説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】放熱性に優れる半導体装置、および、放熱性に優れる半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 半導体素子1と、放熱部材5と、半導体素子1が配置された配置面211を有し、且つ、半導体素子1および放熱部材5の間に位置するダイボンディングパッド21と、半導体素子1、放熱部材5、および、ダイボンディングパッド21を覆う樹脂パッケージ7と、ダイボンディングパッド21とつながり、且つ、樹脂パッケージ7から突出する挿入実装用のリード22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ダイオードやトランジスタなどの半導体素子を樹脂パッケージで覆った挿入実装型の半導体装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。このような半導体装置は、半導体素子と、ダイボンディングパッドと、リードと、樹脂パッケージとを備える。半導体素子は、ダイボンディングパッドに配置されている。ダイボンディングパッドおよびリードは、互いにつながっている。樹脂パッケージは、半導体素子、ダイボンディングパッド、およびリードを覆っている。リードの一部は、樹脂パッケージから露出している。実装基板に形成された孔にリードが挿入されることにより、半導体装置が実装基板に実装される。
【0003】
このような半導体装置が用いられる際には半導体素子が発熱する。従来から、半導体素子にて生じた熱を速やかに外部に放出できる半導体装置の開発がおこなわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−297729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、放熱性に優れる半導体装置、および、放熱性に優れる半導体装置の製造方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される挿入実装型の半導体装置は、半導体素子と、放熱部材と、上記半導体素子が配置された配置面を有し、且つ、上記半導体素子および上記放熱部材の間に位置するダイボンディングパッドと、上記半導体素子、上記放熱部材、および、上記ダイボンディングパッドを覆う樹脂パッケージと、上記ダイボンディングパッドとつながり、且つ、上記樹脂パッケージから突出する挿入実装用の第1リードと、を備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ダイボンディングパッドおよび上記第1リードは、一体成型されたものであり、上記ダイボンディングパッドの厚さは、上記第1リードの厚さと同一である。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1リードは、上記配置面と交差する方向に延び且つ上記ダイボンディングパッドにつながる連結部と、上記連結部につながり且つ上記樹脂パッケージから突出する部位を有する端子部と、を含む。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、超音波接合によって上記ダイボンディングパッドに接合されている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記樹脂パッケージを構成する材料よりも熱伝導率の大きい材料よりなる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記ダイボンディングパッドを構成する材料よりも熱伝導率の大きい材料よりなる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、アルミニウム、銅、もしくは、鉄よりなる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記ダイボンディングパッドに接合された第1面と、上記第1面と反対側を向く第2面とを有し、上記第2面は、上記樹脂パッケージから露出している。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1リードは、上記ダイボンディングパッドに接合されている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1リードは、上記配置面と交差する方向に延び且つ上記ダイボンディングパッドに接合された接合部と、上記接合部につながり且つ上記樹脂パッケージから突出する部位を有する端子部と、を含み、上記接合部および上記端子部は、一体成型されている。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ダイボンディングパッドは、上記半導体素子が配置された板状部と、上記板状部から上記配置面と交差する方向に延び且つ上記第1リードに接合された延出部と、を含み、上記板状部および上記延出部は、一体成型されている。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記延出部は、上記板状部から、上記第2面側から上記第1面側に向かう方向に延びる。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、絶縁材料よりなる。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁材料は、セラミックである。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記セラミックは、アルミナ、ジルコニア、または、チッ化アルミニウムである。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、金属よりなる基材と、上記基材を包む絶縁膜とを含む。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜は、上記金属の酸化物よりなる。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記配置面と垂直である方向視において、上記第2面からはみ出る脱落防止部を含み、上記脱落防止部は、上記樹脂パッケージよりも、上記第2面から上記第1面に向かう側に位置する。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記配置面と垂直である方向視において、上記樹脂パッケージからはみ出る部位を有する。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記第1面を構成する第1基板と、上記第1基板に積層され且つ上記第2面を構成する第2基板と、を含み、上記第1基板は、上記配置面と垂直である方向視において上記第2基板からはみ出ており、且つ、上記樹脂パッケージよりも、上記第2面から上記第1面に向かう側に位置する脱落防止部を有する。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2基板は、上記配置面と垂直である方向視において、全体にわたって上記第1基板と重なる。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1面および上記ダイボンディングパッドの間に介在し且つ上記第1面および上記ダイボンディングパッドを接合する接合層を更に備える。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記接合層は、銀ペーストである。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記接合層は、上記第1面および上記ダイボンディングパッドの間に介在し且つ樹脂よりなる樹脂層と、上記樹脂層に混入されたフィラーと、を含む。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材は、上記配置面と垂直である方向視において上記ダイボンディングパッドと重なる平板部と、上記第1リードと重なり且つ上記第1リードが突出する方向に向かって上記平板部から突出する突出部と、を更に含む。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、第1ワイヤボンディングパッドと、上記第1リードに並列され、且つ、上記第1ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第2リードと、を更に備え、上記配置面と垂直である方向視において、上記第1ワイヤボンディングパッドと上記突出部との間には隙間が形成されている。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、第2ワイヤボンディングパッドと、上記第1リードに並列され、且つ、上記第2ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第3リードと、を更に備え、上記第1リードは、上記第2リードおよび上記第3リードの間に位置し、上記配置面と垂直である方向視において、上記第2ワイヤボンディングパッドと上記突出部との間には隙間が形成されている。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ダイボンディングパッドには、孔が形成されており、上記放熱部材は、矩形状であり、且つ、上記孔より上記第1リードが突出する方向の側に位置する。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ダイボンディングパッドには、孔が形成されており、上記放熱部材には、上記孔と重なるネジ穴が形成されている。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ダイボンディングパッドには、孔が形成されており、上記放熱部材は、上記第1リードが突出する方向と反対側に開口し且つ上記孔と重なる凹部を有する。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記半導体素子および上記ダイボンディングパッドの間に介在する接着層を更に備える。
【0037】
本発明の第2の側面によって提供される挿入実装型の半導体装置の製造方法は、第1面と上記第1面とは反対側の第2面とを有する放熱部材を準備し、上記第1面にダイボンディングパッドを接合し、上記ダイボンディングパッドを接合する工程の後に、上記ダイボンディングパッドにリードを接合し、上記ダイボンディングパッドを挟んで上記放熱部材とは反対側に、半導体素子を配置し、上記第2面を露出させ且つ上記リードの一部と上記ダイボンディングパッドと上記半導体素子とを覆う樹脂パッケージを形成する、各工程を備える。
【0038】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記放熱部材を準備する工程は、セラミックよりなるシートに、セラミックよりなる複数の基板を配置し、上記シートと上記複数の基板とを一括して焼成し、上記シートを、各々が上記複数の基板のいずれかが接合された複数の個片に切断する、各工程を含む。
【0039】
本発明の第3の側面によって提供される挿入実装型の半導体装置は、半導体素子と、上記半導体素子を覆う樹脂パッケージと、上記半導体素子が配置され且つ上記樹脂パッケージに覆われた配置面、および、上記配置面と反対側を向き且つ上記樹脂パッケージから露出する裏面を有するダイボンディングパッドと、上記裏面を覆う絶縁膜と、上記ダイボンディングパッドとつながり、且つ、上記樹脂パッケージから突出する挿入実装用の第1リードと、を備える。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜は、上記樹脂パッケージを覆う。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記樹脂パッケージは、上記裏面と面一であり且つ上記絶縁膜に覆われた実装面を有する。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜は、上記樹脂パッケージから露出する露出面を有し、上記樹脂パッケージは、上記露出面と面一である実装面を有する。
【0043】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1リードは、上記配置面と交差する方向に延び且つ上記ダイボンディングパッドにつながる連結部と、上記連結部につながり且つ上記樹脂パッケージから突出する部位を有する端子部と、を含む。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態においては、第1ワイヤボンディングパッドと、第2ワイヤボンディングパッドと、上記第1リードに並列され、且つ、上記第1ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第2リードと、上記第1リードに並列され、且つ、上記第2ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第3リードと、を更に備え、上記第1リードは、上記第2リードおよび上記第3リードの間に位置する。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜は、ポリアミドイミドもしくはポリイミドよりなる。
【0046】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記半導体素子と上記ダイボンディングパッドとの間に介在する接着層を更に備える。
【0047】
本発明の第4の側面によって提供される挿入実装型の半導体装置の製造方法は、配置面と上記配置面の反対側を向く裏面とを有するダイボンディングパッドを用い、上記配置面に半導体素子を配置する工程と、上記半導体素子を配置する工程の後に、上記裏面が臨む開口を有し、且つ、上記配置面および上記半導体素子を覆う樹脂パッケージを形成する工程と、上記裏面に絶縁膜を形成する工程と、を備える。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜を形成する工程は、上記樹脂パッケージを形成する工程の後に行う。
【0049】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜を形成する工程においては、上記絶縁膜により上記樹脂パッケージの一部を覆う。
【0050】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜を形成する工程は、上記半導体素子を配置する工程の前に行う。
【0051】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁膜を形成する工程は、スプレーコーティングにより行う。
【0052】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の実装構造を示す要部断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の底面図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図8】図5に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【図9】(a)は本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図10】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例において、ボンディング開始時の状態を示す要部正面図である。
【図11】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例において用いるボンディングツールの一例を示す、全体概略図である。
【図12】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法において用いるボンディングツールのウエッジを示す要部斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う要部断面図である。
【図14】図12のXIV−XIV線に沿う要部断面図である。
【図15】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例における、ファーストボンディング工程を示す要部正面図である。
【図16】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例における、ファーストボンディング工程を終えた状態を示す要部正面図である。
【図17】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例における、セカンドボンディング工程を示す要部正面図である。
【図18】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例において、ワイヤをカットする工程を示す要部正面図である。
【図19】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を製造する際に行うワイヤボンディング方法の一例において、ワイヤボンディング作業の終了状態を示す要部正面図である。
【図20】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置におけるワイヤボンディング構造の一例を示す要部拡大正面図である。
【図21】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置におけるワイヤボンディング構造の一例を示す要部拡大平面図である。
【図22】(a)は本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図23】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図(一部断面図)である。
【図24】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図25】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図26】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図27】本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図28】本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図29】本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図30】本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図31】本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図32】本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図33】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の実装構造の変形例を示す要部断面図である。
【図34】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の実装構造を示す要部断面図である。
【図35】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の正面図である。
【図36】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
【図37】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の底面図である。
【図38】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図39】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図40】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図41】図38に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【図42】(a)は本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図43】(a)は本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図44】(a)は本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図45】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における断面図である。
【図46】本発明の第2実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図47】本発明の第2実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図48】本発明の第2実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図49】本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図50】本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図51】本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図52】本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる半導体装置の製造工程の一工程における断面図である。
【図53】本発明の第2実施形態の第3変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図54】本発明の第2実施形態の第3変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図55】本発明の第2実施形態の第3変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図56】本発明の第2実施形態の第4変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図57】本発明の第2実施形態の第4変形例にかかる半導体装置の底面図である。
【図58】本発明の第2実施形態の第4変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図59】本発明の第2実施形態の第5変形例にかかる半導体装置の部分拡大断面図である。
【図60】本発明の第2実施形態の第6変形例にかかる半導体装置の部分拡大断面図である。
【図61】本発明の第2実施形態の第7変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図62】本発明の第2実施形態の第7変形例にかかる半導体装置の底面図である。
【図63】本発明の第2実施形態の第7変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図64】本発明の第2実施形態の第7変形例にかかる半導体装置の製造工程の一工程における斜視図である。
【図65】本発明の第2実施形態の第7変形例にかかる半導体装置の製造工程の一工程における斜視図である。
【図66】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の実装構造の変形例を示す要部断面図である。
【図67】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の実装構造を示す要部断面図である。
【図68】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の正面図である。
【図69】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
【図70】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の底面図である。
【図71】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図72】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。
【図73】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【図74】図71に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【図75】(a)は本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図76】(a)は本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図77】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程における断面図である。
【図78】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程において製造される中間品を示す正面図である。
【図79】本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図80】本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の底面図である。
【図81】図79に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【図82】(a)は本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図83】(a)は本発明の第3実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の製造工程の一工程における正面図である。(b)は(a)に示す構成の平面図である。
【図84】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の実装構造の変形例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
[第1実施形態]
図1〜図23を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
【0055】
図1は、本実施形態にかかる半導体装置の実装構造を示す要部断面図である。
【0056】
図1に示す半導体装置の実装構造B1は、半導体装置A10と、実装基板81と、放熱板82とを備える。
【0057】
実装基板81は、複数の電子部品が実装される基板である。実装基板81は、絶縁性の材料よりなる。実装基板81には図示しない配線パターンが形成されている。実装基板81には、複数の孔811が形成されている。放熱板82は、実装基板81に立設されている。放熱板82は、熱伝導率の比較的大きな材料、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。
【0058】
図2は、本実施形態にかかる半導体装置の正面図である。図3は、本実施形態にかかる半導体装置の平面図である。図4は、本実施形態にかかる半導体装置の底面図である。図5は、本実施形態にかかる半導体装置の断面図である。図6は、本実施形態にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図7は、本実施形態にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。図8は、図5に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【0059】
これらの図に示す半導体装置A10は、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図8参照、その他の図では略)と、メッキ層62(図1、図5参照、その他の図では略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。図6、図7では、樹脂パッケージ7を、2点鎖線で示している。図1に示すように、半導体装置A10は、実装基板81に実装されている。半導体装置A10は、半導体素子1の種類により、電気回路におけるスイッチング機能、整流機能、増幅機能などを果たす電子部品として用いられる。
【0060】
図1、図5、図6に示す半導体素子1は、平面視矩形状である。半導体素子1は、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの半導体からなる素子である。本実施形態では、半導体素子1はトランジスタである。
【0061】
図5〜図7によく表れているように、電極2は、ダイボンディングパッド21と、リード22とを含む。ダイボンディングパッド21およびリード22は、たとえば、銅などの導電材料よりなる。ダイボンディングパッド21およびリード22は、一体成型されている。本実施形態においては、ダイボンディングパッド21およびリード22は、厚さが均一の導電部材を、たとえば折り曲げ成型するなど、一体成型することにより形成されている。
【0062】
ダイボンディングパッド21は、半導体素子1を搭載するためのものである。ダイボンディングパッド21は、xy平面に広がる平板状である。ダイボンディングパッド21は、配置面211と、裏面212とを有する。配置面211は方向z1を向く。裏面212は、方向z2を向く。配置面211には、半導体素子1が配置されている。ダイボンディングパッド21には半導体素子1にて発生した熱が伝わる。ダイボンディングパッド21には、配置面211から裏面212にわたって貫通する孔214が形成されている。図6に示すように、孔214は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x2側の端部からx1方向に凹む凹状である。
【0063】
リード22は、ダイボンディングパッド21から線状に延びる形状である。リード22は挿入実装用のものである。図1に示したように、リード22は孔811に挿入される。これにより、半導体装置A10が実装基板81に実装される。リード22を実装基板81に固定するために、孔811にハンダ84が充填されている。図5〜図7に示すように、リード22は、連結部221と、端子部222とを有する。連結部221は、ダイボンディングパッド21につながる。連結部221は、ダイボンディングパッド21から配置面211と交差する方向に延びる。端子部222は連結部221につながる。端子部222は、連結部221から方向x1に向かって延びる。端子部222は後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。上述のように、リード22は、ダイボンディングパッド21とともに、厚さが均一の導体部材を一体成型したものである。そのため、図5に示すように、端子部222のうち樹脂パッケージ7から突出する部分における厚さL2(方向zにおける寸法)は、ダイボンディングパッド21の厚さL1(方向zにおける寸法)と同一である。
【0064】
図6に示すように、電極3は、ワイヤボンディングパッド31と、リード32とを含む。電極3は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x1側、且つ、リード22の方向y1側、に位置する。ワイヤボンディングパッド31およびリード32は、一体成型されている。ワイヤボンディングパッド31およびリード32は、たとえば銅などの導電性材料よりなる。ワイヤボンディングパッド31は、ダイボンディングパッド21より小さい略矩形の平板状である。リード32は、ワイヤボンディングパッド31とつながる。リード32は、ワイヤボンディングパッド31から方向x1に向かって線状に延びる形状である。リード32は、リード22に並列されている。リード32は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。リード32は挿入実装用のものである。図1に示すように、リード32は孔811に挿入される。これにより、半導体装置A10が実装基板81に実装される。リード32を実装基板81に固定するために、孔811にハンダ84が充填されている。
【0065】
図6に示すように、電極4は、ワイヤボンディングパッド41と、リード42とを含む。電極4は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x1側、且つ、リード22の方向y2側、に位置する。ワイヤボンディングパッド41およびリード42は、一体成型されている。ワイヤボンディングパッド41およびリード42は、たとえば銅などの導電性材料よりなる。ワイヤボンディングパッド41は、ダイボンディングパッド21より小さい略矩形の平板状である。リード42は、ワイヤボンディングパッド41とつながる。リード42は、ワイヤボンディングパッド41から方向x1に向かって線状に延びる形状である。リード42は、リード22に並列されている。リード42とリード32との間に、リード22が位置する。リード42は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。リード42は挿入実装用のものである。図1に示すように、リード42は、孔811に挿入される。これにより、半導体装置A10が実装基板81に実装される。リード42を実装基板81に固定するために、孔811にハンダ84が充填されている。
【0066】
図8に示すように、接着層61は、半導体素子1とダイボンディングパッド21との間に介在する。接着層61は、半導体素子1をダイボンディングパッド21に接着するためのものである。本実施形態においては、接着層61を介して、半導体素子1がダイボンディングパッド21と導通している。接着層61は、たとえば、銀ペーストもしくはハンダペーストである。
【0067】
図5〜図7に示すように、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21を挟んで、半導体素子1が配置された側と反対側に配置されている。すなわち、放熱部材5と半導体素子1との間にダイボンディングパッド21が位置する。放熱部材5は、孔214よりも方向x1側に位置する。本実施形態においては、放熱部材5は、略矩形の板状である。放熱部材5が略矩形の板状である場合には、放熱部材5を形成するのに穴を空けるなどの特殊な加工をする必要がないため、放熱部材5を製造し易い。放熱部材5は、ダイボンディングパッド21と接着剤を介して接合されていてもよいが、本実施形態においては、ダイボンディングパッド21と超音波接合によって、接合されている。そのため、放熱部材5とダイボンディングパッド21との間には、接着剤などが介在しておらず、放熱部材5とダイボンディングパッド21とは直接接する。
【0068】
放熱部材5は、半導体素子1にて発生した熱を速やかに半導体装置A10の外部に放出するために、設けられている。半導体素子1にて発生した熱を速やかに半導体装置A10の外部に放出するには、放熱部材5を構成する材料の熱伝導率は大きければ大きいほど良い。好ましくは、放熱部材5は、樹脂パッケージ7を構成する材料の熱伝導率よりも熱伝導率が大きい材料よりなる。さらに好ましくは、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21を構成する材料の熱伝導率よりも熱伝導率が大きい材料よりなる。放熱部材5は、たとえば、アルミニウム、銅、もしくは、鉄などの導体よりなる。なお、放熱部材5は、アルミニウムに銀メッキがされたものであってもよい。
【0069】
図1〜図8に示す樹脂パッケージ7は、半導体素子1、電極2〜4、および、放熱部材5を覆っている。樹脂パッケージ7は、たとえば、黒色のエポキシ樹脂よりなる。図1〜図4に示すように、樹脂パッケージ7は、第1面71と、第2面72とを有する。第1面71は、平坦面715とテーパ面716とを有する。図1に示すように、平坦面715は、放熱板82に正対する。平坦面715と放熱板82との間にはグリース89が介在していてもよい。もしくは、図示しないが、平坦面715と放熱板82とが接していてもよい。これらは、半導体装置A10の放熱性向上の観点から好ましい。テーパ面716は、平坦面715につながる。テーパ面716は、方向z1に向かうにつれ、xy平面における外側に向かう形状である。図4に示すように、樹脂パッケージ7には、平坦面715から凹むピン跡711が形成されている。
【0070】
図2、図3に示すように、第2面72は、複数の平坦面725と、複数のテーパ面726とを有する。各テーパ面726は、複数の平坦面725のいずれかにつながる。各テーパ面726は、方向z2に向かうにつれ、xy平面における外側に向かう形状である。各テーパ面726は、境界73において、テーパ面716とつながる。図3に示すように、樹脂パッケージ7には、平坦面725から凹むピン跡721が形成されている。また、樹脂パッケージ7には、ネジ穴78が形成されている。図1に示すように、ネジ穴78には、半導体装置A10を放熱板82に固定するためのネジ83が挿通される。
【0071】
図5、図6に示す各ワイヤ69は、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。2本のワイヤ69のうちの一つは、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とに接合されている。これにより、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とが導通している。2本のワイヤ69のうちの一つは、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とに接合されている。これにより、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とが導通している。半導体素子1がトランジスタでなくダイオードである場合には、ワイヤボンディングパッド31,41のいずれにもワイヤ69がボンディングされている必要はない。この場合、ワイヤボンディングパッド31,41のいずれか一方に、ワイヤ69がボンディングされていればよい。
【0072】
図1、図5に示すメッキ層62は、各リード22,32,42の樹脂パッケージ7から突出している部位を覆っている。メッキ層62は、たとえば、スズと銀と銅との合金よりなる。
【0073】
次に、図9〜図23を用いて、半導体装置A10の製造方法について説明する。
【0074】
まず、図9に示すように、電極2’,3’,4’を形成する。次に、同図(a)に示すように、電極2’のダイボンディングパッド21に、放熱部材5を接合する。本実施形態においては、ダイボンディングパッド21と放熱部材5との接合は、超音波接合によって行う。次に、後に図22(a),(b)にて示すように、接着層61(図8参照、図22では省略)を介して半導体素子1をダイボンディングパッド21に配置する。半導体素子1を配置する位置は、ダイボンディングパッド21を挟んで放熱部材5とは反対側である。
【0075】
次に、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とに、ワイヤ69を接合する。同様に、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とに、ワイヤ69を接合する。ワイヤ69の接合は、以下のボンディングツール900Aを用いて、次のように行う。
【0076】
図10および図11は、ボンディングツールの一例を示している。本実施形態のボンディングツール900Aは、ウエッジ901、ワイヤガイド902、カッタ903、本体904、およびホーン905を備えている。
【0077】
ホーン905は、ウエッジ901を保持しており、ウエッジ901を接続対象に押し付けながら、超音波振動を付加するためのものである。ホーン905は、本体904に支持されている。本実施形態においては、ホーン905は、弾性支持部材(図示略)を介して本体904に固定されている。これにより、ホーン905は、本体904によって弾性的に支持されている。
【0078】
ワイヤガイド902は、ウエッジ901に対して固定されており、たとえばワイヤリール965からのワイヤ69’をウエッジ901へと導くためのものである。ウエッジ901から見てワイヤガイド902が取り付けられている側が、後述するボンディング作業において前側となる。
【0079】
ウエッジ901は、ワイヤ69’を押し付けるとともに、超音波振動によって接続対象に接合する部分である。ウエッジ901は、たとえばタングステンカーバイトからなる。図12〜図14に示すように、ウエッジ901には、ガイド溝911および補助溝912が形成されている。ガイド溝911は、ウエッジ901の下端に設けられており、前後方向に延びるV字溝である。補助溝912は、ウエッジ901の先端部分のほぼ中央に設けられており、ガイド溝911と直角に延びる略半楕円溝である。ガイド溝911の内面のうち、補助溝912よりも前側にある部分が前方押し付け面911aを構成しており、補助溝912よりも後側にある部分が後方押し付け面911bを構成している。また、補助溝912によって空隙部913が規定されている。空隙部913は、前方押し付け面911aと後方押し付け面911bとの間に介在する。本実施形態においては、前方押し付け面911a、後方押し付け面911b、および空隙部913の前後方向長さは、互いにほとんど同一とされている。
【0080】
カッタ903は、ワイヤ69’を切断するためのものであり、ウエッジ901の後ろ側に配置されている。本実施形態においては、カッタ903は、本体904に対して剛的に取り付けられている。
【0081】
次に、ボンディングツール900Aを用いたワイヤボンディング方法について、図10および図15〜図19を参照しつつ以下に説明する。
【0082】
ボンディングツール900Aを用いたワイヤボンディング方法においては、たとえば、ダイボンディングパッド21に搭載された半導体素子1の電極パッド981と、電極3のワイヤボンディングパッド31とをワイヤ69’を介して接続する。図10に示すように、あらかじめワイヤボンディング方法を開始可能な状態とされたボンディングツール900Aのウエッジ901の先端を、電極パッド981の直上に位置させる。そして、ウエッジ901の先端を電極パッド981に向かわせる。このとき、ワイヤ69’の先端部分は、ガイド溝911に嵌っている。
【0083】
次いで、図15に示すように、ファーストボンディング工程を行う。具体的には、ウエッジ901を電極パッド981に押し当てつつ、超音波振動をワイヤ69’に付加する。これにより、ワイヤ69’の先端部分と電極パッド981とが超音波溶接される。ワイヤ69’のうち、電極パッド981に対して超音波溶接される部分は、前方押し付け面911aと電極パッド981とに挟まれた部分、ないし、後方押し付け面911bと電極パッド981とにはさまれた部分である。一方、ワイヤ69’のうち空隙部913に収容された部分は、電極パッド981に対してほとんど押し付けられない。この結果、図16に示すように、前方押し付け面911aによって接合された前方接合部961,後方押し付け面によって接合された後方接合部963、および中間部962を有するファーストボンディング部906Aが形成される。中間部962は、空隙部913に収容されていた部分であったため、電極パッド981には接合されておらず、本実施形態においては、電極パッド981から若干浮いたアーチ状とされている。
【0084】
次いで、図17に示すように、セカンドボンディング工程を行う。具体的には、ウエッジ901の後方押し付け面911bを電極3’のワイヤボンディングパッド31に押し付ける。このとき、ワイヤボンディングパッド31の前端は、空隙部913と重なる位置にある。そして、ウエッジ901によってワイヤ69’に超音波振動を付加する。これにより、ワイヤ69’のうち後方押し付け面911bとワイヤボンディングパッド31とに挟まれた部分が、ワイヤボンディングパッド31に接合される。この接合された部分は、図18に示すように、セカンドボンディング部906Bとなる。
【0085】
次いで、ボンディングツール900Aを前方に移動させる。この移動により、カッタ903は、セカンドボンディング部906Bの前端とワイヤボンディングパッド31の前端との間に位置する。この範囲にあるワイヤ69’は、空隙部913に収容されていた部分であるため、ワイヤボンディングパッド31に対しては接合されていない。次いで、本体904を押し下げると、本体904に対して剛的に取り付けられたカッタ903が、本体904とともに下降する。本実施形態においては、このカッタ903の下降により、ワイヤ69’に切れ目がつけられる。すなわち、本体904の下降量は、カッタ903がワイヤ69’を完全に切断してしまわない程度に設定されている。一方、本体904に弾性的に取り付けられたウエッジ901は、電極3’と当接したとしても、それ以上過度に電極3’に食い込むことは無い。
【0086】
この後は、図19に示すように、ウエッジ901とともにワイヤ69’をワイヤボンディングパッド31から離間させる。これにより、切れ目がつけられたワイヤ69’は切断され、ワイヤ69が生じる。以上の工程を経ることにより、ワイヤボンディング作業が終了し、図示されたワイヤボンディング構造900Bが完成する。
【0087】
ワイヤボンディング構造900Bは、半導体素子1の電極パッド981に接合されたファーストボンディング部906Aと、ワイヤボンディングパッド31に接合されたセカンドボンディング部906Bと、これらをつなぐ橋絡部906Cとを有するワイヤ69によって構成されている。図20および図21は、ファーストボンディング部906Aをより詳細に示している。図20において、斜線が付された部分が、電極パッド981と確実に接合された前方接合部961および後方接合部963である。前方接合部961および後方接合部963は、ウエッジ901によって押しつぶされるため、図21に示すように若干広げられた形状とされている。中間部962は、空隙部913に収容されていたため、前方接合部961および後方接合部963と比較すると変形の度合いが顕著に少ない。本実施形態においては、前方接合部961、後方接合部963、および中間部962の前後方向(ワイヤ69の長手方向)長さは、互いにほとんど同一である。以上のように、ワイヤ69をワイヤボンディンングパッド31と半導体素子1とに接合する。詳細は説明しないが、同様に、ワイヤ69をワイヤボンディングパッド41と半導体素子1とに接合する。このようにして、図22に示す構成を得ることができる。
【0088】
次に、図23に示すように、金型85および金型86によって、リード22’,32’,42’を挟み込む(図23では、リード42’のみ示す)。金型85,86がリード22’,32’,42’を挟み込んでいる状態で、金型85,86をリード22’,32’,42’に固定する。ピン87,88を用いて、金型85,86に対しダイボンディングパッド21を固定する。金型85,86によってリード22’,32’,42’を挟み込んだ際、金型85および金型86に囲まれた空間891が形成される。空間891は、ダイボンディングパッド21や、半導体素子1などを収容している。
【0089】
次に、空間891に樹脂を注入する。次に、ダイボンディングパッド21からピン87をわずかに離間させる。すると、ダイボンディングパッド21とピン87との間にも樹脂が入り込む。同様にダイボンディングパッド21からピン88をわずかに離間させる。すると、ダイボンディングパッド21およびピン88の間に樹脂が入り込む。その後、樹脂が完全に硬化した後に、樹脂パッケージ7から金型85,86を取り外す。このようにして、図2〜図4に示した上述の樹脂パッケージ7が形成される。樹脂パッケージ7のうち金型85によって形成された面が、上述の第1面71となる。一方、樹脂パッケージ7のうち金型86によって形成された面が、上述の第2面72となる。樹脂パッケージ7のうちピン87が挿入されていた部位は、上述のピン跡711となる。同様に、樹脂パッケージ7のうちピン88が挿入されていた部位は、上述のピン跡721となる。その後、線899(図22参照)に沿ってリード22’,32’,42’を切断するなどして、半導体装置A10が製造される。
【0090】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0091】
半導体装置A10は、放熱部材5を備えている。そのため、半導体素子1からダイボンディングパッド21に伝わった熱は、放熱部材5を介して、放熱板82に伝導し得る。よって、半導体素子1からダイボンディングパッド21に伝わった熱は、放熱板82に伝わりやすくなる。したがって、半導体装置A10は、半導体素子1が過度に高温となることを抑制するのに適する。すなわち、半導体装置A10は、放熱性に優れている。
【0092】
半導体装置A10においては、電極2は、均一の厚さの導電部材を成型することにより形成されている。そのため、電極2を形成するために、ダイボンディングパッド21の厚さとリード22の厚さが異なる導電部材を用いる必要がない。均一の厚さの導電部材は、低コストで製造できる。したがって、半導体装置A10は、製造コストの削減を図るのに適する。
【0093】
半導体装置A10においては、ダイボンディングパッド21と放熱部材5とは、超音波接合によって接合されている。超音波接合によりダイボンディングパッド21と放熱部材5とを接合する際には、ダイボンディングパッド21の温度を上昇させる必要がない。そのため、放熱部材5を接合する際に、ダイボンディングパッド21が酸化されにくい。すなわち、放熱部材5を接合した後であっても、ダイボンディングパッド21の配置面211が酸化膜に覆われておらず導電材料が露出した状態を保つことができる。したがって、半導体装置A10は、ダイボンディングパッド21と半導体素子1とをより確実に導通させるのに適する。
【0094】
本実施形態によれば、前方押し付け面911aおよび後方押し付け面911bを用いてファーストボンディング部906Aを形成するのに対し、セカンドボンディング部906Bの形成においては、後方押し付け面911bのみを用いる。これにより、セカンドボンディング部906Bの前後方向(ワイヤ69の長手方向)長さは、ファーストボンディング部906Aよりも顕著に短くなっており、本実施形態の場合、1/3程度である。したがって、ファーストボンディング部906Aと電極パッド981との接合面積を十分に確保しつつ、ワイヤボンディングパッド31を電極パッド981の1/3程度とすることが可能であり、半導体素子1を備えた半導体装置の小型化を図ることができる。
【0095】
ガイド溝911を設けておくことにより、ワイヤ69’を確実に保持することができる。補助溝912を形成することにより、前方押し付け面911aと後方押し付け面911bとを確実に離間させることが可能である。また、補助溝912の形状およびサイズを適宜設定することにより、空隙部913の大きさを調整することができる。これにより、ファーストボンディング部906Aの中間部962の電極パッド981に対する浮き代を所望の大きさとすることができる。
【0096】
ワイヤ69’のうち、セカンドボンディング部906Bの前方に隣接する部分は、ワイヤボンディングパッド31に対して接合されていない。この部分にカッタ903によって切れ目を入れることにより、ボンディングツール900Aを離間させる動作によってワイヤ69’を適切に切断することができる。カッタ903が本体904に対して剛的に取り付けられていることにより、本体904の下降動作のみによってワイヤ69’に切れ目をいれることができる。これは、たとえばカッタ903を駆動するための専用の駆動源を備える構成と比べて、全体の構成が複雑になってしまうことを回避するのに適している。
【0097】
以下に、本実施形態の変形例を示す。以下の変形例では、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0098】
<第1変形例>
次に、図24〜図26を用いて、本実施形態にかかる半導体装置の第1変形例について説明する。
【0099】
図24は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図25は、本変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図26は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0100】
これらの図に示す半導体装置A11は、半導体装置A10と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図8参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A11は、放熱部材5の形状が半導体装置A10と相違する。半導体装置A11における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、ワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A10の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0101】
本変形例においては、放熱部材5は、平板部51と、突出部52とを含む。平板部51は、略矩形の板状を呈する。平板部51は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21と重なる。突出部52は、平板部51から方向x1に向かって突出している。突出部52は、xy平面視において、リード22と重なる。図25、図26に示すように、突出部52とワイヤボンディングパッド31との間に隙間39が形成されている。同様に、突出部52とワイヤボンディングパッド41との間に隙間49が形成されている。突出部52の方向x1側の先端は、ダイボンディングパッド21よりも方向x1側に位置する。
【0102】
次に、本変形例の作用効果について説明する。
【0103】
半導体装置A11においては、放熱部材5は、平板部51から突出する突出部52を含む。放熱部材5が突出部52を含む構成は、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A11によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0104】
半導体装置A11においては、xy平面視において、突出部52とワイヤボンディングパッド31との間に隙間39が形成されている。このような構成によると、xy平面視において、突出部52がワイヤボンディングパッド31と重なる領域を小さくすることができる。ワイヤ69をワイヤボンディングパッド31に接合する際には、ワイヤボンディングパッド31の方向z2側に図示しないヒータを配置する。xy平面視における突出部52とワイヤボンディングパッド31とが重なる領域が小さいと、当該ヒータを配置し易い。したがって、半導体装置A11によると、ワイヤボンディングパッド31にワイヤ69を容易に接合できる。同様の理由により、半導体装置A11によると、ワイヤボンディングパッド41にワイヤ69を容易に接合できる。
【0105】
<第2変形例>
次に、図27〜図29を用いて、本実施形態にかかる半導体装置の第2変形例について説明する。
【0106】
図27は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図28は、本変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図29は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0107】
これらの図に示す半導体装置A12は、半導体装置A10と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図8参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A12は、放熱部材5の形状が、半導体装置A10と相違する。半導体装置A12における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、ワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A10の構成と同様であるから、説明を省略する。放熱部材5には、ネジ挿通用の円形のネジ穴54が形成されている。図28に示すように、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21よりも、方向x2の側に位置する部位を有する。
【0108】
半導体装置A12は、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A12によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0109】
なお、本変形例における放熱部材5は、半導体装置A11における平板部51と突出部52とを備える構成であってもよい。
【0110】
<第3変形例>
次に、図30〜図32を用いて、本実施形態にかかる半導体装置の第3変形例について説明する。
【0111】
図30は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図31は、本変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図32は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0112】
これらの図に示す半導体装置A13は、半導体装置A10と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図8参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A13は、放熱部材5の形状が、半導体装置A10と相違する。半導体装置A12における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、ワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A10の構成と同様であるから、説明を省略する。放熱部材5には、方向x2の端部から方向x1側に凹む凹部55が形成されている。凹部55は、方向x2側に開口している。xy平面視において、凹部55は、ダイボンディングパッド21における孔214と重なる。図31に示すように、本変形例においても、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21よりも、方向x2の側に位置する部位を有する。
【0113】
半導体装置A13は、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A13によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0114】
なお、本変形例における放熱部材5は、半導体装置A11における平板部51と突出部52とを備える構成であってもよい。
【0115】
<半導体装置の実装構造の変形例>
次に、図33を用いて、本実施形態にかかる半導体装置の実装構造の変形例について示す。
【0116】
図33は、本変形例にかかる半導体装置の実装構造の要部断面図である。同図に示す半導体装置の実装構造B2は、半導体装置A10と、実装基板81と、放熱板82とを備える。半導体装置の実装構造B2は、半導体装置の実装構造B1と異なり、実装基板81と平行に放熱板82が形成されている。そして、リード22,32,42のいずれもが屈曲した状態で、半導体装置A10が実装基板81に実装されている。なお、半導体装置A10に代えて、半導体装置A11〜A13のいずれかが実装基板81に実装されていてもよい。
【0117】
[第2実施形態]
次に、図34〜図45を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
【0118】
図34は、本実施形態にかかる半導体装置の実装構造を示す要部断面図である。
【0119】
図34に示す半導体装置の実装構造B3は、半導体装置A20と、実装基板81と、放熱板82とを備える。
【0120】
実装基板81は、複数の電子部品が実装される基板である。実装基板81は、絶縁性の材料よりなる。実装基板81には図示しない配線パターンが形成されている。実装基板81には、複数の孔811が形成されている。放熱板82は、実装基板81に立設されている。放熱板82は、熱伝導率の比較的大きな材料、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。
【0121】
図35は、本実施形態にかかる半導体装置の正面図である。図36は、本実施形態にかかる半導体装置の平面図である。図37は、本実施形態にかかる半導体装置の底面図である。図38は、本実施形態にかかる半導体装置の断面図である。図39は、本実施形態にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図40は、本実施形態にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。図41は、図38に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【0122】
これらの図に示す半導体装置A20は、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図41参照、その他の図では略)と、メッキ層62(図34、図38参照、その他の図では略)と、接合層63(図41参照、その他の図では略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。図39、図40では、樹脂パッケージ7を、2点鎖線で示している。図34に示すように、半導体装置A20は、実装基板81に実装されている。半導体装置A20は、半導体素子1の種類により、電気回路におけるスイッチング機能、整流機能、増幅機能などを果たす電子部品として用いられる。
【0123】
図34、図38、図39に示す半導体素子1は、平面視矩形状である。半導体素子1は、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの半導体からなる素子である。本実施形態では、半導体素子1はトランジスタである。
【0124】
図34、図38〜図40に示す電極2は、ダイボンディングパッド21と、リード22とを含む。ダイボンディングパッド21およびリード22は、たとえば、銅などの導電材料よりなる。
【0125】
ダイボンディングパッド21は、半導体素子1を搭載するためのものである。ダイボンディングパッド21は、平板状である。ダイボンディングパッド21は、配置面211と、裏面212とを有する。配置面211は方向z1を向く。裏面212は、方向z2を向く。配置面211には、半導体素子1が配置されている。ダイボンディングパッド21には半導体素子1にて発生した熱が伝わる。ダイボンディングパッド21には、配置面211から裏面212にわたって貫通する孔214が形成されている。図39に示すように、孔214は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x2側の端部からx1方向に凹む形状である。
【0126】
リード22は、ダイボンディングパッド21から線状に延びる形状である。リード22は挿入実装用のものである。図34に示すように、リード22は孔811に挿入される。これにより、半導体装置A20が実装基板81に実装される。リード22を実装基板81に固定するために、孔811にはハンダ84が充填されている。図38〜図40に示すように、リード22は、接合部223と、端子部222とを有する。本実施形態においては、接合部223と端子部222とは一体成型されている。接合部223は、ダイボンディングパッド21に接合されている。接合部223は、配置面211と交差する方向に延びる形状である。図38に示すように、接合部223は、ダイボンディングパッド21の裏面212よりも、方向z2側に位置する部位を有する。すなわち、接合部223の方向z2側の先端は、ダイボンディングパッド21の裏面212よりも、方向z2側に位置する。端子部222は、接合部223につながる。端子部222は、接合部223から方向x1に向かって延びる。端子部222は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。
【0127】
図39、図40に示す電極3は、ワイヤボンディングパッド31と、リード32とを含む。電極3は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x1側、且つ、リード22の方向y1側、に位置する。ワイヤボンディングパッド31およびリード32は、一体成型されている。ワイヤボンディングパッド31およびリード32は、たとえば銅などの導電性材料よりなる。ワイヤボンディングパッド31は、ダイボンディングパッド21より小さい略矩形の平板状である。リード32は、ワイヤボンディングパッド31とつながる。リード32は、ワイヤボンディングパッド31から方向x1に向かって線状に延びる形状である。リード32は、リード22に並列されている。リード32は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。リード32は挿入実装用のものである。図34に示すように、リード32は孔811に挿入される。これにより、半導体装置A20が実装基板81に実装される。リード32を実装基板81に固定するために、孔811にはハンダ84が充填されている。
【0128】
図39、図40に示す電極4は、ワイヤボンディングパッド41と、リード42とを含む。電極4は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x1側、且つ、リード22の方向y2側、に位置する。ワイヤボンディングパッド41およびリード42は、一体成型されている。ワイヤボンディングパッド41およびリード42は、たとえば銅などの導電性材料よりなる。ワイヤボンディングパッド41は、ダイボンディングパッド21より小さい略矩形の平板状である。リード42は、ワイヤボンディングパッド41とつながる。リード42は、ワイヤボンディングパッド41から方向x1に向かって線状に延びる形状である。リード42は、リード22に並列されている。リード42とリード32との間に、リード22が位置する。リード42は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。リード42は挿入実装用のものである。図34に示すように、リード42は孔811に挿入される。これにより、半導体装置A20が実装基板81に実装される。リード42を実装基板81に固定するために、孔811にはハンダ84が充填されている。
【0129】
図41に示すように、接着層61は、半導体素子1とダイボンディングパッド21との間に介在する。接着層61は、半導体素子1をダイボンディングパッド21に接着するためのものである。本実施形態においては、接着層61を介して、半導体素子1がダイボンディングパッド21と導通している。接着層61は、たとえば、銀ペーストもしくはハンダペーストである。
【0130】
図38〜図40に示す放熱部材5は、ダイボンディングパッド21を挟んで、半導体素子1が配置された側と反対側に配置されている。すなわち、放熱部材5と半導体素子1との間にダイボンディングパッド21が位置する。放熱部材5は、孔214よりも方向x1側に位置する。放熱部材5は、略矩形の板状である。放熱部材5が略矩形の板状である場合には、放熱部材5を形成するのに穴を空けるなどの特殊な加工をする必要がないため、放熱部材5を製造し易い。
【0131】
放熱部材5は、半導体素子1にて発生した熱を速やかに半導体装置A20の外部に放出するために、設けられている。本実施形態において放熱部材5は、セラミックなどの絶縁材料よりなる。このようなセラミックとしては、たとえば、アルミナ、ジルコニア、もしくは、チッ化アルミニウムが挙げられる。
【0132】
放熱部材5は、面5a,5bを有する。面5aは、方向z1を向く。面5bは、方向z2を向く。面5aは、ダイボンディングパッド21に接合されている。
【0133】
図41に示す接合層63は、たとえば、銀ペーストである。接合層63は、面5aとダイボンディングパッド21との間に介在する。接合層63は、面5aとダイボンディングパッド21を接合している。
【0134】
図34〜図38に示すように、樹脂パッケージ7は、半導体素子1、電極2〜4、および、放熱部材5を覆っている。樹脂パッケージ7は、たとえば、黒色のエポキシ樹脂よりなる。図35に示すように、樹脂パッケージ7は、第1面71と、第2面72とを有する。第1面71は、平坦面715とテーパ面716とを有する。平坦面715は、半導体装置A20を実装基板81に実装するための実装面である。図37、図38に示すように、平坦面715からは、放熱部材5の面5bが露出している。平坦面715は、面5bと面一となっている。平坦面715は、必ずしも面5bと面一となっている必要はない。たとえば、平坦面715から放熱部材5がわずかに突出していてもよい。図34に示すように、平坦面715および面5bは、放熱板82に正対する。面5bと放熱板82との間に放熱用のグリース89が介在していてもよい。もしくは、図示しないが、面5bと放熱板82が接していてもよい。これらは、半導体装置A20の放熱性向上の観点から好ましい。テーパ面716は、平坦面715につながる。テーパ面716は、方向z1に向かうにつれ、xy平面における外側に向かう形状である。
【0135】
図35に示すように、第2面72は、複数の平坦面725と、複数のテーパ面726とを有する。各テーパ面726は、複数の平坦面725のいずれかにつながる。各テーパ面726は、方向z2に向かうにつれ、xy平面における外側に向かう形状である。各テーパ面726は、境界73において、テーパ面716とつながる。図36に示すように、樹脂パッケージ7には、複数の平坦面725の一つから凹むピン跡721が形成されている。樹脂パッケージ7には、ネジ穴78が形成されている。図34に示すように、ネジ穴78には、半導体装置A20を放熱板82に固定するためのネジ83が挿通される。
【0136】
図39に示す2本のワイヤ69は、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。2本のワイヤ69のうちの一つは、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とに接合されている。これにより、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とが導通している。2本のワイヤ69のうちの一つは、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とに接合されている。これにより、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とが導通している。半導体素子1がトランジスタでなくダイオードである場合には、ワイヤボンディングパッド31,41のいずれにもワイヤ69がボンディングされている必要はない。この場合、ワイヤボンディングパッド31,41のいずれか一方に、ワイヤ69がボンディングされていればよい。
【0137】
図34、図38に示すメッキ層62は、各リード22,32,42の樹脂パッケージ7から突出している部位を覆っている。メッキ層62は、たとえば、スズと銀と銅との合金よりなる。
【0138】
次に、図42〜図45を用いて、半導体装置A20の製造方法について説明する。
【0139】
まず、図42に示すように、ダイボンディングパッド21および放熱部材5を準備する。次に、接合層63(図41参照、図42では略)を介して、ダイボンディングパッド21を、放熱部材5の面5aに接合する。次に、図43に示すように、ダイボンディングパッド21にリード22’を、たとえば溶接をするなどして、接合する。ダイボンディングパッド21とリード22’との接合は、リード22’の端子部222’を、放熱部材5の面5bから方向zにおいて距離L3だけ離間させた状態で行う。リード22’の周囲には電極3’および電極4’が、配置されている。
【0140】
次に、図44に示すように、接着層61(図41参照、図44では略)を介して、ダイボンディングパッド21に半導体素子1を配置する。半導体素子1を配置する位置は、ダイボンディングパッド21を挟んで放熱部材5とは反対側である。
【0141】
次に、半導体素子1と電極3’のワイヤボンディングパッド31とに、ワイヤ69を接合する。同様に、半導体素子1と電極4’のワイヤボンディングパッド41とに、ワイヤ69を接合する。ワイヤ69の接合は、第1実施形態で述べたように行う。
【0142】
次に、図45に示すように、金型85および金型86によって、リード22’,32’,42’(図45ではリード22’のみ示す)を挟み込む。金型85,86がリード22’,32’,42’を挟み込んでいる状態で、金型85,86をリード22’,32’,42’に固定する。また、ピン88を用いて、金型85,86に対しダイボンディングパッド21を固定する。金型85は、放熱部材5の面5bに当接している。金型85のうち面5bに当接する面と、方向zにおける、金型85のうち端子部222’に当接する部位との離間距離L4は、上述の距離L3と略同一である。金型85,86によってリード22’,32’,42’を挟み込んだ際、金型85および金型86に囲まれた空間891が形成される。空間891は、ダイボンディングパッド21や、半導体素子1などを収容している。
【0143】
次に、空間891に樹脂を注入する。次に、ダイボンディングパッド21からピン88をわずかに離間させる。すると、ダイボンディングパッド21およびピン88の間に樹脂が入り込む。その後、樹脂が完全に硬化した後に、樹脂パッケージ7から金型85,86を取り外す。このようにして、図35〜図38に示した上述の樹脂パッケージ7が形成される。樹脂パッケージ7のうち金型85によって形成された面が、上述の第1面71となる。一方、樹脂パッケージ7のうち金型86によって形成された面が、上述の第2面72となる。樹脂パッケージ7のうちピン88が挿入されていた部位は、上述のピン跡721となる。その後、図44に示す線899に沿ってリード22’,32’,42’を切断するなどして、半導体装置A20が製造される。
【0144】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0145】
半導体装置A20は、放熱部材5を備えている。そのため、半導体素子1からダイボンディングパッド21に伝わった熱は、放熱部材5を介して、放熱板82に伝導し得る。よって、半導体素子1からダイボンディングパッド21に伝わった熱は、放熱板82に伝わりやすくなる。したがって、半導体装置A20は、半導体素子1が過度に高温となることを抑制するのに適する。すなわち、半導体装置A20は、放熱性に優れている。
【0146】
半導体装置A20においては、放熱部材5の面5bが、樹脂パッケージ7の平坦面715から露出している。そのため、放熱部材5から放熱板82へ、樹脂パッケージ7を介さずに、熱が伝導しうる。これにより、放熱部材5から放熱板82へ速やかに熱が伝わる。したがって、半導体装置A20は、半導体素子1が過度に高温となることを抑制するのにさらに適する。すなわち、半導体装置A20は、放熱性に特に優れている。
【0147】
本実施形態にかかる製造方法においては、図42に示すように放熱部材5とダイボンディングパッド21とを接合した後に、図43に示すようにリード22’をダイボンディングパッド21に接合している。そのため、放熱部材5の厚さ(方向zにおける寸法)のばらつきがあっても、放熱部材5の面5bとリード22’の端子部222’との方向zにおける離間距離L3を、ほぼ一定にすることができる。これにより、離間距離L3を、図45に示した金型85における距離L4と略同一にすることができる。仮にL3<L4である場合を想定する。この場合、金型85はリード22’の端子部222’に当接する。だが、金型85は、放熱部材5の面5bには当接せず、金型85と面5bとの間には隙間が生じる。金型85と面5bとの間に隙間が生じたままでは、面5bを樹脂パッケージ7から露出させることができない。また、仮にL3>L4である場合を想定する。この場合、金型85は、放熱部材5の面5bに当接する。だが、金型85は、リード22’の端子部222’に当接せず、金型85と端子部222’との間には隙間が生じる。金型85と端子部222’との間に隙間が生じたままでは、空間891から樹脂が流れ出すため、樹脂パッケージ7を形成することができない。一方、本実施形態にかかる方法では、距離L3を距離L4と略同一にすることができるため、金型85,86によってリード22’を挟むとき、金型85を、面5bおよびリード22’の端子部222’のいずれにも、確実に当接させることができる。したがって、本実施形態にかかる方法は、面5bが樹脂パッケージ7から露出している装置を確実に製造するのに適する。
【0148】
半導体装置A20においては、放熱部材5は、セラミックよりなる。セラミックよりなる放熱部材5の厚さは、放熱部材5ごとにばらつきやすい。このような場合であっても、放熱部材5をダイボンディングパッド21に接合した後に、リード22’をダイボンディングパッド21に接合すると、方向zにおける、面5bと端子部222’との離間距離L3を、距離L4と略同一にすることができる。したがって、本実施形態にかかる方法は、放熱部材5がセラミックよりなる場合に面5bが樹脂パッケージ7から露出している装置を確実に製造するのに、より好適である。
【0149】
以下に、本実施形態の変形例を示す。以下の変形例では、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0150】
<第1変形例>
次に、図46〜図48を用いて、本実施形態の半導体装置の第1変形例について説明する。
【0151】
図46は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図47は、本変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図48は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0152】
これらの図に示す半導体装置A21は、半導体装置A20と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図41参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、接合層63(図41参照、本変形例では図示略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A21は、電極2の構成および放熱部材5の形状が、半導体装置A20と相違する。半導体装置A21における半導体素子1、電極3,4、接着層61、メッキ層62、接合層63、ワイヤ69、および樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0153】
電極2は、ダイボンディングパッド21と、リード22とを含む。本変形例においては、ダイボンディングパッド21は、板状部215および延出部216を有する。板状部215は、略矩形の板状を呈する。延出部216は、板状部215から、配置面211と交差する方向に延びる。より具体的には、延出部216は、方向z2側から方向z1側に向かう方向に延びる。板状部215および延出部216は、一体成型されている。リード22は、方向x1に向かって延びる線状である。リード22は、延出部216と接合されている。図46に示すように、延出部216はリード22よりも方向z1側に位置する部位を有する。すなわち、延出部216の方向z1側の先端は、リード22よりも方向z1側に位置する。
【0154】
本変形例においては、放熱部材5は、平板部51と、突出部52とを含む。平板部51は、略矩形の板状を呈する。図47、図48に示すように、平板部51は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21と重なる。突出部52は、平板部51から方向x1に向かって突出している。突出部52は、xy平面視において、リード22と重なる。本変形例においては、突出部52とワイヤボンディングパッド31との間に隙間39が形成されている。同様に、突出部52とワイヤボンディングパッド41との間に隙間49が形成されている。突出部52の方向x1側の先端は、板状部215の端面よりも方向x1側に位置する。
【0155】
次に、本変形例の作用効果について説明する。
【0156】
半導体装置A21においては、放熱部材5は、平板部51から突出する突出部52を含む。放熱部材5が突出部52を含む構成は、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A21によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0157】
半導体装置A21においては、xy平面視において、突出部52とワイヤボンディングパッド31との間に隙間39が形成されている。このような構成によると、xy平面視において、突出部52がワイヤボンディングパッド31と重なる領域を小さくすることができる。ワイヤ69をワイヤボンディングパッド31に接合する際には、ワイヤボンディングパッド31の方向z2側に図示しないヒータを配置する。xy平面視における突出部52とワイヤボンディングパッド31とが重なる領域が小さいと、当該ヒータを配置し易い。したがって、半導体装置A21によると、ワイヤボンディングパッド31にワイヤ69を容易に接合できる。同様の理由により半導体装置A21によると、ワイヤボンディングパッド41にワイヤ69を容易に接合できる。
【0158】
<第2変形例>
次に、図49〜図52を用いて、本実施形態の半導体装置の第2変形例について説明する。
【0159】
図49は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図50は、本変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図51は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0160】
これらの図に示す半導体装置A22は、半導体装置A20と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図41参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、接合層63(図41参照、本変形例では図示略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A22は、放熱部材5の形状が、半導体装置A20と相違する。半導体装置A22における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、接合層63、ワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。放熱部材5は、外郭形状が矩形状の平板である。放熱部材5には、ネジ挿通用の円形のネジ穴54が形成されている。ネジ穴54は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21に形成された孔214と重なる。図50に示すように、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21よりも、方向x2の側に位置する部位を有する。本変形例ではさらに、放熱部材5は、xy平面視において、樹脂パッケージ7から方向x2側に、はみ出る部位を有する。
【0161】
半導体装置A22においては、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21よりも、方向x2の側に位置する部位を有する。これは、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A22によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0162】
半導体装置A22においては、放熱部材5は、xy平面視において、樹脂パッケージ7から方向x2側にはみ出る部位を有する。これは、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A22によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0163】
半導体装置A22においては、放熱部材5は、xy平面視において、樹脂パッケージ7から方向x2側にはみ出る部位を有している。このような半導体装置A22を製造するには、図52に示す金型85,86を用いる。同図に示す金型85,86を用いる場合には、金型85および金型86が、放熱部材5を挟み込む。そのため、図45に示したピン88を用いる必要がない。ピン88を用いないならば、ピン88の移動に要する手間および時間を削減できる。そのため、半導体装置A22は、製造工程の簡素化、および、効率化を図るのに適する。
【0164】
なお、本変形例における放熱部材5は、半導体装置A21における平板部51と突出部52とを備える構成であってもよい。
【0165】
<第3変形例>
次に、図53〜図55を用いて、本実施形態の半導体装置の第3変形例について説明する。
【0166】
図53は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図54は、本変形例にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図55は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0167】
これらの図に示す半導体装置A23は、半導体装置A20と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図41参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、接合層63(図41参照、本変形例では図示略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A23は、放熱部材5の形状が、半導体装置A20と相違する。半導体装置A23における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0168】
放熱部材5には、方向x2の端部から方向x1側に凹む凹部55が形成されている。凹部55は、方向x2側に開口している。xy平面視において、凹部55は、ダイボンディングパッド21における孔214と重なる。図54に示すように、放熱部材5は、ダイボンディングパッド21よりも、方向x2の側に位置する部位を有する。
【0169】
半導体装置A23は、xy平面視において、放熱部材5の面積を大きくするのに適する。そのため、半導体装置A23によると、放熱部材5を介して、ダイボンディングパッド21から放熱板82に熱が伝わりやすくなる。
【0170】
なお、本変形例における放熱部材5は、半導体装置A21における平板部51と突出部52とを備える構成であってもよい。
【0171】
<第4変形例>
次に、図56〜図58を用いて、本実施形態の半導体装置の第4変形例について説明する。
【0172】
図56は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図57は、本変形例にかかる半導体装置の底面図である。図58は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0173】
これらの図に示す半導体装置A24は、半導体装置A20と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、放熱部材5と、接着層61(図41参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、接合層63(図41参照、本変形例では図示略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A24は、放熱部材5の形状が、半導体装置A20と相違する。半導体装置A24における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、接合層63の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0174】
本変形例においては、放熱部材5は、四角錐台状である。放熱部材5は、脱落防止部591を含む。脱落防止部591は、放熱部材5のうち、xy平面視において面5bからはみ出る部分である。すなわち、脱落防止部591は、xy平面視において面5bと重ならない部分である。図56によく表れているように、脱落防止部591よりも方向z2に向かう側には、樹脂パッケージ7が形成されている。このような構成によると、樹脂パッケージ7に対する放熱部材5の方向z2側への移動が規制される。したがって、放熱部材5が樹脂パッケージ7から脱落することを防止できる。
【0175】
なお、本変形例にかかる構成を、本実施形態にかかる第1〜第3変形例の各構成と組み合わせてもよい。
【0176】
<第5変形例>
次に、図59を用いて、本実施形態の半導体装置の第5変形例について説明する。
【0177】
図59は、本実施形態の第5変形例にかかる半導体装置の部分拡大断面図である。
【0178】
同図に示す半導体装置A25は、接合層63の構成が、半導体装置A20と異なる。半導体装置A25における半導体素子1、電極2〜4、放熱部材5、接着層61、メッキ層62、ワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0179】
本変形例においては、接合層63は、樹脂層631と、フィラー632とを含む。樹脂層631は、放熱部材5の面5aとダイボンディングパッド21との間に介在している。樹脂層631は、たとえば、エポキシなどの樹脂よりなる。フィラー632は、微細な形状であり、樹脂層631に混入されている。フィラー632は、樹脂層631を構成する材料の熱伝導率より大きい熱伝導率の材料よりなる。このような材料としては、AlN、Agなどが挙げられる。
【0180】
このような構成によれば、ダイボンディングパッド21から放熱部材5へ、熱を伝えやすいフィラー632を経由して、熱が伝導しうる。そのため、ダイボンディングパッド21から放熱部材5へ熱が伝わりやすくなる。したがって、半導体装置A25は、放熱性に優れる。
【0181】
なお、本実施形態の第1〜第4変形例における接合層63として、本変形例の構成を採用してもよい。
【0182】
<第6変形例>
次に、図60を用いて、本実施形態の半導体装置の第6変形例について説明する。
【0183】
図60は、本実施形態の第6変形例にかかる半導体装置の部分拡大断面図である。
【0184】
同図に示す半導体装置A26は、放熱部材5の構成が、上述の半導体装置A20と異なる。半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、接合層63、2本のワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0185】
放熱部材5は、基材551と、絶縁膜552とを含む。基材551は、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。絶縁膜552は、絶縁材料からなる。絶縁膜552は、基材551を構成する金属の酸化物よりなる。絶縁膜552は、基材551がアルミニウムよりなる場合、アルミニウムの陽極酸化皮膜であるとよい。絶縁膜552は、面5a,5bを構成している。
【0186】
なお、本実施形態の第1〜第5変形例における放熱部材5として、本変形例の構成を採用してもよい。
【0187】
<第7変形例>
次に、図61〜図65を用いて、本実施形態の半導体装置の第7変形例について説明する。
【0188】
図61は、本変形例にかかる半導体装置の断面図である。図62は、本変形例にかかる半導体装置の底面図である。図63は、本変形例にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。
【0189】
これらの図に示す半導体装置A27は、半導体装置A20と同様に、半導体素子1と、電極2〜4と、接着層61(図41参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、接合層63(図41参照、本変形例では図示略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、を備える。半導体装置A27は、放熱部材5の構成が、上述の半導体装置A20と異なる。半導体装置A27における半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、接合層63、2本のワイヤ69、および、樹脂パッケージ7の各構成は、半導体装置A20の構成と同様であるから、説明を省略する。
【0190】
本変形例においては、放熱部材5は、第1基板58と、第2基板59とを含む。第1基板58および第2基板59はいずれも、セラミックなどの絶縁材料よりなる。このようなセラミックとしては、たとえば、アルミナ、ジルコニア、もしくは、チッ化アルミニウムが挙げられる。
【0191】
第1基板58は、矩形状の平板である。第1基板58は、面5aを構成している。第2基板59は、第1基板58より小さい矩形状の平板である。第2基板59は、第1基板58に積層されている。第2基板59は、面5bを構成している。第2基板59は、後述のように、第1基板58とともに焼成することにより、接合されている。第2基板59は、xy平面視において、全体にわたって第1基板58と重なる。
【0192】
第1基板58は、脱落防止部581を有する。脱落防止部581は、xy平面視において、第2基板59からはみ出ている部位である。すなわち、脱落防止部581は、第1基板58のうち、xy平面視において、第2基板59と重ならない部位である。図61に示すように、脱落防止部581よりも方向z2に向かう側に、樹脂パッケージ7が形成されている。このような構成によると、樹脂パッケージ7に対する放熱部材5の方向z2側への移動が規制される。したがって、放熱部材5が樹脂パッケージ7から脱落することを防止できる。
【0193】
次に、図64、図65を用いて、半導体装置A27の放熱部材5の製造方法の一例について簡単に説明する。
【0194】
まず、図64に示すように、セラミックからなるシート871を用意する。次に、シート871に、セラミックよりなる複数の基板872を配置する。次に、シート871と複数の基板872とを一括して焼成する。次に、図65に示すように、シート871を、複数の個片873に切断する。各個片873には、基板872が接合されている。基板872が接合された個片873の一つを、放熱部材5として用いる。放熱部材5をダイボンディングパッド21に接合層63(図41参照、本変形例では図示略)を介して接合するなど、半導体装置A20に関して述べた方法と同様の方法を行うことにより、半導体装置A27を製造することができる。
【0195】
なお、本実施形態の第1〜第6変形例における放熱部材5として、第1基板58と第2基板59とが積層された本変形例の構成を採用してもよい。
【0196】
<半導体装置の実装構造の変形例>
次に、図66を用いて、半導体装置の実装構造の変形例について示す。
【0197】
図66は、本実施形態にかかる半導体装置の実装構造の変形例を示す要部断面図である。
【0198】
同図に示す半導体装置の実装構造B4は、半導体装置A20と、実装基板81と、放熱板82とを備える。半導体装置の実装構造B4は、半導体装置の実装構造B3と異なり、実装基板81と平行に放熱板82が形成されている。そして、リード22,32,42のいずれもが屈曲した状態で、半導体装置A20が実装基板81に実装されている。なお、半導体装置A20に代えて、半導体装置A21〜A27のいずれかが実装基板81に実装されていてもよい。
【0199】
[第3実施形態]
次に、図67〜図78を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
【0200】
図67は、本実施形態にかかる半導体装置の実装構造を示す要部断面図である。
【0201】
図67に示す半導体装置の実装構造B5は、半導体装置A30と、実装基板81と、放熱板82とを備える。
【0202】
実装基板81は、複数の電子部品が実装される基板である。実装基板81は、絶縁性の材料よりなる。実装基板81には図示しない配線パターンが形成されている。実装基板81には、複数の孔811が形成されている。放熱板82は、実装基板81に立設されている。放熱板82は、熱伝導率の比較的大きな材料、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。
【0203】
図68は、本実施形態にかかる半導体装置の正面図である。図69は、本実施形態にかかる半導体装置の平面図である。図70は、本実施形態にかかる半導体装置の底面図である。図71は、本実施形態にかかる半導体装置の断面図である。図72は、本実施形態にかかる半導体装置の平面図(一部透視化)である。図73は、本実施形態にかかる半導体装置の底面図(一部透視化)である。図74は、図71に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【0204】
これらの図に示す半導体装置A30は、半導体素子1と、電極2〜4と、接着層61(図74参照、その他の図では省略)と、メッキ層62(図67、図71参照、その他の図では省略)と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、絶縁膜8と、を備える。図72、図73では、樹脂パッケージ7を2点鎖線で示している。半導体装置A30は、実装基板81に実装されている。図67に示すように、半導体装置A30は、半導体素子1の種類により、電気回路におけるスイッチング機能、整流機能、増幅機能などを果たす電子部品として用いられる。
【0205】
図67、図71、図72に示す半導体素子1は、平面視矩形状である。半導体素子1は、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの半導体からなる素子である。本実施形態では、半導体素子1はトランジスタである。
【0206】
図71〜図73に示す電極2は、ダイボンディングパッド21と、リード22とを含む。ダイボンディングパッド21およびリード22は、たとえば、銅などの導電材料よりなる。
【0207】
ダイボンディングパッド21は、半導体素子1を搭載するためのものである。ダイボンディングパッド21は、平板状である。ダイボンディングパッド21は、配置面211と、裏面212とを有する。配置面211は方向z1を向く。裏面212は、方向z2を向く。配置面211には、半導体素子1が配置されている。ダイボンディングパッド21には半導体素子1にて発生した熱が伝わる。ダイボンディングパッド21には、配置面211から裏面212にわたって貫通する孔214が形成されている。図72に示すように、孔214は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x2側の端部からx1方向に凹む形状である。
【0208】
リード22は、ダイボンディングパッド21から線状に延びる形状である。リード22は挿入実装用のものである。図67に示すように、リード22が孔811に挿入される。これにより、半導体装置A30が実装基板81に実装される。リード22を実装基板81に固定するために、孔811にはハンダ84が充填されている。図71〜図73に示すように、リード22は、連結部221と、端子部222とを有する。本実施形態においては、連結部221と端子部222とは一体成型されている。連結部221は、ダイボンディングパッド21につながる。連結部221は、ダイボンディングパッド21から、配置面211と交差する方向に延びる形状である。端子部222は、連結部221につながる。端子部222は、連結部221から方向x1に向かって延びる。端子部222は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。
【0209】
図72、図73に示す電極3は、ワイヤボンディングパッド31と、リード32とを含む。電極3は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x1側、且つ、リード22の方向y1側、に位置する。ワイヤボンディングパッド31およびリード32は、一体成型されている。ワイヤボンディングパッド31およびリード32は、たとえば銅などの導電性材料よりなる。ワイヤボンディングパッド31は、ダイボンディングパッド21より小さい略矩形の平板状である。リード32は、ワイヤボンディングパッド31とつながる。リード32は、ワイヤボンディングパッド31から方向x1に向かって線状に延びる形状である。リード32は、リード22に並列されている。リード32は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。リード32は挿入実装用のものである。図67に示すように、リード32は孔811に挿入される。これにより、半導体装置A30が実装基板81に実装される。リード32を実装基板81に固定するために、孔811にハンダ84が充填されている。
【0210】
図72、図73に示す電極4は、ワイヤボンディングパッド41と、リード42とを含む。電極4は、xy平面視において、ダイボンディングパッド21の方向x1側、且つ、リード22の方向y2側、に位置する。ワイヤボンディングパッド41およびリード42は、一体成型されている。ワイヤボンディングパッド41およびリード42は、たとえば銅などの導電性材料よりなる。ワイヤボンディングパッド41は、ダイボンディングパッド21より小さい略矩形の平板状である。リード42は、ワイヤボンディングパッド41とつながる。リード42は、ワイヤボンディングパッド41から方向x1に向かって線状に延びる形状である。リード42を実装基板81に固定するために、孔811にハンダ84が充填されている。リード42は、リード22に並列されている。リード42とリード32との間に、リード22が位置する。リード42は、後述の樹脂パッケージ7から突出する部位を有する。リード42は挿入実装用のものである。図67に示すように、リード42が孔811に挿入される。これにより、半導体装置A30が実装基板81に実装される。
【0211】
図74に示す接着層61は、半導体素子1とダイボンディングパッド21との間に介在する。接着層61は、半導体素子1をダイボンディングパッド21に接着するためのものである。本実施形態においては、接着層61を介して、半導体素子1がダイボンディングパッド21と導通している。接着層61は、たとえば、銀ペーストもしくはハンダペーストである。
【0212】
図71に示すように、樹脂パッケージ7は、半導体素子1、および、電極2〜4を覆っている。樹脂パッケージ7は、たとえば、黒色のエポキシ樹脂よりなる。図68に示すように、樹脂パッケージ7は、第1面71と、第2面72とを有する。第1面71は、平坦面715とテーパ面716とを有する。図67に示すように、平坦面715は、半導体装置A30を実装基板81に実装するための実装面である。図74に示すように、平坦面715からは、ダイボンディングパッド21の裏面212が露出している。本実施形態においては、平坦面715は、裏面212と面一となっている。なお、平坦面715は、裏面212と面一でなくてもよい。図68に示すように、テーパ面716は、平坦面715につながる。テーパ面716は、方向z1に向かうにつれ、xy平面における外側に向かう形状である。
【0213】
図68に示すように、第2面72は、複数の平坦面725と、複数のテーパ面726とを有する。各テーパ面726は、複数の平坦面725のいずれかにつながる。各テーパ面726は、方向z2に向かうにつれ、xy平面における外側に向かう形状である。各テーパ面726は、境界73において、テーパ面716とつながる。樹脂パッケージ7には、図69に示すように、複数の平坦面725の一つから凹むピン跡721が形成されている。また、図69、図70に示すように、樹脂パッケージ7には、ネジ穴78が形成されている。図67に示すように、ネジ穴78には、半導体装置A30を放熱板82に固定するためのネジ83が挿通される。
【0214】
図71、図74によく表れているように、絶縁膜8は、ダイボンディングパッド21の裏面212と、樹脂パッケージ7における平坦面715とを覆っている。絶縁膜8は、裏面212と平坦面715とを直接覆っている。すなわち、絶縁膜8は、裏面212および平坦面715に接している。半導体装置A30を使用する際にダイボンディングパッド21に電流が流れるのであるならば、絶縁膜8は、厚さ方向に約6kVの電圧が印加されても、絶縁破壊しないことが好ましい。絶縁膜8の厚さ(方向zにおける寸法)は、ダイボンディングパッド21の厚さ(方向zにおける寸法)より小さい。ダイボンディングパッド21の厚さは、たとえば、200〜800μmである。一方、絶縁膜8の厚さは、たとえば、10〜200μmである。絶縁膜8を構成する材料の絶縁耐圧は、たとえば、3〜4.6kV/mmである。絶縁膜8を構成する材料は、たとえば、ポリアミドイミドもしくはポリイミドが挙げられる。絶縁膜8は、面8aを有する。面8aは、方向z2を向く。
【0215】
図67に示すように、面8aは、放熱板82に正対している。面8aと放熱板82との間には、放熱用のグリース89が介在していてもよい。もしくは、図示しないが、面8aと放熱板82とが接していてもよい。これらは、半導体装置A30の放熱性向上の観点から好ましい。
【0216】
図72に示す2本のワイヤ69は、たとえば、アルミニウムなどの金属よりなる。2本のワイヤ69のうちの一つは、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とに接合されている。これにより、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とが導通している。2本のワイヤ69のうちの一つは、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とに接合されている。これにより、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とが導通している。半導体素子1がトランジスタでなくダイオードである場合には、ワイヤボンディングパッド31,41のいずれにもワイヤ69がボンディングされている必要はない。この場合、ワイヤボンディングパッド31,41のいずれか一方に、ワイヤ69がボンディングされていればよい。
【0217】
図67、図71に示すメッキ層62は、各リード22,32,42の樹脂パッケージ7から突出している部位を覆っている。メッキ層62は、たとえば、スズと銀と銅との合金よりなる。
【0218】
次に、図75〜図78を用いて、半導体装置A30の製造方法の一例について説明する。
【0219】
まず、図75に示すように、電極2’,3’,4’を形成する。次に、図76に示すように、ダイボンディングパッド21の配置面211に、図74に示した接着層61を介して半導体素子1を配置する。半導体素子1の配置は、還元雰囲気中の、たとえば300〜350℃の環境にて行う。
【0220】
次に、半導体素子1とワイヤボンディングパッド31とに、ワイヤ69を接合する。同様に、半導体素子1とワイヤボンディングパッド41とに、ワイヤ69を接合する。ワイヤ69の接合は、第1実施形態で示したように行う。
【0221】
次に、図77に示すように、金型85および金型86によって、リード22’,32’,42’を挟み込む(図77では、リード42’のみ示す)。金型85,86がリード22’,32’,42’を挟み込んでいる状態で、金型85,86をリード22’,32’,42’に固定する。ピン88を用いて、金型85,86に対しダイボンディングパッド21を固定する。金型85は、ダイボンディングパッド21の裏面212に当接している。金型85,86によってリード22’,32’,42’を挟み込んだ際、金型85および金型86に囲まれた空間891が形成される。空間891は、ダイボンディングパッド21や、半導体素子1などを収容している。
【0222】
次に、空間891に樹脂を注入する。次に、ダイボンディングパッド21からピン88をわずかに離間させる。すると、ダイボンディングパッド21およびピン88の間に樹脂が入り込む。その後、樹脂が完全に硬化したのち、樹脂パッケージ7から金型85,86を取り外す。このようにして、図78に示す樹脂パッケージ7が形成される。樹脂パッケージ7のうち金型85によって形成された面が、第1面71となる。一方、樹脂パッケージ7のうち金型86によって形成された面が、第2面72となる。樹脂パッケージ7のうちピン88が挿入されていた部位は、ピン跡721となる。
【0223】
次に、ダイボンディングパッド21の裏面212と、樹脂パッケージ7の平坦面715とに、絶縁膜8を形成する。絶縁膜8の形成は、ダイボンディングパッド21の裏面212などを表面処理することにより行う。このような表面処理としては、たとえば、スプレーコーティングが挙げられる。なお、この際、ネジ穴78の一部に絶縁膜8が形成されることもある。その後、図76に示した線899に沿ってリード22’,32’,42’を切断するなどして、半導体装置A30が製造される。
【0224】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0225】
半導体装置A30においては、ダイボンディングパッド21の裏面212が樹脂パッケージ7から露出している。そのため、裏面212を覆う絶縁膜8も樹脂パッケージ7に覆われていない部分を有する。これにより、ダイボンディングパッド21から絶縁膜8に伝わった熱は、樹脂パッケージ7を介さずに、放熱板82へ伝導しうる。その結果、絶縁膜8から放熱板82へ速やかに熱が伝わる。したがって、半導体装置A30は、半導体素子1が過度に高温となることを抑制するのに適する。すなわち、半導体装置A30は、放熱性に特に優れている。
【0226】
上述のように、ダイボンディングパッド21への半導体素子1の配置は、約300〜350℃の環境においてなされる。また、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法においては、半導体素子1をダイボンディングパッド21に配置した後に、絶縁膜8を形成している。そのため、絶縁膜8を構成する材料として、ダイボンディングパッド21が配置される際の温度(300〜350℃)よりも耐熱温度が低いものを、用いることができる。その結果、絶縁膜8を構成する材料の選択の幅が広がる。
【0227】
以下に、本実施形態の変形例を示す。以下の変形例では、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0228】
<第1変形例>
次に、図79〜図83を用いて、本実施形態にかかる半導体装置の第1変形例について説明する。
【0229】
図79は、本実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の断面図である。図80は、本実施形態の第1変形例にかかる半導体装置の底面図である。図81は、図79に示した半導体装置の部分拡大断面図である。
【0230】
これらの図に示す半導体装置A31は、半導体素子1と、電極2〜4と、接着層61(図81参照、本変形例では図示略)と、メッキ層62と、2本のワイヤ69と、樹脂パッケージ7と、絶縁膜8と、を備える。半導体素子1、電極2〜4、接着層61、メッキ層62、およびワイヤ69の各構成は、上述の半導体装置A30と同様であるから、説明を省略する。
【0231】
図79、図81に示すように、絶縁膜8は、ダイボンディングパッド21の裏面212を覆っている。絶縁膜8は、裏面212を直接覆っている。すなわち、絶縁膜8は、裏面212に接している。半導体装置A30を使用する際にダイボンディングパッド21に電流が流れるのであるならば、絶縁膜8は、厚さ方向に約6kVの電圧が印加されても、絶縁破壊しないことが好ましい。絶縁膜8の厚さ(方向zにおける寸法)は、ダイボンディングパッド21の厚さ(方向zにおける寸法)より小さい。ダイボンディングパッド21の厚さは、たとえば、200〜800μmである。一方、絶縁膜8の厚さは、たとえば、10〜200μmである。絶縁膜8を構成する材料の絶縁耐圧は、たとえば、3〜4.6kV/mmである。本変形例においては、絶縁膜8を構成する材料の耐熱温度は、たとえば、400℃程度であることが好ましい。絶縁膜8を構成する材料は、たとえば、ポリアミドイミド系の材料が挙げられる。絶縁膜8は、面8aを有する。面8aは、方向z2を向く。面8aは、樹脂パッケージ7から露出する露出面となっている。
【0232】
面8aと放熱板82とは接しているか、もしくは、面8aと放熱板82との間に放熱用のグリース(図示略)が介在しているとよい。これは、半導体装置A31の放熱性向上の観点から好ましい。
【0233】
図79、図81に示すように、本変形例においては、平坦面715は、絶縁膜8の面8aと面一となっている。なお、平坦面715と面8aとが面一であることは必ずしも必要ではない。図示しないが、たとえば、樹脂パッケージ7が面8aの一部を覆っていてもよい。
【0234】
次に、図82、図83を用いて、半導体装置A31の製造方法の一例について説明する。
【0235】
まず、図82に示すように、電極2’,3’,4’を形成する。次に、ダイボンディングパッド21の裏面212に、絶縁膜8を形成する。絶縁膜8の形成は、ダイボンディングパッド21の裏面212を表面処理することにより行う。このような表面処理としては、たとえば、スプレーコーティングが挙げられる。次に、図83に示すように、ダイボンディングパッド21の配置面211に、接着層61を介して半導体素子1を配置する。半導体素子1の配置は、還元雰囲気中の、たとえば300〜350℃の環境にて行う。
【0236】
その後、半導体装置A30を製造するのと同様に、ワイヤ69をボンディングし、樹脂パッケージ7を形成するなどして、半導体装置A31を製造する。
【0237】
半導体装置A31においては、ダイボンディングパッド21の裏面212が樹脂パッケージ7から露出している。そのため、裏面212を覆う絶縁膜8も樹脂パッケージ7に覆われていない部分を有する。これにより、ダイボンディングパッド21から絶縁膜8に伝わった熱は、樹脂パッケージ7を介さずに、放熱板82へ伝導しうる。その結果、絶縁膜8から放熱板82へ速やかに熱が伝わる。したがって、半導体装置A31は、半導体素子1が過度に高温となることを抑制するのに適する。すなわち、半導体装置A31は、放熱性に特に優れている。
【0238】
次に、図84を用いて、本実施形態の半導体装置の実装構造の変形例について示す。
【0239】
図84は、本変形例にかかる半導体装置の実装構造の要部断面図である。同図に示す半導体装置の実装構造B6は、半導体装置A30と、実装基板81と、放熱板82とを備える。半導体装置の実装構造B6は、半導体装置の実装構造B5と異なり、実装基板81と平行に放熱板82が形成されている。そして、リード22,32,42のいずれもが屈曲した状態で、半導体装置A30が実装基板81に実装されている。なお、半導体装置A30に代えて、半導体装置A31が実装基板81に実装されていてもよい。
【0240】
本発明の範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0241】
B1〜B6 半導体装置の実装構造
A10〜A13,A20〜A27,A30,A31 半導体装置
1 半導体素子
2,2’ 電極
21 ダイボンディングパッド
211 配置面
212 裏面
214 孔
215 板状部
216 延出部
22,22’ リード
221 連結部
222,222’ 端子部
223 接合部
3 電極
31 ワイヤボンディングパッド
32 リード
39 隙間
4 電極
41 ワイヤボンディングパッド
42 リード
49 隙間
5 放熱部材
51 平板部
52 突出部
54 ネジ穴
55 凹部
551 基材
552 絶縁膜
58 第1基板
581 脱落防止部
59 第2基板
591 脱落防止部
5a,5b 面
61 接着層
62 メッキ層
63 接合層
631 樹脂層
632 フィラー
69,69’ ワイヤ
7 樹脂パッケージ
71 第1面
711 ピン跡
715 平坦面
716 テーパ面
72 第2面
721 ピン跡
725 平坦面
726 テーパ面
73 境界
78 ネジ穴
8 絶縁膜
8a 面
81 実装基板
811 孔
82 放熱板
83 ネジ
84 ハンダ
85,86 金型
87,88 ピン跡
871 シート
872 基板
873 固片
89 グリース
891 空間
900A ボンディングツール
900B ワイヤボンディング構造
901 ウエッジ
911 ガイド溝
911a 前方押し付け面
911b 後方押し付け面
912 補助溝
913 空隙部
902 ワイヤガイド
903 カッタ
904 本体
905 ホーン
906A ファーストボンディング部
961 前方接合部
962 中間部
963 後方接合部
906B セカンドボンディング部
906C 橋絡部
965 ワイヤリール
981 電極パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
放熱部材と、
上記半導体素子が配置された配置面を有し、且つ、上記半導体素子および上記放熱部材の間に位置するダイボンディングパッドと、
上記半導体素子、上記放熱部材、および、上記ダイボンディングパッドを覆う樹脂パッケージと、
上記ダイボンディングパッドとつながり、且つ、上記樹脂パッケージから突出する挿入実装用の第1リードと、を備える、挿入実装型の半導体装置。
【請求項2】
上記ダイボンディングパッドおよび上記第1リードは、一体成型されたものであり、
上記ダイボンディングパッドの厚さは、上記第1リードの厚さと同一である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
上記第1リードは、上記配置面と交差する方向に延び且つ上記ダイボンディングパッドにつながる連結部と、上記連結部につながり且つ上記樹脂パッケージから突出する部位を有する端子部と、を含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
上記放熱部材は、超音波接合によって上記ダイボンディングパッドに接合されている、請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記放熱部材は、上記樹脂パッケージを構成する材料よりも熱伝導率の大きい材料よりなる、請求項2ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
上記放熱部材は、上記ダイボンディングパッドを構成する材料よりも熱伝導率の大きい材料よりなる、請求項2ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
上記放熱部材は、アルミニウム、銅、もしくは、鉄よりなる、請求項2ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
上記放熱部材は、上記ダイボンディングパッドに接合された第1面と、上記第1面と反対側を向く第2面とを有し、
上記第2面は、上記樹脂パッケージから露出している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
上記第1リードは、上記ダイボンディングパッドに接合されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
上記第1リードは、上記配置面と交差する方向に延び且つ上記ダイボンディングパッドに接合された接合部と、上記接合部につながり且つ上記樹脂パッケージから突出する部位を有する端子部と、を含み、
上記接合部および上記端子部は、一体成型されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
上記ダイボンディングパッドは、上記半導体素子が配置された板状部と、上記板状部から上記配置面と交差する方向に延び且つ上記第1リードに接合された延出部と、を含み、
上記板状部および上記延出部は、一体成型されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
上記延出部は、上記板状部から、上記第2面側から上記第1面側に向かう方向に延びる、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
上記放熱部材は、絶縁材料よりなる、請求項8ないし12のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項14】
上記絶縁材料は、セラミックである、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
上記セラミックは、アルミナ、ジルコニア、または、チッ化アルミニウムである、請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
上記放熱部材は、金属よりなる基材と、上記基材を包む絶縁膜とを含む、請求項8ないし12のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項17】
上記絶縁膜は、上記金属の酸化物よりなる、請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
上記放熱部材は、上記配置面と垂直である方向視において、上記第2面からはみ出る脱落防止部を含み、
上記脱落防止部は、上記樹脂パッケージよりも、上記第2面から上記第1面に向かう側に位置する、請求項8ないし17のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項19】
上記放熱部材は、上記配置面と垂直である方向視において、上記樹脂パッケージからはみ出る部位を有する、請求項8ないし18のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項20】
上記放熱部材は、上記第1面を構成する第1基板と、上記第1基板に積層され且つ上記第2面を構成する第2基板と、を含み、
上記第1基板は、上記配置面と垂直である方向視において上記第2基板からはみ出ており、且つ、上記樹脂パッケージよりも、上記第2面から上記第1面に向かう側に位置する脱落防止部を有する、請求項13ないし15のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項21】
上記第2基板は、上記配置面と垂直である方向視において、全体にわたって上記第1基板と重なる、請求項20に記載の半導体装置。
【請求項22】
上記第1面および上記ダイボンディングパッドの間に介在し且つ上記第1面および上記ダイボンディングパッドを接合する接合層を更に備える、請求項8ないし21のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項23】
上記接合層は、銀ペーストである、請求項22に記載の半導体装置。
【請求項24】
上記接合層は、上記第1面および上記ダイボンディングパッドの間に介在し且つ樹脂よりなる樹脂層と、上記樹脂層に混入されたフィラーと、を含む、請求項22に記載の半導体装置。
【請求項25】
上記放熱部材は、上記配置面と垂直である方向視において上記ダイボンディングパッドと重なる平板部と、上記第1リードと重なり且つ上記第1リードが突出する方向に向かって上記平板部から突出する突出部と、を更に含む、請求項1ないし24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項26】
第1ワイヤボンディングパッドと、
上記第1リードに並列され、且つ、上記第1ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第2リードと、を更に備え、
上記配置面と垂直である方向視において、上記第1ワイヤボンディングパッドと上記突出部との間には隙間が形成されている、請求項25に記載の半導体装置。
【請求項27】
第2ワイヤボンディングパッドと、
上記第1リードに並列され、且つ、上記第2ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第3リードと、を更に備え、
上記第1リードは、上記第2リードおよび上記第3リードの間に位置し、
上記配置面と垂直である方向視において、上記第2ワイヤボンディングパッドと上記突出部との間には隙間が形成されている、請求項26に記載の半導体装置。
【請求項28】
上記ダイボンディングパッドには、孔が形成されており、
上記放熱部材は、矩形状であり、且つ、上記孔より上記第1リードが突出する方向の側に位置する、請求項1ないし24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項29】
上記ダイボンディングパッドには、孔が形成されており、
上記放熱部材には、上記孔と重なるネジ穴が形成されている、請求項1ないし24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項30】
上記ダイボンディングパッドには、孔が形成されており、
上記放熱部材は、上記第1リードが突出する方向と反対側に開口し且つ上記孔と重なる凹部を有する、請求項1ないし24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項31】
上記半導体素子および上記ダイボンディングパッドの間に介在する接着層を更に備える、請求項1ないし30のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項32】
第1面と上記第1面とは反対側の第2面とを有する放熱部材を準備し、
上記第1面にダイボンディングパッドを接合し、
上記ダイボンディングパッドを接合する工程の後に、上記ダイボンディングパッドにリードを接合し、
上記ダイボンディングパッドを挟んで上記放熱部材とは反対側に、半導体素子を配置し、
上記第2面を露出させ且つ上記リードの一部と上記ダイボンディングパッドと上記半導体素子とを覆う樹脂パッケージを形成する、各工程を備える、挿入実装型の半導体装置の製造方法。
【請求項33】
上記放熱部材を準備する工程は、
セラミックよりなるシートに、セラミックよりなる複数の基板を配置し、
上記シートと上記複数の基板とを一括して焼成し、
上記シートを、各々が上記複数の基板のいずれかが接合された複数の個片に切断する、各工程を含む、請求項32に記載の挿入実装型の半導体装置の製造方法。
【請求項34】
半導体素子と、
上記半導体素子を覆う樹脂パッケージと、
上記半導体素子が配置され且つ上記樹脂パッケージに覆われた配置面、および、上記配置面と反対側を向き且つ上記樹脂パッケージから露出する裏面を有するダイボンディングパッドと、
上記裏面を覆う絶縁膜と、
上記ダイボンディングパッドとつながり、且つ、上記樹脂パッケージから突出する挿入実装用の第1リードと、を備える、挿入実装型の半導体装置。
【請求項35】
上記絶縁膜は、上記樹脂パッケージを覆う、請求項34に記載の半導体装置。
【請求項36】
上記樹脂パッケージは、上記裏面と面一であり且つ上記絶縁膜に覆われた実装面を有する、請求項35に記載の半導体装置。
【請求項37】
上記絶縁膜は、上記樹脂パッケージから露出する露出面を有し、
上記樹脂パッケージは、上記露出面と面一である実装面を有する、請求項34に記載の半導体装置。
【請求項38】
上記第1リードは、上記配置面と交差する方向に延び且つ上記ダイボンディングパッドにつながる連結部と、上記連結部につながり且つ上記樹脂パッケージから突出する部位を有する端子部と、を含む、請求項34ないし37のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項39】
第1ワイヤボンディングパッドと、
第2ワイヤボンディングパッドと、
上記第1リードに並列され、且つ、上記第1ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第2リードと、
上記第1リードに並列され、且つ、上記第2ワイヤボンディングパッドにつながる挿入実装用の第3リードと、を更に備え、
上記第1リードは、上記第2リードおよび上記第3リードの間に位置する、請求項34ないし38のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項40】
上記絶縁膜は、ポリアミドイミドもしくはポリイミドよりなる、請求項34ないし39のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項41】
上記半導体素子と上記ダイボンディングパッドとの間に介在する接着層を更に備える、請求項34ないし40のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項42】
配置面と上記配置面の反対側を向く裏面とを有するダイボンディングパッドを用い、
上記配置面に半導体素子を配置する工程と、
上記半導体素子を配置する工程の後に、上記裏面が臨む開口を有し、且つ、上記配置面および上記半導体素子を覆う樹脂パッケージを形成する工程と、
上記裏面に絶縁膜を形成する工程と、を備える、挿入実装型の半導体装置の製造方法。
【請求項43】
上記絶縁膜を形成する工程は、上記樹脂パッケージを形成する工程の後に行う、請求項42に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項44】
上記絶縁膜を形成する工程においては、上記絶縁膜により上記樹脂パッケージの一部を覆う、請求項43に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項45】
上記絶縁膜を形成する工程は、上記半導体素子を配置する工程の前に行う、請求項42に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項46】
上記絶縁膜を形成する工程は、スプレーコーティングにより行う、請求項42ないし45のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【公開番号】特開2012−59927(P2012−59927A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201852(P2010−201852)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】