤として機能する。好ましくは、本明細書に記載されるような高及び低HLBの非イオン性界面活性剤の組み合わせが用いられる。
【0090】
乳化系中の非イオン性界面活性剤の濃度は、系の質量に基づいて、好適には3〜30質量%、好ましくは8〜28質量%、さらに好ましくは12〜26質量%、特に16〜24質量%、及び特に20〜22質量%である。
【0091】
乳化系中の非イオン性界面活性剤の成分は好ましくは、(i)系の質量に基づいて、1〜6質量%、さらに好ましくは2〜4質量%、特に2.5〜3.5質量%、及び特に2.8〜3.2質量%の範囲内の、10より大きい、好ましくは12より大きいHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(ii)系の質量に基づいて、2〜12質量%、さらに好ましくは4〜8質量%、特に5〜7質量%、及び特に5.5〜6.5質量%の範囲内の、2.5より大きく10未満、好ましくは3より大きく8未満のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、並びに(iii)系の質量に基づいて、2〜18質量%、さらに好ましくは6〜16質量%、特に10〜14質量%、及び特に11〜13質量%の範囲内の、2.5未満、好ましくは約2であるHLB値を有する非イオン性界面活性剤、を含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0092】
乳化系の水混和性エモリエントエステルの成分は、本発明による分散体と組み合わせて用いるための本明細書に記載される1以上の水混和性エモリエントエステルを含んでもよく、好適には同じ好ましい材料、すなわち特にアルコキシル化エモリエントエステルを含む。
【0093】
乳化系中の水混和性エモリエントエステルの濃度は、系の質量に基づいて、好適には0〜25質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは7〜15質量%、特に9〜11質量%、及び特に9.5〜10.5質量%である。
【0094】
乳化系中のカルボン酸ポリマーの濃度は、組成物の質量に基づいて、好適には0.1〜5質量%、好ましくは0.4〜2質量%、さらに好ましくは0.6〜1.3質量%、特に0.7〜1.1質量%、及び特に0.8〜1.0質量%である。
【0095】
本発明の乳化系は所望に応じて他の材料、例えば前述のような追加の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0096】
本発明による1つの好ましい乳化系は、(i)20〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%の水、(ii)25〜50質量%、さらに好ましくは30〜45質量%のオイル、(iii)8〜28質量%、さらに好ましくは12〜26質量%の非イオン性界面活性剤、(iv)所望による4〜20質量%、さらに好ましくは7〜15質量%の、21〜27、さらに好ましくは22〜25のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する水混和性エモリエントエステル、並びに(v)本明細書に規定されるように2〜5質量%、さらに好ましくは2.5〜3.5質量%の分散体、を含むか、本質的にそれらからなるか、あるいはそれらからなる。
【0097】
最終用途の乳剤または調合製品を生成するために用いられる乳化系の濃度は、乳剤の質量に基づいて、好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜45質量%、特に15〜35質量%、及び特に20〜30質量%である。
【0098】
本明細書に記載されるように、本発明による分散体、ゲル状組成物、及び/または乳化系は、最終用途の乳剤または調合製品を生成するために用いられることができ、本発明のさらなる実施態様を構成する。乳化後にカルボン酸ポリマーを中和して安定化及び所望の粘度を達成するために、例えばトリエタノールアミンのような好適な塩基を添加することによってpHを調整することが、通常、必要である。
【0099】
本発明による最終用途の乳剤中のオイル相の濃度は非常に幅広く異なってもよい。概してオイル層の濃度は、乳剤の質量に基づいて、少なくとも15質量%、及びさらに一般的には少なくとも約25質量%であるだろう。本発明の特に有利な特徴は、本明細書に記載される分散体及び/またはゲル及び/または乳化系を、乳剤の質量に基づいて、高いオイル濃度、好ましくは50質量%より高い、さらに好ましくは60質量%より高い、特に70質量%より高い、及び特に80質量%より高い、並びに最大90質量%の濃度において、安定で好適な水中油型乳剤を作るために用いることができることである。そのような高いオイル濃度は、例えばシリコーンオイルのような乳化することが困難なものでも達成されることができる。
【0100】
乳剤のオイル相は(分散体及び/またはゲル及び/または乳化系の添加から)分散体を生成するための上述の1種以上の有機媒体を含むだろうが、1以上のさらなる有機媒体を別の成分として添加してもよく、一般には添加するだろう。オイル相は概して主にパーソナルケアまたは化粧品に広く用いられる種類のオイルであるだろう。オイルは好ましくは室温で液体である。あるいはオイルは室温で固体であることができ、その場合においてバルクでは、オイルが組成物中に含まれることができ乳化されることができる高温において液体であるならば、オイルは通常ろう状の固体であるだろう。
【0101】
好適な標準の液体オイルには、
非極性オイルであって、例えばミネラルまたはパラフィンのオイル、特に例えばArlamol(商標)HDとしてCrodaから販売されているようなイソパラフィンのオイル;または
中極性のオイルであって、例えばホホバオイルのようなベジタブルグリセリドオイル、例えばEstol(商標)3609(トリエチルヘキサノイン)としてCrodaから販売されているようなアニマルグリセリドオイル、Crodamol(商標)GTCCとしてCrodaから販売されているようなカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、合成オイルであって例えばPrisorine(商標)2021及びPrisorine(商標)2034としてそれぞれCrodaから販売されているイソプロピルイソステアレート及びプロピレングリコールイソステアレートのような合成エステルオイル、C12−C15アルキルベンソエート若しくはエーテルオイル、特に2つの脂肪族であって、例えばEutanol G(オクチルドデカノール)としてHenkelから販売されているような例えばC8〜C18のアルキル残基、若しくはシリコーンオイルであって例えばDC2としてDow Corningから販売されているようなジメチコンオイル、DC245としてDow Corningから販売されているようなシクロメチコンオイル、若しくはシリコーンの親水性を改良するポリオキシアルキレン側鎖を有するシリコーン;または
高極性オイルであって、例えばArlamol(商標)E(ステアリルアルコール15−プロポキシレート)としてCrodaから販売されているような脂肪族アルコールプロポキシレート、若しくは例えばCognis製のCetiol CC(INCI:ジカプリリルカーボネート)のようなアルキルカーボネートといった、アルコキシル化エモリエントを含むオイル、
が含まれる。
【0102】
乳剤はまた(分散体及び/またはゲル/及びまたは乳化系の添加から)分散体を生成するための上述の1種以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよいが、1種以上のさらなる非イオン性界面活性剤を、分散体及び/またはゲルを用いる場合に乳剤の別の成分として添加してもよく、一般には添加するだろう。
【0103】
本発明による分散体、ゲル、及び乳化系の1つの利点は、それらを、低温、例えば50℃未満、さらに好ましくは40℃未満、特に30℃未満、及び特に室温(23℃)であっても、乳剤を生成するために用いることができることである。低温加工のためには、オイル相の成分が室温において液体であることが好ましく、または任意の固形またはろう状の成分が液体成分に溶解若しくは分散できることが好ましい。さらなる利点は、乳剤を、好ましくは単一容器内で、例えばパドルミキサーを用いて、低せん断において生成することができることである。
【0104】
乳剤を生成するための本発明による分散体、ゲル、及び乳化系を用いることの他の利点は、次の項目うち1つ以上を含むことができる;混合及び湿潤時間の減少、粒状構造の低減、粘度及び安定性の改良、よりロバストなゲル生成、低粘着性を含む皮膚感触の改善、並びに/または「魚眼」の減少。
【0105】
本発明による乳剤は、本明細書に記載されるように測定され、5℃、及び/または室温(23℃)、及び/または43℃において、好ましくは1ヶ月より長い間、さらに好ましくは2ヶ月より長い間、特に3ヶ月より長い間、及び特に4ヶ月より長い間、好適には安定である。さらに高い温度における安定性もまた重要であることがあり、それゆえに本発明による分散体は、本明細書に記載されるように測定され、50℃において、好適には1週間より長い間、好ましくは2週間より長い間、さらに好ましくは3週間より長い間、特に1ヶ月より長い間、及び特に2ヶ月より長い間、好ましくは安定である。
【0106】
本発明による分散体、ゲル、及び乳化系を、例えばカルボマーまたはアクリレーツ/C10−30アクリルアクリレートクロスポリマーのようなポリカルボン酸ポリマーが微粒子形態で以前に使われていた任意の用途に用いることができる。分散体、ゲル、及び乳化系は、例えばパーソナルケア用途のためのローション、クリーム、及びゲルのような乳剤の生成;例えば自動車ワックス、家具用艶出し剤、及びタイヤブラックなどの家庭用及び例えば爆発物のような産業用途の、シリコーン乳剤、ミネラルオイル乳剤、ワックス乳剤の生成に特に有益である。分散体、ゲル、及び乳化系を、乳剤用の増粘剤、懸濁補助剤、安定剤、及び(第1または第2の乳化剤として用いることができる)乳剤形成剤として用いることができる。分散体及びゲルはまた、完全に水または溶媒を含まずシリコーン及びワックスを含む製剤を作るために用いられることができる。
【0107】
分散体、ゲル、及び乳化系は、パーソナルケアまたは化粧品製剤を作るための乳剤組成物中に含まれることが特に適している。乳剤をミルク及びクリームの両方のパーソナルケア製品中に組み込んでもよい。そのような乳剤は油溶性、水溶性、または非溶解性であることができる多くの他の成分を含んでもよい。そのような材料の例として次の材料が含まれる:
(i)0.5〜2質量%の乳剤の濃度で通常用いられ、例えばGermaben II Nipaguard BPX 及びNipaguard DMDMHの商標名で市販されている、パラベン(4−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル)、フェノキシエタノール、置換ウレア、及びヒダントイン誘導体系の保存料;
(ii)概して0.1〜10質量%、さらに一般には最大約5質量%、及び特に最大約2質量%の乳剤の濃度で用いられる香料;
(iii)概して1〜10質量%の乳剤の濃度で用いられる、例えばアルコール、例えばグリセロールのようなポリオール、及びポリエチレングリコールのような保湿剤または溶剤;
(iv)概して0.1〜5質量%の乳剤の濃度で用いられる、二酸化チタンまたは酸化亜鉛系のサンスクリーンを含む化学的サンスクリーン及び物理的サンスクリーンを含むサンフィルターまたはサンスクリーンの材料;
(v)例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらのエステルのようなアルファヒドロキシ酸;
(vi)例えばジヒドロキシアセトンのようなセルフタンニング剤;
(vii)抗菌剤、特に例えばサリチル酸のような抗にきび成分;
(viii)
a)例えばレチニルパルミテート及び他のトレチノイン前駆体分子のようなビタミンA、
b)例えばパンテノール及びその誘導体のようなビタミンB、
c)例えばアルコルビン酸及びその誘導体のようなビタミンC、
d)例えば酢酸トコフェロールのようなビタミンE、
e)例えばガンマリノール酸エステルといった多価不飽和脂肪酸エステルのようなビタミンF、
を含むビタミン及びそれらの前駆体;
(ix)例えば天然材料または天然セラミドの機能的模倣体のセラミドのようなスキンケア剤;
(x)リン脂質;
(xi)ベシクル含有製剤;
(xii)例えばAlramol(商標)GEO(Croda製)のゲルマニウム含有化合物;有益なスキンケア特性を有する植物抽出物;
(xiii)例えばArlatone(商標)Dioc DCA(Croda製)、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、及び同種材料といった、例えば二酸のような美白剤;
(xiv)例えばアラトイン及び同系統の皮膚修復化合物機能剤;
(xv)カフェイン及び同種化合物;
(xvi)例えばメントールまたはショウノウのような冷却添加剤;
(xvii)例えばN,N−ジエチル−3−メチルベンザミド(DEET)及びシトラスオイルまたはユーカリオイルのような防虫剤;
(xviii)エッセンシャルオイル;及び
(xix)好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは少なくとも5質量%、及び特に少なくとも10質量%の乳剤で用いられるサスポエマルジョンを与えるための、例えばメーキャップ及び化粧品に用いられるような超微粒顔料、特に酸化物及び珪酸塩であって例えば酸化鉄、特にコーティングされた酸化鉄、及び/若しくは二酸化チタン、及び例えば窒化ホウ素のようなセラミック材料、または他の固体成分、を含む顔料。
【0108】
パーソナルケア乳剤は、例えば保湿剤、サンスクリーン、アフターサン製品、ボディーバター、ゲルクリーム、香料高含有製品、香料クリーム、ベビーケア製品、ヘアコンディショナー、化粧水、ホワイトニング化粧品、無水製品、腋の下のデオドラント製品、タンニング製品、クレンザー、2−イン−1ファーミング乳液、複合乳液、保存料を含まない製品、マイルド製剤、例えば固体ビーズを含有したスクラブ製剤、水中シリコーン型製剤、顔料含有製品、スプレー式乳剤、カラー化粧品、コンディショナー、シャワー製品、ファーミング乳液、メーキャップリムーバー、アイメーキャップリムーバー、及びワイプのような幅広い組成及び最終使用の用途に用いることができる。
【0109】
1つの好ましい実施態様は、1種以上の有機サンスクリーン及び/または例えば金属酸化物のような無機サンスクリーンを含むサンスクリーンであるが、Tioveil及びSolaveil Claus(両方とも二酸化チタン)並びにSpectraveil(酸化亜鉛)の商標名のCrodaから商業的に入手可能な水性及び/または有機分散体の形態の組成中に特に含まれる、好ましくは少なくとも1種の微粒二酸化チタン及び/または酸化亜鉛を含む。加えて、有機サンスクリーンは好ましい金属酸化物のサンスクリーンと共に用いてもよく、そしてp−メトキシ桂皮酸エステル、サリチル酸エステル、p−アミノ安息香酸エステル、スルホン酸化されていないベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタンの誘導体、及び2−シアノアクリル酸のエステルを含む。有益な有機サンスクリーンの具体例には、ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−12、イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、オクチルジメチルPABA、オクチルメトキシシンナメート、ホモサレート、オクチルサリチレート、オクチルトリアゾン、オクトクリレン、エトクリレン、メンチルアントラニレート、4−メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン 4、及びフェニルベンジミダゾールスルホン酸が含まれる。
【0110】
本発明は、次の限定するものではない例によって説明される。
【0111】
本明細書では、次の試験方法を用いて分散体及び乳剤の安定性を測定した。
【0112】
安定性は、5℃における低温保管後、−18℃における冷凍/解凍後(3サイクル)、室温(23℃)において、または43℃及び50℃の高温保管のもとで、観察することによって評価した。分散体は、ポリマーの視認できる沈降が発生しなければ安定である(またはいくらかの沈降が発生する場合は単純な攪拌によって粒子を容易に再分散できる場合は安定である)。乳剤は、相の分離またはクリーム化が起こらなければ安定である。
【実施例】
【0113】
例1
分散体を、室温においてプロペラ攪拌機を用いて、次の材料を混合することによって作った:
−10.8質量%のCrill(商標)6(ソルビタンイソステアレート、Croda製);
−38.4質量%のCrodamol(商標)GTCC(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、Croda製);
−10.8質量%のCromollient(商標)TMC(トリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレート、Croda製);及び
−40質量%のOptasense(商標)G40 カルボマー(ポリアクリル酸、Croda製)。
【0114】
液相材料を最初に混ぜ合わせて、次いで粉末形態のカルボン酸ポリマー(Optasense(商標)G40)を均質な分散体が得られるまで、継続攪拌しながらゆっくり加えた。
【0115】
例2
例1で作られた0.1質量%〜2.5質量%の分散体量を水中にかき混ぜながら入れて、次いでトリエタノールアミンを添加することで水性分散体をpH6.5に中和した。得られた水性組成物は、水っぽい、ほんのわずかに増粘した組成物から、水性組成物中の分散体の量が増加するにつれて、高粘度の硬いゲルまで様々であった。
【0116】
例3
シリコーンの存在量が10〜90質量%まで様々である安定なシリコーン乳剤を作るために、例1で作られた分散体を(0.3質量%〜0.5質量%の量で)、シリコーンオイル、Glycerox(商標)HE(0.5〜2.5質量%の量で)(PEG−7グリセリルココエート(Croda製))、トリエタノールアミン、及び水と組み合わせて用いた。
【0117】
例4
次の材料を用いたことを除いて、例1に記載されたように分散体を作った:
−7質量%のCrill(商標)1(ソルビタンココエート、Croda製);
−49質量%のCrodamol(商標)GTCC(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、Croda製);
−14質量%のCromollient(商標)TMC(トリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレート、Croda製);及び
−30質量%のOptasense(商標)G40 カルボマー(ポリアクリル酸、Croda製)。
【0118】
18.5質量%の分散体を9.3質量%のCrill(商標)4(ソルビタンオレエート、Croda製)、64.8質量%のGlycerox(商標)HE(PEG−7グリセリルココエート(Croda製))、及び7.4質量%の水と混合することによって、ゲル状組成物を作った。
【0119】
例5
例4で作った5質量%の分散体を68質量%のGlycerox(商標)HE(PEG−7グリセリルココエート(Croda製))、及び27質量%の水と混合することによって、ゲル状組成物を作った。
【0120】
例6
例4で作ったゲル状組成物、及び例1で作った分散体を用いて、最大90質量%のシリコーンを含む最終用途配合のシリコーン乳剤を作った。乳剤を第1表に示す材料を用いて作った。
【0121】
【表1】

【0122】
シリコーンをゲル状組成物及び分散体と予備混合した。次いでこの混合物を高速攪拌しながら水にゆっくり添加した。トリエタノールアミンを用いて得られた製剤のpHを6〜7に調整した。
【0123】
試料1については、用いられたゲル状組成物及び分散体の量は、低粘度から中粘度のシリコーンに適切である。シリコーンが高粘度、例えば約60,000cstを有する場合、ゲルについては1.5%に、そして安定分散体については0.225%にそれらの成分の量を調整することができる。試料2についての調整は2.95%のゲル、及び0.35%の分散体である。より多くのシリコーン量を含有する製剤を、低粘度から中粘度のシリコーンのみを用いてつくることができる。
【0124】
生成された乳剤はそのまま用いることができ、または、自動車ワックス、タイヤ光沢剤、靴磨きクリーム、家具用艶出し剤、消泡剤、コンディショニングシャンプー、クリーム、及びローション用の基剤に室温で容易に添加及び混合することができる。
【0125】
例7
ワックスを含有した最終用途製剤の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物を用いて作った。乳剤を第2表に示す材料を用いて作った。
【0126】
【表2】

【0127】
ワックスは溶けており、ゲル状組成物をそのワックスの中に添加して混合した。分散体を水中に分散させて80℃に加熱した。次いで、この混合物を、さらに混合しながらワックス/ゲルの混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整し、次いで室温に冷却した。
【0128】
例8
高粘度クリームのダイヤドレッシングの最終用途製剤の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物と例1で作った分散体とを用いて作った。乳剤は第3表に示す材料を用いて作った。
【0129】
【表3】

【0130】
シリコーン、プロピレングリコール、ゲル状組成物、及び分散体を常温で混合した。次いで、この混合物を、さらに混合しながら水にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整し、次いで室温に冷却した。製剤は、タイヤに適用された場合に上質な光沢をもたらすだろう。
【0131】
例9
黒い靴墨の最終用途製剤の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物と例1で作った分散体とを用いて作った。乳剤は第4表に示す材料を用いて作った。
【0132】
【表4】

【0133】
ワックスは溶けており、ゲル状組成物をそのワックスの中に添加して混合した。分散体を水中に分散させて80℃に加熱した。次いで、この混合物を、さらに混合しながらワックス/ゲルの混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて中性に調整し、次いで室温に冷却した。製剤は、タイヤに適用された場合に上質な光沢及び黒色をもたらすだろう。
【0134】
例10
高光沢のクリーム状自動車用ワックスの最終用途製剤の乳剤を、例1で作ったゲル状組成物と例1で作った分散体とを用いて作った。乳剤を第5表に示す材料を用いて作った。
【0135】
【表5】

【0136】
シリコーン、ワックス、ゲル状組成物、及び分散体を混合して、次いで90℃に加熱した。分散体を水中に分散させて約90℃に加熱した。次いで、この混合物を、さらに混合しながらワックス/ゲル混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整して、次いで室温に冷却した。
【0137】
例11
無溶媒の家具用艶出し剤の最終用途製剤の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物と例1で作った分散体とを用いて作った。乳剤を第6表に示す材料を用いて作った。
【0138】
【表6】

【0139】
シリコーン、ワックス、ゲル状組成物、及び分散体を混合して、次いで90℃に加熱した。分散体を水中に分散させて約90℃に加熱した。次いで、この混合物を、さらに混合しながらワックス/ゲル混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整して、次いで室温に冷却した。
【0140】
例12
靴磨きの最終用途の配の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物を用いて作った。乳剤を第7表に示す材料を用いて作った。
【0141】
【表7】

【0142】
シリコーン及びゲル状組成物を常温で混合した。水を、さらに混合しながらこの混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整した。
【0143】
例13
レザーワイプの最終用途製剤の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物を用いて作った。乳剤を第8表に示す材料を用いて作った。
【0144】
【表8】

【0145】
シリコーン及びゲル状組成物を常温で混合した。水を、さらに混合しながらこの混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整した。
【0146】
例14
静電気防止の家具ワイプの最終用途製剤の乳剤を、例4で作ったゲル状組成物を用いて作った。乳剤を第9表に示す材料を用いて作った。
【0147】
【表9】

【0148】
シリコーン及びゲル状組成物を常温で混合した。次いで、ワックス及び静電気防止剤を、さらに混合しながら混合物に添加した。水を、さらに混合しながらこの混合物にゆっくり添加した。得られた製剤のpHを、トリエタノールアミンを用いて6〜7に調整した。
【0149】
例15
多くのワイプの最終用途製剤の乳剤を例4で作ったゲル状組成物を用いて作った。製剤を、基板をワイプするための用途のために第10表に示した質量%の材料を用いて作った。
【0150】
【表10】

【0151】
ワイプ製剤は次のように特定される:
A=フェイシャルモイスチャーワイプ、B=フェイシャルしわ取りワイプ、C=フェイシャルメーキャップリムーバーワイプ、D=ベビーワイプ、及び防蚊剤ワイプ。
【0152】
例16
本発明による乳化系を、第11表に示す材料を表中に示す比率とともに、例4で作った分散体を用いて調製した。
【0153】
【表11】

【0154】
Crodamol(商標)GTCCを、パドル攪拌機を備えた好適な容器内で加熱した。乳化系の調製の間、攪拌機を動作させた。Cithrol(商標)EGMS3127、Cithrol(商標)GMS0400、Volpo(商標)S2、及びVolpo(商標)S20をオイル中に添加して均質に分散させた後、オイルを加熱する温度を、固体の非イオン性界面活性剤のうち少なくとも最も高い融点の温度とした。次いで、混合物の温度を約40〜45℃に調整した。次いで、Glycerox(商標)HEを混合物に添加した。次いで、例4の分散体を混合物に添加した後、混合物の温度を最高30℃に調整した。分散体が混合物中に均質に広がって滑らかな混合物が作られることを確実にする間、混合物を混合した。次いで、水を容器に加えて、泡の形成を避ける速度で混合した。水を加えるにつれて、位相反転が起こり水中油型乳剤を生成した。乳剤は、43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。乳化系は取り扱いやすい淡白色ペーストであった。
【0155】
例17
水和最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第12表に示す材料を用いて調製した。
【0156】
【表12】

【0157】
水及び保存料を、均質になるまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は、15,000cpsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。製剤は肌触りが軽く、軽くてねばつき感がなく肌に容易に吸収された。
【0158】
例18
バリアクリームの最終用途製剤を、ラノリン及び例16で作った乳化系、及び第13表に示す材料を用いて調製した。
【0159】
【表13】

【0160】
エトキシ化キャスターオイル、保存料、及びラノリンを乳化系に添加して、均質化及び乳化するまで混合した。粗い油中水型乳剤を生成した。次いで、全ての水が乳化されるまで緩やかな速度から高速度で混合しながら、水をゆっくり添加した。乳剤は滑らかで光沢のある水中油型乳剤に転換された。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は44,000cPsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。製剤は、一般にラノリン製剤につきものである油っぽさ及び粘着性を有さなかった。
【0161】
例19
クレンジングミルクのメーキャップリムーバーの最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第14表に示す材料を用いて調製した。
【0162】
【表14】

【0163】
材料を、均質化及び乳化するまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は、11,000cPsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。製剤は、油っぽい使用感を残さずに容易に拭き取れる防水メーキャップであった。
【0164】
例20
ヘアコンディショナーの最終用途製剤を例16で作った乳化系、例1で作った分散体、及び第15表に示す材料を用いて調製した。
【0165】
【表15】

【0166】
ジメチコノール、水、及び保存料を、均質化及び乳化するまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。次いで、混合物のpHを約7.5に調整した。次いで、ポリクオタニウム及び陽イオンポリマーを混合しながら添加した。次いで、例1の分散体を均質になるまで混合しながら添加した。製剤の最終的なpHを5.5〜6に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は32,000cPsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。製剤は、髪にボリューム及びまとまりやすさを提供する、優れた光沢、親和性、及び滑らかさを有するライトウェイトヘアコンディショナーを形成した。
【0167】
例21
サンスクリーンプロテクションを有するホワイトニングローションの最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第16表に示す材料を用いて調製した。
【0168】
【表16】

【0169】
トリエタノールアミン以外の材料を、均質になるまで緩やかに混合しながら本発明による乳化系にゆっくり添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は16,000cPsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。製剤は、肌に柔らかいクッションのような感触を残しながら非常に軽くそして容易に吸収された。
【0170】
例22
老化肌用の夜用肌再生保湿剤の最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第17表に示す材料を用いて調製した。
【0171】
【表17】

【0172】
トリエタノールアミン以外の材料を、均質化及び乳化するまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は、22,000cPsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。
【0173】
例23
高粘度クリームを主成分とする最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第18表に示す材料を用いて調製した。
【0174】
【表18】

【0175】
トリエタノールアミン以外の材料を、均質化及び乳化するまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。仕上がった製剤は、35,000cPsの粘度を有し、そして43℃において3ヶ月後及び3サイクルの冷凍−解凍に安定であった。
【0176】
例24
抗ニキビクリームの最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第19表に示す材料を用いて調製した。
【0177】
【表19】

【0178】
水を、均質になるまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。トリエタノールアミン以外の残りの材料を添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。製剤は、軽く、べたつき感がなく、そして滑らかなドライダウン感(dry−down feel)を肌に与えた。抗にきび成分、AC.Net(商標)は、過剰な油の生成、細胞増殖、炎症、及び細菌増殖を抑制した。
【0179】
例25
強力(intensive)保湿クリームの最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第20表に示す材料を用いて調製した。
【0180】
【表20】

【0181】
水を、均質になるまで緩やかに混合しながら乳化系にゆっくり添加した。トリエタノールアミン以外の残りの材料を添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。製剤は、優れたエステ特性及び知覚特性を有する、肌への長持ちする保湿効果を提供した。
【0182】
例26
肌再構築老化抑制クリーム(skin restructuring age control cream)の最終用途製剤を、例16で作った乳化系、及び第21表に示す材料を用いて調製した。
【0183】
【表21】

【0184】
水を、均質になるまで緩やかに混合しながら本発明による乳化系にゆっくり添加した。トリエタノールアミン以外の残りの材料を添加した。次いで、混合物を、高速で、しかしエアレーションを起こさずに、さらに最短でも15分間混合した。製剤の最終的なpHを6〜6.5に調整した。乳剤を均質になるまで混合した。製剤は、優れたエステ特性及び知覚特性とともに活性となる合成ペンタペプチドを運ぶためのビヒクルを提供した。
【0185】
例27
分散体を、室温においてプロペラ攪拌機を用いて、次の材料を混合することによって作った:
−7質量%のCrester(商標)PR(ポリグリセリル−3ポリリシノレエート、Croda製);
−49質量%のCrodamol(商標)GTCC(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、Croda製);
−14質量%のCrodamollient(商標)TMC(トリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレート、Croda製);及び
−30質量%のアクリレーツ/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー。
液相材料を最初に混ぜ合わせて、次いで粉末形態のカルボン酸ポリマーを、均質な分散体が得られるまで継続攪拌しながらゆっくり導入した。
【0186】
16質量%の分散体を、9.3質量%のCrill(商標)4(ソルビタンオレエート、Croda製)、67.3質量%のGlycerox(商標)HE(PEG−7グリセリルココエート(Croda製))、及び7.4質量%の水と混合することによって、ゲル状組成物を作った。
【0187】
例28
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドの代わりに軽油を用いたことを除いて、例27に記載されたように分散体及びゲルを作った。
【0188】
例29
例27及び28で作られた分散体及びゲルは、例えばシャンプーやボディウォッシュのような高粘度の界面活性剤系製剤用、及びファーミング乳液用に特に好適であった。1つの特定の用途は、第22表に示すような爆発物用の乳化系の一部としてである。
【0189】
【表22】

【0190】
本明細書に記載される最終用途製剤は全て低温加工を用いて、すなわち室温(23℃)において調製されたということも注意すべきである。
【0191】
上記の例は、本発明による分散体、ゲル、乳化系、及び乳剤の改良した特性を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体。
【請求項2】
5質量%より多いカルボン酸ポリマーを含む請求項1に記載の分散体。
【請求項3】
20〜60質量%のカルボン酸ポリマーを含む請求項2に記載の分散体。
【請求項4】
25〜65質量%の有機媒体を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項5】
該有機媒体が、12〜25mN/mの水に対する界面張力を有する少なくとも1種の極性材料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項6】
2〜25質量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項7】
5〜25質量%のエモリエントエステルを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項8】
該エモリエントエステルがアルコキシル化されたエステル、好ましくはプロポキシル化されたエステルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項9】
該エモリエントエステルが17〜22のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項10】
(i)脂肪族アルコール、グリコール、グリセリドオイル、植物油、エステルオイル、脂肪族アルコールアルコキシレート、アルキルカーボネート、ミネラルオイル、及びシリコーンオイル、並びにそれらの混合物、(ii)10以下のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、並びに/または(iii)18.5〜21のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有するエモリエントエステル、の有機媒体液相を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項11】
該有機媒体がグリセリドオイル、該エモリエントエステルがジ−PPG−3−ミリスチルエーテルアジペート及び/若しくはトリ−PPG−3ミリスチルエーテルシトレート、並びに/または該非イオン性界面活性剤がソルビタンエステルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分散体。
【請求項12】
カルボン酸ポリマーの粒子、有機媒体、並びにエモリエントエステル及び/または非イオン性界面活性剤を混ぜ合わせることを含む分散体の生成方法。
【請求項13】
(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/若しくは8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)該有機媒体及び/若しくは非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマー、を含むゲル状組成物。
【請求項14】
50〜80質量%の、水混和性エモリエントエステル及び/または8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤を含む、請求項13に記載のゲル。
【請求項15】
3〜40質量%の水を含む、請求項13及び14のいずれかに記載のゲル。
【請求項16】
0.9〜8質量%のカルボン酸ポリマーを含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項17】
(i)20〜35質量%、さらに好ましくは25〜30質量%の水、(ii)1〜10質量%、さらに好ましくは3〜7質量%の、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分散体、並びに(iii)60〜75質量%、さらに好ましくは65〜70質量%の、21〜27、さらに好ましくは22〜25のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する水混和性エモリエントエステル、を含む請求項13〜16のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項18】
(i)2〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%の水、(ii)10〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%の、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分散体、(iii)60〜75質量%、さらに好ましくは65〜70質量%の、21〜27、さらに好ましくは22〜25のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する水混和性エモリエントエステル、並びに(iv)5〜13質量%、さらに好ましくは8〜10質量%の、好ましくは8未満のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、を含む請求項13〜16のいずれか一項に記載のゲル。
【請求項19】
カルボン酸ポリマーの粒子、所望による水、有機媒体、水混和性エモリエントエステル及び/または8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、並びに該有機媒体及び/または非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、を混ぜ合わせることを含むゲルの生成方法。
【請求項20】
(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマー、を含む乳化系。
【請求項21】
20〜40質量%の水を含む、請求項20に記載の乳化系。
【請求項22】
25〜50質量%のオイルを含む、請求項20及び21のいずれかに記載の乳化系。
【請求項23】
8〜28質量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項20〜22のいずれか一項に記載の乳化系。
【請求項24】
4〜20質量%の水混和性エモリエントエステルを含む、請求項20〜23のいずれか一項に記載の乳化系。
【請求項25】
4〜20質量%のカルボン酸ポリマーを含む、請求項20〜24のいずれか一項に記載の乳化系。
【請求項26】
(i)25〜35質量%の水、(ii)30〜45質量%のオイル、(iii)12〜26質量%の非イオン性界面活性剤、(iv)7〜15質量%の、21〜27、さらに好ましくは22〜25のHansen及びBeerbowerの溶解度パラメータを有する水混和性エモリエントエステル、並びに(v)2〜5質量%、さらに好ましくは2.5〜3.5質量%の、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分散体、を含む請求項20〜25のいずれか一項に記載の乳化系。
【請求項27】
(a)エモリエントエステル及び/若しくは非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体;並びに/または
(b)(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/若しくは8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)該有機媒体及び/若しくは非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマー、を含むゲル状組成物;並びに/または
(c)(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマー、を含む乳化系、
から生成される乳剤。
【請求項28】
(a)エモリエントエステル及び/若しくは非イオン性界面活性剤を含む有機媒体中に分散されたカルボン酸ポリマーの粒子を含む分散体;並びに/または
(b)(i)所望による水、(ii)有機媒体、(iii)水混和性エモリエントエステル及び/若しくは8以上のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、(iv)該有機媒体及び/若しくは非イオン性界面活性剤に混和性を有するエモリエントエステル、並びに(v)カルボン酸ポリマー、を含むゲル状組成物;並びに/または
(c)(i)水、(ii)オイル、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)所望による水混和性エモリエントエステル、及び(v)カルボン酸ポリマー、を含む乳化系、
を使用する方法であって、
乳剤の形成の際に、該水及び/またはオイル相に微粒子粉末形態の該カルボン酸ポリマーを直接添加することによって得られる同等の乳剤と比較して、低減された粒状構造、改良された粘度、改良された安定性、よりロバストなゲル生成、低粘着性を含む改良された皮膚感触、及び/または「魚眼」の低減、のうち少なくとも1つを有する乳剤を生成する方法。

【公表番号】特表2010−520943(P2010−520943A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552971(P2009−552971)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000320
【国際公開番号】WO2008/109935
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509254915)クローダ シンガポール ピーティーイー リミティド (1)
【Fターム(参考)】