説明

医用画像表示装置および方法、並びにプログラム

【課題】複数の3次元医用画像の各々から再構成された断面画像の比較表示に先立って行われる位置合わせ処理に関する操作性のさらなる向上を実現する。
【解決手段】自動位置合わせ処理部34が、複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、位置合わせ処理の結果と、位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力し、断面画像生成部37が、3次元医用画像の各々と位置合わせ処理結果とに基づいて、3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像を3次元医用画像毎に生成し、表示制御部38が、生成された断面画像の各々を表示手段に表示させる際に、位置合わせ確度判定部36が、位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低いと判定した場合に、手動位置合わせ受付部35が、位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の3次元医用画像の各々から再構成された複数の断面画像を比較表示する医用画像表示装置、方法、および、この方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CTやMRI等で得られた3次元医用画像から再構成された断面画像を用いた画像診断が広く行われるようになっている。その際に、例えば、今回の検査で得られた現在画像と前回の検査で得られた過去画像のような、異なる検査で得られた複数の3次元医用画像を入力として、各3次元医用画像から再構成された複数の断面画像を比較表示する技術が提案されている。
【0003】
このとき、例えば、異なる検査で得られた複数の3次元CT画像では、スキャン方向(体軸方向)における撮影範囲が一致しないことが多いため、それら複数の3次元CT画像間で位置合わせ(レジストレーション)処理を行った後、被検体の同じ位置を表す断面画像を各3次元CT画像から再構成することによって、被検体の同一の解剖学的位置を表す断面画像の比較表示を実現している。
【0004】
さらに、表示されている断面画像の1つに対してその画像の一部分を拡大表示させるズーム・パン操作を行った際に、その操作に連動して、他の断面画像でも、その操作が行われた画像と同じ部分を拡大表示させるズーム・パン連携表示技術も提案されている(例えば、特許文献1から4)。
【0005】
また、複数の画像間の位置合わせに関する技術としては、画像認識処理を用いて複数の3次元医用画像の各々から複数のランドマーク(特徴点)を検出し、線形最適化手法等を用いて自動位置合わせを行うことが知られている(例えば、特許文献5)。この特許文献5には、位置合わせ後の3次元医用画像の各々から相対応する断面画像を生成して表示し、1つの3次元医用画像に対するユーザによるランドマークの手動指定を受け付け、指定されたランドマークに対応する他の3次元医用画像中のランドマークを特定し、位置合わせの修正を行い、修正後の3次元医用画像の各々から相対応する断面画像を生成して表示を更新することが記載されている。
【0006】
この他、複数の胸部正面画像に対して非線形の位置合わせ処理を行った後、画像間の右肺および左肺の長さの比を表すパラメータ値が所定の範囲外の場合には、画像間で撮影時の呼吸相が異なる(例えば、吸気不足)旨の警告を表示し、再撮影を促す画像処理システムが知られている(例えば、特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−083030号公報
【特許文献2】特開2007−029248号公報
【特許文献3】特開2006−142022号公報
【特許文献4】特開2008−503253号公報
【特許文献5】特開2009−160045号公報
【特許文献6】特開2005−223776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1から4に記載された比較表示やズーム・パン連携表示の前処理として行われる複数の3次元医用画像間での自動位置合わせ(レジストレーション)処理を完全な精度で行うことは困難である。このため、特に、ズーム・パン連携表示において断面画像の一部を拡大した場合には、位置合わせの誤差が画像上でより顕著になってしまう。
【0009】
これに対して、特許文献5に記載されているように、自動位置合わせ処理に対する手動操作を含む修正処理を取り入れれば、位置合わせの精度の向上が見込まれる。しかしながら、実際の位置合わせ処理の精度(確からしさ)は処理対象の画像の特性によってばらつきがあり、常に手動修正が必要であるとは限らないが、特許文献5では、この点については言及されておらず、操作性の点において改善の余地がある。
【0010】
また、特許文献6の画像処理システムでは、位置合わせ処理の精度が低い場合には警告表示を行って再撮影を促すことによって、位置合わせ処理の精度が高くなるような画像が処理対象となるようにしているが、位置合わせ処理の精度が低い場合に常に再撮影ができるとは限らない。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の3次元医用画像の各々から再構成された断面画像の比較表示に先立って行われる位置合わせ処理に関する操作性のさらなる向上を実現する医用画像表示装置および方法、並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の医用画像表示装置の第1の態様は、複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力する位置合わせ手段と、前記3次元医用画像の各々と前記位置合わせ処理結果とに基づいて、前記3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像を、前記3次元医用画像毎に生成する断面画像生成手段と、生成された前記断面画像の各々を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えたものであって、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行う報知手段をさらに設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の医用画像表示装置の第2の態様は、複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力する位置合わせ手段と、前記3次元医用画像の各々に表された被検体の所与の断面を表す断面画像を表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、前記断面画像のうちの1つの断面画像に対するズーム位置の指定を受け付ける位置指定受付手段と、前記1つの断面画像中の前記指定されたズーム位置を拡大した第1の拡大画像を生成するとともに、前記位置合わせ処理結果に基づいて、前記1つの断面画像とは異なる断面画像中の前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置を拡大した第2の拡大画像を生成する拡大画像生成手段と、前記第1および第2の拡大画像を表示手段に表示させる第2の表示制御手段とを備えたものであって、前記位置指定手段による前記ズーム位置の指定を受け付けた後、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行う報知手段をさらに設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明の医用画像表示方法の第1の態様は、複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力し、前記3次元医用画像の各々と前記位置合わせ処理結果とに基づいて、前記3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像を、前記3次元医用画像毎に生成し、生成された前記断面画像の各々を表示手段に表示するものであって、さらに、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うステップを行うようにしたことを特徴とする。
【0015】
本発明の医用画像表示方法の第2の態様は、複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力し、前記3次元医用画像の各々に表された被検体の所与の断面を表す断面画像を表示手段に表示し、前記断面画像のうちの1つの断面画像に対するズーム位置の指定を受け付け、前記1つの断面画像中の前記指定されたズーム位置を拡大した第1の拡大画像を生成するとともに、前記位置合わせ処理結果に基づいて、前記1つの断面画像とは異なる断面画像中の前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置を拡大した第2の拡大画像を生成し、前記第1および第2の拡大画像を表示手段に表示するものであって、さらに、前記ズーム位置の指定を受け付けた後、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うステップを行うようにしたことを特徴とする。
【0016】
本発明の医用画像表示プログラムは、コンピュータに上記方法を実行させるためのものである。
【0017】
本発明の「3次元医用画像」として、被検体を所与のスキャン方向にスキャンすることによって取得された画像を用いることが好ましい。
【0018】
この場合、「位置合わせ処理」において、スキャン方向における解剖学的位置を合わせる処理を行うことが好ましい。
【0019】
「位置合わせ処理の結果」は、複数の3次元医用画像のうちの少なくとも1つの画像を座標変換して得られた画像であってもよいし、複数の画像間の位置の対応関係を表す関数や対応表であってもよい。
【0020】
「位置合わせ確度」の具体例としては、位置合わせ処理の際に算出される相互相関係数や相互情報量等の画像間の類似性を表す尺度や、位置合わせ後の画像中の解剖学的構造物等の大きさや傾き等の計測値の画像間での比率等が挙げられる。
【0021】
位置合わせ確度についての「所定の基準」は、位置合わせ確度の閾値との大小関係とすることが考えられる。
【0022】
「位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知」には、その旨のメッセージを表示することの他、位置合わせ結果の手動修正を受け付けるユーザインターフェースを表示することも含む。すなわち、このユーザインターフェースを表示することによって、位置合わせ処理の結果の修正が促されるので、上記報知を行ったことになる。
【0023】
この手動修正のためのユーザインターフェースの具体例としては、3次元医用画像のスキャン方向に平行な断面による断面画像を表示手段に表示させ、スキャン方向における位置合わせ結果の手動修正を受け付けるものが挙げられる。
【0024】
また、本発明において、複数の3次元医用画像の各々に関連づけられた、3次元医用画像中の各位置の座標の基になる基準座標系とその3次元医用画像中の被検体との位置関係を識別する基準座標系識別子を用いて位置合わせ処理や報知等の制御を行うことも考えられる。
【0025】
ここで、「基準座標系識別子」とは、少なくとも基準座標系の原点と被検体との位置関係を識別するものである。図11は、3次元医用画像に対して基準座標系識別子がどのように関連づけられているかを模式的に表した例である。図に示したように、3次元医用画像VAとVBとでは、被検体の体軸方向の撮影範囲は異なるが、被検体に対する座標軸の原点の位置は同じであるから、3次元医用画像VAとVBには同じ基準座標系識別子が関連づけられている。一方、3次元医用画像VAとVCとでは、被検体に対する座標軸の原点の位置が異なるので、3次元医用画像VAとVCには異なる基準座標系識別子が関連づけられている。また、「基準座標系識別子」は、基準座標系の座標軸の向きをさらに識別するものであってもよい。例えば、図11の3次元医用画像VDのような座標系を有する画像があった場合には、3次元医用画像VAとVDとでは、体軸方向の撮影範囲は同じであり、被検体に対する座標軸の原点の位置も同じであるが、被検体に対するx、y、zの各座標軸の向きが異なるので、3次元医用画像VAとVDには異なる基準座標系識別子が関連づけられている。
【0026】
このように基準座標系識別子を設定するには、例えば、複数の3次元医用画像の取得を行うモダリティでは、被検体のポジショニングの変更を伴わない一連の撮影によって被検体中の同じ位置の座標値が各画像間で一致するように生成された複数の3次元医用画像には、共通の基準座標系識別子を設定するようにしておくことが考えられる。あるいは、複数の原画像から所与の関心領域を切り出したものを上記の複数の3次元医用画像とする場合であれば、切り出された各3次元医用画像中の関心領域は、被検体中の同じ位置を表すものであるから、その切出し処理を行う装置において、切り出された各3次元医用画像に対して同じ基準座標系に基づいて各位置の座標を決定するようにしておき、各3次元医用画像には共通の基準座標系識別子を設定するようにしておいてもよい。
【0027】
また、基準座標系識別子を用いた位置合わせ処理や報知等の制御の具体例としては、複数の3次元医用画像の各々に関連づけられた基準座標系識別子が複数の3次元医用画像間で一致するかどうかを判定するようにし、基準座標系識別子が複数の3次元医用画像間で一致しない場合には前記位置合わせ処理を行うようにし、基準座標系識別子が複数の3次元医用画像間で一致する場合には、前記位置合わせ処理を行わないようにし、前記報知を行わないようにすることが考えられる。後者の場合、本発明の第1の態様では、前記断面画像は、複数の3次元医用画像の各々を構成する各画素の位置情報に基づいて生成するようにし、第2の態様では、前記第1の拡大画像を生成するとともに、前記1つの断面画像中の指定されたズーム位置と同じ位置情報を有する、前記1つの断面画像とは異なる断面画像中の位置を前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置として拡大した第2の拡大画像を生成するようにすればよい。
【0028】
さらに、基準座標系識別子が複数の3次元医用画像間で一致しない場合には、前記位置合わせ処理を行うか否かの選択を受け付けるようにし、前記位置合わせ処理を行う旨の選択を受け付けた場合にのみ、前記位置合わせ処理を行うようにしてもよい。
【0029】
ここで、前記位置合わせ処理を行わない旨の選択を受け付けた場合には、複数の3次元医用画像中の解剖学的位置を手動で合わせる操作を受け付け、前記断面画像は、前記3次元医用画像の各々と前記手動位置合わせの結果とに基づいて生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、複数の3次元医用画像に関する各断面画像、あるいは、各拡大画像を生成・表示する際に、位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度が低い場合にのみ、位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うようにしたので、ユーザは位置合わせ確度が高い場合には位置合わせ処理の修正作業を意識する必要がなくなり、医用画像の表示の際の操作性が向上する。
【0031】
また、本発明の他の態様では、複数の3次元医用画像の各々に関連づけられた、3次元医用画像中の各位置の座標の基になる基準座標系と該3次元医用画像中の被検体との位置関係を識別する基準座標系識別子に着目し、複数の3次元医用画像間で基準座標系識別子が一致する場合には、複数の3次元医用画像に表された被検体中の相対応する位置の座標値が画像間で一致するので前記位置合わせ処理が不要であることを利用している。すなわち、基準座標系識別子が、複数の3次元医用画像間で一致するかどうかを判定するようにし、基準座標系識別子が複数の3次元医用画像間で一致しない場合には前記位置合わせ処理を行うようにし、基準座標系識別子が複数の3次元医用画像間で一致する場合には、前記位置合わせ処理を行わず、前記報知も行わないようにすれば、不必要な位置合わせ処理が削減されるので、処理効率が向上するとともに、不必要な報知が行われなくなるので、操作性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態における医用画像表示装置が導入された医療情報システムの概略構成図
【図2】本発明の第1の実施形態における医用画像比較表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図3】本発明の第1の実施形態における医用画像診断システムを用いた画像診断の流れを表したフローチャート
【図4】位置合わせ方式の選択画面の一例を表した図
【図5】手動位置合わせを行うためのユーザインターフェースの一例を示した図
【図6】位置合わせ精度の警告画面の一例を示した図
【図7A】断面画像の比較表示の第1の例を示した図
【図7B】断面画像の比較表示の第2の例を示した図
【図7C】断面画像の比較表示の第3の例を示した図
【図8】本発明の第2の実施形態における医用画像比較表示機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図
【図9】本発明の第2の実施形態における医用画像診断システムを用いた画像診断の流れを表したフローチャート
【図10】拡大画像の比較表示の一例を示した図
【図11】3次元画像中の基準座標系と被検体との位置関係を模式的に表した図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態となる医用画像表示装置が導入された医療情報システムについて説明する。
【0034】
図1は、この医用画像診断システムの概要を示すハードウェア構成図である。図に示すように、このシステムでは、モダリティ1と、画像保管サーバ2と、画像処理ワークステーション3とが、ネットワーク9を経由して通信可能な状態で接続されている。
【0035】
モダリティ1には、被検体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表す3次元医用画像の画像データを生成し、その画像データにDICOM規格で規定された付帯情報を付加して、画像情報として出力する装置が含まれる。具体例としては、CT、MRIなどが挙げられる。本実施形態では、CTで被検体の体軸方向にスキャンすることによって3次元画像データを生成する場合について説明する。
【0036】
画像保管サーバ2は、モダリティ1で取得された医用画像データや画像処理ワークステーション3での画像処理によって生成された医用画像の画像データを画像データベースに保存・管理するコンピュータであり、大容量外部記憶装置やデータベース管理用ソフトウェア(たとえば、ORDB(Object Relational Database)管理ソフトウェア)を備えている。
【0037】
画像処理ワークステーション3は、読影者からの要求に応じて、モダリティ1や画像保管サーバ2から取得した医用画像データに対して画像処理(画像解析を含む)を行い、生成された画像を表示するコンピュータであり、CPU,主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置(マウス、キーボード等)、表示装置(ディスプレイモニタ)、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものである。本発明の医用画像比較表示処理は、この画像処理ワークステーション3に実装されており、この処理は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムを実行することによって実現される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバの記憶装置からダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
【0038】
画像データの格納形式やネットワーク9経由での各装置間の通信は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)等のプロトコルに基づいている。
【0039】
図2は、画像処理ワークステーション3の機能のうち、本発明の第1の実施形態となる医用画像比較表示処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示すように、本発明の実施形態となる医用画像比較表示処理は、主制御部30、画像データ取得部31、基準座標系判定部32、位置合わせ方式選択受付部33、自動位置合わせ処理部34、手動位置合わせ受付部35、位置合わせ確度判定部36、断面画像生成部37、表示制御部38によって実現される。なお、図では、主制御部30と他の機能ブロックとの間での制御の流れは示していない。
【0040】
主制御部30は、本発明の実施形態となる医用画像比較表示処理全体の制御を行う。詳細については、図3を用いて後述する。
【0041】
画像データ取得部31は、公知のオーダリングシステムの操作端末インターフェースや、公知の画像検索システムの操作端末インターフェースであり、ユーザによって指定された3次元画像データを特定する情報(例えば、検査情報や患者情報)を検索キーとして、画像保管サーバ2の画像データベースに対して検索を行い、処理対象の3次元医用画像データV1, V2を取得する。本実施形態では、3次元医用画像データV1, V2は、CT撮影で得られた、同一患者の同一部位を表すものとする。
【0042】
基準座標系判定部32は、処理対象の3次元医用画像データV1, V2の各々に対して、DICOM規格に基づいて付帯された基準座標系(Frame of Reference)UID(タグ(0020,0052))が一致するかどうかを判定する。ここで、基準座標系UIDは、3次元医用画像V1, V2中の各位置の座標の基になる基準座標系と3次元医用画像V1, V2中の被検体との位置関係を識別するものであり、モダリティ1において、同一検査の同一シリーズで得られた3次元医用画像データV1, V2では、基準座標系UIDに同じ値が設定される。また、同一検査の異なるシリーズで得られた画像データであっても、上記の位置関係を変えることなく撮影・取得されたものであれば、基準座標系UIDには同じ値が設定されうる。
【0043】
位置合わせ方式選択受付部33は、ユーザに3次元医用画像データV1とV2の位置合わせを自動で行うか、手動で行うかを選択させるためのユーザインターフェースを表示装置に表示させる。図4はこのユーザインターフェースの具体例である。図に示したように、ユーザは、ラジオボタンに対するマウスのクリック操作によって、自動・手動を選択することができる。
【0044】
自動位置合わせ処理部34は、3次元医用画像データV1とV2の内容的特徴に基づいて画像中の被検体の解剖学的位置を自動的に合わせる処理を行い、位置合わせ後の3次元医用画像データV1, V2Aを出力するとともに、位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度ACを出力する。この自動位置合わせ処理としては、公知の手法を採用することができる。例えば、各3次元医用画像データV1, V2の各々から再構成された複数のアキシャル断面画像の各々に対して、被検体の撮影部位を認識する処理を行い、両3次元画像間で異なる部位の境界の位置が一致するようにスキャン方向(体軸方向)の位置を合わせる手法が挙げられる。ここで、被検体が人体の場合、認識される撮影部位は、例えば、頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部となる。また、各部位を認識する際には、各アキシャル断面画像中の人体領域内の空気領域や骨領域の人体領域に対する割合、その人体領域の周長と同じ周長を有する円の面積に対する人体領域の面積の割合(円形度)等の多種の特徴量を用いて、Adaboost手法に基づく学習で得られる判別器によって、アキシャル断面画像毎に、各部位らしさを表すスコアを算出し、そのスコアを用いて、動的計画法により、人体の体部の解剖学的位置関係に整合するように、各アキシャル断面画像の撮影部位を決定する(詳細は、特開2009-219655号公報参照)。この手法を用いた場合、位置合わせ確度ACとしては、アキシャル断面画像毎の各部位らしさを表すスコアから算出された値(例えば、平均値や中間値等)を用いることができる。なお、自動位置合わせの具体的手法は、この他、特許文献5に記載の画像相関を用いた手法やランドマークを用いた手法を採用してもよいし、剛体または非剛体レジストレーション手法(例えば、Rueckert D Sonoda LI,Hayes C,et al.、“Nonrigid Registration Using Free-Form Deformations:Application to Breast MR Images”、IEEE Transactions on Medical Imaging、1999年、Vol.18,No.8,pp.712-721参照)等を採用してもよい。
【0045】
手動位置合わせ受付部35は、ユーザに3次元医用画像データ(例えばV1とV2)の位置合わせを手動で行わせるためのユーザインターフェースを表示装置に表示させ、ユーザによる手動位置合わせ操作に応じて、3次元医用画像データ(例えばV1とV2)の位置合わせを行い、位置合わせ後の3次元医用画像データ(例えばV1, V2B)を出力する。図5はこのユーザインターフェースの具体例である。図に示したように、3次元医用画像データV1とV2の各々から再構成したコロナル断面画像SC1, SC2を、各画像の座標値を基準にして被検体の体軸方向の位置を揃えて表示させ、ユーザは、マウス操作により、コロナル断面画像SC1, SC2中の同一の解剖学的構造物の体軸方向における位置が揃うように、コロナル断面画像SC2を体軸方向(画面では上下方向)に移動させる。その際、ユーザは、これらのコロナル断面画像の所望の位置に被検体の体軸に垂直な基準線RLを設定することにより、注目した解剖学的構造物の位置を容易に揃えることができる。ユーザがマウス等の操作により実行ボタンを押下すると、手動位置合わせ受付部35は、コロナル断面画像SC2の当初の位置からの移動量を算出し、3次元医用画像データV2をこの移動量だけ体軸方向に移動する座標変換を行い、3次元医用画像データV2Bを出力する。なお、図3を用いて後述するように、自動位置合わせ処理部34による位置合わせ結果を修正する際にも上記と同様のユーザインターフェースを用いることができる。
【0046】
位置合わせ確度判定部36は、位置合わせ確度ACが所定の閾値Th以上であるかどうかを判定する。なお、本実施形態では、位置合わせ確度ACの値が大きいほど、位置合わせの確からしさが高い、すなわち位置合わせの精度が良いことを表すものとする。
【0047】
断面画像生成部37は、公知のMPR手法を用いて、入力された3次元医用画像データ(例えばV1)から所与の断面による断面画像(例えばS1)を再構成する。ここで、断面の傾きや位置、スライス厚等の詳細な条件は、設定ファイルやプログラムの起動パラメータ等から取得したり、これらの条件の入力を受け付けるユーザインターフェースから取得したりすることができる。本実施形態では、断面画像生成部38は、入力画像の種類(モダリティ)等に応じて画像処理条件や画面レイアウト等を予め定義したハンギングプロトコルが設定された設定ファイルに基づいて、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの3つの断面画像を生成するものとする。なお、断面の位置や傾きは入力された3次元医用画像データの座標値に基づいて決定することができる。
【0048】
表示制御部38は、上記のハンギングプロトコルに基づいて、表示対象の断面画像を表示装置に表示させるための制御を行う。図7Aは、断面画像の表示例であり、3次元医用画像データV1から再構成されたアキシャル(左上)、コロナル(左下)、サジタル(右上)の3つの断面画像S1と、位置合わせ後の3次元医用画像データV2Aから再構成されたアキシャル、コロナル、サジタルの3つの断面画像S2Aとが、断面の種別(傾き)毎に相対応する位置が揃うように並べられて表示されている。
【0049】
次に、図2,4,5,7Aを参照しつつ、図3のフローチャートを用いて、本発明の第1の実施形態となる医用画像の比較表示による画像診断の流れについて説明する。
【0050】
本発明の第1の実施形態となる複数の断面画像の比較表示のためのソフトウェアがユーザによって起動されると、主制御部30は画像データ取得部31を呼び出し、表示対象の画像データの取得を行わせる(#1)。具体的には、まず、ユーザが、画像処理ワークステーション3に実装された公知のオーダリングシステムの操作端末インターフェースを操作し、診断対象の3次元医用画像データV1の取得を要求する。画像データ取得部31は、その操作に応じて、依頼元の診療科の医師からの検査オーダーに基づいてモダリティ1で撮影され、画像保管サーバ2に保管された診断対象の3次元医用画像データV1を取得する。次に、ユーザが、画像処理ワークステーション3に実装された公知の画像検索システムの操作端末インターフェースを操作して、比較対象の3次元医用画像データ、すなわち、診断対象の3次元医用画像データV1と同一患者の3次元医用画像データの取得を要求する。画像データ取得部31は、その操作に応じて、例えば、取得した3次元医用画像データV1に付帯する患者情報を検索キーとして、画像保管サーバ2の画像データベースに対して検索を行い、診断対象の患者の他の3次元医用画像データV2を取得する(#1)。
【0051】
主制御部30は、次に、基準座標系判定部32を呼び出すと、基準座標系判定部32は、取得された3次元医用画像データV1, V2の各々に付帯するDICOMタグを解析して基準座標系を読み取り、基準座標系UIDが一致するかどうか判定し、判定結果を主制御部30に返す(#2)。
【0052】
判定の結果、基準座標系UIDが一致しない場合には(#2;No)、主制御部30は位置合わせ方式選択受付部33を呼び出す。位置合わせ方式選択受付部33は図4に例示したユーザインターフェースを表示装置に表示させ、ユーザによる「自動」・「手動」の選択結果を主制御部30に返す(#3)。
【0053】
ユーザが「自動」を選択した場合(#3;自動)、主制御部30は自動位置合わせ処理部34を呼び出し、自動位置合わせ処理部34は、3次元医用画像データV1, V2中の被検体の解剖学的位置を自動的に合わせる処理を行い、位置合わせ後の3次元医用画像データV1, V2Aを出力するとともに、位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度ACを出力する(#4)。
【0054】
主制御部30は、自動位置合わせ処理が完了すると、位置合わせ確度判定部36を呼び出し、位置合わせ確度判定部36は位置合わせ確度ACが所定の閾値Th以上であるかどうかを判定し、判定結果を主制御部30に返す(#5)。
【0055】
判定の結果、位置合わせ確度ACが所定の閾値Th未満であった場合(#5;No)、主制御部30は、手動位置合わせ受付部35を呼び出し、手動位置合わせ受付部35が位置合わせ結果の手動修正を受け付ける(#6)。これにより、自動位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知が行われたことになる。ここでは、手動位置合わせ受付部35は、図5に例示したユーザインターフェースを表示装置に表示させる。すなわち、自動位置合わせ後の3次元医用画像データV1とV2Aの各々から再構成したコロナル断面画像SC1, SC2Aが、位置合わせ後の各画像の座標値を基準にして被検体の体軸方向の位置が揃えられた状態で表示される。ユーザがマウス操作を行って、コロナル断面画像SC2Aを体軸方向に移動させることによって、位置合わせ結果を修正すると、手動位置合わせ受付部35は、コロナル断面画像SC2Aの移動量に基づいて位置合わせ結果の修正後の3次元医用画像データV2Cを出力する。
【0056】
主制御部30は、位置合わせ結果の手動修正が完了すると、断面画像生成部37を呼び出す。断面画像生成部37は、設定ファイルに定義されたハンギングプロトコルに基づいて、3次元医用画像データV1と位置合わせ修正後の3次元医用画像データV2Cの各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2Cを生成する(#7)。
【0057】
そして、主制御部30は表示制御部38を呼び出し、表示制御部38は、上記ハンギングプロトコルに基づいて、図7Aに例示したように、3次元医用画像データV1から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタルの3つの断面画像S1と、位置合わせ後の3次元医用画像データV2Cから再構成されたアキシャル、コロナル、サジタルの3つの断面画像S2Cとを表示装置に並べて表示させる(#8)。
【0058】
一方、ステップ#5において、位置合わせ確度ACが所定の閾値Th以上であった場合(#5;Yes)、上記ステップ#6の自動位置合わせ処理結果の手動修正をスキップし、主制御部30は、上記ステップ#7と同様に、断面画像生成部37を呼び出し、断面画像生成部37は、3次元医用画像データV1と自動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Aの各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2Aを生成する(#7)。
【0059】
そして、上記ステップ#8と同様に、主制御部30は表示制御部38を呼び出し、表示制御部38は、図7Aに例示したように、3次元医用画像データV1と自動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Aの各々から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタル断面画像S1, S2Aを表示装置に並べて表示させる(#8)。
【0060】
また、ステップ#3において、ユーザが「手動」を選択した場合(#3;手動)、主制御部30は手動位置合わせ受付部35を呼び出し、手動位置合わせ受付部35は、図5に例示したように、3次元医用画像データV1とV2の各々から再構成したコロナル断面画像SC1, SC2を、各画像の座標値を基準にして被検体の体軸方向の位置を揃えて表示させ、上記ステップ#6と同様に、ユーザによるコロナル断面画像SC2の移動操作を受け付け、その移動量に基づいて、位置合わせ後の3次元医用画像データV2Bを出力する(#9)。
【0061】
主制御部30は、手動位置合わせが完了すると、上記ステップ#7と同様に、断面画像生成部37を呼び出し、断面画像生成部37は、3次元医用画像データV1と手動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Bの各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2Bを生成する(#7)。
【0062】
そして、上記ステップ#8と同様に、主制御部30は表示制御部38を呼び出し、表示制御部38は、図7Aに例示したように、3次元医用画像データV1と手動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Bの各々から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタル断面画像S1, S2Bを表示装置に並べて表示させる(#8)。
【0063】
また、ステップ#2において、基準座標系UIDが一致すると判定された場合には(#2;Yes)、上記ステップ#3から#6までをスキップし、主制御部30は、断面画像生成部37を呼び出し、断面画像生成部37は、上記ステップ#7と同様に、3次元医用画像データV1とV2の各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2を生成する(#7)。
【0064】
そして、上記ステップ#8と同様に、主制御部30は表示制御部38を呼び出し、表示制御部38は、図7Aに例示したように、3次元医用画像データV1とV2の各々から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタル断面画像S1, S2を表示装置に並べて表示させる(#8)。
【0065】
以上のように、本発明の第1の実施形態では、自動位置合わせ処理部34が、3次元医用画像V1, V2中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、位置合わせ確度判定部36が位置合わせ確度ACが所定の基準を満たさない程度に低いと判定した場合には、手動位置合わせ受付部35が位置合わせ処理の結果の手動修正を受け付け、断面画像生成部37は、位置合わせ後の3次元医用画像データV1とV2Cに基づいて、3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像S1, S2Cを生成し、表示制御部38が、生成された断面画像S1, S2Cを表示装置に表示させることができる。一方、位置合わせ確度ACが所定の基準を満たす程度に高いと判定された場合には、手動位置合わせ受付部35による手動位置合わせのユーザインターフェースは表示されないので、ユーザは位置合わせ処理の修正作業を意識することなく、断面画像の読影をすることが可能になり、医用画像の表示の際の操作性が向上する。
【0066】
また、基準座標系判定部32が、3次元医用画像データV1, V2に付帯する基準座標系UIDが両画像間で一致するかどうかを判定し、基準座標系UIDが両画像間で一致しない場合には自動位置合わせ処理部34または手動位置合わせ処理部35による位置合わせ処理を行い、基準座標系UIDが両画像間で一致する場合には、前記位置合わせ処理を行わないようにし、3次元医用画像データV1, V2の座標値に基づいて相対応する断面を表す断面画像S1, S2を生成するようにしたので、そもそも位置合わせ処理が不要な場合には位置合わせ処理が行われなくなり、画像処理ワークステーション3の処理効率が向上するとともに、不要な手動位置合わせのユーザインターフェースが表示されなくなり、操作性がさらに向上する。
【0067】
ところで、3次元医用画像データV1とV2では、CTのスキャン方向(体軸方向)における撮影範囲が異なることがある。そこで、上記実施形態では、図7Aに例示したように、表示制御部38が、スキャン方向に平行な断面によるコロナル断面画像(各左下)およびサジタル断面画像(各右上)の表示範囲を撮影範囲の狭いものに合わせるように、各断面画像の表示範囲を決定している。すなわち、図7Aの例では、3次元医用画像データV1, V2の各々から生成されたコロナル断面画像およびサジタル断面画像が、スキャン方向の位置が揃えられ、さらに、3次元医用画像データV1, V2のうち、スキャン方向の撮影範囲がより広い方から生成されたコロナルおよびサジタル断面画像については、スキャン方向の撮影範囲が狭い方の断面画像と撮影範囲が共通する範囲のみが表示されている。各断面画像の表示態様としては、上記の他に、図7Bに例示したように、コロナル断面画像およびサジタル断面画像の表示範囲を撮影範囲の広いものに合わせるようにしてもよい。
【0068】
また、図7Cに例示したように、3次元医用画像データV1, V2の各々から生成されたコロナル断面画像およびサジタル断面画像のスキャン方向の位置を揃えずに、コロナル断面画像毎およびサジタル断面画像毎に縮尺を変えて、各コロナル断面画像および各サジタル断面画像が表示領域全体に表示されるようにすることも考えられる。しかしながら、このような表示態様の場合には、各コロナル断面画像間および各サジタル断面画像間でスキャン方向の位置は揃わなくなってしまう。
【0069】
そこで、本発明の第2の実施形態では、コロナルおよびサジタル断面画像の表示の際にはスキャン方向の位置を揃えずに、表示されている複数のコロナル(またはサジタル)断面画像の一方に対してその画像の一部分を拡大表示させるズーム・パン操作をユーザが行った際に、その操作に連動して、他方のコロナル(またはサジタル)断面画像でも、その操作が行われた画像と同じ部分を拡大表示させるズーム・パン連携表示を行う機能を付加し、このズーム・パン連携表示の際に、拡大されたコロナル(またはサジタル)断面画像をスキャン方向の位置を揃えて表示を行う態様について説明する。
【0070】
図8は、画像処理ワークステーション3の機能のうち、本発明の第2の実施形態となる医用画像比較表示処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示すように、図2に示した第1の実施形態のブロック図と比較すると、ズーム位置指定受付部39、拡大画像生成部40が付加され、表示制御部38が断面画像表示制御部38Aと拡大画像表示制御部38Bに分割された構成となっている。以下、第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0071】
断面画像表示制御部38Aは、第1の実施形態における表示制御部38と同様に、所定のハンギングプロトコルに基づいて、表示対象の断面画像を表示装置に表示させるための制御を行うが、前述のとおり、図7Cに例示したように、各断面画像の縮尺を適宜変更して各画像全体が各表示領域全体に表示されるように制御を行う。
【0072】
ズーム位置指定受付部39は、表示された断面画像のうちの1つの断面画像に対するズーム位置ZPの指定を受け付けるユーザインターフェースである。例えば、図7Cの左側のコロナル断面画像に示したように、ユーザが断面画像中のズーム表示を行いたい位置にマウスのポインタを合わせてダブルクリック操作を行うことによって、ポインタの位置をズーム位置ZPとして受け付ける。あるいは、断面画像中のズーム表示を行いたい領域(図7Cの矩形領域ZR)をマウスのドラッグ操作によって指定し、マウスの右クリック操作によって、サブメニューを表示させ、表示されたサブメニューから「指定された領域をズーム連動表示」を選択することによって、指定された矩形領域をズーム対象領域ZRとして受け付けるようにすること等、様々なユーザインターフェースが考えられる。なお、ズーム位置ZPやズーム対象領域ZRは、3次元の座標情報と、その指定が行われた断面画像の断面の種別(傾き)を特定する情報とを含んでいる。
【0073】
拡大画像生成部40は、入力された3次元医用画像データ(例えばV1)およびズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRに基づいて、ズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRを拡大した拡大画像(例えばZ1)を生成する。ここで、拡大画像の生成の際の拡大倍率や、ズーム対象位置ZPが指定された場合のズーム対象領域は、設定ファイルやプログラムの起動パラメータ等から取得したり、これらの条件の入力を受け付けるユーザインターフェースから取得したりすることができる。また、ズーム対象領域ZRが指定された場合には、ズーム対象領域ZRのサイズと拡大画像が表示される領域のサイズとの関係から拡大倍率を算出することもできる。また、拡大画像は、ズーム対象位置ZPやズーム対象領域ZRの指定が行われた断面画像と同じ断面を表すものである。なお、拡大画像(例えばZ1)を断面画像(例えばS1)から生成するようにしてもよい。
【0074】
拡大画像表示制御部38Bは、表示対象の拡大画像を表示装置に表示させるための制御を行う。図10は、拡大画像の表示例であり、3次元医用画像データV1から再構成された拡大画像Z1と、位置合わせ後の3次元医用画像データV2から生成された拡大画像Z2とが、スキャン方向(体軸方向)における相対応する位置が揃うように並べられて表示されている。
【0075】
次に、図4,5,7C,8を参照しつつ、図9のフローチャートを用いて、本発明の第2の実施形態となる医用画像の比較表示による画像診断の流れについて説明する。
【0076】
図9に示したように、本発明の第2の実施形態では、複数の断面画像の比較表示のためのソフトウェアの起動から、表示対象の画像データの取得(#11)、基準座標系の判定(#12)、基準座標系が不一致の場合(#12;No)の位置合わせ方式の選択受付(#13)、「自動」が選択された場合(#13;自動)の自動位置合わせ処理(#14)までは、第1の実施形態のステップ#1から#4までと同様である。
【0077】
しかしながら、本発明の第2の実施形態では、自動位置合わせ処理の完了後に位置合わせ確度ACの判定を行わずに、主制御部30は断面画像生成部37を呼び出し、断面画像生成部37が、3次元医用画像データV1と自動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Aの各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2Aを生成する(#15)。そして、主制御部30は断面画像表示制御部38Aを呼び出し、断面画像表示制御部38Aは、図7Cに例示したように、3次元医用画像データV1と自動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Aの各々から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタル断面画像S1, S2Aを表示装置に並べて表示させる(#16)。
【0078】
また、ステップ#13において、ユーザが「手動」を選択した場合には、(#13;手動)、主制御部30は手動位置合わせ受付部35を呼び出し、手動位置合わせ受付部35において、第1の実施形態のステップ#9と同様の手動位置合わせが行われる(#22)。このとき、位置合わせ確度ACには最大値が設定される。主制御部30は、手動位置合わせが完了すると、上記ステップ#15と同様に断面画像生成部37を呼び出し、断面画像生成部37は、3次元医用画像データV1と手動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Bの各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2Bを生成する(#15)。そして、上記ステップ#16と同様に、主制御部30は断面画像表示制御部38Aを呼び出し、断面画像表示制御部38Aは、図7Cに例示したように、3次元医用画像データV1と手動位置合わせ後の3次元医用画像データV2Bの各々から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタル断面画像S1, S2Bを表示装置に並べて表示させる(#16)。
【0079】
また、ステップ#12において、基準座標系UIDが一致すると判定された場合には(#12;Yes)、主制御部30は、位置合わせ確度に最大値を設定した後、断面画像生成部37を呼び出し、断面画像生成部37は、上記ステップ#15と同様に、3次元医用画像データV1とV2の各々から、所定の断面位置でのアキシャル、コロナル、サジタルの各断面画像S1, S2を生成する(#15)。そして、上記ステップ#16と同様に、主制御部30は断面画像表示制御部38Aを呼び出し、断面画像表示制御部38Aは、図7Aに例示したように、3次元医用画像データV1とV2の各々から再構成されたアキシャル、コロナル、サジタル断面画像S1, S2を表示装置に並べて表示させる(#16)。
【0080】
ここで、ズーム位置指定受付部39がズーム位置ZPまたはズーム対象領域ZRの指定を受け付けると(#17)、主制御部30は位置合わせ確度判定部36を呼び出し、位置合わせ確度判定部36は位置合わせ確度ACが所定の閾値Th以上であるかどうかを判定し、判定結果を主制御部30に返す(#18)。
【0081】
判定の結果、位置合わせ確度ACが所定の閾値Th未満であった場合(#18;No)、主制御部30は、第1の実施形態のステップ#6と同様に、手動位置合わせ受付部35を呼び出し、手動位置合わせ受付部35は自動位置合わせ結果の手動修正を受け付け、修正後の3次元医用画像データV2Cを出力する(#19)。一方、ステップ#18において、位置合わせ確度ACが所定の閾値Th以上であった場合(#18;Yes)、上記ステップ#19の自動位置合わせ処理結果の手動修正をスキップする。
【0082】
次に、主制御部30は拡大画像生成部40を呼び出す。拡大画像生成部40は、入力された3次元医用画像データV1およびV2(または、ステップ#12, #13, #18の処理結果によってはV2A, V2B, V2C)、ズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRに基づいて、ズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRを拡大した拡大画像Z1およびZ2(またはZ2A, Z2B, Z2C)を生成する(#20)。ここで、3次元医用画像データV1とV2とが入力された場合には、ステップ#12において両画像の基準座標系UIDが一致していると判定されているので、両画像中の相対応する位置は同じ座標値を有することになる。また、3次元医用画像データV1とV2Aとが入力された場合には、ステップ#18において、ステップ#14で行われた自動位置合わせ処理の確度ACが所定の基準を満たす程度に高いと判定されているので、両画像中の相対応する位置は同じ座標値を有することになる。また、3次元医用画像データV1とV2BまたはV2Cとが入力された場合には、各々、ステップ#22または#19で手動位置合わせが行われているので、両画像中の相対応する位置は同じ座標値を有することになる。したがって、各3次元医用画像データの組から生成された拡大画像は、ズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRに対応する位置が拡大されたものとなる。これにより、1つの断面画像に対するズーム・パン操作に連動して他の断面画像も拡大画像を生成することが可能になる。
【0083】
そして、主制御部30は拡大画像表示制御部38Bを呼び出し、拡大画像表示制御部38Bは、ステップ#20で生成された拡大画像Z1およびZ2(またはZ2A, Z2B, Z2C)を、スキャン方向(体軸方向)における相対応する位置が揃うように並べて表示装置に表示させる (#21)。
【0084】
以上のように、本発明の第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、複数の画像を相対応する位置が揃うように並べて表示するよりも前に、すなわち、拡大画像生成部40が拡大画像Z1およびZ2(またはZ2A, Z2B, Z2C)を生成する前に、位置合わせ確度判定部36が位置合わせ確度ACを判定し、位置合わせ確度ACが所定の基準を満たさない程度に低いと判定した場合には、手動位置合わせ受付部35が位置合わせ処理の結果の手動修正を受け付け、位置合わせ確度ACが所定の基準を満たす程度に高いと判定された場合には、手動位置合わせ受付部35による手動位置合わせのユーザインターフェースは表示されないので、ユーザは位置合わせ処理の修正作業を意識することなく、断面画像の読影をすることが可能になり、医用画像の表示の際の操作性が向上する。
【0085】
上記第2の実施形態では、指定された断面画像と同じ断面でのみ拡大画像を生成・表示しているが、指定されたズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRの3次元位置に基づいて、異なる断面(コロナル断面上にズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRが指定された場合にはアキシャル、サジタル断面)でも、指定されたズーム対象位置ZPまたはズーム対象領域ZRを拡大した拡大画像を生成して表示するようにしてもよい。
【0086】
上記の各実施形態におけるシステム構成、処理フロー、モジュール構成、画面レイアウト等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0087】
例えば、上記の各実施形態では、図2または図8に示された各処理が1台の画像処理ワークステーション3で行われるように説明したが、複数台のワークステーションに各処理を分散して協調処理するように構成したり、自動位置合わせ処理部34や断面画像生成部37の処理を行う画像処理サーバを別途設けてネットワーク9に接続したりしてもよい。
【0088】
また、図3のステップ#6や図9のステップ#19において、位置合わせ結果の手動修正のユーザインターフェースを表示する前に、図6に例示したような位置合わせ精度の警告画面を表示し、手動修正を行うかどうかユーザに選択させてもよい。
【0089】
上記の各実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
【0090】
例えば、上記の各実施形態では2つの医用画像を並べて表示する場合を例として説明したが、並べて表示する画像の数は3以上であってもよい。
【0091】
また、上記各実施形態では、自動位置合わせ処理部34が位置合わせ後の3次元医用画像データを出力するようにしていたが、その代わりに、もとの3次元医用画像データを位置合わせ後の状態に座標変換するための関数やルックアップテーブル等を出力し、断面画像生成部37や拡大画像生成部40が、断面画像や拡大画像を生成する際に必要なデータのみを、自動位置合わせ処理部34によって出力された関数やルックアップテーブル等を用いて座標変換するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 モダリティ
2 画像保管サーバ
3 画像処理ワークステーション
9 ネットワーク
30 主制御部
31 画像データ取得部
32 FOR判定部
33 位置合わせ方式選択受付部
34 自動位置合わせ処理部
35 手動位置合わせ受付部
36 位置合わせ確度判定部
37 断面画像生成部
38 表示制御部
38A 断面画像表示制御部
38B 拡大画像表示制御部
39 ズーム位置指定受付部
40 拡大画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力する位置合わせ手段と、
前記3次元医用画像の各々と前記位置合わせ処理結果とに基づいて、前記3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像を、前記3次元医用画像毎に生成する断面画像生成手段と、
生成された前記断面画像の各々を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた医用画像表示装置であって、
前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行う報知手段をさらに備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力する位置合わせ手段と、
前記3次元医用画像の各々に表された被検体の所与の断面を表す断面画像を表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記断面画像のうちの1つの断面画像に対するズーム位置の指定を受け付ける位置指定受付手段と、
前記1つの断面画像中の前記指定されたズーム位置を拡大した第1の拡大画像を生成するとともに、前記位置合わせ処理結果に基づいて、前記1つの断面画像とは異なる断面画像中の前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置を拡大した第2の拡大画像を生成する拡大画像生成手段と、
前記第1および第2の拡大画像を表示手段に表示させる第2の表示制御手段とを備えた医用画像表示装置であって、
前記位置指定手段による前記ズーム位置の指定を受け付けた後、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行う報知手段をさらに備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項3】
前記複数の3次元医用画像の各々に関連づけられた、該3次元医用画像中の各位置の座標の基になる基準座標系と該3次元医用画像中の被検体との位置関係を識別する基準座標系識別子が、前記複数の3次元医用画像間で一致するかどうかを判定する基準座標系判定手段をさらに備え、
該基準座標系識別子が前記複数の3次元医用画像間で一致しない場合には、前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ処理を行うものであり、
該基準座標系識別子が前記複数の3次元医用画像間で一致する場合には、前記位置合わせ手段は位置合わせ処理を行わないものであり、前記断面画像生成手段は、前記複数の3次元医用画像の各々を構成する各画素の位置情報に基づいて前記相対応する断面画像を生成するものであり、前記報知手段は、前記報知を行わないものであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の3次元医用画像の各々に関連づけられた、該3次元医用画像中の各位置の座標の基になる基準座標系と該3次元医用画像中の被検体との位置関係を識別する基準座標系識別子が、前記複数の3次元医用画像間で一致するかどうかを判定する基準座標系判定手段をさらに備え、
該基準座標系識別子が前記複数の3次元医用画像間で一致しない場合には、前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ処理を行うものであり、
該基準座標系識別子が前記複数の3次元医用画像間で一致する場合には、前記位置合わせ手段は位置合わせ処理を行わないものであり、前記拡大画像生成手段は、前記第1の拡大画像を生成するとともに、前記指定されたズーム位置と同じ位置情報を有する位置を前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置として、前記第2の拡大画像を生成するものであり、前記報知手段は、前記報知を行わないものであることを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記基準座標系識別子が前記複数の3次元医用画像間で一致しない場合には、前記位置合わせ手段による位置合わせ処理を行うか否かの選択を受け付ける位置合わせ可否受付手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段は、前記位置合わせ可否受付手段が前記位置合わせ処理を行う旨の選択を受け付けた場合にのみ、前記位置合わせ処理を行うものであることを特徴とする請求項3または4に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記複数の3次元医用画像中の前記解剖学的位置を手動で合わせる操作を受け付け、該操作に応じて、前記複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる手動位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果を出力する手動位置合わせ手段をさらに備え、
前記位置合わせ可否受付手段が前記位置合わせ処理を行わない旨の選択を受け付けた場合に前記手動位置合わせ手段が前記操作を受け付けるものであることを特徴とする請求項5に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
前記報知手段が、前記位置合わせ結果の手動修正を受け付ける手動修正受付手段を含むものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の医用画像表示装置。
【請求項8】
前記複数の3次元医用画像が、前記被検体を所与のスキャン方向にスキャンすることによって取得されたものであり、
前記位置合わせ手段は、前記スキャン方向における前記解剖学的位置を合わせる処理を含むものであり、
前記手動修正受付手段は、前記複数の3次元医用画像の各々から前記スキャン方向に平行な断面による断面画像を表示手段に表示させ、前記スキャン方向における前記位置合わせ結果の手動修正を受け付けるものであることを特徴とする請求項7に記載の医用画像表示装置。
【請求項9】
複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力し、
前記3次元医用画像の各々と前記位置合わせ処理結果とに基づいて、前記3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像を、前記3次元医用画像毎に生成し、
生成された前記断面画像の各々を表示手段に表示する医用画像表示方法であって、
該方法が、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うステップをさらに含むことを特徴とする医用画像表示方法。
【請求項10】
複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力し、
前記3次元医用画像の各々に表された被検体の所与の断面を表す断面画像を表示手段に表示し、
前記断面画像のうちの1つの断面画像に対するズーム位置の指定を受け付け、
前記1つの断面画像中の前記指定されたズーム位置を拡大した第1の拡大画像を生成するとともに、前記位置合わせ処理結果に基づいて、前記1つの断面画像とは異なる断面画像中の前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置を拡大した第2の拡大画像を生成し、
前記第1および第2の拡大画像を表示手段に表示する医用画像表示方法であって、
前記ズーム位置の指定を受け付けた後、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うステップをさらに含むことを特徴とする医用画像表示方法。
【請求項11】
コンピュータに、
複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力するステップと、
前記3次元医用画像の各々と前記位置合わせ処理結果とに基づいて、前記3次元医用画像間で相対応する所与の断面を表す断面画像を、前記3次元医用画像毎に生成するステップと、
生成された前記断面画像の各々を表示手段に表示させるステップとを実行させる医用画像表示プログラムであって、
該コンピュータに、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うステップをさらに実行させることを特徴とする医用画像表示プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
複数の3次元医用画像の内容的特徴に基づいて該複数の3次元医用画像中の被検体の解剖学的位置を合わせる位置合わせ処理を行い、該位置合わせ処理の結果と、該位置合わせ処理の確からしさを表す位置合わせ確度とを出力するステップと、
前記3次元医用画像の各々に表された被検体の所与の断面を表す断面画像を表示手段に表示させるステップと、
前記断面画像のうちの1つの断面画像に対するズーム位置の指定を受け付けるステップと、
前記1つの断面画像中の前記指定されたズーム位置を拡大した第1の拡大画像を生成するとともに、前記位置合わせ処理結果に基づいて、前記1つの断面画像とは異なる断面画像中の前記指定されたズーム位置に対応するズーム位置を拡大した第2の拡大画像を生成するステップと、
前記第1および第2の拡大画像を表示手段に表示させるステップとを実行させる医用画像表示プログラムであって、
該コンピュータに、前記位置指定手段による前記ズーム位置の指定を受け付けた後、前記位置合わせ確度が所定の基準を満たさない程度に低い場合にのみ、前記位置合わせ処理の結果の修正を促すための報知を行うステップをさらに実行させることを特徴とする医用画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−142974(P2011−142974A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4614(P2010−4614)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】