説明

動作コースの判定

アーチファクト(10)と、装置(28)との間の動作コースを判定するためのコンピュータ実施可能な方法。該装置(28)は、少なくとも1つの直線自由度(X、Y、Z)および少なくとも1つの回転の自由度(A1、A2)において、アーチファクトと装置とが互いに関連するように動作可能なアーチファクトと相互作用する。本方法は、アーチファクト(10)を表す幾何データを受け取ることと、装置(28)を表す幾何データを受け取ることと、1つまたは複数の最適化基準に準拠するように、装置およびアーチファクトをどのようにして相互作用経路に沿って互いに対して方向付けすることができるかを、前記幾何データから決定することと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーチファクトと、アーチファクトと相互作用する装置との間の相対的な動作コースであって、例えば、アーチファクトを測定するための位置調整装置上に取り付けられた測定装置の動作手順を判定するための方法に関する。本発明は、特に、最適化した動作コースの生成に関する。
【0002】
特に、本発明は、測定装置の位置および方向を変えることが可能な座標位置調整装置に取り付けられる測定装置に適している。座標位置調整装置は、複数のコンポーネントを備え、例えば、三次元測定機(CMM:coordinate measuring machine)のような座標位置調整装置に取り付けられる1または複数の軸で回転動作可能な間接プローブヘッド、マシンツール等である。座標位置調整装置は、手動測定アームや検査ロボット等の単一のコンポーネントをもまた含むことができる。
【背景技術】
【0003】
ワークピース(workpiece)が製造された後に、機械の動作範囲内で3つの直交方向X、Y、Zにおいて駆動可能な測定プローブが取り付けられる中空軸を有する、CMMまたはその他の種類の座標位置調整装置において当該ワークピースが検査される。
【0004】
特許文献1には、2つの回転の自由度を備えてワークピースの表面を走査するプローブを方向付けることが可能な間接プローブヘッドが開示されている。一般に、そのようなプローブヘッドは、2つの直交回転軸に関してプローブを方向付けることが可能な2つの回転駆動機構を含む。そのような間接プローブは、CMMの中空軸上に取り付けられて、5つの自由度(すなわち、CMMにより与えられる3つの一次自由度、および間接プローブヘッドにより与えられる2つの回転の自由度)にプローブチップを配置することができる。
【0005】
ワークピースがプローブにより測定されるとき、測定装置が移動する測定経路がプログラムされている必要がある。測定経路は、一般的には、CAD図面の解釈により、またはソフトウェアを用いて、測定されるワークピースの幾何学モデル(例えばCAD)からの特性に測定を適用するオペレータにより手動で設定される。
【0006】
2つの既知のCADデータタイプは、境界表現(B−Rep)およびポリゴンモデリング(メッシュモデリングとしてもまた知られている)である。B−Repは、境界を用いて形状を表現するための方法である。立体は、接続された面要素の集合とすることができる。面要素は、立体と非立体との間の境界を表す。B−Repは、2つの部分、つまり接続形状および幾何形状から成る。接続形状は、アイテムの分類により、幾何形状の接続性を表す。主な接続形状のアイテムは、表面境界領域として描写される面と、境界曲線部分として描写される接線と、三次元離散空間における各点と、である。このパラメトリック測定基準モデル形式の利点は、この接続形状を参照することにより、それらの表面描写が測定計画において積極的に用いることが可能であるということである。
【0007】
ポリゴンモデリングまたはメッシュモデリングは、ポリゴン(例えば、三角形)を用いて表面を表現するか、または近似することにより、オブジェクトをモデリングするための別々の手法である。ポリゴンモデリングに用いられる基本的なオブジェクトは、ポリゴンの頂点が、2つのポリゴン接線の交点であるような頂点である。直線により接続される2つの頂点は、接線になる。3つの頂点は、互いに3つの接線により接続されて、三角形を定義する。ポリゴンモデリングは、ワークピースの表面をポリゴンの集合(例えば、ポリゴンファイルフォーマットPLY)、およびしばしば三角形(例えば、ステレオリソグラフィーフォーマット:STL)のように描写する。これらのフォーマットは、パラメータ化した情報を保持しないという点で不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,189,806号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、アーチファクトの幾何モデル、およびアーチファクトと相互作用するためのツールの幾何モデルから、1または複数の最適基準に従うように相互作用する経路に沿って、アーチファクトとツール装置との間の関連する動作コースを生成するための方法を提供する。
【0010】
本発明の第1の態様に従って、少なくもと1つの直線の自由度、および少なくとも1つの回転の自由度に関して移動可能なアーチファクトと相互作用する装置と、アーチファクトとの間の動作コースを判定するコンピュータ実施可能な方法が提供される。当該方法は、アーチファクトを表す幾何データを受信することと、装置を表す幾何データを受信することと、幾何データから、装置とアーチファクトとが、1または複数の最適基準に従うように相互作用経路に沿って相互に関連付けられて方向付けされる方法を判定することと、を備える。
【0011】
アーチファクトおよび装置自身の幾何データを用いて、相互作用経路に沿う少なくとも1つの回転の自由度において装置とアーチファクトとを相対的に方向付けする方法を判定することにより動作パフォーマンスを改善することができる。さらに、相互作用経路に沿った相対的角度方向をコンピュータプログラムが自動的に判定するので、ユーザからの入力またはガイダンスを必要としない。
【0012】
本発明の方法は、実動作中に装置、および/またはアーチファクトが取りうる動作コースにアクセスすることができる。この判断は実動作よりも前に生じることができる。
【0013】
好ましくは、本装置は、アーチファクトに関連して動作可能であることである。好ましくは、本装置は、少なくとも1つの直線の自由度と、少なくとも1つの回転の自由度において動作可能である。好ましくは、本方法は、1または複数の最適基準に従うように相互作用経路に沿って、幾何データから、少なくとも1つの回転の自由度において装置を向けることができる方法を判定することを備える。
【0014】
任意に、本方法は、装置およびアーチファクトの相対的方向を記述する動作コースのデータを生成することを備える。動作コースのデータは、例えば、アーチファクトと相互作用する間に装置およびアーチファクトの相対的方向を制御する動作中に用いることができる。好ましくは、該データは、動作コースのデータに従って、装置およびアーチファクトの相対的方向を自動的に制御するためのコントローラーによって用いられる。該データは、座標位置情報を含む。該データは、少なくとも1つの回転軸について配置される装置の角度を判定するためのコントローラーにより用いられるデータを含む。
【0015】
当然のことながら、1または複数の最適基準に従うように相互作用経路に沿って、装置およびアーチファクトが相対的に方向付けすることができる方法を判定することは、実際の相互作用動作の開始に先立ってすることができる。従って、このことは、動作の計画段階の一部としてすることができる。任意に、このことは、実際の動作中にも実施することが可能である。従って、実動作は、動作コースの全体が決められる前に開始することができる。
【0016】
本方法は、動作コースのデータを出力することを備える。動作コースのデータは、装置またはアーチファクトを取り付けることができる位置調整装置のコントローラーに出力されうる。本方法は、メモリ装置内に動作コースのデータを格納することを備える。本方法は、動作コースのデータに従って、位置調整装置に取り付けられる装置およびアーチファクトのうちの少なくとも1つの動作を制御することをさらに備える。動作コースのデータ生成と、動作コースのデータに従って装置およびアーチファクトのうちの少なくとも1つの動作を制御することとは、同一のコンピュータ装置によって実施することができる。任意に、別々の装置によっても実施することができる。本方法は、動作コースのデータを表示することを備える。例えば、動作コースのデータは、画像表示ユニット上に表示することができる。
【0017】
本方法は、固定方向を判定するために用いることができる。固定方向は、1または複数の最適基準に従うように、相互作用経路に沿って変化しない方向である。好ましくは、本方法は、1または複数の最適基準に従って相互作用経路に沿って相対的に移動するように、装置とアーチファクトとの間の相対的方向を操作する方法を判定することを備える。したがって、本方法は、動作前または動作中に、装置およびアーチファクトが相互作用経路に沿って相対的に移動するように、装置およびアーチファクトの相対的方向を変化する方法を判定するように用いることができる。このことは、移動中に相互作用経路に沿って相対的に再方向付けすることが動的に可能な装置およびアーチファクトに関する動作コースを判定するときに、特に役立つものである。例えば、これは、再方向付けする装置と相互作用する必要なしに相対的に再方向付けすることが可能な装置およびアーチファクトの動作コースを判定するときに、特に役立つものである。
【0018】
したがって、好ましくは、装置およびアーチファクトの相対的方向は、相互作用経路に沿って固定されない。むしろ、好ましくは、それらの相対的方向は、相互作用経路に沿って動的に変化する。
【0019】
当然のことながら、幾何データは、寸法データを含むことができる。幾何データは、形状データを含むことができる。好ましくは、幾何データは、三次元(3D)データを含む。したがって、幾何データは、装置およびアーチファクトの3Dモデルとすることができる。幾何データは、位置データを含むことができる。本方法は、幾何データを得ることを備える。例えば、幾何データは、メモリ装置から得ることができる。幾何データは、前に得られたリファレンスとなるアーチファクトの測定から得ることができる。幾何データは、ユーザによって生成することができる。例えば、幾何データは、コンピュータ支援設計(CAD)データであることも可能である。例えば、幾何データは、アーチファクトの境界表現とすることができる。任意に、幾何データは、アーチファクトのポリゴンモデルとすることができる。当然のことながら、アーチファクトおよび装置の受信幾何データは、共通の座標フレームにおいて結合することができる。
【0020】
当然のことながら、幾何データは、描写するものの真の表現である。任意に、幾何データは、描写するものの抽象的な表現でありうる。これは、特に、装置を描写する幾何データに関する場合である。例えば、装置の幾何データは、装置の形状の抽象的表現でありうる。例えば、装置が不規則な形状の場合でさえ、幾何データは、規則的な形状情報を用いて装置を描写する。例えば、幾何データは、1または複数の規則的な形状のように装置を描写する。例えば、幾何データは、すくなくとも1つの球のように装置を描写する。例えば、幾何データは、少なくとも1つの円筒のように装置を描写する。接触測定プローブを特定の例として取り上げれば、該プローブヘッドおよび/または該プローブ本体は、例えば、球、円筒のような針、および球のような先端のように表現可能である。
【0021】
好ましくは、本方法は、少なくとも2つの直線の自由度、より好ましくは3つの直線の自由度において相対的に移動可能な装置およびアーチファクトの動作コースを生成することである。好適には、直線の自由度は、相互に垂直である。好適には、本方法は、少なくもと2つの回転の自由度において相対的に移動可能な装置およびアーチファクトの動作コースを生成することである。好適には、少なくとも2つの回転の自由度は、2つの略垂直軸である。3つの自由度および2つの回転の自由度において移動可能な装置は、計測業において5軸装置として共通に参照される。従って、動作コースのデータは、装置およびアーチファクトの相対的方向を少なくとも2つの軸について描写することができる。しかし、当然のことながら、本発明は、そのようなシステムに限定されず、また、より多くの自由度、例えば、3、4、またはそれ以上の回転の自由度および/または直線の自由度により相対的に移動可能な装置およびアーチファクトの動作コースを判定するために用いることができる。
【0022】
装置は、アーチファクトを加工するためのツールでありうる。例えば、該ツールは、穴あけツール、圧延ツール、または研磨ツールでありうる。
【0023】
装置は、測定装置でありうる。測定装置は、測定プローブでありうる。測定プローブは、アーチファクトの寸法を測定するためのものでありうる。適切な測定プローブは、接触プローブを含む。当然のことながら、接触プローブは、一般的には、測定されるアーチファクトと相互作用するための接触端を有する。先端およびアーチファクトの間における接触は、測定プローブにより検出可能である。適切な即手プローブは、接触トリガプローブおよび検出プローブを含む。適切な測定プローブは、非接触プローブをもまた含む。例えば、測定プローブは、インダクタンスプローブ、容量プローブ、または任意のプローブでありうる。特に、測定プローブは、カメラプローブでありうる。
【0024】
測定装置は、表面センサを備えることができる。表面センサは、アーチファクトを測定するためのアーチファクトの表面と相互作用する部品である。以下に述べるように、表面センサは、接触表面センサまたは非接触表面センサでありうる。測定装置は、表面センサが取り付けられる本体を含む。表面センサは、本体から離れるように間隔を空けることができる。例えば、表面センサは、本体から伸長する針の先端に向けて取り付けることができる。本体は、位置装置、例えば位置装置の中空軸上に取り付けるための測定装置のパーツでありうる。本体は、少なくとも1つの回転の自由度を備えることができる。任意に、少なくとも1つの回転の自由度は、位置装置によって与えられる。例えば、少なくとも1つの回転の自由度は、測定装置が取り付けられる頭部によって与えられる。したがって、少なくとも1つの自由度をもつ軸は、表面センサによりも遠位にすることができる。
【0025】
当然のことながら、相互作用経路は、装置が動作中に取る経路を含む。相互作用経路は、測定装置が測定動作中に取る測定経路を含む。任意に、相互作用経路は、ツールが機械加工動作中に取る機械加工経路を含む。相互作用経路は、順々に実行されるときに全体の相互作用動作を記述するサブ経路の複数のうちの1つのサブ経路でありうる。該経路は、位置情報のみを含めることができる。したがって、該経路は、動作情報を含めないことができる。
【0026】
相互経路は、装置が、アーチファクトに関連して相互作用関係にある間の動作中に取る経路を含むことができる。例えば、相互作用経路は、測定装置が、アーチファクトに関連する関係を検知する位置に在る間の測定動作中に取る経路を含むことができる。任意に、相互作用経路は、ツールが、アーチファクトを機械加工(例えば、切断、研磨、圧延)する間の機械加工中に取る経路を含むことができる。したがって、本方法は、アーチファクトと相互作用する間に装置を方向付けする方法を判定することを備えることができる。例えば、本方法は、アーチファクトに関する測定データを獲得する間に装置を方向付ける方法を判定することを備えることができる。相互経路は、より一般的には、アーチファクトの周辺を移動する間に装置が取る経路を含むことができる。したがって、相互作用経路は、装置が、アーチファクトに関連して相互作用関係にあるところの位置の間で取る経路を含むことができる。当然のことながら、相互作用経路は、装置により相互作用することとなるアーチファクト上の経路でありうる。例えば、相互作用経路は、測定されるアーチファクト上の経路でありうる。任意に、相互作用経路は、機械加工(例えば、切断および/または圧延)されるアーチファクト上の経路でありうる。
【0027】
当然のことながら、例えば、相互作用経路がアーチファクト上の固定経路である場合、決められた方向を得るために、次に、少なくとも1つの直線の自由度においてアーチファクトおよび装置を相対的に再位置付けする必要がありうる。したがって、装置およびアーチファクトが相互に関連して方向付けることができる方法を判定することは、少なくとも1つの直線の自由度において装置およびアーチファクトの相対的位置を判定することを備えることができる。
【0028】
本方法は、相互作用経路を表すデータを得ることを備えることができる。相互作用経路は、ユーザにより入力されることができる。したがって、本方法は、ユーザインターフェース装置から相互作用経路を受け取ることを備えることができる。相互作用経路は、測定されるアーチファクトについて予め決めておくことができる。すなわち、相互作用経路は、本発明の実行に先立って決めることができる。したがって、本方法は、相互作用経路を取り出すことを備えることができる。相互作用経路は、記憶装置から取り出すことができる。
【0029】
任意に、相互作用経路は、幾何データから生成することができる。本方法は、幾何データから相互作用経路を生成することを含むことができる。
【0030】
相互作用経路は、複数の点を含むことができる。例えば、相互作用経路は、相互作用することとなるアーチファクト上の複数の点を含むことができる。例えば、測定経路は、測定されることとなるアーチファクト上の複数の点を含むことができる。この点はそれぞれ、個別の点でありうる。任意に、相互作用経路データは、線、寸法、自由度等を含むことができる。例えば、測定経路データは、取得される測定結果と共に、線、寸法、自由度等を含むことができる。例えば、相互作用経路は、ベクターデータを含むことができる。任意に、相互作用経路は、2点間の曲線のように定義することができる。
【0031】
本発明の利用による適切な最適化基準は、相互作用動作の性能に関連する基準を含むことができる。したがって、本方法は、1または複数の性能基準を満たすように相互作用経路に沿う装置の動作中に、装置およびアーチファクトの相対方向が操作される方法を判定することを含むことができる。性能基準は、相互作用のスピードを含むことができる。例えば、性能基準は、測定スピードまたは機械加工スピードを含むことができる。性能基準は、相互作用経路の経路長を含むことができる。性能基準は、所定の加速レベルを含むことができる。所定の加速レベルは、装置の加速度に関連させることができる。所定の加速レベルは、最大化速度を含むことができる。性能基準は、動作方向を含むことができる。性能基準は、測定量を通じて装置および/またはアーチファクトの移動を制御する位置装置の最小移動を確保することを含むことができる。性能基準は、装置および測定されるアーチファクトとの間の所定の相対方向を維持することを含む。性能基準は、装置が、相互作用経路に沿って移動することを確保することを含むことができる。例えば、性能基準は、測定装置が測定経路に沿って移動することを確保することを含むことができる。これは、測定装置が位置装置に取り付けられる各点を、測定装置の表面のセンサが追跡するときの例である。これは、測定経路に沿って押し出される測定装置と向かい合うことができる。
【0032】
本発明で利用する適切な最適基準は、動作境界に関する基準を任意に含むことができる。例えば、最適基準は、動作コースが衝突の自由移動を確保することを含むことができる。これは、装置とアーチファクトとの間の衝突のない移動を含むことができる。したがって、本方法は、装置とアーチファクトとの間の衝突を避けるために、相互作用経路に沿って互いに関係付けられて方向付けられる方法を判定することを含むことができる。
【0033】
これは、装置の移動範囲において配置される相対的に動作可能な他の任意のオブジェクトの間で衝突のない移動を含むことができる。例えば、これは、装置とアーチファクトの相対移動に作用する部品の衝突のない移動を含むことができる。したがって、本方法は、ある動作中に装置の移動範囲において配置されるオブジェクトに関連する幾何データを受け取ることをさらに備える。そのような物は、装置を格納するためのラックでありうる。そのような物は、装置を再方向付けするために用いられる物でありうる。そのような物は、アーチファクトを配置するために用いられる固定装置を含むことができる。そのような物は、別のアーチファクトでありうる。そのような物は、装置が取り付けられる位置装置でありうる。
【0034】
当然のことながら、装置が動作可能な実施形態において、衝突は、装置および、アーチファクトまたは装置の稼動範囲内に配置される他のオブジェクトとの間の好ましくない接触を含みうる。さらに、アーチファクトが動作可能な実施形態において、衝突は、アーチファクトおよび、装置またはアーチファクトの稼動範囲内に配置される他の物との間の好ましくない接触を含みうる。装置が非接触の測定装置である実施形態において、衝突は、非接触の測定装置および、アーチファクトまたは他のオブジェクトとの間の接触を含みうる。
【0035】
動作中にアーチファクトと接触することを目的とする接触部分を持つ装置における実施形態では、衝突は、装置の当該接触部分以外の部分と、アーチファクトとの間の接触を含みうる。これは、接触部分とアーチファクトとの間の意図しない接触、例えば、接触部分と、アーチファクトの相互作用しない部分との間の接触を含みうる。例えば、測定装置が先端感部を有する接触プローブの実施形態において、測定装置の先端感部以外の部分と、アーチファクトとの間の接触を含みうる。これはまた、先端感部と、測定されるアーチファクトとの間の好ましくない接触、例えば、先端感部と、アーチファクトの測定されない部分との間の接触を含みうる。
【0036】
衝突は、異なるコンポーネントを表す幾何データ間での望まれない交差を識別することにより判定することができる。例えば、衝突は、装置を表す幾何データと、他の部分を記述する幾何データ、例えば装置の移動量におけるアーチファクトとの間の望ましくない交差を認識することにより識別される。当然のことながら、装置がアーチファクトの接触部分、例えば表面センサのようなものを備える実施形態において、一部の交差は許容することができる。例えば、アーチファクトの接触部分を表す幾何データと、相互作用するアーチファクト上の点との間の交差は、許容可能である。しかし、他の全ての交差は望ましくないものでありうる。
【0037】
本方法は、相互作用経路に沿った複数の各点について、装置とアーチファクトとの間の複数の相対方向を判定することを備えることができる。本方法は、相互作用経路に沿った複数の各点について、衝突のない方向のみを選択すすることをさらに備えることができる。本方法は、1または複数の最適基準に従う方向を衝突のない方向から選択することをさらに備えることができる。本方法は、相互作用経路に沿う一組の点の間の移動に関連したコストを判定することを備えることができる。該コストは、一組の点における装置およびアーチファクトの相対方向に依拠することができる。従って、本方法は、第1の方向の組み合わせを有する一組の点の間の移動コストを判定することを備えることができる。本方法は、第2の方向の組み合わせを有する同一の一組の点との間の移動コストを判定することを備えることができる。当然のことながら、一組の点の方向の組み合わせは、相互作用経路に沿う第1および第2の点における装置とアーチファクトの相対方向を記述する。第1および第2の点における装置およびアーチファクトの相対方向は、同一または異なるものとすることができる。好ましくは、第1および第2の点の少なくとも1つにおける装置の方向は、第2の方向の組み合わせにおいて第1の方向の組み合わせへとは異なる。本方法は、最小のコストである方向の組み合わせを選択することを備えることができる。
【0038】
本方法は、相互作用経路に沿う複数の点の組み合わせそれぞれに関するコストを判定することを備えることができる。本方法は、相互作用経路に沿った全てのコストが所定の基準に従うこととなるこれらの方向を選択することを備える。該所定の基準は、最小コストの相互作用経路を選択することでありうる。
【0039】
当然のことながら、移動コストは、2点間の移動プロパティを表す値である。例えば、プロパティは速度でありうる。プロパティは時間でありうる。プロパティは距離でありうる。プロパティは加速度でありうる。コストは、2またはそれ以上の上記プロパティの組み合わせでありうる。任意に、コストのプロパティは、ユーザによって入力される。
【0040】
本方法は、相互作用経路に沿って制御されうる測定装置の方向をそれぞれ記述する異なる可能な動作コースの複数を判定することを備えることができる。本方法は、1または複数の最適基準に従う複数の動作コースから少なくとも1つの動作コースを選択することを備えることができる。選択された少なくとも1つの動作コースは、最適基準に従うものでありうる。任意に、選択された少なくとも1つの動作コースは、1または複数の最適基準のすくなくとも1つに従うことができる。例えば、選択された少なくとも1つの動作コースは、衝突のない移動を確保しうる。選択された少なくとも1つの動作コースは、装置の最小化速度を確保しうる。選択された少なくとも1つの動作コースは、相互作用の最小期間を確保しうる。選択された少なくとも1つの動作コースは、1または複数の上記基準に従いうる。
【0041】
本方法は、最適基準を受け取ることを備えることができる。最適基準は、ユーザによって判定され入力されうる。任意に、本方法は、ユーザにより入力されたルールを受け取り、これらルールに基づいて最適基準を判定することを備えることができる。本方法は、幾何データへのルールおよびロジックの適用から最適基準を判定することを備えることができる。
【0042】
当然のことながら、相互経路は、アーチファクトの一部分に及びうる。任意に、相互作用経路は、実質的にアーチファクトの全体に及びうる。この場合において、相互作用経路は、複数のサブ経路を備えることができる。
【0043】
本方法は、アーチファクトの少なくとも一部分を測定するための指示を受け取ることを備えることができる。該指示は、ユーザインターフェース装置から受け取ることができる。従って、該指示は、ユーザにより入力されうる。このことは、ユーザが測定されるアーチファクトの点を選択することを可能にする。
【0044】
本発明の第2の態様に従って、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに上記方法を実行させる指示を含むコンピュータプログラムコードが提供される。
【0045】
本発明の第3の態様に従って、上記コンピュータプログラムを包含するコンピュータ読取可能な媒体が提供される。
【0046】
本発明の第4の態様に従って、プロセッサと、メモリとを備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、上記方法を実行するように適用されることを特徴とするコンピュータが提供される。
【0047】
本発明の別の態様に従って、本方法は、パーツを測定するときに測定装置が移動しうる経路を生成することと、パーツの幾何モデルを用いることと、を備える。本方法は、(a)パーツの幾何モデルの表面上の複数の点を生成することと、(b)各測定点に関し、測定装置の複数の方向を生成することと、(c)測定装置に関する最適経路を生成することと、を備え、複数の点の測定に関し位置および方向を判定することとを含む。好適には、幾何モデルは、CADモデルであり、例えば、境界表現またはポリゴンモデルである。ステップ(b)において生成される各点を測定するための測定装置の複数の方向は、個別に設定されるか、または機能的に得ることが可能である。好適な実施形態において、パーツの幾何モデルは、測定装置の幾何モデルと、座標位置調整装置とが組み合わされる。ステップ(c)における測定装置の各方向に関し、測定装置または座標位置調整装置と、パーツとの間で衝突があるかどうかが判定される。測定装置および座標位置調整装置のこれら衝突自由方向のみ、最適経路を生成するために用いられる。測定装置は、測定プローブを含みうる。測定プローブは、ワークピースの接触端としての針を備える接触測定プローブを含むことができる。測定プローブは、非接触プローブ、例えば、光学プローブ、インダクタンスプローブ、または容量プローブでありうる。測定装置は、カメラを含むことができる。好ましくは、測定装置は、座標位置調整装置上に取り付けられる。座標位置調整装置は、座標位置調整装置に取り付けられた測定装置の位置および方向をともに変化させることができる装置を含みうる。座標位置調整装置は、複数のコンポーネント、例えば、座標測定装置(CMM)のような座標位置調整装置上に取り付けられた2または複数の軸で回転動作を与える関節プローブヘッドを含みうる。座標位置調整装置は、単一のコンポーネント、例えば、手動の座標測定アーム、ロボットのようなアーム等を含みうる。ステップ(c)における経路は、移動スピード、経路長、座標位置調整装置の加速制限等の基準に対して最適化されうる。
【0048】
本発明のさらに別の態様は、パーツを測定するときに測定装置が移動しうる経路を生成するためのコンピュータプログラムを提供する。該コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されるときに次のステップを実行するように適合されたコードを含む。(a)パーツの幾何モデルを入力することと、(b)パーツの幾何モデルの表面上の複数の点を生成することと、(c)各点を測定するための測定装置の複数の方向を生成することと、(d)測定装置に関する最適化した経路を生成することと、複数の点の測定に関し位置と方向を判定することとである。好ましくは、コンピュータプログラムは、CD、USBスティックまたは他の媒体などの担体上に提供される。コンピュータプログラムは、インターネットから直接にダウンロードすることも可能である。コンピュータプログラムは、最適化した経路を出力することと、最適化した経路を表示すること、またはメモリに最適化した経路を格納する追加のステップを有することができる。
【0049】
本発明の好適な実施形態は、添付の図面とともに例示により示されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ワークピースが取り付けられるCMMを示す図である。
【図2】図1のCMM上に取り付けるための関節接合スキャンヘッドを示す図である。
【図3】本発明の方法の全体を示すフロー図である。
【図4】選択された表面上の複数の点を生成する方法を示すフロー図である。
【図5】周期的表面上の螺旋測定プロファイルを示す図である。
【図6A】NURBS表面上における、正弦波に基づく曲線測定プロファイルを示す図である。
【図6B】NURBS表面上における、サメ歯形状に基づく曲線測定プロファイルを示す図である。
【図6C】NURBS表面上における、方形波に基づく曲線測定プロファイルを示す図である。
【図7】2つのループ表面に関する曲線測定プロファイルを示す図である。
【図8A】3つの非周期ループ表面に関する異なる曲線測定プロファイルを示す図である。
【図8B】3つの非周期ループ表面に関する異なる曲線測定プロファイルを示す図である。
【図8C】3つの非周期ループ表面に関する異なる曲線測定プロファイルを示す図である。
【図8D】3つの非周期ループ表面に関する異なる曲線測定プロファイルを示す図である。
【図9】平面上の測定プロファイルを生成する別の方法を示すフロー図である。
【図10】円筒平面から平行してオフセットされた正弦波の曲線測定プロファイルを示す図である。
【図11】図10の円筒に、平面上の投影測定プロファイルが示されている図である。
【図12】円筒面上の表面特性を生成するためのフロー図を示す。
【図13A】円筒の内径の内側の螺旋測定プロファイルを示す図である。
【図13B】図13Aの内径面上の投影螺旋測定プロファイルを示す図である。
【図14】一般表面上の表面測定プロファイルを生成するためのフロー図である。
【図15】各点における表面装置の複数の方向を生成するための方法を示すフロー図である。
【図16】最適経路の生成にDijkstraアルゴリズムを適用する様子を示す図である。
【図17】測定経路に沿って測定されるアーチファクトに関する測定プローブの様々な方向を計算する様子を示す図である。
【図18】測定経路に沿って測定されるアーチファクトに関する測定プローブの判定された方向を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、座標位置調整装置上に取り付けられた測定プローブ28の形態における測定装置を示す。この実施形態では、座標位置調整装置は、CMM14上に搭載された関節プローブヘッド(articulating probe head)16を含む。測定されるワークピース10は、CMM14のテーブル12上に取り付けられ、また関節プローブヘッド16は、CMM14のクイル(quill)18に取り付けられる。クイルは、知られた方法で、モータによりテーブルに対してX、Y、Zの3方向に駆動することができる。CMMでは、モータおよび変換器により各軸における動作が提供および測定される。この構成は、国際特許出願第WO90/07097号にさらに記載されている。関節プローブヘッドは、関節プローブヘッド上に取り付けられたプローブまたはスタイラスを、2つの直交軸周りで回転させることを可能にする。このように、関節プローブヘッド上に取り付けられたプローブまたはスタイラスを、これらの2軸周りで角度的に方向付けることができ、一方、座標位置調整装置により、関節プローブヘッドを該装置の可動範囲内の任意の位置に配置することができる。このような関節プローブヘッドは、プローブまたはスタイラスを多くの異なる方向に配置することができるため、座標位置機械に対して、走査における多大な自由度を提供する。
【0052】
図2に示すように、関節プローブヘッド16は、モータM1によりハウジング20に対して軸A1周りで回転可能なシャフト22の形態における可動部分を支持するベースまたはハウジング20により形成された固定部分を備える。シャフト22は他のハウジング24に固定され、そのハウジング24は次に、軸A1に対して直角をなす軸A2周りで、モータM2によりハウジング24に対して回転可能なシャフト26を支持する。
【0053】
ワークピース接触先端30の付いたスタイラス29を有するプローブ28は、関節プローブヘッド上に取り付けられる。その構成は、関節プローブヘッドのモータM1、M2がワークピース接触先端を、軸A1またはA2に関して角度を付けて配置できるようにし、かつCMMのモータが、関節プローブヘッドを、CMMの三次元座標フレームワークピース内のいずれかに直線的に配置することができ、スタイラスの先端が、走査される表面と所定の関係になるようにする。
【0054】
直線位置変換器(図示せず)は、関節プローブヘッドの直線的な変位を測定するためにCMM上に設けられており、また角度位置変換器T1およびT2が、それぞれ軸A1およびA2周りのスタイラスの角度変位を測定するために、関節プローブヘッド内に設けられている。
【0055】
測定制御装置32は、座標位置調整装置(例えば、CMMおよび関節プローブヘッド)のモータに、その動作を制御するための駆動信号を送り、座標位置調整装置(例えば、CMMおよび関節プローブヘッド)および測定装置(例えば、測定プローブ)の変換器からの入力を受け取る。測定制御装置32は、特注の装置とすることも、コンピュータ上のソフトウェアとすることもできる。
【0056】
測定装置は、ワークピース接触先端の付いたスタイラスを有する接触プローブなどの測定プローブとすることができる。接触プローブの既知の種類には、タッチトリガ(touch trigger)プローブを含み、そのプローブにおいて、スタイラスの偏位が、トリガを生じた座標位置調整装置の位置をラッチする出力を生じさせる。別の種類の既知の接触プローブは走査プローブであり、該プローブにおいて、プローブ中の変換器が、スタイラスの偏位を測定する。測定装置は、非接触プローブ(例えば、光学プローブ、静電容量プローブ、およびインダクタンスプローブ)、およびカメラなどの装置を含むこともできる。
【0057】
ワークピースを測定しようとするとき、測定装置がたどるべき動作コース(course of motion)をプログラムする必要がある。
【0058】
動作コースは、測定制御装置32と通信するソフトウェア34において計画される。測定制御装置およびソフトウェアは、同じ装置(すなわち、同じPC、マシン制御装置、または特注の装置)上で動作することができるが、あるいは別個の装置とすることもできる。
【0059】
動作コースの計画方法の概要は、図3を参照して次に説明する。第1ステップでは、40で、CADモデルなど、ワークピースの幾何モデルが経路計画ソフトウェア中にロードされる。そのモデルは、以下の実施形態でさらに詳細に述べるように、例えば、B−Rep(境界表現)またはポリゴンモデルを含むことができる。部分座標系が幾何モデルに対して作成され、それは、42で、ワークピースを測定するために使用される座標位置調整装置の座標系と位置合わせされる。このようにして、該モデルは、座標位置調整装置のテーブル上に仮想的に配置される。
【0060】
ソフトウェアは、44で、測定すべき幾何モデルの1つまたは複数の表面をユーザが選択できるようにする。CADモデルを使用することにより、モデルの面の一覧を表示させることができ、測定計画に含めるために、選択および/または選択の解除を行うことができる。B−Repモデルは、すでに定義された面を有しており、最初に、これらの面がポリゴンモデルなどの非パラメータ化モデルから作成される必要がある。
【0061】
幾何モデルの表面が選択された後、46で、各表面上で複数の点が生成される。これらの各点は、測定装置を用いて測定が行われる位置であり、測定経路の一部である。その複数の点は、ユーザにより個々に選択された、または以下でより詳細に述べる表面の幾何モデルに基づいてソフトウェア34により自動的に生成された、表面測定プロファイルの一部として受け取ることができる。
【0062】
表面の各点に対して、ソフトウェア34は、48で、表面点の測定を行うことを可能にする測定装置の複数の可能な方向および/または位置を生成する。
【0063】
ソフトウェアは、次に50で、測定装置がたどるべき最適化された経路を生成し、表面点のそれぞれの測定を可能にする。この測定経路は、様々な因子、例えば、速度、距離、加速度の制約などに対して最適化することができる。
【0064】
測定経路を構成する、選択された表面上に複数の測定点を自動的に生成するステップは、図4のフロー図を参照して、より詳細に次に述べるものとする。この測定経路はまた、一般に、測定プロファイルと呼ばれる。
【0065】
54で、選択された表面の表面パラメータが決定され、それは表面が周期的であるか、それともループを有するかなどの情報を与える。この方法は、表面パラメータがモデル中に含まれるので、幾何モデルがB−Repの形式である場合、特に適している。
【0066】
選択された表面の表面パラメータが決定された後、その表面を、特定の表面タイプとして識別することができ、またその表面タイプに適した測定プロファイルを、表面上で生成することができる。
【0067】
図4のフロー図は、表面タイプに従って、測定経路を生成するための方法の1つを示している。
【0068】
56で、表面が周期的であるかどうかが、選択された表面の表面パラメータから判定される。表面が周期的である場合、58で、周期的な表面に適した測定経路、例えば、円筒表面に対して螺旋パターンが選択される。複数の測定経路が利用可能である場合、デフォルトの測定経路を適用してもよいが、あるいはユーザが、ある表面に対して自分の好みの測定経路を選択できるようにしてもよい。
【0069】
図5は、ループ境界74と76の間で周期的表面を有するタービン翼72を示す。ループは、面の境界を定めるエッジが一周したものである。螺旋状の測定経路78が示されている。
【0070】
表面が非周期的である場合、表面が面ループをいくつ有しているかが判定される。ループとは、閉じたエッジに対するB−Repの用語である。1つ、2つ、またはそれ以上のループが存在するか否かに応じて、異なる測定経路を生成することができる。図4は、60で、表面が1つのループを有する場合、62で適切な測定経路、例えば、正弦波に基づいた単一の曲線測定経路が生成されることを示している。
【0071】
図6A〜Cは、典型的なNURBS(Non−uniform,rational B−spline:非一様有理Bスプライン)表面72、例えば、タービン翼の面の測定経路を示している。表面は、ループ境界80を有する単一のループを有する。図6Aでは、正弦波82に基づいた曲線の測定経路が示されている。図6Bは、「サメの歯(sharks tooth)」81に基づいた、曲線の測定経路を示しており、また図6Cは、方形波83に基づく測定経路を示す。代替の曲線的プロファイルを使用することもできる。
【0072】
図4は、64で表面が2つのループを有する場合、66で2つのループ間で適切な測定経路が生成されることを示す。図7は、2つのループ境界80、86を有する典型的なNURBS表面72(例えば、タービン翼の表面)を示す。曲線の測定経路88が、ループ境界の間で示されている。
【0073】
3つ以上のループがある場合、68で、各ループが、それぞれ属することとなる関連領域を有するように、表面を複数の領域に区分することができる。70で、各領域に対して、適切な表面測定経路が生成される。図8A〜8Dは、3つのループ境界80、90、92を有する典型的なNURBS表面72(例えば、タービン翼の面)を示す。図8Aでは、区分線94が作成され、図7に示すものと同等な2つの領域96、98が生成される。領域96、98は、それぞれ、ループ90、92を含む。曲線的な表面測定経路99が、各領域96、98中に示されている。他の測定経路を代替の方針を用いて作成することができ、例えば、図8Bは、表面全体に対する「サメの歯」曲線の測定経路101を示し、また図8Cおよび8Dは、曲線的な測定経路103の異なる構成を示している。
【0074】
図6、7、および8は、正弦波に基づいた曲線的な測定経路を示している。しかし、他の測定経路を使用することもできる。さらに、1組の別個の測定経路を、各表面または領域に対して生成することができる。
【0075】
測定経路が生成された後、1組の表面点を、選択的な頻度で経路に沿って生成することができる。
【0076】
各表面上において測定経路を作成する代替的な方法を、図9〜14を参照して以下で述べる。この方法は、ポリゴンモデルで使用するのに特に適しているが、B−Repを含む他の形式の一般的な幾何モデルに対して使用することができる。ポリゴンモデルは、パラメータ化されないので、モデルの表面は、本明細書でこれ以上説明しない技法を用いて識別する必要がある。
【0077】
図9は、平坦な表面上に測定プロファイルを作成する方法に関するフロー図である。123で、平坦な表面が選択された後、124で、面が位置合わせされたバウンディングボックス(bounding box)が作成される。この例では、126で、正弦波に基づいた曲線経路である測定経路が、平坦な表面の平面に平行なバウンディングボックス面にわたって生成される。128で、測定経路の各点は、バウンディングボックス面の法線を用いて、平坦な表面の平面上に投影される。平坦な面の表面と接触しない点は、測定経路から除かれる。130で、ソフトウェアは、点が除かれたかどうかを判定する。
【0078】
点が除かれている場合、134で、測定経路の各セグメントに対して、セグメントを結合するために衝突のない(collision free)経路が生成できたかどうかが判定される。プロファイルセグメントは、可能である場合、136で、表面に沿った経路で直接結合され、そうでない場合は、138で、表面から離れた(off surface)経路により結合される。
【0079】
その結果、132で、表面測定経路が作成される。
【0080】
図10および11は、このようにして円筒の平坦な表面に作成された測定経路を示している。図10には、円筒144の平坦な表面142と平行であるが、オフセットされた平面上にプロットされた曲線プロファイル140が示されている。図11には、曲線経路146が、平坦な表面142上にプロットされている。測定経路は、測定経路のセグメントを結合する表面に沿った経路148、および表面から離れた経路150により変更されている。
【0081】
図12は、円筒面など、周期的表面上に測定経路を作成する方法に関するフロー図である。150で、周期的表面がまず選択され、152で、螺旋などの周期的な測定経路が生成され、それは、外部円筒に関しては円筒面よりも大きく、内部円筒に関しては円筒面よりも小さい。前述と同様に、螺旋の各点は円筒上に投影される。154で、表面と接触しない点は、螺旋から除かれる。156で、ソフトウェアは、点が除かれているかどうかを判定する。
【0082】
前述と同様に、点が除かれた場合、測定経路のセグメントを結合するために経路が生成される。160で、測定プロファイルのセグメント間で、衝突のない直線的な経路を生成できるかどうかが判定される。可能な場合、162で、セグメントを共に結合するように直線的な経路が生成される。そうではない場合、164で、セグメントは、表面から離れた経路により結合することができる。158で、その結果の表面測定経路が以上により作成される。
【0083】
図13Aおよび13Bは、円筒の内部円筒面上に作成された測定経路を示している。図13Aは、円筒144の内部の穴168の内側にプロットされた螺旋経路166を示す。図13Bは、表面の不連続部を横切って測定経路のセグメントを結合するように、経路変更172を用いて穴表面上に投影された螺旋170と、表面から離れた経路174とを示している。
【0084】
図14は、一般的な表面上の経路計画のためのフロー図である。図から分かるように、図14の各ステップの大部分は、図9および12と同様のものであり、平面および円筒面上の経路計画を示している。しかし、ステップ176で、ユーザは、未知の面を選択し、ステップ178で、ユーザは、表面タイプに対して選択されたデフォルトのものではない測定経路を選択する。手動で作成されたプロファイルに加えて、例えば、線、曲線、螺旋の経路を選択することができる。ステップ180〜190は、図12のステップ154〜164と同様である。
【0085】
図4〜8を参照して述べた方法のように、測定経路は、一連の表面点を生成するために使用することができる。
【0086】
測定経路が生成された後(図3のステップ46)、測定経路に沿ったプローブ28の複数の方向を生成することができる(図3のステップ48)。各点に対して、測定装置の複数の方向を生成する方法が、図15を参照して以下で述べられる。
【0087】
最初のステップで、例えば、図4〜8および図9〜14を参照して述べられた方法で説明されたように、102で、一連の表面点が生成される。
【0088】
104で、プローブ28の表面検出領域が、ワークピースの他の面とプローブ28が衝突することなく、各表面点との関係を感知する位置に配置されることを保証するために、表面の各点が検査される。接触プローブの場合、表面検出領域はプローブ先端であり、プローブ先端は、点と接触したとき、その点との関係を感知する位置にある。非接触プローブの場合、表面検出領域は、測定装置からオフセットされた点または平面を含むことができ、それは、最適な測定のための表面に、例えば、光学的プローブの場合には焦点に配置されることが好ましい。
【0089】
次のステップ106において、表面の各点の間で、表面検出領域の必要な動作が生成される。表面検出領域のこの動作は、108で、表面検出領域が、動作中にワークピースの表面上にとどまること、および、110で、ワークピースの他の表面と衝突しないことを保証するために検査される。
【0090】
次のステップ112で、座標位置調整装置の位置が計算されて、表面点との関係を感知する位置に、プローブ28の表面検出領域を配置する。複数の座標位置調整装置の位置が各表面点に対して生成され、各点のそれぞれは、プローブ28以外の表面点における表面検出領域を異なる方向に配置させる。座標位置調整装置が、位置調整装置上に取り付けられた関節プローブヘッドを含む場合、異なるプローブ28方向を提供するように、異なるプローブヘッド角(角度A1およびA2)が計算される。プローブヘッド角という用語は、プローブヘッドが、軸A1およびA2に関して測定装置を保持する角度に関係する。
【0091】
プローブ28の異なる方向の生成は、表面の主軸およびその周期性など、その部分のパラメータによって影響されうる。例えば、穴などの内部の円筒表面は、その中心に沿って主軸を有しており、かつ周期的である。この主軸は、プローブ28の方向の好ましい軌跡を決定する。
【0092】
これは、動作コースの生成に対する数学的関数ベースの手法と等価である。例えば、穴などの周期的な表面の場合、動作コースは、穴の主軸に沿って関節プローブヘッドを移動させながら、軸A1に関して関節プローブヘッドを振動させることにより生成することができる。
【0093】
このような関数的手法が使用される場合、プローブ28の可能な方向は、例えば、定義された平面または円錐内に制限される可能性がある。
【0094】
主軸および周期性などのワークピースのパラメータが利用可能ではない場合、プローブ28の方向のランダムな組を生成することができる。
【0095】
その生成方法に関係なく、プローブの方向は、「正当である(legal)」ことが必要である。ある方向は、衝突が生じないとき正当であると見なすことができる。方向が正当であるかどうかを判定するための因子はまた、座標位置調整装置の典型的な可動範囲、およびその結果として利用可能な構成空間(configuration space)など、機械的な制約内にプローブがあるかどうかを含むことができる。方向が正当であるかどうかを判定するための因子はさらに、その方向が、プローブと表面の法線の間の角度など、何らかの構成制約に違反しているかどうかを含むことができる。
【0096】
測定装置の各方向は、プローブまたは座標位置調整装置が、ワークピースと、または測定範囲中のいずれかの他の部分と衝突する状態で配置されているかどうかを調べるために検査される。衝突のない方向が維持され、かつ使用されて最適化された動作コースが生成されるが、他の方向は拒否される。
【0097】
好ましいヘッド軌跡に沿ったヘッド角度を生成することにより、プローブヘッドの移動が初期に制約されていた場合、発見された何らかの衝突により、これらの好ましいヘッド角度から逸脱するさらなるプローブ構成が生成されるため、経路を「緩める(loosening)」影響が生ずる。関数ベースの手法は、衝突検査によって同様に影響を受けることになる。
【0098】
プローブ28の衝突のない方向は、必要な数が得られるまで、または生成の繰返しの最大数に達するまで生成される。前者は、実際的な時間枠内で包括的な方向生成を達成する利点を有する。後者の制約は、達することのできない、すなわち、プローブが物理的にその点にアクセスできない、かつその結果、測定不能である表面点により生ずる方向生成ループにシステムが入ることを阻止する利点を有する。
【0099】
測定点におけるプローブの方向計算は、図17を参照して概略的に示されている。図17には、プローブにより測定されるアーチファクト(artefact)のCADモデル33が示されている。測定されるアーチファクトが沿う測定経路35は、例えば、上記で述べた方法を用いて計算されている。アーチファクトを測定するためのプローブは、CADモデル37において抽象的に表されており、第1の球39はプローブ先端を表し、円筒41はスタイラスを表し、また第2の球43はプローブヘッドを表している。ソフトウェアは、測定経路に沿った複数の点に対するアーチファクトのCADモデル33に対する、プローブ28のCADモデル37の複数の異なる方向を生成する。
【0100】
例えば、第1の測定点Aの場合、プローブのCADモデル37が、アーチファクトのCADモデル35に対する第1の計算された方向37a、第2の計算された方向37b、および第3の計算された方向37cが示されている。図示のように、プローブ先端39は、3方向のそれぞれに対するアーチファクトのCADモデル33の表面上の同じ点にある。したがって、アーチファクトのモデル33に対して、プローブのヘッド43のモデルを効果的に再配置することにより、異なる方向が達成される。図示された3方向の場合、他の2方向37bおよび37cにおけるプローブのCADモデル37の少なくとも一部が、アーチファクトのCADモデル33と衝突状態にあるので、第1の方向37aだけが正当である。衝突している部分は点線45で示されている。したがって、この場合、ソフトウェアは、決定された3方向の中から、第1の方向37aだけを選択することができる。
【0101】
さらに、第2の測定点Bの場合、プローブのCADモデル37が、アーチファクトのCADモデル35に対して、第1の計算された方向37d、第2の計算された方向37e、および第3の計算された方向37fで示されている。図示のように、プローブ先端39は、3方向のそれぞれに対して、アーチファクトのCADモデル33の表面上の同じ点にある。したがって、アーチファクトのモデル33に対するプローブのヘッド43のモデルを再配置することにより、異なる方向が達成される。図示された3方向に関して、第1の方向37dおよび第2の方向37eは正当であるが、第3の方向37fは正当ではない、すなわち、第3の方向37fにおけるプローブのCADモデル37の一部が、アーチファクトのCADモデル33と衝突状態にある(点線45で示される)。したがって、この場合、ソフトウェアは、最終的な動作コースで使用するために、第1の方向37dと第2の方向37eの間を選択することができる。ソフトウェアが、これらの方向の間をどのようにして選択するかについては、以下でより詳細に述べるが、それは、例えば、性能因子に依存する可能性がある。
【0102】
説明を簡単化し、かつ明確にするために、図17に関しては、2つの測定点に対していくつかの方向が示されているに過ぎない。しかし、当然のことながら、経路に沿った測定点ごとに、アーチファクトのCADモデル33に対するプローブのCADモデル37のより少ない、またはより多くの方向を計算することが可能である。さらに、測定経路35に沿った、さらに多くの測定点に対して方向を決定することも可能である。
【0103】
プローブ28の十分な数の方向が生成された後、プローブ28のための最適化された動作コースが生成される(図3のステップ50を参照)。この動作コースは、各表面点に対して、複数のプローブ28方向のうちの1つを結合する。プローブ28の動作コースは、様々な基準に関して、例えば、プローブ28の最短経路または最速の経路に関して最適化することができる。
【0104】
具体的には、座標位置調整装置は、異なる軸に対して異なる慣性偏位(inertial deflection)特性を有する可能性があり、また、所与の必要な確度に対して最良の速度を達成できるように、各軸の知られた慣性撓み特性に基づいて、システムの異なる部分の加速度を制限すべく、経路を最適化することができる。座標位置調整装置が、CMM上に取り付けられた関節プローブヘッドを備える場合、関節プローブヘッドはCMMよりも剛性があり、したがって、加速度下でCMMよりも曲がらない可能性がある。したがって、動作コースは、CMMの加速度を最小化し、それにより曲げを低減することにより最適化することができる。
【0105】
動作コースを最適化するために様々な方法を、例えば、A*サーチ(Aスターサーチ)、フロイド−ワーシャルアルゴリズム、ジョンソンのアルゴリズムとベルマン−フォードアルゴリズム、および遺伝的アルゴリズムを使用することができる。すべてはよく知られており、さらなる説明は行わない。
【0106】
好ましい実施形態では、ダイクストラアルゴリズムが使用され、それを以下でより詳細に述べる。これは、よく知られた計算コストの高いアルゴリズムであり、ソースノードを指定し、そのソースノードと他のすべてのノードの間のエッジ重みを計算することによって、最短経路を決定することができる。各エッジの重みは、それを使用する望ましさを記述する値であり、最も低い値は、最も望ましいノード対の接続を示している。最も望ましいノード対接続が見いだされた後、第1のノードはその組から除かれ、プロセスは第2のノードを用いて繰り返され、以下同様に行われる。
【0107】
ダイクストラアルゴリズムを本発明における動作コースの最適化に適用することを、図16を参照して以下で述べる。
【0108】
図16は、表面測定経路上の4つの表面点200、202、204、206を示している。各表面点202〜206に対して、各方向をノードとして、いくつかの異なる正当なプローブ方向が生成されている。図16は、各表面点に対する1組のプローブ方向を表す1組のノードを示している。例えば、表面点202は、3つのプローブ方向202A、202B、202Cを有する。異なる表面点に対して、可能なプローブ方向の数は異なる。すべての可能な測定装置方向(ノード)は、エッジ(ノードを結合する線208により表される)により接続され、また各エッジ208に対する重み210は、ノード対の間を移動するコストとして計算されている。「コスト」は、適用される測定基準に依存する。
【0109】
望ましさの重みを割り当てるために使用され適用される測定基準は、経路の最適化を支配する因子に従って選択される。可能な測定基準の例は、開始点と終了点の間でプローブが移動を行うために必要な時間の計算と、測定装置を位置決めするために、座標位置調整装置により移動される距離とを含む。このように、動作コースは、最短または最速の動作コースなど、異なる因子に対して最適化することができる。
【0110】
座標位置調整装置の部分の加速度を最小化するように動作コースの重み付けをする方法など(座標位置調整装置が、CMM上に取り付けられた関節プローブヘッドを含む場合のCMMなど)、他のコスト測定基準を使用することもできる。
【0111】
各ノードの下のボックス212の中の値は、前のノードからそのノードに移動する最小のコストである。したがって、選択される動作コースは、例えば、最後の点のいずれかのノード上で、最小のコストを有するコースとすることができる。これは、太い経路114で示される。
【0112】
図18は、複数の別個の測定点において、測定すべきアーチファクトの測定経路の一部に沿ったプローブの決定された動作コースの概略のCADモデルの図を提供する。具体的には、アーチファクトのCADモデル33の測定経路35に沿った複数の測定点のそれぞれにおけるプローブの選択された方向が、プローブのCADモデル37により示されている。理解されるように、示されたものよりも少ない、または多くの測定点におけるプローブ方向を、動作コースの一部として計算することができる。
【0113】
理解されるように、本発明の方法が、(例えば、図17で示すような)様々な可能な方向を示す視覚的なCADモデル、または(例えば、図18で示すような)最終的に決定された動作コースを生成することは本質的なものではない。そうではなくて、図17および18は、本発明の方法が、特定の一実施形態でどのように実行されうるかの説明を単に支援するために提供されている。そうではあるが、理解されるように、アーチファクトのCADモデルとプローブのCADモデルとの間の関係の視覚的な表現を提供することを、本発明の任意選択の特徴とすることもできる。これは、例えば、決定された動作コースをユーザが評価するのを支援することもできる。
【0114】
前述の諸実施形態では、プローブは、CMMのクイルと同等の取付け構造上に取り付けられている。本発明はまた、他の機械タイプに取り付けられる測定装置の動作コースを計画する場合に使用するのに適している。例えば、プローブは、検査ロボットの遠位端に取り付けることができ、それは、例えば、いくつかの関節をなす結合部を有するロボットアームを備えることができる。
【0115】
前述の諸実施形態では、プローブが移動すると仮定されている。しかし、理解されるように、本発明はまた、プローブの代わりにワークピースが移動する、またはワークピースおよびプローブが移動する実施形態に適用することもできる。例えば、ワークピースを、位置決め装置の移動可能なクイル上に取り付けることもできる。任意選択で、ワークピースは、回転することのできるテーブル上に、かつ/またはプローブに対して再度方向付けのできるテーブル上に取り付けることもできる。
【0116】
さらに、前述の実施形態は、アーチファクトを測定するための測定装置およびそのオペレーションに関する。理解されるように、本発明はまた、他のタイプの装置に対して、例えば、アーチファクトを機械加工するためのツールに対して、動作コースのデータを生成するために使用することもできる。例えば、本発明は、フライス切削(milling)オペレーション中のフライス切削ツールの動作コースを決定するために使用することもできる。例えば、切削ツールが、構造(例えば、溝)を、それに沿って切削するアーチファクトの表面を横切る経路を表す経路データ、ならびに切削ツールを表す幾何データを受け取ることができ、また本方法は、切削ツールが切削経路に沿って移動する間、切削ツールをどのように方向付けるかを決定するために使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの直線の自由度および1つの回転の自由度で互いに対して移動可能な、アーチファクトと前記アーチファクトと相互作用するための装置との間の動作コースを決定するためのコンピュータで実施される方法であって、
前記アーチファクトを表す幾何データを受け取るステップと、
前記装置を表す幾何データを受け取るステップと、
1つまたは複数の最適化基準に準拠するように、前記装置および前記アーチファクトをどのようにして相互作用経路に沿って互いに対して方向付けすることができるかを、前記幾何データから決定するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の最適化基準に準拠するために、前記相互作用経路に沿って、前記装置と前記アーチファクトとの間の相対的な方向をどのように操作すべきかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最適化基準は、衝突のない移動を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数の性能基準を満たすために、前記装置と前記アーチファクトとの間の前記相対的な方向をどのように制御することができるかを決定するステップを含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記性能基準は、i)装置の加速度、ii)相互作用の速度、iii)経路長、およびiv)前記装置の動作方向、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記性能基準は、前記装置と前記アーチファクトとの間の好ましい相対的な方向を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記装置と前記アーチファクトとの間の複数の相対的な方向を、前記相互作用経路に沿った複数の点のそれぞれに対して決定するステップを含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項8】
衝突のない方向だけを選択するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の方向の組合せを有する1対の点の間の移動コスト、および、第2の方向の組合せを有する同じ前記1対の点の間の移動コストを決定するステップを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記相互作用経路に沿った複数の対の点に対して、請求項8のステップを繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記相互作用経路に沿った合計のコストが所定の基準に準拠している方向を選択するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記装置は、接触プローブであることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記装置は、非接触プローブであることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記アーチファクトに対して相互作用する関係を保ちながら、前記相互作用経路に沿って前記装置をどのように方向付けすることができるかを、前記幾何データから決定するステップを含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記装置は、少なくとも3つの直交する直線の自由度、および少なくとも2つの直交する回転の自由度で移動可能であることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記装置の可動範囲内に位置するオブジェクトに関係する幾何データを受け取るステップを含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記幾何データを用いて、前記相互作用経路を生成するステップをさらに含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項18】
アーチファクトと相互作用するように前記動作コースのデータに従って位置調整機械を制御して、その上に取り付けた装置を動作させるステップをさらに含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項19】
前記位置調整機械は、座標測定機械であることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の方法。
【請求項20】
前記位置調整機械は、工作機械であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
コンピュータにより実行されたとき、前記コンピュータに請求項1から20のいずれかに記載の方法を実施させる命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラムコード。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラムコードを担持することを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
プロセッサと、
メモリとを備え、前記プロセッサおよびメモリの少なくとも1つは請求項1から20のいずれかに記載の方法を実施するように適合されることを特徴とするコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−537184(P2010−537184A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521474(P2010−521474)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002823
【国際公開番号】WO2009/024783
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】