医療装置のマニフォルドシステム
多数の異なる治療用、及び診断用要素をカテーテル、又は他の医療装置に対して容易にかつ選択的に連結することが可能なマニフォルド。マニフォルドは、摺動アクチュエータ、回転アクチュエータ、ボタンアクチュエータ又はこれらの組み合わせを有する装置を備えて、マニフォルド内の弁機構、及び流体通路を容易に変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の分野に関する。より詳細には、本発明は流体源と加圧/吸引源とを、カテーテル又はカニューレ等の医療装置に対して連結するマニフォルドに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル、及び他の医療装置に使用されるマニフォルドは、数個の異なる機能にて使用される。マニフォルドのいくつかは、1個以上の流体源と、シリンジ等の加圧及び吸引源とを、カテーテルに対して連結する。数個の流体源、及び/又は、加圧又は吸引源を医療装置に対して連結する現在のマニフォルドは、処置中に別々に、かつ繰り返して操作する必要がある多数の個別の弁を有し得る。このマニフォルドの使用工程は、実行される操作を複雑にし、操作に要する時間を長くし、かつ誤操作を招来する。
【0003】
本発明の典型的な実施形態では、カテーテル、又は他の医療装置に流体装置と加圧又は供給源とが連結された際に、流体装置と、加圧又は供給源との調節を簡易化するマニフォルド装置を提供する。一実施形態では、マニフォルドは複数の孔を有する。これらの孔は治療物質又は診断物質源と、生理食塩水源と、廃棄物容器と、加圧及び/又は吸引装置とを受容する孔を含み得る。治療物質又は診断物質源は、例えば造影剤、薬品、又は抗生物質、若しくは他の薬剤の源であり得る。マニフォルドにはこれらに加えて、又はこれらの代替として、他の装置又は源が連結されてもよい。いくつかの実施形態では、生理食塩水源と廃棄物容器とは、流体が生理食塩水供給源へ逆流することを防止し、かつ廃棄物容器から内容物が漏れ出ることとを防止するダブルチェック弁機構を有する装置に対して連結される1個の注入孔を備え得る。カテーテル又は他の医療装置に対して連結される孔をも備える。
【0004】
弁部材が提供されて、同弁部材内にて複数の弁機能が、好ましくは位置を変更すると同時に実行される。この弁部材は、予め規定された数個の位置、及び形態を有するように構成されている。第一の位置は、造影剤源の孔を、加圧/吸引装置の孔と、主排出ラインの孔とに対して連結すると共に、他の孔を閉鎖し得る。第一の位置は、造影剤を導入するように適合されている。第一の位置は、治療溶液又は診断溶液の他の源に対して連結するために使用されてもよい。第二の位置は、加圧/吸引装置孔を、生理食塩水/廃棄物孔に対して連結し得る。第二の位置は、マニフォルドチャンバと加圧/吸引装置とに流体を勢いよく流す(以下、フラッシュと称する)ように適合されている。第三の位置は、加圧/吸引装置孔を、医療装置孔に対して連結し得る。第三の位置は、カテーテル又は他の医療装置内に流体を通すように適合されている。実施形態のいくつかにおいて、加圧された生理食塩水源が提供される場合に、生理食塩水を注入する第四の位置が提供される。第四の位置は、固有の生理食塩水注入の孔、又は生理食塩水/廃棄物の孔を、主排出ラインの孔に対して連結すると共に、他の孔を閉鎖する。
【0005】
実施形態のいくつかでは、弁部材には、回転アクチュエータ、摺動アクチュエータ、押ボタンアクチュエータ、又はこれらの構成の様々な複合物、及び/又は組み合わせが設けられ得る。多数のシール、Oリング、弁、及び他の要素も多様に設けられて、弁部材の機能を実行する構造を提供し得る。数個の実施形態では、例えば流体の造影剤源内への逆流を防止する等、流体の流れの方向を制御するか、又は限定するチェック弁が設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、図面を参照に読まれるべきである。必ずしも当尺でない図面は代表的な実施形態を示すもので、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
以下にてカテーテル孔(例、図1に示すカテーテル孔22)を参照に詳細に説明するが、カテーテル孔という用語は、最も一般的な意味にて使用されることを理解されたい。例えば、マルチルーメンカテーテルが使用される場合、マルチルーメンカテーテル内の数個のルーメンに対する個別のアクセスを可能にするために、短い連結部品が、配置されているYコネクタ、又は他のコネクタの基端上のルアー(Luer)弁に対して「カテーテル孔」を連結し得る。本発明による装置に対して、「カテーテル孔」を介して直接、又は間接的に、任意の脈管、又は非脈管の経路によって少なくとも一部が患者内に挿入される導入シース、又は他のシース、カニューレ、内視鏡又は任意の他のシングルルーメン、又はマルチルーメン医療装置を連結することが可能である。
【0007】
以下に説明する孔は全て、任意数のシール装置、又はシール構造を有し得る。例えば、孔が別の一要素と接続されていない場合、孔に可撓性を有する二重薄膜を組み込んで、孔からの流体の流出を防止し得る。このシール装置、又はシール構造には多様な装置が挿入されて、同装置の周囲に流体密封が提供され得る。
【0008】
本願に開示される実施形態を構成する際には、幅広い材料が使用され得る。通常、本体及びハウジング部材、並びに様々なボアの形成にはポリカーボネートが使用され、様々な回転及び摺動アクチュエータにはアセタール材料が使用されるが、例えばアクリル樹脂、ポリオレフィン、エンジニアリングポリマー、任意のポリマー配列の混合物及び複合物、自己潤滑ポリマー等の任意の適切な材料が使用されてもよい。密封は締まりばめにより実行され得るが、エラストマーシール、Oリングの使用等、代替的な方法を使用してもよい。溶剤、UV硬化接着剤等の接着技術;超音波、熱又はスピン溶接技術;又はスナップ嵌め及び/又は他の機械的連結装置を使用して、様々な構成要素が組み立てられ得る。以下の典型的な構造では、多数のチェック弁が使用されているが、これら弁の多くは、その特定の用途を説明するために設けられ、実施形態のいくつかでは省略され得る。この多様なチェック弁は、傘型弁、ダックビルバルブ、円盤弁、ボールチェック弁、フラッパー型弁等を含む任意の適切な構造、又は技術により得られる。同一の構造内の異なる位置に、異なる種類の弁を組み込んでもよい。
【0009】
図1は、比較的平坦なロータ構成を有する回転アクチュエータを備えた第一実施形態の斜視図である。マニフォルド10は、シリンジ孔14と、造影剤孔16と、生理食塩水/廃棄物孔18と、予備孔20と、カテーテル孔22とを有するハウジング12を備える。回転アクチュエータ24はハウジング12内に保持され、ハウジング12を貫通する数個のボア(図3にて詳細に示す)と共に、様々な孔14,16,18,20,22間における選択的な連結を提供する。これらの連結を、図2及び図4A〜4Dを参照にして更に説明する。
【0010】
予備孔20は、例えば薬剤の注入、及び/又は圧力の測定等の様々な機能を提供し得る。予備孔20にはインライン弁ロータ26が設けられる。ロータ26は活栓であってもよく、図2及び図4Dを参照にして更に説明される。例えば、処置中に、予備孔22に連結された圧力トランスデューサを使用して患者の血圧を測定したり、あるいはカテーテル内の圧力を測定して、シャフト又は膨張可能な薄膜を破裂させ得る過圧を防止したりし得る。弁ロータ26はまた、例えばシリンジがシリンジ孔14に連結されて圧力が付与されて、シリンジ上のロック機構が所望の時に適切に開放されない場合等、緊急圧力開放位置としても役立つ。そのような用途において、予備孔20は、緊急流体排出孔として作用し得る。
【0011】
図2は、ハウジング12のボアと、回転アクチュエータ24とを示す、図1の実施形態の部品の断面図である。ハウジング12は分岐したシリンジボア30,30a,30bと、造影剤ボア32と、生理食塩水/廃棄物ボア34と、分岐した主排出ボア36,36a
,36bと、予備ボア38と、加圧生理食塩水ボア40とを有する。回転アクチュエータ24の第一位置が示され、この第一位置ではカテーテル孔22に連結された医療装置内に造影剤が注入される。回転アクチュエータ24は第一ボア42と、第二ボア44と、第三ボア46と、第四ボア48とを有し、これらの全ボアは回転アクチュエータ24内で接続していることが理解され得る。他の実施形態では、多様なボアは互いに分離されていてもよい。
【0012】
任意の2個のチェック弁50,52も図示されている。一方のチェック弁50は、流体が造影剤孔16の方向へ逆流することを防止するよう配置され、他方のチェック弁52は、カテーテル孔22から流体が流入することを防止するよう配置されている。回転アクチュエータ24が図2に示す第一位置にある場合、第一ボア42はシリンジボア30の分岐部30aに対して連結し、第二ボア44は造影剤ボア32に対して連結し、第三ボア46は主排出ボア36の分岐部36aに対して連結している。シリンジ孔14に連結されたシリンジ、又は他の加圧/吸引装置が吸引力を付与する際(例、シリンジのプランジャが牽引される際)、一方のチェック弁52は流体がカテーテル孔22から流入することを防止し、他方のチェック弁50は造影剤を造影剤孔16から流入させる。数個のボアと回転アクチュエータとの連結によって流体の連通が形成されて、造影剤流体がシリンジ孔14に連結された加圧/吸引装置(例、シリンジの円筒部)内に吸引される。その後、シリンジ孔14にて圧力が付与されると、一方のチェック弁50は造影剤流体が造影剤孔16へ逆流することを防止し、他方のチェック弁52はカテーテル孔22を介して造影剤流体を医療装置へ導入させる。
【0013】
シリンジボア30及び主排出ボア36の分岐部30a,30b,36a,36bは、ハウジング12を介した付加的な流体の流れ経路を提供するように設けられている。例えば、回転アクチュエータ24が、その軸を中心として約45度、反時計回りに回転されると、第三ボア46は主排出分岐部36bに対して連結され、第四ボア48はシリンジ分岐部30bに対して連結されると想定される。この異なる流体通路はチェック弁52を含まず、カテーテル孔22に連結された医療装置から、シリンジ孔14に連結された加圧/吸引装置内へ流体を吸引することを可能にする。
【0014】
これに代わって、回転アクチュエータ24が図示される第一位置から約90度、反時計回りに回転されると、第二ボア44は生理食塩水孔34に対して連結し、第四ボア48はシリンジ分岐部30aに対して連結すると想定される。この位置は、生理食塩水がマニフォルド10内に吸引されて、数個のボアを介して加圧/吸引装置内へ流入することによって、シリンジ孔14に連結された加圧/吸引装置と、マニフォルド10自体とをフラッシュすることを可能にする。一旦、生理食塩水が内部に吸引されると、生理食塩水は同一の経路を経由して勢いよく放出され得る。マニフォルド10は、生理食塩水/廃棄物孔18において生理食塩水/廃棄物組合せ装置に対して接続するように構成されている。生理食塩水/廃棄物組合せ装置は、生理食塩水の吸引を可能にすると共に廃棄物の受容も可能にし、これら二つの混合を防止する内部ダブルチェック弁機構を備えている。この装置が所望されない場合には、生理食塩水と廃棄物との別個の孔を設け、各々がチェック弁を有して、生理食塩水源への、又は廃棄物容器からの望ましくない流れを防止し得る。別個の孔が設けられる場合、所望であれば、ハウジング12内のボアを互いに連結して、生理食塩水/廃棄物結合装置を使用して達成される効果と同様の効果を達成してもよい。
【0015】
所望であれば、加圧された生理食塩水源を使用し、生理食塩水/廃棄物孔18を介して同生理食塩水源を連結してもよい。この場合、ロータ弁26は三方活栓であってもよく、一位置において補助孔20と、補助ボア38と、生理食塩水/廃棄物ボア18に連結する加圧生理食塩水ボア40との間で流体を連通させる。この位置にて、例えば補助孔20上に圧力トランスデューサを設けて、生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔18からカテーテ
ル孔22に連結された医療装置へ注入される間、流体導入圧を測定してもよい。補助孔20にシリンジ又は他の装置を連結して、加圧生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔18を介して注入される間、薬剤又は他の物質を導入してもよい。
【0016】
図3は、図1に示した実施形態の様々な部品の分解図である。この図では特にハウジング12と回転アクチュエータ24との構成が強調されている。図示するように、ハウジング12は外側ハウジング要素12a、内側ハウジング要素12b、及び排出ハウジング要素12cを備える。外側ハウジング要素12aは、孔14,16,18を連結する位置と、排出ハウジング要素12cを連結する位置とを有する。ハウジング要素12a,12b,12cは任意の適切な機構により互いに連結され得る。
【0017】
造影剤孔16は外側ハウジング要素12aの低部に配置され、シリンジ孔14、生理食塩水/廃棄物孔18等の他の要素は、外側ハウジング要素12aの上部に配置されることが理解され得る。ハウジング12をこのように構成することによって、回転アクチュエータ24には特定の流体通路を形成する付加的な能力が提供される。例えば、第二ボア44(図2)は、主ルーメンの高さ53から偏位された孔の高さ54へと延びる鉛直孔45にて終焉する一方、第一孔42(図2)は単純なボアホール58にて終焉している。偏位孔の高さ54は、ハウジング12の内部において造影剤孔16から回転アクチュエータ24へと延びる造影剤ボアに合わせるために、より低い高さに設けられる。この種の構成の使用方法の一例を、図4Bを参照にして以下にも説明する。
【0018】
図3には、数個の文字56も図示されている。文字56は造影剤(「C」)、吸引(「A」)、及び生理食塩水(「S」)を示している。回転アクチュエータ24は、特定時間において3個の文字56のうちのどの文字が示されているかを指示する針、又は他の指示装置を有する。文字56が存在するため、使用者は、図4A〜図4Cに関して以下に説明される形態のうち、回転アクチュエータ24がどの形態を有しているかを迅速かつ容易に決定することが可能である。従って、文字“C”が示される際には、回転アクチュエータ24は造影剤を導入する位置に配置されている。文字は微光環境内で容易に視認し得るように形成され得る。
【0019】
図4A〜図4Dは、四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成を有する実施形態の断面図である。図4Aは、カテーテル、又は他の医療装置へ造影剤を注入するための第一形態、即ち第一位置を示す。図示するように、回転アクチュエータ24が第一位置に配置されるように、ハンドル51がハウジング12に関して回転される。第一位置では、シリンジ分岐部30aと第一ボア42との間と、造影剤ボア32と第二ボア44との間と、主排出分岐部36aと第三ボア46との間とに流体通路が形成される。造影剤ボア32と主排出ボア36aとに沿った流体通路内に、2個のチェック弁50,52が設けられて、不適当な流体の流れ(即ち、カテーテル孔22からの吸引、又は造影剤孔16内への流体の逆流)を防止する。その後、シリンジ孔14に加圧/吸引装置が連結されて、吸引と加圧とを交互に行うことによって、造影剤孔16から造影剤流体がマニフォルド10内に吸引され、カテーテル孔22に連結されている医療装置へ造影剤流体が導入される。
【0020】
図4Bは、マニフォルド10の第二形態を示す。この形態は流体を吸引するように適合されている。詳細には、回転アクチュエータ24が第二位置に配置されるように、ハンドル51が操作される。この位置では、第三ボア46は主排出分岐部36bの一つと流体が流れるように連通し(以下、流体連通と称す)、第四ボア48はシリンジ分岐部30bの一つと流体連通する。この位置にある際、シリンジ孔14に連結されている加圧/吸引装置は、カテーテル孔22に連結されている医療装置から流体を引き込むために使用されると想定される。この吸引は、例えば処置中に塞栓、血塊、結石又は他の物体が、溶解、又は破壊された後に実行され得る。
【0021】
別の一実施形態(図示せず)では、ハウジング12内において、図4Bに示すような第二ボア44と生理食塩水/廃棄物孔18との間に、付加的な廃棄物ボアを設け得る。この廃棄物ボアは、生理食塩水/廃棄物孔18を介した生理食塩水の導入を防止するチェック弁を有する。このような廃棄物ボアにより、使用者は吸引処置中、カテーテル孔22に連結された医療装置を介して吸引された流体を、迅速かつ容易に除去かつ廃棄することを可能にする。更なる実施形態にて、廃棄物ボアには、第二位置を変更せずに廃棄物ボアを選択的に閉鎖するか、又は開放する活栓、又は他の制御可能な弁が設けられてもよい。
【0022】
図4Bに、図3との関連においてマニフォルド10の別の一局面を示す。図3に示すように、生理食塩水/廃棄物孔18及び生理食塩水/廃棄物ボア34は、造影剤孔16及び造影剤ボア32と同一の高さに存在しない。第二ボア44は、鉛直溝45(図3)に対して連結されて、主ルーメンの高さ53(図3)である上位レベルと、造影剤ボア32が内側ハウジング12b(図3)を通過する下位レベルとの双方にアクセスし得る。回転アクチュエータ24が第二位置に存在する場合、第一ボア42は造影剤ボア32とほぼ整合されている。しかしながら、第一ボア42は、鉛直溝45(図3)ではなく、第一ボアホール58に通じるため、回転アクチュエータ24は、図4Bの第二位置において、第一ボア42と造影剤ボア32との間にて流体を連通させない。
【0023】
図4Cは、マニフォルド10の第三形態を示す。この形態では、回転アクチュエータ24はハンドル51によって調節されて第三位置に存在する。この位置では、シリンジ分岐部30aが第四ボア48と流体連通し、生理食塩水/廃棄物分岐部34が第二ボア44と流体連通している。この位置は、シリンジ孔14に連結されている加圧/吸引装置と、生理食塩水/廃棄物孔18に連結されている生理食塩水/廃棄物装置とを流体連通させる。この位置では、加圧/吸引装置はマニフォルド10の内部と、加圧/吸引装置自体の内部とをフラッシュアウトすることが可能である。生理食塩水/廃棄物孔18を介して生理食塩水がマニフォルド10内部、及び加圧/吸引装置自体の内部に吸引された後、廃棄物として生理食塩水孔18を介して戻される。
【0024】
図4Dは、加圧された生理食塩水源から生理食塩水を注入する別の一位置を示す。活栓25が図4A〜図4Cの位置のいずれとも異なる位置へ回転されている。図示するように、活栓26が回転されると、加圧生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔18を介して入り込み、加圧生理食塩水ボア40と活栓26とを通過して、補助ボア38内に至る。補助ボア38から主排出ボア36に到達して、カテーテル孔22に連結されている医療装置を介して導入される。この工程中、補助孔20は圧力測定孔、又は薬剤若しくは他の物質の導入孔として使用され得る。
【0025】
図5は、図1と比較して回転アクチュエータが鉛直方向に配置されている第二実施形態の斜視図である。図5に示すマニフォルド60は、シリンジバスライン66に対して連結するシリンジ孔64から開始して、マニフォルド60内のほぼ全体を延びる主ボア62を有する。シリンジバスライン66は、共通する位置において多数のボア間を流体連通させる。シリンジバスライン66はアクチュエータハウジング68に取り付けられ、同ハウジング68は指示器板70と、回転アクチュエータ72を受容するボアとを有する。回転アクチュエータ72は、アクチュエータハウジング68と相互作用する数個のボアと孔との間を選択的に連結させる。指示器板70は、数個の位置のうち回転アクチュエータ72が配置される位置を示す文字を有している。例えば「C」は、造影剤導入位置を示し、「F」はフラッシュ位置を示し、「A」は吸引位置を示し、「P」は加圧生理食塩水の導入位置を示す。アクチュエータハウジング68の内部において回転アクチュエータ72を回転させることによって、これら各位置に到達し得る。
【0026】
アクチュエータハウジング68は、生理食塩水/廃棄物孔74と、造影剤孔78に連結しているチェック弁76とを有するように示されている。チェック弁76は、流体が造影剤孔78に連結された造影剤源へと逆流することを防止する。アクチュエータハウジング68には主バス88が設けられている。主バス88は、以下に詳細に説明するように、アクチュエータハウジング68内の複数のボア/開口部間における流体の移動を可能にする。主ボア62は主バス88を介してアクチュエータハウジング68に対して連結されている。
【0027】
主ボア62は、三方活栓82を介して同ボア62に連結されている仲介孔80へ前進している。三方活栓82は回転されて、流体通路の様々な異なる組み合わせを選択し得る。図示する位置では、三方活栓82は、主ボアを閉鎖せずに主ボア62に対して仲介孔80を連結している。当業者が理解し得るように、活栓82は約90°ずつ回転され得る。第一の回転は、仲介孔80をカテーテル孔86に対して連結する一方、アクチュエータハウジング68へ向かう主ボア62を閉鎖する。更なる90°の回転は、仲介孔80を閉鎖する一方、主ボア62を該ボアの長さに沿って開放する。第三の90°の回転は、仲介孔80をアクチュエータハウジング68に対して連結する一方、圧力変換器孔84とカテーテル孔86とへ向かう主ボア62を閉鎖する。主ボア62は更に、変換孔84とカテーテル孔86とへ延びている。
【0028】
上述した様々な孔は、例えば薬剤孔等の所定の目的名称を有しているが、これらの名称は、孔がどのように連結され得るかを単に例示するものとして理解するべきである。他の装置が様々な位置に連結されてもよい。例えば、仲介孔80は生理食塩水源を連結する際に使用されてもよい。この場合、活栓82を図示した位置から90°回転させて、変換器孔84に圧力変換器を配置してもよく、加圧生理食塩水をカテーテル孔86に連結されている医療装置に注入すると共に圧力レベルを変換器により測定する。仲介孔80及び変換器孔84のいずれか一方を、図1を参照にして上述した補助孔20と同様の補助孔として使用し得ることも理解すべきである。
【0029】
図6A及び図6Bは、図5に示したアクチュエータハウジング68の異なる角度における断面図である。図6Aは図5の6A−6A線における断面図である。上述したように、アクチュエータハウジング68は指示器板70を有する。生理食塩水/廃棄物孔74への生理食塩水/廃棄物開口部75と、外部のチェック弁76への造影剤開口部79も図示されており、同チェック弁76は造影剤孔78(図示せず)へ至る。主バス88の一部も図示されており、第一主開口部88aと第二主開口部88bとは、アクチュエータハウジング68内部から主バス88への流体連通を提供している。
【0030】
図6Bは、図5の6B−6B線におけるアクチュエータハウジング68の断面図である。アクチュエータハウジング68は、上述したと同様、生理食塩水/廃棄物開口部75及び造影剤開口部79を説明するように示されている。上述したと同様、第一主開口部88a及び第二主開口部88bも示されている。各々がシリンジバスシート67内に開口された3個のシリンジバス開口部90a,90b,90cも示されている。シリンジバス開口部は、図5に示したシリンジバス66への流体連通を提供している。
【0031】
図7A及び図7Bは、図5の実施形態に対応する回転アクチュエータ72単独の斜視図である。図7Aは、第一ボア開口部94a、第三ボア開口部96a、第五ボア開口部98a及び第六ボア開口部98bを有する回転アクチュエータ72を示す。第五及び第六ボア開口部98a,98bは、回転アクチュエータ72のシャフト全体と流体が流れるように接続されている。回転アクチュエータ72の位置を操作する取っ手92が設けられている。図7Bは、取っ手92の反対側に存在する指示器93が示されている異なる角度からの別の一斜視図である。指示器93は様々な開口部に対して整合されて、同指示器93と指
示器板70(図5)とによりマニフォルドがどの形態を有するかが指示される。第二ボア開口部94bも示され、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94bとはシャフトの互いに対向する側に存在し、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94bとの間は、一方向のみの流体の流れを可能にするチェック弁によって、流体が流れるように接続されている。
【0032】
図5,6b,7a及び7bから、指示器93が指示器板70の「C」又は「A」上に存在する場合、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94bとは(その間のボアとチェック弁と共に)、主バス開口部88bと第三シリンジバス開口部90cとの間を流体連通させることが理解される。チェック弁は、指示器93が「A」上に存在している場合、主バス88からシリンジバス90への流体の流れが可能となり、指示器93が「C」上に存在している場合、シリンジバス90から主バス88への流体の流れが可能となるように、第一開口部94aと第二ボア開口部94bとの間で整合される。従って、チェック弁がそのように整合されている場合、回転アクチュエータ72は、シリンジ孔64と主ボア62との間で一方向に向かう選択的な流れを可能にする。それに対して、指示器93が「P」及び「F」のいずれか一方の上に存在している場合、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94とは、シリンジ孔64から主ボア62へ至る流体通路を提供しない。
【0033】
図5,6b及び7aから、指示器93が指示器板の「C」を示す場合、第五ボア開口部98aが第一シリンジバス開口部98aと整合し、かつ第六ボア開口部98bが造影剤開口部79と整合して、造影剤孔78からシリンジ孔64への流体通路が提供されることが理解される。チェック弁76が流体通路内に設けられている。チェック弁76は造影剤をシリンジ孔64へ吸引させるが、同流体を造影剤孔78の外部へ強制的に排出させない。それに対して、回転アクチュエータ72内において第一ボア開口部94a及び第二ボア開口部94bの間に存在するチェック弁は、造影剤流体を主ボア62とカテーテル孔86とへ導入させるが、主ボア62からシリンジ孔64へと同流体を後退させない。以上のように、使用者は取っ手92を単に回転させて回転アクチュエータ72を操作することによって、造影剤が患者又は医療装置内へ注入される形態にマニフォルド60を配置させる。
【0034】
指示器93が回転されて指示器板70上の「A」を示すと、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94b間のチェック弁が反転されて、第五ボア開口部98a及び第六ボア開口部98bは第一バス開口部90a及び造影剤開口部79のいずれとも整合せず、造影剤の流れが防止される。同様に、指示器93が「A」を示すと、第二ボア開口部96a及び第三ボア開口部96bはボア開口部88a,75,90bの各々に対して整合せず、生理食塩水の流れも防止される。従って、カテーテル孔86からシリンジ孔64への流体の吸引のみが可能となる。
【0035】
指示器93が回転されて「F」を示すと、第三ボア開口部96aが生理食塩水開口部75と整合すると共に、第四ボア開口部96bが第二シリンジバス開口部90bと整合する。この形態は、生理食塩水/廃棄物孔74から生理食塩水をシリンジ孔64へと引き込んで、シリンジ孔64から同流体を生理食塩水/廃棄物孔74の外部へと案内する。従って、指示器93が「F」を示す場合、マニフォルド60と、シリンジ孔64に連結された加圧/吸引装置とは、清浄な生理食塩水によってフラッシュされ得る。
【0036】
指示器93が「P」を示すと、第三ボア開口部96aは第一主バス開口部88aと整合し、第四ボア開口部96bは生理食塩水/廃棄物開口部75と整合する。この配置により、加圧生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔74を介して、カテーテル孔86に連結された医療装置へ注入される。
【0037】
図8は、摺動アクチュエータを備えた第三実施形態の斜視図である。マニフォルド10
0は摺動ハウジング102と孔ハウジング104とを備える。摺動ハウジング102には孔ハウジング104の反対側にてシリンジ孔106が設けられている。孔ハウジングは、造影剤孔108、生理食塩水/廃棄物孔110、補助孔112、及びカテーテル孔114を有する。カテーテル孔114は主ボア116と流体連通しており、主ボア116は補助ボア118を介して補助孔112から直接アクセスされる。生理食塩水/廃棄物孔110は、生理食塩水/廃棄物ボア120によって摺動ハウジング102に連結され、造影剤孔108は造影剤ボア122によって摺動ハウジング102に連結されている。一般に、マニフォルド100の操作は、2個の主弁部品によって調節される。三方活栓124は、特定の用途において加圧生理食塩水源と関連して使用され得る任意の部品である。摺動装置が設けられ摺動ボタン126に対して連結されて、数個の形態のうち使用される形態を選択する。孔は、図1の補助孔20を参照に上述したものと同様の形態で、様々な装置に対して接続し得る。
【0038】
図9は、図8に示した実施形態の様々な部品の分解図である。図示するように、孔ハウジング104は、孔108,110,112を有する。これら孔は、射出成形プロセスにて同ハウジング104上に形成され得るか、又は孔ハウジング104は数個の個々の部品から一体的に形成された部品であり得る。しかしながら、孔ハウジング104は任意の適切な手段によって形成されてもよい。カテーテル孔114は、カテーテルに対してマニフォルドを回転させる回転アダプタの形態で図示されている。数個の実施形態はこの構成を有し得るが、他のアダプタ及び孔を使用してもよい。孔ハウジング104内に活栓124が挿入され定位置に保持されている。数個の実施形態において、活栓124は三方活栓であり得る。
【0039】
数個の実施形態では、孔ハウジング104は、最初にボア116,118,120,122を製作して(例えば、押出成形と、その後の曲げ又は連結工程によって)、同ボアを鋳型内に配置して、ボアの周囲にプラスチック物質を挿入することによって、孔ハウジング104を一体的に連結して形成される。その後、多数の弁が内部に設けられた摺動アクチュエータ128を孔ハウジング104の細長孔内に配置した後、摺動ハウジング102を孔ハウジング104に対してスナップ嵌めする。摺動アクチュエータ128に、同アクチュエータ128の位置を調節する手動ボタン126が取り付けられる。シリンジ孔106も定位置内にスナップ嵌めされ得る。様々な部品を互いに接着する際には、接着剤、ねじ、リベット、熱硬化/接着工程、又は任意の他の適切な工程を用いてもよい。摺動ハウジング102は、摺動アクチュエータ128が摺動ハウジング102のチャネル、即ち細長孔内に配置された後、ハウジング102上にスナップ嵌めする端部部材を有してもよい。
【0040】
図10は、図8に示した実施形態の断面図である。この断面図は、摺動アクチュエータ128と摺動ハウジング102との特徴に焦点を当てている。詳細には、摺動アクチュエータ128は、第一チェック弁130、開放弁132、及び第二チェック弁134を有する。第一チェック弁130と第二チェック弁134とは双方とも一方向弁であるが、摺動アクチュエータ128上にて反対方向に配置されている。摺動ハウジング102は、第一ボア136、第二ボア138、及び第三ボア140を有する。これらボアは摺動ハウジング内において付加的な流体通路を提供し、同流体通路は摺動アクチュエータ128と連携してマニフォルド100の操作を幾分か有利にする。ボア116,120,122,136,138,140と、弁130,132,134と、シリンジ孔106との間の相互作用について、図11A〜図11Dを参照して以下に更に説明する。
【0041】
図11A〜図11Dは、図8に示したスライダ構成の四つの作動形態を示す概略断面図である。図11Aは、摺動アクチュエータ128が第一位置に存在するマニフォルド100の第一形態を示す。摺動アクチュエータ128が第一位置に存在する場合、造影剤孔1
08は造影剤ボア122を介して連結されて、第二チェック弁134は摺動ハウジング102内の第三ボア140に対して連結される。第三ボア140は、シリンジ孔106に連結している。また摺動アクチュエータ128が第二位置に存在する場合、第三ボア140は第一チェック弁130に連結されており、同チェック弁130はマニフォルド100の主ルーメン116に連結されている。主ボア116はカテーテル孔114に対して接続されている。
【0042】
第一位置は、以下のように機能する造影剤導入位置である。シリンジ等の加圧/吸引装置がシリンジ孔106に対して連結されて吸引が行われると、第一チェック弁130は主ボア116から第三ボア140への流れを防止するが、第二チェック弁134は造影剤ボア122(及び造影剤孔108)から第三ボア140への流れを可能にする。従って、造影剤はシリンジ孔106を介して外部へ流れ得る。吸引によりシリンジ孔106を介して造影剤が排出された後、正圧がシリンジ孔106を介して付与される。シリンジ孔106にて圧力が付与されると、第二チェック弁134は造影剤ボア122内への逆流を防止するが、第一チェック弁130は造影剤を主ボア116へ導入して、カテーテル孔114を介して排出する。開放弁132は、摺動ハウジング102を介していずれのボア及び開口部とも整合されていず、従って他の流体通路は閉鎖されていることに留意されたい。
【0043】
図11Bは、摺動ハウジング102に関して摺動アクチュエータ128が第二位置にある、マニフォルド100の第二形態を示す。第二位置では、開放弁132が生理食塩水/廃棄物ボア120と第三ボア140との間を流体が流れるように接続する。第一弁130及び第三弁134は、他のいずれのボアとも整合されていず、従って可能な更なる流体通路は遮断されている。生理食塩水/廃棄物孔110は、生理食塩水源と廃棄物容器との組合わせ装置に対して連結され得る。同装置は内部ダブルチェック弁システムを備えて、生理食塩水を引き込み、かつ導入された同流体を廃棄物容器へと案内する。シリンジ孔106を介して吸引が行われると、生理食塩水/廃棄物孔110から生理食塩水が生理食塩水/廃棄物ボア120、開放弁132、及び第三ボア140を介して流れて、シリンジ孔106を介して退出する。シリンジ孔106を介して圧力が付与されると、流体は第三ルーメン140を介して開放弁132を横切り、生理食塩水/廃棄物ボア120内へ入り、生理食塩水/廃棄物孔110を介してマニフォルド100の外部へ排出される。吸引と加圧とを連続的に行うことによって、処置の個別のステップ間においてマニフォルド100から任意の廃棄物をフラッシュする。例えば、造影剤を注入した後、操作者は血液又は他の流体を吸引するに先だって、マニフォルド100をフラッシュすることを所望し得る。
【0044】
図11Cは、カテーテル孔114に連結された医療装置から流体を吸引するように適合された、マニフォルド100の第三形態を示す。第三形態では、摺動ハウジング102に関して摺動アクチュエータ128は第三位置に存在し、開放弁132が主ボア116をシリンジ孔106に対して連結している。第三位置は、カテーテル孔114に連結された医療装置から流体が吸引される。この吸引は、例えばカテーテルの交換後、カテーテルの挿入前、又は医療処置の非使用期間後のいずれかにおいて、カテーテルとマニフォルドとから任意の空気を除去するために行われ得る。例えば、多くの場合、処置中、流体が注入又は吸引されなかった際に、その2分後にカテーテル/マニフォルドを吸引して、任意の気泡、又はその時間中に形成され得る血塊を除去することが適切であると考慮される。
【0045】
図11Dは、生理食塩水溶液を導入すると共に、カテーテル孔114に対して連結された医療装置からの逆流を遮断するように構成されている、マニフォルド100の第四形態を示す。第四形態では、第一チェック弁130が第一ボア136を第二ボア138に対して連結する一方、第二チェック弁134が第三ボア140を生理食塩水/廃棄物孔110に対して連結するように、摺動アクチュエータ128が移動されている。シリンジ孔106を介して吸引が行われると、生理食塩水は生理食塩水/廃棄物孔110から生理食塩水
/廃棄物ボア120、第二チェック弁134、第三ボア140へと流れ、シリンジ孔106を介して加圧/吸引装置へ退出する。吸引が行われる際に、第一チェック弁130はカテーテル孔114から主ボア116を介して流体が流れることを防止することに留意されたい。シリンジ孔106を介して圧力が付与されると、第二チェック弁134は生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔110及びボア120へ逆流することを防止する一方、第一チェック弁130は主ボア116及び第一ボア136を介して生理食塩水をカテーテル孔114に連結された医療装置へ導入する。このステップは、例えばカテーテル孔114に連結されている装置が存在しない場合、主ボア106を介して生理食塩水を、同生理食塩水が清浄になるまで通過させる等、処置間において主ボア116を一掃するためにも実行され得る。
【0046】
図12は、回転弁の概念を利用した第四実施形態の斜視図である。説明及び明確化のために、図12、図13、図15A、図15B及び図16の各々にて参照方向Zが規定されて、実施形態の様々な部品の相対的な整合状態を明確にし得る。
【0047】
マニフォルド150はカテーテル孔152、補助孔154、生理食塩水/廃棄物孔156、造影剤孔158、及びシリンジ孔160等の、数個の代表的な孔を有する。これらの孔は、図1の様々な孔に関して上述したような、様々な方法で使用され得る。これらの孔は様々なボアに連結され、その中には、カテーテル孔152に連結されている主ボア162と、補助孔154に連結されている補助ボア164とが含まれる。生理食塩水/廃棄物孔156は、活栓170にて規定された接合点に到達する生理食塩水/廃棄物ボア168に対して連結されている。生理食塩水/廃棄物ボア168は、活栓170の位置に応じて、主ボア172に連結した加圧生理食塩水注入ボア172、及び/又は、別の方向に延びる生理食塩水/廃棄物分岐部174に対して連結し得る。造影剤孔158は造影剤ボア178に連結されている。
【0048】
任意の適切な方法によって、孔及びボア(シリンジ孔160を除く)が取り付けられるか、又は連結され、又は一体的に成形されて、孔ハウジング180が形成される。孔ハウジング180にはロータハウジング182が取り付けられ、同ハウジング182は回転アクチュエータ184を収容している。回転アクチュエータ184は停止部材186を有して、ロータハウジング182内での選択された位置の維持を補助する。シリンジバス188はシリンジ孔160に連結し、かつ任意の適切な方法によりロータハウジング182に取り付けられている。
【0049】
活栓170は生理食塩水/廃棄物ボア168を加圧生理食塩水導入ボア172に対して連結し、更に主ボア162にアクセスさせて生理食塩水の直接導入流体通路を提供するために使用され得る。この状態は、生理食塩水/廃棄物分岐部174に流体を流すか、または流さずに達成し得る。加圧導入中、導入される流体の圧力、又は他の状態を容易に測定できるように、補助孔154には圧力変換器又は他のセンサが設けられ得る。加圧生理食塩水の導入に関連して、例えば補助孔154を介して薬剤、又は造影剤を供給する等、他の機能を実行してもよい。
【0050】
図13は、数個の部品が除去されている、図12に示した実施形態の斜視図であり、主として孔ハウジング180とロータハウジング受容部181とを強調している。ロータハウジング受容部181は、数個のアクセス開口部を有する。例えば、造影剤ボア178は第一アクセス開口部190を有し、生理食塩水/廃棄物分岐部174は第二アクセス開口部192を有する。主ボア162には第三アクセス開口部194と、アクセスバス196とが設けられている。ロータハウジング受容器181は、固定位置を提供する鍔部198を有して、例えば接着剤、溶接技術、又はスナップ嵌めにより、図12に示したように、ロータハウジング182が取り付けられる。
【0051】
図13は、第一チェック弁200及び第二チェック弁202も示す。以下に説明するように、第一チェック弁200は回転アクチュエータ(図示せず)上に設けられて、造影剤が第一アクセス開口部190を介して造影剤ルーメン178内に逆流することを防止する。第二チェック弁202は回転アクチュエータ(図示せず)上に設けられて、造影剤導入ステップ中に、流体が主ルーメン162から吸引されることを防止する。チェック弁200,202は、回転アクチュエータ(図示せず)が造影剤を導入するよう配置された際に、各弁が配置される位置にて示されている。
【0052】
図14は、図12に示した回転アクチュエータの概略図である。回転アクチュエータ184は、正確な配置のための停止部材186を有する。処置中にて正確に配置するために、親指溝210も設けられている。親指溝210の代替として、例えば親指タブ、レバー、隆起バンプ等を用いてもよい。第一チェック弁シート212と第二チェック弁シート214とは、各チェック弁シート212,214を介した対角線が回転アクチュエータ184のピン開口部220を通過するように、略円形の回転アクチュエータの互いに対向する側に配置されている。チェック弁シート212,214は、図13に示したチェック弁200,202を受容するように構成されて、造影剤導入ステップ中に使用される。第一ボア開口部216及び第二ボア開口部218も示されている。チェック弁シート212,214とボア開口部216,218との各々は、回転アクチュエータ184の隆起部上に示されている。回転アクチュエータ上に隆起部と陥没部とを設けることによって、ロータハウジング内で回転アクチュエータ184の回転を過度に困難にすることなく、チェック弁シート212,214とボア開口部216,218との周囲に密着シールが形成され得る。
【0053】
図15A及び図15Bは、図12に示したロータハウジングの斜視図である。図15Aは、孔ハウジング(図示せず)側に対応するロータハウジング182の内部を示す角度から見たロータハウジング182を示す。ロータハウジング182は、図14に示した回転アクチュエータ184を含む回転アクチュエータを受容する寸法に形成されたロータ溝238を有している。図13に示したロータハウジングシート内に装着されるハウジング連結部224が設けられている。ピン開口部228、及び図15Aでは不可視のピン開口部248も設けられている。ロータがロータハウジング182内に配置されると、ピン開口部228,248にピンが貫通されて、ロータハウジング182内でロータの軸線位置が提供され得る。ピンはチャネル243内にスナップ嵌めされるか、又はピン開口部228,248の一方内のねじ受容部を用いて定位置にねじ止めされ得る。ピンをピン開口部228,248内の定位置に保持するには、任意の他の適切な機構を使用し得る。
【0054】
ロータハウジング182は、第一シール隆起部230aを有する第一開口部230と、第二シール隆起部232aを有する第二開口部232と、第三シール隆起部234aを有する第三開口部234と、第四シール隆起部236aを有する第四開口部236とを備える。各シール隆起部は、図14に示した回転アクチュエータの隆起部及び陥没部と共に設けられ、ロータハウジング182内で回転アクチュエータの動きを過度に制限することなく、限られたシール領域を提供する。ロータハウジングは、同ハウジングのシリンジ側上に第五開口部240と第八開口部246も有し、同第五開口部と第八開口部との間においてシリンジ孔連結部226内をチャネル243が延びている。
【0055】
図15Bは、シリンジ側に対応するロータハウジング182の内部を示す、ロータハウジング182の別の一斜視図である。ハウジング連結部224は開口部230,232を有し、同開口部230,232には、図15Aに示した同一の開口部と一致する符号が付されている。同様に、第五開口部240と第八開口部246とが、類似する様式にて示されている。第六開口部242及び第七開口部244も示されており、これらの開口部はピ
ン開口部248と共に、全てチャネル243(図15A)に連絡している。四つの更なるシール隆起部240a,242a,244a,246aが示されており、これら各々は図15Aのシール隆起部230a,232a,234a,236aに関して上述したと同様の理由により提供されている。
【0056】
図15Bを、図13との関連において参照すると、第一開口部230(図15B)は、完全に組み立てられた際、造影剤開口部190(図13)に対応する位置に設けられている。第二開口部232(図15B)は、生理食塩水/廃棄物開口部174(図13)に対応する位置に設けられている。図15Aも参照すると、第三開口部234と第四開口部236とはロータハウジング182内で一体的に結合されて、主ボアバス196の位置に対応するハウジングバス235を提供している。
【0057】
図16は、図12に示した実施形態のシリンジ受容部180の斜視図である。シリンジ受容部180はシリンジ孔160を有し、同シリンジ孔160は開口部250を介してチャネル面254にて形成されたチャネル252に対して連結されている。チャネル面254は、シリンジ連結部226(図15A)の外側面上をシールするように形成されている。受容部鍔部256も設けられ、同鍔部256はシリンジ連結部226上に対してスナップ嵌めするように構成されており、かつシリンジ連結部226にスナップ嵌めされる寸法を有し得るが、接着剤、溶接又は任意の他の適切な取り付け方法を用いてもよい。チャネル252の使用により、ロータハウジング182のシリンジ側の各開口部(開口部240,246、及びチャネル243)はシリンジ孔160と流体連通される。
【0058】
図12の回転体による実施形態の機能を、図面の数個の要素を参照に説明する。第一位置では、図12に示すように停止部材186が最高位置に存在する。この位置では、チェック弁シート212,214(図14)は、ロータハウジング182の一側面上の第一開口部230と第三開口部235、及びロータハウジング182の他方の側面上の第五開口部240と第七開口部244に整合されている。この形態は以下の流体通路を形成する。即ち、シリンジ孔160にて吸引が行われると、流体が造影剤孔158から入り込んで造影剤ボア178、造影剤開口部190へ、第一開口部230を介して第一チェック弁200内へ、第五開口部240、チャネル252へ至り、開口部250を介してシリンジ孔160を退出する。圧力が付与されると、流体はシリンジ孔160から入り込んで、開口部250を介してシリンジチャネル252内へ、ハウジングチャネル243を介して第七開口部244へ退出し、第二チェック弁202を介して主バス196及び主ボア開口部194へ、主ボア162へ至り、カテーテル孔152を介して退出する。この形態では、チェック弁200,202が流体の反対方向への流れを防止するため、いずれの流体通路も反転され得ない。
【0059】
第二位置では、停止部材186はロータハウジング182内の間隙の約1/2だけ下降されている。第二位置はマニフォルドのフラッシュ位置であり、生理食塩水がマニフォルド150内に吸引されて、ボア、及び/又はシリンジ孔160に連結されている加圧/吸引装置がフラッシュされ得る。このフラッシュ位置の流体通路は反転可能であるので、一方向のみ説明する。吸引が行われると、流体(生理食塩水)が生理食塩水/廃棄物孔156から流れ、生理食塩水/廃棄物ボア168を通過して生理食塩水/廃棄物分岐部174、及び生理食塩水/廃棄物開口部192へ、更に第二開口部232内へ、回転アクチュエータ184内の第一ボア216を介して第六開口部242、ハウジングチャネル243、シリンジチャネル252へ至り、開口部250を介してシリンジ孔160へ退出する。いずれのチェック弁200,202も流体通路内に存在しないため、流体通路はシリンジ孔にて圧力を付与することによって反転され得る。流体通路が反転されると、流体は生理食塩水/廃棄物孔156を介して、二重チェック弁/廃棄物収集弁装置が設けられている場合、同装置へと逆流する。本願の開示全体において、二重チェック弁/廃棄物収集弁装置
が使用されない場合、別個の生理食塩水と廃棄物との孔が設けられ得ることに留意すべきである。
【0060】
第三位置では、停止部材186はロータハウジング182内に存在し得る最低位置に配置されている。この位置では、回転アクチュエータ184内の第二ボア218が、ロータハウジング182の第三開口部234と第七開口部244とに整合されている。この位置は、カテーテル孔152からシリンジ孔160への吸引を可能にする。この場合も、チェック弁200,202のいずれも流体通路内に存在しないため、流体通路は反転可能である。カテーテル孔152に連結された医療装置から吸引される流体は、以下の流体通路を辿る。即ち、医療装置からカテーテル孔へは、主ボア162を介して主ボア開口部194、主バス196へ至り、ボア側チャネル235内へ、更に第三開口部234、第二ボア218及び第七開口部244を介してハウジングチャネル243、シリンジチャネルへ至り、開口部250、シリンジ孔160を介して退出する。
【0061】
第四形態も規定されている。第四形態は、回転アクチュエータ24の任意の特定位置を必ずしも要さない。第四形態では、生理食塩水/廃棄物ボア168が加圧生理食塩水ボア172に対してのみ連結されるように、活栓170が回転され得る。
【0062】
図示されないが、更なる実施形態にて第五形態を規定し得る。更なる実施形態では、回転アクチュエータ184内に更なるチェック弁が設けられる。このチェック弁は、第二開口部232,242と第四開口部236,246とに整合されるように設けられる。チェック弁は、流体が生理食塩水/廃棄物孔156からのみ、生理食塩水/廃棄物ボアを介して、第二開口部232,242と回転アクチュエータ184内のチェック弁とを介してシリンジ孔へと流れ、その後、シリンジ孔から第四開口部236,246を介して主ボア162へ流れ、カテーテル孔へ退出し得るように配置される。第五形態では、回転アクチュエータを第二位置と第三位置との間の第四位置に配置する必要があるものと想定される。
【0063】
図17は、マニフォルド弁を調節するために押ボタン機構を使用する第五実施形態の斜視図である。マニフォルド300は、孔ハウジング302とボタンアクチュエータ304とを有する。孔ハウジング302はカテーテル孔306、補助孔307、生理食塩水/廃棄物孔308、造影剤孔310、及び3個のシリンジ孔312a,312b,312cを有する。シリンジ孔312a,312b,312cは、本願の説明のために、別様に記述されない限り1個のシリンジ孔312として説明される。一実施形態にて、マニフォルド300は加圧/吸引孔312a、薬剤孔312b、及び加圧生理食塩水孔312cを有するが、任意の他の形態又は配置を使用してもよい。ボタンアクチュエータは外側ボタン314と内側ボタン316とを有する。
【0064】
マニフォルド300は、「静止」位置、又は初期位置として説明され得る位置にて図示されている。外側ボタン314が押下されると、図示される間隙318が閉鎖して、外側ボタンは孔ハウジング302上に支持される。外側ボタンを押下すると内側ボタン316も下方に移動するが、内側ボタン316は、同ボタン316自体が更に押下されるまで、孔ハウジング302上に支持されない。
【0065】
図18は、マニフォルド300の部品を更に詳細に示す、図17に示した実施形態の分解図である。カテーテル孔306a,306bは、孔306aと、マニフォルドのカテーテルに対する回転を可能にする回転アダプタ306bの形態で示されている。数個の実施形態はこの構成を有し得るが、他のアダプタ及び孔を使用してもよい。シリンジ孔312にて数個の連結間の選択を可能にする活栓350も示されている。
【0066】
図18には、ボタン機構304に連結された弁シャフトも詳細に示されている。詳細に
は、中間ボタン316は第一側部開口部326を有する造影剤弁シャフト324に対して連結されている。造影剤弁シャフト324は孔ハウジング302の造影剤弁受容部320と整合されており、造影剤弁シャフト324と造影剤弁受容部320との間に第一ばね322が存在している。中間ボタン316は、図18の斜視図では影に隠れて見えない側部開口部を有する生理食塩水/廃棄物弁シャフト332に対しても連結されている。生理食塩水/廃棄物弁シャフト332は生理食塩水/廃棄物弁受容部328と整合されており、同様にシャフト332と弁受容部328との間に第二ばね336が存在している。最後に、中間ボタン316は、主弁受容部334に挿入されるように構成された主弁シャフト338を有し、主弁受容部334と主弁シャフト338との間に第三ばね336が存在している。主弁シャフト338は、同シャフトを貫通する弁ボア340とチェック弁シート342とを有する。側部開口部326,332、弁ボア340、及びチェック弁シート342の相対的な整合関係について、図19を参照してより詳細に説明する。
【0067】
内側ボタン316の切り欠き346を介して孔ハウジング302の細長孔内に挿入することによって、外側ボタン314を孔ハウジング302に対して連結するクリップ344も示されている。クリップ344は、図17に示すようにマニフォルドが「静止」されている場合、ばね322,330,336が少量だけ圧縮されるような寸法を有し得る。この寸法は、内側ボタン316及び外側ボタン314が押下されていない場合にこれらのボタンが初期位置に戻ることによって、ボタン314,316のいずれも押下されていない場合に実行される筈の造影剤注入段階が、確実に実行されることを保証する。
【0068】
図19は、図17に示した実施形態に対応する断面分解図である。外側ボタン314と内側ボタン316との相対的な寸法が示されている。外側ボタン314は、内側ボタン316の厚さ354と比較して大きい外側鍔部の深度356を有し、従って外側ボタン314が完全に押下されて孔ハウジング302と接触した際、内側ボタン316は完全に押下されないことに留意するべきである。図18にて不可視であった部分は、生理食塩水/廃棄物弁シャフト332に形成された生理食塩水/廃棄物側部開口部352である。補助孔307は図17に示されている。
【0069】
孔ハウジング302について更に詳細に説明する。孔ハウジング302は、同ハウジングの全長を延び、かつ生理食塩水/廃棄物側部孔362と造影剤側部孔364とを有している主ボア360を備える。線X,Y,Zが弁シャフト324,332,338と整合されており、ボタン304と孔ハウジング302とが配置され得る三つの異なる位置の理解を助ける。チェック弁343が挿入された状態で、チェック弁シート342が示されている。側部孔362,364は双方とも、生理食塩水/廃棄物弁受容部320と造影剤弁受容部328との内部ボアから主ボア350へ到達するために配置されている。
【0070】
マニフォルド300全体の作動を、数段階に分けて説明する。ボタン314,316のいずれも押下されていない第一の「静止」位置、即ち初期位置では、装置は、組み立て完了時、線Xが主ボア360上に存在している。これは即ち、造影剤弁開口部326が造影剤側部孔364と整合して、造影剤孔310と主ボア360との間に流体連通が形成されていることを意味する。また、主弁シャフト338内のチェック弁343も、主ボア360上に存在すると想定される。従って、シリンジ孔312にて吸引が行われると造影剤流体が主ボア360内に流れ、シリンジ孔312にて圧力が付与されると、該流体は主ボア360からカテーテル孔306を介して流出する。造影剤孔310、又は造影剤孔310に連結された造影剤源に付加的なチェック弁を設けて、造影剤孔310への流体の逆流を防止してもよい。チェック弁343を主弁シャフト338上に設けることによって、マニフォルド300が初期位置、即ち「静止」位置にある際に、カテーテル孔306を介した流体の吸引が防止される。
【0071】
外側ボタン314が押下されると、深度356によって、線Yが主ボア360と整合した際に外側ボタン314が支持される。従って、主弁シャフト338上には線Yに対応する開口部が存在しないため、主ボア360は主弁シャフト338にて閉鎖され得る。これによってカテーテル孔306は、吸引及び/又は加圧から遮断される。造影剤弁シャフト324は開口部を有さないが、生理食塩水/廃棄物弁シャフト332は生理食塩水/廃棄物弁開口部352を有する。生理食塩水/廃棄物弁開口部352は、生理食塩水/廃棄物側部開口部362に対して連結される。この形態にて吸引が行われると、生理食塩水が生理食塩水/廃棄物弁開口部352を介して主ボア360内に吸引され、その後シリンジ孔312を通過して同シリンジ孔312に連結された加圧/吸引装置へ流入する。圧力が付与された場合、該流体はシリンジ孔362を介して流入して主ボア360を通過し、生理食塩水/廃棄物側部開口部362を介して生理食塩水/廃棄物弁開口部352へ至り、生理食塩水/廃棄物孔308に連結された廃棄物容器へ排出される。
【0072】
第三形態は、内側ボタン316が押下された際に規定される。内側ボタン316は外側ボタン314の深度356ほどの厚さ354を有さないため、内側ボタン316が外側ボタン314によって下方に保持された位置よりも下方に押下され得る。内側ボタン316が完全に押下されると、線Zが主ボア360と整合する。弁シャフト324,332のいずれも線Zに対応する開口部を有さないため、造影剤流体及び生理食塩水のいずれも主ボア360内に流入せず、また廃棄物も廃棄されない。しかしながら、主弁シャフト338は同シャフトを貫通する開口部340を有するため、第三形態では、主ボア360を介して流体が流れる。従って、第三形態は、シリンジ孔312にて吸引が行われた際にカテーテル孔306から主ボア360内へ流体を吸引するよう用いられる。開口部340にはチェック弁が存在しないため、流体はカテーテル孔306に連結された医療装置内へも流入し得る。これによって、薬剤が注入され得る。図19に図示されないが、図17に示した補助孔307を、カテーテル孔306と主弁受容部334との間において主ボア360に対して連結し得るが、孔ハウジング302上の補助孔307の正確な位置と、主ボア360に対する連結の正確な位置とは幅広く変動し得る。
【0073】
図17〜図19に示した実施形態の、二つの更なる特徴についても留意すべきである。図17は、ビルドイン部材として設けられてもよく、マニフォルドに搭載されて圧力を測定する変換器380を示す。マニフォルド300内に変換器を搭載することによって、マニフォルド300自体の流体経路内に実際の変換機構が直接配置されて、管又は他の流体コンジットを経由して変換器を取り付ける場合と比較して、より正確な測定が実行され得る。これは即ち、管及び/又はコンジットは、測定誤差と、可能な汚染とをシステムに導入し得るためである。更に、一体化された変換器を設けることによって、マニフォルド300のセットアップ工程を簡素化し得る。
【0074】
図19を参照すると、スリーブ390も示されている。スリーブ390はエラストマーからなる部品であってもよく、弁シャフト324,332,338上で密封機能を実行し得る。数個の実施形態では、各弁シャフト324,332,338の周囲には摩擦密着シールが使用されて、マニフォルド300内に流体密封が提供される。他の実施形態では、エラストマーからなるスリーブが設けられて、弁シャフト324,332,338に取り付けられるか、又はハウジング320内に配置され得る。更なる実施形態では、スリーブ390は開放チャネル又は間隙を備えて、スリーブ390が弁シャフト324,332,338に取り付けられた際に、流体が弁シャフト自体324,332,338の内部に形成されているボアを介して流れるのではなく、弁シャフト324、332,338の周囲に流れ得るようにし得る。更なる実施形態では(図示せず)、弁シャフト324,332,338から開口部326,340,352を排除して、エラストマースリーブ390が流体を流す機能を提供してもよい。
【0075】
図20は、選択されたボタンを押下する摺動機構を備えた、別の一実施形態の斜視図である。マニフォルド400は主ハウジング402、摺動アクチュエータ404、及び側部ハウジング406を有する。側部ハウジング406は、その一端がカテーテル孔408に連結され、他方の端がシリンジ孔に連結されている。主ハウジング402は、生理食塩水/廃棄物孔412と造影剤孔414とを有する。主ハウジング402は3個のチャンバを有し、同チャンバには、以下に更に説明するように、各チャンバに流体密封を提供し、かつ各チャンバ内で付勢されているばねに対する抵抗の基部を提供する蓋416が設けられる。
【0076】
図21A及び図21Bは、図20に示した実施形態の断面図であり、特定の部品が排除されている。図21Aは、側部ハウジングの方向に向いた、図20のA−A線における断面図である。スライダ404はチャネル418内に配置され、同チャネルはスライダ404へのアクセスを可能にすると共に、スライダ404の移動を制限する。第一チャンバ420、第二チャンバ422、及び第三チャンバ424は主ハウジング402内に示されている。第一チャンバ420は、第一ボア426と第二ボア428とに通じる開口部を有する。第二チャンバ422は第三ボアに通じる開口部を有し、第三チャンバ424は第四ボア432と第五ボア434とに通じる開口部を有する。第一ボア426、第三ボア430、及び第四ボア432は全て、シリンジ孔410の高さの列に整合されている一方、第二ボア428と第五ボア434とは、他の3個のボア426,430,432により形成され、かつカテーテル孔408に整合された列に対して平行な列をなすように整合されている。
【0077】
図21Bは、図21Aの断面図と反対方向に配向された、図20のB−B線における断面図である。本断面図は反対方向に配向されてているため、チャンバは反転されて第三チャンバ424が左側、第一チャンバ420が右側に配置されていることに留意されたい。この配きでは、第三チャンバ424は造影剤ボア436に通じる開口部を有し、第二チャンバは生理食塩水/廃棄物孔438に通じる開口部を有する。造影剤ボア436は、図20に示した造影剤孔412に連結されており、所望であれば一方向チェック弁を有し得る。生理食塩水/廃棄物ボア438は、図20に示した生理食塩水/廃棄物孔414に連結されている。
【0078】
図22Aは、図20に示した側部ハウジングの斜視図であり、図22Bは同側部ハウジングの断面図である。カテーテル孔408は孔408aと、マニフォルドのカテーテルに対する回転を可能にする回転アダプタ408bとの形態で示されている。数個の実施形態はこの構成を有するが、他のアダプタ及び孔も使用され得る。側部ハウジングは、カテーテル孔408a,408bに連結されたカテーテルチャネル442と、シリンジ孔410に連結されたシリンジチャネル446とを有する。チャネル442,446は、図21Aに示したボアの数個と整合する位置に設けられているため、同ボアは3個のチャンバと側部ハウジング406との間に流体連通を提供する。詳細には、カテーテルチャネル442は第二ボア428及び第五ボア434と整合し、シリンジチャネル446は第一ボア426、第三ボア430、及び第四ボア432と整合している。
【0079】
図22Bは、図22AのB−B線における断面図である。この断面図では、カテーテル孔408がカテーテルボア440によってカテーテルチャネル442に連結され、シリンジ孔410がシリンジボア444によってシリンジチャネル446に連結されることが示される。チャネル442,446は、本実施形態の更なる要素を説明した後に、以下に更に説明するように、チャンバ及び摺動アクチュエータによって調節される場合を除いて、互いに流体連通していない。
【0080】
図23は、摺動アクチュエータ機構を説明するよう数個の更なる部品が図示された、図
20に示した実施形態の別の一断面図である。図23の向きは図21Bの断面図に対応し、従って、第一チャンバ420は右側、第三チャンバ424は左側に配置されている。第一チャンバ420は、第一プランジャ450と第一ばね452とを有することが図示されている。第二チャンバ422は第二プランジャ454と第二ばね456とを有し、第三チャンバ424は第三プランジャ458と第三ばね460とを有する。ばね452,456,460は、プランジャ450,454,458を各チャンバ420,422,424の側方へと偏倚させるために設けられる。かように偏倚された場合、プランジャ450,454,458はチャンバ420,422,424とボア426,428,430,432,434,436,438の数個との間の流体連通を遮断する。
【0081】
本実施形態において、選択されたボアを開放して流体連通を提供する機構はスライダ404を使用する。三つの位置に関する以下の説明では、複数の図面を同時に参照する必要がある。
【0082】
第一位置は、造影剤導入位置である。第一位置では、スライダ404は、端部466が第三プランジャの先頭464に係合して、第三プランジャ458をばね460に対抗して移動して第三チャンバ424の壁から離反させるように配置されている。第三プランジャ458が第三チャンバ424の壁から離反すると、第一ボア426、第二ボア428、及び造影剤ボア436は流体を自由に誘導する。シリンジ孔410にて吸引が行われると、造影剤流体、又は他の媒体が造影剤孔414と造影剤ボア436とを介して吸引されて第三チャンバ424内に入り込み、第四ボア432を介してシリンジチャネル446に至り、シリンジボア444を介してシリンジ孔410へ退出する。シリンジ孔410にて圧力が付与されると、流体はシリンジ孔410とシリンジボアとを介してシリンジチャネル446内に強制的に移動され、第四ボア432を介して第三チャンバ424内へ流入する。造影剤孔414に連結された造影剤源、造影剤ボア436、又は造影剤孔自体のいずれか一つがチェック弁を有するため、一胆流体がシリンジチャネル446から第三チャンバ424内へ強制的に移動されると、流体は第五チャネル434を介して退出して、カテーテルチャネル442内、及びカテーテルボア440へ至り、カテーテル孔408へ排出される必要がある。
【0083】
第二位置はマニフォルドのフラッシュ位置であり、図23に示すように、スライダ404は、端部466が第二プランジャの先頭462に係合して、第二プランジャ454を押圧して第二チャンバ422の壁から離反させるように配置されている。第二プランジャ454が第二チャンバ422の壁から離反すると、生理食塩水/廃棄物ボア438に通じる開口部(図21B)と、第三ボア430とは閉鎖されない。シリンジ孔410にて吸引が行われると、生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔412においてマニフォルド400内に吸引されて、生理食塩水/廃棄物ボア438を介して第二チャンバ422内へ、第三ボア430を介してシリンジチャネル446へ至り、シリンジボア444及びシリンジ孔410を介して退出する。シリンジ孔410にて圧力が付与されると、流体はシリンジ孔410を介してマニフォルド400内に強制的に移動され、シリンジボア444内、及びシリンジチャネル446へ、第三ボア430を介して第二チャンバ422内へ至り、生理食塩水/廃棄物ボア438へ排出されて、生理食塩水/廃棄物孔412及び同孔に連結された廃棄物容器内へ至る。
【0084】
第三位置は、カテーテル孔408に連結された医療装置からの流体の吸引を可能にするよう提供される。第三位置は、スライダ404が第一チャンバ420上に配置されて、端部466が第一プランジャの先頭460に係合して第一プランジャ450を第一チャンバ420の壁から離反させる構成を有する。この位置は、第一ボア426と第二ボア428とを開放して、流体通路を提供する。第一チャンバ420内の開口部は第一チャネル426と第二チャネル428とに通じているため、利用可能な流体通路は1個のみ存在する。
シリンジ孔410にて吸引が行われると、流体はカテーテル孔408からカテーテルボア440内へ吸引されてカテーテルチャネル442に至り、第二ボア428を介して第一チャンバ420内へ、第一ボア426を介してシリンジチャネル446及びシリンジボア444へ至り、シリンジ孔410へ退出する。シリンジ孔410にて圧力が付与されると、流体通路が反転され得る。所望であれば、流体が吸引廃棄されるべき場合、第一ボア426又は第二ボア428内にチェック弁を配置して、カテーテル孔408内へ流体が流れることを防止し得る。
【0085】
上述した数個の実施形態の各々について、更なる孔、チェック弁、及びアクチュエータ位置を含む様々な更なる構造を提供し得る。上述した実施形態は比較的簡略化されているが有効であり、多数の医療処置の効率及び速度を向上させる。厳密な材料、連結方法、及び源と容器(生理食塩水、廃棄物、造影剤、加圧生理食塩水、シリンジ、及びカテーテル)とは説明を目的として提供し、本発明をこれら特定の要素に限定するものとして理解するべきではない。
【0086】
当業者は、本発明が本願に説明され想定された特定の実施形態以外の様々な形態にて明示され得ることを理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲に記載された範囲及び趣旨から逸脱せずに、本発明の形態及び詳細における逸脱が為され得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】平坦なロータ構成における、回転アクチュエータを有する第一の実施形態の斜視図。
【図2】使用される孔及び弁の一部を示す、図1に示したハウジング及び回転アクチュエータの断面図。
【図3】図1に示した実施形態の様々な部品の分解図。
【図4A】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図4B】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図4C】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図4D】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図5】図1に示した回転アクチュエータを鉛直方向に配置した回転アクチュエータを有する、第二実施形態の斜視図。
【図6A】図5に示した回転アクチュエータの異なる角度における断面図。
【図6B】図5に示した回転アクチュエータの異なる角度における断面図。
【図7A】図5に示した回転アクチュエータ単独の斜視図。
【図7B】図5に示した回転アクチュエータ単独の斜視図。
【図8】摺動アクチュエータを有する第三実施形態の斜視図。
【図9】図8に示した実施形態の様々な部品の分解図。
【図10】図8に示した実施形態の断面図。
【図11A】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図11B】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図11C】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図11D】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図12】回転弁の概念を利用した第四実施形態の斜視図。
【図13】数個の部品が除去された、図12に示した実施形態の斜視図。
【図14】図12に示した回転弁の概略図。
【図15A】図12に示した弁ハウジングの斜視図。
【図15B】図12に示した弁ハウジングの斜視図。
【図16】図12に示した実施形態の加圧/吸引孔の斜視図。
【図17】マニフォルド弁を調節するために押ボタン機構を使用する第五実施形態の斜視図。
【図18】図17に示した実施形態の分解図。
【図19】図18に示した分解図に対応する断面図。
【図20】弁を調節する摺動アクチュエータを有する別の一実施形態の斜視図。
【図21A】特定の部分が排除された、図20に示した実施形態の断面図。
【図21B】特定の部分が排除された、図20に示した実施形態の断面図。
【図22A】図20に示した連結ハウジングの断面斜視図。
【図22B】図20に示した連結ハウジングの断面斜視図。
【図23】摺動アクチュエータ機構を説明するために、数個の更なる部品が示される図20に示した実施形態の別の一断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の分野に関する。より詳細には、本発明は流体源と加圧/吸引源とを、カテーテル又はカニューレ等の医療装置に対して連結するマニフォルドに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル、及び他の医療装置に使用されるマニフォルドは、数個の異なる機能にて使用される。マニフォルドのいくつかは、1個以上の流体源と、シリンジ等の加圧及び吸引源とを、カテーテルに対して連結する。数個の流体源、及び/又は、加圧又は吸引源を医療装置に対して連結する現在のマニフォルドは、処置中に別々に、かつ繰り返して操作する必要がある多数の個別の弁を有し得る。このマニフォルドの使用工程は、実行される操作を複雑にし、操作に要する時間を長くし、かつ誤操作を招来する。
【0003】
本発明の典型的な実施形態では、カテーテル、又は他の医療装置に流体装置と加圧又は供給源とが連結された際に、流体装置と、加圧又は供給源との調節を簡易化するマニフォルド装置を提供する。一実施形態では、マニフォルドは複数の孔を有する。これらの孔は治療物質又は診断物質源と、生理食塩水源と、廃棄物容器と、加圧及び/又は吸引装置とを受容する孔を含み得る。治療物質又は診断物質源は、例えば造影剤、薬品、又は抗生物質、若しくは他の薬剤の源であり得る。マニフォルドにはこれらに加えて、又はこれらの代替として、他の装置又は源が連結されてもよい。いくつかの実施形態では、生理食塩水源と廃棄物容器とは、流体が生理食塩水供給源へ逆流することを防止し、かつ廃棄物容器から内容物が漏れ出ることとを防止するダブルチェック弁機構を有する装置に対して連結される1個の注入孔を備え得る。カテーテル又は他の医療装置に対して連結される孔をも備える。
【0004】
弁部材が提供されて、同弁部材内にて複数の弁機能が、好ましくは位置を変更すると同時に実行される。この弁部材は、予め規定された数個の位置、及び形態を有するように構成されている。第一の位置は、造影剤源の孔を、加圧/吸引装置の孔と、主排出ラインの孔とに対して連結すると共に、他の孔を閉鎖し得る。第一の位置は、造影剤を導入するように適合されている。第一の位置は、治療溶液又は診断溶液の他の源に対して連結するために使用されてもよい。第二の位置は、加圧/吸引装置孔を、生理食塩水/廃棄物孔に対して連結し得る。第二の位置は、マニフォルドチャンバと加圧/吸引装置とに流体を勢いよく流す(以下、フラッシュと称する)ように適合されている。第三の位置は、加圧/吸引装置孔を、医療装置孔に対して連結し得る。第三の位置は、カテーテル又は他の医療装置内に流体を通すように適合されている。実施形態のいくつかにおいて、加圧された生理食塩水源が提供される場合に、生理食塩水を注入する第四の位置が提供される。第四の位置は、固有の生理食塩水注入の孔、又は生理食塩水/廃棄物の孔を、主排出ラインの孔に対して連結すると共に、他の孔を閉鎖する。
【0005】
実施形態のいくつかでは、弁部材には、回転アクチュエータ、摺動アクチュエータ、押ボタンアクチュエータ、又はこれらの構成の様々な複合物、及び/又は組み合わせが設けられ得る。多数のシール、Oリング、弁、及び他の要素も多様に設けられて、弁部材の機能を実行する構造を提供し得る。数個の実施形態では、例えば流体の造影剤源内への逆流を防止する等、流体の流れの方向を制御するか、又は限定するチェック弁が設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、図面を参照に読まれるべきである。必ずしも当尺でない図面は代表的な実施形態を示すもので、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
以下にてカテーテル孔(例、図1に示すカテーテル孔22)を参照に詳細に説明するが、カテーテル孔という用語は、最も一般的な意味にて使用されることを理解されたい。例えば、マルチルーメンカテーテルが使用される場合、マルチルーメンカテーテル内の数個のルーメンに対する個別のアクセスを可能にするために、短い連結部品が、配置されているYコネクタ、又は他のコネクタの基端上のルアー(Luer)弁に対して「カテーテル孔」を連結し得る。本発明による装置に対して、「カテーテル孔」を介して直接、又は間接的に、任意の脈管、又は非脈管の経路によって少なくとも一部が患者内に挿入される導入シース、又は他のシース、カニューレ、内視鏡又は任意の他のシングルルーメン、又はマルチルーメン医療装置を連結することが可能である。
【0007】
以下に説明する孔は全て、任意数のシール装置、又はシール構造を有し得る。例えば、孔が別の一要素と接続されていない場合、孔に可撓性を有する二重薄膜を組み込んで、孔からの流体の流出を防止し得る。このシール装置、又はシール構造には多様な装置が挿入されて、同装置の周囲に流体密封が提供され得る。
【0008】
本願に開示される実施形態を構成する際には、幅広い材料が使用され得る。通常、本体及びハウジング部材、並びに様々なボアの形成にはポリカーボネートが使用され、様々な回転及び摺動アクチュエータにはアセタール材料が使用されるが、例えばアクリル樹脂、ポリオレフィン、エンジニアリングポリマー、任意のポリマー配列の混合物及び複合物、自己潤滑ポリマー等の任意の適切な材料が使用されてもよい。密封は締まりばめにより実行され得るが、エラストマーシール、Oリングの使用等、代替的な方法を使用してもよい。溶剤、UV硬化接着剤等の接着技術;超音波、熱又はスピン溶接技術;又はスナップ嵌め及び/又は他の機械的連結装置を使用して、様々な構成要素が組み立てられ得る。以下の典型的な構造では、多数のチェック弁が使用されているが、これら弁の多くは、その特定の用途を説明するために設けられ、実施形態のいくつかでは省略され得る。この多様なチェック弁は、傘型弁、ダックビルバルブ、円盤弁、ボールチェック弁、フラッパー型弁等を含む任意の適切な構造、又は技術により得られる。同一の構造内の異なる位置に、異なる種類の弁を組み込んでもよい。
【0009】
図1は、比較的平坦なロータ構成を有する回転アクチュエータを備えた第一実施形態の斜視図である。マニフォルド10は、シリンジ孔14と、造影剤孔16と、生理食塩水/廃棄物孔18と、予備孔20と、カテーテル孔22とを有するハウジング12を備える。回転アクチュエータ24はハウジング12内に保持され、ハウジング12を貫通する数個のボア(図3にて詳細に示す)と共に、様々な孔14,16,18,20,22間における選択的な連結を提供する。これらの連結を、図2及び図4A〜4Dを参照にして更に説明する。
【0010】
予備孔20は、例えば薬剤の注入、及び/又は圧力の測定等の様々な機能を提供し得る。予備孔20にはインライン弁ロータ26が設けられる。ロータ26は活栓であってもよく、図2及び図4Dを参照にして更に説明される。例えば、処置中に、予備孔22に連結された圧力トランスデューサを使用して患者の血圧を測定したり、あるいはカテーテル内の圧力を測定して、シャフト又は膨張可能な薄膜を破裂させ得る過圧を防止したりし得る。弁ロータ26はまた、例えばシリンジがシリンジ孔14に連結されて圧力が付与されて、シリンジ上のロック機構が所望の時に適切に開放されない場合等、緊急圧力開放位置としても役立つ。そのような用途において、予備孔20は、緊急流体排出孔として作用し得る。
【0011】
図2は、ハウジング12のボアと、回転アクチュエータ24とを示す、図1の実施形態の部品の断面図である。ハウジング12は分岐したシリンジボア30,30a,30bと、造影剤ボア32と、生理食塩水/廃棄物ボア34と、分岐した主排出ボア36,36a
,36bと、予備ボア38と、加圧生理食塩水ボア40とを有する。回転アクチュエータ24の第一位置が示され、この第一位置ではカテーテル孔22に連結された医療装置内に造影剤が注入される。回転アクチュエータ24は第一ボア42と、第二ボア44と、第三ボア46と、第四ボア48とを有し、これらの全ボアは回転アクチュエータ24内で接続していることが理解され得る。他の実施形態では、多様なボアは互いに分離されていてもよい。
【0012】
任意の2個のチェック弁50,52も図示されている。一方のチェック弁50は、流体が造影剤孔16の方向へ逆流することを防止するよう配置され、他方のチェック弁52は、カテーテル孔22から流体が流入することを防止するよう配置されている。回転アクチュエータ24が図2に示す第一位置にある場合、第一ボア42はシリンジボア30の分岐部30aに対して連結し、第二ボア44は造影剤ボア32に対して連結し、第三ボア46は主排出ボア36の分岐部36aに対して連結している。シリンジ孔14に連結されたシリンジ、又は他の加圧/吸引装置が吸引力を付与する際(例、シリンジのプランジャが牽引される際)、一方のチェック弁52は流体がカテーテル孔22から流入することを防止し、他方のチェック弁50は造影剤を造影剤孔16から流入させる。数個のボアと回転アクチュエータとの連結によって流体の連通が形成されて、造影剤流体がシリンジ孔14に連結された加圧/吸引装置(例、シリンジの円筒部)内に吸引される。その後、シリンジ孔14にて圧力が付与されると、一方のチェック弁50は造影剤流体が造影剤孔16へ逆流することを防止し、他方のチェック弁52はカテーテル孔22を介して造影剤流体を医療装置へ導入させる。
【0013】
シリンジボア30及び主排出ボア36の分岐部30a,30b,36a,36bは、ハウジング12を介した付加的な流体の流れ経路を提供するように設けられている。例えば、回転アクチュエータ24が、その軸を中心として約45度、反時計回りに回転されると、第三ボア46は主排出分岐部36bに対して連結され、第四ボア48はシリンジ分岐部30bに対して連結されると想定される。この異なる流体通路はチェック弁52を含まず、カテーテル孔22に連結された医療装置から、シリンジ孔14に連結された加圧/吸引装置内へ流体を吸引することを可能にする。
【0014】
これに代わって、回転アクチュエータ24が図示される第一位置から約90度、反時計回りに回転されると、第二ボア44は生理食塩水孔34に対して連結し、第四ボア48はシリンジ分岐部30aに対して連結すると想定される。この位置は、生理食塩水がマニフォルド10内に吸引されて、数個のボアを介して加圧/吸引装置内へ流入することによって、シリンジ孔14に連結された加圧/吸引装置と、マニフォルド10自体とをフラッシュすることを可能にする。一旦、生理食塩水が内部に吸引されると、生理食塩水は同一の経路を経由して勢いよく放出され得る。マニフォルド10は、生理食塩水/廃棄物孔18において生理食塩水/廃棄物組合せ装置に対して接続するように構成されている。生理食塩水/廃棄物組合せ装置は、生理食塩水の吸引を可能にすると共に廃棄物の受容も可能にし、これら二つの混合を防止する内部ダブルチェック弁機構を備えている。この装置が所望されない場合には、生理食塩水と廃棄物との別個の孔を設け、各々がチェック弁を有して、生理食塩水源への、又は廃棄物容器からの望ましくない流れを防止し得る。別個の孔が設けられる場合、所望であれば、ハウジング12内のボアを互いに連結して、生理食塩水/廃棄物結合装置を使用して達成される効果と同様の効果を達成してもよい。
【0015】
所望であれば、加圧された生理食塩水源を使用し、生理食塩水/廃棄物孔18を介して同生理食塩水源を連結してもよい。この場合、ロータ弁26は三方活栓であってもよく、一位置において補助孔20と、補助ボア38と、生理食塩水/廃棄物ボア18に連結する加圧生理食塩水ボア40との間で流体を連通させる。この位置にて、例えば補助孔20上に圧力トランスデューサを設けて、生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔18からカテーテ
ル孔22に連結された医療装置へ注入される間、流体導入圧を測定してもよい。補助孔20にシリンジ又は他の装置を連結して、加圧生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔18を介して注入される間、薬剤又は他の物質を導入してもよい。
【0016】
図3は、図1に示した実施形態の様々な部品の分解図である。この図では特にハウジング12と回転アクチュエータ24との構成が強調されている。図示するように、ハウジング12は外側ハウジング要素12a、内側ハウジング要素12b、及び排出ハウジング要素12cを備える。外側ハウジング要素12aは、孔14,16,18を連結する位置と、排出ハウジング要素12cを連結する位置とを有する。ハウジング要素12a,12b,12cは任意の適切な機構により互いに連結され得る。
【0017】
造影剤孔16は外側ハウジング要素12aの低部に配置され、シリンジ孔14、生理食塩水/廃棄物孔18等の他の要素は、外側ハウジング要素12aの上部に配置されることが理解され得る。ハウジング12をこのように構成することによって、回転アクチュエータ24には特定の流体通路を形成する付加的な能力が提供される。例えば、第二ボア44(図2)は、主ルーメンの高さ53から偏位された孔の高さ54へと延びる鉛直孔45にて終焉する一方、第一孔42(図2)は単純なボアホール58にて終焉している。偏位孔の高さ54は、ハウジング12の内部において造影剤孔16から回転アクチュエータ24へと延びる造影剤ボアに合わせるために、より低い高さに設けられる。この種の構成の使用方法の一例を、図4Bを参照にして以下にも説明する。
【0018】
図3には、数個の文字56も図示されている。文字56は造影剤(「C」)、吸引(「A」)、及び生理食塩水(「S」)を示している。回転アクチュエータ24は、特定時間において3個の文字56のうちのどの文字が示されているかを指示する針、又は他の指示装置を有する。文字56が存在するため、使用者は、図4A〜図4Cに関して以下に説明される形態のうち、回転アクチュエータ24がどの形態を有しているかを迅速かつ容易に決定することが可能である。従って、文字“C”が示される際には、回転アクチュエータ24は造影剤を導入する位置に配置されている。文字は微光環境内で容易に視認し得るように形成され得る。
【0019】
図4A〜図4Dは、四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成を有する実施形態の断面図である。図4Aは、カテーテル、又は他の医療装置へ造影剤を注入するための第一形態、即ち第一位置を示す。図示するように、回転アクチュエータ24が第一位置に配置されるように、ハンドル51がハウジング12に関して回転される。第一位置では、シリンジ分岐部30aと第一ボア42との間と、造影剤ボア32と第二ボア44との間と、主排出分岐部36aと第三ボア46との間とに流体通路が形成される。造影剤ボア32と主排出ボア36aとに沿った流体通路内に、2個のチェック弁50,52が設けられて、不適当な流体の流れ(即ち、カテーテル孔22からの吸引、又は造影剤孔16内への流体の逆流)を防止する。その後、シリンジ孔14に加圧/吸引装置が連結されて、吸引と加圧とを交互に行うことによって、造影剤孔16から造影剤流体がマニフォルド10内に吸引され、カテーテル孔22に連結されている医療装置へ造影剤流体が導入される。
【0020】
図4Bは、マニフォルド10の第二形態を示す。この形態は流体を吸引するように適合されている。詳細には、回転アクチュエータ24が第二位置に配置されるように、ハンドル51が操作される。この位置では、第三ボア46は主排出分岐部36bの一つと流体が流れるように連通し(以下、流体連通と称す)、第四ボア48はシリンジ分岐部30bの一つと流体連通する。この位置にある際、シリンジ孔14に連結されている加圧/吸引装置は、カテーテル孔22に連結されている医療装置から流体を引き込むために使用されると想定される。この吸引は、例えば処置中に塞栓、血塊、結石又は他の物体が、溶解、又は破壊された後に実行され得る。
【0021】
別の一実施形態(図示せず)では、ハウジング12内において、図4Bに示すような第二ボア44と生理食塩水/廃棄物孔18との間に、付加的な廃棄物ボアを設け得る。この廃棄物ボアは、生理食塩水/廃棄物孔18を介した生理食塩水の導入を防止するチェック弁を有する。このような廃棄物ボアにより、使用者は吸引処置中、カテーテル孔22に連結された医療装置を介して吸引された流体を、迅速かつ容易に除去かつ廃棄することを可能にする。更なる実施形態にて、廃棄物ボアには、第二位置を変更せずに廃棄物ボアを選択的に閉鎖するか、又は開放する活栓、又は他の制御可能な弁が設けられてもよい。
【0022】
図4Bに、図3との関連においてマニフォルド10の別の一局面を示す。図3に示すように、生理食塩水/廃棄物孔18及び生理食塩水/廃棄物ボア34は、造影剤孔16及び造影剤ボア32と同一の高さに存在しない。第二ボア44は、鉛直溝45(図3)に対して連結されて、主ルーメンの高さ53(図3)である上位レベルと、造影剤ボア32が内側ハウジング12b(図3)を通過する下位レベルとの双方にアクセスし得る。回転アクチュエータ24が第二位置に存在する場合、第一ボア42は造影剤ボア32とほぼ整合されている。しかしながら、第一ボア42は、鉛直溝45(図3)ではなく、第一ボアホール58に通じるため、回転アクチュエータ24は、図4Bの第二位置において、第一ボア42と造影剤ボア32との間にて流体を連通させない。
【0023】
図4Cは、マニフォルド10の第三形態を示す。この形態では、回転アクチュエータ24はハンドル51によって調節されて第三位置に存在する。この位置では、シリンジ分岐部30aが第四ボア48と流体連通し、生理食塩水/廃棄物分岐部34が第二ボア44と流体連通している。この位置は、シリンジ孔14に連結されている加圧/吸引装置と、生理食塩水/廃棄物孔18に連結されている生理食塩水/廃棄物装置とを流体連通させる。この位置では、加圧/吸引装置はマニフォルド10の内部と、加圧/吸引装置自体の内部とをフラッシュアウトすることが可能である。生理食塩水/廃棄物孔18を介して生理食塩水がマニフォルド10内部、及び加圧/吸引装置自体の内部に吸引された後、廃棄物として生理食塩水孔18を介して戻される。
【0024】
図4Dは、加圧された生理食塩水源から生理食塩水を注入する別の一位置を示す。活栓25が図4A〜図4Cの位置のいずれとも異なる位置へ回転されている。図示するように、活栓26が回転されると、加圧生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔18を介して入り込み、加圧生理食塩水ボア40と活栓26とを通過して、補助ボア38内に至る。補助ボア38から主排出ボア36に到達して、カテーテル孔22に連結されている医療装置を介して導入される。この工程中、補助孔20は圧力測定孔、又は薬剤若しくは他の物質の導入孔として使用され得る。
【0025】
図5は、図1と比較して回転アクチュエータが鉛直方向に配置されている第二実施形態の斜視図である。図5に示すマニフォルド60は、シリンジバスライン66に対して連結するシリンジ孔64から開始して、マニフォルド60内のほぼ全体を延びる主ボア62を有する。シリンジバスライン66は、共通する位置において多数のボア間を流体連通させる。シリンジバスライン66はアクチュエータハウジング68に取り付けられ、同ハウジング68は指示器板70と、回転アクチュエータ72を受容するボアとを有する。回転アクチュエータ72は、アクチュエータハウジング68と相互作用する数個のボアと孔との間を選択的に連結させる。指示器板70は、数個の位置のうち回転アクチュエータ72が配置される位置を示す文字を有している。例えば「C」は、造影剤導入位置を示し、「F」はフラッシュ位置を示し、「A」は吸引位置を示し、「P」は加圧生理食塩水の導入位置を示す。アクチュエータハウジング68の内部において回転アクチュエータ72を回転させることによって、これら各位置に到達し得る。
【0026】
アクチュエータハウジング68は、生理食塩水/廃棄物孔74と、造影剤孔78に連結しているチェック弁76とを有するように示されている。チェック弁76は、流体が造影剤孔78に連結された造影剤源へと逆流することを防止する。アクチュエータハウジング68には主バス88が設けられている。主バス88は、以下に詳細に説明するように、アクチュエータハウジング68内の複数のボア/開口部間における流体の移動を可能にする。主ボア62は主バス88を介してアクチュエータハウジング68に対して連結されている。
【0027】
主ボア62は、三方活栓82を介して同ボア62に連結されている仲介孔80へ前進している。三方活栓82は回転されて、流体通路の様々な異なる組み合わせを選択し得る。図示する位置では、三方活栓82は、主ボアを閉鎖せずに主ボア62に対して仲介孔80を連結している。当業者が理解し得るように、活栓82は約90°ずつ回転され得る。第一の回転は、仲介孔80をカテーテル孔86に対して連結する一方、アクチュエータハウジング68へ向かう主ボア62を閉鎖する。更なる90°の回転は、仲介孔80を閉鎖する一方、主ボア62を該ボアの長さに沿って開放する。第三の90°の回転は、仲介孔80をアクチュエータハウジング68に対して連結する一方、圧力変換器孔84とカテーテル孔86とへ向かう主ボア62を閉鎖する。主ボア62は更に、変換孔84とカテーテル孔86とへ延びている。
【0028】
上述した様々な孔は、例えば薬剤孔等の所定の目的名称を有しているが、これらの名称は、孔がどのように連結され得るかを単に例示するものとして理解するべきである。他の装置が様々な位置に連結されてもよい。例えば、仲介孔80は生理食塩水源を連結する際に使用されてもよい。この場合、活栓82を図示した位置から90°回転させて、変換器孔84に圧力変換器を配置してもよく、加圧生理食塩水をカテーテル孔86に連結されている医療装置に注入すると共に圧力レベルを変換器により測定する。仲介孔80及び変換器孔84のいずれか一方を、図1を参照にして上述した補助孔20と同様の補助孔として使用し得ることも理解すべきである。
【0029】
図6A及び図6Bは、図5に示したアクチュエータハウジング68の異なる角度における断面図である。図6Aは図5の6A−6A線における断面図である。上述したように、アクチュエータハウジング68は指示器板70を有する。生理食塩水/廃棄物孔74への生理食塩水/廃棄物開口部75と、外部のチェック弁76への造影剤開口部79も図示されており、同チェック弁76は造影剤孔78(図示せず)へ至る。主バス88の一部も図示されており、第一主開口部88aと第二主開口部88bとは、アクチュエータハウジング68内部から主バス88への流体連通を提供している。
【0030】
図6Bは、図5の6B−6B線におけるアクチュエータハウジング68の断面図である。アクチュエータハウジング68は、上述したと同様、生理食塩水/廃棄物開口部75及び造影剤開口部79を説明するように示されている。上述したと同様、第一主開口部88a及び第二主開口部88bも示されている。各々がシリンジバスシート67内に開口された3個のシリンジバス開口部90a,90b,90cも示されている。シリンジバス開口部は、図5に示したシリンジバス66への流体連通を提供している。
【0031】
図7A及び図7Bは、図5の実施形態に対応する回転アクチュエータ72単独の斜視図である。図7Aは、第一ボア開口部94a、第三ボア開口部96a、第五ボア開口部98a及び第六ボア開口部98bを有する回転アクチュエータ72を示す。第五及び第六ボア開口部98a,98bは、回転アクチュエータ72のシャフト全体と流体が流れるように接続されている。回転アクチュエータ72の位置を操作する取っ手92が設けられている。図7Bは、取っ手92の反対側に存在する指示器93が示されている異なる角度からの別の一斜視図である。指示器93は様々な開口部に対して整合されて、同指示器93と指
示器板70(図5)とによりマニフォルドがどの形態を有するかが指示される。第二ボア開口部94bも示され、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94bとはシャフトの互いに対向する側に存在し、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94bとの間は、一方向のみの流体の流れを可能にするチェック弁によって、流体が流れるように接続されている。
【0032】
図5,6b,7a及び7bから、指示器93が指示器板70の「C」又は「A」上に存在する場合、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94bとは(その間のボアとチェック弁と共に)、主バス開口部88bと第三シリンジバス開口部90cとの間を流体連通させることが理解される。チェック弁は、指示器93が「A」上に存在している場合、主バス88からシリンジバス90への流体の流れが可能となり、指示器93が「C」上に存在している場合、シリンジバス90から主バス88への流体の流れが可能となるように、第一開口部94aと第二ボア開口部94bとの間で整合される。従って、チェック弁がそのように整合されている場合、回転アクチュエータ72は、シリンジ孔64と主ボア62との間で一方向に向かう選択的な流れを可能にする。それに対して、指示器93が「P」及び「F」のいずれか一方の上に存在している場合、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94とは、シリンジ孔64から主ボア62へ至る流体通路を提供しない。
【0033】
図5,6b及び7aから、指示器93が指示器板の「C」を示す場合、第五ボア開口部98aが第一シリンジバス開口部98aと整合し、かつ第六ボア開口部98bが造影剤開口部79と整合して、造影剤孔78からシリンジ孔64への流体通路が提供されることが理解される。チェック弁76が流体通路内に設けられている。チェック弁76は造影剤をシリンジ孔64へ吸引させるが、同流体を造影剤孔78の外部へ強制的に排出させない。それに対して、回転アクチュエータ72内において第一ボア開口部94a及び第二ボア開口部94bの間に存在するチェック弁は、造影剤流体を主ボア62とカテーテル孔86とへ導入させるが、主ボア62からシリンジ孔64へと同流体を後退させない。以上のように、使用者は取っ手92を単に回転させて回転アクチュエータ72を操作することによって、造影剤が患者又は医療装置内へ注入される形態にマニフォルド60を配置させる。
【0034】
指示器93が回転されて指示器板70上の「A」を示すと、第一ボア開口部94aと第二ボア開口部94b間のチェック弁が反転されて、第五ボア開口部98a及び第六ボア開口部98bは第一バス開口部90a及び造影剤開口部79のいずれとも整合せず、造影剤の流れが防止される。同様に、指示器93が「A」を示すと、第二ボア開口部96a及び第三ボア開口部96bはボア開口部88a,75,90bの各々に対して整合せず、生理食塩水の流れも防止される。従って、カテーテル孔86からシリンジ孔64への流体の吸引のみが可能となる。
【0035】
指示器93が回転されて「F」を示すと、第三ボア開口部96aが生理食塩水開口部75と整合すると共に、第四ボア開口部96bが第二シリンジバス開口部90bと整合する。この形態は、生理食塩水/廃棄物孔74から生理食塩水をシリンジ孔64へと引き込んで、シリンジ孔64から同流体を生理食塩水/廃棄物孔74の外部へと案内する。従って、指示器93が「F」を示す場合、マニフォルド60と、シリンジ孔64に連結された加圧/吸引装置とは、清浄な生理食塩水によってフラッシュされ得る。
【0036】
指示器93が「P」を示すと、第三ボア開口部96aは第一主バス開口部88aと整合し、第四ボア開口部96bは生理食塩水/廃棄物開口部75と整合する。この配置により、加圧生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔74を介して、カテーテル孔86に連結された医療装置へ注入される。
【0037】
図8は、摺動アクチュエータを備えた第三実施形態の斜視図である。マニフォルド10
0は摺動ハウジング102と孔ハウジング104とを備える。摺動ハウジング102には孔ハウジング104の反対側にてシリンジ孔106が設けられている。孔ハウジングは、造影剤孔108、生理食塩水/廃棄物孔110、補助孔112、及びカテーテル孔114を有する。カテーテル孔114は主ボア116と流体連通しており、主ボア116は補助ボア118を介して補助孔112から直接アクセスされる。生理食塩水/廃棄物孔110は、生理食塩水/廃棄物ボア120によって摺動ハウジング102に連結され、造影剤孔108は造影剤ボア122によって摺動ハウジング102に連結されている。一般に、マニフォルド100の操作は、2個の主弁部品によって調節される。三方活栓124は、特定の用途において加圧生理食塩水源と関連して使用され得る任意の部品である。摺動装置が設けられ摺動ボタン126に対して連結されて、数個の形態のうち使用される形態を選択する。孔は、図1の補助孔20を参照に上述したものと同様の形態で、様々な装置に対して接続し得る。
【0038】
図9は、図8に示した実施形態の様々な部品の分解図である。図示するように、孔ハウジング104は、孔108,110,112を有する。これら孔は、射出成形プロセスにて同ハウジング104上に形成され得るか、又は孔ハウジング104は数個の個々の部品から一体的に形成された部品であり得る。しかしながら、孔ハウジング104は任意の適切な手段によって形成されてもよい。カテーテル孔114は、カテーテルに対してマニフォルドを回転させる回転アダプタの形態で図示されている。数個の実施形態はこの構成を有し得るが、他のアダプタ及び孔を使用してもよい。孔ハウジング104内に活栓124が挿入され定位置に保持されている。数個の実施形態において、活栓124は三方活栓であり得る。
【0039】
数個の実施形態では、孔ハウジング104は、最初にボア116,118,120,122を製作して(例えば、押出成形と、その後の曲げ又は連結工程によって)、同ボアを鋳型内に配置して、ボアの周囲にプラスチック物質を挿入することによって、孔ハウジング104を一体的に連結して形成される。その後、多数の弁が内部に設けられた摺動アクチュエータ128を孔ハウジング104の細長孔内に配置した後、摺動ハウジング102を孔ハウジング104に対してスナップ嵌めする。摺動アクチュエータ128に、同アクチュエータ128の位置を調節する手動ボタン126が取り付けられる。シリンジ孔106も定位置内にスナップ嵌めされ得る。様々な部品を互いに接着する際には、接着剤、ねじ、リベット、熱硬化/接着工程、又は任意の他の適切な工程を用いてもよい。摺動ハウジング102は、摺動アクチュエータ128が摺動ハウジング102のチャネル、即ち細長孔内に配置された後、ハウジング102上にスナップ嵌めする端部部材を有してもよい。
【0040】
図10は、図8に示した実施形態の断面図である。この断面図は、摺動アクチュエータ128と摺動ハウジング102との特徴に焦点を当てている。詳細には、摺動アクチュエータ128は、第一チェック弁130、開放弁132、及び第二チェック弁134を有する。第一チェック弁130と第二チェック弁134とは双方とも一方向弁であるが、摺動アクチュエータ128上にて反対方向に配置されている。摺動ハウジング102は、第一ボア136、第二ボア138、及び第三ボア140を有する。これらボアは摺動ハウジング内において付加的な流体通路を提供し、同流体通路は摺動アクチュエータ128と連携してマニフォルド100の操作を幾分か有利にする。ボア116,120,122,136,138,140と、弁130,132,134と、シリンジ孔106との間の相互作用について、図11A〜図11Dを参照して以下に更に説明する。
【0041】
図11A〜図11Dは、図8に示したスライダ構成の四つの作動形態を示す概略断面図である。図11Aは、摺動アクチュエータ128が第一位置に存在するマニフォルド100の第一形態を示す。摺動アクチュエータ128が第一位置に存在する場合、造影剤孔1
08は造影剤ボア122を介して連結されて、第二チェック弁134は摺動ハウジング102内の第三ボア140に対して連結される。第三ボア140は、シリンジ孔106に連結している。また摺動アクチュエータ128が第二位置に存在する場合、第三ボア140は第一チェック弁130に連結されており、同チェック弁130はマニフォルド100の主ルーメン116に連結されている。主ボア116はカテーテル孔114に対して接続されている。
【0042】
第一位置は、以下のように機能する造影剤導入位置である。シリンジ等の加圧/吸引装置がシリンジ孔106に対して連結されて吸引が行われると、第一チェック弁130は主ボア116から第三ボア140への流れを防止するが、第二チェック弁134は造影剤ボア122(及び造影剤孔108)から第三ボア140への流れを可能にする。従って、造影剤はシリンジ孔106を介して外部へ流れ得る。吸引によりシリンジ孔106を介して造影剤が排出された後、正圧がシリンジ孔106を介して付与される。シリンジ孔106にて圧力が付与されると、第二チェック弁134は造影剤ボア122内への逆流を防止するが、第一チェック弁130は造影剤を主ボア116へ導入して、カテーテル孔114を介して排出する。開放弁132は、摺動ハウジング102を介していずれのボア及び開口部とも整合されていず、従って他の流体通路は閉鎖されていることに留意されたい。
【0043】
図11Bは、摺動ハウジング102に関して摺動アクチュエータ128が第二位置にある、マニフォルド100の第二形態を示す。第二位置では、開放弁132が生理食塩水/廃棄物ボア120と第三ボア140との間を流体が流れるように接続する。第一弁130及び第三弁134は、他のいずれのボアとも整合されていず、従って可能な更なる流体通路は遮断されている。生理食塩水/廃棄物孔110は、生理食塩水源と廃棄物容器との組合わせ装置に対して連結され得る。同装置は内部ダブルチェック弁システムを備えて、生理食塩水を引き込み、かつ導入された同流体を廃棄物容器へと案内する。シリンジ孔106を介して吸引が行われると、生理食塩水/廃棄物孔110から生理食塩水が生理食塩水/廃棄物ボア120、開放弁132、及び第三ボア140を介して流れて、シリンジ孔106を介して退出する。シリンジ孔106を介して圧力が付与されると、流体は第三ルーメン140を介して開放弁132を横切り、生理食塩水/廃棄物ボア120内へ入り、生理食塩水/廃棄物孔110を介してマニフォルド100の外部へ排出される。吸引と加圧とを連続的に行うことによって、処置の個別のステップ間においてマニフォルド100から任意の廃棄物をフラッシュする。例えば、造影剤を注入した後、操作者は血液又は他の流体を吸引するに先だって、マニフォルド100をフラッシュすることを所望し得る。
【0044】
図11Cは、カテーテル孔114に連結された医療装置から流体を吸引するように適合された、マニフォルド100の第三形態を示す。第三形態では、摺動ハウジング102に関して摺動アクチュエータ128は第三位置に存在し、開放弁132が主ボア116をシリンジ孔106に対して連結している。第三位置は、カテーテル孔114に連結された医療装置から流体が吸引される。この吸引は、例えばカテーテルの交換後、カテーテルの挿入前、又は医療処置の非使用期間後のいずれかにおいて、カテーテルとマニフォルドとから任意の空気を除去するために行われ得る。例えば、多くの場合、処置中、流体が注入又は吸引されなかった際に、その2分後にカテーテル/マニフォルドを吸引して、任意の気泡、又はその時間中に形成され得る血塊を除去することが適切であると考慮される。
【0045】
図11Dは、生理食塩水溶液を導入すると共に、カテーテル孔114に対して連結された医療装置からの逆流を遮断するように構成されている、マニフォルド100の第四形態を示す。第四形態では、第一チェック弁130が第一ボア136を第二ボア138に対して連結する一方、第二チェック弁134が第三ボア140を生理食塩水/廃棄物孔110に対して連結するように、摺動アクチュエータ128が移動されている。シリンジ孔106を介して吸引が行われると、生理食塩水は生理食塩水/廃棄物孔110から生理食塩水
/廃棄物ボア120、第二チェック弁134、第三ボア140へと流れ、シリンジ孔106を介して加圧/吸引装置へ退出する。吸引が行われる際に、第一チェック弁130はカテーテル孔114から主ボア116を介して流体が流れることを防止することに留意されたい。シリンジ孔106を介して圧力が付与されると、第二チェック弁134は生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔110及びボア120へ逆流することを防止する一方、第一チェック弁130は主ボア116及び第一ボア136を介して生理食塩水をカテーテル孔114に連結された医療装置へ導入する。このステップは、例えばカテーテル孔114に連結されている装置が存在しない場合、主ボア106を介して生理食塩水を、同生理食塩水が清浄になるまで通過させる等、処置間において主ボア116を一掃するためにも実行され得る。
【0046】
図12は、回転弁の概念を利用した第四実施形態の斜視図である。説明及び明確化のために、図12、図13、図15A、図15B及び図16の各々にて参照方向Zが規定されて、実施形態の様々な部品の相対的な整合状態を明確にし得る。
【0047】
マニフォルド150はカテーテル孔152、補助孔154、生理食塩水/廃棄物孔156、造影剤孔158、及びシリンジ孔160等の、数個の代表的な孔を有する。これらの孔は、図1の様々な孔に関して上述したような、様々な方法で使用され得る。これらの孔は様々なボアに連結され、その中には、カテーテル孔152に連結されている主ボア162と、補助孔154に連結されている補助ボア164とが含まれる。生理食塩水/廃棄物孔156は、活栓170にて規定された接合点に到達する生理食塩水/廃棄物ボア168に対して連結されている。生理食塩水/廃棄物ボア168は、活栓170の位置に応じて、主ボア172に連結した加圧生理食塩水注入ボア172、及び/又は、別の方向に延びる生理食塩水/廃棄物分岐部174に対して連結し得る。造影剤孔158は造影剤ボア178に連結されている。
【0048】
任意の適切な方法によって、孔及びボア(シリンジ孔160を除く)が取り付けられるか、又は連結され、又は一体的に成形されて、孔ハウジング180が形成される。孔ハウジング180にはロータハウジング182が取り付けられ、同ハウジング182は回転アクチュエータ184を収容している。回転アクチュエータ184は停止部材186を有して、ロータハウジング182内での選択された位置の維持を補助する。シリンジバス188はシリンジ孔160に連結し、かつ任意の適切な方法によりロータハウジング182に取り付けられている。
【0049】
活栓170は生理食塩水/廃棄物ボア168を加圧生理食塩水導入ボア172に対して連結し、更に主ボア162にアクセスさせて生理食塩水の直接導入流体通路を提供するために使用され得る。この状態は、生理食塩水/廃棄物分岐部174に流体を流すか、または流さずに達成し得る。加圧導入中、導入される流体の圧力、又は他の状態を容易に測定できるように、補助孔154には圧力変換器又は他のセンサが設けられ得る。加圧生理食塩水の導入に関連して、例えば補助孔154を介して薬剤、又は造影剤を供給する等、他の機能を実行してもよい。
【0050】
図13は、数個の部品が除去されている、図12に示した実施形態の斜視図であり、主として孔ハウジング180とロータハウジング受容部181とを強調している。ロータハウジング受容部181は、数個のアクセス開口部を有する。例えば、造影剤ボア178は第一アクセス開口部190を有し、生理食塩水/廃棄物分岐部174は第二アクセス開口部192を有する。主ボア162には第三アクセス開口部194と、アクセスバス196とが設けられている。ロータハウジング受容器181は、固定位置を提供する鍔部198を有して、例えば接着剤、溶接技術、又はスナップ嵌めにより、図12に示したように、ロータハウジング182が取り付けられる。
【0051】
図13は、第一チェック弁200及び第二チェック弁202も示す。以下に説明するように、第一チェック弁200は回転アクチュエータ(図示せず)上に設けられて、造影剤が第一アクセス開口部190を介して造影剤ルーメン178内に逆流することを防止する。第二チェック弁202は回転アクチュエータ(図示せず)上に設けられて、造影剤導入ステップ中に、流体が主ルーメン162から吸引されることを防止する。チェック弁200,202は、回転アクチュエータ(図示せず)が造影剤を導入するよう配置された際に、各弁が配置される位置にて示されている。
【0052】
図14は、図12に示した回転アクチュエータの概略図である。回転アクチュエータ184は、正確な配置のための停止部材186を有する。処置中にて正確に配置するために、親指溝210も設けられている。親指溝210の代替として、例えば親指タブ、レバー、隆起バンプ等を用いてもよい。第一チェック弁シート212と第二チェック弁シート214とは、各チェック弁シート212,214を介した対角線が回転アクチュエータ184のピン開口部220を通過するように、略円形の回転アクチュエータの互いに対向する側に配置されている。チェック弁シート212,214は、図13に示したチェック弁200,202を受容するように構成されて、造影剤導入ステップ中に使用される。第一ボア開口部216及び第二ボア開口部218も示されている。チェック弁シート212,214とボア開口部216,218との各々は、回転アクチュエータ184の隆起部上に示されている。回転アクチュエータ上に隆起部と陥没部とを設けることによって、ロータハウジング内で回転アクチュエータ184の回転を過度に困難にすることなく、チェック弁シート212,214とボア開口部216,218との周囲に密着シールが形成され得る。
【0053】
図15A及び図15Bは、図12に示したロータハウジングの斜視図である。図15Aは、孔ハウジング(図示せず)側に対応するロータハウジング182の内部を示す角度から見たロータハウジング182を示す。ロータハウジング182は、図14に示した回転アクチュエータ184を含む回転アクチュエータを受容する寸法に形成されたロータ溝238を有している。図13に示したロータハウジングシート内に装着されるハウジング連結部224が設けられている。ピン開口部228、及び図15Aでは不可視のピン開口部248も設けられている。ロータがロータハウジング182内に配置されると、ピン開口部228,248にピンが貫通されて、ロータハウジング182内でロータの軸線位置が提供され得る。ピンはチャネル243内にスナップ嵌めされるか、又はピン開口部228,248の一方内のねじ受容部を用いて定位置にねじ止めされ得る。ピンをピン開口部228,248内の定位置に保持するには、任意の他の適切な機構を使用し得る。
【0054】
ロータハウジング182は、第一シール隆起部230aを有する第一開口部230と、第二シール隆起部232aを有する第二開口部232と、第三シール隆起部234aを有する第三開口部234と、第四シール隆起部236aを有する第四開口部236とを備える。各シール隆起部は、図14に示した回転アクチュエータの隆起部及び陥没部と共に設けられ、ロータハウジング182内で回転アクチュエータの動きを過度に制限することなく、限られたシール領域を提供する。ロータハウジングは、同ハウジングのシリンジ側上に第五開口部240と第八開口部246も有し、同第五開口部と第八開口部との間においてシリンジ孔連結部226内をチャネル243が延びている。
【0055】
図15Bは、シリンジ側に対応するロータハウジング182の内部を示す、ロータハウジング182の別の一斜視図である。ハウジング連結部224は開口部230,232を有し、同開口部230,232には、図15Aに示した同一の開口部と一致する符号が付されている。同様に、第五開口部240と第八開口部246とが、類似する様式にて示されている。第六開口部242及び第七開口部244も示されており、これらの開口部はピ
ン開口部248と共に、全てチャネル243(図15A)に連絡している。四つの更なるシール隆起部240a,242a,244a,246aが示されており、これら各々は図15Aのシール隆起部230a,232a,234a,236aに関して上述したと同様の理由により提供されている。
【0056】
図15Bを、図13との関連において参照すると、第一開口部230(図15B)は、完全に組み立てられた際、造影剤開口部190(図13)に対応する位置に設けられている。第二開口部232(図15B)は、生理食塩水/廃棄物開口部174(図13)に対応する位置に設けられている。図15Aも参照すると、第三開口部234と第四開口部236とはロータハウジング182内で一体的に結合されて、主ボアバス196の位置に対応するハウジングバス235を提供している。
【0057】
図16は、図12に示した実施形態のシリンジ受容部180の斜視図である。シリンジ受容部180はシリンジ孔160を有し、同シリンジ孔160は開口部250を介してチャネル面254にて形成されたチャネル252に対して連結されている。チャネル面254は、シリンジ連結部226(図15A)の外側面上をシールするように形成されている。受容部鍔部256も設けられ、同鍔部256はシリンジ連結部226上に対してスナップ嵌めするように構成されており、かつシリンジ連結部226にスナップ嵌めされる寸法を有し得るが、接着剤、溶接又は任意の他の適切な取り付け方法を用いてもよい。チャネル252の使用により、ロータハウジング182のシリンジ側の各開口部(開口部240,246、及びチャネル243)はシリンジ孔160と流体連通される。
【0058】
図12の回転体による実施形態の機能を、図面の数個の要素を参照に説明する。第一位置では、図12に示すように停止部材186が最高位置に存在する。この位置では、チェック弁シート212,214(図14)は、ロータハウジング182の一側面上の第一開口部230と第三開口部235、及びロータハウジング182の他方の側面上の第五開口部240と第七開口部244に整合されている。この形態は以下の流体通路を形成する。即ち、シリンジ孔160にて吸引が行われると、流体が造影剤孔158から入り込んで造影剤ボア178、造影剤開口部190へ、第一開口部230を介して第一チェック弁200内へ、第五開口部240、チャネル252へ至り、開口部250を介してシリンジ孔160を退出する。圧力が付与されると、流体はシリンジ孔160から入り込んで、開口部250を介してシリンジチャネル252内へ、ハウジングチャネル243を介して第七開口部244へ退出し、第二チェック弁202を介して主バス196及び主ボア開口部194へ、主ボア162へ至り、カテーテル孔152を介して退出する。この形態では、チェック弁200,202が流体の反対方向への流れを防止するため、いずれの流体通路も反転され得ない。
【0059】
第二位置では、停止部材186はロータハウジング182内の間隙の約1/2だけ下降されている。第二位置はマニフォルドのフラッシュ位置であり、生理食塩水がマニフォルド150内に吸引されて、ボア、及び/又はシリンジ孔160に連結されている加圧/吸引装置がフラッシュされ得る。このフラッシュ位置の流体通路は反転可能であるので、一方向のみ説明する。吸引が行われると、流体(生理食塩水)が生理食塩水/廃棄物孔156から流れ、生理食塩水/廃棄物ボア168を通過して生理食塩水/廃棄物分岐部174、及び生理食塩水/廃棄物開口部192へ、更に第二開口部232内へ、回転アクチュエータ184内の第一ボア216を介して第六開口部242、ハウジングチャネル243、シリンジチャネル252へ至り、開口部250を介してシリンジ孔160へ退出する。いずれのチェック弁200,202も流体通路内に存在しないため、流体通路はシリンジ孔にて圧力を付与することによって反転され得る。流体通路が反転されると、流体は生理食塩水/廃棄物孔156を介して、二重チェック弁/廃棄物収集弁装置が設けられている場合、同装置へと逆流する。本願の開示全体において、二重チェック弁/廃棄物収集弁装置
が使用されない場合、別個の生理食塩水と廃棄物との孔が設けられ得ることに留意すべきである。
【0060】
第三位置では、停止部材186はロータハウジング182内に存在し得る最低位置に配置されている。この位置では、回転アクチュエータ184内の第二ボア218が、ロータハウジング182の第三開口部234と第七開口部244とに整合されている。この位置は、カテーテル孔152からシリンジ孔160への吸引を可能にする。この場合も、チェック弁200,202のいずれも流体通路内に存在しないため、流体通路は反転可能である。カテーテル孔152に連結された医療装置から吸引される流体は、以下の流体通路を辿る。即ち、医療装置からカテーテル孔へは、主ボア162を介して主ボア開口部194、主バス196へ至り、ボア側チャネル235内へ、更に第三開口部234、第二ボア218及び第七開口部244を介してハウジングチャネル243、シリンジチャネルへ至り、開口部250、シリンジ孔160を介して退出する。
【0061】
第四形態も規定されている。第四形態は、回転アクチュエータ24の任意の特定位置を必ずしも要さない。第四形態では、生理食塩水/廃棄物ボア168が加圧生理食塩水ボア172に対してのみ連結されるように、活栓170が回転され得る。
【0062】
図示されないが、更なる実施形態にて第五形態を規定し得る。更なる実施形態では、回転アクチュエータ184内に更なるチェック弁が設けられる。このチェック弁は、第二開口部232,242と第四開口部236,246とに整合されるように設けられる。チェック弁は、流体が生理食塩水/廃棄物孔156からのみ、生理食塩水/廃棄物ボアを介して、第二開口部232,242と回転アクチュエータ184内のチェック弁とを介してシリンジ孔へと流れ、その後、シリンジ孔から第四開口部236,246を介して主ボア162へ流れ、カテーテル孔へ退出し得るように配置される。第五形態では、回転アクチュエータを第二位置と第三位置との間の第四位置に配置する必要があるものと想定される。
【0063】
図17は、マニフォルド弁を調節するために押ボタン機構を使用する第五実施形態の斜視図である。マニフォルド300は、孔ハウジング302とボタンアクチュエータ304とを有する。孔ハウジング302はカテーテル孔306、補助孔307、生理食塩水/廃棄物孔308、造影剤孔310、及び3個のシリンジ孔312a,312b,312cを有する。シリンジ孔312a,312b,312cは、本願の説明のために、別様に記述されない限り1個のシリンジ孔312として説明される。一実施形態にて、マニフォルド300は加圧/吸引孔312a、薬剤孔312b、及び加圧生理食塩水孔312cを有するが、任意の他の形態又は配置を使用してもよい。ボタンアクチュエータは外側ボタン314と内側ボタン316とを有する。
【0064】
マニフォルド300は、「静止」位置、又は初期位置として説明され得る位置にて図示されている。外側ボタン314が押下されると、図示される間隙318が閉鎖して、外側ボタンは孔ハウジング302上に支持される。外側ボタンを押下すると内側ボタン316も下方に移動するが、内側ボタン316は、同ボタン316自体が更に押下されるまで、孔ハウジング302上に支持されない。
【0065】
図18は、マニフォルド300の部品を更に詳細に示す、図17に示した実施形態の分解図である。カテーテル孔306a,306bは、孔306aと、マニフォルドのカテーテルに対する回転を可能にする回転アダプタ306bの形態で示されている。数個の実施形態はこの構成を有し得るが、他のアダプタ及び孔を使用してもよい。シリンジ孔312にて数個の連結間の選択を可能にする活栓350も示されている。
【0066】
図18には、ボタン機構304に連結された弁シャフトも詳細に示されている。詳細に
は、中間ボタン316は第一側部開口部326を有する造影剤弁シャフト324に対して連結されている。造影剤弁シャフト324は孔ハウジング302の造影剤弁受容部320と整合されており、造影剤弁シャフト324と造影剤弁受容部320との間に第一ばね322が存在している。中間ボタン316は、図18の斜視図では影に隠れて見えない側部開口部を有する生理食塩水/廃棄物弁シャフト332に対しても連結されている。生理食塩水/廃棄物弁シャフト332は生理食塩水/廃棄物弁受容部328と整合されており、同様にシャフト332と弁受容部328との間に第二ばね336が存在している。最後に、中間ボタン316は、主弁受容部334に挿入されるように構成された主弁シャフト338を有し、主弁受容部334と主弁シャフト338との間に第三ばね336が存在している。主弁シャフト338は、同シャフトを貫通する弁ボア340とチェック弁シート342とを有する。側部開口部326,332、弁ボア340、及びチェック弁シート342の相対的な整合関係について、図19を参照してより詳細に説明する。
【0067】
内側ボタン316の切り欠き346を介して孔ハウジング302の細長孔内に挿入することによって、外側ボタン314を孔ハウジング302に対して連結するクリップ344も示されている。クリップ344は、図17に示すようにマニフォルドが「静止」されている場合、ばね322,330,336が少量だけ圧縮されるような寸法を有し得る。この寸法は、内側ボタン316及び外側ボタン314が押下されていない場合にこれらのボタンが初期位置に戻ることによって、ボタン314,316のいずれも押下されていない場合に実行される筈の造影剤注入段階が、確実に実行されることを保証する。
【0068】
図19は、図17に示した実施形態に対応する断面分解図である。外側ボタン314と内側ボタン316との相対的な寸法が示されている。外側ボタン314は、内側ボタン316の厚さ354と比較して大きい外側鍔部の深度356を有し、従って外側ボタン314が完全に押下されて孔ハウジング302と接触した際、内側ボタン316は完全に押下されないことに留意するべきである。図18にて不可視であった部分は、生理食塩水/廃棄物弁シャフト332に形成された生理食塩水/廃棄物側部開口部352である。補助孔307は図17に示されている。
【0069】
孔ハウジング302について更に詳細に説明する。孔ハウジング302は、同ハウジングの全長を延び、かつ生理食塩水/廃棄物側部孔362と造影剤側部孔364とを有している主ボア360を備える。線X,Y,Zが弁シャフト324,332,338と整合されており、ボタン304と孔ハウジング302とが配置され得る三つの異なる位置の理解を助ける。チェック弁343が挿入された状態で、チェック弁シート342が示されている。側部孔362,364は双方とも、生理食塩水/廃棄物弁受容部320と造影剤弁受容部328との内部ボアから主ボア350へ到達するために配置されている。
【0070】
マニフォルド300全体の作動を、数段階に分けて説明する。ボタン314,316のいずれも押下されていない第一の「静止」位置、即ち初期位置では、装置は、組み立て完了時、線Xが主ボア360上に存在している。これは即ち、造影剤弁開口部326が造影剤側部孔364と整合して、造影剤孔310と主ボア360との間に流体連通が形成されていることを意味する。また、主弁シャフト338内のチェック弁343も、主ボア360上に存在すると想定される。従って、シリンジ孔312にて吸引が行われると造影剤流体が主ボア360内に流れ、シリンジ孔312にて圧力が付与されると、該流体は主ボア360からカテーテル孔306を介して流出する。造影剤孔310、又は造影剤孔310に連結された造影剤源に付加的なチェック弁を設けて、造影剤孔310への流体の逆流を防止してもよい。チェック弁343を主弁シャフト338上に設けることによって、マニフォルド300が初期位置、即ち「静止」位置にある際に、カテーテル孔306を介した流体の吸引が防止される。
【0071】
外側ボタン314が押下されると、深度356によって、線Yが主ボア360と整合した際に外側ボタン314が支持される。従って、主弁シャフト338上には線Yに対応する開口部が存在しないため、主ボア360は主弁シャフト338にて閉鎖され得る。これによってカテーテル孔306は、吸引及び/又は加圧から遮断される。造影剤弁シャフト324は開口部を有さないが、生理食塩水/廃棄物弁シャフト332は生理食塩水/廃棄物弁開口部352を有する。生理食塩水/廃棄物弁開口部352は、生理食塩水/廃棄物側部開口部362に対して連結される。この形態にて吸引が行われると、生理食塩水が生理食塩水/廃棄物弁開口部352を介して主ボア360内に吸引され、その後シリンジ孔312を通過して同シリンジ孔312に連結された加圧/吸引装置へ流入する。圧力が付与された場合、該流体はシリンジ孔362を介して流入して主ボア360を通過し、生理食塩水/廃棄物側部開口部362を介して生理食塩水/廃棄物弁開口部352へ至り、生理食塩水/廃棄物孔308に連結された廃棄物容器へ排出される。
【0072】
第三形態は、内側ボタン316が押下された際に規定される。内側ボタン316は外側ボタン314の深度356ほどの厚さ354を有さないため、内側ボタン316が外側ボタン314によって下方に保持された位置よりも下方に押下され得る。内側ボタン316が完全に押下されると、線Zが主ボア360と整合する。弁シャフト324,332のいずれも線Zに対応する開口部を有さないため、造影剤流体及び生理食塩水のいずれも主ボア360内に流入せず、また廃棄物も廃棄されない。しかしながら、主弁シャフト338は同シャフトを貫通する開口部340を有するため、第三形態では、主ボア360を介して流体が流れる。従って、第三形態は、シリンジ孔312にて吸引が行われた際にカテーテル孔306から主ボア360内へ流体を吸引するよう用いられる。開口部340にはチェック弁が存在しないため、流体はカテーテル孔306に連結された医療装置内へも流入し得る。これによって、薬剤が注入され得る。図19に図示されないが、図17に示した補助孔307を、カテーテル孔306と主弁受容部334との間において主ボア360に対して連結し得るが、孔ハウジング302上の補助孔307の正確な位置と、主ボア360に対する連結の正確な位置とは幅広く変動し得る。
【0073】
図17〜図19に示した実施形態の、二つの更なる特徴についても留意すべきである。図17は、ビルドイン部材として設けられてもよく、マニフォルドに搭載されて圧力を測定する変換器380を示す。マニフォルド300内に変換器を搭載することによって、マニフォルド300自体の流体経路内に実際の変換機構が直接配置されて、管又は他の流体コンジットを経由して変換器を取り付ける場合と比較して、より正確な測定が実行され得る。これは即ち、管及び/又はコンジットは、測定誤差と、可能な汚染とをシステムに導入し得るためである。更に、一体化された変換器を設けることによって、マニフォルド300のセットアップ工程を簡素化し得る。
【0074】
図19を参照すると、スリーブ390も示されている。スリーブ390はエラストマーからなる部品であってもよく、弁シャフト324,332,338上で密封機能を実行し得る。数個の実施形態では、各弁シャフト324,332,338の周囲には摩擦密着シールが使用されて、マニフォルド300内に流体密封が提供される。他の実施形態では、エラストマーからなるスリーブが設けられて、弁シャフト324,332,338に取り付けられるか、又はハウジング320内に配置され得る。更なる実施形態では、スリーブ390は開放チャネル又は間隙を備えて、スリーブ390が弁シャフト324,332,338に取り付けられた際に、流体が弁シャフト自体324,332,338の内部に形成されているボアを介して流れるのではなく、弁シャフト324、332,338の周囲に流れ得るようにし得る。更なる実施形態では(図示せず)、弁シャフト324,332,338から開口部326,340,352を排除して、エラストマースリーブ390が流体を流す機能を提供してもよい。
【0075】
図20は、選択されたボタンを押下する摺動機構を備えた、別の一実施形態の斜視図である。マニフォルド400は主ハウジング402、摺動アクチュエータ404、及び側部ハウジング406を有する。側部ハウジング406は、その一端がカテーテル孔408に連結され、他方の端がシリンジ孔に連結されている。主ハウジング402は、生理食塩水/廃棄物孔412と造影剤孔414とを有する。主ハウジング402は3個のチャンバを有し、同チャンバには、以下に更に説明するように、各チャンバに流体密封を提供し、かつ各チャンバ内で付勢されているばねに対する抵抗の基部を提供する蓋416が設けられる。
【0076】
図21A及び図21Bは、図20に示した実施形態の断面図であり、特定の部品が排除されている。図21Aは、側部ハウジングの方向に向いた、図20のA−A線における断面図である。スライダ404はチャネル418内に配置され、同チャネルはスライダ404へのアクセスを可能にすると共に、スライダ404の移動を制限する。第一チャンバ420、第二チャンバ422、及び第三チャンバ424は主ハウジング402内に示されている。第一チャンバ420は、第一ボア426と第二ボア428とに通じる開口部を有する。第二チャンバ422は第三ボアに通じる開口部を有し、第三チャンバ424は第四ボア432と第五ボア434とに通じる開口部を有する。第一ボア426、第三ボア430、及び第四ボア432は全て、シリンジ孔410の高さの列に整合されている一方、第二ボア428と第五ボア434とは、他の3個のボア426,430,432により形成され、かつカテーテル孔408に整合された列に対して平行な列をなすように整合されている。
【0077】
図21Bは、図21Aの断面図と反対方向に配向された、図20のB−B線における断面図である。本断面図は反対方向に配向されてているため、チャンバは反転されて第三チャンバ424が左側、第一チャンバ420が右側に配置されていることに留意されたい。この配きでは、第三チャンバ424は造影剤ボア436に通じる開口部を有し、第二チャンバは生理食塩水/廃棄物孔438に通じる開口部を有する。造影剤ボア436は、図20に示した造影剤孔412に連結されており、所望であれば一方向チェック弁を有し得る。生理食塩水/廃棄物ボア438は、図20に示した生理食塩水/廃棄物孔414に連結されている。
【0078】
図22Aは、図20に示した側部ハウジングの斜視図であり、図22Bは同側部ハウジングの断面図である。カテーテル孔408は孔408aと、マニフォルドのカテーテルに対する回転を可能にする回転アダプタ408bとの形態で示されている。数個の実施形態はこの構成を有するが、他のアダプタ及び孔も使用され得る。側部ハウジングは、カテーテル孔408a,408bに連結されたカテーテルチャネル442と、シリンジ孔410に連結されたシリンジチャネル446とを有する。チャネル442,446は、図21Aに示したボアの数個と整合する位置に設けられているため、同ボアは3個のチャンバと側部ハウジング406との間に流体連通を提供する。詳細には、カテーテルチャネル442は第二ボア428及び第五ボア434と整合し、シリンジチャネル446は第一ボア426、第三ボア430、及び第四ボア432と整合している。
【0079】
図22Bは、図22AのB−B線における断面図である。この断面図では、カテーテル孔408がカテーテルボア440によってカテーテルチャネル442に連結され、シリンジ孔410がシリンジボア444によってシリンジチャネル446に連結されることが示される。チャネル442,446は、本実施形態の更なる要素を説明した後に、以下に更に説明するように、チャンバ及び摺動アクチュエータによって調節される場合を除いて、互いに流体連通していない。
【0080】
図23は、摺動アクチュエータ機構を説明するよう数個の更なる部品が図示された、図
20に示した実施形態の別の一断面図である。図23の向きは図21Bの断面図に対応し、従って、第一チャンバ420は右側、第三チャンバ424は左側に配置されている。第一チャンバ420は、第一プランジャ450と第一ばね452とを有することが図示されている。第二チャンバ422は第二プランジャ454と第二ばね456とを有し、第三チャンバ424は第三プランジャ458と第三ばね460とを有する。ばね452,456,460は、プランジャ450,454,458を各チャンバ420,422,424の側方へと偏倚させるために設けられる。かように偏倚された場合、プランジャ450,454,458はチャンバ420,422,424とボア426,428,430,432,434,436,438の数個との間の流体連通を遮断する。
【0081】
本実施形態において、選択されたボアを開放して流体連通を提供する機構はスライダ404を使用する。三つの位置に関する以下の説明では、複数の図面を同時に参照する必要がある。
【0082】
第一位置は、造影剤導入位置である。第一位置では、スライダ404は、端部466が第三プランジャの先頭464に係合して、第三プランジャ458をばね460に対抗して移動して第三チャンバ424の壁から離反させるように配置されている。第三プランジャ458が第三チャンバ424の壁から離反すると、第一ボア426、第二ボア428、及び造影剤ボア436は流体を自由に誘導する。シリンジ孔410にて吸引が行われると、造影剤流体、又は他の媒体が造影剤孔414と造影剤ボア436とを介して吸引されて第三チャンバ424内に入り込み、第四ボア432を介してシリンジチャネル446に至り、シリンジボア444を介してシリンジ孔410へ退出する。シリンジ孔410にて圧力が付与されると、流体はシリンジ孔410とシリンジボアとを介してシリンジチャネル446内に強制的に移動され、第四ボア432を介して第三チャンバ424内へ流入する。造影剤孔414に連結された造影剤源、造影剤ボア436、又は造影剤孔自体のいずれか一つがチェック弁を有するため、一胆流体がシリンジチャネル446から第三チャンバ424内へ強制的に移動されると、流体は第五チャネル434を介して退出して、カテーテルチャネル442内、及びカテーテルボア440へ至り、カテーテル孔408へ排出される必要がある。
【0083】
第二位置はマニフォルドのフラッシュ位置であり、図23に示すように、スライダ404は、端部466が第二プランジャの先頭462に係合して、第二プランジャ454を押圧して第二チャンバ422の壁から離反させるように配置されている。第二プランジャ454が第二チャンバ422の壁から離反すると、生理食塩水/廃棄物ボア438に通じる開口部(図21B)と、第三ボア430とは閉鎖されない。シリンジ孔410にて吸引が行われると、生理食塩水が生理食塩水/廃棄物孔412においてマニフォルド400内に吸引されて、生理食塩水/廃棄物ボア438を介して第二チャンバ422内へ、第三ボア430を介してシリンジチャネル446へ至り、シリンジボア444及びシリンジ孔410を介して退出する。シリンジ孔410にて圧力が付与されると、流体はシリンジ孔410を介してマニフォルド400内に強制的に移動され、シリンジボア444内、及びシリンジチャネル446へ、第三ボア430を介して第二チャンバ422内へ至り、生理食塩水/廃棄物ボア438へ排出されて、生理食塩水/廃棄物孔412及び同孔に連結された廃棄物容器内へ至る。
【0084】
第三位置は、カテーテル孔408に連結された医療装置からの流体の吸引を可能にするよう提供される。第三位置は、スライダ404が第一チャンバ420上に配置されて、端部466が第一プランジャの先頭460に係合して第一プランジャ450を第一チャンバ420の壁から離反させる構成を有する。この位置は、第一ボア426と第二ボア428とを開放して、流体通路を提供する。第一チャンバ420内の開口部は第一チャネル426と第二チャネル428とに通じているため、利用可能な流体通路は1個のみ存在する。
シリンジ孔410にて吸引が行われると、流体はカテーテル孔408からカテーテルボア440内へ吸引されてカテーテルチャネル442に至り、第二ボア428を介して第一チャンバ420内へ、第一ボア426を介してシリンジチャネル446及びシリンジボア444へ至り、シリンジ孔410へ退出する。シリンジ孔410にて圧力が付与されると、流体通路が反転され得る。所望であれば、流体が吸引廃棄されるべき場合、第一ボア426又は第二ボア428内にチェック弁を配置して、カテーテル孔408内へ流体が流れることを防止し得る。
【0085】
上述した数個の実施形態の各々について、更なる孔、チェック弁、及びアクチュエータ位置を含む様々な更なる構造を提供し得る。上述した実施形態は比較的簡略化されているが有効であり、多数の医療処置の効率及び速度を向上させる。厳密な材料、連結方法、及び源と容器(生理食塩水、廃棄物、造影剤、加圧生理食塩水、シリンジ、及びカテーテル)とは説明を目的として提供し、本発明をこれら特定の要素に限定するものとして理解するべきではない。
【0086】
当業者は、本発明が本願に説明され想定された特定の実施形態以外の様々な形態にて明示され得ることを理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲に記載された範囲及び趣旨から逸脱せずに、本発明の形態及び詳細における逸脱が為され得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】平坦なロータ構成における、回転アクチュエータを有する第一の実施形態の斜視図。
【図2】使用される孔及び弁の一部を示す、図1に示したハウジング及び回転アクチュエータの断面図。
【図3】図1に示した実施形態の様々な部品の分解図。
【図4A】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図4B】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図4C】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図4D】四つの作動形態を示す、平坦なロータ構成の実施形態の概略断面図。
【図5】図1に示した回転アクチュエータを鉛直方向に配置した回転アクチュエータを有する、第二実施形態の斜視図。
【図6A】図5に示した回転アクチュエータの異なる角度における断面図。
【図6B】図5に示した回転アクチュエータの異なる角度における断面図。
【図7A】図5に示した回転アクチュエータ単独の斜視図。
【図7B】図5に示した回転アクチュエータ単独の斜視図。
【図8】摺動アクチュエータを有する第三実施形態の斜視図。
【図9】図8に示した実施形態の様々な部品の分解図。
【図10】図8に示した実施形態の断面図。
【図11A】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図11B】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図11C】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図11D】図8に示したスライダ構成の、四つの作動形態のうちの一つを示す概略断面図。
【図12】回転弁の概念を利用した第四実施形態の斜視図。
【図13】数個の部品が除去された、図12に示した実施形態の斜視図。
【図14】図12に示した回転弁の概略図。
【図15A】図12に示した弁ハウジングの斜視図。
【図15B】図12に示した弁ハウジングの斜視図。
【図16】図12に示した実施形態の加圧/吸引孔の斜視図。
【図17】マニフォルド弁を調節するために押ボタン機構を使用する第五実施形態の斜視図。
【図18】図17に示した実施形態の分解図。
【図19】図18に示した分解図に対応する断面図。
【図20】弁を調節する摺動アクチュエータを有する別の一実施形態の斜視図。
【図21A】特定の部分が排除された、図20に示した実施形態の断面図。
【図21B】特定の部分が排除された、図20に示した実施形態の断面図。
【図22A】図20に示した連結ハウジングの断面斜視図。
【図22B】図20に示した連結ハウジングの断面斜視図。
【図23】摺動アクチュエータ機構を説明するために、数個の更なる部品が示される図20に示した実施形態の別の一断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断物質又は治療物質用に構成された医療装置に対して、加圧/吸引源と、複数の診断物質又は治療物質源とを連結するマニフォルドであって、同マニフォルドは、
第一、第二及び第三の位置に切換わる弁手段を備え、前記第一位置は第一物質を医療装置に導入し、第二位置はマニフォルドをフラッシュし、第三位置は流体を医療装置から排出するように構成されたマニフォルド。
【請求項2】
前記弁手段は選択手段に連結されて、使用者が第一、第二及び第三の位置のうちの一つを選択することを可能にし、前記選択手段は、使用者が一つの要素を操作することによって前記位置のうちの一つを選択し得る機構を有する請求項1に記載のマニフォルド。
【請求項3】
前記機構は複数のボタンを有し、同ボタンの一つを押圧して位置を選択する請求項2に記載のマニフォルド。
【請求項4】
前記機構は回転可能な部材を有し、同回転可能な部材を回転させて位置を選択する請求項2に記載のマニフォルド。
【請求項5】
前記機構は摺動部材を有し、同摺動部材を摺動させて位置を選択する請求項2に記載のマニフォルド。
【請求項6】
加圧/吸引装置に対して連結する孔と、
診断物質又は治療物質源に対して連結する孔と、
生理食塩水/廃棄物ラインに対して連結する孔と、
前記医療装置に対して連結する孔とを備え、
前記弁手段は主弁部分と、同弁部分は、多数の弁シート内に配置され、かつばねにより第一の位置に偏倚された多数の弁を有することと、同弁と孔との間に多数のボアを提供するハウジングとを有し、前記弁は複数の押ボタンに対して連結されて弁が採用する数個の形態のうちの一つが選択され、前記押ボタンは、該ボタンの一つを押下することによって少なくとも一つの弁上に存在するばねの付勢が打ち消されるように配置され、前記弁及びボアは、
前記押ボタンが第一形態を有する際、加圧/吸引孔を物質源孔と医療装置孔とに対して連結して、医療装置内に物質を導入する第一流体通路と、
前記押ボタンが第二形態を有する際、加圧/供給孔を生理食塩水/廃棄物ライン孔に対して連結して、マニフォルドと加圧/吸引装置とをフラッシュする第二流体通路と、
前記押ボタンが第三形態を有する際、加圧/吸引孔を医療装置孔に対して連結して、医療装置から流体を吸引する第三流体通路と、を選択的に提供する請求項1に記載のマニフォルド。
【請求項7】
数個の孔間で医療装置に対して連結される孔を選択するマニフォルドであって、
加圧/吸引装置に対して連結する孔と、
診断物質又は治療物質源に対して連結する孔と、
生理食塩水/廃棄物ラインに対して連結する孔と、
前記医療装置に対して連結する孔と、
主弁と、同主弁は、内部を貫通する多数のボアを有する回転アクチュエータと、前記孔と回転アクチュエータとの間に多数のボアを提供するハウジングとを有することと、を備え、
前記回転アクチュエータ及びボアは、
回転アクチュエータが第一位置に存在する際、加圧/吸引孔を物質源孔と医療装置孔とに対して連結して、医療装置内に物質を注入する第一流体通路と、
回転アクチュエータが第二位置に存在する際、加圧/吸引孔を生理食塩水/廃棄物ライン孔に対して連結して、マニフォルドと加圧/吸引装置とをフラッシュする第二流体通路と、
回転アクチュエータが第三位置に存在する際、加圧/吸引孔を医療装置孔に対して連結して、流体を医療装置から吸引する第三流体通路とを選択的に提供するマニフォルド。
【請求項8】
数個の孔間で医療装置に対して連結される孔を選択するマニフォルドであって、
加圧/吸引装置に対して連結する孔と、
診断物質又は治療物質源に対して連結する孔と、
生理食塩水/廃棄物ラインに対して連結する孔と、
前記医療装置に対して連結する孔と、
主弁と、同主弁は、内部を貫通する多数のボアを有する摺動アクチュエータと、前記孔と摺動アクチュエータとの間に多数のボアを提供するハウジングとを有することと、を備え、
前記摺動アクチュエータ及びボアは、
摺動アクチュエータが第一位置に存在する際、加圧/吸引孔を物質源孔と医療装置孔とに対して連結して、医療装置内に物質を注入する第一流体通路と、
摺動アクチュエータが第二位置に存在する際、加圧/吸引孔を生理食塩水/廃棄物ライン孔に対して連結して、マニフォルドと加圧/吸引装置とをフラッシュする第二流体通路と、
摺動アクチュエータが第三位置に存在する際、加圧/吸引孔を医療装置孔に対して連結して、流体を医療装置から吸引する第三流体通路とを選択的に提供するマニフォルド。
【請求項9】
前記第一流体通路は、医療装置から加圧/吸引孔への吸引を防止する第一チェック弁と、加圧/吸引孔から物質源への流体の導入を防止する第二チェック弁とを有し、
前記摺動アクチュエータ及びボアは、加圧/吸引孔を生理食塩水/廃棄物孔と医療装置孔とに対して連結する第四流体通路を提供し、同第四流体通路は、加圧/吸引孔から生理食塩水/廃棄物孔への流体の流れを防止する第一チェック弁と、医療装置孔から加圧/吸引孔への流体の流れを防止する第二チェック弁とを有する請求項8に記載のマニフォルド。
【請求項10】
前記第三流体通路は第二チェック弁を有し、前記アクチュエータが第一位置から第三位置へ移動した際に第二チェック弁が第三流体通路内に配置されて、医療装置への流体の注入が防止される請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項11】
弁を有するボアを備えて生理食塩水/廃棄物孔を医療装置に対して選択的に連結する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項12】
前記物質孔とアクチュエータとの間の流体通路内に配置された一方向弁を備えて、アクチュエータから物質源内への流体の流れを防止する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項13】
前記第一流体通路は第一チェック弁を備えて医療装置からの吸引を防止する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項14】
前記第一流体通路は第二チェック弁を備えて流体の物質源への導入を防止する請求項13に記載のマニフォルド。
【請求項15】
前記アクチュエータ及びボアは、生理食塩水/廃棄物孔を医療装置孔に対して連結する第四流体通路を選択的に提供する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項16】
一体化された圧力変換器を有する請求項1及び6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項1】
診断物質又は治療物質用に構成された医療装置に対して、加圧/吸引源と、複数の診断物質又は治療物質源とを連結するマニフォルドであって、同マニフォルドは、
第一、第二及び第三の位置に切換わる弁手段を備え、前記第一位置は第一物質を医療装置に導入し、第二位置はマニフォルドをフラッシュし、第三位置は流体を医療装置から排出するように構成されたマニフォルド。
【請求項2】
前記弁手段は選択手段に連結されて、使用者が第一、第二及び第三の位置のうちの一つを選択することを可能にし、前記選択手段は、使用者が一つの要素を操作することによって前記位置のうちの一つを選択し得る機構を有する請求項1に記載のマニフォルド。
【請求項3】
前記機構は複数のボタンを有し、同ボタンの一つを押圧して位置を選択する請求項2に記載のマニフォルド。
【請求項4】
前記機構は回転可能な部材を有し、同回転可能な部材を回転させて位置を選択する請求項2に記載のマニフォルド。
【請求項5】
前記機構は摺動部材を有し、同摺動部材を摺動させて位置を選択する請求項2に記載のマニフォルド。
【請求項6】
加圧/吸引装置に対して連結する孔と、
診断物質又は治療物質源に対して連結する孔と、
生理食塩水/廃棄物ラインに対して連結する孔と、
前記医療装置に対して連結する孔とを備え、
前記弁手段は主弁部分と、同弁部分は、多数の弁シート内に配置され、かつばねにより第一の位置に偏倚された多数の弁を有することと、同弁と孔との間に多数のボアを提供するハウジングとを有し、前記弁は複数の押ボタンに対して連結されて弁が採用する数個の形態のうちの一つが選択され、前記押ボタンは、該ボタンの一つを押下することによって少なくとも一つの弁上に存在するばねの付勢が打ち消されるように配置され、前記弁及びボアは、
前記押ボタンが第一形態を有する際、加圧/吸引孔を物質源孔と医療装置孔とに対して連結して、医療装置内に物質を導入する第一流体通路と、
前記押ボタンが第二形態を有する際、加圧/供給孔を生理食塩水/廃棄物ライン孔に対して連結して、マニフォルドと加圧/吸引装置とをフラッシュする第二流体通路と、
前記押ボタンが第三形態を有する際、加圧/吸引孔を医療装置孔に対して連結して、医療装置から流体を吸引する第三流体通路と、を選択的に提供する請求項1に記載のマニフォルド。
【請求項7】
数個の孔間で医療装置に対して連結される孔を選択するマニフォルドであって、
加圧/吸引装置に対して連結する孔と、
診断物質又は治療物質源に対して連結する孔と、
生理食塩水/廃棄物ラインに対して連結する孔と、
前記医療装置に対して連結する孔と、
主弁と、同主弁は、内部を貫通する多数のボアを有する回転アクチュエータと、前記孔と回転アクチュエータとの間に多数のボアを提供するハウジングとを有することと、を備え、
前記回転アクチュエータ及びボアは、
回転アクチュエータが第一位置に存在する際、加圧/吸引孔を物質源孔と医療装置孔とに対して連結して、医療装置内に物質を注入する第一流体通路と、
回転アクチュエータが第二位置に存在する際、加圧/吸引孔を生理食塩水/廃棄物ライン孔に対して連結して、マニフォルドと加圧/吸引装置とをフラッシュする第二流体通路と、
回転アクチュエータが第三位置に存在する際、加圧/吸引孔を医療装置孔に対して連結して、流体を医療装置から吸引する第三流体通路とを選択的に提供するマニフォルド。
【請求項8】
数個の孔間で医療装置に対して連結される孔を選択するマニフォルドであって、
加圧/吸引装置に対して連結する孔と、
診断物質又は治療物質源に対して連結する孔と、
生理食塩水/廃棄物ラインに対して連結する孔と、
前記医療装置に対して連結する孔と、
主弁と、同主弁は、内部を貫通する多数のボアを有する摺動アクチュエータと、前記孔と摺動アクチュエータとの間に多数のボアを提供するハウジングとを有することと、を備え、
前記摺動アクチュエータ及びボアは、
摺動アクチュエータが第一位置に存在する際、加圧/吸引孔を物質源孔と医療装置孔とに対して連結して、医療装置内に物質を注入する第一流体通路と、
摺動アクチュエータが第二位置に存在する際、加圧/吸引孔を生理食塩水/廃棄物ライン孔に対して連結して、マニフォルドと加圧/吸引装置とをフラッシュする第二流体通路と、
摺動アクチュエータが第三位置に存在する際、加圧/吸引孔を医療装置孔に対して連結して、流体を医療装置から吸引する第三流体通路とを選択的に提供するマニフォルド。
【請求項9】
前記第一流体通路は、医療装置から加圧/吸引孔への吸引を防止する第一チェック弁と、加圧/吸引孔から物質源への流体の導入を防止する第二チェック弁とを有し、
前記摺動アクチュエータ及びボアは、加圧/吸引孔を生理食塩水/廃棄物孔と医療装置孔とに対して連結する第四流体通路を提供し、同第四流体通路は、加圧/吸引孔から生理食塩水/廃棄物孔への流体の流れを防止する第一チェック弁と、医療装置孔から加圧/吸引孔への流体の流れを防止する第二チェック弁とを有する請求項8に記載のマニフォルド。
【請求項10】
前記第三流体通路は第二チェック弁を有し、前記アクチュエータが第一位置から第三位置へ移動した際に第二チェック弁が第三流体通路内に配置されて、医療装置への流体の注入が防止される請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項11】
弁を有するボアを備えて生理食塩水/廃棄物孔を医療装置に対して選択的に連結する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項12】
前記物質孔とアクチュエータとの間の流体通路内に配置された一方向弁を備えて、アクチュエータから物質源内への流体の流れを防止する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項13】
前記第一流体通路は第一チェック弁を備えて医療装置からの吸引を防止する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項14】
前記第一流体通路は第二チェック弁を備えて流体の物質源への導入を防止する請求項13に記載のマニフォルド。
【請求項15】
前記アクチュエータ及びボアは、生理食塩水/廃棄物孔を医療装置孔に対して連結する第四流体通路を選択的に提供する請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【請求項16】
一体化された圧力変換器を有する請求項1及び6乃至8のいずれか一項に記載のマニフォルド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図23】
【図2】
【図3】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図23】
【公表番号】特表2006−519053(P2006−519053A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503434(P2006−503434)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/003747
【国際公開番号】WO2004/075972
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/003747
【国際公開番号】WO2004/075972
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
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