説明

医療機器のユニバーサルコントロールコンソール

コントロールコンソールは、1又は2以上の医療機器を制御するためのものである。該コントロールコンソールは、少なくとも1つの医療機器と通信し、且つ、必要であれば、該医療機器に関連する、少なくとも1つの周辺モジュールと通信する。該コントロールコンソールは、データ処理を行うマイクロプロセッサを有しており、これにより、医療機器の動作命令を行う。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
従来技術
本発明は、概ね、医療機器に関するものであり、より詳しくは、種々の医療機器を動かすユニバーサルコントロールコンソールに関するものである。更に、詳しくは、本開示は、種々のハンドヘルド医療器具をインターフェース接続する医療装置のユニバーサルコントロールコンソールの設計と、その制御方法とに関するものである。
【0002】
従来の医療装置の設計は、典型的には、各ハンドヘルド医療機器の専用ハードウェアと、ソフトウェアコントロールモジュールと、が別々に求められていた。これらの機器の各々は、グラフィックディスプレイ、マイクロプロセッサ、インターフェース回路、そして、医療機器を動かし、且つ、付属品の状態/作動内容情報を提供する、ソフトウェアが必要である。“操作者”は、医療機器を動かすことのできる医療関係者のことである。操作者は、看護婦、医師、医療助手である。
【0003】
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)は、機器毎に異なるため、操作者の訓練、熟達、技術保証に追加費用を要することになる。専用コントロールモジュールの数の増加により、手術用収納スペースが必然的に増加し、これに伴い、在庫品管理の複雑さが増加する。
【0004】
そこで、種々の医療機器を制御するとことができ、これによって、各医療機器の専用コントロールハードウェアを分離する必要をなくす、ユニバーサルコントロールコンソールが、求められている。
【0005】
発明の要約
上記事項を考慮し、医療装置のユニバーサルコントロールコンソールは、種々の医療機器とのインターフェース接続を与えるものである。
【0006】
この開示は、医療機器を医療装置のユニバーサルコントロールコンソールと連動させる方法の詳細な説明を提供するものである。追加の医療機器は、使用することができる。この概念は、ユニバーサルコントロールコンソールに、全ての必要なハードウェアインターフェースとソフトウェアモジュールを備え、種々の医療機器を制御することができるようにし、これによって、各医療機器用の専用コントロールハードウェアを分離する必要を無くすものである。
【0007】
このユニバーサルコントロールコンソールは、全ての機器に対しグラフィカルユーザインターフェースを提供し、操作者の練習と技術保証との必要を少なくするだけでなく、動作を簡単にする。さらなる利点は、手術用スペース、収納スペース、在庫品管理コストが減少されることを含む。ユニバーサルコントロールコンソールの幾つかの上位機種は、多数の機器を同時に取り扱う能力を有している。
【0008】
一例では、コントロールコンソールは、1又は2以上の医療機器を制御するために開示されている。該コントロールコンソールは、少なくとも1つの医療機器と通信し、且つ、必要であれば、該医療機器に関連する、少なくとも1つの周辺モジュールと通信する。該コントロールコンソールは、接続されている医療機器の動作命令を行うためのマイクロプロセッサ基盤のものである。
【0009】
本発明の構成と動作方法とは、しかしながら、更なる目的とその利点と共に、添付の図面を参照しつつ読まれる、以下に記述される実施例から最も良く理解されるであろう。
【0010】
発明の説明
図1Aは、開示の一例として、ユニバーサルコントロールコンソール102と、複数の医療機器104、106、108との関係を説明する線図100を示している。機器104、106、108は、コネクタ110を介して又は無線通信リンクを介してユニバーサルコントロールコンソール102と通信する、多数の医療機器の内の幾つかを表すものである。多数の医療機器は、コンピュータ基盤の動作ツールによって制御され、これにより、ユニバーサルコントロールコンソールは、人手に依らず、いろいろな方法で医療機器と通信し、且つ、該医療機器を制御することができる。以下に続く図で、機器やモジュールが、他の機器やモジュールに接続されている箇所において、“接続”という関係は、また、物理的な接続線によらない無線接続を意味すると解される。ほとんどの時間において、少なくとも1つの機器は、ユニバーサルコントロールコンソール102に接続され、該ユニバーサルコントロールコンソール102によって動かすことができる。ユニバーサルコントロールコンソール102は、また、医療機器が接続されていない、バイパスモードを有している。ユニバーサルコントロールコンソール102は、コネクタ110を介して機器104、106、108の内の1つの機能とインターフェース接続し、且つ、該機能を制御する。
【0011】
一実施例では、機器104、106、108の各々は、バイオプシープローブ、温度プローブ、心拍数モニタ機器、薬剤注入ツール、麻酔ツール、又は、ユニバーサルコントロールコンソール102が動かすことができる手術用又は医療機器である。これらの機器は、種々の手術用機能、又は、手術用以外の機能、例えば、組織層から試料を分離し、分離試料をカプセルに入れ、体からカッターを離し、カッターの他端が移動している間に一端を固定する、という機能を供することができる。これらの機器は、SenoCorバイオプシー機器、EnCorバイオプシー機器等、カルフォルニアのSenoRx Aliso Vieso社の製品によって構成され、又は、動かされる。手術用機器は、手術を行うために、機械的に、又は、無線周波(RF)エネルギーによってエネルギーが与えられる。例として、RF手術ツールは、RFエネルギーを利用し、これによって、不必要な本体部品を除去する一方で、同じ機能をブレードのような機械的ツールによって達成する。これらの医療機器の各々は、周辺モジュール114、116、118の独自の組合せ112を必要とする。周辺モジュール114、116、118は、それぞれ、コネクタ120、122、124を介して、ユニバーサルコントロールコンソールに接続され、且つ、該ユニバーサルコントロールコンソールによって制御される。一例として、機器104は、バイオプシープローブである。バイオプシープローブは、複数の周辺モジュール114、116、118を必要とする。周辺モジュール114、116、118は、順に、電気手術用電源(ESG)モジュールと、照明機器、フットスイッチモジュールと、バキューム/液体ポンプモジュールとである。周辺モジュールが、医療機器を動かすための追加の特徴や機能を提供するものであり、異なる形態と機能のものにもなるものであり、そして、それらが通信することができる限りにおいて、ユニバーサルコントロールコンソールに物理的に接続される必要はない、ということが理解される。幾つかのケースにおいて、周辺機器は、ユニバーサルコントロールコンソールを通じて医療機器によって制御される。
【0012】
ユニバーサルコントロールコンソール102は、種々の医療機器を動かすのに必要な組込み式のソフトウェア機能を備えている、マイクロプロセッサ基盤の電子機器である。各医療機器は、ソフトウェアスクリプトを含んでいる。該ソフトウェアスクリプトは、各医療機器がユニバーサルコントロールコンソール102に接続された時に、特定の機器を動かすためものであり、該医療機器内の記憶装置に記憶されている。例えば、上記ソフトウェアスクリプトは、消去可能なPROM(EPROM)、電気的消去可能なPROM(EEPROM)、又は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶することができる。医療機器が、ユニバーサルコントロールコンソール102に接続された時、このソフトウェアスクリプトは、ユニバーサルコントロールコンソールの随時書き込み読み出しメモリ(RAM)にダウンロードされる。このソフトウェアスクリプトは、ユニバーサルコントロールコンソール102が、特定の医療機器の機能を制御できるようにし、且つ、その直接関係のある情報を表示できるようにする。医療機器の動作中、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)ソフトウェアは、ユニバーサルコントロールコンソール102と医療機器との動作に関する情報を、操作者に表示する。表示情報が、接続医療機器の型と、医療機器とユニバーサルコントロールコンソール102との両方の動きに影響を及ぼす他の環境要因と同様に医療機器の動作状態と、によって変化することは、当業者によって理解されることである。
【0013】
もともとの医療機器は、(コネクタと線とを含む)有線接続を通じてユニバーサルコントロールコンソール102に接続され、又は、それらの動作用にバッテリ駆動されているものであるが、ユニバーサルコントロールコンソール102による医療機器の制御は、無線通信を通じてより簡単に行うことができる。言うまでもなく、特定の周辺機器は、液体を運び、又は、バキュームを実行するため、物理的に接続しなければならない。従来の有線接続は、信号の衝突が少ないという確かな利点を有していたが、無線通信技術は、医療機器の動作を、操作者にも利益をもたらすものであるが、モバイル動作するものに変えた。例えば、ユニバーサルコントロールコンソール102によって供給された出力以外の、大半の制御信号は、無線技術に従ったBluetoothやIEEE802.11等の技術を用いて予め決められた無線通信チャンネルを通じて送信される。医療機器がバッテリ駆動される時、動作は、全てモバイルになる。また、実際には、有線通信チャンネルは、無線通信チャンネルと一緒に用いられ、これによって、ユニバーサルコントロールコンソールは、操作者に利便性を与える使用可能な無線技術の利点を得ることができる一方で、幾つかの従来の有線技術の使用による利益を受けることができる。同様に、通信で用いられるアナログ信号は、適切な場合には、ディジタル信号に置き換えることができる。というのは、ディジタル信号処理技術も利点を有しているからである。手短に言えば、開示は、単に、発明を図解するため、幾つかの例を示したにすぎず、機器間の通信は、種々の形態で行うことができ、且つ、ユニバーサルコントロールコンソール102は、操作者の要求を実現するため、最も実用的な技術を使用するように設計されている。
【0014】
ハウジングモジュールは、また、筐体を提供し、且つ、前述のモジュールと装置との幾つかに、電力供給を行う。一例が図1Bに与えられており、概略図126は、ハウジングモジュール128と、ユニバーサルコントロールモジュール102と、周辺モジュール114、116、118の独自の組合せ112と、の間の関係を示している。ハウジングモジュール128は、ケーブルタップ(power strip)130を含んでいる。ケーブルタップ130は、電源コード132を介して、220〜240VのAC電源のような電源に接続されている。ケーブルタップ130は、複数のモジュールと装置とに電力を分配する。回線コード134は、ケーブルタップ130からユニバーサルコントロールコンソール102に電力を送るのに用いられている。複数の回線コード136、138、140は、また、ケーブルタップ130から、それぞれ、周辺モジュール114、116、118に電力を送るのに用いられている。ハウジングモジュール128は、ハンドヘルド医療機器104、106、108用ドッキングステーション(図示せず)を備えていることが、理解される。更に、ハウジングモジュール128は、カートやポータブルキャビネットでも良く、ケーブルタップ130と前述のモジュールとは、ハウジングモジュール128に固定式又はねじ込み式で取り付けられており;ハウジングモジュール128は、複数の可動ホィールと利用しやすいハンドルを含んでおり;そして、ハウジングモジュール128は、複数の回線コードとデータケーブルとを束ね、保護するワイヤラッチを含んでいることが、理解される。本質的に、ハウジングモジュール128は、操作者が複数のモジュールと装置とにアクセスするための、オーガナイザー、電力分配器、そして、人間工学的解法をもたらすものとして、機能する。
【0015】
図2は、ユニバーサルコントロールコンソール102の幾つかの構成要素を説明している。ユニバーサルコントロールコンソール102は、グラフィックモジュール202と、マイクロプロセッサモジュール204と、ソフトウェアモジュール206と、ハードウェアインターフェースモジュール208と、操作者モジュール210と、パワーモジュール212とで構成されている。
【0016】
グラフィックモジュール202は、ユニバーサルコントロールコンソール102と医療機器との動作に関する情報を表示するのに用いられる、陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、又は、他の型のディスプレイを含んでいる。グラフィックモジュール202は、また、全ての関連情報を操作者に表示するために用いられる、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)ソフトウェアを必要とする。
【0017】
マイクロプロセッサモジュール204は、マイクロプロセッサと、マザーボード回路と、メモリと、他の機能電子機器とを含んでいる。該機能電子機器は、操作者が制御するものであるが、ユニバーサルコントロールコンソール102が医療機器の機能と周辺モジュールの機能とを使用できるようにするものである。また、システムのトラブルシューティング、ソフトウェアアップグレード、他のショップ機能のため、外部のコンピュータインターフェースコネクタを介して、外部コンピュータとインターフェース接続を行う。
【0018】
ソフトウェアモジュール206は、ユニバーサルコントロールコンソール102の論理及びインターフェース機能と、医療機器の論理及びインターフェース機能と、取り付けられる周辺モジュールの論理及びインターフェース機能と、それらの操作者コントロールスイッチと、を制御する。ソフトウェアモジュール206は、また、ユニバーサルコントロールコンソール102の中のスピーカに適用される、可聴音(例えば、ゴーンという音、クリック音、アラーム音)等の種々の制御信号を発生する。ゴーンという音とクリック音とは、予め決めた設定によって調節することができる。ソフトウェアの記述によって、アラーム音は、調節できたり、できなかったりする。一例として、ソフトウェアは、“C言語”で記述されるが、種々のソフトウェア言語がユニバーサルコントロールコンソール102用のソフトウェアを記述するのに使用できることが、当業者によって理解される。特に、ソフトウェアモジュール206は、以下の組合せ、即ち、ユニバーサルコントロールコンソール102を動かすコアソフトゥエアと、グラフィックモジュール202内でグラフィックを表示するGUIソフトウェアと、組み込み式自己診断(BIST)ソフトウェアと、医療機器と周辺機器とを制御し、且つ、インターフェース接続するソフトウェアと、を含んでいる。各医療機器は、ユニバーサルコントロールコンソール102が接続された時、ソフトウェアスクリプトのダウンロードが行われる。このソフトウェアスクリプトは、特定の医療機器機能の制御と、その関連情報の表示とを使用できるようにするものである。
【0019】
ハードウェアインターフェースモジュール208は、医療機器や周辺モジュールを、ユニバーサルコントロールコンソール102に接続するのに必要な回路と接続モジュールとを含んでいる。これらの接続モジュールは、電気電子技術者協会(IEEE)と、国際標準化機構(ISO)とを含むが、これに限定されず、種々の周知の規格に準拠した一般的なコネクタでも良い。これらのコネクタは、また、専用の医療機器や周辺モジュール、又は、医療機器や周辺モジュールの専用回線に特有の、独自仕様コネクタであっても良い。更には、接続モジュールは、ユニバーサルコントロールコンソールによって制御される機器と無線通信を行うための回路であっても良い。
【0020】
例えば、ハードウェアインターフェースモジュール208は、コンピュータインターフェースコネクタを有することもできる。コンピュータインターフェースコネクタは、トラブルシューティング、ソフトウェアアップグレード、他のショップ機能のために用いられる。このコネクタは、RS-232通信用コネクタ、バックグラウンドデバックモード(DBM)、他のショップ作動用コネクタを含んでいる。他の例では、ハードウェアインターフェースモジュール208は、AC電力入力コネクタを有することもできる。該コネクタは、50−60Hzで、100〜120Vの交流、及び/又は、220〜240Vの交流に接続できる3線コネクタであっても良い。更に他の例では、ハードウェアインターフェースモジュール208は、AC電力出力コネクタを有することもできる。該コネクタは、他の周辺装置に接続することができ、且つ、該他の装置にAC電力を供給するものである。更に、他の例では、ハードウェアインターフェースモジュール208は、DC電力出力コネクタを有することもできる。該コネクタは、他の周辺装置に接続することができ、且つ、DC電力を供給するものである。DC又はAC電力は、何れも、ライトバルブやコントロールコンソールに用いられているバイオプシープローブのような医療機器に取り付けられ、又は、一体形成されている照明機器に、送ることができる、ということが理解される。コントロールコンソールは、更に、照明機器用に遠隔動作制御を提供するものであっても良い。
【0021】
ユニバーサルコントロールコンソール102に用いられる他のハードウェアインターフェース回路とコネクタとは、ユニバーサルコントロールコンソール102で動かすために認証されている、医療機器とその周辺装置に依存する。追加の医療機器が選択されると同時に、ハードウェアとソフトウェアのアップグレードが必要になる。アナログとディジタル信号が、種々の動作において共存しているため、ユニバーサルコントロールコンソールは、該ユニバーサルコントロールコンソールに入出力される種々の信号を処理するための、アナログ−ディジタル(A/D)変換器、場合によっては、ディジタル−アナログ(D/A)変換器を、内蔵することもできる。
【0022】
前述の具体例を振り返ると、バイオプシープローブは、ESGモジュールと、フットスイッチモジュールと、バキュームポンプモジュールとを必要とするものであっても良い。バイオプシープローブとその関連周辺モジュールとは、以下のインターフェースコネクタ、即ち、医療機器コネクタと、ESGコネクタと、フットスイッチコネクタと、バキュームポンプコネクタとを必要とする。
【0023】
医療機器コネクタは、双方向ディジタル通信、EEPROM通信、エンコーダー機能、発光ダイオード(LED)&リレー制御と、モータ制御と、電力と、接地とのための複数の銅線を含んでいる。ESGコネクタは、ESGモジュールとユニバーサルコントロールコンソール102の制御と状態に対する双方向通信を提供し、且つ、状態通信用にRS-485データバスを含んでいる。フットスイッチコネクタは、フットスイッチモジュールから、ユニバーサルコントロールコンソール102に情報を通過させることによって、操作者に、足のタッピングによって、ESGモジュールとユニバーサルコントロールコンソール102とを、制御できるようにする。最後に、バキュームポンプコネクタは、バキュームシステムとユニバーサルコントロールコンソール102との間の、データ及び制御情報を提供する。バキュームポンプコネクタは、システムデータ及びクロック回線と、バキュームレベル及び制御回線と、状態回線とを包含している。
【0024】
操作者モジュール210は、ユニバーサルコントロールコンソール102を動かすための種々の押しボタンとインジケーターとを含んでいる。例えば、ディスプレイスクリーンの近くに、ソフトウェア制御される、3つの操作用プッシュボタンを設けても良い。スイッチの機能は、個々の例におけるディスプレイスクリーンに依存する。ディスプレイスクリーンは、必要な作動内容と、与えられている例における個々のスイッチでどの作動内容が作動するのかを表示する。
【0025】
操作者モジュール210が、操作者を援助するやり方について、更に説明すると、操作者モジュール210は、2つのインジケーターライトを有している。1つは、フロントパネルに設けられている、オレンジ色のスタンバイインジケーターライトである。もう一つは、フロントパネルに設けられている、緑色のインジケーターライトである。オレンジ色のスタンバイインジケーターライトは、後部電源スイッチが押され、システムがスタンバイ状態になった時に作動する。緑色のインジケーターライトは、前面電源スイッチが2秒間押し続けられた時に作動し、これによって、ユニバーサルコントロールコンソール102の高速なブートアップシーケンスを開始するための信号伝達が行われる。前面電源スイッチが2秒間押し続けられた時、ディスプレイは、ユニバーサルコントロールコンソール102がシャットダウンのプロセスを実行中であることを表示する。所定のシャットダウンの間に、ユニバーサルコントロールコンソール102は、医療機器によって求められた任意の作動内容を完了し、必要な全ての設定内容を保存し、その後、スタンバイモードに復帰する。
【0026】
パワーモジュール212は、変圧器と、AC電力入力と、出力コネクタと、電力システムと、ヒューズと、電源スイッチとを含んでいる。パワーモジュール212は、ユニバーサルコントロールコンソール102に給電し、該ユニバーサルコントロールコンソール102に取り付けられている周辺モジュールと医療機器とに給電する。
【0027】
図3は、本発明の特徴を具体化した、ユニバーサルコントロールコンソール102の正面と上面との図300を説明している。容器筐体302の正面は、グラフィカルディスプレイスクリーン304と、種々の操作者制御スイッチ306と、医療機器コネクタ308と、前面電源スイッチ310と、オレンジ色の“スタンバイ”インジケーターライト312と、緑色の“オン”ライト314とを含んでいる。コネクタ308は、機器を物理的に接続し、又は、間に物理的接続部分を持たずに、機器と無線通信を行うための、接続モジュールの一例である。
【0028】
図4は、図3に示したユニバーサルコントロールコンソール102の後面と底面との図400を説明している。容器筐体402の後面は、パワーモジュール404と、フットスイッチコネクタ406と、バキュームコネクタ408と、ESGコネクタ410と、将来医療機器/周辺装置を追加するためのスペアコネクタ412と、取り外せるパネル416によって隠れている外部コンピュータインターフェースコネクタ414とを含んでいる。出力モジュール404は、入力電力コネクタ418と、出力電力コネクタ420と、AC電力ヒューズ422と、後面電源スイッチ424とを含んでいる。筐体402の底面は、ゴーンという音、クロック音、アラーム音を鳴らすためのアラームスピーカ426を含んでいる。
【0029】
図5は、種々のディスプレイスクリーン間の関係を示すフローチャート500を表示している。該スクリーンは、開示の一例として、図6に参照され、且つ、示されている。
【0030】
特に、フローチャート500は、初期ブートアップ、医療機器接続、ユーティリティモードのセットアップ、ブートアップアラームシーケンスと、医療機器スクリプトのダウンロードとを包含しているソフトウェアフローチャートを説明している。一般に高位のソフトウェアフロー502は、ソフトウェアモジュールが、どのようにして、ユニバーサルコントロールコンソール102に接続されている医療機器を操作するかについて説明している。このソフトウェアフローは、各医療機器動作用の独自なものであっても良い。
【0031】
フローチャート500は、電源オンのシーケンスのスタート時に起動するブートアッププロセス504から始まる。判断ボックス506において、ユニバーサルコントロールコンソール102は、ショップモードジャンパーを確認し、システムが、ボックス508で説明されているトラブルシューティング/アップグレード用ショップモードに移行すべきか、又は、通常のブートアッププロセスを続行すべきか、を決定する。判断ボックス510は、所望の使用者言語を選択するために、使用者に言語選択スクリーンを表示すべきか否かを決定する。言語選択スクリーンを表示する場合、スクリーン602のような言語スクリーンが、表示される。この選択は、グラフィカルディスプレイスクリーンの隣接位置に設けられているプッシュボタンスイッチの使用によって行われる。ユニバーサルコントロールコンソールソフトウェアスクリプトは、これらのスイッチの機能を制御する。一旦、所望の言語が選択されると、スクリーン604のようなブートアップスプラッシュスクリーンが、表示される。
【0032】
医療装置が接続されると、スクリプトは、医療機器スクリプトをダウンロードするように命令し、スクリーン606のようなスクリーンが、操作者に対して表示される。アラームが、ブートアッププロセスの間に生じた場合には、スクリプトは、操作者に対してシステムリセットを求めるブートアップアラームスクリーン608に移る。何の医療機器も接続されていない場合には、スクリーン610のようなバイパスモードスクリーンが表示される。該スクリーン内において、操作者は、医療機器を接続し、又は、ユーティリティメニュウをアクセスすることについて尋ねられる。操作者が医療機器を接続すると、スクリプトは、機器スクリプトダウンロードモードを命令し、スクリーン606が表示される。操作者が、ユーティリティモードの設定を望む場合には、操作者は、“SELECT”のプッシュボタンスイッチを押す。これによって、スクリーン612のような、ユーティリティスクリーンに切り換わる。ユーティリティメニュウは、操作者に音量レベルと、ディスプレイスクリーンの輝度レベルと、を調節すること、又は、操作者が医療機器を接続することのできるスクリーン610に戻ることを可能にする。音量レベルの調節は、スクリーン614のような音量レベルスクリーンによって行われる。輝度レベルの調節は、スクリーン616のようなディスプレイスクリーン輝度レベルスクリーンによって行われる。一旦、正確な音量とディスプレイスクリーン輝度が選択されると、操作者は、バイパスモードスクリーンへと戻される。医療機器がユニバーサルコントロールコンソール102に接続されると、スクリプトは、機器スクリプトダウンロードモードを命令し、スクリーン606が表示される。一旦、スクリプトがダウンロードされると、ダウンロードスクリプトは、ユニバーサルコントロールコンソール102と、接続された医療機器の型によって決まるディスプレイとを制御する。フロー502において、接続された医療機器は、システム動作と、ディスプレイスクリーンを決定する。フロー502でのシステム動作とディスプレイスクリーンの一例は、図10乃至図17に詳しく表示されている。このフローを通じて、医療機器の適切な制御内容(control configuration)は、ユニバーサルコントロールコンソール102によって管理される。例えば、制御内容は、医療機器の動作内容に合うものを検出し、設定する。例えば、医療機器の適切な駆動電圧を、検出し、供給する。また、医療機器のモータを制御する制御信号を供給する。操作者に対し、医療機器に関する適切なGUI窓を提供し、これによって、操作者は、接続されている医療機器のGUI窓のみを操作すれば良くなる。バキュームポンプが、接続されている医療機器を使用するのに必要な場合には、バキュームポンプが正確に接続されているか否かを操作者に表示するだけでなく、バキュームポンプに適切な動作電圧を供給する。要するに、ユニバーサルコントロールコンソール102は、多数の医療機器を容易に動かすことができるように、操作者を援助するものである。可能な範囲内で、医療機器を動作させるための全てのプログラム可能な項目は、機器に自動供給され、又は、接続機器に供給できるようにするために、操作者に選ぶように促される。
【0033】
3つのプッシュボタンスイッチが、ディスプレイ内で用いられており、言語の選択、音量調節、リセット等、操作者行為を求める。図6に示されている全てのスクリーンは、本発明の精神の説明のために示されているものであり、変更の可能性と、唯一の形態を考えているのではないことが、当業者に理解されることである。
【0034】
図7は、開示の一例による、ユニバーサルコントロールコンソール102の種々のソフトウェア構成要素間の高レベルな双方向性について説明するフローチャート700を示している。構成要素は、メインモジュール702と、ツールコードモジュール704と、アプリケーションプログラムインターフェース(API)モジュール706と、コアソフトウェアモジュール708と、コントロールソフトウェアモジュール714と、バイナリI/Oモジュール722とを含んでいる。コアソフトウェアモジュール708は、自己診断モジュール710と、GUIモジュール712とを含んでいる。コントロールソフトウェアモジュール714は、通信コントロールモジュール716と、バキュームポンプコントロールモジュール718と、モータコントロールモジュール720と、RFコントロールモジュール721とを含んでいる。
【0035】
メインモジュール702は、動作用ソフトウェア機能を含んでいる。例えば、アッセンブリコード内に、リセット機能を含んでいる。該機能は、コントローラを始動し、自己診断部分を実行させることを求めるものである。メインモジュール702は、また、高位コードを含んでいる。該コードは、メインループを実行し、メモリとプロセッサとの診断を含む、幾つかの追加の自己診断を行う。
【0036】
ツールコードモジュール704は、ツールコードを、不揮発性メモリから非揮発性メモリのコードバッファに読み込み、その後、ツールコードについて診断を実行する。ツールコードは、種々の方法により診断される。例えば、サイクリックリダンダンシーチェック(CRC)を用いる方法である。ツールコードモジュール704は、また、ユニバーサルコントロールコンソール102に非揮発性メモリに対する書き込みができるようにする。
【0037】
ツールコードモジュール704の他の機能は、不揮発性メモリの診断を含むことができることである。換言すれば、ツールコードモジュール704は、不揮発性メモリに、問題が無いことを確かめるため、定期的な診断を実行することができる。
【0038】
APIモジュール706は、ツールコードと呼ばれるAPIを含んでおり、API管理装置が、上記APIを管理するのに用いられている。APIは、ツールコードモジュール704によって使用され、ユニバーサルコントロールコンソール102が一定の方法によって作動するようにする。一例では、ある実施方策は、APIモジュール706を介して、あるAPIルーチンを呼ぶソフトウェア割り込みの使用を求めるものでも良い。
【0039】
自己診断モジュール710は、組み込み式自己診断(BIST)ソフトウェアを含んでいる。該ソフトウェアは、種々の自己診断動作を行うのに用いられる。自己診断動作の大半は、非侵襲性のものでなければならず、例えば、誤設定の検出は行うが、これを誘発するものであってはならない。
【0040】
GUIモジュール712は、スクリーンに出力を描くのに用いられるソフトウェアを含んでいる。このGUIモジュール712は、また、ブートアップ時のカラーパレット初期化と、スプラッシュディスプレイスクリーンの描画と、以降のディスプレイスクリーンのリフレッシュ動作とを行う機能を含んでいる。
【0041】
通信コントロールモジュール716は、RS-485コネクタを通じて入出力を制御するソフトウェアを含んでいる。通信コントロールモジュール716は、テーブル内のポートに関する全情報を保持しており、該情報は、通常、高速検索を確実にするため、索引が付けられている。通信コントロールモジュール716の割り込み呼び出しルーチンは、ハードウェアアクセスレイヤに通じており、これによって、ユニバーサルコントロールコンソール102が入来データを受け取れることができるようにする。
【0042】
バキュームポンプコントロールモジュール718は、バキュームポンプシステムインターフェースを制御するソフトウェアを含んでいる。例えば、バキュームポンプコントロールモジュール718は、バキュームとポンプ出力とを検出することができる。また、ユニバーサルコントロールコンソール102から送られてきた命令を正確な圧力に変換し、又は、その逆を行うことができる。
【0043】
モータコントロールモジュール720は、は、医療機器内のモータを制御するソフトウェアを含んでいる。モータコントロールモジュール720は、ユニバーサルコントロールコンソール102に種々の動作モードを提供する。例えば、モータコントロールモジュール720は、フィードバックコントロール動作モードを提供する。該モードは、フィードバック機能を提供するため、種々の離散比例積分微分(PID)フィードバックアルゴリズムを採用しても良い。モータコントロールモジュール720は、また、定電流及び定電圧動作モードを含む、種々の定動作モードを提供する。該モードは、安定したモータが必要な医療機器に必須のものである。RFコントロールモジュール721は、RFエネルギーを用いる制御機器のために設けられている。
【0044】
バイナリI/Oモジュール722は、バイナリ入出力を行うソフトウェアを含んでいる。例えば、バイナリI/Oモジュール722は、バイナリ出力のアレイを、ハードウェアアドレスレジスタのその対応するアレイに位置付けし、後者にデータの書き込みを行う。例えば、“電源オフ”のボタンが押された時、バイナリI/Oモジュール722は、対応するハードウェアアドレスレジスタをまず調べ、位置を確認し、その後、電源オフシーケンスを開始する。他の例では、モータが止まった時、バイナリI/Oモジュール722は、対応するハードウェアアドレスを読み、フラグをモータが止まったことを表示する状態にする。
【0045】
本発明の実施例のユニバーサルコントロールコンソールは、標準室温で動かされ、且つ、普通何の特別な安全保持のための処置を必要としないものである。動作電圧は、対応標準電流制限を伴う100〜240Vの交流である。また、電磁発生用CISPR11やIEC60601-1-2:2001、点滴、スプラッシュ、液侵要件用IEC601-2-2セクション44.3のような、他に工業上要求された環境状態を満たしている。また、日本、カナダ、EU、米国等の異なる国の医療機器用の種々の安全要求事項を含む、種々の国際規格を満たしている。
【0046】
図8は、開示の一例による、バイオプシー機器1002と、ユニバーサルコントロールコンソール102との間の相互作用を具体化した設計1000を説明するものである。バイオプシー機器1002は、更に図9に説明されている。
【0047】
一般的な設計仕様
この具体的設計1000において、バイオプシー機器1002のような医療機器は、SenoCorDR3000バイオプシードライバ1004と、SenoCor360バイオプシープローブ1006のような手術用構成要素と、で構成されている。バイオプシープローブ1006と、バイオプシードライバ1004とは、ユニバーサルコントロールコンソール102と、VS3000バキュームシステム1008と、SenoRxES300ESGモジュール1010とが連動して用いられる時、乳房組織のバイオプシー標本が得られるように、設計されている。SenoCorDR3000、SenoCor360、VS3000、SenoRxES300の詳細については、SenoRxのウェブサイト、http://www.senorx.com/products/product_catalog/index.aspにおいて知ることができる。
【0048】
図3、図4、図8を参照すると、ユニバーサルコントロールコンソール102は、医療機器コネクタ308から、コントロールケーブル1012を介して、バイオプシードライバ1004に接続されている。バイオプシー機器1002が図8に示すように接続されている時、ユニバーサルコントロールコンソール102は、ユーザインターフェースと、モータ速度コントロールと、バイオプシードライバ1004用操作者フィードバックとを提供する。
【0049】
設計上の特徴
具体的設計1000は、多くの特徴を提供し、これらの内の4つが、以下に強調される。
【0050】
1)無線周波(RF)カッティングチップ
バイオプシー機器1004に取り付けられている、バイオプシープローブ1006は、使い捨てのRFカッティングチップが一体化されている。RFカッティングチップは、機器が、取り扱いにくい不均一な乳房組織を通じて容易に滑らかに動き、かつ、高密度の病変部分を貫くことができるようにし、これによって、機器の目標を定める能力を高めるものである。RFエネルギーは、ESGモジュール1010によって生成される。該ESGモジュール1010は、二重フットスイッチ1014と、ユニバーサルコントロールコンソール102とによって制御される。発生器は、フットスイッチ1014がケーブル1016を介してコネクタ406に接続され、そして、ESGコネクタ410がケーブル1018を介してESGモジュール1010のフットスイッチ入力コネクタに接続されるようにすることができる。RS−485通信用に設計されている、ケーブル1018は、ユニバーサルコントロールコンソール102が、バイオプシー機器1002用にESGモジュール1010を、設定できるようにする通信路を提供する。ESGモジュール1010からのRF出力は、RFケーブル1024を介して、バイオプシードライバ1004のRFケーブルコネクタ1026に与えられる。患者リターンパッド1028は、ケーブル1030を介してESGモジュール1010に接続されている。
【0051】
2)一体化された同軸プローブ
使い捨てのバイオプシープローブ1006は、インナーカッティングトロカールと、外側プローブを備えている標本室とで構成されている。トロカールは、鋭く先の尖った手術器具であって、プローブにぴったりと合い、体腔、典型的には、排液口にプローブを差し込むのに用いられる。外側プローブは、典型的には、体腔に差し込むための小さな管である。病変部分が目標にされた後、外側プローブは、バイオプシー供試体の除去に続いて内側標本室が除去されるまでの間、置かれたままである。上記機能は、バイオプシードライバ1004内のDCモータによって発生する。DCモータは、使い捨てのバイオプシープローブ1006に線形又は回転運動を与える。医療機器は、4つまでのDCモータを含んでおり、各モータは、ユニバーサルコントロールコンソール102内のDAC出力によって駆動される。これらの信号と他の必要な信号とが、医療機器コネクタ308と、コントロールケーブル1012とを通って、バイオプシードライバ1004に送られる。
【0052】
3)バイオプシーシステムを援助する周辺バキューム
機器1002は、完全に360度の範囲から組織を取り込む、これによって、疑いのある塊の中央部分から直接、組織の取り込みができるようにする。この処理では、ドライバ1004に設けられているバキュームスイッチを使用することによって、バイオプシー領域からの過剰液除去が助けられる。バキュームは、バキューム管1036を介してバイオプシードライバ1004のバキューム管コネクタ1034に接続されている、バキュームシステム1008によって実行される。バキュームシステム1008は、バキュームコネクタ408に接続されているケーブル1038を介してユニバーサルコントロールコンソール102の制御下に置かれている。
【0053】
4)コントロールボタン
図9を参照すると、バイオプシー機器1002は、バイオプシードライバ1004と、バイオプシープローブ1006とを含んでおり、"sample"、"vacuum"、"eject"の3つの使いやすい押しボタンが設けられている。組織標本化を行うには、操作者は、"sample"ボタン1102を押す。バイオプシー腔から過剰液を除去するには、操作者は、"vacuum"ボタン1104を押す。次の処理のために、プローブを換えるには、操作者は、"eject"ボタン1106のような、ある機能キーや解除機構を押す。これによって、使い捨てのプローブは、容易に除去できる。プローブのサイズ(例えば、直径)を決め、そして、使い捨てのプローブが取り付けられているのか又は除去されているのかをシステムに知らせる、2つの光学センサが、設けられている。上記ボタンに関連する作動内容が、異なるプローブデザイン、機能とソフトウェア制御の要請によって異なることは、当業者にとって理解されることである。
【0054】
技術説明
ユニバーサルコントロールコンソール102に関連する、多数のコネクタ、ケーブル、管の内の7つのものについての説明が、以下に示されている。
【0055】
1)医療機器コネクタ
図3、図8、図9を参照すると、コネクタ308は、シールドケーブルと非分離I/Oとを備えている、56ピンコネクタである。医療機器からの入力は、8線式符号器(符号器毎の2本の信号線)と同様に、6線ディジタルワイヤ(スイッチや位置センサ)を有することが好ましい。この例における医療機器の出力は、電力用の4線(+12Vの直流、−12Vの直流、+5Vの直流、接地)と、LEDインジケーターとリレー制御用の6線ディジタルワイヤと、モータドライバ制御用の8線(モータ毎に2線)とで構成されている。医療機器は、4つまでの直流モータを備えているのが好ましい。例えば、ユニバーサルコントロールコンソール102は、各モータ用に12ビットDAC出力を用意している。全4つのモータに対する最大電流は2Aである。各モータは、1Aまで出力することができ、全4つのモータに対して2Aの上限が維持されている。更に、8線が、EEPROM通信用に用いられており、2線が接地用(一方がシールド用で、他方がコネクタケース用である)に用いられており、5本のスペア線が将来の拡張のために設けられている。種々の型のモータが、異なる医療機器によって用いることができ、且つ、ユニバーサルコントロールコンソール102は、コネクタに対する特別な必要条件を持つ医療機器を制御するための適切なコネクタを実装することができる、ということが理解される。
【0056】
2)フットスイッチコネクタ
コネクタ406は、シールドケーブルと分離I/Oとを備えている、12ピンコネクタである。フットスイッチは、使用中の信号用の2線と、共通リターン信号用の1線と、シールド信号用の1線と、将来の拡張用の8本のスペア線と、を用いるものであっても良い。
【0057】
ESGコネクタ410について。該コネクタ410は、シールドケーブルと分離I/Oとを備えている、15ピンコネクタである。コネクタ410は、RS−485通信バスを用いた、ESGモジュール101の状態通信用、又は、ESGモジュール1010の設定用の入出力を含んでいる。コネクタ410は、また、将来の拡張用に幾つかのスペア線を含んでいる。
【0058】
3)バキュームコネクタ
コネクタ408は、シールドケーブルと分離I/Oとを備えている、18ピンコネクタである。コネクタは、バキュームシステムデータと計時用に2線を用いる。入力は、バキュームレベル用に4ビットと、制御用に2ビットとを含んでいる。また、電源オン信号と、バキューム準備完了状態信号とを搬送する線を含んでいる。
【0059】
外部コンピュータインターフェースコネクタ414について。該コネクタ414は、ノンシールドケーブルと非分離I/Oとを備えている、14ピンコネクタである。該コネクタ414は、BDM通信用に10線、RS-232通信用に3線、ショップモードスイッチ用に1線を含んでいる。ショップモードは、システムトラブルシューティング及び/又はアップグレード用に順に用いられるものである。
【0060】
4)入力電力コネクタ
コネクタ418は、ノンシールドで、取り外し可能なコードを備えている、3ピンコネクタである。入力電力は、最大入力の上限が2Aの、50又は60Hzで動作する100/200Vの交流である。
【0061】
5)出力電力コネクタ
コネクタ420は、ノンシールドで、取り外し可能なコードを備えている、3ピンコネクタである。出力電力は、50又は60Hzで動作する100/200Vの交流である。
【0062】
6)ドライバ構成要素
機器1002は、ユニバーサルコントロールコンソール102にダウンロードされたソフトウェアスクリプトによって制御される以下の構成要素を有している。
【0063】
7)ストロークモータ
ストロークモータは、機器1002のカッティングスリーブの軸方向の動きを制御する。モータは、モータコントロールモジュール720によって、順に制御される。
【0064】
8)カッティングモータ
カッティングモータは、機器1002のカッティングスリーブの回転動を制御する。モータは、モータコントロールモジュール720によって、順に制御される。
【0065】
9)バキューム、サンプルスイッチ
機器1002のバキューム(vacuum)、サンプル(sample)スイッチは、コントロールモジュール102のディジタル入力対応する接点入力である。スクリプトは、コントロールモジュール102からの3つの入力値を取得するため、APIモジュール706内に記されているのと同じAPIを用いる。
【0066】
10)バキュームLED
機器1002のバキュームLEDは、コントロールモジュール102の出力である。スクリプトは、APIモジュール内に記述されているAPIを用いる。
【0067】
ドライバユニットは、ユニバーサルコントロールコンソール102の医療機器コネクタ308に接続されているコントロールケーブル1012を介して、その電力とコントロールと状態との情報を受け取る。ドライバ1002は、バイオプシー領域内の過剰液を除去し、次のカッティング用に、バイオプシー領域内の組織を引っ張ることを、バキュームに要求する。このバキュームは、バキュームコネクタ1034を介して適用され、"vacuum"ボタン1104又はツールの状態に依存するスクリプトソフトウェアによって制御される。制御RF電力や機械式カッターは、また、乳房組織を切開するために、機器1002にとって必要なものである。RF電力は、RFケーブルコネクタ1026を通じて適用され、且つ、フットスイッチ1014によって制御される。また、スクリプトソフトウェアは、フットスイッチ使用を禁止し、又は、フットスイッチを用いずに、RF電力をオンに切り換えることができる。組織の標本が求められた時は、いつでも、"sample"ボタン1102を押すことによって、組織の標本が取得される。
【0068】
医療動作に必要な他の構成要素がある。例えば、滅菌水、生理食塩水が、種々の手術動作に必要であり、それらは、同様に、コントロールコンソールを通じて、且つ、該コントロールコンソールによって制御される。
【0069】
11)フローロジック
図10Aは、フローチャート1200を示している。フローチャート1200は、開示の一例における、ユニバーサルコントロールコンソール102の動作時のバイオプシードライバ1004の、初期スクリプト初期化と、通常手術動作状態と、不具合状態と、ツールエグジット状態とを含んでいる。ディスプレイスクリーンは、システムの状態に基づく、ユニバーサルコントロールコンソール102のグラフィカルディスプレイスクリーン304上に生成される。システムは、手術動作中、種々のディスプレイスクリーンを介して、ユニバーサルコントロールコンソール102とこれらの医療機器との状態と、使用者行為についての情報とを、操作者に対し、表示する。
【0070】
図5、図6、図10Aを参照すると、ディスプレイスクリーン602からスクリーン616は、初期ブートアップ、医療機器接続、ユーティリティモードセットアップ、アラームシーケンスのブートアップから、医療機器スクリプトのダウンロードまでの範囲のことを対象とする。図10Aで明らかな状態は、ユニバーサルコントロールコンソール102を動作するバイオプシードライバ1004に特有のものであり、フロー502として図5に描かれている。ユニバーサルコントロールコンソール102に取り付けられているものは、それらを動作させるために、固有の状態と、ディスプレイスクリーンとを有している。
【0071】
図10B乃至図10Dは、開示の一例における、図10A内の状態に関する種々のディスプレイスクリーンを示している。図10A乃至図10Dを参照すると、スクリプト初期化状態1202は、スクリーン1204のようなディスプレイスクリーンを有している。この状態において、初期システムパラメータ、バキュームシステムパラメータ、RF発生器パラメータが、セットされる。この状態は、医療機器スクリプトがユニバーサルコントロールコンソールにダウンロードされた後に、初期化される。この初期化が成功すると、フローは、ツール初期化状態1206に進む。ツール初期化状態1206は、スクリーン1208、又は、次にリセットによる初期化を行う場合にはスクリーン1210のようなディスプレイスクリーンを有している。スクリプト初期化状態で、バキューム初期化が失敗した場合には、フローは、ツールエグジット状態1212に進む。エラーが発生した場合には、スクリプトは、適切なエラー状態となる。
【0072】
ツール初期化状態1206において、ツールは、プローブを差し込むことなく初期化される。ツールは、ストロークモータを、完全にストロークするように動かし、最終位置で確実に止まるように、循環させる。ストロークの終了時、ツールは、カッティングモータを動かし、これによって、その機能の動作確認を行う。ツールは、プローブのフォトトランジスタのポーリングを行い、ツールが差し込まれていないことを確認する。ツールは、使用者が利用できるスイッチ("vacuum"、"sample"、"footswitches")のポーリングを行い、それらの何れもが、ストロークモータの循環の終り、即ち、スタックコンタクトの状態で、押されてないことを確認する。プローブがこの状態の時に差し込まれると、ソフトウェアは、ツール不具合状態となり、ディスプレイスクリーン1214を表示する。エラーが更に発生した場合には、スクリプトは、適切なエラー状態となる。
【0073】
較正状態1216において、ツール初期化状態1206が成功すると、スクリーン1218が、プローブやブレード等の手術用構成要素が差し込まれるまでの間、表示される。一旦、プローブが差し込まれると、較正状態1216は、まず、操作者によって"sample"ボタンが押されるのを待ち、その後、スクリーン1220が表示された時、ツールを較正するため、2回短くストロークさせる。ストロークモータが正確に動作せず、又は、プローブが非接触な状態になり、較正中にエラーが発生した場合には、スクリプトは、ツール不具合状態1222となり、スクリーン1224を表示する。エラーが更に生じた場合には、スクリプトは、適切なエラー状態になる。
【0074】
較正が成功すると、フローは、バイオプシー領域閉鎖状態1226に進む。バイオプシー領域閉鎖状態1226は、まず、"sample"ボタンが押されるのを待ち、その後、カッターを開く。状態1226において、スクリプトは、以下の機能を行う。
1.バキューム、発電システム不具合を継続的にモニタする。
2.新たにフットスイッチとサンプルスイッチが押されるのを継続的にモニタする。
3.新たにフットスイッチが押されたことが検出され、且つ、"sample"ボタンが押されて無いことが検出されると、RF発生器を作動する。
4."vacuum"ボタンが押され、約1秒保持されると、先端トリムを使用できるようにし、先端トリム使用可能スクリーンを表示する。
5.先端トリムが使用可能な時に、"vacuum"ボタンが押されると、先端トリムを使用不可能にする。
6."sample"ボタンが押され、且つ、フットスイッチが押されて無い場合、バイオプシー領域切開状態1238に進む。
【0075】
状態1226においてあり得るスクリーンの幾つかは、スクリーン1228、1230、1232、1234、1236である。スクリーン1228では、バイオプシー領域が閉じ、RFが不使用状態になっている。スクリーン1230では、バイオプシー領域が閉じているが、RFが使用状態である。スクリーン1232では、バイオプシー領域が閉じ、RFが利用できない状態である。スクリーン1234では、先端トリムが使用できる状態である。スクリーン1236では、バイオプシー領域が閉じ、RFが不使用状態で、フットスイッチがRF作動前から押し続けられている状態である。
【0076】
状態1226は、"sample"ボタンが押された時に状態1238に進む。状態1238において、スクリプトは、先端トリムが使用できず、スクリーン1240が表示されている場合に、オープンストロークを行う。操作者は、バイオプシーカッターによる完全又は半分のストロークの切開を選ぶことができ、且つ、幾つかの必要なGUIが提供される、ということが理解される。オープンストロークが正常終了した場合には、フローは、バイオプシー領域開状態1242に進む。状態1238の間に、ストロークモータが正確に応答しておらず、プローブが非接触な状態になっている様なエラーが発生した場合、スクリプトは、ツール不具合状態1222となる。更に他のエラーが発生した場合には、スクリプトは、適切なエラー状態になる。
【0077】
状態1242において、操作者は、バキュームモジュールやESGモジュールを作動することができる(例えば、先端トリムが使用できない場合)。"sample"スイッチが押された時、フローは、典型的には、バイオプシー領域閉状態1244に進む。この状態がプローブ非接触状態PUSから入ったものである場合に、ESGモジュールは使用できるようになる。ここで、プローブは、状態1244の閉&切開処理中、アンラッチにされる。
【0078】
状態1242において、スクリプトは、以下の機能を行う。
1.この状態がプローブ非接触状態PUSから入ったものである場合に、RFを使用できるようにする。ここで、プローブは、バイオプシー領域閉状態の閉&切開処理中、アンラッチにされる。また、RFは、先端トリムが使用できる場合に、使用できるようになる。
2.バキューム、ESGモジュールからの不具合を継続的にモニタする。
3.新たにフットスイッチが押され、新たに"vacuum"スイッチが押され、新たに"sample"スイッチが押されることを、継続的にモニタする。
4.RFが使用できず、新たにフットスイッチが押されたことが検出され、且つ、"sample"ボタンが押されて無い場合には、ESGモジュールを作動する。
5."vacuum"ボタンが押され、且つ、"sample"ボタンが押されて無い場合には、バキュームモジュールを作動する。
6."sample"ボタンが押され、且つ、フットスイッチが押されて無い場合には、バイオプシー領域閉状態に進む。
【0079】
状態1242においてあり得るスクリーンの幾つかは、スクリーン1246、1248、1250、1252、1254、1256、1258、1260、1262、1264、1266である。スクリーン1246は、状態1238の正常終了時、または、例えば、状態1242が、明記してないが、他の状態が状態1242をデフォルトにする時に表示される。スクリーン1248は、高速閉処理に不具合を生じたが、バイオプシー領域がその後に開いた、後に、表示される。スクリーン1250は、状態1244と閉切処理状態とに不具合を生じたが、バイオプシー領域がその後に開いた後、状態1238から入った後に表示される。スクリーン1252は、状態1238中に、タイマー終了又はストロークモータが止まった後、状態1238から入った後に表示される。スクリーン1254は、閉切処理状態中に、状態1244から順に入る状態PUS、から入った後に表示される。スクリーン1256は、ESGモジュールの使用中に表示される。スクリーン1258は、バキュームモジュールの使用中に表示される。スクリーン1260は、状態1238の正常終了、又は、明記してない他のエントリポイントから入った時に表示される。スクリーン1262は、状態1244と閉切処理状態とに不具合を生じたが、バイオプシー領域がその後に開いた後、状態1238から入る。スクリーン1264は、状態1238中に、タイマー終了後又はストロークモータが止まった後、状態1238の終了から入る。スクリーン1266は、先端トリムが使用できる時、状態1238の正常終了から入る。
【0080】
状態1244において、バキュームモジュールは、2秒間作動され、その後、状態1244がストロークモータを始動しカッターを閉じ、且つ、カッティングモータを始動させる。2秒間のバキューム期間中に、"vacuum"ボタンが押されると、スクリプトは、直ちに、ストロークモータを、カッティング時よりも高速で、始動させると共に、カッティングモータは始動させない。クロースストロークが正常終了した時、フローは、状態1226に進む。更にエラーが発生した場合には、スクリプトは、適切なエラー状態になる。
【0081】
状態1244において、スクリプトは、以下の機能を行う。
1.先端トリムが使用できない場合に、前バキューム期間の2秒間だけバキュームをオンにする。
2.前バキューム期間中に、"sample"ボタンが押された場合、ストロークモータを高速で、始動させ、カッターを瞬時に閉じる(“高速閉”)。"sample"ボタンが押されず、又は、先端トリムが使用できない場合には、ストロークモータを始動させてカッターを閉じ、且つ、カッティングモータを始動させる。
3.(高速閉ではない)通常のカッティング処理中、"sample"ボタンが押された場合、バキュームを継続動作させた状態で、モータを停止させる。"sample"ボタンが再び押された時、両方のモータを再び始動させる。
4.カッターが閉じた後、先端トリムが使用できる場合、先端トリムが動いている短い時間、カッティングモータを逆方向に始動させる。
【0082】
状態1244においてあり得るスクリーンの幾つかは、スクリーン1268、1270、1272、1274、1276である。スクリーン1268は、標本化前のバキューム処理中に表示される。スクリーン1270は、高速閉処理中に表示される。スクリーン1272は、閉切処理中に表示される。スクリーン1274は、標本化の一時停止処理中に表示される。スクリーン1276は、先端トリム処理中に表示される。更に、状態1216、1222、1226、1238、1242、1244の内の何れかにおいて、バイオプシー機器のような医療機器が除去された場合には、全ての状態が、状態1212となる。
【0083】
図11Aは、フローチャート1300を示している。フローチャート1300は、開示の一例による、ユニバーサルコントロールコンソール102で動作している、バイオプシードライバ1004の非接触プローブ処理状態を包含している。プローブが、状態PUSにおいてアンラッチとなった後に、再ラッチされた時、フローは、状態1302に進む。ここで、プローブがアンラッチになり、フローが状態PUSに戻るまでの間、フローはその状態を維持する。
【0084】
状態PUSは、機器に差し込まれたプローブを有している、任意の動作(エラーでは無い)状態から入る。スクリプトは、スクリーン1278を操作者に表示することによって、使用者にプローブを元の位置に戻すよう促す。殆の場合、この状態は、エラーが発生した時の状態に戻る。スクリプトは、該エラー発生時の状態のものである。例外は、スクリプトが状態1244のものである場合において、標本化前のバキューム、又は、閉切処理の何れかである。これらの場合において、閉切処理中にエラーが発生した場合、状態PUSは、ESGモジュールが使用できない状態の状態1242となる。
【0085】
図11Bは、開示の一例による、図10Aにおける状態PUSに関するディスプレイスクリーンを示している。スクリーン1304は、プローブがアンラッチの時に、表示され、これによって、操作者にプローブを元の位置に戻し、機器をリセットすることを要求する。
【0086】
図12は、開示の一例による、ユニバーサルコントロールコンソール102で動作している、バイオプシードライバ1004のツール不具合状態1222における種々のディスプレイスクリーンを示している。ツール不具合状態は、プローブを機器から除去することを要求するようなエラーが発生した時に入るエラー状態のことである。この状態は、発生したエラーを示すメッセージを表示し、その後、プローブが除去されるのを待つ。種々のスクリーン1402、1404、1406が、ツール不具合状態において表示される。スクリーン1402は、状態1206中、プローブが機器に差し込まれている時に表示される。スクリーン1404は、バイオプシーが不具合を生じ、次の状態1238でも不具合が生じた後に表示される。スクリーン1406は、較正に不具合が生じ、オープンストロークができなかった後に、表示される。
【0087】
図13Aは、フローチャート1500を示している。フローチャート1500は、開示の一例による、ユニバーサルコントロールコンソール102で動作している、バイオプシードライバ1004のESGモジュール不具合状態(EMFS)を包含している。ESGモジュール不具合状態のディスプレイスクリーンは、更に、図13Bに説明されている。ESGモジュール不具合が、状態EMFSにおいて引き起こされた後に修正された時、フローは、状態1502となる。ここで、ESGモジュール不具合が再び引き起こされ、状態EMFSに戻されるまでの間、フローはその状態を維持する。
【0088】
図13A、図13Bの両方を参照すると、システムがシステム内の不具合を検出した時、状態EMFSは、状態1202、1212以外の任意の状態から入る。スクリプトは、2種類のESGモジュールに対応しており、不具合の検出は、ESGモジュールの型に依存する。接続されている何れかのESGモジュールの欠如は、ESGモジュール不具合を生じる。更に、C型発生器が検出された場合、不具合は、それが応答しない時や、必要な時に患者パッドが接続されていない時に、生じる。(必要な時は、較正状態中と、ESG RFが作動している全ての時である。)以降のスクリーン1504、1506は、ESGモジュール不具合の時に表示される。スクリーン1504は、患者パッド不具合の時に、表示される。スクリーン1506は、ESGモジュール不具合の時に表示される。
【0089】
図14Aは、フローチャート1600を示している。フローチャート1600は、開示の一例による、ユニバーサルコントロールコンソール102で動作している、バイオプシードライバ1004のバキューム不具合状態(VFS)を包含している。バキューム不具合状態のディスプレイスクリーンは、更に、図14Bに説明されている。バキューム不具合が状態VFSにおいて引き起こされた後に修正された時、フローは、状態1602となる。ここで、バキューム不具合状態が再び引き起こされ、状態VFSに戻されるまでの間、フローは、その状態を維持する。
【0090】
図14A、図14Bの両方を参照すると、状態VFSは、システムがバキュームモジュールに不具合を検出した時に、ほとんどの状態から入るようになっている。不具合は、バキュームモジュールを使用できない状態(非接続状態)にし、又は、バキュームレベルが必要最小限の要求を満たすことができないようにする。スクリプトは、バキュームモジュールの修復のために8分間だけ待った後に、バキュームモジュールをオフにし、操作者に"reset"ボタンを押し続けることを要求する。
【0091】
以降のスクリーン1604、1606、1608は、バキューム不具合状態において表示されるものである。スクリーン1604は、バキュームが回復されている間に表示される。スクリーン1606は、バキュームが回複できなかった時に表示される。スクリーン1608は、バキュームが回復できなかった後に表示される。
【0092】
図15Aは、フローチャート1700を示している。フローチャート1700は、開示の一例による、ユニバーサルコントロールコンソール102で動作している、バイオプシードライバ1004のエグジット処理状態を包含している。エグジット処理状態のディスプレイスクリーンは、更に、図15Bに説明されている。ドライバが任意の状態から除去された時、ツールエグジット状態TESが引き起こされる。典型的には、タイマーが終了し、又は、ESGモジュールが再設定された場合、フローは、先のメニュウスクリーンに戻る。ドライバが、再接続された場合には、フローは、状態1206に戻る。
【0093】
以降のスクリーン1702、1704、1706、1708は、ツールエグジット状態において表示されるものである。スクリーン1702は、ESGモジュール用整合性チェックに不具合を生じた後に表示される。スクリーン1704は、ツールの整合性に不具合を生じた後に表示される。スクリーン1706は、ポンプ初期化に不具合が生じた時に表示される。スクリーン1708は、ツールスクリプトが、正しく終了した後に表示される。
【0094】
上記開示は、異なる特徴を開示するための、多くの異なる実施例や実例を提供する。構成要素と処理との詳細な例は、開示内容を明確にするために説明されている。これらのものは、当然、例示にすぎず、記載されている請求の範囲によって限定されるものでもない。
【0095】
再利用可能な医療装置のユニバーサルコントロールモジュール用の設計と方法とを具体化したものとして、本発明は、ここに説明され、且つ、開示されたが、詳細に示されたものに限定するものではなく、種々の改良や構成上の変更が、本発明の精神、請求の範囲の範囲と均等な範囲とから逸脱することなく、形成することができる。したがって、以下の請求の範囲に記載されているように、添付の請求の範囲は、広く解釈され、且つ、開示の範囲との整合性を保つことが、適切である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1A】複数の医療機器を動かす、本発明の特徴を具体化した、ユニバーサルコントロールコンソールを説明する略線図である。
【図1B】複数の医療機器を動かし、且つ、ハウジングモジュールを通じて周辺モジュールを動かす、本発明の特徴を具体化した、ユニバーサルコントロールコンソールを説明する略線図である。
【図2】図1A又は図1Bに示した、ユニバーサルコントロールコンソールの主な構成要素を説明している。
【図3】本発明の特徴を具体化している図1Aに示したユニバーサルコントロールコンソールの正面図を説明している。
【図4】本発明の特徴を具体化している図1Aに示したユニバーサルコントロールコンソールの背面図を説明している。
【図5】本発明の特徴を具体化している種々のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)ディスプレイスクリーン間の関係を説明するフローチャートを示している。
【図6】本発明の特徴を具体化しているユニバーサルコントロールコンソール用の種々のディスプレイスクリーンを表している。
【図7】本発明の特徴を具体化しているユニバーサルコントロールコンソールの種々のソフトウェア構成要素間の双方向性を説明するフローチャートを説明している。
【図8】バイオプシー装置とユニバーサルコントロールコンソールとの間の相互作用を具体化している設計を説明している。
【図9】バイオプシー装置を説明している。
【図10A】本発明の一例による、バイオプシー装置を備えているユニバーサルコントロールコンソールの動作状態を説明するフローチャートを示している。
【図10B】本発明の一例による、図10Aの状態に関する種々のディスプレイスクリーンを示している。
【図10C】本発明の一例による、図10Aの状態に関する種々のディスプレイスクリーンを示している。
【図10D】本発明の一例による、図10Aの状態に関する種々のディスプレイスクリーンを示している。
【図11A】本発明の一例による、プローブ不具合処理のフローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを表している。
【図11B】本発明の一例による、プローブ不具合処理のフローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを表している。
【図12】本発明の一例による、ツールエラー状態のディスプレイスクリーンを示している。
【図13A】本発明の一例による、ESG不具合処理フローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを示している。
【図13B】本発明の一例による、ESG不具合処理フローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを示している。
【図14A】本発明の一例による、バキューム不具合処理フローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを示している。
【図14B】本発明の一例による、バキューム不具合処理フローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを示している。
【図15A】開示の一例による、ツールエグジット処理フローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを示している。
【図15B】開示の一例による、ツールエグジット処理フローチャートと、その対応ディスプレイスクリーンとを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の電動医療機器を制御するためのコントロールコンソールであって、
少なくとも1つの医療機器と通信するように設計された、少なくとも1つの機器接続モジュールと、
医療機器からの通信に基づいて、医療機器の動作を命令するためのマイクロプロセッサ基盤コントロールモジュールと、
を含んでいるコントロールコンソール。
【請求項2】
医療機器が、ハンドヘルド医療機器である、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項3】
医療機器が、手術用機器である、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項4】
医療機器が、コンピュータ制御機器である、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項5】
コンピュータ制御医療機器が、無線制御されるものである、請求項4に記載のコントロールコンソール。
【請求項6】
医療機器が、少なくとも1つの、無線周波によって、又は、機械的に、エネルギーが与えられるようになっているツールを、手術や医療動作を行うために含んでいる、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項7】
医療機器が、バイオプシープローブである、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項8】
医療機器が、温度プローブである、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項9】
医療機器が、心拍数モニタ機器である、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項10】
医療機器が、薬剤注入ツールである、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項11】
医療機器が、麻酔ツールである、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項12】
更に、医療機器に関連する少なくとも1つの周辺モジュールを、接続するための、少なくとも1つの周辺モジュールコネクタを含んでいる、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項13】
周辺モジュールが、医療機器によって制御されるものである、請求項12に記載のコントロールコンソール。
【請求項14】
周辺モジュールが、電気手術用電源モジュールである、請求項12に記載のコントロールコンソール。
【請求項15】
周辺モジュールが、フットスイッチモジュールである、請求項12に記載のコントロールコンソール。
【請求項16】
周辺モジュールが、バキュームポンプモジュールである、請求項12に記載のコントロールコンソール。
【請求項17】
周辺モジュールが、液体ポンプモジュールである、請求項12に記載のコントロールコンソール。
【請求項18】
更に、論理及びインターフェース機能を制御するためのソフトウェアモジュールを含んでいる、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項19】
ソフトウェアモジュールが、更に、制御信号を発生する、請求項18に記載のコントロールコンソール。
【請求項20】
ソフトウェアモジュールが、更に、同様に動かすため、医療機器から予め決められたソフトウェアスクリプトを受け取り、且つ、処理する、請求項18に記載のコントロールコンソール。
【請求項21】
操作者モジュールが、更に、1又は2以上のスイッチ又はインジケーターを含んでいる、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項22】
1又は2以上の予め決められたディスプレイスクリーンが示された時に、スイッチとインジケーターとが選択的に作動される、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項23】
更に、パワーモジュールを含んでいる、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項24】
接続モジュールが、医療機器を接続し、且つ、該医療機器と通信を行うためのコネクタである、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項25】
接続モジュールが、医療機器と無線通信を行う、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項26】
更に、アナログ入力受信用アナログ−ディジタル変換器を含んでいる、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項27】
医療機器が、コントロールコンソールによって駆動される照明機器と共に作動する、請求項1に記載のコントロールコンソール。
【請求項28】
多数の機器のコントロールモジュールを動かすための方法であって、
医療機器を動かすのに必要な1又は2以上の周辺モジュールをコントロールモジュールに接続し;
コントロールモジュールに接続されている医療機器を検出し;
周辺モジュールと共に、医療機器を動かすための1又は2以上の機器クリプトをダウンロードし;
医療機器と周辺モジュールとを初期化し;
操作者に、選択的に作動された、1又は2以上の操作スイッチを備えている、医療機器と周辺モジュールとを、動かすように命令する、ことを含む方法。
【請求項29】
命令が、更に、1又は2以上のグラフィックディスプレイスクリーンの案内の下、操作者を動かす命令を含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
命令が、更に、関連するグラフィックディスプレイスクリーンが操作者に示された時に、スイッチを作動させることを含んでいる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
初期化が、更に、医療機器であって、その中に差し込まれている、予め決められた手術用構成要素を有していない医療機器を、初期化することを含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
更に、医療機器であって、その中に差し込まれている、手術用構成要素を備えている医療機器を、較正することを含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
更に、操作者に、操作者とインターフェース接続する言語を選択させることを含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
命令が、更に、動作中、医療機器又は周辺モジュールの不具合をモニタすることを含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
命令が、更に、医療機器又は周辺モジュールから1又は2以上の信号を受け取った時に、1又は2以上の予め決められたグラフィックディスプレイスクリーンを選択的に作動又は作動停止させることを含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
1又は2以上の医療機器を制御するための、多数の機器のコントロールコンソールであって、該コントロールコンソールが、
少なくとも1つの予め決められた医療機器と通信するための1又は2以上の接続モジュールと、
医療機器によって動かされるのに必要な1又は2以上の周辺モジュールと通信するための1又は2以上の接続モジュールと、
周辺モジュールと共に医療機器の動作を制御するためのマイクロプロセッサ基盤のコントロールモジュールと、を含んでいるもの。
【請求項37】
コントロールモジュールが、1又は2以上の動作スイッチと、1又は2以上のグラフィックディスプレイスクリーンを通じて、医療機器の動きを制御するものであり、動作スイッチが、1又は2以上の予め決められたグラフィカルディスプレイスクリーンが表された時に、選択的に作動されるものである、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項38】
医療機器が、バイオプシープローブである、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項39】
医療機器が、温度プローブである、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項40】
医療機器が、心拍数モニタ機器である、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項41】
少なくとも1つの周辺モジュールが、電気手術用電源モジュールである、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項42】
少なくとも1つの周辺モジュールが、フットスイッチモジュールである、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項43】
少なくとも1つの周辺モジュールが、液体ポンプモジュールである、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項44】
少なくとも1つの周辺モジュールが、照明機器である、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項45】
更に、動作の論理及びインターフェース機能を制御するためのソフトウェアモジュールを含んでいる、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項46】
ソフトウェアモジュールが、更に、同様に動かすため、医療機器から予め決められたソフトウェアスクリプトを受け取り、且つ、処理する、請求項45に記載のコントロールコンソール。
【請求項47】
操作者モジュールが、更に、1又は2以上のインジケーターを含んでいる、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項48】
更に、パワーモジュールを含んでいる、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項49】
コントロールモジュールが、無線通信リンクを通じて、医療機器の動作を制御する、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項50】
コントロールモジュールが、有線通信リンクを通じて、医療機器の動作を制御する、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項51】
コントロールモジュールが、ディジタル信号を通じて、医療機器の動作を制御する、請求項36に記載のコントロールコンソール。
【請求項52】
コントロールモジュールが、アナログ信号を通じて、医療機器の動作を制御する、請求項36に記載のコントロールコンソール。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate


【公表番号】特表2007−525246(P2007−525246A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514932(P2006−514932)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/016143
【国際公開番号】WO2004/107989
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500408371)セノークス・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】