説明

半導体基板アセンブリおよびそれを作製しダイシングするための方法

第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板を用いて半導体デバイスを形成する方法は、レーザ光のビームが第1の表面と第2の表面との間の基板内に焦点合わせされ、レーザ光のビームが基板に熱により弱化された区域(TWZ)を形成するように、レーザ光のビームを基板に方向付けることを含む。TWZは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり、分割ラインを画定する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの作製に関し、より詳細には、半導体ウエハを個別の要素にダイシングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは一般に、デバイスに対する機械的サポートを与え、またデバイスの電気的性能にもしばしば寄与する基板上に作製される。シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、サファイア、およびシリコンカーバイドが、半導体デバイスの基板として一般に用いられる材料のいくつかである。多くの他の材料も基板として用いられている。半導体デバイスの製造は、一般に、単一の基板上に多くの半導体デバイスを作製することを伴う。
【0003】
基板は一般に円形ウエハの形に形成され、その直径は現在、例えば、1インチ(2.54cm)以下から12インチ(30.5cm)以上までの範囲であり、関係している材料の種類による。しかしながら、例えば、正方形、長方形、または三角形のウエハなどの他の形も可能である。半導体デバイスは、半導体、絶縁体、および金属材料の薄膜の精密な形成によりウエハ上に形成される。それらの薄膜は、堆積された後にパターニングされ、ダイオード、トランジスタ、太陽電池、および他のデバイスなどの有用な半導体デバイスが形成される。
【0004】
個別の半導体デバイスは、一般に、それらが形成されるウエハのサイズと比べて極めて小さい。例えば、North Carolina州DurhamのCree,Inc.により製造されるC430−XB290 LEDチップなどの一般的な発光ダイオード(LED)は、わずか約290ミクロン×290ミクロン平方である(1ミクロン=0.0001cm)。したがって、非常に多くのLEDチップ(「ダイ」とも呼ばれる)を、単一の直径2インチ(5.08cm)のシリコンカーバイド(SiC)ウエハ上に形成することができる。ウエハ上にダイが形成された後、ダイを取り付けて、カプセル化し、そして個別のデバイスを形成することができるように、個別のダイの少なくとも一部を分離する必要がある。個別のダイを分離するプロセスは、ウエハを「ダイシングする」するまたは「個片化する(singulate)」と呼ばれる。
【0005】
ウエハを個別の半導体デバイスにダイシングすることは、多くの方法により達成することができる。ウエハのダイシングの1つの方法は、ウエハを粘着性表面上に取り付け、丸のこでウエハをソーイングし、そして多くの個別にダイシングされた正方形または長方形のデバイスを形成することを伴う。ダイシングの他の方法は、「スクライブアンドブレイク(scribe−and−break)」技法を含む。これらの方法では、のこぎり又はレーザによるアブレーションを用いて、ウエハ表面に1つまたは複数のトレンチまたはスクライブラインを形成する。ついでウエハには、ウエハを個別のダイに分割するのに十分な負荷がかけられる。スクライブラインは、ウエハに弱い線をもたらし、その結果、ウエハがそのスクライブラインに沿って割れる。
【0006】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/320,182号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/610,329号明細書
【特許文献3】米国特許第6,201,262号明細書
【特許文献4】米国特許第6,187,606号明細書
【特許文献5】米国特許第6,120,600号明細書
【特許文献6】米国特許第5,912,477号明細書
【特許文献7】米国特許第5,739,554号明細書
【特許文献8】米国特許第5,631,190号明細書
【特許文献9】米国特許第5,604,135号明細書
【特許文献10】米国特許第5,523,589号明細書
【特許文献11】米国特許第5,416,342号明細書
【特許文献12】米国特許第5,393,993号明細書
【特許文献13】米国特許第5,338,944号明細書
【特許文献14】米国特許第5,210,051号明細書
【特許文献15】米国特許第5,027,168号明細書
【特許文献16】米国特許第4,966,862号明細書
【特許文献17】米国特許第4,918,497号明細書
【特許文献18】米国仮特許出願第60/294,378号明細書
【特許文献19】米国仮特許出願第60/294,445号明細書
【特許文献20】米国特許出願第10/140,796号明細書
【特許文献21】米国特許出願第10/140,796号明細書
【特許文献22】米国仮特許出願第60/307,235号明細書
【特許文献23】米国特許出願第10/057,821号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
個片化に関する検討は、発光ダイオード(LED)の製造において特に重要であるだろう。LEDは家庭用および商用アプリケーションで広く利用されている。当業者には既知であるように、発光ダイオードは一般に、マイクロエレクトロニック基板上のダイオード領域を備える。マイクロエレクトロニック基板は、例えば、ガリウム砒素、ガリウム燐、それらの合金、シリコンカーバイド、および/またはサファイアからなることができる。LEDの継続した発展が、可視領域およびその外を扱うことができる、高効率で機械的にロバストな光源をもたらした。これらの特性は、固体デバイスの可能性として長いサービス耐用年数と結びついて多様な新しいディスプレイアプリケーションを可能にし、広く定着している白熱ランプと競合する状況にLEDを置く可能性がある。GaNベースの発光ダイオード(LED)は一般に、複数のGaNベースのエピタキシャル層が堆積される、例えばサファイアまたはSiCなどの、絶縁性の、半導体の、または導電性の基板を備える。エピタキシャル層は、エネルギーを加えられたときに発光するp−n接合を有する活性領域を備える。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によると、第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板を用いて半導体デバイスを形成する方法は、レーザ光のビームが第1の表面と第2の表面との間の基板内に焦点合わせされ、レーザ光のビームが基板に熱により弱化された区域(thermally weakened zone)(TWZ)を形成するように、レーザ光のビームを基板に方向付けることを含む。TWZは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり、分割ラインを画定する。当該方法は、分割ラインに沿って基板を分割し、第1および第2のダイを形成することをさらに含むことができ、第1のダイは基板の第1のデバイス領域を備え、第2のダイは基板の第2のデバイス領域を備える。
【0009】
本発明のさらなる実施形態によると、半導体基板アセンブリは、第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備え、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり、それらをつなぐ接続部を備える半導体基板を備える。熱により弱化された区域(TWZ)が、接続部内の、第1の表面と第2の表面との間に位置する。TWZは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり、分割ラインを画定する。第1および第2のデバイス領域は、分割ラインに沿って基板を分割することにより分離可能であり、第1および第2のダイを形成する。TWZは、接続部の厚さの少なくとも50%の深さを有する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態によると、半導体基板アセンブリは、第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板を備える。熱により弱化された区域(TWZ)が、基板内の、第1の表面と第2の表面との間に位置する。TWZは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり、分割ラインを画定する。完全にアブレート(ablate)されたアブレーショントレンチが、基板表面に画定され、分割ラインに沿って広がる。アブレーショントレンチおよびTWZを合わせた基板内への深さと、TWZの最大幅およびアブレーショントレンチの最大幅のうちの大きい方との比は、少なくとも1:1である。第1および第2のデバイス領域は、分割ラインに沿って基板を分割することにより分離可能であり、第1および第2のダイを形成する。
【0011】
本発明のさらなる実施形態によると、半導体基板アセンブリは、第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板を備える。熱により弱化された区域(TWZ)が、基板内の、第1の表面と第2の表面との間に位置する。TWZは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり、分割ラインを画定する。TWZは、基板内へのTWZ深さおよび基板にわたるTWZ最大幅を有し、TWZ深さとTWZ最大幅との比は、少なくとも1:1である。第1および第2のデバイス領域は、分割ラインに沿って基板を分割することにより分離可能であり、第1および第2のダイを形成する。
【0012】
本発明の目的は、図面および以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより当業者に理解されるだろう。詳細な説明は、本発明の単なる例示である。
【0013】
本発明の他の特徴は、添付図面とともに読まれるとき、以下の特定の実施形態の詳細な説明からより容易に理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、本発明の実施形態が示されている添付図面を参照して、以下に十分に説明される。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態で具現できるのであり、本明細書に記載される実施形態に制限されるものとして解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的で完全なものになり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供されている。同様の数字は全体にわたり同様の要素を指す。さらに、図面に示される様々な層および領域は図式的に示されている。当業者は理解するように、基板または他の層の「上」に形成された層への本明細書における言及は、基板または他の層の上に直接的に形成された層、または基板または他の層の上に形成された、介在する1つまたは複数の層の上に形成された層を指す場合がある。したがって、本発明は、添付図面に示された相対的大きさおよび間隔に制限されない。
【0015】
本明細書において用いられるとき、「半導体ウエハ」という用語は、ウエハの基板それ自体が半導体材料であるかどうかに関わらず、少なくとも1つの半導体材料の領域を有するウエハを指す。例えば、非半導体材料基板上に半導体材料の層を設け、半導体ウエハを得ることができる。さらに、本明細書において用いられるとき、「ウエハ」という用語は、ウエハ全体またはその一部分を記述するために用いられる場合がある。一部分を記述するのは、例えば、製造過程において完全なウエハが破損し、ウエハの一部分のみが利用可能である場合や、異なるデバイスがウエハ上に作製され、個別のデバイスにダイシングされる前にはウエハが異なるデバイス部分に分離されている場合などである。
【0016】
図1を参照すると、本発明の方法に従い、同一の半導体基板上に形成された複数の半導体デバイスが、お互いから以下のように分離される。レーザ光のビームが、ウエハのデバイス間に、適した量の熱により弱化された区域(TWZ)が形成されるように、ウエハに方向付けられる(ブロック10)。レーザ光のビームは、そのようにして形成されたTWZが、デバイス間に広がり、デバイスの隣接する端に沿う分割ラインを画定するように方向付けられる。デバイスはその後に、分割ラインに沿ってウエハを分割することにより、個片化される(ブロック14)。そのような個片化は、任意の適した手段または方法を用いて達成することができる。例えば、個片化は、分割ラインに沿ってウエハに機械的応力を加えることにより果たすことができる。
【0017】
図2〜6を参照して、半導体デバイスを個片化する、より具体的な方法が説明される。活性デバイス部分122を備えるデバイス層が、半導体基板またはウエハ110のデバイス表面114の上に形成される(ブロック20)。いくつかの実施形態によると、基板110はシリコンカーバイド(SiC)からなる。デバイス部分122は、基板110のそれぞれの領域112を覆う。例えば、意図されるデバイスがLEDである場合、デバイス部分122は、GaNベースの層などのIII族窒化物を備えることができる。
【0018】
デバイス層がエッチングされ、分離トレンチ132が形成され、分離トレンチ132はメサを画定する(ブロック22)。デバイスは、参照により本明細書に組み込まれる特許文献1に説明されるような、イオン注入などのメサエッチング以外の方法により分離することができる。各メサは、それぞれの活性デバイス部分122を備える。したがって、デバイス部分122はストリート(street)160、162(図5)により分離される。いくつかの実施形態によると、デバイス層は、基板110の表面114まで完全にエッチングされ、その結果、表面114の露出したストリップ114Aが各ストリート160、162を画定する。各デバイス部分122は、LEDなどの単一のデバイスからなるか、または一群のLEDなどの複数のデバイスを備えることができる。
【0019】
コンタクト124および128は、図3に示すように、得られたメサの上、および基板110の(デバイス表面114と反対側の)成形(shaping)表面116上の対応する場所に形成される(ブロック24)。これも図3に示すように、共晶コンタクト126がコンタクト124の上に形成される(ブロック26)。
【0020】
前述のようにして、図3に示すような中間基板アセンブリ100Aが形成される。レーザ150からのレーザ光のビーム152が、基板アセンブリ100Aのウエハ110に方向付けられ、その中にTWZのライン156Aを生成し(図4)、それによって前述の分割ライン164、166を生成する(ブロック30;図5)。レーザビーム152は、レンズ155により収束および焦点合わせされる。レーザビーム152は、レーザビーム152が分離トレンチ132を通過して各ストリート160、162に沿って投射するように、ウエハ110全体にわたりデバイス部分122の間を(レーザ150、基板アセンブリ100A、または両方を相対的に移動することで)スキャンする。このようにして、分割ライン164、166を、図5に示すようにストリート160、162と実質的に同一の広がりを持ち、一列に並ぶようなパターンで形成することができる。制御装置154を、レーザ150の動作、およびレーザビーム152と基板アセンブリ100Aとの間の相対的移動を制御するために設けることができる。
【0021】
上で説明したスキャニング動作中、レーザビーム152は、図3に示すように、その焦点F1が表面114、116の間の基板110内に位置するように発生される。いくつかの実施形態によると、レーザビーム152の(デバイス側の表面114から測定した)焦点深度D1は、基板110の幅にわたり実質的に均一である。
【0022】
このようにして、相当量のTWZ156A(図4)が、表面114をアブレートすることなく、または表面114の限られた量のアブレーションのみを伴い、ストリート160、162に沿って生成される。TWZ156Aは、TWZ156A内の基板110の材料を機械的に弱める役割を果たす。したがって、分割ライン164、166により分離される基板110の部分はTWZ156Aによりつながったままであるが、結合または接続は弱化されている。
【0023】
TWZ156Aは、基板110の表面114、116の間に広がることができる。TWZ156Aは、内部アブレーション、つまり基板材料がアブレートされた表面が基板表面の内部または間のままであるような、基板110の表面114、116の内部または間の基板材料のアブレーションを含むことができる。アブレートされた材料は、基板の表面114、116の間から脱出する場合があり、または、再堆積もしくは流動し、場所を変えて基板内のままである場合がある。TWZは、熱に影響された区域(heat affected zone)(HAZ)を含むことができる。TWZは、少なくとも1つの面において弱化されるように、レーザによりモルフォロジーまたは結晶構造が変更され、損傷され、または改変された基板部分を含む場合がある。アブレーションメカニズムは、単結晶SiCの融解または蒸発、結晶境界(crystal boudary)の蒸発、および/または結晶境界内の欠陥の生成を含むことができる。先におよび以下に議論するように、外部表面114もアブレートされる場合がある。つまり、材料が外部表面から完全にアブレートされ、その結果、材料が除去され、残った表面が、表面に対して開かれているトレンチまたはボイドを画定する(本明細書において「表面アブレーション」または「表面のアブレーション」と呼ぶ)。
【0024】
いくつかの実施形態によると、基板110の適した弱化を可能にするのに十分なTWZを与えると同時に、表面114Aのアブレーションが実現可能な限り最小化される。いくつかの実施形態によると、分割ライン164、166のTWZ156Aが、基板表面114Aのアブレーションを実質的に引き起こさずに生成される。さらなる実施形態によると、以下で議論するように表面114Aのなんらかのアブレーションが許容され、または意図される場合がある。
【0025】
いくつかの実施形態によると、(デバイス側表面114から測定した)レーザビーム152の焦点深度D1は、約0〜30μmの間である。より具体的には、焦点深度D1を、約20〜30μmとすることができる。いくつかの実施形態によると、焦点深度D1は、個片化ステップ時における、基板領域112間の基板110の接続部111(図4)の厚さT1の約40から60%の間とすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態によると、TWZ156Aは、少なくとも5μmの(関連する分割ライン164、166の長さ方向と直角な断面で測定された)最大幅Hを有する。いくつかの実施形態によると、最大幅Hは、約5から30μmの間である。いくつかの実施形態によると、TWZ156Aの最大幅Hは、関連する分割ライン164、166の長さ方向に沿って実質的に均一である。いくつかの実施形態によると、TWZ156Aの深さIは少なくとも5μmである。いくつかの実施形態によると、深さIは、5から30μmの間である。いくつかの実施形態によると、深さIは、接続部111の厚さT1の少なくとも50%であり、より具体的な実施形態によると、少なくとも95%である。いくつかの実施形態によると、TWZ156Aは、基板110の厚さ全体にわたり広がる(すなわち、離れた表面116Aまで)。いくつかの実施形態によると、深さIは、レーザからの熱がサポートテープを通じて燃やすことを回避するために、厚さT1の約95から99%の間である。
【0027】
任意選択として、デバイス部分122と反対の基板110の面が成形トレンチ136、したがって成形された基板アセンブリ100Bを形成するように形づくられる(ブロック32;図4)。成形トレンチ136を、ダイシング、ソーイング、エッチング、ウォーターソーイング、レーザによるスクライブ、または他の適した方法の任意のものを用いて生成することができる。例えば、ソーブレード(saw blade)を用いて基板110にラインを切り、最上部に立方体部分を備えた角錐台の形を画定することができる。いくつかの実施形態によると、基板アセンブリ100Aは、基板110の成形ステップの間、粘着性表面(例えば、粘着性テープ)140(図4)に取り付けられる。
【0028】
基板110にわたる成形トレンチ136のパターンは、分割ライン164、166のパターンと同一とすることができる。いくつかの実施形態によると、成形トレンチ136は、分割ライン164、166のそれぞれと平行であり、またそれぞれと一列に並ぶようにされることができる。いくつかの実施形態によると、成形トレンチ136は、分割ライン164、166と同一の広がりを持つ。
【0029】
成形された基板アセンブリ100B(または、成形ステップが省略された場合には成形されていない基板アセンブリ100A)が、その後に図6に示すように、分割ライン164、166に沿って基板110を分割すること、ひび割れさせること(cracking)、またはソーイングすることにより個片化される(ブロック34)。このようにして、複数のダイが形成される。各ダイは、各々のチップ102(図4)を備え、チップは、例えばLEDチップの場合がある。各チップ102は、デバイス層122、デバイス層122に関連付けられたコンタクト124、126、128の各々、およびデバイス層122が取り付けられている基板領域112の各々を備える。基板アセンブリ100Bは、ローラなどの、分割ライン164、166に沿って機械的応力を加えるのに適した装置および方法を用いて分割することができる。粘着性表面140を引き伸ばしてダイをお互いに分離し、ピックアンドプレイス(pick and place)装置を用いてダイを粘着性表面140から離すことができる。
【0030】
図7〜9を参照して、半導体デバイスを個片化する代替方法をこれから説明する。その方法によると、図2のフローチャートのブロック20、ブロック22、ブロック24、およびブロック26のステップにそれぞれ対応して、ブロック50、ブロック52、ブロック54、およびブロック56(図7)のステップが実行される。このようにして、図3に示す基板アセンブリ100Aが形成される。その後、基板アセンブリ100Aが図2のブロック32のステップに関して上述したように成形され、図8に示す基板アセンブリ100Cが形成される(ブロック60)。そのように成形された基板アセンブリ100Cは上述した成形トレンチ136を備え、成形および/またはそれに続くステップを促進するために粘着性表面140の上に取り付けることができる。
【0031】
成形ステップに続き、レーザ光のビーム153が、成形トレンチ136を通過して基板110の成形された面から基板110に方向付けられて、その中にTWZ156Aに対応するTWZ156B(図9)のラインが生成される。その結果、前述の分割ライン164、166(ブロック62)が生成され、図9に示す基板アセンブリ100Dが形成される。レーザビーム153は、レーザビーム152が成形トレンチ136を通過して、そして成形トレンチ136に沿って投射するように、基板110全体にわたりデバイス部分122の間で(レーザ150、基板アセンブリ100C、または両方を相対的に移動することにより)スキャンされる。このようにして、分割ライン164、166を、図5に示すようにストリート160、162と実質的に同一の広がりを持ち、一列に並ぶようなパターンで形成することができる。制御装置154が、レーザ150の動作、およびレーザビーム152と基板アセンブリ100Cとの間の相対的移動を制御することができる。
【0032】
上述のスキャニング動作中、レーザビーム153は、図8に示すように表面114、116の間の基板110内に焦点F2が位置するように発生される。いくつかの実施形態によると、(デバイス側の表面116から測定された)レーザビーム153の焦点深度D2は、基板110の幅にわたり実質的に均一である。
【0033】
いくつかの実施形態によると、基板110の適した弱化を可能にするのに十分なTWZを与えると同時に、表面116Aのアブレーションが実現可能な限り最小化される。いくつかの実施形態によると、分割ライン164、166のTWZ156Bが、基板表面116Aのアブレーションを実質的に引き起こさずに生成される。さらなる実施形態によると、以下で議論するように表面116Aのなんらかのアブレーションが許容され、または意図される場合がある。
【0034】
いくつかの実施形態によると、レーザビーム153の焦点深度D2が、レーザビーム152の焦点深度に関して上述したのと同一である、表面114Aに関する焦点深度D1を与えるように選択される(すなわち、T1−D2=D1)。
【0035】
前述の代替方法で、基板アセンブリ100D(図9)が生産される。基板アセンブリ100Dをその後、図2のブロック34を参照して上述したように個片化することができる(ブロック64)。
【0036】
上述の方法および基板アセンブリ100Bの寸法および他の側面は、図7の方法および基板アセンブリ100Dに同様に適用することができる。基板アセンブリ100DのTWZ156Bの断面の構成および位置付けは、レーザ光が反対側から導入されるので、基板アセンブリ100BのTWZ156Aの断面の構成および位置付けとは異なることがある。
【0037】
さらなる実施形態によると、表面114Aまたは116Aのいくらかのアブレーションが許容され、または意図される。つまり、表面の一部が完全にアブレートされ、表面アブレーションおよび表面に対して開かれたボイドまたはトレンチが設けられることがある。そのようなアブレーションは、基板110の分割を直接的に促進するために、および/または追加の若しくは(例えば、深さ方向に)より望ましい場所のTWZを可能にするために設けられることができる。追加的または代替的に、そのようなアブレーションは、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる特許文献2に開示されるように、パシベーション層の塗布のためのトレンチを形成する役割を果たすことができる。
【0038】
図10を参照すると、その中に本発明の実施形態による基板アセンブリ100Eが示されている。基板アセンブリ100Eは、レーザビーム152が表面114を完全にアブレートして、図10中のアブレーショントレンチ118およびTWZ156Aに対応するTWZ156Cを形成するように動作すること除いて、図2に関して上述したように形成できる。アブレーショントレンチ118は、ストリート160、162および分割ライン164、166と実質的に同一の広がりを持ち、一列に並ぶようなパターンで形成することができる。
【0039】
図11を参照すると、その中に本発明の実施形態による基板アセンブリ100Fが示されている。基板アセンブリ100Fは、レーザビーム153が表面116を完全にアブレートして、図11中のアブレーショントレンチ119およびTWZ156Aに対応するTWZ156Dを形成するように動作すること除いて、図7に関して上述したように形成できる。アブレーショントレンチ119は、ストリート160、162および分割ライン164、166と実質的に同一の広がりを持ち、一列に並ぶようなパターンで形成することができる。
【0040】
いくつかの実施形態によると、アブレーショントレンチ118または119は、それぞれ基板内にわずか約50μmの深さD3またはD4を有する。より具体的な実施形態によると、深さD3またはD4は、5から50μmの間である。いくつかの実施形態によると、深さD3またはD4は、基板110の接続部111の厚さT1のわずか99%である。より具体的な実施形態によると、深さD3またはD4は厚さT1のわずか50%である。いくつかの実施形態によると、アブレーショントレンチ118または119は、分割ラインに直角の、わずか約30μmの幅W1またはW2をそれぞれ有する。
【0041】
レーザ150として任意の適したレーザを用いることができる。適したレーザは、DPSS、Nd−YAG、CO、エキシマ、および/または他の適したレーザとすることができる。
【0042】
いくつかの実施形態によると、レーザ光のビーム152、153は、約5から25の半値幅(FWHM)焦点スポットサイズを有する。いくつかの実施形態によると、レーザビーム152、153のパルスレートは、約10から50kHzの間である。より具体的な実施形態によると、レーザビーム152、153のパルスレートは、約20から40kHzの間である。いくつかの実施形態によると、レーザ光のビーム152、153は、約0.8から5Wの間の出力を有する。上述の方法は1つのレーザ光のビーム152、153を用いたが、同時または連続に複数のレーザビームを用いることができる。
【0043】
TWZ156A〜Dは、{TWZの深さ(例えば、TWZ156Aの深さI)}と{TWZの基板表面内の最大幅(例えば、TWZ156Aの幅H)}との比により特徴づけることができる。この比は、「TWZ縦横比」と呼ばれる。いくつかの実施形態によると、TWZ縦横比は少なくとも1:1である。いくつかの実施形態によると、TWZ縦横比は約1:1から5:1の間であり、いくつかの実施形態によると2.25:1から5:1の間である。
【0044】
レーザにより生成された分割ラインは、{存在する場合にはアブレートされたトレンチ(例えば、トレンチ118またはトレンチ119)、とTWZを合わせた深さ}と{TWZまたはアブレートされたトレンチの最大幅のうちの大きい方}との比により特徴づけることができる。この比は、「レーザ影響後(laser−affected)縦横比」と呼ばれる。いくつかの実施形態によると、レーザ影響後縦横比は少なくとも1:1である。いくつかの実施形態によると、レーザ影響後縦横比は約1:1から5:1の間であり、いくつかの実施形態によると2.25:1から5:1の間である。
【0045】
本発明による方法および基板アセンブリは、従来技術の個片化方法および基板アセンブリよりも多くの利点を提供することができる。ソーまたはレーザにより形成されたデバイス間の切り口またはストリートの幅は、デバイスに当てることのできるウエハの面積を制限する。アブレーションを低減または削減することにより、ストリート幅を低減でき、それによって基板上により高密度でデバイスを形成することが可能となる。
【0046】
従来技術によるスクライブアンドブレイク処置のソーイングまたはレーザアブレーティングステップは、破片またはスラグを発生させる場合がある。デバイスの汚染を回避または制限するためには、デバイスを破片またはスラグから保護すること、またはデバイスから破片またはスラグを除去する1つまたは複数のさらなるステップを設けることが必要である。本発明によりアブレーションを低減または削減することで、スラグまたは破片の形成が相応に低減または回避される。したがって、スラグまたは破片汚染が低減されるので、デバイスをクリーニングまたは保護するための必要が削減または低減される。
【0047】
本発明による方法および基板アセンブリは、より良好に画定された一貫した分割ラインを設け、それによってより制御されたクラックの伝播を促進することによっても、従来技術の個片化方法および基板アセンブリに対する利点を提供する。特に、TWZは、基板が個片化されるときに一般に生じうる、意図された分割ラインを横断するクラックの伝播を低減または削減することができる。そのような意図されないクラックは、隣接するチップまで広がりそれを破壊し、および/または汚染物である破片を生成することがある。分割収率(break yield)は、相当に改善される。特に、比較的高いTWZ縦横比およびレーザ影響後縦横比は、他の、表面をアブレートするレーザによるスクライブアンドブレイク方法において直面されることのある、ダイのフライオフ(fly−off)および他の問題を低減することができる。
【0048】
分離トレンチ132および成形トレンチ136の寸法は、デバイス102の要件およびトレンチ132、136を形成するのに用いられる装置および技法による場合がある。いくつかの実施形態によると、分離トレンチ132はわずか約50μmの公称幅W3を有する。いくつかの実施形態によると、幅W3は、30から50μmの間である。いくつかの実施形態によると、成形トレンチ136は、基板120内に少なくとも25μmの深さD5(図4)を有する。いくつかの実施形態によると、深さD5は、200から225μmの間である。いくつかの実施形態によると、成形トレンチ136は、少なくとも25μmの公称幅W4(図4)を有する。いくつかの実施形態によると、幅W4は150から200μmの間である。いくつかの好ましい実施形態によると、成形トレンチ136は約0.75:1から2.25:1の間の縦横比(深さD5と幅W4)を有する。いくつかの実施形態によると、深さD5は、基板110の厚さT2(図3)全体の75から80%の間である。
【0049】
上述のように、いくつかの実施形態によると、マイクロエレクトロニック基板110はSiCからなる。本発明の態様が、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)、これらの合金、および/またはサファイアなどの他の材料から形成された基板とともに用いることができることも企図されている。
【0050】
本発明のある実施形態で、活性デバイス領域122は、North Carolina州DurhamのCree,Inc.により製造され販売されるデバイスのような、シリコンカーバイド基板上に作製されたガリウム窒化物ベースのLEDまたはレーザとすることができる。例えば、本発明は、本明細書において完全に記載されたのと同じように参照により本明細書にその開示が組み込まれる、特許文献3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、15、16および/または17に説明されるLEDおよび/またはレーザとの使用に適している可能性がある。他の適したLEDおよび/またはレーザは、完全に記載されたのと同じように参照により本明細書にその開示が組み込まれる、特許文献18〜23に説明されている。
【0051】
本発明の特定の実施形態で、発光デバイスは、活性領域で発生した光をデバイスを通じて反射させるための反射層を提供するp電極を備えることができる。反射性p電極および関連する構造は、本明細書において完全に記載されたのと同じように参照により本明細書に組み込まれる、特許文献23に説明されている。
【0052】
LEDおよび/またはレーザは、発光が基板を通じて生じるように「フリップチップ」配置で動作するように構成することができる。そのような実施形態で、例えば特許文献22、23に説明されるように、デバイスの光出力を向上させるように基板をパターンニングすることができる。
【0053】
コンタクト(例えば、コンタクト124、126)は、各々の基板領域112の同一面上(すなわち、チップの同一面上)に位置することができる。そのようなチップ構成は、本明細書で説明される作製ステップの順序に改変を可能にし、および/または要求することがある。
【0054】
本発明の実施形態をガリウム窒化物ベースのデバイスを参照して説明してきたが、本発明の教示および利益は、他のIII族窒化物または他の半導体材料において提供されることができる。さらに、本発明の実施形態は、図4に示すように立方体部分および角錐台部分を備えた成形された基板を参照して説明してきたが、他の形の基板を用いることができる。したがって、本発明の実施形態は、本明細書で説明される特定の形に制限されるものとして解釈すべきではない。
【0055】
上述のように、本発明のある実施形態で、発光デバイスは成形された基板を有することができる。SiCの高屈折率のため、SiC基板を通過する光は、光が界面にかなり低入射角で(すなわち、かなり直角に近く)当たらない限り、基板の表面で基板内へ内部全反射される傾向にある。内部全反射の臨界角は、SiC基板と界面を形成する材料による。より多くの光線がSiCの表面に低入射角で当たるようにすることで内部全反射を制限するやり方でSiC基板を成形することにより、SiCベースのLEDからの光出力を増加させることが可能である。そのようなチップ成形技法および得られるチップが、参照により本明細書に組み込まれる特許文献23に示されている。
【0056】
LEDおよび/またはレーザを参照して説明したが、本発明の方法およびアセンブリは、個片化される、例えばダイオード、トランジスタ、サイリスタなどの他のデバイスについても用いることができる。
【0057】
さらにデバイス作製の動作は図2および7において特定の順序を参照して示されているが、本発明の実施形態は、そのような順序に制限されるものとして解釈すべきではない。例えば、TWZ156A〜Dは、デバイス層の形成、メサのエッチング、および一部またはすべてのコンタクトの形成より先に形成されることができる。したがって、本発明は、図2および7に示された特定の動作順序に制限されるものとして解釈すべきではない。
【0058】
(例1)
図12および13は、レーザによりスクライブされた第1のSiCウエハの写真であり、レーザの焦点深度はウエハの表面であった。ウエハの厚さは、250μmであった。ウエハ材料は、300μm平方のダイのピッチパターンを有する6H SiCであった。ウエハは、反転したピラミッド形を形成するように後ろ側からソーイングされた。レーザエネルギーがメサまたはウエハのエピタキシ側に加えられ、「ストリート」(すなわち、ダイ間の非活性領域)の中心に方向付けられた。ウエハはその後、Dynatex分割ツールを用いてスクライブラインに沿って割られた。分割に沿って形成された端が、図12および13に300倍および1000倍の拡大でそれぞれ示されている。第1のウエハの分割収率はだいたい85%であった。
【0059】
(例2)
図14および15は、レーザによりスクライブされた第2のSiCウエハの写真であり、レーザの焦点深度はウエハの表面から10μm下であった。ウエハの厚さは、250μmであった。ウエハ材料は、300μm平方のダイのピッチパターンを有する6H SiCであった。ウエハは、反転したピラミッド形を形成するように後ろ側からソーイングされた。レーザエネルギーがメサまたはウエハのエピタキシ側に加えられ、「ストリート」の中心に方向付けられた。ウエハはその後、Dynatex分割ツールを用いてスクライブラインに沿って割られた。分割に沿って形成された端が、図14および15に300倍および1000倍の拡大でそれぞれ示されている。第2のウエハの分割収率は100%であった。
【0060】
前述したものは、本発明の例示であって、本発明を制限すると解釈すべきでない。いくつかの本発明の例示的実施形態を説明してきたが、当業者は、当発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的実施形態において多くの改変が容易に可能であることを理解するだろう。したがって、そのような改変のすべてが、当発明の範囲に含まれることが意図されている。それゆえ、前述したものは本発明の例示であって、開示された特定の実施形態に制限されるものとして解釈すべきではなく、また、他の実施形態に加え、開示された実施形態に対する改変が本発明の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態による、デバイスの製造における処理ステップを示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態による、デバイスの製造における処理ステップを示すさらなるフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態による、基板アセンブリ、レーザ、レーザビーム、および制御装置の一部の略図である。
【図4】本発明の実施形態による、さらなる基板アセンブリの一部の略図である。
【図5】図4の基板アセンブリの平面図である。
【図6】図4および5の基板アセンブリから個片化された一対のダイの略図である。
【図7】本発明の実施形態による、デバイスの製造における処理ステップを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態による、基板アセンブリ、レーザ、レーザビーム、および制御装置の一部の略図である。
【図9】本発明の実施形態による、さらなる基板アセンブリの一部の略図である。
【図10】本発明の実施形態による、基板アセンブリの一部の略図である。
【図11】本発明の実施形態による、基板アセンブリの一部の略図である。
【図12】第1のスクライビングプロセスの実験結果を示す写真である。
【図13】第1のスクライビングプロセスの実験結果を示す写真である。
【図14】本発明の実施形態による、第2のスクライビングプロセスの実験結果を示す写真である。
【図15】本発明の実施形態による、第2のスクライビングプロセスの実験結果を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板を用いて半導体デバイスを形成する方法であって、
レーザ光のビームを前記基板に方向付けるステップであって、前記レーザ光のビームが、前記基板の前記第1の表面と前記第2との表面の間の前記基板内に焦点合わせされ、前記レーザ光のビームが、前記基板に、熱により弱化された区域(TWZ)を形成し、前記TWZは、前記第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり分割ラインを画定するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記基板を前記分割ラインに沿って分割し第1および第2のダイを形成することであって、前記第1のダイは、前記基板の前記第1のデバイス領域を備え、前記第2のダイは、前記基板の前記第2のデバイス領域を備えることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TWZは、前記第1のデバイス部分と第2のデバイス部分との間の前記基板の接続部内に、少なくとも前記接続部の厚さの50%の深さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記TWZの前記接続部内の深さは、前記接続部の厚さの少なくとも95%を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記レーザ光のビームが前記基板の表面アブレーションを実質的に引き起こさないように行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記レーザ光のビームが、前記基板の前記第1および第2の表面のうちの少なくとも1つに、前記分割ラインに沿って広がる完全にアブレートされたアブレーショントレンチを形成するように行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アブレーショントレンチおよび前記TWZを合わせた前記基板内への深さと、前記TWZの最大幅および前記アブレーショントレンチの最大幅のうちの大きい方との比が、少なくとも1:1であることを特徴とする請求6に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記アブレーショントレンチが、前記基板内に、前記第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の前記基板の接続部の厚さのわずか約50%の深さを有するように行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記アブレーショントレンチが前記基板内にわずか50μmの深さを有するように行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記アブレーショントレンチが、前記分割ラインと直角な方向にわずか30μmの幅を有するように行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記TWZが前記基板内へのTWZ深さおよび前記基板にわたるTWZ最大幅を有し、前記TWZ深さとTWZ最大幅との比が少なくとも1:1であるように行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板の前記第1の表面上に少なくとも1つのデバイス層を形成することであって、前記少なくとも1つのデバイス層は、前記第1および第2のデバイス領域上にそれぞれ配置された第1および第2のデバイス部分を備えることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのデバイス層を形成するステップは、前記レーザ光のビームを方向付けるステップに先行することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板を前記分割ラインに沿って分割し第1および第2のダイを形成することであって、前記第1のダイは、前記基板の前記第1のデバイス領域および前記第1のデバイス部分を備え、前記第2のダイは、前記基板の前記第2のデバイス領域および前記第2のデバイス部分を備えることをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2のダイは、それぞれ第1および第2の発光ダイオード(LED)を備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2のダイは、それぞれ第1および第2のレーザダイオードを備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのデバイス層に分離トレンチを形成することであって、前記分離トレンチは、前記第1のデバイス部分を備える第1のメサ、および前記第2のデバイス部分を備える第2のメサを画定することをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記レーザ光のビームを、前記分離トレンチを通過して前記基板に方向付けることを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記分離トレンチを形成するステップは、前記少なくとも1つのデバイス層をエッチングすることを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1および第2のデバイス部分上にそれぞれ第1および第2のコンタクトを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項21】
各前記第1および第2のコンタクトの上にそれぞれ第1および第2の共晶金属コンタクトを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1および第2のコンタクトと反対の前記基板の前記第1の面上にそれぞれ第3および4のコンタクトを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのデバイス層は、III族窒化物を備えることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項24】
前記基板の前記第2の面に成形トレンチを形成することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記レーザ光のビームを方向付けるステップは、前記レーザ光のビームを、前記成形トレンチを通過して前記基板に方向付けることを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記成形トレンチを形成するステップは、前記基板の前記第2の面内に前記成形トレンチをソーイングすることを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記成形トレンチをソーイングするステップは、前記成形トレンチが最上部に立方体部分を備えた角錐台の形であるように前記成形トレンチを形成することを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記成形トレンチは、前記基板内に少なくとも約25μmの深さを有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記成形トレンチは、前記基板内に少なくとも約200から225μmの間の深さを有することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記成形トレンチを形成するステップは、前記成形トレンチが前記分割ラインと実質的に平行であるように前記成形トレンチを形成することを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記成形トレンチを形成するステップは、前記成形トレンチが前記分割ラインと実質的に一列に並ぶように前記成形トレンチを形成することを含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記基板は、SiCにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
a)第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備え、前記第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がりそれらを接合する接続部を備える半導体基板と、
b)前記接続部内で前記第1の表面と第2の表面との間の、熱によって弱化された区域(TWZ)であって、前記第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり分割ラインを画定するTWZと
を備え、
c)前記第1および第2のデバイス領域は、前記基板を前記分割ラインに沿って分割することにより、第1および第2のダイを形成するように分離可能であり、
d)前記TWZは、前記接続部内に、前記接続部の厚さの少なくとも50%の深さを有する
ことを特徴とする半導体基板アセンブリ。
【請求項34】
前記接続部内への前記TWZの深さは、少なくとも前記接続部の厚さの95%であることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記基板の前記第1および第2の表面のそれぞれは、実質的に表面アブレートされていないことを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記基板の表面に画定され、前記分割ラインに沿って広がる完全にアブレートされたアブレーショントレンチを備えることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記アブレーショントレンチは、前記接続部内に、前記接続部の厚さのわずか50%の深さを有することを特徴とする請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記アブレーショントレンチは、前記基板内に、わずか50μmの深さを有することを特徴とする請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記アブレーショントレンチは、前記分割ラインに直角な方向にわずか30μmの幅を有することを特徴とする請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記基板の前記第1の表面上に少なくとも1つのデバイス層を備え、前記少なくとも1つのデバイス層は、前記第1および第2のデバイス領域上にそれぞれ配置された第1および第2のデバイス部分を備えることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記アセンブリを前記分割ラインに沿って分割し第1および第2のダイを形成するときに、前記第1のダイは、前記基板の前記第1のデバイス領域および前記第1のデバイス部分を備え、前記第2のダイは、前記基板の前記第2のデバイス領域および前記第2のデバイス部分を備えるように構成されていることを特徴とする請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記アセンブリを前記分割ラインに沿って分割し第1および第2のダイを形成するときに、前記第1および第2のダイは、それぞれ第1および第2の発光ダイオード(LED)を備えるように構成されていることを特徴とする請求項41に記載のアセンブリ。
【請求項43】
前記アセンブリを前記分割ラインに沿って分割し第1および第2のダイを形成するときに、前記第1および第2のダイは、それぞれ第1および第2のレーザダイオードを備えるように構成されていることを特徴とする請求項41に記載のアセンブリ。
【請求項44】
前記少なくとも1つのデバイス層に分離トレンチを備え、前記分離トレンチは、前記第1のデバイス部分を備える第1のメサ、および前記第2のデバイス部分を備える第2のメサを画定することを特徴とする請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項45】
前記第1および第2のデバイス部分上にそれぞれある第1および第2のコンタクトを備えることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項46】
各前記第1および第2のコンタクト上にそれぞれある第1および第2の共晶金属コンタクトを備えることを特徴とする請求項45に記載のアセンブリ。
【請求項47】
前記第1および第2のコンタクトと反対の前記基板の前記第1の面上にそれぞれある第3および4のコンタクトを備えることを特徴とする請求項45に記載のアセンブリ。
【請求項48】
前記少なくとも1つのデバイス層は、III族窒化物を備えることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項49】
前記基板の前記第2の面に成形トレンチを備えることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項50】
前記成形トレンチは、最上部に立方体部分を備えた角錐台の形であることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項51】
前記成形トレンチは、前記基板内に、少なくとも約25μmの深さを有することを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項52】
前記成形トレンチは、前記基板内に、約200から225μmの深さを有することを特徴とする請求項51に記載のアセンブリ。
【請求項53】
前記成形トレンチは、前記分割ラインに実質的に平行であることを特徴とする請求項49に記載のアセンブリ。
【請求項54】
前記成形トレンチは、前記分割ラインと実質的に一列に並んでいることを特徴とする請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項55】
前記基板は、SiCにより形成されていることを特徴とする請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項56】
a)第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板と、
b)前記基板内で前記第1の表面と第2の表面との間の、熱によって弱化された区域(TWZ)であって、前記第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり分割ラインを画定するTWZと、
c)前記基板の表面に画定され前記分割ラインに沿って広がる完全にアブレートされたアブレーショントレンチと
を備え、
d)前記基板内への、前記アブレーショントレンチおよび前記TWZを合わせた深さと、前記TWZの最大幅および前記アブレーショントレンチの最大幅のうちの大きい方との比は、少なくとも1:1であり、
e)前記第1および第2のデバイス領域は、前記基板を前記分割ラインに沿って分割することにより第1および第2のダイを形成するように分離可能である
ことを特徴とする半導体基板アセンブリ。
【請求項57】
前記基板は、SiCにより形成されていることを特徴とする請求項56に記載のアセンブリ。
【請求項58】
a)第1および第2の対向する表面を有し、第1および第2のデバイス領域を備える半導体基板と、
b)前記基板内で前記第1の表面と第2の表面との間の、熱によって弱化された区域(TWZ)であって、前記第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に広がり分割ラインを画定するTWZと
を備え、
c)前記TWZは、前記基板内へのTWZ深さおよび前記基板にわたるTWZ最大幅を有し、前記TWZ深さと前記TWZ最大幅との比は、少なくとも1:1であり、
d)前記第1および第2のデバイス領域は、前記基板を前記分割ラインに沿って分割することにより第1および第2のダイを形成するように分離可能である
ことを特徴とする半導体基板アセンブリ。
【請求項59】
前記基板は、SiCにより形成されていることを特徴とする請求項58に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−514315(P2007−514315A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543804(P2006−543804)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/034384
【国際公開番号】WO2005/062376
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】