半導体記憶装置およびその製造方法
【課題】製造が容易で高集積化が可能な強誘電体メモリの構成と製造法を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、半導体基板と、この半導体基板上に形成され、ソース・ドレインとなる1対の不純物領域とゲート電極を有するMOSトランジスタと、1対の不純物領域の一方の上に形成されたコンタクトプラグと、このコンタクトプラグ上に形成され、下部電極層、強誘電体層、上部電極層が積層された平面型の強誘電体キャパシタとを有し、コンタクトプラグの側面上端は強誘電体キャパシタ側面の下端の対応する部分と整合して形成されている。
【解決手段】半導体記憶装置は、半導体基板と、この半導体基板上に形成され、ソース・ドレインとなる1対の不純物領域とゲート電極を有するMOSトランジスタと、1対の不純物領域の一方の上に形成されたコンタクトプラグと、このコンタクトプラグ上に形成され、下部電極層、強誘電体層、上部電極層が積層された平面型の強誘電体キャパシタとを有し、コンタクトプラグの側面上端は強誘電体キャパシタ側面の下端の対応する部分と整合して形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強誘電体キャパシタを有する半導体記憶装置に関し、特に高集積化された強誘電体メモリセルアレイを有する半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、携帯型機器の普及に伴い、電源が切れても記憶内容が消滅しない不揮発性メモリが多用されるようになってきている。これら不揮発性メモリの1つとして、フラッシュメモリ、SRAMなどと並んで、強誘電体キャパシタにデータを保存する強誘電体メモリ(FeRAM)がある。
【0003】
強誘電体メモリの公知文献としては、例えば特許文献1が挙げられる。この文献の強誘電体キャパシタは、その図1に示されるように、いわゆるCOP(Capacitor On Plug)型のキャパシタであって、メモリトランジスタであるMOSFETのソース/ドレイン領域の一方上にプラグを形成した後に、その上部に強誘電体キャパシタを形成している。
【特許文献1】特開2001−244426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のFeRAMを形成する場合、以下に挙げるような問題が予測される。第1にプラグ形成とキャパシタ形成に、夫々独立のプロセスが必要である。第2にプラグとキャパシタとの間にアライメントマージンが必要であり、こうしたリソグラフィーマージンが必要であるために、必然的に高集積化に限界が発生する。第3にプラグとキャパシタ下部電極との接触面での酸化によりコンタクト抵抗が高くなり易い。
【0005】
このため、リソグラフィマージンを極小化させ、高集積化が可能で、かつプラグのコンタクト抵抗を低減できる強誘電体メモリの実現が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の半導体記憶装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、ソース・ドレインとなる1対の不純物領域とゲート電極を有するMOSトランジスタと、前記1対の不純物領域の一方の上面に接触して形成された第1の導電性プラグと、前記第1の導電性プラグ上に、下部電極層、強誘電体層、上部電極層が積層して形成された平面型の強誘電体キャパシタとを有し、前記第1の導電性プラグの側面上端は、前記強誘電体キャパシタの側面の対応する部分と整合して形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の半導体記憶装置の製造方法の第1は、半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板及び前記MOSトランジスタを覆うように第1の反応防止膜を形成する工程と、前記第1の反応防止を介して、前記MOSトランジスタを埋め込むように前記半導体基板上に第1の導電性膜を形成する工程と、前記第1の導電性膜の表面を平坦化する工程と、前記第1の導電性膜上に、第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次積層し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、前記強誘電体積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタおよび第1の導電性プラグを同時に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の半導体記憶装置の製造方法の第2は、半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板と前記MOSトランジスタを覆うように第1の保護絶縁膜を形成する工程と、前記第1の保護絶縁膜の一部を開口し、前記MOSトランジスタのソース・ドレイン領域の一方を露出させて第1のコンタクト部を形成する工程と、
第1の反応防止膜を堆積する工程と、前記第1の反応防止膜上に第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜上に第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次下方から上方へ形成し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、前記強誘電体キャパシタ積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタ及び導電性プラグを同時に形成する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記の如き構造および製造方法をとる事により、アライメントマージンがある状態でメモリセルの高集積化が可能となり、同時に下部電極と直下のコンタクトプラグとの接触面積を増加させてコンタクト抵抗を下げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図、図1(b)は上記半導体記憶装置を構成する1メモリセルの等価回路である。図1(a)において、半導体基板1の上表面中の素子領域2には、一対の不純物拡散領域によるソース・ドレイン領域5,6が形成されている。ソース・ドレイン領域5,6に挟まれた素子領域上には、ゲート絶縁膜3を介してゲート電極4が形成されている。ゲート電極4はワード線となる。なお、参照番号36はゲート側壁絶縁膜、37はゲート上部絶縁膜である。素子領域2上には、このようなメモリセルトランジスタ7が複数個形成されている。
【0012】
このメモリセルトランジスタ7と対となるように、ソース/ドレイン領域6上には、導電性のコンタクトプラグ9及びこれに整合したキャパシタ10が形成されている。キャパシタ10は上部電極14、下部電極12と、これらに挟まれた強誘電体膜12からなり、上部電極14、下部電極12は夫々プレート線17とソース/ドレイン領域6に結合されている。ソース/ドレイン領域6は、コンタクトプラグ19を介してビット線32に接続されている。なお、参照番号31は素子分離領域(STI)である。
【0013】
この構造は、キャパシタ10とコンタクトプラグ9を1つのマスクを用いて連続的に加工することにより実現される。このため、プロセスの簡略化を図ることができるとともに、コンタクトプラグ9とキャパシタ10との間のリソグラフィーマージンを考慮する必要がなくなるため、高集積化メモリセルの形成が可能となる。
【0014】
次に、本実施形態の半導体記憶装置の製造方法を図2〜6を参照して説明する。先ず、図2(a)に示すように、例えばSiから成る半導体基板1の素子領域2上に素子分離領域31、ソース・ドレイン領域5、6、ゲート絶縁膜3、例えばポリシリコンから成るゲート電極4を良く知られた方法で形成する。
【0015】
続いて、図2(b)に示すように、第1の反応防止膜8および第1のコンタクトプラグ膜(導電膜)9fをスパッタ法やCVD法で形成する。例えば第1の反応防止膜としてはTi,TiN等の導電膜、第1のコンタクトプラグ膜としては、W,Poly−Si等の導電膜等を用いることができる。第1の反応防止膜8は、第1のコンタクトプラグを構成する金属が、ソース/ドレイン領域5,6に拡散することを防止するために使用される。第1の反応防止膜8および第1のコンタクトプラグ膜(導電膜)9fが堆積された後、CMP法等でその表面を平坦化する。
【0016】
続いて、キャパシタ部10を形成するための第2の反応防止膜11、下部電極膜12f、強誘電体膜13f、上部電極膜14fが、コンタクトプラグ膜9fの上に順次形成される。上部および下部の電極材料としては、例えばPt,IrO2 ,SRO(Strontium Ruthenium Oxide)、また強誘電体膜としては、例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O3),SBT(SrBi2Ta2O9)等を用いることができる。第2の反応防止膜11は酸素拡散防止の目的で挿入されるもので、材料としてはIr,IrO2 ,TiAlN等の導電膜を用いることができる。
【0017】
次に、図3(a)に示すように、上部電極膜14f、強誘電体膜13f、下部電極膜12f、第2の反応防止膜11、コンタクトプラグ膜9fを1つのマスクを用いて連続的に加工することにより、上部電極14、強誘電体膜13、下部電極膜12、コンタクトプラグ9を一括して形成する。このキャパシタ・コンタクト部加工には、例えば反応ガスArCl、CF4 等を用いた反応性イオンエッチング(RIE)を用いることができる。
【0018】
この後、第3の反応防止膜15を堆積する。この第3の反応防止膜15はプロセスに応じて膜種、膜厚等の最適化を図ることができる。例えば、第3の反応防止膜を単層として、酸素バリア性あるいは水素バリア、若しくはその両方を有するようにして、工程中に遭遇する酸素、水素から素子を保護することができる。第3の反応防止膜を複数層として、例えば酸素バリア性を有する膜を水素バリア性を有する膜よりも先に堆積するようにしても良い。このように構成すれば、キャパシタ形成後工程中で発生する水素によるキャパシタ特性の劣化をより確実に防止することができる。水素バリア性を有する膜の材料としてはSiN等があり、酸素バリア性・水素バリア性の両方を兼ね備える材料としてはAl2O3等が挙げられる。
【0019】
続いて、図3(b)に示すように、第1の層間絶縁膜16として、例えばBPSG膜、あるいはCVDによるTEOS膜(DTEOS膜)を堆積した後、CMP法等で表面を平坦化して上部電極14を露出させる。必要に応じてここでキャパシタ10の特性を回復するためのリカバリアニール(酸素アニール)を入れることも可能である。
【0020】
次に図4に示すように、第1のメタル膜17として、例えばAl系金属、あるいはCuを堆積した後RIE等を用いてプレート線17を形成し、さらにその上に第2の層間絶縁膜(不図示)を堆積する。第2の層間絶縁膜としては、第1の層間絶縁膜16と同じ材料を用いることができ、堆積後は一体化するので、以降の図(FIG.6)においては第1の層間絶縁膜16として表示している。
【0021】
ここでは、上部電極14上に直接プレート線17を形成する製造方法について述べたが、上部電極14上を第1の層間絶縁膜16で覆い、これにコンタクトホールを開けて、コンタクトプラグを通じてプレート線と接続する構造をとることもできる。その場合には、図5に示すように、第1の層間絶縁膜16の平坦化を行なう場合に上部電極を露出させず、上部電極14上にコンタクトホールを形成することにより、プレート線コンタクトプラグ17´を介してプレート線17が上部電極14に接続された構造を実現できる。
【0022】
後述する他の実施形態でも、図4と同様にコンタクトホールレスのプレート線形成の方法のみを図示しているが、実施形態2,4,5においてプレート線を図5に示す変形例のような構造とすることができる。
【0023】
続いて、図6に示すように、ビット線コンタクト19用のコンタクトホールを第1の層間絶縁膜16に開口し、ビット線コンタクト19を形成し、表面を平坦化後ビット線32を、例えばAl系金属、あるいはCuで形成することにより、図1に示す構造が完成する。なお、ここでは、ビット線コンタクト19とビット線32を2工程で形成する例を示したが、1工程で同時に形成するようにしてもよい。
【0024】
上記のように、第1の実施形態では、メモリトランジスタ(MOSFET)のソースあるいはドレイン領域上に、コンタクトプラグと、これに整合した強誘電体キャパシタを1回のPEPで一括して形成することができる。この構造により、アライメントマージンのある状態でセルの高集積化を実現することができ、同時に下部電極と直下のコンタクトプラグとの接触面積を増加させてコンタクト抵抗を下げることが可能になる。
【0025】
また、プレート線をコンタクトホールを介さず、キャパシタの上部電極上に直接形成するようにした場合には、工程を短縮することができる。また、キャパシタ10の側面、コンタクトプラグ9の側面を連続的に覆うように、単層または複数層の第3の反応防止膜15を形成するが、この第3の反応防止膜を酸素バリア性若しくは水素バリア性若しくはその両方の特性を有するものとすることにより、第1のコンタクトプラグの酸化を抑え、強誘電体キャパシタの劣化を防止することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図7および図8は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図およびマスク図面を重ね合わせた摸式的な平面図であり、図8のA−A´線に沿った断面が図7に示されている。第2の実施形態ではコンタクトプラグ9とキャパシタ部10がゲート電極4とオーバラップする位置に形成されている。この場合においても、キャパシタ部10はコンタクトプラグ9と整合して、1つのマスクを用いて形成されている。製造工程は、第1の実施形態と基本的に同一であり、図2(b)において、上部電極膜14fの形成が終わったのち、キャパシタ10及びコンタクトプラグ9を、ゲート電極4とオーバーラップする位置で、1つのマスクを用いて連続的に形成する。その他は、第1の実施形態と同じなので、重複する説明を省略する。
【0027】
また、図9は第2の実施形態の変形例を示す半導体記憶装置の断面図である。図9におけるコンタクトプラグの上面は、第1の反応防止膜8の上面と面一とされている。これは、図2(b)でコンタクトプラグ膜9fを堆積した後、上面をCMPで平坦化する際、第1の反応防止膜8が露出した時点でCMPを中止すれば実現できる。この例では、コンタクトプラグ9とキャパシタ10の接触面積が若干減少するが、これが許容できる場合にはこの構造を採用することができる。
【0028】
上記の如き構造をとることにより、第1の実施形態の効果を維持したまま更にキャパシタの面積を増加させることができ、あるいはキャパシタ面積を変えない場合でもさらなる高集積化を図ることが可能となる。
【0029】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図である。第3の実施形態では、キャパシタ10上のプレート線17の側壁部に側壁絶縁膜18が、例えばSiNを使用して形成されている。これは、第1の実施形態の図4の工程が終了した後、全面にSiNを堆積し、RIE等の異方性エッチングを行い、プレート電極17の側面にSiNを残置させることにより形成することができる。
【0030】
この構造をとることにより、プレート線17の合わせずれが発生した場合でも、キャパシタ10の上部電極14の露出を防ぐことが可能であるとともに、コンタクトプラグ19とビット線17のショートを防止することができる。図10では、キャパシタ構造として第2の実施形態(図7)と同じものを示したが、第3の実施形態に示す特徴は第1の実施形態(図1)や、後述の第5の実施形態に適用することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図11は第4の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図である。第4の実施形態では、ビット線24のコンタクトを2つのプラグ25,19を接続する形で形成し、かつ1段目のコンタクトプラグ19をプレート線17の形成より先に形成する。
【0032】
この構造をとることにより、ビット線24とソース/ドレイン領域5との接続のためのコンタクトプラグ25,19のアスペクト比を下げることが可能となる。また、水素を発生するコンタクトプラグ19形成後にリカバリアニール(酸素アニール)を実施できるため、キャパシタ特性の改善が可能となる。
【0033】
第4の実施形態の製造方法を、図12〜17を参照して説明する。なお、図12〜17においては、図面の簡略化のため、図11の中央部のみを図示している。キャパシタ10およびコンタクト9の一体形成までは、第1あるいは第2の実施形態と同じなので省略する。図3(a)のようにキャパシタ10とコンタクトプラグ9の形成、および第3の反応防止膜15の形成が終了した後、図12のように、キャパシタ10、コンタクトプラグ9の側壁絶縁膜20を、例えばSiNを用いて形成し、さらに第2の層間絶縁膜21を、例えばBPSG膜あるいはDTEOS膜を用いて堆積する。続いて、第3の反応防止膜15の上面が露出するまでCMP法等を用いて第2の層間絶縁膜21の平坦化を行なう。
【0034】
次に、図13に示すように、フォトレジストマスク33を形成し、その開口部にRIE法を用いてコンタクトホール(不図示)の加工を行う。このコンタクトホールにコンタクトプラグ19用のWあるいはAlのプラグ膜(不図示)を埋め込み後、上面の平坦化を行なう。このとき、先述した層間絶縁膜21の平坦化の際に側壁絶縁膜20や第3の反応防止膜15の上部電極上の残膜を調節して残しておき、これらの残膜をコンタクトプラグ19の平坦化時にCMPのストッパとして機能させることで、CMPの精度を更に向上させることも可能である。
【0035】
コンタクトプラグ19の平坦化後、図14に示すように、酸素バリア膜22(例えば、Al2O3膜)を堆積し、その上にフォトレジストマスク34を形成する。このマスク34を使用してビット線を埋め込むための溝を図15のように加工する。ここで必要ならば、溝の開口後にリカバリアニール(酸素アニール)を行ない、キャパシタ特性の回復を行なうことができる。このとき、コンタクトプラグ19は、酸素バリア膜22で覆われているので、コンタクト面の酸化を防止することができる。
【0036】
次に、図16に示すように、プレート線用のメタル(例えばAl系金属、あるいはCu)の埋め込みを行い、CMPによって平坦化してプレート線17を形成する。この後、図17に示すように、第3の層間絶縁膜23(例えばBPSG膜、あるいはDTEOS膜)を堆積し、さらにビット線24および第3のコンタクトプラグ25を、Al系金属、Cu等を用いて形成することにより、第4の実施形態の構造を実現することができる。
【0037】
上記の構造をとることにより、酸素アニール工程中のコンタクトプラグ19の酸化を防止することが可能となる。
【0038】
(第5の実施形態)
図18は第5の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図である。第5の実施形態では、予めサリサイド膜(自己整合的に形成されたシリコンと金属の化合物膜)4’が形成されたMOSトランジスタのゲート電極4を包むように、例えばSiNから成る第1の保護膜26を堆積する。その後、ソース/ドレイン領域5,6用のコンタクト部27として開口部を形成してから、第1の反応防止膜8と第1のコンタクトプラグ膜9を堆積する。この場合には、コンタクト部27におけるプラグ9のアスペクト比を抑え、さらにプラグ9とキャパシタ10を整合的に形成する利点を失わないままで、サリサイドを形成したゲート電極を使用できるため、サリサイドプロセスを必要とするトランジスタに対しても、本実施形態のキャパシタ構造を適用することが可能となる。なお、図18ではキャパシタ構造として、第2の実施形態に示したものを挙げたが、第5の実施形態に示す特徴は、第1、第3、第4の実施形態にも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図2】第1の実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【図3】図2に続く工程を示す断面図。
【図4】図3に続く工程を示す断面図。
【図5】図4の工程の変形例を示す断面図。
【図6】図4の続く工程を示す断面図。
【図7】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図8】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の摸式的平面図。
【図9】第2の実施形態においてプラグ電極の上面積が最小と成る状態を示す断面図。
【図10】第3の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図11】第4の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図12】第4の実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【図13】図12に続く工程を示す断面図。
【図14】図13に続く工程を示す断面図。
【図15】図14に続く工程を示す断面図。
【図16】図15に続く工程を示す断面図。
【図17】図16に続く工程を示す断面図。
【図18】第5の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【符号の説明】
【0040】
1…半導体基板
2…素子領域
3…ゲート絶縁膜
3´…ゲート側壁絶縁膜
4…ゲート電極
4´…金属シリサイド
5,6…ソース/ドレイン領域(不純物領域)
7…MOSトランジスタ(MOSFET)
8…第1の反応防止膜
9…第1のコンタクトプラグ
10…強誘電体キャパシタ
11…第2の反応防止膜
12…下部電極
13…強誘電体絶縁物
14…上部電極
15…第3の反応防止膜
16…第1の層間絶縁膜
17…プレート線
18…側壁絶縁膜
19…第2のコンタクトプラグ
20…側壁絶縁膜
21…第2の層間絶縁膜
22…酸素バリア膜
23…第3の層間絶縁膜
24…ビット線
25…第3のコンタクトプラグ
31…素子分離絶縁膜(STI)
32…ビット線
33、34、35…フォトレジストマスク
36…ゲート側壁絶縁膜
37…ゲート上部絶縁膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、強誘電体キャパシタを有する半導体記憶装置に関し、特に高集積化された強誘電体メモリセルアレイを有する半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、携帯型機器の普及に伴い、電源が切れても記憶内容が消滅しない不揮発性メモリが多用されるようになってきている。これら不揮発性メモリの1つとして、フラッシュメモリ、SRAMなどと並んで、強誘電体キャパシタにデータを保存する強誘電体メモリ(FeRAM)がある。
【0003】
強誘電体メモリの公知文献としては、例えば特許文献1が挙げられる。この文献の強誘電体キャパシタは、その図1に示されるように、いわゆるCOP(Capacitor On Plug)型のキャパシタであって、メモリトランジスタであるMOSFETのソース/ドレイン領域の一方上にプラグを形成した後に、その上部に強誘電体キャパシタを形成している。
【特許文献1】特開2001−244426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のFeRAMを形成する場合、以下に挙げるような問題が予測される。第1にプラグ形成とキャパシタ形成に、夫々独立のプロセスが必要である。第2にプラグとキャパシタとの間にアライメントマージンが必要であり、こうしたリソグラフィーマージンが必要であるために、必然的に高集積化に限界が発生する。第3にプラグとキャパシタ下部電極との接触面での酸化によりコンタクト抵抗が高くなり易い。
【0005】
このため、リソグラフィマージンを極小化させ、高集積化が可能で、かつプラグのコンタクト抵抗を低減できる強誘電体メモリの実現が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の半導体記憶装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、ソース・ドレインとなる1対の不純物領域とゲート電極を有するMOSトランジスタと、前記1対の不純物領域の一方の上面に接触して形成された第1の導電性プラグと、前記第1の導電性プラグ上に、下部電極層、強誘電体層、上部電極層が積層して形成された平面型の強誘電体キャパシタとを有し、前記第1の導電性プラグの側面上端は、前記強誘電体キャパシタの側面の対応する部分と整合して形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の半導体記憶装置の製造方法の第1は、半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板及び前記MOSトランジスタを覆うように第1の反応防止膜を形成する工程と、前記第1の反応防止を介して、前記MOSトランジスタを埋め込むように前記半導体基板上に第1の導電性膜を形成する工程と、前記第1の導電性膜の表面を平坦化する工程と、前記第1の導電性膜上に、第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次積層し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、前記強誘電体積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタおよび第1の導電性プラグを同時に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の半導体記憶装置の製造方法の第2は、半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、前記半導体基板と前記MOSトランジスタを覆うように第1の保護絶縁膜を形成する工程と、前記第1の保護絶縁膜の一部を開口し、前記MOSトランジスタのソース・ドレイン領域の一方を露出させて第1のコンタクト部を形成する工程と、
第1の反応防止膜を堆積する工程と、前記第1の反応防止膜上に第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜上に第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次下方から上方へ形成し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、前記強誘電体キャパシタ積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタ及び導電性プラグを同時に形成する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記の如き構造および製造方法をとる事により、アライメントマージンがある状態でメモリセルの高集積化が可能となり、同時に下部電極と直下のコンタクトプラグとの接触面積を増加させてコンタクト抵抗を下げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図、図1(b)は上記半導体記憶装置を構成する1メモリセルの等価回路である。図1(a)において、半導体基板1の上表面中の素子領域2には、一対の不純物拡散領域によるソース・ドレイン領域5,6が形成されている。ソース・ドレイン領域5,6に挟まれた素子領域上には、ゲート絶縁膜3を介してゲート電極4が形成されている。ゲート電極4はワード線となる。なお、参照番号36はゲート側壁絶縁膜、37はゲート上部絶縁膜である。素子領域2上には、このようなメモリセルトランジスタ7が複数個形成されている。
【0012】
このメモリセルトランジスタ7と対となるように、ソース/ドレイン領域6上には、導電性のコンタクトプラグ9及びこれに整合したキャパシタ10が形成されている。キャパシタ10は上部電極14、下部電極12と、これらに挟まれた強誘電体膜12からなり、上部電極14、下部電極12は夫々プレート線17とソース/ドレイン領域6に結合されている。ソース/ドレイン領域6は、コンタクトプラグ19を介してビット線32に接続されている。なお、参照番号31は素子分離領域(STI)である。
【0013】
この構造は、キャパシタ10とコンタクトプラグ9を1つのマスクを用いて連続的に加工することにより実現される。このため、プロセスの簡略化を図ることができるとともに、コンタクトプラグ9とキャパシタ10との間のリソグラフィーマージンを考慮する必要がなくなるため、高集積化メモリセルの形成が可能となる。
【0014】
次に、本実施形態の半導体記憶装置の製造方法を図2〜6を参照して説明する。先ず、図2(a)に示すように、例えばSiから成る半導体基板1の素子領域2上に素子分離領域31、ソース・ドレイン領域5、6、ゲート絶縁膜3、例えばポリシリコンから成るゲート電極4を良く知られた方法で形成する。
【0015】
続いて、図2(b)に示すように、第1の反応防止膜8および第1のコンタクトプラグ膜(導電膜)9fをスパッタ法やCVD法で形成する。例えば第1の反応防止膜としてはTi,TiN等の導電膜、第1のコンタクトプラグ膜としては、W,Poly−Si等の導電膜等を用いることができる。第1の反応防止膜8は、第1のコンタクトプラグを構成する金属が、ソース/ドレイン領域5,6に拡散することを防止するために使用される。第1の反応防止膜8および第1のコンタクトプラグ膜(導電膜)9fが堆積された後、CMP法等でその表面を平坦化する。
【0016】
続いて、キャパシタ部10を形成するための第2の反応防止膜11、下部電極膜12f、強誘電体膜13f、上部電極膜14fが、コンタクトプラグ膜9fの上に順次形成される。上部および下部の電極材料としては、例えばPt,IrO2 ,SRO(Strontium Ruthenium Oxide)、また強誘電体膜としては、例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O3),SBT(SrBi2Ta2O9)等を用いることができる。第2の反応防止膜11は酸素拡散防止の目的で挿入されるもので、材料としてはIr,IrO2 ,TiAlN等の導電膜を用いることができる。
【0017】
次に、図3(a)に示すように、上部電極膜14f、強誘電体膜13f、下部電極膜12f、第2の反応防止膜11、コンタクトプラグ膜9fを1つのマスクを用いて連続的に加工することにより、上部電極14、強誘電体膜13、下部電極膜12、コンタクトプラグ9を一括して形成する。このキャパシタ・コンタクト部加工には、例えば反応ガスArCl、CF4 等を用いた反応性イオンエッチング(RIE)を用いることができる。
【0018】
この後、第3の反応防止膜15を堆積する。この第3の反応防止膜15はプロセスに応じて膜種、膜厚等の最適化を図ることができる。例えば、第3の反応防止膜を単層として、酸素バリア性あるいは水素バリア、若しくはその両方を有するようにして、工程中に遭遇する酸素、水素から素子を保護することができる。第3の反応防止膜を複数層として、例えば酸素バリア性を有する膜を水素バリア性を有する膜よりも先に堆積するようにしても良い。このように構成すれば、キャパシタ形成後工程中で発生する水素によるキャパシタ特性の劣化をより確実に防止することができる。水素バリア性を有する膜の材料としてはSiN等があり、酸素バリア性・水素バリア性の両方を兼ね備える材料としてはAl2O3等が挙げられる。
【0019】
続いて、図3(b)に示すように、第1の層間絶縁膜16として、例えばBPSG膜、あるいはCVDによるTEOS膜(DTEOS膜)を堆積した後、CMP法等で表面を平坦化して上部電極14を露出させる。必要に応じてここでキャパシタ10の特性を回復するためのリカバリアニール(酸素アニール)を入れることも可能である。
【0020】
次に図4に示すように、第1のメタル膜17として、例えばAl系金属、あるいはCuを堆積した後RIE等を用いてプレート線17を形成し、さらにその上に第2の層間絶縁膜(不図示)を堆積する。第2の層間絶縁膜としては、第1の層間絶縁膜16と同じ材料を用いることができ、堆積後は一体化するので、以降の図(FIG.6)においては第1の層間絶縁膜16として表示している。
【0021】
ここでは、上部電極14上に直接プレート線17を形成する製造方法について述べたが、上部電極14上を第1の層間絶縁膜16で覆い、これにコンタクトホールを開けて、コンタクトプラグを通じてプレート線と接続する構造をとることもできる。その場合には、図5に示すように、第1の層間絶縁膜16の平坦化を行なう場合に上部電極を露出させず、上部電極14上にコンタクトホールを形成することにより、プレート線コンタクトプラグ17´を介してプレート線17が上部電極14に接続された構造を実現できる。
【0022】
後述する他の実施形態でも、図4と同様にコンタクトホールレスのプレート線形成の方法のみを図示しているが、実施形態2,4,5においてプレート線を図5に示す変形例のような構造とすることができる。
【0023】
続いて、図6に示すように、ビット線コンタクト19用のコンタクトホールを第1の層間絶縁膜16に開口し、ビット線コンタクト19を形成し、表面を平坦化後ビット線32を、例えばAl系金属、あるいはCuで形成することにより、図1に示す構造が完成する。なお、ここでは、ビット線コンタクト19とビット線32を2工程で形成する例を示したが、1工程で同時に形成するようにしてもよい。
【0024】
上記のように、第1の実施形態では、メモリトランジスタ(MOSFET)のソースあるいはドレイン領域上に、コンタクトプラグと、これに整合した強誘電体キャパシタを1回のPEPで一括して形成することができる。この構造により、アライメントマージンのある状態でセルの高集積化を実現することができ、同時に下部電極と直下のコンタクトプラグとの接触面積を増加させてコンタクト抵抗を下げることが可能になる。
【0025】
また、プレート線をコンタクトホールを介さず、キャパシタの上部電極上に直接形成するようにした場合には、工程を短縮することができる。また、キャパシタ10の側面、コンタクトプラグ9の側面を連続的に覆うように、単層または複数層の第3の反応防止膜15を形成するが、この第3の反応防止膜を酸素バリア性若しくは水素バリア性若しくはその両方の特性を有するものとすることにより、第1のコンタクトプラグの酸化を抑え、強誘電体キャパシタの劣化を防止することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図7および図8は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図およびマスク図面を重ね合わせた摸式的な平面図であり、図8のA−A´線に沿った断面が図7に示されている。第2の実施形態ではコンタクトプラグ9とキャパシタ部10がゲート電極4とオーバラップする位置に形成されている。この場合においても、キャパシタ部10はコンタクトプラグ9と整合して、1つのマスクを用いて形成されている。製造工程は、第1の実施形態と基本的に同一であり、図2(b)において、上部電極膜14fの形成が終わったのち、キャパシタ10及びコンタクトプラグ9を、ゲート電極4とオーバーラップする位置で、1つのマスクを用いて連続的に形成する。その他は、第1の実施形態と同じなので、重複する説明を省略する。
【0027】
また、図9は第2の実施形態の変形例を示す半導体記憶装置の断面図である。図9におけるコンタクトプラグの上面は、第1の反応防止膜8の上面と面一とされている。これは、図2(b)でコンタクトプラグ膜9fを堆積した後、上面をCMPで平坦化する際、第1の反応防止膜8が露出した時点でCMPを中止すれば実現できる。この例では、コンタクトプラグ9とキャパシタ10の接触面積が若干減少するが、これが許容できる場合にはこの構造を採用することができる。
【0028】
上記の如き構造をとることにより、第1の実施形態の効果を維持したまま更にキャパシタの面積を増加させることができ、あるいはキャパシタ面積を変えない場合でもさらなる高集積化を図ることが可能となる。
【0029】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図である。第3の実施形態では、キャパシタ10上のプレート線17の側壁部に側壁絶縁膜18が、例えばSiNを使用して形成されている。これは、第1の実施形態の図4の工程が終了した後、全面にSiNを堆積し、RIE等の異方性エッチングを行い、プレート電極17の側面にSiNを残置させることにより形成することができる。
【0030】
この構造をとることにより、プレート線17の合わせずれが発生した場合でも、キャパシタ10の上部電極14の露出を防ぐことが可能であるとともに、コンタクトプラグ19とビット線17のショートを防止することができる。図10では、キャパシタ構造として第2の実施形態(図7)と同じものを示したが、第3の実施形態に示す特徴は第1の実施形態(図1)や、後述の第5の実施形態に適用することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図11は第4の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図である。第4の実施形態では、ビット線24のコンタクトを2つのプラグ25,19を接続する形で形成し、かつ1段目のコンタクトプラグ19をプレート線17の形成より先に形成する。
【0032】
この構造をとることにより、ビット線24とソース/ドレイン領域5との接続のためのコンタクトプラグ25,19のアスペクト比を下げることが可能となる。また、水素を発生するコンタクトプラグ19形成後にリカバリアニール(酸素アニール)を実施できるため、キャパシタ特性の改善が可能となる。
【0033】
第4の実施形態の製造方法を、図12〜17を参照して説明する。なお、図12〜17においては、図面の簡略化のため、図11の中央部のみを図示している。キャパシタ10およびコンタクト9の一体形成までは、第1あるいは第2の実施形態と同じなので省略する。図3(a)のようにキャパシタ10とコンタクトプラグ9の形成、および第3の反応防止膜15の形成が終了した後、図12のように、キャパシタ10、コンタクトプラグ9の側壁絶縁膜20を、例えばSiNを用いて形成し、さらに第2の層間絶縁膜21を、例えばBPSG膜あるいはDTEOS膜を用いて堆積する。続いて、第3の反応防止膜15の上面が露出するまでCMP法等を用いて第2の層間絶縁膜21の平坦化を行なう。
【0034】
次に、図13に示すように、フォトレジストマスク33を形成し、その開口部にRIE法を用いてコンタクトホール(不図示)の加工を行う。このコンタクトホールにコンタクトプラグ19用のWあるいはAlのプラグ膜(不図示)を埋め込み後、上面の平坦化を行なう。このとき、先述した層間絶縁膜21の平坦化の際に側壁絶縁膜20や第3の反応防止膜15の上部電極上の残膜を調節して残しておき、これらの残膜をコンタクトプラグ19の平坦化時にCMPのストッパとして機能させることで、CMPの精度を更に向上させることも可能である。
【0035】
コンタクトプラグ19の平坦化後、図14に示すように、酸素バリア膜22(例えば、Al2O3膜)を堆積し、その上にフォトレジストマスク34を形成する。このマスク34を使用してビット線を埋め込むための溝を図15のように加工する。ここで必要ならば、溝の開口後にリカバリアニール(酸素アニール)を行ない、キャパシタ特性の回復を行なうことができる。このとき、コンタクトプラグ19は、酸素バリア膜22で覆われているので、コンタクト面の酸化を防止することができる。
【0036】
次に、図16に示すように、プレート線用のメタル(例えばAl系金属、あるいはCu)の埋め込みを行い、CMPによって平坦化してプレート線17を形成する。この後、図17に示すように、第3の層間絶縁膜23(例えばBPSG膜、あるいはDTEOS膜)を堆積し、さらにビット線24および第3のコンタクトプラグ25を、Al系金属、Cu等を用いて形成することにより、第4の実施形態の構造を実現することができる。
【0037】
上記の構造をとることにより、酸素アニール工程中のコンタクトプラグ19の酸化を防止することが可能となる。
【0038】
(第5の実施形態)
図18は第5の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図である。第5の実施形態では、予めサリサイド膜(自己整合的に形成されたシリコンと金属の化合物膜)4’が形成されたMOSトランジスタのゲート電極4を包むように、例えばSiNから成る第1の保護膜26を堆積する。その後、ソース/ドレイン領域5,6用のコンタクト部27として開口部を形成してから、第1の反応防止膜8と第1のコンタクトプラグ膜9を堆積する。この場合には、コンタクト部27におけるプラグ9のアスペクト比を抑え、さらにプラグ9とキャパシタ10を整合的に形成する利点を失わないままで、サリサイドを形成したゲート電極を使用できるため、サリサイドプロセスを必要とするトランジスタに対しても、本実施形態のキャパシタ構造を適用することが可能となる。なお、図18ではキャパシタ構造として、第2の実施形態に示したものを挙げたが、第5の実施形態に示す特徴は、第1、第3、第4の実施形態にも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図2】第1の実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【図3】図2に続く工程を示す断面図。
【図4】図3に続く工程を示す断面図。
【図5】図4の工程の変形例を示す断面図。
【図6】図4の続く工程を示す断面図。
【図7】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図8】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の摸式的平面図。
【図9】第2の実施形態においてプラグ電極の上面積が最小と成る状態を示す断面図。
【図10】第3の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図11】第4の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【図12】第4の実施形態の半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【図13】図12に続く工程を示す断面図。
【図14】図13に続く工程を示す断面図。
【図15】図14に続く工程を示す断面図。
【図16】図15に続く工程を示す断面図。
【図17】図16に続く工程を示す断面図。
【図18】第5の実施形態に係る半導体記憶装置の部分的断面図。
【符号の説明】
【0040】
1…半導体基板
2…素子領域
3…ゲート絶縁膜
3´…ゲート側壁絶縁膜
4…ゲート電極
4´…金属シリサイド
5,6…ソース/ドレイン領域(不純物領域)
7…MOSトランジスタ(MOSFET)
8…第1の反応防止膜
9…第1のコンタクトプラグ
10…強誘電体キャパシタ
11…第2の反応防止膜
12…下部電極
13…強誘電体絶縁物
14…上部電極
15…第3の反応防止膜
16…第1の層間絶縁膜
17…プレート線
18…側壁絶縁膜
19…第2のコンタクトプラグ
20…側壁絶縁膜
21…第2の層間絶縁膜
22…酸素バリア膜
23…第3の層間絶縁膜
24…ビット線
25…第3のコンタクトプラグ
31…素子分離絶縁膜(STI)
32…ビット線
33、34、35…フォトレジストマスク
36…ゲート側壁絶縁膜
37…ゲート上部絶縁膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、ソース・ドレインとなる1対の不純物領域とゲート電極を有するMOSトランジスタと、
前記1対の不純物領域の一方の上面に接触して形成された第1の導電性プラグと、
前記第1の導電性プラグ上に、下部電極層、強誘電体層、上部電極層が積層して形成された平面型の強誘電体キャパシタと、
を有し、前記第1の導電性プラグの側面上端は、前記強誘電体キャパシタの側面の対応する部分と整合して形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1の導電性プラグは、前記ゲート電極に絶縁的に隣接して形成され、前記第1の導電性プラグ上に形成された前記強誘電体キャパシタは、前記ゲート電極直上に前記ゲート電極と絶縁して形成された部分を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ゲート電極およびその周囲を覆うように形成された保護絶縁膜を更に有し、前記第1の導電性プラグは、前記保護絶縁膜の一部が除去された部分を通じて、前記強誘電体キャパシタの前記下部電極と前記不純物領域の一方とを接続することを特徴とする請求項1あるいは2の半導体記憶装置。
【請求項4】
半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、
前記半導体基板及び前記MOSトランジスタを覆うように第1の反応防止膜を形成する工程と、
前記第1の反応防止を介して、前記MOSトランジスタを埋め込むように前記半導体基板上に第1の導電性膜を形成する工程と、
前記第1の導電性膜の表面を平坦化する工程と、
前記第1の導電性膜上に、第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次積層し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、
前記強誘電体積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタおよび第1の導電性プラグを同時に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、
前記半導体基板と前記MOSトランジスタを覆うように第1の保護絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の保護絶縁膜の一部を開口し、前記MOSトランジスタのソース・ドレイン領域の一方を露出させて第1のコンタクト部を形成する工程と、
第1の反応防止膜を堆積する工程と、
前記第1の反応防止膜上に第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上に第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次下方から上方へ形成し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、
前記強誘電体キャパシタ積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタ及び導電性プラグを同時に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、ソース・ドレインとなる1対の不純物領域とゲート電極を有するMOSトランジスタと、
前記1対の不純物領域の一方の上面に接触して形成された第1の導電性プラグと、
前記第1の導電性プラグ上に、下部電極層、強誘電体層、上部電極層が積層して形成された平面型の強誘電体キャパシタと、
を有し、前記第1の導電性プラグの側面上端は、前記強誘電体キャパシタの側面の対応する部分と整合して形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1の導電性プラグは、前記ゲート電極に絶縁的に隣接して形成され、前記第1の導電性プラグ上に形成された前記強誘電体キャパシタは、前記ゲート電極直上に前記ゲート電極と絶縁して形成された部分を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ゲート電極およびその周囲を覆うように形成された保護絶縁膜を更に有し、前記第1の導電性プラグは、前記保護絶縁膜の一部が除去された部分を通じて、前記強誘電体キャパシタの前記下部電極と前記不純物領域の一方とを接続することを特徴とする請求項1あるいは2の半導体記憶装置。
【請求項4】
半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、
前記半導体基板及び前記MOSトランジスタを覆うように第1の反応防止膜を形成する工程と、
前記第1の反応防止を介して、前記MOSトランジスタを埋め込むように前記半導体基板上に第1の導電性膜を形成する工程と、
前記第1の導電性膜の表面を平坦化する工程と、
前記第1の導電性膜上に、第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次積層し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、
前記強誘電体積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタおよび第1の導電性プラグを同時に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板上にMOSトランジスタを形成する工程と、
前記半導体基板と前記MOSトランジスタを覆うように第1の保護絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の保護絶縁膜の一部を開口し、前記MOSトランジスタのソース・ドレイン領域の一方を露出させて第1のコンタクト部を形成する工程と、
第1の反応防止膜を堆積する工程と、
前記第1の反応防止膜上に第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上に第2の反応防止膜、下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜を順次下方から上方へ形成し、強誘電体キャパシタ積層構造を形成する工程と、
前記強誘電体キャパシタ積層構造を1つのマスクを用いて加工して、強誘電体キャパシタ及び導電性プラグを同時に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−86292(P2006−86292A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268694(P2004−268694)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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