説明

印刷品質調整システム、検査用透かし媒体出力装置及び印刷品質検査装置

【課題】透かし印刷の品質保持と印刷媒体の色再現性とを両立させる印刷調整値を決定する印刷品質調整システムを提供する。
【解決手段】印刷媒体の検査用透かし媒体を出力する検査用透かし媒体出力装置110と、印刷媒体の印刷品質を検査する印刷品質検査装置120とを備える印刷品質調整システム100が提供される。検査用透かし媒体出力装置110は、検査用透かし信号を生成する検査用透かし生成部111と、検査用画像を生成する検査用画像生成部112と、検査用画像に検査用透かし信号を重畳した透かし画像を生成する透かし画像生成部113と、透かし画像を印刷した検査用透かし媒体を出力する透かし媒体出力部114とを含む。印刷品質検査装置120は、検査用透かし媒体の画像が入力される透かし媒体入力部121と、入力画像の透かし品質を検査する透かし品質検査部122と、入力画像の画像品質を検査する画像品質検査部123とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体上における電子透かしの埋め込み/読み取り技術に係り、特に、印刷媒体の印刷品質調整システム、検査用透かし媒体出力装置及び印刷品質検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子データに任意の情報を埋め込む「電子透かし」技術を用いて、紙等の印刷媒体に印刷された文書に対しても、機密情報やコピー・偽造防止のための情報を埋め込む技術が考案されている。例えば、特許文献1には、文書の背景に所定の方法で画素のパターン(ドットパターン)を配置して印刷することにより、印刷文書に機密情報等を埋め込む方法が開示されている。透かし入り画像が印刷された透かし入り文書を受け取った側は、その文書をスキャナ等で読み取り、読み取った画像から透かし情報を検出することにより、埋め込まれている機密情報を取得する。
【0003】
一般に、印刷媒体の品質は、印刷機の印刷機構、印刷方式等の違いによって変化する。また、同一機種であっても、トナーの残量、印刷ヘッド部の磨耗等、印刷機の状態や外部環境によっても印刷品質が多様に変化する。さらに、同一の印刷媒体であっても、媒体上の印刷位置によって印刷品質が異なる場合もある。
【0004】
このような印刷品質を評価するための方法として、特許文献2に記載されたような方法がある。特許文献2には、印刷装置で印刷されたシートの印刷品質を評価する方法が開示されている。この方法では、濃度中間調パターン、ラインパターン、濃度階調パターン、無地パターン等を評価シートに印刷し、印刷されたパターンを元のパターンや品質限度見本等と比較したり、パターンを撮像して得られた画像を所定の方法で画像処理することにより印刷品質の評価を行う。
【0005】
一方、上述したような要因によって、印刷媒体に印刷された透かしの印刷品質も変化する。特に、透かしは、文字等に比べ小さいパターンによって印刷されることが多く、印刷品質の差によって透かし情報の読み取り精度に大きく影響する。従って高精度の印刷品質を実現するためには、信頼性の高い印刷品質の検査を行い、印刷媒体の透かし読み取り精度が低い場合には、印刷環境に応じて印刷装置で用いられるパラメータを調整する必要がある。
【0006】
このような透かし印刷の印刷パラメータ調整方法として、特許文献3に開示されたような方法がある。特許文献3には、印刷媒体の透かし品質を検査するための検査用透かし媒体を出力、検査することにより、印刷媒体上の透かしを適切に読み取り可能な印刷パラメータを決定し、得られた印刷パラメータで調整済透かし媒体を出力する方法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特許第3628312号公報
【特許文献2】特開平5−20437号公報
【特許文献3】特開2005−318496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に開示された方法を用いると、印刷された透かし入り文書において、十分な透かし読み取り精度を確保することができる。しかし、特許文献1に記載されたような透かしは、文書に重畳されて埋め込まれるため、用いられる印刷パラメータによっては、印刷された文書の見た目に悪影響を与える恐れがある。
【0009】
また、カラー印刷の場合は、一般にインクやトナーの理想色との差を吸収し、正しい色を印刷するために、印刷ソフトウェア上で画像の補正が行われる。この補正は、ディザリング等による混色によってなされることが多いが、特許文献1のように、透かしがドットパターンで構成される場合、ディザリングによる色補正は透かしのパターンを破壊し、透かしの読み取り精度を著しく低下させる。従って、カラー印刷の場合には、印刷ソフトウェアによる画像補正を行わずに透かしを印刷することが考えられるが、補正を行わないことにより、印刷媒体における色の再現性が低下する可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、透かし印刷の品質保持と印刷媒体における色再現性とを両立させるように印刷パラメータを決定することが可能な、新規かつ改良された印刷品質調整システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、印刷媒体の検査用透かし媒体を出力する検査用透かし媒体出力装置と、印刷媒体の印刷品質を検査する印刷品質検査装置と、を備える印刷媒体の印刷品質調整システムが提供される。上記検査用透かし媒体出力装置は、1または2以上の検査用透かし信号を生成し、検査用透かし信号を符号化して記録した透かし教師データを生成する検査用透かし信号生成部と、1または2以上の検査用画像を生成し、検査用画像の画像特徴を符号化して記録した画像教師データを生成する検査用画像生成部と、検査用画像に検査用透かし信号を重畳した透かし画像を生成する透かし画像生成部と、透かし画像を印刷媒体に印刷した検査用透かし媒体を出力する透かし媒体出力部と、を含む。また、上記印刷品質検査装置は、検査用透かし媒体を読み取った入力画像が入力される透かし媒体入力部と、入力画像と透かし教師データとから透かしの印刷品質を検査して透かし印刷調整値を出力する透かし品質検査部と、入力画像の画像品質を検査して画像印刷調整値を出力する画像品質検査部と、を含む。
【0012】
かかる構成により、透かし印刷の品質保持と印刷媒体における色再現性とを両立させるように印刷パラメータを決定することが可能となり、画像の印刷品質と透かしの読み取り精度とを同時に保った状態で透かし印刷を行うことができるようになる。
【0013】
また、画像品質検査部は、入力画像から画像品質を判断するための画像特徴量を測定する画像特徴測定部と、画像特徴量に基づいて入力画像の画像品質を判定する画像品質判定部と、画像品質判定部の判定結果に基づいて、画像印刷調整値を生成する画像印刷調整値生成部と、を含むようにしてもよい。これにより、検査用透かし媒体を読み取った入力画像の画像特徴の値に基づいて、画像の印刷調整値を生成することができるようになる。
【0014】
また、印刷品質検査装置は、画像品質検査部より出力される画像印刷調整値と、透かし品質検査部より出力される透かし印刷調整値とに基づいて印刷調整値を生成する印刷調整値生成部をさらに備えてもよい。これにより、検査用透かし媒体を読み取った入力画像から画像及び透かしのそれぞれの品質を検査し、それぞれの品質を最適化するように求められた印刷調整値を合成して、最終的な印刷調整値を求めることができる。従って、例えば、透かしの品質を重視する場合であれば、透かし印刷調整値を優先して印刷調整値を決定したり、あるいは、逆に画像印刷調整値を優先して印刷調整値を決定する等、透かし印刷の用途に応じて印刷調整値を決定することができるようになる。
【0015】
また、透かし画像生成部は、1または2以上の検査用透かし信号と、1つまたは2以上の検査用画像との一部または全部の組合せにより透かし画像を生成するようにしてもよい。例えば、生成された検査用画像の一部または全部を矩形上の横方向に色相、縦方向に彩度・明度の各パラメータ順に配置した検査用画像ブロックを作成し、その上に各検査用画像ブロックの一面に1種類の検査用透かしを重畳し、埋め込むことにより透かし画像を生成するようにしてもよい。
【0016】
また、画像品質判定部は、入力画像の画像特徴量と画像教師データとを比較して画像品質を判定するようにしてもよい。これにより、検査用画像が生成されたときの画像特徴値に基づいて、印刷された検査用透かし媒体の画像品質を判定することができるようになる。
【0017】
あるいは、検査用透かし媒体出力装置は、検査用画像生成部により生成された検査用画像を印刷媒体に出力する検査用画像出力部をさらに含み、印刷品質検査装置は、検査用画像出力部により出力された検査用画像媒体を入力する検査用画像入力部をさらに含み、画像特徴測定部は、透かし画像とともに検査用画像の前記画像特徴量を測定し、画像品質判定部は、透かし画像の画像特徴量と検査用画像の画像特徴量とを比較して画像品質を判定するようにしてもよい。かかる構成により、画像品質検査の比較対象となるデータとして実際に印刷・読み取りされたデータを用いることができ、より実際の環境に即した画像品質検査を行うことができる。
【0018】
あるいは、検査用透かし媒体出力装置は、所定の画像が検査用画像として入力される検査用画像入力部をさらに含み、透かし画像生成部は、検査用画像に検査用透かし信号を埋め込んだ透かし画像を生成するようにしてもよい。さらにこのとき、検査用画像入力部より入力される検査用画像として、透かし埋め込みに使用される文書画像を基にして作成された画像を用いてもよい。これにより、実際に透かし埋め込みに用いられる画像中の位置による透かし信号の強さ(例えば、画像中の黒に近い部分が透かし強度が低下する等)を考慮して透かし印刷の調整値を求めることができる。また、画像中で多く使用されている色を重視する等して、実際に透かし埋め込みに用いられる画像に即した画像印刷の調整値を求めることが可能となる。結果として、より適切な印刷調整を行うことが可能な印刷調整値を出力することが可能となる。
【0019】
また、画像特徴測定部で測定される画像特徴量は、明度と、彩度と、色相及び色差を含む色情報とのうち1つ以上を含むようにしてもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、印刷媒体の検査用透かし媒体を出力する検査用透かし媒体出力装置であって、1または2以上の検査用透かし信号を生成し、検査用透かし信号を符号化して記録した透かし教師データを生成する検査用透かし信号生成部と、1または2以上の検査用画像を生成し、検査用画像の画像特徴を符号化して記録した画像教師データを生成する検査用画像生成部と、検査用画像に検査用透かし信号を重畳した透かし画像を生成する透かし画像生成部と、透かし画像を印刷媒体に印刷した検査用透かし媒体を出力する透かし媒体出力部と、を備えることを特徴とする、検査用透かし媒体出力装置が提供される。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、検査用透かし媒体が入力されて、印刷媒体の透かし品質及び画像品質を検査する印刷品質検査装置であって、検査用透かし媒体を読み取った入力画像が入力される透かし媒体入力部と、入力画像と透かし教師データとから透かしの印刷品質を検査して透かし印刷調整値を出力する透かし品質検査部と、入力画像の画像品質を検査して画像印刷調整値を出力する画像品質検査部と、を備えることを特徴とする、印刷品質検査装置が提供される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、透かし印刷の品質保持と印刷媒体における色再現性とを両立させるように印刷パラメータを決定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
(第1の実施形態)
まず、図1に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる印刷品質調整システムについて説明する。図1は、本実施形態にかかる印刷品質調整システム100の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施形態にかかる印刷品質調整システム100は、図1に示すように、検査用透かし媒体出力装置110と、印刷品質検査装置120とにより構成される。以下、各装置の構成について説明する。
【0026】
(検査用透かし媒体出力装置110)
検査用透かし媒体出力装置110は、図1に示すように、検査用透かし生成部111と、検査用画像生成部112と、透かし画像生成部113と、透かし媒体出力部114と、透かし教師データ出力部115と、画像教師データ出力部116とにより構成される。以下、検査用透かし媒体出力装置110の各部について説明する。
【0027】
(検査用透かし生成部111)
検査用透かし生成部111は、透かし信号のパラメータを変化させた1以上の検査用透かし信号を生成する機能部である。検査用透かし生成部111は、通常の情報埋め込みに使用される透かし信号S(Sは2値以上の信号パターン)から、濃度レベルN(Nは1〜n)を変化させた検査用透かしを生成する。透かし信号は、例えば、特開2003−209676号公報に記載の技術で生成される。同文献に開示された透かし信号は、ドット(黒画素)の配列によって任意の波長と方向を持つ波を表現したものである。なお、同文献に開示された透かし信号生成技術は、本実施形態にかかる検査用透かし生成部111において用いられる透かし信号生成技術の一例に過ぎないため、詳細な説明を省略する。また、検査用透かし生成部111を実現するにあたり、他の透かし信号生成技術を採用してもよいことは言うまでもない。
【0028】
さらに、検査用透かし生成部111は、検査用透かし信号を符号化して記録した透かし教師データを生成する。生成された透かし教師データは、透かし教師データ出力部115を通じて出力される。
【0029】
(検査用画像生成部112)
検査用画像生成部112は、1つ以上の基準画像の画像特徴を変化させた1つ以上の検査用画像を生成する機能部である。検査用画像生成部112は、例えば、画像特徴として、HSV表色系の色相H、彩度S、明度Vの各パラメータを変化させるようにしてもよい。この場合、色相H、彩度S、明度Vの画像IをI(H,S,V)と表現すると、各パラメータを変化させた組み合わせから検査用画像I(H,S,V)が生成される。各パラメータH、S、Vは、HSV各々の量子化レベルをD、D、Dとすると、以下の数式1により求めることができる。
【0030】
【数1】

【0031】
なお、ここでは、変化させる画像特徴としてHSV表色系の各パラメータを用いたが、他の画像特徴を用いて検査用画像を生成するようにしてもよい。
【0032】
(透かし画像生成部113)
透かし画像生成部113は、検査用画像生成部112で生成された検査用画像に検査用透かし生成部111で生成された検査用透かし信号を重畳して透かし画像を生成する機能部である。ここで、図2は、透かし画像生成部113による透かし画像生成方法を説明した説明図である。図2において、検査用画像I〜Iは、検査用画像生成部112で生成された検査用画像を示し、検査用透かし信号E〜Eは、検査用透かし生成部111で生成された検査用透かし信号を示す。透かし画像生成部113は、まず、検査用画像I〜Iを配置した検査用画像ブロックを作成する。配置する検査用画像は、生成された検査用画像全部であってもよく、一部のみであってもよい。配置方法は、例えば、矩形上の横方向に色相、縦方向に彩度・明度の各パラメータ順に配置するようにしてもよい。
【0033】
次に、透かし画像生成部113は、作成した検査用画像ブロックの上に検査用透かしを重畳し、透かし埋め込みを行う。埋め込み方法は、例えば、図2に示すように、検査用透かしの種類だけ検査用画像ブロックを用意し、各検査用画像ブロックの一面に1種類の検査用透かしを重畳して埋め込むようにしてもよい。あるいは、生成した複数の検査用透かしをブロック状に配置した検査用透かしブロックを生成し、検査用画像ブロックの上に検査用透かしブロックを1個または複数個配置して埋め込むようにしてもよい。
【0034】
(透かし媒体出力部114)
透かし媒体出力部114は、プリンタ等の出力装置で、透かし画像を印刷媒体に印刷して検査用透かし媒体10を出力する機能部である。検査用透かし媒体10は、検査用画像に検査用透かしを埋め込んで印刷されたものであり、物理的に扱われる。
【0035】
(透かし教師データ出力部115)
透かし教師データ出力部115は、検査用透かし生成部111によって生成された透かし教師データ20を出力する。
【0036】
(画像教師データ出力部116)
画像教師データ出力部116は、検査用画像生成部112によって生成された画像教師データ30を出力する。
【0037】
以上、検査用透かし媒体出力装置110の構成について説明した。なお、検査用透かし生成部111、検査用画像生成部112及び透かし画像生成部113の各部は、上述した各機能を実行可能なプログラムモジュールをコンピュータ等の情報処理装置にインストールしたソフトウェアで構成されてもよいし、あるいは、上述した各機能を実行可能なプロセッサ等のハードウエアで構成されてもよい。
【0038】
(印刷品質検査装置120)
次に、印刷品質検査装置120の構成について説明する。印刷品質検査装置120は、図1に示すように、透かし媒体入力部121と、透かし品質検査部122と、画像品質検査部123と、印刷調整値生成部124とにより構成される。以下、印刷品質検査装置120の各部について説明する。
【0039】
(透かし媒体入力部121)
透かし媒体入力部121は、スキャナなどの入力手段であり、印刷された透かし媒体を多値階調の入力画像として計算機に取り込む機能部である。取り込まれた入力画像は、透かし品質検査部122及び画像品質検査部123に入力される。
【0040】
(透かし品質検査部122)
透かし品質検査部122は、入力画像から入力画像に含まれる透かしの印刷品質を検査し、透かし印刷調整値を出力する機能部である。透かし品質検査部122は、より詳細には、図1に示すように、透かし信号検出部122aと、透かし品質判定部122bと、透かし印刷調整値生成部122cとを含んで構成される。
【0041】
透かし信号検出部122aは、入力画像に対してフィルタ処理を行い、入力画像に埋め込まれた透かし信号を検出する機能部である。また、透かし信号検出部122aは、検出された透かし信号から、埋め込まれた透かし情報を取り出す。
【0042】
透かし品質判定部122bは、透かし信号検出部122aで得られた透かし情報と、入力された透かし教師データ20とを比較して透かし品質の判定を行う機能部である。透かし印刷調整値生成部122cは、透かし品質判定部122bで得られた品質判定結果を基に、透かしの印刷品質を向上させるための透かし印刷調整値を出力する機能部である。
【0043】
かかる透かし品質検査部122による透かし信号の検出処理、透かし品質の判定処理、及び透かし印刷調整値の生成処理は、例えば、上述した特許文献3(特開2005−318496号公報)に記載された技術を用いて行うようにしてもよい。なお、同文献に開示された透かし品質検査技術は、本実施形態にかかる透かし品質検査部122において用いられる透かし品質検査技術の一例に過ぎないため、詳細な説明を省略する。また、透かし品質検査部122を実現するにあたり、他の透かし品質検査技術を採用してもよいことは言うまでもない。
【0044】
(画像品質検査部123)
画像品質検査部123は、入力画像の画像品質を検査して画像印刷調整値を出力する機能部である。画像品質検査部123は、より詳細には、図1に示すように、画像特徴測定部123aと、画像品質判定部123bと、画像印刷調整値生成部123cとを含んで構成される。
【0045】
画像特徴測定部123aは、透かし媒体入力部121で入力された入力画像の画像特徴値を測定する機能部である。測定される画像特徴は、例えば、検査用透かし媒体出力装置110の検査用画像生成部112において検査用画像を生成するために変化させた画像特徴と同じであってもよい。具体的には、例えば、入力画像の任意の位置におけるHSV表色系の色相、彩度、明度の各パラメータの値を画像特徴として測定するようにしてもよい。
【0046】
画像品質判定部123bは、画像特徴測定部123aから得られた画像特徴の測定データと、検査用透かし媒体出力装置110から入力された画像教師データと30を比較し、入力画像の画像品質を判定する機能部である。判定方法は、例えば、画像特徴測定部123aで測定された画像特徴の値と、画像教師データ30に記録された画像特徴の値との差分を算出することにより画像品質を判定するようにしてもよい。
【0047】
画像印刷調整値生成部123cは、画像品質判定部123bで算出された画像特徴の差分をもとに画像の印刷調整値を生成する。図3は、画像印刷調整値生成部123cにおける画像印刷調整値の生成方法を説明するための説明図である。例えば、図3に示すように画像特徴測定部123aから得られた画像特徴の測定データにおいて測定値が存在する値(測定点1〜3の値)においては差分を調整値とし、測定値が存在しない中間の値においては、測定値の間を線形補間して調整値を求めるようにしてもよい。また、補間方法は、線形補間以外の方法を用いて行ってもよい。
【0048】
印刷調整値生成部124は、透かし印刷調整値生成部122cで得られた透かし印刷調整値と、画像印刷調整値生成部123cで得られた画像印刷調整値とから、印刷品質を向上させるための印刷調整値40を出力する機能部である。印刷調整値の生成方法は、例えば、両者の調整値に相関する部分がない場合は、単純に透かし印刷調整値と画像印刷調整値とを合わせたものを印刷調整値としてもよい。相関する部分がある場合は、例えば、透かし品質が画像品質よりも重視される場合には、透かし印刷調整値を優先して印刷調整値を生成するようにしてもよい。あるいは、逆に画像印刷調整値を優先するようにしてもよいし、両方の調整値の中間値を算出して印刷調整値としてもよい。
【0049】
以上、印刷品質検査装置120の構成について説明した。なお、検査用透かし媒体入力部121、透かし品質検査部122、画像品質検査部123及び印刷調整値生成部124の各部は、上述した各機能を実行可能なプログラムモジュールをコンピュータ等の情報処理装置にインストールしたソフトウェアで構成されてもよいし、あるいは、上述した各機能を実行可能なプロセッサ等のハードウエアで構成されてもよい。
【0050】
(印刷品質調整処理の一例)
次に、図4に基づいて、本実施形態にかかる印刷品質調整システム100により実行される印刷品質調整処理の一例を説明する。なお、ステップS150からステップS160までの処理は、検査用透かし媒体出力装置110において行われる処理を示し、ステップS162からステップS168までの処理は、印刷品質検査装置120において行われる処理を示している。
【0051】
まず、ステップS150において、検査用透かし媒体出力装置110の検査用透かし生成部111は、1以上の検査用透かし信号を生成する。検査用透かし生成部111は、通常の情報埋め込みに使用される透かし信号S(Sは2値以上の信号パターン)から、濃度レベルN(Nは1〜n)を変化させた検査用透かしを生成する。透かし信号は、例えば、特開2003−209676号公報に記載の技術で生成されてもよい。
【0052】
次いで、ステップS152において、検査用画像生成部112は、1つ以上の基準画像の画像特徴を変化させて1つ以上の検査用画像を生成する。検査用画像生成部112は、例えば、画像特徴として、HSV表色系の色相H、彩度S、明度Vの各パラメータを変化させて、検査用画像を生成する。あるいは、画像特徴として、HSV表色系のパラメータ以外のパラメータを用いてもよい。
【0053】
次いで、ステップS154において、透かし画像生成部113は、ステップS152で生成された検査用画像にステップS150で生成された検査用透かし信号を重畳して検査用透かし画像を生成する。次いで、ステップS156において、生成された検査用透かし画像を印刷媒体上に印刷した検査用透かし媒体を出力する。
【0054】
次いで、ステップS158において、検査用透かしから生成された透かし教師データが、検査用透かし媒体出力装置110の透かし教師データ出力部115から出力される。同様に、ステップS160において、検査用画像から生成された画像教師データが、検査用透かし媒体出力装置110の透かし教師データ出力部115から出力される。
【0055】
次いで、ステップS162において、ステップS156で検査用透かし媒体出力装置110から出力された検査用透かし媒体が、印刷品質検査装置120の透かし媒体入力部121より入力される。
【0056】
次いで、ステップS164において、透かし品質検査部122は、透かし媒体の入力画像から透かしの印刷品質を検査し、透かし印刷調整値を出力する。より詳細には、まず、入力画像に対してフィルタ処理を行い、入力画像に埋め込まれた透かし信号を検出し、検出された透かし信号から、埋め込まれた透かし情報を抽出する。さらに、抽出された透かし情報と、ステップS158で出力された透かし教師データとを比較して透かし品質の判定を行い、品質判定結果に基づいて、透かしの印刷品質を向上させるための透かし印刷調整値を出力する。
【0057】
次いで、ステップS166において、画像品質検査部123は、透かし媒体の入力画像から画像の印刷品質を検査し、画像印刷調整値を出力する。より詳細には、まず、入力画像の画像特徴値を測定する。測定される画像特徴は、例えば、ステップS152において
検査用画像を生成するために変化させた画像特徴と同じであってもよい。具体的には、例えば、入力画像の任意の位置におけるHSV表色系の色相、彩度、明度の各パラメータの値を画像特徴として測定するようにしてもよい。
【0058】
次に、測定された画像特徴の測定データと、ステップS160で出力された画像教師データとを比較して画像品質を判定する。例えば、入力画像の画像特徴の値と、画像教師データに記録された画像特徴の値との差分を算出することにより画像品質を判定するようにしてもよい。さらに、算出された差分に基づいて、画像の印刷調整値を生成する。例えば、画像特徴の測定データにおいて測定値が存在する値においては差分を調整値とし、測定値が存在しない中間の値においては、測定値の間を線形補間して調整値を求める等して、印刷調整値を生成する。
【0059】
次いで、ステップS168において、ステップS164で生成された透かし印刷調整値と、ステップS166で生成された画像印刷調整値とに基づいて、印刷調整値を生成し出力する。印刷調整値の生成方法は、例えば、両者の調整値に相関する部分がない場合は、単純に透かし印刷調整値と画像印刷調整値とを合わせたものを印刷調整値としてもよい。相関する部分がある場合は、例えば、透かし品質が画像品質よりも重視される場合には、透かし印刷調整値を優先して印刷調整値を生成するようにしてもよい。あるいは、逆に画像印刷調整値を優先するようにしてもよいし、両方の調整値の中間値を算出して印刷調整値としてもよい。
【0060】
以上、本実施形態にかかる印刷品質調整システム100により実行される印刷品質調整処理の一例について説明した。
【0061】
(第1の実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、検査用透かし媒体の透かし品質と画像品質の両方を検査し、それぞれの印刷調整値に基づいて最終的な印刷パラメータを決定することによって、画像の印刷品質と、透かしの読み取り精度とを同時に向上させることが可能な印刷パラメータを得ることができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、図5に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる印刷品質調整システムについて説明する。図5は、本実施形態にかかる印刷品質調整システム200の概略構成を示すブロック図である。
【0063】
本実施形態にかかる印刷品質調整システム200は、図5に示すように、検査用透かし媒体出力装置210と、印刷品質検査装置220とにより構成される。以下、各装置の構成について説明する。
【0064】
(検査用透かし媒体出力装置210)
本実施形態にかかる検査用透かし媒体出力装置210は、図5に示すように、検査用透かし生成部211と、検査用画像生成部212と、透かし画像生成部213と、透かし媒体出力部214と、透かし教師データ出力部215と、検査用画像媒体出力部216とにより構成される。
【0065】
検査用透かし媒体出力装置210は、上述した第1の実施形態にかかる検査用透かし媒体出力装置110と比較して、画像教師データ出力部116に代えて検査用画像媒体出力部216を備え、検査用画像から生成した画像教師データを出力する代わりに、印刷された検査用画像媒体を出力するようにする点が異なる。検査用画像媒体出力部216は、検査用画像生成部212において生成された検査用画像を印刷媒体上に出力し、出力された検査用画像媒体50は、後で説明する印刷品質検査装置220に入力される。検査用画像媒体出力部216以外の構成要素については、上述した第1の実施形態にかかる検査用透かし媒体出力装置110の該当する構成要素と実質的に同一の機能を有するものであるため、重複説明を省略する。
【0066】
(印刷品質検査装置220)
本実施形態にかかる印刷品質検査装置220は、図5に示すように、透かし媒体入力部221と、透かし品質検査部222と、画像品質検査部223と、印刷調整値生成部224と、検査用画像媒体入力部225とにより構成される。印刷品質検査装置220は、検査用画像媒体入力部225を備える点と、検査用画像媒体入力部225から入力された検査用画像媒体の画像特徴を用いて検査用透かし媒体の画像品質を判定する点を除いては、上述した第1の実施形態にかかる印刷品質検査装置120と実質的に同一の構成及び機能を有するものである。以下、第1の実施形態との差異点である検査用画像媒体入力部225、及び画像品質検査部223の画像特徴測定部223a及び画像品質判定部223bについて説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
【0067】
(検査用画像媒体入力部225)
検査用画像媒体入力部225は、スキャナなどの入力手段であり、印刷された検査用画像媒体50を多値階調の入力画像として計算機に取り込む機能部である。取り込まれた入力画像は、透かし媒体入力部221で入力された検査用透かし媒体10の入力画像とともに画像品質検査部223に入力される。
【0068】
(画像特徴測定部223a)
画像特徴測定部223aは、透かし媒体入力部221から入力された検査用透かし媒体の画像の画像特徴値と、検査用画像媒体入力部225から入力された検査用画像媒体の画像の画像特徴値とを共に測定する機能部である。測定される画像特徴及び測定方法は、第1の実施形態の画像特徴測定部123aと同様であるものとする。測定された2つの画像特徴のデータは、画像品質判定部223bに入力され、画像品質判定部223bでは、画像教師データの代わりに画像特徴測定部223aで測定された検査用画像媒体の画像の画像特徴値を用いて、検査用透かし媒体の画像品質を判定する。
【0069】
(第2の実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、画像品質検査の比較対象となるデータとして実際に印刷・読み取りされたデータを用いることで、より実際の環境に即した画像品質検査を行うことができる。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、図6に基づいて、本発明の第3の実施形態にかかる印刷品質調整システムについて説明する。図6は、本実施形態にかかる印刷品質調整システム300の概略構成を示すブロック図である。
【0071】
本実施形態にかかる印刷品質調整システム300は、図6に示すように、検査用透かし媒体出力装置310と、印刷品質検査装置320とにより構成される。なお、本実施形態にかかる印刷品質検査装置320は、上述した第1の実施形態にかかる印刷品質検査装置120と実質的に同一の構成及び機能を有するものであるため、重複説明を省略する。
【0072】
(検査用透かし媒体出力装置310)
本実施形態にかかる検査用透かし媒体出力装置310は、図6に示すように、検査用透かし生成部311と、透かし埋込用画像入力部312と、透かし画像生成部313と、透かし媒体出力部314と、透かし教師データ出力部315と、画像教師データ出力部316とにより構成される。
【0073】
検査用透かし媒体出力装置310は、上述した第1の実施形態にかかる検査用透かし媒体出力装置110と比較して、検査用画像生成部112に代えて透かし埋込用画像入力部312を備えるようにし、検査用画像の生成を行わず、実際に透かしが埋め込まれる画像を使用する点が異なる。透かし埋込用画像入力部312以外の構成要素については、上述した第1の実施形態にかかる検査用透かし媒体出力装置110の該当する構成要素と実質的に同一の機能を有するものであるため、重複説明を省略する。
【0074】
透かし埋込用画像入力部312は、透かし埋め込みに使用される透かし埋込用画像60の画像データが入力される機能部である。なお、透かし埋込用画像入力部312は、本発明に係る検査用画像入力部の一例である。画像データは、画像特徴の変化が軽微である範囲で圧縮して入力されてもよい。また、入力された透かし埋込用画像60は、透かし画像生成部313に入力される。透かし画像生成部313は、検査用透かし生成部311において生成された検査用透かしを透かし埋込用画像60の上に重畳し埋め込む。埋め込み方法は、例えば、検査用透かしの種類だけ透かし埋込用画像60を複製し、透かし埋込用画像60の一面に1種類の検査用透かしを重畳して埋め込むようにしてもよい。
【0075】
また、検査用透かし媒体出力装置310は、透かし埋込用画像入力部312から入力された透かし埋込用画像60の画像特徴を記録した画像教師データを作成し、画像教師データ出力部316から出力するようにしてもよい。あるいは、検査用透かし媒体出力装置310は、上述した第2実施形態と同様に、入力された透かし埋込用画像60を印刷媒体上に印刷した検査用画像媒体を出力してもよい。この場合、印刷品質検査装置320を、第2実施形態の印刷品質検査装置220と同様の構成及び機能を有するように構成してもよい。
【0076】
(第3の実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、実際に透かし埋め込みに用いられる画像を検査用画像として用いるため、透かし印刷の調整値については、透かし埋込用画像中の位置による透かし信号の強さ(例えば、画像中の黒に近い部分が透かし強度が低下する等)を考慮して印刷調整値を出力することができる。また、画像印刷の調整値については、画像中で多く使用されている色を重視する等、実際に透かし埋め込みに用いられる画像に即した調整値を出力することが可能となる。結果として、より適切な印刷調整を行うことが可能な印刷調整値を出力することが可能となる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる印刷品質調整システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】透かし画像生成部による透かし画像生成方法を説明するための説明図である。
【図3】画像印刷調整値生成部における画像印刷調整値の生成方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる印刷品質調整システムによる印刷品質調整処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる印刷品質調整システムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる印刷品質調整システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
10 検査用透かし媒体
20 透かし教師データ
30 画像教師データ
40 印刷調整値
50 検査用画像媒体
60 透かし埋込用画像
100、200、300 印刷品質調整システム
110、210、310 検査用透かし媒体出力装置
111、211、311 検査用透かし生成部
112、212 検査用画像生成部
113、213、313 透かし画像生成部
114、214、314 透かし媒体出力部
115、215、315 透かし教師データ出力部
116、316 画像教師データ出力部
120、220、320 印刷品質検査装置
121、221 透かし媒体入力部
122、222 透かし品質検査部
122a 透かし信号検出部
122b 透かし品質判定部
122c 透かし印刷調整値生成部
123、223 画像品質検査部
123a、223a 画像特徴測定部
123b、223b 画像品質判定部
123c、223c 画像印刷調整値生成部
124、224 印刷調整値生成部
216 検査用画像媒体出力部
225 検査用画像媒体入力部
312 透かし埋込用画像入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体の検査用透かし媒体を出力する検査用透かし媒体出力装置と、印刷媒体の印刷品質を検査する印刷品質検査装置と、を備える印刷媒体の印刷品質調整システムであって、
前記検査用透かし媒体出力装置は、
1または2以上の検査用透かし信号を生成し、前記検査用透かし信号を符号化して記録した透かし教師データを生成する検査用透かし信号生成部と、
1または2以上の検査用画像を生成し、前記検査用画像の画像特徴を符号化して記録した画像教師データを生成する検査用画像生成部と、
前記検査用画像に前記検査用透かし信号を重畳した透かし画像を生成する透かし画像生成部と、
前記透かし画像を印刷媒体に印刷した検査用透かし媒体を出力する透かし媒体出力部と、
を含み、
前記印刷品質検査装置は、
前記検査用透かし媒体を読み取った入力画像が入力される透かし媒体入力部と、
前記入力画像と前記透かし教師データとから透かしの印刷品質を検査して透かし印刷調整値を出力する透かし品質検査部と、
前記入力画像の画像品質を検査して画像印刷調整値を出力する画像品質検査部と、
を含むことを特徴とする、印刷品質調整システム。
【請求項2】
前記画像品質検査部は、
前記入力画像から画像品質を判断するための画像特徴量を測定する画像特徴測定部と、
前記画像特徴量に基づいて前記入力画像の画像品質を判定する画像品質判定部と、
前記画像品質判定部の判定結果に基づいて、前記画像印刷調整値を生成する画像印刷調整値生成部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の印刷品質調整システム。
【請求項3】
前記印刷品質検査装置は、
前記画像品質検査部より出力される前記画像印刷調整値と、前記透かし品質検査部より出力される前記透かし印刷調整値とに基づいて印刷調整値を生成する印刷調整値生成部をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の印刷品質調整システム。
【請求項4】
前記透かし画像生成部は、
前記1または2以上の検査用透かし信号と、前記1つまたは2以上の検査用画像との一部または全部の組合せにより前記透かし画像を生成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷品質調整システム。
【請求項5】
前記画像品質判定部は、
前記入力画像の前記画像特徴量と前記画像教師データとを比較して画像品質を判定することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の印刷品質調整システム。
【請求項6】
前記検査用透かし媒体出力装置は、
前記検査用画像生成部により生成された前記検査用画像を印刷媒体に出力する検査用画像出力部をさらに含み、
前記印刷品質検査装置は、
前記検査用画像出力部により出力された検査用画像媒体を入力する検査用画像入力部をさらに含み、
前記画像特徴測定部は、前記透かし画像とともに前記検査用画像の前記画像特徴量を測定し、
前記画像品質判定部は、前記透かし画像の画像特徴量と前記検査用画像の画像特徴量とを比較して画像品質を判定することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の印刷品質調整システム。
【請求項7】
前記検査用透かし媒体出力装置は、
所定の画像が検査用画像として入力される検査用画像入力部をさらに含み、
前記透かし画像生成部は、前記検査用画像に前記検査用透かし信号を埋め込んだ透かし画像を生成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷品質調整システム。
【請求項8】
前記検査用画像入力部より入力される前記検査用画像は、透かし埋め込みに使用される文書画像を基にして作成された画像であることを特徴とする、請求項7に記載の印刷品質調整システム。
【請求項9】
前記画像特徴測定部で測定される前記画像特徴量は、明度と、彩度と、色相及び色差を含む色情報とのうち1つ以上を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の印刷品質調整システム。
【請求項10】
印刷媒体の検査用透かし媒体を出力する検査用透かし媒体出力装置であって、
1または2以上の検査用透かし信号を生成し、前記検査用透かし信号を符号化して記録した透かし教師データを生成する検査用透かし信号生成部と、
1または2以上の検査用画像を生成し、前記検査用画像の画像特徴を符号化して記録した画像教師データを生成する検査用画像生成部と、
前記検査用画像に前記検査用透かし信号を重畳した透かし画像を生成する透かし画像生成部と、
前記透かし画像を印刷媒体に印刷した検査用透かし媒体を出力する透かし媒体出力部と、
を備えることを特徴とする、検査用透かし媒体出力装置。
【請求項11】
検査用透かし媒体が入力されて、印刷媒体の透かし品質及び画像品質を検査する印刷品質検査装置であって、
前記検査用透かし媒体を読み取った入力画像が入力される透かし媒体入力部と、
前記入力画像と前記透かし教師データとから透かしの印刷品質を検査して透かし印刷調整値を出力する透かし品質検査部と、
前記入力画像の画像品質を検査して画像印刷調整値を出力する画像品質検査部と、
を備えることを特徴とする、印刷品質検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−228063(P2008−228063A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65316(P2007−65316)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】