説明

半導体ウエハの洗浄方法および半導体ウエハ洗浄装置

【課題】半導体ウエハ表面および近傍の不純物を除去して高清浄化する半導体ウエハの洗浄方法を得ること。
【解決手段】実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法は、酸化膜を形成する第1の薬液を用いて半導体ウエハを洗浄する第1洗浄工程(S101)と、前記第1洗浄工程の後に、フッ酸(HF)を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第2洗浄工程(S103)と、前記第2洗浄工程の後に、フッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第3洗浄工程(S105)と、前記第3洗浄工程の後に、酸化膜を形成する第2の薬液を用いて前記半導体ウエハを洗浄する第4洗浄工程(S107)と、前記第4洗浄工程の後に、フッ酸(HF)を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第5洗浄工程(S109)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ表面および表面近傍の不純物汚染を除去するための半導体ウエハの洗浄方法および半導体ウエハ洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗浄方法では、オゾン水処理後にフッ酸過水(FPM:HF/H)処理を実施し、その後オゾン水洗浄とフッ酸水溶液(DHF)処理を行い、半導体ウエハ表面を洗浄している。具体的には、太陽電池製造プロセスで不純物がウエハに付着すると太陽電池の変換効率が低下する。したがって、上述した不純物等をウエハ上に付着させない、又は除去する必要がある。従来の洗浄方法としては、アンモニア過水、塩酸過水で洗浄する方法が一般的に用いられている。
【0003】
ワンバス洗浄式の半導体ウエハ洗浄方法では、酸化性洗浄液による処理を実施した後、希フッ酸処理を行い、酸化性洗浄液により形成された酸化膜を除去し、続いて純水による洗浄処理を2回以上実施して乾燥処理を行っている(例えば、特許文献1参照)。しかし、オゾン水で形成された酸化膜中に含まれる不純物がFPM処理による半導体ウエハ表面近傍のエッチング効果を阻害する。そのため十分な洗浄効果が得られなかった。
【0004】
また、半導体ウエハ表面にオゾン水、硫酸過水(SPM)、塩酸過水(HPM)およびアンモニア過水(APM)等で洗浄し、酸化膜が形成されたまま洗浄を終了した場合(例えば、特許文献2参照)、最終工程で形成された酸化膜が不純物として作用するため、十分な洗浄効果が得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−102343号公報
【特許文献2】特開2002−329691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように半導体ウエハの洗浄では、酸化膜を形成する洗浄処理により除去された不純物は酸化膜を形成させる洗浄処理によって形成された酸化膜に介在する。その結果、酸化膜を形成させる洗浄処理後にFPM処理を実施すると、酸化膜中に介在する不純物がFPM処理のエッチングおよび不純物除去効果を阻害し、十分な洗浄効果を得られないという問題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、半導体表面近傍の不純物を効果的に除去する半導体ウエハの洗浄方法および半導体ウエハ洗浄装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、酸化膜を形成する第1の薬液を用いて半導体ウエハを洗浄する第1洗浄工程と、前記第1洗浄工程の後に、フッ酸(HF)を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第2洗浄工程と、前記第2洗浄工程の後に、フッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第3洗浄工程と、前記第3洗浄工程の後に、酸化膜を形成する第2の薬液を用いて前記半導体ウエハを洗浄する第4洗浄工程と、前記第4洗浄工程の後に、フッ酸(HF)を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第5洗浄工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来よりも高清浄な半導体ウエハ表面を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の説明において使用される用語が示す部位を示す図である。
【図2】図2は、従来技術にかかる半導体ウエハの洗浄方法を示す図である。
【図3】図3は、従来技術にかかる半導体ウエハの洗浄方法を示す図である。
【図4】図4は、従来技術にかかる半導体ウエハの洗浄方法を示す図である。
【図5】図5は、従来技術にかかる半導体ウエハの洗浄方法を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1乃至5にかかる半導体ウエハの洗浄方法の洗浄の工程のフローを示すフローチャートである。
【図7−1】図7−1は、図6の第1洗浄工程を実施する前の半導体ウエハの断面模式図を示す。
【図7−2】図7−2は、図6の第1洗浄工程を実施した後の半導体ウエハの断面模式図を示す。
【図7−3】図7−3は、図6の第2洗浄工程を実施した後の半導体ウエハの断面模式図を示す。
【図7−4】図7−4は、図6の第3水洗工程を実施した後の半導体ウエハの断面模式図を示す。
【図7−5】図7−5は、図6の第4水洗工程を実施した後の半導体ウエハの断面模式図を示す。
【図7−6】図7−6は、図6の第5水洗工程を実施した後の半導体ウエハの断面模式図を示す。
【図8−1】図8−1は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第1洗浄工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−2】図8−2は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第1水洗工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−3】図8−3は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第2洗浄工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−4】図8−4は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第2水洗工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−5】図8−5は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第3洗浄工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−6】図8−6は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第3水洗工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−7】図8−7は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第4洗浄工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−8】図8−8は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第4水洗工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−9】図8−9は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第5洗浄工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図8−10】図8−10は、実施の形態2の半導体ウエハの洗浄方法における図6の第5水洗工程を実施する洗浄装置を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3にかかる半導体ウエハ洗浄装置の構成を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態4にかかる半導体ウエハ洗浄装置の構成を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態5にかかる半導体ウエハ洗浄装置の構成を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態2にかかる実施例の洗浄方法および比較例の洗浄方法の処理条件を洗浄工程ごとに示した図である。
【図13】図13は、実施の形態2にかかる実施例の洗浄方法および比較例の洗浄方法により洗浄した半導体ウエハにアモルファスシリコンを成膜してライフタイムを評価したグラフである。
【図14】図14は、実施の形態2にかかる実施例の洗浄方法および比較例の洗浄方法により洗浄した半導体ウエハから太陽電池セルを作製してIV測定を実施しその変換効率を評価したグラフである。
【図15】図15は、実施の形態2にかかる実施例の洗浄方法および比較例の洗浄方法により洗浄した半導体ウエハにアモルファスシリコンを成膜してライフタイムを評価した数値データである。
【図16】図16は、実施の形態2にかかる実施例の洗浄方法および比較例の洗浄方法により洗浄した半導体ウエハから太陽電池セルを作製してIV測定を実施しその変換効率を評価した数値データである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる半導体ウエハの洗浄方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下の説明において使用される用語が示す部位は図1に示す通りである。即ち、図1の半導体ウエハ4の表面が半導体ウエハ表面1であり、そこに不純物および汚染2が付着する。また、半導体ウエハ表面近傍3とは、半導体ウエハ4の半導体ウエハ表面1から1μm程の深さまでの部分を示す。
【0012】
実施の形態1.
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法の洗浄の工程を図6および図7−1〜図7−6を用いて説明する。図6は洗浄フローであり、順に、第1洗浄工程(ステップS101)、第1水洗工程(ステップS102)、第2洗浄工程(ステップS103)、第2水洗工程(ステップS104)、第3洗浄工程(ステップS105)、第3水洗工程(ステップS106)、第4洗浄工程(ステップS107)、第4水洗工程(ステップS108)、第5洗浄工程(ステップS109)、第5水洗工程(ステップS110)からなる。
【0013】
図7−1〜図7−6は、図6の洗浄フローに従った半導体ウエハ(被洗浄ウエハ)11の各工程後の表面状態の様子を示す断面模式図である。図7−1は図6の第1洗浄工程(ステップS101)を実施する前の半導体ウエハ11の断面模式図を示す。図7−2は図6の第1洗浄工程(ステップS101)を実施した後の半導体ウエハ11の断面模式図を示す。図7−3は図6の第2洗浄工程(ステップS103)を実施した後の半導体ウエハ11の断面模式図を示す。
【0014】
図7−4は図6の第3水洗工程(ステップS106)を実施した後の半導体ウエハ11の断面模式図を示す。図7−5は図6の第4水洗工程(ステップS108)を実施した後の半導体ウエハ11の断面模式図を示す。図7−6は図6の第5水洗工程(ステップS110)を実施した後の半導体ウエハ11の断面模式図を示す。図7−1〜図7−6に示した被洗浄ウエハである半導体ウエハ11は複数であってもよく、それらがウエハを投入することができるキャリアにセットされている場合もある。
【0015】
本実施の形態および以降の実施の形態において、図6の第1洗浄工程(ステップS101)および第4洗浄工程(ステップS107)による処理は、酸化膜を形成させる洗浄処理、例えばオゾン(O)水処理または、塩酸過水(HPM)、硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、アンモニア(NH)水、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(NH)、過水(H)による洗浄処理であるのが好ましい形態である。また。リンス液による処理は、純水、アノード水、カソード水、水素水によるリンス処理であり、第1洗浄工程(ステップS101)で形成された酸化膜を除去するためにフッ酸(HF)の水溶液を使用するのが好ましい。
【0016】
本実施の形態においては、図6に示すように第1洗浄工程(ステップS101)にて酸化膜を形成させる洗浄液で半導体ウエハ11を洗浄し、さらに水洗する第1水洗工程(ステップS102)を実施し、第2洗浄工程(ステップS103)にてフッ酸(HF)を含む溶液で半導体ウエハ11を洗浄し、さらに水洗する第2水洗工程(ステップS104)を実施する。
【0017】
そして、第3洗浄工程(ステップS105)にてフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液で半導体ウエハ11を洗浄して、水洗する第3水洗工程(ステップS106)を実施し、その後、第4洗浄工程(ステップS107)として更に、酸化膜を形成させる洗浄液で半導体ウエハ11を洗浄して、水洗する第4水洗工程(ステップS108)を実施する。さらに、第5洗浄工程(ステップS109)としてフッ酸(HF)を含む溶液で半導体ウエハ11を洗浄し、水洗する第5水洗工程(ステップS110)を実施する。
【0018】
図6に示すように、第1洗浄工程(ステップS101)において、酸化膜を形成する洗浄液で半導体ウエハ11を洗浄し金属および有機物等の不純物2が除去および分解される。これにより図7−1に示した半導体ウエハ11に不純物2が付着した状態から図7−2に示すように、不純物2が除去および分解され、半導体ウエハ11上に酸化膜13が形成される。
【0019】
次にこの酸化膜13を形成する洗浄液から取り出した半導体ウエハ11を水洗する(ステップS102)。さらに、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)を含む洗浄液で洗浄する(ステップS103)ことにより第1洗浄工程(ステップS101)で用いた酸化膜を形成する洗浄液により形成された酸化膜13を除去して不純物を除去する(図7−3)。
【0020】
この第1洗浄工程(ステップS101)、水洗する工程(ステップS102)、および第2洗浄工程(ステップS103)を数回繰り返すことによって金属および有機物等が徐々に除去される。これにより、図7−2に示した酸化膜13が除去される。この酸化膜13と共に酸化膜13中に介在する不純物2も除去される。すなわち、第1洗浄工程(ステップS101)で半導体ウエハ11の表面を酸化し、不純物2を含む酸化膜層13を形成させる。この第1洗浄工程(ステップS101)では1nm以下の酸化膜が形成され、この酸化膜13は酸化膜を形成する洗浄液で洗浄することで形成される。
【0021】
第2洗浄工程(ステップS103)においては、第1洗浄工程(ステップS101)により形成された酸化膜13の厚みにあわせて、フッ酸(HF)を含む洗浄液のHF濃度を高くしたり低くしたり、或いは洗浄時間を長くしたり低くしたりして洗浄を行う。また、第2洗浄工程(ステップS103)にてフッ酸(HF)を含む洗浄液を用いて半導体ウエハ11を洗浄することで、第1洗浄工程(ステップS101)で形成された不純物2を介在する酸化膜13を除去する(図7−3)。半導体ウエハ11の表面には、表面近傍の不純物14が残存している。
【0022】
次に、第1洗浄工程(ステップS101)および第2洗浄工程(ステップS103)を経た半導体ウエハ11を純水で洗浄し(ステップS104)、第3洗浄工程(ステップS105)にてフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む洗浄液で洗浄を実施する。この第3洗浄工程(ステップS105)により、図7−3で示した半導体ウエハ11の表面近傍に存在する不純物14は一旦除去されるが、図7−4に示すようにエッチングにより堆積した不純物15として再び堆積する。
【0023】
次に、第1洗浄工程(ステップS101)、第2洗浄工程(ステップS103)、および第3洗浄工程(ステップS105)を終えた半導体ウエハ11を水洗し(ステップS106)、第4洗浄工程(ステップS107)の酸化膜を形成する洗浄液で洗浄を実施する。第4洗浄工程(ステップS107)で酸化膜を形成する洗浄液で半導体ウエハ11を洗浄し、次にこの酸化膜を形成する洗浄液から取り出した半導体ウエハ11を水洗する工程(ステップS108)を実施する。ここで、図7−5に示すように半導体ウエハ11上に再び酸化膜16が形成される。
【0024】
さらに、第5洗浄工程(ステップS109)としてフッ酸(HF)を含む洗浄液で洗浄する工程と水洗する工程(ステップS110)を数回繰り返す。ここで、図7−5に示した酸化膜16は除去される。さらに、酸化膜16と共に酸化膜16中に介在する不純物も除去される。この処理により図7−6に示すように、清浄な半導体ウエハ表面17が得られる。
【0025】
第5洗浄工程(ステップS109)においては、第4洗浄工程(ステップS107)により形成された酸化膜16の厚みにあわせて、フッ酸(HF)を含む洗浄液のHF濃度を高くしたり低くしたり、或いは洗浄時間を長くしたり低くしたりして洗浄を行う。また第5洗浄工程(ステップS109)でフッ酸(HF)を含む洗浄液を用いて半導体ウエハ11を洗浄することで、第3洗浄工程(ステップS105)で堆積させた不純物15を第4洗浄工程(ステップS107)にて形成した酸化膜16と共に除去する。
【0026】
また、第1洗浄工程(ステップS101)、第2洗浄工程(ステップS103)、第3洗浄工程(ステップS105)、第4洗浄工程(ステップS107)、および第5洗浄工程(ステップS109)の間には、適宜水洗および薬液洗浄を実施して良い。これら第1乃至第5洗浄工程を実施した後に、乾燥を実施して半導体ウエハ11表面に付着した、純水を蒸発させる。
【0027】
その後、半導体ウエハ11の表面にパッシベーション膜を形成することで、従来よりも表面再結合速度を低く抑えることができる。被洗浄物の半導体ウエハ11には上記洗浄工程の前に、ゲッタリング等の不純物を表面近傍に集める処理を実施するのが好ましい。このゲッタリング処理により半導体内部に存在する不純物が半導体ウエハ近傍に集まるため、上記洗浄工程の不純物除去効果が高くなる。
【0028】
また、上記した実施の形態における第1洗浄工程(ステップS101)に入る時点で半導体ウエハ11の表面に酸化膜が既に形成されている場合があるため、第1洗浄工程(ステップS101)の前にフッ酸(HF)を含む洗浄液で半導体ウエハ11に対して酸化膜除去処理を実施しても良い。
【0029】
第1洗浄工程(ステップS101)では1nm以下の酸化膜13が形成され、この酸化膜13は酸化膜を形成する洗浄液で0.1〜60min洗浄することで形成される。第1洗浄工程(ステップS101)の洗浄液が塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、過水(H)、アンモニア(NH)水、硝酸(HNO)およびオゾン(O)等を含む酸化膜を形成させる洗浄液の場合には、その薬液濃度は0.0001〜96wt%程度が好ましい。薬液濃度がそれ以上高くても、形成される酸化膜13の厚みは飽和するため、これ以上の薬液濃度で処理しても追加的な効果は期待できない。
【0030】
さらに、第1洗浄工程(ステップS101)の後に、処理時間0.1〜60minで、水洗を実施する(ステップS102)のが好ましい。さらに、上記第1洗浄工程(ステップS101)および水洗工程(ステップS102)は、洗浄液が蒸発しない温度である25℃から150℃の間で実施するのが好ましい。
【0031】
第2洗浄工程(ステップS103)は、第1洗浄工程(ステップS101)で洗浄した半導体ウエハ11をフッ酸(HF)を含む純水または超純水を用いて洗浄する。また、第2洗浄工程(ステップS103)で使用する洗浄液のフッ酸(HF)濃度は0.00000001〜50wt%程度が好ましく、その処理時間は0.1〜60minで処理し、第2洗浄工程(ステップS103)の後に水洗を実施する(ステップS104)のが好ましい。それ以上水洗を実施しても、第1洗浄工程(ステップS101)で形成された酸化膜13が完全に除去されているため、洗浄の効果はない。また、第1洗浄工程(ステップS101)、水洗工程(ステップS102)、第2洗浄工程(ステップS103)、水洗工程(ステップS104)の処理を繰り返し実施しても良い。
【0032】
第3洗浄工程(ステップS105)の洗浄液としてはフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等の酸化剤を含む洗浄液を用いて、半導体ウエハ11を0.1〜60min洗浄し、半導体ウエハ11の表面近傍をエッチングして図7−3に示したウエハ表面近傍にある不純物または汚染物14を半導体ウエハ11の表面に堆積させる(図7−4)。第3洗浄工程(ステップS105)で使用する洗浄液はフッ酸(HF)が0.00000001〜50wt%、過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等の酸化剤が0.0001〜30wt%、純水が0.1〜100%の水溶液であることが好ましい。それ以上の濃度条件のフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等の酸化剤を含む洗浄液を用いた処理を実施しても、半導体ウエハ11の表面のエッチング量は変化しないため、追加的な効果はない。
【0033】
第3洗浄工程(ステップS105)の処理時間は0.1〜60min程度で処理するのが望ましく、その後に水洗処理(ステップS106)を実施するのが好ましい。それ以上第3洗浄工程(ステップS105)の処理を実施しても図7−4に示すように表面に不純物15が堆積するため、ウエハ表面のエッチングの効果が低い。
【0034】
第4洗浄工程(ステップS107)では、半導体ウエハ11を0.0001〜96wt%のオゾン(O)、塩酸(HCl)、過水(H)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、アンモニア(NH)水等を含む酸化膜を形成させる洗浄液で、処理時間は0.1〜60min程度で洗浄することが望ましい。第4洗浄工程(ステップS107)の後は、水洗を実施する(ステップS108)のが好ましい。酸化膜を形成させる洗浄を上記処理時間以上実施しても、形成される酸化膜16の膜厚(図7−5)が飽和するため、追加的な効果はない。
【0035】
さらに、上記第4洗浄工程(ステップS107)および水洗工程(ステップS108)は、洗浄液が蒸発しない温度である25℃から150℃の間で実施するのが好ましい。この第4洗浄工程(ステップS107)では、第3洗浄工程(ステップS105)で半導体ウエハ11の表面に堆積させた不純物または汚染物15(図7−4)を除去する。ここで使用する洗浄液にはオゾン(O)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、過水(H)、アンモニア(NH)水、硝酸(HNO)等を含むか溶解した純水または超純水が含まれる。
【0036】
第5洗浄工程(ステップS109)においては、第4洗浄工程(ステップS107)で洗浄した半導体ウエハ11をフッ酸(HF)を含む純水または超純水を用いて洗浄する。第5洗浄工程(ステップS109)では、第4洗浄工程(ステップS107)により形成された酸化膜の厚みにあわせてフッ酸(HF)を含む洗浄液のフッ酸(HF)濃度を0.00000001〜5wt%および洗浄時間を0.1〜60minの範囲で変化させて使用する。それ以上の濃度および処理時間の条件で処理を実施しても第4洗浄工程(ステップS107)で形成された酸化膜16はすぐに除去されてしまうため、追加的な効果はない。さらに、第4洗浄工程(ステップS107)、水洗工程(ステップS108)、第5洗浄工程(ステップS109)、水洗工程(ステップS110)の処理を繰り返し実施するのが好ましい。
【0037】
上記実施の形態においては、オゾン(O)、塩酸(HCl)、過水(H)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)等を含む酸化膜を形成させる洗浄液によって半導体ウエハ11を洗浄することにより酸化膜を成長させる。しかし、その酸化膜の膜厚は処理時間0.0001〜60minの間で飽和してそれ以上処理を継続してもさらなる酸化膜の成長は生じない。そのため、酸化膜を形成させる洗浄液による洗浄は、半導体酸化膜が一定量成長する時間より長い時間実施する必要はない。
【0038】
また、第1乃至第5洗浄工程(ステップS101、S103、S105、S107、S109)に使用する溶媒は純水、超純水、アノード水、カソード水、水素水等の機能水を使用することができる。
【0039】
また、第1洗浄工程(ステップS101)、第2洗浄工程(ステップS103)、第3洗浄工程(ステップS105)、第4洗浄工程(ステップS107)、第5洗浄工程(ステップS109)の間、および第5洗浄工程(ステップS109)の後には水洗およびアノード水、カソード水、水素水等の機能水洗浄、薬液洗浄、超音波洗浄、電解処理等を実施することができる。そして、第5洗浄工程(ステップS109)および水洗工程(ステップS110)の後には乾燥処理を実施するのが好ましい。これにより、図7−6に示す半導体ウエハ表面17に付着した純水を蒸発させる。その後、半導体ウエハ表面17に清浄で欠陥の少ないパッシベーション膜を形成することができる。
【0040】
ここで、比較のため従来の半導体ウエハの洗浄方法を説明する。例えば、特許文献1に記載された洗浄方法等においては、図2および図3に示すように、酸化性洗浄液による処理(オゾン水処理)後に希フッ酸(DHF)処理あるいはフッ酸過水(FPM:HF/H)処理を行う。また、例えば、特許文献2に記載された洗浄方法等においては、図4および図5に示すように、半導体ウエハ表面をオゾン水、フッ酸過水(FPM:HF/H)、フッ酸水溶液(DHF)、アンモニア過水(APM)および塩酸過水(HPM)等で洗浄し、酸化膜が形成されたまま洗浄を終了する。これらいずれの洗浄方法においても、十分な洗浄効果が得られなかった。
【0041】
しかし、本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法により半導体ウエハ表面17にパッシベーション膜を形成することで、従来よりもライフタイムを長く、即ち表面再結合速度を低く抑えることができ、太陽電池セルの変換効率を大きく向上させることが可能となる。
【0042】
実施の形態2.
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に図6および図7−1乃至図7−6に示した洗浄工程に従って半導体ウエハの洗浄を実施する。そして本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法おいては、図8−1乃至図8−10に示した洗浄装置を用いて浸漬方式による洗浄を実施する。図8−1乃至図8−10に示した洗浄の様子は、以下で説明するように、順に図6のステップS101乃至S110の工程にそれぞれ対応している。
【0043】
図8−1は、第1洗浄工程(ステップS101)を実施する洗浄装置を示している。ここで使用する洗浄液21はオゾン(O)水、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、アンモニア(NH)水、および過水(H)等を含む酸化膜を形成させる洗浄液である。被洗浄物である半導体ウエハ11はウエハキャリア36に投入されており、ウエハキャリア36ごとに洗浄液21が供給された洗浄容器26の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0044】
図8−2は、第1水洗工程(ステップS102)を実施する洗浄装置を示している。ここで使用する洗浄液22は純水、超純水、アノード水、カソード水または水素水等の機能水である。ウエハキャリア36は洗浄液22が供給された洗浄容器27の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0045】
図8−3は、第2洗浄工程(ステップS103)を実施する洗浄装置を示している。ここで使用する洗浄液23はフッ酸(HF)と純水を含む洗浄液である。ウエハキャリア36は洗浄液23が供給された洗浄容器28の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0046】
図8−4は、第2水洗工程(ステップS104)を実施する洗浄装置を示している。ウエハキャリア36は純水、超純水、アノード水、カソード水または水素水等の機能水からなる洗浄液22が供給された洗浄容器29の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0047】
図8−5は、第3洗浄工程(ステップS105)を実施する洗浄装置を示している。ここで使用する洗浄液24はフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等の酸化剤を含む洗浄液である。ウエハキャリア36は洗浄液24が供給された洗浄容器30の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0048】
図8−6は、第3水洗工程(ステップS106)を実施する洗浄装置を示している。ウエハキャリア36は純水、超純水、アノード水、カソード水または水素水等の機能水からなる洗浄液22が供給された洗浄容器31の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0049】
図8−7は、第4洗浄工程(ステップS107)を実施する洗浄装置を示している。ここで使用する洗浄液21はオゾン(O)水、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、アンモニア(NH)水、および過水(H)等を含む酸化膜を形成させる洗浄液である。ウエハキャリア36は洗浄液21が供給された洗浄容器32の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0050】
図8−8は、第4水洗工程(ステップS108)を実施する洗浄装置を示している。ウエハキャリア36は純水、超純水、アノード水、カソード水または水素水等の機能水からなる洗浄液22が供給された洗浄容器33の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0051】
図8−9は、第5洗浄工程(ステップS109)を実施する洗浄装置を示している。ここで使用する洗浄液23はフッ酸(HF)と純水を含む洗浄液である。ウエハキャリア36は洗浄液23が供給された洗浄容器34の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0052】
図8−10は、第5水洗工程(ステップS110)を実施する洗浄装置を示している。ウエハキャリア36は純水、超純水、アノード水、カソード水または水素水等の機能水からなる洗浄液22が供給された洗浄容器35の洗浄槽に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。
【0053】
以上、図8−1乃至図8−10に示したように、ウエハキャリア36に投入された、1枚乃至複数枚の半導体ウエハ11は、それぞれ洗浄液が供給された洗浄容器26〜35の洗浄槽に順に浸漬されて半導体ウエハ11の表面および表面近傍が洗浄される。これら洗浄槽内の薬液および純水は各工程中常にオーバーフローされており、常時調合されたオゾン水、SPM、HPM、APM、アノード水およびカソード水、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、アンモニア(NH)、および過水(H)等の洗浄液および純水が供給されている。
【0054】
本実施の形態においては実施の形態1および図6、7に示した工程と同様に第1乃至第5洗浄工程(ステップS101、S103、S105、S107、S109)を図8−1乃至図8−10に示す浸漬装置を用いて実施した後に、乾燥を実施して半導体ウエハ11の表面に付着した純水を蒸発させた。
【0055】
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄処理の効果を検証するために浸漬式洗浄において本実施の形態による実施例と比較例との比較を行った。本実施の形態にかかる実施例の洗浄方法および比較例の洗浄方法の処理条件を洗浄工程ごとに図12に示す。図12に示した実施例1〜21それぞれの各洗浄工程の処理時間はそれぞれ10minとした。洗浄した半導体ウエハ11は100mm角のp型ウエハ基板であり比抵抗:5Ωcmである。
【0056】
比較例1として、同じく100mm角の半導体ウエハを用いて第1洗浄工程にオゾン濃度が25mg/L(25℃)のオゾン水を用いて洗浄し、その後水洗を実施して、第2洗浄工程としてフッ酸(HF)濃度が0.5wt%のフッ酸を含む洗浄液(DHF)(25℃)を用いて洗浄を実施し、その後水洗を実施し、この処理を2回繰り返した。即ち、図12に示すように第3洗浄工程は第1洗浄工程と同じ、第4洗浄工程は第2洗浄工程と同じである。その後、乾燥処理を行ってアモルファスシリコンを成膜してライフタイムを評価した。さらに太陽電池セルを作製し、セル特性を評価した。
【0057】
さらに、比較例2として、100mm角の半導体ウエハを用いて第1洗浄工程にオゾン(O)濃度が25mg/L(25℃)のオゾン水を用いて洗浄し、その後水洗を実施して、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)と過水(H)(0.5wt%)とからなるFPM処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、その後水洗を実施した。そして第3洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)を含む洗浄液処理を実施し、その後水洗を実施し、第4洗浄工程においてアンモニア(NH)(10wt%)と過水(H)(5wt%)のAPM処理(100℃)を実施し、第5洗浄工程として塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(90℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、さらに水洗を実施して乾燥処理を行いアモルファスシリコンを成膜してライフタイムを評価した。
【0058】
実施例1として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硫酸(HSO)を96wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程においては洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として硫酸(HSO)を96wt%を含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0059】
実施例2として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硝酸(HNO)を30wt%含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として硝酸(HNO)を30wt%を含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0060】
実施例3として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として塩酸(HCl)を30wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として塩酸(HCl)30wt%を含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0061】
実施例4として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程としてアンモニア(NH)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(100℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程としてアンモニア(NH)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(100℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0062】
実施例5として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硫酸(HSO)を80wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)のDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程として洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤(25℃)を含む溶液を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として硫酸(HSO)を80wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0063】
実施例6として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0064】
実施例7として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程においてオゾン(O)を25mg/L含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行なう。さらに、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で塩酸(HCl)が1wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程においてオゾンを25mg/L含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)となるDHF処理液を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0065】
実施例8として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程において硫酸(HSO)を96wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程において硫酸(HSO)を96wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0066】
実施例9として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硝酸(HNO)を30wt%含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して、その後水洗を行い、第4洗浄工程として硝酸(HNO)を30wt%を含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)0.5wt%となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0067】
実施例10として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として塩酸(HCl)を30wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として塩酸(HCl)を30wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0068】
実施例11として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程としてアンモニア(NH)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(100℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程としてアンモニア(NH)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(100℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0069】
実施例12として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硫酸(HSO)を80wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)のDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤(25℃)を含む溶液を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として硫酸(HSO)を80wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)のDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0070】
実施例13として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%と過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程において塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0071】
実施例14として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程においてオゾン(O)を25mg/L含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%で過水(H)が0.5wt%となるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程においてオゾンを25mg/L含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0072】
実施例15として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程に硫酸(HSO)を96wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)が25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として硫酸(HSO)を96wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0073】
実施例16として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硝酸(HNO)を30wt%含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)が25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程において硝酸(HNO)を30wt%含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0074】
実施例17として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として塩酸(HCl)を30wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)が25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として塩酸(HCl)を30wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程として(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0075】
実施例18として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程においてアンモニア(NH)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(100℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行う。さらに、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)が25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程においてアンモニア(NH)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(100℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0076】
実施例19として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として硫酸(HSO)を80wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程にフッ酸(HF)(0.5wt%)のDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程に洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)が25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として硫酸(HSO)を80wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(120℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0077】
実施例20として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm角の半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程として塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)を25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程として塩酸(HCl)を10wt%、過水(H)を5wt%含有する洗浄液(80℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程としてフッ酸(HF)(0.5wt%)となるDHF処理液(25℃)を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施してアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0078】
実施例21として実施の形態2の浸漬洗浄方式を用いて100mm半導体ウエハを実施の形態1の洗浄工程と同様に第1洗浄工程においてオゾン(O)を25mg/L含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第2洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)のDHF処理液を用いて洗浄を実施して水洗を行い、第3洗浄工程において洗浄液の濃度がフッ酸(HF)が0.5wt%でオゾン(O)が25mg/Lとなるフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液(25℃)を用いて洗浄する工程を実施して水洗を行い、第4洗浄工程においてオゾン(O)を25mg/L含有する洗浄液(25℃)で半導体ウエハ11を洗浄して水洗を実施し、第5洗浄工程においてフッ酸(HF)(0.5wt%)(25℃)となるDHF処理液を用いて洗浄を実施し、水洗と乾燥処理を実施して半導体ウエハ11上にアモルファスシリコンを成膜し、ライフタイムを評価した。
【0079】
上記した実施例1乃至21及び比較例1、2による半導体ウエハの洗浄方法により洗浄された半導体ウエハにアモルファスシリコンを成膜してライフタイムを評価し、その結果を図13および図15に示す。さらに、太陽電池セルを作製するために、上記した洗浄を実施した半導体ウエハ11にCVD成膜装置でSiN膜を形成して、それをレーザーで開口して電極を取付けた。太陽電池セルを作製したものについてIV測定を実施してセル特性、すなわち太陽電池セルの変換効率を評価した。その結果を図14および図16に示す。
【0080】
図13乃至図16からわかるように、本実施の形態にかかる実施例1乃至21の半導体ウエハの洗浄方法を実施した場合、電荷キャリアの再結合抑制効果および太陽電池セルの変換効率は比較例1および2を上回った。即ち、本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法により半導体ウエハ11の表面にパッシベーション膜を形成することで、従来よりもライフタイムを長く、即ち表面再結合速度を低く抑えることができ、太陽電池セルの変換効率を大きく向上させることが可能となる。
【0081】
実施の形態3.
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に図6および図7−1乃至図7−6に示した洗浄工程に従って半導体ウエハの洗浄を実施する。そして本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法においては、洗浄液噴付けノズルを用いて洗浄液を半導体ウエハに噴き付けて洗浄する方式を用いており、図9に示した半導体ウエハ洗浄装置を用いる。
【0082】
図9の左側に示した洗浄液噴付けノズル41は洗浄液供給ライン49とつながっている。洗浄液噴付けノズル41から噴出される洗浄液42としては、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、アンモニア(NH)、過水(H)およびオゾン(O)水等が溶解した洗浄液42が供給される。図9の右側に示した乾燥用気体噴付けノズル43は乾燥用気体供給ライン50につながっている。乾燥用気体噴付けノズル43から噴出される乾燥用気体44は、N、空気、O、ヘリウム等の気体である。半導体ウエハ45はウエハキャリア46に投入されている。
【0083】
洗浄液42は洗浄液噴付けノズル41から噴射され、洗浄液噴付けノズル41は洗浄槽47内にある半導体ウエハ45の表面に均一に洗浄液42が供給されるように、ウエハキャリア46を覆うように設置してある。洗浄液噴付けノズル41の一つ一つは独立してオゾン(O)水、フッ酸(HF)を含む洗浄液、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液、純水および塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、アンモニア(NH)、硝酸(HNO)、過水(H)、オゾン(O)水を含む薬液を供給でき、1回の処理で連続して種類の異なる洗浄液を半導体ウエハ45に供給することができる。洗浄液噴付けノズル41の噴出圧力は100kPaから700kPaの圧力に調整される。洗浄液42の温度は25℃から150℃に調整されてから、半導体ウエハ45に吹きつけられる。さらに、洗浄液噴付けノズル41から噴射される洗浄液42は、常時噴射し続けたり、パルス状に0〜60secの間隔で噴付けたりする処理をすることができる。
【0084】
乾燥用気体噴付けノズル43の噴射圧力は100kPaから1MPaに調整され、乾燥用気体44にはN、空気、O、ヘリウム、アルゴン等気体を使用できる。乾燥用気体44はその温度が25℃から500℃に加熱されて乾燥槽48内にある半導体ウエハ45に噴射される。本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法においては、図6および図7−1〜図7−6に示した第1乃至第5洗浄工程(ステップS101、S103、S105、S107、S109)を図9の左側に示す洗浄液噴付けノズル41を用いて実施した後に、乾燥用気体噴付けノズル43から供給される乾燥用気体44を半導体ウエハ45の表面に噴き付けて付着した、液体を蒸発させる。
【0085】
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法によっても半導体ウエハ45の表面にパッシベーション膜を形成することで、従来よりもライフタイムを長く、即ち表面再結合速度を低く抑えることができ、太陽電池セルの変換効率を大きく向上させることが可能となる。
【0086】
実施の形態4.
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に図6および図7−1乃至図7−6に示した洗浄工程に従って半導体ウエハの洗浄を実施する。そして本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法においては、洗浄液噴付けノズルを用いて洗浄液を半導体ウエハに噴き付けて洗浄する方式を用いており、図10に示した半導体ウエハ洗浄装置を用いる。
【0087】
図10において、半導体ウエハ52はウエハキャリア60に投入されている。洗浄液噴付けノズル51には、洗浄液供給ライン61を介して酸化膜を形成させる洗浄液53、純水または超純水54、フッ酸(HF)を含む洗浄液55、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液56が供給される。
【0088】
例えば、複数並んだ洗浄液噴付けノズル51からはそれぞれ、図6の各ステップ、第1洗浄工程(ステップS101)、第1水洗工程(ステップS102)、第2洗浄工程(ステップS103)、第2水洗工程(ステップS104)、第3洗浄工程(ステップS105)、第3水洗工程(ステップS106)、第4洗浄工程(ステップS107)、第4水洗工程(ステップS108)、第5洗浄工程(ステップS109)、第5水洗工程(ステップS110)に対応して、図10に示すように酸化膜を形成させる洗浄液53、純水または超純水54、フッ酸(HF)を含む洗浄液55、純水または超純水54、フッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液56、純水または超純水54、酸化膜を形成させる洗浄液53、純水または超純水54、フッ酸(HF)を含む洗浄液55、純水または超純水54が並列して噴出されるようになっている。最後に並列設置された乾燥用気体噴付けノズル58は乾燥用気体供給ライン62につながっていて乾燥用気体59が供給され、乾燥用気体59を半導体ウエハ52表面に噴きつけて半導体ウエハ52の表面を乾燥する。
【0089】
本実施の形態の半導体ウエハの洗浄方法はキャリア搬送装置57に半導体ウエハ52の投入されたウエハキャリア60を載せて洗浄液噴付けノズル51から噴射される洗浄液53〜56を半導体ウエハ52に噴付けて洗浄する方法である。洗浄液噴付けノズル51はキャリア搬送装置57の脇に0.1mm〜50mmの間隔で設置してあり、各洗浄液の洗浄回数にあわせて上述したように複数本設置することができる。実施の形態1に示した洗浄プロセスの順に設置された洗浄液噴付けノズル51から吹き付けられる洗浄液がウエハキャリア60および半導体ウエハ52に均一に供給されるようにキャリア搬送装置57に乗せられたウエハキャリア60が移動することにより洗浄処理が実施される。
【0090】
洗浄液噴付けノズル51は半導体ウエハ52およびウエハキャリア60を覆うようにキャリア搬送装置57の脇に複数本設置されており、様々な角度から半導体ウエハ52およびウエハキャリア60に洗浄液53〜56を噴付けることができる。キャリア搬送装置57の半導体ウエハ搬送速度は必要に応じて0〜10m/secのスピードに調整することができる。洗浄液噴付けノズル51の噴出圧力は100kPaから700kPaの圧力に調整される。洗浄液53〜56の温度は25℃から150℃に調整されてから、半導体ウエハ52に吹きつけられる。さらに、洗浄液噴付けノズル51から噴射される洗浄液53〜56は、常時噴射し続けたり、パルス状に0〜60secの間隔で噴付けたりする処理をすることができる。
【0091】
図10に示すように乾燥用気体噴付けノズル58は、例えば複数配置された洗浄液噴付けノズル51の列の最後に設置されている。乾燥用気体噴付けノズル58の噴射圧力は100kPaから1MPaに調整され、乾燥用気体59にはN、空気、O、ヘリウム、アルゴン等の気体を使用できる。乾燥用気体59はその温度が25℃から500℃に加熱されて半導体ウエハ52に噴射される。
【0092】
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法おいては、図6および図7−1〜図7−6に示した第1乃至第5洗浄工程(ステップS101、S103、S105、S107、S109)を図10に示す洗浄装置の複数の洗浄液噴付けノズル51を用いて実施した後に、乾燥用気体噴付けノズル58から乾燥用気体59を半導体ウエハ52に噴付ける処理を実施することにより、半導体ウエハ52の表面に付着した純水などの液体を蒸発させる。
【0093】
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法によっても半導体ウエハ52の表面にパッシベーション膜を形成することで、従来よりもライフタイムを長く、即ち表面再結合速度を低く抑えることができ、太陽電池セルの変換効率を大きく向上させることが可能となる。
【0094】
実施の形態5.
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に図6および図7−1乃至図7−6に示した洗浄工程に従って半導体ウエハの洗浄を実施する。そして本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法においては、洗浄液噴付けノズルを用いて洗浄液を半導体ウエハに噴き付けて洗浄する方式を用いており、図11に示した半導体ウエハ洗浄装置を用いる。
【0095】
図11において、半導体ウエハ72は半導体ウエハ回転装置80の上にセットされており、その半導体ウエハ回転装置80は半導体ウエハ72を回転させながら半導体ウエハ搬送装置77で搬送される。即ち、半導体ウエハ回転装置80はウエハキャリアにもなっている。洗浄液噴付けノズル51には、洗浄液供給ライン61を介して酸化膜を形成させる洗浄液53、純水または超純水54、フッ酸(HF)を含む洗浄液55、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液56が供給される。
【0096】
本実施の形態においても、実施の形態4と同様に、例えば、複数並んだ洗浄液噴付けノズル51からはそれぞれ、図6の各ステップ、第1洗浄工程(ステップS101)乃至第5水洗工程(ステップS110)に対応して、図11に示すように酸化膜を形成させる洗浄液53、純水または超純水54、フッ酸(HF)を含む洗浄液55、純水または超純水54、フッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液56、純水または超純水54、酸化膜を形成させる洗浄液53、純水または超純水54、フッ酸(HF)を含む洗浄液55、純水または超純水54が並列して噴出されるようになっている。最後に並列設置された乾燥用気体噴付けノズル58は乾燥用気体供給ライン62につながっていて乾燥用気体59が供給され、乾燥用気体59を半導体ウエハ72表面に噴きつけて半導体ウエハ72の表面を乾燥する。
【0097】
本実施の形態の半導体ウエハの洗浄方法は半導体ウエハ搬送装置77に取り付けられた半導体ウエハ回転装置80に半導体ウエハ72を固定して、半導体ウエハ搬送装置77に取り付けてある洗浄液噴付けノズル51から噴射される洗浄液53〜56を半導体ウエハ72に噴き付けて洗浄する方法である。洗浄液噴付けノズル51は半導体ウエハ72および半導体ウエハ回転装置80を覆うように半導体ウエハ搬送装置77の脇に0.1mm〜50mmの間隔で複数本設置されており、様々な角度から半導体ウエハ72および半導体ウエハ回転装置80に洗浄液53〜56を吹き付けることができる。
【0098】
半導体ウエハ搬送装置77が半導体ウエハ72および半導体ウエハ回転装置80を搬送する搬送速度は必要に応じて0〜10m/secのスピードに調整することができる。さらに、洗浄液噴付けノズル51から噴射される洗浄液53〜56は、常時噴射し続けたり、パルス状に0〜60secの間隔で噴付けたりする処理をすることができる。洗浄液噴付けノズル51の噴出圧力は100kPaから700kPaの圧力に調整される。洗浄液53〜56の温度は25℃から150℃に調整されてから、半導体ウエハ72に吹きつけられる。
【0099】
図11に示すように乾燥用気体噴付けノズル58は、例えば複数配置された洗浄液噴付けノズル51の列の最後に設置されている。乾燥用気体噴付けノズル58の噴射圧力は100kPaから1MPaに調整され、乾燥用気体59にはN、空気、O、ヘリウム、アルゴン等の気体を使用できる。乾燥用気体59はその温度が25℃から500℃に加熱されて半導体ウエハ72に噴射される。
【0100】
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法おいては、図6および図7−1〜図7−6に示した第1乃至第5洗浄工程(ステップS101、S103、S105、S107、S109)を図11に示す洗浄装置の複数の洗浄液噴付けノズル51を用いて実施した後に、乾燥用気体噴付けノズル58から乾燥用気体59を半導体ウエハ72に噴付ける処理を実施することにより、半導体ウエハ72の表面に付着した純水などの液体を蒸発させる。
【0101】
本実施の形態にかかる半導体ウエハの洗浄方法によっても半導体ウエハ72の表面にパッシベーション膜を形成することで、従来よりもライフタイムを長く、即ち表面再結合速度を低く抑えることができ、太陽電池セルの変換効率を大きく向上させることが可能となる。
【0102】
以上説明して来たように、この発明の実施の形態に係る洗浄方法においては、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液で処理を実施する前に酸化膜を形成させる洗浄→水洗処理→DHF処理→水洗処理を実施し、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での洗浄処理→水洗処理で不純物を除去およびフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での洗浄処理によって半導体ウエハ表面近傍の汚染を除去して、除去された不純物を半導体ウエハ表面に堆積させる洗浄工程を具備し、さらに、酸化膜を形成させる洗浄→水洗処理→DHF処理→水洗処理工程を具備することを特徴とする。
【0103】
フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での処理は半導体ウエハ表面を酸化させながら溶解するため効果的に半導体ウエハ表面近傍をエッチングできるが、半導体ウエハ表面近傍の不純物を除去できる反面、除去された不純物が半導体ウエハ表面に再付着しやすい。しかし、この付着した不純物を除去できれば清浄度の高い半導体ウエハ表面が得られる。したがって、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液により半導体ウエハ表面近傍の汚染を除去して、意図的に半導体ウエハ表面に堆積させ、その不純物を、酸化膜形成洗浄→水洗処理→フッ酸(HF)を含む洗浄液処理→水洗処理で効果的に除去して高清浄な表面を形成させる。
【0104】
すなわち、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での処理によって半導体ウエハ近傍の不純物が除去されそれが半導体ウエハ表面に堆積するが、それら汚染を酸化膜を形成させる洗浄液でまとめて除去するために酸化膜を形成させる洗浄とフッ酸(HF)を含む洗浄液のみで洗浄する場合よりも半導体ウエハ表面の汚染が少なくなる。この処理によって、半導体ウエハ表面および近傍の不純物を除去し、太陽電池セルの変換効率および半導体デバイスの歩留まりを向上させることができる。
【0105】
この発明の実施の形態によれば、第3洗浄工程であるフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液による洗浄処理の前に、酸化膜を形成させる洗浄液による第1洗浄工程およびフッ酸(HF)を含む洗浄液による第2洗浄工程を実施することで、半導体ウエハ表面の不純物を除去して第3洗浄工程において実施するフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での処理のエッチング効果を向上させることができる。
【0106】
これにより、第3洗浄工程のフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での処理によって半導体ウエハ表面近傍をエッチングして半導体ウエハ近傍の不純物を効果的に除去して半導体ウエハ表面に堆積させることができる。この処理により、酸化膜を形成する洗浄液では除去できなかった半導体ウエハ表面近傍の不純物を除去することができる。これら処理により従来の洗浄方法よりも高清浄な半導体ウエハ表面を得られるといった効果を奏するものである。
【0107】
即ち、フッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液での処理により半導体ウエハ表面近傍を酸化しながら、その溶液中に存在するフッ酸(HF)で酸化膜を除去することにより表面近傍がエッチングされそこに存在する不純物は効果的に除去される。ここで除去された不純物は半導体ウエハ表面に堆積する。更に酸化膜を形成させる洗浄液による第4洗浄工程およびフッ酸(HF)を含む洗浄液による第5洗浄工程による処理の前に、酸化膜を形成する洗浄液による第1洗浄工程、フッ酸(HF)を含む洗浄液による第2洗浄工程、およびフッ酸(HF)と過水(H)、塩酸(HCl)もしくはオゾン(O)等酸化剤を含む溶液による第3洗浄工程の処理を実施することで、堆積した汚染が除去されて、酸化膜を形成させる洗浄液による第4洗浄工程およびフッ酸(HF)を含む洗浄液による第5洗浄工程の不純物除去効果を高めることができるため、従来よりも高清浄な半導体ウエハ表面を得られるといった効果を奏するものである。
【0108】
上記のようにして得られた高清浄な半導体ウエハ表面にパッシベーション膜を形成させることにより表面再結合速度を従来よりも低く抑えることができ、さらに、太陽電池セルとして用いた場合の変換効率を高めることができる。
【0109】
更に、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。
【0110】
例えば、上記実施の形態1乃至5それぞれに示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、上記実施の形態1乃至5にわたる構成要件を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
以上のように、本発明にかかる半導体ウエハの洗浄方法および半導体ウエハ洗浄装置は、高清浄な半導体ウエハ表面を得るのに有用であり、特に、太陽電池セル用の半導体ウエハの洗浄に適している。
【符号の説明】
【0112】
1、17 半導体ウエハ表面
2 不純物および汚染
3 半導体ウエハ表面近傍
4、11、45、52、72 半導体ウエハ
13、16 酸化膜
14 表面近傍の不純物
15 エッチングにより堆積した不純物
21〜24、42 洗浄液
26〜35 洗浄容器
36、46、60 ウエハキャリア
41、51 洗浄液噴付けノズル
43、58 乾燥用気体噴付けノズル
44、59 乾燥用気体
47 洗浄槽
48 乾燥槽
49、61 洗浄液供給ライン
50、62 乾燥用気体供給ライン
53 酸化膜を形成させる洗浄液
54 純水または超純水
55 フッ酸(HF)を含む洗浄液
56 フッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液
57 キャリア搬送装置
80 半導体ウエハ回転装置
77 半導体ウエハ搬送装置
S101〜S110 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化膜を形成する第1の薬液を用いて半導体ウエハを洗浄する第1洗浄工程と、
前記第1洗浄工程の後に、フッ酸(HF)を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第2洗浄工程と、
前記第2洗浄工程の後に、フッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第3洗浄工程と、
前記第3洗浄工程の後に、酸化膜を形成する第2の薬液を用いて前記半導体ウエハを洗浄する第4洗浄工程と、
前記第4洗浄工程の後に、フッ酸(HF)を含む溶液で前記半導体ウエハを洗浄する第5洗浄工程と
を有することを特徴とする半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項2】
前記第1乃至第5洗浄工程の各工程の間及び前記第5洗浄工程の後のいずれか或いは全てにおいて、純水または超純水を用いて前記半導体ウエハを洗浄する工程を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項3】
前記第1の薬液と前記第2の薬液が同じである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項4】
前記第1の薬液がオゾンを含有する水溶液である請求項1または2に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項5】
前記第1の薬液が塩酸と過酸化水素水を含有する水溶液である請求項1または2に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項6】
前記第2の薬液がオゾンを含有する水溶液である請求項1、2または3に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項7】
前記第2の薬液が塩酸と過酸化水素水を含有する水溶液である請求項1、2または3に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項8】
前記酸化剤が、オゾンを含有する水溶液或いは過酸化水素水である
ことを特徴とした請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体ウエハの洗浄方法。
【請求項9】
1つまたは複数の半導体ウエハを保持しつつ所定の移動方向に移動可能なウエハキャリアと、
移動してくる前記半導体ウエハに前記移動方向と略垂直な方向から順に洗浄液を噴き付けて洗浄することが可能となるように並列した第1、第2、第3、第4、第5の洗浄液噴付けノズルと
を備え、
前記第1の洗浄液噴付けノズルは酸化膜を形成させる洗浄液を噴きつけ、
前記第2の洗浄液噴付けノズルはフッ酸(HF)を含む洗浄液を噴きつけ、
前記第3の洗浄液噴付けノズルはフッ酸(HF)と酸化剤を含む溶液を噴きつけ、
前記第4の洗浄液噴付けノズルは酸化膜を形成させる洗浄液を噴きつけ、
前記第5の洗浄液噴付けノズルはフッ酸(HF)を含む洗浄液を噴きつける
ことを特徴とした半導体ウエハ洗浄装置。
【請求項10】
前記第1および第2の洗浄液噴付けノズルの間、前記第2および第3の洗浄液噴付けノズルの間、前記第3および第4の洗浄液噴付けノズルの間、前記第4および第5の洗浄液噴付けノズルの間、前記第5の洗浄液噴付けノズルの前記第4の洗浄液噴付けノズルとは反対側に、それぞれ純水または超純水を用いて前記半導体ウエハを洗浄する洗浄液噴付けノズルを備える
ことを特徴とした請求項9に記載の半導体ウエハ洗浄装置。
【請求項11】
前記ウエハキャリアは前記半導体ウエハを回転可能である
ことを特徴とした請求項9または10に記載の半導体ウエハ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図8−5】
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【図8−6】
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【図8−7】
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【図8−8】
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【図8−9】
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【図8−10】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−114291(P2012−114291A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262769(P2010−262769)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】