説明

半導体装置

【課題】本発明は、安価な半導体装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の半導体装置は、相変化メモリと、電磁波を交流の電気信号に変換するアンテナと、アンテナから供給される交流の電気信号を基に電源電位を生成し、生成した電源電位を相変化メモリに供給する電源回路を有する。相変化メモリは、第1の方向に延在するビット線、第1の方向と垂直な第2の方向に延在するワード線及びビット線とワード線の間に設けられた相変化層を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの送受信が可能な半導体装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁波を利用して、非接触でデータを送受信する半導体装置の開発が進められており、これらの半導体装置は、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグ、トランスポンダ等と呼ばれる(例えば、特許文献1参照)。現在実用化されている半導体装置は、半導体基板を用いた回路(IC(Integrated Circuit)チップとも呼ばれる)とアンテナとを有するものが殆どであり、当該ICチップにはメモリや制御回路が作り込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−282050号公報 (第11−14頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触でデータの送受信が可能な半導体装置は、鉄道乗車カードや電子マネーカードなどの一部では普及しているが、さらなる普及のためには、安価な半導体装置を提供することが急務の課題であった。上記の実情を鑑み、本発明は、単純な構造のメモリを含む半導体装置を提供して、安価な半導体装置及びその駆動方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の半導体装置は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを有する相変化メモリと、相変化メモリを制御する制御回路と、アンテナとを有し、メモリセルアレイは第1の向に延在するビット線と第1の方向と垂直な第2の方向に延在するワード線とを複数有し、複数のメモリセルの各々はビット線とワード線の間に設けられた相変化層を有することを特徴とする。上記構成を有する半導体装置において、ビット線を構成する導電層と、ワード線を構成する導電層の一方又は両方は透光性を有することを特徴とする。
【0006】
相変化層は結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料を有し、例えば、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)、酸化テルル(TeOx)、スズ(Sn)、金(Au)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、コバルト(Co)及び銀(Ag)から選択された複数を有する材料であることを特徴とする。
【0007】
また、相変化層は第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料を有し、例えば、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びテルル(Te)から選択された複数を有する材料であることを特徴とする。
【0008】
また、相変化層は非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料を有し、例えば、テルル(Te)、酸化テルル(TeOx)、パラジウム(Pd)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びビスマス(Bi)から選択された複数を有する材料であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の半導体装置は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及びフラッシュメモリから選択された1つ又は複数を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の半導体装置は、電源回路、クロック発生回路、データ復調/変調回路及びインターフェイス回路から選択された1つ又は複数を有することを特徴とする半導体装置。
【0011】
また、上記構成を有する半導体装置において、相変化メモリと制御回路はガラス基板上に設けられることを特徴とする。また、相変化メモリと制御回路は可撓性基板上に設けられることを特徴とする。また、制御回路は薄膜トランジスタを含むことを特徴とする。
【0012】
上記構成を有する半導体装置の駆動方法は、ビット線とワード線の間に電圧を印加することにより相変化層の相を変化させてデータの書き込みを行い、ビット線とワード線の間に電圧を印加することにより、相変化層の相の状態を読み取ることでデータの読み出しを行うことを特徴とする。
【0013】
また、第1の導電層又は第2の導電層を介して光を照射することにより相変化層の相を変化させてデータの書き込みを行い、ビット線とワード線の間に電圧を印加することにより、相変化層の相の状態を読み取ることでデータの読み出しを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記構成を有する本発明は、単純な構造である相変化メモリを含む半導体装置を提供することで、安価な半導体装置及びその駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の半導体装置及びその駆動方法を説明する図。
【図2】本発明の半導体装置及びその駆動方法を説明する図。
【図3】本発明の半導体装置を説明する図。
【図4】本発明の半導体装置の作製工程の一例を説明する図。
【図5】本発明の半導体装置を説明する図。
【図6】本発明の半導体装置を説明する図。
【図7】本発明の半導体装置の使用形態を説明する図。
【図8】本発明の半導体装置の使用形態を説明する図。
【図9】本発明の半導体装置及びその駆動方法を説明する図。
【図10】本発明の半導体装置を説明する図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
【0017】
本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調/変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、メモリ16、データバス17、アンテナ(アンテナコイル)18を有する(図1(A)参照)。電源回路11は、アンテナ18から入力された交流の電気信号を基に、半導体装置の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路12は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置内の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調/変調回路(復調回路と変調回路を含む回路)13は、リーダライタ19と交信するデータを復調/変調する機能を有する。制御回路14は、相変化メモリ16を制御する機能を有する。アンテナ18は、電磁波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ19は、半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、半導体装置は上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
【0018】
アンテナ18は、電磁波を交流の電気信号に変換する。また、アンテナ18は、データ復調/変調回路13により、負荷変調が加えられる。
【0019】
メモリ16は相変化メモリを含むことを特徴とする。メモリ16は相変化メモリのみを含んでいてもよいし、他の構成のメモリを含んでいてもよい。相変化メモリは、記録用薄膜の相変化を利用したものであり、当該記録用薄膜の相変化は、光(光学的作用)又は電気的作用を加えて生じるものである。
【0020】
なお相変化メモリ以外に設けられる他の構成のメモリとは、例えば、DRAM、SRAM、FeRAM、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリから選択される1つ又は複数である。
【0021】
次に、相変化メモリの構成について説明する(図1(B)参照)。相変化メモリは、メモリセル21がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ22、デコーダ23、24、セレクタ25、読み出し/書き込み回路26を有する。
【0022】
メモリセル21は、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第1の導電層と、ワード線Wy(1≦y≦n)を構成する第2の導電層と、相変化層とを有する。相変化層は、第1の導電層と第2の導電層の間に設けられる。図1(B)において、第1の導電層と第2の導電層と相変化層との積層体は、抵抗素子を表現する回路記号で示す。
【0023】
次に、メモリセルアレイ22を実際に作成したときの上面構造と断面構造について説明する(図2(A)(B)参照)。メモリセルアレイ22は、絶縁表面を有する基板30上に、第1の方向に延在する第1の導電層27と、第1の方向と垂直な第2の方向に延在する第2の導電層28と、相変化層29とを有する。第1の導電層27と第2の導電層28は、ストライプ状に、互いに交差するように形成される。隣接する相変化層29の間には、絶縁層33が設けられる。また、第2の導電層28に接するように、保護層として機能する絶縁層34が設けられる。
【0024】
基板30は、ガラス基板や可撓性基板の他、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板等を用いる。可撓性基板とは、フレキシブルな折り曲げることができる基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等からなるプラスチック基板等が挙げられる。第1の導電層27と第2の導電層28は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の公知の導電性材料を用いて形成する。
【0025】
なお光によりデータの書き込みを行う場合、第1の導電層27と第2の導電層28のうち、一方又は両方は透光性を有する。透光性を有する導電層は、インジウム錫酸化物(ITO)等の透明な導電性材料を用いて形成するか、又は、透明な導電性材料でなくても、光を透過する厚さで形成する。
【0026】
相変化層29は、結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料を有する。又は、相変化層29は第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料を有する。又は、相変化層29は非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料を有する。可逆的な材料を用いる場合、データの読み出しとデータの書き込みを行うことができる。一方、不可逆的な材料を用いる場合は、データの読み出ししか行うことができない。このように、材料の種類によっては、相変化メモリは、読み出し専用メモリ又は読み出し/書き込みメモリになりうるため、半導体装置の用途に従って、相変化層29に用いる材料を適宜選択する。
【0027】
結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料とは、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)、酸化テルル(TeOx)、スズ(Sn)、金(Au)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、Co(コバルト)及び銀(Ag)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ge−Te−Sb−S、Te−TeO−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge−Te−Sn、Sn−Se−Te、Sb−Se−Te、Sb−Se、Ga−Se−Te、Ga−Se−Te−Ge、In−Se、In−Se−Tl−Co、Ge−Sb−Te、In−Se−Te、Ag−In−Sb−Te系材料が挙げられる。
【0028】
なお、上記の材料の記載において、例えば、Ge−Te−Sb−Sは、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)の4つを含む材料という意味であり、これらの4つの組成比には特に制約がない材料という意味である。また、Ge−Te−Sb−Sは、Ge−Te−Sb−S系材料又はゲルマニウム−テルル−アンチモン−硫黄系材料と表記されることもある。
【0029】
第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料とは、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びテルル(Te)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ag−Zn、Cu−Al−Ni、In−Sb、In−Sb−Se、In−Sb−Teが挙げられる。この材料の場合、相変化は2つの異なる結晶状態の間で行われる。
【0030】
非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料とは、テルル(Te)、酸化テルル(TeOx)、パラジウム(Pd)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びビスマス(Bi)から選択された複数を有する材料、より具体的には、テルル(Te)、酸化テルル(TeOx)、パラジウム(Pd)、アンチモンとセレンを含む材料(SbxSey)及びビスマスとテルルを含む材料(BixTey)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Te−TeO、Te−TeO−Pd、SbSe/BiTeが挙げられる。
【0031】
なお、上記の材料の記載において、SbSe/BiTeは、SbSeを含む層とBiTeを含む層が積層されているという意味である。
【0032】
また、上記構成とは異なる構成として、第1の導電層27と相変化層29の間に、整流性を有する素子を設けてもよい(図2(D)参照)。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。ここでは、半導体層44、45を含むPN接合ダイオードを設けた場合を示す。半導体層44、45のうち、一方はN型半導体であり、他方はP型半導体である。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。なお、ダイオードを設ける場合、PN接合を有するダイオードではなく、PIN接合を有するダイオードやアバランツェダイオード等の、他の構成のダイオードを用いてもよい。
【0033】
上記の通り、相変化メモリは、一対の導電層間に相変化層を有する単純な構成を有するため、作成工程が単純であり、安価な半導体装置の提供を可能とする。また、相変化メモリは、不揮発性メモリであるため、データを保持するための電池を内蔵する必要がなく、小型、薄型、軽量の半導体装置の提供を実現する。また、相変化層29として不可逆的な材料を用いれば、データの書き換えを行うことはできない。そうすると、偽造を防止し、セキュリティを確保した半導体装置を提供することができる。
【0034】
次に、相変化メモリにデータの書き込みを行う際の動作について説明する。データの書き込みは、光又は電気的作用により行うが、まず、電気的作用によりデータの書き込みを行う場合について説明する(図1(B)参照)。この場合、デコーダ23、24、セレクタ25により、1つのメモリセル21を選択し、その後、読み出し/書き込み回路26を用いて、当該メモリセル21にデータを書き込む。具体的には、第1の導電層27と第2の導電層28の間に電圧を印加して、相変化層29の相を変えることにより、データの書き込みを行う。
【0035】
次に、光によりデータの書き込みを行う場合について説明する(図2(B)(C)参照)。この場合、透光性を有する導電層側(ここでは第2の導電層28とする)から、相変化層29に、レーザ光照射手段32により、レーザ光を照射することにより行う。相変化層29は、レーザ光の照射により、その構造に結晶学的な相変化が起こる。このように、レーザ光の照射により、相変化層29の相が変わることを活用して、データの書き込みを行う。
【0036】
例えば、「1」のデータを書き込む際は、相変化層29にレーザ光を照射して、結晶化温度以上に加熱した後、徐冷することにより、相変化層29を結晶状態にする。一方、「0」のデータを書き込む際は、相変化層29にレーザ光を照射して、融点以上に加熱昇温して溶融した後に急冷することにより、相変化層29を非晶質状態にする。
【0037】
相変化層29の相の変化は、メモリセル21の大きさによるが、μmオーダの径に絞ったレーザ光の照射により実現する。例えば、径が1μmのレーザビームが10m/secの速度で通過するとき、1つのメモリセル21が含む相変化層にレーザ光が照射される時間は100nsecとなる。100nsecという短い時間内で相を変化させるためには、レーザパワーは10mW、パワー密度は10kW/mmとするとよい。
【0038】
なお、相変化層29に対するレーザ光の照射は、全てのメモリセル21に対して行ってもよいし、選択的に行ってもよい。例えば、形成したばかりの相変化層29が非晶質状態の場合、非晶質状態のままにするときはレーザ光を照射せず、結晶状態に変化させるときはレーザ光を照射するとよい(図2(C)参照)。つまり、レーザ光を選択的に照射することで、データの書き込みを行ってもよい。このように、レーザ光を選択的に照射する場合は、パルス発振のレーザ照射装置を用いて行うとよい。
【0039】
上記の通り、レーザ光の照射によりデータの書き込みを行う本発明の構成は、半導体装置を簡単に大量に作成することができる。従って、安価な半導体装置を提供することができる。
【0040】
続いて、相変化メモリにデータの読み出しを行う際の動作について説明する(図1(B)、図9参照)。ここでは、読み出し/書き込み回路26は、抵抗素子46とセンスアンプ47を含む構成とする。但し、読み出し/書き込み回路26の構成は上記構成に制約されず、どのような構成を有していてもよい。
【0041】
データの読み出しは、第1の導電層27と第2の導電層28の間に電圧を印加して、相変化層29の相の状態を読み取ることにより行う。具体的には、相変化層29の相が非晶質態のときの抵抗値Raと、相変化層29の相が結晶状態のときの抵抗値RbはRa>Rbを満たす。このような抵抗値の相違を電気的に読み取ることにより、データの読み出しを行う。例えば、メモリセルアレイ22が含む複数のメモリセル21から、x列目y行目に配置されたメモリセル21のデータの読み出しを行う場合、まず、デコーダ23、24、セレクタ25により、x列目のビット線Bxと、y行目のワード線Wyを選択する。
【0042】
そうすると、メモリセル21が含む相変化層と、抵抗素子46とは、直列に接続された状態となる。このように、直列に接続された2つの抵抗素子の両端に電圧が印加されると、ノードαの電位は、相変化層29の抵抗値Ra又はRbに従って、抵抗分割された電位となる。そして、ノードαの電位は、センスアンプ47に供給され、当該センスアンプ47において、「0」又は「1」のどちらの情報を有しているかを判別される。その後、センスアンプ47において判別された「0」と「1」の情報を含む信号が外部に供給される。
【0043】
上記の方法によると、相変化層29の相の状態は、抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。しかしながら、電流値を比較する方法でもよい。これは、相変化層29の相が非晶質状態のときの電流値Iaと、相変化層29の相が結晶状態のときの電流値Ibとは、Ia>Ibを満たすことを利用するものである。
【実施例1】
【0044】
本発明の半導体装置20が含む相変化メモリに対するデータの書き込みは、光又は電気的作用により行う。光によりデータの書き込みを行う場合、可撓性基板31上に半導体装置20を複数形成し、続いて、レーザ光照射手段32により、レーザ光を照射すれば、データの書き込みを連続的に簡単に行うことができる。また、このような作製プロセスを採用すれば、半導体装置20を大量に簡単に作成することができる(図3(A)参照)。従って、安価な半導体装置20を提供することができる。
【0045】
また、相変化メモリの相変化層は、融点以上に加熱昇温して溶融すると第1の状態(例えば非晶質状態)が得られ、結晶化温度以上に加熱すると第2の状態(例えば結晶状態)が得られる。つまり、データの書き込みは、加熱温度を使い分ければ、加熱処理により行うこともできる。従って、加熱温度の使い分けを利用した作製プロセスを用いてもよい。例えば、半導体装置を複数形成した可撓性基板31をロール51にする(図3(B)参照)。そして、加熱手段52により、加熱処理の際の加熱温度を使い分けることにより、データの書き込みを行ってもよい。加熱手段52は、制御手段53により制御する。
【実施例2】
【0046】
本発明の半導体装置は、非接触でのデータの読み出しと書き込みが可能であることを特徴としており、データの伝送形式は、一対のコイルを対向配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。データの伝送に用いるアンテナ18は2通りの設け方があり、1つは複数の素子が設けられた基板36上にアンテナ18を設ける場合(図4(A)(C)参照)、もう1つは複数の素子が設けられた基板36上に端子部37を設けて、当該端子部37に接続するようにアンテナ18を設ける場合(図4(B)(D)参照)である。ここでは、基板36上に設けられた複数の素子を素子群35と呼ぶ。
【0047】
前者の構成(図4(A)(C))の場合、基板36上に、素子群35と、アンテナ18として機能する導電層とを設ける。図示する構成では、第2の導電層28と同じレイヤーに、アンテナ18として機能する導電層を設けている。しかしながら、本発明は上記構成に制約されず第1の導電層27と同じレイヤーにアンテナ18を設けてもよいし、素子群35を覆うように絶縁膜を設けて、当該絶縁膜上にアンテナ18を設けてもよい。
【0048】
後者の構成(図4(B)(D))の場合、基板36上に、素子群35と、端子部37を設ける。図示する構成では、第2の導電層28と同じレイヤーに設けた導電層を端子部37として用いている。そして、端子部37に接続するように、アンテナ18が設けられた基板38を貼り合わせている。基板36と基板38の間には、導電性粒子39と樹脂40が設けられている。
【0049】
なお、導電性粒子39と樹脂40を含む材料は、異方性導電材料とよばれる。
【0050】
素子群35は、大きな面積の基板上に複数形成し、その後、分断することで完成させれば、安価なものを提供することができる。このときに用いる基板としては、ガラス基板、フレキシブル基板等が挙げられる。
【0051】
素子群35が含む複数のトランジスタは、複数の層に渡って設けられていてもよい。つまり、多層に形成していてもよい。複数の層に渡る素子群35を形成する際には、層間絶縁膜を用いるが、当該層間絶縁膜の材料として、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の樹脂材料、透過性を有するポリイミド樹脂等の樹脂材料、シロキサン系ポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む材料、無機材料を用いるとよい。
【0052】
シロキサン系の化合物材料とは、珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され置換基に少なくとも水素を含む材料、又は、置換基にフッ素、アルキル基、又は芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料が挙げられる。
【0053】
層間絶縁膜の材料として、層間で発生する寄生容量の減少を目的として、低誘電率材料を用いるとよい。寄生容量が減少すれば、高速の動作を実現し、また、低消費電力化を実現する。
【0054】
素子群35が含む複数のトランジスタは、非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体、有機半導体等のいずれの半導体を活性層として用いてもよいが、良好な特性のトランジスタを得るために、金属元素を触媒として結晶化した活性層、レーザ照射法により結晶化した活性層を用いるとよい。また、プラズマCVD法により、SiH/Fガス、又は、SiH/Hガス(Arガス)を用いて形成した半導体層や、前記半導体層にレーザ照射を行ったものを活性層として用いるとよい。
【0055】
また、素子群35が含む複数のトランジスタは、200度から600度の温度(好適には350度から500度)で結晶化した結晶質半導体層(低温ポリシリコン層)や、600度以上の温度で結晶化した結晶質半導体層(高温ポリシリコン層)を用いることができる。なお、基板上に高温ポリシリコン層を作成する場合は、ガラス基板では熱に脆弱な場合があるので、石英基板を使用するとよい。
【0056】
素子群35が含むトランジスタの活性層(特にチャネル形成領域)には、1×1019atoms/cm〜1×1022atoms/cmの濃度、好適には1×1019atoms/cm〜5×1020atoms/cmの濃度で、水素又はハロゲン元素を添加するとよい。そうすると、欠陥が少なく、クラックが生じにくい活性層を得ることができる。
【0057】
また、素子群35が含むトランジスタを包むように、又は素子群35自身を包むように、アルカリ金属等の汚染物質をブロックするバリア膜を設けるとよい。そうすると、汚染されることがなく、信頼性が向上した素子群35を提供することができる。なおバリア膜としては、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜又は酸化窒化珪素膜等が挙げられる。
【0058】
また、素子群35が含むトランジスタの活性層の厚さは、20nm〜200nm、好ましくは40nm〜170nm、さらに好ましくは45nm〜55nm、145nm〜155nm、さらに好ましくは50nm、150nmとするとよい。そうすると、折り曲げても、クラックが生じにくい素子群35を提供することができる。
【0059】
また、素子群35が含むトランジスタの活性層を構成する結晶は、キャリアの流れる方向(チャネル長方向)と平行に延びる結晶粒界を有するように形成するとよい。このような活性層は、連続発振レーザ(CWLCと略記することができる)や、10MHz以上、好ましくは60〜100MHzで動作するパルスレーザで形成するとよい。
【0060】
また、素子群35が含むトランジスタのS値(サブスレッシュホールド値)は0.35V/decade以下(好ましくは0.09〜0.25V/decade)、移動度10cm/Vs以上の特性を有するとよい。このような特性は、活性層を、連続発振レーザや、10MHz以上で動作するパルスレーザで形成すれば、実現する。
【0061】
また、素子群35は、リングオシレータで1MHz以上、好適には10MHz以上(3〜5Vにて)の特性を有する。又は、ゲートあたりの周波数特性を100kHz以上、好適には1MHz以上(3〜5Vにて)を有する。
【0062】
つまり、素子群35は、リングオシレータのゲート1段あたりの遅延時間を1μsec以下、好適には100nsec以下(3〜5Vにて)の特性を有する。
【0063】
アンテナ18は、金、銀、銅などのナノ粒子を含む導電性ペーストにより、液滴吐出法を用いて形成するとよい。液滴吐出法は、インクジェット法やディスペンサ方式等の液滴を吐出してパターンを形成する方式の総称であり、材料の利用効率を向上することができるといった、様々な利点を有する。
【0064】
また、素子群35が設けられた基板42をそのまま使用してもよいが、付加価値をつけるために、基板42上の素子群35を剥離し(図5(A)参照)、当該素子群35をフレキシブル基板43に貼り合わせてもよい(図5(B)参照)。
【0065】
基板42からの素子群35の剥離は、(1)耐熱性の高い基板42と素子群35の間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該素子群35を剥離する方法、(2)耐熱性の高い基板42と素子群35の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該素子群35を剥離する方法、(3)素子群35が形成された耐熱性の高い基板42を機械的に削除又は溶液やClF3等のガスによるエッチングで除去することで、当該素子群35を切り離す方法等を用いればよい。また、剥離した素子群35のフレキシブル基板43への貼り付けは、市販の接着剤を用いればよく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤や樹脂添加剤を用いた接着材等を用いればよい。
【0066】
また、基板42からの素子群35の剥離は、予め、基板42と素子群35の間に剥離層を設けておいて、剥離層をエッチング剤により除去することで行う方法、又は、剥離層をエッチング剤により部分的に除去し、その後、基板42と素子群35とを物理的に剥離する方法を用いればよい。なお、物理的に剥離するとは、外部からストレスが与えられて剥離することを指し、外部からのストレスとは、ノズルから吹き付けられる風圧や超音波に相当する。
【0067】
上記のように、素子群35をフレキシブル基板43に貼り合わせると、厚さが薄く、軽く、落下しても割れにくい半導体装置を提供することができる。また、フレキシブル基板43は可撓性を有するため、曲面や異形の形状上に貼り合わせることが可能となり、多種多様の用途が実現する。例えば、薬の瓶のような曲面上に、本発明の半導体装置20の一形態である無線タグを密着して貼り合わせることができる(図5(C)(D)参照)。さらに、基板42を再利用すれば、安価な半導体装置の提供を実現する。本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例3】
【0068】
本実施例は、剥離プロセスを用いて、フレキシブルな無線タグを構成する場合について説明する(図6(A)参照)。無線タグは、フレキシブルな保護層2301と、アンテナ2304を含むフレキシブルな保護層2303と、剥離プロセスにより形成する素子群2302とを有する。保護層2303上に形成されたアンテナ2304は、素子群2302に電気的に接続する。図示する構成では、アンテナ2304は保護層2303上にのみ形成されているが、本発明はこの構成に制約されず、アンテナ2304を保護層2301上にも形成してもよい。なお、素子群2302と、保護層2301、2303との間には、窒珪素膜等からなるバリア膜を形成するとよい。そうすると、素子群2302が汚染されることなく、信頼性を向上させた無線タグを提供することができる。
【0069】
アンテナ2304は、銀、銅、またはそれらでメッキされた金属であることが望ましい。素子群2302とアンテナ2304とは、異方性導電膜を用いてUV処理又は超音波処理を行うことで接続するが、本発明はこの方法に制約されず、様々な方法を用いることができる。
【0070】
保護層2301、2303に挟まれた素子群2302の厚さは、5μm以下、好ましくは0.1μm〜3μmの厚さを有するように形成するとよい(断面構造を示す図6(B)参照)。また、保護層2301、2303を重ねたときの厚さをdとしたとき、保護層2301、2303の厚さは、好ましくは(d/2)±30μm、さらに好ましくは(d/2)±10μmとする。また、保護層2301、2303の厚さは10μm〜200μmであることが望ましい。さらに、素子群2302の面積は5mm角(25mm)以下であり、望ましくは0.3mm角〜4mm角(0.09mm〜16mm)の面積を有するとよい。
【0071】
保護層2301、2303は、有機樹脂材料で形成されているため、折り曲げに対して強い特性を有する。また、剥離プロセスにより形成した素子群2302自体も、単結晶半導体に比べて、折り曲げに対して強い特性を有する。そして、素子群2302と、保護層2301、2303とは空隙がないように、密着させることができるため、完成した無線タグ自体も折り曲げに対して強い特性を有する。このような保護層2301、2303で囲われた素子群2302は、他の個体物の表面または内部に配置しても良いし、紙の中に埋め込んでも良い。
【0072】
剥離プロセスにより形成する素子群を、曲面を有する基板に貼る場合について説明する(図6(C)参照)。図面では、剥離プロセスにより形成する素子群から選択された1つのトランジスタを図示する。このトランジスタは、電流が流れる方向に直線状である。言い換えると、このトランジスタは、電流が流れる方向と、基板が弧を描く方向が垂直になるように配置される。つまり、ドレイン電極2305〜ゲート電極2307〜ソース電極2306の位置は直線状である。そして、電流が流れる方向と、基板が弧を描く方向は垂直に配置される。このような配置にすれば、基板が折り曲げられて、弧を描いても、応力の影響が少なく、素子群が含むトランジスタの特性の変動を抑制することができる。
【0073】
また、応力を起因とした、トランジスタなどのアクティブ素子の破壊を防止するために、アクティブ素子の活性領域(シリコンアイランド部分)の面積は、基板全体の面積に対して、5%〜50%(好ましくは5〜30%)にすることが望ましい。TFTなどのアクティブ素子の存在しない領域には、下地絶縁膜材料、層間絶縁膜材料及び配線材料が主として設けられる。トランジスタ等の活性領域以外の面積は、基板全体の面積の60%以上であることが望ましい。このようにすると、曲げやすく、しかしながら高い集積度を有する半導体装置を提供することができる。本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例4】
【0074】
本発明の半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、本発明の半導体装置20の一形態である無線タグは、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。
【0075】
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図7(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図7(B)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図7(C)参照)。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図7(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指す(図7(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図7(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図7(G)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図7(H)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機、薄型テレビジョン装置)、携帯電話等を指す。
【0076】
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に無線タグを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等に無線タグを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等に無線タグを設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。無線タグの設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりし設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。
【0077】
このように、物の管理や流通のシステムに応用することで、システムの高機能化を図ることができる。例えば、表示部94を含む携帯端末の側面にリーダライタ95を設けて、品物97の側面に本発明の半導体装置の一形態である無線タグ96を設ける場合が挙げられる(図8(A)参照)。この場合、リーダライタ95に無線タグ96をかざすと、表示部94に品物97の原材料や原産地、流通過程の履歴等の情報が表示されるシステムになっている。従来であれば、品物97の情報は、ラベルに記載された情報に限られてしまうが、無線タグ96を設けることにより、より多くの情報を得ることができる。また、別の例として、ベルトコンベアの脇にリーダライタ95を設ける場合が挙げられる(図8(B)参照)。この場合、品物97の検品を簡単に行うことができる。本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例5】
【0078】
本発明の半導体装置の断面構造について、図10を参照して説明する。本発明の半導体装置は、基板101上に設けられた素子群102、相変化メモリ104及びアンテナとして機能する導電層105を有する。このように、トランジスタ等を含む素子群102、相変化メモリ104及びアンテナとして機能する導電層105を、絶縁表面を有する基板101上に一体形成された半導体装置は、小型化、薄型化、軽量化を実現することができる。
【0079】
素子群102は、トランジスタ、容量素子及び抵抗素子等の素子を複数含んでおり、電源回路やクロック発生回路等の回路を構成する。相変化メモリ104は、導電層111、相変化層112及び導電層113の積層体を複数有する。このような、導電層111、相変化層112及び導電層113の積層体を記憶素子114と呼ぶことがある。
【0080】
なお、図10(A)(B)では、素子群102として複数のトランジスタを図示している。また、図10(A)では、素子群102が含むCMOS回路103を図示しており、このCMOS回路103は相変化メモリ104の動作を制御する。また、図10(B)では、素子群102が含むトランジスタ106、107を図示しており、トランジスタ106、107の各々は、記憶素子114の動作を制御する。
【符号の説明】
【0081】
11 電源回路
12 クロック発生回路
13 データ復調/変調回路
14 制御回路
15 インターフェイス回路
16 メモリ
17 データバス
18 アンテナ
19 リーダライタ
20 半導体装置
21 メモリセル
22 メモリセルアレイ
23 デコーダ
24 デコーダ
25 セレクタ
26 読み出し/書き込み回路
27 第1の導電層
28 第2の導電層
29 相変化層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の基板上に、
相変化メモリと、
電磁波を交流の電気信号に変換するアンテナと、
前記アンテナから供給される交流の電気信号を基に電源電位を生成し、生成した前記電源電位を前記相変化メモリに供給する電源回路と、を有する半導体装置であって、
前記相変化メモリは、第1の方向に延在するビット線として機能する第1の導電層、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在するワード線として機能する第2の導電層及び前記第1の導電層と前記第2の導電層の間に設けられた相変化層を有し、
前記相変化層下の前記第1の導電層または前記第2の導電層の一方は透光性であり、
前記相変化層上の前記第1の導電層または前記第2の導電層の他方は前記アンテナと同時に形成され、
前記相変化メモリは、前記透光性の基板と、前記透光性の第1の導電層または第2の導電層の一方とを介して光が前記相変化層に照射されることにより、データが書き込まれることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記相変化メモリを制御する制御回路を有し、前記制御回路は薄膜トランジスタを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記透光性の基板は曲面を有し、前記薄膜トランジスタは電流が流れる方向と、前記透光性の基板が弧を描く方向が垂直になるように配置されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記相変化層は結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料を有し、
前記材料は、ゲルマニウム、テルル、アンチモン、硫黄、酸化テルル、スズ、金、ガリウム、セレン、インジウム、タリウム、コバルト及び銀から選択された複数を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記相変化層は第1の結晶状態と第2の結晶状態で可逆的に変化する材料を有し、
前記材料は、銀、亜鉛、銅、アルミニウム、ニッケル、インジウム、アンチモン、セレン及びテルルから選択された複数を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記相変化層は非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料を有し、
前記材料は、テルル、酸化テルル、パラジウム、アンチモン、セレン及びビスマスから選択された複数を含むことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−103491(P2011−103491A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24779(P2011−24779)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【分割の表示】特願2005−105932(P2005−105932)の分割
【原出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】