説明

原稿判定機構および自動原稿搬送装置

【課題】装置が大型化することがなく、また、経済性を損なうことなく、搬送される原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかを判定する。
【解決手段】原稿が搬送される第1搬送経路を挟んで、導電部材31と、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bとが幅方向に沿った状態で対向配置されている。第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bは、原稿が搬送されない状態では、それぞれ全体にわたって導電部材31と導電状態になり、通常原稿の搬送時には全体にわたって導電部材31と非導電状態になる。第1導電ブラシ32bは、ルーズリーフ原稿およびパンチ穴原稿の搬送時にルーズリーフ穴およびパンチ穴を介して導電部材31と一部導電状態になる。第2導電ブラシ32cは、ルーズリーフ原稿の搬送時にルーズリーフ穴を介して導電部材31と一部導電状態になり、パンチ穴原稿の搬送時には導電状態にならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取るスキャナ装置に原稿を搬送する際に、原稿に綴じ穴が形成されていることを判定する原稿判定機構、および、原稿判定機構が設けられた自動原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置では、原稿画像を読み取るスキャナ装置(スキャナユニット)に原稿を自動搬送する自動原稿搬送装置(ADFユニット)を設けることによって、複数枚の原稿の画像を読み取る際の操作性、読み取り効率等を向上させている。ADFユニットは、通常、原稿給紙トレイ上に載置された原稿が、スキャナユニットに設けられた原稿画像読取位置上を通過するように、原稿を自動搬送する。
【0003】
ADFユニットの搬送経路内に搬送される原稿としては、綴じ穴が設けられていない通常の用紙に限らず、専用のバインダーに綴じることができるように、一方の側縁部に、多数の綴じ穴(多穴:ルーズリーフ穴)が列状に並んで形成されたルーズリーフ用紙(ルーズリーフ原稿)、2穴、3穴等のパンチ穴が形成されたパンチ穴用紙(パンチ穴原稿)の場合もある。
【0004】
特許文献1には、搬送される原稿用紙の所定部分に綴じ穴が形成されていることを反射型光センサ等によって検知して、原稿用紙の所定部分に綴じ穴が形成されていることが検出されると、原稿用紙の搬送を停止する等の制御を行う原稿送り出し装置が開示されている。
また、特許文献2には、搬送される用紙の綴じ穴の存在を正確に検出するために、所定の用紙の綴じ穴にそれぞれ対応する複数の用紙検出素子を搬送方向とは直交する方向に沿って並列に配置した用紙検出装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、発光素子から発せられる光を、導光板によって、搬送される原稿に光を照射し、原稿に設けられた綴じ穴を通過した光を他の導光板によってフォトトランジスタに導いて、フォトトランジスタの出力に基づいて、原稿用紙に綴じ穴が存在することを検出する構成が開示されている。
また、ADFユニットにおける記録シートの搬送経路には、原稿の搬送位置を検出するための複数の原稿センサが搬送経路に沿って設けられている。原稿センサは、通常、原稿の先端縁および後端縁を光学的に検出するようになっており、原稿センサの検出結果に基づいて、搬送経路の切り替えタイミング、後続の原稿の搬送タイミング等が制御される。
【0006】
ルーズリーフ原稿またはパンチ穴原稿が、ルーズリーフ穴またはパンチ穴を搬送方向の前側(先端側)または後側(後端側)とした状態で搬送経路内を搬送されると、搬送経路に設けられた各原稿センサは、ルーズリーフ穴またはパンチ穴の先端側の側縁あるいは後端側の側縁を、原稿の後端縁あるいは先端縁として誤検出するおそれがある。原稿センサにおいて誤検出が生じると、搬送経路の切り替えタイミング、原稿の搬送タイミング等を適切に制御することができず、搬送経路において紙詰まり等のトラブルが生じるおそれがある。
【0007】
このような原稿センサによる誤検出を防止するために、原稿の先端側の側縁(辺縁)が検出された場合に、所定時間にわたって原稿センサの出力を無効にすることが提案されている。しかし、このような構成では、綴じ穴が形成されていない通常原稿が搬送される場合にも、所定時間にわたって原稿センサの出力が無効にされるために、搬送経路の切り替えタイミング、後続の原稿の搬送開始タイミング等が遅れることになり、原稿の搬送効率が低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平5−85740号公報
【特許文献2】特開平6−92508号公報
【特許文献2】特開2005−204008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示された原稿送り出し装置では、原稿台に載置された原稿における所定位置に綴じ穴が存在する場合に、反射型光センサ等の検出手段によってその綴じ穴を検出することができる。しかし、原稿に形成される綴じ穴の配置は一定ではなく、ルーズリーフ原稿におけるルーズリーフ穴の配置と、パンチ穴原稿におけるパンチ穴の配置とは異なっている。このために、検出手段が配置された位置に対応する所定位置に綴じ穴が存在しない場合には、その綴じ穴を検出することができないという問題がある。
【0010】
特許文献2に開示された装置では、複数の用紙検出素子を、搬送される用紙に形成された綴じ穴に対応するように予め配置することにより、その綴じ穴が形成された所定の用紙については綴じ穴を検出することができる。しかしながら、この場合にも、用紙検出素子の配置に対応していないような綴じ穴が形成された原稿が搬送される場合には、その綴じ穴を検出することができないという問題がある。
【0011】
特許文献3の構成では、原稿に形成された綴じ穴の数に無関係に、原稿に綴じ穴が形成されていることを検出することができる。しかしながら、この場合には、発光素子から照射された光を導く導光板に対して発光素子を一方の導光板の側方に配置し、また、フォトトランジスタに光を導く他方の導光板に対してフォトトランジスタを当該他方の導光板の側方に配置する必要がある。
【0012】
このために、発光素子およびフォトトランジスタを配置するためのスペースを、原稿の搬送経路の側方に確保しなければならず、それにより、自動原稿搬送装置が大型化するおそれがある。しかも、発光素子、フォトトランジスタ、一対の導光板等が必要になるために、経済性が損なわれるおそれもある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、穴あき原稿と通常原稿との判定を、自動原稿搬送装置が大型化することなく、また、経済性を損なうことなく行うことができる原稿判定機構、および、原稿搬送効率の低下を防止することができる自動原稿搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る原稿判定機構は、自動原稿搬送装置における搬送経路途上の幅方向に沿って配置された導電部材と、先端部が前記導電部材と接触する状態で、前記導電部材に対向する第1位置に配置された第1導電ブラシと、先端部が前記導電部材と接触する状態で、前記導電部材に対向する第2位置に配置され第2導電ブラシと、前記導電部材と前記第1導電ブラシおよび第2導電ブラシとの間を原稿が通過する間に、前記第1導電ブラシおよび前記第2導電ブラシのいずれが前記導電部材と接触して導電状態になったかを検出して、通過中の原稿がルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、綴じ穴が形成されていない通常原稿のいずれであるかを判定する原稿判定手段と、を備え、前記第1位置は、通過中の原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿のいずれであっても、当該原稿の穴を介して当該第1導電ブラシの先端部と前記導電部材とが接触する位置になっており、前記第2位置は、通過中の原稿がルーズリーフ原稿の場合、当該原稿の穴を介して前記第2導電ブラシの先端部が前記導電部材と接触し、パンチ穴原稿の場合、前記第2導電ブラシの先端部が当該原稿における穴の存在しない部分に接触して前記導電部材と接触しない位置になっていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る原稿判定機構は、自動原稿搬送装置における搬送経路途上の幅方向に沿って配置された導電部材と、先端部が前記導電部材と接触する状態で前記導電部材に対向する所定位置に配置された第1導電ブラシと、当該第1導電ブラシと前記導電部材との接触状態に対応した電気信号を出力する第1出力部と、当該第1出力部から出力される電気信号に基づいて、前記第1導電ブラシと前記導電部材との間を通過する原稿がルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかの判定を行う原稿判定手段と、を備え、前記第1導電ブラシは、通過中の原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿のいずれであっても、当該原稿の穴を介して当該第1導電ブラシの先端部が前記導電部材と接触するようになっていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、搬送経路に沿って原稿を搬送する自動原稿搬送装置であって、前記原稿判定機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の原稿判定機構では、第1導電ブラシおよび第2導電ブラシの導電状態および非導電状態に基づいて、あるいは、第1導電ブラシを有する第1出力部から出力される電気信号に基づいて、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかの判定を行うことができるために、光学センサ等の高価な部品を使用する必要がなく経済的である。また、原稿の搬送経路の片側あるいは両側に、センサ等を配置するための特別なスペースを確保する必要もないために、原稿判定機構が設けられる自動原稿搬送装置が大型化するおそれもない。
【0017】
さらには、このような原稿判定機構を使用することにより、搬送経路を搬送される原稿が通常原稿の場合に、原稿センサによって原稿が検出された後に所定時間が経過するまで待機する必要がなく、後続の原稿の搬送タイミング、搬送経路の切り替えタイミング等が遅れるおそれがない。これにより、原稿の搬送効率を向上させることができる。
好ましくは、原稿判定機構において、先端部が前記導電部材と接触する状態で前記導電部材に対向する所定位置に配置された第2導電ブラシと、当該第2導電ブラシと前記導電部材との接触状態に対応した電気信号を出力する第2出力部と、をさらに備え、前記第2導電ブラシは、当該第2導電ブラシと前記導電部材との間を通過する原稿がルーズリーフ原稿の場合、当該原稿の穴を介して前記第2導電ブラシの先端部が前記導電部材と接触し、当該原稿がパンチ穴原稿の場合、前記第2導電ブラシの先端部が当該原稿における穴の存在しない部分に接触して前記導電部材と接触しないようになっており、前記原稿判定手段は、前記第1出力部および前記第2出力部から出力される電気信号に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
【0018】
好ましくは、原稿判定機構において、前記第2導電ブラシは、ルーズリーフ原稿の搬送時にルーズリーフ穴を介して前記導電部材と接触して導電状態になる部分と、ルーズリーフ穴の間隙に接触して前記導電部材とは接触しない部分とに分割されていることを特徴とする。
好ましくは、原稿判定機構において、前記第2導電ブラシにおける分割された各部分の前記幅方向長さは、ルーズリーフ穴の前記幅方向に沿った長さと、隣接するルーズリーフ穴の間隙の前記幅方向に沿った長さとにおける短い方の長さになっていることを特徴とする。
【0019】
好ましくは、自動原稿搬送装置において、前記搬送経路内を搬送される原稿を検出するように、当該搬送経路に沿って配置された複数の原稿センサをさらに有し、前記原稿判定機構は、前記搬送経路内における搬送方向の最も上流側に配置された原稿センサよりもさらに搬送方向上流側に配置されていることを特徴とする。
好ましくは、自動原稿搬送装置において、前記原稿判定手段によってルーズリーフ原稿またはパンチ穴原稿と判定される場合に、前記原稿判定機構から出力される電気信号に基づいて、当該原稿上におけるルーズリーフ穴またはパンチ穴の位置をそれぞれ特定し、前記複数の原稿センサがルーズリーフ穴またはパンチ穴の位置を検出するタイミングで、当該各原稿センサの出力を無効にするように構成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態1に係るADFユニットが設けられた画像読取装置を備えるMFPを示す斜視図である。
【図2】そのMFPの概略構成を示す正面側から見た模式図である。
【図3】そのMFPにおけるADFユニットに設けられた原稿判定機構およびその周辺部分の概略構成を示す模式図である。
【図4】その原稿判定機構の構成を説明するための正面模式図であり、原稿判定機構と搬送原稿における綴じ穴との位置関係も示している。
【図5】穴あき原稿の通過時における原稿判定機構の動作を説明するための原稿判定機構の主要部の正面模式図である。
【図6】MFPにおける制御系の主要部を示すブロック図である。
【図7】MFPにおけるADF−CPUによって実行される原稿判定制御の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】原稿判定機構における出力電圧の検出タイミングと、第1原稿センサによる原稿の検出タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施形態2に係る原稿判定機構の構成を説明するための正面模式図であり、原稿判定機構と搬送原稿における綴じ穴との位置関係も示している。
【図10】その原稿判定機構が設けられるADFユニットの原稿給紙トレイと、当該原稿給紙トレイ上にサイズの異なる複数種類の原稿が載置された場合における綴じ穴との位置関係を示すグラフである。
【図11】その原稿判定機構の等価回路図である。
【図12】(a)は、その原稿判定機構によって綴じ穴を検出する際の原稿判定機構に設けられた各出力部の抵抗値と綴じ穴との関係を示す表、(b)は、綴じ穴と検出電圧との関係の具体例を示す表である。
【図13】実施形態2におけるADF−CPUによって実行される原稿判定制御の処理の流れを説明するための第1フローチャートである。
【図14】その第1フローチャートに続く原稿判定制御の処理の流れを説明するための第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態1]
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置が設けられた画像形成装置の一例を示す斜視図である。この画像形成装置は、複写機、スキャナ、プリンタ、ファックスなどの機能を有する複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)であり、ネットワークを介して、端末装置等とのデータの送受信が可能になっている。図1に示すように、このMFPは、記録用紙等の記録シート上にトナー画像を形成する画像形成装置本体Aと、画像形成装置本体A上に設けられた画像読取装置Bとを備えている。画像読取装置Bは、原稿画像を読み取るスキャナユニット(スキャナ装置)10と、スキャナユニット10上に設けられたADFユニット(自動原稿搬送装置)20とを有している。
【0022】
画像読取装置Bを構成するADFユニット20は、スキャナユニット10に対して、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられており、スキャナユニット10の上面を覆った閉状態で、画像を読み取るための原稿をスキャナユニット10へ自動搬送する。スキャナユニット10は、ADFユニット20によって自動搬送される原稿の画像、または、スキャナユニット10におけるプラテンガラス18(図2参照)に、操作者によって手置きセットされた原稿の画像を光学的に読み取ることにより画像データを生成する。
【0023】
画像形成装置本体Aには、プリンタ部61と、プリンタ部61の下側に設けられた給紙部62とが設けられており、給紙部62内の記録シートがプリンタ部61に供給される。プリンタ部61では、スキャナユニット10にて生成された画像データ、あるいは、ネットワークを介して端末装置等から送られる画像データに基づいて、周知の電子写真方式により、記録シート上にトナー画像をプリントする。プリンタ部61によってトナー画像がプリントされた記録シートは、スキャナユニット10の下側に設けられた画像形成装置本体Aの排紙トレイ63上に排出される。
【0024】
<ADFユニットの構成>
図2は、画像読取装置Bの概略構成を示す正面側から見た模式図である。図2に示すように、ADFユニット20は、スキャナユニット10の上面を全体にわたって覆った閉状態から上方に回動されることによってスキャナユニット10の上面を開状態とするADFユニット本体21と、スキャナユニット10に搬送される原稿が載置されるようにADFユニット本体21に取り付けられた原稿給紙トレイ22とを有している。
【0025】
ADFユニット20は、ADFユニット本体21の正面に向って左側(以下、単に「左側」とし、反対側を「右側」とする)の側部には、原稿給紙トレイ22上に載置された原稿Dの搬送経路を内部に有する給紙本体部21Aを有している。給紙本体部21Aの下部には、内部に反転経路21pが形成された反転経路形成部21Bが、給紙本体部21Aから右側方に向って水平状態で延出した状態で設けられている。
【0026】
ADFユニット本体21の給紙本体部21Aおよび反転経路形成部21Bは、スキャナユニット10の上面をほぼ全域にわたって覆うように一体に構成されている。原稿給紙トレイ22は、反転経路形成部21Bの上方において、右側の側部が上側に位置するように傾斜した状態で、給紙本体部21Aの上部に取り付けられている。原稿給紙トレイ22には、複数枚の原稿が積み重ねられた状態で載置可能になっている。
【0027】
ADFユニット20は、スキャナユニット10に原稿の片面だけを読み取らせる片面読取モードと、原稿を反転させて原稿の両面(表面と裏面)をスキャナユニット10に順番に読み取らせる両面読取モードとを選択的に実行可能に構成されており、片面読取モードの場合には、原稿が、原稿給紙トレイ22上に、スキャナユニット10にて読み取られる原稿面を上方に向けた状態で載置される。
【0028】
原稿給紙トレイ22には、図1に示すように、載置される原稿Dを、搬送方向とは直交する方向の中央部が、給紙本体部21Aの内部の搬送経路における幅方向(原稿Dの搬送方向と直交する方向)の中央部に一致するように位置決めする一対の位置決めガイド22aが設けられている。一対の位置決めガイド22aは、それぞれ載置された原稿Dの搬送方向と直交する方向の両側の側縁に沿うように直線状に配置されている。
【0029】
各位置決めガイド22aは、相互に接近および離間するようにスライド可能になっており、いずれか一方の位置決めガイド22aを他方の位置決めガイド22aに接近および離間する方向にそれぞれスライド操作すると、他方の位置決めガイド22aが、操作された方向とは反対方向に等しい距離だけスライドする構成になっている。従って、原稿給紙トレイ22上に原稿Dを載置して、各位置決めガイド22aを、載置された原稿Dの搬送方向と直交する方向の両側の側縁にそれぞれ当接するように操作すると、原稿Dは、搬送方向に沿った状態に位置決めされる。
【0030】
原稿給紙トレイ22は、例えば、最大A3サイズの原稿Dが、その長手方向を搬送方向に沿わせた状態で載置できるように構成されている。また、原稿給紙トレイ22に、異なるサイズの複数枚の原稿Dを載置して原稿画像を読み取る場合には、正面側(操作者の手前側)に位置する一方の位置決めガイド22aに、それぞれの原稿Dの側縁を、それぞれ位置決めすることによって、載置された各原稿Dを給紙本体部21A内の搬送経路に自動搬送できるようになっている。
【0031】
原稿給紙トレイ22上の原稿は、ピックアップローラ21cによって、第1搬送経路21dに供給される。ピックアップローラ21cは、相互に圧接された一対のローラ部を有しており、両ローラ部が回転されることによって、両ローラ部の間を1枚の原稿Dが通過する。ピックアップローラ21cは、給紙部モータ25aによって回転駆動されるようになっている。
【0032】
給紙本体部21A内におけるピックアップローラ21cに近接した位置には、原稿判定機構30が設けられている。原稿判定機構30は、ピックアップローラ21cによって第1搬送経路21d内を搬送される原稿Dが、綴じ穴を有する穴あき原稿(ルーズリーフ原稿またはパンチ穴原稿)であるか、綴じ穴のない通常原稿であるかを判定するように構成されている。原稿判定機構30の構成については後述する。
【0033】
第1搬送経路21dにおける原稿判定機構30よりも搬送方向下流側には、第1搬送経路21d内を搬送される原稿Dを検出する第1原稿センサ26aが設けられている。第1原稿センサ26aは、例えば、反射型の光学センサによって構成されており、図3に示すように、ピックアップローラ21cによって搬送される原稿Dを、原稿判定機構30における原稿の検出領域を通過した後の所定のタイミングで検出するように、原稿判定機構30から予め設定された所定の距離だけ離れて配置されている。
【0034】
図2に示すように、給紙本体部21A内における左側の側部には第1搬送ローラ21iが設けられており、第1搬送経路21dにおける第1原稿センサ26aによる検出領域を通過した原稿Dは、第1搬送ローラ21iにまで搬送される。第1搬送ローラ21iは、相互に圧接された一対のローラ部を有しており、搬送部モータ25bによって回転駆動されるようになっている。
【0035】
第1搬送ローラ21iは、下方に向って円弧状に湾曲した第2搬送経路21e内に原稿を搬送する。第2搬送経路21e内には第2搬送ローラ21jが設けられている。第2搬送ローラ21jも、相互に圧接された一対のローラ部を有しており、レジスト部モータ25dによって回転駆動されるようになっている。
第2搬送ローラ21jよりも原稿Dの搬送方向下流側には、第1読取ローラ21fが設けられており、第2搬送ローラ21jを通過した原稿Dは、第1読取ローラ21fへと搬送される。第1読取ローラ21fも、相互に圧接された一対のローラ部を有しており、読取部モータ25cによって回転駆動される。
【0036】
第2搬送ローラ21jから第1読取ローラ21fへ搬送される原稿Dは、第2原稿センサ26bによって検出されるようになっている。第2原稿センサ26bも、例えば、反射型の光学センサによって構成されている。
第1読取ローラ21fを通過した原稿は、スキャナユニット10の上面に設けられたスリットガラス(プラテンガラス)16上を通過する。スキャナユニット10は、原稿がスリットガラス16上を通過する間に、スリットガラス16に対向する原稿面の画像を読み取る。画像が読み取られた原稿Dは、相互に圧接された一対のローラ部を有する第2読取ローラ21gを介して、第1分岐ガイド21hへと搬送される。なお、第2読取ローラ21gは、第1読取ローラ21fを回転駆動する読取部モータ25cによって回転駆動される。
【0037】
第1分岐ガイド21hは、片面読取モードの場合には、原稿を、相互に圧接された一対のローラ部を有するレジストローラ21kを介して、第2分岐ガイド21mへと搬送する。第2分岐ガイド21mは、原稿を、相互に圧接された一対のローラ部を有する排紙ローラ21qへ搬送し、排紙ローラ21qは、搬送される原稿を、反転経路形成部21B上に設けられた原稿排出部上に排出する。
【0038】
第2分岐ガイド21mの上方には、第2分岐ガイド21m上を搬送される原稿Dを検出する第3原稿センサ26cが設けられている。第3原稿センサ26cも、例えば、反射型の光学センサによって構成されている。
レジストローラ21kは、第2搬送ローラ21jを回転駆動するレジスト部モータ25dによって回転駆動される。排紙ローラ21qは、排紙部モータ25eによって回転駆動される。
【0039】
第1分岐ガイド21hは、両面読取モードの場合には、原稿Dを、レジストローラ21kを介して、第2分岐ガイド21mへと搬送する。第2分岐ガイド21mは、搬送される原稿を、原稿給紙トレイ22の下面に沿って配置された反転ガイド(図示せず)上に搬送する。レジストローラ21kは、原稿の後端部が通過する直前に逆転駆動される。これにより、原稿Dはスイッチバックして、第3搬送経路21nを通って、第1搬送ローラ21iへと搬送される。
【0040】
第3搬送経路21n内には、第3搬送経路21n内を第1搬送ローラ21iへ向かって搬送される原稿Dを検出する第4原稿センサ26dが設けられている。第4原稿センサ26dも、例えば、反射型の光学センサによって構成されている。
第3搬送経路21nを通って第1搬送ローラ21iへ搬送された原稿Dは、表裏を反転した状態で第2搬送経路21eを、再度、搬送されて、第1読取ローラ21fによってスリットガラス16の上方へと搬送される。
【0041】
スリットガラス16の上方を原稿Dが通過する間には、スリットガラス16に対向する原稿面(第2面)の画像がスキャナユニット10によって読み取られる。画像が読み取られた原稿Dは、第1分岐ガイド21hによって、第4搬送経路21sを通って、反転ローラ21zへ搬送される。反転ローラ21zへ搬送された原稿Dは、一旦、反転経路形成部21B内の反転経路21pへと搬送された後に、第2分岐ガイド21mに案内されて排紙ローラ21qへ搬送され、排紙ローラ21qによって、反転経路形成部21B上の原稿排出部に排出される。
【0042】
<原稿判定機構の構成>
図4は、原稿判定機構30の構成を説明するための正面模式図である。なお、図4において、搬送方向の先端側または後端側の側縁部に綴じ穴が設けられた原稿Dが搬送される場合の綴じ穴と原稿判定機構30との位置関係についても示している。
原稿判定機構30は、第1搬送経路21d内における原稿Dの搬送域の下方において、原稿Dの搬送方向と直交する幅方向に沿って直線状に配置された導電部材31と、この導電部材31に対して原稿Dの搬送域の上方において対向配置された第1検出体32および第2検出体33とを有している。第1検出体32および第2検出体33は、相互に分離された状態で、導電部材31と平行な一直線を形成するように配置されている。なお、導電部材31はグランドレベルになっている。
【0043】
第1検出体32および第2検出体33は、それぞれ、第1搬送経路21dの幅方向に沿って直線状に延びる第1出力部32aおよび第2出力部33aと、第1出力部32aおよび第2出力部33aのそれぞれにおける導電部材31に対向する側面に、下方に向って延出するように設けられた第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bとを有している。
【0044】
第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bは、それぞれ、第1出力部32aおよび第2出力部33aの長手方向の略全域にわたって設けられており、第1搬送経路21d内に原稿Dが搬送されない状態では、それぞれの先端部が導電部材31に電気的に接触した状態になっている。
第1出力部32aおよび第2出力部33aは、それぞれ所定の電気抵抗値を有しており、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bのそれぞれに電気的に接続されている。第1出力部32aおよび第2出力部33aには、電源からプルアップ抵抗を介して所定の電圧がそれぞれ印加されている。
【0045】
第1出力部32aに所定の電圧が印加されると、第1出力部32aは、第1導電ブラシ32bを介して導電部材31に電流が流れるが、第1導電ブラシ32bが略全長にわたって導電部材31に接触している場合には、その一部が導電部材31に接触している場合(一部導電状態)の方が第1出力部32aにおける電気抵抗値が小さくなるので、電源〜導電部材31間の電圧が低下することになる。
【0046】
第1出力部32aは、長手方向の中央部が、第1搬送経路21dにおける幅方向の中央線CLに一致するように配置されている。第2出力部33aは、第1出力部32aよりも短くなっており、第1出力部32aに近接した状態で配置されている。
第1出力部32aおよび第2出力部33aのそれぞれは、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bが導電部材31にそれぞれ接触した状態では、導電部材31と導電状態になる。
【0047】
第1検出体32および第2検出体33のそれぞれ長さ、第1搬送経路21d内における位置は、ルーズリーフ原稿およびパンチ穴原稿に設けられた綴じ穴(ルーズリーフ穴およびパンチ穴)の位置に基づいて、以下のように設定されている。
なお、以下においては、原稿給紙トレイ22に載置された原稿Dにおける搬送方向とは直交する幅方向が、第1搬送経路21dの幅方向に一致した状態で原稿Dが第1搬送経路21d内を搬送される場合について、また、ルーズリーフ原稿およびパンチ穴原稿は、ルーズリーフ穴およびパンチ穴が形成された側縁部が、搬送方向の先端側または後端側になった状態で第1搬送経路21d内を搬送される場合について説明する。
【0048】
ルーズリーフ原稿においては、一方の側縁部に形成される綴じ穴は、通常、6mm±0.5mm程度(以下の説明では6mmとする)の直径になっており、9.5mm±1.0mm程度(以下の説明では10mmとする)の間隔をあけた状態で側縁部の長手方向に沿って一列に配列されている。これに対して、パンチ穴原稿では、それぞれのパンチ穴の直径が6mm±0.5mm程度(以下の説明では6mmとする)であるが、2個のパンチ穴が形成される場合と、3個のパンチ穴が形成される場合とでは、パンチ穴の間隔が異なっている。
【0049】
3個のパンチ穴が形成される場合には、中央のパンチ穴が、原稿Dの一方の側縁部における長手方向の中央部に形成され、その両側のパンチ穴が、中央のパンチ穴に対して108mmの間隔をあけてそれぞれ形成されている。
2個のパンチ穴が形成される場合には、各パンチ穴は、原稿Dの一方の側縁部における長手方向の中央位置(搬送経路の幅方向の中央線CLに一致)に対して、相互に80mmまたは70mmの等しい間隔をあけて配置されている。4個のパンチ穴が形成される場合には、2個のパンチ穴のさらに両側に、各パンチ穴に対して80mmの間隔をあけてパンチ穴がそれぞれ配置される。
【0050】
本実施形態では、原稿判定機構30を構成する第1検出体32の第1出力部32aの長さは、パンチ穴が形成されたパンチ穴原稿が、パンチ穴が形成された側縁部を第1搬送経路21dの幅方向に沿った状態として搬送される場合に、第1出力部32aに設けられた第1導電ブラシ32bの一部が、2個または4個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿が通過する際に、中央部の2個のパンチ穴を通って導電部材31に接触するように、2つのパンチ穴の距離に相当する長さ80mmと、2つのパンチ穴の直径分の長さとの合計の長さよりも若干長くなっている。第1出力部32aは、90〜100mm程度の長さになっている。
【0051】
このような長さになっていることにより、第1出力部32aの第1導電ブラシ32bは、2個または4個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿が、パンチ穴を有する側縁部を第1搬送経路21dの幅方向に沿った状態で搬送されると、幅方向の中央部において相互に隣接する2個のパンチ穴に対応する位置に存在する第1導電ブラシ32bの一部が進入する。また、3個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿が搬送される場合には、幅方向の中央部に形成された1個のパンチ穴に進入する。さらに、ルーズリーフ原稿の場合には、幅方向の中央部に形成された少なくとも5個のルーズリーフ穴内に進入することになる。
【0052】
第1出力部32aの側方に配置された第2出力部33aは、2個または4個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿が搬送される場合に、中央部の2個のパンチ穴の外側の領域であって、3個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿における中央のパンチ穴と外側の一方のパンチ穴との間の長さ68mmの領域内において穴にかからない位置に対向するように、44〜48mm程度の長さに形成されている。
【0053】
第2出力部33aをこのような長さとすることにより、第2出力部33aの長手方向の略全長にわたって設けられた第2導電ブラシ33bは、2個または4個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿および3個のパンチ穴が形成されたパンチ穴原稿のいずれが搬送されても、それぞれのパンチ穴内に進入するおそれがない。これに対して、ルーズリーフ原稿が搬送される場合には、第2導電ブラシ33bは、少なくとも1個のルーズリーフ穴内に進入することになる。
【0054】
このような構成の原稿判定機構30が配置された第1搬送経路21d内に、第1搬送経路21dの幅方向に沿った側縁部(搬送方向の先端側の側縁部または後端側の側縁部)に綴じ穴が形成された原稿Dが搬送されると、原稿判定機構30における導電部材31上を原稿Dが通過する際に、図5に示すように、第1導電ブラシ32b(または第2導電ブラシ33b)は、原稿Dにおける綴じ穴が形成されていない部分においては湾曲状態になり、湾曲した部分が導電部材31に対して非接触状態(非導電状態)になる。
【0055】
これに対して、第1導電ブラシ32b(または第2導電ブラシ33b)の一部が、原稿Dに形成された綴じ穴内に進入すると、第1導電ブラシ32b(または第2導電ブラシ33b)の先端部分が綴じ穴内を通過して導電部材31に接触した状態になる。これにより、第1出力部32a(または第2出力部33a)は、導電部材31に接触した第1導電ブラシ32b(または第2導電ブラシ33b)によって、グランドレベルの導電部材31と導電状態になる。
【0056】
このような状態になると、第1出力部32aおよび第2出力部33aのそれぞれは、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bと導電部材31とが導電状態になっていることを示す出力電圧になる。従って、第1出力部32aおよび第2出力部33aの出力電圧に基づいて、搬送される原稿が、パンチ穴が形成されたパンチ穴原稿、ルーズリーフ穴が形成されたルーズリーフ原稿、綴じ穴が形成されていない通常原稿のいずれであるかを判定することができる。
【0057】
<スキャナユニットの構成>
図2に示すように、スキャナユニット10は、扁平な長方体形状に形成されたハウジング11を備えており、このハウジング11の上面に、ADFユニット20の第1読取ローラ21fと第2読取ローラ21gとの間に対向するようにローラ軸方向に沿ってスリットガラス16が配置されている。また、スリットガラス16の右側の側方には、長方形状のプラテンガラス18が設けられている。プラテンガラス18は、スリットガラス16のローラ軸方向(主走査方向)長さと同程度の主走査方向長さを有するとともに、スリットガラス16に近接した位置からハウジング11の右側の端部近傍にわたる左右方向(副走査方向)長さを有している。
【0058】
ハウジング11の内部には、図2に矢印Xで示す副走査方向にスライド可能に構成された第1スライダー12が設けられており、この第1スライダー12に、線状光源12aが主走査方向に沿った状態で搭載されている。第1スライダー12は、通常は、スリットガラス16とプラテンガラス18との間のホームポジションに位置されており、ADFユニット20によって原稿が搬送される場合には、スキャナモータ43によって、スリットガラス16の下方のシートスルーポジションに移動されて停止される。
【0059】
これに対して、プラテンガラス18上の原稿Dを読み取る場合には、第1スライダー12は、スキャナモータ43によって、プラテンガラス18に沿って副走査方向に往復移動するようになっている。
第1スライダー12には、スリットガラス16上を通過する原稿Dまたはプラテンガラス18上に載置された原稿Dからの反射光を、矢印Xで示す方向とは反対方向に略直角に反射する第1ミラー12bが設けられている。第1スライダー12よりも左側の側方には、第2スライダー13が設けられている。第2スライダー13には、第1ミラー12bにて反射された光を、矢印X方向に反転させるように対になった第2ミラー13aおよび第3ミラー13bが搭載されている。
【0060】
第2スライダー13は、プラテンガラス18上に載置された原稿Dの画像を読み取る場合には、スキャナモータ43によって、第1スライダー12の移動に同期して、第1スライダー12の速度の1/2の速度で第1スライダー12と同方向に移動される。第2ミラー13aおよび第3ミラー13bによって矢印X方向に反転された光は、縮小レンズ(図示せず)を介して画像読取手段としてのCCD17に照射される。
【0061】
<画像読取装置における制御系の構成>
図6は、画像読取装置Bにおける制御系の主要部を示すブロック図である。画像読取装置Bのスキャナユニット10には、スキャナモータ43等を制御するスキャナCPU41が設けられており、ADFユニット20には、原稿の搬送等を制御するADF−CPU51が設けられている。スキャナCPU41と、ADF−CPU51とは、相互にデータの送受信ができるように構成されている。
【0062】
ADF−CPU51には、原稿判定機構30からの出力電圧が入力されるようになっている。原稿判定機構30における第1出力部32aおよび第2出力部33aのそれぞれは、プルアップ抵抗35aおよび35bを介して電源に接続されており、プルアップ抵抗35aおよび35bと第1出力部32aおよび第2出力部33aにおける抵抗体とのそれぞれの接続点の電位が第1出力部32aおよび第2出力部33a(第1検出体32および第2検出体33)それぞれの出力電圧V32およびV33として、ADF−CPU51に与えられている。
【0063】
前述したように、原稿判定機構30の導電部材31はグランドレベルになっており、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bのそれぞれは、原稿が第1搬送経路21dに搬送されると、原稿の種類に応じて導電部材31との接触状態が変化する。
なお、本実施形態では、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bが導電部材31に対して導電状態、一部導電状態、非導電状態のいずれであるかに基づいて原稿の種類を判定することから、図6においては、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bをそれぞれスイッチとして示している。
【0064】
プルアップ抵抗35aおよび35bは、第1検出体32および第2検出体33に設けられた第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bが導電部材31に対して全体にわたって非接触状態(非導電状態)になった場合に、第1検出体32および第2検出体33の出力電圧V32およびV33が、それぞれ所定の電圧(以下、この電圧値をオフ電圧とする)になるように、抵抗値が設定されている。
【0065】
従って、第1検出体32および第2検出体33に設けられた第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bの全体が導電部材31と接触した導電状態になっている場合には、第1検出体32および第2検出体33の出力電圧V32およびV33は、オフ電圧よりも低い所定の電圧(以下、この電圧値を基準電圧とする)になる。
また、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bの一部が、原稿Dの綴じ穴を通って導電部材31に接触して導電状態(一部導電状態)になると、第1検出体32および第2検出体33の出力電圧V32およびV33が、それぞれ、基準電圧よりも高く、オフ電圧よりも低い所定の電圧(以下、この電圧値をオン電圧とする)になる。
【0066】
ADF−CPU51は、原稿判定機構30からの出力電圧V32およびV33をA/D変換して、変換されたデジタル値に基づいて、原稿が、パンチ穴原稿、ルーズリーフ原稿、通常原稿のいずれであるかを判定する。
また、ADF−CPU51は、ADFユニット本体21に設けられた給紙部モータ25a、搬送部モータ25b、読取部モータ25c、レジスト部モータ25d、排紙部モータ25eのそれぞれを駆動するための各モータ駆動IC52〜56を制御するようになっている。
【0067】
ADF−CPU51には、さらに、ADFユニット本体21に設けられた第1原稿センサ26a、第2原稿センサ26b、第3原稿センサ26c、第4原稿センサ26dの出力がそれぞれ与えられており、これら第1〜第4の原稿センサ26a〜26dの出力に基づいてモータ駆動IC52〜56を制御するようになっている。この場合、ADF−CPU51は、搬送される原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかの判定結果に基づいて、後述するように、モータ駆動IC52〜56の制御タイミング、および、第1分岐ガイド21hおよび第2分岐ガイド21mの切り替えタイミングを制御するようになっている。
【0068】
スキャナCPU41は、画像読取時にモータ駆動IC42を制御することによって、第1スライダー12および第2スライダー13が所定方向に所定の速度で移動するようにスキャナモータ43を駆動する。また、スキャナCPU41は、CCD17にて読み取られた画像データを処理する画像処理部44を制御するようになっている。
画像処理部44は、CCD17にて得られた画像データに対して、シェーディング補正、シャープネス調整、HVC調整、濃度補正等を行うとともに、スキャナCPU41を介してADF−CPU51から原稿判定結果を取得して、後述するように、穴あき原稿における綴じ穴が形成される部分に画像が形成されないように処理するマスキング補正を行う。
【0069】
<原稿判定制御>
図7は、ADF−CPU51が実行する原稿判定制御の処理を説明するためのフローチャートである。ADF−CPU51は、原稿給紙トレイ22に原稿Dが載置された状態で原稿画像の読み取りが指示されると、ピックアップローラ21cを回転駆動させる(図7のステップS1参照、以下同様)。次いで、原稿判定機構30における第1検出体32および第2検出体33のそれぞれにおける第1検出体32および第2検出体33の出力電圧V32およびV33のモニタを開始する。
【0070】
この場合、原稿判定機構30に原稿Dが搬送されていない状態では、第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bの全体が導電部材31に接触した導電状態になっており、第1検出体32および第2検出体33のそれぞれの出力電圧V32およびV33は基準電圧になっている。
このような状態で、原稿Dが原稿判定機構30に搬送されると、搬送される原稿の先端側の側縁部(穴あき原稿の場合には、搬送される原稿Dの先端側の側縁から綴じ穴までの部分)によって、第1検出体32および第2検出体33のそれぞれの第1導電ブラシ32bおよび第2導電ブラシ33bは、全体にわたって導電部材31と導電状態を解消し、非導電状態になる。これにより、第1検出体32および第2検出体33のそれぞれの出力電圧V32およびV33はオフ電圧になる。
【0071】
ADF−CPU51は、第1検出体32の出力電圧V32がオフ電圧になるまで待機状態になり(ステップS2)、出力電圧V32がオフ電圧になると(ステップS2において「YES」)、タイマーによる時間の計測を開始し(ステップS3)、第1検出体32の出力電圧V32がオン電圧になるまで待機状態になる(ステップS4)。
第1検出体32は、搬送される原稿Dがルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿のいずれの場合にも、第1導電ブラシ32bが綴じ穴(ルーズリーフ穴またはパンチ穴)を通って、導電部材31と一部導電状態になり、出力電圧V32は、オフ電圧よりも低下したオン電圧になる。
【0072】
その後、第1検出体32の出力電圧V32がオン電圧になると(ステップS4にて「YES」)、タイマーによる時間の計測を停止して、計測された時間ΔTをADF−CPU51に設けられた記憶部に記憶する。また、これと同時に、タイマーをリセットして、再度、タイマーによる時間の計測を開始する(ステップS5)。
このように、ADF−CPU51は、出力電圧V32がオン電圧になることにより、第1搬送経路21d内を搬送される原稿に綴じ穴が形成されていると判定し、タイマーによって計測された時間ΔTを、綴じ穴先端検出時間として記憶する。この綴じ穴先端検出時間ΔTは、原稿の先端縁から綴じ穴までの距離を搬送原稿Dが搬送するために必要な時間である。
【0073】
第1検出体32の出力電圧V32がオン電圧(一部導電状態)になると、ADF−CPU51は、第2検出体33の出力電圧V33が、オフ電圧よりも低下したオン電圧(一部導電状態)になっているかを判定する(ステップS6)。第2検出体33の出力電圧V33は、ルーズリーフ原稿の搬送時にのみ一部導電状態になってオン電圧を出力することから、出力電圧V33がオン電圧になっている場合には(ステップS6にて「YES」)、搬送されている原稿をルーズリーフ原稿と判定して、その判定結果をADF−CPU51の記憶部に記憶する(ステップS7)。
【0074】
また、出力電圧V33がオン電圧(一部導電状態)になっていない場合には(ステップS6にて「NO」)、搬送されている原稿は、綴じ穴を有するものの、ルーズリーフ原稿でないことからパンチ穴原稿と判定し、その判定結果をADF−CPU51の記憶部に記憶する(ステップS8)。
ステップS7におけるルーズリーフ原稿の記憶、または、ステップS8におけるパンチ穴原稿の記憶が終了すると、第1検出体32の出力電圧V32がオフ電圧(非導電状態)になるまで待機状態になる(ステップS9)。この場合、第1検出体32の第1導電ブラシ32bが綴じ穴を通って導電部材31と一部導電状態になっており、その後に、第1導電ブラシ32bが綴じ穴の後端縁によって導電部材31と導電状態を解消して非導電状態になると、第1検出体32の出力電圧V32がオフ電圧になる。
【0075】
第1検出体32の出力電圧V32がオフ電圧になると(ステップS9にて「YES」)、タイマーによる時間の計測を停止して、計測された時間T1を、綴じ穴後端検出時間として、ADF−CPU51に設けられた記憶部に記憶する(ステップS10)。この綴じ穴後端検出時間T1は、原稿に設けられた綴じ穴(ルーズリーフ穴またはパンチ穴)の搬送方向に沿った長さを、搬送される原稿Dが通過するために必要な時間である。
【0076】
このようにして、搬送される原稿Dがルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿のいずれであるかが判定されるとともに、原稿Dの先端縁からルーズリーフ穴またはパンチ穴の先端縁までの長さを原稿が通過するために必要な時間ΔTと、ルーズリーフ穴またはパンチ穴の搬送方向に沿った長さを原稿Dが通過するために必要な時間T1とが記憶部に記憶される。
これに対して、ステップS4において、第1検出体32の出力電圧V32が、綴じ穴によって電圧降下したオン電圧(一部導電状態)にならない場合には(ステップS4にて「NO」)、所定時間が経過するまで待機状態になり(ステップS11)、所定時間が経過しても出力電圧V32がオン電圧(一部導電状態)にならない場合には(ステップS11にて「YES」)、搬送されている原稿を通常原稿と判定して、その判定結果をADF−CPU51の記憶部に記憶する(ステップS12)。この場合の所定時間は、綴じ穴が形成された原稿の先端縁から綴じ穴が形成された部分を通過するまでに要する時間よりも長い時間である。
【0077】
ステップS10またはステップS12における処理が終了すると、以後、原稿Dが搬送される毎に、同様の処理が実行されて、搬送される原稿Dが、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかを判定する。
ADF−CPU51は、搬送される原稿Dが、ルーズリーフ原稿またはパンチ穴原稿と判定されると、図8に示すように、その原稿Dの先端縁が第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれにおいて検出された場合に、検出された時点から記憶部に記憶された時間ΔTが経過すると、その後、時間T1が経過するまでは、第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dからの出力信号を無効にする。
【0078】
これにより、搬送される原稿Dの綴じ穴によって第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dは、綴じ穴によって原稿Dを検出しない状態に変化しても、搬送される原稿Dの後端縁が検出されたものと誤判定するおそれがない。
従って、ルーズリーフ原稿またはパンチ穴原稿の場合には、その後に、第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれが搬送原稿Dの非検出状態に変化すると、即座に搬送原稿Dの後端縁が検出されたものと判定し、第1分岐ガイド21h、第2分岐ガイド21mの切り替え、次の原稿Dの搬送の開始等の制御を直ちに実行する。
【0079】
また、通常原稿の場合には、原稿Dの先端縁が第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれにおいて検出されると、所定時間が経過するまで待機することなく、第1分岐ガイド21h、第2分岐ガイド21mの切り替え、次の原稿Dの搬送の開始等の制御を直ちに実行する。
さらに、ADF−CPU51は、記憶された原稿Dの情報(パンチ穴原稿、ルーズリーフ原稿、通常原稿)を、記憶された時間ΔT(綴じ穴先端検出時間)および時間T1(綴じ穴後端位置時間)とともに、スキャン−CPU41に出力する。
【0080】
スキャン−CPU41では、ADF−CPU51からの綴じ穴に関する情報に基づいて、原稿がパンチ穴原稿、ルーズリーフ原稿、通常原稿のいずれであるかを確認し、それぞれの原稿に適した画像形成動作を実行する。
すなわち、原稿Dが通常原稿でない場合には、綴じ穴先端位置時間ΔTに基づいて、原稿Dの先端縁から綴じ穴の先端位置までの距離を算出するとともに、綴じ穴先端位置時間ΔTおよび綴じ穴後端位置時間T1に基づいて、綴じ穴の原稿搬送方向に沿った長さを算出する。そして、原稿Dの画像データをプリントアウトする際に、綴じ穴の位置に対応する画像データを、その綴じ穴が無いように画像処理を施して、綴じ穴が画像データとしてプリントアウトされることを防止する。これにより、プリントアウトされた画像には、綴じ穴の影等が形成されるおそれがなく、高画質の画像が得られる。
【0081】
[実施形態2]
図9は、本実施形態における原稿判定機構40の構成を示す正面模式図である。なお、図9において、搬送方向の先端側または後端側の側縁部に綴じ穴が設けられた原稿Dが搬送される場合の綴じ穴と原稿判定機構40との関係についても示している。
この原稿判定機構40は、原稿Dの搬送方向とは直交する幅方向に沿って配置された導電部材44に対して、第1検出体41、第2検出体42、第3検出体43の3つの検出体が、原稿Dの搬送域を挟んで対向した状態で、導電部材44とは平行に一直線に並んで配置されている。
【0082】
第1検出体41、第2検出体42、第3検出体43のそれぞれは、第1出力部41aおよび第1導電ブラシ41b、第2出力部42aおよび第2導電ブラシ42b、第3出力部43aおよび第3導電ブラシ43bを有しており、第1導電ブラシ41b、第2導電ブラシ42b、第3導電ブラシ43bのそれぞれが導電部材44に接触することによって、第1出力部41a、第2出力部42a、第3出力部43aのそれぞれが導電部材44と導電状態になる。
【0083】
本実施形態では、第1検出体41および第3検出体43のそれぞれは、第1導電ブラシ41bおよび第3導電ブラシ43bが、ルーズリーフ穴を介して導電部材と一部導電状態になる場合と、パンチ穴を介して導電部材と一部導電状態になる場合と、通常原稿の搬送時における非導電状態になる場合とのそれぞれにおいて、異なる電圧を出力するようになっており、従って、第1検出体41および第3検出体43のそれぞれのみによっても、ルーズリーフ原稿と、パンチ穴原稿と、通常原稿との判定が可能になっている。
【0084】
また、本実施形態の原稿判定機構40では、原稿給紙トレイ22上に、異なるサイズの複数種類の原稿Dが載置されて、それぞれの原稿が搬送される場合にも、各原稿Dが、パンチ穴原稿、ルーズリーフ穴原稿、通常原稿のいずれであるかを判定することができるように構成されている。
なお、ADFユニット20の原稿給紙トレイ22に異なるサイズの原稿Dが載置される場合には、最も大きなサイズの原稿Dの搬送方向とは直交する方向に沿った方向(幅方向)の両側の側縁が各位置決めガイド22aにて位置決めされるように、各位置決めガイド22aが操作される。この場合、この原稿Dよりも小さなサイズの他の原稿Dは、正面側(操作者の手前側)に位置する一方の位置決めガイド22aにて、当該正面側に位置する側縁が位置決めされた状態とされる。
【0085】
図9に示す原稿判定機構40では、異なるサイズの原稿が搬送される場合においても、それぞれの原稿が、2個のパンチ穴が設けられたパンチ穴原稿と、ルーズリーフ原稿と、通常原稿とのいずれであるかの判定が可能になっている。また、LTS(レターサイズ)用紙(8.5×11インチ)を用いた原稿(以下、LTS原稿とする)およびLD(ダブルレターサイズ)用紙(11×17インチ)を用いた原稿(以下、LD原稿とする)が搬送される場合においても、2個または3個のパンチ穴が設けられたパンチ穴原稿と、ルーズリーフ原稿と、通常原稿とのいずれであるかの判定が可能になっている。
【0086】
図10は、原稿給紙トレイ22上に異なる複数種類の原稿が載置される場合におけるそれぞれの種類の原稿に形成された2穴のパンチ穴の位置(LTS原稿およびLD原稿の場合には2穴および3穴のパンチ穴)の位置を示している。
この場合、例えば、原稿給紙トレイ22には、最大、A3サイズの原稿Dが長手方向を搬送方向に沿った状態(縦状態)で搬送されるように載置される場合には、B4サイズの原稿Dが長手方向を搬送方向とは直交する方向に沿った状態(縦状態)、A4サイズの原稿Dが長手方向を搬送方向に沿った状態(縦状態、図11において「A4S」と表示する)でそれぞれ載置されて搬送可能になっている。この場合には、正面側(操作者の手前側)の位置決めガイド22aにて位置決めされる。
【0087】
図10には、これら3種類の原稿が原稿給紙トレイ22に載置された場合における2穴のパンチ穴の位置を示している。なお、図10においては、それぞれの原稿における正面側(操作者の手前側)の位置決めガイド22aにて位置決めされる基準位置を黒丸(●)で示し、正面側(操作者の手前側)のパンチ穴を黒三角(▲)で示し、奥側のパンチ穴をバツ印(×)で示している。
【0088】
同様に、原稿給紙トレイ22に、B4サイズの原稿が最大サイズの原稿として縦状態で載置される場合には、A4サイズの原稿(縦状態)と、B5サイズの原稿(縦状態、図11において「B5S」と表示する)とが、正面側(操作者の手前側)の位置決めガイド22aにて位置決めされる。
また、原稿給紙トレイ22に、A4サイズ(縦状態)の原稿が最大サイズの原稿として載置される場合には、B5サイズの原稿(縦状態)が、原稿給紙トレイ22上に載置されて搬送可能である。この場合には、正面側(操作者の手前側)の位置決めガイド22aにて位置決めされる。
【0089】
さらに、原稿給紙トレイ22にB5サイズ(縦状態、「B5S」)の原稿が最大サイズの原稿として載置される場合には、A5サイズの原稿(縦状態、「A5S」)が載置されて搬送可能であり、正面側(操作者の手前側)の位置決めガイド22aにて位置決めされる。
さらに、原稿給紙トレイ22にA5サイズ(縦状態、「A5S」)の原稿が最大サイズの原稿として載置される場合には、B6サイズの原稿(縦状態、「A6S」)が、載置されて搬送可能であり、正面側(操作者の手前側)の位置決めガイド22aにて位置決めされる。
【0090】
さらに、LTS原稿およびLD原稿のいずれもが、縦状態になるように載置された場合にも、それぞれの自動搬送が可能になっており、この場合には、2穴および3穴のパンチ穴についてそれぞれ判定可能になっている。なお、3穴のパンチ穴の場合には、中央のパンチ穴については、図10において黒菱形(◆)にて示している。
図10に示すように、原稿給紙トレイ22上における正面側(操作者の手前側)に位置する一方の位置決めガイド22aが、他方の位置決めガイド22aに対して最も離間した状態になっている場合を基準位置(0)とすると、基準位置から117mm以上であって145mm未満の離れた28mmの長さの範囲(一点鎖線で示す)には、原稿給紙トレイ22上に複数種類の原稿が載置されるいずれの場合においても、全ての原稿にパンチ穴が形成されていても、パンチ穴は存在しない状態になる。
【0091】
図9に示す原稿判定機構40では、中央に位置する第2検出体42の第2出力部42aが、原稿給紙トレイ22上に複数種類の原稿が載置される場合に、それぞれの原稿のパンチ穴が存在しない領域、すなわち、原稿給紙トレイ22上における正面側(操作者の手前側)に位置する一方の位置決めガイド22aが、他方の位置決めガイド22aに対して最も離間した状態での基準位置から、117mm以上145mm未満の範囲内において、28mmよりも若干短い長さに形成されている。
【0092】
この場合、第2出力部42aは、それぞれの長さが等しいn個の抵抗ユニット42dに分割されており、それぞれの抵抗ユニット42d毎に導電ブラシ42bが設けられている。各導電ブラシ42bは、ルーズリーフ原稿が通過する際にルーズリーフ穴または隣接するルーズリーフ穴の間の原稿部分のいずれかに対向するように配置されている。
なお、ルーズリーフ穴に対向して配置される抵抗ユニット42dの個数と、隣接するルーズリーフ穴の間の原稿部分に対向して配置される抵抗ユニット42dの個数とは等しく、n/2個ずつになっており、各抵抗ユニット42dにおけるそれぞれの電気抵抗値が等しくなっている。
【0093】
この場合、第2出力部42aの分割された各抵抗ユニット42dは、それぞれに設けられた導電ブラシ42bの長さが、ルーズリーフ穴の直径と隣接するルーズリーフ穴の間隔とにおける短い方の長さに等しくなっている。
第2出力部42aの両側に位置する第1出力部41aおよび第3出力部43aは、原稿給紙トレイ22上に載置される最もサイズの小さな原稿がルーズリーフ原稿の場合に、導電ブラシ41bおよび43bのそれぞれが複数のルーズリーフ穴を検出できるような長さであって、原稿給紙トレイ22上に載置可能なサイズの全てのパンチ穴原稿における第2出力部42aの両側にそれぞれ位置するパンチ穴を介して、第1導電ブラシ41bおよび第3導電ブラシ43bが導電部材と接触できるような長さにそれぞれ設定されている。
【0094】
このような構成の原稿判定機構40では、図11に示すように、第2出力部42aの各抵抗ユニット42dが並列に接続されており、また、第1出力部41a、第2出力部42a、第3出力部43aが並列に接続されて、それら第1出力部41a、第2出力部42a、第3出力部43aには、所定の電気抵抗値を有するプルアップ抵抗45を介して、所定の電圧(5V)が印加されている。また、導電部材44は、グランドレベルになっている。
【0095】
原稿判定機構40は、プルアップ抵抗45と、並列に接続された第1出力部41a、第2出力部42a、第3出力部43aとの接続点の電位を、出力電圧V40としてADF−CPU51に出力する。ADF−CPU51は、原稿判定機構40の出力電圧V40をA/D変換して、出力電圧V40に対応したデジタル値に基づいて、原稿がパンチ穴原稿かルーズリーフ原稿のいずれであるかを判定する。
【0096】
図12(a)は、搬送される原稿の種類に基づいて原稿判定機構40における導電ブラシ41b、42b、43bと導電部材44との導電状態と、原稿判定機構40全体の電気抵抗値との関係を示す表である。
図12(a)の表に示すように、導電部材44上を、綴じ穴が形成されていない通常原稿が通過する場合には、第1導電ブラシ41b、第2導電ブラシ42b、第3導電ブラシ43bは、それぞれ、全体が導電部材44と非接触状態になっているために、原稿判定機構40全体の抵抗値が無限大(∞)になる。従って、原稿判定機構40の出力電圧V40は、並列に接続された第1出力部41a、第2出力部42a、第3出力部43aに印加される5Vの電圧になる。この場合の原稿判定機構40の出力電圧V40を原稿検出電圧Vt(=5V)とする。
【0097】
これに対して、導電部材44上を原稿が通過しない場合(原稿なしの場合)には、第1導電ブラシ41b、第2導電ブラシ42b、第3導電ブラシ43bのそれぞれの全体が導電部材44と接触した導電状態になるために、原稿判定機構40全体の抵抗値は、並列接続された第1出力部41aの抵抗値R1、第2出力部42aの抵抗値R2、第3出力部43aの抵抗値R3の合成抵抗分となる。なお、この場合の原稿判定機構40の出力電圧V40を基準電圧V0とする。
【0098】
また、導電部材44上をパンチ穴原稿が通過する場合には、第2導電ブラシ42bはパンチ穴のない領域に対向していることから全体が非導電状態になるが、第1導電ブラシ41bおよび第3導電ブラシ43bのいずれか一方または両方(原稿サイズによっては、第1導電ブラシ41bおよび第3導電ブラシ43bの一方だけがパンチ穴内に進入する場合と両方がパンチ穴内に進入する場合がある)が、パンチ穴を通して導電部材44と一部導電状態になる。
【0099】
従って、第1検出体41、第2検出体42、第3検出体43の全体の抵抗値は、第1出力部41aの抵抗値、または、第3出力部43aの抵抗値、または、第1出力部41aと第3出力部43aとの並列合成抵抗値のいずれかになる。この場合、出力電圧V40は、綴じ穴がない通常原稿の場合の原稿検出電圧Vtよりも低く、原稿が搬送されない場合の基準電圧V0よりも高いパンチ穴電圧Vpになる。
【0100】
さらには、導電部材44上をルーズリーフ原稿が通過する場合には、第2出力部42aにおけるルーズリーフ穴にそれぞれ対向する抵抗ユニット42dに設けられた導電ブラシ42bのみが、ルーズリーフ穴を通して導電部材44と導電状態になることから、第2出力部42aにおける半分の個数(n/2個)の抵抗ユニット42dが導電状態になる。
従って、第1検出体41、第2検出体42、第3検出体43の全体の抵抗値は、第1出力部41aおよび第3出力部43aと、n/2個の抵抗ユニット42dとの並列合成抵抗になる。この場合の出力電圧V40は、綴じ穴がない通常原稿の場合の原稿検出電圧Vtよりも低く、原稿が搬送されない場合の基準電圧V0よりも高く、さらには、パンチ穴電圧Vpよりも低い電圧(以下、ルーズリーフ電圧Vrとする)になる。
【0101】
図12(b)は、第1出力部41aの抵抗R1と、第3出力部43aの抵抗値R3とをそれぞれ10kΩ、第2出力部42aを、10個(n=10)の抵抗ユニット42dに分割して、それぞれの抵抗ユニット42dの抵抗値R2 n(但し、nは、0〜9の整数)を56kΩとした場合における搬送される原稿の種類と原稿判定機構40の出力電圧V40との具体例を示す表である。
【0102】
導電部材44上を、綴じ穴が形成されていない通常原稿が通過する場合には、第1検出体41、第2検出体42、第3検出体43の全体の抵抗値は無限大(∞)になることから、原稿判定機構40の出力電圧V40は、5Vの原稿検出電圧Vtになる。
これに対して、導電部材44上を原稿が通過しない場合(原稿なしの場合)には、原稿判定機構40の出力電圧V40は、1.08Vの基準電圧V0になる。
【0103】
また、導電部材44上をパンチ穴原稿が通過する場合には、第1検出体41、第2検出体42、第3検出体43の全体の抵抗値は、第1出力部41aの抵抗値、または、第3出力部43aの抵抗値、または、第1出力部41aと第3出力部43aとの並列合成抵抗値のいずれかになるために、原稿判定機構40の出力電圧V40は、3.84V(第1導電ブラシ41bおよび第3導電ブラシ43bのいずれか一方が導電状態になる場合)、または、3.11V(第1導電ブラシ41bおよび第3導電ブラシ43bの両方が導電状態になる場合)のパンチ穴電圧Vpになる。
【0104】
導電部材44上をパンチ穴原稿が通過する場合には、第2出力部42aにおける1/2個(5個)の抵抗ユニット42dに設けられた導電ブラシ42bが導電状態になるために、第2出力部42aにおける全抵抗値R2の1/2の抵抗値による電圧降下が発生し、原稿判定機構40の出力電圧V40として1.28Vのルーズリーフ電圧Vrが出力されることになる。
【0105】
このように、第2出力部42aは、導電ブラシ42bがルーズリーフ穴を介して導電部材と導電状態になる抵抗ユニット42dと、導電ブラシ42bがルーズリーフ穴を介して導電部材とは非導電状態になる抵抗ユニット42dとに分割されているために、ルーズリーフ原稿の通過時に、第2出力部42aは所定の抵抗値になり、ルーズリーフ原稿であることを正確に検出することができる。
【0106】
なお、LTS原稿およびLD原稿であっても、2穴のパンチ穴およびルーズリーフ穴が形成されていることは、上述の場合と同様にして判定することができる。さらには、LTS原稿およびLD原稿の場合には、2穴のパンチ穴が形成されていることについても、2穴のパンチ穴、3穴のパンチ穴、ルーズリーフ穴がそれぞれ形成されている場合における原稿判定機構40の出力電圧V40に基づいて判定することができる。
【0107】
以下、本実施形態におけるADF−CPU51にて実行される原稿判定制御の処理について、図13および図14のフローチャートに基づいて説明する。
ADF−CPU51は、原稿給紙トレイ22に原稿が載置された状態で、原稿画像の読取が指示されると、ピックアップローラ21cを回転駆動させる(図13のステップS21参照、以下、同様)。そして、原稿判定機構30の出力電圧V40が、原稿Dが搬送されていない状態の基準電圧V0(図12(b)に示す表においては1.08V)であることを確認する(ステップS22)。
【0108】
出力電圧V40が基準電圧V0になっていない場合には(ステップS22において「YES」)、原稿の先端縁から綴じ穴までの長さに対応する時間の測定中であることを示す測定フラグPをリセット状態(P=0)とする(ステップS23)。なお、フラグPがリセット状態(P=0)になっている場合(ステップS25において「YES」)は、ステップS22に戻る。
【0109】
その後、ピックアップローラ21cによって搬送される原稿Dの先端縁が原稿判定機構40の導電ブラシ41b〜43bに接触して、導電ブラシ41b〜43bの全体が導電部材44と非導電状態になることによって、原稿判定機構40の出力電圧V40が基準電圧V0から変化すると(ステップS22において「NO」)、原稿の先端縁から綴じ穴までの長さに対応する時間の測定中であることを示す測定フラグPをセット状態(P=1)とする(ステップS24)。そして、ステップS25に進んで、測定フラグPがセット状態になっていることを確認して(ステップS25において「NO」)、原稿判定機構40の出力電圧V40が基準電圧V0から原稿検出電圧Vt(図12(b)に示す表においては5V)になるまで待機状態になる(ステップS26)。
【0110】
原稿判定機構40の出力電圧V40が原稿検出電圧Vtになると(ステップS26にて「YES」)、搬送される原稿Dの先端縁が原稿判定機構40の全ての導電ブラシ41b〜43bに接触して導電部材44と非導電状態になったものとして、測定フラグPをリセット状態(P=0)にするとともに、原稿種類が判定されたことを示す原稿種類判定フラグnをリセット状態(n=0)とし、さらには、タイマーによる時間の計測を開始する(ステップS27)。
【0111】
なお、ステップS26において、原稿判定機構40の出力電圧V40が原稿検出電圧Vtにならず(ステップS26において「NO」)、所定時間が経過すると(ステップS28において「YES」)、当該原稿の種類の判定制御は終了して、次の原稿の種類の判定制御を実行することになる。
その後、原稿判定機構40の出力電圧V40が、原稿検出電圧Vtよりも低下したパンチ穴電圧Vp(図12(b)の表において3.84Vまたは3.11V)になっているかを確認する(図14のステップS31)。原稿判定機構40の出力電圧V40がパンチ穴電圧Vpになっている場合には(ステップS31において「YES」)、ADF−CPU51は、搬送される原稿がパンチ穴原稿であることを内部の記憶部に記憶するとともに、原稿の種類の判定が実行されたことを示す原稿種類判定フラグnをセット状態(n=1)とする(ステップS32)。その後、ステップS35に進む。
【0112】
ステップS31において、原稿判定機構40の出力電圧V40がパンチ穴電圧Vpになっていない場合には(ステップS31において「NO」)、ステップS33に進んで、出力電圧V30が、パンチ穴電圧Vpよりもさらに低下したルーズリーフ穴電圧Vr(図12(b)の表において1.28V)になっているかを確認する。原稿判定機構40の出力電圧V40がルーズリーフ穴電圧Vrになっている場合には(ステップS33において「YES」)、ADF−CPU51は、搬送される原稿がルーズリーフ原稿であることを内部の記憶部に記憶するとともに、原稿種類判定フラグnをセット状態(n=1)とする(ステップS34)。その後、ステップS35に進む。
【0113】
ステップS35では、原稿判定機構40の出力電圧V40がパンチ穴電圧Vpまたはルーズリーフ穴電圧Vrになった時点におけるタイマーによって計測された時間Tfを記憶する。なお、ステップS35において、タイマーによる計測時間Tfが記憶されても、タイマーによる時間の計測は続行される。
その後、原稿判定機構40の出力電圧V40が原稿検出電圧Vt(綴じ穴なし状態)になるまで待機状態になる(ステップS36)。そして、原稿判定機構40の出力電圧V40が原稿検出電圧Vtになると(ステップS36において「YES」)、ADF−CPU51は、その時点におけるタイマーによって計測された時間Tbを、綴じ穴の後端位置情報として、内部の記憶部に記憶し、タイマーをリセットする(ステップS37)。この時間Tbは、搬送される原稿における搬送方向の先端縁が検出された時点から、パンチ穴またはルーズリーフ穴における搬送方向の後端縁が検出されるまでの時間(綴じ穴後端検出時間)である。
【0114】
このような状態になると、原稿判定機構40の出力電圧V40が基準電圧V0(原稿なし状態)になるまで待機状態になる(ステップS38)。
なお、ステップS33において、原稿判定機構40の出力電圧V40がルーズリーフ穴電圧Vrになっていない場合にも(ステップS33において「NO」)、ステップS38に進んで、出力電圧V40が基準電圧V0になるまで待機状態になる。
【0115】
ステップS38において、原稿判定機構40の出力電圧V40が基準電圧V0になると、原稿種類判定フラグnがセット状態になっているかを判定する(ステップS39)。原稿種類判定フラグnがセット状態(n=1)になっている場合には(ステップS39において「YES」)、すでに、搬送される原稿がパンチ穴原稿またはルーズリーフ原稿であることが判定されているために、ステップS21に戻って、次に搬送される原稿Dの判定制御を実行することになる。
【0116】
これに対して、原稿種類判定フラグnがセット状態になっていない場合には(ステップS39において「NO」)、原稿判定機構40の出力電圧V40がパンチ穴電圧Vpまたはルーズリーフ穴電圧Vrのいずれにもならず、従って、搬送される原稿がパンチ穴原稿およびルーズリーフ原稿のいずれとも判定されていないことから、搬送原稿を綴じ穴が形成されていない通常原稿として記憶部に記憶して(ステップS40)、次に搬送される原稿Dの判定制御を実行することになる。
【0117】
このようにして、ADF−CPU51は、原稿判定機構40の出力電圧V40に基づいて搬送される原稿が、パンチ穴原稿、ルーズリーフ原稿、通常原稿のいずれであるかを判定して記憶し、かつ、パンチ穴原稿またはルーズリーフ原稿の場合には、綴じ穴先端検出時間Tfおよび綴じ穴後端位置時間Tbを記憶した状態になる。その後、搬送される原稿は、第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれにおいて検出される。
【0118】
第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれにおいて原稿が検出された状態になると、その検出時から綴じ穴先端検出時間Tfが経過した後に、綴じ穴後端位置時間Tbが経過するまでの間は、第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれの出力を無効にするようになっている。その後に、第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれが搬送原稿Dの非検出状態に変化すると、即座に搬送原稿Dの後端縁が検出されたものと判定し、第1分岐ガイド21h、第2分岐ガイド21mの切り替え、次の原稿Dの搬送の開始等の制御を直ちに実行する。
【0119】
また、通常原稿の場合には、原稿Dの先端縁が第1原稿センサ26a〜第4原稿センサ26dのそれぞれにおいて検出されると、所定時間が経過するまで待機することなく、第1分岐ガイド21h、第2分岐ガイド21mの切り替え、次の原稿Dの搬送の開始等の制御を直ちに実行する。
さらに、ADF−CPU51は、記憶された原稿の情報(パンチ穴原稿、ルーズリーフ原稿、通常原稿のいずれか)を、綴じ穴先端検出時間Tfおよび綴じ穴後端位置時間Tbとともに、スキャン−CPU41に出力する。
【0120】
スキャン−CPU41では、ADF−CPU51からの綴じ穴に関する情報に基づいて、原稿がパンチ穴原稿、ルーズリーフ原稿、通常原稿のいずれであるかを確認し、それぞれの原稿に適した画像形成動作を実行する。
すなわち、原稿Dが通常原稿でない場合には、綴じ穴先端位置時間Tfに基づいて、原稿Dの先端縁から綴じ穴の先端位置までの距離を算出するとともに、綴じ穴先端位置時間Tfおよび綴じ穴後端位置時間Tbに基づいて、綴じ穴の原稿搬送方向に沿った長さを算出する。そして、原稿Dの画像データをプリントアウトする際に、綴じ穴の位置に対応する画像データを無効にして、綴じ穴が画像データとしてプリントアウトされることを防止する。これにより、プリントアウトされた画像には、綴じ穴の影等が形成されるおそれがなく、高画質の画像が得られる。
【0121】
なお、本実施形態では、第1検出体41または第3検出体43と同様の構成の1つの検出体だけでも、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかを判定することが可能である。この場合には、検出体の出力部を、パンチ穴原稿の搬送時に、先端側または後端側の側縁部に沿って形成されたパンチ穴を検出することができる長さとして、搬送経路内における所定位置に配置すればよい。
【0122】
また、本実施形態では、原稿給紙トレイ22に、異なるサイズの複数枚の原稿Dを載置して原稿画像を読み取る場合には、正面側(操作者の手前側)に位置する一方の位置決めガイド22aに、それぞれの原稿Dの側縁を、それぞれ位置決めすることによって、載置された各原稿Dを給紙本体部21A内の搬送経路に自動搬送する構成であったが、奥側に位置する位置決めガイド22aによって、それぞれの原稿Dの側縁を、それぞれ位置決めする構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、原稿を自動搬送する自動原稿搬送装置において、装置が大型化することなく、搬送される原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかを判定することができる。
【符号の説明】
【0124】
A 画像形成装置本体
B 画像読取装置
10 スキャナユニット
12 第1スライダー
13 第2スライダー
20 ADFユニット
21 ADFユニット本体
21c ピックアップローラ
21d 第1搬送経路
21i 第1搬送ローラ
21j 第2搬送ローラ
22 原稿給紙トレイ
26a 第1原稿センサ
26b 第2原稿センサ
26c 第3原稿センサ
26d 第4原稿センサ
30 原稿判定機構
31 導電部材
32 第1検出体
32a 第1出力部
32b 第1導電ブラシ
33 第2検出体
33a 第2出力部
33b 第2導電ブラシ
40 原稿判定機構
41 第1検出体
41a 第1出力部
41b 第1導電ブラシ
42 第2検出体
42a 第2出力部
42b 第2導電ブラシ
43 第3検出体
43a 第3出力部
43b 第3導電ブラシ
44 導電部材
51 ADF−CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動原稿搬送装置における搬送経路途上の幅方向に沿って配置された導電部材と、
先端部が前記導電部材と接触する状態で、前記導電部材に対向する第1位置に配置された第1導電ブラシと、
先端部が前記導電部材と接触する状態で、前記導電部材に対向する第2位置に配置され第2導電ブラシと、
前記導電部材と前記第1導電ブラシおよび第2導電ブラシとの間を原稿が通過する間に、前記第1導電ブラシおよび前記第2導電ブラシのいずれが前記導電部材と接触して導電状態になったかを検出して、通過中の原稿がルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、綴じ穴が形成されていない通常原稿のいずれであるかを判定する原稿判定手段と、を備え、
前記第1位置は、通過中の原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿のいずれであっても、当該原稿の穴を介して当該第1導電ブラシの先端部と前記導電部材とが接触する位置になっており、
前記第2位置は、通過中の原稿がルーズリーフ原稿の場合、当該原稿の穴を介して前記第2導電ブラシの先端部が前記導電部材と接触し、パンチ穴原稿の場合、前記第2導電ブラシの先端部が当該原稿における穴の存在しない部分に接触して前記導電部材と接触しない位置になっていることを特徴とする原稿判定機構。
【請求項2】
自動原稿搬送装置における搬送経路途上の幅方向に沿って配置された導電部材と、
先端部が前記導電部材と接触する状態で前記導電部材に対向する所定位置に配置された第1導電ブラシと、
当該第1導電ブラシと前記導電部材との接触状態に対応した電気信号を出力する第1出力部と、
当該第1出力部から出力される電気信号に基づいて、前記第1導電ブラシと前記導電部材との間を通過する原稿がルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿、通常原稿のいずれであるかの判定を行う原稿判定手段と、を備え、
前記第1導電ブラシは、通過中の原稿が、ルーズリーフ原稿、パンチ穴原稿のいずれであっても、当該原稿の穴を介して当該第1導電ブラシの先端部が前記導電部材と接触するようになっていることを特徴とする原稿判定機構。
【請求項3】
先端部が前記導電部材と接触する状態で前記導電部材に対向する所定位置に配置された第2導電ブラシと、
当該第2導電ブラシと前記導電部材との接触状態に対応した電気信号を出力する第2出力部と、をさらに備え、
前記第2導電ブラシは、当該第2導電ブラシと前記導電部材との間を通過する原稿がルーズリーフ原稿の場合、当該原稿の穴を介して前記第2導電ブラシの先端部が前記導電部材と接触し、当該原稿がパンチ穴原稿の場合、前記第2導電ブラシの先端部が当該原稿における穴の存在しない部分に接触して前記導電部材と接触しないようになっており、
前記原稿判定手段は、前記第1出力部および前記第2出力部から出力される電気信号に基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の原稿判定機構。
【請求項4】
前記第2導電ブラシは、ルーズリーフ原稿の搬送時にルーズリーフ穴を介して前記導電部材と接触して導電状態になる部分と、ルーズリーフ穴の間隙に接触して前記導電部材とは接触しない部分とに分割されていることを特徴とする請求項3に記載の原稿判定機構。
【請求項5】
前記第2導電ブラシにおける分割された各部分の前記幅方向長さは、ルーズリーフ穴の前記幅方向に沿った長さと、隣接するルーズリーフ穴の間隙の前記幅方向に沿った長さとにおける短い方の長さになっていることを特徴とする請求項4に記載の原稿判定機構。
【請求項6】
搬送経路に沿って原稿を搬送する自動原稿搬送装置であって、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の原稿判定機構を有することを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項7】
前記搬送経路内を搬送される原稿を検出するように、当該搬送経路に沿って配置された複数の原稿センサをさらに有し、
前記原稿判定機構は、前記搬送経路内における搬送方向の最も上流側に配置された原稿センサよりもさらに搬送方向上流側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項8】
前記原稿判定手段によってルーズリーフ原稿またはパンチ穴原稿と判定される場合に、前記原稿判定機構から出力される電気信号に基づいて、当該原稿上におけるルーズリーフ穴またはパンチ穴の位置をそれぞれ特定し、前記複数の原稿センサがルーズリーフ穴またはパンチ穴の位置を検出するタイミングで、当該各原稿センサの出力を無効にするように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の自動原稿搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−118282(P2011−118282A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277586(P2009−277586)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】