説明

半導体集積回路装置

【課題】本発明は、電源電圧変動(パルス重畳)に依ることなく、高精度の熱保護動作を行うことが可能な半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成すべく、本発明に係る半導体集積回路装置の熱保護回路1は、電源電圧Vccから高周波数成分を除去するフィルタ手段を有して成る構成、具体的には、基準電圧Vrefを生成するバンドギャップ電源部BG及び抵抗R1、R2と、温度検出用のトランジスタN1と、電源電圧VccからトランジスタN1のオン/オフ状態に応じた制御信号Sctrlを生成する抵抗R3、R4と、制御信号Sctrlに応じてオン/オフ制御されるトランジスタP1と、トランジスタP1のオン/オフ状態に応じて熱保護信号Stsdを生成するトランジスタN2及び抵抗R5、R6と、を有するほか、前記フィルタ手段として、トランジスタP1のエミッタ及びコレクタに各々接続された抵抗R7及び容量C1を有して成る構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱保護回路を備えた半導体集積回路装置に関するものであり、特に、その熱保護機能の精度向上に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、電源装置やモータ駆動装置など、パワートランジスタを駆動する半導体集積回路装置(以下、IC[Integrated Circuit]と呼ぶ)の多くは、ICの異常温度上昇に起因するIC(特に、そのパワートランジスタ)の破壊を防止するための熱保護回路(いわゆるサーマルシャットダウン回路)を搭載して成る(例えば、本願出願人による特許文献1、2を参照)。なお、上記の熱保護回路は、一般に、バイポーラトランジスタのVf(ベース・エミッタ間の順方向降下電圧)が周囲温度に依存して変動するという特性を利用して、熱保護信号を生成する構成とされている。
【特許文献1】特開2004−253936号公報
【特許文献2】特公平6−16540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
確かに、特許文献1、2に記載のICであれば、誤動作や過負荷によるICの異常発熱を検知・遮断して、ICの破壊を未然に防止することが可能である。
【0004】
しかしながら、上記従来のICでは、その過熱保護動作にさほど高速性が要求されないこともあり、電源電圧変動(ノイズ重畳)に起因する熱保護回路の誤動作については、特段対策が講じられていなかった。
【0005】
そのため、過熱監視対象がノイズ源でもある場合には、当該過熱監視対象の近傍に設けられる熱保護回路の電源電圧にノイズが重畳し、誤った熱保護信号を生成してしまう、という課題があった。
【0006】
特に、近年では、スイッチング電源装置やモータ駆動装置において、ノイズ源となるパワートランジスタがICに内蔵されることも多く、このようなICでは、パワートランジスタのオン/オフに起因するパルスノイズが熱保護回路の電源電圧に重畳し易いため、上記の課題が顕著であり、熱保護回路を過熱監視対象でもあるパワートランジスタの近傍に置きにくい、という課題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑み、電源電圧変動(パルス重畳)に依ることなく、高精度の熱保護動作を行うことが可能な半導体集積回路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体集積回路装置は、スイッチング制御されるパワートランジスタと、該パワートランジスタの異常発熱を検知して保護対象回路に異常である旨を報知する熱保護回路と、を内蔵して成る半導体集積回路装置であって、前記熱保護回路は、その電源電圧から所定のカットオフ周波数よりも高い周波数成分を除去するフィルタ手段を有して成る構成(第1の構成)としている。
【0009】
より具体的に述べると、上記第1の構成から成る半導体集積回路装置において、前記熱保護回路は、所定の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と;前記パワートランジスタに隣設され、周囲温度に依存して変動するベース・エミッタ間の順方向降下電圧と前記基準電圧との高低に応じて、そのオン/オフ状態が変動する温度検出用のバイポーラトランジスタと;前記電源電圧から前記バイポーラトランジスタのオン/オフ状態に応じた論理の制御電圧信号を生成する制御電圧信号生成手段と;前記制御電圧信号の論理に応じてオン/オフ制御されるスイッチ手段と;前記スイッチ手段のオン/オフ状態に応じた論理の熱保護信号を生成する熱保護信号生成手段と;を有するほか、前記フィルタ手段として、前記スイッチ手段の一端と前記電源電圧の印加端との間に挿入された抵抗、及び/または、前記スイッチ手段の他端と接地端との間に挿入された容量、を有して成る構成(第2の構成)としている。
【0010】
なお、上記した第2の構成から成る半導体集積回路装置において、前記基準電圧生成手段は、周囲温度に依存しないバンドギャップ電圧を生成するバンドギャップ電源部と、前記バンドギャップ電圧から前記基準電圧を生成する抵抗分割部と、を有して成る構成(第3の構成)にするとよい。
【0011】
また、上記した第3の構成から成る半導体集積回路装置において、前記基準電圧生成手段は、前記バンドギャップ電源部と前記抵抗分割部との間に、電流能力を高めるための電流バッファ部を有して成る構成(第4の構成)としてもよい。
【0012】
また、上記第1〜第4のいずれかの構成から成る半導体集積回路装置において、前記パワートランジスタは、スイッチング電源回路またはモータ駆動回路を構成している。
【発明の効果】
【0013】
上記の本発明に係る半導体集積回路装置であれば、熱保護回路をノイズ発生源である過熱監視対象の近傍に置いた場合でも、その電源電圧変動(パルス重畳)に依ることなく、高精度の熱保護動作を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、本発明に係る半導体集積回路装置として、スイッチング電源ICを例示し、詳細な説明を行う。
【0015】
図1は、本発明に係るスイッチング電源ICの概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、スイッチング電源IC10は、熱保護回路1と、スイッチング電源回路2と、を内蔵して成る。
【0016】
熱保護回路1は、外部端子T1を介して供給される電源電圧Vccを駆動電圧とし、バイポーラトランジスタのVf(ベース・エミッタ間の順方向降下電圧)が周囲温度に依存して変動するという特性を利用して、熱保護信号Stsdを生成する構成とされている。熱保護信号Stsdは、保護対象回路(図示しない内部回路やスイッチング電源回路2)に対して、チップ温度が異常である旨を報知するための信号であり、ICの異常温度上昇時におけるシャットダウン制御に利用される。また、熱保護回路1は、過熱監視対象であるスイッチング電源回路2(特にそのパワートランジスタ)の近傍に設けられている。このような構成とすることにより、発熱源となるパワートランジスタの接合温度を直接的に検出し、高精度の熱保護動作を実現することが可能となる。なお、熱保護回路1の内部構成及び動作については、後ほど詳細な説明を行う。
【0017】
スイッチング電源回路2は、外部端子T1を介して供給される電源電圧Vccを所望の出力電圧Voに変換して、不図示の内部回路に供給する直流変換手段である。なお、本実施形態のスイッチング電源回路2は、1.8[V]の電源電圧Vccから9[V]の出力電圧Voを生成する昇圧手段とされている。
【0018】
ここで、スイッチング電源回路2を構成するパワートランジスタは、そのオン/オフに起因してスイッチングノイズ(パルスノイズ)を生じるノイズ源でもある。そのため、先述のように、スイッチング電源回路2の近傍に配設された熱保護回路1の電源電圧Vccには、スイッチングノイズが重畳し易い状況となっている。
【0019】
そこで、本実施形態の熱保護回路1は、このようなスイッチングノイズの回り込みに起因する電源電圧変動(パルス重畳)に依らない高精度の熱保護動作を行うべく、その電源電圧Vccから所定のカットオフ周波数よりも高い周波数成分を除去するフィルタ手段を有して成る構成とされている。
【0020】
以下、図2を参照しながら、熱保護回路1の回路構成及び動作について、具体的かつ詳細な説明を行う。
【0021】
図2は、熱保護回路1(特にその発熱検出部周辺)の一実施形態を示す回路図である。本図に示す通り、熱保護回路1は、npn型バイポーラトランジスタN1、N2と、pnp型バイポーラトランジスタP1と、バンドギャップ電源部BGと、抵抗R1〜R7と、容量C1と、を有して成る。
【0022】
バンドギャップ電源部BGの出力端は、抵抗R1、R2を介して接地されている。抵抗R1、R2の接続ノードは、トランジスタN1のベースに接続されている。トランジスタN1のコレクタは、抵抗R4、R3を介して電源電圧Vccの印加端に接続されている。トランジスタN1のエミッタは接地されている。抵抗R3、R4の接続ノードは、トランジスタP1のベースに接続されている。トランジスタP1のエミッタは、抵抗R7を介して電源電圧Vccの印加端に接続されている。トランジスタP1のコレクタは、抵抗R5を介して接地されるとともに、容量C1を介しても接地されている。また、トランジスタP1のコレクタは、トランジスタN2のベースに接続されている。トランジスタN2のコレクタは、抵抗R6を介して電源電圧Vccの印加端に接続される一方、熱保護回路1の出力端として、不図示の内部回路やスイッチング電源回路2の制御端に接続されている。
【0023】
すなわち、本実施形態の熱保護回路1は、所定の基準電圧Vrefを生成する基準電圧生成手段(周囲温度に依存しないバンドギャップ電圧を生成するバンドギャップ電源部BG、及び、前記バンドギャップ電圧から基準電圧Vrefを生成する抵抗分割部R1、R2)と;スイッチング電源回路2のパワートランジスタ(不図示)に隣設され、周囲温度に依存して変動するベース・エミッタ間の順方向降下電圧Vfと基準電圧Vrefとの高低に応じて、そのオン/オフ状態が変動する温度検出用バイポーラトランジスタN1と;電源電圧VccからトランジスタN1のオン/オフ状態に応じた論理の制御電圧信号Sctrlを生成する制御電圧信号生成手段(抵抗R3、R4)と;制御電圧信号Sctrlの論理に応じてオン/オフ制御されるスイッチ手段(トランジスタP1)と;トランジスタP1のオン/オフ状態に応じた論理の熱保護信号Stsdを生成する熱保護信号生成手段(トランジスタN2及び抵抗R5、R6)と;を有するほか、電源電圧Vccから高周波数成分を除去するフィルタ手段として、トランジスタP1のエミッタと電源電圧Vccの印加端との間に挿入された抵抗R7、及び、トランジスタP1のコレクタと接地端との間に挿入された容量C1、を有して成る構成とされている。
【0024】
次に、上記構成から成る熱保護回路1の動作について詳細に説明する。温度検出用のトランジスタN1は、エミッタが接地されているので、そのベース・エミッタ間電圧Vbeは、バンドギャップ電圧(約1.25[V])を抵抗分割して生成された基準電圧Vref(例えば0.4[V])そのものとなり、その温度特性はフラットとなる。一方、トランジスタN1のベース・エミッタ間の順方向降下電圧Vfは、約−2[mV/℃]の負の温度特性を有しており、周囲温度が高くなるほど、その値は低下していく。
【0025】
従って、基準電圧VrefがトランジスタN1のベース・エミッタ間の順方向降下電圧Vfを下回っている期間、すなわち、周囲温度が所定の閾値温度(例えば175[℃])に達するまでの期間は、トランジスタN1がオフ状態に維持され、基準電圧VrefがトランジスタN1のベース・エミッタ間の順方向降下電圧Vfを上回ったとき、すなわち、周囲温度が所定の閾値温度に達したとき、トランジスタN1はオン状態に遷移される。なお、上記の閾値温度は、抵抗R1、R2の抵抗比に応じて、適宜調整することができる。
【0026】
トランジスタN1がオフ状態の場合、トランジスタP1のベースに印加される制御電圧信号Sctrlは、ハイレベル(ほぼ電源電圧Vcc)となり、トランジスタP1は、オフ状態に維持される。また、このとき、トランジスタN2のベースは、ローレベル(ほぼ接地電位)となるため、トランジスタN2もオフ状態に維持される。従って、トランジスタN2のコレクタから引き出される熱保護信号Stsdの論理は、ハイレベル(ほぼ電源電圧Vcc)となる。すなわち、熱保護回路1は、当該論理の熱保護信号Stsdを送出することで、保護対象回路にチップ温度が正常である旨を報知する。熱保護回路1から熱保護信号Stsdの入力を受けた保護対象回路は、その論理がハイレベルであることを検知して、異常発熱は生じていないことを認識し、通常動作を行うことが可能となる。
【0027】
一方、トランジスタN1がオフ状態に遷移されると、トランジスタP1のベースに印加される制御電圧信号Sctrlは、ローレベル(ほぼ接地電位)に引き下げられ、トランジスタP1は、オン状態に遷移される。また、このとき、トランジスタN2のベースは、ハイレベル(ほぼ電源電圧Vcc)まで引き上げられるため、トランジスタN2もオン状態に遷移される。従って、熱保護信号Stsdの論理は、ローレベル(ほぼ接地電位)となる。すなわち、熱保護回路1は、当該論理の熱保護信号Stsdを送出することで、保護対象回路にチップ温度が異常である旨を報知する。熱保護回路1から熱保護信号Stsdの入力を受けた保護対象回路は、その論理がローレベルであることを検知して、異常発熱が生じたことを認識し、その動作を停止することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態の熱保護回路1は、電源電圧Vccから高周波数成分(スイッチングノイズ)を除去するフィルタ手段として、抵抗R7及び容量C1から成るRCフィルタ回路を有して成る。
【0029】
なお、本実施形態の熱保護回路1では、電源電圧Vccに重畳するスイッチングパルスの周波数成分が100[MHz]程度(パルス幅としては10[ns]程度)であることに鑑み、RCフィルタ回路のカットオフ周波数fc{=1/(2πCR)}を3.2[MHz]に設定すべく、抵抗R7を10[kΩ]、容量C1を5[pF]としている。このようなカットオフ周波数を採用することで、スイッチングパルスを3.2%(=3.2/100×100)まで軽減することが可能となる。
【0030】
従って、本実施形態の熱保護回路1では、その電源電圧VccにトランジスタP1のベース・エミッタ間の順方向降下電圧Vf以上のノイズ(スイッチング電源回路2で生じたスイッチングノイズなど)が回り込んだ場合であっても、トランジスタP1のベース電圧は元より、そのエミッタ電圧も、さほど大きく振れることがなくなる(図3を参照)。このようなフィルタリング動作により、上記のスイッチングノイズに応じてトランジスタP1が誤って一瞬オンし、異常発熱の発生とは無関係に熱保護信号Stsdの論理がローレベルに遷移する、といった誤動作を未然に回避することが可能となる。従って、本発明に依れば、熱保護回路1を過熱監視対象であるパワートランジスタのできるだけ近傍に配設すること、延いては、パワートランジスタの接合温度を直接的に検出し、高精度の熱保護動作を実現することが可能となる。
【0031】
なお、従来より、カレントミラー回路のペア特性を調整する手段として、トランジスタのエミッタに抵抗を挿入する技術は周知であるが、本実施形態における抵抗R7は、あくまで、電源電圧Vccに重畳したノイズの除去を目的とするフィルタ手段であり、回路特性を調整する手段ではない。
【0032】
また、上記の実施形態のほか、電源電圧Vccに重畳したノイズの除去手段としては、電源電圧の入力経路にレギュレータを設けることも可能である。ただし、本実施形態の熱保護回路1のように、1.25[V]+1Vsat(0.1[V]程度)から動作可能な低入力電圧型の熱保護回路に対して、電源電圧Vccが3[V]以上ある場合なら格別、そうでない場合(例えば電源電圧Vccが1.8〜2.5[V]程度である場合)には、上記レギュレータを設けるための電圧余裕が乏しいため、本実施形態の構成を採用することが望ましい(或いは必要である)と考えられる。
【0033】
なお、上記の実施形態では、スイッチング電源ICに本発明を適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、モータ駆動装置など、他の半導体集積回路装置にも広く適用することが可能である。
【0034】
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0035】
例えば、図4に示すように、バイポーラトランジスタP1に代えて、Pチャネル電界効果トランジスタPFET1を用いても構わない。
【0036】
また、同じく、図4に示すように、バンドギャップ電源部BGの電流出力能力が乏しい場合には、バンドギャップ電源部BGと抵抗分割部R1、R2との間に、バンドギャップ電圧を一旦トランジスタP2で1Vfだけ上げた後、再びトランジスタN3で1Vf下げることにより、その電流出力能力を高める電流バッファ部IBUFを設けても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、半導体集積回路装置の熱保護精度を高める上で有用な技術であり、例えば、ノイズ源となるパワートランジスタをICに内蔵して成り、他の半導体集積回路装置と比べて、熱が発生しやすく、かつ、高信頼性が要求されるスイッチング電源装置やモータ駆動装置について、好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】は、本発明に係るスイッチング電源ICの概略を示すブロック図である。
【図2】は、熱保護回路1の一実施形態を示す回路図である。
【図3】は、スイッチングノイズの低減効果を説明するための図である。
【図4】は、熱保護回路1の別実施形態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0039】
1 熱保護回路
2 スイッチング電源回路
10 スイッチング電源IC
T1 電源端子
BG バンドギャップ電源部
R1〜R7 抵抗
C1 容量
N1〜N3 npn型バイポーラトランジスタ
P1〜P2 pnp型バイポーラトランジスタ
PFET1 Pチャネル電界効果トランジスタ
I1 定電流源
IBUF 電流バッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング制御されるパワートランジスタと、前記パワートランジスタの異常発熱を検知して保護対象回路に異常である旨を報知する熱保護回路と、を内蔵して成る半導体集積回路装置であって、前記熱保護回路は、その電源電圧から所定のカットオフ周波数よりも高い周波数成分を除去するフィルタ手段を有して成ることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記熱保護回路は、所定の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と;前記パワートランジスタに隣設され、周囲温度に依存して変動するベース・エミッタ間の順方向降下電圧と前記基準電圧との高低に応じて、そのオン/オフ状態が変動する温度検出用のバイポーラトランジスタと;前記電源電圧から前記バイポーラトランジスタのオン/オフ状態に応じた論理の制御電圧信号を生成する制御電圧信号生成手段と;前記制御電圧信号の論理に応じてオン/オフ制御されるスイッチ手段と;前記スイッチ手段のオン/オフ状態に応じた論理の熱保護信号を生成する熱保護信号生成手段と;を有するほか、前記フィルタ手段として、前記スイッチ手段の一端と前記電源電圧の印加端との間に挿入された抵抗、及び/または、前記スイッチ手段の他端と接地端との間に挿入された容量、を有して成ることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記基準電圧生成手段は、周囲温度に依存しないバンドギャップ電圧を生成するバンドギャップ電源部と、前記バンドギャップ電圧から前記基準電圧を生成する抵抗分割部と、を有して成ることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記基準電圧生成手段は、前記バンドギャップ電源部と前記抵抗分割部との間に、電流能力を高めるための電流バッファ部を有して成ることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記パワートランジスタは、スイッチング電源回路またはモータ駆動回路を構成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の半導体集積回路装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−245154(P2006−245154A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56792(P2005−56792)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】