説明

半導体装置の製造方法

【課題】裏面照射型CMOSイメージセンサーのリーク電流を抑制可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上にエピタキシャル半導体層4をエピタキシャル成長させる工程と、前記エピタキシャル半導体層4に光電変換部を形成する工程と、前記光電変換部の形成後に、前記エピタキシャル半導体層4の上に配線層を形成する工程と、前記配線層の上に支持基盤23を接合する工程と、前記接合の後に、前記半導体基板を前記接合とは反対面側からエッチングする工程を含む。半導体装置の製造方法は、前記エッチングする工程の後に、前記エピタキシャル半導体層4の前記反対面側にアモルファスSi層26を形成する工程と、前記アモルファスSi層の上に、反射防止膜、カラーフィルタを順に形成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話への応用で、小型カメラモジュールの市場が注目されている。カメラモジュールに使われるCCD、CMOSイメージセンサーなどの撮像素子は、半導体技術の微細化に伴い、そのセンサー性能が向上してきた。センサー性能を向上させる技術の一つとして、感度や高度シェーディングを向上させる、裏面照射型CMOSイメージセンサーが提案されている。
【0003】
裏面照射型CMOSイメージセンサーでは、裏面側の界面準位の抑制が必要であるが、従来は、マイナスの電荷を持つ絶縁膜を形成し表面側の空乏化による生成再結合電流の抑制をおこなう方法などにより改善をおこなってきたが、マイナス電荷をもつ絶縁膜の電荷の保持が時間により減少する効果により、使用時間により特性が劣化することが問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−3928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態は、裏面照射型CMOSイメージセンサーのリーク電流を抑制可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上にエピタキシャル半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、前記エピタキシャル半導体層に光電変換部を形成する工程と、前記光電変換部の形成後に、前記エピタキシャル半導体層の上に配線層を形成する工程と、前記配線層の上に支持基盤を接合する工程と、前記接合の後に、前記半導体基板を前記接合とは反対面側からエッチングする工程を含む。半導体装置の製造方法は、前記エッチングする工程の後に、前記エピタキシャル半導体層の前記反対面側にアモルファスSi層を形成する工程と、前記アモルファスSi層の上に、反射防止膜、カラーフィルタを順に形成する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図6】図6は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図7】図7は、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図8】図8は、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図9】図9は、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図10】図10は、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図11】図11は、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図12】図12は、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を、各工程を示す断面図である図1〜図6を用いて説明する。
【0010】
図1(a)において、半導体基板1上にはBOX層2を介して薄い半導体層3が設けられている。なお、半導体基板1上にBOX層2を介して薄い半導体層3が設けられた基板としては、SOI基板を用いることができる。なお、例えば、半導体基板1の材料はSi、BOX層2の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。まず、薄い半導体層3を成長の起点として薄い半導体層3の上にN型半導体層4をエピタキシャル(Epitaxial)成長させる。なお、薄い半導体層3の上にエピタキシャル成長させるのはP型半導体層でもかまわないが、以下では一例としてN型半導体層4が形成された場合で説明する。
【0011】
次に、図1(b)に示すように、CVDなどの方法にてN型半導体層4上の全面にストッパ層5を積層する。そして、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、ストッパ層5およびN型半導体層4に貫通孔6を形成する。なお、例えば、ストッパ層5の材料はシリコン窒化膜を用いることができる。
【0012】
次に、図1(c)に示すように、CVDなどの方法にて貫通孔6が埋め込まれるようにしてストッパ層5上の全面に貫通孔絶縁層7を積層する。そして、CMPなどの方法にて貫通孔絶縁層7を薄膜化することにより、ストッパ層5上の貫通孔絶縁層7を除去する。なお、貫通孔絶縁層7の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。
【0013】
次に、図1(d)に示すように、ストッパ層5のエッチングを行うことにより、N型半導体層4上からストッパ層5を除去する。なお、N型半導体層4上からストッパ層5を除去する時に、N型半導体層4の表面にダメージが及ぶのを防止するために、ウェットエッチングを用いることが好ましい。
【0014】
次に、図2(a)に示すように、画素間に配置された素子分離絶縁層8をN型半導体層4の表面側に埋め込んだ後、N型半導体層4上にゲート電極10を画素ごとに形成する。なお、例えば、素子分離絶縁層8の材料はシリコン酸化膜、ゲート電極10の材料は多結晶シリコン膜を用いることができる。
【0015】
そして、PまたはAsなどの不純物をN型半導体層4にイオン注入することにより、N型不純物導入層11をN型半導体層4の深い位置に形成する。また、Bなどの不純物をN型半導体層4にイオン注入することにより、P型不純物導入層12をN型半導体層4の浅い位置に形成する。N型不純物導入層11上にP型不純物導入層12が形成されることで、フォトダイオードが光電変換部として画素ごとに形成されている。
【0016】
なお、N型半導体層4上にゲート電極10を形成する前に、N型不純物導入層11およびP型不純物導入層12をN型半導体層4に形成するようにしてもよい。
【0017】
次に、図2(b)に示すように、熱酸化またはCVDにてN型半導体層4の表面に絶縁膜9を形成する。なお、絶縁膜9の膜厚は5〜6nm程度に設定することができる。なお、この時のイオン注入に使われる不純物としては、例えば、Si、Ge、C、BまたはInなどを用いることができる。また、N型半導体層4およびN型不純物導入層11の表層にイオン注入する前にシリコン酸化膜9を形成することにより、イオン注入を均一に行うことができる。
【0018】
次に、図2(c)に示すように、CVDなどの方法にてN型半導体層4上の全面に層間絶縁層14を積層する。そして、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、貫通孔絶縁層7を露出させる開口部15を絶縁膜9および層間絶縁層14に形成する。なお、例えば、層間絶縁層14の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。また、絶縁膜9と層間絶縁層14が同一材料の場合、絶縁膜9と層間絶縁層14とは一体的に形成することができる。
【0019】
次に、図2(d)に示すように、CVDなどの方法にて開口部15が埋め込まれるようにして層間絶縁層14上の全面に埋め込み電極16を形成する。そして、CMPなどの方法にて埋め込み電極16を薄膜化することにより、層間絶縁層14上の埋め込み電極16を除去する。なお、例えば、埋め込み電極16の材料はW、AlまたはCuなどを用いることができる。
【0020】
次に、図3(a)に示すように、CVDなどの方法にて層間絶縁層14上の全面に層間絶縁層17を積層するとともに、層間絶縁層17に埋め込まれた配線18、20、22および埋め込み電極19、21を形成する。なお、例えば、層間絶縁層14の材料はシリコン酸化膜、配線18、20、22の材料はAlまたはCu、埋め込み電極19、21の材料はW、AlまたはCuなどを用いることができる。
【0021】
次に、図3(b)に示すように、層間絶縁層17上に支持基板23を形成する。なお、支持基板23は層間絶縁層17に貼り付けることにより接合することができる。また、例えば、支持基板23の材料はSiなどの半導体基板を用いるようにしてもよいし、ガラス、セラミックまたは樹脂などの絶縁性基板を用いるようにしてもよい。
【0022】
次に、図3(c)に示すように、エッチングあるいは弗硝酸を用いた選択エッチングにて半導体基板1を薄膜化することにより、BOX層2の裏面から半導体基板1を除去する。なお、BOX層2は、半導体基板1を薄膜化する時のストップ層として用いることができる。
【0023】
次に、図3(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、埋め込み電極16を露出させる開口部24を貫通孔絶縁層7に形成する。この時、貫通孔6の側面に貫通孔絶縁層7を残すことができる。
【0024】
次に、図4(a)に示すように、メッキまたはCVDなどの方法にて開口部24が埋め込まれるようにしてBOX層2の裏面上に貫通電極25を形成する。そして、CMPなどの方法にて貫通電極25を薄膜化することにより、BOX層2の裏面上の貫通電極25を除去する。なお、例えば、貫通電極25の材料はW、AlまたはCuなどを用いることができる。その後、BOX層2のエッチングを行うことにより、N型半導体層4の裏面からBOX層2を除去し、N型半導体層4の裏面に光入射面Pを設ける。
【0025】
次に、図4(b)に示すように、CVDなどの方法にてN型半導体層4の裏面上に高濃度のBを含有するアモルファスSi層26を350℃から400℃の成膜温度で形成する。Bの濃度は、1.0×1019/cm3以上であることが望ましい。この層は、界面のSiのダングリングボンドをアモルファスSi、あるいは水素で終端するために、界面準位の低減が達成できる。さらに、金属汚染のゲッタリング層としても作用し、フォトダイオードのリーク電流を低減することができる。以上の方法では高濃度Bを含有するアモルファスSiを用いたが、アンドープ、あるいは、別の元素As、In、Sb、Ga、Al、P等を含有する方法で形成しても、界面準位低減、ゲッタリングに効果がある物質ならば制限されない。また、不純物を含まないアモルファスSi層26を形成しても界面準位の低減は達成できる。
【0026】
なお、図4(b)で形成したアモルファスSi層26は、この後の配線形成後であって後述する反射防止膜の形成前にシンター工程を実施するとポリシリコン化する。シンター工程は、還元性ガスの環境下でのアニールであり、例えば400℃で1時間ほど実施する。これにより界面準位およびコンタクト抵抗の低減、ダメージの修復がなされる。また、アモルファスSi層26の形成後、反射防止膜の形成前に、例えば400℃〜450℃、15分〜5時間程度ゲッタリングアニールを実施することでゲッタリング効果を得ることができる。ゲッタリングアニールはシンター工程と一緒に実施してもかまわない。
【0027】
次に、図4(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、貫通電極25を露出させる開口部27を形成するとともに、画素領域以外のアモルファスSi層26を除去する。
【0028】
次に、図4(d)に示すように、開口部27を介して貫通電極25に接続されたパッド電極28を形成する。その後、CVDなどの方法にてパッド電極28およびアモルファスSi層26上の全面に絶縁層29を成膜する。なお、例えば、絶縁層29の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。
【0029】
次に、図5(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、N型半導体層4の裏面の画素領域R1を露出させる開口部30を絶縁層29に形成する。
【0030】
次に、図5(b)に示すように、CVDまたはスパッタなどの方法にてN型半導体層4の裏面側に反射防止膜31、32を順次成膜する。なお、例えば、反射防止膜31、32の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。この時、反射防止膜31、32の屈折率を互いに異ならせることができる。
【0031】
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、パッド電極28を露出させる開口部33を反射防止膜31、32に形成する。
【0032】
最後に、図6に示すように、反射防止膜32上にカラーフィルタ34を画素ごとに形成した後、カラーフィルタ34上にオンチップレンズ35を画素ごとに形成する。なお、例えば、カラーフィルタ34およびオンチップレンズ35の材料は透明な有機化合物を用いることができる。この時、カラーフィルタ34は、例えば、赤、緑または青に着色することができる。
【0033】
一般的に界面準位を抑制させるために、熱酸化膜を形成する方法があるが、裏面照射型CMOSセンサーの製造においては、すでに金属配線が形成されており、熱酸化膜を形成する800℃から1100℃程度の熱処理では金属が溶融するため、熱酸化膜を表面に形成することはできない。しかし、上記説明したように、本実施形態においては、裏面研削したSi表面に高濃度Bを含有したアモルファスSi層を形成することにより界面準位を低減しフォトダイオードのリーク電流を低減することが可能となる。これにより歩留まり向上を達成することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、SOI基板を用いることにより裏面照射型CMOSイメージセンサーを形成する方法について説明したが、本実施形態においては、バルクエピ基板を用いて裏面照射型CMOSイメージセンサーを形成する。本実施形態にかかる半導体装置の製造方法を、各工程を示す断面図である図7〜図12を用いて説明する。
【0035】
図7(a)において、バルクエピ基板である半導体基板1にN型半導体層4をエピタキシャル(Epitaxial)成長させる。なお、半導体基板1の上にエピタキシャル成長させるのはP型半導体層でもかまわないが、以下では一例としてN型半導体層4が形成された場合で説明する。
【0036】
次に、図7(b)に示すように、CVDなどの方法にてN型半導体層4上の全面にストッパ層5を積層する。そして、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、ストッパ層5およびN型半導体層4に貫通孔6を形成する。なお、例えば、ストッパ層5の材料はシリコン窒化膜を用いることができる。
【0037】
次に、図7(c)に示すように、CVDなどの方法にて貫通孔6が埋め込まれるようにしてストッパ層5上の全面に貫通孔絶縁層7を積層する。そして、CMPなどの方法にて貫通孔絶縁層7を薄膜化することにより、ストッパ層5上の貫通孔絶縁層7を除去する。なお、貫通孔絶縁層7の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。
【0038】
次に、図7(d)に示すように、ストッパ層5のエッチングを行うことにより、N型半導体層4上からストッパ層5を除去する。なお、N型半導体層4上からストッパ層5を除去する時に、N型半導体層4の表面にダメージが及ぶのを防止するために、ウェットエッチングを用いることが好ましい。
【0039】
次に、図8(a)に示すように、画素間に配置された素子分離絶縁層8をN型半導体層4の表面側に埋め込んだ後、N型半導体層4上にゲート電極10を画素ごとに形成する。なお、例えば、素子分離絶縁層8の材料はシリコン酸化膜、ゲート電極10の材料は多結晶シリコン膜を用いることができる。
【0040】
そして、PまたはAsなどの不純物をN型半導体層4にイオン注入することにより、N型不純物導入層11をN型半導体層4の深い位置に形成する。また、Bなどの不純物をN型半導体層4にイオン注入することにより、P型不純物導入層12をN型半導体層4の浅い位置に形成する。N型不純物導入層11上にP型不純物導入層12が形成されることで、フォトダイオードが光電変換部として画素ごとに形成されている。
【0041】
なお、N型半導体層4上にゲート電極10を形成する前に、N型不純物導入層11およびP型不純物導入層12をN型半導体層4に形成するようにしてもよい。
【0042】
次に、図8(b)に示すように、熱酸化またはCVDにてN型半導体層4の表面に絶縁膜9を形成する。なお、絶縁膜9の膜厚は5〜6nm程度に設定することができる。なお、この時のイオン注入に使われる不純物としては、例えば、Si、Ge、C、BまたはInなどを用いることができる。また、N型半導体層4およびN型不純物導入層11の表層にイオン注入する前にシリコン酸化膜9を形成することにより、イオン注入を均一に行うことができる。
【0043】
次に、図8(c)に示すように、CVDなどの方法にてN型半導体層4上の全面に層間絶縁層14を積層する。そして、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、貫通孔絶縁層7を露出させる開口部15を絶縁膜9および層間絶縁層14に形成する。なお、例えば、層間絶縁層14の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。また、絶縁膜9と層間絶縁層14が同一材料の場合、絶縁膜9と層間絶縁層14とは一体的に形成することができる。
【0044】
次に、図8(d)に示すように、CVDなどの方法にて開口部15が埋め込まれるようにして層間絶縁層14上の全面に埋め込み電極16を形成する。そして、CMPなどの方法にて埋め込み電極16を薄膜化することにより、層間絶縁層14上の埋め込み電極16を除去する。なお、例えば、埋め込み電極16の材料はW、AlまたはCuなどを用いることができる。
【0045】
次に、図9(a)に示すように、CVDなどの方法にて層間絶縁層14上の全面に層間絶縁層17を積層するとともに、層間絶縁層17に埋め込まれた配線18、20、22および埋め込み電極19、21を形成する。なお、例えば、層間絶縁層14の材料はシリコン酸化膜、配線18、20、22の材料はAlまたはCu、埋め込み電極19、21の材料はW、AlまたはCuなどを用いることができる。
【0046】
次に、図9(b)に示すように、層間絶縁層17上に支持基板23を形成する。なお、支持基板23は層間絶縁層17に貼り付けることにより接合することができる。また、例えば、支持基板23の材料はSiなどの半導体基板を用いるようにしてもよいし、ガラス、セラミックまたは樹脂などの絶縁性基板を用いるようにしてもよい。
【0047】
次に、図9(c)に示すように、エッチングあるいは弗硝酸を用いた選択エッチングにて半導体基板1を薄膜化することにより、半導体基板1を除去する。なお、ストッパ層がないので、半導体基板1の薄膜化は膜厚制御により所望の膜厚になるように除去する。これによりN型半導体層4の裏面に光入射面Pを設ける。
【0048】
次に、図9(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、埋め込み電極16を露出させる開口部24を貫通孔絶縁層7に形成する。この時、貫通孔6の側面に貫通孔絶縁層7を残すことができる。
【0049】
次に、図10(a)に示すように、メッキまたはCVDなどの方法にて開口部24が埋め込まれるようにして裏面上に貫通電極25を形成する。なお、例えば、貫通電極25の材料はW、AlまたはCuなどを用いることができる。
【0050】
次に、図10(b)に示すように、CVDなどの方法にてN型半導体層4の裏面上に高濃度のBを含有するアモルファスSi層26を350℃から400℃の成膜温度で形成する。Bの濃度は、1.0×1019/cm3以上であることが望ましい。この層は、界面のSiのダングリングボンドをアモルファスSi、あるいは水素で終端するために、界面準位の低減が達成できる。さらに、金属汚染のゲッタリング層としても作用し、フォトダイオードのリーク電流を低減することができる。以上の方法では高濃度Bを含有するアモルファスSiを用いたが、アンドープ、あるいは、別の元素As、In、Sb、Ga、Al、P等を含有する方法で形成しても、界面準位低減、ゲッタリングに効果がある物質ならば制限されない。また、不純物を含まないアモルファスSi層26を形成しても界面準位の低減は達成できる。
【0051】
なお、図10(b)で形成したアモルファスSi層26は、この後の配線形成後であって後述する反射防止膜の形成前にシンター工程を実施するとポリシリコン化する。シンター工程は、還元性ガスの環境下でのアニールであり、例えば400℃で1時間ほど実施する。これにより界面準位およびコンタクト抵抗の低減、ダメージの修復がなされる。また、アモルファスSi層26の形成後、反射防止膜の形成前に、例えば400℃〜450℃、15分〜5時間程度ゲッタリングアニールを実施することでゲッタリング効果を得ることができる。ゲッタリングアニールはシンター工程と一緒に実施してもかまわない。
【0052】
次に、図10(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、貫通電極25を露出させる開口部27を形成するとともに、画素領域以外のアモルファスSi層26を除去する。
【0053】
次に、図10(d)に示すように、開口部27を介して貫通電極25に接続されたパッド電極28を形成する。その後、CVDなどの方法にてパッド電極28およびアモルファスSi層26上の全面に絶縁層29を成膜する。なお、例えば、絶縁層29の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。
【0054】
次に、図11(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、N型半導体層4の裏面の画素領域R1を露出させる開口部30を絶縁層29に形成する。
【0055】
次に、図11(b)に示すように、CVDまたはスパッタなどの方法にてN型半導体層4の裏面側に反射防止膜31、32を順次成膜する。なお、例えば、反射防止膜31、32の材料はシリコン酸化膜を用いることができる。この時、反射防止膜31、32の屈折率を互いに異ならせることができる。
【0056】
次に、図11(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いることにより、パッド電極28を露出させる開口部33を反射防止膜31、32に形成する。
【0057】
最後に、図12に示すように、反射防止膜32上にカラーフィルタ34を画素ごとに形成した後、カラーフィルタ34上にオンチップレンズ35を画素ごとに形成する。なお、例えば、カラーフィルタ34およびオンチップレンズ35の材料は透明な有機化合物を用いることができる。この時、カラーフィルタ34は、例えば、赤、緑または青に着色することができる。
【0058】
上記説明したように本実施形態においては、裏面照射型CMOSイメージセンサーの製造方法において、裏面研削したSi表面に、不安定な電荷をもつ絶縁膜ではなく高濃度B等を含有したアモルファスSi層を形成する。これにより、Si表面の界面準位の低減、及び、金属不純物のゲッタリング効果が得られるので、フォトダイオードのリーク電流(暗電流)、特に高温時のリーク電流を低減することが可能となる。従って、製造歩留まり向上を達成することができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 半導体基板、2 BOX層、3 薄い半導体層、4 N型半導体層、5 ストッパ層、11 N型不純物導入層、12 P型不純物導入層、18、20、22 配線、19、21 埋め込み電極、23 支持基板、26 アモルファスSi層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上にエピタキシャル半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、
前記エピタキシャル半導体層に光電変換部を形成する工程と、
前記光電変換部の形成後に、前記エピタキシャル半導体層の上に配線層を形成する工程と、
前記配線層の上に支持基盤を接合する工程と、
前記接合の後に、前記半導体基板を前記接合とは反対面側からエッチングする工程と、
前記エッチングする工程の後に、前記エピタキシャル半導体層の前記反対面側にアモルファスSi層を形成する工程と、
前記アモルファスSi層の上に、反射防止膜、カラーフィルタを順に形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体基板はSOI基板である
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記アモルファスSi層を形成後、前記反射防止膜の形成前に、
シンター工程を
さらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記アモルファスSi層を形成後、前記反射防止膜の形成前に、
ゲッタリングアニールを行う
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記エピタキシャル半導体層は導電型がN型またはP型である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−204690(P2012−204690A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68931(P2011−68931)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】