説明

医用画像表示装置および画像表示方法

【課題】3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうこと。
【解決手段】2つの3次元医用画像において、ランドマーク抽出部30cにより抽出され、抽出ランドマーク対応付け部30dによって選択された複数の抽出ランドマークペアの位置情報から座標変換パラメータを決定し、座標変換パラメータを用いて画像生成部30fによって生成された2つの対応断面を表示する。2つの対応断面を参照した利用者が着目した点をユーザランドマークとして指定した場合、ユーザランドマーク位置情報取得部30hが取得したユーザランドマークの位置情報と、対応ランドマーク生成部30iが生成し対応ランドマーク位置情報取得部30jが取得した対応ランドマークの位置情報の位置情報とから、座標変換パラメータを更新し、更新された座標変換パラメータを用いて画像生成部30fによって更新された2つの対応断面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医用画像表示装置および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、同じ被検体について、撮影時期の異なる複数の医用画像を比較読影することにより、疾患の進行状況や治癒状況などを把握して治療方針を検討したりすることが行なわれている。
【0003】
例えば、最新の検査で撮影された医用画像(最新画像)を、過去の検査で撮影された医用画像(過去画像)と比較読影する際、複数の画像を読み込み、画面にそれら複数の画像を表示する機能を備えた画像表示ソフトウェアを用いて、最新画像と過去画像とを同時に表示することが行なわれている。
【0004】
また、特許文献1では、医用画像における異常陰影などのマーカを抽出し、抽出したマーカを医用画像に重畳して表示することで、最新画像と過去画像との比較読影において、疾患の進行状況や治癒状況などを容易に把握することができる画像診断支援装置が開示されている。
【0005】
ここで、比較読影においては、被検体のほぼ同じ位置の断面画像を比較することが重要であり、撮影時期の異なる医用画像間の位置合わせ(registration、レジストレーション)を行なう必要がある。また、近年、X線CT装置などの医用画像診断装置において、被検体を撮影した断面画像から3次元医用画像を生成することが可能になり、3次元医用画像の位置合わせを行なう必要が生じてきている。
【0006】
画像間の位置合わせの一般的な手法としては、画像相関(image similarity、イメージ・シミラリティ)を用いた反復的位置合わせ法と、ランドマーク(landmark:特徴点)を用いた位置合わせ法とが知られている。
【0007】
画像相関を用いた反復的位置合わせ法は、相関係数などの画像相関を利用して反復的に画像間の位置合わせを行なうものである(例えば、非特許文献1参照)。一方、ランドマークを用いた位置合わせ法は、最新画像および過去画像それぞれにおいて抽出されたランドマークから、最新画像および過去画像それぞれにおいて組となるランドマークを選択し、線形最適化手法などによって位置合わせを行なうものであり、例えば、非特許文献2では、胸部CT画像から、肺血管の分岐点や気管支の分岐点をランドマークとして抽出する技術が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−334219号公報
【非特許文献1】Jeongtae Kim、Jefferey A. Fessl、「Intensity−based image registration using robust correlation coefficients」、IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING、Vol.23、NOVEMBER 2004、pp.1430−1444
【非特許文献2】四方秀則、他7名、「肺の非剛体レジストレーションのための血管分岐点位置検出アルゴリズム」、電子情報通信学会論文誌、Vol.J85−D−II、No.10、pp.1613−1623、2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記した従来の技術は、3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なえないという課題があった。
【0010】
すなわち、画像相関を用いた反復的位置合わせ法においては、比較対象となる各3次元医用画像に対して数十個程度の局所領域を設定したうえで、3次元医用画像間で対応する局所領域を設定し、局所領域の組について画像相関を算出するとともに、その画像相関が高くなるように、画像の平行移動、回転、スケーリング(サイズ変更)、変形などの処理を反復的に行なうものであるが、この反復処理には長時間を要するために、3次元医用画像間の位置合わせを容易に行なうことができない。
【0011】
一方、ランドマークを用いた位置合わせ方法においては、画像相関を用いた反復的位置合わせ法と比較して、組となるランドマークの位置合わせに線形最適化手法を適用することで、処理時間を短縮することができるが、例えば、肺血管のように複雑に張り巡らされた対象物からランドマークとなる分岐点を正確に抽出することは困難であるために、胸部(肺)における3次元医用画像間の位置合わせを精度よく行なうことができない。
【0012】
さらに、例えば、肺は呼吸に伴って常に変形を繰り返す領域であるため、上記した従来の技術を用いたとしても、最新の検査および過去の検査によって撮影された胸部CT画像から生成された3次元画像の位置合わせを精度よく行なうことができない。
【0013】
また、例えば、被検体が高齢者であるために脊椎が高度に湾曲している場合には、検査ごとに体軸の向きを完全に同一にして撮影することが困難であるために、3次元画像の位置合わせを精度よく行なうことができない。
【0014】
あるいは、比較読影を行なう医師などの利用者が、表示された2つの3次元医用画像の断面位置それぞれを移動させながら目視で同一に近い断面を選ぶことは可能であるが、利用者にとっては操作が煩雑であり、3次元医用画像間の位置合わせを容易に行なうことができない。
【0015】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となる医用画像表示装置および画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、第一および第二の3次元医用画像の位置合わせを行なって、当該第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を表示する医用画像表示装置であって、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれにおいて複数個抽出された特徴点である抽出特徴点の中から、当該第一および第二の3次元医用画像の間で対応付けられる抽出特徴点の組を複数選択し、選択された複数の前記抽出特徴点の組ごとの位置情報を用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を決定する対応断面決定手段と、前記対応断面決定手段によって決定された2つの対応断面を所定の表示部にて表示するように制御する表示制御手段と、を備え、前記対応断面決定手段は、前記表示制御手段によって前記所定の表示部にて表示された2つの断面のいずれか一方の第一の断面において、利用者が新たな特徴点として着目して指定した指定特徴点の当該第一の断面を含む第一の3次元医用画像における位置情報と、第一の3次元医用画像とは別の第二の3次元医用画像において当該指定特徴点に対応する対応指定特徴点の位置情報とを用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を更新して決定し、前記表示制御手段は、前記対応断面決定手段によって更新して決定された2つの対応断面を前記所定の表示部にて表示することを特徴とする。
【0017】
また、請求項12記載の本発明は、第一および第二の3次元医用画像の位置合わせを行なって、当該第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を表示する画像表示方法であって、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれにおいて複数個抽出された特徴点である抽出特徴点の中から、当該第一および第二の3次元医用画像の間で対応付けられる抽出特徴点の組を複数選択し、選択された複数の前記抽出特徴点の組ごとの位置情報を用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を決定する対応断面決定工程と、前記対応断面決定工程によって決定された2つの対応断面を所定の表示部にて表示するように制御する表示制御工程と、を含み、前記対応断面決定工程は、前記表示制御工程によって前記所定の表示部にて表示された2つの断面のいずれか一方の第一の断面において、利用者が新たな特徴点として着目して指定した指定特徴点の当該第一の断面を含む第一の3次元医用画像における位置情報と、第一の3次元医用画像とは別の第二の3次元医用画像において当該指定特徴点に対応する対応指定特徴点の位置情報とを用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を更新して決定し、前記表示制御工程は、前記対応断面決定工程によって更新して決定された2つの対応断面を前記所定の表示部にて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1または12記載の本発明によれば、3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る医用画像表示装置および画像表示方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、実施例1における医用画像表示装置の構成について説明する。図1は、実施例1における医用画像表示装置の構成を示す図である。図1に示すように、実施例1における医用画像表示装置30は、入力部30aと、表示部30bと、ランドマーク抽出部30cと、抽出ランドマーク対応付け部30dと、座標変換パラメータ決定部30eと、画像生成部30fと、表示制御部30gと、ユーザランドマーク位置情報取得部30hと、対応ランドマーク生成部30iと、対応ランドマーク位置情報取得部30jと、座標変換パラメータ更新部30kと、位置情報記憶部30lとを備える。
【0021】
ここで、実施例1における医用画像表示装置30は、図1に示す医用画像診断装置10により生成され医用画像データベース20に格納されている複数の3次元医用画像から、比較読影を行なう医師などの利用者が入力部30aを介して指定した2つの3次元医用画像を読み込み、これら2つの3次元医用画像の位置合わせを行なって対応断面を表示部30bにて表示することを概要とし、3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となることに主たる特徴がある。
【0022】
この主たる特徴について、図2〜図7を用いて説明する。図2は、ランドマーク抽出部、抽出ランドマーク対応付け部および座標変換パラメータ決定部を説明するための図であり、図3は、抽出ランドマークペアを用いて表示される対応断面の一例を説明するための図であり、図4は、実施例1におけるユーザランドマーク位置情報取得部を説明するため図のであり、図5は、実施例1における対応ランドマーク生成部を説明するための図であり、図6は、座標変換パラメータ更新部を説明するための図であり、図7は、ユーザランドマークペアを用いて更新して表示される対応断面の一例を説明するための図である。
【0023】
なお、医用画像診断装置10としては、MRI装置、X線CT装置、核医学診断装置、超音波診断装置などが挙げられ、医用画像データベース20としては、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベースなどが挙げられる。
【0024】
また、本実施例では、医用画像表示装置30が、同一被検体の過去と最新の胸部CT検査において、医用画像診断装置10としてのX線CT装置によって生成された肺を含む3次元医用画像の位置合わせを行なって対応断面を表示部30bにて表示する場合について説明する。また、以下では、過去の検査によって医用画像診断装置10としてのX線CT装置が生成した3次元医用画像を過去3次元医用画像と記し、最新の検査によって医用画像診断装置10としてのX線CT装置が生成した3次元医用画像を最新3次元医用画像と記す。
【0025】
ランドマーク抽出部30cは、2つの3次元医用画像それぞれにおいて複数の特徴点を抽出する。なお、以下では、ランドマーク抽出部30cによって抽出された特徴点(抽出特徴店)を抽出ランドマークと記す。ここで、抽出ランドマークは、特許請求の範囲に記載の「抽出特徴点」に対応する。
【0026】
例えば、比較読影を行なう利用者が、入力部30aが備えるマウスやキーボードなどを介して指定した同一被検体の過去3次元医用画像および最新3次元医用画像を読み込み、図2の(A)に示すように、これら3次元医用画像のボリュームデータそれぞれにおいて、当該被検体の肺における気管支の分岐点を、ランドマークとして抽出する(図2の(A)における丸印参照)。また、図2の(A)においては、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおいて、4つの抽出ランドマークを示しているが、実際には、さらに複数の抽出ランドマークが抽出されているものとする。
【0027】
なお、気管支の分岐点を抽出する際には、公知の技術が用いられ、例えば、「四方秀則、他7名、「肺の非剛体レジストレーションのための血管分岐点位置検出アルゴリズム」、電子情報通信学会論文誌、Vol.J85−D−II、No.10、pp.1613−1623、2002」にて開示されている技術が用いられる。
【0028】
抽出ランドマーク対応付け部30dは、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像の間で対応付けられる抽出ランドマークの組(ペア)を複数選択する。例えば、抽出ランドマーク対応付け部30dは、ランドマーク抽出部30cによって抽出された抽出ランドマークの過去3次元医用画像または最新3次元医用画像それぞれにおける位置情報(座標)を取得する。そして、抽出ランドマーク対応付け部30dは、過去3次元医用画像において抽出された複数の抽出ランドマークの位置関係(距離関係)と、最新3次元医用画像において抽出された複数の抽出ランドマークの位置関係(距離関係)とを比較し、抽出ランドマーク間の距離関係が類似しているものを探索して抽出ランドマークのペア(抽出ランドマークペア)を選択する。例えば、図2の(A)に示すように、過去3次元医用画像における4つの丸印で示した抽出ランドマークの距離関係と、最新3次元医用画像における4つの丸印で示した抽出ランドマークの距離関係とが類似しているので、抽出ランドマーク対応付け部30dは、これら4つの抽出ランドマークそれぞれが、この2つの医用画像において対応していると判断して、4つの抽出ランドマークペア(E1〜E4)を選択する。
【0029】
座標変換パラメータ決定部30eは、選択された複数の抽出ランドマークペアごとの位置情報から、位置合わせを行なうために用いられる座標変換パラメータ「p」を決定する。ここで、座標変換パラメータ「p」とは、最新3次元医用画像における座標をベクトル表記したものを「t」、過去3次元医用画像における座標をベクトル表記したものを「r」とすると、これらの座標が、所定の関数「f」を用いた変換式によって、図2の(B)の右側に示すように、「r=f(t,p)」と表すことができるように決定されたものである。
【0030】
例えば、選択された抽出ランドマークペア「Ei」の最新3次元医用画像における抽出ランドマーク「ti」の座標を(ti1,ti2,ti3)とし、「ti」に対応する過去3次元医用画像における抽出ランドマーク「ri」の座標を(ri1,ri2,ri3)とする。そして、座標変換パラメータ決定部30eは、X座標における差分「ti1−ri1」を「a1ri1+b1ri2+c1ri3+d1」とし、Y座標における差分「ti2−ri2」を「a2ri1+b2ri2+c2ri3+d2」とし、Z座標における差分「ti3―ri3」を「a3ri1+b3ri2+c3ri3+d3」とする連立方程式を設定し、「a1,b1,c1,a2,b2,c2,a3,b3,c3」からなるパラメータ「p」を、最小二乗法などの手法によって決定する。具体的には、図2の(B)の左側に示すように、抽出ランドマークペア「E1」〜「Em」において設定される「m個」の連立方程式を満たすパラメータ「p:a1,b1,c1,a2,b2,c2,a3,b3,c3」を、最小二乗法などの手法によって決定する。
【0031】
画像生成部30fは、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを用いて、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を決定して生成する。
【0032】
表示制御部30gは、画像生成部30fによって生成された過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示する。
【0033】
ここで、表示制御部30gによって表示部30bが備えるモニタにて表示された過去断面画像および最新断面画像を参照した利用者が、例えば、図3の丸印に示す部分が合っていないと判断したとする。そして、利用者は、図3には図示していないスライドバーを、入力部30aが備えるマウスを操作することによって、過去3次元医用画像のスライス位置を調節し、図4の(A)に示すように、丸印に示す部分が合うようにスライス(断面)を移動する。
【0034】
そのうえで、利用者が、図4の(B)に示すように、最新断面画像において四角で示した点を、新たに着目したランドマークとして、入力部30aが備えるマウスによりクリックして指定すると、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、利用者によって指定されたランドマーク(以下、ユーザランドマーク)が入力された判定し、このユーザランドマークの最新3次元医用画像における位置情報(座標)を取得する。ここで、ユーザランドマークは、特許請求の範囲に記載の「指定特徴点」に対応し、本実施例における最新断面画像は、特許請求の範囲に記載の「第一の断面」に対応する。なお、本実施例においては、「第一の断面」が、「第一の3次元医用画像」としての最新3次元医用画像の断面である場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、「第二の3次元医用画像」としての過去3次元医用画像の断面である場合でもよい。さらに、複数のユーザランドマークが、最新3次元医用画像および過去3次元医用画像のそれぞれにおいて、指定される場合であってもよい。
【0035】
対応ランドマーク生成部30iは、過去断面画像を含む過去3次元医用画像において、ユーザランドマークに対応する対応ランドマークを生成する。ここで、対応ランドマークは、特許請求の範囲に記載の「対応指定特徴点」に対応し、本実施例における過去断面画像は、特許請求の範囲に記載の「第二の断面」に対応する。
【0036】
ここで、実施例1における対応ランドマーク生成部30iは、過去3次元医用画像において対応ランドマークが存在すると利用者が判定した断面(図4の(A)における過去断面画像を参照)と、最初に抽出ランドマークを用いて生成された過去断面画像(図3における過去断面画像を参照)とのずれ量、および座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータに基づいて対応ランドマークを生成する。
【0037】
すなわち、実施例1における対応ランドマーク生成部30iは、ユーザランドマークが指定される前に、利用者が過去断面画像のスライス位置を調節し、図4の(A)に示す丸印に示す部分が合うようにスライス(断面)を移動した際のずれ量を取得する。具体的には、図5の(A)に示すように、実施例1における対応ランドマーク生成部30iは、利用者が過去断面画像のスライス位置を調節した際の、過去3次元医用画像におけるシフト量を表すベクトル「s」を取得し、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータ「p」によって表される「r=f(t,p)」に、取得したベクトル「s」を加えた変換式「r=f(t,p)+s」を用いて対応ランドマークを生成する。
【0038】
例えば、実施例1における対応ランドマーク生成部30iは、図5の(B)に示すように、利用者が調節してモニタにて表示させた過去3次元医用画像の断面画像上に、変換式「r=f(t,p)」を用いて、利用者によって指定されたユーザランドマークに対応する位置に対応ランドマークを生成する。ここで、指定されたユーザランドマークと、生成された対応ランドマークの組(ペア)は、図5の(B)に示すように、ユーザランドマークペア(U1)として対応付けられる。
【0039】
対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマーク生成部30iによって生成された対応ランドマークの位置情報を取得する。すなわち、本実施例では、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマーク生成部30iによって生成された対応ランドマークの過去3次元医用画像における位置情報(座標)を取得する。
【0040】
このように、本実施例では、利用者によって過去3次元医用画像におけるスライス位置が調節されたうえで、ユーザランドマークが指定されるごとに、対応ユーザランドマークが生成される。また、本実施例では、複数の(n個の)ユーザランドマークペアが対応付けられた後に、以下の処理が行われる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、1個のユーザランドマークペアが対応付けられた後に、以下の処理が行われる場合であってもよい。
【0041】
座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報(座標)と、対応ランドマーク位置情報取得部30jによって取得された対応ランドマークの位置情報(座標)とから、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを更新する。その際、座標変換パラメータ更新部30kは、対応ランドマークの位置情報(座標)の重み付けを、ユーザランドマークの位置情報(座標)の重み付けより大きくしたうえで、座標変換パラメータを更新する。
【0042】
すなわち、座標変換パラメータ更新部30kは、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された「p:a1,b1,c1,a2,b2,c2,a3,b3,c3」を、ユーザランドマークペアの位置情報の重み付けを大きくしたうえで「p’」に更新し、抽出ランドマークペアによって決定された変換式「r=f(t,p)」を、図6に示すように、利用者が着目した点の近傍において、より正確に対応断面を生成することができる変換式「r=f(t,p’)」に更新する。
【0043】
具体的には、座標変換パラメータ更新部30kは、図6の左側に示すように、抽出ランドマークペア「E1」〜「Em」において設定される「m個」の連立方程式には、その両辺に重み「w」を掛け合わせておく。ここで、抽出ランドマークペアにおける重み「w」は、例えば「1」が、利用者によって、入力部30aが備えるキーボードを介して入力され設定される。
【0044】
そして、座標変換パラメータ更新部30kは、抽出ランドマークペア「E1」〜「Em」において設定される連立方程式に加えて、ユーザランドマークペア(U1〜Un)における連立方程式を設定し、さらに、設定した連立方程式の両辺に、重み「wu」を掛け合わせる。なお、ユーザランドマークペアにおける重み「wu」は、抽出ランドマークペアにおける重み「w」より大きい、例えば「100」が、利用者によって、入力部30aが備えるキーボードを介して入力され設定される。
【0045】
具体的には、ユーザランドマークペア「Ui」の最新3次元医用画像における抽出ランドマーク「tui」の座標を(tui1,tui2,tui3)とし、「tui」に対応する過去3次元医用画像における対応ランドマーク「rui」の座標を(rui1,rui2,rui3)とすると、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマークペア(Ui)のX座標、Y座標およびZ座標それぞれにおいて、「wu(tui1−rui)=wu(a1rui1+b1rui2+c1rui3+d1)」、「wu(tui2−rui2)=wu(a2rui1+b2rui2+c2rui3+d2)」および「wu(tui3―rui3)=wu(a3rui1+b3rui2+c3rui3+d3)」の連立方程式を設定する。例えば、図6の(B)の右側に示すように、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマークペア「U1」〜「Un」において「n個」の連立方程式を設定する。
【0046】
そして、座標変換パラメータ更新部30kは、抽出ランドマークペア「E1」〜「Em」において設定される連立方程式と、ユーザランドマークペア「U1」〜「Un」において設定される連立方程式とを満たすパラメータ「p’:a1,b1,c1,a2,b2,c2,a3,b3,c3」を、最小二乗法などの手法によって更新して決定する。
【0047】
位置情報記憶部30lは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報(座標)と、対応ランドマーク位置情報取得部30jによって取得された対応ランドマークの位置情報(座標)とからなるユーザランドマークペア位置情報を記憶する。
【0048】
ここで、画像生成部30fは、座標変換パラメータ更新部30kによって座標変換パラメータが更新して決定された場合、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を更新して生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって更新して生成された過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示する。これにより、図3に示すように、抽出ランドマークペアのみの位置情報によって生成された対応断面では、最新断面画像と、一部一致しない部分があった過去断面画像が、図7に示すように、利用者が着目した点が一致するような過去断面画像に更新して表示される。このように、ユーザランドマークペアの位置情報を用いて画像更新を行なうことにより、最新断面画像においてユーザランドマークとして指定された周辺領域(図7の最新断面画像における丸印)と、過去断面画像において対応ランドマークとして生成された周辺領域(図7の過去断面画像における丸印)とが一致する断面をそれぞれ更新して表示することができる。
【0049】
また、利用者から、これら2つの3次元医用画像の対応断面の再表示要求を、入力部30aにて受け付けた場合に、これらの画像データを医用画像データベース20から読み出して抽出ランドマークペアを選択するとともに、位置情報記憶部30lが記憶するユーザランドマークペア位置情報を読み出すことで、ユーザランドマークの指定を利用者が再度行なうことなく、座標変換パラメータ更新部30kは、座標変換パラメータ決定部30eが決定した座標変換パラメータを、位置情報記憶部30lが記憶するユーザランドマークペア位置情報を用いて更新し、表示制御部30gは、画像生成部30fが生成した過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示する。
【0050】
なお、本実施例では、位置情報記憶部30lが、医用画像表示装置30に含まれる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザランドマークペア位置情報を記憶する外部記憶装置を別途設置し、当該外部記憶装置と医用画像表示装置30とが、例えば、LANなどによって接続される場合であってもよい。
【0051】
次に、図8を用いて、実施例1における医用画像表示装置30の処理について説明する。図8は、実施例1における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【0052】
図8に示すように、実施例1における医用画像表示装置30は、比較読影を行なう利用者から、入力部30aを介して断面画像の表示要求を受け付けると(ステップS801肯定)、ランドマーク抽出部30cは、表示要求された2つの3次元医用画像(過去3次元医用画像および最新3次元医用画像)を医用画像データベースから読み込み、これらの画像データそれぞれにおいてランドマークを抽出し、抽出ランドマーク対応付け部30dは、抽出ランドマークの対応付けを行なう(ステップS802)。すなわち、抽出ランドマーク対応付け部30dは、抽出ランドマークペアを選択する。
【0053】
そして、座標変換パラメータ決定部30eは、選択された複数の抽出ランドマークペアごとの位置情報から、位置合わせを行なうために用いられる座標変換パラメータを決定し(ステップS803)、画像生成部30fは、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを用いて、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面を生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって生成された過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける過去断面画像および最新断面画像を表示部30bに表示する(ステップS804)。
【0054】
ここで、表示制御部30gによって表示部30bが備えるモニタにて表示された過去断面画像および最新断面画像を参照した利用者が、これらの断面上に一致していない領域があると着目し、例えば、過去3次元医用画像のスライス位置を調節したうえで、最新断面画像上でユーザランドマークを指定した場合(ステップS805肯定)、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、ユーザランドマークの最新3次元医用画像における位置情報(座標)を取得する(ステップS806)。
【0055】
続いて、対応ランドマーク生成部30iは、過去3次元医用画像において対応ランドマークが存在すると利用者が判定した断面と、最初に抽出ランドマークを用いて生成された過去断面画像とのずれ量、および座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータに基づいて対応ランドマークを生成し、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマーク生成部30iによって生成された対応ランドマークの位置情報を取得し、取得した取得された対応ランドマークの位置情報を、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報(座標)とともに、ユーザランドマークペア位置情報として位置情報記憶部30lに格納する(ステップS807)。
【0056】
そして、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報(座標)と、対応ランドマーク位置情報取得部30jによって取得された対応ランドマークの位置情報(座標)とから、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを更新する(ステップS808)。その際、座標変換パラメータ更新部30kは、対応ランドマークの位置情報(座標)の重み付けを、ユーザランドマークの位置情報(座標)の重み付けより大きくしたうえで、座標変換パラメータを更新する。
【0057】
そののち、画像生成部30fは、座標変換パラメータ更新部30kによって更新して決定された座標変換パラメータを用いて、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を更新して生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって更新して生成された過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示して(ステップS809)、処理を終了する。
【0058】
一方、ユーザランドマークが指定されなかった場合(ステップS805否定)、そのまま処理を終了する。
【0059】
なお、図8には示さないが、利用者から、これら2つの3次元医用画像の対応断面の再表示要求を、入力部30aにて受け付けた場合には、これらの画像データを医用画像データベース20から読み出して抽出ランドマークペアを選択するとともに、座標変換パラメータ更新部30kは、位置情報記憶部30lが記憶するユーザランドマークペア位置情報を読み出し、ユーザランドマークの指定を利用者が再度行なうことなく、座標変換パラメータ決定部30eが決定した座標変換パラメータを、位置情報記憶部30lが記憶するユーザランドマークペア位置情報を用いて更新する。そして、表示制御部30gは、画像生成部30fが生成した過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示する。
【0060】
上述してきたように、実施例1では、ランドマーク抽出部30cは、2つの3次元医用画像(過去3次元医用画像および最新3次元医用画像)それぞれにおいてランドマークを抽出し、抽出ランドマーク対応付け部30dは、抽出ランドマークの対応付け行なって複数の抽出ランドマークペアを選択し、座標変換パラメータ決定部30eは、選択された複数の抽出ランドマークペアごとの位置情報から、位置合わせを行なうために用いられる座標変換パラメータを決定し、画像生成部30fは、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを用いて、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面を生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって生成された過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける過去断面画像および最新断面画像を表示部30bに表示する。
【0061】
そして、表示制御部30gによって表示部30bが備えるモニタにて表示された過去断面画像および最新断面画像を参照した利用者が、これらの断面上に一致していない領域があると着目し、例えば、過去3次元医用画像のスライス位置を調節したうえで、最新断面画像上でユーザランドマークを指定した場合、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、ユーザランドマークの最新3次元医用画像における位置情報を取得し、対応ランドマーク生成部30iは、過去3次元医用画像において対応ランドマークが存在すると利用者が判定した断面と、最初に抽出ランドマークを用いて生成された過去断面画像とのずれ量、および座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータに基づいて対応ランドマークを生成し、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマーク生成部30iによって生成された対応ランドマークの位置情報を取得する。
【0062】
そして、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報と、対応ランドマーク位置情報取得部30jによって取得された対応ランドマークの位置情報とから、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを更新する。
【0063】
そして、画像生成部30fは、座標変換パラメータ更新部30kによって更新して決定された座標変換パラメータを用いて、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を更新して生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって更新して生成された過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示するので、一方の断面画像上でユーザランドマークが指定されると、他方の断面画像上で自動的に対応ランドマークが生成され、抽出ランドマークペアを用いて決定された座標変換パラメータを、ユーザランドマークペアを用いて更新して、利用者が着目する領域が一致する断面を生成することができ、上記した主たる特徴のように、3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となる。
【0064】
また、実施例1では、座標変換パラメータ更新部30kは、対応ランドマークの位置情報の重み付けを、ユーザランドマークの位置情報の重み付けより大きくしたうえで、座標変換パラメータを更新するので、ユーザランドマークペアの位置情報を優先し、指定したユーザランドマークを含む断面を生成して表示することができ、利用者の判断を反映した3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となる。
【0065】
また、実施例1では、位置情報記憶部30lは、ユーザランドマークペアの位置情報を記憶するので、該当する断面の再表示要求において、利用者はユーザランドマークの指定をマニュアル操作によって再度行なう作業をすることなく、以前に指定して生成されたユーザランドマークを用いることができ、3次元医用画像間の位置合わせを再現性よく行なうことが可能となる。
【0066】
なお、本実施例では、座標変換パラメータの更新の際に、ユーザランドマークペア間の位置ずれにおいて、X座標の、Y座標およびZ座標の3軸成分すべてに、抽出ランドマーク間の位置ずれより大きい重み付け「wu」を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、Z座標の位置ずれのみに重み付け「wu」を適用し、他のX座標およびY座標の位置ずれには、これより小さな重み付けを適用する場合であってもよい。すなわち、表示断面に直交する方向の位置ずれのみに大きな重み付けを適用する場合であってもよい。
【0067】
本実施例では、シフト量の指定により、着目部位が両方の断面画像に表示されるようにしたうえで、指定したユーザランドマークの対応位置に対応ランドマークを設定する。その際、生成する対応ランドマークの位置はスライス画像に直交する方向は調節されているが、スライス面内の位置情報は誤差を含んだものである可能性が高い。従って、表示断面に直交する方向だけに大きな重みをかけることで、誤差を含むスライス面内の位置情報が、座標変換パラメータの更新決定に与える影響を、無視できるほど小さくでき、その結果、位置合わせ精度を向上できる。
【実施例2】
【0068】
上述した実施例1では、利用者がスライス位置を調節することで取得されたずれ量を用いて対応ランドマークを生成する場合について説明したが、実施例2では、対応ランドマークの候補点を生成したうえで、対応ランドマークを生成する場合について図9を用いて説明する。ここで、図9は、実施例2におけるユーザランドマーク位置情報取得部および対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【0069】
実施例2における医用画像表示装置30は、図1に示す実施例1における医用画像表示装置30と同様の構成からなるが、ユーザランドマーク位置情報取得部30hおよび対応ランドマーク生成部30iの行なう処理の内容が異なるので、以下これらを中心に説明する。
【0070】
実施例2における対応ランドマーク生成部30iは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報と、変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータとから、対応ランドマークの候補となる点である候補点を最初に生成する。
【0071】
具体的には、まず、実施例2では、利用者は、入力部30aが備えるマウスを操作して、表示部30bが備えるモニタにて表示されている最新断面画像の着目する点を、ユーザランドマークとしてそのままポインティングする(図9の(1)参照)。すなわち、実施例1においてユーザランドマークを入力する前に行なわれていた利用者による過去3次元医用画像のスライス位置調節作業は、実施例2においては行なわれない。
【0072】
そして、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、図9の(1)において指定されたユーザランドマークの座標を示すベクトル「t1」を取得し、実施例2における対応ランドマーク生成部30iは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得された「t1」と、変換パラメータ決定部30eによって既に決定されている座標変換パラメータから設定される変換式「r=f(t,p)」とを用いて、対応ランドマークの候補点としての初期位置「r1」を、「f(t1,p)」として生成する(図9の(2)参照)。
【0073】
そして、実施例2における対応ランドマーク生成部30iは、過去3次元医用画像において、初期位置「r1」を起点として、利用者が任意の方向に移動したうえで指定した点を対応ランドマークとして生成する。例えば、利用者が、入力部30aが備えるキーボードのカーソルキーを操作して、過去3次元医用画像の断面において、候補点を起点にマニュアル位置調節し(図9の(3)参照)、ユーザランドマークに指定した点を含む領域とよく一致するような過去断面画像がモニタに表示された段階で指定した点を、対応ランドマークとして生成する。なお、断面に直交する方向に対する移動操作に関しては、実施例1で述べた断面画像のスライス位置調節操作を用いることが望ましい。
【0074】
次に、図8を用いて、実施例2における医用画像表示装置30の処理について説明する。図8は、実施例1における医用画像表示装置の処理を説明するための図であるが、ステップS805、ステップS806、ステップS807における処理内容が、実施例2において異なる。
【0075】
すなわち、実施例2における医用画像表示装置30においては、実施例1と同様に、ステップS801〜ステップS804の処理が行なわれ、表示制御部30gによって表示部30bが備えるモニタにて表示された過去断面画像および最新断面画像を参照した利用者が、例えば、最新断面画像上でユーザランドマークを指定した場合(ステップS805肯定)、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、ユーザランドマークの最新3次元医用画像における位置情報(座標)を示すベクトル「t1」を取得する(ステップS806)。
【0076】
続いて、対応ランドマーク生成部30iは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得された位置情報「t1」と、変換パラメータ決定部30eによって既に決定されている座標変換パラメータから設定される変換式「r=f(t,p)」とを用いて、対応ランドマークの候補点「r1」を生成し、「r1=f(t1,p)」を起点として利用者が任意の方向に移動したうえで指定した点を対応ランドマークとして生成し、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマークの位置情報を取得し、取得した対応ランドマークの位置情報を、ユーザランドマークの位置情報(座標)とともに、ユーザランドマークペア位置情報として位置情報記憶部30lに格納する(ステップS807)。
【0077】
なお、これ以降の実施例2における医用画像表示装置30の処理は、図8に示す実施例1における医用画像表示装置30と同様であるので説明を省略する。
【0078】
上述してきたように、実施例2では、対応ランドマーク生成部30iが過去断面画像において生成した候補点を起点として3次元において探索したたうえで、利用者が最新断面画像上で着目した領域と一致すると判断した点を対応ランドマークとして生成するので、利用者の判断をさらに反映した3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となる。
【実施例3】
【0079】
上述した実施例1および2では、利用者が指定した点をユーザランドマークとしてそのまま利用する場合について説明したが、実施例3では、利用者が指定した点を用いて、抽出ランドマークをユーザランドマークとして再設定する場合について図10を用いて説明する。ここで、図10は、実施例3におけるユーザランドマーク位置情報取得部および対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【0080】
実施例3における医用画像表示装置30は、図1に示す実施例1における医用画像表示装置30と同様の構成からなるが、ユーザランドマーク位置情報取得部30hおよび対応ランドマーク生成部30iの行なう処理の内容が異なるので、以下これらを中心に説明する。
【0081】
まず、図10の(A)に示すように、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを用いて画像生成部30fが生成した過去断面画像および最新断面画像において、4つの抽出ランドマークペアが存在するとする。
【0082】
ここで、実施例3におけるユーザランドマーク位置情報取得部30hは、最新断面画像において、利用者が着目した点を、ユーザランドマークとしてポインティングした場合(図10の(B)の(1)参照)、モニタには表示されていない最新断面画像における抽出ランドマークのうち、ポインティングされた点の最近傍にある抽出ランドマークを検索し(図10の(B)の(2)参照)、検索された最近傍にある抽出ランドマークをユーザランドマークとして再設定して、位置情報を取得する(図10の(B)の(3)参照)。すなわち、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、図10の(B)において三角印で示す抽出ランドマークを、ユーザランドマークとして改めて再設定する。
【0083】
そして、実施例3における対応ランドマーク生成部30iは、図10の(C)に示すように、最新断面画像においてユーザランドマークとして再設定された抽出ランドマークとペアを形成している過去3次元医用画像の抽出ランドマークを、対応ランドマークとして再設定して生成する。
【0084】
なお、実施例3における座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマークペアとして再設定された抽出ランドマークペアにおける連立方程式の両辺に掛け合わされる重み付けを、「w」から「wu」に変更して、座標変換パラメータを更新して決定する。
【0085】
次に、図8を用いて、実施例3における医用画像表示装置30の処理について説明する。図8は、実施例1における医用画像表示装置の処理を説明するための図であるが、ステップS805、ステップS806、ステップS807、ステップS808における処理内容が、実施例3において異なる。
【0086】
すなわち、実施例3における医用画像表示装置30においては、実施例1と同様に、ステップS801〜ステップS804の処理が行なわれ、表示制御部30gによって表示部30bが備えるモニタにて表示された過去断面画像および最新断面画像を参照した利用者が、例えば、最新断面画像上でユーザランドマークをポインティングによって指定した場合(ステップS805肯定)、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、ポインティングされた点の最近傍にある抽出ランドマークを検索し、検索された抽出ランドマークをユーザランドマークとして再設定して、位置情報を取得する(ステップS806)。
【0087】
続いて、対応ランドマーク生成部30iは、最新断面画像においてユーザランドマークとして再設定された抽出ランドマークとペアを形成している過去3次元医用画像の抽出ランドマークを、対応ランドマークとして再設定して生成し、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、再設定して生成された対応ランドマークの位置情報を取得し、取得した対応ランドマークの位置情報を、ユーザランドマークの位置情報(座標)とともに、ユーザランドマークペア位置情報として位置情報記憶部30lに格納する(ステップS807)。
【0088】
そののち、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマークペアとして再設定された抽出ランドマークペアにおける連立方程式の両辺に掛け合わされる重み付けを、「w」から「wu」に変更して、座標変換パラメータを更新して決定する(ステップS808)。
【0089】
なお、これ以降の実施例3における医用画像表示装置30の処理は、図8に示す実施例1における医用画像表示装置30と同様であるので説明を省略する。
【0090】
上述してきたように、実施例3では、ユーザランドマークとして指定された点の最近傍にある抽出ランドマークをユーザランドマークとして再設定し、再設定された抽出ランドマークとペアを形成する過去3次元医用画像における抽出ランドマークを対応ランドマークとして生成し、ユーザランドマークペアとして再設定された抽出ランドマークペアの重み付けを大きくして座標変換パラメータを更新するので、利用者が着目した領域において一致する断面を生成することができ、利用者の判断を反映した3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことが可能となる。
【0091】
なお、本実施例においては、ユーザランドマークの最近傍にある抽出ランドマークとペアを形成する抽出ランドマークをそのまま対応ランドマークとして生成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザランドマークの最近傍にある抽出ランドマークとペアを形成する抽出ランドマークを実施例2と同様に、候補点とし、利用者がマニュアル微調整した上で改めて対応ランドマークを指定する場合であってもよい。このようにすることで、抽出ランドマークペアの位置情報における誤差が大きい場合には、逆に対応断面として表示される断面間の一致具合が悪化することを回避することができる。
【実施例4】
【0092】
実施例4では、生成した対応ランドマークを画像一致度に基づいて修正する場合について、図11および図12を用いて説明する。ここで、図11は、実施例4における医用画像表示装置の構成を説明するための図であり、図12は、対応ランドマーク修正部を説明するための図である。
【0093】
図11に示すように、実施例4における医用画像表示装置30は、図1に示す実施例1における医用画像表示装置30と比較して、対応ランドマーク修正部30mをさらに備える点が異なる。以下、これを中心に説明する。
【0094】
例えば、実施例1と同様に、利用者が、過去断面画像のスライス位置を調整したうえで、最新断面画像上で着目する点をポインティングした場合(図12の(A)の(1)参照)、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、ポインティングされた点がユーザランドマークとして指定されたと判断して、位置情報を取得し、対応ランドマーク生成部30iは、図12の(A)の(2)に示すように、ずれ量に基づいて対応ランドマークを生成する。
【0095】
そして、対応ランドマーク修正部30mは、対応ランドマーク生成部30iがずれ量に基づいて対応ランドマークを生成した後に、過去3次元医用画像において当該対応ランドマークを起点とした複数の点を中心に所定の範囲(例えば、10mm角の立方体領域)にある画像領域ごとに、最新3次元医用画像において利用者によって指定されたユーザランドマークを中心に当該所定の範囲(10mm角の立方体領域)にある画像領域に対する画像一致度を算出し、算出した画像一致度が最大となる画像領域の中心となる点を改めて対応ランドマークとして修正して生成する。
【0096】
すなわち、対応ランドマーク修正部30mは、図12の(B)に示すように、画像相関を用いた反復的位置合わせ法により、対応ランドマーク生成部30iがずれ量に基づいて生成した対応ランドマークを起点として、10mm角の立方体領域における画像一致度が最も高くなる点を探索する。例えば、共役勾配法などの非線形最適化手法によって、画像一致度が最も高くなる点を探索し、探索された点を、改めて対応ランドマークとして修正して生成する。
【0097】
対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマーク修正部30mによって修正して生成された対応ランドマークの位置情報を取得する。
【0098】
次に、図13を用いて、実施例4における医用画像表示装置30の処理について説明する。図13は、実施例4における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【0099】
ここで、図13に示すステップS1301〜ステップS1306の処理内容は、実施例1において、図8を用いて説明したステップS801〜ステップS806の処理内容と同じであるので、説明を省略する。
【0100】
ステップS1306の処理の後、対応ランドマーク生成部30iは、ずれ量に基づいて対応ランドマークを生成し、対応ランドマーク修正部30mは、過去3次元医用画像において当該対応ランドマークを起点とした複数の点を中心に10mm角の立方体領域にある画像領域ごとに、最新3次元医用画像において利用者によって指定されたユーザランドマークを中心に10mm角の立方体領域にある画像領域に対する画像一致度を算出し、算出した画像一致度が最大となる画像領域の中心となる点を改めて対応ランドマークとして修正する(ステップS1307)。
【0101】
そして、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマーク修正部30mによって修正して生成された対応ランドマークの位置情報を取得し、取得した対応ランドマークの位置情報を、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報(座標)とともに、ユーザランドマークペア位置情報として位置情報記憶部30lに格納する(ステップS1308)。
【0102】
そののち、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報と、対応ランドマーク位置情報取得部30jによって取得された対応ランドマークの位置情報とから、座標変換パラメータ決定部30eによって決定された座標変換パラメータを更新する(ステップS1309)。
【0103】
そして、画像生成部30fは、座標変換パラメータ更新部30kによって更新して決定された座標変換パラメータを用いて、過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を更新して生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって更新して生成された過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示して(ステップS1310)、処理を終了する。
【0104】
上述してきたように、実施例4では、生成された対応ランドマークを、画像一致度に基づいて修正するので、3次元医用画像間の位置合わせをさらに精度よく行なうことが可能となる。
【0105】
なお、本実施例では、実施例1において説明した方法によって生成した対応ランドマークを修正する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例2や実施例3において説明した方法によって生成した対応ランドマークを修正する場合であってもよい。
【実施例5】
【0106】
実施例5では、被検体の胸部CT画像から生成された3次元医用画像において対応断面を生成して表示する際に、胸部CT画像における結節候補を抽出して表示する機能を用いてユーザランドマークを指定する場合について、図14〜17を用いて説明する。ここで、図14は、実施例5における医用画像表示装置の構成を説明するための図であり、図15は、実施例5における表示制御部を説明するための図であり、図16は、実施例5におけるユーザランドマーク位置情報取得部を説明するための図であり、図17は、実施例5における対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【0107】
図14に示すように、実施例5における医用画像表示装置30は、図1に示す実施例1における医用画像表示装置30と比較して、結節候補抽出部30nをさらに備える点が異なる。以下、これを中心に説明する。
【0108】
結節候補抽出部30nは、画像生成部30fが抽出ランドマークペアを用いて決定した座標変換パラメータに基づいて生成した対応断面において、結節候補を抽出する。
【0109】
表示制御部30gは、画像生成部30fが生成した対応断面に、結節候補抽出部30nが抽出した結節候補を重畳して表示部30bが備えるモニタにて表示する。例えば、図15に示すように、画像生成部30fが生成した過去断面画像および最新断面画像において、結節候補抽出部30nが抽出した結節候補を重畳して表示する。
【0110】
ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、過去断面画像および最新断面画像とともにモニタにて表示された結節候補の中から、利用者が最新断面画像にて着目した結節候補をポインティングした場合(図16の(1)参照)、ポインティングされた点がユーザランドマークとして指定されたと判断して、位置情報を取得する(図16の(2)参照)。例えば、ユーザランドマークとして指定された結節候補の座標を示すベクトル「t1」を取得する。
【0111】
対応ランドマーク生成部30iは、過去断面画像にて、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得された「t1」と同じ位置にある点を初期位置として設定し(図17の(1)参照)、設定された点と所定の範囲内(例えば、10mm以内)にある結節候補を対応ランドマークの候補点として設定して生成する(図17の(2)参照)。
【0112】
そして、対応ランドマーク生成部30iは、例えば、実施例2と同様に、利用者が、例えば、入力部30aが備えるキーボードのカーソルキーを操作して、過去3次元医用画像の断面において、候補点を起点としてマニュアル位置調節して指定した点を、対応ランドマークとして生成する。
【0113】
次に、図8を用いて、実施例5における医用画像表示装置30の処理について説明する。図8は、実施例1における医用画像表示装置の処理を説明するための図であるが、ステップS804、ステップS806、ステップS807における処理内容が、実施例2において異なる。
【0114】
すなわち、実施例5における医用画像表示装置30においては、実施例1と同様に、ステップS801〜ステップS803の処理が行なわれると、結節候補抽出部30nは、画像生成部30fが抽出ランドマークペアを用いて決定した座標変換パラメータに基づいて生成した対応断面において、結節候補を抽出し、表示制御部30gは、画像生成部30fが生成した対応断面に、結節候補抽出部30nが抽出した結節候補を重畳して表示部30bが備えるモニタにて表示する(ステップS804)。
【0115】
そして、表示制御部30gによって表示部30bが備えるモニタにて結節候補が重畳して表示された過去断面画像および最新断面画像を参照した利用者が、最新断面画像上で着目する結節候補をユーザランドマークとして指定した場合(ステップS805肯定)、ユーザランドマーク位置情報取得部30hは、ユーザランドマークの最新3次元医用画像における位置情報(座標)を取得する(ステップS806)。例えば、ユーザランドマークとして指定された結節候補の座標を示すベクトル「t1」を取得する。
【0116】
続いて、対応ランドマーク生成部30iは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得された「t1」と同じ位置にある点を初期位置として過去断面画像にて設定し、これと所定の範囲内(例えば、10mm以内)にある結節候補を起点として利用者が任意の方向に移動したうえで指定した点を対応ランドマークとして生成し、対応ランドマーク位置情報取得部30jは、対応ランドマークの位置情報を取得し、取得した対応ランドマークの位置情報を、ユーザランドマークの位置情報(座標)とともに、ユーザランドマークペア位置情報として位置情報記憶部30lに格納する(ステップS807)。
【0117】
なお、これ以降の実施例2における医用画像表示装置30の処理は、図8に示す実施例1における医用画像表示装置30と同様であるので説明を省略する。
【0118】
上述してきたように、実施例5では、抽出された結節候補を同時に表示するので、利用者が着目する領域を医用画像表示装置30が提供することができ、3次元医用画像間の位置合わせをより容易に行なうことが可能となる。
【0119】
なお、本実施例では、実施例2において説明した方法によって、過去断面画像における結節候補から対応ランドマークを生成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、実施例4において説明した方法によって、過去断面画像における結節候補から対応ランドマークを生成する場合であってもよい。
【実施例6】
【0120】
上述した実施例1〜5では、座標変換パラメータ更新部30kが、抽出ランドマークペアの位置情報とユーザランドマークペアの位置情報とにおいて異なる重み付けを設定して変換式のパラメータを更新する場合について説明したが、実施例6では、抽出ランドマークペアの位置情報に基づいて座標変換パラメータ決定部30eによって決定された変換式のパラメータとは独立に、座標変換パラメータ更新部30kが、抽出ランドマークペアの位置情報に基づいて変換式のパラメータを決定する場合について図18を用いて説明する。ここで、図18は、実施例6における医用画像表示装置の概念を説明するための図である。なお、実施例6における医用画像表示装置の構成は、図1に示した実施例1における医用画像表示装置の構成と同様である。
【0121】
図18に示すように、実施例6における医用画像表示装置は、ユーザランドマークおよび対応ランドマークからなるユーザランドマークペアに基づいた座標変換パラメータである指定座標変換パラメータを決定し、過去3次元医用画像と最新3次元医用画像との対応断面表示処理において、座標変換を2段階で行なう。すなわち、実施例6における医用画像表示装置は、1段目の座標変換においては、抽出ランドマークペアを用いて決定された座標変換パラメータを用いた変換式を用いて対応断面を生成し、2段目の座標変換においては、ユーザランドマークペアを用いて決定された指定座標変換パラメータを用いた変換式を用いて対応断面を修正して生成し、修正して生成した2つの対応断面を表示する。
【0122】
具体的には、座標変換パラメータ決定部30eは、実施例1と同様に、選択された抽出ランドマークのペアに基づいた座標変換パラメータを決定する。これにより過去3次元医用画像と最新3次元医用画像とにおける対応断面表示処理における1段目の座標変換を行なうための変換式の座標変換パラメータが決定される。ここで、図18に示すように、1段目の座標変換を行なうための変換式としては、例えば、2次多項式が用いられる。
【0123】
実施例6における座標変換パラメータ更新部30kは、1段目の座標変換を行なうための変換式とは独立に、2段目の座標変換を行なうための変換式を設定して、ユーザランドマークペアに基づいた指定座標変換パラメータを決定する。これにより過去3次元医用画像と最新3次元医用画像とにおける対応断面表示処理における2段目の座標変換を行なうための変換式の指定座標変換パラメータが決定される。ここで、図18に示すように、2段目の座標変換を行なうための変換式としては、例えば、ガウス関数が用いられる。
【0124】
実施例6における画像生成部30fは、ユーザランドマークペアが生成された場合には、座標変換パラメータ決定部30eが決定した座標変換パラメータを用いた変換式により1段目の対応断面生成を行い、さらに、座標変換パラメータ更新部30kが決定した指定座標変換パラメータを用いた変換式により2段目の対応断面生成を行なって修正処理を行ない、表示制御部30gは、画像生成部30fによって2段目に修正して生成された対応断面を表示する。
【0125】
次に、図19を用いて、実施例6における医用画像表示装置30の処理について説明する。図19は、実施例6における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【0126】
ここで、図19に示すステップS1901〜ステップS1907の処理内容は、実施例1において、図8を用いて説明したステップS801〜ステップS807の処理内容と同じであるので、説明を省略する。
【0127】
ステップS1907の処理の後、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマーク位置情報取得部30hによって取得されたユーザランドマークの位置情報と、対応ランドマーク位置情報取得部30jによって取得された対応ランドマークの位置情報から、指定座標変換パラメータを決定する(ステップS1908)。
【0128】
そして、画像生成部30fは、座標変換パラメータ更新部30kによって決定された指定座標変換パラメータを用いた変換式により、ステップS1904において生成した過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を修正し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって修正して生成された過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示して(ステップS1909)、処理を終了する。
【0129】
上述してきたように、実施例6では、抽出ランドマークペアの位置情報における重み付けとユーザランドマークペアの位置情報における重み付けとを変えることで利用者の判断を優先した対応断面の修正を行なうのではなく、利用者の判断を反映した指定座標変換パラメータを独立に決定して対応断面の修正を行なう。これにより、ユーザランドマークペアの位置情報をより反映した変換式を設定することができ、3次元医用画像間の位置合わせをより精度よく行なうことが可能となる。
【0130】
なお、本実施例では、指定座標変換パラメータを用いた変換式として、ガウス関数を設定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平行移動を行なう関数や、アフィン関数、ガウス関数を重ね合わせたものや、3次多項式など、用いる関数は任意に設定することができる。また、座標変換パラメータを用いた変換式と同じ関数(本実施例では、2次多項式)を、指定座標変換パラメータを用いた変換式として設定する場合であってもよい。
【実施例7】
【0131】
実施例7では、利用者が指定したユーザランドマークを削除、または修正する機能をさらに備えた医用画像表示装置について、図20および図21を用いて説明する。ここで、図20は、実施例7における医用画像表示装置の構成を説明するための図であり、図21は、削除修正部について説明するための図である。
【0132】
図20に示すように、実施例7における医用画像表示装置30は、図1に示す医用画像表示装置30と比較して、削除修正部30oを新たに備える点が異なる。以下、これを中心に説明する。
【0133】
削除修正部30oは、ユーザランドマークペアを削除する要求、および、ユーザランドマークまたは対応ランドマークの位置を修正する要求を、利用者から入力部30aを介して受け付けて実行する。
【0134】
ここで、例えば、実施例7における表示制御部30gは、画像生成部30fがユーザランドマークペアに基づいて生成した対応断面画像とともに、図21に示すように、ランドマークペアを選択するための「前」ボタンおよび「次」ボタンと、選択されたランドマークペアを削除するための「削除」ボタンとをモニタにて表示する。
【0135】
削除修正部30oは、入力部30aが備えるマウスを用いて利用者が「前」ボタンおよび「次」ボタンを押下することで、複数のユーザランドマークペアのうち、1つのペアを選択すると(図21の(1)参照)、選択されたユーザランドマークペアを各々の断面画像に表示する(図21の(2)参照)。
【0136】
そして、利用者が、ユーザランドマークまたは対応ランドマークのマークを、入力部30aが備えるマウスを用いてドラッグすると、ドラッグされたマークは、断面画像の面内で位置が変更され(図21の(3)参照)、削除修正部30oは、変更されたユーザランドマークまたは対応ランドマークのマークの位置を、新たな位置情報として取得する(図21の(4)参照)。
【0137】
一方、削除修正部30oは、利用者が1つのユーザランドマークペアを選択したうえで、「削除」ボタンを入力部30aが備えるマウスを用いて押下すると、当該ユーザランドマークペアを削除する(図21の(5)参照)。
【0138】
次に、図22を用いて、実施例7における医用画像表示装置30の処理について説明する。図22は、実施例7における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【0139】
ここで、図22に示すステップS2201〜ステップS2207の処理内容は、実施例1において、図8を用いて説明したステップS801〜ステップS807の処理内容と同じであるので、説明を省略する。
【0140】
ステップS2207の処理の後、削除修正部30oは、利用者からユーザランドマークペアの削除要求、またはユーザランドマークもしくは対応ランドマークの位置修正要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS2208)。
【0141】
ここで、利用者からユーザランドマークペアの削除要求、またはユーザランドマークもしくは対応ランドマークの位置修正要求を受け付けなかった場合(ステップS2208否定)、座標変換パラメータ更新部30kは、ユーザランドマークペアの位置情報に基づいて座標変換パラメータを更新し(ステップS2211)、画像生成部30fは、座標変換パラメータ更新部30kによって更新された座標変換パラメータを用いた変換式により、ステップS2204において生成した過去3次元医用画像および最新3次元医用画像それぞれにおける対応断面(過去断面画像および最新断面画像)を更新して生成し、表示制御部30gは、画像生成部30fによって更新して生成された過去断面画像および最新断面画像を表示部30bが備えるモニタに表示して(ステップS2212)、処理を終了する。
【0142】
一方、利用者からユーザランドマークペアの削除要求、またはユーザランドマークもしくは対応ランドマークの位置修正要求を受け付けた場合(ステップS2208肯定)、削除修正部30oは、選択されたユーザランドマークペアの削除、または選択されてドラッグされたマークの位置を、ユーザランドマークもしくは対応ランドマークの位置として修正する(ステップS2209)。
【0143】
そして、削除修正部30oは、削除、または位置修正が行なわれたユーザランドマークペアの位置情報を更新して、更新されたユーザランドマークペアの位置情報を位置情報記憶部30lに格納する(ステップS2210)。
【0144】
そののち、上記したようにステップS2211およびステップS2212の処理を行なって、処理を終了する。
【0145】
上述してきたように、実施例7では、ユーザランドマークペアを削除する機能およびユーザランドマークおよび対応ランドマークを個別に位置を修正する機能が追加されているので、利用者が指定したユーザランドマークの位置自体がずれていた場合に、利用者自身が微調節したり削除したりすることができ、3次元医用画像間の位置合わせをさらに容易に行なうことが可能となる。すなわち、この機能がない場合は、ユーザランドマークを指定する操作において指定位置がずれることが許されないために、利用者が緊張を強いることになるが、ユーザランドマークを指定した後でも、位置修正や削除を可能とすることにより、ユーザランドマークの指定操作における利用者の心理的負担を大きく軽減できる。
【0146】
なお、上記した場合以外に、利用者から、2つの3次元医用画像の対応断面の再表示要求を入力部30aにて受け付けた場合に、位置情報記憶部30lが記憶するユーザランドマークペア位置情報を読み出したうえで、ユーザランドマークペアの削除およびユーザランドマークおよび対応ランドマークの位置修正を行なう場合であってもよい。
【0147】
ここで、実施例1〜7では、最新断面画像においてユーザランドマークを指定し、過去断面画像において対応ランドマークを生成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、時系列とは関係なく、ある断面画像においてユーザランドマークを指定し、他の断面画像において対応ランドマークを生成する場合であってもよい。
【0148】
また、実施例1〜7では、X線CT画像が生成した3次元医用画像の対応断面を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MRI装置、X線CT装置、核医学診断装置、超音波診断装置などの医用画像診断装置10が生成した3次元医用画像の対応断面を表示する場合であってもよい。
【0149】
また、実施例1〜7では、被検体の肺における3次元医用画像の対応断面を表示する場合について説明したが、例えば、被検体の心臓における3次元医用画像の対応断面を表示する場合など、表示される対象は、特に限定されるものではない。
【0150】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0151】
なお、本実施例で説明した画像表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
以上のように、本発明に係る医用画像表示装置および画像表示方法は、2つの3次元医用画像の位置合わせを行なって、当該2つの3次元医用画像それぞれの対応断面を表示する場合に有用であり、特に、3次元医用画像間の位置合わせを容易に精度よく行なうことに適する。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】実施例1における医用画像表示装置の構成を説明するための図である。
【図2】ランドマーク抽出部、抽出ランドマーク対応付け部および座標変換パラメータ決定部を説明するための図である。
【図3】抽出ランドマークペアを用いて表示される対応断面の一例を説明するための図である。
【図4】実施例1におけるユーザランドマーク位置情報取得部を説明するため図である。
【図5】実施例1における対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【図6】座標変換パラメータ更新部を説明するための図である。
【図7】ユーザランドマークペアを用いて更新して表示される対応断面の一例を説明するための図である。
【図8】実施例1における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【図9】実施例2におけるユーザランドマーク位置情報取得部および対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【図10】実施例3におけるユーザランドマーク位置情報取得部および対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【図11】実施例4における医用画像表示装置の構成を説明するための図である。
【図12】対応ランドマーク修正部を説明するための図である。
【図13】実施例4における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【図14】実施例5における医用画像表示装置の構成を説明するための図である。
【図15】実施例5における表示制御部を説明するための図である。
【図16】実施例5におけるユーザランドマーク位置情報取得部を説明するための図である。
【図17】実施例5における対応ランドマーク生成部を説明するための図である。
【図18】実施例6における医用画像表示装置の概念を説明するための図である。
【図19】実施例6における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【図20】実施例7における医用画像表示装置の構成を説明するための図である。
【図21】削除修正部について説明するための図である。
【図22】実施例7における医用画像表示装置の処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0154】
10 医用画像診断装置
20 医用画像データベース
30 医用画像表示装置
30a 入力部
30b 表示部
30c ランドマーク抽出部
30d 抽出ランドマーク対応付け部
30e 座標変換パラメータ決定部
30f 画像生成部
30g 表示制御部
30h ユーザランドマーク位置情報取得部
30i 対応ランドマーク生成部
30j 対応ランドマーク位置情報取得部
30k 座標変換パラメータ更新部
30l 位置情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一および第二の3次元医用画像の位置合わせを行なって、当該第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を表示する医用画像表示装置であって、
前記第一および第二の3次元医用画像それぞれにおいて複数個抽出された特徴点である抽出特徴点の中から、当該第一および第二の3次元医用画像の間で対応付けられる抽出特徴点の組を複数選択し、選択された複数の前記抽出特徴点の組ごとの位置情報を用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を決定する対応断面決定手段と、
前記対応断面決定手段によって決定された2つの対応断面を所定の表示部にて表示するように制御する表示制御手段と、を備え、
前記対応断面決定手段は、前記表示制御手段によって前記所定の表示部にて表示された2つの断面のいずれか一方の第一の断面において、利用者が新たな特徴点として着目して指定した指定特徴点の当該第一の断面を含む第一の3次元医用画像における位置情報と、第一の3次元医用画像とは別の第二の3次元医用画像において当該指定特徴点に対応する対応指定特徴点の位置情報とを用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を更新して決定し、
前記表示制御手段は、前記対応断面決定手段によって更新して決定された2つの対応断面を前記所定の表示部にて表示することを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
複数の前記抽出特徴点の組ごとの位置情報から、位置合わせを行なうために用いられる座標変換パラメータを決定する座標変換パラメータ決定手段と、
前記指定特徴点の前記第一の断面を含む第一の3次元医用画像における位置情報である指定特徴点位置情報を取得する指定特徴点位置情報取得手段と、
前記第二の3次元医用画像において、前記対応指定特徴点を生成する対応指定特徴点生成手段と、
前記対応指定特徴点生成手段によって生成された前記対応指定特徴点の、前記第二の3次元医用画像における位置情報である対応指定特徴点位置情報を取得する対応指定特徴点位置情報取得手段と、
前記指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記指定特徴点位置情報と、前記対応指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記対応指定特徴点位置情報とから前記座標変換パラメータ決定手段によって決定された前記座標変換パラメータを更新する更新手段と、をさらに備え、
前記対応断面決定手段は、前記座標変換パラメータ決定手段によって決定された前記座標変換パラメータに基づいて前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を決定するとともに、前記更新手段によって前記座標変換パラメータが更新された場合に、更新された座標変換パラメータに基づいて前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を更新して決定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記更新手段は、前記対応指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記対応指定特徴点位置情報の重み付けを、前記指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記指定特徴点位置情報の重み付けより大きくしたうえで、前記座標変換パラメータを更新することを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記対応指定特徴点生成手段は、前記第二の3次元医用画像において前記対応指定特徴点が存在すると前記利用者が判定した断面と前記第一の断面と対応する第二の断面とのずれ量、および前記座標変換パラメータ決定手段によって決定された前記座標変換パラメータに基づいて前記対応指定特徴点を生成することを特徴とする請求項2または3に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記対応指定特徴点生成手段は、前記指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記指定特徴点位置情報および前記座標変換パラメータ決定手段によって決定された前記座標変換パラメータに基づいて前記対応指定特徴点の候補となる点である候補点を生成し、前記第二の3次元医用画像において、当該候補点を起点として前記利用者が任意の方向に移動したうえで指定した点を前記対応指定特徴点として生成することを特徴とする請求項2または3に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記指定特徴点位置情報取得手段は、前記指定特徴点の最近傍にある前記抽出特徴点である最近傍特徴点の位置情報を前記指定特徴点位置情報として取得し、
前記対応指定特徴点生成手段は、前記第二の3次元医用画像において、前記最近傍特徴点と組を形成している抽出特徴点を前記対応指定特徴点として生成することを特徴とする請求項2または3に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
前記対応指定特徴点生成手段によって生成された前記対応指定特徴点を起点とした複数の点を中心に所定の範囲にある画像領域ごとに、前記利用者によって指定された前記指定特徴点を中心に前記所定の範囲にある画像領域に対する画像一致度を算出し、算出した画像一致度が最大となる画像領域の中心となる点を改めて対応指定特徴点として修正して生成する対応指定特徴点修正生成手段をさらに備え、
前記対応指定特徴点位置情報取得手段は、前記対応指定特徴点修正生成手段によって修正して生成された対応指定特徴点の位置情報を前記対応指定特徴点位置情報として取得することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の医用画像表示装置。
【請求項8】
前記2つの対応断面において、結節候補を抽出する結節候補抽出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記2つの対応断面とともに、前記結節候補抽出手段によって抽出された前記結節候補を重畳して前記所定の表示部にて表示し、
前記指定特徴点位置情報取得手段は、前記表示制御手段によって前記所定の表示部にて表示された前記結節候補の中から、前記利用者が前記所定の入力部を介して前記第一の断面にて指定した結節候補を前記指定特徴点として前記指定特徴点位置情報を取得し、
前記対応指定特徴点生成手段は、前記第二の3次元医用画像において、前記指定特徴点に対応する結節候補を用いて前記対応指定特徴点を生成することを特徴とする請求項2または3に記載の医用画像表示装置。
【請求項9】
前記更新手段は、前記指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記指定特徴点位置情報と、前記対応指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記対応指定特徴点位置情報とから、前記指定特徴点および前記対応指定特徴点に基づいた座標変換パラメータである指定座標変換パラメータを決定し、
前記対応断面決定手段は、前記更新手段によって前記指定座標変換パラメータが決定された場合に、前記座標変換パラメータ決定手段によって決定された前記座標変換パラメータに基づいて決定した前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を、当該指定特徴点座標変換パラメータに基づいて修正して決定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項10】
前記指定特徴点と前記対応指定特徴点との組を削除する要求、および、前記指定特徴点または前記対応指定特徴点の位置を修正する要求を、前記利用者から前記所定の入力部を介して受け付けて実行する削除修正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の医用画像表示装置。
【請求項11】
前記指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記指定特徴点位置情報と、前記対応指定特徴点位置情報取得手段によって取得された前記対応指定特徴点位置情報とを指定位置情報として記憶する指定位置情報記憶手段をさらに備え、
前記利用者からの前記第一および第二の3次元医用画像の対応断面の再表示要求を、前記所定の入力部にて受け付けた場合に、
前記対応断面決定手段は、前記指定位置情報記憶手段が記憶する前記第一および第二の3次元医用画像における前記指定位置情報を用いて更新された座標変換パラメータ、または、前記指定位置情報記憶手段が記憶する前記2つの3次元医用画像における前記指定位置情報を用いて決定された前記指定座標変換パラメータに基づいて当該第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を決定することを特徴とする請求項2〜10のいずれか一つに記載の医用画像表示装置。
【請求項12】
第一および第二の3次元医用画像の位置合わせを行なって、当該第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を表示する画像表示方法であって、
前記第一および第二の3次元医用画像それぞれにおいて複数個抽出された特徴点である抽出特徴点の中から、当該第一および第二の3次元医用画像の間で対応付けられる抽出特徴点の組を複数選択し、選択された複数の前記抽出特徴点の組ごとの位置情報を用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を決定する対応断面決定工程と、
前記対応断面決定工程によって決定された2つの対応断面を所定の表示部にて表示するように制御する表示制御工程と、を含み、
前記対応断面決定工程は、前記表示制御工程によって前記所定の表示部にて表示された2つの断面のいずれか一方の第一の断面において、利用者が新たな特徴点として着目して指定した指定特徴点の当該第一の断面を含む第一の3次元医用画像における位置情報と、第一の3次元医用画像とは別の第二の3次元医用画像において当該指定特徴点に対応する対応指定特徴点の位置情報とを用いて、前記第一および第二の3次元医用画像それぞれの対応断面を更新して決定し、
前記表示制御工程は、前記対応断面決定工程によって更新して決定された2つの対応断面を前記所定の表示部にて表示することを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−160045(P2009−160045A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339853(P2007−339853)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】