説明

動圧軸受装置及びそれを用いたモータ並びにディスク駆動装置

【課題】 毛細管シール部RSにおける流体保持機能を簡易な構成で容易に向上させることを可能とする。
【解決手段】 固定部材15と回転部材21との対向隙間に形成した軸受空間における動圧軸受部SBから毛細管シール部RSに至る流体通路FPに、潤滑流体DFの流動抵抗を増大させる絞り流路FQを設け、衝撃付加時に上記絞り流路FQに発生する流動抵抗によって毛細管シール部RSからの外部リークを良好に防止するように構成したもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定部材と回転部材との対向隙間に形成された動圧軸受部を含む軸受空間内に潤滑流体が充填され、その潤滑流体に対する動圧発生手段の加圧作用により生成される動圧力を利用して前記回転部材を非接触で回転支持させる構成になされた動圧軸受装置及びそれを用いたモータ並びにディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動圧軸受装置及びそれを用いたモータ並びにディスク駆動装置においては、振動、衝撃等があってもディスクへの読み書きが必要とされるために、振動、衝撃等に対して安定して振れ特性を得るようにしている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す動圧軸受装置は、動圧軸受部材(軸受スリーブ)の軸方向一端面と、回転ハブ体の回転中心部分における内表面とが、互いに軸方向に近接してスラスト対向領域が形成されている。そして、そのスラスト対向領域の半径方向外周側に、スラスト動圧軸受部が配置されているとともに、当該スラスト動圧軸受部の軸受外方側に、潤滑流体の外部漏れを防止するための毛細管シール部が連続するように設けられている。
【0004】
このような毛細管シール部を設けるにあたって従来装置では、例えば図5に示されているように、毛細管シール部RSとスラスト動圧軸受部SBとを結んでいる流体通路FP’が、抜け止め手段23’,15b’によって略L字状に折れ曲がるように形成されている。この流体通路FP’は、トルクロスが増大しないように、軸受部以外の隙間は軸受部隙間より大きな隙間となっている。特に抜け止め手段15b’の直径はラジアル軸受直径より大きいロストルクが増大するので十分な隙間が設けられている。
【0005】
ところが、このようなスラスト動圧軸受部SBが軸受部材端面に形成された構造は、スラスト軸受直径が大きいので、スラスト動圧軸受部SBの浮上時の軸受隙間に介在する潤滑流体量が多くなっている。そのため外部から衝撃力が加えられると、その潤滑流体が短時間にしかも従来に比べて大量に移動する。このため、スラスト動圧軸受部SB外方に設置されている毛細管シール部RSに大量の潤滑流体が移動して、毛細管シール部RSでは保持できない状態となり潤滑流体が漏れるという問題が生じていた。すなわち、上述した動圧軸受装置の毛細管シール部では、静止状態で衝撃力が加えられても潤滑流体漏れが発生しない構造であっても、回転時は衝撃に耐えられず、毛細管シール部RSでは移動する潤滑流体を保持できずに漏れるという問題が生じていた。
【0006】
そこで、回転時の耐衝撃性を大きくする必要がある場合には、上述した毛細管シール部RSにおける流体保持機能を強化する必要があるが、毛細管シール部RSそれ自体での機能強化には限界がある。
【0007】
また、衝撃の影響を小さくするために、絞り膜効果を用いたダンピング構造が特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示された動圧軸受装置では、一端が閉塞され他方が開放された凹形状のフレーム内にラジアル滑り軸受が設けられ、このラジアル滑り軸受に対向するように回転軸が回転自在に配置されている。また、凹形状の底側には、該ラジアル滑り軸受の摺動面の径より大なる大径部が回転軸の端部に設けられている。この大径部は、略算盤玉のような形状をしており、最大外径となる突出部とこの突出部と対向する軸受ホルダー部との間に狭ギャップ部が形成されている。そして、上記回転軸に押し込み方向に振動、衝撃等が加わったとすると、充填されている潤滑流体が流体抵抗の大きな狭ギャップ部を通り移動するので、当該部位に大きな絞り膜作用が働き、回転軸の閉塞側に向かう振れが抑制される。
【0008】
しかしながら、潤滑流体の移動量は軸の径方向断面積と外力による軸の移動量の積で求められるが、狭ギャップ部が凹形状の底部でありさらにフレーム内全体に潤滑流体が充填されている等により振動、衝撃等による影響を受ける程度が小さく、移動量は極めて微量である。さらに、この動圧軸受装置には、毛細管シール部は上記狭ギャップ部の近傍ではなく凹形状の開放端側に形成されており、毛細管シール部の液面変化も少ない。そのため、静止時における毛細管シールの耐衝撃性能と回転時における毛細管シールの耐衝撃性能はほぼ等しくなっている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−44789号公報
【特許文献2】特許第2966725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、簡易な構成で、毛細管シール部における流体保持機能を容易に向上させることができるようにした動圧軸受装置及びそれを用いたモータ並びにディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の請求項1にかかる動圧軸受装置では、固定部材と回転部材との対向隙間に形成された動圧軸受部を含む軸受空間において、前記動圧軸受部から、その外方に設けられた毛細管シール部に至る流体通路に潤滑流体の流動抵抗を増大させる絞り流路が設けられていて、衝撃負荷時に、その絞り流路に相対的に大きな流動抵抗が発生し、当該流動抵抗によって毛細管シール部における潤滑流体の外部リークが良好に防止されるようになっている。
【0012】
また、請求項2にかかる動圧軸受装置では、上記請求項1における動圧軸受部が、固定部材を構成している軸受スリーブの軸方向一端面と、その軸受スリーブの軸方向一端面に対して軸方向に近接対向された前記回転部材の表面とにより形成されたスラスト動圧軸受部であるとともに、前記絞り流路が、スラスト動圧軸受部を形成している部材と一体的に形成された絞り部により形成されていて、このような、いわゆるシングルスラスト構造の動圧軸受装置において、毛細管シール部からの潤滑流体の外部リークが特に良好に防止されるようになっている。
【0013】
さらに、請求項3にかかる動圧軸受装置では、上記請求項1における絞り部が、固定部材及び回転部材の少なくとも一方側が他方側に向かって突起する形状になされていることから、毛細管シール部からの潤滑流体の外部リークを防止する絞り部が容易に成形されるようになっている。
【0014】
さらにまた、請求項4にかかる動圧軸受装置では、上記請求項1における絞り流路が潤滑流体の流動方向において少なくとも1箇所設けられていて、必要に応じた数の絞り部が適宜に設けられるようになっている。
【0015】
また、請求項5にかかるモータでは、上記請求項1ないし請求項4までのいずれかに記載された動圧軸受装置を備えており、さらにまた請求項6にかかるディスク駆動装置では、上記請求項5に記載されたモータと、そのモータのロータに搭載された情報記録ディスクと、その情報記録ディスクに対して情報を記録または再生する記録ヘッドとを含むことから、上述した動圧軸受装置と同様な作用が得られる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明にかかる動圧軸受装置及びそれを用いたモータ並びにディスク駆動装置は、固定部材と回転部材との対向隙間に形成した軸受空間における動圧軸受部から毛細管シール部に至る流体通路に、潤滑流体の流動抵抗を増大させる絞り流路を設け、衝撃付加時に上記絞り流路に発生する流動抵抗によって毛細管シール部からの外部リークを良好に防止するように構成したものであるから、毛細管シール部における流体保持機能を簡易な構成で容易に向上させることができ、動圧軸受装置の長寿命化を図ることができるなどによって装置の信頼性を低コストで高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明することとするが、それに先立って、まず本発明を適用する動圧軸受装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)用のスピンドルモータの概略構造を説明しておく。
【0018】
図1は、軸回転型の、いわゆるシングルスラスト構造からなる動圧軸受装置を備えたインナーロータ型HDD用スピンドルモータに本発明を適用した実施形態であるが、そのスピンドルモータの全体は、ステータ組10と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付けられたロータ組20とから構成されている。
【0019】
このうちステータ組10は、図示を省略した磁気ディスク装置の装置本体プレートにネジ止めされる固定部材としてのベースフレーム11を有しており、そのベースフレーム11の最外周部分に環状に立設されたコア保持部12の内周壁面には、ステータコア13の外周リング部が軸方向に挿通されるようにして固定されているとともに、その外周リング部から内方に向かって放射状に突出する複数の各突極部13aにはコイル巻線13bが巻装されている。
【0020】
また、上記ベースフレーム11の略中央部分に取り付けられたリング状のスリーブ保持部14の内周側には、略中空円筒状に形成された動圧軸受部材としての軸受スリーブ15の外周面が、圧入接着や隙間嵌め接着によって一体的に接合されている。本実施形態における軸受スリーブ15はステンレス(SUS)材から構成されているが、加工を容易化する場合にはリン青銅などの銅系材料から構成され、当該軸受スリーブ15の中心部分には軸方向両端に開口部を有する軸受中心孔が貫通形成されている。
【0021】
さらに、上記軸受スリーブ15の軸受中心孔の内部には、前述したロータ組20の一部を構成する回転部材としての回転軸21が回転自在に挿入されている。本実施形態における回転軸21はステンレス(SUS)材から形成されている。そして、この回転軸21の外周面に形成された動圧面と、上述した軸受スリーブ15の内周面に形成された動圧面とは、半径方向に微少隙間を介して半径方向に面対向するように配置され、その微少隙間からなる軸受空間によってラジアル動圧軸受部RBが構成されている。
【0022】
このラジアル動圧軸受部RBの軸受空間は、約数μmのラジアルギャップから構成されており、そのラジアルギャップからなる軸受空間内に、例えばエステル系、あるいはポリαオレフィン系の潤滑性オイル等の潤滑流体が注入され充填されている。また、上記軸受スリーブ15の図示下端側に設けられた開口部には軸受カバー15aが密閉状に取り付けられており、その軸受カバー15aによって前記軸受スリーブ15の開口部が閉塞されていることによって、上述したラジアル動圧軸受部RB内の潤滑流体が外部に漏出しない構成になされている。
【0023】
さらに、上記軸受スリーブ15及び回転軸21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略した例えばヘリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝が、例えば軸方向に2ブロックに分かれて凹設されており、回転軸21の回転駆動時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用により潤滑流体が加圧されて動圧力を生じ、その動圧力によって上記回転軸21が軸受スリーブ15側からラジアル方向に浮上して非接触状態になされ、当該回転軸21とともにその回転軸21の図示上端部分に接合により固着された回転ハブ体22の回転支持が行われるようになっている。
【0024】
その回転ハブ体22には、磁気ディスク等の記録媒体を挿通する支持胴部22aが設けられているとともに、その支持胴部22aの図示下端側には半径方向外方に張り出すディスク載置部22bが設けられている。また、上記ディスク載置部22bの図示直下に相当する位置には、周方向に一定間隔でNS交互に着磁が施された円筒状のロータマグネット22cが固着されている。このロータマグネット22cは、前述したステータコア部13の突極部13aの突出内端面に対して環状に対向するように近接配置されている。なお、上記回転ハブ体22を非磁性のアルミ系金属などで形成した場合には、上記ロータマグネット22cは磁性材料からなるバックヨークを介して取り付けられることとなる。
【0025】
一方、上記回転ハブ体22の中心領域にはスラスト動圧軸受部SBが形成されている。このスラスト動圧軸受部SBは、上記回転ハブ体22における回転中心部分の内面側(図示下面側)に設けられた動圧面と、上述した軸受スリーブ15の軸方向一端面(図示上端面)に形成された動圧面とが、軸方向に近接した状態に対面されることによって形成されており、前述したラジアル動圧軸受部RBから連続するようにして潤滑流体がスラスト動圧軸受部SBを含む軸受空間内に充填されている。
【0026】
そして、スパイラル形状のスラスト動圧発生用溝等からなる動圧発生手段が、上記回転ハブ体22側の動圧面及び軸受スリーブ15側の動圧面の少なくとも一方側に設けられており、回転ハブ体22の回転駆動時に、当該動圧発生手段のポンピング作用によって潤滑流体が加圧されて動圧力を生じ、その潤滑流体の動圧力によって回転ハブ体22が軸方向に浮上して非接触状態となりスラスト方向に回転支持されるようになっている。
【0027】
さらに、上記軸受スリーブ15の図示上端部分には、半径方向外方側に張り出すようにして鍔部15bが設けられており、その鍔部15bの一部が、上記回転ハブ体22の環状段部22dに接合されて取り付けられたリング状の抜け止め部材23の一部に対して軸方向に対向するように配置されている。そして、これら両部材15b,23によって、前記回転ハブ体22が軸方向に抜け出すことを防止する抜け止め手段が構成されている。
【0028】
また、上記スラスト動圧軸受部SBを含む軸受空間の外端側(軸受開放側)には、潤滑流体の外部漏れを防止する毛細管シール部RSが設けられている。この毛細管シール部RSは、前記軸受スリーブ15の外周壁面と、前記抜け止め部材23の内周壁面との間のテーパ状隙間により画成されていて、前述したスラスト動圧軸受部SBを含むスラスト対向領域に対して半径方向外方側に、後述する流体通路を介して連設されるように配置されている。そして、上述したスラスト動圧軸受部SB内の潤滑流体が流体通路を介して毛細管シール部RSに至るまで連続的に充填されている。
【0029】
また、上記毛細管シール部RSの図示下方側への開口部分であって前記軸受スリーブ15の外周壁面にはシール用円周溝15cが凹接されており、そのシール用円周溝15cの溝内壁面からなるシール表面に対して適宜の撥油処理が施されている。また、その毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在する抜け止め部材23のシール外表面には適宜の撥油処理が施されている。
【0030】
ここで、特に図2に示されているように、前述した毛細管シール部RSとスラスト動圧軸受部SBとの間を略L字状に結んでいる流体通路FPの途中部分には、通路内に充填された潤滑流体DFの流動抵抗を増大させる絞り流路FQが設けられている。本実施形態では、上述した軸受スリーブ15における鍔部15bの外周側部分に、その半径方向外方に向かって断面略尖塔状に突出させた環状絞り部15dが形成されている。なお、当該環状絞り部15dは上記鍔部15bと一体的に形成されている。そして、その環状絞り部15bの突出先端部と、前述した回転ハブ体22の環状段部22dの内周壁面との間に画成された狭小部分に上記絞り流路FQが形成されている。
【0031】
このような絞り流路FQを形成している環状絞り部15dは、回転ハブ体22の環状段部22dの側に設けることも可能である。また、その絞り流路FQは、潤滑流体DFの流動方向において1箇所又は複数箇所に設けることができる。
【0032】
このような構成を有する本実施形態では、外部からの衝撃などの負荷が加えられたときなどの高負荷時において上述した絞り流路FQに相対的に大きな流動抵抗が発生することとなり、その流動抵抗によって上記毛細管シール部RSからの潤滑流体の外部リークが良好に防止されるようになっている。
【0033】
また、上述した実施形態における各部材に対応する部材に対して同一の構成物を付した図4に示されている実施形態では、抜け止め部材23の内周面の一部を半径方向内方に向かって断面略尖塔状に一体的に突出させた環状絞り部23aが形成されていて、その環状絞り部23aの突出先端部と、軸受スリーブ15の外周壁面との間に画成された狭小部分によって絞り流路FQ1が形成されている。
【0034】
一方、前述した各実施形態におけるハードディスク駆動装置(HDD)用スピンドルモータは、例えば図5に示されているようなハードディスク駆動装置(HDD)の内部に装着されて使用されて、同様な作用・効果が得られる。
【0035】
すなわち、同図に示されているように、上述した各実施形態にかかるスピンドルモータMは、密閉状のハウジング100を構成している本体プレート100aに固定されることによって使用され、そのスピンドルモータMを含むハウジング100の内部空間は、前記本体プレート100aに嵌合する密閉蓋100bによって清浄空間100cに形成されている。前記スピンドルモータMのロータハブ(図1中の符号22参照)には、ハードディスク等の情報記録ディスク101が搭載されているとともに、前記回転ハブに対して螺子102により固着されたクランプ103によって、前記情報記録ディスク101が不動状態に保持される。
【0036】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもない。
【0037】
例えば、上述した各実施形態は、いわゆる軸回転型の動圧軸受装置に本発明を適用したものであるが、いわゆる軸固定型の動圧軸受装置に対しても本発明は同様に適用することができるものである。
【0038】
さらに、上述した各実施形態は、ハードディスク駆動装置(HDD)に対して本発明を適用したものであるが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の多種多様な装置に用いられるディスク装置、その他の各種モータに対しても同様に適用することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上述べた本発明は、各種モータを始めとして多種多様な回転駆動装置に用いられる動圧軸受装置に対して広く採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたスピンドルモータの動圧軸受装置に用いられている毛細管シール部の配置部分を表した部分拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態における動圧軸受装置に用いられている毛細管シール部の配置部分を表した部分拡大断面図である。
【図4】本発明にかかるスピンドルモータを使用したディスク駆動装置の概略構造例を表した縦断面説明図である。
【図5】従来の動圧軸受装置に用いられている毛細管シール部の配置部分を表した部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0041】
11 ベースフレーム
12 スリーブ保持部
13 ステータコア
15 軸受スリーブ(動圧軸受部材)
15b 鍔部
15d 環状絞り部
21 回転軸(軸部材)
22 回転ハブ体
23 抜け止め部材
23a 環状絞り部
RS 毛細管シール部
FP 流体通路
DF 潤滑流体
FQ,FQ1 絞り流路
RB ラジアル動圧軸受部
SB スラスト動圧軸受部
DF 潤滑流体
M スピンドルモータ
100 ハウジング
101 情報記録ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材と回転部材との対向隙間に形成された動圧軸受部を含む軸受空間内に潤滑流体が充填され、その潤滑流体に対する動圧発生手段の加圧作用により生成される動圧力を利用して前記回転部材を非接触で回転支持させる構成になされたものであって、
前記軸受空間の軸受外方への開口部分に、前記潤滑流体の外部漏れを防止する毛細管シール部が設けられた動圧軸受装置において、
前記軸受空間内であって前記動圧軸受部から毛細管シール部に至るまでの流体通路に、前記潤滑流体の流動抵抗を増大させる絞り流路が設けられていることを特徴とする動圧軸受装置。
【請求項2】
前記動圧軸受部が、前記固定部材を構成している軸受スリーブの軸方向一端面と、その軸受スリーブの軸方向一端面に対して軸方向に近接対向された前記回転部材の表面とにより形成されたスラスト動圧軸受部であるとともに、
前記絞り流路が、前記スラスト動圧軸受部を形成している部材と一体的に形成された絞り部により形成されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項3】
前記絞り部は、前記固定部材及び回転部材の少なくとも一方側が他方側に向かって突起する形状になされていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項4】
前記絞り流路は、前記潤滑流体の流動方向において少なくとも1箇所設けられていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4までのいずれかに記載された動圧軸受装置を備えたことを特徴とするモータ。
【請求項6】
請求項5に記載のモータと、そのモータのロータに搭載された情報記録ディスクと、その情報記録ディスクに対して情報を記録または再生する記録ヘッドとを含むことを特徴とするディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−118531(P2006−118531A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303977(P2004−303977)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】