説明

半導体記憶装置

半導体記憶装置は、第1のアドレスを冗長するための複数の第1のヒューズラッチ回路と、第2のアドレスを冗長するための複数の第2のヒューズラッチ回路と、複数の第2のヒューズラッチ回路を無効にするための無効回路と、複数の第1のヒューズラッチ回路に対応する複数の第1のヒューズの位置は互いに隣接することがなく、複数の第2のヒューズラッチ回路に対応する第2のヒューズの位置が間に介在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、一般に半導体記憶装置に関し、詳しくは欠陥アドレスの冗長メモリセルによる置き換えをヒューズにより設定する半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
半導体記憶装置においては、欠陥メモリセルが存在する場合には、それを予備のメモリセルである冗長メモリセルで置き換え、欠陥メモリセルのアドレスに対するアクセスを冗長メモリセルに振り替えることで、欠陥メモリセルのアドレスを救済する処理が行われる。大容量の半導体メモリにおいては、可能な限り多くの欠陥を救済するために冗長効率(欠陥救済率)を高くすることが求められる。スペア(冗長セル)の数を増やす等の単純な手段によっても、冗長効率を高くすることは可能である。しかしまた一方で、冗長セルや冗長回路等の欠陥救済システムが占有する面積を低減すると共に、冗長システムの信頼性を向上することが求められている。
欠陥のあるメモリセルを冗長メモリセルで置き換える為には、欠陥のあるメモリセルのアドレスを記憶しなければならない。一般的な冗長システムではヒューズを設けることでこれを実現している。各ヒューズには、ヒューズの状態(切断/非切断)を示すめたのラッチ回路が対応して設けられる。欠陥メモリセルを救済する方式としては、例えば、スペアコラム選択線とスペアワード線とを用意し、欠陥メモリセルに対応するコラム選択線とワード線とをそれぞれスペアコラム選択線とスペアワード線とで置き換える。これを実現するためには、欠陥メモリセルに対応するコラム選択線とワード線とに対して、それぞれのアドレスを記憶するためのヒューズラッチ回路が必要になる。
例えばコラム選択アドレスが5ビットであれば、5つのヒューズラッチ回路と1つの冗長判定用ヒューズラッチ回路を設ける。ワード選択アドレスが5ビットであれば5つのヒューズラッチ回路と1つの冗長判定用ヒューズラッチ回路を設ける。ここで冗長判定用ヒューズラッチ回路は、対応スペアコラム選択線又は対応スペアワード線について、それを使用するか否かを指定するためのものである。アドレス記憶用のヒューズラッチ回路と冗長判定用のヒューズラッチ回路とを合わせて、以後ヒューズセットと呼ぶ。
欠陥のあるアドレスに応じてヒューズが切断される。切断されたヒューズの情報は、ヒューズラッチ回路を介して冗長回路に供給され、更に冗長回路からコラム選択線やワード線についてのデコーダ回路やドライバ回路に伝えられる。この情報に基づいて、欠陥アドレスに対応するコラム選択線やワード線はスペアコラム選択線やスペアワード線によって置き換えられ、欠陥メモリセルが救済されることになる。
冗長効率(欠陥救済率)を高めるためには、例えばスペアコラム選択線とスペアワード線とをそれぞれ2倍にすると、2倍の数のヒューズセットが必要になり、ヒューズラッチ回路の数も2倍となる。これらのヒューズラッチ回路は一般に一列に配置され、対応するヒューズも一列に配置される。ヒューズラッチ回路を並べる間隔は、略ヒューズピッチにより決定される。
より多くのヒューズセットを設ければ、それだけ冗長効率が向上する。しかしその分、ヒューズ及びヒューズラッチ回路の数が増え、面積が増大する結果となる。一般にヒューズラッチ回路の配置間隔はヒューズピッチにより決まるので、ヒューズピッチを狭くすれば、それだけ面積ペナルティーを小さくすることが可能である。しかしながら、ヒューズの切断にはレーザビームを使用するので、ヒューズピッチが小さい程、切断されたヒューズが隣接ヒューズとショートする危険性が高くなる。従って、ヒューズピッチを狭くすることで冗長効率を高めながら面積ペナルティーを小さくすることが可能であるが、ヒューズの信頼性は低下していることになる。
【発明の開示】
以上を鑑みて、本発明は、関連技術の1つ又はそれ以上の問題点を解決することを目的とする。
また本発明は、半導体記憶装置においてヒューズピッチを狭くしながらもヒューズの信頼性を確保することを、更なるより具体的な目的とする。
本発明による半導体記憶装置は、第1のアドレスを冗長するための複数の第1のヒューズラッチ回路と、第2のアドレスを冗長するための複数の第2のヒューズラッチ回路と、複数の第2のヒューズラッチ回路を無効にするための無効回路と、複数の第1のヒューズラッチ回路に対応する複数の第1のヒューズの位置は互いに隣接することがなく、複数の第2のヒューズラッチ回路に対応する第2のヒューズの位置が間に介在することを特徴とする。
一般に半導体記憶装置の製造においては、試作(評価)時よりも工場量産時の方が歩留まりが良く欠陥の数が少ない。従って試作時には多発する欠陥を救済するために冗長効率を高めておく必要があるが、欠陥の少ない工場量産時には冗長効率を高めておく必要はなく、ヒューズの信頼性を高めることの方が重要である。上記半導体記憶装置においては、例えば量産時には第2のヒューズラッチ回路を無効にしてヒューズを1本置きに未使用(無効)にすれば、使用ヒューズ(有効ヒューズ)のピッチを実効的に2倍にすることができる。これにより、使用ヒューズ同士が短絡する等のピッチが狭いことに起因する不良を避けて、ヒューズの信頼性を向上させることができる。
このように使用/不使用のヒューズを回路的に選択可能とすることで、ヒューズピッチを狭くしながらもヒューズの信頼性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を適用する半導体記憶装置の概略構成を示す図である。
図2は、メモリブロックの第1の実施例の構成を示す図である。
図3は、ヒューズアレイの構成を示す図である。
図4は、ヒューズラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
図5は、ヒューズラッチ回路の有効/無効を制御する信号を生成する回路の一例を示す回路図である。
図6は、メモリブロックの第2の実施例の構成を示す図である。
図7は、メモリブロックの第2の実施例についてワード系の構成を示す図である。
図8は、ヒューズラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
図9は、ヒューズラッチ回路の有効/無効を制御する信号を生成する回路の一例を示す回路図である。
図10は、メモリブロックの第3の実施例の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明を適用する半導体記憶装置の概略構成を示す図である。
図1の半導体記憶装置10は、制御入力回路11と、アドレス入力回路12と、データ入出力回路13、ロジック回路14、プリデコーダ15、センスアンプ16、及びメモリブロック17を含む。
ロジック回路14は、制御入力回路11を介して外部から制御信号(チップイネーブル/CE、アウトプットイネーブル/OE、ライトイネーブル/WE)を受け取り、これら制御信号に基づいて半導体記憶装置10の各部を制御する制御回路である。具体的には、ロジック回路14はこれら制御信号をデコードし、デコード結果に基づいて、データ入出力回路13、プリデコーダ15、及びメモリブロック17を制御する。
アドレス入力回路12は、外部からアドレス信号を受け取りラッチし、プリデコーダ15に供給する。プリデコーダ15は、ロジック回路14の制御の下にアドレス信号をプリデコードし、プリデコード結果をメモリブロック17に供給する。メモリブロック17においては、プリデコード結果が更にデコードされ、そのデコードアドレスが示すメモリセルに対して読み出し/書き込みアクセスが実行される。
データ入出力回路13は、メモリブロック17のメモリセルアレイから読み出されたデータを外部に供給すると共に、外部から供給される書き込みデータをメモリブロック17に供給する。センスアンプ16は、データ入出力回路13とメモリブロック17との間でデータを伝達する際に信号を増幅する。
図2は、メモリブロック17の第1の実施例の構成を示す図である。
図2のメモリブロック17は、ワードドライバ21、コラムドライバ22、ワード線についてのスペア用ドライバ23−1及び23−2、コラム選択線についてのスペア用ドライバ24−1及び24−2、ワード線についての冗長回路25−1及び25−2、コラム選択線についての冗長回路26−1及び26−2、ワードデコーダ27、コラムデコーダ28、複数のヒューズラッチ回路29、ヒューズアレイ30、ヒューズアレイ31、及びメモリコア回路32を含む。
ワードデコーダ27は、アドレス上位ビット(例えばA5乃至A9)のプリデコード信号を図1のプリデコーダ15から受け取り、受け取ったプリデコード信号をデコードする。選択ワードを示すデコード結果は、冗長回路25−1及び25−2並びにワードドライバ21に供給される。コラムデコーダ28は、アドレス下位ビット(例えばA0乃至A4)のプリデコード信号を図1のプリデコーダ15から受け取り、受け取ったプリデコード信号をデコードする。選択コラムを示すデコード結果は、冗長回路26−1及び26−2並びにコラムドライバ22に供給される。
ワードドライバ21は、指定されたワードのワード線WLを選択活性化する。コラムドライバ22は、指定されたコラムのコラム選択線CLを選択活性化する。これにより活性ワード線に接続されるメモリセルのうちで活性コラム選択線が指定するアドレスのデータが、図1のセンスアンプ16との間でやり取りされる。これにより、指定アドレスのメモリセルに対するデータ読み出し/書き込み動作が実行される。
ワードアドレスの冗長に関するヒューズアレイ30には、複数のヒューズが一列に配置されており、これら複数のヒューズに対応して複数のヒューズラッチ回路29が設けられている。例えば奇数番目のヒューズラッチ回路29は1つのヒューズセットとして冗長回路25−1に接続され、偶数番目のヒューズラッチ回路29は1つのヒューズセットとして冗長回路25−2に接続される。冗長回路25−1は、ワードデコーダ27から供給されるワードアドレスのデコード結果が、奇数番目のヒューズラッチ回路29が示すワードアドレスと一致する場合には冗長処理を実行する。即ち、冗長回路25−1は、ワードドライバ21が当該ワードアドレスのワード線を選択しないように制御すると共に、スペア用ドライバ23−1にスペアワード線SWL01を選択活性化させる。また冗長回路25−2は、ワードデコーダ27から供給されるワードアドレスのデコード結果が、偶数番目のヒューズラッチ回路29が示すワードアドレスと一致する場合には冗長処理を実行する。即ち、冗長回路25−2は、ワードドライバ21が当該ワードアドレスのワード線を選択しないように制御すると共に、スペア用ドライバ23−2にスペアワード線SWL00を選択活性化させる。
コラムアドレスに関する冗長処理についても同様であり、冗長回路26−1は、コラムアドレスのデコード結果が奇数番目のヒューズラッチ回路29が示すコラムアドレスと一致する場合には、冗長処理を実行する。また冗長回路26−2は、コラムアドレスのデコード結果が偶数番目のヒューズラッチ回路29が示すコラムアドレスと一致する場合には、冗長処理を実行する。
図3は、ヒューズアレイ30の構成を示す図である。ヒューズアレイ31についても図3に示されるのと同一の構成を有する。
図3に示されるヒューズアレイ30は、ヒューズ40とヒューズ41とが交互に配置されている。奇数番目のヒューズ40が奇数番目のヒューズラッチ回路29に対応しており、偶数番目のヒューズ41が偶数番目のヒューズラッチ回路29に対応している。隣り合うヒューズ間の間隔であるヒューズピッチはL/2である。
図4は、ヒューズラッチ回路29の構成の一例を示す回路図である。
図4のヒューズラッチ回路29は、PMOSトランジスタ51乃至55、NMOSトランジスタ56乃至60、インバータ61、及びNAND回路62を含む。PMOSトランジスタ51とNMOSトランジスタ57との間には、ヒューズ40(又は41)が設けられている。PMOSトランジスタ54及び55とNMOSトランジスタ59及び60とで、1ビットのヒューズ切断情報を格納するラッチを構成する。
信号frstzをLOWとし、更に信号ftrzをHIGHにする。その後、信号fsetpxをLOWにして更に信号fsetpdxをHIGHにする。これにより、ヒューズ40が非切断の場合にはノードNがHIGHとなるデータがラッチに格納され、ヒューズ40が切断されている場合にはノードNがLOWとなるデータがラッチに格納される。ラッチに格納されたデータは、信号fpxがHIGHの場合にNAND回路62を介して冗長回路に供給される。ここで信号fpxは、図2に示されるfp0、fp1、fp2、又はfp3の何れかの信号である。図2から分かるように、一列に並んだヒューズラッチ回路29の1つおきに同一の信号fpxが供給される。
fpx信号は、ヒューズラッチ回路29のヒューズを選択しない時にLOWレベルとなる信号である。一列のヒューズラッチ回路29の1つおきに同一のfpx信号を入力しているので、例えば図2においてfp0及びfp1の何れかをLOWレベルにすれば、コラムアドレス選択に関してヒューズラッチ回路29は1つおきにしか有効とならない。即ち、図3で一列に並んだヒューズ40及びヒューズ41のうちで、有効なヒューズ(使用ヒューズ)はヒューズ40或いはヒューズ41の何れか一方となり、この場合のヒューズピッチはLとなる。
ヒューズピッチがLであれば、ヒューズピッチがL/2の場合と比較して、ヒューズ切断時に切断ヒューズが隣のヒューズとショートする危険性が小さくなる。従って、高いヒューズの信頼性を確保することが可能となる。高い冗長効率を確保したい場合(例えば工場出荷前の装置の試作・評価段階)には、全てのヒューズを使用できるように設定すればよい。即ち全てのfpx信号をHIGHに設定すればよい。逆に高いヒューズの信頼性を確保したい場合(例えば量産段階)には、一部のfpx信号をLOWとして、有効なヒューズ(使用ヒューズ)を1つおきにすればよい。
このようにして必要に応じて、全てのヒューズを使用するか或いは1つおきのヒューズを使用するかを選択することが可能になる。なお以上の説明では、スペア用ドライバを2つ用意して1つおきにヒューズを有効(使用状態)とする構成を示したが、3つ或いはそれ以上のスペア用ドライバを用意して、2以上の所定の個数おきにヒューズを有効とする構成であってもよい。
図5は、ヒューズラッチ回路の有効/無効を制御する信号fpxを生成する回路の一例を示す回路図である。
図5のfpx信号生成回路は、オプションスイッチ71及び72とインバータ73及び74を含む。オプションスイッチ71を切断すれば、出力信号fpxはLOWに設定される。逆にオプションスイッチ72を切断すれば、出力信号fpxはHIGHに設定される。オプションスイッチ71及び72はヒューズを形成するメタルと同一の材料(同一の層)で形成されている。
試験品のテストが終了し、不使用(無効)ヒューズとして選択されたヒューズは、量産段階において回路レイアウトから削除してしまってもよい。この場合、例えば試験品の製造用のレチクルとは別に、量産品の製造用のレチクルを新たに作成する必要がある。更に、オプションスイッチを切替えたレチクルも新たに作成しなければならない。上記のように、ヒューズとオプションスイッチとを同一層の同一材料にしておけば、新たに作成するレチクルは1枚で済み、その際のコストを低く抑えることができる。
図6は、メモリブロック17の第2の実施例の構成を示す図である。図6において、図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。
図6のメモリブロック17は、コラムドライバ22、コラム選択線についてのスペア用ドライバ24−1、コラム選択線についての冗長回路83−1及び83−2、コラムデコーダ28、複数のヒューズラッチ回路84、ヒューズアレイ31、及びロウブロック81及び82を含む。図6においては、メモリブロック17のコラム系の構成のみを示している。ワード系の構成は、ロウブロック81及び82の各々に含まれる。
図7は、メモリブロック17の第2の実施例についてワード系の構成を示す図である。図7に示すのは1つのロウブロックに対応する構成であり、ロウブロック81及び82の各々に関して、この図7に示される構成が設けられる。
図7のロウブロックは、ワードドライバ21、ワード線についてのスペア用ドライバ23−1及び23−2、ワード線についての冗長回路25−1及び25−2、ワードデコーダ27、複数のヒューズラッチ回路29、及びヒューズアレイ30を含む。図7に示す構成は、図2に示すメモリブロック17のワード系の構成と同一である。図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。
図6及び図7に示す第2の実施例では、コラム選択線CLが2つのロウブロック81及び82に渡って延展しており、ロウブロック81及び82の何れか一方がアドレスA10によって選択される。スペアコラム選択線SCLも同様に2つのロウブロック81及び82に渡って延展しており、ロウブロック毎の冗長処理を実行することが可能である。即ち例えば、ロウブロック81ではコラム選択線CL01をスペアコラム選択線で置き換え、ロウブロック82では別のコラム選択線CL30をスペアコラム選択線で置き換えることが可能である。この場合、ロウブロック毎に1つのアドレスを記憶し、2つのロウブロック81及び82に対して合計2つのアドレスを記憶しておく必要がある。
従って、第1の実施例のスペアコラム選択線SCLが2本ある場合と比較して、同じ数のヒューズラッチ回路84が必要となる。図6の第2の実施例においては、ロウブロック81用のヒューズラッチ回路84とロウブロック82用のヒューズラッチ回路84とを、交互に並べる構成となっている。これに対応して、図3において例えばヒューズ40がロウブロック81に対応し、ヒューズ41がロウブロック82に対応して、これらヒューズ40とヒューズ41とが交互に並ぶ配置となっている。
冗長回路83−1は、奇数番目のヒューズラッチ回路84に接続されており、コラムアドレスのデコード結果が奇数番目のヒューズラッチ回路84が示すコラムアドレスと一致する場合に冗長処理を実行する。また冗長回路83−2は、偶数番目のヒューズラッチ回路84に接続されており、コラムアドレスのデコード結果が偶数番目のヒューズラッチ回路84が示すコラムアドレスと一致する場合に冗長処理を実行する。ここで奇数番目のヒューズラッチ回路84はロウブロック81が選択されたときのみ有効になり、偶数番目のヒューズラッチ回路84はロウブロック82が選択されたときのみ有効になる。
図8は、ヒューズラッチ回路84の構成の一例を示す回路図である。
図8のヒューズラッチ回路84は、PMOSトランジスタ91乃至96、NMOSトランジスタ97乃至102、及びインバータ103乃至105を含む。PMOSトランジスタ91とNMOSトランジスタ98との間には、ヒューズ40(又は41)が設けられている。PMOSトランジスタ94及び95とNMOSトランジスタ100及び101とで、1ビットのヒューズ切断情報を格納するラッチを構成する。
PMOSトランジスタ96とNMOSトランジスタ102との並列接続でトランスファーゲートが構成され、このトランスファーゲートにより上記ラッチに格納されるデータを出力するか否かを制御する。トランスファーゲートの開閉は、信号rbx(x=1又は2)により制御される。このようにしてトランスファーゲートにより出力を制御することを除けば、ヒューズラッチ回路84の動作は図4のヒューズラッチ回路29の動作と同様である。
図9は、ヒューズラッチ回路の有効/無効を制御する信号rbxを生成する回路の一例を示す回路図である。
図9のrbx信号生成回路は、オプションスイッチ111及び112とインバータ113及び114を含む。オプションスイッチ111を切断しオプションスイッチ112を接続すれば、出力信号rb0及びrb1はそれぞれLOW及びHIGHに固定される。逆にオプションスイッチ111を接続しオプションスイッチ112を切断すれば、出力信号rb0及びrb1はアドレス信号A10に依存する。アドレス信号A10がHIGHならば、出力信号rb0及びrb1はそれぞれHIGH及びLOWに設定される。アドレス信号A10がLOWならば、出力信号rb0及びrb1はそれぞれLOW及びHIGHに設定される。オプションスイッチ111及び112は、図5の場合と同様にヒューズを形成するメタルと同一の材料(同一の層)で形成されている。
このように第2の実施例においては、高い冗長効率を確保したい場合には全てのヒューズを有効にしてアドレス信号A10で選択するようにし、高いヒューズの信頼性を確保したい場合には、オプションスイッチ111を切断しオプションスイッチ112を接続することで、偶数番目のヒューズのみを有効とすることが可能である。
以上の第1の実施例及び第2の実施例の説明から分かるように、本発明においては、スペアの数や具体的な冗長処理の構成に依存することなく、ある1つのヒューズセットに属する複数のヒューズを所定数おきに配置することが可能である。これにより、ヒューズセット毎に使用/不使用を回路的に選択することで、必要に応じて冗長効率を減少させてヒューズの信頼性を向上させることができる。
図10は、メモリブロック17の第3の実施例の構成を示す図である。図10において、図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。
図10のメモリブロック17は、コラム系の構成については図2のメモリブロックと同一である。図10のメモリブロック17のワード系は、ワードドライバ121、ワード線についてのスペア用ドライバ123、ワード線についての冗長回路125、ワードデコーダ127、複数のヒューズラッチ回路29、及びヒューズアレイ130を含む。このように第3の実施例において、ワード系にはスペアが1セットしか設けられていない。この場合、ヒューズセットも1セットとなるので、ヒューズピッチLでヒューズ140を配置可能である。しかし第3の実施例においては、ピッチLで配置されたヒューズ140の間に、使用しないダミーのヒューズ141を配置している。
このダミーヒューズ141を配置することで、レーザー切断時にダミーヒューズ141が壁の役割を果たし、切断ヒューズ140が隣のヒューズ140と短絡することを回避できる。またこのダミーヒューズ141を何れの電源にも接続しないフローティング状態に設定しておけば、使用ヒューズ140と短絡しても不良にはならない。このようにして、ヒューズの信頼性を低下させることなく、ヒューズ切断時の切断マージンを向上させることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアドレスを冗長するための複数の第1のヒューズラッチ回路と、
第2のアドレスを冗長するための複数の第2のヒューズラッチ回路と、
該複数の第2のヒューズラッチ回路を無効にするための無効回路と、
該複数の第1のヒューズラッチ回路に対応する複数の第1のヒューズの位置は、該複数の第2のヒューズラッチ回路に対応する第2のヒューズの位置の間に交互に介在することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
該第1のヒューズの位置に設けられるヒューズと、
該第2のヒューズの位置に設けられるヒューズ
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
該第1のヒューズの位置に設けられるヒューズを更に含み、該第2のヒューズの位置にはヒューズが存在しないことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
該無効回路は、該複数の第2のヒューズラッチ回路を無効にする信号を生成するか否かを選択するスイッチを含み、該スイッチは該ヒューズと同一の材料で形成されることを特徴とする請求項3記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
該第1のヒューズの位置と該第2のヒューズの位置は1つの列内で交互に配置されることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
第3のアドレスを冗長するための複数の第3のヒューズラッチ回路と、
該複数の第3のヒューズラッチ回路に対応する複数の第3のヒューズと、
1つの列内で該複数の第3のヒューズと交互に配置される複数のダミーヒューズ
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
該複数のダミーヒューズは他の回路部分と電気的接続を有さないフローティング状態にあることを特徴とする請求項6記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
該無効回路は該複数の第2のヒューズラッチ回路の出力を所定のレベルに固定することを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
該無効回路は、
該複数の第1のヒューズラッチ回路を無効にする信号を生成するか否かを選択するための回路と、
該複数の第2のヒューズラッチ回路を無効にする信号を生成するか否かを選択するための回路
を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。

【国際公開番号】WO2004/095471
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571085(P2004−571085)
【国際出願番号】PCT/JP2003/005202
【国際出願日】平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】