説明

半導体ウェハ搬送装置および半導体ウェハ搬送方法

【課題】構成を複雑にすることなく、設置面積を減少させ、効率的な半導体の搬送を行うことが可能な半導体ウェハ搬送装置および搬送方法を提供する。
【解決手段】収容室29内では二つの駆動アーム25a,25bが収容されている。それぞれハウジング22内で上下逆さまの位置関係で支持されている駆動機構21a,21bは上記駆動アーム25a,25bを対面させつつ、両者が収容室29内で保持されるような位置関係となっている。それぞれの駆動機構21a,21bは独立したものであり、単体での利用が可能なものをこのように上下逆さまにして一つのモジュールであるハウジング22内に収容している。このようにすることで、デュアルアーム搬送機構を実現しつつ、機構は従前のシングルアーム搬送機構のままであるから、構成を複雑にすることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ搬送装置および半導体ウェハ搬送方法に関し、特に、半導体ウェハの製造工程で半導体ウェハを搬送する際に使用する半導体ウェハ搬送装置および半導体ウェハ搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動アームが一つのいわゆるシングルアーム搬送機構では、半導体ウェハを1枚づつ搬送するため、半導体ウェハの処理には時間がかかってしまう。半導体処理装置の処理速度を上げるにしても、搬送機構における機械的な処理速度の向上には限界があり、スループット向上を制限してしまう。そこで、近年では半導体製造装置の搬送機構は駆動アームが二つのいわゆるダブルアーム搬送機構を有するものに次第に置き換えられてきている。
ところが、ダブルアーム搬送機構を有する半導体ウェハ搬送装置では、独立してアームを駆動させる動力源が2つ必要となるため、これらを平面的に配置する場合、モジュール全体が大きくなり、装置全体の設置面積が大きくなる。
【0003】
一方、半導体ウェハサイズはL&Sの微細化と逆比例して大口径化するため、それに対応して半導体製造装置のサイズも大きくなる。ところがクリーンルームの広さについては限りがあるため、半導体ウェハ搬送装置などの付帯設備については設置面積を極力減少させる必要がある。
上述した平面的に配置するデュアル搬送システムでは、駆動部の物理的な大きさから、半導体ウェハ搬送装置の設置面積を減少させることが困難であった。
接地面積の減少を実現するため二つの動力源を同軸の駆動軸に連結し、同軸とした駆動軸の一端にて二つの駆動アームを駆動させる構成も知られている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特表2002−534282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二つの動力源を同軸の駆動軸に連結し、同軸とした駆動軸の一端にて二つの駆動アームを駆動させるダブルアーム搬送機構の場合、接地面積を減少させることは可能であるが、内部の機構そのものが複雑となるし、メンテナンスが複雑になる。さらに、単一の駆動アームだけでよい場合には一つ余ってしまうということも生じる。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、構成を複雑にすることなく、接地面積を減少させ、効率的な半導体の搬送を行うことが可能な半導体ウェハ搬送装置および半導体ウェハ搬送方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、半導体ウェハを載置して搬送する半導体ウェハ搬送装置であって、一つの駆動軸の一端に駆動アームを備えたそれぞれ独立した駆動機構を一対備え、各駆動アームが備えられた端部同士を対面させるように互いに反転した位置関係で配置し、同対面部分において二つの独立した駆動アームを備える構成としてある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
上記発明の構成によれば、独立した駆動機構を一対備えており、各駆動機構は一つの駆動軸の一端に駆動アームを備えたものである。そして、各駆動アームが備えられた端部同士を対面させるように各駆動機構を互いに反転した位置関係で配置する。
すると、接地面積については、二つの駆動機構を互いに反転した状態で対面しているので、一つ分の接地面積しか要しない。また、同対面部分において二つの独立した駆動アームが位置することになるから、ほぼ同じ空間において搬送能力は倍増する。
【0008】
このように、シングルアーム搬送機構のモジュールの大きさを維持しながら、独立した搬送機構をほぼ上下対称に配置することにより、シングルアーム搬送機構の設置面積を同等としながら、独立に動作が制御可能なダブルアームを有するデュアル搬送システムを提供することができる。
上下対称に配置可能な駆動機構の一例として、内部に駆動装置を備えた略円柱形の本体と、同本体の一端から突出する駆動軸と、同駆動軸の端部に連結される駆動アームとを備え、上記駆動軸による駆動力を得て上記駆動アームが所定の搬送動作を行う構成とすることが可能である。
【0009】
上記のような構成とした場合、略円柱形とした本体の上端から駆動軸が突出し、同駆動軸の端部に駆動アームが連結されている。従って、駆動アームの側を対面させて配置すれば、長さは本来の円柱形の約二倍となるも、接地面積は元の本体の大きさのままとなる。また、両者が対面している部分では、両側の本体からそれぞれ駆動軸が突き出る状態となり、その間に二つの駆動アームが保持される。駆動アームはこの部位で駆動軸から駆動力を与えられて所定の搬送動作を行うことになる。駆動軸から駆動アームへの駆動力の伝達は回転力に基づいてギア機構などを介して行うことが可能である。
【0010】
駆動アームの一例として、上記駆動軸の端部に一端を連結されて枢動駆動される第一の回転アームと、この第一の回転アームにおける他端に連結されて当該第一の回転アームの回転平面と平行な平面内で枢動駆動される第二の回転アームと、この第二の回転アームにおける他端に連結されて当該第二の回転アームの回転平面と平行な平面内で枢動駆動されるとともに回転軸方向と平行に移動可能なエンドエフェクタとを有する構成とすることができる。
【0011】
第一の回転アームが駆動軸の回転によって枢動駆動され、第二の回転アームはその端部においてさらに枢動駆動される。この結果、第二の回転アームの端部は駆動軸の径方向に向かって自由に伸び縮み可能となる。さらに、第二の回転アームの端部にはエンドエフェクタが支持されており、エンドエフェクタと第二の回転アームとの相対回転、および第二の回転アームと第一の回転アームとの相対回転とにより、エンドエフェクタは上記駆動軸の径方向への平行駆動と、回転駆動とが可能となる。また、エンドエフェクタは駆動軸の軸方向への直線駆動も可能であり、この直線駆動動作によって半導体ウェハをエンドエフェクタにて載置したり、所定位置で下ろしたりするという動作が可能となる。
【0012】
一対の駆動機構を所定の位置関係で配置するため、上記一対の駆動機構を気密的に収容する構成とすることができる。
また、この一対の駆動機構における上記一対の駆動アームの対面部位を収容室内に気密的に収容し、かつ、当該収容室の四方には開口を形成することで、上記エンドエフェクタは上記開口を介して上記収容室の内外へ駆動されるとともに、軸方向へ駆動されることが可能となる。
四方に開口を有することにより、上記収容室は、半導体ウェハに対して所望の処理を施すプロセスモジュールと接続可能であるとともに、上記開口を介して同プロセスモジュール内の処理室と連通するように構成しても良い。
【0013】
また、同様に、上記収容室は、半導体ウェハを搬送する際に一時載置するロードロックチャンバと接続可能であるとともに、上記開口を介して同ロードロックチャンバ内と上記収容室とが連通するとともに所定の気密扉によって気密的に遮蔽可能とすることも可能である。
ロードロックチャンバにおいては、そもそも半導体ウェハを載置して保持するものであるから、上記収容室内の一対のエンドエフェクタに対応して、上記ロードロックチャンバは、一対の半導体ウェハ搭載用のスロットを有する構成とすることができる。
【0014】
この他、上記収容室は、搬送モジュールに接続する構成としても良い。なお、広義においてはロードロックチャンバや搬送モジュールは半導体ウェハを一時載置するバッファの一種といえる。
以上のような半導体ウェハ搬送装置は、その構成として発明を把握することも可能であるが、その動作において方法の発明として理解することも可能である。すなわち、一つの駆動軸の一端に駆動アームを備えたそれぞれ独立した駆動機構を一対備え、各駆動アームが備えられた端部同士を対面させるように互いに反転した位置関係で配置し、同対面部分において二つの独立した駆動アームを備えた半導体ウェハ搬送装置にて半導体ウェハを搬送する半導体ウェハ搬送方法であって、上記駆動機構を独立して駆動させることにより、上記二つの独立した駆動アームを独立して駆使することで、二つの半導体ウェハを独立して搬送する方法を発明とすることもできる。
【0015】
以上説明したように、本発明によればシングルアーム搬送機構を用いた半導体ウェハ搬送装置と同じ大きさ程度に半導体ウェハ搬送装置の大きさを保ちながら、スループットを飛躍的に向上させる半導体ウェハ搬送装置が実現可能であり、さらにこの半導体ウェハ搬送装置を複数個連結させることにより、半導体製造の複数の製造プロセスを集約させながら高スループットを実現することが可能となる。
この具体的な構成については、以下、添付図面にもとづいて本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の半導体ウェハ搬送装置が適用される半導体製造装置の概略配置状態を平面図により示している。また、図2は、同半導体製造装置を概略断面図により示している。
図において、半導体ウェハ搬送装置が適用される半導体製造装置10は、カセット状の搬送ケース内に複数枚の半導体ウェハを収容するEFEM11と、同EFEM11との間で半導体ウェハを受け渡しするロードロックチャンバ(L/L)12と、本半導体ウェハ搬送装置20と、半導体ウェハに対して所定の処理を実施するプロセスモジュール13a〜13cとから構成されている。半導体ウェハ搬送装置20は、四方を、一台のロードロックチャンバ12と、三台のプロセスモジュール13a〜13cに取り囲まれるように接続され、周囲の装置の間で自由に半導体ウェハを搬送(搬入、搬出)することができる。
【0017】
このように半導体ウェハ搬送装置は、ロードロックチャンバ12やプロセスモジュール13a〜13cなどと接続可能となっている。
図2に示すように、半導体ウェハ搬送装置20は、ロードロックチャンバ12とプロセスモジュール13bとの間に介在されている。このため、例えば、ロードロックチャンバ12内に保持されている未処理の半導体ウェハをプロセスモジュール13b内に搬送し、同時に、処理後の半導体ウェハをプロセスモジュール13bからロードロックチャンバ12へ戻すという搬送も可能である。
【0018】
半導体ウェハ搬送装置20内には、ほぼ同一の構成からなる一対の駆動機構21a,21bが互いに端部同士を対面させて備えられている。それぞれの駆動機構21a,21bはいわゆるシングルアーム搬送機構であり、上下逆さまの反転した位置関係となるように二つが配置され、保持されている。各駆動機構21a,21bは、内部に駆動装置を備えた略円柱形の本体23a,23bと、同本体23a,23bの一端から突出する駆動軸24a,24bと、同駆動軸24a,24bの端部に連結される駆動アーム25a,25bとを備えている。なお、上下一対の駆動機構21a,21bはケースとなるハウジング22内に収容されている。本明細書において、駆動機構21a,21bのように一対存在する部材などを駆動機構21と総称することもある。
【0019】
図3は、半導体ウェハ搬送装置20とロードロックチャンバ12とプロセスモジュール13bとをより詳細に示す要部断面図であり、図4はこれらを上面より示している。
駆動アーム25aは、上記駆動軸24aの端部に一端を連結されて枢動駆動される第一の回転アーム26aと、この第一の回転アーム26aにおける他端に連結されて当該第一の回転アーム26aの回転平面と平行な平面内で枢動駆動される第二の回転アーム27aと、この第二の回転アーム27aにおける他端に連結されて当該第二の回転アーム27aの回転平面と平行な平面内で枢動駆動されるとともに回転軸方向と平行に移動可能なエンドエフェクタ28aとを有している。
駆動アーム25bも構成は駆動アーム25aとほぼ同様であり、上記駆動軸24bの端部に一端を連結されて枢動駆動される第一の回転アーム26bと、この第一の回転アーム26bにおける他端に連結されて当該第一の回転アーム26bの回転平面と平行な平面内で枢動駆動される第二の回転アーム27bと、この第二の回転アーム27bにおける他端に連結されて当該第二の回転アーム27bの回転平面と平行な平面内で枢動駆動されるとともに回転軸方向と平行に移動可能なエンドエフェクタ28bとを有している。
駆動アーム25aと、駆動アーム25bとは、基本的に同一のものを採用可能である。しかし、駆動機構21a,21bが上下逆さまに配置されているため、エンドエフェクタ28aとエンドエフェクタ28bが半導体ウェハを載置したり、下ろしたりする作業において、駆動軸24aと駆動軸24bとに対する進退方向が逆となる。
【0020】
第一の回転アーム26a,26bは駆動軸24a,24bをそれぞれ軸芯として360度回転可能であり、第二の回転アーム27a,27bは同第一の回転アーム26a,26bの他端をそれぞれ軸芯として360度回転可能である。また、エンドエフェクタ28a,28bも第二の回転アーム27a,27bの他端をそれぞれ軸芯として360度回転可能である。これらの回転平面は平行となっており、かつ、各回転軸芯はそれぞれ独立して回転可能となっている。このため、図4にて一点鎖線で示すようにエンドエフェクタ28aをロードロックチャンバ12の内部へ挿入させた状態で、同時に、二点鎖線で示すようにエンドエフェクタ28bをプロセスモジュール13bの内部へ挿入させた状態とすることも可能である。むろん、このようにエンドエフェクタ28a,28bを駆動軸24a,24bの径方向に向かって外側に伸ばしたときに隣接するロードロックチャンバ12やプロセスモジュール13bに突き出る状態とすることも可能であるし、第二の回転アーム27a,27bおよびエンドエフェクタ28a,28bを折りたたむように回転駆動させることで同エンドエフェクタ28a,28bがほぼ駆動軸24a,24bの上方および下方に位置する状態とすることも可能である。この状態とすることで第一の回転アーム26a,26bを任意の方向に向けるように回転させることが可能であり、半導体ウェハの搬送先、回収元として、図1に示すように、収容室(トランスファーチャンバ)29の四方に配置されたロードロックチャンバ12やプロセスモジュール13a〜13cのいずれをも選択することが可能となる。
【0021】
このように、駆動機構21a,21bは駆動軸24a,24bからの駆動力を得て第一の回転アーム26a,26bと第二の回転アーム27a,27bとエンドエフェクタ28a,28bとを自在に駆動し、所定の搬送動作を行なうことが可能となる。
以上のような平面的な動きに加え、駆動軸24a,24bは軸方向に所定距離だけ進退(直線駆動)することができ、複合的な動作可能になっている。エンドエフェクタ28a,28bが平面的な移動が可能であるとしても、半導体ウェハの受け渡しには平面的な移動の先で垂直方向に移動する必要がある。すなわち、図3に示すように、ロードロックチャンバ12からプロセスモジュール13bへ半導体ウェハを搬送する場合には、次のような移動が必要になる。
【0022】
・エンドエフェクタ28aがロードロックチャンバ12内に設けられている半導体ウェハ搭載用の各スロット12a1,12a2のうちのいずれか1つの下方へ移動し、その位置で上昇する。エンドエフェクタ28aと各スロット12a1、12a2は上下方向において互いに干渉しない形状となっており、エンドエフェクタ28aが上昇することでスロット12a1,12a2のうちのいずれか1つに載置されていた半導体ウェハはエンドエフェクタ28aに載置される。
・駆動アーム25aの回転移動によってエンドエフェクタ28aが駆動軸24a上に収容され、駆動軸24aを回転させることでエンドエフェクタ28aがプロセスモジュール13bの側に移動できるような回転角度とする。
【0023】
・駆動アーム25aの回転移動によってエンドエフェクタ28aは半導体ウェハを載置したままプロセスモジュール13b内の処理室に入っていき、処理用のステ−ジ13b1上における所定位置で停止する。
・プロセスモジュール13b内の処理室では、ステ−ジ13b1にエンドエフェクタ28a上の半導体ウェハを下から支えて受け取ることができるリフターピン13b2が備えられており、同リフターピン13b2が上昇してきてエンドエフェクタ28a上の半導体ウェハを載置する。
【0024】
・駆動アーム25aの回転移動によってエンドエフェクタ28aはリフターピン13b2と干渉しないように駆動軸24a上に戻る。
また、プロセスモジュール13bからロードロックチャンバ12へ半導体ウェハを戻す場合、プロセスモジュール13b内ではリフターピン13b2で支持されている半導体ウェハをエンドエフェクタ28aが下から上で持ち上げるようにして受け取る点、ロードロックチャンバ12内ではエンドエフェクタ28aがスロット12a1、12a2の上方位置でスロット12a1、12a2内に入っていき、所定位置に到達してから下がることで、それまでエンドエフェクタ28aが載置していた半導体ウェハをスロット12a1、12a2に支持させて受け渡す点を除き、水平方向の移動はほぼ逆となる。
むろん、エンドエフェクタ28bがスロット12a3、12a4のうちのいずれか一つに載置されているウェハを搬送する動作もほぼ同様となる。また、エンドエフェクタ28a,28bとはそれぞれ独自かつ同時に駆動が可能である。
【0025】
ハウジング22内で一対の駆動アーム25a,25bが対面して位置する部位(対面部位)は収容室29であり、当該収容室29は四方に開口し、隣接するモジュールと連通可能となっている。ロードロックチャンバ12の側は大気圧および真空圧のいずれかとなるが、収容室29内は基本的には真空圧である。従って、収容室29とロードロックチャンバ12の間の開口には気密的に開閉可能なゲートバルブ(気密扉)12cが設けられており、必要時に開閉して開口を遮蔽可能である。一方、プロセスモジュール13の内部は真空圧に保持されるが、処理中は外部と隔離する必要があるので、隔離のための開閉可能なゲートバルブ14が備えられている。
【0026】
このように、収容室29内では二つの駆動アーム25a,25bが収容されている。それぞれハウジング22内で上下逆さまの位置関係で支持されている駆動機構21a,21bは上記駆動アーム25a,25bを対面させつつ、両者が収容室29内で保持されるような位置関係となっている。それぞれの駆動機構21a,21bは独立したものであり、単体での利用が可能なものをこのように上下逆さまにして一つのモジュールであるハウジング22内に収容している。このようにすることで、デュアルアーム搬送機構を実現しつつ、機構は従前のシングルアーム搬送機構のままであるから、構成を複雑にすることはない。
【0027】
なお、上方に支持される駆動機構21bはエンドエフェクタ28bが半導体ウェハを受け渡すに際して、下方に支持される駆動機構21aのエンドエフェクタ28aとは逆方向に移動する。すなわち、上方に支持される駆動機構21bのエンドエフェクタ28bは第二の回転アーム27bに面する側で半導体ウェハを載置するが、下方に支持される駆動機構21aのエンドエフェクタ28aは第二の回転アーム27aとは反対の側に面する側で半導体ウェハを載置する。そして、かかる動作を実現するためにも、受け渡しの際の駆動軸24a,24bの進退方向(上下)も逆としている。
【0028】
以上のように駆動機構21a,21bを独立して駆動させることにより、上記二つの独立した駆動アーム25a,25bを独立して駆使することで、二つの半導体ウェハを独立して搬送することができるようになる。
このような上下に配置されるデュアルアーム搬送機構に対応して、ロードロックチャンバ12においても、その内部は上下独立した二つの収容室12b1,12b2に分離して形成されており、かつ、それぞれの収容室12b1,12b2内に二段ずつ計4つのスロット12a1〜12a4が備えられている。各収容室12b1,12b2の真空引きも独立して制御可能であり、個別にEFEM11との間で半導体ウェハの搬送が行われるようになっている。このように独立に制御可能とすることでプロセスモジュール13a〜13cで処理を行なう際に生じる待ち時間を効率よく低減させ、半導体製造装置全体のスループットを向上させることが可能となる。
【0029】
図5はプロセスモジュール13をさらに追加した半導体製造装置を概略平面図により示している。
この変形例では二つの半導体ウェハ搬送装置20,20を備えており、ハウジング22,22の間を搬送モジュールであるバッファモジュール19と呼ばれる半導体ウェハの仮支持用のモジュールで連結している。このような仮支持用のモジュールは上述したロードロックチャンバ12で実現することが可能である。
このようにしてバッファモジュール19をハウジング22,22間に接続することで必要なだけ半導体ウェハ搬送装置20とプロセスモジュール13を追加していくことが可能となる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用することは
本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の半導体ウェハ搬送装置が適用される半導体製造装置の概略平面図である。
【図2】同半導体製造装置の概略断面図である。
【図3】半導体ウェハ搬送装置とロードロックチャンバとプロセスモジュールの断面図である。
【図4】半導体ウェハ搬送装置とロードロックチャンバとプロセスモジュールの上面図である。
【図5】プロセスモジュールを追加した半導体製造装置の概略平面図である。
【符号の説明】
【0032】
11…EFEM、12…ロードロックチャンバ、12a1〜12a4…スロット、12b1,12b2…収容室、12c…ゲートバルブ(気密扉)、13(13a〜13c)…プロセスモジュール、13b1…ステ−ジ、13b2…リフターピン、14…ゲートバルブ、19…バッファモジュール、20…半導体ウェハ搬送装置、21(21a,21b)…駆動機構、22…ハウジング、23…本体、24…駆動軸、25…駆動アーム、26…第一の回転アーム、27…第二の回転アーム、28…エンドエフェクタ、29…収容室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハを載置して搬送する半導体ウェハ搬送装置であって、
一つの駆動軸の一端に駆動アームを備えたそれぞれ独立した駆動機構を一対備え、各駆動アームが備えられた端部同士を対面させるように互いに反転した位置関係で配置し、同対面部分において二つの独立した駆動アームを備えることを特徴とする半導体ウェハ搬送装置。
【請求項2】
上記駆動機構は、内部に駆動装置を備えた略円柱形の本体と、同本体の一端から突出する駆動軸と、同駆動軸の端部に連結される駆動アームとを備え、上記駆動軸による駆動力を得て上記駆動アームが所定の搬送動作を行うことを特徴とする上記請求項1に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項3】
上記駆動アームは、上記駆動軸の端部に一端を連結されて枢動駆動される第一の回転アームと、この第一の回転アームにおける他端に連結されて当該第一の回転アームの回転平面と平行な平面内で枢動駆動される第二の回転アームと、この第二の回転アームにおける他端に連結されて当該第二の回転アームの回転平面と平行な平面内で枢動駆動されるとともに回転軸方向と平行に移動可能なエンドエフェクタとを有し、上記エンドエフェクタは上記駆動軸の径方向への平行駆動と、回転駆動と、軸方向への直線駆動との複合的な駆動が可能であることを特徴とする上記請求項2に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項4】
上記一対の駆動機構における上記一対の駆動アームの対面部位を気密的に収容する収容室を有するとともに当該収容室の四方には開口を有し、上記エンドエフェクタは上記開口を介して上記収容室の内外へ駆動されるとともに、軸方向へ駆動されることを特徴とする上記請求項3に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項5】
上記収容室は、半導体ウェハに対して所望の処理を施すプロセスモジュールと接続可能であるとともに、上記開口を介して同プロセスモジュール内の処理室と連通することを特徴とする上記請求項4に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項6】
上記収容室は、半導体ウェハを搬送する際に一時載置するロードロックチャンバと接続可能であるとともに、上記開口を介して同ロードロックチャンバ内と連通するとともに所定の気密扉によって気密的に遮蔽可能であることを特徴とする上記請求項4に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項7】
上記ロードロックチャンバは、上記収容室内の一対のエンドエフェクタに対応して一対の半導体ウェハ搭載用のスロットを有していることを特徴とする上記請求項6に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項8】
上記収容室は、搬送モジュールに接続可能であることを特徴とする上記請求項4に記載の半導体ウェハ搬送装置。
【請求項9】
一つの駆動軸の一端に駆動アームを備えたそれぞれ独立した駆動機構を一対備え、各駆動アームが備えられた端部同士を対面させるように互いに反転した位置関係で配置し、同対面部分において二つの独立した駆動アームにより半導体ウェハを搬送する半導体ウェハ搬送方法であって、
上記駆動機構を独立して駆動させて、上記二つの独立した駆動アームを独立して駆動させることで、二つの半導体ウェハを独立して搬送することを特徴とする半導体ウェハ搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−239085(P2009−239085A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84235(P2008−84235)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(596064444)株式会社エフオーアイ (15)
【Fターム(参考)】