説明

半導体回路

【課題】本発明は、ハイレベルの入力信号に混入されたローレベルのノイズ及びローレベルの入力信号に混入されたハイレベルのノイズをより効果よく取り除くことができる半導体回路を提供する。
【解決手段】 入力信号を所定時間遅延して出力する遅延部120、220、320と、該入力信号のレベルによって電圧を充放電させる電圧調整部140、240、340と、該入力信号のレベル及び遅延部120、220、320から出力される信号のレベルを用いて生成された信号によって、電圧調整部140、240、340の充放電動作を制御する組合せ部160、260、360とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に搭載される半導体回路に関し、特に、入力信号に混入されたノイズを取り除くことができる半導体回路に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子機器においては、電源ラインや信号ラインにノイズが発生し、該ノイズの影響によって電子機器に搭載されている半導体回路が誤動作するという問題点がある。
【0003】
例えば、半導体回路のリセット端子にノイズが印加されて該半導体回路が誤動作すると、内部回路が初期化される恐れがあるため、電子機器に大きい問題を引き起こす。
【0004】
また、半導体回路に入力される信号にノイズが混入されると、該ノイズを入力信号として判断することもあって、電子機器の正常動作を邪魔して誤動作を引き起こす主な原因になる。
【0005】
このため、ノイズを取り除くことができる半導体回路が提案されていたが、従来の半導体回路では、入力信号に対して複数のノイズが連続して重なる場合、該ノイズを正確に取り除くのが困難であるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開1995-095022号公報
【特許文献2】特開2009-278476号公報
【特許文献3】韓国特許公開第10-2005-0056151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、ハイレベルの入力信号に混入されたローレベルのノイズ及びローレベルの入力信号に混入されたハイレベルのノイズをより効果よく取り除くことができる半導体回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために、本発明の一実施形態による半導体回路は、入力信号を所定時間遅延して出力する遅延部と、前記入力信号のレベルによって電圧を充放電させる電圧調整部と、前記入力信号のレベル及び前記遅延部から出力される信号のレベルを用いて生成された信号によって、前記電圧調整部の充放電動作を制御する組合せ部とを含む。
【0009】
前記遅延部は、前記入力信号のレベルを反転して出力する複数のインバータを含む。
【0010】
また、前記遅延部は、直列接続される第1及び第2のインバータを含み、前記電圧調整部は前記第1及び第2のインバータの接続点とグラウンドとの間に接続される。
【0011】
また、前記第1のインバータは、前記入力信号のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチを含む。
【0012】
前記第1及び第2のスイッチは各々、PMOS及びNMOSで構成される。
【0013】
また、前記第1のインバータは、前記第1及び第2のスイッチに各々接続される第1及び第2の電流源を含む。
【0014】
また、前記電圧調整部は、前記第1及び第2のスイッチのスイッチング動作によって前記電圧を充放電させるコンデンサで構成される。
【0015】
また、前記第1のインバータは、前記入力信号がローレベルからハイレベルに変わると、前記第1のスイッチを開動作させ、前記第2のスイッチを閉動作させ、前記電圧調整部は、前記第2のスイッチの閉動作によって前記電圧を放電させる。
【0016】
前記第2のインバータは、前記電圧調整部で放電した電圧が予め決められた基準電圧より低ければ、ハイレベルの信号を出力し、前記電圧調整部で放電した電圧が予め決められた基準電圧より低くなければ、ローレベルの信号を出力する。
【0017】
一方、前記第1のインバータは、前記入力信号がハイレベルからローレベルに変わると、前記第1のスイッチを閉動作させ、前記第2のスイッチを開動作させ、前記電圧調整部は前記第1のスイッチの閉動作によって前記電圧を充電させる。
【0018】
前記第2のインバータは、前記電圧調整部で充電された電圧が予め決められた基準電圧より高ければ、ローレベルの信号を出力し、前記電圧調整部で充電された電圧が予め決められた基準電圧より高くなければ、ハイレベルの信号を出力する。
【0019】
また、前記組合せ部は、前記入力信号と前記遅延部から出力される信号とを組み合わせてロジック演算する第1及び第2の演算器と、前記第1及び第2の演算器で生成された信号のレベルによってスイッチング動作する第3及び第4のスイッチとを含む。
【0020】
前記第1及び第2の演算器は各々、ORゲート及びANDゲートで構成される。
【0021】
また、前記遅延部は、順次に直列接続される第1〜第6のインバータを含み、前記電圧調整部は、前記第3及び第4のインバータの接続点とグラウンドとの間に接続される。
【0022】
前記第3のインバータは、前記入力信号のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチと、前記第1及び第2のスイッチに各々接続される第1及び第2の電流源とを含む。
【0023】
また、前記組合せ部は、第2のインバータに入力される信号と第5のインバータから出力される信号とを組み合わせて生成された信号によって、前記電圧調整部の充放電動作を制御する。
【0024】
また、前記組合せ部は、前記第2のインバータに入力される信号と前記第5のインバータから出力される信号とを組み合わせてロジック演算する第1及び第2の演算器と、前記第1及び第2の演算器で生成された信号のレベルによってスイッチング動作する第3及び第4のスイッチとを含む。
【0025】
前記第1及び第2の演算器は各々、NANDゲート及びNORゲートで構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ハイレベルの入力信号に混入されたローレベルのノイズ及びローレベルの入力信号に混入されたハイレベルのノイズをより効果よく取り除くことができるという長所がある。
【0027】
また、本発明によれば、ノイズが連続して印加される場合にも、半導体回路の誤動作なしにノイズを容易に取り除くことができるという長所がある。
【0028】
また、本発明によれば、ノイズを取り除く機能に加えて、入力信号を遅延させる機能も具現可能なので、半導体回路のチップサイズを小さくすることができるという長所がある。
【0029】
従って、半導体回路の製造費用及び半導体回路が搭載された電子機器の製造費用までも節減することができるという効果が奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態による半導体回路の構成図である。
【図2】ノイズを取り除くための半導体回路の動作を示すタイミング図である。
【図3a】図1の第1及び第2の電流源の代りに、第1及び第2の抵抗を接続した半導体回路の構成図である。
【図3b】図1の第1のスイッチを取り除いた半導体回路の構成図である。
【図3c】図1の第2のスイッチを取り除いた半導体回路の構成図である。
【図4】本発明の他の実施形態による半導体回路の構成図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態による半導体回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0032】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による半導体回路の構成図で、図2は、ノイズを取り除くための半導体回路の動作を示すタイミング図である。
【0035】
図1及び図2に示すように、半導体回路100は大きく、遅延部120と、電圧調整部140と、組合せ部160とを含んで構成される。
【0036】
まず、遅延部120は、半導体回路100の入力端INに入力される信号P1を所定時間遅延して出力する手段であって、入力信号のレベルを反転して出力する複数(例えば、偶数個)のインバータで構成されてもよい。
【0037】
図1中の遅延部120は、直列接続された二つの第1及び第2のインバータ122、124で構成される。第1のインバータ122は、入力信号P1のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチQ1、Q2と、第1及び第2のスイッチQ1、Q2に各々接続されて電流を供給する第1及び第2の電流源S1、S2とを含む。
【0038】
第1のインバータ122がCMOSインバータの場合、第1及び第2のスイッチQ1、Q2は各々PMOS及びNMOSで構成されるのが望ましい。
【0039】
次に、前記第1のインバータ122の動作に対して詳しく説明する。入力信号P1がローレベルからハイレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ1は開(OFF)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は閉(ON)動作を行って、電流が第2のスイッチQ2及び第2の電流源S2を経ってグラウンドへと流れるようになる。
【0040】
もし、入力信号P1がハイレベルからローレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ1は閉動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は開動作を行って、第1の電流源S1から出力される電流が第1のスイッチQ1へと流れるようになる。
【0041】
電圧調整部140は、入力信号P1のレベルによって電圧を充電するか放電する手段であって、第1及び第2のインバータ122、124の接続点Aとグラウンドとの間に位置するコンデンサC1で構成される。
【0042】
前述のような電圧調整部140の動作に対して詳記する。電圧調整部140は、第1のインバータ122にある第1及び第2のスイッチQ1、Q2のスイッチング動作によって電圧を充電するか放電する。例えば、図2のように、入力端INに入力される信号P1がローレベルからハイレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ1は開(OFF)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は閉(ON)動作を行うことによって、コンデンサC1に充電されていた電圧を第2のスイッチQ2及び第2の電流源S2を通じて放電させる。
【0043】
これによって、コンデンサC1に充電されていた電圧は一定の傾きを有して減少するようになり、放電電圧(信号P2の電圧)が第2のインバータ124の基準電圧より低ければ、第2のインバータ124はハイレベルの信号P3を出力する。
【0044】
一方、第2のインバータ124は放電した電圧(信号P2の電圧)が第2のインバータ124の基準電圧より低くなければ、ローレベルの入力信号P1にハイレベルのノイズが混入されたと判断して、ローレベルの信号P3をそのまま出力する。
【0045】
前述のように、入力信号P1がローレベルからハイレベルに変化し、出力信号P3を出力するまでの時間が、図2に示すローレベルの入力信号に混入されたハイレベルのノイズを取り除くノイズフィルタリング時間toになって、該ノイズフィルタリング時間toよりパルス幅が小さなハイレベルの信号t1はノイズとして認識されて取り除くようになる。
【0046】
一方、入力端INへの入力信号P1がハイレベルからローレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ1は閉(ON)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は開(OFF)動作を行うことによって、第1の電流源S1及び第1のスイッチQ1を通じてコンデンサC1を充電させる。
【0047】
これによって、コンデンサC1に充電される電圧は一定の傾きを有して増加するようになり、充電電圧(信号P2の電圧)が第2のインバータ124の基準電圧より高ければ、第2のインバータ124はローレベルの信号P3を出力する。
【0048】
一方、第2のインバータ124は、充電電圧(信号P2の電圧)が第2のインバータ124の基準電圧より高くなければ、ハイレベルの入力信号にローレベルのノイズが混入されたと判断してハイレベルの信号P3をそのまま出力する。
【0049】
前述のように、入力信号P1がハイレベルからローレベルに変化し、出力信号P3を出力するまでの時間が、ハイレベルの入力信号に混入されたローレベルのノイズを取り除くノイズフィルタリング時間t2(t2=0)になり、該ノイズフィルタリング時間t2よりパルス幅が小さなローレベルの信号はノイズとして認識されて取り除くようになる。
【0050】
組合せ部160は、入力端INへの入力信号P1のレベル及び出力端OUTから出力される信号P3のレベルを用いて生成された信号によって、電圧調整部140の充放電動作を制御する手段であって、入力端INへの入力信号P1と出力端OUTからの出力信号P3とを組み合わせて生成された信号P4、P5によって電圧調整部140の充放電動作を制御し、第1及び第2の演算器G1、G2と、第3及び第4のスイッチQ3、Q4とで構成される。
【0051】
第1及び第2の演算器G1、G2は各々、入力信号P1と出力信号P3とを組み合わせてロジックOR、AND演算するORゲート及びANDゲートで構成される。
【0052】
ORゲートで構成される第1の演算器G1は、入力信号P1及び出力信号P3のレベルが全てローレベルの場合のみ、ローレベルの信号P4を出力し、その他の場合にはハイレベルの信号P4を出力する。
【0053】
そして、ANDゲートで構成される第2の演算器G2は、入力信号P1及び出力信号P3のレベルが全てハイレベルの場合のみ、ハイレベルの信号P5を出力し、その他の場合には、ローレベルの信号P5を出力する。
【0054】
第3及び第4のスイッチQ3、Q4は各々、第1及び第2の演算器G1、G2から出力される信号P4、P5のレベルによってスイッチング動作する手段であって、各々PMOS及びNMOSで構成される。
【0055】
前述のような組合せ部160の動作に対して詳記する。組合せ部160は、電圧調整部140のコンデンサC1が完全に充電されるか放電しない状態で、入力信号P1にノイズが重なって印加されることによって、半導体回路100が誤動作することを防止する。
【0056】
このように、電圧調整部140のコンデンサC1が完全に充電されるか放電しない状態で入力信号が連続して印加されれば、ノイズフィルタリング時間toより小さなパルス幅を有するノイズが印加されても、コンデンサC1に充電された電圧が基準電圧より増加して、第2のインバータ124ではノイズを正常信号として誤り出力することがある。
【0057】
図1及び図2を参照して、ノイズを取り除くための半導体回路の動作を詳しく説明することにする。
【0058】
入力端INに入力されるローレベルの入力信号にハイレベルのノイズが混入されて、P1のようにローレベルからハイレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ1は開(OFF)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は閉(ON)動作を行うことによって、コンデンサC1に充電されていた電圧を第2のスイッチQ2及び第2の電流源S2を通じて放電させる。
【0059】
これによって、コンデンサC1に充電されていた電圧は一定の傾きを有して減少するようになるが、放電電圧(信号P2の電圧)が第2のインバータ124の基準電圧に到逹する前にハイレベルのノイズ信号がハイレベルからローレベルに変わるので、NMOSである第2のスイッチQ2は開(OFF)動作し、これと反対にPMOSである第1のスイッチQ1は閉(ON)動作を行うことによって、コンデンサC1に放電していた電圧を第1のスイッチQ1及び第1の電流源S1を通じて充電させ、第2のインバータ124はローレベルの信号P3を維持する。
【0060】
すると、第1の演算器G1は、ローレベルの入力信号P1とローレベルの出力信号P3とをOR演算してローレベルの信号P4を出力し、第1の演算器G1から出力されたローレベルの信号P4によって第3のスイッチQ3は閉(ON)動作する。
【0061】
これと同時に、第2の演算器G2は、ハイレベルのノイズ信号P1とローレベルの出力信号P3とをAND演算してローレベルの信号P5を出力し、第2の演算器G2から出力されたローレベルの信号P5によって第4のスイッチQ4は開(OFF)動作する。
【0062】
これによって、電圧調整部140のコンデンサC1に放電した電圧を第3のスイッチQ3を通じて電源電圧まで完全に充電させるため、ノイズフィルタリング時間toを一定に保持させてローレベルの入力信号に重なったハイレベルのノイズを容易に取り除くことができる。
【0063】
一方、入力端INに入力されるハイレベルの入力信号P1にローレベルのノイズが含まれて、P1のようにハイレベルからローレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ1は閉(ON)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は開(OFF)動作を行うことによって、第1の電流源S1及び第1のスイッチQ1を通じてコンデンサC1を充電させる。
【0064】
これによって、コンデンサC1に充電される電圧は一定の傾きを有して増加するようになるが、充電電圧(信号P2の電圧)が第2のインバータ124の基準電圧に到逹する前にローレベルのノイズ信号がローレベルからハイレベルに変わるので、PMOSである第1のスイッチQ1は開動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ2は閉動作を行うことによって、コンデンサC1に充電されていた電圧を第2のスイッチQ2及び第2の電流源S2を通じて放電させ、第2のインバータ124はハイレベルの信号P3を維持する。
【0065】
そして、第1の演算器G1は、ローレベルの入力信号P1とハイレベルの出力信号P3とをOR演算してハイレベルの信号P4を出力し、第1の演算器G1から出力されたハイレベルの信号P4によって第3のスイッチQ3は開動作する。
【0066】
これと同時に、第2の演算器G2は、ハイレベルのノイズ信号P1とハイレベルの出力信号P3とをAND演算してハイレベルの信号P5を出力し、第2の演算器G2から出力されたハイレベルの信号P5によって第4のスイッチQ4は閉動作する。
【0067】
すると、第4のスイッチQ4を通じて電圧調整部140のコンデンサC1で電圧をグラウンド電圧まで完全に放電させるから、ハイレベルの入力信号にローレベルのノイズが重なってもノイズフィルタリング時間t2を一定に保持させてノイズを取り除くことができるという長所がある。
【0068】
図3aは、図1の第1及び第2の電流源の代りに、第1及び第2の抵抗を接続した半導体回路の構成図で、図3bは、図1の第1のスイッチを取り除いた半導体回路の構成図で、図3cは、図1の第2のスイッチを取り除いた半導体回路の構成図である。
【0069】
図3aに示すように、本発明の一実施形態による半導体回路100は、第1及び第2の電流源S1、S2の代りに、第1及び第2の抵抗R1、R2を接続した方式を採用してもよい。
【0070】
また、図3b及び図3cに示すように、第1のインバータ122は、第1及び第2のスイッチQ1、Q2のうちのいずれか一つを取り除いて使うことができることは勿論である。
【0071】
図4は、本発明の他の実施形態による半導体回路の構成図を示す。
【0072】
図4に示すように、半導体回路200は大きく、遅延部220、電圧調整部240及び組合せ部260を含んで構成される。
【0073】
まず、遅延部220は、直列接続された二つの第1及び第2のインバータ222、224で構成され、第1のインバータ222は、図1に示した第1及び第2の電流源S1、S2を除いた第1及び第2のスイッチQ21、Q22で構成される。
【0074】
また、前記のような第1のインバータ222は、図4に示した第1及び第2のスイッチQ21、Q22を直列接続した方式他に多様な方式を用いて構成されてもよい。
【0075】
以下、同じ機能を有する電圧調整部240及び組合せ部260の構成は、本発明の一実施形態で説明したので略することにする。
【0076】
図4の半導体回路200の動作に対して説明する。入力端INへの入力信号P21がローレベルからハイレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ21は開(OFF)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ22は閉(ON)動作を行うことによって、コンデンサC21に充電されていた電圧を放電させる。
【0077】
これによって、コンデンサC21に充電されていた電圧は一定の傾きを有して減少するようになり、放電電圧(信号P22の電圧)が第2のインバータ224の基準電圧より低ければ、第2のインバータ224はハイレベルの信号P23を出力する。
【0078】
すると、第1の演算器G21は、ハイレベルの入力信号P21とハイレベルの出力信号P23とをOR演算してハイレベルの信号P24を出力し、第1の演算器G21から出力されたハイレベルの信号P24によって第3のスイッチQ23は開(OFF)動作する。
【0079】
これと同時に、第2の演算器G22は、ハイレベルの入力信号P21とハイレベルの出力信号P23とをAND演算してハイレベルの信号P25を出力し、第2の演算器G22から出力されたハイレベルの信号P25によって第4のスイッチQ24は閉(ON)動作する。
【0080】
これによって、電圧調整部240のコンデンサC21に充電された電圧が第4のスイッチQ24を通じてグラウンドへと完全に放電するから、ノイズフィルタリング時間を一定に保持させてハイレベルの入力信号に重なったローレベルのノイズを容易に取り除くことができる。
【0081】
ここで、ノイズフィルタリング時間t2は、コンデンサC21と第1のスイッチQ21のサイズで決まってもよく、一定のノイズフィルタリング時間を有するようにノイズによるコンデンサの充電電圧を放電させる第4のスイッチQ24は、コンデンサを時間延期なしに放電させるように、そのサイズが決まる。
【0082】
一方、入力端INへの入力信号P21がハイレベルからローレベルに変わると、PMOSである第1のスイッチQ21は閉(ON)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ22は開(OFF)動作を行うことによって、コンデンサC21を充電させる。
【0083】
これによって、コンデンサC21に充電される電圧は一定の傾きを有して増加するようになり、充電電圧(信号P22の電圧)が第2のインバータ224の基準電圧より高ければ、第2のインバータ224はローレベルの信号P23を出力する。
【0084】
そして、第1の演算器G21はローレベルの入力信号P21とローレベルの出力信号P23とをOR演算してローレベルの信号P24を出力し、第1の演算器G21から出力されたローレベルの信号P24によって第3のスイッチQ23は閉(ON)動作する。
【0085】
これと同時に、第2の演算器G22は、ローレベルの入力信号P21とローレベルの出力信号P23とをAND演算してローレベルの信号P25を出力し、第2の演算器G22から出力されたローレベルの信号P25によって第4のスイッチQ24は開(OFF)動作する。
【0086】
すると、第3のスイッチQ23を通じて電圧調整部240のコンデンサC21で電圧を電源電圧まで完全に充電させるため、ローレベルの入力信号にハイレベルのノイズが重なってもノイズフィルタリング時間t0を一定に保持させてノイズを取り除くことができるという長所がある。
【0087】
ここで、ノイズフィルタリング時間t0は、コンデンサC21及び第2のスイッチQ22のサイズで決まってもよく、一定のノイズフィルタリング時間を有するようにノイズによるコンデンサの放電電圧を充電させる第3のスイッチQ23は、コンデンサを時間延期なしに充電させることができるように、そのサイズが決まる。
【0088】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による半導体回路の構成図である。
【0089】
図5に示すように、半導体回路300は大きく、遅延部320、電圧調整部340及び組合せ部360を含んで構成される。
【0090】
まず、遅延部320は、直列接続された六個の第1〜第6のインバータ321〜326で構成され、第3のインバータ323は入力信号P31のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチQ31、Q32と、第1及び第2のスイッチQ31、Q32に各々接続されて電流を供給する第1及び第2の電流源S31、S32とを含む。
【0091】
また、電圧調整部340は、第3及び第4のインバータ323、324の接続点Aとグラウンドとの間に接続されるコンデンサC31を含む。
【0092】
そして、組合せ部360は、入力端INへの入力信号のレベル及び出力端OUTから出力される信号のレベルを用いて生成された信号によって、電圧調整部340の充放電動作を制御する手段であって、詳しくは、第1のインバータ321から出力された信号P31aと第5のインバータ325から出力された信号P33aとを組み合わせて生成された信号P34、P35によって電圧調整部340の動作を制御し、第1及び第2の演算器G31、G32と、第3及び第4のスイッチQ33、Q34とで構成される。
【0093】
ここで、第1及び第2の演算器G31、G32は各々、NANDゲート及びNORゲートで構成される。
【0094】
NANDゲートで構成される第1の演算器G31は、第1のインバータ321から出力された信号P31a及び第5のインバータ325から出力された信号P33aのレベルが全てハイレベルの場合のみ、ローレベルの信号P34を出力し、その他の場合は、ハイレベルの信号P34を出力する。
【0095】
そして、NORゲートで構成される第2の演算器G32は、第1のインバータ321から出力された信号P31a及び第5のインバータ325から出力された信号P33aのレベルが全てローレベルの場合のみ、ハイレベルの信号P35を出力し、その他の場合は、ローレベルの信号P35を出力する。
【0096】
以下、同じ機能を有する電圧調整部340の構成は、本発明の一実施形態で説明したので略することにする。
【0097】
図5に示した半導体回路300の動作に対して説明する。入力端INへの入力信号P31がローレベルからハイレベルに変わると、第1のインバータ321はローレベルの信号P31aを出力し、第2のインバータ322はハイレベルの信号P31bを出力する。これによって、PMOSである第1のスイッチQ31は開(OFF)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ32は閉(ON)動作を行うことによって、第2のスイッチQ32及び第2の電流源S32を通じてコンデンサC31に充電されていた電圧を放電させる。
【0098】
これによって、コンデンサC31に充電されていた電圧は一定の傾きを有して減少するようになり、放電電圧(信号P32の電圧)が第4のインバータ324の基準電圧より低ければ、第4のインバータ324はハイレベルの信号P33bを出力し、第5のインバータ325はローレベルの信号P33aを出力する。
【0099】
すると、第1の演算器G31は、第1のインバータ321から出力されたローレベルの入力信号P31aと第5のインバータ325から出力されたローレベルの出力信号P33aとをNAND演算してハイレベルの信号P34を出力し、第1の演算器G31から出力されたハイレベルの信号P34によって第3のスイッチQ33は開(OFF)動作する。
【0100】
これと同時に、第2の演算器G32は、第1のインバータ321から出力されたローレベルの入力信号P31aと第5のインバータ325から出力されたローレベルの出力信号P33aとをNOR演算してハイレベルの信号P35を出力し、第2の演算器G32から出力されたハイレベルの信号P35によって第4のスイッチQ24は閉(ON)動作する。
【0101】
これによって、電圧調整部340のコンデンサC31に充電された電圧が第4のスイッチQ34を通じてグラウンドへと完全に放電するから、ノイズフィルタリング時間t2を一定に保持させてハイレベルの入力信号P31に重なったローレベルのノイズを容易に取り除くことができる。
【0102】
一方、入力端INへの入力信号P31がハイレベルからローレベルに変わると、第1のインバータ321はハイレベルの信号P31aを出力し、第2のインバータ322はローレベルの信号P31bを出力する。これによって、PMOSである第1のスイッチQ31は閉(ON)動作し、これと反対にNMOSである第2のスイッチQ32は開(OFF)動作を行うことによって、コンデンサC31を充電させる。
【0103】
これによって、コンデンサC31に充電される電圧は一定の傾きを有して増加するようになり、充電電圧(信号P32の電圧)が第4のインバータ324の基準電圧より高ければ、第4のインバータ324はローレベルの信号P33bを出力し、第5のインバータ325はハイレベルの信号P33aを出力する。
【0104】
そして、第1の演算器G31は、第1のインバータ321から出力されたハイレベルの入力信号P31aと第5のインバータ325から出力されたハイレベルの出力信号P33aとをNAND演算してローレベルの信号P34を出力し、第1の演算器G31から出力されたローレベルの信号P34によって第3のスイッチQ33は閉(ON)動作する。
【0105】
これと同時に、第2の演算器G32は、第1のインバータ321から出力されたハイレベルの入力信号P31aと第5のインバータ325から出力されたハイレベルの出力信号P33aとをNOR演算してローレベルの信号P35を出力し、第2の演算器G32から出力されたローレベルの信号P35によって第4のスイッチQ34は開(OFF)動作する。
【0106】
すると、第3のスイッチQ33を通じて電圧調整部340のコンデンサC31で電圧を電源電圧まで完全に充電させるため、ローレベルの入力信号P31にハイレベルのノイズが重なってもノイズフィルタリング時間t0を一定に保持させてノイズを取り除くことができるという長所がある。
【0107】
一方、本発明の一実施形態及びさらに他の実施形態では、遅延部が2個及び6個のインバータで構成されることとして説明したが、これに限定されるのではなく、多様な個数のインバータを用いて遅延部を具現してもよい。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
100、200、300 半導体回路
120、220、320 遅延部
140、240、240 電圧調整部
160、260、360 組合せ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を所定時間遅延して出力する遅延部と、
前記入力信号のレベルによって電圧を充放電させる電圧調整部と、
前記入力信号のレベル及び前記遅延部から出力される信号のレベルを用いて生成された信号によって、前記電圧調整部の充放電動作を制御する組合せ部
とを含む半導体回路。
【請求項2】
前記遅延部は、
前記入力信号のレベルを反転して出力する複数のインバータを含む請求項1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記遅延部は、
直列接続される第1及び第2のインバータを含み、
前記電圧調整部は、
前記第1及び第2のインバータの接続点とグラウンドとの間に接続される請求項2に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記第1のインバータは、
前記入力信号のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチを含む請求項3に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記第1及び第2のスイッチは各々、PMOS及びNMOSで構成される請求項4に記載の半導体回路。
【請求項6】
前記第1のインバータは、前記第1及び第2のスイッチに各々接続される第1及び第2の電流源を含む請求項4に記載の半導体回路。
【請求項7】
前記第1のインバータは、前記第1及び第2のスイッチに各々接続される第1及び第2の抵抗を含む請求項4に記載の半導体回路。
【請求項8】
前記電圧調整部は、
前記第1及び第2のスイッチのスイッチング動作によって前記電圧を充放電させるコンデンサで構成される請求項4に記載の半導体回路。
【請求項9】
前記第1のインバータは、
前記入力信号がローレベルからハイレベルに変わると、前記第1のスイッチを開動作させ、前記第2のスイッチを閉動作させ、
前記電圧調整部は、
前記第2のスイッチの閉動作によって前記電圧を放電させる請求項5に記載の半導体回路。
【請求項10】
前記第2のインバータは、
前記電圧調整部で放電した電圧が予め決められた基準電圧より低ければ、ハイレベルの信号を出力する請求項9に記載の半導体回路。
【請求項11】
前記第2のインバータは、
前記電圧調整部で放電した電圧が予め決められた基準電圧より低くなければ、ローレベルの信号を出力する請求項9に記載の半導体回路。
【請求項12】
前記第1のインバータは、
前記入力信号がハイレベルからローレベルに変わると、前記第1のスイッチを閉動作させ、前記第2のスイッチを開動作させ、
前記電圧調整部は、
前記第1のスイッチの閉動作によって前記電圧を充電させる請求項5に記載の半導体回路。
【請求項13】
前記第2のインバータは、
前記電圧調整部で充電された電圧が予め決められた基準電圧より高ければ、ローレベルの信号を出力する請求項12に記載の半導体回路。
【請求項14】
前記第2のインバータは、
前記電圧調整部で充電された電圧が予め決められた基準電圧より高くなければ、ハイレベルの信号を出力する請求項12に記載の半導体回路。
【請求項15】
前記組合せ部は、
前記入力信号と前記遅延部から出力される信号とを組み合わせてロジック演算する第1及び第2の演算器と、
前記第1及び第2の演算器で生成された信号のレベルによってスイッチング動作する第3及び第4のスイッチを含む請求項1に記載の半導体回路。
【請求項16】
前記第1及び第2の演算器は各々、ORゲート及びANDゲートで構成される請求項15に記載の半導体回路。
【請求項17】
前記遅延部は、
順次に直列接続される第1〜第6インバータを含み、
前記電圧調整部は、
前記第3及び第4のインバータの接続点とグラウンドとの間に接続される請求項2に記載の半導体回路。
【請求項18】
前記第3のインバータは、
前記入力信号のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチと、
前記第1及び第2のスイッチに各々接続される第1及び第2の電流源を含む請求項17に記載の半導体回路。
【請求項19】
前記第3のインバータは、
前記入力信号のレベルによって選択的にスイッチング動作する第1及び第2のスイッチと、
前記第1及び第2のスイッチに各々接続される第1及び第2の抵抗とを含む請求項17に記載の半導体回路。
【請求項20】
前記組合せ部は、
前記第2のインバータに入力される信号と前記第5のインバータから出力される信号とを組み合わせて生成された信号によって前記電圧調整部の充放電動作を制御する請求項17に記載の半導体回路。
【請求項21】
前記組合せ部は、
前記第2のインバータに入力される信号と前記第5のインバータから出力される信号とを組み合わせてロジック演算する第1及び第2の演算器と、
前記第1及び第2の演算器で生成された信号のレベルによってスイッチング動作する第3及び第4のスイッチとを含む請求項20に記載の半導体回路。
【請求項22】
前記第1及び第2の演算器は各々、NANDゲート及びNORゲートで構成される請求項21に記載の半導体回路。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−38779(P2013−38779A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164514(P2012−164514)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】