説明

半導体集積回路装置及び半導体集積回路装置の製造方法

【課題】製造過程において半導体記憶素子の書き込みテストを行うことができる半導体集積回路を提供する。
【解決手段】光照射によりデータの記憶状態が変化するPROM22が形成された基板10と、基板10のPROM22が形成された面側に形成された多層配線構造70と、を備え、多層配線構造70に、PROM22が形成されたPROM領域20に対向する位置に透光性材料により形成され、多層配線構造70の外部からPROM22への光導入路とされる透光領域80と、透光領域80の周囲に、複数層の遮光性材料により連続的に形成された遮光領域30と、透光領域80からみて遮光領域30を介して外側に形成され、PROM22の記憶状態を操作するためのPAD部60と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置及び半導体集積回路装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LCD(Liquid Crystal Display)ドライバ用半導体集積回路装置では、LCDが搭載されるガラス基板(以下、LCD基板と称する。)上に、金属バンプを介して半導体チップが直接接続されている。図8に、LCDパネル1001とLCDドライバ用半導体集積回路装置1002が実装されたLCD基板1000の平面図を示す。図8に示すように、通常、LCDドライバ用半導体集積回路装置1002は、外光に曝されるLCDパネル1001の近傍に配置される。そのため、LCDドライバ用半導体集積回路装置1002に外光が直接或いは間接的に照射することがある。
【0003】
一方、LCDドライバ用半導体集積回路装置1002には、図8に示すように、PROM(Programmable Read Only Memory)を有するプログラム回路(以下、PROM領域と称する。)1003が搭載されることがある。このPROM領域1003は、顧客であるセットメーカが任意のID等のセットメーカデータ(顧客データ)を書き込むことに使用することができる。
ここで、PROMは、一旦書き込まれた顧客データを保持する必要があるが、LCDドライバ用半導体集積回路装置1002が外光に曝された場合、PROM領域1003にも外光が照射し、PROMに記憶された顧客データが消去されてしまう可能性がある。そのため、PROM領域1003を遮光する必要がある。
【0004】
そこで、LCD基板上に搭載されたEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)の上に遮光部材を設ける表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。
また、半導体集積回路上のEPROMのメモリセル上に当該EPROMを覆うように遮光膜を設けるものも知られている(例えば、特許文献2)。
また、EPROMの上に照射窓を有する遮光膜を設け、照射窓から紫外線を照射することにより、遮光膜を配設中に低下したEPROMのトランジスタの動作閾値を回復するものも知られている(例えば、特許文献3)。なお、当該照射窓は、EPROMのトランジスタの動作閾値を回復後、遮光性の絶縁膜により塞がれる。
また、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)上に遮光膜を設け、EEPROM領域を囲うようにコンタクトプラグとビアプラグを設けて側面の遮光も行っているものも知られている(例えば、特許文献4)。
【0005】
上述の従来技術を組み合わせてPROMの遮光を行う半導体集積回路装置の側面断面図を図9に示し、紫外線照射側から見た平面図を図10に示す。
図9に示すように、基板1005上には、PROM領域1004に対向する位置に透光性材料により形成された透光領域1015と、透光領域1015の周囲に、コンタクトプラグ1006が形成されている。また、コンタクトプラグ1006の上に第1配線層1007が積層されている。さらに、第1配線層1007の上にビアプラグ1008が積層されている。また、ビアプラグ1008の上に、透光領域1015と対向する位置に、PROM領域1004の紫外線が照射される側を覆うようにして第2配線層1009が積層されている。そして、コンタクトプラグ1006、第1配線層1007、ビアプラグ1008、第2配線層1009は、PROM領域1004の紫外線が照射される側及び側面を隙間なく覆う構造を形成し、PROM領域1004の遮光を行っている。以下、コンタクトプラグ1006、第1配線層1007、ビアプラグ1008、第2配線層1009により形成される構造を遮光構造1010と称する。
また、第2の配線層と同じ層に、PAD部1013が形成されている。また、遮光構造1010の上方には、カバー1011が設けられる。また、カバー1011には、PAD部1013に相当する部分に開口部1012が備えられている。PAD部1013は、当該半導体集積回路装置と外部装置とのインターフェイス部である。そして、このPAD部1013を介してPROMの書き込み制御を行うことが可能である。なお、カバー1011は紫外線を透過する。
【0006】
また、図10に示すように、遮光構造1010において、PROM領域1004の入出力配線1014に相当する部分は、入出力配線1014に沿って所定距離分延出して設けられている。また、遮光構造1010は、入出力配線1014を外部に配線するための配線開口部1010Aを有している。また、遮光構造1010の入出力配線1014を覆う部分は、入出力配線1014が1箇所以上曲がって配設されるように、1箇所以上の角部1010Bを有している。そして、配線開口部1010Aから入射する外光は角部1010Bによって遮られるため、外光がPROM領域1004に直接入射しないようになっている。この構造は、特許文献4に記載されている。
以上、説明したように、上述の従来技術を組み合わせることにより、PROMをほぼ完全に遮光することが可能となる。
【0007】
しかし、上述した従来技術の半導体集積回路装置では、PAD部1013を形成する際には、遮光構造1010によりPROMが遮光された状態となっている。そのため、PROMにPAD部1013により書き込みテストを行うと、後でPROMに紫外線を照射して書き込みテストデータを消去することができない。従って、従来技術の半導体集積回路では、製造時にPROMの書き込みテストを行うことができない。
【0008】
そこで、従来技術の半導体集積回路装置に搭載されたPROMは、一度書き込みの素子(One Time Program素子;以下、OTP素子と称する。)として利用される。上述のように、従来技術の半導体集積回路装置に搭載されたPROMは、書き込みテストが行われないため、半導体集積回路装置に当該PROM(OTP素子)を必要数以上形成する必要がある。PROM(OTP素子)を必要数以上形成することにより、一のPROM(OTP素子)に不良があっても、別のPROM(OTP素子)を利用することができる。
【特許文献1】特開2006−154317号公報
【特許文献2】実開平05−038915号公報
【特許文献3】特開平07−066378号公報
【特許文献4】特開2003−124363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、顧客が必要とするIDの総数は増加する傾向にあり、数百〜数千ビットに及ぶこともある。PROM(OTP素子)の不良頻度次第によっては、半導体集積回路装置にPROM(OTP素子)を数十〜数百ビット設けることが必要となり、半導体集積回路の小面積設計の阻害要因となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかる半導体集積回路は、光が照射されることによりデータの記憶状態が変化する半導体記憶素子が形成された基板と、前記基板の前記半導体記憶素子が形成された面側に形成された多層配線構造と、を備え、前記多層配線構造は、前記半導体記憶素子が形成された素子領域に対向する位置に透光性材料により形成され、前記多層配線構造の外部から前記半導体記憶素子への光導入路とされる透光領域と、前記透光領域の周囲に、複数層の遮光性材料により連続的に形成された遮光領域と、前記透光領域からみて前記遮光領域を介して外側に形成され、前記半導体記憶素子の記憶状態を操作するための電極と、を有している。
これにより、電極が形成された時点では、光導入路である透光領域は遮光されていないので、電極により半導体記憶素子に試験的に書込み処理を行った後、半導体記憶素子に光を照射して消去処理を行うことができる。つまり、遮光対策を施すべき半導体記憶素子の書き込みテストを行うことができる。従って、半導体集積回路装置の製造過程において半導体記憶素子の書き込みテストを行うことができる。よって、テストを実施することができるため、半導体集積回路装置に必要数以上の半導体記憶素子を形成しなくてもよくなり、半導体集積回路装置の小面積設計を可能にする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、遮光対策を施すべき半導体記憶素子に紫外線照射によるデータ消去を行って書き込みテストを実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
また、本発明にかかる半導体集積回路装置は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)基板上において、LCDパネルの近傍に搭載されるLCDドライバ用半導体集積回路装置に適用するのに好適である。
【0013】
発明の実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかる半導体集積回路装置100について図1、図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導体集積回路装置100の概略構成を示す側面断面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる半導体集積回路装置100を紫外線が照射される方向から見た平面図である。
【0014】
半導体集積回路装置100は、図1に示すように、基板10、PROM(Programmable Read Only Memory)22(半導体記憶素子)が形成されたPROM領域20(素子領域)、基板10のPROM領域20が形成された面側に形成された多層配線構造70、多層配線構造70の紫外線が照射される側に設けられるカバー(パッシベーション膜)40、カバー40の紫外線が照射される側に設けられる遮光部材50等を備えている。
なお、本実施形態では、PROM22を半導体記憶素子の一例として挙げたが、これに限られるものではなく、光を照射することによりデータの書き込み及び消去が行われる半導体記憶素子なら何であってもよい。例えば、半導体記憶素子として、UVEPROM(UV Erasable Programmable Read Only Memory)が用いられてもよい。また、本発明は、光に敏感な半導体記憶素子(例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory))が搭載される半導体集積回路装置に適用可能である。
【0015】
PROM領域20は、PROM22と、PROM領域20を外部に接続するための入出力配線21等を備えている。
PROM22は、基板10上に突設して形成されたゲートポリ(ゲートポリ電極、ゲート電極)22Aと、基板10上のゲートポリ22Aの周辺領域に形成された拡散層22B等を備えている。
【0016】
多層配線構造70は、PROM領域20と対向する位置に透光性材料により形成される遮光領域80を備えている。遮光領域80は、多層配線構造70の外側からPROM22への光導入路とされる。具体的には、透光領域80は、透光性の絶縁層が、PROM領域20と対向する位置に積層されて形成される。つまり、透光領域80は、PROM領域20の紫外線が照射される側に、透光性の絶縁層が積層されることによって形成される。
【0017】
また、多層配線構造70は、透光領域80の周囲に遮光性材料により形成された遮光領域30を備えている。具体的には、遮光領域30は、透光領域80の周囲を囲むように、遮光性の材料が連続的に積層されて形成される。つまり、遮光領域30は、透光領域80の周囲に、紫外線が照射される方向に向かって、遮光性の材料が連続的に積層されることにより形成されている。言い換えると、遮光領域30は、PROM領域20の周囲を囲むように、紫外線が照射される側に向かって連続的に積層されている。即ち、遮光領域30は、PROM領域20の周囲を囲むように基板10の上方に向かって連続的に積層されている。そして、連続的に積層された遮光領域30の基板10からの最高地点は水平面を形成している。
【0018】
より具体的には、遮光領域30は、基板10上に、PROM領域20(即ち、透光領域80)の周囲を囲むように設けられる遮光性のコンタクトプラグ31、コンタクトプラグ31の上(即ち、紫外線が照射される側)に積層される遮光性の第1配線層32、第1配線層32の上に積層される遮光性のビアプラグ33、ビアプラグ33の上に積層される遮光性の第2配線層34を備えている。コンタクトプラグ31、第1配線層32、ビアプラグ33、第2配線層34を総じて遮光壁302とする。
遮光壁302は、図1、図2に示すように、PROM領域20を照射する紫外線の光源側の面を覆わないように設けられている。また、遮光壁302は、PROM領域20の周囲に連続して設けられている。即ち、遮光壁302は、透光領域80の側面を隙間なく覆うように設けられている。
【0019】
また、遮光領域30は、図2に示すように、入出力配線21に沿って所定距離だけ延出する延出部30Aを備えている。
延出部30Aは、入出力配線21を外部に配線するための配線開口部30Bを備えている。また、延出部30Aは、入出力配線21が1箇所以上曲がって配線されるように、1箇所以上の角部30Cを有している。
具体的には、延出部30Aは、遮光壁302により、断面形状が略矩形形状を有する管状形状に形成されている。また、延出部30Aは、角部30Cにおいて折れ曲がった管状形状に形成されている。なお、図2では、角部30Cが1つ備えられる場合を例示しているが、角部30Cの数及び配置位置は図示例に限られるものではない。
【0020】
また、多層配線構造70は、透光領域80からみて遮光領域30を介した外側に、PAD部60(電極)を備えている。具体的には、PAD部60は、PROM領域20の積層方向上側(即ち、紫外線が照射される側)の層に形成されている。また、PAD部60は、遮光領域30の側方において、第2配線層34と同じ層に形成されている。そして、PAD部60は、PROM22に対する書込み処理を制御する。なお、PAD部60の形成される位置は、これに限定されるものではない。
【0021】
カバー40は、PAD部60に相当する位置に凹形状の開口部40Aを有している。また、開口部40Aは、PAD部60と紫外線照射側から見て平面視略同一形状に形成されている。そして、開口部40Aは、PAD部60により塞がれるようになっている。このように、PAD部60の上部には開口部40Aが設けられ、テスト時のプローブ接触部、及び、金属バンプの接触部となる。
また、カバー40は、第2配線層34に相当する部分に凹形状に開口する溝部40Bを備えた凹凸形状に形成されている。
なお、カバー40は、紫外線を透過する材料により形成されている。
【0022】
遮光部材50は、例えば、ポリイミドにより形成されている。また、遮光部材50は、透光領域80(即ち、PROM領域20)に対向する位置に配置されている。具体的には、遮光部材50は、透光領域80の紫外線が照射される側を覆うように、カバー40の上(即ち紫外線照射側)にパターニングされている。より具体的には、遮光部材50は、カバー40において、透光領域80に相当する部分及び溝部40B及び溝部40Bより側方に延出した部分に連続して積層されている。即ち、カバー40の溝部40Bは遮光部材50により充填されている。従って、遮光部材50は、遮光領域30の上部及び遮光領域30により囲まれる部分(即ち、PROM領域20)を覆うようにパターニングされている。また、遮光部材50は、遮光領域30と連続して形成されている。ここで、このように形成された遮光部材50を遮光蓋303とする。遮光蓋303は、遮光壁302の基板10からの最高地点を結ぶ水平面と接触している。即ち、PROM22の側部は遮光壁302により囲われ、遮光壁302による囲いの上部は遮光蓋303により覆われていることとなる。なお、遮光部材50は、カバー40において、透光領域80に相当する部分及び溝部40Bに連続して形成されるだけでもよい。
また、遮光部材50(遮光蓋303)は、半導体集積回路装置100の製造工程において、PROM22の書き込みテストの後で、カバー40の上に形成される。
なお、遮光部材50は、PAD部60よりも積層方向上層に、遮光領域30と連続して形成されればよい。従って、遮光部材50の積層方向における位置は、本実施形態に限定されるものではない。
【0023】
次に、本実施形態にかかる半導体集積回路装置100の製造方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態にかかる半導体集積回路装置100におけるPROM22の書き込みテストの様子を説明する側面断面図である。
まず、図3に示すように、基板10上に、PROM領域20を形成する(素子形成工程)。次に、PROM領域20に対向する位置に(即ち、紫外線が照射される側に)透光性の絶縁層を積層して透光領域80を形成するとともに、紫外線が照射される側に向かって(即ち、積層方向上方に向かって)透光領域80の周囲にコンタクトプラグ31、第1配線層32、ビアプラグ33、第2配線層34を積層して遮光領域30(遮光壁302)を形成する。次いで、透光領域80の遮光領域30を介して外側にPAD部60を形成し、カバー40を形成する(配線構造形成工程)。次に、PROM22の書き込みテストを実施する(試験工程)。具体的には、PAD部60を介して、PROM22に書込み処理及びテストを実施した後、PROM22に紫外線を照射して、書込み処理によりPROM22に書き込まれたデータを消去する。その後、カバー40の紫外線が照射される側に、透光領域80を覆うように遮光部材50(遮光蓋303)を形成する(遮光形成工程)。なお、同様に、試験工程において、PROM22の保持不良検出テストも行うことができる。この場合にも、保持不良検出テストの終了後、遮光部材50(遮光蓋303)をカバー40の上に形成する。
【0024】
表1に、本発明を適用した半導体集積回路装置100のPROM22への各処理の可否について、半導体メーカ、顧客(セットメーカ、エンドユーザ)毎に示した。○は「できる」を示し、×は「できない」を示す。表1に示すように、半導体メーカにおいては、PROM22への書込み処理及び消去処理が行えるため、書き込みテスト及び保持不良検出テストを行うことができる。また、書き込みテスト及び保持不良検出テストの結果が不良となった場合に、救済処置やスクリーニングが行える。その結果、かかる不良を有する半導体集積回路装置100及び半導体チップを顧客に対して良品として出荷することができる。或いは、かかる不良を有する半導体集積回路及び半導体チップの顧客への流出を防ぐことができる。
【0025】
【表1】

【0026】
表2に、従来の半導体集積回路装置のPROMへの各処理の可否について、半導体メーカ、顧客(セットメーカ、エンドユーザ)毎に示した。表2に示すように、半導体メーカにおいて、PROMへの消去処理が行えない。従って、半導体メーカにおいて書き込みテスト又は保持不良検出テストを行うと、消去処理が行えないため、書き込みテスト又は保持不良検出テストにより当該PROMに書き込まれたデータを消去することができない。そして、半導体メーカにおいて書込みテスト又は保持不良検出テストを行ってしまうと、当該PROMに対して顧客(セットメーカ)が書き込みを行えなくなり、不良品となってしまう。つまり、半導体メーカにおいて書き込みテスト及び保持不良検出テストを行うことができない。その結果、かかる不良を有する半導体集積回路及び半導体チップの顧客への流出を防ぐことができない。
【0027】
【表2】

【0028】
以上、説明したように、本発明の実施の形態1にかかる半導体集積回路装置100及び半導体集積回路装置100の製造方法では、光が照射されることによりデータの記憶状態が変化するPROM22が形成された基板10と、基板10のPROM22が形成された面側に形成された多層配線構造70と、を備え、多層配線構造70は、PROM22が形成されたPROM領域20に対向する位置に透光性材料により形成され、多層配線構造70の外部からPROM22への光導入路とされる透光領域80と、透光領域80の周囲に、第1配線層32及び第2配線層34、第1配線層32と第2配線層34との間を接続する遮光性のビアプラグ33、及び第1配線層32と基板10の間を接続する遮光性のコンタクトプラグ31により連続的に形成された遮光領域30(遮光壁302)と、透光領域80からみて遮光領域30を介して外側に形成され、PROM22の記憶状態を操作するためのPAD部60と、を有している。
これにより、PAD部60が形成された時点では、光導入路である透光領域80は遮光されていないので、PAD部60を介してPROM22に試験的に書込み処理を行った後、PROM22に光を照射して消去処理を行うことができる。つまり、遮光対策を施すべきPROM22の書き込みテストを行うことができる。従って、半導体集積回路装置100の製造過程においてPROM22の書き込みテストを行うことができる。よって、テストを実施することができるため、半導体集積回路装置100に必要数以上のPROM22を形成しなくてもよくなり、半導体集積回路装置100の小面積設計を可能にする。
【0029】
また、PAD部60が形成された後に遮光部材50が形成される。即ち、PAD部60の層よりも上位層に、遮光壁302の基板10から最高地点を結ぶ水平面に接触するように遮光蓋303が形成されるので、書込み処理及び消去処理の後、遮光部材50(遮光蓋303)を遮光領域30(遮光壁302)と連続的に形成することによりPROM20領域をほぼ完全に遮光することができる。従って、半導体集積回路装置100の製造過程においてPROM22の書き込みテストを行うことができるとともに、PROM22の書き込みテスト後においてPROM領域20をほぼ完全に遮光することができる。
【0030】
また、遮光領域30(遮光壁302)には、入出力配線21が配線される部分に隙間を設ける必要があり、当該隙間から外光がPROM領域20へ入射することが問題となる。しかし、遮光領域30(遮光壁302)は、入出力配線21に沿って所定距離だけ延出する延出部30Aを備え、延出部30Aは、入出力配線21が1箇所以上曲がって配線されるように、1箇所以上の角部30Cを備えるので、入出力配線21を外部に配線するための配線開口部30Bから入射する外光は角部30Cによって遮られるため、外光がPROM領域20に直接入射しないこととなり、PROM22をより完全に遮光することができる。
【0031】
なお、半導体メーカのみに用いられる専用PROM22が搭載される場合は、専用PAD部と通常PAD部とを設け、専用PAD部により専用PROM22への書き込みを制御するように構成し、通常PAD部により顧客用のPROM22への書き込みを制御するように構成することにより、専用PROM22の使用制限を行うことができる。また、特定の通常PAD部に規定電圧シーケンスを印加するテストモードを使用することによっても、顧客に対して、PROM使用領域の制限を行うことができる。
また、第2の遮光部材50がポリイミドにより形成されることとしたが、遮光性の高い他の材料により形成されてもよい。例えば、第2の遮光部材50は、遮光性の高い絶縁材料により形成されてもよい。
【0032】
発明の実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかる半導体集積回路装置101について図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態2にかかる半導体集積回路装置101の概略構成を示す側面断面図である。
なお、本発明の実施の形態2にかかる基板10、PROM領域20、多層配線構造70、カバー40、PAD部60の構成は、図1に示す構成と同様であり、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0033】
半導体集積回路装置101は、図4に示すように、基板10、基板10上に形成されるPROM22を有するPROM領域20、基板10のPROM領域20が形成された面側に形成された多層配線構造70、多層配線構造70の紫外線が照射される側に設けられるカバー40、カバー40の紫外線が照射される側に設けられる遮光部材51、PAD部60、PAD部60の紫外線が照射される側に形成されるPAD遮光部材52等を備えている。
【0034】
遮光部材51は、例えば、金等の金属バンプの材料により形成されている。また、遮光部材51は、透光領域80(即ち、PROM領域20)に対向する位置に配置されている。具体的には、遮光部材51は、透光領域80の紫外線が照射される側を覆うように、カバー40の上(即ち、紫外線が照射される側)にパターニングされている。より具体的には、遮光部材51は、カバー40において、透光領域80に相当する部分及び溝部40B及び溝部40Bより側方に延出した部分に連続して積層されている。即ち、カバー40の溝部40Bは遮光部材51により充填されている。従って、遮光部材51は、遮光領域30の上部及び遮光領域30により囲まれる部分(即ち、PROM領域20)を覆うようにパターニングされている。また、遮光部材51は、遮光領域30と連続して形成されている。ここで、このように形成された遮光部材51を遮光蓋304とする。遮光蓋304は、遮光壁302の基板10からの最高地点を結ぶ水平面と接触している。即ち、PROM22の側部は遮光壁302により囲われ、遮光壁302による囲いの上部は遮光蓋304により覆われていることとなる。なお、遮光部材51は、カバー40において、透光領域80に相当する部分及び溝部40Bに連続して形成されるだけでもよい。
また、遮光部材51(遮光蓋304)は、半導体集積回路装置101の製造工程において、PROM22の書き込みテストの後で、カバー40の上に形成される。
なお、遮光部材51は、PAD部60よりも積層方向上層に、遮光領域30と連続して形成されればよい。従って、遮光部材51の積層方向における位置は、本実施形態に限定されるものではない。
【0035】
PAD遮光部材52は、遮光部材51と同様に、例えば、金等の金属バンプの材料により形成されている。PAD遮光部材52は、カバー40の紫外線が照射される側において、PAD部60及び開口部40Aにより形成される凹部40C及び凹部40Cから側方に延出した部分に積層されている。PAD部60の上に形成されたPAD遮光部材52は、バンプ端子として機能する。
【0036】
以上、説明したように、本発明の実施の形態2にかかる半導体集積回路装置101では、遮光部材51(遮光蓋304)が、ポリイミドより遮光性が高い金属により形成されているので、より完全にPROM22を遮光することができる。
【0037】
発明の実施の形態3.
本発明の実施の形態3にかかる半導体集積回路装置102について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態3にかかる半導体集積回路装置102の概略構成を示す側面断面図である。
なお、本発明の実施の形態3にかかる基板10、PROM領域20,PAD部60の構成は、図1に示す構成と同様であり、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0038】
半導体集積回路装置102は、図5に示すように、基板10、多層配線構造71、カバー(パッシベーション膜)41、遮光部材53、PAD部60等を備えている。
基板10上には、PROM22(第1の半導体記憶素子)が形成されるPROM領域20(第1の素子領域)と、PROM25(第2の半導体記憶素子)が形成されるPROM領域24(第2の素子領域)が形成されている。
【0039】
PROM領域24は、PROM25と、PROM領域24を外部に接続するための入出力配線(図示省略)等を備えている。
PROM25は、基板10上に突設して備えられるゲートポリ(ゲートポリ電極、ゲート電極)25Aと、基板10上のゲートポリ25Aの周辺領域に設けられた拡散層25B等を備えている。
【0040】
多層配線構造71は、PROM領域20に対向する位置に形成される透光領域80(第1の透光領域)、透光領域80の周囲に形成された遮光領域30(第1の遮光領域)、PROM領域24に対向する位置に形成される透光領域81(第2の透光領域)、透光領域81の周囲及び透光領域81と対向する位置に形成された遮光領域35(第2の遮光領域)、PAD部60を備えている。透光領域80及び遮光領域30は、図1に示す構成と同様であり、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0041】
透光領域81は、PROM領域24と対向する位置に透光性材料により形成され、多層配線構造71の外側からPROM25への光導入路とされる。具体的には、透光領域81は、透光性の絶縁層が、PROM領域24と対向する位置に積層されて形成される。つまり、透光領域81は、PROM領域24の紫外線が照射される側に、透光性の絶縁層が積層されることによって形成される。
【0042】
遮光領域35は、遮光性の素材により、透光領域81の周囲を囲むように、且つ、透光領域81の紫外線が照射される側を覆うように形成されている。具体的には、透光領域81は、基板10上に、PROM領域24の周囲を囲むように設けられる遮光性のコンタクトプラグ36、コンタクトプラグ36の上(即ち、紫外線が照射される側)に積層される遮光性の第1配線層37、第1配線層37の上に積層される遮光性のビアプラグ38、ビアプラグ38の上に積層される遮光性の第2配線層39を備えている。
コンタクトプラグ36、第1配線層37、ビアプラグ38は、図5に示すように、透光領域81の紫外線が照射される側を覆わないように設けられている。第2配線層39は、透光領域81の紫外線が照射される側を覆うように設けられている。また、コンタクトプラグ36、第1配線層37、ビアプラグ38、第2配線層39は、透光領域81の周囲に連続して設けられている。即ち、コンタクトプラグ36、第1配線層37、ビアプラグ38、第2配線層39は、透光領域81を照射する紫外線の光源側の面及び側面を隙間なく覆うように設けられている。
そして、PAD部60は、透光領域80及び透光領域81からみて、遮光領域30及び遮光領域35を介した外側に、形成されている。
【0043】
カバー41は、PAD60に相当する位置に凹形状の開口部41Aを有している。また、開口部41Aは、PAD部60と紫外線照射側から見て平面視略同一形状に形成されている。そして、開口部41Aは、PAD部60により塞がれるようになっている。
また、カバー41は、第2配線層34に相当する部分に凹形状に開口する溝部41Bを備えた凹凸形状に形成されている。
なお、カバー41は、紫外線を透過する材料により形成されている。
【0044】
遮光部材53は、例えば、ポリイミドにより形成されている。また、遮光部材53は、透光領域80及び透光領域81に対向する位置に配置されている。具体的には、遮光部材53は、透光領域80及び透光領域81の紫外線が照射される側を覆うように、カバー41の上にパターニングされている。より具体的には、遮光部材53は、カバー41において、透光領域80に相当する部分及び溝部41B及び溝部41Bより側方に延出した部分、透光領域81に相当する部分に連続して積層されている。即ち、カバー41の溝部41Bは遮光部材53により充填されている。従って、遮光部材53は、遮光領域30の上部及び遮光領域30により囲まれる部分(即ち、PROM領域20)及び、遮光領域35の上部及び遮光領域35により囲まれる部分(即ち、PROM領域24)を連続して覆うようにパターニングされている。また、遮光部材53は、遮光領域30と連続して形成されている。ここで、このように形成された遮光部材53を遮光蓋305とする。遮光蓋305は、遮光壁302の基板10からの最高地点を結ぶ水平面と接触している。即ち、PROM22の側部は遮光壁302により囲われ、遮光壁302による囲いの上部は遮光蓋305により覆われていることとなる。なお、遮光部材53は、カバー41において、透光領域80に相当する部分及び溝部41Bに連続して形成されるだけでもよい。
また、遮光部材53(遮光蓋305)は、半導体集積回路装置102の製造工程において、PROM22の書き込みテストの後で、カバー41の上に形成される。
なお、遮光部材53は、PAD部60よりも積層方向上層に、遮光領域30と連続して形成されればよい。従って、遮光部材53の積層方向における位置は、本実施形態に限定されるものではない。
【0045】
次に、本実施形態にかかる半導体集積回路装置102の製造方法を説明する。まず、基板10上に、PROM領域20及びPROM領域24を形成する。次に、PROM領域20に対向する位置に(即ち、紫外線が照射される側に)、透光性の絶縁層を積層して透光領域80を形成するとともに、透光領域80の周囲に、紫外線が照射される側に向かって(即ち、積層方向上方に向かって)、コンタクトプラグ31、第1配線層32、ビアプラグ33、第2配線層34を積層して遮光領域30(遮光壁302)を形成する。また、PROM領域24に対向する位置に(即ち、紫外線が照射される側に)、透光性の絶縁層を積層して透光領域81を形成するとともに、透光領域81の周囲及び透光領域81の紫外線が照射される側を覆うように遮光領域35を形成する。次いで、透光領域80及び透光領域81の遮光領域30及び遮光領域35を介して外側にPAD部60を形成し、カバー41を形成する。次に、PROM22の書き込みテストを実施する。具体的には、PAD部60を介して、PROM22に書込み処理及びテストを実施した後、PROM22に紫外線を照射して、書込み処理によりPROM22に書き込まれたデータを消去する。このとき、PROM25は、遮光領域35によりほぼ完全に遮光されているので、紫外線照射によってPROM25に記憶されたデータが変動することはない。その後、カバー41の紫外線が照射される側に、遮光部材53(遮光蓋305)を透光領域80及び透光領域81の紫外線が照射される側を覆うように形成する。なお、同様に、試験工程において、PROM22の保持不良検出テストも行うことができる。この場合にも、保持不良検出テストの終了後、遮光部材53(遮光蓋305)をカバー41の上に形成する。
【0046】
以上、説明したように、本発明の実施の形態3にかかる半導体集積回路装置102では、PROM22の書き込みテスト時に、PROM25が遮光領域35によりほぼ完全に遮光されているので、PROM22の書き込みテストを行いつつ、当該書き込みテストにおける紫外線照射に起因するPROM25のデータ変動を防止することができる。
【0047】
発明の実施の形態4.
本発明の実施の形態4にかかる半導体集積回路装置103について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態4にかかる半導体集積回路装置103の概略構成を示す側面断面図である。
なお、本発明の実施の形態3にかかる基板10、PROM領域20、多層配線構造70、カバー40、遮光部材50(遮光蓋303)、PAD部60の構成は、図1に示す構成と同様であり、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0048】
半導体集積回路装置103は、図6に示すように、基板10、基板10上に形成されるPROM22を有するPROM領域20、基板10のPROM領域20が形成された面側に形成された多層配線構造70、多層配線構造70の紫外線が照射される側に設けられるカバー40、カバー40の紫外線が照射される側に設けられる遮光部材50(遮光蓋303)、PAD部60、上層配線層90等を備えている。
上層配線層90は、遮光部材50(遮光蓋303)の積層方向上層に形成されている。このように、遮光部材50(遮光蓋303)は、PAD部60よりも積層方向上層に形成されていればよく、最上層に形成されていなくてもよい。
【0049】
発明の実施の形態5.
本発明の実施の形態5にかかる半導体集積回路装置104について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態5にかかる半導体集積回路装置104の概略構成を示す側面断面図である。
なお、本発明の実施の形態2にかかる基板10、PROM領域20、透光領域80の構成は、図1に示す構成と同様であり、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0050】
半導体集積回路装置104は、図7に示すように、基板10、PROM22が形成されたPROM領域20、基板10のPROM領域20が形成された面側に形成された多層配線構造72、多層配線構造72の紫外線が照射される側に設けられるカバー42を備えている。
【0051】
多層配線構造72は、透光領域80及び遮光領域301を備えている。
【0052】
遮光領域301は、透光領域80の周囲を囲むように、遮光性の材料が連続的に積層されて形成される。つまり、遮光領域301は、透光領域80の周囲に、紫外線が照射される方向に向かって、遮光性の材料が連続的に積層されることにより形成されている。言い換えると、遮光領域301は、PROM領域20の周囲を囲むように、紫外線が照射される側に向かって連続的に積層されている。即ち、遮光領域301は、PROM領域20の周囲を囲むように基板10の上方に向かって連続的に積層されている。
【0053】
より具体的には、遮光領域301は、基板10上に、PROM領域20(即ち、透光領域80)の周囲を囲むように設けられる遮光性のコンタクトプラグ31A、コンタクトプラグ31Aの上(即ち、紫外線が照射される側)に積層される遮光性の第1配線層32Aを備えている。コンタクトプラグ31A、第1配線層32Aを総じて遮光壁306とする。
遮光壁306は、図7に示すように、PROM領域20を照射する紫外線の光源側の面を覆わないように設けられている。また、遮光壁306は、PROM領域20の周囲に連続して設けられている。即ち、遮光壁306は、透光領域80の側面を隙間なく覆うように設けられている。また、遮光領域301は、本発明の実施の形態1と同様に、入出力配線(図示省略)に沿って所定距離だけ延出する延出部(図示省略)を備えている。
【0054】
また、多層配線構造72は、透光領域80からみて遮光領域301を介した外側に、テスト用PAD部61(電極)を備えている。具体的には、テスト用PAD部61は、PROM領域20の積層方向上側(即ち、紫外線が照射される側)の層に形成されている。また、テスト用PAD部61は、遮光領域301の側方において、第1配線層32Aと同じ層に形成されている。そして、テスト用PAD部61は、PROM22に対する書込み処理を制御する。
【0055】
また、多層配線構造72は、テスト用PAD部61より積層方向上側の層に遮光部材54を備えている。遮光部材54は、透光領域80(即ち、PROM領域20)に対向する位置に配置されている。具体的には、遮光部材54は、透光領域80の紫外線が照射される側を覆うようにパターニングされている。より具体的には、遮光部材54は、第1配線層32の上に積層される遮光性のビアプラグ33A、ビアプラグ33Aの上に積層される遮光性の第2配線層34Aを備えている。第2配線層34Aは、透光領域80の紫外線が照射される側を覆うようにパターンニングされている。ビアプラグ33A、第2配線層34Aを総じて遮光蓋307とする。また、遮光蓋307(遮光部材54)は、遮光壁306(遮光領域301)と連続して形成されている。即ち、コンタクトプラグ31A、第1配線層32A、ビアプラグ33A、第2配線層34Aは、透光領域80を照射する紫外線の光源側の面及び側面を隙間なく覆うように設けられている。
また、遮光部材54(遮光蓋307)は、半導体集積回路装置104の製造工程において、PROM22の書き込みテストの後で形成される。
なお、遮光部材54は、テスト用PAD部61よりも積層方向上層に、遮光領域301と連続して形成されればよい。従って、遮光部材54の積層方向における位置は、本実施形態に限定されるものではない。
また、遮光部材54は、遮光性の高い絶縁材料により形成されてもよい。
【0056】
また、多層配線構造72は、透光領域80からみて遮光領域301を介した外側に、通常PAD部62(電極)を備えている。具体的には、通常PAD部62は、PROM領域20の積層方向上側(即ち、紫外線が照射される側)の層に形成されている。また、通常PAD部62は、遮光領域301の側方において、第2配線層34Aより積層方向上層に形成されている。
【0057】
カバー42は、通常PAD部62に相当する位置に凹形状の開口部42Aを有している。また、開口部42Aは、通常PAD部62と紫外線照射側から見て平面視略同一形状に形成されている。そして、開口部42Aは、通常PAD部62により塞がれるようになっている。このように、通常PAD部62の上部には開口部42Aが設けられ、プローブ接触部、及び、金属バンプの接触部となる。
なお、カバー42は、紫外線を透過する材料により形成されている。
【0058】
次に、本実施形態にかかる半導体集積回路装置104の製造方法について説明する。
まず、基板10上に、PROM領域20を形成する(素子形成工程)。次に、PROM領域20に対向する位置に(即ち、紫外線が照射される側に)透光性の絶縁層を積層して透光領域80を形成するとともに、紫外線が照射される側に向かって(即ち、積層方向上方に向かって)透光領域80の周囲にコンタクトプラグ31A、第1配線層32Aを積層して遮光領域301(遮光壁306)を形成する。次いで、透光領域80の遮光領域301を介して外側にテスト用PAD部61を形成する(配線構造形成工程)。次に、PROM22の書き込みテストを実施する(試験工程)。具体的には、テスト用PAD部61を介して、PROM22に書込み処理及びテストを実施した後、PROM22に紫外線を照射して、書込み処理によりPROM22に書き込まれたデータを消去する。その後、透光領域80の紫外線が照射される側に、透光領域80を覆うように遮光部材54(遮光蓋307)を形成する(遮光形成工程)。具体的には、第1配線層32Aの上にビアプラグ33Aを積層し、ビアプラグ33Aの上に第2配線層34Aを積層する。また、透光領域80の遮光領域301を介して外側であって第2の配線層34Aよりも上層に通常PAD部62を形成する。そして、カバー42を形成する。なお、同様に、試験工程において、PROM22の保持不良検出テストも行うことができる。この場合にも、保持不良検出テストの終了後、遮光部材54(遮光蓋307)を遮光領域301の上に形成する。
【0059】
このように、遮光部材54は、テスト用PAD部61よりも積層方向上層に形成されていればよく、多層配線構造72内に形成されてもよい。
なお、遮光領域301は、透光領域80の周囲に遮光性材料により積層されて形成されればよく、本実施形態に限られるものではない。
【0060】
以上、説明したように、本発明の実施の形態5にかかる半導体集積回路装置104では、テスト用PAD部61が形成された時点では、光導入路である透光領域80は遮光されていないので、テスト用PAD部61を介してPROM22に試験的に書込み処理を行った後、PROM22に光を照射して消去処理を行うことができる。つまり、遮光対策を施すべきPROM22の書き込みテストを行うことができる。従って、半導体集積回路装置104の製造過程においてPROM22の書き込みテストを行うことができる。よって、テストを実施することができるため、半導体集積回路装置104に必要数以上のPROM22を形成しなくてもよくなり、半導体集積回路装置104の小面積設計を可能にする。
【0061】
また、テスト用PAD部61が形成された後に遮光部材54(遮光蓋307)が形成されるので、書込み処理及び消去処理の後、遮光部材54を遮光領域301と連続的に形成することによりPROM20領域をほぼ完全に遮光することができる。従って、半導体集積回路装置104の製造過程においてPROM22の書き込みテストを行うことができるとともに、PROM22の書き込みテスト後においてPROM領域20をほぼ完全に遮光することができる。
【0062】
また、遮光部材54よりも積層方向上層に通常PAD部62を備えるので、半導体集積回路装置104の出荷後においてPROM22に所望するデータを書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体集積回路装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる半導体集積回路装置を紫外線照射方向から見た平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるにかかる半導体集積回路装置におけるPROMの書き込みテストの様子を説明する側面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる半導体集積回路装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる半導体集積回路装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる半導体集積回路装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5にかかる半導体集積回路装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図8】従来のLCDパネルとLCDドライバ用半導体集積回路装置が実装されたLCD基板の平面図である。
【図9】従来技術を組み合わせてPROMの遮光を行う半導体集積回路装置の側面断面図である。
【図10】従来技術を組み合わせてPROMの遮光を行う半導体集積回路装置の紫外線照射方向から見た平面図である。
【符号の説明】
【0064】
20 PROM領域(素子領域、第1の素子領域)
21 入出力配線
22 PROM(半導体記憶素子、第1の半導体記憶素子)
24 PROM領域(第2の素子領域)
25 PROM(第2の半導体記憶素子)
70、71、72 多層配線構造
80 透光領域(第1の透光領域)
30、301 遮光領域(第1の遮光領域)
30A 延出部
30C 角部
31、36、31A コンタクトプラグ
32、37、32A 第1配線層(配線)
33、38 ビアプラグ
34、39 第2配線層(配線)
302、306 遮光壁
303、304、305、307 遮光蓋
81 透光領域(第2の透光領域)
35 遮光領域(第2の遮光領域)
50、51、53、54 遮光部材
60 PAD部(電極)
61 テスト用PAD部(電極)
100、101、102、103、104 半導体集積回路装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が照射されることによりデータの記憶状態が変化する半導体記憶素子が形成された基板と、
前記基板の前記半導体記憶素子が形成された面側に形成された多層配線構造と、を備え、
前記多層配線構造は、
前記半導体記憶素子が形成された素子領域に対向する位置に透光性材料により形成され、前記多層配線構造の外部から前記半導体記憶素子への光導入路とされる透光領域と、
前記透光領域の周囲に、複数層の遮光性材料により連続的に形成された遮光領域と、
前記透光領域からみて前記遮光領域を介して外側に形成され、前記半導体記憶素子の記憶状態を操作するための電極と、
を有する半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記透光領域と対向する位置に配置され、前記多層配線構造の外部から前記透光領域への光入射を遮る遮光部材をさらに備え、
前記遮光部材は、前記遮光領域と連続的に形成されている請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記素子領域を外部と接続するための入出力配線を備え、
前記多層配線構造は、前記入出力配線に沿って所定距離だけ延出する延出部を備え、
前記延出部は、前記入出力配線が1箇所以上曲がって配線されるように、1箇所以上の角部を備える請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記遮光領域は、前記透光領域の周囲に、複数層の遮光性の配線、前記複数層の配線間を接続する遮光性のビアプラグ、及び前記複数層の配線と前記基板の間を接続する遮光性のコンタクトプラグにより連続的に形成される請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
光が照射されることによりデータの記憶状態が変化する第1の半導体記憶素子及び第2の半導体記憶素子が形成された基板と、
前記基板の前記第1の半導体記憶素子及び第2の半導体記憶素子が形成された面側に形成された多層配線構造と、
を備え、
前記多層配線構造は、
前記第1の半導体記憶素子が形成された第1の素子領域に対向する位置に透光性材料により形成され、前記多層配線構造の外側から前記第1の半導体記憶素子への光導入路とされる第1の透光領域と、
前記第1の透光領域の周囲に、複数層の遮光性の配線、前記複数層の配線間を接続する遮光性のビアプラグ、及び前記複数層の配線と前記基板の間を接続する遮光性のコンタクトプラグにより連続的に形成された第1の遮光領域と、
前記第2の半導体記憶素子が形成された第2の素子領域に対向する位置に透光性材料により形成され、前記多層配線構造の外側から前記第2の半導体記憶素子への光導入路とされる第2の透光領域と、
前記第2の透光領域の周囲及び前記第2の透光領域と対向する位置に、複数層の遮光性の配線、前記複数層の配線間を接続する遮光性のビアプラグ、及び前記複数層の配線と前記基板の間を接続する遮光性のコンタクトプラグにより連続的に形成された第2の遮光領域と、
前記第1の透光領域及び前記第2の透光領域からみて前記第1の遮光領域及び前記第2の遮光領域を介して外側に形成され、前記第1の半導体記憶素子及び前記第2の半導体記憶素子の記憶状態を操作するための電極と、
を備え、
前記第1の透光領域と対向する位置に配置され、前記多層配線構造の外部から前記第1の透光領域への光入射を遮る遮光部材と、
をさらに備え、
前記遮光部材は、前記第1の遮光領域と連続的に形成されている半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記遮光部材は、ポリイミドにより形成される請求項2乃至5の何れか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記遮光部材は、金属により形成される請求項2乃至5の何れか一項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
光が照射されることによりデータの記憶状態が変化する半導体記憶素子を有する半導体集積回路装置の製造方法であって、
基板上に前記半導体記憶素子を形成する素子形成工程と、
前記基板の前記半導体記憶素子が形成された面側に多層配線構造を形成する配線構造形成工程と、
を備え、
前記配線構造形成工程は、
前記半導体記憶素子が形成された素子領域に対向する位置に透光性材料により形成され、前記多層配線構造の外側から前記半導体記憶素子への光導入路とされる透光領域を形成する工程と、
前記透光領域の周囲に、複数層の遮光性の配線、前記複数層の配線間を接続する遮光性のビアプラグ、及び前記複数層の配線と前記基板の間を接続する遮光性のコンタクトプラグにより連続的に遮光領域を形成する工程と、
前記透光領域からみて前記遮光領域を介して外側に、前記半導体記憶素子の記憶状態を操作するための電極を形成する工程と、
を有し、
前記配線構造形成工程後に、前記電極により前記半導体記憶素子に書込み処理を行って、次いで、前記半導体記憶素子に紫外線を照射して消去処理を行う試験工程と、
前記試験工程の後に、前記透光領域と対向する位置に配置され、前記多層配線構造の外側から前記透光領域への光入射を遮る遮光部材を前記遮光領域と連続的に形成する遮光形成工程と、
を備える半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項9】
基板に形成されたPROMと、
前記基板上にあって塀のように前記PROMを囲う遮光壁と、
前記遮光壁の前記基板から最高地点を結ぶ水平面に接触する遮光蓋と、
を備える半導体集積回路装置。
【請求項10】
前記半導体集積回路装置は電極を備え、
前記遮光蓋は前記電極の層よりも上位層に形成される請求項9に記載の半導体集積回路装置。
【請求項11】
前記遮光壁は所望の配線を通すための配線開口部を備える請求項9又は10に記載の半導体集積回路装置。
【請求項12】
前記水平面の上層に形成されるカバーを備え、
前記カバーは溝部を備え、
前記遮光蓋は前記カバーの前記溝部を介して前記水平面に接触する請求項9乃至11の何れか一項に記載の半導体集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−10185(P2009−10185A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170442(P2007−170442)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】