説明

動物のオスおよびメス、およびヒトにおける受精能の健康状態を改善するための方法および組成物

【課題】男性および女性の受精能を促進するための、生物学的に効果のある化合物の組み合わせを提供する。
【解決手段】ビタミンCおよびE、セレン、フェルラ酸、亜鉛およびビタミンBの有効量の成分を組み合わせに含むことを特徴とする薬学的組成物。具体的に例示すると成分が、重量で:20から80%のL−カルニチン、5から30%のビタミンCおよびE、0から10%の補酵素Q10、0.001から1%のセレン、0.2から20%のフェルラ酸、0.1から2%の亜鉛、および0.001から1%のビタミンBの割合であることを特徴とする薬学的組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受精能の健康状態を改善するための方法および組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遅延出産、不健康な食事、またタバコ、カフェイン、アルコール、薬物の服用および環境汚染物のために、妊娠の困難が経験されている。
【0003】
女性および男性双方の受精能を改善する医薬品の需要がある。
【発明の開示】
【0004】
−発明の概要−
本発明は、男性および女性の受精能を促進するための、生物学的に効果のある化合物の組み合わせを提供する。この組合せは、受精能の健康状態に有効な栄養成分を含む。全ての成分が、それらの個別の効果を測定するためにそれぞれ研究された。本発明は、女性および男性用の処方において、これらの成分を相助的に組み合わせるための最初の生成物を提供する。
【0005】
合衆国におけるカップルの15%ほどもが、子を妊娠することに問題を抱えている。これらの事例の約3分の1については男性が無精子症であり、3分の1については女性が受精能の問題を抱えており、残りの3分の1は男性と女性の受精能の問題の組み合わせあるいは未知の原因に因るものである。これらの事例の多くにおいて、不妊の原因は治療可能である。
【0006】
栄養的変化および生活様式の変化が、懐妊の可能性を高める第一歩であろう。喫煙やカフェイン、薬物およびアルコールの摂取、環境毒物、ストレスは男女の不妊に関連する。
【0007】
生殖器官は、フリーラジカルあるいは、環境毒物および自然老化からの酸化的損傷の影響を非常に受けやすい。バランスの取れた栄養のある食事や、酸化防止剤を多く含んだ栄養補助食品は、前記損傷のいくらかの回復の助けとなり得る。L−カルニチン、ビタミンBおよび亜鉛等の他の栄養素は精子形成および代謝に重要である。女性において、ホルモンバランスは毎月の排卵と黄体(着床のために子宮を調節するために、卵子の放出後プロゲステロンを放出する卵胞)の発現のために重要である。
【0008】
本発明のこれらの、また更なる目的および特徴とその他の目的および特徴は、請求の範囲を伴う明細書を含む本開示の中で明らかとなる。
【0009】
−好ましい実施例の詳細な説明−
本発明は、女性の受精能を促進するための有益な生物学的に効果のある化合物の組み合わせを提供する。本発明は、薬物治療に関連する多胎妊娠の可能性の増大を伴わずに、月経周期の調節とホルモン不安定(黄体機能不全)の修正に寄与することにより不妊を改善する、女性用の科学的に有効な薬草/栄養混合物を提供する。アミノ酸、薬草、ビタミンおよび無機物の組み合わせは、健康全般を改善し、受精能を減退させる欠乏症の多くに役立つ。
【0010】
薬草である、セイヨウニンジンボク(チェストベリー)は、黄体形成ホルモンおよびプロゲステロン放出を増大させ、それにより排卵頻度を増加させることにより女性のホルモンバランスを強化する。酸化防止剤、緑茶、ビタミンEおよびセレンは、性と生殖に関する健康全体を改善する。アミノ酸であるL−アルギニンは、血液の循環を改善することで生殖器官を刺激する。葉酸、ビタミンB6およびB12、鉄、亜鉛およびマグネシウムは、女性の受精能の促進に役立つ。
【0011】
本発明は、男性の受精能を促進するための有益な生物学的に効果のある化合物の組み合わせを提供する。精子は、フリーラジカルあるいは、環境毒物および自然老化からの酸化的損傷の影響を非常に受けやすい。補酵素Q10およびセレンを伴う、あるいは伴わないビタミンCおよびE、緑茶は全て、精子の数および質の改善に役立つ潜在的な酸化防止剤である。ドンクアイ(Dong Quai)中に含まれる酸化防止剤であるフェルラ酸もまた精子の質を改善する。亜鉛およびビタミンB(B6、B12および葉酸)は、男性生殖器系において、ホルモン代謝、精子の形成および運動性にとって重要な栄養素である。アミノ酸であるL−カルニチンは、正常な精子の形成を促進する。L−カルニチンフマル酸塩が好ましい。L−カルニチン酒石酸塩は使用することができる。
【0012】
本発明は、前記組み合わせの相乗作用を提供する。
【0013】
男性および女性の処方における二つの栄養補助食品は、男性および女性にとって有益である。好ましくは、異なる組み合わせが、女性の年齢が21から46歳の間のカップルの双方により服用される。異なる組み合わせは、6ヶ月あるいはそれ以上から3年以下の期間試みたカップルに対し、大成功でなくとも妊娠することにおいて有益である。好ましくは、患者は三ヶ月間異なる処方を一日あたり2から4カプセル服用する。
【0014】
組み合わせの好ましい範囲は、重量パーセントで:
女性の処方
成分 最小% 最大%
セイヨウニンジンボク
(チェストベリー) 2 10
L−アルギニン 40 60
緑茶 5 20
ビタミンE 5 20
セレン 0.01 1
ビタミンB6、B16 0.01 1
葉酸 0.01 1
鉄 0.1 5
マグネシウム 10 40
亜鉛 0.1 5
【0015】
男性の処方
成分 最小% 最大%
L−カルニチン 40 70
ドンクアイ中のフェルラ酸 0.01 10
ビタミンCおよびE 10 40
補酵素Q10 0 5
セレン 0.01 1
亜鉛 0.1 10
ビタミンB 0.001 1
【0016】
女性および男性の処方の許容域は:
女性の処方
成分 最小% 最大%
セイヨウニンジンボク
(チェストベリー) 1 20
L−アルギニン 20 70
緑茶 0 30
ビタミンE 0.01 30
セレン 0 2
ビタミンB6、B16 0 2
葉酸 0 2
鉄 0 7
マグネシウム 0 50
亜鉛 0 10
【0017】
男性の処方
成分 最小% 最大%
L−カルニチン 20 80
ドンクアイ中のフェルラ酸 0 20
ビタミンCおよびE 0.01 40
補酵素Q10 0 10
セレン 0 3
亜鉛 0 15
ビタミンB 0 5
【0018】
有用な処方の例は、重量パーセントで:
女性の処方
成分
セイヨウニンジンボク
(チェストベリー) 5
L−アルギニン 50
緑茶 11
ビタミンE 11
セレン 0.6
ビタミンB6、B16 0.38
葉酸 0.02
鉄 1
マグネシウム 20
亜鉛 1
100%
【0019】
男性の処方
成分 %重量
L−カルニチン 60
ドンクアイ中のフェルラ酸 6
ビタミンCおよびE 30
補酵素Q10 1
セレン 0.6
亜鉛 2
ビタミンB 0.4
100%
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下において、実施例1、2、3は、男性の処方についての組み合わせの好ましい範囲を重量パーセントで提供する:
【実施例1】
【0021】
成分 最小% 最大%
L−カルニチン 40 70
ドンクアイ中のフェルラ酸 0.1 10
ビタミンCおよびE 10 40
緑茶 1 20
セレン 0.01 1
亜鉛 0.1 10
ビタミンB 0.001 1
【実施例2】
【0022】
成分 最小% 最大%
L−カルニチン 20 80
ドンクアイ中のフェルラ酸 0 20
ビタミンCおよびE 0.01 40
緑茶 0 30
セレン 0 3
亜鉛 0 15
ビタミンB 0 5
【実施例3】
【0023】
有用な処方の一つの例は、重量パーセントで:
成分 %重量
L−カルニチン 50.4
ドンクアイ(.190フェルラ酸) 8
ビタミンCおよびE 23
緑茶 17
セレン 0.1
亜鉛 1.3
ビタミンB 0.2
100%
【0024】
本発明は、特定の実施例への言及を開示しているが、本発明の修正および変更は、請求の範囲において明示される本発明の範囲を逸脱することなく実施することができるものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性の受精能促進活性を持つ薬学的組成物であって、ビタミンCおよびE、セレン、フェルラ酸、亜鉛およびビタミンBの有効量の成分を組み合わせに含むことを特徴とする薬学的組成物。
【請求項2】
さらに他の成分であるL−カルニチンの有効量を組み合わせに含むことを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記成分が、重量で:
20から80%のL−カルニチン、
5から30%のビタミンCおよびE、
0から10%の補酵素Q10、
0.001から1%のセレン、
0.2から20%のフェルラ酸、
0.1から2%の亜鉛、および
0.001から1%のビタミンB
の割合であることを特徴とする請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記成分が、重量で:
10から80%のL−カルニチン、
5から50%のビタミンCおよびE、
0から15%の補酵素Q10、
0.001から1%のセレン、
0.2から20%のフェルラ酸、
0.1から15%の亜鉛、および
0.001から1%のビタミンB
の割合であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記成分が、重量で:
60%のL−カルニチン、
25%のビタミンCおよびE、
8%のフェルラ酸を含むドンクアイ、
5%の亜鉛およびビタミンB、
2%の補酵素Q10、および
0.6%のセレン
の割合であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
男性の受精能促進活性を持つ薬学的組成物であって、緑茶、ビタミンC、ビタミンEあるいはセレンを含む酸化防止剤、L−カルニチン、ドンクアイ中のフェルラ酸、ビタミンB6、B12、葉酸、および亜鉛の有効量の成分を組み合わせに含むことを特徴とする薬学的組成物。
【請求項7】
前記成分が、重量で:
5から50%の緑茶、ビタミンC、ビタミンEあるいはセレンを含む酸化防止剤、
10から80%のアミノ酸であるL−カルニチン、
0から1%のドンクアイ中のフェルラ酸、
0から1%のビタミンB6、B12および葉酸、
0から10%の亜鉛
の割合であることを特徴とする請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記成分が、重量で:
20から50%の緑茶、ビタミンC、ビタミンEあるいはセレンを含む酸化防止剤、
40から80%のアミノ酸であるL−カルニチン、
0.01から1%のドンクアイ中のフェルラ酸、
0.003から1%のビタミンB6、B12および葉酸、
1から10%の亜鉛
の割合であることを特徴とする請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
男性の受精能促進活性を持つ薬学的組成物であって、
重量で:
5から50%の緑茶、ビタミンC、ビタミンEあるいはセレンを含む酸化防止剤、
10から80%のアミノ酸であるL−カルニチン、
0.01から1%のドンクアイ中のフェルラ酸、
0.01から1%のビタミンB6、B12および葉酸、
0.1から10%の亜鉛
の割合である成分の有効量を組み合わせに含むことを特徴とする薬学的組成物。
【請求項10】
男性の受精能促進活性を持つ薬学的組成物であって、ビタミンCおよびE、セレン、フェルラ酸、葉酸およびビタミンBの有効量の成分を組み合わせに含むことを特徴とする薬学的組成物。
【請求項11】
さらに他の成分であるL−カルニチンフマル酸塩の有効量を組み合わせに含むことを特徴とする請求項10に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記成分が、重量で:
20から80%のL−カルニチンフマル酸塩、
5から30%のビタミンCおよびE、
1から30%の緑茶、
0.001から1%のセレン、
2から20%のドンクアイ、
0.1から2%の亜鉛および
0.001から1%のビタミンB
の割合であることを特徴とする請求項11に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記成分が、重量で:
20から80%のL−カルニチンフマル酸塩、
5から30%のビタミンCおよびE、
0.1から30%の緑茶、
0.001から1%のセレン、
2から20%のドンクアイ、
0.1から2%の亜鉛および
0.001から1%のビタミンB
の割合であることを特徴とする請求項11に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記成分が、重量で:
10から80%のL−カルニチン、
5から50%のビタミンCおよびE、
1から30%の緑茶、
0.001から1%のセレン、
0.2から20%のドンクアイ、
0.1から5%の亜鉛および
0.001から1%のビタミンB
の割合であることを特徴とする請求項10に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記成分が、重量で:
50%のL−カルニチン、
23%のビタミンCおよびE、
8%のドンクアイ、
2%の亜鉛およびビタミンB、および
17%の緑茶
の割合であることを特徴とする請求項10に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
男性の受精能の健康状態を強化するための新規の栄養補助物質であって、性と生殖に関する健康全体を改善するための酸化防止剤、緑茶、ビタミンC、ビタミンEおよびセレン、男性の受精能を促進するためのアミノ酸であるL−カルニチン、ビタミンB6およびB12、および亜鉛を含むことを特徴とする栄養補助物質。
【請求項17】
男性の受精能の健康を促進するための物質の製造方法であって、ここで前記方法が、L−カルニチン、ドンクアイ、緑茶、ビタミンB6、B12、C、E、葉酸、亜鉛およびセレンを含む栄養補助食品を製造することを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記栄養補助食品が、さらに重量パーセントで、50%のL−カルニチン、17%の緑茶、8%のドンクアイ、23%のビタミンCおよびE、1%の亜鉛、および1%未満のセレン、ビタミンB6およびB12および葉酸を成分として含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
男性の受精能の健康を促進するための物質の製造方法であって、ここで前記方法が、重量で、10から80%のアミノ酸であるL−カルニチン、5から50%の緑茶、ビタミンC、ビタミンEあるいはセレンを含む酸化防止剤、0.1から10%の亜鉛、0.01から1%のフェルラ酸、および0.01から10%のビタミンB6、B12および葉酸の割合である成分の有効量を組み合わせに含む男性の受精能促進活性を持つ栄養補助物質を製造することを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
男性の受精能促進活性を持つ栄養補助物質であって、ここで前記栄養補助物質が、男性の受精能を促進するための処置としての使用に適した緑茶、ビタミンC、Eあるいはセレンを含む酸化防止剤、L−カルニチン、ドンクアイ、ビタミンB6、B12、葉酸および亜鉛の有効量を組み合わせに含むことを特徴とする栄養補助物質。
【請求項21】
接種させることにより男性の受精能を促進する物質の製造方法であって、ここで前記方法が、性と生殖に関する健康全体を改善するための酸化防止剤、緑茶、ビタミンC、ビタミンEおよびセレン、精子の質を改善するためのアミノ酸であるL−カルニチン、男性の受精能を促進するためのドンクアイ中のフェルラ酸、ビタミンB6、B12、葉酸および亜鉛を含む栄養補助物質を製造することを特徴とする方法。

【公開番号】特開2009−256364(P2009−256364A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149811(P2009−149811)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【分割の表示】特願2003−583114(P2003−583114)の分割
【原出願日】平成14年4月8日(2002.4.8)
【出願人】(504378364)ザ デイリー ウェルネス カンパニー (1)
【Fターム(参考)】