説明

半導体装置、半導体テスタおよび半導体テストシステム

【課題】テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる半導体装置、これを試験するための半導体テスタおよびこの半導体テスタを用いた半導体テストシステムを実現する。
【解決手段】内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、一端が共通電位に接続され、他端がパッドに接続された第1のスイッチ回路と、内部回路の出力ピンとパッドの間に設けられ、第1のスイッチ回路が接続されたパッドと試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドとを電気的に接続するマルチプレクサとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクライブラインが設けられたウェハ上に作り込まれ、内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置、これを試験するための半導体テスタおよびこの半導体テスタを用いた半導体テストシステムに関し、詳しくは、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる半導体装置、これを試験するための半導体テスタおよびこの半導体テスタを用いた半導体テストシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図16は、従来の半導体装置の一例を示した構成図である。
図16において、IC50は、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶を駆動する液晶ドライバICであり、ウェハ上に形成されている。IC50は、パッド3、配線パターン4、内部回路5およびマルチプレクサ6を有している。
【0003】
半導体テスタ1は、半導体デバイスを試験する装置であり、試験手段1aを有する。試験手段1aは、IC50の試験時に、IC50を制御する制御信号を出力する。テスタピン2は、半導体テスタ1からの出力信号をIC50へ出力するテスタピン2aおよびIC50からの出力信号を半導体テスタ1へ入力するテスタピン2bを有する。
【0004】
パッド3は、テスタピン2aが接続されるパッド3a、テスタピン2bが接続されるパッド3bおよびテスタピン2が接続されないパッド3cを有する。内部回路5は、IC50の外部からパッド3aおよび配線パターン4aを介して制御信号が入力され、この制御信号に応じて複数の出力信号を出力する。
【0005】
マルチプレクサ6は、内部回路5からの複数の出力信号が入力され、入力された信号を任意に選択して出力する。マルチプレクサ6から出力された出力信号は、配線パターン4bおよびパッド3bを介してIC50の外部に出力される。IC50のパッド3bとテスタピン2bとはプローブカードのプローブ針を介して接続される。
【0006】
なお、図16に示す例は、IC50の出力信号が出力されるパッドに対して半導体テスタ1の入力ピンとなるテスタピン2bが不足しているため、IC50の出力ピンのうち、半分の出力ピンにしか、半導体テスタ1の入力ピンを接続することができない例とする。
【0007】
このようなIC50のオープン不良を試験する場合の動作を説明する。
半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路5へ制御信号を入力する。マルチプレクサ6は、この制御信号に応じて内部回路5の出力ピンのうち、図16のAで示される出力ピン(以下、出力ピンAという)とパッド3bとを接続する。
【0008】
そして、半導体テスタ1は、パッド3b−配線パターン4b−マルチプレクサ6−内部回路5間が断線していないことのチェック(オープン不良チェック)を行う。オープン不良を検出する試験方法は多くの方法があるが、一例として、以下のように行う。
【0009】
半導体テスタ1は、テスタピン2bを介して、IC50に対し電流を印加する。この電流は、パッド3b、配線パターン4b、マルチプレクサ6を介して内部回路5に到達する。そして、内部回路5の出力ピンに備えられている出力保護回路のダイオードに電流が流れ、ダイオードの順電圧が発生する。半導体テスタ1は、このダイオードの順電圧の電圧レベルを測定し、オープン不良チェックを行う。
【0010】
次に、半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路5へ制御信号を入力する。マルチプレクサ6は、この制御信号に応じて内部回路5の出力ピンのうち、図16のBで示される出力ピン(以下、出力ピンBという)とパッド3bとを接続する。そして、半導体テスタ1は、パッド3b−配線パターン4b−マルチプレクサ6−内部回路5間のオープン不良チェックを行う。
【0011】
このように、マルチプレクサ6が、内部回路5からの出力信号を切り替えて出力することにより、内部回路5からの全ての出力信号を出力することができるので、半導体テスタ1の入力ピンが不足している場合でも試験を行うことができる。
【0012】
特許文献1には、半導体集積回路およびその測定方法に関し、特に出力回路の構成と測定方法が記載されている。
【0013】
特許文献2には、ウエーハ上に形成された状態でICの信頼性テストを行う半導体装置およびその製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平7−326645号公報
【特許文献2】特開2002−208618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、図16に示す従来例では、マルチプレクサ6からパッド3cまでの配線パターン4cのオープン不良を検出することができないという問題があった。
【0016】
また、図16に示す従来例では、配線パターン4cのオープン不良の検出は、IC50の設計保証または2パステストで行っている。ここで、2パステストとは、2回試験を行うことであり、具体的には、1回目の試験はテスタピン2bをパッド3bに接続して行い、2回目の試験はテスタピン2bをパッド3cに接続して行う。2パステストでは、試験時間が長くなり、試験にかかるコスト(テストコスト)も増大するという問題があった。
【0017】
そこで本発明の目的は、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる半導体装置、これを試験するための半導体テスタおよびこの半導体テスタを用いた半導体テストシステムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1記載の発明は、
内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、
一端が共通電位に接続され、他端が前記パッドに接続された第1のスイッチ回路と、
前記内部回路の出力ピンと前記パッドの間に設けられ、前記第1のスイッチ回路が接続されたパッドと試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドとを電気的に接続するマルチプレクサと
を備えたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記半導体テスタからの制御信号に応じて前記第1のスイッチ回路をオンまたはオフさせるスイッチ制御部を有することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体テスタからの制御信号に応じてオンまたはオフすることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体装置が形成されるウェハ上のスクライブライン上に設けられることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体装置が形成されるフィルム上に設けられることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるプローブカード上に設けられることを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるパフォーマンスボード上に設けられることを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、
内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、
試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドと前記テスタピンが接続されないパッドとを電気的に1対1で接続する経路接続手段と、
一端が前記内部回路の出力ピンに接続され、他端が前記テスタピンが接続される前記パッドに接続される第2のスイッチ回路と、
一端が前記第2のスイッチ回路が接続される以外の前記内部回路の出力ピンに接続され、他端が前記テスタピンが接続されない前記パッドに接続される第3のスイッチ回路とを備え、
試験時に、前記第2のスイッチ回路がオンしている時には前記第3のスイッチ回路をオフさせ、前記第2のスイッチ回路がオフしている時には前記第3のスイッチ回路をオンさせることを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、
前記経路接続手段は、
マルチプレクサであることを特徴とするものである。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、
前記経路接続手段は、
ショート配線であることを特徴とするものである。
請求項11記載の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の発明において、
前記経路接続手段は、
前記半導体装置が形成されるウェハ上のスクライブライン上に設けられることを特徴とするものである。
請求項12記載の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の発明において、
前記経路接続手段は、
前記半導体装置が形成されるフィルム上に設けられることを特徴とするものである。
請求項13記載の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の発明において、
前記経路接続手段は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるプローブカード上に設けられることを特徴とするものである。
請求項14記載の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の発明において、
前記経路接続手段は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるパフォーマンスボード上に設けられることを特徴とするものである。
請求項15記載の発明は、
複数のピンを有する半導体装置を試験する半導体テスタにおいて、
請求項1〜14のいずれかに記載の半導体装置に制御信号を出力する試験手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項16記載の発明は、
請求項1〜14のいずれかに記載の半導体装置と、
請求項15記載の半導体テスタと
を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1によれば、以下のような効果がある。
内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、一端が共通電位に接続され、他端が前記パッドに接続された第1のスイッチ回路と、前記内部回路の出力ピンと前記パッドの間に設けられ、前記スイッチ回路が接続されたパッドと試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドとを電気的に接続するマルチプレクサとを備えたことにより、従来行っていた2パステストのようにテスタピンとパッドとの接続を変えることなく試験ができるので、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる。
【0020】
本発明の請求項4または5によれば、以下のような効果がある。
前記第1のスイッチ回路は、前記半導体装置が形成されるウェハ上のスクライブライン上、または、前記半導体装置が形成されるフィルム上に設けられることにより、第1のスイッチ回路は、パターン配線で接続されるためにプローブ針を用意する必要がなくなるので、テストコストの大半を占めている、プローブカードのプローブ針の本数および半導体テスタのピン数を大幅に削減することができる。
【0021】
本発明の請求項8によれば、以下のような効果がある。
内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドと前記テスタピンが接続されないパッドとを電気的に1対1で接続する経路接続手段と、一端が前記内部回路の出力ピンに接続され、他端が前記テスタピンが接続される前記パッドに接続される第2のスイッチ回路と、一端が前記第2のスイッチ回路が接続される以外の前記内部回路の出力ピンに接続され、他端が前記テスタピンが接続されない前記パッドに接続される第3のスイッチ回路とを備え、試験時に、前記第2のスイッチ回路がオンしている時には前記第3のスイッチ回路をオフさせ、前記第2のスイッチ回路がオフしている時には前記第3のスイッチ回路をオンさせることにより、従来行っていた2パステストのようにテスタピンとパッドとの接続を変えることなく試験ができるので、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる。
【0022】
本発明の請求項11または12によれば、以下のような効果がある。
前記経路接続手段は、前記半導体装置が形成されるウェハ上のスクライブライン上、または、前記半導体装置が形成されるフィルム上に設けられることにより、経路接続手段は、パターン配線で接続されるためにプローブ針を用意する必要がなくなるので、テストコストの大半を占めている、プローブカードのプローブ針の本数および半導体テスタのピン数を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の半導体装置の第1の実施例を示した構成図である。
【図2】ICのオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。
【図3】ICのオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。
【図4】本発明の半導体装置の第2の実施例を示した構成図である。
【図5】ICのオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。
【図6】ICのオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。
【図7】本発明の半導体装置の第3の実施例を示した構成図である。
【図8】ICのオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。
【図9】ICのオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。
【図10】半導体テスタとICとの接続の一例を示した構成図である。
【図11】半導体テスタとICとの接続の一例を示した構成図である。
【図12】半導体テスタとICとの接続の一例を示した構成図である。
【図13】半導体テスタとICとの接続の一例を示した構成図である。
【図14】半導体テスタとICとの接続の一例を示した構成図である。
【図15】半導体テスタとICとの接続の一例を示した構成図である。
【図16】従来の半導体装置の一例を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施例]
図1は、本発明の半導体装置の第1の実施例を示した構成図である。ここで、図16と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図1において、図16に示す構成と異なる点は、内部回路5の代わりに内部回路7を設けた点、マルチプレクサ6の代わりにマルチプレクサ8を設けた点およびスクライブライン上にスイッチ回路9を新たに設けた点である。ここで、スクライブラインとは、ウェハ上のIC間にある領域であり、最終的には、ICから切断される領域のことをいう。
【0025】
図1において、IC51は、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶を駆動する液晶ドライバICであり、ウェハ上に形成されている。IC51は、パッド3、配線パターン4、内部回路7およびマルチプレクサ8を有している。また、半導体装置100は、スイッチ回路9およびIC51を有する。
【0026】
内部回路7は、半導体テスタ1からの制御信号に応じてスイッチ回路9のオンまたはオフを制御するスイッチ制御部7aを有すると共に出力ピンA(図1のAで示される出力ピン)および出力ピンB(図1のBで示される出力ピン)を有する。マルチプレクサ8は、内部回路7とパッド3bおよび3cの間に設けられ、内部回路7の出力ピンAとパッド3b、または、内部回路7の出力ピンBとパッド3bを選択的に接続する。また、マルチプレクサ8は、スイッチ回路9が接続されたパッド3cとパッド3bとを電気的に接続する。スイッチ回路9は、IC51が形成されるウェハのスクライブライン上に設けられ、一端が共通電位に接続され、他端がIC51のパッド3cに接続される。ここで、共通電位は、GNDでもよいし、一定の電圧レベルを持っていてもよい。
【0027】
このようなIC51のオープン不良を試験する場合の動作を図2および図3を用いて説明する。
図2および図3は、IC51のオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路7へ制御信号を入力する。スイッチ制御部7aは、この制御信号に応じて、マルチプレクサ8に内部回路7の出力ピンAとパッド3bとを接続させる(図2)。そして、半導体テスタ1は、図16に示す従来例と同様に、パッド3b−配線パターン4b−マルチプレクサ8−出力ピンA−内部回路7間のオープン不良チェックを行う。
【0028】
次に、半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路7へ制御信号を入力する。スイッチ制御部7aは、この制御信号に応じて、マルチプレクサ8に内部回路7の出力ピンBとパッド3bとを接続させる。そして、半導体テスタ1は、図16に示す従来例と同様に、パッド3b−配線パターン4b−マルチプレクサ8−内部回路7間のオープン不良チェックを行う。
【0029】
次に、半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路7へ制御信号を入力する。スイッチ制御部7aは、この制御信号に応じて、マルチプレクサ8にパッド3bとパッド3cとを接続させ、スイッチ回路9をオン(ショート)させる(図3)。
【0030】
半導体テスタ1は、テスタピン2bを介して、IC51に対し電流を印加する。この電流は、パッド3b、配線パターン4b、マルチプレクサ8、配線パターン4c、パッド3cを介してスイッチ回路9に到達する。そして、電流は、スイッチ回路9を介して共通電位に流れ込む。半導体テスタ1は、この共通電位の電圧レベルを測定し、オープン不良チェックを行う。
【0031】
このように、マルチプレクサ6が、パッド3bとパッド3cとを接続し、スイッチ制御部7aが、スイッチ回路9をオンさせてパッド3cを共通電位に接続する。そして、半導体テスタ1が、オープン不良チェックを行うことにより、従来行っていた2パステストのようにテスタピン2bとパッド3との接続を変えることなく試験ができるので、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる。また、テストコストの大半を占めている、プローブカードのプローブ針の本数および半導体テスタ1のピン数を大幅に削減することができる。
【0032】
さらに、試験終了後のIC51を切り出す工程でスクライブラインがカットされることにより、IC51とスイッチ回路9は切り離され、最終製品としてはIC51の部分のみとなるので、IC51の回路規模は従来と同等とすることができる。
【0033】
[第2の実施例]
図4は、本発明の半導体装置の第2の実施例を示した構成図である。ここで、図1と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図4において、図1に示す構成と異なる点は、内部回路7の代わりに内部回路10を設けた点、マルチプレクサ8の代わりにスイッチ回路11およびスイッチ回路12を設けた点およびスイッチ回路9の代わりにマルチプレクサ13を設けた点である。
【0034】
図4において、IC52は、IC51と同様に、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶を駆動する液晶ドライバICであり、ウェハ上に形成されている。IC52は、パッド3、配線パターン4、内部回路10、スイッチ回路11およびスイッチ回路12を有している。また、半導体装置101は、マルチプレクサ13およびIC52を有する。
【0035】
内部回路10は、スイッチ制御部10aを有すると共に出力ピンA(図4のAで示される出力ピン)および出力ピンB(図4のBで示される出力ピン)を有する。スイッチ制御部10aは、半導体テスタ1からの制御信号に応じてスイッチ回路11およびスイッチ回路12のオンまたはオフを制御し、マルチプレクサ13の経路切り替えを制御する。スイッチ回路11は、内部回路10の出力ピンのうち、図4のAで示される出力ピン(以下、出力ピンAという)とパッド3bとの間に配置され、出力ピンAとパッド3b間をオープン状態またはショート状態にする。
【0036】
スイッチ回路12は、内部回路10の出力ピンのうち、図4のBで示される出力ピン(以下、出力ピンBという)とパッド3cとの間に配置され、出力ピンBとパッド3c間をオープン状態またはショート状態にする。マルチプレクサ13は、スクライブライン上に設けられ、半導体テスタ1のテスタピン2bが接続されるパッド3bとテスタピン2bが接続されないパッド3cとを電気的に1対1で接続する経路接続手段である。
【0037】
このようなIC52のオープン不良を試験する場合の動作を図5および図6を用いて説明する。
図5および図6は、IC52のオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路10へ制御信号を入力する。スイッチ制御部10aは、この制御信号に応じて、スイッチ回路11をオン(ショート)させ、スイッチ回路12をオフ(オープン)させる(図5)。そして、半導体テスタ1は、図1に示す実施例と同様に、パッド3b−配線パターン4b−スイッチ回路11−出力ピンA−内部回路10間のオープン不良チェックを行う。
【0038】
次に、半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路10へ制御信号を入力する。スイッチ制御部10aは、この制御信号に応じて、スイッチ回路11をオフ(オープン)させ、スイッチ回路12をオン(ショート)させる(図6)。また、スイッチ制御部10aは、この制御信号に応じて、図6に示すようにマルチプレクサ13の経路を切り替える。そして、半導体テスタ1は、図1に示す実施例と同様に、パッド3b−マルチプレクサ13−パッド3c−配線パターン4c−スイッチ回路12−出力ピンB−内部回路10間のオープン不良チェックを行う。
【0039】
このように、スイッチ制御部10aが、スイッチ回路11をオフさせると共にスイッチ回路12をオンさせ、マルチプレクサ13の経路を切り替えてパッド3bとパッド3cを接続させる。そして、半導体テスタ1が、オープン不良チェックを行うことにより、従来行っていた2パステストのようにテスタピン2bとパッド3との接続を変えることなく試験ができるので、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる。また、テストコストの大半を占めている、プローブカードのプローブ針の本数および半導体テスタ1のピン数を大幅に削減することができる。
【0040】
また、試験終了後のIC52を切り出す工程でスクライブラインがカットされることにより、IC52とマルチプレクサ13は切り離される。さらに、図16に示す従来例ではIC50にマルチプレクサ6を設けていたが、本実施例では、マルチプレクサ13をIC52の外部に設け、IC52には回路構成が単純なスイッチ回路11およびスイッチ回路12を設けるようにしたので、IC52の回路構成が非常に簡略化され、IC52のチップ面積を縮小することができる。
【0041】
実際には、スイッチ回路11およびスイッチ回路12は、IC52に備えられている場合が多い。しかし、この場合は、内部回路10からの出力信号を全て(全ピン)オフまたはオンする制御となっていることが多い。すなわち、スイッチ回路11およびスイッチ回路12が1つのスイッチ回路であり、その制御も全ピンに対してオンまたはオフとなる。このようなスイッチ回路が、予めIC52に備えられている場合には、スイッチ回路の制御ロジックを変更する(全ピンに対してオンまたはオフするのではなく、予め決められた範囲のピンを個別に制御する)だけで、本実施例の動作をすることができるので、設計変更にかかるコストも大幅に削減することができる。
【0042】
[第3の実施例]
図7は、本発明の半導体装置の第3の実施例を示した構成図である。ここで、図4と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図7において、図4に示す構成と異なる点は、内部回路10の代わりに内部回路14を設けた点およびマルチプレクサ13の代わりにショート配線15を設けた点である。
【0043】
図7において、IC53は、IC52と同様に、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶を駆動する液晶ドライバICであり、ウェハ上に形成されている。IC53は、パッド3、配線パターン4、スイッチ回路11、スイッチ回路12および内部回路14を有している。また、半導体装置102は、ショート配線15およびIC53を有する。
【0044】
スイッチ回路11は、内部回路14の出力ピンのうち、図7のAで示される出力ピン(以下、出力ピンAという)とパッド3bとの間に配置され、出力ピンAとパッド3b間をオープン状態またはショート状態にする。スイッチ回路12は、内部回路14の出力ピンのうち、図7のBで示される出力ピン(以下、出力ピンBという)とパッド3cとの間に配置され、出力ピンBとパッド3c間をオープン状態またはショート状態にする。
【0045】
内部回路14は、スイッチ制御部14aを有すると共に出力ピンA(図7のAで示される出力ピン)および出力ピンB(図7のBで示される出力ピン)を有する。スイッチ制御部14aは、半導体テスタ1からの制御信号に応じてスイッチ回路11およびスイッチ回路12のオンまたはオフを制御する。ショート配線15は、スクライブライン上に設けられ、半導体テスタ1のテスタピン2bが接続されるパッド3bとテスタピン2bが接続されないパッド3cとを電気的に1対1で接続する経路接続手段である。
【0046】
このようなIC53のオープン不良を試験する場合の動作を図8および図9を用いて説明する。
図8および図9は、IC53のオープン不良を試験する場合の動作を説明する説明図である。半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路14へ制御信号を入力する。スイッチ制御部14aは、この制御信号に応じて、スイッチ回路11をオン(ショート)させ、スイッチ回路12をオフ(オープン)させる(図8)。そして、半導体テスタ1は、図5に示す実施例と同様に、パッド3b−配線パターン4b−スイッチ回路11−出力ピンA−内部回路14間のオープン不良チェックを行う。
【0047】
次に、半導体テスタ1の試験手段1aは、テスタピン2a、パッド3aおよび配線パターン4aを介して内部回路14へ制御信号を入力する。スイッチ制御部14aは、この制御信号に応じて、スイッチ回路11をオフ(オープン)させ、スイッチ回路12をオン(ショート)させる(図9)。そして、半導体テスタ1は、図6に示す実施例と同様に、パッド3b−ショート配線15−パッド3c−配線パターン4c−スイッチ回路12−出力ピンB−内部回路14間のオープン不良チェックを行う。
【0048】
このように、スクライブライン上のショート配線15がパッド3bとパッド3cとを接続し、スイッチ制御部14aが、スイッチ回路11をオフさせると共にスイッチ回路12をオンさせ、半導体テスタ1が、オープン不良チェックを行うことにより、従来行っていた2パステストのようにテスタピン2bとパッド3との接続を変えることなく試験ができるので、テストコストを増大させることなく、オープン不良を検出することができる。また、テストコストの大半を占めている、プローブカードのプローブ針の本数および半導体テスタ1のピン数を大幅に削減することができる。
【0049】
また、試験終了後のIC53を切り出す工程でスクライブラインがカットされることにより、IC53とショート配線15は切り離される。さらに、図16に示す従来例ではIC50にマルチプレクサ6を設けていたが、本実施例では、IC53には回路構成が単純なスイッチ回路11およびスイッチ回路12を設け、パッド3bとパッド3c間をショート配線15で接続するようにしたので、IC53の回路構成が非常に簡略化され、IC53のチップ面積を縮小することができる。
【0050】
実際には、スイッチ回路11およびスイッチ回路12は、IC53に備えられている場合が多い。しかし、この場合は、内部回路14からの出力信号を全て(全ピン)オフまたはオンする制御となっていることが多い。すなわち、スイッチ回路11およびスイッチ回路12が1つのスイッチ回路であり、その制御も全ピンに対してオンまたはオフとなる。このようなスイッチ回路が、予めIC53に備えられている場合には、スイッチ回路の制御ロジックを変更する(全ピンに対してオンまたはオフするのではなく、予め決められた範囲のピンを個別に制御する)だけで、本実施例の動作をすることができるので、設計変更にかかるコストも大幅に削減することができる。
【0051】
さらに、オープン不良を検出する経路は、回路構成が単純なスイッチ回路11、スイッチ回路12およびショート配線15のみで構成されるため、第1の実施例や第2の実施例と比較してマルチプレクサに起因する故障の可能性を低くすることができる。
【0052】
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に示すようなものでもよい。
(1)図1〜3に示す実施例において、スイッチ制御部7aが、半導体テスタ1の試験手段1aからの制御信号に応じてスイッチ回路9のオンまたはオフを制御する構成を示したが、半導体テスタ1の試験手段1aから直接スイッチ回路9のオンまたはオフを制御する構成としてもよい。この場合、スイッチ回路9の制御信号用にテスタピン2aを新たに割り当て、このテスタピン2aをプローブ針を介して直接スイッチ回路9の制御信号のパッド3に接続する。このような構成にすることで、スイッチ制御部7aはIC51上のマルチプレクサ8のみを制御すればよい。
【0053】
同様に、図4〜6に示す実施例において、スイッチ制御部10aが、半導体テスタ1の試験手段1aからの制御信号に応じてマルチプレクサ13の経路切り替えを制御する構成を示したが、半導体テスタ1の試験手段1aから直接マルチプレクサ13の経路切り替えを制御する構成としてもよい。この場合、スイッチ回路9の制御信号用にテスタピン2aを新たに割り当てると共にマルチプレクサ13の制御信号用に新たにパッド3を設け、割り当てられたテスタピン2aをプローブ針を介して直接マルチプレクサ13の制御信号用パッド3に接続する。このような構成とすることで、スイッチ制御部10aはIC52上のスイッチ回路11およびスイッチ回路12のみを制御すればよい。
【0054】
(2)図1〜9に示す実施例において、テスタピン2bが接続されるパッド3bに対してパッド3cが1対1に接続される構成を示したが、テスタピン2bが接続されるパッド3bに対してパッド3cが1対n(nは1以上の整数)に接続される構成としてもよい。このような構成とすることで、プローブカードのプローブ針の本数および半導体テスタ1のピン数をさらに削減することができる。
【0055】
(3)図1〜9に示す実施例において、ショートするパッド3bとパッド3cは、隣り合うパッドではなく、比較的離れたピン同士をショートする構成を示したが、任意のパッドをショートする構成としてもよい。ただし、隣り合うパッドを同士をショートする場合、パッド間のショート不良を検出する検査ができない場合があるので、隣接パッド間ショートの検出が可能なショート方法を行う必要がある。
【0056】
(4)図1〜9に示す実施例において、半導体装置100、101、または、102がウェハ上に形成される構成を示したが、半導体装置100、101、または、102がCOF(Chip On Film)上に形成される構成としてもよい。ここで、COFとは、半導体装置がフィルム上の基板に実装されたものである。この場合、スイッチ回路9、マルチプレクサ13、または、ショート配線15は、スクライブライン上ではなく、COFのフィルム上に形成される。そして、図1〜3に示す実施例と同様に、フィルム上に形成されたスイッチ回路9、マルチプレクサ13、または、ショート配線15は、試験終了後に半導体装置100、101、または、102から分離切断される。
【0057】
(5)図1〜9に示す実施例において、スイッチ回路9、マルチプレクサ13、または、ショート配線15がウェハのスクライブライン上に設けられる構成を示したが、マルチプレクサ13、または、ショート配線15が半導体テスタ1のテスタピン2bとパッド3b間に備えられるプローブカード上に設けられる構成としてもよい。
【0058】
図10〜12を用いて具体的に説明する。図10は、半導体テスタ1とIC51との接続の一例を示した構成図である。図11は、半導体テスタ1とIC52との接続の一例を示した構成図である。図12は、半導体テスタ1とIC53との接続の一例を示した構成図である。
【0059】
図1〜3に示す実施例において、実際には、図10に示すように、テスタピン2とIC51のパッド3との間にはパフォーマンスボード20およびプローブカード30が備えられている。図10に示す実施例において、図1〜3に示す実施例と異なる点は、スクライブライン上ではなくプローブカード30上にスイッチ回路9が設けられている点、パッド3a、パッド3bに加えてパッド3c用のプローブ針30aがプローブカード30に設けられている点である。
【0060】
図1〜3に示す実施例では、プローブカードのプローブ針は、IC51のパッド3aとパッド3bの数、すなわち、IC51に接続されるテスタピンの数だけ備えれば良かった。しかし、図10に示す実施例では、プローブカード30のプローブ針30aは、IC51のパッド3a、パッド3bおよびパッド3cの数だけ必要になる。図10に示す実施例の動作は、図1〜3に示す実施例と同様なため、説明を省略する。なお、スイッチ回路9は、半導体テスタ1の試験手段1aからテスタピン2a、パフォーマンスボード20およびプローブカード30内を経由する制御信号により制御されるものとしてもよいし、図1〜3に示す実施例と同様に、スイッチ制御部7aにより制御されるものとしてもよい。ただし、スイッチ制御部7aにより制御される場合には、IC51は、制御信号用に新たなパッド3が必要になり、プローブカード30は、制御信号用に新たなプローブ針30aが必要になる。
【0061】
また、図4〜6に示す実施例において、実際には、図11に示すように、テスタピン2とIC52のパッド3との間にはパフォーマンスボード20およびプローブカード31が備えられている。図11に示す実施例において、図4〜6に示す実施例と異なる点は、スクライブライン上ではなくプローブカード31上にマルチプレクサ13が設けられている点、パッド3a、パッド3bに加えてパッド3c用のプローブ針31aがプローブカード31に設けられている点である。
【0062】
図4〜6に示す実施例では、プローブカードのプローブ針は、IC52のパッド3aとパッド3bの数、すなわち、IC52に接続されるテスタピンの数だけ備えれば良かった。しかし、図11に示す実施例では、プローブカード31のプローブ針31aは、IC52のパッド3a、パッド3bおよびパッド3cの数だけ必要になる。図11に示す実施例の動作は、図4〜6に示す実施例と同様なため、説明を省略する。なお、マルチプレクサ13は、半導体テスタ1の試験手段1aからテスタピン2a、パフォーマンスボード20およびプローブカード31内を経由する制御信号により制御されるものとしてもよいし、図4〜6に示す実施例と同様に、スイッチ制御部10aにより制御されるものとしてもよい。ただし、スイッチ制御部10aにより制御される場合には、IC52は、制御信号用に新たなパッド3が必要になり、プローブカード31は、制御信号用に新たなプローブ針31aが必要になる。
【0063】
同様に、図7〜9に示す実施例において、実際には、図12に示すように、テスタピン2とIC53のパッド3との間にはパフォーマンスボード20およびプローブカード32が備えられている。図12に示す実施例において、図7〜9に示す実施例と異なる点は、スクライブライン上ではなくプローブカード32上にショート配線15が設けられている点、パッド3a、パッド3bに加えてパッド3c用のプローブ針32aがプローブカード32に設けられている点である。
【0064】
図7〜9に示す実施例では、プローブカードのプローブ針は、IC53のパッド3aとパッド3bの数、すなわち、IC53に接続されるテスタピンの数だけ備えれば良かった。しかし、図12に示す実施例では、プローブカード32のプローブ針32aは、IC53のパッド3a、パッド3bおよびパッド3cの数だけ必要になる。図12に示す実施例の動作は、図7〜9に示す実施例と同様なため、説明を省略する。
【0065】
(6)図1〜9に示す実施例において、スイッチ回路9、マルチプレクサ13、または、ショート配線15がウェハのスクライブライン上に設けられる構成を示したが、マルチプレクサ13、または、ショート配線15が半導体テスタ1のテスタピン2bとパッド3b間に備えられるパフォーマンスボード上に設けられる構成としてもよい。
【0066】
図13〜15を用いて具体的に説明する。図13は、半導体テスタ1とIC51との接続の一例を示した構成図である。図14は、半導体テスタ1とIC52との接続の一例を示した構成図である。図15は、半導体テスタ1とIC53との接続の一例を示した構成図である。
【0067】
図1〜3に示す実施例において、実際には、図13に示すように、テスタピン2とIC51のパッド3との間にはパフォーマンスボード21およびプローブカード33が備えられている。図13に示す実施例において、図1〜3に示す実施例と異なる点は、スクライブライン上ではなくパフォーマンスボード21上にスイッチ回路9が設けられている点、パッド3a、パッド3bに加えてパッド3c用のプローブ針33aがプローブカード33に設けられている点である。
【0068】
図1〜3に示す実施例では、プローブカードのプローブ針は、IC51のパッド3aとパッド3bの数、すなわち、IC51に接続されるテスタピンの数だけ備えれば良かった。しかし、図13に示す実施例では、プローブカード33のプローブ針33aは、IC51のパッド3a、パッド3bおよびパッド3cの数だけ必要になる。図13に示す実施例の動作は、図1〜3に示す実施例と同様なため、説明を省略する。なお、スイッチ回路9は、半導体テスタ1の試験手段1aからテスタピン2aおよびパフォーマンスボード20内を経由する制御信号により制御されるものとしてもよいし、図1〜3に示す実施例と同様に、スイッチ制御部7aにより制御されるものとしてもよい。ただし、スイッチ制御部7aにより制御される場合には、IC51は、制御信号用に新たなパッド3が必要になり、プローブカード33は、制御信号用に新たなプローブ針33aが必要になる。
【0069】
また、図4〜6に示す実施例において、実際には、図14に示すように、テスタピン2とIC52のパッド3との間にはパフォーマンスボード22およびプローブカード33が備えられている。図14に示す実施例において、図4〜6に示す実施例と異なる点は、スクライブライン上ではなくパフォーマンスボード22上にマルチプレクサ13が設けられている点、パッド3a、パッド3bに加えてパッド3c用のプローブ針33aがプローブカード33に設けられている点である。
【0070】
図4〜6に示す実施例では、プローブカードのプローブ針は、IC52のパッド3aとパッド3bの数、すなわち、IC52に接続されるテスタピンの数だけ備えれば良かった。しかし、図14に示す実施例では、プローブカード33のプローブ針33aは、IC52のパッド3a、パッド3bおよびパッド3cの数だけ必要になる。図14に示す実施例の動作は、図4〜6に示す実施例と同様なため、説明を省略する。なお、マルチプレクサ13は、半導体テスタ1の試験手段1aからテスタピン2aおよびパフォーマンスボード20内を経由する制御信号により制御されるものとしてもよいし、図4〜6に示す実施例と同様に、スイッチ制御部10aにより制御されるものとしてもよい。ただし、スイッチ制御部10aにより制御される場合には、IC52は、制御信号用に新たなパッド3が必要になり、プローブカード33は、制御信号用に新たなプローブ針33aが必要になる。
【0071】
同様に、図7〜9に示す実施例において、実際には、図15に示すように、テスタピン2とIC53のパッド3との間にはパフォーマンスボード23およびプローブカード33が備えられている。図15に示す実施例において、図7〜9に示す実施例と異なる点は、スクライブライン上ではなくパフォーマンスボード23上にショート配線15が設けられている点、パッド3a、パッド3bに加えてパッド3c用のプローブ針33aがプローブカード33に設けられている点である。
【0072】
図7〜9に示す実施例では、プローブカードのプローブ針は、IC53のパッド3aとパッド3bの数、すなわち、IC53に接続されるテスタピンの数だけ備えれば良かった。しかし、図15に示す実施例では、プローブカード33のプローブ針33aは、IC53のパッド3a、パッド3bおよびパッド3cの数だけ必要になる。図15に示す実施例の動作は、図7〜9に示す実施例と同様なため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0073】
1 半導体テスタ
1a 試験手段
2,2a,2b テスタピン
3,3a,3b,3c パッド
4,4a,4b,4c 配線パターン
7,10,14 内部回路
7a,10a,14a スイッチ制御部
8,13 マルチプレクサ
9,11,12 スイッチ回路
15 ショート配線
20,21,22,23 パフォーマンスボード
30,31,32,33 プローブカード
30a,31a,32,33a プローブ針
100,101,102 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、
一端が共通電位に接続され、他端が前記パッドに接続された第1のスイッチ回路と、
前記内部回路の出力ピンと前記パッドの間に設けられ、前記第1のスイッチ回路が接続されたパッドと試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドとを電気的に接続するマルチプレクサと
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体テスタからの制御信号に応じて前記第1のスイッチ回路をオンまたはオフさせるスイッチ制御部を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体テスタからの制御信号に応じてオンまたはオフすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体装置が形成されるウェハ上のスクライブライン上に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体装置が形成されるフィルム上に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるプローブカード上に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1のスイッチ回路は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるパフォーマンスボード上に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
内部回路の出力ピンと電気的に接続された複数のパッドを有する半導体装置において、
試験時に半導体テスタのテスタピンが接続されるパッドと前記テスタピンが接続されないパッドとを電気的に1対1で接続する経路接続手段と、
一端が前記内部回路の出力ピンに接続され、他端が前記テスタピンが接続される前記パッドに接続される第2のスイッチ回路と、
一端が前記第2のスイッチ回路が接続される以外の前記内部回路の出力ピンに接続され、他端が前記テスタピンが接続されない前記パッドに接続される第3のスイッチ回路とを備え、
試験時に、前記第2のスイッチ回路がオンしている時には前記第3のスイッチ回路をオフさせ、前記第2のスイッチ回路がオフしている時には前記第3のスイッチ回路をオンさせることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
前記経路接続手段は、
マルチプレクサであることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記経路接続手段は、
ショート配線であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項11】
前記経路接続手段は、
前記半導体装置が形成されるウェハ上のスクライブライン上に設けられることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記経路接続手段は、
前記半導体装置が形成されるフィルム上に設けられることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記経路接続手段は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるプローブカード上に設けられることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記経路接続手段は、
前記半導体テスタのテスタピンと前記パッド間に備えられるパフォーマンスボード上に設けられることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項15】
複数のピンを有する半導体装置を試験する半導体テスタにおいて、
請求項1〜14のいずれかに記載の半導体装置に制御信号を出力する試験手段を設けたことを特徴とする半導体テスタ。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の半導体装置と、
請求項15記載の半導体テスタと
を備えたことを特徴とする半導体テストシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−63198(P2012−63198A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206552(P2010−206552)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】