説明

医薬組成物

NK1アンタゴニストを含有する医薬組成物が開示されている。少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、以下の化学構造を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する医薬組成物が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、神経ペプチドニューロキニン−1(NKまたはNK−1)レセプタのアンタゴニストを含有する処方物に関する。
【0002】
タキキニンは、ニューロキニンレセプタのペプチドリガンドである。ニューロキニンレセプタ(例えば、NK,NKおよびNK)は、種々の生物過程に関与している。それらは、哺乳動物の神経系および循環系だけでなく、末梢組織でも見られる。結果的に、これらの種類のレセプタを調節すると、種々の哺乳動物の疾患状態を潜在的に治療または予防することが研究されている。例えば、NKレセプタは、微小血管の漏れおよび粘液の分泌に関与していることが報告されている。代表的な種類のニューロキニンレセプタアンタゴニストおよびそれら使用は、以下で見られる:米国特許第5,760,018号(1998)(特許文献1)(疼痛、炎症、偏頭痛および嘔吐)、米国特許第5,620,989号(1997)(特許文献2)(疼痛、痛覚(nociception)および炎症)、WO 95/19344(1995)(特許文献3)(同)、WO 94/13639(1994)(特許文献4)(同)およびWO 94/10165(1994)(特許文献5)(同)。別の種類のNKレセプタアンタゴニストは、Wuら、Tetrahedron 56、3043−3051(2000)(非特許文献1);Romboutsら、Tetrahedron Letters 42.7397−7399(2001)(非特許文献2);およびRogiersら、Tetrahedron 57、8971−8981(2001)(非特許文献3)で見られる。
【0003】
このような障害を治療いる際に有用な特定の薬剤は、患者に投与されなければならない。薬剤物質の水溶性は、薬剤の剤形の処方物において、重要な役割を果たす。経口投与経路については、その物質が1〜7のpH範囲にわたって10mg/mlより高い水溶性がなければ、吸収に問題が起こる可能性があり得ることが経験上よく知られている。1mg/ml未満の溶解度は、溶解度と解離速度とが相関しているので、おそらく、解離速度に限定された吸収を生じる。
【0004】
多くの重要な薬剤(特に、疎水性薬剤)は、水に対する溶解度が限られている。このような薬剤の十分に予想された治療効果を達成するためには、通常、可溶化形状の薬剤を患者に投与する必要がある。
【0005】
薬剤を可溶化する多数の方法が開発されており、これらは、溶媒または共溶媒、界面活性剤、包接剤(complexation agent)(例えば、シクロデキストリン)または包接薬剤担体(complex drug carrier)(例えば、リポソーム)の使用に基づいている。上記方法の各々には、1つまたはそれ以上の欠点がある。従来の界面活性剤および包接剤には、毒性、一旦患者に投与するか水性環境で希釈するときの可溶化薬剤の急速な沈殿という欠点がある。溶媒および共溶媒は、ヒトに注射したとき、毒性かつ刺激性であり得、この可溶化アプローチの使用は、大部分は、急性で生命に関わる疾患の治療に制限されており、この場合、この溶媒/共溶媒の副作用の影響を弱める対症療法を施行するために、医療関係者が常駐している。水混和性溶媒/共溶媒はまた、水性環境に接触するとき、その薬剤が急速に沈殿するという望ましくない特徴を有する。包接薬剤担体(例えば、リポソーム)は、その担体粒子の不安定な性質のために、また、細網内皮系(すなわち、肝臓および脾臓)へのリポソーム薬剤の優先的な取り込みおよび局在化のために、有用性が限られている。従って、上記弱点のない処方物が必要とされている。
【特許文献1】米国特許第5,760,018号明細書
【特許文献2】米国特許第5,620,989号明細書
【特許文献3】国際公開第95/19344号パンフレット
【特許文献4】国際公開第94/13639号パンフレット
【特許文献5】国際公開第94/10165号パンフレット
【非特許文献1】Wuら、Tetrahedron 2000年、56、p.3043−3051
【非特許文献2】Romboutsら、Tetrahedron Letters 2001年、42、p.7397−7399
【非特許文献3】Rogiersら、Tetrahedron 2001年、57、p.8971−8981
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溶解性に乏しいNK含有し物理的および化学的安定性を向上させた処方物を提供することが有益である。さらに、副作用をできるだけ少なくしつつ、種々の生理的な障害、症状または疾患を治療するのに有効なNKアンタゴニストを提供することが有益である。本発明は、これらの利点および他の利点(それらは、説明の進行と共に明らかとなる)を提供しようと努める。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
従って、少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、以下の化学構造を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する医薬組成物(pharmaceutical composition)が開示されている:
【0008】
【化5】

また、少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、式(II)を有する化合物またはそれらのジアステレオマー、鏡像異性体、立体異性体、位置立体異性体、回転異性体、互変異性体またはプロドラッグまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する医薬組成物(pharmaceutical acceptable composition)も開示されている:
【0009】
【化6】

ここで、
ArおよびArは、それぞれ別個に、R17−ヘテロアリールおよび
【0010】
【化7】

からなる群から選択される;
は、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR34−、−N(COR12)−または−N(SO15)−である;
が−SO−、−SO−、−N(COR12)−または−N(SO15)−であるとき:
およびRは、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cアルキレン環を形成する;または
が−O−、−S−または−NR34−であるとき:
およびRは、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cアルキレン環を形成する;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成する;
は、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;
各Rは、別個に、H、C〜Cアルキルおよび−OHからなる群から選択される;
各Rは、別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
は、1〜4である;
およびRは、それぞれ別個に、−(CR2829n1−Gからなる群から選択され、ここで、
は、0〜5である;そして
Gは、以下である:H、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−OCHF、−OCHF、−OCF、−OCHCF、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−O−(C〜C)アルキル(C〜Cシクロアルキル)、−NR1314、−SONR1314、−NR12SO13、−NR12C(O)R14、−NR12C(O)OR13、−NR12(C(O)NR1314)、−C(O)NR1314、−C(O)OR13、−C〜Cシクロアルキル、(R19−アリール、(R19−ヘテロアリール、−OC(O)R14、−OC(O)NR1314、−C(=NOR14)(R13)、−C(O)R13、−C(OR12)(R13)(R14)、ヘテロシクロアルケニルであって、該ヘテロシクロアルケニルは、必要に応じて、1個〜4個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、R30およびR31
【0011】
【化8】

からなる群から選択される、
およびRは、一緒になって、=O、=NOR12である;または
およびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、4員〜8員ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル環を形成し、該環は、1個〜3個の基を含有し、該基は、別個に、Xから選択されるが、但し、少なくとも1個のXは、−NR35−、−O−、−S−、−S(O)−または−SO−であり、該環は、必要に応じて、1個〜6個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、R30およびR31からなる群から選択される;
但し、RおよびRは、両方共には、H、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択されない;
さらに、但し、RおよびRの一方が−OHであるとき、RおよびRの他方は、アルキルまたは(R19−アリールではない;
、RおよびR10は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR12、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、−CHF、−CHF、−CHCF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCHCF、−COOR12、−CONR2122、−OC(O)NR2122、−OC(O)R12、−NR21COR12、−NR21CO15、−NR21CONR2122、−NR21SO15、−NR2122、−SONR2122、−S(O)n615、(R19−アリールおよび(R19−ヘテロアリールからなる群から選択される;
12は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである;
13およびR14は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−CHCF、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;または
13およびR14は、それらが両方共に結合する窒素原子と一緒になって、4員〜7員飽和または不飽和環を形成し、該環は、必要に応じて、−OR12で置換されており、ここで、該環内の炭素原子の1個は、必要に応じて、ヘテロ原子で置き換えられ、該ヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR34−からなる群から選択される;
は、0、1または2である;
15は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、−CFまたは−CHCFである;
18は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキルまたは−P(O)(OH)である;
各R19は、それが結合するアリールまたはヘテロアリール環上の置換基であり、そして別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、−OH、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−COOR12、−CONR2122、−OC(O)NR2122、−OC(O)R12、−NR2122、−NR21COR12、−NR21CO12、−NR21CONR2122、−NR21SO15および−S(O)n615からなる群から選択される;
21およびR22は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルおよびベンジルからなる群から選択される;またはR21およびR22は、それらが両方共に結合する窒素原子と一緒になって、4員〜7員飽和または不飽和環を形成し、ここで、該環内の炭素原子の1個は、必要に応じて、ヘテロ原子で置き換えられ、該ヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR34−からなる群から選択される;
23およびR24は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;または
23およびR24は、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C=Oまたはシクロプロピル基を形成する;
27は、H、−OHまたはC〜Cアルキルである;
28およびR29は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
30およびR31は、それぞれ別個に、H、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルおよび−C(O)NR1314からなる群から選択される;または
30およびR31は、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、=O、=S、シクロプロピル環または=NR36を形成する;
32およびR33は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
34は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルまたはヒドロキシ(C〜C)アルキルである;
35は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−P(O)(OH)、アリル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、−SO15または−(CH−N(R12)−SO−R15である;
36は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−NO、−CNまたはOR12である;
37は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、別個に、H、C〜Cアルキル、−OH、C〜Cアルコキシおよびハロゲンからなる群から選択される;
rは、1〜3である;
は、−NR35−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−CH−、−CF−または−CR12F−である;
は、−NR34−、−N(CONR1314)−、−N(CO13)−、−N(SO15)−、−N(COR12)−、−N(SONHR13)−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−CH−、−CF−または−CR12F−である;
は、1〜5である;そして
は、1〜3である。
【0012】
少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、NKアンタゴニストまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する医薬組成物もまた、開示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明の組成物は、好ましくは、以下の化学構造を有するニューロキニンアンタゴニストを含有する:
【0014】
【化9】

本発明の組成物はまた、医薬組成物を含み、該組成物は、少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、式(II)を有する化合物またはそれらのジアステレオマー、鏡像異性体、立体異性体、位置立体異性体、回転異性体、互変異性体、プロドラッグまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有し得る:
【0015】
【化10】

ここで、
ArおよびArは、それぞれ別個に、R17−ヘテロアリールおよび
【0016】
【化11】

からなる群から選択される;
は、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR34−、−N(COR12)−または−N(SO15)−である;
が−SO−、−SO−、−N(COR12)−または−N(SO15)−であるとき:
およびRは、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cアルキレン環を形成する;または
が−O−、−S−または−NR34−であるとき:
およびRは、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cアルキレン環を形成する;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成する;
は、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;
各Rは、別個に、H、C〜Cアルキルおよび−OHからなる群から選択される;
各Rは、別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
は、1〜4である;
およびRは、それぞれ別個に、−(CR2829n1−Gからなる群から選択され、ここで、
は、0〜5である;そして
Gは、以下である:H、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−OCHF、−OCHF、−OCF、−OCHCF、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−O−(C〜C)アルキル(C〜Cシクロアルキル)、−NR1314、−SONR1314、−NR12SO13、−NR12C(O)R14、−NR12C(O)OR13、−NR12(C(O)NR1314)、−C(O)NR1314、−C(O)OR13、−C〜Cシクロアルキル、(R19−アリール、(R19−ヘテロアリール、−OC(O)R14、−OC(O)NR1314、−C(=NOR14)(R13)、−C(O)R13、−C(OR12)(R13)(R14)、ヘテロシクロアルケニルであって、該ヘテロシクロアルケニルは、必要に応じて、1個〜4個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、R30およびR31
【0017】
【化12】

からなる群から選択される、
およびRは、一緒になって、=O、=NOR12である;または
およびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、4員〜8員ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル環を形成し、該環は、1個〜3個の基を含有し、該基は、別個に、Xから選択されるが、但し、少なくとも1個のXは、−NR35−、−O−、−S−、−S(O)−または−SO−であり、該環は、必要に応じて、1個〜6個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、R30およびR31からなる群から選択される;
但し、RおよびRは、両方共には、H、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択されない;
さらに、但し、RおよびRの一方が−OHであるとき、RおよびRの他方は、アルキルまたは(R19−アリールではない;
、RおよびR10は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR12、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、−CHF、−CHF、−CHCF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCHCF、−COOR12、−CONR2122、−OC(O)NR2122、−OC(O)R12、−NR21COR12、−NR21CO15、−NR21CONR2122、−NR21SO15、−NR2122、−SONR2122、−S(O)n615、(R19−アリールおよび(R19−ヘテロアリールからなる群から選択される;
12は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである;
13およびR14は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−CHCF、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;または
13およびR14は、それらが両方共に結合する窒素原子と一緒になって、4員〜7員飽和または不飽和環を形成し、該環は、必要に応じて、−OR12で置換されており、ここで、該環内の炭素原子の1個は、必要に応じて、ヘテロ原子で置き換えられ、該ヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR34−からなる群から選択される;
は、0、1または2である;
15は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、−CFまたは−CHCFである;
18は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキルまたは−P(O)(OH)である;
各R19は、それが結合するアリールまたはヘテロアリール環上の置換基であり、そして別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、−OH、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−COOR12、−CONR2122、−OC(O)NR2122、−OC(O)R12、−NR2122、−NR21COR12、−NR21CO12、−NR21CONR2122、−NR21SO15および−S(O)n615からなる群から選択される;
21およびR22は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルおよびベンジルからなる群から選択される;または
21およびR22は、それらが両方共に結合する窒素原子と一緒になって、4員〜7員飽和または不飽和環を形成し、ここで、該環内の炭素原子の1個は、必要に応じて、ヘテロ原子で置き換えられ、該ヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR34−からなる群から選択される;
23およびR24は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;または
23およびR24は、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C=Oまたはシクロプロピル基を形成する;
27は、H、−OHまたはC〜Cアルキルである;
28およびR29は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
30およびR31は、それぞれ別個に、H、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルおよび−C(O)NR1314からなる群から選択される;または
30およびR31は、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、=O、=S、シクロプロピル環または=NR36を形成する;
32およびR33は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
34は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルまたはヒドロキシ(C〜C)アルキルである;
35は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−P(O)(OH)、アリル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、−SO15または−(CH−N(R12)−SO−R15である;
36は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−NO、−CNまたはOR12である;
37は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、別個に、H、C〜Cアルキル、−OH、C〜Cアルコキシおよびハロゲンからなる群から選択される;
rは、1〜3である;
は、−NR35−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−CH−、−CF−または−CR12F−である;
は、−NR34−、−N(CONR1314)−、−N(CO13)−、−N(SO15)−、−N(COR12)−、−N(SONHR13)−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−CH−、−CF−または−CR12F−である;
は、1〜5である;そして
は、1〜3である。
【0018】
少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム塩を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、NKアンタゴニストまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する医薬組成物もまた、開示されている。
【0019】
これらの化合物は、米国特許出願公報第20030158173 A1号(この内容は、十分に述べられているかのごとく、本明細書中で参考として援用されている)に記載される手順に従って、調製され得る。
【0020】
本発明の化合物は、約0.01mg/mL〜約100mg/mLの範囲、または約5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL、約50mg/mL、約55mg/mL、約60mg/mL、約65mg/mL、約70mg/mL、約75mg/mL、約80mg/mL、約85mg/mL、約90mg/mL、約95mg/mLまたは約100mg/mLの範囲で、存在し得る。
【0021】
ニューロキニンアンタゴニスト化合物(例えば、上記化合物)またはその薬学的に受容可能な誘導体の溶解度は、一般に、5以上のpH値を有する水溶液中では、低い。水溶性が低いために、経口投薬、静脈内、筋肉内および皮下注射のいずれかのための溶液の処方は、難しい。
【0022】
β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩(例えば、Captisol(登録商標))は、その化合物と包接複合体化(inclusion complexing)することにより、ニューロキニン−1アンタゴニストの水溶性を向上させ、また、経口、静脈内、筋肉内または皮下投薬に適当な溶液処方物用のビヒクルを提供することが立証されている。その成分は、約0.1%〜約99%、好ましくは、0.1%〜約40%の量で、存在し得る。
【0023】
特に重要な薬学的に受容可能な塩は、(OCHSOH基の塩、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩)である。好ましくは、このシクロデキストリンの1分子あたりのO(CHSOH基の平均数は、約1〜約7の範囲、好ましくは、6.1〜6.9の範囲である。
【0024】
さらに具体的には、Captisol(登録商標)は、シクロデキストリン1分子あたり平均して7個のスルホブチルエーテル基を有するβ−シクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体である。このスルホン酸基のpKaが非常に低いために、Captisol(登録商標)は、生理学的に適合性のpH値にて、複数の負電荷を有する。末端基の負電荷の反発に加えて、4炭素ブチル鎖により、そのシクロデキストリン空洞の伸長が可能となる。この結果、しばしば、これらの化合物と、他の変性シクロデキストリンで示されるよりも比較的に大きい分子容量との包接複合体化の可能性が高まる。それに加えて、これらの誘導体は、その分子に、並外れた溶解性および非経口安全性を与える。その生成物は、Overland Park,KansasのCydex,Inc.から入手できる。それは、国際特許出願WO 91/11172で述べられた手順に従って調製され得ると報告されている。
【0025】
Captisol(登録商標)は、遊離塩形状素(HCl塩およびトシレート塩)の形状で、式Iの化合物の溶解性を向上させる。上記化合物の溶解性は、周囲温度(20℃)で、その粉末を、異なる濃度のCaptisol(登録商標)を含有する水溶液で平衡化することにより、決定した。
【0026】
好ましくは、本発明の処方物は、非経口投与(例えば、静脈内または筋肉内投与)用である。活性成分−シクロデキストリン誘導体複合体の水安定性は、さらに、凍結乾燥により高められ得る。本発明に従った処方物で使用されるシクロデキストリン誘導体は、最終凍結乾燥生成物が安定性に対する悪影響なしで高レベルの水分と適応できるようにする。
【0027】
それゆえ、静脈内注射用の水溶液を調製するために、共溶媒(例えば、アルコール(例えば、エタノールまたはグリコール(例えば、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコール)))、またはグリセリンおよび必要に応じて、親水性界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)80)を使用することが可能である。筋肉内注射可能な油性溶液は、例えば、その活性成分をトリグリセリドまたはグリセロールエーテルで可溶化することにより、調製できる。実質的に非水性の担体(例えば、賦形剤)は、生体適合性で体温で液状または十分に軟らかい任意の物質であり得る。この担体は、通常、疎水性であり、普通は、有機(例えば、植物、動物、鉱物または合成起源または由来の油脂)である。好ましくは、必ずしもそうではないが、この担体は、「脂肪」化合物を代表する種類の少なくとも1つの化学部分(例えば、脂肪酸、アルコールエステルなど、すなわち、炭化水素鎖、エステル連鎖、またはそれらの両方)を含む。これに関連して、「脂肪」酸には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、30個までまたはそれ以上の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖有機酸が挙げられる。好ましくは、この担体は、水に非混和性であるか、および/または脂肪溶媒として一般に知られている物質に溶解性である。この担体は、このような「脂肪」化合物とヒドロキシ化合物(例えば、一価、二価、三価または他の多価アルコール(例えば、グリセロール、プロパンジオール、ラウリルアルコール、ポリエチレンまたはプロピレングリコールなど))との反応生成物に相当し得る。これらの化合物には、脂溶性ビタミン(例えば、トコフェロールおよびそれらのエステル(例えば、トコフェロールを安定化するために時には生成されるアセテート))が挙げられる。時には、経済的な理由のために、この担体は、好ましくは、天然の未改質植物油(例えば、ゴマ油、大豆油、落花生油、やし油、または未改質脂肪)を含有し得る。あるいは、この植物の油または脂肪は、本発明に適合する水素化または他の化学手段により、改質され得る。合成手段により調製される疎水性物質の適当な使用もまた、想定される。
【0028】
非経口投与に適当な医薬組成物は、注射用の滅菌水中にて、適当な緩衝液(例えば、トリス−HCl、酢酸塩またはリン酸塩(例えば、二塩基性リン酸ナトリウム/一塩基性リン酸ナトリウム緩衝液))と、薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、スクロース)、担体(例えば、ヒト血清アルブミン)、毒性因子(例えば、NaCl)、防腐剤(例えば、チメロサール、クレゾールまたはベンジルアルコール)および界面活性剤(例えば、ツイーンまたはポリソルベート)とを使って、処方され得る。
【0029】
典型的な適当な注射器には、ペン型注射器(例えば、Novo Nordiskから入手できるNOVOLET Novo Pen)に接続された補充式バイアルを含むシステムだけでなく、ユーザーが簡単に自分で注射できるペン型補充式注射器が挙げられる。他の注射器システムには、別々の隔室に希釈液および凍結乾燥した粉末を含有するガラス製カートリッジを含むシステムが挙げられる。
【0030】
本発明の化合物は、別々にまたは一緒に、他の制吐薬(例えば、Azasetron、Granisetron、Ondansetron、Torpisetron、DAT−582、Dolasetron、Itasetron、N−3389、Pancopride、Ramosetron、RG−12915、(R)−Zacopride、Lurosetron、E−3620、GK−128、KB−6933、KF−20170、SL−90.0539および(−)−シス−4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−N−[1−[3−[(3,4−ジヒドロ4−オキソ−2−ピリミジニル)アミノ]−プロピル]−3−メトキシ−4−ピペリジニル]−2,2−ジメチル−7−ベンゾフランカルボキサミドおよびそれらの薬学的に受容可能な酸付加塩)と併用して、投与され得る。あるいは、この組成物は、選択的セロトニン再取り込みインヒビター(例えば、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリンまたはそれらの薬学的に受容可能な塩)を含有し得る。あるいは、この組成物は、コルチコステロイド(例えば、モメタゾンフロエート;ベクロメタゾン二プロピオン酸塩;ブデソニド;フルチカゾン;デキサメサゾン;フルニソリドおよびトリアムシノロン)を含有し得る。
【0031】
本発明は、さらに、以下の非限定的な実施例を参照して、説明する。
【実施例】
【0032】
【化13】

【0033】
【化14】

これらの溶液は、当業者に公知の方法に従って、調製した。
【0034】
本発明は、多数の利点を有する。送達系(すなわち、水性溶媒または混合溶媒)は、β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩(Captisol(登録商標))またはその誘導体を含有し、溶解性を向上させるために、上図で示したNK1アンタゴニスト化合物およびそれらの誘導体には、異なる薬学的に受容可能な塩が利用できる。Captisol(登録商標)の濃度は、所望の溶解性を達成するために研究された範囲より高くまたは低くできる。Captisol(登録商標)は、上で述べた構造を有する化合物の溶解性を向上させるために研究されたpH以外の異なるpHで利用できる。本発明の処方物は、上で述べた構造を有する化合物の溶解性を向上させるために、他の医薬溶媒または可溶化剤と併用され得る。潜在的には、本発明の処方物はまた、インビボでの経口および静脈内または皮下注射吸収プロフィールを変えるために、溶液処方物で利用され得る。さらに、本発明の処方物は、その活性剤の高い溶解の理由から、その放出プロフィールを変えるために、固形経口剤形で使用され得る。
【0035】
本発明の種々の実施態様の前述の記述は、本発明の種々の局面を代表するものであり、全てを網羅するとは解釈されず、あるいは、開示した正確な形態に本発明を限定するとは解釈されない。多くの改良および変更は、確かに、当業者に想起される。本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ完全に規定されると解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、以下の化学構造を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する、医薬組成物:
【化1】

【請求項2】
前記処方物が、約4〜約8のpHを有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記薬学的に受容可能な塩が、塩酸塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記化合物が、遊離塩基である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記遊離塩基が、緩衝されている、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記遊離塩基が、クエン酸またはリン酸緩衝液で緩衝化されている、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
水中にて、請求項1に記載の凍結乾燥された処方物を構成することにより製造される、溶液。
【請求項8】
さらに、少なくとも1種の選択的セロトニン再取り込みインヒビターを含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記選択的セロトニン再取り込みインヒビターが、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルタリン、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
さらに、少なくとも1種のセロトニン5−HTレセプタアンタゴニストを含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記セロトニン5−HTレセプタアンタゴニストが、オンダンセトロン、ドラセトロン、パロノセトロンまたはグラニセトロンから選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
さらに、置換ベンズアミドまたはコルチコステロイドからなる群から選択される化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
非経口投与に適合させた、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、式(II)を有する化合物またはそれらのジアステレオマー、鏡像異性体、立体異性体、位置立体異性体、回転異性体、互変異性体またはプロドラッグまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する、医薬組成物:
【化2】

ここで、
ArおよびArは、それぞれ別個に、R17−ヘテロアリールおよび
【化3】

からなる群から選択される;
は、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR34−、−N(COR12)−または−N(SO15)−である;
が−SO−、−SO−、−N(COR12)−または−N(SO15)−であるとき:
およびRは、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cアルキレン環を形成する;または
が−O−、−S−または−NR34−であるとき:
およびRは、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cアルキレン環を形成する;またはRおよびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C=O基を形成する;
は、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜Cアルキル)、C〜Cシクロアルキル、−CHF、−CHFおよび−CFからなる群から選択される;
各Rは、別個に、H、C〜Cアルキルおよび−OHからなる群から選択される;
各Rは、別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
は、1〜4である;
およびRは、それぞれ別個に、−(CR2829n1−Gからなる群から選択され、ここで、
は、0〜5である;そして
Gは、以下である:H、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−OCHF、−OCHF、−OCF、−OCHCF、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−O−(C〜C)アルキル(C〜Cシクロアルキル)、−NR1314、−SONR1314、−NR12SO13、−NR12C(O)R14、−NR12C(O)OR13、−NR12(C(O)NR1314)、−C(O)NR1314、−C(O)OR13、−C〜Cシクロアルキル、(R19−アリール、(R19−ヘテロアリール、−OC(O)R14、−OC(O)NR1314、−C(=NOR14)(R13)、−C(O)R13、−C(OR12)(R13)(R14)、ヘテロシクロアルケニルであって、該ヘテロシクロアルケニルは、必要に応じて、1個〜4個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、R30およびR31
【化4】

からなる群から選択される、
およびRは、一緒になって、=O、=NOR12である;または
およびRは、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、4員〜8員ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル環を形成し、該環は、1個〜3個の基を含有し、該基は、別個に、Xから選択されるが、但し、少なくとも1個のXは、−NR35−、−O−、−S−、−S(O)−または−SO−であり、該環は、必要に応じて、1個〜6個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、R30およびR31からなる群から選択される;
但し、RおよびRは、両方共には、H、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択されない;
さらに、但し、RおよびRの一方が−OHであるとき、RおよびRの他方は、アルキルまたは(R19−アリールではない;
、RおよびR10は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR12、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、−CHF、−CHF、−CHCF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCHCF、−COOR12、−CONR2122、−OC(O)NR2122、−OC(O)R12、−NR21COR12、−NR21CO15、−NR21CONR2122、−NR21SO15、−NR2122、−SONR2122、−S(O)n615、(R19−アリールおよび(R19−ヘテロアリールからなる群から選択される;
12は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである;
13およびR14は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−CHCF、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;または
13およびR14は、それらが両方共に結合する窒素原子と一緒になって、4員〜7員飽和または不飽和環を形成し、該環は、必要に応じて、−OR12で置換されており、ここで、該環内の炭素原子の1個は、必要に応じて、ヘテロ原子で置き換えられ、該ヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR34−からなる群から選択される;
は、0、1または2である;
15は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、−CFまたは−CHCFである;
18は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキルまたは−P(O)(OH)である;
各R19は、それが結合するアリールまたはヘテロアリール環上の置換基であり、そして別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、−OH、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−COOR12、−CONR2122、−OC(O)NR2122、−OC(O)R12、−NR2122、−NR21COR12、−NR21CO12、−NR21CONR2122、−NR21SO15および−S(O)n615からなる群から選択される;
21およびR22は、それぞれ別個に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルおよびベンジルからなる群から選択される;または
21およびR22は、それらが両方共に結合する窒素原子と一緒になって、4員〜7員飽和または不飽和環を形成し、ここで、該環内の炭素原子の1個は、必要に応じて、ヘテロ原子で置き換えられ、該ヘテロ原子は、−O−、−S−および−NR34−からなる群から選択される;
23およびR24は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;または
23およびR24は、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、C=Oまたはシクロプロピル基を形成する;
27は、H、−OHまたはC〜Cアルキルである;
28およびR29は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
30およびR31は、それぞれ別個に、H、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルおよび−C(O)NR1314からなる群から選択される;または
30およびR31は、それらが両方共に結合する炭素原子と一緒になって、=O、=S、シクロプロピル環または=NR36を形成する;
32およびR33は、それぞれ別個に、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
34は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルまたはヒドロキシ(C〜C)アルキルである;
35は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−P(O)(OH)、アリル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、−SO15または−(CH−N(R12)−SO−R15である;
36は、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、−NO、−CNまたはOR12である;
37は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、別個に、H、C〜Cアルキル、−OH、C〜Cアルコキシおよびハロゲンからなる群から選択される;
rは、1〜3である;
は、−NR35−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−CH−、−CF−または−CR12F−である;
は、−NR34−、−N(CONR1314)−、−N(CO13)−、−N(SO15)−、−N(COR12)−、−N(SONHR13)−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−CH−、−CF−または−CR12F−である;
は、1〜5である;そして
は、1〜3である、
化合物。
【請求項15】
前記処方物が、約4〜約8のpHを有する、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記化合物が、遊離塩基である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記遊離塩基が、緩衝されている、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項18】
水中にて、請求項14に記載の凍結乾燥された処方物を構成することにより製造される、溶液。
【請求項19】
さらに、選択的セロトニン再取り込みインヒビター、セロトニン5−HTレセプタアンタゴニスト、置換ベンズアミドまたはコルチコステロイドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項20】
非経口投与に適合させた、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項21】
少なくとも1個のブチルエーテルスペーサ基で親油性空洞から分離された約1個〜約7個のスルホン酸ナトリウム基を有するポリアニオンβ−シクロデキストリン誘導体と混合して、NKアンタゴニストまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する、医薬組成物。

【公表番号】特表2007−515425(P2007−515425A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545570(P2006−545570)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/042893
【国際公開番号】WO2005/063243
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】