説明

加熱ローラおよび定着装置

【課題】加熱部材と加圧部材との間に一定以上のニップ幅を確保することができる定着装置を提供する。
【解決手段】円筒状に形成され、最大外径と最小外径が、0.2mm以上3.0mm以下の範囲の差を有する弾性部材2bと、弾性部材2bの外側に配置されている金属導電層2cとを備えることを特徴とした加熱ローラ2と、加圧機構4により加熱ローラ2に押し当てられている加圧ローラ3と、誘導加熱を利用して、金属導電層2cを発熱させる誘導加熱装置6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙上の現像剤像を定着させる定着装置、特に、誘導加熱方法を利用する定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を利用した画像形成装置たとえば電子複写機は、加熱により溶融された現像剤像を圧力を加えることで用紙に定着させる定着装置を有している。
【0003】
定着装置は、現像剤例えばトナーを溶融させる加熱ローラと、この加熱ローラに所定の圧力を提供する加圧ローラとを備え、加熱ローラと加圧ローラとの接触領域(ニップ部)には所定の接触幅(ニップ幅)が形成される。このニップ部を通過する用紙には、加熱ローラからの熱によって溶かされた用紙上の現像剤像が、加圧ローラからの圧力により定着する。そして近年、加熱ローラの外側に薄膜の金属導電層を形成し、この金属導電層を誘導加熱を利用して発熱させる誘導動加熱装置が利用されている。
【0004】
例えば、断熱性に優れ、加熱による立ち上がりが速く、弾性を必要とするローラにも適用可能な弾性および断熱性を備えたローラ及びこれを用いた加熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、記録紙の搬送方向における加熱ローラと加圧ローラとの接触長さであるニップ幅を充分に大きく形成し、記録紙上にトナーが充分融着し剥離することのない良好な品質の定着画像を得ることができる定着温度の範囲である非オフセット域を広くする技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−295452号公報
【特許文献2】特開2002−213434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この加熱ローラと加圧ローラとのニップ部に形成されるニップ幅が充分に確保されないと、良好な画像が形成されない問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、その目的は、加熱部材と加圧部材との間に一定以上のニップ幅を確保することができる定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、加熱ローラは、円筒状に形成され、最大外径と最小外径が、0.2mm以上3.0mm以下の範囲の差を有する第1の弾性層と、前記第1の弾性層の外側に配置されている導電層とを備えたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の一態様によると、加熱ローラは、円筒形状に形成され、軸部材の外周面上に配置されている弾性部材と、前記弾性部材の外周面上に配置されている導電層と、前記軸部材および前記導電層と共に、前記弾性部材を密閉しているフィルターとを備え、外部への通気は前記フィルターを介してのみであることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の一態様によると、定着装置は、最小外径を有する中央部と、前記中央部の両側に配置され最大外径を有する端部とを含む弾性部材と、前記弾性部材の外周面上に配置されている導電層とを含み、加熱時の表面硬度と非加熱時の表面硬度とが異なる加熱部材と、加圧機構により前記加熱部材に押し当てられている加圧部材と、誘導加熱を利用して、前記導電層を発熱させる加熱機構とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、加熱部材と加圧部材との間に一定以上のニップ幅を確保することができる定着装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る定着装置1の一例を示す。
【0014】
図1に示すように、定着装置1は、用紙Q上のトナーTを加熱する加熱部材(加熱ローラ)2と、加熱ローラ1に所定の圧力を与える加圧部材(加圧ローラ)3とを有する。
【0015】
加熱ローラ2は、定着装置1の所定の位置で固定され、軸部材2aと、この周りに配置される第1の弾性層(以下弾性部材と記す)2bと、金属導電層2cと、第2の弾性層2dと、離型層2eとを有し、図示しない駆動モータにより矢印CW方向に回転される。この加熱ローラ2の回転に伴い、加圧ローラ3は、矢印CCW方向に回転される。
【0016】
本実施の形態においては、弾性部材2bは、例えばシリコンゴム等を発泡させた発泡ゴムにより構成されている。また、金属導電層2cは、厚さ0.3μm〜2mm程度のアルミニウム、ニッケルあるいは鉄等により構成されている。第2の弾性層2dは、厚さ数μm程度の例えばシリコンを含有するゴム(弾性体)により構成されている。離型層2eは、最外周部分に厚さ30μm程度で形成され、フッ素樹脂(PFAまたはPTFE(ポリ四フッ化エチレン)、もしくはPFAとPTFEの混合物)により構成されている。また、加熱ローラ2は、外径45mmに形成されている。
【0017】
加圧ローラ3は、軸部材3aと、この外側に配置される弾性部材(例えばシリコンゴム)3bと、離型層(例えばフッ素ゴム)3cを含む。加圧機構(圧力提供機構)4は、この軸部材3aと接続されている軸受け部材4aを介して、加圧スプリング4bにより、加圧ローラ3を加熱ローラ2に向かって押し当てている。これにより、加熱ローラ2と加圧ローラ3の接触部には、用紙Qの搬送方向に一定以上の幅(ニップ幅)を有するニップ部が形成される。
【0018】
加熱ローラ2の周囲には、加熱ローラ2と加圧ローラ3とのニップ部から回転方向の下流側に、用紙Qを加熱ローラ2から剥離するための剥離用ブレード5と、励磁コイル6aを含み加熱ローラ2の金属導電層2cに所定の磁界を提供する誘導加熱装置6と、加熱ローラ2に付着するオフセットされたトナーや紙粉等のゴミを除去するためのクリーニング部材7とが、回転方向順に設けられている。また、加熱ローラ2の長手方向には、加熱ローラ2の温度を検出するサーミスタ8と、加熱ローラ2の表面温度の異常を検知して加熱ローラ2を加熱させるための電力の供給を停止させるサーモスタッド9が配置されている。なお、サーミスタ8は、加熱ローラ2の長手方向に複数設けられることが好ましく、サーモスタッド9は、加熱ローラ2の長手方向に少なくとも1つ以上設けられることが好ましい。
【0019】
加圧ローラ3の周囲には、用紙Qを加圧ローラ3から剥離するための剥離用ブレード10と、加圧ローラ3に付着するトナーを除去するためのクリーニング部材11が配置されている。
【0020】
図示しない励磁回路(インバータ回路)から、誘導加熱装置6の励磁コイル6aに高周波電流が提供されると、励磁コイル6aから所定の磁界が発生され、加熱ローラ2の金属導電層2cに渦電流が流れる。すると、金属導電層2cの抵抗にジュール熱が発生し、加熱ローラ2は発熱する。
【0021】
この加熱ローラ2からの熱により溶融されたトナーTは、トナーTが付着している用紙Qが加熱ローラ2と加圧ローラ3とのニップ部を通過して、加圧ローラ3により所定の圧力が加えられることで、用紙Qに定着される。
【0022】
このように、本発明の定着装置は、誘導加熱を利用して、加熱ローラ2の外周面に形成される金属導電層2cを発熱させるため、熱損失が少なく、エネルギー効率がよく、加熱ローラ2を短時間で一定の温度まで昇温できる。
【0023】
(第1の実施の形態)
次に、図2、図3および図4を用いて、図1に示した加熱ローラ2に適用される加熱ローラの一例について詳細に説明する。図2は、本実施の形態に適用可能な加熱ローラ2の概略図を示す。図3は、図2に示した加熱ローラ2の弾性部材の硬度、厚さおよび直径差に応じた画像品質の良否および用紙Qの紙シワの検出結果を示す表である。図4は、図2に示した加熱ローラ2の加熱時の表面硬度と非加熱時の表面硬度の検出結果を示す表である。
【0024】
図2に示す通り、弾性部材2bは、最小外径r1を有する中央部21bと、中央部21bの両側に位置し最大外径r2を有する端部22b,23bを含む。
【0025】
中央部21bは、軸方向に長さD1、厚さr3に形成されている。端部22b,23bは、軸方向に長さD2、厚さr4に形成されている。また、弾性部材2bは、軸方向に一定の外径を有する軸部材2aの上に形成されている。つまり、中央部21bの厚さr3は、端部22b,23bの厚さr4よりも薄い。
【0026】
弾性部材2bは、例えば、プライマ−を塗布された軸部材2aに発泡剤等を添加した粘土状のシリコンゴムを塗布し、スポンジ状に発泡させて、形成することができる。例えば、発泡率あるいは材料等を選択することにより、所望の硬度および厚さを有する弾性部材2bを形成することができる。
【0027】
そして、弾性部材2bは、一定以上のニップ幅を確保して良好な画像形成が実行でき、かつ紙シワが形成されないような範囲の最小外径r1と最大外径r2の差を有する。詳細には、図3に示される通り、弾性部材2bは、硬度や厚さを変えることにより、0.2mm以上、3.0mm以下の範囲の最小外径r1と最大外径r2との差を有する。なお、図3は、異なる設定値を有する弾性部材2bの「品質試験」の結果を示す。この「品質試験」とは、所定の厚さ(3.0〜7.5mm)および所定の硬度(25〜45度)を有するタイプA〜Iに区別して、タイプA〜Iのそれぞれと対応する所定の外径差(0.0〜3.5mm)を有する弾性部材2bのサンプルを用意し、このサンプルを定着装置1に組み込み、用紙Qに画像を形成する試験である。
【0028】
図3に示す通り、硬度が35度、45度で、厚さが3.0mm、5.0mmで、弾性部材2bの最小外径r1と最大外径r2の差が、0.2mm以上、2.0mm以下の範囲内であれば、良好な画質の画像が形成され、かつ紙シワも形成されなかった。硬度が35度、45度で、厚さが5.0mm、7.5mmで、弾性部材2bの最小外径r1と最大外径r2の差が、0.4mm以上、2.5mm以下の範囲内であれば、良好な画質の画像が形成され、かつ紙シワも形成されなかった。硬度が35度あるいは45度で、厚さが7.5mmで、弾性部材2bの最小外径r1と最大外径r2の差が、0.4mm以上、3.0mm以下の範囲内であれば、良好な画質の画像が形成され、かつ紙シワも形成されなかった。また、タイプA〜Iの全てにおいて、良好な画質の画像が形成され、かつ紙シワも形成されなかった範囲は、弾性部材2bの最小外径r1と最大外径r2の差が、0.4mm以上、2.0mm以下であった。
【0029】
このように、少なくとも0.2mm以上の外径差を有する弾性部材2bを形成することにより、加熱により熱膨張した場合であっても、所望のニップ幅を確保できるため、良好な画像を形成することができた。また、硬度が低いと弾性部材2bに含まれる空気も多くなり、また、同じ硬度であっても、厚さが厚くなると、その分弾性部材2bに含まれる空気も多くなる。このため、加熱により熱膨張量が多くなり、硬度の低い弾性部材2bの方が、硬度が低い加熱部材2bに比べて大きくなる。よって、一部のサンプルにおいては、0.2mmの外径差では良好な画像が形成されなかったが、0.4mm以上の外径差を確保することにより、良好な画像を形成することができた。
【0030】
上述の通り、弾性部材2bは、最小外径r1と最大外径r2の差が、少なくとも0.4mm以上、2.0mm以下の範囲内であれば、良好な画質の画像が形成され、かつ紙シワも形成されない。そして、硬度や厚さを変えることにより、最小外径r1と最大外径r2の差が、0.2mm以上、3.0mm以下の範囲を有する弾性部材2bを利用することができる。
【0031】
これにより、良好な画像が形成でき、且つ紙シワも形成できない。
【0032】
なお、25度より小さく、45度より大きい硬度の弾性部材2bを用いて加熱ローラ2を作成した場合、加熱ローラとしての機能が全く満たされないものしかできなかった。
【0033】
さらに、加熱ローラ2は、加熱時において、非加熱時の表面硬度と異なる表面硬度を有する。詳細には、加熱時の表面硬度の方が、非加熱時の表面硬度に比べて高く、図4に示した「加熱による硬度変化試験」の結果に示される通り、表面硬度は、最大で9度も高くなった。なお、この図4に示される「加熱による硬度変化試験」とは、最小外径r1と最大外径r2との外径差が、それぞれ、0,0.8,1.0,1.6,2.0mmである弾性部材2bのサンプルを用意し、これらサンプルが加熱装置6により加熱される前の硬度(非加熱時の硬度)と、加熱された後の硬度(加熱時の硬度)を測定する試験である。なお、加熱した後の硬度とは、加熱ローラ2と加圧ローラ3とを接触させ、加熱ローラ2を回転させながら誘導加熱装置7により加熱ローラ2を加熱し、加熱ローラ2が定着温度である180℃になったときに測定された加熱ローラ2の表面硬度である。
【0034】
図4に示される通り、非加熱時の表面硬度および加熱時の表面硬度は、外径差が0(ゼロ)の場合で一番高く、外径差が大きくなると共に、非加熱時および加熱時のそれぞれの表面硬度は低くなった。そして、加熱時の表面硬度は、外径差が0(ゼロ)の場合で一番高く、外径差が1.6mm,2.0mmの場合においては、加熱時の表面硬度が対策なしの加熱前の表面硬度とほぼ同程度であった。なお、加圧ローラ3は、この加熱ローラ2の加熱時の表面硬度よりも高い表面硬度を有する。
【0035】
これは、弾性部材2bと、金属導電層2c、第2の弾性層2d、離型層2eを含む積層(以下導電層積層と記す)との熱膨張係数が異なるためであって、膨張した弾性部材2bが導電層積層を押し上げることに起因している。
【0036】
なお、中央部21bは、加熱ローラ2と加圧ローラ3との間を搬送される用紙Qが通過する領域として定義される通紙領域を含む。このため、中央部21bの軸方向の長さD1は、少なくとも通紙領域よりも長い長さを有する。本実施の形態において、中央部21bの軸方向の長さD1は、A3サイズの用紙の短い方の一辺の長さ(297mm)よりわずかに長い長さとして、例えば310mmである。ちなみに、中央部21bと端部22b,23bとの境目にある段差部分が、通紙領域内に存在していると、この通紙領域を通過する用紙Qに係る圧力が部分的に集中してしまい、画像不良や紙シワが発生する虞がある。
【0037】
また、図3に示した弾性部材2bの硬度は、JIS6253−1997の加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法で規定されているASKAR−タイプEデュロメータにより測定されている。
【0038】
(第2の実施の形態)
次に、図5および図6を用いて、図1に示した加熱ローラ2に適用される加熱ローラの他の例について詳細に説明する。図5は、本実施の形態に適用可能な加熱ローラ2の概略斜視図を示す。図6は、図5に示した加熱ローラ2の断面図である。
【0039】
図5および図6に示す通り、加熱ローラ2は、軸部材2aと、弾性部材2bと、弾性部材2bと、導電層積層2cdeと、フィルター2fを備える。なお、導電層積層2cdeは、金属導電層2c,第2の弾性層2d、離型層2eからなる積層である。
【0040】
導電層積層2cdeは、図6に示されるように、弾性部材2bよりも少し長い長手方向の長さを有し、弾性部材2bの両端より少し飛び出している。
【0041】
フィルター2fは、この弾性部材2bの両端に配置され、ベンゼン核(ベンゼン環)を含まない接着剤2sにより、軸部材2aおよび導電層積層2cdeのそれぞれと接合されている。よって、弾性部材2bは、軸部材2a、導電層積層2cde、およびフィルター2fにより密閉されている。すなわち、外部への通気は、フィルターを介してのみ行われる。このフィルター2fとしては、ベンゼン等に代表される有毒ガスを除去できるフィルター(例えば活性炭フィルター)が利用できる。
【0042】
これにより、加熱ローラ2が誘導加熱装置6に加熱され、弾性部材2bから有毒なガスが発生した場合であっても、有毒ガスは、フィルター2fを通過することができず、有毒ガスが除去された空気が外部に排出される。
【0043】
また、接着剤2sもベンゼン核を含まない接着剤であるため、加熱されて有毒ガスは発生されない。
【0044】
よって、ユーザが安心して利用できる定着装置を提供することができる。
【0045】
また、上述のように、弾性部材2bから有害ガスを発生させないため、弾性部材2bは、分子骨格にベンゼン核を含まないシリコンゴムとして例えばジメチルシリコンゴムを発泡させた発泡ゴムにより構成されてもよい。このジメチルシリコンゴムは、本実施の形態のように、100度以上の高温に加熱される場合であっても、ベンゼンに代表されるような有毒ガスを発生しない。
【0046】
よって、有毒ガスが外部に排出されることはなく、ユーザが安心して利用できる定着装置を提供することができる。
【0047】
なお、弾性部材2bの発泡ゴムを製造する際に一般的に使用される発泡剤や架橋剤、添加剤等にも、ベンゼン核を含まないものを使用することが好ましい。
【0048】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0049】
例えば、第1の弾性層2bは、例えば、連続気泡が形成されている発泡ゴムにより構成されていてもよく、図2に示すように、端部と中央部が別部材からなる弾性部材2bにおいては、すくなくとも端部分が連続気泡の発泡ゴムにより構成されていることが好ましい。また、発泡ゴムとしては、シリコンゴム以外にも、ポリイミドを発泡させたものが利用可能である。さらに、弾性部材2bとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド材料を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態が適用可能な定着装置の一例を説明する概略図。
【図2】図1に示した加熱ローラの一例を示す概略図。
【図3】図2に示した加熱ローラの品質試験の結果を示す表。
【図4】図2に示した加熱ローラの加熱による硬度変化試験の結果を示す表。
【図5】図1に示した加熱ローラの他の例を説明するための断面図。
【図6】図5に示した加熱ローラ2の断面図。
【符号の説明】
【0051】
1・・・定着装置、2・・・加熱ローラ、2a・・・軸部材、2b・・・第1の弾性層、2c・・・金属導電層、2d・・・第2の弾性層、2e・・・離型層、3・・・加圧ローラ、4・・・加圧機構、5・・・剥離用ブレード、6・・・誘導加熱装置、7・・・クリーニング部材、8・・・サーミスタ、9・・・サーモスタッド、10・・・剥離用ブレード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に形成され、最大外径と最小外径が、0.2mm以上3.0mm以下の範囲の差を有する第1の弾性層と、
前記第1の弾性層の外側に配置されている導電層とを備えることを特徴とした加熱ローラ。
【請求項2】
前記第1の弾性層の硬度は、デュロメータEタイプによる測定で、25度以上45度以内であることを特徴とした請求項1に記載の加熱ローラ。
【請求項3】
前記第1の弾性層は、前記最小外径を有する中央部と、前記中央部の両側に配置され前記最大外径を有する端部とを含み、前記端部の厚さが5.0mm以上で、最大外径と最小外径は、0.2mmよりも大きく3.0mmよりも小さい範囲の差を有することを特徴とした請求項1あるいは2に記載の加熱ローラ。
【請求項4】
前記第1の弾性層は、前記最小外径を有する中央部と、前記中央部の両側に配置され前記最大外径を有する端部とを含み、前記端部の厚さが7.5mm以上で、最大外径と最小外径は、0.2mmよりも大きく3.5mmよりも小さい範囲の差を有することを特徴とした請求項1あるいは2に記載の加熱ローラ。
【請求項5】
前記導電層は、外周に一体的に形成されている離型層をさらに有することを特徴とした請求項1ないし4のいずれか1項に記載の加熱ローラ。
【請求項6】
前記導電層は、外周に一体的に形成されている第2の弾性層をさらに有することを特徴とした請求項1ないし5のいずれか1項に記載の加熱ローラ。
【請求項7】
円筒形状に形成され、軸部材の外周面上に配置されている弾性部材と、
前記弾性部材の外周面上に配置されている導電層と、
前記軸部材および前記導電層と共に、前記弾性部材を密閉しているフィルターとからなることを特徴とした加熱ローラ。
【請求項8】
前記フィルターは、活性炭フィルターであることを特徴とした請求項7に記載の加熱ローラ。
【請求項9】
前記フィルターは、前記弾性部材の軸方向の両端に配置されていることを特徴とする請求項7あるは8に記載の加熱ローラ。
【請求項10】
前記フィルターは、ベンゼン核を含まない接着剤により、前記軸部材と前記導電層と接合されていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の加熱ローラ。
【請求項11】
最小外径を有する中央部と、前記中央部の両側に配置され最大外径を有する端部とを含む弾性部材と、前記弾性部材の外周面上に配置されている導電層とを含み、加熱時の表面硬度と非加熱時の表面硬度とが異なる加熱部材と、
加圧機構により前記加熱部材に押し当てられている加圧部材と、
誘導加熱を利用して、前記導電層を発熱させる加熱機構とを備えることを特徴とした定着装置。
【請求項12】
前記加熱部材は、前記加熱時の表面硬度の方が、前記非加熱時の表面硬度よりも高いことを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
【請求項13】
前記加圧部材の表面硬度は、前記加熱部材の加熱時の表面硬度よりも高いことを特徴とする請求項11あるいは12に記載の定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−259732(P2006−259732A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71157(P2006−71157)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】