説明

半導体受光素子

【課題】長波長帯に対応可能な受光感度を有し、かつ、暗電流のばらつきの少ない半導体受光素子を提供する。
【解決手段】半絶縁性のFeドープInP基板1上にSnドープn型InPバッファ/コンタクト層2と、アンドープInGaAsSb光吸収層4と、Beドープp型InGaAs/Beドープp型InGaAsPコンタクト層5とが順次積層されてなる構造を備えた半導体受光素子において、光吸収層4とコンタクト層5との境界面の面積を3.14×102μm2以上7.85×103μm2以下とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体受光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光エレクトロニクス技術において光信号を電気信号に変換する半導体受光素子(以下、受光素子)は重要な役割を果たしている。光通信技術においても1.3μm波長帯、1.55μm波長帯の受光素子が用いられており、その材料にはInP基板上に成長されたInGaAsP、InGaAs半導体結晶が用いられてきた。しかしながら、最近進展している波長多重(Wavelength Division Multiplexing; WDM)通信技術における波長帯は従来の1.3μm波長帯、1.55μm波長帯以外の他の波長帯に拡大しており、その波長帯に対応できる受光素子が重要となっている。とくに1.55μm波長帯より長波長帯、例えばL帯(1.565〜1.625μm)、U帯(1.625〜1.675μm)に対しては、従来、受光素子の半導体材料に用いられてきたInGaAs結晶では吸収係数が小さく十分に対応できなかった。
【0003】
ここで、InP基板上に成長されたアンチモン(Sb)を含有するInGaAsSbは、InGaAsよりも長波長帯で吸収係数が大きいことから注目される(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】満原他、“MOMBEによるTDMASbを用いたInP基板上InGaAsSbの成長”、第55回応用物理学会関係連合講演会 講演予稿集、2008年春季、講演番号29p-ZT-10、p.367
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に半導体の結晶成長は高温で行う方が結晶中の不純物、格子欠陥を低減することができるので望ましい。しかしながら、InGaAsSbを高温で成長すると組成分離や表面モフォロジーの劣化が生じ高品質の結晶を成長することが困難である。一方、InGaAsSbを低温で成長する場合、結晶中に不純物、格子欠陥が発生する。この不純物、格子欠陥は暗電流を増加させ受光素子の動作時における雑音の原因となるので問題となっていた。また、結晶中に不純物、格子欠陥が混入・誘起されると暗電流等の素子特性にばらつきが生じるので問題となっていた。
【0006】
このようなことから本発明は、長波長帯に対応可能な受光感度を有し、かつ、暗電流のばらつきの少ない半導体受光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る半導体受光素子は、InP基板上に第一の導電型の層と、アンチモンを含む光吸収層と、第二の導電型の層とが順次積層されてなる構造を備えた半導体受光素子であって、前記光吸収層と前記第二の導電型の層との境界面の面積が3.14×102μm2以上7.85×103μm2以下となるように形成されたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明に係る半導体受光素子は、第1の発明に係る半導体受光素子において、前記光吸収層の少なくとも一部にp型ドーピングが施されていることを特徴とする。
【0009】
第3の発明に係る半導体受光素子は、第1の発明に係る半導体受光素子において、前記光吸収層の少なくとも一部にn型ドーピングが施されていることを特徴とする。
【0010】
第4の発明に係る半導体受光素子は、第1乃至第3のいずれかの発明に係る半導体受光素子において、前記光吸収層がInGaAsSbであることを特徴とする。
【0011】
第5の発明に係る半導体受光素子は、第4の発明に係る半導体受光素子において、前記InGaAsSbのSb組成が0より大きく0.2以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る半導体受光素子によれば、暗電流のばらつきを低減することができ、これにより長波長帯に対して対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体受光素子の素子構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る半導体受光素子の受光感度の波長依存性を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1に係る半導体受光素子の暗電流の素子直径依存性を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例1に係る半導体受光素子の暗電流標準偏差の素子直径依存性を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例2に係る半導体受光素子の素子構造を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る半導体受光素子の暗電流の素子直径依存性を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例2に係る半導体受光素子の暗電流標準偏差の素子直径依存性を示す説明図である。
【図8】InPに格子整合するIn1-xGaxAs1-ySbyのバンドギャップ波長のSb組成比依存性を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を用いて本発明に係る半導体受光素子の詳細を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1乃至図4に基づいて本発明に係る半導体受光素子の第1の実施例について説明する。
図1は本実施例に係る半導体受光素子の素子構造である。図1に示すように、本実施例において半導体受光素子は、半絶縁性のFeドープInP基板1上に形成された第一の導電型の層としてのSnドープn型InPバッファ/コンタクト層(層厚:1μm、ドーピング濃度:1.5×1018/cm3)2と、該バッファ/コンタクト層2上に形成されたアンドープInGaAsP挿入層(層厚:0.1μm)3と、該挿入層3上に形成されたアンドープInGaAsSb光吸収層4と、該光吸収層4上に形成された第二の導電型の層としてのBeドープp型InGaAs(層厚:0.02μm、ドーピング濃度:6×1018/cm3)/Beドープp型InGaAsP(層厚:0.4μm、ドーピング濃度:4×1018/cm3)コンタクト層5とで構成されている。光吸収層4は、具体的にはInPに格子整合したアンドープIn1-xGaxAs1-ySby(層厚:2μm)であり、Ga組成比xは0.52、Sb組成比yは0.05である。このように構成される本実施例の半導体受光素子では、上面から入射された信号光が電気信号に変換される。
【0016】
ここで、挿入層3を積層しなくても良好な特性は得られるが、この挿入層3によりバッファ/コンタクト層2から光吸収層4へのSnの混入を防止することができる。また素子動作時に光吸収層4からの電子の引出しを促進させるという効果も得られる。
【0017】
また、本実施例の半導体受光素子において素子構造における結晶は有機金属分子線エピタキシャル成長法(MOMBE)により成長される。III族原料ガスにはトリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウム(TEGa)を、V族原料ガスにはアルシン(AsH3)、トリスジメチルアミノアンチモン(TDMASb)を用いる。成長温度は500℃である。
【0018】
この結晶を円形メサ構造に加工した後、メサ上面とメサ側壁に窒化シリコン膜6を形成する。次にメサ上面中央部の窒化シリコン膜6を除去した後、コンタクト層5上にリング状のp型電極7を形成し、バッファ/コンタクト層2上にn型電極8を形成する。
【0019】
このようにして作製した本実施例に係る半導体受光素子の特性について以下に説明する。
図2に本実施例に係る半導体受光素子の受光感度の波長依存性を実線で示す。比較例として光吸収層にInGaAsを用いた受光素子の受光感度の波長依存性を破線で示す。印加電圧は逆方向バイアス;1Vである。
【0020】
図2に示すように、比較例として示す光吸収層にInGaAsを用いた受光素子(以下、従来素子と呼称する)においては、受光感度は最大で約0.9A/Wであり、1.3μm〜1.6μm程度の波長帯における受光感度は約0.8A/W前後の値となっている。一方、本実施例に係る半導体受光素子においては波長が1.6μm程度で1.1A/W以上の受光感度を示し、1.4μm〜1.75μm程度の波長帯において1.0A/W以上の受光感度を示す。このように、本実施例に係る半導体受光素子は従来素子に比べて高い受光感度を示す。
【0021】
とくに従来素子が1.6μm程度の波長から急激に受光感度が減少するのに対して、本実施例の半導体受光素子は1.75μm程度の波長まで1A/W以上の高い受光感度を有し、1.9μm程度まで受光感度を有する。このように本実施例に係る半導体受光素子は、1.6μm〜1.9μm程度の長波長帯において従来素子に比べて高い受光感度を示す。
【0022】
図3に本実施例に係る半導体受光素子の暗電流の素子直径依存性を示す。なお、図3中の実線は近似曲線を示している。暗電流は光を照射しない状態で逆方向バイアス;1Vを印加して測定される。図3に示すように、本実施例に係る半導体受光素子の暗電流は、受光素子の直径Rが20μmのとき10nA、100μmのとき40nA、250μmのとき150nAである。このように受光素子の直径Rが大きくなると暗電流は増加する。この暗電流は受光素子の動作時の雑音の原因となり得るので低い方がよい。したがって、暗電流を抑制するためには受光素子の直径Rは小さい方が望ましい。
【0023】
次に本実施例に係る半導体受光素子を作製したときの特性のばらつきについて説明する。図4に40個の受光素子の暗電流を測定して得られた暗電流標準偏差の素子直径依存性を示す。ここで標準偏差が大きいほど各受光素子間の暗電流のばらつきは大きい。図4に示すように、標準偏差は受光素子の直径Rが0μmより大きく100μm以下では極めて小さい。また、受光素子の受光感度は素子の直径(面積)が増加すると向上し、素子の直径(面積)が減少すると低下する。例えば、受光素子の直径Rが20μmより小さい場合には素子の受光感度が低下し十分な受光感度が得られない。一方、受光素子の直径Rが250μm以上になると標準偏差は急激に増加する。すなわち、受光素子の直径Rが250μm以上のときに暗電流のばらつきが急激に大きくなっている。このことから、受光素子の直径Rを20μm以上100μm以下にすることが暗電流のばらつきの低減に有効であることがわかる。
【0024】
このように、光吸収層4にInGaAsSbを用いた本実施例の半導体受光素子においては、受光素子の直径Rを20μm以上100μm以下、すなわち素子面積を3.14×102μm2以上7.85×103μm2以下にすることにより暗電流のばらつきを低減することができる。
【実施例2】
【0025】
図5乃至図7に基づいて本発明に係る受光素子の第2の実施例について説明する。
図5は本実施例に係る半導体受光素子の素子構造である。図5に示すように、本実施例において半導体受光素子は、半絶縁性のFeドープInP基板1上に形成された第一の導電型の層としてのSnドープn型InPバッファ/コンタクト層(層厚:1μm、ドーピング濃度:1.5×1018/cm3)2と、該バッファ/コンタクト層2上に形成されたアンドープInGaAsP挿入層(層厚:0.1μm)3と、該挿入層3上に形成されたアンドープInGaAsSb/Beドープp型InGaAsSb光吸収層9と、該光吸収層9上に形成された第二の導電型の層としてのBeドープp型InGaAs(層厚:0.02μm、ドーピング濃度:6×1018/cm3)/Beドープp型InGaAsP(層厚:0.4μm、ドーピング濃度:4×1018/cm3)コンタクト層5とで構成されている。光吸収層9は具体的にはInPに格子整合したアンドープInGaAsSb(層厚:1μm)、Beドープp型InGaAsSb(層厚:0.5μm、ドーピング濃度:2.5×1017/cm3)からなる。Ga組成比は0.52、Sb組成比は0.05である。このように構成される本実施例の半導体受光素子では、上面から入射された信号光が電気信号に変換される。
【0026】
ここで、挿入層3を積層しなくても良好な特性は得られるが、この挿入層3によりバッファ/コンタクト層2から光吸収層9へのSnの混入を防止できる。また素子動作時に光吸収層9からの電子の引出しを促進させるという効果も得られる。
【0027】
なお、本実施例における結晶成長方法、受光素子の作製方法は実施例1と同様であり、図5において、図1に示し上述した部材と同一の部材には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。また、受光感度の波長依存性も実施例1と同等である。
【0028】
このようにして作製した本実施例に係る半導体受光素子の特性について説明する。
図6に本実施例に係る半導体受光素子の暗電流の素子直径依存性を示す。暗電流は光を照射しない状態で逆方向バイアス;1Vを印加して測定される。図6に示すように、本実施例の受光素子の暗電流は、受光素子の直径Rが20μmのとき1nA、100μmのとき10nA、250μmのとき70nAである。このように受光素子の直径Rが大きくなると暗電流は増加する。この暗電流は受光素子の動作時の雑音の原因となり得るので低い方がよい。したがって、暗電流を抑制するためには受光素子の直径Rは小さい方が望ましい。
【0029】
また、光吸収層4にアンドープInGaAsSbのみを用いた実施例1の半導体受光素子に比べて本実施例の半導体受光素子の暗電流は低い。これは、光吸収層9の一部にp型ドーピングを施すことで電圧印加時の空乏層幅の増加が抑制されることにより、空乏層でのキャリアの発生による暗電流を抑制することができるためと考えられる。したがって、暗電流を低減するためには本実施例のように光吸収層9の一部にp型ドーピングを施すだけでなく、光吸収層9全体にp型ドーピングを施しても効果がある。また、p型ドーピングだけでなくn型ドーピングを施した場合でも、電圧印加時の空乏層幅の増加が抑制されるので空乏層でのキャリアの発生による暗電流を抑制できる。このように光吸収層9の少なくとも一部にp型又はn型InGaAsSbを用いることにより暗電流を低減することができる。
【0030】
また、光吸収層9の少なくとも一部にp型InGaAsSbを用いる場合にはp型InGaAsSb領域において光吸収により発生する正孔を効率よく引き出せるため、受光素子特性を高速化できるという効果も奏する。
【0031】
次に本実施例に係る半導体受光素子を作製したときの特性のばらつきについて説明する。図7に40個の受光素子について測定された暗電流の標準偏差の素子直径依存性を示す。ここで標準偏差が大きいほど各受光素子間の暗電流のばらつきは大きい。図7に示すように、標準偏差は受光素子の直径Rが0μmより大きく100μm以下では極めて小さい。また、受光素子の受光感度は素子の直径(面積)が増加すると向上し、素子の直径(面積)が減少すると低下する。例えば、受光素子の直径が20μmより小さい場合には素子の受光感度が低下し十分な受光感度が得られない。一方、受光素子の直径Rが250μm以上になると標準偏差は急激に増加する。すなわち、直径Rが250μm以上になると暗電流のばらつきが急激に大きくなる。このことから、受光素子の直径Rを20μm以上100μm以下にすることが暗電流のばらつきの低減に有効であることがわかる。
【0032】
このように、本実施例における光吸収層9にInGaAsSbを用いた受光素子においては、受光素子の直径Rを20μm以上100μm以下、すなわち素子面積を3.14×102μm2以上7.85×103μm2以下にすることにより暗電流のばらつきを低減することができる。
【0033】
なお、実施例1、2において受光素子の直径Rとは光吸収層4又は9のp型クラッド層(コンタクト層5)との境界面における直径をいい、素子面積とは光吸収層4又は9とp型クラッド層(コンタクト層5)との境界面の面積をいう。
【0034】
実施例1、2における暗電流のばらつきは結晶中の欠陥または不純物に起因すると考えられる。欠陥又は不純物が、受光素子の直径Rが100μmより大きく250μm以下の範囲に含まれるような密度で誘起・混入されているものとすれば、直径Rが100μm以下では欠陥又は不純物を含有する可能性が少ないので暗電流のばらつきは小さく、受光素子の直径Rが250μmになると欠陥又は不純物を含有する可能性が高くなるので暗電流のばらつきが大きくなると考えられる。
【0035】
実施例1、2においてはGa組成比を0.52、Sb組成比を0.05としたが、Sb組成比は0より大きく0.2以下であれば有効である。このことを以下に説明する。図8にInPに格子整合するIn1-xGaxAs1-ySbyのバンドギャップ波長のSb組成比依存性を示す。図8に示すように、Sb組成比yが0から約0.27まで増加するとバンドギャップ波長は1.68から1.85μmまで増加する。また、Sb組成比yが約0.27以上に増加するとバンドギャップ波長は1.85μmから減少する。要するに、Sb組成比yを0から0.2程度まで変化させることにより、効果的にInGaAsSbのバンドギャップ波長を変化させ、これを長波長化することができる。とくにSb組成比yが0より大きく0.05以下の範囲は前述のL帯に対応できるとともに結晶品質の安定性に優れるので有効である。このとき、InGaAsSbがInPに格子整合する場合において、Ga組成比xは0.47より大きく0.68以下である。
【0036】
また、実施例1、2においては光吸収層4又は9にInPに格子整合したInGaAsSb結晶を用いたが、InGaAsSb結晶中に格子緩和が生じない範囲であれば、歪みを有する(InPに格子整合しない)InGaAsSb結晶でも構わない。
【0037】
また、実施例1、2においては素子構造における結晶の成長温度を500℃としたが、他の温度でも構わない。但し、成長温度が500℃未満では原料ガスの有機金属が十分に熱分解しないためカーボンが高濃度で成長する結晶中に混入して結晶の純度を低下させるおそれがある。また、成長温度が600℃より高いと、Sbの蒸気圧が高くなるため結晶中のSbが結晶から蒸発して結晶中のSb濃度が低下するおそれがある。したがって、成長温度は500℃以上600℃以下が望ましい。
【0038】
また、実施例1、2においては結晶成長方法として有機金属分子線エピタキシャル成長法を用いる例を示したが、有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、ガスソース分子線エピタキシャル成長法(GSMBE)など熱力学的に非平衡状態で結晶を成長できる方法であれば他の結晶成長方法でも構わない。
【0039】
また、実施例1、2においてはメサ構造を有する素子構造を用いたが、拡散型の受光素子構造を用いても同様の効果が得られる。
【0040】
また、実施例1、2においては半絶縁性InP基板1を用いる構成としたが、半絶縁性InP基板1に代えてn型InP基板またはp型InP基板を用いる構成としてもよい。また、バッファ層、クラッド層(コンタクト層5)に用いるIn(GaAs)P結晶の組成はバンドギャップが光吸収層のそれより大きいものでありInPに格子整合するものであれば用いることができる。また、ドーピング濃度も他の濃度でもよい。p型ドーピング不純物にはBeを用いたが、Zn、Mgでもよい。n型ドーピング不純物にはSnを用いたが、Si、Se、Sでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、アンチモンを含む光吸収層を有する半導体受光素子に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0042】
1 InP基板
2 Snドープn型InPバッファ/コンタクト層
3 アンドープInGaAsP挿入層
4 アンドープInGaAsSb光吸収層
5 Beドープp型InGaAs/Beドープn型InGaAsPコンタクト層
6 窒化シリコン膜
7 p型電極
8 n型電極
9 アンドープInGaAsSb/Beドープp型InGaAsSb光吸収層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
InP基板上に第一の導電型の層と、アンチモンを含む光吸収層と、第二の導電型の層とが順次積層されてなる構造を備えた半導体受光素子であって、
前記光吸収層と前記第二の導電型の層との境界面の面積が3.14×102μm2以上7.85×103μm2以下となるように形成された
ことを特徴とする半導体受光素子。
【請求項2】
前記光吸収層の少なくとも一部にp型ドーピングが施されている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体受光素子。
【請求項3】
前記光吸収層の少なくとも一部にn型ドーピングが施されている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体受光素子。
【請求項4】
前記光吸収層がInGaAsSbである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
【請求項5】
前記InGaAsSbのSb組成が0より大きく0.2以下である
ことを特徴とする請求項4記載の半導体受光素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−225820(P2010−225820A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71062(P2009−71062)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】