説明

半導体装置の実装方法及び実装基板

【課題】簡易な方法で、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を判断できる半導体装置の実装方法及び実装基板を提供する。
【解決手段】実装基板1に、他のランド端子5よりもその表面積の大きく形成した検査用ランド端子5aを設け、該検査用ランド端子5a上のはんだペーストは、相対するBGA型半導体装置2のはんだバンプ6aよりも平面方向にずれた位置に形成されているので、実装後、BGA型半導体装置2の各ランド端子4と、実装基板1の各ランド端子5との各はんだ接合部の良否は、実装基板1の検査用ランド端子5aと、相対するBGA型半導体装置2のランド端子4aとの導通を確認することにより判断できるので、特別なBGA型半導体装置2を開発する必要がなく、汎用のパッケージを使用でき、簡易な方法で各はんだ接合部の検査を行うことが可能になった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の実装方法及び実装基板に関するもので、特に、複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置を実装基板に実装する実装方法及び該実装方法で半導体装置が実装される実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、例えば、BGA型半導体装置には、その基材の表面に外部電極として格子状に配列された複数のランド端子が形成され、各ランド端子のそれぞれには、球状のはんだ(以下、はんだバンプという)が形成されている。
一方、実装基板には、BGA型半導体装置が実装される部位に、BGA型半導体装置に設けられた各はんだバンプと相対するように、上面にはんだペーストが形成された各ランド端子が格子状に配列されて形成されている。
そして、BGA型半導体装置を実装基板に実装する際には、BGA型半導体装置を実装基板の所定部位に、それぞれの各ランド端子が相対するように位置決めして搭載する。続いて、これらBGA型半導体装置及び実装基板を加熱炉にてリフローすることにより、BGA型半導体装置の各はんだバンプ及び実装基板の各はんだペーストが溶融すると共に、溶融した各はんだバンプ及び各はんだペーストが凝固しはんだ接合部を形成して、BGA型半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子とが各はんだ接合部を介して接続される。
【0003】
しかしながら、電子機器の小型化等の要求により、BGA型半導体装置の各ランド端子の配列ピッチが狭くなる傾向にあり、BGA型半導体装置の各ランド端子と実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部において、未はんだボンディング欠陥を生じることがあった。
そこで、一般に、各はんだ接合部の未はんだボンディング欠陥の検査として、実体顕微鏡による外観検査、電気的導通検査やX線検査等が知られている。ところが、外観検査では、外側に位置するはんだ接合部に対して、中央に位置するはんだ接合部の検査が極めて困難となる。また、電気的導通検査では、ロジックを組み合わせて検査を行うため、その検査時間に多大な時間を要する。さらに、X線検査では、X線装置を備える必要があり設備コストが高くなり、しかも、このX線検査では、全てのはんだ接合部にX線を照射する必要があり、その上、各はんだ接合部の画像を解析する時間が必要で、検査時間に多大な時間を要し、生産ラインの生産低下を招いていた。
【0004】
ところで、上述したような、各はんだ接合部の未はんだボンディング欠陥の検査方法を採用せずに、未はんだボンディング欠陥を検査する従来技術として特許文献1には、実装基板に接続される複数のはんだバンプを有する半導体装置において、該半導体装置に、はんだバンプの外形サイズとよりも小さい外形サイズで形成された複数の検査用はんだバンプが設けられ、半導体装置を実装基板に実装した後に、複数の検査用はんだバンプの間が電気的に導通されることを確認することにより、全てのはんだバンプが実装基板に接続されているか否かを判断するという半導体装置の実装方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−264259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、BGA型半導体装置と実装基板との各はんだ接合部において、全体の接続状況を確認するために、多数の検査用はんだバンプを配置する必要があり、部品点数が増加すると共に、BGA型半導体装置がサイズアップする。
また、通常、はんだバンプを搭載するBGA型半導体装置では、1個のBGA型半導体装置の中で異なる径のはんだバンプを搭載することは非常に困難であり、別途、搭載工程を追加する必要がある。また、BGA型半導体装置にはんだを印刷しリフローではんだバンプを製造する場合にも専用マスクが必要で煩雑である。いずれにしても、汎用のパッケージでの対応は困難で、特殊なパッケージを開発する必要がある。
さらに、この特許文献1の発明では、各検査用はんだバンプは、はんだ量が少ないために、冷熱サイクル等の信頼性が、他のはんだバンプに比べ低下するので、初期の検査用のみの用途に限定され、BGA型半導体装置のサイズアップの要因となる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、簡易な方法で、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を判断できる半導体装置の実装方法及び実装基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、請求項1に記載した半導体装置の実装方法の発明は、複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置を実装基板に実装する半導体装置の実装方法において、前記実装基板に設けられた複数のランド端子の内、他のランド端子よりもその表面積を大きく形成した検査用ランド端子を設け、該検査用ランド端子上のはんだペーストは、相対する前記半導体装置のはんだバンプよりも平面方向にずれた位置に形成されて、前記半導体装置の各ランド端子と、前記実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を、前記実装基板に設けた前記検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する前記半導体装置のランド端子との導通を確認することにより判断することを特徴とするものである。
請求項2に記載した半導体装置の実装方法の発明は、複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置を実装基板に実装する半導体装置の実装方法において、前記実装基板に設けられた複数のランド端子の内、他のランド端子に対して、はんだペーストを省いた構成の検査用ランド端子を設け、前記半導体装置の各ランド端子と、前記実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を、前記実装基板に設けた前記検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する前記半導体装置のランド端子との導通を確認することにより判断することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、請求項3に記載した実装基板の発明は、複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置が実装される実装基板であって、該実装基板に設けられた複数のランド端子の内、他のランド端子よりもその表面積を大きく形成した検査用ランド端子を設け、該検査用ランド端子上のはんだペーストは、相対する前記半導体装置のはんだバンプよりも平面方向にずれた位置に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
従って、請求項1に記載した半導体装置の実装方法の発明では、半導体装置を、実装基板に対して、平面方向で検査用ランド端子のはんだペーストが形成されていない部位側にずらした状態で実装基板に搭載して加熱炉にてリフローする。すると、始めは、実装基板の検査用ランド端子のはんだペーストと、該検査用ランド端子に相対する半導体装置のはんだバンプとは接触せずに離れた状態で、また、半導体装置の他の各ランド端子と、実装基板の他の各ランド端子とは、それぞれのはんだバンプとはんだペーストとが部分的に重なった状態となる。その後、セルフアライメント作用により、半導体装置が、各はんだバンプと実装基板の各はんだペーストとが全域で重なるように微動して、半導体装置の各ランド端子の各はんだバンプと、実装基板の各ランド端子のはんだペーストとが全域で重なり良好に接続されると、実装基板の検査用ランド端子上のはんだペーストと、該検査用ランド端子に相対する半導体装置のはんだバンプとが部分的に重なり接続された状態となる。
そして、半導体装置の各ランド端子と、相対する実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を検査する際には、実装基板の検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する半導体装置のランド端子との導通を確認して、その導通が確認できれば、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子とが各はんだ接合部を介して良好に接続されていると判断される。
請求項2に記載した半導体装置の実装方法の発明では、半導体装置を、各ランド端子の各はんだバンプが相対する実装基板の検査用ランド端子を含む全てのランド端子に接続されるように実装基板に搭載した後加熱炉にてリフローする。この時、半導体装置の、実装基板の検査用ランド端子に相対するはんだバンプが、実装基板の検査用ランド端子に接続された環境であれば、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子とが各はんだ接合部を介して確実に接続されるようになる。
そして、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を検査する際には、実装基板の検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する半導体装置のランド端子との導通を確認して、その導通が確認できれば、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子とが各はんだ接合部を介して良好に接続されていると判断される。
【0010】
また、請求項3に記載した実装基板の発明では、実装基板に、他のランド端子よりもその表面積を大きく形成した検査用ランド端子を設け、該検査用ランド端子上のはんだペーストは、相対する半導体装置のはんだバンプよりも平面方向にずれた位置に形成されているので、半導体装置を実装後、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を検査する際には、実装基板の検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する半導体装置のランド端子との導通を確認して、その導通が確認できれば、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子とが各はんだ接合部を介して良好に接続されていると判断される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な方法で、半導体装置の各ランド端子と、実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を判断できる半導体装置の実装方法及び実装基板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図7に基いて詳細に説明する。
本発明の実施の形態では、図1に示すように、半導体装置としてBGA型半導体装置2が採用されており、該BGA型半導体装置2が、第1または第2の実施の形態に係る実装基板1または1aに実装される実装方法を説明する。
BGA型半導体装置2は、図1及び図2に示すように、基材3の一面(図1では下向きの面)に外部電極として、複数のランド端子4、4aが設けられている。これらのランド端子4、4aは、実装基板1に設けられた各ランド端子5、5aと相対するように格子状に複数配列されている。また、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4aには、はんだバンプ6、6aが形成されている。
なお、図1及び図2において、符号4aは、後述する実装基板1の検査用ランド端子5aに相対するBGA型半導体装置2のランド端子を示し、説明上、他のランド端子4と区別できるように符号を相違させたもので形状・寸法は他のランド端子4と略同一である。また、符号6aも同様で、後述する実装基板1の検査用ランド端子5aに相対するBGA型半導体装置2のランド端子4aに形成されたはんだバンプを示し、説明上、他のはんだバンプ6と区別できるように符号を相違させたもので形状・寸法は他のはんだバンプ6と略同一である。
【0013】
そして、まず、上述したBGA型半導体装置2が実装される、第1の実施の形態に係る実装基板1を図1及び図3に基いて説明する。
第1の実施の形態に係る実装基板1には、その一面(図1では上向きの面)に、BGA型半導体装置2に格子状に設けられた各ランド端子4、4aの各はんだバンプ6、6aに相対する複数のランド端子5、5aが格子状に設けられている。また、この実装基板1には、各ランド端子5、5a内に、検査用ランド端子5a、5aが2箇所設けられている。
これら各検査用ランド端子5a、5aは、格子状に配列される各ランド端子5、5aの中で、最外側で対向する2隅に形成されている。また、各検査用ランド端子5a、5a以外の各ランド端子5、5は円形状に形成されており、これに対して、各検査用ランド端子5a、5aは、他のランド端子5、5よりも表面積が大きく、各検査用ランド端子5a、5aを結ぶ対角線上に沿って、それぞれ外方に延びるように長円形状に形成されている。
【0014】
また、各検査用ランド端子5a、5aを含む全てのランド端子5、5aには、印刷手法によりはんだペースト7、7が形成されている。各検査用ランド端子5a、5a以外の各ランド端子5、5には、略同心円状で、ランド端子5、5よりも小径の略円形状のはんだペースト7、7が形成されている。これに対して、各検査用ランド端子5a、5aには、他の各ランド端子5、5のはんだペースト7、7と同じ形状・寸法のはんだペースト7、7が、長円形状の検査用ランド端子5a、5aの中心からずれ、その端部に形成されている。すなわち、検査用ランド端子5a、5a上のはんだペースト7、7は、相対するBGA型半導体装置2の各はんだバンプ6a、6aよりも平面方向にずれた位置に形成されている。また、2隅に設けられた検査用ランド端子5a、5aの各はんだペースト7、7は、いずれも、検査用ランド端子5a、5aの同じ側(図3の紙面視で左斜下側)の端部に配置されている。
【0015】
次に、BGA型半導体装置2を、第1の実施形態に係る実装基板1に実装する実装方法を説明する。
まず、BGA型半導体装置2を、図1に示すように、その各はんだバンプ6、6aと、実装基板1の各はんだペースト7、7とが互いに向き合うように配置して、且つBGA型半導体装置2を、実装基板1に対して平面方向で各検査用ランド端子5a、5aのはんだペースト7、7が形成されていない部位側(図3の紙面視で右斜上方)にずらして実装基板1に搭載して加熱炉にてリフローする。
すると、図4に示すように、始めは、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4の各はんだバンプ6、6と、相対する実装基板1の検査用ランド端子5a、5a以外の各ランド端子5、5の各はんだペースト7、7とが部分的に重なり接続された状態となる。これに対して、BGA型半導体装置2の、実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aに相対するランド端子4a、4aのはんだバンプ6a、6aと、実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aのはんだペースト7、7とは接触せずに離れた状態になっている。
【0016】
その後、セルフアライメント作用により、図5に示すように、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4の各はんだバンプ6、6と、相対する実装基板1の各検査用ランド端子5a、5a以外の各ランド端子5、5のはんだペースト7、7とが全域で重なるように、BGA型半導体装置2が、本実施の形態では図5の紙面視で左斜下方向に微動する。
その結果、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1の各検査用ランド端子5a、5a以外の各ランド端子5、5とが良好に各はんだ接合部(図示略)を介して接続されると共に、BGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aの各はんだバンプ6a、6aと、相対する実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aのはんだペースト7、7とが部分的に重なり接続された状態となる。
【0017】
そして、実装後、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1の各ランド端子5、5(検査用ランド端子5a、5a以外)との各はんだ接合部の良否を検査する際には、実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aとの導通を確認して、その導通が確認できれば、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1の各ランド端子5、5とが各はんだ接合部を介して正常に接続されたと判断される。
【0018】
なお、第1の実施の形態では、実装基板1に設けた各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aとは、検査用として形成されたが、検査用だけでなく、通常の回路の一端子としての機能を持たせることができる。
また、第1の実施の形態では、実装基板1に、検査用ランド端子5aを2箇所設けた形態を説明したが、1箇所でも良いし、3箇所以上設けても良い。
【0019】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、実装基板1に検査用ランド端子5a、5aを2箇所設け、各検査用ランド端子5a、5aを、他のランド端子5、5に比べその表面積を大きくして、且つ検査用ランド端子5a、5aの端部にはんだペースト7、7を形成しておき、BGA型半導体装置2を、実装基板1の検査用ランド端子5a、5aのはんだペースト7、7が形成されていない部位側にずらして、実装基板1に搭載して加熱炉にてリフローする。
そして、BGA型半導体装置2が、セルフアライメント作用により微動すると、接触せずに離れていた、BGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aのはんだバンプ6a、6aと、相対する実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aのはんだペースト7、7とが部分的に重なり接続されるので、これら実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aとの導通を確認すれば、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1の各ランド端子5、5とが各はんだ接合部を介して正常に接続されたことが判断される。
【0020】
これにより、BGA型半導体装置2と実装基板1との各はんだ接合部の検査において、検査のためのX線装置等を備える必要もなく、BGA型半導体装置2については、特殊なパッケージを開発する必要がなく、汎用のパッケージが使用可能になり、簡易な方法で検査が可能になった。しかも、実装基板1の各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aとは、検査用としてだけでなく、通常の回路の一端子として機能させることができるので、BGA型半導体装置2がサイズアップすることもない。
【0021】
次に、BGA型半導体装置2が実装される、第2の実施の形態に係る実装基板1aを図6及び図7に基いて説明する。なお、第2の実施の形態に係る実装基板1aの説明においては、第1の実施の形態に係る実装基板1との相違点のみを説明する。
第2の実施の形態に係る実装基板1aには、複数のランド端子5、5a内で、検査用ランド端子5a、5aが複数(図6では2箇所)設けられている。
これら各検査用ランド端子5a、5aは、他のランド端子5、5と同じ略円形状に形成されている。また、各検査用ランド端子5a、5aは、他のランド端子5、5にはんだペースト7、7が形成されているのに対して、はんだペースト7、7が省かれた構成となっている。
【0022】
そして、BGA型半導体装置2を、第2の実施の形態に係る実装基板1aに実装する際には、まず、BGA型半導体装置2を、各はんだバンプ6、6aが、相対する実装基板1aの検査用ランド端子5aを含む全てランド端子5、5aに接続されるように搭載した後加熱炉にてリフローする。
その後、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1aの各ランド端子5、5(検査用ランド端子5a、5a以外)との各はんだ接合部の良否を検査する際には、図7(b)に示すように、実装基板1aの各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2、2の各ランド端子4a、4aとの導通を確認して、その導通が確認できれば、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1aの各ランド端子5、5とが各はんだ接合部を介して良好に接続されていると判断される。
【0023】
なお、図7(a)に示すように、BGA型半導体装置2の基材3または実装基板1aが熱変形する等何らかの要因により、BGA型半導体装置2の基材3と実装基板1aとの間の間隔が拡がると、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1aの各検査用ランド端子5a、5a以外の各ランド端子5、5との各はんだ接合部の状態が不良となり、実装基板1aの各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aのはんだバンプ6a、6aとの間に隙間が生じることになる。
そして、検査時には、実装基板1aの各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2のランド端子4a、4aとが導通されないために、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1aの各ランド端子5、5との各はんだ接合部が不良であると判断される。
【0024】
そこで、この第2の実施の形態では、実装基板1aには、検査用ランド端子5aが図面の表示上2箇所しか示されていないが、BGA型半導体装置2が実装される実装基板1aの部位全体の接続状態を把握するために、BGA型半導体装置2が実装される実装基板1aの部位全体に散らばるように複数配置されるのが好ましい。
【0025】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態では、実装基板1aに検査用ランド端子5a、5aを複数設け、各検査用ランド端子5a、5aを、他のランド端子5、5に対して、はんだペースト7、7を省いた構成にしておき、BGA型半導体装置2を、各はんだバンプ6、6aが、相対する実装基板1aの検査用ランド端子5aを含む全てのランド端子5、5aに接続するように搭載した後加熱炉にてリフローする。
そして、各はんだ接合部の良否の検査時には、実装基板1aの各検査用ランド端子5a、5aと、該検査用ランド端子5a、5aに相対するBGA型半導体装置2の各ランド端子4a、4aとの導通を確認すれば、BGA型半導体装置2の各ランド端子4、4と、相対する実装基板1aの各ランド端子5、5とが各はんだ接合部を介して正常に接続されたことが判断される。
これにより、BGA型半導体装置2と実装基板1aとの各はんだ接合部の検査において、検査のためのX線装置等を備える必要もなく、BGA型半導体装置2については、特殊なパッケージを開発する必要がなく、汎用のパッケージが使用可能になり、簡易な方法で各はんだ接合部の検査が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係る実装基板にBGA型半導体装置を対向させた状態を示す図である。
【図2】図2は、BGA型半導体装置の実装面の平面図である。
【図3】図3は、図1に示す実装基板の、BGA型半導体装置が実装される部位の平面図である。
【図4】図4は、図3のA部の拡大図で、BGA型半導体装置が実装基板に搭載された時の、各はんだペーストに対する各はんだバンプの位置関係を示した図である。
【図5】図5は、図3のA部の拡大図で、BGA型半導体装置が実装基板に実装された時の、各はんだペーストに対する各はんだバンプの位置関係を示した図である。
【図6】図6は、第2の実施の形態に係る実装基板にBGA型半導体装置を対向させた状態を示す図である。
【図7】図7は、図6におけるBGA型半導体装置の各ランド端子と実装基板の各ランド端子との接続状態の良否を示す図であり、(a)はNGで、(b)はOKを示している。
【符号の説明】
【0027】
1、1a 実装基板,2 BGA型半導体装置,4、4a ランド端子,5 ランド端子,5a 検査用ランド端子,6、6a はんだバンプ,7 はんだペースト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置を実装基板に実装する半導体装置の実装方法において、
前記実装基板に設けられた複数のランド端子の内、他のランド端子よりもその表面積を大きく形成した検査用ランド端子を設け、該検査用ランド端子上のはんだペーストは、相対する前記半導体装置のはんだバンプよりも平面方向にずれた位置に形成されて、
前記半導体装置の各ランド端子と、前記実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を、前記実装基板に設けた前記検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する前記半導体装置のランド端子との導通を確認することにより判断することを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項2】
複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置を実装基板に実装する半導体装置の実装方法において、
前記実装基板に設けられた複数のランド端子の内、他のランド端子に対して、はんだペーストを省いた構成の検査用ランド端子を設け、
前記半導体装置の各ランド端子と、前記実装基板の各ランド端子との各はんだ接合部の良否を、前記実装基板に設けた前記検査用ランド端子と、該検査用ランド端子に相対する前記半導体装置のランド端子との導通を確認することにより判断することを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項3】
複数のランド端子にそれぞれはんだバンプが形成された半導体装置が実装される実装基板であって、
該実装基板に設けられた複数のランド端子の内、他のランド端子よりもその表面積を大きく形成した検査用ランド端子を設け、該検査用ランド端子上のはんだペーストは、相対する前記半導体装置のはんだバンプよりも平面方向にずれた位置に形成されていることを特徴とする実装基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−266501(P2007−266501A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92299(P2006−92299)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】