説明

加工品上の塗布のり剤の3次元的広がりの特徴を測定・監視する装置

本発明は、加工品(6)、好ましくは、セルロース材料の袋製品または袋の半製品上の塗布のり剤(9)の3次元的広がりの特徴を測定および監視の少なくとも一方を行う装置(8)を開示する。この装置(8)は、加工品(6)から発出する電磁放射(3)の特性を記録する(3)ことができるセンサ装置(5)を含む。加工品(6)によって反射される電磁放射(3)の強度値を、このセンサ装置(5)によって記録することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工品上の塗布のり剤の3次元的広がりの特徴を測定する装置に関する。“塗布のり剤の3次元的広がりの特徴”という長い用語の代わりに、以下においては“塗布のり剤のジオメトリ”または“のり剤のジオメトリ”という語句も度々用いる。
【0002】
特に、塗布のり剤の層厚および塗布のり剤の輪郭は、塗布のり剤の3次元的広がりの特徴、従って塗布のり剤のジオメトリの特徴である。
【0003】
この場合、のり剤の輪郭という用語によって、加工品上の塗布のり剤の形態、および多くの場合その位置をも意味するものと理解する。のり剤層の厚さは、状況によっては、のり剤の輪郭の内部で、異なる面積領域の間においても変化することがある。この定義に基づいて、のり剤の輪郭の外部における層厚は―のり剤塗布後の少なくとも短時間―ゼロに等しいと理解されるべきである。
【背景技術】
【0004】
すでに以前から、塗布装置が加工品の上に残す塗布のり剤の特性を測定することが試みられており、これによって、塗布装置のその都度の操作者または制御装置に、塗布のり剤の輪郭および層厚のうちの少なくとも一方を測定する可能性と、状況によっては塗布装置を適切に操作もしくは制御する可能性とが与えられている。この点に関して、のり剤の層厚を的確に調整することの利点は、当然第一に最適のり剤量による効率的なのり剤の使用、すなわちのり剤の節減にあることを強調しなければならない。同じことはのり剤の輪郭の制御についても当てはまる。のり剤の輪郭は、本来の接着面積の輪郭にぴったり合致させなければならない。
【0005】
しかし、特にセルロース製の大小の袋の生産においては、明らかにより安全でより安定した最終製品の性能、並びに、とりわけ、食料品分野においては、健康面の観点も、接着剤の節減に結び付いてくる。特に、のり剤の層厚および塗布のり剤の輪郭を適切に制御することなく袋を生産する場合には、機械の操作者が、あらゆる場合に安定的な接着箇所を作り出すために、どちらかと言えば幾分過大な量ののり剤を塗布する傾向がある。
【0006】
しかし、でんぷんのり剤の場合によく見られるが、何回も使用されるのり剤の高い含水率のために、多量の接着剤塗布によって袋を濡らし過ぎてしまう場合がある。これも、袋の裂開をもたらす可能性がある。
【0007】
袋は充填の前後に長時間保存される可能性が高いので、濡らしてしまう結果として、菌類によるセルロース材料の被害という別の危険性がある。菌類による被害は、あらゆる場合に材料の大幅な弱体化をもたらし、上記のように特に食料品を袋の中に貯蔵する場合には、最終消費者の健康にも影響を及ぼす。
これらの理由のため、専門家はかなり以前から、塗布のり剤のジオメトリの測定に取り組んでいる。
【0008】
独国特許第198 05 321 C1号は、のり剤の輪郭の測定を対象としており、加温したのり剤の塗布と、赤外線像カメラによるその測定とを提案している。従って、総括的には、この特許文献に述べられる方法は、のり剤と塗布施工される材料との間の温度差の検出に基づいているということができる。この方法の機能にとっては、“熱放射”、すなわち、実験物理において“黒体放射”と呼称されることが多い“固有放射”で、赤外線像カメラによって測定される対象物、つまりこの場合はのり剤から発出する“固有放射”が決定的な役割を果たす。
【0009】
用いられる赤外線像カメラは高価であり、のり剤の加温は多くの場合好ましくない。さらに、のり剤の層厚を決定するこの方法の能力には疑問があり、のり剤の輪郭測定の品質についてもなお改善の余地がある。
【0010】
【特許文献1】独国特許第198 05 321 C1号
【特許文献2】独国特許出願公開第102 42 732 A1号
【特許文献3】独国特許出願公開第103 30 751 A1号
【特許文献4】独国特許出願公開第103 30 750 A1号
【特許文献5】独国特許出願公開第103 09 893 A1号
【特許文献6】独国特許出願公開第103 27 646 A1号
【特許文献7】独国特許出願公開第102 55 485 A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の課題は、加工品上に塗布したのり剤の3次元的広がりの特徴をさらに良好に検出する装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の独国特許第198 05 321 C1号に由来するものであり、上記の課題を請求項1および請求項18の特徴によって解決している。
【0013】
本発明の開示の範囲内では、“塗布のり剤の3次元的広がりの特徴”という概念は、改めて、特にのり剤の輪郭およびのり剤の層厚に対する上位概念を構成する。しかし、このことは、この2つの量を常に一緒に測定しなければならないということを意味するわけではない。むしろ、この2つの量のうちの1つ―あるいは塗布のり剤の3次元的広がりの他の特徴―のみを専ら測定することも本発明の考え方において可能である。
【0014】
“測定および/または監視:測定および監視のうちの少なくとも一方”という対概念は、本発明の実施形態によって、場合によっては1つの測定尺度および1つの測定数によって結果として完結し得るのり剤層厚の絶対的な測定と、のり剤層厚の状態(“塗布のり剤Aは塗布のり剤Bより厚い”等)の相対的な指示とを、共に行い得ることを示している。塗布のり剤の広がりの特徴の変化を単に監視すること(例えば“塗布のり剤が薄くなっている”あるいは“所要の輪郭が失われている”)も、練度が幾分低い本発明の実施形態によって必ず有利に実現することができる。
【0015】
上記の実施形態の混合形態を用いることも有利である。従って、加工品の選定した位置においてはのり剤層厚の可能な限り正確な測定を行い、一方、他の面積領域においては、“2値命題”(“のり剤が存在する”、または、“のり剤が存在しない”)を可能にする大まかな測定のみを行うことが可能になる。この命題は、ともかく、塗布のり剤の輪郭の原則的な決定を可能にする。この方法で、高価なセンサハードウェアと、測定に必要なデータ量とを節減することができる。
【0016】
本発明の好ましい利用分野として袋の製造を想定することができる。本明細書においては、“袋(Sack)”という用語は小型の袋(Beutel)をも一緒に含むものとする。この定義の意味における袋製造または袋半製品の製造においては、特に、製筒機、製袋機、および、ブロック底弁付袋底貼機のような袋底貼機が用いられる。この場合、袋構成部品の接合、または、閉じ合わせは、のり剤によって行うことが好ましく、さらに、特に、でんぷんのり剤によって行うことが好ましい。
【0017】
しかし、本明細書の意味における“のり剤”の概念は、接着剤、または、その他の接合剤をも一緒に含むことができる。
【0018】
本発明を適用する場合、被塗布対象物によって反射される光が評価される。この方式においては、すでに塗布施工されている箇所において反射される光が、塗布のり剤を2回横断すること、従って、のり剤の内部で少なくとも2倍ののり剤の層厚(入射角に応じてさらに長い距離をも)を通り抜けることを利用することができる。この場合、特に境界面すなわちのり剤および被塗布材料の表面に生じる散乱および回折現象が発生する。しかし、特に、塗布のり剤の層厚の検出にとっては、のり剤の内部で生起する放射の吸収が特別な関心の対象になる。
【0019】
通常、のり剤は混合材料であり、その固有の物理的な特性は混合材料の個々の構成成分によって決定される。種々の理由から、こののり剤の溶剤の吸収特性を調べて本発明による測定の基礎にすることが有利である。従って、いくつかの構成成分における溶剤部分が他の含有材料の部分よりも大きく、種々ののり剤が同じ溶剤を含み、その溶剤の物理的化学的特性が識別し易くかつ良好に測定することができる吸収挙動を示すことが望ましい。
【0020】
この場合、アルコール系溶剤、アセトンまたは水が異なる波長域において比較的強い吸収帯を有する。従って、測定装置が、光の強度(以下、当該電磁放射の強度を“光の強度”と短縮して呼称し、また、“電磁放射”を単に“光”と呼称する場合が多い。これは可視領域外(この場合特に近赤外領域)の電磁放射を意味する場合にも当てはまる)をこの波長域において分析することができ、被塗布加工品を走査し、被塗布部分によって反射された光の強度を非塗布部分によって反射された光の強度と比較することが有利である。光の強度の減損は、大部分、のり剤の吸収、もしくは、前記の場合には、のり剤の溶剤の吸収によるものである。
【0021】
この吸収される光の強さの程度は、塗布のり剤の層厚の直接的な関数である。さらに、吸収による光の強度の減損程度は、試験が示すように、散乱または屈折のような他の損機構による減損程度から分離できる。
【0022】
後者の光の強度の減損は(少なくとも一連の測定値を平均すれば)、多くの場合、一定であり、従って、光の強度値の解析において無視するか、あるいは、差し引くことができる。
【0023】
上記の方法においては、非塗布材料が反射する光の強度(第2光強度)が、被塗布材料が反射する光の強度(第1光強度)とは異なるので、塗布のり剤の層厚と共に、塗布のり剤の輪郭も当然決定することができる。輪郭を平面的に決定するための条件は、加工品の表面、もしくは、加工品の表面の検査するべき部分を平面的に測定すること、あるいは、、特に動かされる加工品の場合には、移動方向に対して横方向に延びる加工品の帯状の領域を走査することである。この2つの目的にためにセンサアレーを使用できる。通常、このセンサアレーの電気出力信号が読み取られるが、その場合、加工品上の画素または画像領域に1つの出力信号を割り当てることができる。
【0024】
特に、高価なセンサを使用し、センサ装置の領域における加工品の搬送速度が低い場合には、加工品の検査するべき面積領域の部分領域であって、異なる小さな、例えば、円形または正方形の部分領域を順番に分析して、その部分領域の測定結果から全体の測定結果を生成することが有利であり得る。この方式は専門用語においてラスター化と呼称されることが多い。
【0025】
強度測定と、強度値、および、のり剤層厚の間の関係付けとに関する上記の説明を背景にして、加工品の表面の、のり剤の層厚プロフィルを作り上げることが有利である。のり剤層厚がゼロの加工品の面部分はのり剤塗布されていない。
【0026】
このようなのり剤の層厚プロフィルは、操作者が表示装置上で視認し得るようにすることもできる。のり剤層厚と、それぞれの加工品の被塗布および非塗布部分の光の強度の差異との間の定量的な関係は、のり剤の層の層厚と共に、他の一連の因子によっても変化する可能性がある(例えば、のり剤の溶剤含有量、他ののり剤成分の吸収特性、のり剤の屈折率等)。従って、この関係は、塗布ごとに、また1回の塗布の施工中にも変動することがある。このような場合には、この関係を、適切な時点で、手動実施も可能な参考測定によって検証することが有利である。この測定値を用いて、センサ装置、および、それに接続される評価装置のうちの少なくとも一方、および、解析装置を較正できる。この方式で、この装置によって、塗布のり剤の層厚に関する絶対的な定量表現を特に確実な形で行うことができる。
【0027】
本発明の有利な利用分野は、大小の袋を製造する紙のような包装材料上の含水のり剤、特にでんぷんのり剤の検出である。試験の結果、約1.4μm、1.9μmおよび2.2μmの波長における水の吸収帯が本発明の測定に特に適していることが判明している。加工品がセルロース製である場合は、上記の最初の2つの水の吸収帯を用いることが有利である。それは、第3の水の吸収帯の領域においてはセルロースが固有の最大吸収能を有するからである。好ましい適切なセンサ装置には、InGaAsまたはゲルマニウムからなる半導体チップが含まれるが、この用途に使用することができる他の半導体材料および他の種類のセンサも知られている。
【0028】
特に、約1.4μmおよび1.9μmの水の吸収帯の領域で測定する場合は、より長い波長(例えば2.2μm)の光が測定に及ぼす影響を低く抑えることが有利である。これは、光学フィルタを前接続することによって可能になる。これと共に、あるいはさらに加えて、好ましくない波長域におけるこのタイプのセンサのスペクトル感度を制限する半導体センサあるいはまたフォトマルチプライヤ(よく“バイアス(Vorspannung)”と呼称される)を適切に電気接続することも有利である。
【0029】
さらなる利点は、加工品を、その走査中に適切な光源(電磁放射源)から照射する場合に得られる。このような光源には、同様にInGaAsまたはゲルマニウムを含有することができる半導体レーザが含まれる。レーザと並んで、白熱灯の原理に基づくコイルフィラメントランプを有利に使用することができる。この場合、特にタングステンハロゲンランプが有利であるが、他の保護雰囲気を有するタングステンフィラメントランプも有利である。
【0030】
特に、放射源が、センサ装置の測定波長域において、顕著な光の強度を供給するか、あるいは全く局所的なまたは絶対的な最大強度を有すると、エネルギーが節約される。
【0031】
上記の光を発生する放射装置とセンサ装置との間に20°から40°の角度を設けると有利であることが証明されている。
【0032】
本発明に関わる装置によって記録される光の強度値は、のり剤の層厚、または、のり剤の輪郭の制御に使用できる。特に本発明に関わる装置を袋の製造に関連して使用する場合に、この措置が有利である。これは、特に、特許文献の独国特許出願公開第102 42 732 A1号、独国特許出願公開第103 30 751 A1号、独国特許出願公開第103 30 750 A1号、独国特許出願公開第103 09 893 A1号および独国特許出願公開第103 27 646 A1号に記載されているような、いわゆるノズル塗布装置を使用する場合に当てはまる。このような装置の場合には、のり剤の粘度の変動のために、あるいは、個々ののり剤押し出しノズルの閉塞またはその導通等のために、のり剤の層厚の変動とのり剤の輪郭の不均一性とが出現する。
【0033】
この場合には、例えば、のり剤の圧力または塗布装置の他のパラメータを制御することによって、上記の障害に対応することができる。これは、センサ装置、および、中間接続される評価ユニットのうちの少なくとも一方、および、解析ユニットが、その測定値を送信する制御装置によって行うことができる。制御装置は、続いて、塗布装置の関連構成要素を操作する制御信号を発生する。
【0034】
また、のり剤がロールによってのり剤容器から加工品上に転移される従来型の塗布方法(例えば、独国特許出願公開第103 09 893 A1号における先行技術の記述または独国特許出願公開第102 55 485 A1号による装置参照)を用いる場合にも、制御信号によって、塗布のり剤に対する影響を取り去ることができる。すなわち、例えば、塗布ロールおよび供給ロール間の間隙を、対応するアクチュエータへの制御信号によって変化させるか、あるいは手動調節することができる。
【0035】
この従来型ののり剤作業において塗布のり剤のジオメトリを変化させる別の可能性は、独国特許出願公開第102 55 486 A1号に記載されているような塗布ロールの回転速度制御である。この制御は、本発明に関わる測定に基づいて、同様に自動的にまたは操作者の介入の下で行うことができる。
【0036】
特に、でんぷんのり剤の場合には、前記のすべての塗布装置において、影響をもたらす別の可能性が撹拌作業の操作(オンオフ制御、あるいは回転数調節もしくは制御さえも含めて)に存在する。この撹拌作業によって、のり剤の粘弾性特性もしくは粘度が決定的な影響を受けるからである。
【0037】
のり剤の管路内搬送および転移を取り扱うか、および、上記の点に関して加工品上への塗布のり剤の量に関係していると見做し得ることのうちの少なくとも一方についての前記の特許文献の段落部分は、本出願の構成要素と考えられている。
【0038】
加工品の被塗布領域からの第1の光の強度値と、同じ加工品の非塗布領域からの第2の光の強度値とを比較することによってのり剤の層厚を算出する場合、各加工品において、しかも少なくとも短い間隔で第2の光の強度の記録を取ることも有利であることがある。これは、特に、加工品の非塗布部分も変動する量の溶剤で若干濡らされるかあるいは完全に濡らされている場合に当てはまる。すなわち、セルロース製の加工品は、例えば、水によって完全に濡らされる可能性がある。袋製造用の半製品として用いられる紙の筒片は、同様に、水ベースのでんぷんのり剤を用いて製造される場合が多い。この状況は、多くの場合、筒片の濡れ具合が筒片ごとに変動し、また、筒片の異なる表面領域の濡れ具合が異なるという結果を招来する。このような場合には、筒片表面の異なる領域からの第2の光の強度値を、それぞれ、加工品の隣接する表面領域からの第1の光の強度値と関係付けることが有利になる可能性がある。
【0039】
筒片ごとに材料の濡れ具合が大きく変動する可能性は、筒片をその製造後に積み重ねて保存する場合にも発生する。この場合、積み重ねの中央部の筒片の材料の濡れ具合は外側の筒片のものよりも大きく、これは、塗布のり剤のジオメトリの決定において測定誤差をもたらす可能性がある。この場合は、前記のように、変化する濡れ具合によって惹起されるセルロース材料の吸収能の変動を規則的に測定すること、例えば、筒片ごとに測定することが有利である。
【0040】
背景形成のための、または、加工品表面の反射特性を検査するための別の可能性は、幾分異なる別の波長の光を付加的に照射することである。この波長が、当該のり剤、または、その溶剤の最大吸収帯の外側にあれば、顕著な吸収は生起しない。従って、反射される放射の強度は、照射される光の強度および加工品表面の反射能にのみ決定的に依存している。従って、このように得られた光の強度値も、加工品の非塗布領域の光の強度値と同様に、“第2の光の強度値”として用いることができる。
【0041】
この光の波長を第1の光の強度値の波長から大きくかけ離れないものにすることは、当然適切である。その理由は、いくつかの加工品材料の反射特性は、入射する光の波長によっても同様に変化するからである。
【0042】
本発明のさらなる実施例は、以下の具体的な説明および特許請求の範囲から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1は本発明に関わる装置の1つの実施例の概略図を示す。この実施例においては、放射装置1が、放射2を、主として、袋、または、袋の半製品である加工品6の上に照射する。反射された電磁放射3(本明細書においては一般的に光と呼称する場合が多い)が、その表面から、センサ装置5の放射入力部4に反射される。
【0044】
図1の場合、加工品6は、搬送路7に沿う加工品の搬送方向xに搬送される。図1においては、そのジオメトリを確定するべき塗布のり剤9が表現されていないが、その位置・状態は図2から図5を見れば明らかになる。
【0045】
図2は、特に独国特許出願公開第103 09 893 A1号に記載されているような現行の、のり剤塗布装置が加工品6の上にのり剤を塗布する状況を表現している。あらゆる種類の、のり剤塗布装置の基本的な使用箇所は袋の製造工程であり、その場合、折り込まれた袋の底、底のカバーシートおよび弁用紙片に塗布することができる。
【0046】
塗布ヘッド11には、のり剤バルブ12が取り付けられ、供給管路13を経由して塗布ヘッドに供給されるのり剤が、そののり剤バルブ12を通って、その径路上を、図示されていない、のり剤塗布開口に流れる。のり剤はのり剤塗布開口から加工品6の上に達し、種々ののり剤の輪郭を形成し得る塗布のり剤9を形成する。
【0047】
塗布のり剤9ののり剤輪郭、および、層厚のうちの少なくとも一方の測定が本明細書の対象である。矢印yは加工品6の搬送方向に対して横方向の空間方向を示す。
【0048】
図3および4は、異なるのり剤の輪郭を有する加工品6を示す。こののり剤の輪郭は、図2に表現されるようなのり剤塗布装置から、異なる長さ、および、位置の塗布のり剤6を押し出すことによって生成することができる。従来型ののり剤塗布装置の場合には、型部品を交換することによって塗布のり剤の輪郭を変化させる。加工品は大面積の非塗布領域15を有しており、塗布のり剤の間にも非塗布領域が存在する。
【0049】
図5は、複合かつ連続式の、のり剤塗布設備26における本発明に関わる装置8の組み込みを、再度原理図の形で表している。この塗布設備は、例えば、ブロック底弁付袋底貼機の一部とすることができる。
【0050】
最初に、任意の種類および様式の加工品6が、搬送路7に沿う搬送方向xに搬送され、塗布装置25によって、のり剤を塗布される。この塗布装置25は、図2に表現される構成要素に加えて、のり剤塗布に必要な他のすべての構成要素、例えば、のり剤容器、のり剤供給系統、圧力調整装置等を含む。ここで、塗布のり剤9が生成され、それを、少なくとも1つの適切なセンサ装置5を含む本発明に関わる装置によって走査する。装置8が測定値を評価および解析装置16に送信する。評価および解析装置16において、被塗布領域の“第1測定値”を非塗布領域の“第2測定値”と関係付けることができる。評価および解析装置16は、規則的な参考測定によって、しかしまた、較正表、および、計算アルゴリズムのうちの少なくとも一方によっても較正することができるが、この較正が適切に行われていれば、加工品の領域に塗布のり剤の層厚を割り当てることができる。従って、のり剤の輪郭19の像を作成して、表示装置18に表示することが可能になる。
【0051】
しかし、この可能性がない場合でも、本発明に関わる装置によって、塗布のり剤の像の変動を検出して、それを、直接的に、あるいは解析装置16を介して制御装置17に伝えることができる。この制御装置17は制御信号をのり剤塗布装置25に送ることができ、この制御信号に基づいて塗布のり剤が変化し、従って、それが制御される。通常、評価および解析装置16と制御装置17とは、工業用コンピュータ、もしくは、機械制御装置の構成要素になるであろう。
【0052】
機械の操作者が測定に基づいて手動で制御指令を発することも有利である場合が多い。
【0053】
符号20は制御用の導線またはデータの流れを示す。
【0054】
実際には、のり剤塗布装置10およびセンサ装置5は、塗布されたのり剤がセンサ装置5に達する前に、それが乾燥し始めないようにあるいは加工品材料が完全に濡れてしまわないように、互いに近接して配置することが多くの場合有利である。
【0055】
図6aおよび6bは別の塗布のり剤9を有する別の加工品6を示す。本発明の確定的な実施形態においては、塗布のり剤を検査する場合、面部分Anを検査することによって加工品の面のラスター化を行う。図においては、この面部分のうちの面部分AZ、AMおよびAOを例として示している。
【0056】
のり剤の輪郭の検出においては、まず第1に、このラスター化が有用である。1つの面部分にのり剤が存在すれば、この面部分は、のり剤の輪郭の内部にある。
【0057】
図6aおよび6bにおける塗布のり剤は一様な層厚Dを有する。
【0058】
図7aおよび7bには、塗布のり剤の層厚も変化し得ることが表現されている。すなわち、面積領域AMにおける層厚は、面積領域AOの層厚よりも薄い(D(AM)<D(AO)、図7a参照)。この場合、面積領域ごとに層厚D(An)を割り当てることができる本発明に関わる装置が有利である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に関わる装置の概略図である。
【図2】のり剤塗布装置の概略図である。
【図3】第1の被塗布加工品の平面図である。
【図4】第2の被塗布加工品の平面図である。
【図5】本発明に関わる装置を備えたのり剤塗布システムの概略図である。
【図6a】図6bの線A−Aに沿う断面図である。
【図6b】加工品6の平面図である。
【図7a】図6bの線B−Bに沿う断面図である。
【図7b】加工品6の平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 放射装置
2 電磁放射
3 反射された放射
4 放射入力部
5 センサ装置
6 加工品
7 加工品の搬送路
8 本発明に関わる装置
9 塗布のり剤
10 のり剤塗布装置
11 塗布ヘッド
12 のり剤バルブ
13 のり剤導管
15 大面積の非塗布領域
16 評価および解析装置
17 制御装置
18 表示装置
19 のり剤輪郭の像
20 制御用導線、データ径路
25 複合塗布装置
26 のり剤塗布設備
x 加工品の搬送方向における空間方向
y 加工品の搬送方向に対して横方向の空間方向
An 面部分
D(An) 面部分Anの層厚
D 塗布のり剤の層厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工品(6)、主として、セルロース材料製の袋、または、袋の半製品上への塗布のり剤(9)の3次元的広がりの特徴を測定および監視の少なくとも一方を行う装置(8)であって、
前記加工品(6)から発出する電磁放射(3)の特性を記録することができるセンサ装置(5)を含む装置において、
前記センサ装置(5)によって、前記加工品(6)から反射される電磁放射(3)の強度値を記録することができる、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記センサ装置(5)によって、電磁放射(2、3)の選択された波長域の強度値を記録することができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記センサ装置(5)によって、1.2μmと2.4μmとの間の電磁放射(2、3)の波長域における光の強度値を記録することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサ装置(5)によって、1.2μmと2.1μmとの間の電磁放射(2、3)の波長域における光の強度値を記録することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記センサ装置(5)によって、1.35μmと1.95μmとの間の電磁放射(2、3)の波長域における光の強度値を記録することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記センサ装置(5)によって、1.35μmと1.5μmとの間の電磁放射(2、3)の波長域における光の強度値を記録することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記センサ装置(5)が、InGaAsまたはゲルマニウムからなる少なくとも1つの半導体チップ含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記加工品(6)に電磁放射を照射することができる放射装置(1)が設けられることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記放射装置(1)によって、前記加工品(6)に、前記の波長域の少なくともいずれかにおいて際立った光の強度分布を有する電磁放射(2)を照射することができることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記放射装置(1)によって、前記加工品(6)に、前記センサ装置(5)の前記の好ましい波長域の少なくともいずれかにおいて相対的または絶対的な光の最大強度を有する電磁放射(2)を照射することができることを特徴とする、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記放射装置(1)が、タングステンからなる白熱コイルフィラメントを備えた少なくとも1つのランプ―好ましくはタングステンハロゲンランプ―を含むことを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記放射装置(1)が、少なくとも1つの半導体チップ―好ましくはInGaAsまたはゲルマニウム製の―を含むことを特徴とする、請求項8から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記放射装置(1)および前記センサ装置(5)の間の角度が、前記走査領域内に存在する前記加工品(6)に関して20°〜40°であり、好ましくは30°であることを特徴とする、請求項8から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記センサ装置(5)によって、前記加工品(6)の広がりの本質的な部分を少なくとも1つの空間的方向(x、y)において走査することができることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記センサ装置(5)によって、袋の底、底のカバーシート、弁用紙片の幅のうちの少なくとも1つの本質的な部分を走査することができることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の少なくとも1つの装置を含む、袋または袋の半製品の製造装置。
【請求項17】
加工品(6)上の塗布のり剤(9)の3次元的広がりの特徴を測定および監視のうちの少なくとも一方を行う方法であって、
前記塗布のり剤(9)を、主として袋または袋の半製品を製造する際に、セルロース材料からなる加工品(6)上に塗布し、さらに、
センサ装置(5)によって、前記加工品から発出する電磁放射(3)の特性を記録する方法において、
前記センサ装置(5)によって、前記加工品(6)から反射される電磁放射(3)の光の強度値を記録すること、および、
加工品(6)上の塗布のり剤(9)の3次元的広がりの特徴を測定および監視のうちの少なくとも一方を行う際に、前記光の強度値を顧慮すること、
を特徴とする方法。
【請求項18】
前記センサ装置(5)によって、前記加工品(6)の被塗布領域(9)の第1の光の強度値と、非塗布領域(15)の第2の光の強度値とを記録することを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記センサ装置(5)が、第1の波長域から第1の光の強度値を測定し、第2の異なる波長域から第2の光の強度値を測定することを特徴とする、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1および第2の光の強度値を、互いに関係付けて、前記のり剤の層厚を算定または監視する際に顧慮することを特徴とする、請求項17から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記測定値を、のり剤塗布装置(25)に対する調節または制御信号を発生する際に前記測定値を顧慮する制御装置(17)に伝えることを特徴とする、請求項17から20のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2009−510414(P2009−510414A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532641(P2008−532641)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009224
【国際公開番号】WO2007/036329
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(590002909)ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト (33)
【Fターム(参考)】