説明

加熱調理器

【課題】使用者が誤って加熱皿を入れることを忘れて加熱してしまったときには、それを正しく検知して加熱を停止し、安全を確保する加熱調理器を提供する。
【解決手段】本発明の加熱調理器は、高周波発熱体18を貼り付けた加熱皿7を加熱庫2に装着して高周波発生手段3で高周波を発生して加熱したときには、赤外線センサ12で加熱皿の温度上昇しない箇所19の温度を検出するが、加熱皿が装着されていないときには赤外線センサは空の状態での高周波発生で温度上昇した加熱庫底面の温度を検出することになり、皿検出部15は温度上昇の大小で加熱皿の有無を判定することができ、加熱皿が無いことを検出したときには高周波発生手段の出力を停止して安全を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波によって加熱皿を加熱することで、加熱皿上の食品を加熱調理する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な高周波加熱調理器である電子レンジは、それにオーブン、グリル、蒸気などの機能を付加することで、高機能化している。更に新しい機能として、高周波を吸収して発熱する高周波発熱体を底面に貼り付けた加熱皿を備え、その加熱皿の上に載せた食品を上面はヒータで、底面はこの加熱皿の熱で加熱して焼き魚など食品表面に焦げ目を付ける調理ができるものもある。
【0003】
このような加熱皿を加熱庫内に入れ高周波加熱を行う際に、使用者が誤って加熱皿を入れ忘れた場合には加熱庫の中は空の状態で高周波が出力されることとなり、高周波を吸収するものがなく弱い点に集中してピンポイントの急激な温度上昇が起こり溶融・変形などの危険もある。
【0004】
そこで赤外線センサを使って温度検知し、加熱皿が正しく装着されていれば所定時間に所定値以上の温度上昇を検知できるのであるが、加熱皿がなければ加熱庫底面の温度を検知することとなり温度上昇は少なく所定値以上にならないことより異常として検知して加熱を停止する方法もある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−217818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、実際には加熱庫が空の状態で高周波加熱すると加熱庫底面もかなりの温度上昇がある。上記特許文献では加熱皿の上に食品を載せずに行う予熱過程での検知温度より、温度上昇が少なければ異常として判定しているが、加熱皿に食品を載せていると加熱皿の温度上昇と空状態での加熱庫底面の温度上昇では大きい違いはなく、区別を付けることは難しい。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、使用者が誤って加熱皿を入れることを忘れて加熱してしまったときには、それを正しく判定して加熱の出力を低下または停止し、安全を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の加熱調理器は、高周波発生手段と、前記高周波発生手段の高周波を受けて発熱する高周波発熱体を貼り付けた加熱皿と、前記加熱皿に食品を載置して装着する加熱庫と、前記加熱皿の温度上昇しない箇所の表面温度を前記加熱皿の装着位置より上方から検出する赤外線センサと、前記高周波発生手段を制御する加熱制御手段を有し、前記加熱制御手段は、前記赤外線センサの検出した温度より前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する皿検出部を有し、前記皿検出部により前記加熱皿が無いと判定したときには前記高周波発生手段の出力を低下または停止させる構成である。
【0009】
この構成により、高周波発熱体を貼り付けた加熱皿を加熱庫に装着して高周波発生手段
で高周波を発生して加熱したときには、赤外線センサで加熱皿の温度上昇しない箇所の温度を検出するが、加熱皿が装着されていないときには赤外線センサは空の状態での高周波発生で温度上昇した加熱庫底面の温度を検出することになり、皿検出部は温度上昇の大小で加熱皿の有無を判定することができ、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0010】
また、本発明の加熱調理器は、前記皿検出部が、前記高周波発生手段による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマーを有し、前記皿検出部が、加熱開始から所定時間経過する前に前記赤外線センサの検出する温度が所定温度以上になると前記加熱皿が無いと判定する構成である。
【0011】
この構成によりタイマーが加熱開始からの時間をカウントして、所定時間をカウントする前に所定温度以上になれば温度上昇が大きいことより加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0012】
また、本発明の加熱調理器は、前記皿検出部が、前記高周波発生手段による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマーと、前記赤外線センサの検出する温度の加熱開始初期との差を算出する温度差算出部を有し、前記皿検出部が、加熱開始から所定時間経過する前に前記温度差算出部が算出する温度差が所定温度差以上になると前記加熱皿が無いと判定する構成である。
【0013】
この構成によりタイマーが加熱開始からの時間をカウントして、所定時間をカウントする前に初期からの温度上昇が所定温度差以上になれば温度上昇が大きいことより加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0014】
また、本発明の加熱調理器は、前記赤外線センサが、複数箇所の温度を検出する温度分布検出手段であり、前記皿検出部が、前記赤外線センサの検出する所定箇所の温度により前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する構成である。
【0015】
この構成により温度分布検出手段で複数箇所の温度を検出し、そのうち加熱皿の温度上昇しない箇所を温度検出の所定箇所として、その所定箇所の温度上昇が大きいときには加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0016】
また、本発明の加熱調理器は、前記赤外線センサが、複数箇所の温度を検出する温度分布検出手段であり、前記皿検出部が、前記赤外線センサの検出する所定範囲の温度検出箇所の中から最高温度を抽出する最高温度抽出部を有し、前記最高温度抽出部の抽出する最高温度により前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する構成である。
【0017】
この構成により、温度分布検出手段で複数箇所の温度を検出し、そのうち加熱皿の温度上昇しない箇所を温度検出の所定範囲として、その所定範囲の最高温度の温度上昇が大きいときには加熱皿が無いと判定する。
【0018】
この場合には、空の状態で高周波出力するときの加熱庫底面の温度分布のばらつきも吸収できてより確実に加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0019】
また、本発明の加熱調理器は、前記加熱皿の温度上昇しない箇所は使用者が把持する取っ手部であり、前記取っ手部周辺には前記高周波発熱体を貼り付けていない構成である。
【0020】
この構成により、本来使用者が把持する目的のために温度上昇させないように高周波発熱体を貼り付けない取っ手部分を赤外線センサで温度を検出することで、加熱皿があれば温度上昇が小さいことを検出できて、加熱皿が無いときには温度上昇が大きいことを検出することになり、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、使用者が誤って加熱皿を入れることを忘れて加熱してしまったときには、それを正しく判定して加熱の出力を低下または停止し、安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成図
【図2】同実施の形態における加熱皿の上面図
【図3】図2のA−A’断面図
【図4】同実施の形態における加熱庫内での赤外線センサの視野の説明図
【図5】同実施の形態における動作の流れを説明するフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2における加熱調理器の構成図
【図7】同実施の形態における動作の流れを説明するフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における加熱調理器の赤外線センサの構成図
【図9】同実施の形態における加熱庫底面における赤外線温度検出スポットの説明図
【図10】同実施の形態における加熱皿表面における赤外線温度検出スポットの説明図
【図11】同実施の形態における動作の流れを説明するフローチャート
【図12】本発明の実施の形態4における加熱調理器の構成図
【図13】同実施の形態における加熱皿表面における赤外線温度検出スポットの説明図
【図14】同実施の形態における動作の流れを説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
第1の発明は、高周波発生手段と、前記高周波発生手段の高周波を受けて発熱する高周波発熱体を貼り付けた加熱皿と、前記加熱皿に食品を載置して装着する加熱庫と、前記加熱皿の温度上昇しない箇所の表面温度を前記加熱皿の装着位置より上方から検出する赤外線センサと、前記高周波発生手段を制御する加熱制御手段を有し、前記加熱制御手段は、前記赤外線センサの検出した温度より前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する皿検出部を有し、前記皿検出部により前記加熱皿が無いと判定したときには前記高周波発生手段の出力を低下または停止させる構成である。
【0024】
この構成により、高周波発熱体を貼り付けた加熱皿を加熱庫に装着して高周波発生手段で高周波を発生して加熱したときには、赤外線センサで加熱皿の温度上昇しない箇所の温度を検出するが、加熱皿が装着されていないときには赤外線センサは空の状態での高周波発生で温度上昇した加熱庫底面の温度を検出することになり、皿検出部は温度上昇の大小で加熱皿の有無を判定することができ、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0025】
第2の発明は、前記皿検出部は前記高周波発生手段による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマーを有し、前記皿検出部は加熱開始から所定時間経過する前に前記赤外線センサの検出する温度が所定温度以上になると前記加熱皿が無いと判定する構成である。
【0026】
この構成により、タイマーが加熱開始からの時間をカウントして、所定時間をカウントする前に所定温度以上になれば温度上昇が大きいことより加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0027】
第3の発明は、前記皿検出部は前記高周波発生手段による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマーと、前記赤外線センサの検出する温度の加熱開始初期との差を算出する温度差算出部を有し、前記皿検出部は加熱開始から所定時間経過する前に前記温度差算出部が算出する温度差が所定温度差以上になると前記加熱皿が無いと判定する構成である。
【0028】
この構成により、タイマーが加熱開始からの時間をカウントして、所定時間をカウントする前に初期からの温度上昇が所定温度差以上になれば温度上昇が大きいことより加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0029】
第4の発明は、前記赤外線センサは複数箇所の温度を検出する温度分布検出手段であり、前記皿検出部は前記赤外線センサの検出する所定箇所の温度により前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する構成である。
【0030】
この構成により、温度分布検出手段で複数箇所の温度を検出し、そのうち加熱皿の温度上昇しない箇所を温度検出の所定箇所として、その所定箇所の温度上昇が大きいときには加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0031】
第5の発明は、前記赤外線センサは複数箇所の温度を検出する温度分布検出手段であり、前記皿検出部は前記赤外線センサの検出する所定範囲の温度検出箇所の中から最高温度を抽出する最高温度抽出部を有し、前記最高温度抽出部の抽出する最高温度により前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する構成である。
【0032】
この構成により、温度分布検出手段で複数箇所の温度を検出し、そのうち加熱皿の温度上昇しない箇所を温度検出の所定範囲として、その所定範囲の最高温度の温度上昇が大きいときには加熱皿が無いと判定する。
【0033】
この場合には、空の状態で高周波出力するときの加熱庫底面の温度分布のばらつきも吸収できてより確実に加熱皿が無いと判定でき、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0034】
第6の発明は、前記加熱皿の温度上昇しない箇所は使用者が把持する取っ手部であり、前記取っ手部周辺には前記高周波発熱体を貼り付けていない構成である。この構成により、本来使用者が把持する目的のために温度上昇させないように高周波発熱体を貼らない取っ手部分を赤外線センサで温度を検出することで、加熱皿があれば温度上昇が小さいことを検出できて、加熱皿が無いときには温度上昇が大きいことを検出することになり、加熱皿が無いと判定したときには高周波発生手段の出力を低下または停止して安全を確保する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成図を示すものである。図1において加熱調理器1は、食品の加熱調理に高周波加熱および熱風、熱輻射による加熱
が可能なオーブンレンジとして使用されるものである。食品などを収納する加熱庫2内に高周波を出力する高周波発生手段であるマグネトロン3、輻射熱を発生する平面ヒータ4、加熱庫2内に温風を送るためのコンベクションヒータ(シーズヒータ)5と循環ファン6、食品を載置して加熱する際に用いる加熱皿7を備え、高周波、輻射、熱風の少なくともいずれか1つ以上を加熱庫2に供給して加熱庫2内の食品を加熱する。
【0036】
加熱庫2は前面開放の箱形の本体ケース8内部に形成していて、本体ケース8の前面に、加熱庫2の食品取り出し口を開閉する開閉扉9を設けている。また、加熱庫2の上面隅には加熱庫2内の雰囲気温度を検出するためのサーミスタ10をその先端を加熱庫2内に突出させるように設け、また、加熱庫2の外部には加熱庫2の壁面に設けた覗き孔11より加熱庫2内を臨むようにして赤外線センサ12を設けている。赤外線センサ12は加熱庫2内の食品の表面温度などを検出する。
【0037】
マグネトロン3は加熱庫2の下側の空間に配置されており、このマグネトロン3から発生した高周波を受ける位置にはスタラー羽根13を設けている。そして、スタラー羽根13を回転すすることによって、高周波を攪拌しながら加熱庫2内に供給するようにしている。なおマグネトロン3やスタラー羽根13は加熱庫2の下側に限らず、上面や側面に設けることもできる。
【0038】
加熱制御手段14は、サーミスタ10により検出する加熱庫2内の雰囲気温度や、赤外線センサ12により検出する加熱庫2内の食品の表面温度などに基づいて、マグネトロン3、平面ヒータ4、コンベクションヒータ5などを制御する。
【0039】
また、加熱制御手段14は皿検出部15を含んでいて、皿検出部15はマグネトロン3による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマー16を含んでいて、加熱開始からの経過時間と赤外線センサ12の検出する温度に基づき、加熱皿7が装着されているかどうかを判定する。
【0040】
次に、図2、図3を用いて加熱皿7について説明する。図2は加熱皿7の上面図、図3は図2におけるA−A’断面図である。加熱皿7は食品の載置面となる金属板17と、金属板17に接着して配置される主材料がフェライトよりなる高周波発熱体18と、使用者が把持する部分であり、また、加熱庫2壁面に架け置きするための樹脂材料よりなる取っ手部19を有する。取っ手部19はその周囲には高周波発熱体18が接着されておらず、ほとんど温度上昇しない。
【0041】
金属板17は、表面に波状の凹凸を設けた水溜可能な深さを有している。金属板17自体を波形として凹凸を形成することで、高周波発熱体18の接着面積が大きくなり、高周波発熱体18上での発熱量が増加する効果が得られる。金属板17の表面には防汚効果の高いフッ素塗装を施し、裏面は吸熱効果の高い黒色耐熱塗装を施している。
【0042】
また、加熱皿7にはスリット孔20を設けている。マグネトロン3から発生し加熱庫2に導入された高周波は大部分高周波発熱体18に吸収されるが、一部はこのスリット孔20を通過して加熱皿7より上に回り込み直接加熱皿7上の食品を加熱する。
【0043】
次に、図4を用いて加熱庫2内における赤外線センサ12の視野について説明する。図4(a)は加熱皿7を装着していないときの赤外線センサ12の視野を説明する図であり、点線で視野の広がりを表している。
【0044】
赤外線センサ12は加熱庫2の上部側面に設けた覗き孔11より加熱庫2の底面ほぼ中央が視野となるように斜めに取り付けている。この状態で加熱庫2の底面に食品を置いて
マグネトロン3により高周波加熱すると、加熱制御手段14は赤外線センサ12が検出する食品の表面温度に基づき、検出温度が予め設定した温度になればマグネトロン3を停止するように加熱制御する。
【0045】
図4(b)は加熱庫2内に加熱皿7を装着したときの赤外線センサ12の視野を説明する図であり、赤外線センサ12の視野は加熱皿7の取っ手部分19となる。
【0046】
これは赤外線センサ12を斜めに取り付けて加熱庫2の底面で中央付近が視野となるようにしているため、赤外線センサ12の高さに十分近づくと加熱皿7の端の部分、すなわち取っ手部分19が視野となってしまう。取っ手部分19には高周波発熱体18が接着されていないためにほとんど温度上昇しない。
【0047】
この図4(a)のように加熱庫2の中が空の状態でマグネトロン3による高周波加熱を行うと加熱庫2の底面は温度上昇し、かなりの高温になり赤外線センサ12は高温を検出する。
【0048】
一方、図4(b)のように加熱庫2に加熱皿7を装着してマグネトロン3による高周波加熱を行うと、加熱皿7に接着されている高周波発熱体18が発熱して加熱皿7全体が温度上昇するが、高周波発熱体18が接着されていない取っ手部19は温度上昇しない。したがって赤外線センサ12は高温を検出することはない。
【0049】
こうしてマグネトロン3により高周波加熱したときの赤外線センサ12の検出する温度により高温を検出すれば加熱皿7がない状態、高温を検出しなければ加熱皿7がある状態として区別をすることができ、加熱制御手段14の皿検出部15がその判定を行う。
【0050】
図5のフローチャートを用いて加熱皿7を使って加熱するときの動作について説明する。焼き物を調理するときには、使用者はまず加熱皿7に魚などの食品を載せて加熱庫2に装着し、開閉扉9を閉める。そして、操作部(図示せず)で焼き魚などの焼き物メニューを選択し、加熱開始の操作を行う。
【0051】
加熱制御手段14は、まずS1でマグネトロン3を駆動して加熱庫2内で高周波加熱を開始する。S2で赤外線センサ12により温度Tを検出する。S3で皿検出部15が検出した温度Tと予め定めた所定温度Tsと比較する。
【0052】
ここで、所定温度Tsより低ければS6へ進む一方、高ければS4へ進みマグネトロンを停止する。これは高温を検出したため、即ち加熱皿7が装着されていないと判定して安全のためにマグネトロン3を停止する。そして、S5で加熱皿7が装着されていないことを表示したり、ブザーを鳴らしたりして使用者に報知し、処理を終了する。
【0053】
S6では、タイマー16によりカウントしたマグネトロン3により高周波加熱を開始してからの経過時間が所定時間t1を経過したかどうかを判定し、既に経過していればS7に進む一方、まだ経過していなければS2に戻り温度Tの検出、S3で所定温度Tsとの比較を繰り返す。
【0054】
加熱庫2内を空の状態にしてマグネトロン3により高周波加熱を行うと、例えば1分後には底面温度は80℃以上に上昇する。それに対して加熱皿7を装着して高周波加熱をしたとき、取っ手部19は1分経過しても40℃ぐらいにしかならない。
【0055】
従って、例えば所定時間t1を1分、所定温度Tsを60℃としておくと、加熱皿7が装着されていないときには1分以内にS4に進んでマグネトロン3を停止し、加熱皿7が
装着されていれば、1分経過したところでS7に進む。
【0056】
そして、S7で所定の加熱時間t2を経過するまで高周波を発生し続ける。所定時間t2加熱すると、S8でマグネトロン3の駆動を停止してS9に進む。この所定時間t2は食品によって異なるが、5〜10分ぐらいが目安で、鮭の切身などは焦げ目が付きやすいので短時間、さんまなどは焦げ目が付きにくいので長時間となる。
【0057】
S9では、平面ヒータ4を通電して加熱皿7上の食品を上から輻射加熱して食品の表面に焦げ目を付ける。S10で所定の加熱時間t3を経過するまで平面ヒータ4を通電し続ける。所定時間t3加熱すると、S11で平面ヒータの通電を停止して加熱調理終了となる。ここで所定時間t3は食品によって異なるが、ほぼt2と同じぐらいの時間で、5〜10分ぐらいが目安となる。
【0058】
以上のように、本実施の形態では、加熱庫2内に高周波を発生したときの加熱皿7の取っ手部19の温度上昇特性と、加熱皿7が装着されていない時の加熱庫2底面の温度上昇特性の違いより、加熱皿7が装着されているかどうかを判定し、加熱皿が装着されていなければ高周波を停止して、安全を確保できる。
【0059】
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の構成図を示すものである。図6において、前記した第1の実施の形態と同じ機能を有する部品には同じ記号を付して説明を省略する。第1の実施の形態と異なるところは加熱制御手段14の皿検出部15に初期温度記憶部21と温度差算出部22があることである。
【0060】
第2の実施の形態においては、マグネトロン3による高周波発生の開始時点で赤外線センサ12が検出した温度を初期温度記憶部21に記憶する。以後、赤外線センサ12が検出する温度と初期温度記憶部21に記憶されている温度との温度差を温度差算出部22で算出し続ける。
【0061】
そして、マグネトロン3による加熱を開始してからの時間をタイマー16がカウントし、加熱開始からの経過時間と温度差算出部22が算出する温度差、即ち赤外線センサ12が検出する温度の初期からの上昇値に基づき、加熱皿7が装着されているかどうかを判定する。
【0062】
図7のフローチャートを用いて動作について説明する。図7において、実施の形態1を説明する図5と同じ処理には同じ記号を付して説明を省略する。
【0063】
使用者が加熱皿7に魚などの食品を載せて加熱庫2に装着し、開閉扉9を閉めて加熱開始の操作を行うと、最初にS21で赤外線センサ12により初期温度T0の検出を行い、検出した温度を初期温度記憶部21に記憶する。S1でマグネトロン3を駆動し加熱庫2内に高周波を発生させて加熱を開始する。
【0064】
次に、S2で赤外線センサ12により温度Tを検出する。更にS22で温度差算出部22が検出した温度Tと初期温度記憶部21に記憶している初期温度T0との温度差ΔTを算出する。
【0065】
S23でこの算出した温度差ΔTが予め定めた所定の温度差ΔTsより小さいかどうかを比較し、小さければS6に進む一方、大きければ加熱皿7が装着されていないと判定してS4に進んでマグネトロン3を停止し、更にS5で使用者に報知して処理を終了する。
【0066】
S6では、タイマー16によりマグネトロン3による加熱を開始してから予め定めた所定時間t1を経過したかどうかを判定し、まだ経過していなければS2に戻って前記した処理を繰り返す一方、所定時間t1を経過していればS7に進む。S7以降の動作は図5に示した実施の形態1と同じである。
【0067】
ここで、加熱庫2内を空の状態にしてマグネトロン3により高周波加熱を行うと、例えば1分間で底面温度は60℃以上温度上昇する。それに対して加熱皿7を装着して高周波加熱をしたとき、取っ手部19は1分経過しても20℃ぐらいの温度上昇しかない。
【0068】
従って、例えば所定時間t1を1分、所定温度差ΔTsを40℃の温度上昇としておくと、加熱皿7が装着されていないときには1分以内にS4に進んでマグネトロン3を停止し、加熱皿7が装着されていれば、1分経過したところでS7に進む。
【0069】
以上のように、本実施の形態では、加熱庫2内に高周波を発生したときの加熱皿7の取っ手部分19の温度上昇特性と、加熱皿7が装着されていない時の加熱庫2底面の温度上昇特性の違いより、加熱皿7が装着されているかどうかを判定し、加熱皿7が装着されていなければ高周波を停止して、安全を確保できる他、加熱開始時の初期温度との温度差で過熱皿7が装着されているかどうかを判定しているので、夏と冬など雰囲気温度の違いや、繰り返し加熱などでの加熱庫2の底面の初期温度や加熱皿7の取っ手部19の初期温度の違う条件でも加熱皿7の有無判定を間違いなく行うことができる。
【0070】
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態について、図8の赤外線センサ12の構成図を用いて説明する。第3の実施の形態において、第1、第2の実施の形態と異なるところは、赤外線センサ12が1点の温度を検出するものではなく、複数箇所の温度を検出するもので加熱庫2全体の温度分布を検出するものである。
【0071】
図8において、赤外線センサ12は、基板23上に一列に並んで設けられた8個の赤外線検出素子24と、基板23全体を収納するケース25と、ケース25を赤外線検出素子24が並んでいる方向と垂直に交わる方向に移動させるステッピングモータ26と、を備えるものである。
【0072】
基板23上には、赤外線検出素子24を封入する金属製のカン27と、赤外線検出素子の信号を処理する電子回路28とを設けている。また、カン27には赤外線が通過するレンズ29を設けている。また、ケース25には、赤外線を通過させる赤外線通過孔30と、電子回路28からのリード線を通過させるリード線孔31とを設けている。
【0073】
この構成により、ステッピングモータ26が回転運動することで、ケース25を、赤外線検出素子24が一列に並んでいる方向とは垂直方向に移動させることができる。
【0074】
図9は、加熱庫2の底面における赤外線温度検出スポットを説明する図である。図に示すように、本実施の形態3の加熱調理器1は、赤外線センサ13のステッピングモータ28が往復回転動作することにより、加熱庫2内のほぼ全ての領域の温度分布を検出することができるものである。
【0075】
具体的には、例えば、まず図9中のA1〜A8の領域の温度分布を、赤外線センサ12が有する一列に並んだ8個の赤外線検出素子24が同時に検出する。次に、ステッピングモータ26が回転動作しケース25が移動するとき、赤外線検出素子24がB1〜B8の領域の温度分布を検出する。
【0076】
さらに、ステッピングモータ26が回転動作してケース25が移動するとき、赤外線検出素子24がC1〜C8の領域の温度分布を検出し、同様に、D1〜D8、E1〜E8、F1〜F8、G1〜G8、H1〜H8の領域の温度分布を順次検出する。
【0077】
また、上記の動作に続けて、ステッピングモータ26が逆回転することで、H1〜H8の領域側から、G1〜G8、F1〜F8、E1〜E8、D1〜D8、C1〜C8、B1〜B8、A1〜A8の順に、温度分布を検出する。赤外線センサ12は、以上の動作を繰り返すことで、加熱庫2内の全体の温度分布を検出することができる。
【0078】
ここで、図5において、A1、A2、A3、H1、H2、H3などの視野は加熱庫2底面からはみ出しているが、これは視野の一部に開閉扉9や加熱庫2の壁面などが含まれることとなり、その面積比に応じて両方の温度が平均化されたような温度を検出することとなる。
【0079】
このように構成することで、例えば冷えた食品を再加熱するような場合、加熱制御手段14はマグネトロン3を駆動して加熱庫2内に高周波を発生させて食品を加熱し、赤外線センサ12で加熱庫2内の温度分布を検出してA1〜H8のどこかの箇所が所定温度(例えば70℃)を超えれば加熱を終了とすれば、食品はどこに置かれていても適温に加熱することができる。
【0080】
図10は加熱庫2に加熱皿7を装着したときに、加熱皿7の表面における赤外線検出スポットを説明する図である。加熱皿7は十分赤外線センサ12に近い高さに装着されるので、赤外線検出スポット全体は図10にVで示す領域となりその大部分は取っ手部19を視野とすることとなり、高周波発熱体18が接着された金属板17は一部の検出スポットでしかない。
【0081】
ここで、図9に示す加熱庫2底面でほぼ中央付近を視野としているD4のスポットは、加熱皿7を装着したときの視野は図10に示すように取っ手部19となる。このように赤外線センサ12が複数箇所の温度を検出する温度分布検出器であるときに、その中の特定の箇所としてD4の温度で加熱皿7が装着されているかどうかを判定する。
【0082】
次に、図11のフローチャートを用いて実施の形態3の動作について説明する。図11において、実施の形態1を説明する図5と同じ処理には同じ記号を付して説明を省略する。使用者が加熱皿7に魚などの食品を載せて加熱庫2に装着し、開閉扉9を閉めて加熱開始の操作を行うと、加熱制御手段14はまずS1でマグネトロン3を駆動して加熱庫2内で高周波加熱を開始する。
【0083】
S31で赤外線センサ12によりA1〜H8の温度分布を検出する。S32で皿検出部15はそのうちのD4の箇所の検出温度を使いD4の温度Tと予め定めた所定温度Tsと比較する。ここで、所定温度Tsより低ければS6へ進む一方、高ければS4へ進みマグネトロンを停止する。
【0084】
これは高温を検出したため、即ち加熱皿7が装着されていないと判定して安全のためにマグネトロン3を停止する。そして、S5で加熱皿7が装着されていないことを使用者に報知し、処理を終了する。
【0085】
S6ではタイマー16によりカウントしたマグネトロン3により高周波加熱を開始してからの経過時間が所定時間t1を経過したかどうかを判定し、既に経過していればS7に進む一方、まだ経過していなければS31に戻りA1〜H8の温度分布検出、S32でD4の温度と所定温度Tsとの比較を繰り返す。S7以降の動作は図5に示した実施の形態
1と同じである。
【0086】
以上のように、本実施の形態では、加熱庫2内に高周波を発生したときの加熱皿7の取っ手部19の温度上昇特性と、加熱皿7が装着されていない時の加熱庫2底面の温度上昇特性の違いより、加熱皿7が装着されているかどうかを判定し、加熱皿7が装着されていなければ高周波を停止して、安全を確保でき、また、赤外線センサが複数箇所の温度を検出する温度分布検出器となっているので、焼き物加熱以外の加熱調理のときに食品を加熱庫2内のどこにおいても温度を検出して自動で加熱制御できる。
【0087】
なお、実施の形態3では特定箇所の温度が所定温度Tsを超えたかどうかで加熱皿7の有無を判定するものとしたが、実施の形態2で説明したように初期に検出した温度を記憶してそれとの温度差を算出して所定温度差を超えたかどうかで加熱皿7が装着されているかどうかを判定しても良い。この場合には雰囲気温度や繰り返し加熱したときの温度の影響を受けにくく、加熱皿の有無を正確に判定できる。
【0088】
(実施の形態4)
次に、本発明の第4の実施の形態について図12を用いて説明する。この実施の形態4における赤外線センサ12は実施の形態3と同様、温度分布を検出するものであり、図8に示す構成をしている。加熱制御手段14の皿検出部15は最高温度抽出部32を有する構成としている。
【0089】
最高温度抽出部32は赤外線センサ12の検出する温度分布のうち所定範囲の温度検出箇所の中から最高温度を抽出し、皿検出部15はその最高温度が所定時間経過前に所定温度以上に達すれば加熱皿7が装着されていないと判定する。
【0090】
加熱皿7を装着したときの加熱皿7表面での赤外線センサ12の検出スポットを示す図13により、最高温度抽出部32が最高温度を抽出する所定範囲について説明する。図10と同様、Vで示す領域が赤外線センサ12の検出領域全体であり、そのうち点線で示す領域は視野Vxがほぼ取っ手部19にあたり最も温度上昇しにくい箇所である。
【0091】
この点線で囲んだ領域Vxを所定範囲として、最高温度抽出部32はこのVxの領域の中から最高温度を抽出する。
【0092】
図9に戻って、加熱皿7が装着されていないときにこの赤外線センサ12が検出する加熱庫2の底面の検出スポットにおいて、領域Vxを表すと、A4〜A8、B4〜B8、C4〜C8、・・・、H4〜H8(以下A4〜H8と記す)の部分であり、加熱庫2底面のほぼ右半分を占める領域である。
【0093】
加熱庫2を空の状態にして、マグネトロン3により高周波加熱した場合、ほとんど高周波を吸収しないようなものばかりであるが、少し吸収するものがあれば、そこに集中するような加熱分布となる。
【0094】
したがって、加熱庫2の底面は全体に温度上昇するが、スポット的に大変な高温になる箇所が数箇所発生することがよくある。それがA4〜H8という加熱庫2底面を右半分でも温度分布を検出していれば、その中の最高温度を抽出することで、このスポット的な大変な高温を検出できる可能性が非常に高い。
【0095】
一方、図13に示すように加熱皿7を装着したときにはA4〜H8というのはVxで示すように取っ手部19であり、温度上昇はほとんどなく、最高温度を抽出しても温度上昇はわずかである。このようにしてA4〜H8の領域の最高温度を加熱皿7が装着されてい
るかどうかの判定に使うと高い精度で判定できるようになる。
【0096】
図14のフローチャートを用いて、実施の形態4の動作について説明する。図14において、実施の形態1を説明する図5と同じ処理には同じ記号を付して説明を省略する。
【0097】
使用者が加熱皿7に魚などの食品を載せて加熱庫2に装着し、開閉扉9を閉めて加熱開始の操作を行うと、加熱制御手段14はまずS1でマグネトロン3を駆動して加熱庫2内で高周波加熱を開始する。
【0098】
S41で赤外線センサ12によりA1〜H8の温度分布を検出する。S42で皿検出部15はそのうちのA4〜H8の最高温度Tmaxを抽出する。S43でこの最高温度Tmaxと予め定めた所定温度Tmaxsと比較する。ここで所定温度Tmaxsより低ければS6へ進む一方、高ければS4へ進みマグネトロン3を停止する。
【0099】
これは高温を検出したため、即ち加熱皿7が装着されていないと判定して安全のためにマグネトロン3を停止する。そして、S5で加熱皿7が装着されていないことを使用者に報知し、処理を終了する。
【0100】
S6ではタイマー16によりカウントしたマグネトロン3により高周波加熱を開始してからの経過時間が所定時間t1を経過したかどうかを判定し、既に経過していればS7に進む一方、まだ経過していなければS41に戻りA1〜H8の温度分布検出、S42でA4〜H8の最高温度抽出、S43で最高温度Tmaxと所定温度Tmaxsとの比較を繰り返す。S7以降の動作は図5に示した実施の形態1と同じである。
【0101】
ここで所定時間t1を例えば1分とすると、加熱庫2内を空の状態で1分加熱すると加熱庫2底面の温度はスポット的には100℃を超えるような箇所が出てくるのに対し、取っ手部19は最高温度でも40℃ぐらいにしかならないので、Tmaxsは例えば60℃に設定しておくことで、加熱皿7が装着されていなければ確実にそれを検出してマグネトロン3を停止して安全を確保できるし、それをA4〜H8の範囲の最高温度で判定することにしていることで、加熱皿7が装着されていないことをより早く検出することが可能になる。
【0102】
なお、実施の形態4では、特定範囲の温度検出箇所の最高温度が所定温度Tmaxsを超えたかどうかで加熱皿7の有無を判定するものとしたが、実施の形態2で説明したように初期に検出した温度を記憶してそれとの温度差を算出してその温度差が最高の箇所の温度上昇が所定温度差を超えたかどうかで加熱皿7が装着されているかどうかを判定しても良い。この場合には雰囲気温度や繰り返し加熱したときの温度の影響を受けにくく、加熱皿の有無をより正確に判定できる。
【0103】
以上、実施の形態1〜4において皿検出部15が、加熱皿7が装着されていないと判定したときには、マグネトロン3を停止することとして説明してきたが、安全を確保することが目的であるから、停止するのでなく安全を確保できるレベルに出力を低下させて高周波加熱を継続しても良い。
【0104】
使用者が冷やご飯や牛乳などを高周波加熱するつもりで加熱庫2に入れて、間違えて焼き物の加熱を開始してしまっても、やはり加熱皿7がないと判定する可能性が高いが、それで停止するのでなく低下した出力ででも加熱しておくことで、使用者の目的は達成できる場合もあるからである。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上のように、本発明は、赤外線センサにより加熱皿の温度上昇しない箇所の表面温度を検出することで、加熱皿が装着されているかどうかを判定して、加熱皿がないと判定したときには加熱の出力を低下または停止して、安全を確保できるので、高周波発熱体を貼り付けた加熱皿を使って食品を加熱する加熱調理器に適用できるほか、調理器の分野に限らず高周波加熱をする上で空焼きを防止する安全装置として適用することができるものである。
【符号の説明】
【0106】
2 加熱庫
3 マグネトロン(高周波発生手段)
7 加熱皿
12 赤外線センサ
14 加熱制御手段
15 皿検出部
16 タイマー
18 高周波発熱体
19 取っ手部(温度上昇しない箇所)
22 温度差算出部
32 最高温度抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波発生手段と、前記高周波発生手段の高周波を受けて発熱する高周波発熱体を貼り付けた加熱皿と、前記加熱皿に食品を載置して装着する加熱庫と、前記加熱皿の温度上昇しない箇所の表面温度を前記加熱皿の装着位置より上方から検出する赤外線センサと、前記高周波発生手段を制御する加熱制御手段を有し、前記加熱制御手段は、前記赤外線センサの検出した温度より前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する皿検出部を有し、前記皿検出部により前記加熱皿が無いと判定したときには前記高周波発生手段の出力を低下または停止させる加熱調理器。
【請求項2】
前記皿検出部が、前記高周波発生手段による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマーを有し、前記皿検出部が加熱開始から所定時間経過する前に前記赤外線センサの検出する温度が所定温度以上になると前記加熱皿が無いと判定する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記皿検出部が、前記高周波発生手段による加熱を開始してからの時間をカウントするタイマーと、前記赤外線センサの検出する温度の加熱開始初期との差を算出する温度差算出部を有し、前記皿検出部が、加熱開始から所定時間経過する前に前記温度差算出部が算出する温度差が所定温度差以上になると前記加熱皿が無いと判定する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記赤外線センサが、複数箇所の温度を検出する温度分布検出手段であり、前記皿検出部が、前記赤外線センサの検出する所定箇所の温度により前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記赤外線センサが、複数箇所の温度を検出する温度分布検出手段であり、前記皿検出部が、前記赤外線センサの検出する所定範囲の温度検出箇所の中から最高温度を抽出する最高温度抽出部を有し、前記最高温度抽出部の抽出する最高温度により前記加熱皿が装着されているかどうかを判定する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記加熱皿の温度上昇しない箇所は使用者が把持する取っ手部であり、前記取っ手部周辺には前記高周波発熱体を貼り付けていない請求項1に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−137585(P2011−137585A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297425(P2009−297425)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】