説明

印刷システムおよび印刷方法

【課題】セキュリティが高く、簡単な操作でサーバから印刷内容を取り出し可能な印刷システムを提供する。
【解決手段】登録モードで複合機20は、入力された出力者番号と、セットされた無線タグ入り記録紙50から読み取った固有のID情報とを管理サーバ40に送り、記録紙を登録する(P1)。管理サーバは、出力者番号付き印刷データを受信するとその出力者番号と印刷データとを対応付けて記憶し(P2)、その出力者番号に対応するユーザに受信通知を送る(P3)。取り出しモードでユーザが登録済みの無線タグ入り記録紙を複合機にセットすると、そのID情報が読み取られて管理サーバに送信され、管理サーバはそのID情報に対応付けされた出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされている印刷データを該当する複合機に送信する(P6)。登録済みの無線タグ入り記録紙は本人認証機能を果たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置がサーバからネットワーク経由で印刷データを受け取って印刷する印刷システムおよび印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数が利用するファクシミリ装置や印刷装置に対して守秘性の高い書類を遠隔から送信して出力する際に、その出力された書類が他人に見られてしまうことを回避するための機能として親展送信や親展印刷がある。
【0003】
たとえば、特許文献1に開示された印刷システムでは、以下のような流れで親展印刷が行なわれる。ユーザはパーソナルコンピュータから印刷を依頼するときに、印刷データと共に親展印刷である旨とドキュメントを引き出す人のユーザIDとをプリンタに送信する。プリンタは、ドキュメントを引き出す人宛に印刷データの受信を通知する。通知されたユーザがプリンタへ行き、操作部からユーザIDとパスワードを入力し、そのユーザ宛ての印刷リストから所望の印刷データを指定すると、プリンタ内に記憶されている該当の印刷データが取り出されて印刷される。
【0004】
【特許文献1】特開平11−249848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の印刷システムでは、印刷データの取り出し権限をユーザIDとパスワードで管理しているので、印刷データを取り出すためにユーザIDとパスワードを入力する必要があり、取り出し時の操作が煩雑であった。また、パスワードを忘れてしまうと印刷データを取り出すことができなかった。さらに、ユーザIDとパスワードとが盗まれると、他人に印刷内容を取り出されてしまう可能性があり、セキュリティが万全とはいえなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、セキュリティが高く、簡単な操作でサーバから印刷内容を取り出すことのできる印刷システムおよび印刷方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係わる発明は、ネットワーク経由で接続される管理サーバと印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記印刷装置は、
所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからその無線タグに固有のID情報を読み取る無線タグ読取手段と、
出力者に固有の出力者番号の入力を受ける入力手段と、
前記管理サーバとネットワーク経由で通信する通信手段と、
印刷手段と
を備え、
前記管理サーバは、
印刷データの受信手段と、
記憶手段と、
前記印刷装置と通信する通信手段と
を備え、
前記印刷装置は、
動作モードとして登録モードと取り出しモードとを有し、
登録モードでは、前記入力手段から出力者番号の入力を受け、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを含む記録紙登録要求を前記管理サーバに送信し、
取り出しモードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信し、この出力要求に応じて前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行し、
前記管理サーバは、
前記記録紙登録要求を受信したときは、これに含まれている出力者番号とID情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
出力者番号付きの印刷データを受信したときは、前記印刷データと前記出力者番号とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記出力要求を受信したときは、これに含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする印刷システムである。
【0008】
上記発明によれば、記録紙には、固有のID情報を持つ無線タグが埋め込まれている。ユーザは、保有する無線タグ付き記録紙を印刷装置にセットし、自己の出力者番号を入力した上で登録モードによる読み取りを実行する。これにより、その記録紙に埋め込まれている無線タグのID情報が読み取られ、当該ID情報と出力者番号とが管理サーバに送信され、このID情報と出力者番号とが対応付けて管理サーバに登録される。
【0009】
管理サーバは、印刷の依頼元装置から出力者番号付きの印刷データを受信した場合には、その出力者番号と印刷データとを対応付けて記憶する。
【0010】
ユーザは、出力者番号付きの印刷データを管理サーバから取り出して印刷するとき、無線タグ付き記録紙を印刷装置にセットする。これにより、無線タグからID情報が読み出され、そのID情報が管理サーバに送信される。
【0011】
管理サーバは、受信したID情報が出力者番号と対応付けて登録されているか否かを調べ、登録されている場合はその出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされた印刷データが存在するか否かを調べ、存在する場合はその印刷データを該当の印刷装置に送信する。印刷装置は、管理サーバから送られてきた印刷データに基づいて印刷する。
【0012】
このように、無線タグ付き記録紙から読み取ったID情報とその記録紙の使用者の出力者番号とを対応付けて管理サーバに予め登録しておくことで、以後は、その記録紙によって出力者の認証が行なわれる。
【0013】
請求項2に係わる発明は、前記管理サーバは、印刷装置から出力要求を受信したとき、この出力要求に含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されているすべての印刷データの名称を前記出力要求の送信元の印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記管理サーバから受信した印刷データの名称を表示し、これらの中から印刷データの選択操作を受け付け、選択された印刷データの名称を含む出力要求を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記出力要求に含まれている名称の印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システムである。
【0014】
上記発明によれば、印刷装置から管理サーバに対して出力要求を送信すると、その出力要求に含まれるID情報に対応付けされた出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされているすべての印刷データの名称が管理サーバから返送される。印刷装置はそれらの名称を表示してユーザから印刷データの選択操作を受け、その選択された印刷データを管理サーバから取得して印刷する。これにより、該当の出力者番号に対応付けされた印刷データが複数存在する場合に、いずれの印刷データを印刷するかをユーザ自身で選択することができる。なお、出力要求に含まれるID情報に対応付けされた出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされている印刷データが複数存在する場合にのみ、印刷データの名称を返送して選択を受けるように構成してもよい。
【0015】
請求項3に係わる発明は、前記管理サーバは、印刷装置から出力要求を受信したとき、この出力要求に含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されている印刷データの中で最先に記憶されたものを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信し、かつ送信後にその印刷データを消去する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システムである。
【0016】
上記発明によれば、先に受信された印刷データから順に出力される。
【0017】
請求項4に係わる発明は、前記印刷装置は、動作モードとして照会モードをさらに有し、
前記照会モードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む照会要求を前記管理サーバに送信し、この照会要求に応じて前記管理サーバから送られてくる照会データを受信して該照会データを表示もしくは印刷し、
前記管理サーバは、前記照会要求を受信したときは、これに含まれているID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されているすべての印刷データの名称を含む照会データを前記照会要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システムである。
【0018】
上記発明によれば、印刷を実行する前に、当該ユーザ宛にどのような印刷データが存在するかが通知される。
【0019】
請求項5に係わる発明は、ネットワーク経由で接続される管理サーバと印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記印刷装置は、
所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからその無線タグに固有のID情報を読み取る無線タグ読取手段と、
出力者に固有の出力者番号の入力を受ける入力手段と、
前記管理サーバとネットワーク経由で通信する通信手段と、
印刷手段と
を備え、
前記管理サーバは、
印刷データの受信手段と、
記憶手段と、
前記印刷装置と通信する通信手段と
を備え、
前記印刷装置は、
動作モードとして登録モードと取り出しモードとを有し、
登録モードでは、前記入力手段から出力者番号の入力を受け、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを含む記録紙登録要求を前記管理サーバに送信し、
取り出しモードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信し、この出力要求に応じて前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行し、
前記管理サーバは、
前記記録紙登録要求を受信したときは、これに含まれている出力者番号とID情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
出力者番号付きの印刷データを受信したときは、前記印刷データと前記出力者番号とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記記憶手段に記憶されている印刷データとID情報とを、同一の出力者番号に対応付けられているもの同士の中で1対1に対応付けし、
前記出力要求を受信したときは、これに含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする印刷システムである。
【0020】
上記発明によれば、管理サーバは、記憶されている印刷データとID情報とを、同一の出力者番号に対応付けられているもの同士の中で1対1に対応付けし、印刷装置から出力要求を受信したとき、これに含まれるID情報に対応付けされている印刷データを印刷装置に送信する。すなわち、無線タグ付き記録紙は同じ出力者番号を持ついずれかの印刷データと1対1に対応付けされ、印刷装置にセットした記録紙に一意に対応付けされている印刷データが印刷される。
【0021】
請求項6に係わる発明は、前記印刷装置は、動作モードとして照会モードをさらに有し、
前記照会モードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む照会要求を前記管理サーバに送信し、この照会要求に応じて前記管理サーバから送られてくる照会データを受信して該照会データを表示もしくは印刷し、
前記管理サーバは、前記照会要求を受信したときは、これに含まれているID情報に対応付けされている印刷データの名称を含む照会データを前記照会要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷システムである。
【0022】
上記発明によれば、印刷装置にセットした記録紙に一意に対応付けされている印刷データの名称が照会される。照会された印刷データの名称をその記録紙の隅などに印刷してもよい。
【0023】
請求項7に係わる発明は、出力者番号の入力を受ける際に前記出力者番号の入力者を認証する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システムである。
【0024】
上記発明によれば、無線タグ付き記録紙のID情報と出力者番号とを対応付けて登録する際に、ユーザ認証され、不正な記録紙の登録が防止される。たとえば、出力者番号に対応するパスワードの入力を求めて認証する。
【0025】
請求項8に係わる発明は、前記管理サーバから受信した印刷データを印刷する際に、前記読取位置にセットされている記録紙を印刷の1枚目に使用する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システムである。
【0026】
上記発明によれば、本人認証に使用した記録紙が印刷の1枚目に利用される。2枚目以降は、他の給紙トレイなどから給紙すればよい。
【0027】
請求項9に係わる発明は、前記管理サーバは、出力者番号毎に、出力者番号と電子メールアドレスとを対応付けて記憶しておき、
出力者番号付きの印刷データを受信したとき、その旨を表わした電子メールを、前記印刷データに付加されている出力者番号に対応付けされている電子メールアドレスに送信する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システムである。
【0028】
上記発明によれば、印刷データが管理サーバに到着したとき、その旨がその印刷データの出力者宛に通知される。
【0029】
請求項10に係わる発明は、前記管理サーバは、出力者番号毎に、出力者番号と電子メールアドレスとを対応付けて記憶しておき、
各出力者番号について、その出力者番号に対応付けされている印刷データの数と、前記出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされているID情報の数との差分が規準値以下になったとき、ID情報の追加登録を促す電子メールを、前記出力者番号に対応付けされている電子メールアドレスに送信する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システムである。
【0030】
上記発明によれば、出力者番号を持つ印刷データの数とID情報(記録紙)の数とを対比し、記録紙の登録数が少なくなったり、不足したりする場合に、記録紙の追加登録を促す電子メールが該当する出力者宛に自動送信される。たとえば、出力者番号付きの印刷データを受信したとき、その出力者番号について上記の処理が行なわれる。
【0031】
請求項11に係わる発明は、出力者番号付きの印刷データを管理サーバから取り出して印刷する印刷方法において、
出力者番号の入力を受け、所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを対応付けて管理サーバに登録するステップと、
管理サーバが、出力者番号付きの印刷データを受信し、その出力者番号と印刷データとを対応付けて記憶するステップと、
印刷装置が、セットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信するステップと、
前記出力要求を受信した管理サーバが、該出力要求に含まれるID情報に対応付けされた出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信するステップと、
印刷装置が前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行するステップと
を有する
ことを特徴とする印刷方法である。
【0032】
上記発明では、無線タグ付き記録紙からID情報を読み取り、このID情報と出力者番号とを対応付けて管理サーバに登録する処理を、印刷装置以外の装置で行なってもかまわない。また、管理サーバの機能を印刷装置が内蔵してもよい。
【0033】
請求項12に係わる発明は、出力者番号付きの印刷データを管理サーバから取り出して印刷する印刷方法において、
出力者番号の入力を受け、所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを対応付けて管理サーバに登録するステップと、
管理サーバが、出力者番号付きの印刷データを受信し、その出力者番号と印刷データとを対応付けて記憶するステップと、
管理サーバが、印刷データとID情報とを、同一の出力者番号に対応付けられているもの同士の中で1対1に対応付けするステップと、
印刷装置が、セットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信するステップと、
前記出力要求を受信した管理サーバが、該出力要求に含まれるID情報に対応付けされている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信するステップと、
印刷装置が前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行するステップと
を有する
ことを特徴とする印刷方法である。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係わる印刷システムおよび印刷方法によれば、記録紙に埋め込まれた無線タグから読み取ったID情報と記録紙の使用者の出力者番号とを対応付けて管理サーバに予め登録しておき、出力時には、印刷装置にセットされた無線タグ付き記録紙から読み取ったID情報を管理サーバに送信し、そのID情報に対応付けられた出力者番号と同一の出力者番号を持つ印刷データを管理サーバから取得して印刷するので、登録後は無線タグ付き記録紙により出力者の認証が行なわれ、操作部からパスワードなどの認証情報を入力する必要がなく、簡単な操作で管理サーバから印刷内容を取り出すことができる。
【0035】
また、無線タグが埋め込まれていない記録紙や、違う出力者番号に対応付けされたID情報を持つ無線タグが埋め込まれた記録紙では印刷内容を引き出せないので、他人に不正に印刷内容を見られてしまうことが防止でき、セキュリティ性が確保される。
【0036】
さらに、同じ出力者番号に対応付けされた記録紙であれば、どの記録紙でも印刷内容を取り出すことができるので、記録紙の管理が容易になる。
【0037】
出力時に、該当する出力者番号に対応付けられたすべての印刷データの名称を表示し、その中からユーザの選択した印刷データを管理サーバから取得して印刷するものでは、ユーザの希望する印刷データを選択して印刷することができる。
【0038】
また、出力要求を受けた管理サーバが、該当する出力者番号に対応付けられた印刷データの中で最先に記憶されたものを印刷装置に送信するものでは、先に印刷依頼されたものから順に印刷出力を得ることができる。
【0039】
照会モードを有するものでは、ユーザは記録紙をセットするだけで、自己宛にどのような印刷データが到着しているかを印刷の実行前に知ることができる。
【0040】
管理サーバにおいて、同一の出力者番号に対応付けられた印刷データとID情報とを1対1に対応付けするものでは、印刷装置にセットする記録紙を選ぶことで、その記録紙に対応付けされた印刷データを選択的に印刷することができる。
【0041】
出力者番号の入力を受ける際に入力者を認証するものでは、他人による不正な記録紙の登録が防止される。
【0042】
管理サーバから受信した印刷データを印刷する際に、読取位置にセットされている記録紙を印刷の1枚目に使用するものでは、認証に使用した記録紙が印刷に有効活用される。
【0043】
印刷データが管理サーバに到着したとき、その旨をその印刷データの出力者宛に通知するものでは、他人から自己宛に送られてきた印刷データを早期に出力できる。
【0044】
出力者番号を持つ印刷データの数とID情報(記録紙)の数とを対比し、記録紙の登録数が少なくなったり、不足したりする場合に、記録紙の追加登録を促す電子メールを該当する出力者宛に自動送信するものでは、記録紙登録枚数の不足を自己管理する必要がなく、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
図1は、本発明に係わる印刷システム10の構成を示している。印刷システム10は、印刷装置としての複合機20と、管理サーバ40とを備えている。複合機20や管理サーバ40は、パーソナルコンピュータ11などのオフィス機器とともにLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)12に接続されている。LAN12はインターネット13を介して別のオフィスのLAN14とも接続されている。別のオフィスのLAN14にもパーソナルコンピュータ11や複合機20が接続されている。介在するネットワークは他の種類でもかまわない。
【0047】
管理サーバ40には、さらにファクシミリアダプタ15が接続されている。ファクシミリアダプタ15は、交換機16などを含む電話網を介してファクシミリ装置17などに接続される。
【0048】
複合機20は、原稿画像を読み取るスキャナ機能、原稿画像を読み取ってその複製画像を記録紙上に形成するコピー機能、印刷データに対応する画像を記録紙上に形成するプリンタ機能、原稿画像を送受信するファクシミリ機能などを備えている。
【0049】
管理サーバ40は、パーソナルコンピュータ11などの端末装置やファクシミリ装置17などから印刷データ(ファクシミリの受信画データを含む)を受信して蓄積する機能および蓄積している印刷データを複合機20などの印刷装置に送信する機能を備えている。すなわち、管理サーバ40は、プリントサーバやコンテンツサーバとして機能する。また管理サーバ40は、いわゆる親展機能を備え、パーソナルコンピュータ11やファクシミリ装置17から出力者番号付き印刷データを受信したときは、複合機20から同じ出力者番号に対応付けされた出力要求を受けた場合にのみ、その印刷データを複合機20へ送信するようになっている。
【0050】
図2は、複合機20の構成を示している。複合機20は、動作を統括制御する制御部としてのCPU(中央処理装置)21と、ROM(リード・オンリ・メモリ)22と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)23とを主要部とした回路で構成されている。ROM22は、CPU21が実行するプログラムや各種固定データを記憶している。RAM23は、CPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリや、回転処理などを施すために画像データを少なくとも1ページ分格納するページメモリとして機能する。
【0051】
読取部24は、原稿画像を読み取って対応する画像データを取り込む機能を果たす。読取部24は、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラー等からなる光学経路とを備えている。ラインイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)等で構成される。ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号はA/D変換され、デジタルの画像データとして取り込まれる。
【0052】
記録部25は、画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する機能を果たす。記録部25は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置等を有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。ファクシミリ部26は、読取部24や記録部25を制御して複合機20をファクシミリ装置として動作させる機能を果たす。詳細には、画像データをファクシミリに対応した圧縮方式で圧縮・伸張する機能、ファクシミリ送受信のための各種通信手順を制御する機能、通信線路を介して相手ファクシミリ装置との間でデータのやりとりを行なうためのモデム機能等を果たす。
【0053】
表示部27は、液晶ディスプレイ等で構成され、各種の案内情報や状態情報を表示する。操作部28は、表示部27の画面に設けたタッチパネルやその他のスイッチで構成されている。操作部28は、出力者番号などの入力を受ける入力手段として機能し、出力者番号の入力を受けるためのテンキーや、管理サーバ40に印刷内容を問い合わせる際に操作される「問い合わせボタン」などがある。
【0054】
画像処理部29は、画像データを圧縮・伸張する機能や画像を拡大・縮小する機能、画像を回転させる機能などを果たす。ネットワークI/F部30は、LANやインターネットを通じて管理サーバ40や他の外部装置と通信する通信手段としての機能を果たす。
【0055】
無線タグリーダ31は、無線タグ入り記録紙50に埋め込まれている無線タグ51と通信するためのアンテナであり、無線制御部32は、無線タグリーダ31を通じて無線タグ51とデータを送受信したり無線タグ51に電力供給したりするための通信制御を行なう。無線タグリーダ31と無線制御部32とは無線タグ読取手段としての機能を果たす。
【0056】
無線タグ51は、無線通信機能を備えた電子荷札であり、外部から電磁誘導等で電力の供給を受けて動作するICチップとアンテナとを内蔵している。無線タグ51は、RFID(Radio Frequency IDentification、電波方式非接触識別)方式を使用している。無線タグ51のICチップは、固有のID情報を記憶しており、外部にこのID情報を無線送信する機能を備えている。ICチップは、紙にすきこむことが可能なくらい超小型であり、ICチップがすきこまれた記録紙の1枚1枚をID情報により個別に認識することができる。ID情報は、たとえば、オートIDセンタにより割り当てられ、一元管理されている。
【0057】
図3は、無線タグリーダ31の取り付け位置を示している。複合機20は、記録紙を手差しで給紙するための手差しトレイ33を備えており、無線タグリーダ31は、手差しトレイ33の記録紙引き込み部の近傍のリーダ支持部34に取り付けられている。リーダ支持部34は、記録紙引き込み部の間口方向(手差しトレイ33にセットされた記録紙の幅方向)に延設されたスライドレールになっており、無線タグリーダ31は図示省略の駆動部によりリーダ支持部34のスライドレールに沿って往復移動するように構成されている。
【0058】
手差しトレイ33にセットされた無線タグ入り記録紙50を記録紙引き込み部に向けて引き込む際に、無線タグリーダ31をリーダ支持部34に沿って何度も往復移動させることで、無線タグ入り記録紙50に埋め込まれている無線タグ51を探し出してID情報を読み取るようになっている。図中、矢印35は記録紙の引き込み方向を示し、これと直交する矢印36は、無線タグリーダ31が往復移動する範囲を示している。
【0059】
図4は、管理サーバ40の機能構成を示している。管理サーバ40は、サーバ機能を有するコンピュータ装置で構成されており、通信部41と、制御部42と、記憶部43と、印刷内容管理テーブル44およびメールアドレス管理テーブル45が登録される書き換え可能な不揮発性メモリとを備えている。通信部41は、パーソナルコンピュータ11やファクシミリ装置17から印刷データを受信する受信手段および複合機20と通信する通信手段としての機能を果たす。制御部42は、管理サーバ40の動作を統括制御する機能を果たす。記憶部43は、印刷データを記憶する機能を果たす。印刷内容管理テーブル44には、印刷データを管理するための管理データが登録される。メールアドレス管理テーブル45には、各種通知の宛先となる電子メールアドレスが登録される。
【0060】
図5は、印刷システム10におけるデータの流れを示している。ユーザはそれぞれ自分専用の無線タグ入り記録紙50を複数枚所持している。各ユーザは、自己の所有している無線タグ入り記録紙50を複合機20の手差しトレイ33にセットし、自分の出力者番号(各ユーザを一意に特定する個人番号)を操作部28から入力してスタートキーを操作する。これにより、複合機20は登録モードで動作を開始し、無線タグリーダ31により、無線タグ入り記録紙50のスキャン動作を行なう。複合機20は、このスキャンによって無線タグ入り記録紙50の無線タグ51から読み取ったID情報と、先に入力された出力者番号とを含む登録要求を管理サーバ40に送信し、管理サーバ40は受信した登録要求に含まれている出力者番号とID情報とを対応付けて印刷内容管理テーブル44に登録する(P1:記録紙登録)。
【0061】
親展印刷依頼は次のようにして行なわれる。たとえば、Aさんがパーソナルコンピュータ11aからBさん宛に親展で印刷内容を送る場合、AさんはBさんの「出力者番号」を入力して、Bさんの出力者番号付き印刷データを管理サーバ40に送信する(P2:親展印刷依頼)。出力者番号付きの印刷データを受信した管理サーバ40は、その印刷データを記憶部43に記憶するとともに、その印刷データに付加されていた出力者番号と印刷データとの対応付けを印刷内容管理テーブル44に登録する。たとえば、出力者番号と印刷データの識別情報(ファイル名、ファイルポインタなど)とを対応付けて印刷内容管理テーブル44に登録する。
【0062】
管理サーバ40は、出力者番号付きの印刷データの登録が完了すると、印刷データを受信したことをその出力者番号を持つユーザに通知するための電子メールを送信する(P3:受信通知)。図6は、受信通知に係わる電子メール61の一例を示している。たとえば、Bさんの出力者番号付きの印刷データを受信したときは、Bさんのパーソナルコンピュータ11bに先の電子メールが送信される。
【0063】
ここで、Bさんの出力者番号に対応付けて登録されているID情報の登録数からBさんの出力者番号に対応付けて登録されている印刷データ(印刷内容)の登録数を差し引いた記録紙の残り登録数が規準値(たとえば3)以下になった場合や残り登録数が「0」の場合には、Bさん宛に記録紙の追加登録を促す電子メールも送信される。図7は、残り登録数が「0」の場合に送信される追加登録催促電子メール62の一例を示している。図8は、残り登録数が少ない場合に送信される追加登録奨励電子メール63の一例を示している。
【0064】
なお、管理サーバ40への親展印刷依頼は、別のオフィスのLAN14からインターネット13を介して行なうこともできる(図5、P4)。さらに、ファクシミリ装置17からも受取人を指定したファクシミリ送信を行なうことで親展印刷依頼を行なうことができる(P5)。たとえば、ファクシミリ装置17からファクシミリアダプタ15に向けて、Bさんの出力者番号を親展ボックス番号に指定したファクシミリ送信を行なう。ファクシミリアダプタ15は、ファクシミリ装置17から親展受信した親展ボックス番号を出力者番号とし、かつ受信画データを印刷データとした出力者番号付き印刷データを管理サーバ40に出力する。管理サーバ40は、パーソナルコンピュータ11から受信した場合と同様にファクシミリアダプタ15から受信した出力者番号付き印刷データを記憶部43に記憶し、その出力者番号と印刷データとの対応関係を示す管理データを印刷内容管理テーブル44に登録し、受信通知の電子メールをBさん宛に送信する。
【0065】
受信通知を確認したユーザは、登録済みの無線タグ入り記録紙50を持参していずれかの複合機へ行き、手差しトレイ33にセットする。すると複合機20が、セットされた無線タグ入り記録紙50から自動的にID情報を読み取り、このID情報を含む出力要求を管理サーバ40に送信する。管理サーバ40は受信した出力要求に含まれるID情報が対応付けされている出力者番号が存在するか否かを調べ、対応付けされた出力者番号が存在するときはその出力者番号に対応付けて登録されている印刷データが存在するか否かを調べる。該当する印刷データが存在するときはその印刷データを先の出力要求の送信元の複合機20へ送信する。複合機20は、管理サーバ40から送られてきた印刷データに従って印刷する(P6:取り出し)。ここでは、印刷データが複数存在するときは最も古いものを送信するようになっている。
【0066】
複合機20は、受信した印刷を実行するとき、手差しトレイ33にセットされている無線タグ入り記録紙50を印刷の1枚目に使用し、2ページ目以降は、複合機20に備え付けの普通の記録紙を使用する。すなわち、2ページ目を給紙する際に給紙元を手差しトレイ33から他の給紙トレイに切り替える動作が行なわれる。
【0067】
複合機20は、管理サーバ40から送られてきた印刷データに係わる印刷を完了したとき、管理サーバ40に印刷完了を通知する。これを受けた管理サーバ40は該当する印刷データや管理データを記憶部43および印刷内容管理テーブル44から消去する。
【0068】
ユーザは、すぐに印刷をしたくないが自分宛にどのような印刷内容が到着しているかを知りたいときは、複合機20の操作部28にある図示省略の「問い合わせボタン」を押して無線タグ入り記録紙50をセットする。すると複合機20は、セットされた無線タグ入り記録紙50から読み取ったID情報を含む「問い合わせコマンド」を管理サーバ40に送信する。管理サーバ40は「問い合わせコマンド」に含まれるID情報に対応付けされている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされているすべての印刷データの名称(ファイル名など)を先の「問い合わせコマンド」の送信元の複合機20に返送する。これを受けた複合機20は、印刷データの名称を表示部27に表示したり、セットされた無線タグ入り記録紙50以外の普通の記録紙に印刷出力したりする。
【0069】
なお、管理サーバ40は、登録されている出力者番号毎にID情報の登録数と印刷データの登録数とを監視し、ID情報の登録数から印刷データの登録数を差し引いた残り登録数が規準値(たとえば3)以下になった場合には、その出力者番号に対応付けてメールアドレス管理テーブル45に登録されている電子メールアドレス宛に、記録紙の追加登録を促す電子メールを送信するようになっている。
【0070】
図9は、印刷内容管理テーブル44の一例を示している。出力者番号毎に、その出力者番号に対応付けされたID情報を登録するID情報登録欄71と、その出力者番号に対応付けされた印刷データの識別情報(ファイル名およびファイルポインタ)を登録するファイル登録欄72が設けてある。ファイルポインタは記憶部43におけるその印刷データの所在を示している。ここでは、ID情報や印刷データの識別情報は、古いものから順に登録されている。なお、同一の出力者番号に対応付けられたID情報と印刷データの識別情報との間で個別の対応付けはなされていない。
【0071】
図9に示す例では、たとえば、出力者番号が「1000番」の人は、記録紙5枚分のID情報を登録している。また出力者番号「1000番」の人宛に出力待ちの印刷データが2つ登録されている。出力者番号が「1000番」の人宛の印刷データを新たに受信すると、出力者番号「1000番」のファイル登録欄72にその印刷データの識別情報(ファイル名およびファイルポインタ)が追加登録される。出力者番号「1000番」の人が無線タグ入り記録紙を新たに登録すると、出力者番号「1000番」のID情報登録欄71にそのID情報が追加登録される。
【0072】
また、たとえば、出力者番号が「1000番」の人がID情報「333344444」の無線タグ入り記録紙を使用してファイル名「見積書.doc」の印刷データを印刷し、その印刷が完了すると、出力者番号が「1000番」のID情報登録欄71から「333344444」のID情報が消去され、出力者番号が「1000番」のファイル登録欄72から「見積書.doc」のファイル名、ファイルポインタが消去され、さらに該当する印刷データが記憶部43から消去される。
【0073】
出力者番号が「1001番」の人の場合、印刷データが4つ登録されているがID情報は1つしか登録されていない。このような場合には記録紙の追加登録を促す電子メールが出力者番号「1001番」の人宛に既に送信されている。
【0074】
図10は、メールアドレス管理テーブル45の一例を示している。メールアドレス管理テーブル45には、出力者番号毎に電子メールアドレスが登録される。メールアドレス管理テーブル45への登録は、システム管理者などが管理サーバ40に設定する項目の1つとして、該印刷システム10を使用するユーザ全員について登録してもよいし、各ユーザが管理サーバ40にパーソナルコンピュータ11などから登録してもよい。
【0075】
図11は、複合機20が行なう処理の流れを示している。操作部28から出力者番号が入力されると(ステップS101;Y)、その出力者番号を内部メモリに格納し(ステップS102)、手差しトレイ33に記録紙がセットされるのを待機する(ステップS103;N)。手差しトレイ33に記録紙がセットされると(ステップS103;Y)、動作モードを「登録モード」に設定する(ステップS104)。
【0076】
操作部28から出力者番号が入力されずに(ステップS101;N)、「問い合わせボタン」が操作されたときは(ステップS105;Y)、手差しトレイ33に記録紙がセットされるのを待機し(ステップS106;N)、記録紙がセットされると(ステップS106;Y)、動作モードを「照会モード」に設定する(ステップS107)。
【0077】
操作部28から出力者番号の入力が無く(ステップS101;N)かつ「問い合わせボタン」も操作されない状態で(ステップS105;N)、手差しトレイ33に記録紙がセットされたときは(ステップS108;Y)、動作モードを「取り出しモード」に設定する(ステップS109)。
【0078】
いずれかの動作モードを設定した後、複合機20は、手差しトレイ33にセットされている記録紙を引き込み、無線タグからID情報を読み取る(ステップS110)。ここでID情報の読み取りに失敗した場合は(ステップS111;N)、「ID読み出しに失敗しました。やり直してください。」などの警告メッセージを表示部27に表示して(ステップS117)処理を終了する(エンド)。
【0079】
ID情報の読み取りに成功した場合は(ステップS111;Y)、動作モードが「照会モード」であれば(ステップS112;Y)、読み出したID情報を含む問い合わせコマンドを管理サーバ40に送信して(ステップS113)処理を終了する(エンド)。
【0080】
動作モードが「登録モード」であれば(ステップS114;Y)、読み出したID情報と内部メモリにステップS102で格納しておいた出力者番号とを含む登録要求を管理サーバ40に送信して(ステップS115)処理を終了する(エンド)。動作モードが「取り出しモード」であれば(ステップS114;N)、読み出したID情報を含む出力要求を管理サーバ40に送信して(ステップS116)処理を終了する(エンド)。
【0081】
図12は、管理サーバ40のメイン処理を示している。管理サーバ40は、パーソナルコンピュータ11や、ファクシミリ装置17、複合機20からの受信を待機し(ステップS200;N)、受信があると(ステップS200;Y)、受信内容解析処理を実行し(ステップS201)、再び受信待機状態に戻る。
【0082】
図13は、受信内容解析処理を示している。受信内容がID情報を含むときは(ステップS220;Y)、その受信内容が「問い合わせコマンド」か否かを調べ、「問い合わせコマンド」の場合は(ステップS221;Y)、「問い合わせコマンド」の受信に対応する「ファイル名取り出し処理」を実行し(ステップS222)、解析処理を終了する(エンド)。
【0083】
「問い合わせコマンド」でない場合は(ステップS221;N)、受信内容に出力者番号が含まれるか否かを調べ、出力者番号を含む場合は(ステップS223;Y)、登録要求の受信に対応する「ID情報登録処理」を実行し(ステップS224)、解析処理を終了する(エンド)。
【0084】
受信内容が出力者番号を含まない場合は(ステップS223;N)、出力要求の受信に対応する「内容取り出し処理」を実行し(ステップS225)、解析処理を終了する(エンド)。
【0085】
受信内容がID情報を含まず(ステップS220;N)、印刷内容の受信である場合は(ステップS226;Y)、出力者番号付きの印刷データの受信か否かを調べ、出力者番号付きの場合は(ステップS227;Y)、「印刷内容管理処理」を実行し(ステップS228)、解析処理を終了する(エンド)。
【0086】
出力者番号付き印刷データでない場合は(ステップS227;N)、「通常プリント処理」を実行し(ステップS229)、解析処理を終了する(エンド)。なお、受信内容がID情報を含まず(ステップS220;N)、印刷内容の受信でもない場合は(ステップS226;N)、解析処理を終了する(エンド)。
【0087】
図14は、「ID情報登録処理」を示している。受信した登録要求に含まれている出力者番号が印刷内容管理テーブル44に登録済みか否かを調べ(ステップS240)、登録されていない場合は(ステップS240;N)、その出力者番号を印刷内容管理テーブル44に新規登録する(ステップS241)。
【0088】
新規登録後もしくは出力者番号が登録済みの場合は(ステップS240;Y)、受信した登録要求に含まれていたID情報を、印刷内容管理テーブル44の中の、受信した登録要求に含まれていた出力者番号に対応するID情報登録欄71に追加登録する(ステップS242)。その後、登録完了メッセージを先の登録要求の送信元の複合機20に送信して(ステップS243)、処理を終了する(エンド)。
【0089】
図15は、「印刷内容管理処理」を示している。受信した出力者番号付き印刷データの示す出力者番号が印刷内容管理テーブル44に登録済みかを調べ(ステップS260)、登録されていない場合は(ステップS260;N)、その出力者番号を印刷内容管理テーブル44に新規登録する(ステップS261)。
【0090】
新規登録後もしくは出力者番号が登録済みの場合は(ステップS260;Y)、受信した印刷データを記憶部43に記憶し、さらに出力者番号付き印刷データの示す出力者番号のファイル登録欄にその印刷データの識別情報(ファイル名とファイルポインタ)を登録する(ステップS262)。その後、この出力者番号に対応付けてメールアドレス管理テーブル45に登録されている電子メールアドレスに受信通知の電子メールを送信する(ステップS263)。
【0091】
さらにこの出力者番号のID情報登録欄71に登録されているID情報の数と、この出力者番号のファイル登録欄72に登録されているファイルの数とを比較し、ID情報の数がファイル数以上でない場合は(ステップS264;N)、その出力者番号に対応付けされた電子メールアドレスにID情報(記録紙)の追加登録を促す電子メールを送信して(ステップS265)、処理を終了する(エンド)。
【0092】
ID情報の数がファイル数以上の場合は(ステップS264;Y)、追加登録を促す電子メールを送信せずに処理を終了する(エンド)。なお、ID情報の数からファイル数を減算した結果の残りID情報数が規定値(たとえば、3)以下の場合に追加登録を奨励する電子メールを送信するように構成してもよい。
【0093】
図16は、「印刷内容取り出し処理」を示している。印刷内容管理テーブル44を検索し、受信した出力要求に含まれているID情報が対応付けされている出力者番号のファイル登録欄を見い出し、そのファイル登録欄の先頭に登録されているファイル名、ファイルポインタを抽出し、対応する印刷データを記憶部43から取り出し、これを出力要求の送信元の複合機20へ送信する(ステップS280)。ここでは、同一の出力者番号に対応付けられたID情報と印刷データの識別情報との間で個別の対応付けはなされていないため、先に印刷依頼を受けた印刷内容から順に出力するようになっている。
【0094】
その後、複合機20から印刷完了通知が送られてくるのを待機し(ステップS281;N)、印刷完了通知を受信すると(ステップS281;Y)、該当する印刷内容およびID情報を削除して(ステップS282)、処理を終了する。詳細には、印刷データを記憶部43から消去し、さらに印刷内容管理テーブル44から該当する管理データ(ID情報、ファイルポインタ、ファイル名)を消去する。なお、複合機20から送る印刷完了通知には、ID情報やファイル名など消去の対象を特定可能な情報を含めるとよい。また、複合機20がハードディスク装置など印刷データを記憶するための大容量の記憶装置を備えている場合には、印刷完了通知のやり取りを省略してもよい。この際、管理サーバ40は印刷データの送信完了時に印刷内容やID情報の消去を実行すればよい。
【0095】
図17は、「ファイル名取り出し処理」を示している。印刷内容管理テーブル44を検索し、受信した「問い合わせコマンド」に含まれているID情報が対応付けされている出力者番号のファイル登録欄を見い出し、このファイル登録欄に印刷データの識別情報(ファイル名、ファイルポインタ)が少なくとも1つ登録されているか否かを調べる(ステップS300)。登録されていないときは(ステップS301;N)、該当する情報が無い旨のメッセージを複合機20へ送信して(ステップS302)、処理を終了する(エンド)。
【0096】
登録されている場合は(ステップS301;Y)、該当するファイル登録欄に登録されているすべてのファイル名とファイル数とを示す照会データを、今回の「問い合わせコマンド」の送信元の複合機20に送信して(ステップS303)、処理を終了する(エンド)。複合機20では、受信した照会データを操作部28に表示したり、記録紙に印刷したりする。
【0097】
図18は、「通常プリント処理」を示している。出力者番号付きでない印刷データは、セキュリティの対象外である。ここでは、出力者番号付きでない印刷データの印刷を実行する複合機20が予め固定的に定めてあり、受信した印刷データをその固定的に定めた複合機宛に送信する(ステップS320)。なお、実際には、固定的に定めた複合機宛の印刷待ち行列の末尾に登録すると、図示省略の配信処理がその待ち行列の先頭から順に該当の複合機に印刷データを送信するようになっている。
【0098】
次に、管理サーバ40がID情報と印刷内容とを1対1に対応付ける場合について説明する。この場合、管理サーバ40は、「印刷内容管理処理」において、該当する出力者番号のID情報登録欄71に登録されていて、印刷内容との対応付けがまだ行なわれていないいずれかのID情報と今回受信した印刷内容とを1対1に対応付ける。また、未対応付けのID情報が無い場合、もしくは規定値より少ない場合は、ID情報(記録紙)の登録を促す電子メールを送信する。
【0099】
また、「ID情報登録処理」では、該当する出力者番号のファイル登録欄にID情報とまだ対応付けされていない印刷内容が存在する場合に、今回新たに登録するID情報とその印刷内容とを1対1に対応付けする処理を行なう。
【0100】
さらに「ファイル名取り出し処理」では、「問い合わせコマンド」に含まれるID情報に1対1に対応付けされている印刷内容のファイル名や受信日時などを照会データとして送信する。これを受けた複合機20は、無線タグ入り記録紙50の隅など、通常の印刷の邪魔にならない箇所に、照会データが示すファイル名などを印刷してもよい。
【0101】
また、「印刷内容取り出し処理」では、出力要求に含まれるID情報に対応付けされている印刷内容を該当する複合機20に送信する。1対1の対応付けを行なう、この場合、図9に示す例では、たとえば出力者番号が「1000」番の人がID情報「333344444」の無線タグ入り記録紙を使用すると、ファイル名「丸秘文書.doc」の印刷データが印刷される。その印刷が完了すると、出力者番号が「1000番」のID情報登録欄71から「333344444」のID情報が消去され、出力者番号が「1000番」のファイル登録欄72から「丸秘文書.doc」のファイル名、ファイルポインタが消去され、さらに該当する印刷データが記憶部43から消去される。
【0102】
なお、1対1に対応付ける場合には、ID情報(記録紙)を登録した際に送る登録完了メッセージにおいて、ID情報を文字記号などで表わして通知し、これを受信した複合機20が無線タグ入り記録紙50の隅などにID情報を印刷するように構成してもよい。そして、受信通知を送信する際に、印刷内容に対応するファイル名や受信日時とともにその印刷内容が1対1に対応付けされているID情報を通知するようにすればよい。
【0103】
これにより、ユーザは、通知された印刷内容を出力するためにどの無線タグ入り記録紙50を使用すればよいかを把握することができる。なお、記録紙を登録する際に、出力者番号毎のシリアル番号や管理番号を管理サーバ40側で自動生成し、ID情報に代えてこの番号を使用するようにするとよい。こうすれば、各ユーザはたとえば4桁のシリアル番号で記録紙を管理でき、ID情報に比べて各ユーザが管理すべき情報量を少なくすることができる。
【0104】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0105】
たとえば、実施の形態では、出力要求を受けたとき、該当する出力者番号のファイル登録欄に登録されている印刷内容の中で最も古いものを送信するように構成したが、そのファイル登録欄に登録されているファイル名や受信日時などの情報を、出力要求の送信元の複合機20に送信し、複合機20側でファイル名などを表示部27に表示し、ユーザから選択操作を受け付け、選択されたファイル名を含む出力要求を管理サーバ40に送信し、管理サーバ40がそのファイル名の印刷データを複合機20に送信するように構成してもよい。
【0106】
また、記録紙を登録する際に、出力者番号に加えて、パスワードなどの認証情報の入力を求め、本人確認するように構成するとよい。
【0107】
なお、記録紙の登録は、複合機20とは別の登録専用装置で行なってもよい。また、実施の形態では印刷装置として複合機を例に説明したが、印刷機能を有する装置であれば他の種類の装置でもかまわない。また、管理サーバ40の機能を複合機20に内蔵させ、その装置が受信した出力者番号付き印刷データについてのみを対象に親展印刷に係わる動作を行なうように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施の形態に係わる印刷システムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる印刷システムが含む複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】複合機における無線タグリーダの取り付け位置および読み取り動作を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる印刷システムが含む管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わる印刷システムを用いた印刷作業におけるデータの流れを示す説明図である。
【図6】受信通知に係わる電子メールの一例を示す説明図である。
【図7】追加登録催促電子メールの一例を示す説明図である。
【図8】追加登録奨励電子メールの一例を示す説明図である。
【図9】印刷内容管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】メールアドレス管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図11】複合機が行なう処理を示す流れ図である。
【図12】管理サーバが行なうメイン処理を示す流れ図である。
【図13】管理サーバが行なう受信内容解析処理を示す流れ図である。
【図14】管理サーバが行なうID情報登録処理を示す流れ図である。
【図15】管理サーバが行なう印刷内容管理処理を示す流れ図である。
【図16】管理サーバが行なう印刷内容取り出し処理を示す流れ図である。
【図17】管理サーバが行なうファイル名取り出し処理を示す流れ図である。
【図18】管理サーバが行なう通常プリント処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0109】
10…印刷システム
11…パーソナルコンピュータ
12…LAN
13…インターネット
14…別のオフィスのLAN
15…ファクシミリアダプタ
16…交換機
17…ファクシミリ装置
20…複合機
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…読取部
25…記録部
26…ファクシミリ部
27…表示部
28…操作部
29…画像処理部
30…ネットワークI/F部
31…無線タグリーダ
32…無線制御部
33…手差しトレイ
34…リーダ支持部
35…記録紙引き込み方向を示す矢印
36…無線タグリーダの往復移動範囲を示す矢印
40…管理サーバ
41…通信部
42…制御部
43…記憶部
44…印刷内容管理テーブル
45…メールアドレス管理テーブル
50…無線タグ入り記録紙
51…無線タグ
61…受信通知に係わる電子メール
62…追加登録催促電子メール
63…追加登録奨励電子メール
71…ID情報登録欄
72…ファイル登録欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク経由で接続される管理サーバと印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記印刷装置は、
所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからその無線タグに固有のID情報を読み取る無線タグ読取手段と、
出力者に固有の出力者番号の入力を受ける入力手段と、
前記管理サーバとネットワーク経由で通信する通信手段と、
印刷手段と
を備え、
前記管理サーバは、
印刷データの受信手段と、
記憶手段と、
前記印刷装置と通信する通信手段と
を備え、
前記印刷装置は、
動作モードとして登録モードと取り出しモードとを有し、
登録モードでは、前記入力手段から出力者番号の入力を受け、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを含む記録紙登録要求を前記管理サーバに送信し、
取り出しモードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信し、この出力要求に応じて前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行し、
前記管理サーバは、
前記記録紙登録要求を受信したときは、これに含まれている出力者番号とID情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
出力者番号付きの印刷データを受信したときは、前記印刷データと前記出力者番号とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記出力要求を受信したときは、これに含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、印刷装置から出力要求を受信したとき、この出力要求に含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されているすべての印刷データの名称を前記出力要求の送信元の印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記管理サーバから受信した印刷データの名称を表示し、これらの中から印刷データの選択操作を受け付け、選択された印刷データの名称を含む出力要求を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記出力要求に含まれている名称の印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、印刷装置から出力要求を受信したとき、この出力要求に含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されている印刷データの中で最先に記憶されたものを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信し、かつ送信後にその印刷データを消去する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷装置は、動作モードとして照会モードをさらに有し、
前記照会モードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む照会要求を前記管理サーバに送信し、この照会要求に応じて前記管理サーバから送られてくる照会データを受信して該照会データを表示もしくは印刷し、
前記管理サーバは、前記照会要求を受信したときは、これに含まれているID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている出力者番号と同一の出力者番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されているすべての印刷データの名称を含む照会データを前記照会要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
ネットワーク経由で接続される管理サーバと印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記印刷装置は、
所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからその無線タグに固有のID情報を読み取る無線タグ読取手段と、
出力者に固有の出力者番号の入力を受ける入力手段と、
前記管理サーバとネットワーク経由で通信する通信手段と、
印刷手段と
を備え、
前記管理サーバは、
印刷データの受信手段と、
記憶手段と、
前記印刷装置と通信する通信手段と
を備え、
前記印刷装置は、
動作モードとして登録モードと取り出しモードとを有し、
登録モードでは、前記入力手段から出力者番号の入力を受け、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを含む記録紙登録要求を前記管理サーバに送信し、
取り出しモードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信し、この出力要求に応じて前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行し、
前記管理サーバは、
前記記録紙登録要求を受信したときは、これに含まれている出力者番号とID情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
出力者番号付きの印刷データを受信したときは、前記印刷データと前記出力者番号とを対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記記憶手段に記憶されている印刷データとID情報とを、同一の出力者番号に対応付けられているもの同士の中で1対1に対応付けし、
前記出力要求を受信したときは、これに含まれるID情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
前記印刷装置は、動作モードとして照会モードをさらに有し、
前記照会モードでは、前記読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を前記無線タグ読取手段で読み取り、このID情報を含む照会要求を前記管理サーバに送信し、この照会要求に応じて前記管理サーバから送られてくる照会データを受信して該照会データを表示もしくは印刷し、
前記管理サーバは、前記照会要求を受信したときは、これに含まれているID情報に対応付けされている印刷データの名称を含む照会データを前記照会要求の送信元の印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
出力者番号の入力を受ける際に前記出力者番号の入力者を認証する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記管理サーバから受信した印刷データを印刷する際に、前記読取位置にセットされている記録紙を印刷の1枚目に使用する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記管理サーバは、出力者番号毎に、出力者番号と電子メールアドレスとを対応付けて記憶しておき、
出力者番号付きの印刷データを受信したとき、その旨を表わした電子メールを、前記印刷データに付加されている出力者番号に対応付けされている電子メールアドレスに送信する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記管理サーバは、出力者番号毎に、出力者番号と電子メールアドレスとを対応付けて記憶しておき、
各出力者番号について、その出力者番号に対応付けされている印刷データの数と、前記出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされているID情報の数との差分が規準値以下になったとき、ID情報の追加登録を促す電子メールを、前記出力者番号に対応付けされている電子メールアドレスに送信する
ことを特徴とする請求項1または5に記載の印刷システム。
【請求項11】
出力者番号付きの印刷データを管理サーバから取り出して印刷する印刷方法において、
出力者番号の入力を受け、所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを対応付けて管理サーバに登録するステップと、
管理サーバが、出力者番号付きの印刷データを受信し、その出力者番号と印刷データとを対応付けて記憶するステップと、
印刷装置が、セットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信するステップと、
前記出力要求を受信した管理サーバが、該出力要求に含まれるID情報に対応付けされた出力者番号と同一の出力者番号に対応付けされている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信するステップと、
印刷装置が前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行するステップと
を有する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項12】
出力者番号付きの印刷データを管理サーバから取り出して印刷する印刷方法において、
出力者番号の入力を受け、所定の読取位置にセットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、前記出力者番号と前記ID情報とを対応付けて管理サーバに登録するステップと、
管理サーバが、出力者番号付きの印刷データを受信し、その出力者番号と印刷データとを対応付けて記憶するステップと、
管理サーバが、印刷データとID情報とを、同一の出力者番号に対応付けられているもの同士の中で1対1に対応付けするステップと、
印刷装置が、セットされた記録紙に埋め込まれている無線タグからID情報を読み取り、このID情報を含む出力要求を前記管理サーバに送信するステップと、
前記出力要求を受信した管理サーバが、該出力要求に含まれるID情報に対応付けされている印刷データを前記出力要求の送信元の印刷装置に送信するステップと、
印刷装置が前記管理サーバから送られてくる印刷データを受信し、この印刷データに基づいて印刷を実行するステップと
を有する
ことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−67408(P2006−67408A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249551(P2004−249551)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】