説明

加工物からウェハをスライスする方法

【課題】加工物からウェハをスライスする方法を提供する。
【解決手段】加工物(12)からウェハをスライスする方法は、切断動作中に、加工物に対して、ワイヤソーのワイヤの、平行に配置されたワイヤセクションを移動させて、ウェハを形成するステップを含み、ワイヤセクションは、特定の厚みを有する、溝を有するコーティング(8)を各々が有する2つのワイヤガイドロール(1)間に張設され、前記方法はさらに、温度変化によって引起される一方のワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける変化を、コーティングの端部でコーティングに固定されるリング(9)を用いて、センサ(7)とリングとの間の距離を測定することによって、測定するステップと、測定された距離に応じてワイヤガイドロールを冷却するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、切断動作中にワイヤソーのワイヤのワイヤセクション(平行に配置される)が加工物に関して案内され、したがってウェハを形成する、加工物からウェハをスライスする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の方法はワイヤソーを用いて実行される。ワイヤソーの基礎的な構成および機能は、たとえば、US 2002/0174861 A1またはUS 2010/0089377 A1に記載される。好適なワイヤソーは、したがって、ワイヤが複合的に巻きつけられる少なくとも2つのワイヤガイドロールを含む。これは、2つのワイヤガイドロール間に張設され、並列態様において配置され、加工物が切断動作中に通って移動されるワイヤウェブを形成するワイヤセクションをもたらす。かわりに、ワイヤウェブが加工物を通って移動される切断法も公知である。
【0003】
適切な加工物は、ウェハに分離されなければならない材料、特に半導体材料からなるブロックを含み、それから半導体ウェハがスライスされる。
【0004】
ワイヤガイドロールは、特定の厚みを有し、ワイヤセクションを案内する溝を有するコーティングを有する。コーティングの表面の領域は、切断動作による負荷の期間とともに摩耗する。コーティングが依然として十分に厚い限り、コーティングの表面の摩耗した領域は、研削されることによって除去することができ、そして、このようにして再生された、より薄いコーティングが、続けて用いられ得る。
【0005】
ワイヤソーのワイヤは切断動作中に供給スプールからレシーバスプールに巻きつけられる。この場合、ワイヤの走る方向は通常周期的に変更され、その結果、ワイヤのより包括的な利用が達成される。
【0006】
ウェハをスライスすることは、切断動作モードにおいて加工物から材料を取除く砥粒を必要とする。砥粒は、ワイヤソーのワイヤに固定的に接合することができる。より頻繁に、かわりに用いられるのは、砥粒が中に分散され、ワイヤウェブに供給される、切断用スラリーである。
【0007】
このようにして製造された半導体ウェハは、できるだけ平坦で平行な平面である側面を有するべきである。そのような幾何学的な特性を有するウェハをもたらすためには、加工物とワイヤセクションとの間の軸方向の相対的移動、つまり加工物の中心軸に平行な相対的移動は、切断動作中は回避されるべきである。そのような相対的移動がしかしながら起こる場合、湾曲断面を有するウェハが生ずる。ウェハの曲がる度合は、反りと呼ばれる特性値によってしばしば具体化される。
【0008】
上述の相対的移動の発生の原因として、温度における変化および関連する熱膨張または熱収縮に起因する、加工物およびワイヤガイドロールの長さにおける変化が、US 2010/0089377 A1に言及されている。実際には、摩擦熱が、特に、ワイヤガイドロールのまわりでのワイヤの移動中、およびワイヤが加工物内に係合するときに生じ、特に、加工物、ワイヤガイドロール、およびワイヤガイドロールの軸受の温度が、熱輸送の結果、変動する。US 2010/0089377 A1は、軸方向における加工物の変位が測定され、そしてその測定された変位に対応するようにワイヤガイドロールの軸方向変位が規制される方法を提案する。
【0009】
JP 10 166 354 A2は、ワイヤガイドロールの軸方向変位を測定することを含む方法を記載する。この目的のために、センサと測定板との間の距離が測定され、測定板はワイヤガイドロールに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US 2002/0174861 A1
【特許文献2】US 2010/0089377 A1
【特許文献3】JP 10 166 354 A2
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、加工物からウェハをスライスする方法を提供し、その方法は、切断動作中に、加工物に対して、ワイヤソーのワイヤの、平行に配置されたワイヤセクションを移動させて、ウェハを形成するステップを含み、ワイヤセクションは、特定の厚みを有する、溝を有するコーティングを各々が有する2つのワイヤガイドロール間に張設され、前記方法はさらに、温度変化によって引起される一方のワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける変化を、コーティングの端部でコーティングに固定されるリングを用いて、センサとリングとの間の距離を測定することによって、測定するステップと、測定された距離に応じてワイヤガイドロールを冷却するステップとを含む。
【0012】
この発明の発明者らは、センサとワイヤガイドロールに固定された測定板との間の距離の測定は好ましくなく、なぜならば、それはワイヤガイドロールのコーティングの長さの熱による変化を無視するからであることを確認した。コーティングの長さにおける変化は考慮に入れられるべきであり、なぜならば、設けられた所望位置からのワイヤセクションの変位に対するその寄与は、ワイヤガイドロールの長さにおける変化に起因する寄与より大きいからである。
【0013】
本発明は、それを、コーティングの長さが切断動作の間にどのように変化するかを測定することによって、およびコーティングの長さにおける測定された変化に比例してワイヤガイドロールを冷却することによって、考慮に入れる。具体的には、温度変化によって引起されるコーティングの長さにおける変化は、コーティングの端部でコーティングに固定されるリングを用いて、センサとリングとの間の距離を測定することによって、測定される。ワイヤガイドロールは測定された距離に応じて冷却される。
【0014】
リングがコーティングの端部に配置され、もっぱらコーティングに固定されるという事実によって、リングの軸方向位置は、ワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける変化に比例して変化する。ワイヤガイドロールのコーティングおよび長さにおけるその変化で、この方法は、加工物とワイヤセクションとの間の考えられ得る軸方向の相対的移動に対する大部分の原因である外乱要因を考慮する。
【0015】
リングは、好ましくは導電性の材料、たとえば金属またはグラファイトからなる。距離の測定は、好ましくは、ワイヤウェブの両方のワイヤガイドロールを、一方のワイヤガイドロールにおいてのみ代表する態様で実行される。しかしながら、ワイヤウェブの両方のワイヤガイドロール上で対応する測定を実行し、それぞれ測定された距離に応じてワイヤガイドロールを冷却することも、同様に可能である。
【0016】
本発明の第1の実施例に従って、切断動作の前にセンサとリングとの間において存在する距離の差が、より小さく、またはゼロとなるように、ワイヤガイドロールを冷却するプロセスは行なわれる。換言すれば、切断動作中のワイヤガイドロールのコーティングの長さの熱による変化が可能な限り逆にされるような態様で、ワイヤガイドロールは冷却される。
【0017】
本発明の第2の実施例に従って、加工物の長さの熱による変化に対する反応が、ワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける、等方向の、熱による変化を含むように、ワイヤガイドロールを冷却するプロセスは行なわれる。換言すれば、加工物の長さの熱による変化が、ワイヤガイドロールのコーティングの長さの熱による変化によって可能な限り補償されるように、ワイヤガイドロールは冷却される。
【0018】
第1または第2の実施例と組合わせることができる、この方法の1つの好ましい変形に従って、ワイヤガイドロールおよびそれらの固定された軸受は、互いとは独立して冷却される。この変形は、加えて、切断動作中に、固定された軸受の、熱による線膨脹の影響を考慮する。
【0019】
切断動作中の加工物の長さにおける変化は、切断動作の前における加工物の長さ、および切断動作中に発生する熱の量に依存する。後者は選ばれたプロセス条件に依存し、それらは、異なるプロセスパラメータの全体性によって記述される。これらのプロセスパラメータは、特に、ワイヤソーのワイヤの速度、ワイヤウェブに供給される切断用スラリーの量および温度、加工物がワイヤウェブを通って移動される前進速度、砥粒の種類、ならびに加工物が保持されるキャリア材料の種類を含む。選ばれたプロセス条件が複数の切断動作にわたって変わらない場合、切断動作の1つ中の加工物の長さにおける変化は、切断動作の前の加工物の長さにのみ依存する。
【0020】
したがって、同じプロセス条件の下で進む切断動作については、加工物を選ばれたプロセス条件の下でウェハに分離し、切断動作中に加工物の温度を測定することは、一回で十分である。その後、この切断動作、および選ばれたプロセス条件の下で進むように意図され同じ種類の材料が切断されるように意図されるすべての他の切断動作について、加工物の長さにおける変化を切込み深さまたは切断動作の期間の関数として予測する曲線を形成することが可能である。長さにおける変化は、加工物の材料の線膨脹係数、測定された温度プロファイル、およびそれぞれの切断動作の前の加工物の長さによって計算することができる。
【0021】
それぞれのワイヤガイドロールおよびそれぞれの固定された軸受を冷却するプロセスは、好ましくは、切断動作におけるすべての時点で、差ΔL(x)−(ΔL+ΔL(x))が20μm未満であるような態様で行なわれ、式中、ΔL(x)は、加工物の温度における変化によって引起される加工物の長さにおける変化のために加工物上で軸方向位置xによって経験される軸方向変位であり、ΔLは、固定された軸受の温度における変化の結果、それぞれの固定された軸受によって経験される長さにおける変化であり、ΔL(x)は、ワイヤガイドロールのコーティングの温度における変化によって引起されるコーティングの長さにおける変化のためにコーティング上で軸方向位置xによって経験される軸方向変位である。軸方向位置xは、加工物の中心軸上の位置、またはそれと等価の位置である。
【0022】
差が大きければ大きいほど、ワイヤセクションは、加工物を通る真っすぐな切込みを確実にする所望位置から遠ざかる。さらに、対策なしでは、軸方向位置xとワイヤガイドロールの中心との間の距離が大きければ大きいほど、差は一層大きくなる。それが特に考慮されるべきときは、複数個の加工物を同時に切断するためにそれらを互いにそって配置するときである。利用可能なワイヤウェブをできるだけ完全に利用することができるように、そのような加工物の配置が実施される。
【0023】
差ΔL(x)−(ΔL+ΔL(x))が20μm未満である態様で、それぞれのワイヤガイドロールおよびそれぞれの固定された軸受を冷却することによって、軸方向変位ΔL(x)に反応することが好ましい。
【0024】
それは、切断動作中におけるワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける軸方向の変化、および同様に、固定された軸受の長さにおける軸方向の変化を測定し、長さにおける測定された変化に応じて、互いから独立した態様で、ワイヤガイドロールおよびその固定された軸受の冷却を規制することによって行うことができる。
【0025】
それは、代替的には、ΔL(x)が切断動作の間において5μm未満であるように加工物を冷却すること;および、和(ΔL+ΔL(x))が切断動作の間において25μm未満、好ましくは10μm未満である態様でワイヤガイドロールおよびそれの固定された軸受を互いから独立した態様で冷却することによってもなされ得る。
【0026】
切断動作の間において、加工物ならびにそれぞれのワイヤガイドロールの固定された軸受およびコーティングの、温度における変化および長さにおける関連する変化を完全に抑えることは特に有利である。
【0027】
この発明に従う方法は、好ましくは、可能な限り平行な平面である側面を有するウェハを製造するために用いられる。しかしながら、これは、この方法の目的を修正すること、および意図される具体的な曲げを有するウェハを製造することも、排除しない。
【0028】
加工物は、典型的には、切断動作の間において、温度における変化の際に軸方向に膨張または収縮し得る態様で、両端において保持される。それは、たとえば、多結晶または単結晶半導体材料、特にシリコンからなる。それは、典型的には、200〜450mmの範囲において直径を有するウェハを製造できるよう十分である直径を有する円筒形ロッド部の形式を有する。
【0029】
直径が300mmである半導体ウェハを形成するために分離されるシリコンからなる単結晶は、切断動作中に、典型的には、温度における摂氏30度のオーダの最大の変化を経験し、それは、典型的には長さにおける25μmのオーダの最大の変化に対応する。指定されたオーダは、単結晶が冷却されない方法に典型的である。
【0030】
切断動作中のワイヤガイドロールのコーティングの温度における変化によるコーティングの長さにおける変化は、特に、コーティングの材料の線膨脹係数、コーティングの厚み、および切断動作中に生じる熱の量に依存する。後者は、プロセス条件および切断動作の前の加工物の長さによってきびしく影響を受ける。同じプロセス条件の下で、および同じ種類のコーティング材料で実行される切断動作については、コーティングの長さにおける変化は、加工物の長さ、およびコーティングの厚みにのみ依存する。
【0031】
コーティングは、典型的には、それが温度変化の際に軸方向に膨張または収縮し得る態様で、ワイヤガイドロールのコアに、妨げられない態様で、両端のところで固定される。しかしながら、コーティングの長さにおける変化は、コーティングが、ワイヤガイドロールの、下にあるコア上に、たとえばコーティングの両端に配置された固定リングによって固定されるために、ある範囲内で制限することができる。固定リングはコーティングをワイヤガイドロールのコアに固定し、温度における変化によって引起されるコーティングの長さにおける変化を制限する。コーティングをワイヤガイドロールのコア上に固定することが特に適切なのは、ワイヤガイドロールのコーティングの長さの熱による変化を、考えられ得るもっとも小さなものを許すか、またはまったく許さない、という意図であるときである。
【0032】
コーティングの、6mmの典型的な厚みが与えられるとして、ポリウレタンからなるコーティングは、冷却手段およびワイヤガイドロールのコア上のコーティングの固定を考慮せずに、シリコンからなる上述の単結晶からウェハをスライスするプロセス中に、典型的には摂氏20度のオーダの温度における最大変化、および典型的には80μmのオーダの最大線膨脹を経験する。したがって、コーティングは、単結晶よりも、長さにおける有意により大きな変化にさらされる。
【0033】
ワイヤウェブを固定するワイヤガイドロールは、典型的には、各場合において、固定された軸受および可動軸受におけるシャフトによって取り付けられる。温度における変化が生じると、固定された軸受は、両端においては軸方向に膨張または収縮し得ないが、可動軸受に対向して位置する端部においてのみ、そうなり得る。固定された軸受の長さにおける変化は、ワイヤガイドロールのコーティングおよびしたがってワイヤセクションの各々を一様な大きさだけ変位させる。
【0034】
固定された軸受の典型的な構成の場合には、固定された軸受は、冷却手段を考慮せずに、シリコンからなる上述の単結晶からウェハをスライスするプロセス中に、典型的には摂氏1.5度のオーダの温度における最大変化、および典型的には6μmのオーダの最大線膨脹を経験する。
【0035】
この発明は、図面を参照してより詳しく以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】加工物とワイヤセクションとの間の軸方向の相対的移動が生じる場合があるという事実の決定的な原因である、長さにおける変化を概略的に示す。
【図2】断面において、この発明に従う方法において使用するために好適なワイヤガイドロール、および前記ワイヤガイドロールに関連した、固定された軸受を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、加工物12、ワイヤガイドロール1および固定された軸受2を通る、概略的な部分的な説明図である。説明図は、加工物とワイヤセクションとの間の軸方向の相対的移動が生じる場合があるという事実の決定的な原因である、長さにおける変化を示す。これらは、加工物12の長さにおける変化ΔL、ワイヤガイドロール1のコーティング8の長さにおける変化ΔL、および固定された軸受2の長さにおける変化ΔLを含む。説明を単純にするために、長さにおける変化ΔLおよびΔLは、固定された軸受およびワイヤガイドロールがあたかも互いに接続されないかのように、示される。したがって、加工物の端部における軸方向位置を有する点は、加工物の熱膨張のために大きさΔLだけ変位させられ、ワイヤガイドロールのコーティングの端部における軸方向位置を有する点は、コーティングの熱膨張のために大きさΔLだけ変位させられる。
【0038】
図2に従う説明図は、ワイヤガイドロール1およびそれと関連する固定された軸受2は、それぞれ、互いから独立して冷却材が供給される冷却回路に接続されたチャネル3および4を有することを示す。たとえば水のような冷却材が、切断動作中に回転するワイヤガイドロール1内に回転式の導出部を通って導かれるように、ワイヤガイドロール1の冷却回路は実施される。
【0039】
それぞれ冷却回路に組入れられるのは、熱交換器(図示されず)、制御ユニット5および6、ならびにさらに、互いから独立して動作し、ワイヤガイドロール1および固定された軸受2を冷却するための2つの制御ループに測定信号を供給するセンサ7である。センサ7によって供給された測定信号は、制御ユニット5および6において、ワイヤガイドロール1および固定された軸受2を互いから独立して冷却するための操作された変数として冷却パラメータに変換される。
【0040】
センサ7は、ワイヤガイドロール1のコーティング8の端部に配置された、それぞれ割当てられたリング9からの距離ΔLを測定する。リング9はコーティング8自体に固定され、もっぱらコーティング8との接触を有する。ワイヤガイドロールのコアの長さにおける変化を考慮することが所望される場合、さらなるセンサ11を設けることができ、それによって、ワイヤガイドロールのコア10からの距離を測定する。ワイヤガイドロール1のコア10は、ワイヤセクションの軸方向位置における変化に対するその影響が相応して小さいように、通常、インバーから製造される。
【0041】
例:
直径が300mmであるシリコンからなる単結晶が、4つのワイヤガイドロールを含むワイヤソーによってウェハに分離された。ワイヤウェブを固定するワイヤガイドロール、およびそれらの関連する固定された軸受は、図2において示される構造を有し、この発明に従って冷却された。本発明に従うセンサとリングとの間の距離の測定は、ワイヤウェブの両方のワイヤガイドロールを、一方のワイヤガイドロールにおいてのみ代表する態様で実行された。
【符号の説明】
【0042】
1 ワイヤガイドロール、2 軸受、8 コーティング、7 センサ、9 リング、11 センサ、12 加工物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物からウェハをスライスする方法であって、
切断動作中に、加工物に対して、ワイヤソーのワイヤの、平行に配置されたワイヤセクションを移動させて、ウェハを形成するステップを含み、ワイヤセクションは、特定の厚みを有する、溝を有するコーティングを各々が有する2つのワイヤガイドロール間に張設され、前記方法はさらに、温度変化によって引起される一方のワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける変化を、コーティングの端部でコーティングに固定されるリングを用いて、センサとリングとの間の距離を測定することによって測定するステップと、測定された距離に応じてワイヤガイドロールを冷却するステップとを含む、方法。
【請求項2】
切断動作の前にセンサとリングとの間において存在する距離の差が、より小さく、またはゼロとなるように、ワイヤガイドロールを冷却するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加工物の長さの熱による変化に対する反応が、ワイヤガイドロールのコーティングの長さにおける、等方向の、熱による変化を含むように、ワイヤガイドロールを冷却するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤガイドロールおよびワイヤガイドロールの固定された軸受を互いから独立して冷却するステップを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ワイヤガイドロールの、下にあるコア上に、コーティングを固定するステップを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−200859(P2012−200859A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−58604(P2012−58604)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(599119503)ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト (223)
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】