説明

分枝状ナノワイヤーおよびその製造方法

【課題】広い表面積を有する分枝状ナノワイヤーを容易に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン系ナノワイヤ-50の表面を湿式エッチングし、表面欠陥56を形成する。次いで、シリコン系ナノワイヤー50を脱イオン水または空気中に露出させ、表面に酸化物層52を形成する。この工程で、シリコン系ナノワイヤーの表面にはシリコン核54が形成される。この後、シリコン核より分枝状ナノワイヤーを成長させる。本方法によれば、単一形状のナノワイヤーではなく枝が付いたナノワイヤーを製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分枝状ナノワイヤーとその製造方法およびこれを用いたナノ素子に関し、詳細には、光電素子、センサー、エネルギー貯蔵などの分野に適用できるように広い表面積を有するフラクタル形態の分枝状ナノワイヤーおよびこの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノワイヤーは、直径がナノメートル領域であり、長さが数百ナノメートル、マイクロメートルまたはミリメートル単位を有する線状材料であって、直径と長さによってその物性が変化する。このようなナノワイヤーは、数ナノメートルの大きさから得られる量子制限的特性によりバルク物質とは異なる電気的・光学的特性を有するため、各種の電子素子および光学素子への応用など、次世代技術として多くの注目を浴びてきた。特にこれまでに蓄積されたシリコン半導体技術との融合が可能なシリコンナノワイヤーは、大きさが数十ナノメートルとなるデザインルール(design rule)の限界を克服できる解決策として多くの関心と注目を浴びており、活発に研究されている。
【0003】
現在、半導体の集積度向上および速度増加のための垂直型構造のシリコンナノワイヤーFET(Field Effect Transistor)が具現されており、シリコンナノワイヤーは、FET(Field Effect Transistor)以外に各種の電子素子、センサー、光検出素子(photodetector)、シリコン光素子集積回路(Si Optoelectronic Integrated Circuit)などに応用することができる。
【0004】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2007−048943号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/225162号明細書
【特許文献3】米国特許第7,179,561号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】論文Abstract、1〜2page、Figure1,2、NANO LETTERS 2004、Vol.4、No.5,871−874
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、広い表面積を有する分枝状ナノワイヤーを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、前記分枝状ナノワイヤーを容易に製造できる分枝状ナノワイヤーの製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、優れた光敏感性および伝導性を有する前記分枝状ナノワイヤーを含む電子素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の一つの態様は、ナノワイヤー:前記ナノワイヤー内部または表面のシリコン核から成長した寄生ナノワイヤー枝を含むことを特徴とする分枝状ナノワイヤーに関する。
【0011】
本発明の他の態様は、シリコン系ナノワイヤーを成長する段階;前記シリコン系ナノワイヤーの表面にシリコン核を形成する段階;および前記シリコン核から寄生ナノワイヤーを成長する段階を含むことを特徴とする分枝状ナノワイヤーの製造方法に関する。
【0012】
本発明の別の態様は、分枝状ナノワイヤーを含むことを特徴とする電子素子に関し、前記電子素子は、バイオセンサー、光検出素子(photodetector)、発光素子、受光素子、エネルギー貯蔵素子および電池からなる群より選択されることを特徴とする電子素子に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の分枝状ナノワイヤーの製造方法によれば、単一形状のナノワイヤーではなく枝が付いたナノワイヤーを製造でき、広い表面積を有する一次元構造物の長所を最大限発揮することができる。シリコンリッチ酸化物(Silicon Rich Oxide、SRO)ナノワイヤーを基板とした分枝状ナノワイヤーは、効率が高いことや大面積が要求される、センサー、電池、受光素子、発光素子のような技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施例によるシリコンリッチ酸化物を含むシリコン系ナノワイヤーの透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による金属ナノドットを含むシリコン系ナノワイヤーの透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による湿式エッチング方法によりシリコンナノワイヤーを製造する工程を示す工程流れ図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例によるシリコン系ナノワイヤー表面に形成されたシリコン核を示す透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図5】図5は、本発明の一実施例による湿式エッチング方法によりシリコン系ナノワイヤー表面に形成されたシリコン核を示す模式図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例によるシリコン核から成長した寄生ナノワイヤーのある分枝状ナノワイヤーを示す図面である。
【図7】図7は、本発明の一実施例によるフラクタル形態に成長した分枝状ナノワイヤーを示す図面である。
【図8】図8は、本発明の一実施例により製造された分枝状ナノワイヤーのSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0016】
本発明の一実施例による分枝状ナノワイヤーは、ナノワイヤーの表面に複数の寄生ナノワイヤーが成長する。ナノワイヤーは好適にはシリコンリッチ酸化物を含む。寄生ナノワイヤー枝は、ナノワイヤー内部または表面のシリコン核から成長する。
【0017】
(シリコンナノワイヤー)
図1は、本発明の一実施例である分枝状ナノワイヤーの製造に使用されるシリコンリッチ酸化物を含むシリコン系ナノワイヤーの透過電子顕微鏡(TEM)写真である。図1を参照すると、シリコン系ナノワイヤー10は、コア部12とシェル部14とから構成され、前記コア部12は、結晶性または非晶質のシリコンリッチ酸化物(Silicon Rich Oxide、SRO)を含み、前記シェル部14は、シリカを含むことができる。好適には、コア部12は、結晶性または非晶質のシリコンリッチ酸化物からなり、シェル部14は、シリカからなる。この際、前記シェル部14のシリカは、ナノワイヤー形成工程中または大気中の酸素によりシリコンが酸化して生じることができる。
【0018】
前記シリコンリッチ酸化物(SRO)は、余分のシリコン(Si)が多いSiO(ただし、0<x<2)形態で存在する。ナノワイヤーの内部にシリコン含量の高いシリコンリッチ酸化物を含む場合、一般的なシリコン系ナノワイヤーより優れた伝導性および光感受性を有するため、シリカまたはシリコンナノワイヤーの応用の際に生ずる制限を克服することができる。
【0019】
図2は、本発明の一実施例である分枝状ナノワイヤーの製造に使用される他のシリコンリッチ酸化物を含むシリコン系ナノワイヤーの透過電子顕微鏡(TEM)写真である。図2を参照すると、シリコンリッチ酸化物を含むシリコン系ナノワイヤー20は、コア部22に一方向に整列した金属ナノドット26を含む構造であることができる。図2の形態では、シェル部は存在せず、コア部だけがある。
【0020】
このように、本発明の一実施例である分枝状ナノワイヤーの製造に使用されるシリコン系ナノワイヤー20は、金属ナノドット26の配列がナノワイヤーの中央に一方向に整列しているため、電子素子または光特性を用いた素子を具現するのに容易である。この際、ナノワイヤーに含まれるコア部22は、前記金属ナノドット26を連結する機能をする。
【0021】
前記シリコン系ナノワイヤーの内部に一方向に整列した金属ナノドットとしては、ナノワイヤーの成長に触媒として使用できる金属を用いることができ、具体的にはAu、Ni、Fe、Ag、AlおよびPdからなる群より選択される少なくとも一種であることができる。
【0022】
この際、ナノワイヤーの内部に一方向に整列した金属ナノドットの直径は、特に制限されないが、形成されたナノワイヤーの直径と同じまたはそれより小さい直径を有し、前記金属ナノドットは、約10nm〜1μmの間隔で配列することができる。
【0023】
図1の形態と同様、図2の形態の場合も、シリカからなるシェル部が最外層に存在する場合もある。この際、シェル部のシリカは、ナノワイヤー形成工程中または大気中の酸素によりシリコンが酸化して生じる。この場合、好適には、コア部は、金属ナノドットおよびシリカ(シリコンリッチ酸化物およびSiO)からなり、シェル部は、シリカ(SiO)からなる。
【0024】
図1および図2に示した前記シリコン系ナノワイヤー10および20は、ナノワイヤーの内部または表面に寄生ナノワイヤーを成長させることができるシード(seed)、すなわちシリコン核を好ましくは含む。図1の形態においては、シリコン核は、好適には、コア部を除外したナノワイヤーの内部または表面に存在する。つまり、シリコン核は、シリカからなるシェル部またはナノワイヤー表面に好適には存在する。
【0025】
(寄生ナノワイヤー枝)
寄生ナノワイヤー枝がナノワイヤーの内部に存在する、または表面に露出したシリコン核から成長することにより分枝状ナノワイヤー構造になることができる。ここで、シリコン核とは、シリコンの微細結晶核を意味する。
【0026】
寄生ナノワイヤー枝の構造は特に限定されるものではなく、結晶質シリコン、シリコンリッチ酸化物(Silicon Rich Oxide、SRO)型ナノワイヤーまたは、SRO型コアシェルナノワイヤーなどが挙げられる。例えば、寄生ナノワイヤー枝は、上記図1の形態のように、コア部とシェル部とから構成され、前記コア部は、結晶性または非晶質のシリコンリッチ酸化物を含み、前記シェル部は、シリカを含むことができる。好適には、コア部は、結晶性または非晶質のシリコンリッチ酸化物からなり、シェル部は、シリカからなる。また、寄生ナノワイヤーはシリコンから構成されていてもよいし、シリコンリッチ酸化物を主成分として含む形態であってもよい。この場合、製造工程中または大気中の酸素によって表面がシリカとなっていてもよい。
【0027】
(分岐状ナノワイヤー)
分枝状ナノワイヤーは、n型ドーパントまたはp型ドーパントでドープされることができ、ドープされた分枝状ナノワイヤーは、一般的なシリコン系ナノワイヤーより優れた伝導性および光感受性を有するため、シリカまたはシリコンナノワイヤーの制限的な応用先を克服することができる。
【0028】
また、寄生ナノワイヤーは、その表面に第2寄生ナノワイヤーがさらに成長し、第2寄生ナノワイヤー表面に第3、第4寄生ナノワイヤーが反復的にさらに成長したフラクタル(fractal)形態から形成されていてもよい。第2、第3・・・の寄生ナノワイヤーは、上記寄生ナノワイヤーで説明したものと同様であるので、ここでは説明を割愛する。
【0029】
(分枝状ナノワイヤーの製造方法)
本発明の他の実施形態は、上記のような構造を有する分枝状ナノワイヤーの製造方法に関する。
【0030】
本発明の一実施形態によれは、分枝状ナノワイヤーの製造方法は、シリコン系ナノワイヤーを成長する段階;前記シリコン系ナノワイヤーの内部または表面にシリコン核を形成する段階;および前記シリコン核から寄生ナノワイヤーを成長させる段階を含む。
【0031】
(1)シリコン系ナノワイヤーを成長させる方法
シリコン系ナノワイヤーを成長させる方法としては、特に限定されるものではないが、下記の方法が挙げられる。
【0032】
シリコン系ナノワイヤーを成長させる一つの方法は、シリコン基板上に金属触媒をコーティングする段階;前記コーティングされたシリコン基板を反応炉に入れる段階;前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながらシリコン基板を加熱する段階;および前記基板上に金属触媒がコーティングされたところからシリコン系ナノワイヤーが成長する段階を含む。
【0033】
上記製造方法は、まず、基板上に金属触媒、例えばAu金属触媒を基板にコーティングすることにより行われる。この際、不純物を除去するために、一般的な方法によって基板を予め洗浄することができる。
【0034】
シリコン基板上にコーティングされる金属触媒は、ワイヤを成長させることが可能な金属触媒であればいずれでも使用することができる。具体的に、Au、Ni、Fe、Ag、Pd、Pd/Ni、またはNiを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。金属触媒はナノ粒子または薄膜の形状に基板にコーティングすることができ、前記基板上にコーティングされる金属触媒のコーティング層の厚さは50nm以下であることが好ましい。
【0035】
金属触媒を基板にコーティングする方法としては、本発明の目的を阻害しない限り特に制限されず、当該技術分野で一般的に用いられるコーティング方法、例えば、CVD法、スパッタリング(sputtering)法、e−ビーム蒸着(e−beam evaporation)法、真空蒸着法、スピンコーティング(spin coating)法、ディッピング(dipping)法で行われる。
【0036】
ナノワイヤーの直径は、金属触媒の直径によって異なるので、金属触媒の直径を調節することにより制御することができる。金属触媒の直径は特に限定されるものではないが、通常1〜500nm程度である。
【0037】
次に、コーティングされた基板を反応炉に入れ、続いてナノワイヤー前駆体を注入する。なお、ナノワイヤー前駆体の注入は、必要に応じて行われ、ナノワイヤー前駆体を注入する代わりに、前駆体を注入せずに、金属触媒がコーティングされたシリコン基板をそのまま加熱して(シリコン基板を前駆体として)ナノワイヤーを成長させてもよい。反応炉には、ナノワイヤー前駆体に加えて、Ar、N、HeおよびHからなる群より選択される少なくとも一種の気体が注入されることが好ましい。また、該気体は、具体的に0.001〜10slmの量で注入されることができるが、前記注入量は、工程に応じて変更されることができる。
【0038】
ナノワイヤー成長反応炉としては、マイクロチェンバーを用いることができる。シリコンリッチ酸化物は、反応炉に供給する不活性気体および酸素量を調節することによって形成される。したがって、マイクロチェンバー内部には2×10−1torr〜2×10−6torrの分圧で酸素を注入することができる。この場合、マイクロチェンバー内の極小量の酸素がシリコンリッチ酸化物を含むナノワイヤーの成長に主要役割をすることになる。すなわち、外部から酸素を2×10−1torr〜2×10−6torrの分圧を有するように注入させてナノワイヤーを成長する場合、SiO(ただし、0<x<2)形状を有することになり、シリコンリッチ酸化物を含むナノワイヤーを形成させることができる。この際、酸素の分圧が2×10−1torrより大きい場合にはシリカ(SiO)ナノワイヤーが形成する場合があり、前記酸素の分圧が2×10−6torrより小さい場合にはシリコン(Si)ナノワイヤーが成長する場合がある。
【0039】
ナノワイヤー前駆体は、SiH、SiClおよびSiHClからなる群より選択される少なくとも一種であることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
ナノワイヤー前駆体を注入しながら加熱する際の加熱温度としては、400〜1300℃、好適には400〜800℃で行うことができ、加熱時間としては、得ようとするナノワイヤーの長さに応じて調節することができる(数分〜数時間)。また、圧力は、10〜760torr(1333.22〜101324.72Pa、ここで1Torr=133.322Paで換算)の圧力で行われることが好ましい。
【0041】
反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながら加熱する段階において、金属がナノワイヤーの成長の際に内部に含まれ得るように力を加えてもよい。力を加えることによって、上記図2のように金属ナノドットがワイヤーのコア部に一方向に整列した形態が簡便に得られる。金属ナノドットがワイヤー内部に整列するのは、シリコンが金属触媒と共に液状に存在していて、析出されるときに金属が共に巻き込まれるためと考えられる。かける力としては、重力でよく、簡便には、基板のナノワイヤが成長する面を下向きにすればよい。重力以外にも、例えば電場(electric field)または機械力(mechanical force)を加えてナノドットの間隔を制御することにより、多様な物性を持つワイヤーを製造することができる。
【0042】
上記では、ナノワイヤー前駆体を注入する例を挙げて説明したが、ナノワイヤー前駆体を注入する代わりに、前駆体を注入せずに、金属触媒がコーティングされたシリコン基板をそのまま加熱して(シリコン基板を前駆体として)ナノワイヤーを成長させてもよい。
【0043】
一般的に、ナノワイヤーを成長させる方法の例としては、VLS(vapor−liquid−solid)工程およびSLS(solid−liquid−solid)工程が挙げられる。
【0044】
具体的に、VLS(vapor−liquid−solid)工程は、シリコン系基板上に金、コバルト、ニッケルなどの触媒金属をコーティングした後、高温の反応炉(furnace)に入れてシリコン供給源を外部から気体状(例えば、SiH)で注入すれば、蒸気相シリコン含有種が金、コバルト、ニッケルなどの溶融触媒の表面上で凝縮して結晶化することにより、シリコン系ナノワイヤーに成長する方法である。
【0045】
これに対し、SLS(solid−liquid−solid)工程は、別途の蒸気相シリコンを供給せずに固体基板(例えば、シリコン基板)から拡散したシリコンが溶融触媒の表面上で凝縮して結晶化することにより、ナノワイヤーに成長する方法である。
【0046】
本発明で使用されるナノワイヤーは、特徴的にSLS(solid−liquid−solid)工程とVLS(vapor−liquid−solid)類似工程により製造されることができる。
【0047】
シリコン系ナノワイヤーを成長させる他の方法は、シリコン基板の表面を湿式エッチングすることで表面欠陥(defect site)を形成する段階;前記シリコン基板を脱イオン水または空気中に露出させて前記シリコン基板の表面に酸化物層を形成する段階;前記酸化物層が形成されたシリコン基板を反応炉に入れる段階;前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながらシリコン基板を加熱する段階;および前記酸化物層内部に形成されたシリコン核からシリコン系ナノワイヤーが成長する段階を含む。
【0048】
図3は、湿式エッチング方法で無触媒シリカナノワイヤーの製造工程を説明するための工程流れ図である。
【0049】
図3を参照すると、まず、シリコン基板30の表面を湿式エッチングすることで表面欠陥(defect site)を形成する。この際、不純物を除去するために通常の方法により基板をあらかじめ洗浄することができる。
【0050】
前記湿式エッチング段階で使用されるエッチング溶液の例としては、NaOH水溶液、硝酸水溶液、フッ酸水溶液、リン酸水溶液などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
次いで、前記シリコン基板30を脱イオン水(DI water)または空気中に露出させて前記シリコン基板30の表面に酸化物層32を形成する。前記酸化物層32は、SiO(ただし、0<x<2)を含むが、このことは、Siが豊富なSiOで前記酸化物層32が構成されることを意味する。
【0052】
この際、前記シリコン基板30を脱イオン水(DI water)または空気中に長時間露出させる場合、酸化が進みすぎて酸化物層がSiO(ただし、0<x<2)ではなくSiOに形成される可能性があるため、前記露出時間は10分〜1時間が好ましく、前記方法により形成された酸化物層の厚さは5nm以下が好ましく、2nm以下がより好ましい。酸化物層の厚さの下限は特に限定されないが、0.01nm以上であることが好ましく、0.1nm以上であることがより好ましい。
【0053】
次いで、前記酸化物層32が形成されたシリコン基板30を反応炉に入れてナノワイヤー前駆体を注入させながら加熱して前記酸化物層32の内部に形成されたシリコン核34からシリコンナノワイヤー36を成長させる。
【0054】
すなわち、シリコン基板の表面欠陥により酸化物層内の表面エネルギーの高い部分へシリコン原子が移動することになって、前記酸化物層32の内部にシリコンの豊富な部分が形成され、このようなシリコンの豊富な部分はシリコン核34となり、シリコン核からナノワイヤーが成長することとなる。
【0055】
ナノワイヤー前駆体は、SiH、SiClおよびSiHClからなる群より選択される少なくとも一種であることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
この際、反応炉には、ナノワイヤー前駆体に加えて、Ar、N、HeおよびHからなる群より選択される少なくとも一種の気体とが注入されることが好ましい。また、該気体は、具体的に0.001〜10slmの量で注入されることができるが、前記注入量は、工程に応じて変更されることができる。
【0057】
前記ナノワイヤー成長反応炉としては、マイクロチェンバーを用いることができ、前記マイクロチェンバー内部には2×10−1torr〜2×10−6torrの分圧で酸素を注入してもよい。
【0058】
一方、前記反応炉またはマイクロチェンバー内に気体を注入しながら加熱する段階は、10〜760torr(1333.22〜101324.72Pa、ここで1Torr=133.322Paで換算)の圧力で行われることが好ましく、前記加熱温度は、400〜1300℃、好ましくは400〜800℃であり、前記加熱時間は、数分〜数時間である。同様に、前記工程圧力、加熱温度、加熱時間も工程に応じて変更されることができる。
【0059】
(2)シリコン系ナノワイヤーの内部または表面にシリコン核を形成する段階
前記分枝状ナノワイヤーの製造段階のうち、シリコン系ナノワイヤー10の内部または表面に存在するシリコン核は、熱的エネルギーの照射により形成されることができる。
【0060】
前記シリコン核は、前記シリコン系ナノワイヤー内部の剰余シリコンの量、ナノワイヤーに照射されるエネルギー量と照射時間によって前記シリコン核の密度や大きさを変化させることができる。
【0061】
図4は、熱エネルギー照射によりナノワイヤー表面に露出したシリコン核を示すTEM写真である。すなわち、シリコンリッチ酸化物を含むナノワイヤーを300℃以上、好適には300〜1100℃の高温で熱処理するかまたはイオンビーム、電子ビーム、もしくはレーザーを照射すると、剰余シリコンがシリコン核を形成して数ナノメートルの大きさのシリコン量子点(silicon quantum dot)を作ることになる。このようなシリコン量子点は、バルクシリコンからは得られない光特性を示して可視光領域で発光または受光できる特徴を持っている。つまり、シリコン核は、シリコン系ナノワイヤー内部の剰余シリコンの量およびナノワイヤーに照射されるエネルギー量と照射時間によってシリコン核の密度や大きさが変化する。電子ビームの場合、電流密度は1〜2000A/cmであることが好ましく、電子ビームの照射時間は1秒〜1時間であることが好ましい。かようなシリコン核は、好適には、シリカからなるシェル部やナノワイヤー表面に存在する、あるいは移動する。
【0062】
前記分枝状ナノワイヤー製造段階のうち、シリコン系ナノワイヤー40の内部または表面に存在するシリコン核44は、湿式エッチング方法を用いて形成されることもできる。
【0063】
図5は、湿式エッチング方法により形成されたシリコン核を含むシリコン系ナノワイヤーの一実施例を示す図面である。図5を参照すると、まず、シリコン系ナノワイヤー50の表面を湿式エッチングすることで表面欠陥(defect site)56を形成する。この際、不純物を除去するために通常の方法により前記ナノワイヤーをあらかじめ洗浄することができる。
【0064】
前記湿式エッチング段階で使用するエッチング溶液の例としては、NaOH、硝酸水溶液、フッ酸水溶液、リン酸水溶液などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
次いで、前記シリコン系ナノワイヤー50を脱イオン水(DI water)または空気中に露出させて前記シリコン系ナノワイヤー50の表面に酸化物層52を形成する。前記酸化物層52は、SiO(ただし、0<x<2)を含むが、このことは、Siが豊富なSiOで前記酸化物層52が構成されることを意味する。
【0066】
この際、前記シリコン系ナノワイヤー50を脱イオン水(DI water)または空気中に長時間露出させる場合、酸化が進みすぎて酸化物層がSiO(ただし、0<x<2)ではなくSiOに形成される可能性があるため、前記露出時間は10分〜1時間が好ましく、前記方法により形成された酸化物層の厚さは5nm以下が好ましく、2nm以下がより好ましい。酸化物層の下限は特に限定されるものではないが、0.01nm以上であることが好ましく、0.1nm以上であることがより好ましい。
【0067】
上記過程で、シリコン系ナノワイヤーの表面にはシリコン核54が形成される。すなわち、シリコン系ナノワイヤーの表面欠陥56により表面エネルギーの高い部分へシリコン原子が移動することになって、前記酸化物層52の内部にシリコンの豊富な部分が形成され、このようなシリコンの豊富な部分はシリコン核54として作用することになる。
【0068】
(3)シリコン核から寄生ナノワイヤーを成長させる段階
図6は、本発明の一実施例である分枝状ナノワイヤー構造60を示す図面であって、シリコン系ナノワイヤー表面に存在するシリコン核から成長した寄生ナノワイヤー64を示す。
【0069】
前記分枝状ナノワイヤー製造段階のうち、シリコン核から寄生ナノワイヤーを成長する段階は、前記シリコン核が露出した前記シリコン系ナノワイヤーを反応炉に入れる段階;前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながら加熱する段階;および前記シリコン核から前記寄生ナノワイヤーが成長する段階を含むことを特徴とする。
【0070】
前記シリコン系ナノワイヤーまたは寄生ナノワイヤーの成長時、反応炉にはナノワイヤー前駆体とAr、N、HeおよびHからなる群より選択される少なくとも一種の気体とが注入されることができる。また、前記気体は、具体的に0.001〜10slmの量で注入されることができるが、前記注入量は、工程に応じて変更されることができる。
【0071】
前記ナノワイヤー成長反応炉としては、マイクロチェンバーを用いることができ、前記マイクロチェンバー内部には2×10−1torr〜2×10−6torrの分圧で酸素を注入することができる。この場合、マイクロチェンバー内の極小量の酸素がシリコンリッチ酸化物を含むナノワイヤーの成長に主要役割をすることになる。すなわち、外部から酸素を2×10−1torr〜2×10−6torrの分圧を有するように注入させてナノワイヤーを成長する場合、SiO(ただし、0<x<2)形状を有することになり、シリコンリッチ酸化物を含むナノワイヤーを形成させることができる。この際、酸素の分圧が2×10−1torrより大きく注入される場合にはシリカ(SiO)ナノワイヤーが形成され、前記酸素の分圧が2×10−6torrより小さく注入される場合にはシリコン(Si)ナノワイヤーが成長することができる。
【0072】
一方、前記反応炉またはマイクロチェンバー内に気体を注入しながら加熱する段階は、10〜760torrの圧力で行われることが好ましく、前記加熱温度は、400〜1300℃、好ましくは800〜1200℃であり、前記加熱時間は、数分〜数時間である。同様に、前記工程圧力、加熱温度、加熱時間も工程に応じて変更されることができる。
【0073】
図7は、本発明の一実施例によりフラクタル形態に成長した分枝状ナノワイヤー70を示す。
【0074】
分枝状ナノワイヤーの製作例を参照すると、シリコン系ナノワイヤーが成長した試片を熱処理または湿式エッチングして数ナノメートル〜数十ナノメートルの大きさのシリコン核を形成させた後、300〜1200℃以上の高温チェンバーに入れてSiH、SiCl、H、Arなどのガスを注入する。シリコンナノワイヤーを成長させる機構(mechanism)であるVLS(vapor−liquid−solid)工程によりSiHガスから分解されたシリコン原子がシリコン系ナノワイヤー表面に存在するシリコン核へ浸透して核に吸着されて核を成長させる。成長した核は、シリコン系ナノワイヤーの外へ出て、特定の方向を有するシリコン寄生ナノワイヤー74に成長しながら分枝状を成す。前記シリコン寄生ナノワイヤー74の成長条件に酸素を極小量注入する場合、成長する寄生ナノワイヤー74がシリコンリッチ酸化物(SRO)ナノワイヤーになってさらに第3寄生ナノワイヤー76を形成することができる。また、第3寄生ナノワイヤーの形成時、湿式エッチング方法により寄生ナノワイヤー表面にシリコン核を形成させて、前記シリコン核から第3寄生ナノワイヤーを成長させることもできる。このような過程を通して、枝からさらに枝が生成されるフラクタル形態の分枝状ナノワイヤーを製造することができる。
【0075】
図8は、本発明の一実施例により製造された分枝状ナノワイヤーのSEM写真であり、図8に示したように、微細な枝形態のナノワイヤーが成長したことを確認することができる。
【実施例】
【0076】
以下、実施例を挙げてより詳しく本発明を説明するが、これら実施例は説明を目的としたものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものと解釈してはならない。
【0077】
(製造例1)
図1および図2に記載のナノワイヤーを下記方法により製造した。
【0078】
シリコン基板から有機洗浄とフッ酸とを用いて自然酸化膜を除去した後、触媒としてAuを20nmの厚さにスピンコートした。
【0079】
その後、ナノワイヤの成長のために反応炉に基板を仕込み、ナノワイヤーが成長する面を下向きにした。または、上向きにしてquartz plateの蓋で覆っておく。気体としてArを100sccmの流量で反応炉に注入した。この際、酸素が10−3〜10−4torrの分圧となるように、酸素も注入した。圧力を500torrで一定として、加熱温度1000℃で、30分間維持させてナノワイヤーと金属ナノドットとが成長するようにした。
【0080】
次に、25℃程度にまでゆっくり自然冷却させてナノワイヤーの成長を終了させた。
【0081】
(製造例2)
図1および図2に記載のナノワイヤー枝を製造する方法の一つである。
【0082】
シリコン基板から有機洗浄とフッ酸とを用いて自然酸化膜を除去した後、湿式エッチングを行った。次いで、シリコン基板を加熱した脱イオン水(DI water)に入れて数〜数十分間加熱することによって酸化物層を形成した。露出時間は10分程度であった。前記方法により形成された酸化物層の厚さは5nm以下であった。
【0083】
その後、ナノワイヤーの成長のために反応炉に基板を仕込み、ナノワイヤが成長する面を上向きにした。ナノワイヤー前駆体として気体(10%SiH diluted H)を50sccmの流量で反応炉に注入した。この際、酸素は別途に注入しない。圧力を15torrで一定として、加熱温度500〜700℃で、10分間維持させてナノワイヤーが成長するようにした。
【0084】
次に、25℃程度にまでゆっくり自然冷却させてナノワイヤーの成長を終了させた。
【0085】
(実施例1)
図6に記載の分岐状ナノワイヤーを下記方法により製造した。
【0086】
製造例1で得られたナノワイヤーを電子ビーム照射によりシリコン核を形成させた。電子ビーム照射条件の例は、電流密度が1〜200A/cmであり、電子ビームの照射時間が1秒〜1時間である。
【0087】
ナノワイヤーの成長方法は従来のVLS方法と同様に行った。すなわち、4〜10%H(もしくはAr、He)にdiluted SiH(またはSiCl)ガスを20〜100sccm程度で注入し、内部圧力を4〜500torrとし、400〜800℃でナノワイヤー枝を成長させる。
【0088】
以上、好適な実施例を参考として本発明を詳細に説明したが、これらの実施例は例示的なものに過ぎない。本発明に属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、各種の変更例または均等な他の実施例に想到し得ることは明らかである。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。また、図面は本発明の一実施例を例示するものであり、これら図面は、発明の詳細な説明とともに本発明の理解に役に立つことを目的としたものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0089】
10,20,36,40,50,72・・・シリコン系ナノワイヤー
12,22・・・コア部
14・・・シェル部
26・・・金属ナノドット
30・・・シリコン基板
32,52・・・酸化物層
34,44,54・・・シリコン核
56・・・表面欠陥
60・・・分枝状ナノワイヤー
64,74・・・寄生ナノワイヤー
70・・・フラクタル分枝状ナノワイヤー
76・・・第2寄生ナノワイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノワイヤー:および
前記ナノワイヤーの内部または表面に存在するシリコン核から成長した寄生ナノワイヤー枝を含むことを特徴とする分枝状ナノワイヤー。
【請求項2】
前記ナノワイヤーは、シリコンリッチ酸化物(silicon rich oxide、SRO)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項3】
前記ナノワイヤーは、コア部とシェル部とから構成され、前記コア部は、結晶性または非晶質のシリコンリッチ酸化物を含み、前記シェル部は、シリカを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項4】
前記ナノワイヤーは、その内部に一方向に整列した金属ナノドットを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項5】
前記ナノワイヤーは、コア部を除外した前記ナノワイヤーの内部または表面にシリコン核を含むことを特徴とする、請求項3に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項6】
前記ナノワイヤーは、SiO(ただし、0<x<2)を含む酸化物層およびシリコン核を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項7】
前記寄生ナノワイヤーは、その表面に第2寄生ナノワイヤーがさらに成長し、第2寄生ナノワイヤー表面に第3、第4寄生ナノワイヤーが反復的にさらに成長したフラクタル(fractal)形態であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項8】
前記分枝状ナノワイヤーは、n型ドーパントまたはp型ドーパントでドープされていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤー。
【請求項9】
シリコン系ナノワイヤーを成長させる段階;
前記シリコン系ナノワイヤーの内部または表面にシリコン核を形成させる段階;および
前記シリコン核から寄生ナノワイヤーを成長させる段階を含むことを特徴とする分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項10】
前記シリコン系ナノワイヤーを成長させる段階は、
シリコン基板上に金属触媒をコーティングする段階;
前記コーティングされたシリコン基板を反応炉に入れる段階;
前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながらシリコン基板を加熱する段階;および
前記基板上に金属触媒がコーティングされたところからシリコン系ナノワイヤーが成長する段階を含むことを特徴とする、請求項9に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項11】
前記シリコン系ナノワイヤーを成長させる段階は、
シリコン基板の表面を湿式エッチングすることで表面欠陥(defect site)を形成する段階;
前記シリコン基板を脱イオン水または空気中に露出させて前記シリコン基板の表面に酸化物層を形成する段階;
前記酸化物層が形成されたシリコン基板を反応炉に入れる段階;
前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながらシリコン基板を加熱する段階;および
前記酸化物層に形成されたシリコン核からシリコン系ナノワイヤーが成長する段階を含むことを特徴とする、請求項9に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項12】
前記シリコン核を形成させる段階は、前記成長したシリコン系ナノワイヤーにイオンビーム、電子ビーム、レーザーまたは加熱による熱的エネルギーを照射してシリコン核を形成させる段階を含むことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項13】
前記シリコン核は、前記シリコン系ナノワイヤー内部の剰余シリコンの量およびナノワイヤーに照射されるエネルギー量と照射時間によって前記シリコン核の密度や大きさが変化することを特徴とする、請求項12に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項14】
前記シリコン核を形成させる段階は、
前記シリコン系ナノワイヤーの表面を湿式エッチングすることで表面欠陥(defect site)を形成する段階;
前記シリコン系ナノワイヤーを脱イオン水または空気中に露出させて前記シリコン系ナノワイヤーの表面に酸化物層を形成する段階;および
前記酸化物層の表面エネルギーの高い部分へシリコン原子が移動してシリコン核を形成する段階を含むことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項15】
前記湿式エッチング段階は、NaOH水溶液、硝酸水溶液、フッ酸水溶液およびリン酸水溶液からなる群より選択された水溶液でエッチングする段階であることを特徴とする、請求項11または14に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項16】
前記シリコン核から寄生ナノワイヤーを成長させる段階は、
前記シリコン核が形成された前記シリコン系ナノワイヤーを反応炉に入れる段階;
前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながら加熱する段階;および
前記シリコン核から前記寄生ナノワイヤーが成長する段階を含むことを特徴とする、請求項9〜15のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項17】
前記ナノワイヤー前駆体は、SiH、SiClおよびSiHClからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項10〜16のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項18】
前記反応炉にナノワイヤー前駆体を注入しながら加熱する段階は、400〜1300℃の温度および10〜760torrの圧力で行われることを特徴とする、請求項10〜17のいずれか1項に記載の分枝状ナノワイヤーの製造方法。
【請求項19】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の分枝状ナノワイヤーを含むことを特徴とする電子素子。
【請求項20】
前記電子素子は、バイオセンサー、光検出素子(photodetector)、発光素子、受光素子、エネルギー貯蔵素子および電池からなる群より選択されることを特徴とする、請求項19に記載の電子素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−89249(P2010−89249A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30191(P2009−30191)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】