説明

分析装置及び分析方法

【課題】分析結果を待たずに反応容器の液漏れの発生を検知し、液漏れに対する速やかな対処を可能とした分析装置及び分析方法を提供すること。
【解決手段】反応容器5内で反応した検体と試薬の反応液の光学的特性をもとに検体を分析する分析装置と分析方法。分析装置1は、反応容器5の液漏れを検知する液漏れ検知装置20と、検体の分析中に液漏れ検知装置が液漏れを検知した場合に、反応容器の使用を禁止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御部16とを備えている。液漏れ検知装置20は、反応容器の洗浄開始後、反応容器に試薬を分注するまでの間に反応容器5の液漏れを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置及び分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、キュベットホイールに保持された複数の反応容器に順次試薬と検体を分注し、試薬と検体が反応した反応液の光学的特性を測定することによって検体に含まれる特定物質の濃度等を分析し、分析後の反応容器を洗浄液で洗浄することによって反応容器を繰り返し測定に使用している(例えば、特許文献1参照)。ここで、反応容器は、反応液の光学的特性の測定を考慮してガラス等、光学的に透明な素材が使用されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−119125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、反応容器は、上述のように繰り返し使用することから洗浄装置における吸引ノズルの詰まりによって洗浄液による洗浄の際に洗浄液が溢れたり、使用に伴ってひびや割れが発生して液漏れしたりすることがある。このような反応容器の液漏れが発生すると、分析装置は、測光データが異常となるが、分析結果が出なければ液漏れが発生したか否かが分からなかった。このため、分析装置は、液漏れへの対応が遅れる結果、漏れ出した液体が正常な反応容器の測光結果に悪影響を与えると共に、メンテナンスのために装置の停止を余儀なくされるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析結果を待たずに反応容器の液漏れの発生を検知し、液漏れに対する速やかな対処を可能とした分析装置及び分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析装置は、反応容器内で反応した検体と試薬の反応液の光学的特性をもとに前記検体を分析する分析装置において、前記反応容器の液漏れを検知する液漏れ検知手段と、前記検体の分析中に前記液漏れ検知手段が液漏れを検知した場合に、当該反応容器の使用を禁止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記液漏れ検知手段は、前記反応容器の洗浄開始後、当該反応容器に試薬を分注するまでの間に当該反応容器の液漏れを検知することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記液漏れ検知手段は、前記反応容器表面の電気抵抗をもとに液漏れか否かを判定する判定部を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記反応容器は、前記検体又は前記試薬に向けて音波を発生し、当該音波によって前記検体又は前記試薬を撹拌する音波発生手段が設けられ、前記液漏れ検知手段は、前記音波発生手段表面の電気抵抗をもとに液漏れか否かを判定する判定部を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記反応容器は、前記検体又は前記試薬に向けて音波を発生し、当該音波によって前記検体又は前記試薬を撹拌する音波発生手段が設けられ、前記液漏れ検知手段は、前記音波発生手段から反射される反射波電力をもとに液漏れか否かを判定する判定部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記反応容器の液漏れを検知した場合に、液漏れの警告を報知する警告報知手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記制御手段は、異なる反応容器について前記液漏れ検知手段が連続して液漏れを検知した場合、前記反応容器へ洗浄液を注入する洗浄動作を停止させると共に、前記反応容器の使用禁止を解除することを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析方法は、反応容器内で反応した検体と試薬の反応液の光学的特性をもとに前記検体を分析する分析方法において、前記反応容器の液漏れを検知する液漏れ検知工程と、前記検体の分析中に前記液漏れ検知工程で液漏れを検知した場合に、当該反応容器の使用を停止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析方法は、前記液漏れ検知工程は、前記反応容器の洗浄開始後、当該反応容器に試薬を分注するまでの間に当該反応容器の液漏れを検知することを特徴とする。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析方法は、前記液漏れ検知工程は、前記反応容器表面の電気抵抗をもとに液漏れか否かを判定する判定工程を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の分析方法は、上記の発明において、前記反応容器は、前記検体又は前記試薬に向けて音波を発生し、当該音波によって前記検体又は前記試薬を撹拌する音波発生手段が設けられ、前記液漏れ検知工程は、前記音波発生手段から反射される反射波電力をもとに液漏れか否かを判定する判定工程を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の分析方法は、上記の発明において、前記反応容器の液漏れを検知した場合に、当該反応容器を指定した液漏れの警告を報知する警告報知工程を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の分析方法は、上記の発明において、前記制御工程は、異なる反応容器について複数回連続して液漏れを検知した場合、前記反応容器へ洗浄液を注入する洗浄動作を停止する制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の分析装置は、反応容器の液漏れを検知する液漏れ検知手段と、検体の分析中に液漏れ検知手段が液漏れを検知した場合に、反応容器の使用を禁止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御手段とを備え、本発明の分析方法は、分反応容器の液漏れを検知する液漏れ検知工程と、検体の分析中に液漏れ検知工程で液漏れを検知した場合に、反応容器の使用を停止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御工程とを含んでいる。このため、本発明によれば、分析結果を待たずに反応容器の液漏れの発生を検知し、液漏れに対する速やかな対処を可能とした分析装置及び分析方法を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
以下、本発明の分析装置及び分析方法にかかる実施の形態1について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、実施の形態1の自動分析装置におけるキュベットホイール、試薬分注機構、検体分注機構、第1撹拌装置、第2撹拌装置、容器洗浄機構及び液漏れ検知部の配置を示す平面図である。図3は、液漏れ検知部による反応容器の液漏れの検知を説明する図である。
【0021】
自動分析装置1は、図1に示すように、第1試薬テーブル2、第2試薬テーブル3、キュベットホイール4、検体容器移送機構8、測定光学系14、容器洗浄機構15、制御部16、警告報知部19及び液漏れ検知装置20を備えている。
【0022】
第1試薬テーブル2及び第2試薬テーブル3は、それぞれ駆動手段に回転され、図1に示すように、第1試薬を保持した試薬容器2aと第2試薬を保持した試薬容器3aとを周方向に搬送する。
【0023】
キュベットホイール4は、図1及び図2に示すように、周方向に沿って複数の反応容器5が配列され、複数の反応容器5を所定温度(例えば、37℃)に保温しながら回転し、反応容器5を周方向に沿って搬送する。このとき、キュベットホイール4は、複数の反応容器5の側面を外周面に露出させ、例えば、一周期で(1周−1反応容器)/4回転し、四周期で(1周−1反応容器)回転する。また、キュベットホイール4は、近傍に第1試薬分注機構6、第2試薬分注機構7、検体分注機構11、第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13、測定光学系14及び液漏れ検知装置20が配置されている。
【0024】
反応容器5は、容量が数μL〜数百μLと微量な容器であり、測定光学系14の光源14aから出射された分析光に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。
【0025】
第1試薬分注機構6は、第1試薬テーブル2上の試薬容器2aから第1試薬を反応容器5に分注し、第2試薬分注機構7は、第2試薬テーブル3上の試薬容器3aから第2試薬を反応容器5に分注する。第1試薬分注機構6及び第2試薬分注機構7は、図1に示すように、それぞれ水平面内を矢印方向に回動するアーム6a,7aに試薬を分注するプローブ6b,7bが設けられている。第1試薬分注機構6及び第2試薬分注機構7は、洗浄水によってプローブ6b,7bを洗浄するプローブ洗浄機構が近傍に設けられている。
【0026】
検体容器移送機構8は、図1に示すように、フィーダ9に配列した複数のラック10を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック10は、検体を収容した複数の検体容器10aを保持している。
【0027】
検体分注機構11は、水平方向に回動する駆動アーム11aとプローブ11bとを有し、検体容器移送機構8によって移送されるラック10の歩進が停止するごとに検体容器10aから反応容器5へ検体を分注する。このため、検体分注機構11は、洗浄水によってプローブ11bを洗浄するプローブ洗浄機構が近傍に設けられている。
【0028】
第1撹拌装置12は、反応容器5に第1試薬及び検体が分注された際に撹拌作動し、第2撹拌装置13は、検体が分注された際に撹拌作動をする。第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13は、それぞれステッピングモータによって精密に上下動されると共に水平面内を回転するホルダ12a,13aに撹拌棒12b,13bが保持されている。第一撹拌装置11及び第二撹拌装置12は、撹拌棒12b,13bを洗浄する洗浄機構が近傍に配置されている。第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13は、ホルダ12a,13aを回転することによってキュベットホイール4の回転によって撹拌位置に搬送されてくる反応容器5を変更し、撹拌棒12b,13bによって反応容器5内の試薬や検体等の液体を撹拌する。
【0029】
測定光学系14は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体を分析する分析光を出射するもので、図1に示すように、光源14a,分光部14b及び測光部14cを有している。光源14aから出射された分析光は、反応容器5内の液体を透過し、分光部14bと対向する位置に設けた測光部14cによって測光される。測光部14cは、制御部16と接続され、受光した分析光の光量信号を制御部16へ出力する。
【0030】
容器洗浄機構15は、測光が終了した反応容器5を洗浄するもので、反応容器5から反応液や洗剤又は洗浄水を吸引する吸引ノズルと、洗剤又は洗浄水を分注する分注ノズルとを有している。容器洗浄機構15は、測光終了後の反応容器5から測光後の反応液を吸引した後、洗剤又は洗浄水を分注する。容器洗浄機構15は、洗剤や洗浄水の分注と吸引の動作を複数回繰り返すことにより、反応容器5を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器5は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0031】
制御部16は、例えば、マイクロコンピュータ等が使用され、自動分析装置1の各構成部と接続され、これら各構成部の作動を制御すると共に、光源14aの出射光量と測光部14cが受光した光量に基づく反応容器5内の液体の吸光度に基づいて検体の成分濃度等を分析する。制御部16は、キーボード等の入力部17から入力される分析指令に基づいて自動分析装置1の各構成部の作動を制御しながら分析動作を実行させる。また、制御部16は、液漏れ検知手段が液漏れを検知した場合に、その反応容器5の使用を停止し、他の反応容器5を用いた分析作業が継続されるように自動分析装置1の作動を制御する他、入力部17から入力される表示指令に基づく各種情報等をディスプレイパネル等の表示部18に表示する。
【0032】
警告報知部19は、液漏れ検知装置20が反応容器5の液漏れを検知した場合に、液漏れの警告を報知する。この場合、警告報知部19は、例えば、警告灯やアラームを発するスピーカ等によって警告を報知するが、液漏れの警告と併せて表示部18に液漏れを起こしている反応容器5の情報を表示してもよい。
【0033】
液漏れ検知装置20は、図1及び図2に示すように、キュベットホイール4外周近傍の検体分注機構11と第2撹拌装置13との間に配置されており、容器洗浄機構15による反応容器5の洗浄開始後、その反応容器5に試薬を分注するまでの間にその反応容器5の液漏れを反応容器5表面の電気抵抗をもとに検知する。液漏れ検知装置20は、図1に示すように、支持部材21に検知ユニット22が支持されている。
【0034】
支持部材21は、検知ユニット22をキュベットホイール4の周方向、上下方向並びに半径方向の3軸方向へ移動させて対向する反応容器5に対する相対配置を調整して、検知ユニット22の1対の端子22bを対向する反応容器5の表面に当接させるもので、例えば、3軸ステージが用いられる。
【0035】
検知ユニット22は、図3に示すように、ソレノイド42a、電気抵抗測定回路22d、判定部22eを有している。ソレノイド42aは、配線22cによって電気抵抗測定回路22dとそれぞれ接続された1対の端子22bを反応容器5の表面に当接させる。判定部22eは、1対の端子22bが反応容器5の表面に当接した際に電気抵抗測定回路22dが測定した反応容器5表面の電気抵抗をもとに反応容器5が液漏れをしているか否かを判定する。
【0036】
ここで、反応容器5が液漏れをしていない場合、図4に示すように、端子22b間の電気抵抗は100MΩを越えた非常に大きな値となる。これに対し、反応容器5が液漏れをしていると、反応容器5の表面に洗剤や洗浄水等の洗浄液が付着するため、洗浄液に含まれる電解質イオンの濃度によって変化はするが、端子22b間の電気抵抗は1〜10MΩ程度の値となり、抵抗値に明確な相違が現れる。このとき、液漏れがある場合の液漏れがない場合における抵抗値の比は、(1〜10)/100より、1/100〜1/10となる。従って、これらの間、例えば、1/2に閾値Rtを設定し、抵抗値の比が1/2を越えていれば液漏れがなく、抵抗値の比が1/2以下であれば液漏れがあると判定する。このようにすれば、判定部22eは、閾値Rtを基準として反応容器5が液漏れをしているか否かを容易に判定することができる。
【0037】
以上のように構成される自動分析装置1は、制御部16の制御の下に作動し、回転するキュベットホイール4によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器5に第1試薬分注機構6、検体分注機構11及び第2試薬分注機構7によって第1試薬,検体及び第2試薬が順次分注されると共に、第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13によって分注された試薬や検体が順次攪拌される。
【0038】
そして、試薬と検体が攪拌された反応容器5は、測定光学系14を通過する際に、反応液の光学的特性が測光部14cで測定され、制御部16によって成分濃度等が分析される。そして、反応液の測光が終了した反応容器5は、洗浄機構15によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0039】
このとき、制御部16は、電気抵抗をもとに液漏れ検知装置20が判定した各反応容器5の液漏れの有無により、以下のようにして自動分析装置1による分析作業を制御する。このとき、制御部16が実行する本発明の分析方法を、図5に示すフローチャートを使用して以下に説明する。
【0040】
先ず、制御部16は、液漏れ検知装置20に制御信号を出力して対向位置に停止した反応容器5表面の電気抵抗を測定させる(ステップS100)。次に、制御部16は、電気抵抗を測定した反応容器5が液漏れをしているか否かを判定する(ステップS102)。この判定は、液漏れ検知装置20から入力される判定部22eによる判定結果によって実行される。反応容器5が液漏れしている場合(ステップS102,Yes)、制御部16は、液漏れしているその反応容器5の使用を禁止とし(ステップS104)、その後、ステップS106へ移行する。ここで、反応容器5が液漏れしている場合、制御部16は、警告報知部19に液漏れの警告を報知させる。
【0041】
一方、反応容器5が液漏れしていない場合(ステップS102,No)、制御部16は、自動分析装置1の分析作業を継続させる(ステップS106)。これにより、自動分析装置40は、反応容器5に第1試薬、検体、第2試薬の順に分注しながら分析作業を継続してゆく。そして、制御部16は、分析が終了した否かを判定する(ステップS108)。この判定は、分析開始前に入力された分析情報から判定する他、所定時間ごとに判定を繰り返しても良い。分析が終了していない場合(ステップS108,No)、制御部16は、ステップS100に戻り、上述の各ステップを繰り返す。
【0042】
一方、分析が終了している場合(ステップS108,Yes)、制御部16は、液漏れの検知を含め分析作業の制御を終了する。
【0043】
ここで、異なる反応容器について液漏れ検知装置20が連続して複数回(例えば、5回)液漏れを検知した場合は、反応容器5に液漏れの原因があるのではなく、反応容器5の洗浄に際して容器洗浄機構15が反応容器5から反応液や洗剤又は洗浄水を吸引する吸引ノズルが詰まっている可能性が高いと判断される。このため、制御部16は、容器洗浄機構15の洗浄動作を停止させてその旨の警告を報知するように警告報知部19に制御信号を出力すると共に、反応容器5の使用禁止を解除する。但し、容器洗浄機構15の洗浄動作を停止させても、分析は可能であるので、制御部16は、使用可能な反応容器5が終わりになるまで第1試薬を分注して分析を継続させて反応液の測光を終了させる。この後、自動分析装置1は、容器洗浄機構15のメンテナンスが行われる。
【0044】
自動分析装置1は、上述のように、分析結果を待たずに反応容器5における液漏れの発生を検知し、液漏れに対して速やかに対処することができる。このため、自動分析装置1は、液漏れに起因した測光データの異常を回避して信頼性の高い分析を行うことができ、漏れた液体を除去するメンテナンスに伴う装置の停止を回避することができる。また、自動分析装置1は、反応容器5に試薬を分注するまでの間に液漏れを検知するので、反応容器5に分注される試薬が無駄にならない。
【0045】
(実施の形態2)
次に、本発明の分析装置にかかる実施の形態2について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態1の自動分析装置は、液漏れ検知手段によって反応容器表面の抵抗を測定することによって反応容器の液漏れを検知した。これに対して、実施の形態2の自動分析装置は、音波によって液体を撹拌する音波発生手段が反応容器に設けられ、液漏れ検知手段は、音波発生手段表面の電気抵抗をもとに液漏れを検知している。
【0046】
図6は、実施の形態2の自動分析装置を示す概略構成図である。図7は、実施の形態2の自動分析装置におけるキュベットホイール、試薬分注機構、検体分注機構、第1撹拌装置、第2撹拌装置、容器洗浄機構及び液漏れ検知部の配置を示す平面図である。ここで、以下に説明する実施の形態の自動分析装置において、実施の形態1の自動分析装置と同一の構成要素には同一の符号を使用している。
【0047】
自動分析装置30は、図6及び図7に示すように、撹拌棒によって試薬や検体を撹拌する撹拌装置に代えて音波によって液体を撹拌する検体攪拌装置31、第1試薬攪拌装置37及び第2試薬撹拌装置38を備えており、液漏れ検知装置20によって測定した反応容器5に取り付けた音波発生素子34表面の電気抵抗をもとに液漏れを検知する。音波発生素子34は、撹拌ユニット33と共に検体攪拌装置31や試薬攪拌装置37,38を構成している。
【0048】
ここで、検体攪拌装置31、第1試薬攪拌装置37及び第2試薬撹拌装置38は、共に制御部16によって作動が制御されるが、撹拌対象が異なるだけで構成は同一であるので、以下、検体攪拌装置31について説明し、試薬攪拌装置37,38は、対応する構成要素に対応する符号を使用する。
【0049】
検体攪拌装置31は、支持部材32に支持された撹拌ユニット33と音波発生素子34を備えている。支持部材32は、支持部材21と同じ構成であり、制御部16に制御されて撹拌ユニット33を3軸方向へ移動させる。
【0050】
撹拌ユニット33は、図8に示すように、ソレノイド33a、整合回路33c、高周波(RF)電源(以下、「RF電源」という)33eを有している。撹拌ユニット33は、整合回路33cとRF電源33eとの間を特性インピーダンスが50Ωの同軸ケーブル33dによって接続されている。ソレノイド33aは、1対の端子33bを反応容器5に取り付けた音波発生素子34の接続端子34aに当接させ、音波発生素子34を駆動する。整合回路33cは、RF電源33eから見た音波発生素子34の負荷が50Ωになるように調整する。
【0051】
音波発生素子34は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等からなる圧電基板34aの一方の面に複数の櫛歯状電極(IDT)からなる振動子34bが設けられており、エポキシ樹脂や紫外線硬化樹脂等の音響整合層を介して反応容器5の側壁に取り付けられている。振動子34bは、撹拌ユニット33から送電された電力を表面弾性波(超音波)に変換する音波発生手段である。振動子34bは、受電手段となる電気端子34cとの間が導体回路34dによって接続されている。
【0052】
以上のように構成される自動分析装置30は、検体攪拌装置31、第1試薬攪拌装置37及び第2試薬撹拌装置38を使用することによって非接触で試薬や検体を撹拌する。そして、自動分析装置30は、容器洗浄機構15による反応容器5の洗浄開始後、その反応容器5に試薬を分注するまでの間に、液漏れ検知装置20が測定する音波発生素子34表面の電気抵抗をもとに反応容器5の液漏れを検知する。
【0053】
従って、自動分析装置30は、分析結果を待たずに反応容器5における液漏れの発生を検知し、液漏れに対して速やかに対処することができる。このため、自動分析装置30は、液漏れに起因した測光データの異常を回避して信頼性の高い分析を行うことができ、漏れた液体を除去するメンテナンスに伴う装置の停止を回避することができる。また、自動分析装置1は、反応容器5に試薬を分注するまでの間に液漏れを検知するので、反応容器5に分注される試薬が無駄にならない。
【0054】
(実施の形態3)
次に、本発明の分析装置にかかる実施の形態3について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態2の自動分析装置は、反応容器に取り付けた音波発生手段表面の抵抗を測定することによって反応容器の液漏れを検知した。これに対して、実施の形態3の自動分析装置は、音波発生手段からの電力の反射によって液漏れを検知している。
【0055】
図11は、実施の形態3の自動分析装置を示す概略構成図である。図12は、実施の形態3の自動分析装置におけるキュベットホイール、試薬分注機構、検体分注機構、第1撹拌装置、第2撹拌装置、容器洗浄機構及び液漏れ検知装置の配置を示す平面図である。
【0056】
自動分析装置40は、図11及び図12に示すように、液漏れ検知装置20に代えて音波発生手段からの電力の反射によって液漏れを検知する液漏れ検知装置42が容器洗浄機構15の外周に配置されている。液漏れ検知装置42は、反応容器5を洗浄する洗浄水を表面弾性波素子34が発生する音波によって撹拌することにより洗浄効果を高めると共に、液漏れを検知するために使用される。
【0057】
液漏れ検知装置42は、図11に示すように、支持部材41に支持されている。支持部材41は、支持部材21と同じ構成であり、制御部16に制御されて液漏れ検知装置42を3軸方向へ移動させる。液漏れ検知装置42は、表面弾性波素子34を駆動する撹拌装置を利用したものであり、図13に示すように、駆動部43、電力検出部44及び判定部45を備えている。
【0058】
駆動部43は、ソレノイド43a、整合回路43c、RF電源43eを有している。駆動部43は、図13に示すように、整合回路43cとRF電源43eとの間を特性インピーダンスが50Ωの同軸ケーブル43dによって接続され、接続端子43bをソレノイド43aによって表面弾性波素子34の電気端子34c(図10参照)に当接させ、音波発生素子34を駆動する。整合回路43cは、RF電源43eから見た音波発生素子34の負荷が50Ωになるように調整する。
【0059】
電力検出部44は、駆動部43が出力する進行波電力と音波発生素子34から反射する反射波電力を検出する電力検出手段であり、方向性結合器44a、進行波電力測定回路44b、反射波電力測定回路44cを有している。方向性結合器44aは、整合回路42cとRF電源42eとの間を接続する同軸ケーブル42dに設けられている。進行波電力測定回路44bは、RF電源42eが出力し、方向性結合器44aによって分離された一方の進行波の電力を測定する。このとき、他方の進行波は、整合回路42c及び接続端子42bを介して音波発生素子34へ出力される。反射波電力測定回路44cは、音波発生素子34から反射してくる反射波の電力を測定する。進行波電力測定回路44b及び反射波電力測定回路44cが測定した進行波電力及び反射波電力に関する情報は、判定部45へ出力される。
【0060】
判定部45は、反射波電力の進行波電力に対する反射率をもとに音波発生素子34の液濡れを検知する。即ち、液漏れ検知装置42は、上述のようにRF電源43eから見た音波発生素子34の負荷が50Ωになるように調整してある。このため、液漏れ検知装置42は、音波発生素子34の反応容器5からの剥離等の異常がなければ、通常、反射波の電力は小さい。但し、反応容器5からの液体の漏れ等によって音波発生素子34の表面が濡れ、振動子34bが導通すると、反射波の電力が大きくなる。このため、反射波電力と進行波電力とをもとに反射率を求め、求めた反射率を予め設定した反射率の閾値Tと比較すれば、判定部45は、反応容器5に液漏れが発生しているか否かを判定することができる。このとき、制御部16が実行する電力の反射率による液漏れの有無の判定と、判定結果に基づく分析作業の制御を、図14に示すフローチャートを使用して以下に説明する。
【0061】
先ず、制御部16は、液漏れ検知装置42に制御信号を出力し、対向位置に停止した反応容器5に取り付けた音波発生素子34へ出力した進行波電力と反射してくる反射波電力に係る電力を検出させる(ステップS200)。次に、制御部16は、検出させた進行波電力と反射波電力とにもとづく電力反射率からその反応容器5が液漏れをしているか否かを判定する(ステップS202)。この判定は、液漏れ検知装置42の判定部22eから制御部16へ入力される判定結果によって実行される。反応容器5が液漏れしている場合(ステップS202,Yes)、制御部16は、液漏れしているその反応容器5の使用を禁止とし(ステップS204)、その後、ステップS206へ移行する。ここで、反応容器5が液漏れしている場合、制御部16は、警告報知部19に液漏れの警告を報知させる。
【0062】
一方、反応容器5が液漏れしていない場合(ステップS202,No)、制御部16は、自動分析装置40に分析作業を継続させる(ステップS206)。これにより、自動分析装置40は、反応容器5に第1試薬、検体、第2試薬の順に分注しながら分析作業を継続してゆく。そして、制御部16は、分析が終了した否かを判定する(ステップS208)。この判定は、分析開始前に入力された分析情報から判定する他、所定時間ごとに判定を繰り返しても良い。分析が終了していない場合(ステップS208,No)、制御部16は、ステップS200に戻り、上述の各ステップを繰り返す。
【0063】
一方、分析が終了している場合(ステップS208,Yes)、制御部16は、液漏れの検知を含め分析作業の制御を終了する。
【0064】
ここで、異なる反応容器について液漏れ検知装置20が連続して複数回(例えば、5回)液漏れを検知した場合、実施の形態1の場合と同様に、制御部16は、容器洗浄機構15の洗浄動作を停止させると共に、反応容器5の使用禁止を解除する。
【0065】
上述のように、自動分析装置40は、分析結果を待たずに反応容器5における液漏れの発生を検知し、液漏れに対して速やかに対処することができる。このため、自動分析装置40は、液漏れに起因した測光データの異常を回避して信頼性の高い分析を行うことができ、漏れた液体を除去するメンテナンスに伴う装置の停止や試薬の無駄を回避することができる。
【0066】
ここで、実施の形態1〜3の自動分析装置は、反応容器5の側面で液漏れを検知した。しかし、反応容器5において液体の溢れや液漏れが発生した場合、液体は鉛直方向上方から下方へと流れる。このため、実施の形態1〜3の自動分析装置は、反応容器5の下面で液漏れを検知することが好ましい。
【0067】
そこで、例えば、実施の形態3の自動分析装置40において、振動子34bを下方に向けて表面弾性波素子34を下面に取り付けた反応容器5を用いた場合におけるキュベットホイール4の主要部の構成を以下に説明する。
【0068】
キュベットホイール4は、周方向に沿った断面図である図15に示すように、反応容器5を配置する複数の凹部4aが隔壁4bによって区画形成されている。隔壁4bは、下部が切除され、隣接する凹部4aが周方向に連通している。また、キュベットホイール4は、表面弾性波素子34を取り付けた反応容器5を凹部4aに収容したときに、電気端子34cと対応する位置の底壁4cに電気端子34cと駆動部43の接続端子43bとの間を電気的に接続する端子4dが埋設されている。
【0069】
このとき、液漏れ検知装置42は、容器洗浄機構15が有している複数の洗浄ノズル対の最後の洗浄ノズル対、例えば、洗浄ノズル対15Fの右に位置する隣接する反応容器5内の洗浄水Wを表面弾性波素子34によって撹拌すると共に、この反応容器5の液漏れを検知する。このため、容器洗浄機構15は、洗浄ノズル対15Fと吸引ノズル15Gとの間を液漏れ検知用にスペースを空けておく。
【0070】
ここで、洗浄ノズル対15Fは、反応容器5内の底部近くまで挿入される吸引ノズル15aと、反応容器5内の中間まで挿入され、洗浄水を吐出する吐出ノズル15bと、反応容器5内の上部まで挿入され、反応容器5に吐出される洗浄水を一定レベルに保持するオーバーフロー吸引ノズル15cを有している。また、容器洗浄機構15は、図15において、洗浄ノズル対15Fの左隣に洗浄ノズル対15Eを有し、吸引ノズル15Gの右隣には合成樹脂性のチップ15hを下端に取り付けた乾燥ノズル15Hが配置されている。
【0071】
従って、洗浄ノズル対15Fは、オーバーフロー吸引ノズル15cが適切に作動すると、図15に示すように、液漏れ検知装置42と対応する位置の反応容器5は、オーバーフロー吸引ノズル15cの下端まで洗浄水Wが注入される。
【0072】
これに対して、洗浄ノズル対15Fは、オーバーフロー吸引ノズル15cが目詰まり等によって洗浄水Wを適切に吸引することができないと、図16に示すように、洗浄水Wが反応容器5から溢れてしまう。この結果、キュベットホイール4は、溢れた洗浄水Wが反応容器5との間の隙間を通って凹部4a内に広がり、隔壁4bの下部を通って隣接する凹部4aまで洗浄水Wが浸入してしまう。液漏れの発生した反応容器5よりも前に、分析に使用される隣接する反応容器5において液漏れを検出することができる。
【0073】
このように、液漏れを反応容器5の下面で検知するようにすると、液漏れの発生を検知することができ、液漏れが生じた際の対策を速やかに採ることができる。このため、自動分析装置40は、液漏れの際のメンテナンスに伴うダウンタイムを短縮することができる。
【0074】
尚、本発明の分析装置は、液漏れ検知手段を複数設置すると、例えば、反応容器のひび割れ等の成長に起因した経時的な液漏れを、反応容器の損傷による液漏れ液体の溢れに起因した液漏れと区別して検知することも可能である。例えば、実施の形態1,2ではキュベットホイール4の周囲に液漏れ検知装置20を複数設け、実施の形態3では、検体攪拌装置31、第1試薬攪拌装置37及び第2試薬撹拌装置38を液漏れ検知装置42と同様の構成とし、反応容器5の洗浄開始後、この反応容器5に試薬を分注するまでの間にこの反応容器5の液漏れを検知すると、割れ等の成長に起因した経時的な液漏れと液体の溢れとを区別することができる。
【0075】
また、容器洗浄機構は、各洗浄ノズルに対応する位置に液漏れ検知手段を設置すると、反応容器5毎の液体の溢れを検知することを通して洗浄ノズル毎のノズル詰まりを検知することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1の自動分析装置におけるキュベットホイール、試薬分注機構、検体分注機構、第1撹拌装置、第2撹拌装置、容器洗浄機構及び液漏れ検知部の配置を示す平面図である。
【図3】液漏れ検知部による反応容器の液漏れの検知を説明する図である。
【図4】液漏れがある場合と液漏れがない場合における抵抗値から決まる液漏れ判断上の閾値を説明する図である。
【図5】制御部が実行する本発明の分析方法を説明するフローチャートである。
【図6】実施の形態2の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図7】実施の形態2の自動分析装置におけるキュベットホイール、試薬分注機構、検体分注機構、第1撹拌装置、第2撹拌装置、容器洗浄機構及び液漏れ検知部の配置を示す平面図である。
【図8】検体分注機構の撹拌ユニットの概略構成と音波発生素子の駆動を説明する図である。
【図9】撹拌ユニットの端子を反応容器に取り付けた表面弾性波素子の電気端子に当接させた状態を示す斜視図である。
【図10】反応容器の側面を音波発生素子と共に示す図である。
【図11】実施の形態3の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図12】実施の形態3の自動分析装置におけるキュベットホイール、試薬分注機構、検体分注機構、第1撹拌装置、第2撹拌装置、容器洗浄機構及び液漏れ検知装置の配置を示す平面図である。
【図13】液漏れ検知装置の概略構成と音波発生手段からの電力の反射による液漏れの検知を説明する図である。
【図14】制御部が実行する本発明の分析方法を説明するフローチャートである。
【図15】反応容器の下面で液漏れを検知する場合のキュベットホイールの主要部の構成と、表面弾性波素子の駆動部の配置を示す断面図である。
【図16】図15において反応容器から洗浄水が溢れて液漏れの状態が発生した場合の図である。
【符号の説明】
【0077】
1 自動分析装置
2 第1試薬テーブル
3 第2試薬テーブル
4 キュベットホイール
5 反応容器
6 第1試薬分注機構
7 第2試薬分注機構
8 検体容器移送機構
9 フィーダ
10 ラック
11 検体分注機構
12 第1撹拌装置
13 第2撹拌装置
14 測定光学系
15 容器洗浄機構
16 制御部
17 入力部
18 表示部
19 警告報知部
20 液漏れ検知装置
21 支持部材
22 検知ユニット
30 自動分析装置
31 検体攪拌装置
32 支持部材
33 撹拌ユニット
34 音波発生素子
37 第1試薬攪拌装置
38 第2試薬攪拌装置
40 自動分析装置
41 支持部材
42 液漏れ検知装置
43 駆動部
44 電力検出部
45 判定部
W 洗浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内で反応した検体と試薬の反応液の光学的特性をもとに前記検体を分析する分析装置において、
前記反応容器の液漏れを検知する液漏れ検知手段と、
前記検体の分析中に前記液漏れ検知手段が液漏れを検知した場合に、当該反応容器の使用を禁止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記液漏れ検知手段は、前記反応容器の洗浄開始後、当該反応容器に試薬を分注するまでの間に前記反応容器の液漏れを検知することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記液漏れ検知手段は、前記反応容器表面の電気抵抗をもとに液漏れか否かを判定する判定部を有することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記反応容器は、前記検体又は前記試薬に向けて音波を発生し、当該音波によって前記検体又は前記試薬を撹拌する音波発生手段が設けられ、
前記液漏れ検知手段は、前記音波発生手段表面の電気抵抗をもとに液漏れか否かを判定する判定部を有することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項5】
前記反応容器は、前記検体又は前記試薬に向けて音波を発生し、当該音波によって前記検体又は前記試薬を撹拌する音波発生手段が設けられ、
前記液漏れ検知手段は、前記音波発生手段から反射される反射波電力をもとに液漏れか否かを判定する判定部を有することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項6】
前記反応容器の液漏れを検知した場合に、液漏れの警告を報知する警告報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
前記制御手段は、異なる反応容器について前記液漏れ検知手段が連続して液漏れを検知した場合、前記反応容器へ洗浄液を注入する洗浄動作を停止させると共に、前記反応容器の使用禁止を解除することを特徴とする請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
反応容器内で反応した検体と試薬の反応液の光学的特性をもとに前記検体を分析する分析方法において、
前記反応容器の液漏れを検知する液漏れ検知工程と、
前記検体の分析中に前記液漏れ検知工程で液漏れを検知した場合に、当該反応容器の使用を停止し、他の反応容器を用いた分析作業が継続されるように制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項9】
前記液漏れ検知工程は、前記反応容器の洗浄開始後、当該反応容器に試薬を分注するまでの間に当該反応容器の液漏れを検知することを特徴とする請求項8に記載の分析方法。
【請求項10】
前記液漏れ検知工程は、前記反応容器表面の電気抵抗をもとに液漏れか否かを判定する判定工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の分析方法。
【請求項11】
前記反応容器は、前記検体又は前記試薬に向けて音波を発生し、当該音波によって前記検体又は前記試薬を撹拌する音波発生手段が設けられ、
前記液漏れ検知工程は、前記音波発生手段から反射される反射波電力をもとに液漏れか否かを判定する判定工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の分析方法。
【請求項12】
前記反応容器の液漏れを検知した場合に、当該反応容器を指定した液漏れの警告を報知する警告報知工程を含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一つに記載の分析方法。
【請求項13】
前記制御工程は、異なる反応容器について複数回連続して液漏れを検知した場合、前記反応容器へ洗浄液を注入する洗浄動作を停止する制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−300402(P2009−300402A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158388(P2008−158388)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】