説明

制御装置、ハイブリッド自動車および制御方法、並びにプログラム

【課題】エンジン走行中の電動機のフリクションの影響を、SOCを悪化させることなく解消させること。
【解決手段】エンジン10による走行中に、予め設定されているエンジン10の回転速度に応じた電動機13のフリクショントルクを、要求トルクに加算したトルクでエンジン10を動作させると共に、電動機13がフリクショントルクに相応するトルクを発生するように制御するハイブリッドECU18を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、ハイブリッド自動車および制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車は、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能であり、エンジンによって走行しているときでも、電動機の回転軸はエンジンの出力によって回転させられている。
【0003】
このようなエンジンによる走行中に、バッテリの充電状態(以下では、SOC:State
of Chargeと称する)によっては、電動機がエンジンにより駆動される発電機として動作し、バッテリを充電することができる(これを回生と称する)。一方、バッテリのSOCが良好である場合、電動機を発電機として動作させないため、電動機はエンジンによって連れ回されている状態になる。このとき、電動機がエンジンのフリクションになることを避けるため、電動機が自己のフリクションを相殺するためのトルクを発生するように制御するゼロトルク制御が行われる(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−196485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したゼロトルク制御では、電動機が自己のフリクションを相殺するためのトルクを発生させるために電力を消費する。この状態が長時間継続した場合、バッテリのSOCが悪化する場合がある。
【0006】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、エンジン走行中の電動機のフリクションの影響を、SOCを悪化させることなく解消させることができる制御装置、ハイブリッド自動車および制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点は、制御装置としての観点である。本発明の制御装置は、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能であり、エンジンによる走行中には、電動機の回転軸は、エンジンの出力によって回転させられるハイブリッド自動車の制御装置において、エンジンによる走行中に、予め設定されているエンジンの回転速度に応じた電動機のフリクショントルクを、要求トルクに加算したトルクでエンジンを動作させると共に、電動機がフリクショントルクに相応するトルクを発生するように制御する制御手段を有するものである。
【0008】
このときに、予め設定されているエンジンの回転速度に応じた電動機のフリクショントルクが記録されたフリクションマップを有し、制御手段は、フリクションマップを参照してエンジンの回転速度から電動機のフリクショントルクを読み出すことができる。
【0009】
本発明の他の観点は、ハイブリッド自動車としての観点である。本発明のハイブリッド自動車は、本発明の制御装置を有するものである。
【0010】
本発明のさらに他の観点は、制御方法としての観点である。本発明の制御方法は、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能であり、エンジンによる走行中には、電動機の回転軸は、エンジンの出力によって回転させられるハイブリッド自動車の制御装置が実行する制御方法において、エンジンによる走行中に、予め設定されているエンジンの回転速度に応じた電動機のフリクショントルクを、要求トルクに加算したトルクでエンジンを動作させると共に、電動機がフリクショントルクに相応するトルクを発生するように制御する制御ステップを有するものである。
【0011】
本発明のさらに他の観点は、プログラムとしての観点である。本発明のプログラムは、情報処理装置に、本発明の制御装置の機能を実現させるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エンジン走行中の電動機のフリクションの影響を、SOCを悪化させることなく解消させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態のハイブリッド自動車の構成の例を示すブロック図である。
【図2】図1のハイブリッドECUにおいて実現される機能の構成の例を示すブロック図である。
【図3】図2のトルク制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態のハイブリッド自動車について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、ハイブリッド自動車1の構成の例を示すブロック図である。ハイブリッド自動車1は、車両の一例である。ハイブリッド自動車1は、半自動トランスミッションの変速機を介したエンジン(内燃機関)10および/または電動機13によって駆動され、エンジン10の動力で走行中(これをエンジン走行モードと称する)でもクラッチ12を介して電動機13の回転軸とエンジン10の回転軸とが接続されている。このときエンジン10の出力によって、電動機13を発電機として動作させることができる。一方、バッテリ15のSOCが良好であり、電動機13が発電を行う必要が無い場合には、電動機13は発電を行わず、エンジン10に連れ回される状態になる。以下の説明は、電動機13が発電を行わず、エンジン10に連れ回されている場合の制御に関するものである。なお、上述した半自動トランスミッションとは、マニュアルトランスミッションと同じ構成を有しながら変速操作を自動的に行うことができるトランスミッションである。
【0016】
ハイブリッド自動車1は、エンジン10、エンジンECU(Electronic Control Unit)11、クラッチ12、電動機13、インバータ14、バッテリ15、トランスミッション16、電動機ECU17、ハイブリッドECU18(請求項でいう制御装置)、車輪19、キースイッチ20、およびシフト部21を有して構成される。なお、トランスミッション16は、上述した半自動トランスミッションを有し、ドライブレンジ(以下では、D(Drive)レンジと記す)を有するシフト部21により操作される。シフト部21がDレンジにあるときには、半自動トランスミッションの変速操作が自動化される。
【0017】
エンジン10は、内燃機関の一例であり、エンジンECU11によって制御され、ガソリン、軽油、CNG(Compressed Natural Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、または代替燃料等を内部で燃焼させて、回転軸を回転させる動力を発生させ、発生した動力をクラッチ12に伝達する。
【0018】
エンジンECU11は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、電動機ECU17と連携動作するコンピュータであり、燃料噴射量やバルブタイミングなど、エンジン10を制御する。たとえば、エンジンECU11は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/O(Input/Output)ポートなどを有する。
【0019】
クラッチ12は、ハイブリッドECU18によって制御され、エンジン10からの軸出力を、電動機13およびトランスミッション16を介して車輪19に伝達する。すなわち、クラッチ12は、ハイブリッドECU18の制御によって、エンジン10の回転軸と電動機13の回転軸とを機械的に接続することにより、エンジン10の軸出力を電動機13に伝達させたり、または、エンジン10の回転軸と電動機13の回転軸との機械的な接続を切断することにより、エンジン10の回転軸と、電動機13の回転軸とが互いに異なる回転速度で回転できるようにする。
【0020】
たとえば、クラッチ12は、エンジン10の動力によってハイブリッド自動車1が走行し、これにより電動機13に発電させる場合、電動機13の駆動力によってエンジン10がアシストされる場合、および電動機13によってエンジン10を始動させる場合などに、エンジン10の回転軸と電動機13の回転軸とを機械的に接続する。また、エンジン10の動力のみによるエンジン走行モードの際にもクラッチ12によって、エンジン10の回転軸と電動機13の回転軸とが接続される。このエンジン走行モードでは、電動機13は発電機として動作しておらず、エンジン10に連れ回されている状態である。
【0021】
また、たとえば、クラッチ12は、エンジン10が停止またはアイドリング状態にあり、電動機13の駆動力によってハイブリッド自動車1が走行している場合、およびエンジン10が停止またはアイドリング状態にあり、ハイブリッド自動車1が減速中または下り坂を走行中であり、電動機13が回生発電している場合、エンジン10の回転軸と電動機13の回転軸との機械的な接続を切断する。
【0022】
なお、クラッチ12は、運転者がクラッチペダルを操作して動作しているクラッチとは異なるものであり、ハイブリッドECU18の制御によって動作する。
【0023】
電動機13は、いわゆる、モータジェネレータであり、インバータ14から供給された電力により、回転軸を回転させる動力を発生させて、その軸出力をトランスミッション16に供給するか、またはトランスミッション16から供給された回転軸を回転させる動力によって発電し、その電力をインバータ14に供給する。たとえば、ハイブリッド自動車1が加速しているとき、または定速で走行しているときにおいて、電動機13は、回転軸を回転させる動力を発生させて、その軸出力をトランスミッション16に供給し、エンジン10と協働してハイブリッド自動車1を走行させる。また、たとえば、電動機13がエンジン10によって駆動されているとき、またはハイブリッド自動車1が減速しているとき、もしくは下り坂を走行しているときなどにおいて、電動機13は、発電機として動作し、この場合、トランスミッション16から供給された回転軸を回転させる動力によって発電して、電力をインバータ14に供給し、バッテリ15が充電される。このとき、電動機13は、回生電力に応じた大きさの回生トルクを発生する。
【0024】
インバータ14は、電動機ECU17によって制御され、バッテリ15からの直流電圧を交流電圧に変換するか、または電動機13からの交流電圧を直流電圧に変換する。電動機13が動力を発生させる場合、インバータ14は、バッテリ15の直流電圧を交流電圧に変換して、電動機13に電力を供給する。電動機13が発電する場合、インバータ14は、電動機13からの交流電圧を直流電圧に変換する。すなわち、この場合、インバータ14は、バッテリ15に直流電圧を供給するための整流器および電圧調整装置としての役割を果たす。
【0025】
バッテリ15は、充放電可能な二次電池であり、電動機13が動力を発生させるとき、電動機13にインバータ14を介して電力を供給するか、または電動機13が発電しているとき、電動機13が発電する電力によって充電される。バッテリ15には、適切なSOCの範囲が決められており、SOCがその範囲を外れないように管理されている。
【0026】
トランスミッション16は、ハイブリッドECU18からの変速指示信号に従って、複数のギア比(変速比)のいずれかを選択する半自動トランスミッション(図示せず)を有し、変速比を切り換えて、変速されたエンジン10の動力および/または電動機13の動力を車輪19に伝達する。また、減速しているとき、もしくは下り坂を走行しているときなど、トランスミッション16は、車輪19からの動力を電動機13に伝達する。なお、半自動トランスミッションは、運転者がシフト部21を操作して手動で任意のギア段にギア位置を変更することもできる。
【0027】
電動機ECU17は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、エンジンECU11と連携動作するコンピュータであり、インバータ14を制御することによって電動機13を制御する。たとえば、電動機ECU17は、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/Oポートなどを有する。
【0028】
ハイブリッドECU18は、コンピュータの一例であり、ハイブリッド走行のために、アクセル開度情報、ブレーキ操作情報、車速情報、トランスミッション16から取得したギア位置情報、エンジンECU11から取得したエンジン回転速度情報、およびバッテリ15から取得したSOC情報に基づいて、クラッチ12を制御すると共に、変速指示信号を供給することでトランスミッション16を制御し、電動機ECU17に対して電動機13およびインバータ14の制御指示を与え、エンジンECU11に対してエンジン10の制御指示を与える。これらの制御指示には、後述するエンジントルク制御指示および電動機トルク制御指示も含まれる。たとえば、ハイブリッドECU18は、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/Oポートなどを有する。
【0029】
なお、ハイブリッドECU18によって実行されるプログラムは、ハイブリッドECU18の内部の不揮発性のメモリにあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータであるハイブリッドECU18にあらかじめインストールしておくことができる。
【0030】
エンジンECU11、電動機ECU17、およびハイブリッドECU18は、CAN(Control Area Network)などの規格に準拠したバスなどにより相互に接続されている。
【0031】
車輪19は、路面に駆動力を伝達する駆動輪である。なお、図1において、1つの車輪19のみが図示されているが、実際には、ハイブリッド自動車1は、複数の車輪19を有する。
【0032】
キースイッチ20は、運転を開始するときにユーザにより、たとえばキーが差し込まれてON/OFFされるスイッチであり、これがON状態になることによってハイブリッド自動車1の各部は起動し、キースイッチ20がOFF状態になることによってハイブリッド自動車1の各部は停止する。
【0033】
シフト部21は、既に説明したように、トランスミッション16の半自動トランスミッションに運転者からの指示を与えるものであり、シフト部21がDレンジにあるときには、半自動トランスミッションの変速操作が自動化される。
【0034】
図2は、プログラムを実行するハイブリッドECU18において実現される機能の構成の例を示すブロック図である。すなわち、ハイブリッドECU18がプログラムを実行すると、トルク制御部30(請求項でいう制御手段)の機能が実現される。なお、フリクションマップ保持部31は、トルク制御部30が参照するためのフリクションマップ32を保持する記憶領域であり、ハイブリッドECU18が有するメモリ33の一部の記憶領域を割り当てることにより実現できる。
【0035】
ここでフリクションマップ32は、ハイブリッド自動車1の出荷前にメーカ側で、テスト走行などの実験を行い取得したデータに基づき作成されたものである。たとえばエンジン走行モードにおいて、様々なエンジン10の回転速度に対応する電動機13のフリクショントルクを測定し、これを対応付けすることによってフリクションマップ32を作成することができる。図2のフリクションマップ32の例では、エンジン10の回転速度(1000rpm(アールピーエム)、1500rpm、2000rpm、…)に対応する電動機13のフリクショントルク(αN・m(ニュートンメートル)、βN・m、γN・m、…)が記録されている。
【0036】
トルク制御部30は、エンジン回転速度情報、アクセル開度情報、およびフリクションマップ保持部31に保持されているフリクションマップ32に基づいて、エンジンECU11および電動機ECU17に、エンジントルク制御指示および電動機トルク制御指示を行う機能である。
【0037】
次に、図3のフローチャートを参照して、プログラムを実行するハイブリッドECU18において行われる、トルク制御の処理を説明する。なお、図3のステップS1〜S4までのフローは1周期分の処理であり、キースイッチ20がON状態である限り処理は繰り返し実行されるものとする。
【0038】
図3の「START」では、キースイッチ20がON状態であり、ハイブリッドECU18がプログラムを実行し、ハイブリッドECU18にトルク制御部30の機能が実現されている状態であり、手続きはステップS1に進む。
【0039】
ステップS1において、トルク制御部30は、ハイブリッド自動車1がエンジン走行モードか否かを判定する。ステップS1において、ハイブリッド自動車1がエンジン走行モードであると判定されると、手続きはステップS2に進む。一方、ステップS1において、ハイブリッド自動車1がエンジン走行モードではないと判定されると、手続きはステップS1を繰り返す。
【0040】
ステップS2において、トルク制御部30は、エンジン回転速度情報およびアクセル開度情報を取得すると、手続きはステップS3に進む。
【0041】
ステップS3において、トルク制御部30は、フリクションマップ保持部31に保持されているフリクションマップ32を参照すると、手続きはステップS4に進む。
【0042】
ステップS4において、トルク制御部30は、ステップS2で取得したアクセル開度情報を要求トルクに換算する。また、トルク制御部30は、ステップS2で取得したエンジン回転速度情報が示すエンジン回転速度に対応する電動機13のフリクショントルクを、ステップS3で参照したフリクションマップ32から読み出す。さらに、トルク制御部30は、読み出したフリクショントルクを、要求トルクに加算したトルクを、エンジン10が発生すべきトルクであるとしてエンジンECU11に指示すると共に、このフリクショントルクを、電動機13が発生すべきトルクであるとして電動機ECU17に指示して1周期分の処理を終了する(END)。
【0043】
このようにして、トルク制御部30は、エンジンECU11に対しては(要求トルク+α)のトルクを発生するように指示し、電動機ECU17に対しては(α)のトルクを発生するように指示する。これにより、エンジン10および電動機13は、トルク制御部30に指示されたトルクを発生する。このとき、エンジン10のトルクから電動機13のフリクショントルクを減算すると、
(要求トルク+α)−α=要求トルク
となり、トランスミッション16には、要求トルクが入力される。また、電動機13のトルクαは、電動機13のフリクショントルクそのものであるため、電動機13は電力を消費することなくトルクαを発生できる。
【0044】
(効果について)
以上説明したように、トルク制御部30の制御によって、電動機13は電力を消費することなく、エンジン走行中の電動機13のフリクションの影響を、SOCを悪化させることなく解消させることができる。また、制御自体は通常のトルク制御であり、特別な制御を必要とせず、制御手順を簡単にすることができる。たとえばインバータ14が自律的に行うゼロトルク制御などが不要になり、ハイブリッドECU18が一元的に制御を行うことができるので、制御手順を簡単にすることができる。
【0045】
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態では、トルク制御部30がエンジン10の回転速度に応じた電動機13のフリクショントルクを読み出すための情報として、フリクションマップ32を利用する例を示したが、その他にも、たとえば、エンジン10の回転速度を入力すると電動機13のフリクショントルクの値が算出されるニューラルネットワーク、あるいはエンジン10の回転速度を変数値に代入すると電動機13のフリクショントルクの値が算出されるメンバシップ関数など、様々な情報を利用してもよい。
【0046】
エンジン10は、内燃機関であると説明したが、外燃機関を含む熱機関であってもよい。
【0047】
また、ハイブリッドECU18によって実行されるプログラムは、ハイブリッドECU18にあらかじめインストールされると説明したが、プログラムが記録されている(プログラムを記憶している)リムーバブルメディアを図示せぬドライブなどに装着し、リムーバブルメディアから読み出したプログラムをハイブリッドECU18の内部の不揮発性のメモリに記憶することにより、または、有線または無線の伝送媒体を介して送信されてきたプログラムを、図示せぬ通信部で受信し、ハイブリッドECU18の内部の不揮発性のメモリに記憶することで、コンピュータであるハイブリッドECU18にインストールすることができる。
【0048】
また、各ECUは、これらを1つにまとめたECUにより実現してもよいし、あるいは、各ECUの機能をさらに細分化したECUを新たに設けてもよい。
【0049】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0050】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…ハイブリッド自動車、10…エンジン、11…エンジンECU、12…クラッチ、13…電動機、14…インバータ、15…バッテリ、16…トランスミッション、17…電動機ECU、18…ハイブリッドECU(制御装置)、19…車輪、30…トルク制御部(制御手段)、31…フリクションマップ保持部、32…フリクションマップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと電動機とを有し、前記エンジンもしくは前記電動機、または前記エンジンと前記電動機とが協働して走行可能であり、前記エンジンによる走行中には、前記電動機の回転軸は、前記エンジンの出力によって回転させられるハイブリッド自動車の制御装置において、
前記エンジンによる走行中に、予め設定されている前記エンジンの回転速度に応じた前記電動機のフリクショントルクを、要求トルクに加算したトルクで前記エンジンを動作させると共に、前記電動機が前記フリクショントルクに相応するトルクを発生するように制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の制御装置であって、
予め設定されている前記エンジンの回転速度に応じた前記電動機のフリクショントルクが記録されたフリクションマップを有し、
前記制御手段は、前記フリクションマップを参照して前記エンジンの回転速度から前記電動機のフリクショントルクを読み出す、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の制御装置を有することを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項4】
エンジンと電動機とを有し、前記エンジンもしくは前記電動機、または前記エンジンと前記電動機とが協働して走行可能であり、前記エンジンによる走行中には、前記電動機の回転軸は、前記エンジンの出力によって回転させられるハイブリッド自動車の制御装置が実行する制御方法において、
前記エンジンによる走行中に、予め設定されている前記エンジンの回転速度に応じた前記電動機のフリクショントルクを、要求トルクに加算したトルクで前記エンジンを動作させると共に、前記電動機が前記フリクショントルクに相応するトルクを発生するように制御する制御ステップを有する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項5】
情報処理装置に、請求項1または2記載の制御装置の機能を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−148702(P2012−148702A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9773(P2011−9773)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】