半導体装置の製造方法及び半導体装置
【目的】多層配線の容量低減を図る半導体装置の製造方法或いは半導体装置を提供することを目的とする。
【構成】本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、基体上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程(S104)と、犠牲膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程(S106)と、犠牲膜と絶縁膜とに複数の第1の開口部を形成する第1の開口部形成工程(S108)と、複数の第1の開口部に導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程(S114)と、複数の第1の開口部に堆積した各導電性材料間の領域のうち、導電性材料のピッチが最小となる最小寸法領域とは異なる絶縁膜の所定の領域に第2の開口部を形成する第2の開口部形成工程(S116)と、第2の開口部を介して最小寸法領域に位置する犠牲膜を含む犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程(S118)と、を備えたことを特徴とする。
【構成】本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、基体上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程(S104)と、犠牲膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程(S106)と、犠牲膜と絶縁膜とに複数の第1の開口部を形成する第1の開口部形成工程(S108)と、複数の第1の開口部に導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程(S114)と、複数の第1の開口部に堆積した各導電性材料間の領域のうち、導電性材料のピッチが最小となる最小寸法領域とは異なる絶縁膜の所定の領域に第2の開口部を形成する第2の開口部形成工程(S116)と、第2の開口部を介して最小寸法領域に位置する犠牲膜を含む犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程(S118)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に係り、例えば、積層配線における配線間の絶縁構造に特徴を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線材料を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗の銅(Cu)或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜を化学機械研磨(CMP)により除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さの積層膜を形成することが一般的である。
【0003】
そして、近年のLSI開発、特に90nm−node以降の世代では、配線起因の周波数特性劣化を低減するため、配線間/層間絶縁膜に低誘電率材料(k<3.0)が適用されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO2)膜から比誘電率kが3以下の低誘電率材料膜(low−k膜)を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。これらのlow−k膜材料では、材料中に空孔が入ったポーラス材料となっているものが多い。これら多孔質の低誘電率材料膜(p−lowk膜)は塗布法或いは化学気相成長(CVD)法により成膜され、膜密度がシリコンの熱酸化膜と比較して低い。しかしながら、低誘電率材料は機械的強度が低い。また、プラズマダメージ起因の絶縁膜変質による容量増大が生じる。また、絶縁膜吸湿起因のバリアメタル(BM)腐食による電気的特性劣化が生じる。このようなデメリットを併せ持っていることも知られている。また、低誘電率膜として前述の問題を克服可能な絶縁膜の選択肢が少なくなりつつあることや、成膜後の後処理のシーケンスも複雑になり配線作製コストが増大することも無視出来ない問題となっている。
【0004】
そして、多層配線の高性能化に向けて、さらに配線容量を低減することが求められている。ここで、最も低い配線容量を実現するためには、配線間を空洞(エアーギャップ:Air gap, k=1.0)にすればよい。特に、微細化が進む中、配線容量を低減することが困難な最小線幅でラインアンドスペースを繰り返す密パターン領域では、スペース部分をエアーギャップにするとその効果が大きい。
【0005】
ここで、エアーギャップに関して文献に以下のような技術が開示されている。配線が形成された犠牲膜上にシリコン窒化膜を形成する。そして、シリコン窒化膜に形成された開口部を通して犠牲膜をエッチング除去する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、最小線幅の密パターン領域においてスペース部分をエアーギャップにする手法が従来十分に確立されているとは言えなかった。
【特許文献1】特開2001−217312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来の問題点を克服し、多層配線の容量低減を図る半導体装置の製造方法或いは半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、
基体上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記犠牲膜と前記絶縁膜とに複数の第1の開口部を形成する第1の開口部形成工程と、
前記複数の第1の開口部に導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程と、
前記複数の第1の開口部に堆積した各導電性材料間の領域のうち、導電性材料のピッチが最小となる最小寸法領域とは異なる前記絶縁膜の所定の領域に第2の開口部を形成する第2の開口部形成工程と、
前記第2の開口部を介して前記最小寸法領域に位置する犠牲膜を含む前記犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様の半導体装置は、
複数の配線と、
前記複数の配線の配線間の領域のうち、配線ピッチが最小寸法となる最小寸法領域とは異なる所定の領域に開口部が形成され、空洞上に位置して前記複数の配線に側方から接続して支持される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、前記開口部上方側を塞ぐ第2の絶縁膜と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最小線幅領域のスペース部分にエアーギャップを形成することができる。よって、配線容量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1では、CMPにより生じるエロージョンを利用して犠牲膜を除去するための開口部を形成する場合の形態について説明する。以下、実施の形態1について、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図1において、実施の形態1の半導体装置の形成方法では、SiO2膜形成工程(S102)と、犠牲膜形成工程(S104)と、キャップ膜形成工程(S106)と、開口部形成工程(S108)と、バリアメタル膜形成工程(S110)と、シード膜形成工程(S112)と、めっき及びアニール工程(S114)と、研磨工程(S116)と、犠牲膜除去工程(S118)と、拡散防止膜形成工程(S120)と、絶縁膜形成工程(S122)という一連の工程を実施する。
【0013】
図2は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図2では、図1のSiO2膜形成工程(S102)からキャップ膜形成工程(S106)までを示している。
【0014】
図2(a)において、SiO2膜形成工程として、半導体基板となる基板200の表面にCVD(化学気相成長)法によって、例えば、膜厚500nmのSiO2膜を堆積し、絶縁膜となるSiO2膜210を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。また、基板200として、例えば、直径300ミリのシリコンウェハを用いる。ここでは、デバイス部分の図示を省略している。そして、基板200上には、金属配線またはコンタクトプラグ等、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有する層が形成されているものとしても構わない。或いは、その他の層が形成されていても構わない。
【0015】
図2(b)において、犠牲膜形成工程として、基体の一例となる基板200の上に炭素(C)を主成分にした有機膜220を例えば200nmの厚さで形成する。有機膜220の材料として、例えば、ポリアリーレンエーテル(PAr)を用いると好適である。有機膜220は、後の工程でエアーギャップを形成するために除去される犠牲膜となる。
【0016】
図2(c)において、キャップ膜形成工程として、有機膜220上にCVD法によってキャップ絶縁膜として炭酸化シリコン(SiOC)を例えば膜厚50nm堆積することで、SiOC膜222の薄膜を形成する。キャップ膜の材料として、SiOCの他に、SiO2、シリコンカーバイド(SiC)、炭水化シリコン(SiCH)、炭窒化シリコン(SiCN)、およびSiOCHからなる群から選択される少なくとも一種の比誘電率2.5以上の絶縁材料を用いて形成しても構わない。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。
【0017】
図3は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図3では、図1の開口部形成工程(S108)からシード膜形成工程(S112)までを示している。
【0018】
図3(a)において、開口部形成工程として、リソグラフィ工程とドライエッチング工程でダマシン配線を作製するための配線溝構造である複数の開口部150,152(第1の開口部)をSiOC膜222と犠牲膜220内に形成する。図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経てSiOC膜222の上にレジスト膜が形成された基板200に対し、露出したSiOC膜222とその下層に位置する犠牲膜220を異方性エッチング法により除去することで、基板200の表面に対し、略垂直に開口部150,152を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部150,152を形成すればよい。ここでは、実配線領域に、ライン(配線)幅L1とスペース幅S1とが、所望するパターンの寸法において1:1の最小寸法ピッチとなるように、開口部150を形成する。他方、実配線領域から距離S3だけ離れた位置にダミー配線領域を設ける。そして、ダミー配線領域に、ライン(配線)幅L2とスペース幅S2とがL2>S2となる配線ピッチで開口部152を形成する。すなわち、開口部152にCu膜が埋め込まれた際に、その被覆率が50%より大きく、開口部152に埋め込まれたCu膜からなるダミー配線の配線ピッチが、実配線領域における配線の最小ピッチL1+S1より大きいL2+S2となるように開口部152を形成する。ここで、ライン幅L1とスペース幅S1とがリソグラフィによる加工が可能な最小寸法で形成される場合に、スペース幅S1とスペース幅S2とが、S1≦S2となるように形成すると好適である。また、距離S3は、例えば、10μm以内が望ましい。但し、距離S3は、後述する研磨工程で生じるエロージョンが実配線領域に及ばない寸法が望ましい。
【0019】
図3(b)において、バリアメタル膜形成工程として、開口部形成工程により形成された開口部150,152及びSiOC膜222表面に導電性材料となるバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜240を形成する。物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)法の1つであるスパッタ法を用いるスパッタリング装置内でタンタル(Ta)膜の薄膜を例えば膜厚10nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。バリアメタル材料の堆積方法としては、PVD法に限らず、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD法、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD法)やCVD法などを用いることができる。PVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。また、バリアメタル膜の材料としては、Taの他、窒化タンタル(TaN)等のタンタル系のタンタル含有物質、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)等のチタン系のチタン含有物質、窒化タングステン(WN)等のタングステン系のタングステン含有物質、もしくはTaとTaN等これらを組合せて用いた積層膜であっても構わない。
【0020】
図3(c)において、シード膜形成工程として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜250としてバリアメタル膜240が形成された開口部150,152内壁及び基板200表面に堆積(形成)させる。ここでは、シード膜250を例えば基板200表面で例えば膜厚50nm堆積させる。
【0021】
図4は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図4では、図1のめっき及びアニール工程(S114)から犠牲膜除去工程(S118)までを示している。
【0022】
図4(a)において、めっき工程として、シード膜250をカソード極として、電解めっきによる電気化学成長法により導電性材料となるCu膜260を開口部150,152内及び基板200表面に堆積させる。ここでは、例えば膜厚800nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を例えば250℃の温度で30分間行なう。
【0023】
図4(b)において、研磨工程として、CMP法によって、基板200の表面を研磨して、開口部以外に表面に堆積した配線層となるシード膜250を含むCu膜260とバリアメタル膜240を研磨荷重Pで研磨除去する。ここで、実配線領域では、被覆率が50%を超えていないため、図4(b)に示すように平坦化できる。このようにして、ダマシン配線を形成することができる。他方、ダミー配線領域では、被覆率が50%を超えるように構成したことによりエロージョンを生じさせることができる。
【0024】
図5は、実施の形態1における配線パターンの一例の上面図である。
図5に示すように、実配線領域では、配線10とスペース20とが1:1の最小寸法ピッチとなるように形成した。よって、この例では、被覆率ρ1=50%となる。他方、ダミー配線領域では、配線30とスペース40とで、ライン幅L2がスペース幅S2よりも大きくなるように形成した。よって、この例では、被覆率ρ2>50%となる。この場合、被覆率が50%を超えるダミー配線領域では、CMP処理を行なった際に、エロージョンが生じることになる。よって、実施の形態1では、最小寸法ピッチで配線形成する実配線領域とは異なるダミー配線領域であえてエロージョンが生じるように配線パターンを形成した。このように、所望する領域にだけ局所的にエロージョンを生じさせることができる。そのため、Cu膜260とバリアメタル膜240以外にもダミー配線領域のSiOC膜222が研磨により除去される。その結果、ダミー配線領域及びその周辺では、犠牲膜220を露出させることができる。このようにエロージョンが生じた領域でSiOC膜222に開口部(第2の開口部)を形成することができる。なお、ダミー配線領域の配線30のライン幅L2が顕著に大きい場合は、配線30は孤立パターンとして形成されてもよい。その場合でもダミー配線領域の配線周辺で、犠牲膜220を露出させることができる。
【0025】
図4(c)において、犠牲膜除去工程として、犠牲膜220がダミー配線領域で露出した基板200をアンモニア(NH3)プラズマ雰囲気下に晒す。これにより、ダミー配線領域及びその周辺でSiOC膜222に開いた開口部を介して犠牲膜220を除去することができる。これにより、キャップ膜となるSiOC膜222の下にエアーギャップ280が形成される。ここで、プラズマ処理する際に、NH3プラズマの代わりに、酸素(O2)プラズマや窒素(N2)/水素(H2)プラズマを用いても好適である。犠牲膜220を除去できる雰囲気を構成できればよい。プラズマによって活性化されたラジカルが各位置の犠牲膜220に回り込むことができるような配線パターンのレイアウトであれば、SiOC膜222に開いた開口部から離れた領域の犠牲膜220も除去することができる。すなわち、犠牲膜220が、開口させる位置から実配線領域を含めて配線材料により完全に遮断されない配線パターンになるようにレイアウトされると好適である。このようにすれば、SiOC膜222に開いた開口部を起点として除去が始まる。そして、ダミー配線領域だけではなく、実配線領域の犠牲膜220も除去することができる。従来のように膜中の不確定な空孔を透過させることによって犠牲膜を除去する場合に比べて、より確実に犠牲膜220を除去することができる。よって、最も配線容量を低減させたい最小寸法ピッチで形成されるであろう実配線領域の犠牲膜220をより確実に除去することができる。
【0026】
また、実配線領域では、キャップ膜となるSiOC膜222を形成しているため、SiOC膜222は複数の配線に側方から接続して支持される。ここでは、バリアメタル膜240の上部側面に接続される。そのため、SiOC膜222が保護膜となってその下が空洞になっても配線倒れを防止し、機械的強度を保つことができる。
【0027】
図6は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図6では、図1の拡散防止膜形成工程(S120)から絶縁膜形成工程(S122)までを示している。
【0028】
図6(a)において、拡散防止膜形成工程として、基板200上に、CVD法によりカバレッジを劣化させて拡散防止膜224を形成する。これにより、ダミー配線領域で開口した空間のふたをするようにして上部を塞ぐことができる。その結果、ダミー配線領域にもエアーギャップ280を形成することができる。拡散防止膜224をCu膜260上に形成することで、Cuが上層の絶縁膜へと拡散することを防止することができる。拡散防止膜224の材料として、例えば、SiC等が好適である。
【0029】
図6(b)において、絶縁膜形成工程として、拡散防止膜224上に上層の層間絶縁膜となる絶縁膜230の薄膜を例えば100nmの厚さで形成する。絶縁膜230の材料としては、例えば、多孔質の低誘電率絶縁材料を用いると好適である。このような絶縁膜230を形成することで、比誘電率kが3.5よりも低い層間絶縁膜を得ることができる。ここでは、一例として、比誘電率が2.5未満の低誘電率絶縁材料となるポリメチルシロキサンを用いたLKD(Low−K Dielectric material:JSR製)を用いて絶縁膜230を形成する。形成方法としては、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectic coating)法を用いることができる。絶縁膜230の材料としては、ポリメチルシロキサンの他に、例えば、ポリシロキサン、ハイドロジェンシロセスキオキサン、メチルシロセスキオキサンなどのシロキサン骨格を有する膜、ポリアリーレンエーテル(PAr)、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾシクロブテンなどの有機樹脂を主成分とする有機膜、および多孔質シリカ膜などのポーラス膜からなる群から選択される少なくとも一種を用いて形成しても構わない。かかる絶縁膜230の材料では、比誘電率が2.5未満の低誘電率を得ることができる。形成方法もSOD法に限るものではない。CVD法を用いても好適である。
【0030】
以上のように、実施の形態1では、CMP法を用いてCu膜260等の導電性材料やキャップ膜のSiOC膜222を研磨することにより、工程数を増やさなくても犠牲膜220除去用の開口部を形成することができる。特に、デバイスの性能に関係しないダミー配線領域でエロージョンを生じさせることで、実配線の形状に影響を与えずにエアーギャップを形成することができる。そして、この構造では、有機系絶縁膜である犠牲膜220を除去したため、配線間容量を低減することができる。また、エアーギャップを形成することで、吸湿サイトとなっていた低誘電率膜中のダメージ層によるバリアメタルの腐食等を回避することもできる。さらには、低誘電率膜中の空孔への配線材料の浸透によるリーク増大、ひいては絶縁破壊を回避することもできる。
【0031】
実施の形態2.
実施の形態2では、エアーギャップを形成することにより支えを失ったCu配線を補強する膜を追加した構成について説明する。
図7は、実施の形態2における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図7において、開口部形成工程(S108)とバリアメタル膜形成工程(S110)の間に、SiOC膜形成工程(S109)を追加した点以外は、図1と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)から開口部形成工程(S108)までの工程内容は、実施の形態1と同様である。
【0032】
図8は、図7のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図8では、図7のSiOC膜形成工程(S109)の工程断面図と絶縁膜形成工程(S122)が終了した時点での工程断面図とを示している。
【0033】
図8(a)において、SiOC膜形成工程として、図3(a)で示した状態から、開口部150,152底面、側面及びSiOC膜222表面に、CVD法を用いて、比誘電率kが2.5のSiOC膜270を形成する。必要に応じ、開口部150,152底面及びSiOC膜222表面に形成されたSiOC膜270を異方性エッチング法により除去する。
【0034】
その後は、実施の形態1と同様に、バリアメタル膜形成工程(S110)から絶縁膜形成工程(S122)までの一連の工程を実施する。これらの各工程を実施することにより、図8(b)に示すエアーギャップ281が形成されたCu配線構造を形成することができる。実施の形態2では、バリアメタル膜240を介してCu膜260の側面及び底面にSiOC膜270を形成する。その結果、実施の形態1の効果の他に、さらに、SiOC膜270が補強膜となり配線を補強することができる。また、キャップ膜となるSiOC膜222と同質のSiOC膜270を形成することで、SiOC膜222と結合してより機械的強度を向上させることができる。また、比誘電率kが2.5のSiOC膜270を形成することで、他の誘電率の高い膜を使用する場合に比べて配線容量の増大を抑制することができる。
【0035】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図9において、バリアメタル膜形成工程(S110)を削除した点と、シード膜形成工程(S112)の代わりにシード膜形成工程(S113)を追加した点以外は、図1と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)から開口部形成工程(S108)までの工程内容は、実施の形態1と同様である。
【0036】
図10は、図9のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図10では、図9のシード膜形成工程(S113)からめっき及びアニール工程(S114)までの工程断面図と絶縁膜形成工程(S122)が終了した時点での工程断面図とを示している。
【0037】
図10(a)において、シード膜形成工程として、図3(a)で示した状態から、スパッタ等のPVD法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜252として開口部150,152底面、側面及びSiOC膜222表面に堆積(形成)させる。ここでは、シード膜252として、マンガン(Mn)合金を含有するCuシード膜を用いる。
【0038】
図10(b)において、めっき工程として、シード膜252をカソード極として、電解めっきによる電気化学成長法により導電性材料となるCu膜260を開口部150,152内及び基板200表面に堆積させる。ここでは、例えば膜厚800nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を例えば250℃の温度で30分間行なう。アニール処理を行うことでシード膜252中のMnが絶縁膜側壁に拡散し、Mnがシリコン(Si)と酸素(O)と結合してMnSixOyを形成する。シリコンと酸素は、SiOC膜222から供給を受けることができる。このようにして自己形成されたMnSixOyがバリアメタル膜242となる。よって、実施の形態3では、シード膜形成工程前のバリアメタル膜形成工程を省略することができる。
【0039】
なお、実施の形態3では、キャップ膜としてSiOC膜222を用いているがこれに限るものではない。キャップ絶縁膜の材料として、SiOC以外にも、例えば、SiO2を用いても好適である。
【0040】
その後は、実施の形態1と同様に、研磨工程(S116)から絶縁膜形成工程(S122)までの一連の工程を実施する。これらの各工程を実施することにより、図10(c)に示すエアーギャップ280が形成されたCu配線構造を形成することができる。
【0041】
実施の形態3では、バリアメタル膜242を自己形成させることで、実施の形態1の効果の他に、さらに、次の効果を生じさせる。
【0042】
図11は、実施の形態3におけるシード膜形成の様子を説明するための図である。
図11(a)では、バリアメタル膜240を形成した後にシード膜250を形成する場合の一例を示している。この場合、バリアメタル膜240の成膜とシード膜250の成膜という2度の成膜が必要となる。そのため、図11(a)に示すように配線の微細化が進むと、開口部の側壁にシード膜250が形成される前に上部が塞がってしまう場合も起こり得る。他方、図11(b)では、シード膜252を形成した後にバリアメタル膜242を自己形成する場合の一例を示している。この場合、成膜させるのは、シード膜252のみで構わないので配線幅が小さくなっても2度成膜させる場合に比べて膜厚を薄くすることができる。そのため、図11(b)に示すように、上部が塞がる前に開口部内壁に成膜させることができる。
【0043】
実施の形態4.
上述した実施の形態1〜3では、CMPにより生じるエロージョンを利用して犠牲膜を除去するための開口部を形成する構成について説明した。実施の形態4では、リソグラフィ及びエッチングの工程により犠牲膜を除去するための開口部を形成する場合の形態について説明する。
【0044】
図12は、実施の形態4における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図12において、犠牲膜除去工程(S118)と絶縁膜形成工程(S122)を削除した点、及び、拡散防止膜形成工程(S120)の後に開口部形成工程(S124)と犠牲膜除去工程(S126)と絶縁膜形成工程(S128)を追加した点以外は、図1と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)からめっき及びアニール工程(S114)までの工程内容は、実施の形態1と同様である。
【0045】
図13は、図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図13では、図12の研磨工程(S116)から開口部形成工程(S124)までを示している。
【0046】
図13(a)において、研磨工程として、CMP法によって、基板200の表面を研磨して、開口部以外に表面に堆積した配線層となるシード膜250を含むCu膜260とバリアメタル膜240を研磨荷重Pで研磨除去する。ここで、実施の形態4では、最小ピッチ領域にライン(配線)幅L1とスペース幅S1とが、所望するパターンの寸法において1:1の最小寸法ピッチとなる配線構造を形成する。そして、この最小ピッチ領域とは異なる他の領域にスペース幅S1より大きい幅のスペース幅S4を持つ領域を形成する。ここでは、スペース幅S4を挟んでライン幅L1とライン幅L4の配線が形成された例を示している。図13(a)に示す例では、最小寸法領域より配線ピッチL4+L4が大きい領域でライン幅L4とスペース幅S4は等しく、いずれの領域でも配線の被覆率が50%を超えていないためエロージョンを回避することができる。その結果、研磨により平坦化することができる。このようにして、ダマシン配線を形成することができる。
【0047】
図13(b)において、拡散防止膜形成工程として、基板200上に、CVD法により拡散防止膜224を形成する。拡散防止膜224をCu膜260上に形成することで、Cuが上層の絶縁膜へと拡散することを防止することができる。
【0048】
図13(c)において、開口部形成工程として、スペース幅S4の絶縁膜領域で、図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経て拡散防止膜224の上にレジストパターンが形成された基板200に対し、露出した拡散防止膜224とその下層に位置するSiOC膜222を異方性エッチング法により除去する。これにより、基板200の表面に対し、略垂直に犠牲膜220表面まで届く開口部154を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部154を形成すればよい。
【0049】
図14は、実施の形態4における開口部が形成された半導体装置の一例の上面図である。
例えば、ライン幅L1とスペース幅S1がリソグラフィ可能な最小寸法で形成されている場合、パターンずれを考慮すればスペース幅S1の絶縁膜領域に開口部154を形成することは困難である。よって、スペース幅S1より大きい幅のスペース幅S4を持つ領域にパターニングすることでパターンずれを回避して開口部154を形成することができる。例えば、50nm以上の幅を持つ絶縁膜領域に開口すると好適である。特に、エアーギャップが必要不可欠となる配線幅ルールの世代では、スペース幅S1より大きいスペース幅S4の領域に開口することが好適である。形成された開口部154から犠牲膜220を除去することになる。ここでは、開口部154として、例えば長方形の開口面を持つ溝(トレンチ)を形成しているがこれに限るものではない。例えば、円または楕円の開口面を持つ孔(ホール)でもよい。円または楕円の場合には、複数の孔を形成することが望ましい。
【0050】
図15は、図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図15では、図12の犠牲膜除去工程(S126)から絶縁膜形成工程(S128)までを示している。
【0051】
図15(a)において、犠牲膜除去工程として、犠牲膜220が最小ピッチ領域とは異なる他の領域で露出した基板200をアンモニア(NH3)プラズマ雰囲気下に晒す。これにより、最小スペース幅S1より大きい幅のスペース幅S4を持つ領域に開いた開口部154を介して犠牲膜220を除去する。これにより、キャップ膜となるSiOC膜222の下にエアーギャップ282が形成される。ここで、プラズマ処理する際に、NH3プラズマの代わりに、酸素(O2)プラズマや窒素(N2)/水素(H2)プラズマを用いても好適である点は実施の形態1と同様である。犠牲膜220を除去できる雰囲気を構成できればよい。プラズマによって活性化されたラジカルが各位置の犠牲膜220に回り込むことができるような配線パターンのレイアウトであれば、開口部154から離れた領域の犠牲膜220も除去することができる。すなわち、犠牲膜220が、開口させる位置から配線材料により完全に遮断されない配線パターンになるようにレイアウトされると好適である。このようにすれば、開口部154を起点として除去が始まる。そして、最小ピッチ領域に形成される犠牲膜220も除去することができる。
【0052】
また、SiOC膜222が配線に側方から接続して支持される。ここでは、バリアメタル膜240の上部側面に接続される。そのため、SiOC膜222が保護膜となってその下を空洞に保つことができる。また、SiOC膜222は保護膜となるため、そして、拡散防止膜224は、Cu拡散を防止するため、キャップ膜や拡散防止膜224は、犠牲膜220と一緒に除去されない膜が良い。また、開口部154を形成する際のエッチング制御を容易にするためにも犠牲膜220とエッチング選択比が大きい無機系絶縁膜が良い。よって、実施の形態4では、キャップ膜や拡散防止膜224の材料として、例えば、SiO2、SiOC、窒化シリコン(SiN)、SiCN、SiCOH等が好適である。
【0053】
図15(b)において、絶縁膜形成工程として、基板200上に、CVD法によりカバレッジを劣化させて、上層の層間絶縁膜となる絶縁膜230の薄膜を例えば100nmの厚さで形成する。これにより、開口部154の空間にふたをするようにして上部を塞ぐ(封止する)ことができる。ここでは、例えば、10Pa以上の真空雰囲気で成膜すると好適である。絶縁膜230の材料としては、例えば、SiO2、SiOC、SiCOHとどの多孔質の低誘電率絶縁材料を用いると好適である。
【0054】
以上のように、絶縁膜230で開口部154の上部を塞ぐことで、開口部154を形成した位置に、最小ピッチ領域における高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh2のエアーギャップ284を形成することができる。実施の形態4では、図15(b)に示すように、高さの異なるエアーギャップ282,284が同一配線層に形成される。その結果、特に、このギャップ高さの高い部分の配線間容量を大きく低減化することが可能である。
【0055】
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態4の構成に、エアーギャップを形成することにより支えを失ったCu配線を補強する膜を追加した構成について説明する。実施の形態5における半導体装置の製造方法の各工程は、絶縁膜形成工程(S128)のプロセス条件を変更する以外は、実施の形態4と同様である。
【0056】
図16は、実施の形態5における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
絶縁膜230をCVD法で成膜する際に、実施の形態4よりもカバレッジを多少良くさせることで、拡散防止膜224、SiOC膜222及びバリアメタル膜240の側面、ならびに開口部154が形成された位置における空間の底面に絶縁膜230と同じ材料の絶縁膜225を形成する。実施の形態4におけるプロセス条件のうち、例えば、圧力条件を10Paより低い圧力に変更すると好適である。圧力を下げることで平均自由行程が大きくなり空間内部に絶縁膜材料を進入させやすくすることができる。その結果、絶縁膜225が補強膜となり配線を補強することができる。以上のようにして、開口部154を形成した位置に高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh3のエアーギャップ286を形成することができる。
【0057】
実施の形態6.
上述した各実施の形態では、拡散防止膜224として、Siを含む絶縁材料を用いてCu膜260上以外の領域にも成膜していたがこれに限るものではない。実施の形態6では、Cu膜260上に選択的に拡散防止膜材料を形成する構成について説明する。
【0058】
図17は、実施の形態6における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図17において、拡散防止膜形成工程(S120)の代わりにコバルトタングステン(CoW)膜形成工程(S121)を追加した点以外は、図12と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)から研磨工程(S116)までの工程内容は、実施の形態4と同様である。
【0059】
図18は、図17のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図18では、図17のCoW膜形成工程(S121)から開口部形成工程(S124)までを示している。
【0060】
図18(a)において、CoW膜形成工程として、Cu膜260上に選択的にCoW膜228を形成する。例えば、露出したCu膜260表面をCu酸化工程として酸化させた後、Cu膜260表面の酸化層をコバルト(Co)と置換することによって、CoW膜228を選択成長させる。ここでは、例えば、Cu配線側に3nm、上層側に7nmで、合計10nm程度のCoW膜228を形成する。Cu膜260表面をCuの酸化工程を追加して掘り下げないで、CMP後の自然酸化膜を置換膜として使用することも好適である。CoW膜228を露出したCu膜260表面上に選択成長させることで、Cuの拡散を防止することができる。
【0061】
図18(b)において、開口部形成工程として、スペース幅S4の絶縁膜領域で、図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経てSiOC膜222の上にレジストパターンが形成された基板200に対し、露出したSiOC膜222を異方性エッチング法により除去する。これにより、基板200の表面に対し、略垂直に犠牲膜220表面まで届く開口部154を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部154を形成すればよい。
【0062】
その後は、実施の形態4と同様に、犠牲膜除去工程(S126)から絶縁膜形成工程(S128)までの一連の工程を実施する。これらの各工程を実施することにより、図18(c)に示すように、開口部154を形成した位置に高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh4のエアーギャップ288を形成することができる。
【0063】
実施の形態7.
実施の形態7では、実施の形態6の構成に、エアーギャップを形成することにより支えを失ったCu配線を補強する膜を追加した構成について説明する。実施の形態7における半導体装置の製造方法の各工程は、絶縁膜形成工程(S128)のプロセス条件を変更する以外は、実施の形態6と同様である。
【0064】
図19は、実施の形態7における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
実施の形態5と同様、絶縁膜230をCVD法で成膜する際に、実施の形態6よりもカバレッジを多少良くさせることで、SiOC膜222及びバリアメタル膜240の側面、ならびに開口部154が形成された位置における空間の底面に絶縁膜230と同じ材料の絶縁膜225を形成する。実施の形態6におけるプロセス条件のうち、例えば、圧力条件を10Paより低い圧力に変更すると好適である。その結果、絶縁膜225が補強膜となり配線を補強することができる。以上のようにして、開口部154を形成した位置に高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh5のエアーギャップ289を形成することができる。
【0065】
以上の説明において、上記各実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いても同様の効果が得られる。
【0066】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0067】
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
【0068】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置及び半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
【0069】
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス、処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図2】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図3】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図4】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図5】実施の形態1における配線パターンの一例の上面図である。
【図6】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図7】実施の形態2における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図9】実施の形態3における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図11】実施の形態3におけるシード膜形成の様子を説明するための図である。
【図12】実施の形態4における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図14】実施の形態4における開口部が形成された半導体装置の一例の上面図である。
【図15】図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図16】実施の形態5における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
【図17】実施の形態6における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図18】図17のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図19】実施の形態7における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
【符号の説明】
【0071】
200 基板
150,152,154 開口部
220 犠牲膜
222 SiOC膜
224 拡散防止膜
230 絶縁膜
240,242 バリアメタル膜
250,252 シード膜
260 Cu膜
280,281,282,284,286,288,289 エアーギャップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に係り、例えば、積層配線における配線間の絶縁構造に特徴を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線材料を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗の銅(Cu)或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜を化学機械研磨(CMP)により除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さの積層膜を形成することが一般的である。
【0003】
そして、近年のLSI開発、特に90nm−node以降の世代では、配線起因の周波数特性劣化を低減するため、配線間/層間絶縁膜に低誘電率材料(k<3.0)が適用されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO2)膜から比誘電率kが3以下の低誘電率材料膜(low−k膜)を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。これらのlow−k膜材料では、材料中に空孔が入ったポーラス材料となっているものが多い。これら多孔質の低誘電率材料膜(p−lowk膜)は塗布法或いは化学気相成長(CVD)法により成膜され、膜密度がシリコンの熱酸化膜と比較して低い。しかしながら、低誘電率材料は機械的強度が低い。また、プラズマダメージ起因の絶縁膜変質による容量増大が生じる。また、絶縁膜吸湿起因のバリアメタル(BM)腐食による電気的特性劣化が生じる。このようなデメリットを併せ持っていることも知られている。また、低誘電率膜として前述の問題を克服可能な絶縁膜の選択肢が少なくなりつつあることや、成膜後の後処理のシーケンスも複雑になり配線作製コストが増大することも無視出来ない問題となっている。
【0004】
そして、多層配線の高性能化に向けて、さらに配線容量を低減することが求められている。ここで、最も低い配線容量を実現するためには、配線間を空洞(エアーギャップ:Air gap, k=1.0)にすればよい。特に、微細化が進む中、配線容量を低減することが困難な最小線幅でラインアンドスペースを繰り返す密パターン領域では、スペース部分をエアーギャップにするとその効果が大きい。
【0005】
ここで、エアーギャップに関して文献に以下のような技術が開示されている。配線が形成された犠牲膜上にシリコン窒化膜を形成する。そして、シリコン窒化膜に形成された開口部を通して犠牲膜をエッチング除去する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、最小線幅の密パターン領域においてスペース部分をエアーギャップにする手法が従来十分に確立されているとは言えなかった。
【特許文献1】特開2001−217312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来の問題点を克服し、多層配線の容量低減を図る半導体装置の製造方法或いは半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、
基体上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記犠牲膜と前記絶縁膜とに複数の第1の開口部を形成する第1の開口部形成工程と、
前記複数の第1の開口部に導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程と、
前記複数の第1の開口部に堆積した各導電性材料間の領域のうち、導電性材料のピッチが最小となる最小寸法領域とは異なる前記絶縁膜の所定の領域に第2の開口部を形成する第2の開口部形成工程と、
前記第2の開口部を介して前記最小寸法領域に位置する犠牲膜を含む前記犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様の半導体装置は、
複数の配線と、
前記複数の配線の配線間の領域のうち、配線ピッチが最小寸法となる最小寸法領域とは異なる所定の領域に開口部が形成され、空洞上に位置して前記複数の配線に側方から接続して支持される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、前記開口部上方側を塞ぐ第2の絶縁膜と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最小線幅領域のスペース部分にエアーギャップを形成することができる。よって、配線容量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1では、CMPにより生じるエロージョンを利用して犠牲膜を除去するための開口部を形成する場合の形態について説明する。以下、実施の形態1について、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図1において、実施の形態1の半導体装置の形成方法では、SiO2膜形成工程(S102)と、犠牲膜形成工程(S104)と、キャップ膜形成工程(S106)と、開口部形成工程(S108)と、バリアメタル膜形成工程(S110)と、シード膜形成工程(S112)と、めっき及びアニール工程(S114)と、研磨工程(S116)と、犠牲膜除去工程(S118)と、拡散防止膜形成工程(S120)と、絶縁膜形成工程(S122)という一連の工程を実施する。
【0013】
図2は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図2では、図1のSiO2膜形成工程(S102)からキャップ膜形成工程(S106)までを示している。
【0014】
図2(a)において、SiO2膜形成工程として、半導体基板となる基板200の表面にCVD(化学気相成長)法によって、例えば、膜厚500nmのSiO2膜を堆積し、絶縁膜となるSiO2膜210を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。また、基板200として、例えば、直径300ミリのシリコンウェハを用いる。ここでは、デバイス部分の図示を省略している。そして、基板200上には、金属配線またはコンタクトプラグ等、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有する層が形成されているものとしても構わない。或いは、その他の層が形成されていても構わない。
【0015】
図2(b)において、犠牲膜形成工程として、基体の一例となる基板200の上に炭素(C)を主成分にした有機膜220を例えば200nmの厚さで形成する。有機膜220の材料として、例えば、ポリアリーレンエーテル(PAr)を用いると好適である。有機膜220は、後の工程でエアーギャップを形成するために除去される犠牲膜となる。
【0016】
図2(c)において、キャップ膜形成工程として、有機膜220上にCVD法によってキャップ絶縁膜として炭酸化シリコン(SiOC)を例えば膜厚50nm堆積することで、SiOC膜222の薄膜を形成する。キャップ膜の材料として、SiOCの他に、SiO2、シリコンカーバイド(SiC)、炭水化シリコン(SiCH)、炭窒化シリコン(SiCN)、およびSiOCHからなる群から選択される少なくとも一種の比誘電率2.5以上の絶縁材料を用いて形成しても構わない。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。
【0017】
図3は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図3では、図1の開口部形成工程(S108)からシード膜形成工程(S112)までを示している。
【0018】
図3(a)において、開口部形成工程として、リソグラフィ工程とドライエッチング工程でダマシン配線を作製するための配線溝構造である複数の開口部150,152(第1の開口部)をSiOC膜222と犠牲膜220内に形成する。図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経てSiOC膜222の上にレジスト膜が形成された基板200に対し、露出したSiOC膜222とその下層に位置する犠牲膜220を異方性エッチング法により除去することで、基板200の表面に対し、略垂直に開口部150,152を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部150,152を形成すればよい。ここでは、実配線領域に、ライン(配線)幅L1とスペース幅S1とが、所望するパターンの寸法において1:1の最小寸法ピッチとなるように、開口部150を形成する。他方、実配線領域から距離S3だけ離れた位置にダミー配線領域を設ける。そして、ダミー配線領域に、ライン(配線)幅L2とスペース幅S2とがL2>S2となる配線ピッチで開口部152を形成する。すなわち、開口部152にCu膜が埋め込まれた際に、その被覆率が50%より大きく、開口部152に埋め込まれたCu膜からなるダミー配線の配線ピッチが、実配線領域における配線の最小ピッチL1+S1より大きいL2+S2となるように開口部152を形成する。ここで、ライン幅L1とスペース幅S1とがリソグラフィによる加工が可能な最小寸法で形成される場合に、スペース幅S1とスペース幅S2とが、S1≦S2となるように形成すると好適である。また、距離S3は、例えば、10μm以内が望ましい。但し、距離S3は、後述する研磨工程で生じるエロージョンが実配線領域に及ばない寸法が望ましい。
【0019】
図3(b)において、バリアメタル膜形成工程として、開口部形成工程により形成された開口部150,152及びSiOC膜222表面に導電性材料となるバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜240を形成する。物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)法の1つであるスパッタ法を用いるスパッタリング装置内でタンタル(Ta)膜の薄膜を例えば膜厚10nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。バリアメタル材料の堆積方法としては、PVD法に限らず、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD法、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD法)やCVD法などを用いることができる。PVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。また、バリアメタル膜の材料としては、Taの他、窒化タンタル(TaN)等のタンタル系のタンタル含有物質、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)等のチタン系のチタン含有物質、窒化タングステン(WN)等のタングステン系のタングステン含有物質、もしくはTaとTaN等これらを組合せて用いた積層膜であっても構わない。
【0020】
図3(c)において、シード膜形成工程として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜250としてバリアメタル膜240が形成された開口部150,152内壁及び基板200表面に堆積(形成)させる。ここでは、シード膜250を例えば基板200表面で例えば膜厚50nm堆積させる。
【0021】
図4は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図4では、図1のめっき及びアニール工程(S114)から犠牲膜除去工程(S118)までを示している。
【0022】
図4(a)において、めっき工程として、シード膜250をカソード極として、電解めっきによる電気化学成長法により導電性材料となるCu膜260を開口部150,152内及び基板200表面に堆積させる。ここでは、例えば膜厚800nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を例えば250℃の温度で30分間行なう。
【0023】
図4(b)において、研磨工程として、CMP法によって、基板200の表面を研磨して、開口部以外に表面に堆積した配線層となるシード膜250を含むCu膜260とバリアメタル膜240を研磨荷重Pで研磨除去する。ここで、実配線領域では、被覆率が50%を超えていないため、図4(b)に示すように平坦化できる。このようにして、ダマシン配線を形成することができる。他方、ダミー配線領域では、被覆率が50%を超えるように構成したことによりエロージョンを生じさせることができる。
【0024】
図5は、実施の形態1における配線パターンの一例の上面図である。
図5に示すように、実配線領域では、配線10とスペース20とが1:1の最小寸法ピッチとなるように形成した。よって、この例では、被覆率ρ1=50%となる。他方、ダミー配線領域では、配線30とスペース40とで、ライン幅L2がスペース幅S2よりも大きくなるように形成した。よって、この例では、被覆率ρ2>50%となる。この場合、被覆率が50%を超えるダミー配線領域では、CMP処理を行なった際に、エロージョンが生じることになる。よって、実施の形態1では、最小寸法ピッチで配線形成する実配線領域とは異なるダミー配線領域であえてエロージョンが生じるように配線パターンを形成した。このように、所望する領域にだけ局所的にエロージョンを生じさせることができる。そのため、Cu膜260とバリアメタル膜240以外にもダミー配線領域のSiOC膜222が研磨により除去される。その結果、ダミー配線領域及びその周辺では、犠牲膜220を露出させることができる。このようにエロージョンが生じた領域でSiOC膜222に開口部(第2の開口部)を形成することができる。なお、ダミー配線領域の配線30のライン幅L2が顕著に大きい場合は、配線30は孤立パターンとして形成されてもよい。その場合でもダミー配線領域の配線周辺で、犠牲膜220を露出させることができる。
【0025】
図4(c)において、犠牲膜除去工程として、犠牲膜220がダミー配線領域で露出した基板200をアンモニア(NH3)プラズマ雰囲気下に晒す。これにより、ダミー配線領域及びその周辺でSiOC膜222に開いた開口部を介して犠牲膜220を除去することができる。これにより、キャップ膜となるSiOC膜222の下にエアーギャップ280が形成される。ここで、プラズマ処理する際に、NH3プラズマの代わりに、酸素(O2)プラズマや窒素(N2)/水素(H2)プラズマを用いても好適である。犠牲膜220を除去できる雰囲気を構成できればよい。プラズマによって活性化されたラジカルが各位置の犠牲膜220に回り込むことができるような配線パターンのレイアウトであれば、SiOC膜222に開いた開口部から離れた領域の犠牲膜220も除去することができる。すなわち、犠牲膜220が、開口させる位置から実配線領域を含めて配線材料により完全に遮断されない配線パターンになるようにレイアウトされると好適である。このようにすれば、SiOC膜222に開いた開口部を起点として除去が始まる。そして、ダミー配線領域だけではなく、実配線領域の犠牲膜220も除去することができる。従来のように膜中の不確定な空孔を透過させることによって犠牲膜を除去する場合に比べて、より確実に犠牲膜220を除去することができる。よって、最も配線容量を低減させたい最小寸法ピッチで形成されるであろう実配線領域の犠牲膜220をより確実に除去することができる。
【0026】
また、実配線領域では、キャップ膜となるSiOC膜222を形成しているため、SiOC膜222は複数の配線に側方から接続して支持される。ここでは、バリアメタル膜240の上部側面に接続される。そのため、SiOC膜222が保護膜となってその下が空洞になっても配線倒れを防止し、機械的強度を保つことができる。
【0027】
図6は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図6では、図1の拡散防止膜形成工程(S120)から絶縁膜形成工程(S122)までを示している。
【0028】
図6(a)において、拡散防止膜形成工程として、基板200上に、CVD法によりカバレッジを劣化させて拡散防止膜224を形成する。これにより、ダミー配線領域で開口した空間のふたをするようにして上部を塞ぐことができる。その結果、ダミー配線領域にもエアーギャップ280を形成することができる。拡散防止膜224をCu膜260上に形成することで、Cuが上層の絶縁膜へと拡散することを防止することができる。拡散防止膜224の材料として、例えば、SiC等が好適である。
【0029】
図6(b)において、絶縁膜形成工程として、拡散防止膜224上に上層の層間絶縁膜となる絶縁膜230の薄膜を例えば100nmの厚さで形成する。絶縁膜230の材料としては、例えば、多孔質の低誘電率絶縁材料を用いると好適である。このような絶縁膜230を形成することで、比誘電率kが3.5よりも低い層間絶縁膜を得ることができる。ここでは、一例として、比誘電率が2.5未満の低誘電率絶縁材料となるポリメチルシロキサンを用いたLKD(Low−K Dielectric material:JSR製)を用いて絶縁膜230を形成する。形成方法としては、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectic coating)法を用いることができる。絶縁膜230の材料としては、ポリメチルシロキサンの他に、例えば、ポリシロキサン、ハイドロジェンシロセスキオキサン、メチルシロセスキオキサンなどのシロキサン骨格を有する膜、ポリアリーレンエーテル(PAr)、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾシクロブテンなどの有機樹脂を主成分とする有機膜、および多孔質シリカ膜などのポーラス膜からなる群から選択される少なくとも一種を用いて形成しても構わない。かかる絶縁膜230の材料では、比誘電率が2.5未満の低誘電率を得ることができる。形成方法もSOD法に限るものではない。CVD法を用いても好適である。
【0030】
以上のように、実施の形態1では、CMP法を用いてCu膜260等の導電性材料やキャップ膜のSiOC膜222を研磨することにより、工程数を増やさなくても犠牲膜220除去用の開口部を形成することができる。特に、デバイスの性能に関係しないダミー配線領域でエロージョンを生じさせることで、実配線の形状に影響を与えずにエアーギャップを形成することができる。そして、この構造では、有機系絶縁膜である犠牲膜220を除去したため、配線間容量を低減することができる。また、エアーギャップを形成することで、吸湿サイトとなっていた低誘電率膜中のダメージ層によるバリアメタルの腐食等を回避することもできる。さらには、低誘電率膜中の空孔への配線材料の浸透によるリーク増大、ひいては絶縁破壊を回避することもできる。
【0031】
実施の形態2.
実施の形態2では、エアーギャップを形成することにより支えを失ったCu配線を補強する膜を追加した構成について説明する。
図7は、実施の形態2における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図7において、開口部形成工程(S108)とバリアメタル膜形成工程(S110)の間に、SiOC膜形成工程(S109)を追加した点以外は、図1と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)から開口部形成工程(S108)までの工程内容は、実施の形態1と同様である。
【0032】
図8は、図7のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図8では、図7のSiOC膜形成工程(S109)の工程断面図と絶縁膜形成工程(S122)が終了した時点での工程断面図とを示している。
【0033】
図8(a)において、SiOC膜形成工程として、図3(a)で示した状態から、開口部150,152底面、側面及びSiOC膜222表面に、CVD法を用いて、比誘電率kが2.5のSiOC膜270を形成する。必要に応じ、開口部150,152底面及びSiOC膜222表面に形成されたSiOC膜270を異方性エッチング法により除去する。
【0034】
その後は、実施の形態1と同様に、バリアメタル膜形成工程(S110)から絶縁膜形成工程(S122)までの一連の工程を実施する。これらの各工程を実施することにより、図8(b)に示すエアーギャップ281が形成されたCu配線構造を形成することができる。実施の形態2では、バリアメタル膜240を介してCu膜260の側面及び底面にSiOC膜270を形成する。その結果、実施の形態1の効果の他に、さらに、SiOC膜270が補強膜となり配線を補強することができる。また、キャップ膜となるSiOC膜222と同質のSiOC膜270を形成することで、SiOC膜222と結合してより機械的強度を向上させることができる。また、比誘電率kが2.5のSiOC膜270を形成することで、他の誘電率の高い膜を使用する場合に比べて配線容量の増大を抑制することができる。
【0035】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図9において、バリアメタル膜形成工程(S110)を削除した点と、シード膜形成工程(S112)の代わりにシード膜形成工程(S113)を追加した点以外は、図1と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)から開口部形成工程(S108)までの工程内容は、実施の形態1と同様である。
【0036】
図10は、図9のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図10では、図9のシード膜形成工程(S113)からめっき及びアニール工程(S114)までの工程断面図と絶縁膜形成工程(S122)が終了した時点での工程断面図とを示している。
【0037】
図10(a)において、シード膜形成工程として、図3(a)で示した状態から、スパッタ等のPVD法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜252として開口部150,152底面、側面及びSiOC膜222表面に堆積(形成)させる。ここでは、シード膜252として、マンガン(Mn)合金を含有するCuシード膜を用いる。
【0038】
図10(b)において、めっき工程として、シード膜252をカソード極として、電解めっきによる電気化学成長法により導電性材料となるCu膜260を開口部150,152内及び基板200表面に堆積させる。ここでは、例えば膜厚800nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を例えば250℃の温度で30分間行なう。アニール処理を行うことでシード膜252中のMnが絶縁膜側壁に拡散し、Mnがシリコン(Si)と酸素(O)と結合してMnSixOyを形成する。シリコンと酸素は、SiOC膜222から供給を受けることができる。このようにして自己形成されたMnSixOyがバリアメタル膜242となる。よって、実施の形態3では、シード膜形成工程前のバリアメタル膜形成工程を省略することができる。
【0039】
なお、実施の形態3では、キャップ膜としてSiOC膜222を用いているがこれに限るものではない。キャップ絶縁膜の材料として、SiOC以外にも、例えば、SiO2を用いても好適である。
【0040】
その後は、実施の形態1と同様に、研磨工程(S116)から絶縁膜形成工程(S122)までの一連の工程を実施する。これらの各工程を実施することにより、図10(c)に示すエアーギャップ280が形成されたCu配線構造を形成することができる。
【0041】
実施の形態3では、バリアメタル膜242を自己形成させることで、実施の形態1の効果の他に、さらに、次の効果を生じさせる。
【0042】
図11は、実施の形態3におけるシード膜形成の様子を説明するための図である。
図11(a)では、バリアメタル膜240を形成した後にシード膜250を形成する場合の一例を示している。この場合、バリアメタル膜240の成膜とシード膜250の成膜という2度の成膜が必要となる。そのため、図11(a)に示すように配線の微細化が進むと、開口部の側壁にシード膜250が形成される前に上部が塞がってしまう場合も起こり得る。他方、図11(b)では、シード膜252を形成した後にバリアメタル膜242を自己形成する場合の一例を示している。この場合、成膜させるのは、シード膜252のみで構わないので配線幅が小さくなっても2度成膜させる場合に比べて膜厚を薄くすることができる。そのため、図11(b)に示すように、上部が塞がる前に開口部内壁に成膜させることができる。
【0043】
実施の形態4.
上述した実施の形態1〜3では、CMPにより生じるエロージョンを利用して犠牲膜を除去するための開口部を形成する構成について説明した。実施の形態4では、リソグラフィ及びエッチングの工程により犠牲膜を除去するための開口部を形成する場合の形態について説明する。
【0044】
図12は、実施の形態4における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図12において、犠牲膜除去工程(S118)と絶縁膜形成工程(S122)を削除した点、及び、拡散防止膜形成工程(S120)の後に開口部形成工程(S124)と犠牲膜除去工程(S126)と絶縁膜形成工程(S128)を追加した点以外は、図1と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)からめっき及びアニール工程(S114)までの工程内容は、実施の形態1と同様である。
【0045】
図13は、図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図13では、図12の研磨工程(S116)から開口部形成工程(S124)までを示している。
【0046】
図13(a)において、研磨工程として、CMP法によって、基板200の表面を研磨して、開口部以外に表面に堆積した配線層となるシード膜250を含むCu膜260とバリアメタル膜240を研磨荷重Pで研磨除去する。ここで、実施の形態4では、最小ピッチ領域にライン(配線)幅L1とスペース幅S1とが、所望するパターンの寸法において1:1の最小寸法ピッチとなる配線構造を形成する。そして、この最小ピッチ領域とは異なる他の領域にスペース幅S1より大きい幅のスペース幅S4を持つ領域を形成する。ここでは、スペース幅S4を挟んでライン幅L1とライン幅L4の配線が形成された例を示している。図13(a)に示す例では、最小寸法領域より配線ピッチL4+L4が大きい領域でライン幅L4とスペース幅S4は等しく、いずれの領域でも配線の被覆率が50%を超えていないためエロージョンを回避することができる。その結果、研磨により平坦化することができる。このようにして、ダマシン配線を形成することができる。
【0047】
図13(b)において、拡散防止膜形成工程として、基板200上に、CVD法により拡散防止膜224を形成する。拡散防止膜224をCu膜260上に形成することで、Cuが上層の絶縁膜へと拡散することを防止することができる。
【0048】
図13(c)において、開口部形成工程として、スペース幅S4の絶縁膜領域で、図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経て拡散防止膜224の上にレジストパターンが形成された基板200に対し、露出した拡散防止膜224とその下層に位置するSiOC膜222を異方性エッチング法により除去する。これにより、基板200の表面に対し、略垂直に犠牲膜220表面まで届く開口部154を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部154を形成すればよい。
【0049】
図14は、実施の形態4における開口部が形成された半導体装置の一例の上面図である。
例えば、ライン幅L1とスペース幅S1がリソグラフィ可能な最小寸法で形成されている場合、パターンずれを考慮すればスペース幅S1の絶縁膜領域に開口部154を形成することは困難である。よって、スペース幅S1より大きい幅のスペース幅S4を持つ領域にパターニングすることでパターンずれを回避して開口部154を形成することができる。例えば、50nm以上の幅を持つ絶縁膜領域に開口すると好適である。特に、エアーギャップが必要不可欠となる配線幅ルールの世代では、スペース幅S1より大きいスペース幅S4の領域に開口することが好適である。形成された開口部154から犠牲膜220を除去することになる。ここでは、開口部154として、例えば長方形の開口面を持つ溝(トレンチ)を形成しているがこれに限るものではない。例えば、円または楕円の開口面を持つ孔(ホール)でもよい。円または楕円の場合には、複数の孔を形成することが望ましい。
【0050】
図15は、図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図15では、図12の犠牲膜除去工程(S126)から絶縁膜形成工程(S128)までを示している。
【0051】
図15(a)において、犠牲膜除去工程として、犠牲膜220が最小ピッチ領域とは異なる他の領域で露出した基板200をアンモニア(NH3)プラズマ雰囲気下に晒す。これにより、最小スペース幅S1より大きい幅のスペース幅S4を持つ領域に開いた開口部154を介して犠牲膜220を除去する。これにより、キャップ膜となるSiOC膜222の下にエアーギャップ282が形成される。ここで、プラズマ処理する際に、NH3プラズマの代わりに、酸素(O2)プラズマや窒素(N2)/水素(H2)プラズマを用いても好適である点は実施の形態1と同様である。犠牲膜220を除去できる雰囲気を構成できればよい。プラズマによって活性化されたラジカルが各位置の犠牲膜220に回り込むことができるような配線パターンのレイアウトであれば、開口部154から離れた領域の犠牲膜220も除去することができる。すなわち、犠牲膜220が、開口させる位置から配線材料により完全に遮断されない配線パターンになるようにレイアウトされると好適である。このようにすれば、開口部154を起点として除去が始まる。そして、最小ピッチ領域に形成される犠牲膜220も除去することができる。
【0052】
また、SiOC膜222が配線に側方から接続して支持される。ここでは、バリアメタル膜240の上部側面に接続される。そのため、SiOC膜222が保護膜となってその下を空洞に保つことができる。また、SiOC膜222は保護膜となるため、そして、拡散防止膜224は、Cu拡散を防止するため、キャップ膜や拡散防止膜224は、犠牲膜220と一緒に除去されない膜が良い。また、開口部154を形成する際のエッチング制御を容易にするためにも犠牲膜220とエッチング選択比が大きい無機系絶縁膜が良い。よって、実施の形態4では、キャップ膜や拡散防止膜224の材料として、例えば、SiO2、SiOC、窒化シリコン(SiN)、SiCN、SiCOH等が好適である。
【0053】
図15(b)において、絶縁膜形成工程として、基板200上に、CVD法によりカバレッジを劣化させて、上層の層間絶縁膜となる絶縁膜230の薄膜を例えば100nmの厚さで形成する。これにより、開口部154の空間にふたをするようにして上部を塞ぐ(封止する)ことができる。ここでは、例えば、10Pa以上の真空雰囲気で成膜すると好適である。絶縁膜230の材料としては、例えば、SiO2、SiOC、SiCOHとどの多孔質の低誘電率絶縁材料を用いると好適である。
【0054】
以上のように、絶縁膜230で開口部154の上部を塞ぐことで、開口部154を形成した位置に、最小ピッチ領域における高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh2のエアーギャップ284を形成することができる。実施の形態4では、図15(b)に示すように、高さの異なるエアーギャップ282,284が同一配線層に形成される。その結果、特に、このギャップ高さの高い部分の配線間容量を大きく低減化することが可能である。
【0055】
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態4の構成に、エアーギャップを形成することにより支えを失ったCu配線を補強する膜を追加した構成について説明する。実施の形態5における半導体装置の製造方法の各工程は、絶縁膜形成工程(S128)のプロセス条件を変更する以外は、実施の形態4と同様である。
【0056】
図16は、実施の形態5における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
絶縁膜230をCVD法で成膜する際に、実施の形態4よりもカバレッジを多少良くさせることで、拡散防止膜224、SiOC膜222及びバリアメタル膜240の側面、ならびに開口部154が形成された位置における空間の底面に絶縁膜230と同じ材料の絶縁膜225を形成する。実施の形態4におけるプロセス条件のうち、例えば、圧力条件を10Paより低い圧力に変更すると好適である。圧力を下げることで平均自由行程が大きくなり空間内部に絶縁膜材料を進入させやすくすることができる。その結果、絶縁膜225が補強膜となり配線を補強することができる。以上のようにして、開口部154を形成した位置に高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh3のエアーギャップ286を形成することができる。
【0057】
実施の形態6.
上述した各実施の形態では、拡散防止膜224として、Siを含む絶縁材料を用いてCu膜260上以外の領域にも成膜していたがこれに限るものではない。実施の形態6では、Cu膜260上に選択的に拡散防止膜材料を形成する構成について説明する。
【0058】
図17は、実施の形態6における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
図17において、拡散防止膜形成工程(S120)の代わりにコバルトタングステン(CoW)膜形成工程(S121)を追加した点以外は、図12と同様である。よって、SiO2膜形成工程(S102)から研磨工程(S116)までの工程内容は、実施の形態4と同様である。
【0059】
図18は、図17のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
図18では、図17のCoW膜形成工程(S121)から開口部形成工程(S124)までを示している。
【0060】
図18(a)において、CoW膜形成工程として、Cu膜260上に選択的にCoW膜228を形成する。例えば、露出したCu膜260表面をCu酸化工程として酸化させた後、Cu膜260表面の酸化層をコバルト(Co)と置換することによって、CoW膜228を選択成長させる。ここでは、例えば、Cu配線側に3nm、上層側に7nmで、合計10nm程度のCoW膜228を形成する。Cu膜260表面をCuの酸化工程を追加して掘り下げないで、CMP後の自然酸化膜を置換膜として使用することも好適である。CoW膜228を露出したCu膜260表面上に選択成長させることで、Cuの拡散を防止することができる。
【0061】
図18(b)において、開口部形成工程として、スペース幅S4の絶縁膜領域で、図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経てSiOC膜222の上にレジストパターンが形成された基板200に対し、露出したSiOC膜222を異方性エッチング法により除去する。これにより、基板200の表面に対し、略垂直に犠牲膜220表面まで届く開口部154を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部154を形成すればよい。
【0062】
その後は、実施の形態4と同様に、犠牲膜除去工程(S126)から絶縁膜形成工程(S128)までの一連の工程を実施する。これらの各工程を実施することにより、図18(c)に示すように、開口部154を形成した位置に高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh4のエアーギャップ288を形成することができる。
【0063】
実施の形態7.
実施の形態7では、実施の形態6の構成に、エアーギャップを形成することにより支えを失ったCu配線を補強する膜を追加した構成について説明する。実施の形態7における半導体装置の製造方法の各工程は、絶縁膜形成工程(S128)のプロセス条件を変更する以外は、実施の形態6と同様である。
【0064】
図19は、実施の形態7における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
実施の形態5と同様、絶縁膜230をCVD法で成膜する際に、実施の形態6よりもカバレッジを多少良くさせることで、SiOC膜222及びバリアメタル膜240の側面、ならびに開口部154が形成された位置における空間の底面に絶縁膜230と同じ材料の絶縁膜225を形成する。実施の形態6におけるプロセス条件のうち、例えば、圧力条件を10Paより低い圧力に変更すると好適である。その結果、絶縁膜225が補強膜となり配線を補強することができる。以上のようにして、開口部154を形成した位置に高さh1のエアーギャップ282よりも高い高さh5のエアーギャップ289を形成することができる。
【0065】
以上の説明において、上記各実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いても同様の効果が得られる。
【0066】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0067】
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
【0068】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置及び半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
【0069】
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス、処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図2】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図3】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図4】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図5】実施の形態1における配線パターンの一例の上面図である。
【図6】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図7】実施の形態2における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図9】実施の形態3における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図11】実施の形態3におけるシード膜形成の様子を説明するための図である。
【図12】実施の形態4における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図14】実施の形態4における開口部が形成された半導体装置の一例の上面図である。
【図15】図12のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図16】実施の形態5における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
【図17】実施の形態6における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図18】図17のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図19】実施の形態7における絶縁膜形成工程(S128)の工程断面図である。
【符号の説明】
【0071】
200 基板
150,152,154 開口部
220 犠牲膜
222 SiOC膜
224 拡散防止膜
230 絶縁膜
240,242 バリアメタル膜
250,252 シード膜
260 Cu膜
280,281,282,284,286,288,289 エアーギャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記犠牲膜と前記絶縁膜とに複数の第1の開口部を形成する第1の開口部形成工程と、
前記複数の第1の開口部に導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程と、
前記複数の第1の開口部に堆積した各導電性材料間の領域のうち、導電性材料のピッチが最小となる最小寸法領域とは異なる前記絶縁膜の所定の領域に第2の開口部を形成する第2の開口部形成工程と、
前記第2の開口部を介して前記最小寸法領域に位置する犠牲膜を含む前記犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
化学機械研磨法を用いて前記導電性材料と前記絶縁膜とを研磨することにより前記第2の開口部を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記所定の領域は、前記導電性材料の被覆率が50%よりも大きい領域であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
リソグラフィ処理とエッチング処理を行なうことで前記第2の開口部を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
複数の配線と、
前記複数の配線の配線間の領域のうち、配線ピッチが最小寸法となる最小寸法領域とは異なる所定の領域に開口部が形成され、空洞上に位置して前記複数の配線に側方から接続して支持される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、前記開口部上方側を塞ぐ第2の絶縁膜と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
基体上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記犠牲膜と前記絶縁膜とに複数の第1の開口部を形成する第1の開口部形成工程と、
前記複数の第1の開口部に導電性材料を堆積させる導電性材料堆積工程と、
前記複数の第1の開口部に堆積した各導電性材料間の領域のうち、導電性材料のピッチが最小となる最小寸法領域とは異なる前記絶縁膜の所定の領域に第2の開口部を形成する第2の開口部形成工程と、
前記第2の開口部を介して前記最小寸法領域に位置する犠牲膜を含む前記犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
化学機械研磨法を用いて前記導電性材料と前記絶縁膜とを研磨することにより前記第2の開口部を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記所定の領域は、前記導電性材料の被覆率が50%よりも大きい領域であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
リソグラフィ処理とエッチング処理を行なうことで前記第2の開口部を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
複数の配線と、
前記複数の配線の配線間の領域のうち、配線ピッチが最小寸法となる最小寸法領域とは異なる所定の領域に開口部が形成され、空洞上に位置して前記複数の配線に側方から接続して支持される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、前記開口部上方側を塞ぐ第2の絶縁膜と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−153480(P2008−153480A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340679(P2006−340679)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【Fターム(参考)】
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