医薬化合物
式(I)の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体およびN−オキシドを提供する。式中、TGは、以下の(1)および(2)基から選択される。式中、星印(*)は、E基のX基への結合地点を示し;R1aは場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基であり;R1bは水素またはR1a基であり;Xは、5つまでがO、N、およびSから選択されるヘテロ原子である8〜12環員を有する、場合により置換された二環ヘテロ環式基であり;A、E、R2、R3、R4、Q1およびQ2は請求項に記載の通りであり(但し、Eがアリールまたはヘテロアリールである場合にはQ2が結合ではない);部分(a)が以下の(BG1)または(BG2)基ではない。式中、(BG1)および(BG2)はそれぞれ場合により置換され;TはNまたはCRzであり;J1−J2は、N=C(Rz)、(Rz)C=N、(Rz)N−C(O)、(Rz)2C−C(O)、N=N、および(Rz)C=C(R6)から選択され;J4−J3は、N=C(Rz)基または(Rz)N−CO基であり、Rzは水素または置換基である。当該式(I)の化合物は、PKAおよびPKBキナーゼ阻害活性を有し、癌治療に有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
またはその塩、溶媒和物、互変異性体、もしくはN−オキシド
(式中、TGは、
(1)基
【化2】
および
(2)基
【化3】
から選択され:
式中、
星印(*)は、E基のX基への結合地点を示し;
Aは、1〜7つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基は、R1aとNR2R3との間に延びる5原子の最大鎖長およびEとNR2R3との間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく;リンカー基Aの炭素原子は、オキソ、フッ素、およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよく(但し、ヒドロキシ基は存在する場合にはNR2R3基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR2R3基に対してα位の炭素原子に位置する);
Eは、単環もしくは二環炭素環式またはヘテロ環式基であり;
前記X基は、5つまでがO、N、およびSから選択されるヘテロ原子である8〜12環員を有する二環ヘテロ環式基であり;
R1aはアリールまたはヘテロアリール基であり;
R1bは水素またはR1a基であり;
R2およびR3は、独立して、水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選択され、前記ヒドロカルビルおよびアシル部分は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、およびメトキシから選択される1つ以上の置換基によって場合により置換され;または
R2およびR3は、それらが結合する窒素原子とともに、イミダゾール基、および4〜7環員を有しOおよびNから選択される第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基から選択される環式基を形成する;または
R2およびR3のうち一方は、それらが結合する窒素原子とリンカー基Aからの1つ以上の原子とともに、4〜7環員を有しOおよびNから選択される第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する;または、
NR2R3は、それが結合するリンカー基Aの炭素原子とともに、シアノ基を形成し;
nは0〜4であり;
各R4は、独立して、オキソ;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−6ヒドロカルビル;シアノ;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−6ヒドロカルビルオキシ;CONH2;CONHR9;CF3;NH2;NHCOR9;NHCONHR9;およびNHR9から選択され;
R9はR9aまたは(CH2)R9a基であり、R9aは炭素環式またはヘテロ環式であってもよい単環または二環式基であり;
前記炭素環式基またはヘテロ環式基R9aは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、Ra−Rb基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換され、Raは、結合、O、CO、X1C(X2)、C(X2)X1、X1C(X2)X1、S、SO、SO2、NRc、SO2NRc、またはNRcSO2であり;Rbは、水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されたC1−8ヒドロカルビル基から選択され、前記C1−8ヒドロカルビル基の1つ以上の炭素原子は、O、S、SO、SO2、NRc、X1C(X2)、C(X2)X1、またはX1C(X2)X1によって場合により置き換えられていてもよく;
Rcは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選択され;
X1は、O、S、またはNRcであり、X2は、=O、=S、または=NRcであり;
Q1は、結合または1〜3つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、あるいは、隣接する炭素原子対はCONRqまたはNRqCOによって置き換えられていてもよく、Rqは水素、C1−4アルキル、またはシクロプロピルであり、あるいはRqは、R1bまたはQ1の他の炭素原子に結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり;リンカー基Q1の炭素原子は、フッ素およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよく;
Q2は、結合または1〜3つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく;リンカー基の炭素原子は、フッ素およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよく(但し、ヒドロキシ基は存在する場合にはNR2R3基に対してα位の炭素原子には位置しない);Eがアリールまたはヘテロアリールである場合にはQ2が結合ではなく;部分
【化4】
が(BG1)または(BG2)基ではなく;
(BG1)
【化5】
(BG2)
【化6】
式中、
(BG1)および(BG2)はそれぞれ場合により置換され;
星印(*)はE基への結合地点を示し;
TはNまたはCRz基であり;
J1−J2は、N=C(Rz)、(Rz)C=N、(Rz)N−C(O)、(Rz)2C−C(O)、N=N、および(Rz)C=C(R6)から選択される基を示し;
J4−J3は、N=C(Rz)基または(Rz)N−CO基であり;
Rzは水素または置換基である)。
【請求項2】
TGが
(1)基
【化7】
である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物のR1a−A−NR2R3部分が、式R1a−(G)k−(CH2)m−W−Ob−(CH2)n−(CR6R7)p−NR2R3で示され、式中、Gは、NH、NMe、またはOであり;Wは、E基に結合し、(CH2)j−CR20、(CH2)j−N、および(NH)j−CHから選択され;bは0または1であり、jは0または1であり、kは0または1であり、mは0または1であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0または1であり;bおよびkの合計は0または1であり;j、k、m、n、およびpの合計は4を超えず;R6およびR7は同一または異なって、メチルおよびエチルから選択され、あるいはCR6R7はシクロプロピル基を形成し;R20は、水素、メチル、ヒドロキシ、およびフッ素から選択される請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
化合物のR1a−A−NR2R3部分が、式R1a−(G)k−(CH2)m−XX−(CH2)n−(CR6R7)p−NR2R3で示され、式中、Gは、NH、NMe、またはOであり;XXは、E基に結合し、(CH2)j−CH、(CH2)j−N、および(NH)j−CHから選択され;jは0または1であり、kは0または1であり、mは0または1であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0または1であり、j、k、m、n、およびpの合計は4を超えず;R6およびR7は同一または異なって、メチルおよびエチルから選択され、あるいはCR6R7はシクロプロピル基を形成する請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
化合物のR1a−A−NR2R3部分が、式R1−(G)k−(CH2)m−XX−(CH2)n−(CR6R7)p−NR2R3で示され、
式中、
kは0であり、mは0または1であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0である;あるいは
kは0であり、mは0または1であり、nは、0、1、または2であり、pは1である;あるいは
XXは(CH2)j−CHであり、kは1であり、mは0であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0である;あるいは
XXは(CH2)j−CHであり、kは1であり、mは0であり、nは、0、1、または2であり、pは1である;あるいは
XXは(CH2)j−CHであり、GはOであり、kは1であり、mは0であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
A基が表1に示される請求項2〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
TGが
(2)基
【化8】
であり、
Q1は、結合または1〜3つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、あるいは、隣接する炭素原子対はCONRqまたはNRqCOによって置き換えられていてもよく、Rqは水素、C1−4アルキル、またはシクロプロピルであり、あるいはRqは、R1bまたはQ1の他の炭素原子に結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり;リンカー基Q1の炭素原子は、フッ素およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1bが水素である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R1bがR1a基である請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
R1aが、場合により置換されたフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジン基から選択される請求項2〜6および9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
R1aが、場合により置換されたフェニル基である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記場合により用いられる置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;CONH2;ニトロ;C1−2アルコキシ、カルボキシ、またはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシ基;フェニル;フェニル−C1−4アルキル;フェニル−C1−4アルコキシ;ヘテロアリール−C1−4アルキル;ヘテロアリール−C1−4アルコキシおよびフェノキシから選択され、
前記ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、フェニル、フェニル−C1−4アルキル、フェニル−C1−4アルコキシ、ヘテロアリール−C1−4アルキル、ヘテロアリール−C1−4アルコキシおよびフェノキシ基がC1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、CONH2、ならびにメトキシまたはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選択される1、2、または3つの置換基で、それぞれ場合により置換された請求項10または11に記載の化合物。
【請求項13】
R1aが、非置換、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;フェニル;チエニル;フラニル;フェノキシ、ベンジルオキシ;シアノ;C3−4シクロアルキル、ならびにC1−2アルコキシまたはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−4アルコキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選択される5つまでの置換基によって置換された請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
R1aが、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、tert−ブチル;トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;フェニル;フェノキシ、およびベンジルオキシから選択される1つまたは2つの置換基を有する請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R1aが、モノ−クロロフェニル(例えば、4−クロロフェニル)、ジクロロフェニル、ヒドロキシフェニル、フルオロ−クロロフェニル、シアノフェニル、メトキシフェニル、メトキシ−クロロフェニル、フルオロフェニル、およびジフルオロフェニルから選択される置換フェニル基である請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R1aが表2に示される基である請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
R2およびR3は、独立して、水素;C1−4ヒドロカルビル;およびC1−4アシルから選択され、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、および単環もしくは二環式アリールまたはヘテロアリール基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換された先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
R2およびR3は独立して水素およびメチルから選択され、したがって、NR2R3は、アミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基である請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
NR2R3がアミノ基である請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
NR2R3がメチルアミノ基である請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
R2およびR3のうち一方は、それらが結合する窒素原子とリンカー基Aからの1つ以上の原子とともに、4〜7環員を有しOおよびNから選択される第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する請求項2およびその従属項のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
NR2R3およびAは、下記式の環式基を形成し:
【化9】
式中、vおよびwはそれぞれ0、1、2、または3である(但し、vおよびwの合計が2〜5の範囲にある)請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
vおよびwが両方とも2である請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
R3が水素である請求項22または23に記載の化合物。
【請求項25】
Eが単環式基である先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
Eがフェニル環またはピペラジンもしくはピペリジン環である請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
Eがフェニル環である請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Eがピペリジン環であり、ピペリジン環の窒素原子が二環式基Xに結合する請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
Eが表3または表4に示される基である請求項1〜24のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
部分
【化10】
が、場合により置換された二環式ヘテロアリール基である請求項1〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
二環式ヘテロアリール基が、5員または6員炭素環式またはヘテロ環式芳香環と縮合したピリジンまたはピリミジン環であり、その具体例としてチエノ[3,2−d]ピリミジン基が挙げられる請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
二環式基Xが以下の形態をとり:
【化11】
G5が水素結合アクセプター原子または基、例えば、表5に示される水素結合アクセプターである請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
二環式基Xが、
F1
【化12】
F2
【化13】
F3
【化14】
F4
【化15】
F5
【化16】
F6
【化17】
F7
【化18】
F8
【化19】
F9
【化20】
F10
【化21】
F11
【化22】
F12
【化23】
F13
【化24】
F14
【化25】
F15
【化26】
F16
【化27】
F17
【化28】
F18
【化29】
F19
【化30】
およびF20
【化31】
から選択される請求項1〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
二環式基Xが、F1、F19、およびF20から選択される請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
一般式(II):
【化32】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、A基は、ベンゼン環のメタ位またはパラ位に結合し、qは0〜4であり;R1a、R2、R3、およびR4は、先行する請求項のいずれかに記載の通りであり、R8は、ヒドロキシ;ハロゲン(例えば、塩素および臭素);トリフルオロメチル;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビル;ならびにハロゲン(例えば、塩素および臭素)、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、またはメトキシによって場合により置換されたフェニルから選択される)。
【請求項36】
qが、0、1、または2であり、より好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
A基がベンゼン環のパラ位に結合する請求項35または36に記載の化合物。
【請求項38】
式(IIa):
【化33】
を有する請求項37に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R1a、R2、R3、R4、およびnは、先行する請求項のいずれかに記載の通りであり、xは0または1であり、yは、0、1、または2である)。
【請求項39】
式(IIb):
【化34】
を有する請求項37に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R1a、R2、R3、R4、x、およびyは請求項37に記載の通りであり、zは、0、1、または2である(但し、yおよびzの合計が4を超えない))。
【請求項40】
一般式(IIc):
【化35】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、A基はピペリジン環の3位または4位に結合し、qは0〜4であり;X、n、A、R1a、R2、R3、およびR4は、先行する請求項のいずれかに記載の通りであり、R10は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、ならびに;Ra−Rb基から選択される置換基であり、Raは、結合、O、CO、X1C(X2)、C(X2)X1、X1C(X2)X1、S、SO、SO2、NRc、SO2NRc、またはNRcSO2であり;Rbは、水素、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されたC1−8ヒドロカルビル基から選択され、前記C1−8ヒドロカルビル基の1つ以上の炭素原子は、O、S、SO、SO2、NRc、X1C(X2)、C(X2)X1、またはX1C(X2)X1によって場合により置き換えられていてもよく;
Rcは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選択され;
X1は、O、S、またはNRcであり、X2は、=O、=S、または=NRcである)。
【請求項41】
qが、0、1、または2であり、より好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
nが0である請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
一般式(III):
【化36】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R1b、R4、Q1、Q2、およびNR2R3は、先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項44】
式(IV):
【化37】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、TはCHまたはNであり、T1は、S、O、またはNR18であり;R16は水素またはR10基であり、R17は水素またはR4基であり;R18は水素またはC1−4アルキルであり;A、E、R1a〜R4、およびR10は、先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項45】
TがNであり、T1が、S、O、およびNHから選択される請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
T1がSである請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
一般式(V):
【化38】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R2、R3、およびR4は先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項48】
一般式(VI):
【化39】
を有する請求項43に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、mは、0、1、または2であり;m’は0または1であり(但し、mおよびm’の合計が0〜2の範囲にある);nは0または1であり;pは、0、1、2、または3であり;RxおよびRyは、同一または異なって、水素、メチル、およびフッ素からそれぞれ選択され;R12はCNまたはNR2R3であり、各R13はR10から独立して選択され、X、R2、R3、R4、およびR10は、先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項49】
mが、0または1であり、好ましくは0である請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
pが、0、1、または2であり、R13が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;ベンジルオキシ;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選択される請求項48または49に記載の化合物。
【請求項51】
式(VII):
【化40】
を有する請求項48に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、Rx、Ry、およびRwはそれぞれ独立して水素またはメチルであり、X、n、p、R4、およびR13は請求項48に記載の通りである)。
【請求項52】
RxおよびRyが両方とも水素である請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
式(VIII)
【化41】
を有する請求項43に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、R25は水素またはメチルであり、X、R13、R4、およびRwは請求項43またはその従属項のいずれかに記載のとおりである)。
【請求項54】
nが0である請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
R25が水素である請求項53または54に記載の化合物。
【請求項56】
Rwが水素である請求項53〜55のいずれかに記載の化合物。
【請求項57】
Rwがメチルである請求項53〜55のいずれかに記載の化合物。
【請求項58】
塩、溶媒和物(水和物等)、エステル、またはN−オキシドの形態をとる先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項59】
プロテインキナーゼBが仲介する病態または症状の予防または治療に用いるための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物。
【請求項60】
プロテインキナーゼBが仲介する病態または症状の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項61】
投与を必要とする対象者に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、プロテインキナーゼBが仲介する病態または症状の予防または治療方法。
【請求項62】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、異常な細胞成長を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞成長を含むかそれによって引き起こされる疾患または症状の治療方法。
【請求項63】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、PKBの活性を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞成長を含むかそれによって引き起こされる疾患または症状の治療方法。
【請求項64】
プロテインキナーゼBを、請求項1〜58のいずれかに記載のキナーゼ阻害化合物に接触させることを含むプロテインキナーゼBの阻害方法。
【請求項65】
請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を用いてプロテインキナーゼBの活性を阻害することによる、細胞プロセスの調節方法。
【請求項66】
哺乳動物に、請求項1〜44のいずれかに記載の化合物を、PKBの活性を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における免疫障害の治療方法。
【請求項67】
プロテインキナーゼAが仲介する病態または症状の予防または治療に用いるための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物。
【請求項68】
プロテインキナーゼAが仲介する病態または症状の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項69】
異常な細胞成長によって引き起こされる病態または症状の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項70】
増殖、細胞死、または分化の異常がある疾患の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項71】
投与を必要とする対象者に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、プロテインキナーゼAが仲介する病態または症状の予防または治療方法。
【請求項72】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、PKAを阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞成長を含むかそれによって引き起こされる疾患または症状の治療方法。
【請求項73】
プロテインキナーゼAを、請求項1〜58のいずれかに記載のキナーゼ阻害化合物に接触させることを含むプロテインキナーゼAの阻害方法。
【請求項74】
請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を用いてプロテインキナーゼAの活性を阻害することによる、細胞プロセスの調節方法。
【請求項75】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、PKAの活性を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における免疫障害の治療方法。
【請求項76】
癌細胞を、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物に接触させることを含む癌細胞の細胞死の誘発方法。
【請求項77】
請求項1〜58のいずれかに記載の新規の化合物と薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物。
【請求項78】
医療に用いるための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物。
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
またはその塩、溶媒和物、互変異性体、もしくはN−オキシド
(式中、TGは、
(1)基
【化2】
および
(2)基
【化3】
から選択され:
式中、
星印(*)は、E基のX基への結合地点を示し;
Aは、1〜7つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基は、R1aとNR2R3との間に延びる5原子の最大鎖長およびEとNR2R3との間に延びる4原子の最大鎖長を有し、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく;リンカー基Aの炭素原子は、オキソ、フッ素、およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよく(但し、ヒドロキシ基は存在する場合にはNR2R3基に対してα位の炭素原子には位置せず、オキソ基は存在する場合にはNR2R3基に対してα位の炭素原子に位置する);
Eは、単環もしくは二環炭素環式またはヘテロ環式基であり;
前記X基は、5つまでがO、N、およびSから選択されるヘテロ原子である8〜12環員を有する二環ヘテロ環式基であり;
R1aはアリールまたはヘテロアリール基であり;
R1bは水素またはR1a基であり;
R2およびR3は、独立して、水素、C1−4ヒドロカルビル、およびC1−4アシルから選択され、前記ヒドロカルビルおよびアシル部分は、フッ素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、およびメトキシから選択される1つ以上の置換基によって場合により置換され;または
R2およびR3は、それらが結合する窒素原子とともに、イミダゾール基、および4〜7環員を有しOおよびNから選択される第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基から選択される環式基を形成する;または
R2およびR3のうち一方は、それらが結合する窒素原子とリンカー基Aからの1つ以上の原子とともに、4〜7環員を有しOおよびNから選択される第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する;または、
NR2R3は、それが結合するリンカー基Aの炭素原子とともに、シアノ基を形成し;
nは0〜4であり;
各R4は、独立して、オキソ;ハロゲン;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−6ヒドロカルビル;シアノ;ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1−2アルコキシによって場合により置換されたC1−6ヒドロカルビルオキシ;CONH2;CONHR9;CF3;NH2;NHCOR9;NHCONHR9;およびNHR9から選択され;
R9はR9aまたは(CH2)R9a基であり、R9aは炭素環式またはヘテロ環式であってもよい単環または二環式基であり;
前記炭素環式基またはヘテロ環式基R9aは、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、Ra−Rb基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換され、Raは、結合、O、CO、X1C(X2)、C(X2)X1、X1C(X2)X1、S、SO、SO2、NRc、SO2NRc、またはNRcSO2であり;Rbは、水素、3〜12環員を有するヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されたC1−8ヒドロカルビル基から選択され、前記C1−8ヒドロカルビル基の1つ以上の炭素原子は、O、S、SO、SO2、NRc、X1C(X2)、C(X2)X1、またはX1C(X2)X1によって場合により置き換えられていてもよく;
Rcは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選択され;
X1は、O、S、またはNRcであり、X2は、=O、=S、または=NRcであり;
Q1は、結合または1〜3つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、あるいは、隣接する炭素原子対はCONRqまたはNRqCOによって置き換えられていてもよく、Rqは水素、C1−4アルキル、またはシクロプロピルであり、あるいはRqは、R1bまたはQ1の他の炭素原子に結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり;リンカー基Q1の炭素原子は、フッ素およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよく;
Q2は、結合または1〜3つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく;リンカー基の炭素原子は、フッ素およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよく(但し、ヒドロキシ基は存在する場合にはNR2R3基に対してα位の炭素原子には位置しない);Eがアリールまたはヘテロアリールである場合にはQ2が結合ではなく;部分
【化4】
が(BG1)または(BG2)基ではなく;
(BG1)
【化5】
(BG2)
【化6】
式中、
(BG1)および(BG2)はそれぞれ場合により置換され;
星印(*)はE基への結合地点を示し;
TはNまたはCRz基であり;
J1−J2は、N=C(Rz)、(Rz)C=N、(Rz)N−C(O)、(Rz)2C−C(O)、N=N、および(Rz)C=C(R6)から選択される基を示し;
J4−J3は、N=C(Rz)基または(Rz)N−CO基であり;
Rzは水素または置換基である)。
【請求項2】
TGが
(1)基
【化7】
である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物のR1a−A−NR2R3部分が、式R1a−(G)k−(CH2)m−W−Ob−(CH2)n−(CR6R7)p−NR2R3で示され、式中、Gは、NH、NMe、またはOであり;Wは、E基に結合し、(CH2)j−CR20、(CH2)j−N、および(NH)j−CHから選択され;bは0または1であり、jは0または1であり、kは0または1であり、mは0または1であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0または1であり;bおよびkの合計は0または1であり;j、k、m、n、およびpの合計は4を超えず;R6およびR7は同一または異なって、メチルおよびエチルから選択され、あるいはCR6R7はシクロプロピル基を形成し;R20は、水素、メチル、ヒドロキシ、およびフッ素から選択される請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
化合物のR1a−A−NR2R3部分が、式R1a−(G)k−(CH2)m−XX−(CH2)n−(CR6R7)p−NR2R3で示され、式中、Gは、NH、NMe、またはOであり;XXは、E基に結合し、(CH2)j−CH、(CH2)j−N、および(NH)j−CHから選択され;jは0または1であり、kは0または1であり、mは0または1であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0または1であり、j、k、m、n、およびpの合計は4を超えず;R6およびR7は同一または異なって、メチルおよびエチルから選択され、あるいはCR6R7はシクロプロピル基を形成する請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
化合物のR1a−A−NR2R3部分が、式R1−(G)k−(CH2)m−XX−(CH2)n−(CR6R7)p−NR2R3で示され、
式中、
kは0であり、mは0または1であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0である;あるいは
kは0であり、mは0または1であり、nは、0、1、または2であり、pは1である;あるいは
XXは(CH2)j−CHであり、kは1であり、mは0であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0である;あるいは
XXは(CH2)j−CHであり、kは1であり、mは0であり、nは、0、1、または2であり、pは1である;あるいは
XXは(CH2)j−CHであり、GはOであり、kは1であり、mは0であり、nは、0、1、2、または3であり、pは0である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
A基が表1に示される請求項2〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
TGが
(2)基
【化8】
であり、
Q1は、結合または1〜3つの炭素原子を含有する飽和炭化水素リンカー基であり、前記リンカー基における炭素原子の1つは、酸素原子または窒素原子によって場合により置き換えられていてもよく、あるいは、隣接する炭素原子対はCONRqまたはNRqCOによって置き換えられていてもよく、Rqは水素、C1−4アルキル、またはシクロプロピルであり、あるいはRqは、R1bまたはQ1の他の炭素原子に結合して環式部分を形成するC1−4アルキレン鎖であり;リンカー基Q1の炭素原子は、フッ素およびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基を場合により有していてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1bが水素である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R1bがR1a基である請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
R1aが、場合により置換されたフェニル、ナフチル、チエニル、フラン、ピリミジン、およびピリジン基から選択される請求項2〜6および9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
R1aが、場合により置換されたフェニル基である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記場合により用いられる置換基が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;シアノ;CONH2;ニトロ;C1−2アルコキシ、カルボキシ、またはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビル;C1−4アシルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジノカルボニル;ピペリジノカルボニル;モルホリノカルボニル;ピペラジノカルボニル;N、O、およびSから選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含有する5および6員ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシ基;フェニル;フェニル−C1−4アルキル;フェニル−C1−4アルコキシ;ヘテロアリール−C1−4アルキル;ヘテロアリール−C1−4アルコキシおよびフェノキシから選択され、
前記ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、フェニル、フェニル−C1−4アルキル、フェニル−C1−4アルコキシ、ヘテロアリール−C1−4アルキル、ヘテロアリール−C1−4アルコキシおよびフェノキシ基がC1−2アシルオキシ、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、シアノ、CONH2、ならびにメトキシまたはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−2ヒドロカルビルオキシおよびC1−2ヒドロカルビルから選択される1、2、または3つの置換基で、それぞれ場合により置換された請求項10または11に記載の化合物。
【請求項13】
R1aが、非置換、あるいはヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;フェニル;チエニル;フラニル;フェノキシ、ベンジルオキシ;シアノ;C3−4シクロアルキル、ならびにC1−2アルコキシまたはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−4アルコキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選択される5つまでの置換基によって置換された請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
R1aが、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、tert−ブチル;トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;フェニル;フェノキシ、およびベンジルオキシから選択される1つまたは2つの置換基を有する請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R1aが、モノ−クロロフェニル(例えば、4−クロロフェニル)、ジクロロフェニル、ヒドロキシフェニル、フルオロ−クロロフェニル、シアノフェニル、メトキシフェニル、メトキシ−クロロフェニル、フルオロフェニル、およびジフルオロフェニルから選択される置換フェニル基である請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R1aが表2に示される基である請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
R2およびR3は、独立して、水素;C1−4ヒドロカルビル;およびC1−4アシルから選択され、前記ヒドロカルビルおよびアシル基は、フッ素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、および単環もしくは二環式アリールまたはヘテロアリール基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換された先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
R2およびR3は独立して水素およびメチルから選択され、したがって、NR2R3は、アミノ、メチルアミノ、またはジメチルアミノ基である請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
NR2R3がアミノ基である請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
NR2R3がメチルアミノ基である請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
R2およびR3のうち一方は、それらが結合する窒素原子とリンカー基Aからの1つ以上の原子とともに、4〜7環員を有しOおよびNから選択される第2のヘテロ原子環員を場合により含有する飽和単環ヘテロ環式基を形成する請求項2およびその従属項のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
NR2R3およびAは、下記式の環式基を形成し:
【化9】
式中、vおよびwはそれぞれ0、1、2、または3である(但し、vおよびwの合計が2〜5の範囲にある)請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
vおよびwが両方とも2である請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
R3が水素である請求項22または23に記載の化合物。
【請求項25】
Eが単環式基である先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
Eがフェニル環またはピペラジンもしくはピペリジン環である請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
Eがフェニル環である請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Eがピペリジン環であり、ピペリジン環の窒素原子が二環式基Xに結合する請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
Eが表3または表4に示される基である請求項1〜24のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
部分
【化10】
が、場合により置換された二環式ヘテロアリール基である請求項1〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
二環式ヘテロアリール基が、5員または6員炭素環式またはヘテロ環式芳香環と縮合したピリジンまたはピリミジン環であり、その具体例としてチエノ[3,2−d]ピリミジン基が挙げられる請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
二環式基Xが以下の形態をとり:
【化11】
G5が水素結合アクセプター原子または基、例えば、表5に示される水素結合アクセプターである請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
二環式基Xが、
F1
【化12】
F2
【化13】
F3
【化14】
F4
【化15】
F5
【化16】
F6
【化17】
F7
【化18】
F8
【化19】
F9
【化20】
F10
【化21】
F11
【化22】
F12
【化23】
F13
【化24】
F14
【化25】
F15
【化26】
F16
【化27】
F17
【化28】
F18
【化29】
F19
【化30】
およびF20
【化31】
から選択される請求項1〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
二環式基Xが、F1、F19、およびF20から選択される請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
一般式(II):
【化32】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、A基は、ベンゼン環のメタ位またはパラ位に結合し、qは0〜4であり;R1a、R2、R3、およびR4は、先行する請求項のいずれかに記載の通りであり、R8は、ヒドロキシ;ハロゲン(例えば、塩素および臭素);トリフルオロメチル;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシによって場合により置換されたC1−4ヒドロカルビル;ならびにハロゲン(例えば、塩素および臭素)、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、またはメトキシによって場合により置換されたフェニルから選択される)。
【請求項36】
qが、0、1、または2であり、より好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
A基がベンゼン環のパラ位に結合する請求項35または36に記載の化合物。
【請求項38】
式(IIa):
【化33】
を有する請求項37に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R1a、R2、R3、R4、およびnは、先行する請求項のいずれかに記載の通りであり、xは0または1であり、yは、0、1、または2である)。
【請求項39】
式(IIb):
【化34】
を有する請求項37に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R1a、R2、R3、R4、x、およびyは請求項37に記載の通りであり、zは、0、1、または2である(但し、yおよびzの合計が4を超えない))。
【請求項40】
一般式(IIc):
【化35】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、A基はピペリジン環の3位または4位に結合し、qは0〜4であり;X、n、A、R1a、R2、R3、およびR4は、先行する請求項のいずれかに記載の通りであり、R10は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、ならびに;Ra−Rb基から選択される置換基であり、Raは、結合、O、CO、X1C(X2)、C(X2)X1、X1C(X2)X1、S、SO、SO2、NRc、SO2NRc、またはNRcSO2であり;Rbは、水素、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基、ならびにヒドロキシ、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、モノ−またはジ−C1−4ヒドロカルビルアミノ、3〜12環員を有する炭素環式およびヘテロ環式基から選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されたC1−8ヒドロカルビル基から選択され、前記C1−8ヒドロカルビル基の1つ以上の炭素原子は、O、S、SO、SO2、NRc、X1C(X2)、C(X2)X1、またはX1C(X2)X1によって場合により置き換えられていてもよく;
Rcは水素およびC1−4ヒドロカルビルから選択され;
X1は、O、S、またはNRcであり、X2は、=O、=S、または=NRcである)。
【請求項41】
qが、0、1、または2であり、より好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
nが0である請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
一般式(III):
【化36】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R1b、R4、Q1、Q2、およびNR2R3は、先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項44】
式(IV):
【化37】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、TはCHまたはNであり、T1は、S、O、またはNR18であり;R16は水素またはR10基であり、R17は水素またはR4基であり;R18は水素またはC1−4アルキルであり;A、E、R1a〜R4、およびR10は、先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項45】
TがNであり、T1が、S、O、およびNHから選択される請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
T1がSである請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
一般式(V):
【化38】
を有する請求項1に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、X、R2、R3、およびR4は先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項48】
一般式(VI):
【化39】
を有する請求項43に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、mは、0、1、または2であり;m’は0または1であり(但し、mおよびm’の合計が0〜2の範囲にある);nは0または1であり;pは、0、1、2、または3であり;RxおよびRyは、同一または異なって、水素、メチル、およびフッ素からそれぞれ選択され;R12はCNまたはNR2R3であり、各R13はR10から独立して選択され、X、R2、R3、R4、およびR10は、先行する請求項のいずれかに記載の通りである)。
【請求項49】
mが、0または1であり、好ましくは0である請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
pが、0、1、または2であり、R13が、ヒドロキシ;C1−4アシルオキシ;フッ素;塩素;臭素;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ジフルオロメトキシ;ベンジルオキシ;シアノ;C1−2アルコキシまたはヒドロキシでそれぞれ場合により置換されたC1−4ヒドロカルビルオキシおよびC1−4ヒドロカルビルから選択される請求項48または49に記載の化合物。
【請求項51】
式(VII):
【化40】
を有する請求項48に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、Rx、Ry、およびRwはそれぞれ独立して水素またはメチルであり、X、n、p、R4、およびR13は請求項48に記載の通りである)。
【請求項52】
RxおよびRyが両方とも水素である請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
式(VIII)
【化41】
を有する請求項43に記載の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体、およびN−オキシド
(式中、R25は水素またはメチルであり、X、R13、R4、およびRwは請求項43またはその従属項のいずれかに記載のとおりである)。
【請求項54】
nが0である請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
R25が水素である請求項53または54に記載の化合物。
【請求項56】
Rwが水素である請求項53〜55のいずれかに記載の化合物。
【請求項57】
Rwがメチルである請求項53〜55のいずれかに記載の化合物。
【請求項58】
塩、溶媒和物(水和物等)、エステル、またはN−オキシドの形態をとる先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項59】
プロテインキナーゼBが仲介する病態または症状の予防または治療に用いるための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物。
【請求項60】
プロテインキナーゼBが仲介する病態または症状の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項61】
投与を必要とする対象者に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、プロテインキナーゼBが仲介する病態または症状の予防または治療方法。
【請求項62】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、異常な細胞成長を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞成長を含むかそれによって引き起こされる疾患または症状の治療方法。
【請求項63】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、PKBの活性を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞成長を含むかそれによって引き起こされる疾患または症状の治療方法。
【請求項64】
プロテインキナーゼBを、請求項1〜58のいずれかに記載のキナーゼ阻害化合物に接触させることを含むプロテインキナーゼBの阻害方法。
【請求項65】
請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を用いてプロテインキナーゼBの活性を阻害することによる、細胞プロセスの調節方法。
【請求項66】
哺乳動物に、請求項1〜44のいずれかに記載の化合物を、PKBの活性を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における免疫障害の治療方法。
【請求項67】
プロテインキナーゼAが仲介する病態または症状の予防または治療に用いるための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物。
【請求項68】
プロテインキナーゼAが仲介する病態または症状の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項69】
異常な細胞成長によって引き起こされる病態または症状の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項70】
増殖、細胞死、または分化の異常がある疾患の予防または治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜58のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項71】
投与を必要とする対象者に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、プロテインキナーゼAが仲介する病態または症状の予防または治療方法。
【請求項72】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、PKAを阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞成長を含むかそれによって引き起こされる疾患または症状の治療方法。
【請求項73】
プロテインキナーゼAを、請求項1〜58のいずれかに記載のキナーゼ阻害化合物に接触させることを含むプロテインキナーゼAの阻害方法。
【請求項74】
請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を用いてプロテインキナーゼAの活性を阻害することによる、細胞プロセスの調節方法。
【請求項75】
哺乳動物に、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物を、PKAの活性を阻害するのに有効な量で投与することを含む、哺乳動物における免疫障害の治療方法。
【請求項76】
癌細胞を、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物に接触させることを含む癌細胞の細胞死の誘発方法。
【請求項77】
請求項1〜58のいずれかに記載の新規の化合物と薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物。
【請求項78】
医療に用いるための、請求項1〜58のいずれかに記載の化合物。
【公表番号】特表2009−534454(P2009−534454A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507155(P2009−507155)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001517
【国際公開番号】WO2007/125320
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(504162110)アステックス、セラピューティックス、リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】ASTEX THERAPEUTICS LIMITED
【出願人】(504132021)ジ・インスティチュート・オブ・キャンサー・リサーチ:ロイヤル・キャンサー・ホスピタル (16)
【出願人】(598176569)キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド (57)
【氏名又は名称原語表記】CANCER RESEARCH TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001517
【国際公開番号】WO2007/125320
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(504162110)アステックス、セラピューティックス、リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】ASTEX THERAPEUTICS LIMITED
【出願人】(504132021)ジ・インスティチュート・オブ・キャンサー・リサーチ:ロイヤル・キャンサー・ホスピタル (16)
【出願人】(598176569)キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド (57)
【氏名又は名称原語表記】CANCER RESEARCH TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】
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