説明

印刷機の制御装置および制御方法

【課題】大きな設備投資を行うことなく、試刷りから本刷りへの移行時の印刷資材の無駄をなくす。
【解決手段】試刷りされた20枚目(測定開始枚数目)からの印刷物のカラーバーを検査カメラ20で撮像し、各カラーパッチのRGB値を求める。準備段階で求めた各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))、印刷資材に応じて求めた各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を用いて、各カラーパッチのRGB値を濃度値に変換し、変換した各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にあれば、印刷を停止することなく、そのまま印刷を続け、本刷りに移行する。なお、各カラーパッチの濃度値が1つでも許容範囲になかった場合には、インキ膜厚分布を調整し、このインキ膜厚分布が調整された状態で印刷された印刷物を次の測定対象の印刷物とし、検査カメラ20による濃度測定(RGB値から濃度値への変換)を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本刷りを開始する前に試刷りを行う印刷機の制御装置および制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図44に印刷機における各色の印刷ユニット内のインカー(インキ供給装置)の要部を示す。同図において、1はインキツボ、2はインキツボ1に蓄えられたインキ、3はインキツボローラ、4(4−1〜4−n)はインキツボローラ3の軸方向に複数並設して設けられたインキツボキー、5はインキ呼び出しローラ、6はインキローラ群、7は刷版、8は刷版7が装着された版胴であり、刷版7には絵柄が焼き付けられている。
【0003】
このインキ供給装置は、インキツボキー4−1〜4−nの開度調整によってインキツボ1内のインキ2をインキツボローラ3に供給し、このインキツボローラ3に供給されたインキをインキ呼び出しローラ5の呼び出し動作によりインキローラ群6を介して刷版7へ供給する。この刷版7に供給されたインキが図示されていないゴム胴を介して印刷用紙に印刷される。なお、インキローラ群6のインキの流動経路の末端には、刷版7に接するインキ着ローラ6−1〜6−4が設けられている。
【0004】
図45にこの印刷機によって印刷された印刷物を示す。印刷物9には、絵柄領域9−1を除く余白部に、帯状のカラーバー9−2が印刷される。カラーバー9−2は、一般の4色刷りの場合、ブラック(スミ)、シアン(アイ)、マゼンタ(アカ)、イエロー(キ)の濃度測定用のパッチ(網点面積率100%のベタパッチ)9a1,9a2,9a3,9a4を含む領域S1〜Snから構成される。領域S1〜Snは、印刷機における各色の印刷ユニットにおけるインキツボキー4−1〜4−nのキーゾーンに対応している。以下、濃度測定用のパッチをカラーパッチと呼ぶ。
【0005】
〔刷版の交換〕
刷版7を交換して新しい刷版7’とした場合、この新刷版7’の絵柄に応じた値にインキツボキー4−1〜4−nの開き量やインキツボローラ3の回転量などがプリセットされる。すなわち、インキツボキー4−1〜4−nの開き量やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値として、インキツボ1内のインキ2がインキローラ群6を介して新刷版7’へ供給される。この場合、本刷りの前に試刷りを行って、インキ供給量を調整し、満足すべき色調を得る。これにより、インキローラ群6には、所望のインキ膜厚分布(インキ膜厚さの勾配)が作られる。
【0006】
しかしながら、このインキ供給装置では、刷版7を交換して新刷版7’とする場合、旧刷版7に対するインキ膜厚分布がインキローラ群6に残っている。すなわち、この場合、旧刷版7に対するインキ膜厚分布を新刷版7’に対するインキ膜厚分布に徐々に変えて行かなければならず、満足すべき色調を得るまでにインキ供給量の調整と試刷りを過大に必要とし、「印刷前準備時間の増加」、「労働負荷の増大」、「印刷資材の浪費」、「生産効率の低下」、「コストアップ」等の問題が生じる。
【0007】
そこで、本出願人は、満足すべき色調を得るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくすることを目的として、特許文献1,2に示されているような「インキ膜厚の制御方法」を提案した。
【0008】
〔インキリムービング+プレインキングII〕
特許文献1に記載されたインキ膜厚の制御方法では、旧刷版7の新刷版7’への交換に際して、先ずインキリムービングを行う。すなわち、ディスプレイ(図示せず)上でインキリムービング動作を指定し、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を停止し、旧刷版7を装着したままの状態で本機を運転して一定枚数の印刷(白紙印刷)を行い、これによってインキ供給装置内のインキを減らし(刷り減らし)、インキローラ群6に上流から下流になるにしたがって薄くなる印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ma(図46(a)参照)、すなわち刷版7の絵柄のない部分に対応するインキ膜厚分布Maを残す。
【0009】
次に、ディスプレイ上でプレインキングII動作を指定し、プレインキングIIを行う。このプレインキングIIでは、インキツボキー4−1〜4−nの開き量やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値にプリセットしたうえ、本機を運転し、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に残されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに新刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図46(b)参照)を重畳する。
【0010】
〔プレインキングI〕
また、特許文献1に記載されたインキ膜厚の制御方法では、インキローラ群6がインキを保有していない場合、例えば版胴8に刷版7を初めてセットするような場合、ディスプレイ上でプレインキングI動作を指定する。
【0011】
このプレインキングIでは、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を所定開き量(例えば、50%)としたうえ、またインキツボローラ3の回転量を所定回転量(例えば、50%)としたうえ、本機を運転し、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、図46(a)に示されるような印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maをインキローラ群6に形成する(プレインキングIの第1ステップ)。
【0012】
そして、この後、インキツボキー4−1〜4−nの開き量やインキツボローラ3の回転量を刷版7の絵柄に応じた値にプリセットし、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に形成されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに刷版7の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図46(b))を重畳する(プレインキングIの第2ステップ)。
【0013】
〔壺返し+プレインキングI〕
特許文献2に記載されたインキ膜厚の制御方法では、旧刷版7の新刷版7’への交換に際して、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をゼロに設定し、その状態でインキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6上のインキを全てインキツボ1内に戻す(壺返し)。これにより、インキローラ群6内の各ローラがインキを保有していない状態となる。
【0014】
次に、インキツボキー4−1〜4−nの開度を所定開度(例えば、50%)としたうえ、またインキツボローラ3の回転量を所定量(例えば、50%)としたうえ、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、印刷中に必要される最低限のインキ膜厚分布Ma(図46(a)参照)をインキローラ群6に形成する(プレインキングIの第1ステップ)。
【0015】
そして、インキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値に設定したうえ、本機を運転し、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に形成されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに新刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図46(b)参照)を重畳する(プレインキングIの第2ステップ)。
【0016】
この特許文献1,2に記載されたインキ膜厚の制御方法では、「インキリムービング+プレインキングII」や「プレインキングI」,「壺返し+プレインキングI」などの方法でインキローラ群6に刷版7の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成した後、予め定められた枚数の試刷りを行って一旦印刷機を停止し、オペレータが印刷機の排紙部から試刷りされた印刷物を抜き取り、この抜き取った印刷物をオフラインの自走式濃度計が設けられた操作デスクまで運び、その印刷物のカラーバーの各カラーパッチの濃度を自走式濃度計で測定する。
【0017】
そして、印刷物の各カラーパッチの濃度値が許容範囲内(各色毎に定められた基準濃度値との差が許容値内)にあれば、オペレータは問題無いと判断し、再度印刷機の運転を開始して本刷りへ移行させる。印刷物の各カラーパッチの濃度値が1つでも許容範囲内になければ、オペレータは問題有りと判断し、プレインキング(+)やプレインキング(−)を用いてインキ供給装置内のインキ膜厚分布を調整し、再度予め定められた枚数の試刷りを行い、試刷りされた印刷物の濃度を自走式濃度計で測定し、試刷りされた印刷物の濃度が問題無くなるまでインキ供給装置内のインキ膜厚分布の調整を繰り返す。
【0018】
図47にオフラインの自走式濃度計が設けられた操作デスクを示す。この操作デスク10は印刷機の排紙部の後方に配置されている。操作デスク10のデスク上面には、パソコン11、自走式濃度計12、モニタ13等が設置されており、これらによって印刷品質管理装置(PDC)14が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開平10−16193号公報
【特許文献2】特開平11−188844号公報
【特許文献3】特願2010−211846号
【特許文献4】特願2011−198387号
【特許文献5】特開昭58−201008号公報
【特許文献6】特開昭58−201010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上述したインキ膜厚の制御方法では、試刷りされた印刷物の濃度に問題が無くても一旦印刷機を停止し、再度印刷を開始して本刷りへ移行しているため、本刷りの印刷物が安定するまで20枚程度の印刷を行う必要があり、その分、余計な損紙が発生し、印刷資材の無駄が発生する、という問題があった。
【0021】
なお、印刷機内に印刷物の濃度を測定する濃度計又は分光光度計を設け、試刷り中の印刷物のカラーバーの各カラーパッチの濃度値を測定し、問題が無ければ印刷機を停止せずにそのまま本刷りを行うようにすることが考えられる。しかしながら、濃度計又は分光光度計は高価であり、それをデリバリーの部分にカラーパッチの数だけ設けると、非常に大きな設備投資が必要になる、という問題が生じる。
【0022】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、大きな設備投資を行うことなく、試刷りから本刷りへの移行時の印刷資材の無駄をなくすことが可能な印刷機の制御装置および制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このような目的を達成するために本発明は、インキ供給装置内に版胴に装着される刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキプリセット手段と、インキ供給装置内に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成された状態で、本刷りを開始する前に、予め定められた枚数の印刷を試刷りとして行う試刷り手段とを備えた印刷機の制御装置において、印刷機によって印刷された印刷物の濃度値を測定する濃度測定手段と、印刷機によって印刷された印刷物を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と濃度測定手段によって測定された第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の濃度値とから、色測定値を濃度値に変換する変換関係を求める変換関係決定手段と、撮像手段によって撮像された第1の印刷資材とは異なる第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と、濃度測定手段によって測定された第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の濃度値と、変換関係決定手段によって求められた変換関係とから、当該変換関係に対する補正値を求める補正値決定手段と、試刷り手段によって第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物を測定対象の印刷物とし、撮像手段によって印刷機内での搬送中に撮像された測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値を、変換関係決定手段で求められた変換関係及び補正値決定手段で求められた補正値を用いて濃度値に変換し、この変換された測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かをチェックし、許容範囲内にあった場合にはそのまま試刷り手段による印刷物の印刷を続けさせて本刷りに移行させる本刷り移行手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明では、第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と、第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物から測定された濃度値とから、色測定値を濃度値に変換する変換関係を求める。例えば、まず、準備段階で、わざと、中央部で濃度値が高くなり、両端部で濃度が低くなる、色々な濃度のカラーパッチが存在するような印刷物を印刷し、その色々な濃度のカラーパッチの濃度を自走式濃度計で測定して各カラーパッチの濃度値を求めると共に、同じ状態で印刷された印刷物の各カラーパッチを印刷機に設備される他の装置である印刷品質検査装置の検査カメラで撮像してそのRGB値を求め、その求めたRGB値と自走式濃度計で測定した濃度値から検査カメラで撮像したRGB値を自走式濃度計で測定した濃度値に変換する変換式を求める。
【0025】
また、本発明では、第1の印刷資材とは異なる第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と、第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物から測定された濃度値と、第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物から求められた変換関係とから、当該変換関係に対する補正値を求める。
【0026】
本発明において、例えば、第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて試刷りされた20枚目の印刷物を測定対象の印刷物とすると、撮像手段によって印刷機内での搬送中に撮像された測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値が、第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物から求められた変換関係及び第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物から求められた当該変換関係に対する補正値を用いて濃度値に変換され、この変換された測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かをチェックされる。ここで、測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあれば、印刷機を停止することなく、そのまま本刷りが行われる。これにより、自動的に、試刷りから本刷りに移行される。
【0027】
本発明では、測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあった場合には、そのまま試刷り手段による印刷物の印刷を続けさせて本刷りに移行させるが、測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内になかった場合には、インキプリセット手段によって形成されたインキ膜厚分布を調整し、このインキ膜厚分布が調整された状態で試刷り手段によって印刷された印刷物を次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かのチェックを繰り返すようにするとよい。このようにすると、試刷り中にインキ膜厚分布の調整が自動的に行われ、測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内に入った時点で、自動的に、試刷りから本刷りに移行されるものとなる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、試刷りされた印刷物の濃度値が印刷機内での搬送中にチェックされ、許容範囲内にあれば印刷機を停止することなくそのまま本刷りが行われるので、試刷りから本刷りに自動的に移行されるものとなり、試刷りから本刷りへの移行時の印刷資材の無駄をなくすことが可能となる。また、高価な濃度計を数多く用いるのではなく、廉価な検査カメラを代用するようにして、設備投資を小さくすることが可能となる。
また、本発明によれば、第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて試刷りされた印刷物を測定対象の印刷物とした場合、この測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値が第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物から求められた変換関係及び第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物から求められた当該変換関係に対する補正値を用いて濃度値に変換されるので、印刷資材が変わったような場合、新たな変換関係を求めて記憶しなくてもよくなり、大きな記憶容量を必要とせず、設備が高価になるという問題を避けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る印刷機の制御装置の一実施の形態(印刷ジョブ切替制御装置)を用いた枚葉輪転印刷機の概略を示す図である。
【図2】わざとインキの供給量をずらして印刷された印刷物(基準の印刷資材(第1の印刷資材)を用いて印刷された印刷物)およびその印刷物の各カラーパッチの濃度分布を示す図である。
【図3】自走式濃度計で測定された各カラーパッチの濃度値と検査カメラで撮像した撮像画像から得られた各カラーパッチのRGB値とをプロットして最適な曲線を求める様子を示すイメージ図である。
【図4】試刷りされた20枚目(測定開始枚数目)の印刷ジョブAの印刷物(基準の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物)を示す平面図である。
【図5】インキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた次の印刷ジョブAの印刷物を示す平面図である。
【図6】準備と異なる種類の印刷資材(第2の印刷資材)を用いて印刷された印刷ジョブBの印刷物を示す図である。
【図7】測定されたカラーパッチの濃度値と撮像画像から得られたカラーパッチのRGB値の点を通るように求められるカラーパッチの補正値(ΔRGB値)を示すイメージ図である。
【図8】試刷りされた20枚目(測定開始枚数目)の印刷ジョブCの印刷物(印刷ジョブBと同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物)を示す平面図である。
【図9】インキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた次の印刷ジョブCの印刷物を示す平面図である。
【図10】この枚葉輪転印刷機において用いられる印刷ジョブ切替制御装置のブロック図である。
【図11】この印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。
【図12】この印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。
【図13】この印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。
【図14】この印刷ジョブ切替制御装置における測色計の設置状況を示す側面図である。
【図15】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図16】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図17】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図18】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図19】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図20】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図21】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図22】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図23】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図24】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図25】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図26】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図27】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図28】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図29】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図30】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図31】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図32】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図33】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図34】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図35】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図36】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図37】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図38】この印刷ジョブ切替制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図39】インキツボローラ駆動用制御装置の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図40】インキツボローラ駆動用制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図41】インキツボキー駆動用制御装置の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図42】インキツボキー駆動用制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図43】インキツボキー駆動用制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図44】印刷機における各色の印刷ユニット内のインキ供給装置の要部を示す図である。
【図45】印刷機により印刷された印刷物を示す平面図である。
【図46】インキ供給装置のインキローラ群上に形成されるインキ膜厚分布MaおよびMbを示す図である。
【図47】オフラインの自走式濃度計が設けられた操作デスクを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1はこの発明に係る印刷機の制御装置の一実施の形態を用いた4色の枚葉輪転印刷機の概略を示す図である。同図において、15−1〜15−4は各色の印刷ユニットであり、この印刷ユニット15−1〜15−4内に図44に示したインキ供給装置が各個に設けられている。
【0032】
なお、16は給紙部、17は排紙部、18は印刷機の原動モータであり、排紙部17の後方には図47にその概略的な構成を示した印刷品質管理装置(PDC)14が設けられている。
【0033】
また、図1中、印刷ユニットは第1色目の印刷ユニット15−1と第4色目の印刷ユニット15−4のみを示し、第2色目の印刷ユニット15−2および第3色目の印刷ユニット15−3は省略している。
【0034】
この印刷機には、本発明に係る制御装置の一実施の形態として、印刷ジョブ切替制御装置19が設けられている。また、図中矢印で示す給紙部16から排紙部17への印刷用紙の搬送経路の末端には、すなわち印刷ユニット15−1〜15−4によって印刷された印刷物の排紙部17への排紙経路には、印刷ジョブ切替制御装置19の構成要素の1つとして検査カメラ20が設けられている。検査カメラ20は、印刷ユニット15−1〜15−4によって印刷された直後の印刷物を搬送中に撮像する。
【0035】
なお、この実施の形態では、印刷機に他の装置として設備される印刷品質検査装置(PQA)の検査カメラ(CCDカメラ)を検査カメラ20として利用する。印刷品質検査装置(PQA)は、印刷物に印刷された絵柄の印刷品質を印刷中に検査する装置であり、本出願人が先に提案した特許文献3にもその詳細が記載されている。印刷品質検査装置(PQA)が設備されていないような場合には、専用の検査カメラを設けるようにしてもよい。
【0036】
印刷ジョブ切替制御装置19は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して制御装置としての各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、本実施の形態特有の機能として、インキ供給装置内に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するプレインキング機能(インキプリセット機能)と、インキ供給装置内に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成された状態で予め定められた枚数の印刷を試刷りとして行う試刷り機能と、印刷物の各色の濃度値が許容範囲内にある場合に試刷りから本刷りへの自動移行を行う本刷り移行機能と、印刷物の色測定値を濃度値に変換する変換式を求める変換式決定機能と、印刷物の色測定値を濃度値に変換する変換式に対する補正値を求める補正値決定機能とを備えている。
【0037】
〔印刷ジョブ切替制御装置の概略的な動作〕
〔準備=基準の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う〕
〔変換式決定機能〕
準備段階として、先ず、カラーバーの中央部のカラーパッチの濃度が高く、両端部のカラーパッチの濃度が低くなるように、わざとインキの供給量をずらして、基準の印刷資材(紙及びインキ)を用いて、印刷物を印刷する。図2(a)にこの基準の印刷資材(第1の印刷資材)を用いて印刷した印刷物を9Pとして示し、その印刷物9Pにおける各カラーパッチ9aの濃度分布を図2(b)に示す。
【0038】
なお、この例では、カラーバー9−2の中央部のカラーパッチ9aの濃度が高く、両端部のカラーパッチ9aの濃度が低くなるようにしているが、色々な濃度のカラーパッチが存在するような印刷物であればよく、例えば一方の端部から他方の端部に向かって濃度が高くなるように、わざとインキの供給量をずらして印刷した印刷物であってもよい。
【0039】
オペレータは、この印刷物9Pを操作デスク10まで運び、その各カラーパッチ9aの濃度を自走式濃度計12で測定する。この各カラーパッチ9aの濃度値Dは印刷ジョブ切替制御装置19へ送られる。
【0040】
印刷ジョブ切替制御装置19は、この印刷物9Pと同じ状態で印刷された印刷物9P’のカラーバー9−2を検査カメラ20で撮像し、その撮像画像から各カラーパッチ9aのRGB値(色測定値)を得る。
【0041】
そして、印刷ジョブ切替制御装置19は、変換式決定機能により、自走式濃度計12で測定された各カラーパッチ9aの濃度値と検査カメラ20で撮像した撮像画像から得られた各カラーパッチ9aのRGB値とをプロットし(図3参照)、最小二乗法を用いて最適な曲線を求め、その求めた曲線をランベルト・ベールの法則(→D=log10f(RGB値))に適用し、式f(RGB値)を求める。そして、この求めた式f(RGB値)を用いてRGB値から濃度値への各色の変換式(D=log10f(RGB値))を求め、各色の基準の変換式として記憶する。
【0042】
なお、この場合、RGB値のR値はシアンの濃度値、G値はマゼンタの濃度値、B値はイエローの濃度値、R値+G値+B値はブラックの濃度値にそれぞれ対応し、各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))は、各色毎の式として求められる。ここでは、各色毎の式を代表して、D=log10f(RGB値)と表している。
【0043】
〔印刷ジョブA=準備と同じ種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
〔プレインキング機能〕
準備と同じ種類の印刷資材(基準の印刷資材(第1の印刷資材))を用いて、次の印刷ジョブAの印刷を行う場合、印刷ジョブ切替制御装置19は、プレインキング機能によって、印刷ジョブAの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を各印刷ユニット15のインキ供給装置内に形成させる。
【0044】
この場合、印刷ジョブ切替制御装置19は、前述した「インキリムービング+プレインキングII」や「プレインキングI」,「壺返し+プレインキングI」などの方法で、各印刷ユニット15のインキ供給装置内に印刷ジョブAの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成する。
【0045】
なお、別の方法として、図44において、インキローラ群6を上流側のローラ群と下流側のローラ群とに分割可能な構成とし、前の印刷ジョブの終了後、インキ供給装置におけるインキローラ群6のインキ着ローラ6−1〜6−4を脱とするとともに、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を停止し、インキローラ群6を上流側のローラ小群と下流側のローラ小群とに分割し、上流側のローラ小群内のインキをインキ洗浄装置によって除去した後、インキローラ群6の連結、再分割、再連結を行って、次の印刷ジョブAの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布をインキローラ群6に形成して行くようにしてもよい。
【0046】
この技術に関しては、本出願人が先に提案した特許文献4にその詳細が記載されているので、ここでの詳しい説明は省略する。このような技術を採用すると、白紙印刷を行うことなく、また壺返しを行うことなく、短時間で、次の印刷ジョブAのインキ膜厚分布をインキローラ群6に形成することが可能となる。
【0047】
〔試刷り機能〕
次に、印刷ジョブ切替制御装置19は、試刷り機能により、各印刷ユニット15のインキ供給装置内に印刷ジョブAのインキ膜厚分布が形成された状態で、予め定められた枚数の印刷(例えば、20〜100枚)を試刷りとして行わせる。
【0048】
〔本刷り移行機能〕
印刷ジョブ切替制御装置19は、試刷りされた20枚目(測定開始枚数目)の印刷物を測定対象の印刷物9A1(図4参照)とし、この測定対象の印刷物9A1のカラーバー9−2を検査カメラ20で撮像し、各カラーパッチ9aのRGB値を得る。
【0049】
そして、印刷ジョブ切替制御装置19は、変換式決定機能で得た各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))を用いて、各カラーパッチ9aのRGB値を各カラーパッチの濃度値D1に変換し、この変換した各カラーバッチ9aの濃度値D1について、各色毎に定められた基準濃度値との濃度差ΔD1を求め、その濃度差ΔD1が全て許容値内であれば、各色の濃度値が許容範囲内にあるものと判断し、印刷を停止することなく、そのまま印刷ジョブAの印刷物の印刷を続け、本刷りへ移行する。
【0050】
これに対して、変換した各カラーバッチ9aの濃度値D1の中に各色の基準濃度値との濃度差ΔD1が許容値を超えるものがあれば、印刷ジョブ切替制御装置19は、インキ膜厚分布を調整し、このインキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた印刷物9Aを次の測定対象の印刷物9A2(図5参照)とし、この測定対象の印刷物9A2の各カラーパッチ9aの濃度値D1が許容範囲内にあるか否かのチェックを行う。
【0051】
ここで、測定対象の印刷物9A2の各カラーパッチ9aの濃度値D1が全て許容範囲内にあれば、印刷を停止することなく、そのまま印刷ジョブAの印刷物の印刷を続けて本刷りへ移行するが、1つでも許容範囲内になければ、インキ膜厚分布の調整を行い、このインキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた印刷物9Aを次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物9Aの各カラーパッチ9aの濃度値D1が許容範囲内にあるか否かのチェックを繰り返す。
【0052】
この動作の繰り返し中、測定対象の印刷物9Aが測定終了枚数(80枚)に達した場合、印刷ジョブ切替制御装置19は、印刷を中止する。
【0053】
これにより、試刷りを開始した後、20枚目の印刷物9Aが最初の測定対象の印刷物とされ、この測定対象の印刷物9Aが80枚に達するまでの間に、その各カラーパッチ9aの濃度値D1が全て許容範囲内に入ったことが確認されれば、その時点から印刷ジョブAの印刷物の試刷りから本刷りへの移行が自動的に行われる。
【0054】
〔印刷ジョブB=準備と異なる種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
〔補正値決定機能〕
次に、準備と異なる種類の印刷資材(第2の印刷資材)を用いて、次の印刷ジョブBの印刷を行う。この場合、オペレータは、印刷ジョブBの印刷で得られた印刷物9B(図6参照)を操作デスク10まで運び、その各カラーパッチ9aの濃度を自走式濃度計12で測定する。この各カラーパッチ9aの濃度値D2は印刷ジョブ切替制御装置19へ送られる。
【0055】
印刷ジョブ切替制御装置19は、この印刷物9Bと同じ状態で印刷された印刷物9B’のカラーバー9−2を検査カメラ20で撮像し、その撮像画像から各カラーパッチ9aのRGB値(色測定値)を得る。
【0056】
そして、印刷ジョブ切替制御装置19は、補正値決定機能により、自走式濃度計12で測定された各カラーパッチ9aの濃度値D2と検査カメラ20で撮像した撮像画像から得られた各カラーパッチ9aのRGB値の点を通るように、基準の変換式(D=log10f(RGB値))を補正するための各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を求める(図7参照)。そして、この求めた各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を印刷ジョブBの印刷資材(第2の印刷資材)使用時の補正値として記憶する。
【0057】
〔印刷ジョブC=印刷ジョブBと同じ種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
〔プレインキング機能〕
印刷ジョブBと同じ種類の印刷資材(第2の印刷資材)を用いて、次の印刷ジョブCの印刷を行う場合、印刷ジョブ切替制御装置19は、プレインキング機能によって、印刷ジョブCの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を各印刷ユニット15のインキ供給装置内に形成させる。
【0058】
〔試刷り機能〕
次に、印刷ジョブ切替制御装置19は、試刷り機能により、各印刷ユニット15のインキ供給装置内に印刷ジョブCのインキ膜厚分布が形成された状態で、予め定められた枚数の印刷(例えば、20〜100枚)を試刷りとして行わせる。
【0059】
〔本刷り移行機能〕
印刷ジョブ切替制御装置19は、試刷りされた20枚目(測定開始枚数目)の印刷物を測定対象の印刷物9C1(図8参照)とし、この測定対象の印刷物9C1のカラーバー9−2を検査カメラ20で撮像し、各カラーパッチ9aのRGB値を得る。
【0060】
そして、印刷ジョブ切替制御装置19は、変換式決定機能で得た各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))および補正値決定機能で得た各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を用いて、各カラーパッチ9aのRGB値を各カラーパッチの濃度値D3に変換し、この変換した各カラーバッチ9aの濃度値D3について、各色毎に定められた基準濃度値との濃度差ΔD3を求め、その濃度差ΔD3が全て許容値内であれば、各色の濃度値が許容範囲内にあるものと判断し、印刷を停止することなく、そのまま印刷ジョブCの印刷物の印刷を続け、本刷りへ移行する。
【0061】
これに対して、変換した各カラーバッチ9aの濃度値D3の中に各色の基準濃度値との濃度差ΔD3が許容値を超えるものがあれば、印刷ジョブ切替制御装置19は、インキ膜厚分布を調整し、このインキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた印刷物9Cを次の測定対象の印刷物9C2(図9参照)とし、この測定対象の印刷物9C2の各カラーパッチ9aの濃度値D3が許容範囲内にあるか否かのチェックを行う。
【0062】
ここで、測定対象の印刷物9C2の各カラーパッチ9aの濃度値D3が全て許容範囲内にあれば、印刷を停止することなく、そのまま印刷ジョブCの印刷物の印刷を続けて本刷りへ移行するが、1つでも許容範囲内になければ、インキ膜厚分布の調整を行い、このインキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた印刷物9Cを次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物9Cの各カラーパッチ9aの濃度値D3が許容範囲内にあるか否かのチェックを繰り返す。
【0063】
この動作の繰り返し中、測定対象の印刷物9Cが測定終了枚数(80枚)に達した場合、印刷ジョブ切替制御装置19は、印刷を中止する。
【0064】
これにより、試刷りを開始した後、20枚目の印刷物9Cが最初の測定対象の印刷物とされ、この測定対象の印刷物9Cが80枚に達するまでの間に、その各カラーパッチ9aの濃度値D3が全て許容範囲内に入ったことが確認されれば、その時点から印刷ジョブCの印刷物の試刷りから本刷りへの移行が自動的に行われる。
【0065】
準備と異なる種類の印刷資材(第2の印刷資材)を用いて印刷を行う場合、予め記憶した基準の変換式(D=log10f(RGB値))が使えず、新たな変換式を求めて記憶しなければならなくなる。この場合、基準の変換式(D=log10f(RGB値))は複雑であり、大きな記憶容量を必要とし、設備が高価になる。
【0066】
そこで、この実施の形態では、印刷資材が変わる毎に基準の変換式を求めて記憶するのではなく、基準の変換式を補正するための補正値(ΔRGB値)のみを記憶することによってその問題を解決する。
【0067】
以下、上述した「準備」と「印刷ジョブA」と「印刷ジョブB」と「印刷ジョブC」の動作の概略を示す。
〔準備=基準の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う〕
(1)カラーバーの中央部のカラーパッチの濃度が高く、両端部のカラーパッチの濃度が低くなるように、わざとインキの供給量をずらして印刷物を印刷する。
(2)自走式濃度計でその印刷物のカラーバーの各カラーパッチの濃度を測定する。
(3)(1)の状態で印刷を行い、印刷された印刷物のカラーバーを検査カメラで撮像し、各カラーパッチのRGB値を得る。なお、(2)と(3)とを逆にし、検査カメラで印刷物の各カラーパッチのRGB値を得た後、その印刷物の各カラーパッチの濃度を測定するようにしてもよい。すなわち、濃度を測定する印刷物とRGB値を測定する印刷物とは同じであってもよい。
(4)自走式濃度計で測定された各カラーパッチの濃度値と検査カメラで撮像した撮像画像から得られた各カラーパッチのRGB値とをプロットし、最小二乗法を用いて最適な曲線を求め、求めた曲線をランベルト・ベールの法則(→D=log10f(RGB値))に適用し、式f(RGB値)を求める。
(5)(4)で求めた式f(RGB値)を用いてRGB値から濃度値への各色の変換式(D=log10f(RGB値))を求め、各色の基準の変換式として記憶する。
【0068】
〔印刷ジョブA=準備と同じ種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
(6)プレインキング機能で、印刷ジョブAのインキ膜厚分布を形成し、印刷物を印刷(試刷り)する。
(7)20枚目(測定開始枚数目)に印刷された印刷物を測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物のカラーバーを検査カメラで撮像し、各カラーパッチのRGB値を得る。
(8)(5)で記憶した各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))を用いて、(7)で得られた各カラーパッチのRGB値を、各カラーパッチの濃度値に変換する。
(9)(8)で変換した各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にある場合、(13)に飛び、許容範囲内にない場合、インキ膜厚分布を調整する。
(10)インキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた印刷物を次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物のカラーバーを検査カメラで撮像し、各カラーパッチのRGB値を得る。
(11)(5)で記憶した各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))を用いて、(10)で得られた各カラーパッチのRGB値を、各カラーパッチの濃度値に変換する。
(12)(11)で変換した各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にある場合、(13)に飛び、許容範囲内にない場合、インキ膜厚分布を調整し、(10)に戻る。但し、(10),(11)の繰り返し中、測定対象の印刷物の枚数が測定終了枚数(80枚)に達した場合には、印刷を中止する。
(13)印刷ジョブAの本刷りを行う。
【0069】
〔印刷ジョブB=準備と異なる種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
(14)プレインキング機能で、印刷ジョブBのインキ膜厚分布を形成し、印刷物を印刷する。
(15)自走式濃度計でその印刷物のカラーバーの各カラーパッチの濃度を測定する。
(16)(14)の状態で印刷を行い、印刷された印刷物のカラーバーを検査カメラで撮像し、各カラーパッチのRGB値を得る。
(17)自走式濃度計で測定された各カラーパッチの濃度値と検査カメラで撮像した撮像画像から得られた各カラーパッチのRGB値の点を通るように、基準の変換式(D=log10f(RGB値))を補正するための各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を求める。
(18)(17)で求めた各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を印刷ジョブBの印刷資材使用時の補正値として記憶する。
【0070】
〔印刷ジョブC=印刷ジョブBと同じ種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
(19)プレインキング機能で、印刷ジョブCのインキ膜厚分布を形成し、印刷物を印刷(試刷り)する。
(20)20枚目(測定開始枚数目)に印刷された印刷物を測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物のカラーバーを検査カメラで撮像し、各カラーパッチのRGB値を得る。
(21)(5)で記憶した各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))及び(18)で記憶した各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を用いて、(20)で得られた各カラーパッチのRGB値を、各カラーパッチの濃度値に変換する。
(22)(21)で変換した各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にある場合、(26)に飛び、許容範囲内にない場合、インキ膜厚分布を調整する。
(23)インキ膜厚分布が調整された状態で試刷りされた印刷物を次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物のカラーバーを検査カメラで撮像し、各カラーパッチのRGB値を得る。
(24)(5)で記憶した各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))及び(18)で記憶した各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)を用いて、(23)で得られた各カラーパッチのRGB値を、各カラーパッチの濃度値に変換する。
(25)(24)で変換した各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にある場合、(26)に飛び、許容範囲内にない場合、インキ膜厚分布を調整し、(23)に戻る。但し、(23),(24)の繰り返し中、測定対象の印刷物の枚数が測定終了枚数(80枚)に達した場合には、印刷を中止する。
(26)印刷ジョブCの本刷りを行う。
【0071】
図10に印刷ジョブ切替制御装置19のブロック図を示す。この印刷ジョブ切替制御装置19は、CPU19A、RAM19B、ROM19C、印刷開始スイッチSW1、印刷停止スイッチSW2、変換式演算スイッチSW3、インキリムービングスイッチSW4、印刷ジョブ切替開始スイッチSW5、補正値演算スイッチSW6,入力装置19D、表示器19E、出力装置19F、メモリ19Gを備えている。
【0072】
また、PQAの検査カメラ20(図1)、A/D変換器19I、原動モータドライバ19K、原動モータ用ロータリーエンコーダ19L、印刷機の回転位相検出用カウンタ19M、D/A変換器19N、印刷機の原点位置検出器19P、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Q、測色計19R、測色計移動用モータ19S、測色計移動用モータドライバ19T、測色計移動用モータ用ロータリーエンコーダ19U、測色計の現在位置測定用カウンタ19V、測色計原点位置検出器19W、A/D変換器19X、D/A変換器19Y、紙の種類設定器19Z1、インキの種類設定器19Z2および入出力インターフェイス(I/O,I/F)19−1〜19−13を備えている。
【0073】
CPU19Aは、インターフェイス19−1〜19−12を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM19Bやメモリ19Gにアクセスしながら、ROM19Cに格納されたプログラムに従って動作する。
【0074】
なお、図10において、15は印刷ユニット(図1)、18は印刷機の原動モータ(図1)、21はインキ呼び出し装置、22は給紙装置、23はインキツボローラ駆動用制御装置、24(24−1〜24−n)はインキツボキー駆動用制御装置である。
【0075】
インキ呼び出し装置21は、各色毎に、各色の印刷ユニット15のインキ呼び出しローラ5(図44)に対応して設けられている。インキツボローラ駆動用制御装置23は、各色毎に、各色の印刷ユニット15のインキツボローラ3(図44)に対応して設けられている。インキツボキー駆動用制御装置24(24−1〜24−n)は、各色毎に、各色の印刷ユニット15の各インキツボキー4(4−1〜4−n)(図44)に対応して各個に設けられている。給紙装置22は給紙部16(図1)に対応して設けられている。
【0076】
原動モータ用ロータリーエンコーダ19Lは、印刷機の原動モータ18の所定回転数(角度)毎にクロックパルスを発生して原動モータドライバ19Kおよび印刷機の回転位相検出用カウンタ19Mに出力する。印刷機の原点位置検出器19Pは、印刷機の原点位置を検出する毎に、その原点位置検出信号を印刷機の回転位相検出用カウンタ19Mおよび印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qに出力する。
【0077】
なお、図10中には、印刷ユニット15やインキ呼出し装置21、インキツボローラ駆動用制御装置23、インキツボキー駆動用制御装置24(24−1〜24−n)については、1色分しか示していない。
【0078】
図11、図12および図13にメモリ19Gの内容を分割して示す。メモリ19GにはメモリM1〜M35が設けられる。メモリM1には印刷機の印刷速度が記憶される。メモリM2にはカウント値Nが記憶される。メモリM3には測色計の現在位置測定用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM4には測色計の現在位置が記憶される。メモリM5には測色計によって測定すべき各カラーパッチの位置が記憶される。メモリM6には測色計から得られる色データが記憶される。
【0079】
メモリM7には各印刷ユニットのインキツボキーの総数nが記憶される。メモリM8には印刷機の回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM9には印刷物撮像時の印刷機の回転位相が記憶される。メモリM10には検査カメラで撮像したRGB値が記憶される。メモリM11には各カラーパッチの濃度値が記憶される。メモリ12には各カラーパッチの撮像位置が記憶される。メモリM13には各カラーパッチのRGB値が記憶される。メモリM14には対応する濃度値−RGB値が記憶される。メモリM15にはRGB値から濃度値への変換式(各色の基準の変換式)が記憶される。
【0080】
メモリM16には印刷機の回転回数カウント用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM17には各色のインキリムービング時の回転回数が記憶される。メモリM18には各色の各インキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率(各印刷ユニットにセットされる各刷版の各インキツボキーに対応するゾーン毎の絵柄面積率)が記憶される。
【0081】
メモリM19には絵柄面積率とインキツボキーの開き量との関係を示す各色の絵柄面積率−インキツボキーの開き量変換テーブルが記憶される。メモリM20には各印刷ユニットの各インキツボキーの開き量が記憶される。メモリM21にはプレインキング時の印刷機の回転速度が記憶される。メモリM22には各印刷ユニットのインキツボローラの回転量が記憶される。メモリM23には各色のプレインキングII時のインキ呼び出し回数(印刷機の回転数換算)が記憶される。
【0082】
メモリM24には試刷り時の測定開始枚数(20枚(印刷機の回転数換算))が記憶される。メモリM25には試刷り時の測定終了枚数(80枚(印刷機の回転数換算))が記憶される。メモリM26には本刷り開始判断用のフラグ値が記憶される。メモリM27には各色の基準濃度値が記憶される。メモリM28には各色の各カラーパッチの濃度値と各色の基準濃度値との差(濃度差)が記憶される。メモリM29には各色の濃度差の許容値が記憶される。メモリM30には各色の濃度差−インキツボキーの開き量の補正値変換テーブルが記憶される。メモリM31には各印刷ユニットの各インキツボキーの開き量の補正値が記憶される。メモリM32には紙の種類が記憶され、メモリM33にはインキの種類が記憶され、メモリM34には各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)が記憶され、メモリM35には印刷資材に応じた各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)が記憶される。
【0083】
図1に示された自走式濃度計12は、印刷ジョブ切替制御装置19の構成要素の1つとされ、測色計19Rを備えている。測色計19Rは、図14に示すように、支柱25−1,25−2間に設けられたボールネジ(送りねじ)25−3に取り付けられている。ボールネジ25−3は測色計移動用モータ19Sによって正/逆回転する。このボールネジ25−3の正/逆回転により、ボールネジ25−3に案内されながら、測色計19Rが支柱25−1,25−2間を移動する。測色計19Rのヘッド部19R1は測定台25−4の測定対象が置かれる面25−4aに向けられている。
【0084】
〔印刷ジョブ切替制御装置の詳細な動作〕
以下、「準備」と「印刷ジョブB」と「印刷ジョブC」の詳細な動作について、印刷ジョブ切替制御装置19が有する機能を交えながら説明する。なお、以下では、説明を簡単とするために、1色分の動作についてしか説明しないが、全色について同様の動作が行われる。
【0085】
〔準備=基準の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う〕
〔変換式決定機能〕
〔インキの供給量をずらした印刷物の印刷〕
印刷ジョブ切替制御装置19のCPU19Aは、印刷開始スイッチSW1がONとされると(図15:ステップS101のYES)、メモリM1から印刷速度を読み出し(ステップS102)、原動モータドライバ19Kに出力する(ステップS103)。また、給紙装置22に給紙開始指令を出力し(ステップS104)、印刷ユニット15に印刷開始指令とインキおよび水着ローラ(図示せず)の着指令を出力する(ステップS105、S106)。
【0086】
これにより、印刷機の速度が印刷速度とされ、カラーバーの中央部のカラーパッチの濃度が高く、両端部のカラーパッチの濃度が低くなるように、わざとインキの供給量をずらした印刷物の印刷が開始される。
【0087】
〔色データの採取〕
オペレータは、この印刷物の印刷が一定枚数に達したら、刷り上がった印刷物の中からその1枚を抜き取り、自走式濃度計12が設けられた操作デスク10まで運び、測定台25−4(図14)上に印刷物9P(図2)としてセットする。このセット状態において、印刷物9Pのカラーバー9−2は、測色計19Rのヘッド部19R1の下面に位置する。
【0088】
この状態で、オペレータは、変換式演算スイッチSW3をONとする。変換式演算スイッチSW3がONとされると(図16:ステップS107のYES)、CPU19Aは、測色計移動用モータドライバ19Tに正転指令を送り(ステップS108)、測色計移動用モータ19Sを正転させる。測色計移動用モータ19Sの正転によりボールネジ25−3が正転し、このボールネジ25−3に案内されて測色計19Rが支柱25−1に接する原点位置から支柱25−2方向へ向けて移動する。
【0089】
CPU19Aは、メモリM2のカウント値Nを1とし(ステップS109)、測色計の現在位置測定用カウンタ19Vのカウント値を読み込み(ステップS110)、この読み込んだカウント値より測色計19Rの現在位置を演算し(ステップS111)、この現在位置がメモリM5に記憶されている最初の測定位置(N=1番目の測定位置)に達したときに(ステップS114のYES)、その測定位置に位置するカラーパッチ9aの色データを測色計19Rにより採取し(図17:ステップS115)、採取した色データをメモリM6のN番目のアドレス位置に格納する(ステップS116)。
【0090】
以下同様にして、CPU19Aは、メモリM2中のカウント値をカウントアップしながら、メモリM5に記憶されている測定位置(N番目の測定位置)に達するごとに、その測定位置に位置するカラーパッチ9aの色データを測色計19Rにより採取し、採取した色データをメモリM6のN番目のアドレス位置に格納して行く(ステップS110〜S119の繰り返し)。
【0091】
CPU19Aは、印刷物9Pのカラーバー9−2の全てのパッチ9aの色データの採取を完了すると(ステップS119のYES)、測色計移動用モータ19Sの正転を停止させる(ステップS120)。次に、測色計移動用モータ19Sを逆転させ(ステップS121)、測色計19Rを原点位置へ復帰させた後(ステップS122のYES)、測色計移動用モータ19Sの逆転を停止させる(ステップS123)。
【0092】
〔RGB値の測定〕
次に、CPU19Aは、印刷機の回転位相検出用カウンタ19Mよりカウント値を読み込み(図18:ステップS124)、メモリM9より印刷物撮像時の印刷機の回転位相を読み出し(ステップS125)、両者が一致した時点で(ステップS126のYES)、検査カメラ20に撮像指令を出力し(ステップS127)、検査カメラ20で撮像した撮像画像のRGB値をメモリM10に記憶させる(ステップS128)。これにより、印刷物9Pと同じ状態で印刷された印刷物9P’(図2)のカラーバー9−2が撮像され、そのカラーバー9−2の各カラーパッチ9aのRGB値がメモリM10に記憶される。
【0093】
このRGB値の測定後、オペレータは、印刷停止スイッチSW2をONとする。印刷停止スイッチSW2がONとされると(ステップS129のYES)、CPU19Aは、給紙装置22に給紙停止指令を出力し(ステップS130)、印刷ユニット15に印刷停止指令とインキおよび水着ローラの脱指令を出力し(ステップS131,S132)、原動モータドライバ19Kに停止信号を出力する(ステップS133)。これにより、印刷機が停止する。
【0094】
〔各色の基準の変換式の決定〕
次に、CPU19Aは、メモリM2のカウント値Nを1とし(図19:ステップS134)、メモリM2からカウント値Nを読み出し(ステップS135)、メモリM6のN番目のアドレス位置よりN番目のカラーパッチの色データを読み出し(ステップS136)、この読み出したN番目のカラーパッチの濃度値を演算し、メモリM11のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS137)。
【0095】
また、メモリM12のN番目のアドレス位置よりN番目のカラーパッチの撮像位置を読み出し、メモリM10のN番目のカラーパッチの撮像位置のアドレスよりN番目のカラーパッチのRGB値を読み出して、メモリM13のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS139)。そして、N番目のカラーパッチの濃度値とN番目のカラーパッチのRGB値とを対応付け、メモリM14のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS140)。
【0096】
そして、メモリM2内のカウント値Nに1を加算し(ステップS141)、メモリM7からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS142)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS143のYES)、ステップS135〜S143の処理を繰り返す。これにより、N番目のカラーパッチの濃度値とN番目のカラーパッチのRGB値との対が、メモリM14に格納されて行く。
【0097】
CPU19Aは、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えると(ステップS143のYES)、最小二乗法を用いて、メモリM14に格納されているデータ(濃度値とRGB値との対)より、RGB値から濃度値への変換式として、各色の基準の変換式(D=log10f(RGB値))を求め、メモリM15に記憶させる(ステップS144)。
【0098】
〔印刷ジョブB=準備と異なる種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
印刷ジョブ切替制御装置19のCPU19Aは、印刷ジョブBの印刷に際し、紙の種類設定器19Z1より紙の種類が入力されると(図20:ステップS145のYES)、その入力された紙の種類をメモリM32に記憶する(ステップS146)。また、インキの種類設定器19Z2よりインキの種類が入力されると(ステップS147のYES)、その入力されたインキの種類をメモリM33に記憶する(ステップS148)。
【0099】
そして、印刷開始スイッチSW1がONとされると(ステップS149のYES)、メモリM1から印刷速度を読み出し(ステップS150)、原動モータドライバ19Kに出力する(ステップS151)。また、給紙装置22に給紙開始指令を出力し(ステップS152)、印刷ユニット15に印刷開始指令とインキおよび水着ローラの着指令を出力する(ステップS153、S154)。これにより、印刷機の速度が印刷速度とされ、印刷ジョブBの印刷が開始される。
【0100】
〔色データの採取〕
オペレータは、この印刷ジョブBの印刷が一定枚数に達したら、刷り上がった印刷物の中からその1枚を抜き取り、自走式濃度計12が設けられた操作デスク10まで運び、測定台25−4(図14)上に印刷物9B(図6)としてセットする。このセット状態において、印刷物9Bのカラーバー9−2は、測色計19Rのヘッド部19R1の下面に位置する。
【0101】
この状態で、オペレータは、補正値演算スイッチSW6をONとする。補正値演算スイッチSW6がONとされると(図21:ステップS155のYES)、CPU19Aは、測色計移動用モータドライバ19Tに正転指令を送り(ステップS156)、測色計移動用モータ19Sを正転させる。測色計移動用モータ19Sの正転によりボールネジ25−3が正転し、このボールネジ25−3に案内されて測色計19Rが支柱25−1に接する原点位置から支柱25−2方向へ向けて移動する。
【0102】
CPU19Aは、メモリM2のカウント値Nを1とし(ステップS157)、測色計の現在位置測定用カウンタ19Vのカウント値を読み込み(ステップS158)、この読み込んだカウント値より測色計19Rの現在位置を演算し(ステップS159)、この現在位置がメモリM5に記憶されている最初の測定位置(N=1番目の測定位置)に達したときに(ステップS162のYES)、その測定位置に位置するカラーパッチ9aの色データを測色計19Rにより採取し(図22:ステップS163)、採取した色データをメモリM6のN番目のアドレス位置に格納する(ステップS164)。
【0103】
以下同様にして、CPU19Aは、メモリM2中のカウント値をカウントアップしながら、メモリM5に記憶されている測定位置(N番目の測定位置)に達するごとに、その測定位置に位置するカラーパッチ9aの色データを測色計19Rにより採取し、採取した色データをメモリM6のN番目のアドレス位置に格納して行く(ステップS158〜S167の繰り返し)。
【0104】
CPU19Aは、印刷物9Bのカラーバー9−2の全てのパッチ9aの色データの採取を完了すると(ステップS167のYES)、測色計移動用モータ19Sの正転を停止させる(ステップS168)。次に、測色計移動用モータ19Sを逆転させ(ステップS169)、測色計19Rを原点位置へ復帰させた後(ステップS170のYES)、測色計移動用モータ19Sの逆転を停止させる(ステップS171)。
【0105】
〔RGB値の測定〕
次に、CPU19Aは、印刷機の回転位相検出用カウンタ19Mよりカウント値を読み込み(図23:ステップS172)、メモリM9より印刷物撮像時の印刷機の回転位相を読み出し(ステップS173)、両者が一致した時点で(ステップS174のYES)、検査カメラ20に撮像指令を出力し(ステップS175)、検査カメラ20で撮像した撮像画像のRGB値をメモリM10に記憶させる(ステップS176)。これにより、印刷物9Bと同じ状態で印刷された印刷物9B’(図6)のカラーバー9−2が撮像され、そのカラーバー9−2の各カラーパッチ9aのRGB値がメモリM10に記憶される。
【0106】
このRGB値の測定後、オペレータは、印刷停止スイッチSW2をONとする。印刷停止スイッチSW2がONとされると(ステップS177のYES)、CPU19Aは、給紙装置22に給紙停止指令を出力し(ステップS178)、印刷ユニット15に印刷停止指令とインキおよび水着ローラの脱指令を出力し(ステップS179,S180)、原動モータドライバ19Kに停止信号を出力する(ステップS181)。これにより、印刷機が停止する。
【0107】
〔補正値(ΔRGB値)の演算〕
次に、CPU19Aは、メモリM2のカウント値Nを1とし(図24:ステップS182)、メモリM2からカウント値Nを読み出し(ステップS183)、メモリM6のN番目のアドレス位置よりN番目のカラーパッチの色データを読み出し(ステップS184)、この読み出したN番目のカラーパッチの濃度値を演算し、メモリM11のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS185)。
【0108】
また、メモリM12のN番目のアドレス位置よりN番目のカラーパッチの撮像位置を読み出し、メモリM10のN番目のカラーパッチの撮像位置のアドレスよりN番目のカラーパッチのRGB値を読み出して、メモリM13のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS187)。
【0109】
そして、メモリM15から基準の変換式(D=log10f(RGB値))を読み出し(図25:ステップS188)、N番目のカラーパッチの濃度値とN番目のカラーパッチのRGB値の点を通るように、基準の変換式(D=log10f(RGB値))を補正するための補正値(ΔRGB値)を求め、N番目のカラーパッチの補正値(ΔRGB値)としてメモリM34のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS189)。
【0110】
そして、メモリM32から紙の種類を読み出し、メモリM33からインキの種類を読み出し、紙の種類およびインキの種類と対応付けてN番目のカラーパッチの補正値(ΔRGB値)を、メモリM35の対応するエリアのN番目のアドレス位置に、印刷資材に応じたN番目のカラーパッチの補正値(ΔRGB値)として記憶させる(ステップS192)。
【0111】
そして、メモリM2内のカウント値Nに1を加算し(ステップS193)、メモリM7からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS194)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS195のYES)、ステップS183〜S195の処理を繰り返す。これにより、印刷ジョブBの印刷資材に応じた各カラーパッチの補正値(ΔRGB値)が、メモリM35に格納されて行く。
【0112】
印刷ジョブ切替制御装置19のCPU19Aは、印刷開始スイッチSW1がONとされると(図26:ステップS196のYES)、メモリM1から印刷速度を読み出し(ステップS197)、原動モータドライバ19Kに出力する(ステップS198)。また、給紙装置22に給紙開始指令を出力し(ステップS199)、印刷ユニット15に印刷開始指令とインキおよび水着ローラの着指令を出力する(ステップS200、S201)。これにより、印刷機の速度が印刷速度とされ、印刷物の印刷が開始される。ここでは、印刷ジョブBの印刷が続けられるものとする。
【0113】
〔印刷ジョブC=印刷ジョブBと同じ種類の印刷資材(紙及びインキ)を用いて印刷を行う場合〕
〔プレインキング機能〕
〔インキリムービング〕
ここで、印刷ジョブBと同じ種類の印刷資材を用いる次の印刷ジョブCの印刷に際して、インキリムービングスイッチSW4がONとされると(ステップS202のYES)、CPU19Aは、インキ呼び出し装置21に動作停止信号を出力し(ステップS203)、インキ呼び出しローラ5のインキ呼び出し動作を停止させる。
【0114】
また、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qにリセット信号およびイネーブル信号を送り(図27:ステップS204)、リセット信号の出力を停止して(ステップS205)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qの零からのカウント動作をスタートさせる。
【0115】
印刷機の原動モータ18は、インキ呼び出しローラ5のインキ呼び出し動作の停止後も回転を続け、給紙部16からの印刷機への印刷用紙の供給を続ける。これにより、印刷ユニット15では、白紙印刷が続けられる。
【0116】
CPU19Aは、この白紙印刷中、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qのカウント値を読み込み(ステップS206)、メモリM17に格納されているインキリムービング時の回転回数を読み出し(ステップS207)、両者が一致すれば(ステップS208のYES)、給紙装置22に給紙停止指令を出力する(ステップS209)。また、印刷ユニット15に印刷停止指令とインキおよび水着ローラの脱指令を出力し(ステップS210,S211)、原動モータドライバ19Kに停止信号を出力する(ステップS212)。
【0117】
これにより、印刷ユニット15のインキ供給装置内のインキが減らされ、インキローラ群6に上流から下流になるにしたがって薄くなる印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ma(図46(a)参照)が残される。
【0118】
〔絵柄面積率の入力〕
【0119】
CPU19Aは、入力装置19Dに可搬型のメモリがセットされると、すなわち印刷ジョブCの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率が入力されると(図28:ステップS213のYES)、メモリM2内のカウント値NをN=1として(ステップS214)、メモリM2からカウント値Nを読み出し(ステップS215)、N番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率を可搬型のメモリから読み出して、メモリM18のN番目のインキツボキー用のアドレス位置に記憶させる(ステップS216)。
【0120】
そして、メモリM2内のカウント値Nに1を加算し(ステップS217)、メモリM7からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS218)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS219のYES)、ステップS215〜S219の処理動作を繰り返す。これにより、インキツボキー4−1〜4−nに対応する印刷ジョブCの刷版の各領域毎の絵柄面積率が可搬型のメモリから読み出され、メモリM18に格納されて行く。
【0121】
なお、この実施の形態において、印刷ジョブCの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率の測定には、本出願人による特許文献5や特許文献6に示されているような「絵柄面積率測定装置」を用い、この「絵柄面積率測定装置」を用いて測定した絵柄面積率を可搬型のメモリに書き込み、この絵柄面積率が書き込まれた可搬型のメモリを入力装置19Dにセットすることによって、印刷ジョブCの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率の入力を行う。なお、CPU19Aと「絵柄面積率測定装置」とをオンラインで結び、「絵柄面積率測定装置」から直接、印刷ジョブCの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率を取り込むようにしてもよい。
【0122】
〔印刷資材の種類のセット〕
CPU19Aは、印刷ジョブCの印刷に際し、紙の種類設定器19Z1より紙の種類が入力されると(図29:ステップS220のYES)、その入力された紙の種類をメモリM32に記憶する(ステップS221)。また、インキの種類設定器19Z2よりインキの種類が入力されると(ステップS222のYES)、その入力されたインキの種類をメモリM33に記憶する(ステップS223)。
【0123】
〔インキツボキーの開き量のセット〕
CPU19Aは、印刷ジョブ切替開始スイッチSW5がONとされると(ステップS224のYES)、メモリM2内のカウント値NをN=1として(図30:ステップS225)、メモリM2からカウント値Nを読み出し(ステップS226)、メモリM18のN番目のインキツボキー用のアドレス位置より、N番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率を読み出す(ステップS227)。
【0124】
そして、メモリM19内の絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを読み出し(ステップS228)、この絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを用いて、N番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率より、N番目のインキツボキーの開き量を求め、この求めたN番目のインキツボキーの開き量をメモリM20のN番目のインキツボキー用のアドレス位置に記憶させると共に(ステップS229)、N番目のインキツボキー駆動用制御装置24に送信する(ステップS230)。
【0125】
そして、N番目のインキツボキー駆動用制御装置24からN番目のインキツボキーの開き量の受信完了信号が送信されてきたことを確認し(ステップS231のYES)、メモリM2内のカウント値Nに1を加算し(ステップS232)、メモリM7からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS233)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS234のYES)、ステップS226〜S234の処理動作を繰り返す。
【0126】
これにより、印刷ジョブCの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率に対応するインキツボキー4−1〜4−nの開き量が求められ、メモリM20に記憶されて行くと共に、インキツボキー制御装置24−1〜24−nに送信されて行く。
【0127】
〔インキツボキーの開き量の設定が完了していることの確認〕
そして、CPU19Aは、メモリM2内のカウント値NをN=1とし(図30:ステップS235)、メモリM2からカウント値Nを読み出し(ステップS236)、N番目のインキツボキー制御装置24からのインキツボキーの開き量の設定完了信号の有無を確認する(ステップS237)。
【0128】
N番目のインキツボキー制御装置24からインキツボキーの開き量の設定完了信号が送信されてきたことを確認すると(ステップS237のYES)、メモリM2内のカウント値Nに1を加算し(ステップS238)、メモリM7からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS239)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS240のYES)、ステップS236〜S240の処理動作を繰り返す。
【0129】
そして、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えると(ステップS240のYES)、CPU19Aは、インキツボキーの開き量の設定が完了していると判断し、全てのインキツボキー制御装置24(24−1〜24−n)に、全インキツボキーの開き量設定完了信号を送信する(ステップS241)。
【0130】
〔プレインキングII〕
次に、CPU19Aは、プレインキング時の印刷機の回転速度をメモリM21から読み出して(図32:ステップS242)、原動モータドライバ19Kに送る(ステップS243)。また、メモリM22からインキツボローラの回転量を読み出し(ステップS244)、その読み出した回転量をインキツボローラ駆動用制御装置23に送信する(ステップS245)。そして、インキツボローラ駆動用制御装置23からのインキツボローラの回転量受信完了信号を受けて(ステップS246のYES)、インキ呼び出し装置21に動作信号を出力し(ステップS247)、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を開始させる。
【0131】
また、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qにリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS248)、リセット信号の出力を停止して(ステップS249)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qの零からのカウント動作をスタートさせる。
【0132】
そして、CPU19Aは、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qのカウント値を読み込み(ステップS250)、メモリM23に格納されているプレインキングII時のインキ呼び出し回数(印刷機の回転数換算)を読み出し(ステップS251)、両者が一致すれば(ステップS252のYES)、プレインキングIIの動作を終了する。
【0133】
このプレインキングIIの動作によって、印刷ユニット15のインキローラ群6に残されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに印刷ジョブCの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図46(b)参照)が重畳される。
【0134】
〔試刷り機能〕
CPU19Aは、プレインキングIIの動作を終了した後(ステップS252のYES)、給紙装置22に給紙開始指令を出力する(図33:ステップS253)。また、印刷ユニット15に印刷開始指令とインキおよび水着ローラの着指令を出力し(ステップS254,S255)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qにリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS256)、リセット信号の出力を停止する(ステップS257)。これにより、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qのカウント値を零として、試刷りが開始される。
【0135】
〔本刷り移行機能〕
CPU19Aは、この試刷り中、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qのカウント値を読み込み(ステップS258)、メモリM24に格納されている測定開始枚数(印刷機の回転数換算)を読み出し(ステップS259)、両者が一致すれば(ステップS260のYES)、すなわち試刷りを開始してからの印刷枚数が測定開始枚数(20枚)となれば、その測定開始枚数目の印刷物を測定対象の印刷物とする。
【0136】
そして、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qにリセット信号およびイネーブル信号を送り(図34:ステップS261)、リセット信号の出力を停止し(ステップS262)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qの零からのカウント動作をスタートさせ、メモリM25に格納されている測定終了枚数(印刷機の回転数換算)を読み出し(ステップS264)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qのカウント値が測定終了枚数(80枚)でないことを確認のうえ(ステップS265のNO)、ステップS266(図35)へ進む。
【0137】
CPU19Aは、ステップS266において、印刷機の回転位相検出用カウント用カウンタ19Mのカウント値を読み込み、ステップS267において、メモリM9に格納されている印刷物撮時の印刷機の回転位相を読み出し、両者が一致すれば(ステップS268のYES)、検査カメラ20に撮像指令を出力し(ステップS269)、検査カメラ20で撮像した撮像画像のRGB値をメモリM10に記憶させる(ステップS270)。これにより、測定対象の印刷物のカラーバーが撮像され、そのカラーバーの各カラーパッチのRGB値がメモリM10に記憶される。
【0138】
次に、CPU19Aは、メモリM26に本刷り開始判断用のフラグ値として「1」を書き込んだうえ(ステップS271)、メモリM2のカウント値NをN=1とし(ステップS272)、メモリM2からカウント値Nを読み出し(図36:ステップS273)、メモリM12のN番目のアドレス位置よりN番目のカラーパッチの撮像位置を読み出し(ステップS274)、メモリM10のN番目のカラーパッチの撮像位置のアドレスよりN番目のカラーパッチのRGB値を読み出して、メモリM13のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS275)。
【0139】
そして、メモリM15から基準の変換式(D=log10f(RGB値))を読み出し(ステップS276)、またメモリM32およびM33より紙の種類およびインキの種類を読み出し(ステップS277、S278)、メモリM35より対応する紙の種類およびインキの種類のエリアより、N番目のカラーパッチの補正値(ΔRGB値)を読み出し(ステップS279)、基準の変換式(D=log10f(RGB値))およびN番目のカラーパッチの補正値(ΔRGB値)を用いて、N番目のカラーパッチのRGB値をN番目のカラーパッチの濃度値に変換し、この変換したN番目のカラーパッチの濃度値をメモリM11のN番目のアドレス位置に記憶する(ステップS280)。
【0140】
そして、メモリM27に記憶されている基準濃度値を読み出し(ステップS281)、N番目のカラーパッチの濃度値より基準濃度値を減算し、N番目のカラーパッチの濃度差を求め、メモリM28のN番目のアドレス位置に記憶する(ステップS282)。そして、メモリM29に記憶されている濃度差の許容値を読み出し(ステップS283)、その読み出した濃度差の許容値とN番目のカラーパッチの濃度差とを比較する(図37:ステップS284)。
【0141】
ここで、N番目のカラーパッチの濃度差が許容値を超えていなければ(ステップS284のNO)、すなわち許容値内であれば、メモリM2のカウント値Nに1を加算し(ステップS285)、メモリM7からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS286)、カウント値Nとインキツボキーの総数nとを比較する(ステップS287)。
【0142】
CPU19Aは、測定対象の印刷物の各カラーパッチの濃度値が全て許容範囲内(基準濃度値との濃度差が許容値内)にあった場合、ステップS273〜S287の処理動作を繰り返し、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えた時点で(ステップS287のYES)、メモリM26から本刷り開始判断用のフラグ値を読み出し(ステップS288)、そのフラグ値が「1」であるか否かを確認する(ステップS289)。
【0143】
この場合、本刷り開始判断用のフラグ値は「1」とされているので(ステップS289のYES)、CPU19Aは、メモリM1から印刷速度を読み出し(ステップS290)、原動モータドライバ19Kに出力する(ステップS291)。これにより、印刷機の速度が印刷速度とされ、試刷りから本刷りへの移行が自動的に行われる。
【0144】
これに対し、N番目のカラーパッチの濃度差が許容値を超えていれば(ステップS284のYES)、CPU19Aは、メモリM30から濃度差−インキツボキーの開き量の補正値変換テーブルを読み出し(図38:ステップS292)、この読み出した濃度差−インキツボキーの開き量の補正値変換テーブルを用いて、N番目のカラーパッチの濃度差に応じたN番目のインキツボキーの開き量の補正値を求め、メモリM31のN番目のアドレス位置に記憶する(ステップS293)。
【0145】
そして、メモリM20のN番目のアドレス位置からN番目のインキツボキーの開き量を読み出し(ステップS294)、この読み出したN番目のインキツボキーの開き量にN番目のインキツボキーの開き量の補正値を加算し、補正したN番目のインキツボキーの開き量とし、メモリM20のN番目のアドレス位置に上書きする(ステップS295)。そして、このメモリM20のN番目のアドレス位置に上書きしたN番目のインキツボキーの開き量を読み出し(ステップS296)、N番目のインキツボキー駆動用制御装置24に送信する(ステップS297)。
【0146】
そして、N番目のインキツボキー駆動用制御装置24からN番目のインキツボキーの開き量の受信完了信号が送信されてきたことを確認し(ステップS298のYES)、すなわちN番目のインキツボキーの開き量が調整されたことを確認し、メモリM26中の本刷り開始判断用のフラグ値を「2」として(ステップS299)、ステップS285(図37)へ進む。
【0147】
CPU19Aは、測定対象の印刷物の各カラーパッチの濃度値のうち、許容範囲内(基準濃度値との濃度差が許容値内)に入った濃度値についてはステップS273〜S287の処理動作を繰り返し、許容範囲内(基準濃度値との濃度差が許容値内)に入らなかった濃度値についてはステップS273〜S284、S292〜S299、S285〜S287の処理動作を繰り返し、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えた時点で(ステップS287のYES)、メモリM26から本刷り開始判断用のフラグ値を読み出す(ステップS288)。
【0148】
この場合、本刷り開始判断用のフラグ値は「2」とされているので(ステップS289のNO)、CPU19Aは、ステップS263(図34)へ戻り、インキツボキーの開き量が調整された状態で印刷された印刷物を次の測定対象の印刷物とし、最初の測定対象の印刷物と同様にして、その測定対象の印刷物の各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にあるか否かのチェックを行う。
【0149】
CPU19Aは、この測定対象の印刷物の各カラーパッチの濃度値が全て許容範囲内に入り、メモリM26中の本刷り開始判断用のフラグ値が「1」であることが確認されれば(ステップS289のYES)、メモリM1から印刷速度を読み出し(ステップS290)、原動モータドライバ19Kに出力する(ステップS291)。これにより、印刷機の速度が印刷速度とされ、試刷りから本刷りへの移行が自動的に行われる。
【0150】
これに対して、測定対象の印刷物の各カラーパッチの濃度値が1つでも許容範囲内になければ(ステップS284のYES)、CPU19Aは、インキツボキーの開き量の調整を行い(ステップS292〜S298)、メモリM26中の本刷り開始判断用のフラグ値を「2」とし(ステップS299)、ステップS289でのNOに応じてステップS263に戻り、インキツボキーの開き量が調整された状態で試刷りされた印刷物を次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物の各カラーパッチの濃度値が許容範囲内にあるか否かのチェックを繰り返す。
【0151】
CPU19Aは、ステップS263に戻る毎に、印刷機の回転回数カウント用カウンタ19Qのカウント値Nを読み取り(ステップS263)、メモリM25に格納されている測定終了枚数(印刷機の回転数換算)を読み出し(ステップS264)、カウント値Nと測定終了枚数とを比較する(ステップS265)。
【0152】
ここで、カウント値Nが測定終了枚数に達したことが確認されると(ステップS265のYES)、すなわち測定対象の印刷物の枚数が測定終了枚数(80枚)に達したことが確認されると、CPU19Aは、給紙装置22に給紙停止指令を出力し(ステップS300)、印刷ユニット15に印刷停止指令とインキおよび水着ローラの脱指令を出力し(ステップS301,S302)、原動モータドライバ19Kに停止信号を出力し(ステップS303)、印刷を中止する。
【0153】
〔インキツボローラ駆動用制御装置〕
図39にインキツボローラ駆動用制御装置23(23−1〜23−n)の内部構成の概略を示す。インキツボローラ駆動用制御装置23は、CPU23A、RAM23B、ROM23C、インキツボローラ駆動用モータ23D、インキツボローラ駆動用モータドライバ23E、インキツボローラ駆動用モータ用ロータリーエンコーダ23F、入出力インターフェイス(I/O,I/F)23G,23H、メモリM41,M42を備えており、インターフェイス23Gを介して印刷ジョブ切替制御装置19と接続されている。メモリM41には受信したインキツボローラの回転量が記憶される。メモリM42には目標とするインキツボローラの送り量が記憶される。
【0154】
CPU23Aは、印刷ジョブ切替制御装置19よりインキツボローラの回転量が送られてくると(図40:ステップS401のYES)、その受信した回転量をメモリM41に記憶するとともに(ステップS402)、印刷ジョブ切替制御装置19にインキツボローラの回転量の受信完了信号を送信する(ステップS403)。また、受信したインキツボローラの回転量を目標とするインキツボローラの送り量(目標回転量)としてメモリM42に記憶する(ステップS404)。そして、メモリM42から目標回転量を読み出し(ステップS405)、インキツボローラ駆動用モータドライバ23Eへ送り、インキツボローラ駆動用モータ23Dの回転量を目標回転量に合わせ込む(ステップS406)。
【0155】
〔インキツボキー駆動用制御装置〕
図41にインキツボキー駆動用制御装置24(24−1〜24−n)の内部構成の概略を示す。インキツボキー駆動用制御装置24は、CPU24A、RAM24B、ROM24C、インキツボキー駆動用モータ24D、インキツボキー駆動用モータドライバ24E、インキツボキー駆動用モータ用ロータリーエンコーダ24F、カウンタ24G、入出力インターフェイス(I/O,I/F)24H,24I、メモリM51〜M54を備えており、インターフェイス24Iを介して印刷ジョブ切替制御装置19と接続されている。メモリM51には受信したインキツボキーの開き量が記憶される。メモリM52には目標とするインキツボキーの開き量が記憶される。メモリM53にはカウンタ24Gのカウント値が記憶される。メモリM54には現在のインキツボキーの開き量が記憶される。
【0156】
CPU24Aは、印刷ジョブ切替制御装置19よりインキツボキーの開き量が送られてくると(図42:ステップS501のYES)、その受信した開き量をメモリM51に記憶するとともに(ステップS502)、印刷ジョブ切替制御装置19にインキツボキーの開き量の受信完了信号を送信する(ステップS503)。また、受信した開き量を目標とする開き量としてメモリM52に記憶する(ステップS504)。
【0157】
そして、カウンタ24Gのカウント値を読み取り(ステップS505)、この読み取ったカウンタ24Gのカウント値より現在のインキツボキーの開き量を求め(ステップS506)、目標とする開き量をメモリM52から読み出し(ステップS507)、現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量と同じであれば(ステップS508のYES)、直ちにステップS517(図43)へ進み、印刷ジョブ切替制御装置19へインキツボキーの開き量の設定完了信号を出力する。
【0158】
現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量と同じでない場合には(ステップS508のNO)現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量と同じになるまでインキツボキー駆動用モータ24Dを駆動した後(ステップS509〜S516)、印刷ジョブ切替制御装置19へインキツボキーの開き量の設定完了信号を出力する(ステップS517)。
【0159】
CPU24Aは、印刷ジョブ切替制御装置19へのインキツボキーの開き量の設定完了信号の出力後、印刷ジョブ切替制御装置19からの全インキツボキーの開き量の設定完了信号を受信した時点で(ステップS518のYES)、印刷ジョブ切替制御装置19へのインキツボキーの開き量の設定完了信号の出力を停止する(ステップS519)。
【0160】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0161】
1…インキツボ、2…インキ、3…インキツボローラ、4(4−1〜4−n)…インキツボキー、5…インキ呼び出しローラ、6…インキローラ群、7…刷版、8…版胴、9…印刷物、9−2…カラーバー、9a…カラーパッチ、15(15−1〜15−4)…印刷ユニット、16…給紙部、17…排紙部、18…印刷機の原動モータ、19…印刷ジョブ切替制御装置、19A…CPU、19B…RAM、19C…ROM、19D…入力装置、19E…表示器、19F…出力装置、19G…メモリ、19I…A/D変換器、19K…原動モータドライバ、19L…原動モータ用ロータリーエンコーダ、19M…印刷機の回転位相検出用カウンタ、19N…D/A変換器、19P…印刷機の原点位置検出器、19Q…印刷機の回転回数カウント用カウンタ、19R…測色計、19S…測色計移動用モータ、19T…測色計移動用モータドライバ、19U…測色計移動用モータ用ロータリーエンコーダ、19V…測色計の現在位置測定用カウンタ、19W…測色計原点位置検出器、19X…A/D変換器、19Y…D/A変換器、19Z1…紙の種類設定器、19Z2…インキの種類設定器、19−1〜19−13…入出力インターフェイス(I/O,I/F)、20…検査カメラ、21…インキ呼び出し装置、22…給紙装置、23…インキツボローラ駆動用制御装置、24(24−1〜24−n)…インキツボキー駆動用制御装置、SW1…印刷開始スイッチ、SW2…印刷停止スイッチ、SW3…変換式演算スイッチ、SW4…インキリムービングスイッチ、SW5…印刷ジョブ切替開始スイッチ、SW6…補正値演算スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インキ供給装置内に版胴に装着される刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキプリセット手段と、前記インキ供給装置内に前記刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成された状態で、本刷りを開始する前に、予め定められた枚数の印刷を試刷りとして行う試刷り手段とを備えた印刷機の制御装置において、
前記印刷機によって印刷された印刷物の濃度値を測定する濃度測定手段と、
前記印刷機によって印刷された印刷物を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と前記濃度測定手段によって測定された前記第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の濃度値とから、色測定値を濃度値に変換する変換関係を求める変換関係決定手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記第1の印刷資材とは異なる第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と、前記濃度測定手段によって測定された前記第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の濃度値と、前記変換関係決定手段によって求められた変換関係とから、当該変換関係に対する補正値を求める補正値決定手段と、
前記試刷り手段によって前記第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物を測定対象の印刷物とし、前記撮像手段によって前記印刷機内での搬送中に撮像された前記測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値を、前記変換関係決定手段で求められた変換関係及び前記補正値決定手段で求められた補正値を用いて濃度値に変換し、この変換された測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かをチェックし、許容範囲内にあった場合にはそのまま前記試刷り手段による前記印刷物の印刷を続けさせて本刷りに移行させる本刷り移行手段と
を備えることを特徴とする印刷機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された印刷機の制御装置において、
前記本刷り移行手段は、
前記試刷り手段によって前記第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物が予め定められた測定開始枚数に達した場合、この測定開始枚数に達した印刷物を測定対象の印刷物とし、前記撮像手段によって前記印刷機内での搬送中に撮像された前記測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値を前記変換関係決定手段で求められた変換関係及び前記補正値決定手段で求められた補正値を用いて濃度値に変換し、この変換された測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かをチェックし、許容範囲内にあった場合にはそのまま前記試刷り手段による前記印刷物の印刷を続けさせて本刷りに移行させる一方、許容範囲内になかった場合には前記インキプリセット手段によって形成されたインキ膜厚分布を調整し、このインキ膜厚分布が調整された状態で前記試刷り手段によって前記第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物を次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かのチェックを繰り返す
ことを特徴とする印刷機の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載された印刷機の制御装置において、
前記本刷り移行手段は、
前記測定対象の印刷物の枚数が予め定められた測定終了枚数に達した場合、印刷を中止する
ことを特徴とする印刷機の制御装置。
【請求項4】
インキ供給装置内に版胴に装着される刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキプリセットステップと、前記インキ供給装置内に前記刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成された状態で、本刷りを開始する前に、予め定められた枚数の印刷を試刷りとして行う試刷りステップとを備えた印刷機の制御方法において、
前記印刷機によって印刷された印刷物の濃度値を測定する濃度測定ステップと、
前記印刷機によって印刷された印刷物を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップによって撮像された第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と前記濃度測定ステップによって測定された前記第1の印刷資材を用いて印刷された印刷物の濃度値とから、色測定値を濃度値に変換する変換関係を求める変換関係決定ステップと、
前記撮像ステップによって撮像された前記第1の印刷資材とは異なる第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の撮像画像から得られた色測定値と、前記濃度測定ステップによって測定された前記第2の印刷資材を用いて印刷された印刷物の濃度値と、前記変換関係決定ステップによって求められた変換関係とから、当該変換関係に対する補正値を求める補正値決定ステップと、
前記試刷りステップによって前記第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物を測定対象の印刷物とし、前記撮像ステップによって前記印刷機内での搬送中に撮像された前記測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値を、前記変換関係決定ステップで求められた変換関係及び前記補正値決定ステップで求められた補正値を用いて濃度値に変換し、この変換された測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かをチェックし、許容範囲内にあった場合にはそのまま前記試刷りステップによる前記印刷物の印刷を続けさせて本刷りに移行させる本刷り移行ステップと
を備えることを特徴とする印刷機の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載された印刷機の制御方法において、
前記本刷り移行ステップは、
前記試刷りステップによって前記第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物が予め定められた測定開始枚数に達した場合、この測定開始枚数に達した印刷物を測定対象の印刷物とし、前記撮像ステップによって前記印刷機内での搬送中に撮像された前記測定対象の印刷物の撮像画像から得られる色測定値を前記変換関係決定ステップで求められた変換関係及び前記補正値決定ステップで求められた補正値を用いて濃度値に変換し、この変換された測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かをチェックし、許容範囲内にあった場合にはそのまま前記試刷りステップによる前記印刷物の印刷を続けさせて本刷りに移行させる一方、許容範囲内になかった場合には前記インキプリセットステップによって形成されたインキ膜厚分布を調整し、このインキ膜厚分布が調整された状態で前記試刷りステップによって前記第2の印刷資材と同じ印刷資材を用いて印刷された印刷物を次の測定対象の印刷物とし、この測定対象の印刷物の濃度値が許容範囲内にあるか否かのチェックを繰り返す
ことを特徴とする印刷機の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載された印刷機の制御方法において、
前記本刷り移行ステップは、
前記測定対象の印刷物の枚数が予め定められた測定終了枚数に達した場合、印刷を中止する
ことを特徴とする印刷機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2013−75519(P2013−75519A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200889(P2012−200889)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(000184735)株式会社小森コーポレーション (403)
【Fターム(参考)】