半導体ウェハとそれを用いた半導体集積回路装置の製造方法。
【課題】簡単にしかも低コストでウォータマークの発生を少なくできる洗浄・乾燥条件の選択を可能とした半導体ウェハと半導体集積回路装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハとして、同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを設ける。上記半導体ウェハを用いてウォータマークが最も少なくなる洗浄・乾燥条件を探し出して、その洗浄・乾燥条件により実際の回路機能を持つ半導体集積回路を形成する半導体ウェハの洗浄・乾燥を行う。
【解決手段】ウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハとして、同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを設ける。上記半導体ウェハを用いてウォータマークが最も少なくなる洗浄・乾燥条件を探し出して、その洗浄・乾燥条件により実際の回路機能を持つ半導体集積回路を形成する半導体ウェハの洗浄・乾燥を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウェハとそれを用いた半導体集積回路装置の製造方法に関し、ウォータマークの低減に向けた半導体ウェハの洗浄・乾燥技術に利用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造工程においては、基板である半導体ウェハを所定の薬液や純水等の洗浄液によって洗浄処理し、半導体ウェハからパーティクル、有機汚染分、金属不純物等のコンタミネーションや有機物、酸化膜を除去するための洗浄・乾燥工程がある。このような洗浄・乾燥工程において、半導体ウェハの表面に洗浄痕としてのウォータマークが発生すると素子パターン不良の原因となる。このようなウォータマークを低減させる洗浄方法及び装置等に関しては、特開2004−165618号公報、特開2004−063513号公報、特開2004−023048号公報、特開2002−110612号公報等多数がある。
【特許文献1】特開2004−165618号公報
【特許文献2】特開2004−063513号公報
【特許文献3】特開2004−023048号公報
【特許文献4】特開2002−110612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
洗浄工程での洗浄処理は、使用する洗浄装置のそれぞれにおいて使用する薬液等様々な条件があり、乾燥処理も使用する乾燥装置のそれぞれに対応して多様な方式がある。従来の洗浄・乾燥工程では、実際に製造する半導体ウェハについて、洗浄・乾燥された物の表面を目視等でチェックしながら、ウォータマークの発生が少なくなるよう洗浄条件・乾燥条件を選び、あるいは再調整する等のような試行錯誤を要する。つまり、従来のウォータマークの低減は、前記公報にあるように装置そのものの構造、方法等の改良に向けられているだけである。本願発明者等においては、半導体集積回路の回路パターンは様々であり、発生するウォータマークも様々であるので、様々な回路パターンの中から正しくウォータマークを探し出すのは熟練した者ではないと難しいことと、実際に製造する半導体ウェハを用いるので製造歩留りが悪くなるという問題に着目し、その解決に向けてウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハと、それを用いた半導体集積回路装置の製造方法についての発明に至った。
【0004】
この発明の目的は、簡単にしかも低コストでウォータマークの発生を低減できる半導体ウェハと半導体集積回路装置の製造方法を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される1つの実施例は、以下の通りである。ウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハとして、同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを設ける。
【0006】
本願において開示される他の1つの実施例は、以下の通りである。同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを有するウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての複数の半導体ウェハを用意する。第1工程では、上記複数の半導体ウェハのそれぞれに対して、複数通りの洗浄・乾燥条件にてそれぞれ洗浄・乾燥を行う。第2工程では、上記第1工程で処理された複数の半導体ウェハの中からウォータマスクの最も少ない半導体ウェハを抽出する。第3工程では、上記第2工程にて抽出された半導体ウェハに対する洗浄条件と乾燥条件で洗浄装置と乾燥装置の処理条件を設定する。第4工程では、上記第3工程で設定された処理条件で、所定の回路機能を持つ半導体集積回路を形成する半導体ウェハの洗浄・乾燥を行う。
【発明の効果】
【0007】
ウォータマーク検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハを開発することで、簡単にしかも低コストでウォータマークの発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1には、この発明に係る半導体ウェハの一実施例の概略平面図が示されている。この実施例の半導体ウェハは、半導体集積回路装置の製造段階で発生するウォータマークの発生要因を究明するために、要因究明に適した専用のパターンを形成することで、早期に要因を究明できるTEGとして用いられる。
【0009】
この実施例の半導体ウェハ1は、実際の半導体集積回路装置に対応した領域2が碁盤状に複数設けられる。上記領域2は、その1つが代表として拡大して例示的に示されているように、ウォータマークの発生要因の究明に適した専用の複数パターンが形成される。第1パターンPTT1aは、例えば配線チャネル等を模したもので一定のピッチで凸部と凹部が繰り返して配置される。第2パターンPTT1bは、上記第1パターンPTT1aに比べて凸部と凹部の幅(ピッチ幅)が異なるだけで同様なパターンとされる。
【0010】
上記第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、1組として領域2に全体として5組設けられる。上記5組のうちの2組の第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、半導体ウェハ1の第1方向(Y軸)に延びる長方形のエリアに上記領域2の左右両側に第2方向(X軸)に並んで配置される。上記5組のうちの2組の上記第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、半導体ウェハ1の第2方向(X軸)に延びる長方形のエリアに上記領域2の上下両側に直線的に並んで配置される。残り1組の上記第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、上記領域2のほぼ中央下部に第2方向(X軸)に延びる長方形のエリアに上下並んで配置される。
【0011】
第3パターンPTT2aは、例えば配線抵抗パターンを模したもので、凸部と凹部によるパターンが折れ曲がって連続するパターンである。第4パターンPTT2bは、上記第3パターンPTT2aに比べて凸部と凹部の幅(ピッチ幅)が異なるだけで同様なパターンとされる。上記第3及び第4パターンPTT2a,PTT2bは、上記領域2のほぼ中央上部に第2方向(X軸)に延びる長方形のエリアに上下並んで配置される。そして、第5パターンPTT3は、例えば線間容量を模したパターンであり、上記第2パターンPTT1bの下側に設けられる。
【0012】
上記領域2のうち、第1ないし第5パターンPTT1a〜PTT3が形成されない領域は、何もパターンが形成されない領域であり、この何もパターンが存在しない領域もまた、ウォータマークの検出を容易にするために利用される。上記領域2は、半導体ウェハ1に前記碁盤目上に同じパターンのものが形成される。つまり、半導体集積回路装置が形成される半導体ウェハと同様な構成にされる。
【0013】
図2には、ウォータマークの発生要因の究明に適したパターンの一実施例の断面図が示されている。同図において、半導体ウェハ(シリコン基板)3の表面にシリコン酸化膜(SiO2)4がLP−VCD法により形成され、選択的に除去されて前記各種パターンPTT1a〜PTT3が形成される。つまり、シリコン酸化膜4が形成された部分が凸部とされ、上記シリコン酸化膜4が選択的に除去されてシリコン基板3の表面が露出した部分が凹部としてパターンが形成される。上記凸部と凹部の表面部、つまりは上記シリコン酸化膜4と露出したシリコン基板3の表面を覆うようにポリシリコン膜(Poly-Si)5が形成される。上記ポリシリコン膜5には、N型不純物が導入される。上記半導体ウェハ1(シリコン基板3)は、直径が約200mmの大きさとされ、シリコン酸化膜4は約500nmの高さにされる。
【0014】
上記N型にされたポリシリコン膜5は、電子が過剰に含まれているために酸化反応が発生しやすく、洗浄ムラとなったH2O(純水)が容易にSiO2になり、ウォータマークとして検出しやすくなるという特長を有する。
【0015】
図3には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの一例の説明図が示されている。同図においては、縦方向に延びる溝部に斜め方向にウォータマークが発生している。このように溝のパターンは、縦方向に延びる直線の繰り返しであるので、そこに同図のような斜めに走るウォータマークが発生すると、上記縦方向の繰り返しパターンとは異なる模様が入ることとなり、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0016】
図4には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、横方向に延びる段差部の凹側にほぼ円形のウォータマークが発生している。この横方向に延びる段差部のパターンは、同図のような円形のウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線パターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0017】
図5には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、横方向に延びる段差部の凹側にほぼ山形のウォータマークが発生している。この横方向に延びる段差部のパターンは、同図のような山形のウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線パターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0018】
図6には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、折れ曲がり部の角部(コーナー)の凸側にほぼ円状のウォータマークが発生し、凹側に三角状のウォータマークが発生ている。このような単純の形状の折れ曲がりパターンに対して、その角部において同図のような円状と三角状のウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直角パターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0019】
図7には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、前記図3と同様に縦方向に延びる凹部の一部に沿ってウォータマークが発生している。このように溝のパターンは、縦方向に延びる直線の繰り返しであるので、そこに同図のような繰り返しパターンとは異なるウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0020】
図8には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、折れ曲がりパターンにおける折れ曲がり部に凹側にウォータマークが発生している。このように折れ曲がりパターンの折れ曲がり部は、凹部が1つの長方形として認識され、同様なパターンが並ぶなかで、1つに同図のようなウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0021】
図9には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、同じ大きさ四角形からなる凸部が同じ間隔で整列しているパターンにおいて、一部の四角の回りにウォータマークが発生している。このように四角模様のパターンの中に、同図のようなウォータマークが発生すると、規則的な繰り返し模様とは異なる模様になってしまうので、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0022】
図10には、この発明に係る半導体ウェハの有用性の説明図が示されている。図10の(A)は、半導体集積回路装置の製造プロセスにおいてウォータマークが多数検出された洗浄・乾燥条件により、本願発明に係る半導体ウェハを洗浄・乾燥した場合のウォータマークの分布図が示されている。図10の(B)は、半導体集積回路装置の製造プロセスにおいてウォータマークの検出が少ないとされた洗浄・乾燥条件により、本願発明に係る半導体ウェハを洗浄・乾燥した場合のウォータマークの分布図が示されている。
【0023】
この発明に係る半導体ウェハは、特定の半導体集積回路装置の製造プロセスの中で使用されるものである。上記特定の半導体集積回路装置の製造プロセスにおいて、その洗浄・乾燥に先立って、本願発明に係る半導体ウェハを使用する洗浄装置及び乾燥装置により、洗浄・乾燥してウォータマークの検出を行う。複数の半導体ウェハを用いて複数通りの洗浄・乾燥条件により洗浄・乾燥を行いそれぞれについてウォータマークを検出し、最もウォータマークの発生が少ない乾燥・条件を選び、上記特定の半導体集積回路装置の洗浄・乾燥に適用する。
【0024】
この発明に係る半導体ウェハは、前記のように単純なパターンであり、様々な半導体集積回路装置に共通に用いられるので低コストで製造できる。したがって、従来のように実際の半導体集積回路装置が形成される半導体ウェハを用いてウォータマークを検出する従来技術に比べて大幅に低コストで洗浄・乾燥処理を行うことができ、製造される半導体集積回路装置の歩留りも高くできる。
【0025】
現時点において、本願発明に係る半導体ウェハは試作段階であり、前記のような半導体集積回路装置の製造プロセスには適用されてはいない。そこで、本願発明に係る半導体ウェハの有用性を検証するために、前記図10(A),(B)で示したように、既に行われ半導体集積回路装置の製造プロセスについて得られたデータ、つまりはウォータマークが多数発生された洗浄・乾燥条件により本願発明に係る半導体ウェハを処理するとそれを反映した図10(A)のような結果が得られ、ウォータマークの発生が少ない洗浄・乾燥条件により本願発明に係る半導体ウェハを処理するとそれを反映した図10(B)のような結果が得られたものである。これにより、ウォータマークの発生条件は、実際に処理するパターンとは異なるパターンを用いても十分に評価することができる。
【0026】
図11には、この発明に係る半導体ウェハの有用性の他の説明図が示されている。図11(A),(B)及び(C)には、それぞれ異なる条件で本願発明に係る半導体ウェハを洗浄・乾燥した場合のウォータマークの分布が示されている。
【0027】
図11(A)は、薬液Aを用いて洗浄し、乾燥方式Cを用いた例であり、多数のウォータマークの分布が認められる。
【0028】
図11(B)は、薬液A+超音波を用いて洗浄し、乾燥方式Cを用いた例であり、ウォータマークの分布が認められない。
【0029】
図11(C)は、薬液Bを用いて洗浄し、乾燥方式Dを用いた例であり、ウォータマークの分布が少し認められる。
【0030】
上記図11(A)〜(C)中では、図11(B)の洗浄・乾燥条件が最もウォータマークの発生が少ないので、この洗浄装置及び乾燥装置を用いた場合には、(B)の薬液A+超音波を用いて洗浄し、乾燥方式Cで乾燥すればよいことが判る。
【0031】
実際の半導体集積回路装置の洗浄・乾燥プロセスにおいて、上記(B)の薬液A+超音波を用いて洗浄し、乾燥方式Cで乾燥した場合のウォータマークによる不良発生を調べることは現時点では行われていないが、図11から判ることは、洗浄・乾燥条件を異ならせると、検出されるウォータマークの分布が異なることから、本願発明に係る半導体ウェハの有用性が間接的にではあるが認められることを示している。
【0032】
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、ウォータマークを検出するパターンは、前記のように同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンと、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンとを有するものであればよい。半導体ウェハに形成されるパターンの構造は、前記のような酸化膜とポリシリコン膜を用いるものの他、電極パターンも含ませるもの等種々の実施形態を採ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明は、ウォータマークの低減される洗浄・乾燥条件の評価を行う半導体ウェハと、それを用いた半導体集積回路装置の製造方法として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明に係る半導体ウェハの一実施例の概略平面図である。
【図2】ウォータマークの発生要因の究明に適したパターンの一実施例の断面図である。
【図3】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの一例の説明図である。
【図4】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図5】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図6】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図7】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図8】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図9】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図10】この発明に係る半導体ウェハの有用性の説明図である。
【図11】この発明に係る半導体ウェハの有用性の他の説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1…半導体ウェハ、2…領域、3…シリコン基板、4…シリコン酸化膜、5…ポリシリコン膜
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウェハとそれを用いた半導体集積回路装置の製造方法に関し、ウォータマークの低減に向けた半導体ウェハの洗浄・乾燥技術に利用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造工程においては、基板である半導体ウェハを所定の薬液や純水等の洗浄液によって洗浄処理し、半導体ウェハからパーティクル、有機汚染分、金属不純物等のコンタミネーションや有機物、酸化膜を除去するための洗浄・乾燥工程がある。このような洗浄・乾燥工程において、半導体ウェハの表面に洗浄痕としてのウォータマークが発生すると素子パターン不良の原因となる。このようなウォータマークを低減させる洗浄方法及び装置等に関しては、特開2004−165618号公報、特開2004−063513号公報、特開2004−023048号公報、特開2002−110612号公報等多数がある。
【特許文献1】特開2004−165618号公報
【特許文献2】特開2004−063513号公報
【特許文献3】特開2004−023048号公報
【特許文献4】特開2002−110612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
洗浄工程での洗浄処理は、使用する洗浄装置のそれぞれにおいて使用する薬液等様々な条件があり、乾燥処理も使用する乾燥装置のそれぞれに対応して多様な方式がある。従来の洗浄・乾燥工程では、実際に製造する半導体ウェハについて、洗浄・乾燥された物の表面を目視等でチェックしながら、ウォータマークの発生が少なくなるよう洗浄条件・乾燥条件を選び、あるいは再調整する等のような試行錯誤を要する。つまり、従来のウォータマークの低減は、前記公報にあるように装置そのものの構造、方法等の改良に向けられているだけである。本願発明者等においては、半導体集積回路の回路パターンは様々であり、発生するウォータマークも様々であるので、様々な回路パターンの中から正しくウォータマークを探し出すのは熟練した者ではないと難しいことと、実際に製造する半導体ウェハを用いるので製造歩留りが悪くなるという問題に着目し、その解決に向けてウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハと、それを用いた半導体集積回路装置の製造方法についての発明に至った。
【0004】
この発明の目的は、簡単にしかも低コストでウォータマークの発生を低減できる半導体ウェハと半導体集積回路装置の製造方法を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される1つの実施例は、以下の通りである。ウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハとして、同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを設ける。
【0006】
本願において開示される他の1つの実施例は、以下の通りである。同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを有するウォータマークの検出を容易にしたTEGとしての複数の半導体ウェハを用意する。第1工程では、上記複数の半導体ウェハのそれぞれに対して、複数通りの洗浄・乾燥条件にてそれぞれ洗浄・乾燥を行う。第2工程では、上記第1工程で処理された複数の半導体ウェハの中からウォータマスクの最も少ない半導体ウェハを抽出する。第3工程では、上記第2工程にて抽出された半導体ウェハに対する洗浄条件と乾燥条件で洗浄装置と乾燥装置の処理条件を設定する。第4工程では、上記第3工程で設定された処理条件で、所定の回路機能を持つ半導体集積回路を形成する半導体ウェハの洗浄・乾燥を行う。
【発明の効果】
【0007】
ウォータマーク検出を容易にしたTEGとしての半導体ウェハを開発することで、簡単にしかも低コストでウォータマークの発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1には、この発明に係る半導体ウェハの一実施例の概略平面図が示されている。この実施例の半導体ウェハは、半導体集積回路装置の製造段階で発生するウォータマークの発生要因を究明するために、要因究明に適した専用のパターンを形成することで、早期に要因を究明できるTEGとして用いられる。
【0009】
この実施例の半導体ウェハ1は、実際の半導体集積回路装置に対応した領域2が碁盤状に複数設けられる。上記領域2は、その1つが代表として拡大して例示的に示されているように、ウォータマークの発生要因の究明に適した専用の複数パターンが形成される。第1パターンPTT1aは、例えば配線チャネル等を模したもので一定のピッチで凸部と凹部が繰り返して配置される。第2パターンPTT1bは、上記第1パターンPTT1aに比べて凸部と凹部の幅(ピッチ幅)が異なるだけで同様なパターンとされる。
【0010】
上記第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、1組として領域2に全体として5組設けられる。上記5組のうちの2組の第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、半導体ウェハ1の第1方向(Y軸)に延びる長方形のエリアに上記領域2の左右両側に第2方向(X軸)に並んで配置される。上記5組のうちの2組の上記第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、半導体ウェハ1の第2方向(X軸)に延びる長方形のエリアに上記領域2の上下両側に直線的に並んで配置される。残り1組の上記第1及び第2パターンPTT1a,PTT1bは、上記領域2のほぼ中央下部に第2方向(X軸)に延びる長方形のエリアに上下並んで配置される。
【0011】
第3パターンPTT2aは、例えば配線抵抗パターンを模したもので、凸部と凹部によるパターンが折れ曲がって連続するパターンである。第4パターンPTT2bは、上記第3パターンPTT2aに比べて凸部と凹部の幅(ピッチ幅)が異なるだけで同様なパターンとされる。上記第3及び第4パターンPTT2a,PTT2bは、上記領域2のほぼ中央上部に第2方向(X軸)に延びる長方形のエリアに上下並んで配置される。そして、第5パターンPTT3は、例えば線間容量を模したパターンであり、上記第2パターンPTT1bの下側に設けられる。
【0012】
上記領域2のうち、第1ないし第5パターンPTT1a〜PTT3が形成されない領域は、何もパターンが形成されない領域であり、この何もパターンが存在しない領域もまた、ウォータマークの検出を容易にするために利用される。上記領域2は、半導体ウェハ1に前記碁盤目上に同じパターンのものが形成される。つまり、半導体集積回路装置が形成される半導体ウェハと同様な構成にされる。
【0013】
図2には、ウォータマークの発生要因の究明に適したパターンの一実施例の断面図が示されている。同図において、半導体ウェハ(シリコン基板)3の表面にシリコン酸化膜(SiO2)4がLP−VCD法により形成され、選択的に除去されて前記各種パターンPTT1a〜PTT3が形成される。つまり、シリコン酸化膜4が形成された部分が凸部とされ、上記シリコン酸化膜4が選択的に除去されてシリコン基板3の表面が露出した部分が凹部としてパターンが形成される。上記凸部と凹部の表面部、つまりは上記シリコン酸化膜4と露出したシリコン基板3の表面を覆うようにポリシリコン膜(Poly-Si)5が形成される。上記ポリシリコン膜5には、N型不純物が導入される。上記半導体ウェハ1(シリコン基板3)は、直径が約200mmの大きさとされ、シリコン酸化膜4は約500nmの高さにされる。
【0014】
上記N型にされたポリシリコン膜5は、電子が過剰に含まれているために酸化反応が発生しやすく、洗浄ムラとなったH2O(純水)が容易にSiO2になり、ウォータマークとして検出しやすくなるという特長を有する。
【0015】
図3には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの一例の説明図が示されている。同図においては、縦方向に延びる溝部に斜め方向にウォータマークが発生している。このように溝のパターンは、縦方向に延びる直線の繰り返しであるので、そこに同図のような斜めに走るウォータマークが発生すると、上記縦方向の繰り返しパターンとは異なる模様が入ることとなり、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0016】
図4には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、横方向に延びる段差部の凹側にほぼ円形のウォータマークが発生している。この横方向に延びる段差部のパターンは、同図のような円形のウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線パターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0017】
図5には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、横方向に延びる段差部の凹側にほぼ山形のウォータマークが発生している。この横方向に延びる段差部のパターンは、同図のような山形のウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線パターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0018】
図6には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、折れ曲がり部の角部(コーナー)の凸側にほぼ円状のウォータマークが発生し、凹側に三角状のウォータマークが発生ている。このような単純の形状の折れ曲がりパターンに対して、その角部において同図のような円状と三角状のウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直角パターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0019】
図7には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、前記図3と同様に縦方向に延びる凹部の一部に沿ってウォータマークが発生している。このように溝のパターンは、縦方向に延びる直線の繰り返しであるので、そこに同図のような繰り返しパターンとは異なるウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0020】
図8には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、折れ曲がりパターンにおける折れ曲がり部に凹側にウォータマークが発生している。このように折れ曲がりパターンの折れ曲がり部は、凹部が1つの長方形として認識され、同様なパターンが並ぶなかで、1つに同図のようなウォータマークが発生すると、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0021】
図9には、この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図が示されている。同図においては、同じ大きさ四角形からなる凸部が同じ間隔で整列しているパターンにおいて、一部の四角の回りにウォータマークが発生している。このように四角模様のパターンの中に、同図のようなウォータマークが発生すると、規則的な繰り返し模様とは異なる模様になってしまうので、さほど熟練を要することなく認識が容易になる。したがって、上記単純な直線の繰り返しパターンが基準となるので、比較的簡単な自動パターン認識技術によっても容易に上記ウォータマークの検出も可能になる。
【0022】
図10には、この発明に係る半導体ウェハの有用性の説明図が示されている。図10の(A)は、半導体集積回路装置の製造プロセスにおいてウォータマークが多数検出された洗浄・乾燥条件により、本願発明に係る半導体ウェハを洗浄・乾燥した場合のウォータマークの分布図が示されている。図10の(B)は、半導体集積回路装置の製造プロセスにおいてウォータマークの検出が少ないとされた洗浄・乾燥条件により、本願発明に係る半導体ウェハを洗浄・乾燥した場合のウォータマークの分布図が示されている。
【0023】
この発明に係る半導体ウェハは、特定の半導体集積回路装置の製造プロセスの中で使用されるものである。上記特定の半導体集積回路装置の製造プロセスにおいて、その洗浄・乾燥に先立って、本願発明に係る半導体ウェハを使用する洗浄装置及び乾燥装置により、洗浄・乾燥してウォータマークの検出を行う。複数の半導体ウェハを用いて複数通りの洗浄・乾燥条件により洗浄・乾燥を行いそれぞれについてウォータマークを検出し、最もウォータマークの発生が少ない乾燥・条件を選び、上記特定の半導体集積回路装置の洗浄・乾燥に適用する。
【0024】
この発明に係る半導体ウェハは、前記のように単純なパターンであり、様々な半導体集積回路装置に共通に用いられるので低コストで製造できる。したがって、従来のように実際の半導体集積回路装置が形成される半導体ウェハを用いてウォータマークを検出する従来技術に比べて大幅に低コストで洗浄・乾燥処理を行うことができ、製造される半導体集積回路装置の歩留りも高くできる。
【0025】
現時点において、本願発明に係る半導体ウェハは試作段階であり、前記のような半導体集積回路装置の製造プロセスには適用されてはいない。そこで、本願発明に係る半導体ウェハの有用性を検証するために、前記図10(A),(B)で示したように、既に行われ半導体集積回路装置の製造プロセスについて得られたデータ、つまりはウォータマークが多数発生された洗浄・乾燥条件により本願発明に係る半導体ウェハを処理するとそれを反映した図10(A)のような結果が得られ、ウォータマークの発生が少ない洗浄・乾燥条件により本願発明に係る半導体ウェハを処理するとそれを反映した図10(B)のような結果が得られたものである。これにより、ウォータマークの発生条件は、実際に処理するパターンとは異なるパターンを用いても十分に評価することができる。
【0026】
図11には、この発明に係る半導体ウェハの有用性の他の説明図が示されている。図11(A),(B)及び(C)には、それぞれ異なる条件で本願発明に係る半導体ウェハを洗浄・乾燥した場合のウォータマークの分布が示されている。
【0027】
図11(A)は、薬液Aを用いて洗浄し、乾燥方式Cを用いた例であり、多数のウォータマークの分布が認められる。
【0028】
図11(B)は、薬液A+超音波を用いて洗浄し、乾燥方式Cを用いた例であり、ウォータマークの分布が認められない。
【0029】
図11(C)は、薬液Bを用いて洗浄し、乾燥方式Dを用いた例であり、ウォータマークの分布が少し認められる。
【0030】
上記図11(A)〜(C)中では、図11(B)の洗浄・乾燥条件が最もウォータマークの発生が少ないので、この洗浄装置及び乾燥装置を用いた場合には、(B)の薬液A+超音波を用いて洗浄し、乾燥方式Cで乾燥すればよいことが判る。
【0031】
実際の半導体集積回路装置の洗浄・乾燥プロセスにおいて、上記(B)の薬液A+超音波を用いて洗浄し、乾燥方式Cで乾燥した場合のウォータマークによる不良発生を調べることは現時点では行われていないが、図11から判ることは、洗浄・乾燥条件を異ならせると、検出されるウォータマークの分布が異なることから、本願発明に係る半導体ウェハの有用性が間接的にではあるが認められることを示している。
【0032】
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、ウォータマークを検出するパターンは、前記のように同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンと、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンとを有するものであればよい。半導体ウェハに形成されるパターンの構造は、前記のような酸化膜とポリシリコン膜を用いるものの他、電極パターンも含ませるもの等種々の実施形態を採ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明は、ウォータマークの低減される洗浄・乾燥条件の評価を行う半導体ウェハと、それを用いた半導体集積回路装置の製造方法として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明に係る半導体ウェハの一実施例の概略平面図である。
【図2】ウォータマークの発生要因の究明に適したパターンの一実施例の断面図である。
【図3】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの一例の説明図である。
【図4】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図5】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図6】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図7】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図8】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図9】この発明に係る半導体ウェハに発生したウォータマークの他の一例の説明図である。
【図10】この発明に係る半導体ウェハの有用性の説明図である。
【図11】この発明に係る半導体ウェハの有用性の他の説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1…半導体ウェハ、2…領域、3…シリコン基板、4…シリコン酸化膜、5…ポリシリコン膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、
同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを有する、
半導体ウェハ。
【請求項2】
請求項1において、
上記第1領域と第2領域は、半導体ウェハ上に碁盤目状の複数領域のそれぞれに形成される、
半導体ウェハ。
【請求項3】
請求項2において、
上記第1ウォータマーク及び第2ウォータマークは、半導体ウェハ基板上に選択的に形成されたシリコン酸化膜と、
上記シリコン酸化膜及び上記シリコン酸化膜が形成されない上記半導体ウェハ表面を覆うように形成されたポリシリコン膜とを有する、
半導体ウェハ。
【請求項4】
同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを有する複数の半導体ウェハのそれぞれを用い、複数通りの洗浄・乾燥条件にてそれぞれを洗浄・乾燥を行う第1工程と、
上記第1工程で処理された複数の半導体ウェハの中からウォータマスクの最も少ない半導体ウェハを抽出する第2工程と、
上記第2工程にて抽出された半導体ウェハに対する洗浄条件と乾燥条件で洗浄装置と乾燥装置の処理条件を設定する第3工程と、
上記第3工程で設定された洗浄条件と乾燥条件で、所定の回路機能を持つ半導体集積回路を形成する半導体ウェハの洗浄・乾燥を行う第4工程とを含む、
半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4において、
上記第1ウォータマーク及び第2ウォータマークは、半導体ウェハ基板上に選択的に形成されたシリコン酸化膜と、上記シリコン酸化膜及び上記シリコン酸化膜が形成されない上記半導体ウェハ表面を覆うように形成されたポリシリコン膜とを有する、
半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項1】
同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、
同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを有する、
半導体ウェハ。
【請求項2】
請求項1において、
上記第1領域と第2領域は、半導体ウェハ上に碁盤目状の複数領域のそれぞれに形成される、
半導体ウェハ。
【請求項3】
請求項2において、
上記第1ウォータマーク及び第2ウォータマークは、半導体ウェハ基板上に選択的に形成されたシリコン酸化膜と、
上記シリコン酸化膜及び上記シリコン酸化膜が形成されない上記半導体ウェハ表面を覆うように形成されたポリシリコン膜とを有する、
半導体ウェハ。
【請求項4】
同じパターンの繰り返しが第1方向に並ぶ第1ウォータマーク検出パターンを含む第1領域と、同じパターンの繰り返しが上記第1方向と直交する第2方向に並ぶ第2ウォータマーク検出パターンを含む第2領域とを有する複数の半導体ウェハのそれぞれを用い、複数通りの洗浄・乾燥条件にてそれぞれを洗浄・乾燥を行う第1工程と、
上記第1工程で処理された複数の半導体ウェハの中からウォータマスクの最も少ない半導体ウェハを抽出する第2工程と、
上記第2工程にて抽出された半導体ウェハに対する洗浄条件と乾燥条件で洗浄装置と乾燥装置の処理条件を設定する第3工程と、
上記第3工程で設定された洗浄条件と乾燥条件で、所定の回路機能を持つ半導体集積回路を形成する半導体ウェハの洗浄・乾燥を行う第4工程とを含む、
半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4において、
上記第1ウォータマーク及び第2ウォータマークは、半導体ウェハ基板上に選択的に形成されたシリコン酸化膜と、上記シリコン酸化膜及び上記シリコン酸化膜が形成されない上記半導体ウェハ表面を覆うように形成されたポリシリコン膜とを有する、
半導体集積回路装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−98018(P2010−98018A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265904(P2008−265904)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000233169)株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ (327)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000233169)株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズ (327)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]