説明

双対空気調節スプレー塗布器

塗布器デバイス6が、組織または骨に対する接着剤または密閉剤の2つ以上の組成物を混合し塗布するために提供される。塗布器デバイスは、概して、ハンドルに取り外し可能に取り付けられた二連式シリンジを含むハンドルを有する塗布器アセンブリと、塗布器アセンブリに空気圧の制御およびソースを提供する調節器アセンブリとを含む。噴霧先端が、ハンドルの遠位端に提供され、かつ、二連式シリンジと流体連通することにより、その中に含まれている成分を混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、双対空気調節スプレー塗布器に関する。さらに詳細には、本開示は、二連式シリンジまたはカートリッジがハンドルに取り外し可能に取り付けられた塗布器デバイスであり、かつ、デバイスの塗布器アセンブリによって混合される組織粘着材または密閉材、例えば、接着剤、組織密閉材または骨セメントの成分または組成物を含む塗布器デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な外科処置の間、多くの場合に、組織における穿刺傷、切り傷または切開を閉じることが必要である。一般的に、これは、穿刺傷、漏れまたは切開を閉じる縫合糸またはステープルの使用によって行われる。しかしながら、近年、様々な合成および/または天然の粘着物質または密閉物質が、組織に塗布するために開発されている。最初は、粘着材または密閉材の組成物が単に混ぜ合わされ、塗布器デバイスまたは棒を用いて塗布されるだけであった。この技術における進歩が、外部ソースから組成物を受け取り、それらを組織の上に排出することにより組織の部位において混合されることを可能にするデバイスが提供されている。これらのデバイスは、多くの場合に、煩わしく、かつ、扱いにくいものであり、そして、様々な組成物を排出するために使用される圧力の量、および/または適切な混合比率を補正するために使用される圧力の量に制御をほとんど提供しないか、または全く提供しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、粘着材または密閉材の中に混合される別々の成分または組成物を含むカートリッジまたは二連式シリンジをハンドルに取り外し可能に取り付けられた自給式塗布器デバイスを提供することが、望ましくなり得る。デバイスの中で組成物を混合し、組織に対する塗布のための粘着材または密閉材の単一の組成物としてそれらを排出することが可能である自給式塗布器デバイスを有することもまた、望ましくなり得る。塗布器デバイスの中に含まれる成分の混合に対して調整を行うために、組成物のそれぞれに対する圧力の量を変更することが可能である塗布器デバイスを有することが、さらに望ましくなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、双対空気調節スプレー塗布器に関する。双対空気調節スプレー塗布器は、ハンドルと、ハンドルに取り外し可能に取り付けられた二連式シリンジとを有する塗布器アセンブリを含む。双対空気調節スプレー塗布器はまた、塗布器アセンブリに圧力のソースを提供するように塗布器アセンブリに接続された調節器アセンブリを含む。噴霧先端が、ハンドルの遠位端に提供され、かつ、二連式シリンジと流体連通することにより、その中に含まれている成分を混合する。開示された実施形態において、噴霧先端は、二連式シリンジから受け取られた第1の組成物と第2の組成物とを混合するように構成されている。代替の実施形態において、ハンドルと共に使用されるシリンジは、3つ以上の成分を混合するために3つ以上のチャンバまたは円筒を含み得る。
【0005】
開示された実施形態において、二連式シリンジは、第1の円筒と第2の円筒とを含む。各円筒は、近位端において圧力吸入ポートを含み、円筒の遠位端において流体排出ポートを含む。第1の円筒と第2の円筒とは、別個に提供されるか、または単一のユニットとして接合され得る。円筒のそれぞれは、円筒の中を動くことができるように取り付けられたプランジャを含み、該プランジャが、圧力吸入ポートに提供される空気圧に応答して遠位方向に動くことにより、円筒の中に含まれる組成物を流体排出ポートに向けて、流体排出ポートから出るように強制する。噴霧先端は、前記第1の円筒と前記第2の円筒とにおける流体排出ポートと流体連通する。一対のクリップが、ハンドルの中に第1の円筒と第2の円筒とを保持するために、ハンドルに提供される。
【0006】
調節器アセンブリは、第1の円筒に空気圧のソースを提供する第1の調節器と、第2の円筒に空気圧のソースを提供する第2の調節器とを含む。流れ制御ノブが、第1の調節器と第2の調節器とに提供され、該流れ制御ノブは、第1の調節器と第2の調節器とから排出される空気圧の量を変更する。さらに、任意の調節器によって感知された空気圧が所定の量を超える場合に、調節器は全ての調節器からの空気圧を止める安全装置機構を提供される。
【0007】
調節器アセンブリは、さらに、第1の円筒と第2の円筒とから排出される組成物を混合するために、噴霧先端に噴霧空気圧のソースを提供する第3の調節器を含む。開示された噴霧先端は、単一の流体排出ポートを有することにより、混合された組成物、例えば、組織の密閉剤、接着剤、骨セメントなどを排出する。
【0008】
開示された塗布器デバイスの実施形態は、アクチュエータアセンブリを含む。アクチュエータアセンブリは、調節器アセンブリからの圧力の流れを制御する調節器アセンブリと関連付けられたコントローラを含み、コントローラを動作するようにハンドルと関連付けられたアクチュエータも含む。開示された実施形態において、アクチュエータは、ハンドルの中に配置された接触スイッチであり、トリガが、接触スイッチを作動するために前記ハンドルに旋回するように取り付けられる。
【0009】
開示された実施形態において、塗布器デバイスは、噴霧先端の中に少なくとも部分的に配置されたスタティックミキサを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本開示の双対空気調節スプレー塗布器の実施形態が、本明細書において図面を参照して開示される。
【0011】
本開示の双対空気調節スプレー塗布器の実施形態が、図面を参照して詳細に記述され、図面においては、同様な参照番号は、いくつかの図面のそれぞれにおいて同一な要素または対応する要素を示す。当該分野においては一般的であるように、用語「近位」は、ユーザまたはオペレータ、例えば、外科医または内科医により近い部分またはコンポーネントを指し、用語「遠位」は、ユーザからより遠くに離れた部分またはコンポーネントを指す。
【0012】
図1は、本開示の双対空気調節スプレー塗布器または塗布器デバイス10の一実施形態を例示しており、該双対空気調節スプレー塗布器または塗布器デバイス10は、概して、塗布器アセンブリ12と調節器アセンブリ14とを含む。塗布器アセンブリ12は、ハンドル16と、ハンドル16に取り外し可能に取り付けられた二連式シリンジ18とを含む。噴霧先端20が、二連式シリンジ18の両方の部分に含まれる組成物を混合するために提供される。本明細書において使用される場合、組成物および成分という用語は、相互交換可能に使用される。特に、ハンドル16は、細長い部分22と、細長い部分22から垂下するピストルグリップ24とを含む。示されているように、噴霧先端20は、細長い部分22の遠位端26に提供されている。噴霧先端20は、細長い部分22の一体化された部分として形成されるか、または別々のコンポーネントとして形成され得る。単一の排出チューブ28が、噴霧先端20に提供されるか、または噴霧先端20付近に提供されることにより、混合された組成物を組織に塗布する。
【0013】
二連式シリンジ18は、第1の円筒30と第2の円筒32とを含む。第1の円筒30と第2の円筒32とはそれぞれ、2部分から成る混合物の第1の成分と第2の成分とを含むために提供される。第1の円筒30と第2の円筒32とはそれぞれ、別個のコンポーネントとして提供され得るか、または単一のカートリッジタイプのユニットとして接合されて供給され得る。第1の円筒30と第2の円筒32とは、任意の適切な材料、例えば、ステンレス鋼、ガラス、ポリマなどで形成され得る。ガラスまたはポリマ材料で形成されるときには、第1の円筒30と第2の円筒32とのうちのいずれか、または両方が、第1の円筒30および/または第2の円筒32の中に残っている組成物の量を可視的に決定するために透明または半透明であり得る。上に示されたように、二連式シリンジ18は、ハンドル16内に取り付けられる。さらに詳細には、二連式シリンジ18は、ハンドル16の細長い部分22の中に取り付けられる。
【0014】
調節器アセンブリ14は、概して、第1の円筒30に空気圧のソースを提供する第1の調節器34と、第2の円筒32に空気圧のソースを提供する第2の調節器36とを含む。第1の調節器34と第2の調節器36とはそれぞれ、第1の円筒30と第2の円筒32との両方に等しい空気圧を提供するように調整され得るか、または円筒30と円筒32との中に含まれる組成物の混合比率に応じて、第1の円筒30と第2の円筒32とに異なるレベルの空気圧を供給し得る。第1の圧力ライン38が、それの遠位端40において第1の円筒30に接続され、それの近位端42において第1の調節器34に接続される。同様に、第2の圧力ライン44が、それの遠位端46において第2の円筒32に接続され、それの近位端48において第2の調節器36に接続される。第1の圧力ライン38および第2の圧力ライン44は、第1の調節器34および第2の調節器36から第1の円筒30および第2の円筒32のそれぞれに空気圧を伝える。
【0015】
第3の調節器49が提供されることにより、噴霧先端20に空気圧のソースを供給する。第3の圧力ライン50が、第3の調節器49とハンドル16との間に提供される。第3の圧力ライン50の遠位端52は、ピストルグリップ24を貫通して接続され、第3の圧力ライン50の近位端54は、第3の調節器49に接続される。
【0016】
塗布器デバイス10はまた、アクチュエータアセンブリ56を含むことにより、調節器アセンブリ14から塗布器アセンブリ12への空気圧の流れを開始したり、停止したりする。アクチュエータアセンブリ56は、調節器アセンブリ14とトリガ60とに動作するように関連付けられたコントローラ58を含み、該トリガ60は、ピストルグリップ24に取り付けられている。制御ケーブル62が、それの近位端64においてコントローラ58に接続され、それの遠位端66においてピストルグリップ24に接続される。トリガ60を押し下げることが、本明細書において以下でさらに詳細に記述される方法で、コントローラ58に調節器アセンブリ14を動作させる。
【0017】
示されているように、ハンドル16は、第1のクリップ68と第2のクリップ70とを含むことにより、ハンドル16の細長い部分22の中に、第1の円筒30および第2の円筒32をそれぞれ保持する。
【0018】
第1の調節器34と第2の調節器36と第3の調節器49とによって提供される圧力のレベルは、同じ圧力レベルまたは異なる圧力レベルに手動で調整され得る。第1の調整ノブまたは流れ制御ノブ72が、第1の調節器34に提供され、第2の調整ノブまたは流れ制御ノブ74が、第2の調節器36に提供されることにより、圧力レベルを調整する。同様に、第3の調整ノブまたは流れ制御ノブ76が、第3の調節器49に提供されることにより、噴霧先端20に対する圧力レベルを調整する。特に、第3の調節器49を通って流れる空気圧が、動作中に第1のレベルに設定されることにより、噴霧先端20の中において第1の成分と第2の成分とを混合することを促進し得る。さらに、第1の調節器34と第2の調節器36とが停止されたとき、または二連式シリンジ18が存在しない際には、第3の調節器49によって提供される圧力レベルが第2のレベルに設定されることにより、噴霧先端20または排出チューブ28の中に含まれるあらゆる残余の成分を洗浄すること、または取り除くことを容易にし得る。
【0019】
ここで、図2を参照すると、上に示されたように、二連式シリンジ18は、第1の円筒30と第2の円筒32とを含む。第1のプランジャ78が、第1の円筒の中を動くことができるように取り付けられ、第1の円筒32から噴霧先端20の中に第1の成分を排出するように提供される。第1の円筒32は、第1の排出チューブ80を含み、該第1の排出チューブ80は、噴霧先端20と流体連通している。第1の円筒30はまた、第1の圧力ライン38の遠位端40に対する接続のための第1の圧力引込口82を含む。同様に、第2の円筒32は、その中を動くことができるように取り付けられた第2のプランジャ84を含むことにより、噴霧先端20の中に第2の組成物を排出する。第2の円筒32もまた、噴霧先端20と流体連通する第2の排出チューブ86と、第2の圧力ライン44の遠位端46に対する接続のための第2の圧力引込口88とを含む。示されているように、第1の圧力引込口82と第2の圧力引込口88とが肋材を付けられることにより、そこに第1の圧力ライン38と第2の圧力ライン44とを固定する。第1の圧力引込口82と第2の圧力引込口88とのうちの少なくとも1つが、ねじを切られることも想定される。
【0020】
図2を続けて参照すると、二連式シリンジ18は、ハンドル16の中に取り外し可能に取り付けられる。ハンドル16の細長い部分22は、第1の円筒30の受け取りのための第1のチャネル90と、第2の円筒32の受け取りのための第2のチャネル92とを提供される。第1の噴霧ポート94が、第1の排出チューブ80の受け取りのために噴霧先端20に提供される。第2の噴霧ポート96が、第2の排出チューブ86の受け取りのための噴霧先端20に提供される。
【0021】
ハンドル16の中での長手方向の動きに対して二連式シリンジ18を固定するために、第1の円周突起98が第1の円筒30に提供され、ハンドル16における第1のリセス100と係合可能となる。同様に、第2の円周突起102が第2の円筒30に提供され、ハンドル16における第2のリセス104と係合可能となる。他の適切な方法が、ハンドル16の中に二連式シリンジ18を固定するために使用され得る。
【0022】
第3の圧力引込口ポート106が、第3の圧力ライン50の遠位端52に対する接続のために、ハンドル16に提供される。第3の圧力引込口ポート106は、本明細書において以下で詳細に記述される方法で、噴霧先端20と流体連通している。
【0023】
ここで図2、図3および図4を参照すると、ハンドル16の細長い部分22の中で二連式シリンジ18を保持するための第1のクリップ68および第2のクリップ70の動作が、記述されている。示されているように、第1のクリップ68は、直線状の部分108と角度を付けられた部分110とを含む。第1のクリップ68は、細長い部分22に軸旋回するように取り付けられており、直線状の部分108が細長い部分22に形成された第1のリセス112から間隔を空けられた開位置から、直線状の部分108が第1のリセス112の中で実質的に同一平面上にある閉位置まで動くことができる。閉位置において、角度を付けられた部分110が、ハンドル16に形成された第1のチャネル90の中に円筒30を固定する。同様に、第2のクリップ70は、細長い部分22に軸旋回するように取り付けられており、直線状の部分114が第2のリセス118から間隔を空けられた開位置から、直線状の部分114が第2のリセス118の中で実質的に同一平面上にある閉位置まで動くことができる。閉位置において、角度を付けられた部分116が、ハンドル16に形成されたリセス92の中に第2の円筒32を固定する。上に示されたように、二連式シリンジ18の円筒30と円筒32とは、単一のユニットとして提供され得るか、別個に提供され得る。
【0024】
図5Aおよび図5Bを参照すると、第1のプランジャ78および第2のプランジャ84の動作が記述される。図5Aに示されたように、最初の位置において、第1のプランジャ78および第2のプランジャ84は、第1の円筒30および第2の円筒32の中でそれぞれ最近位の位置にある。第1の組成物Aが第1の円筒30の中に含まれ、第2の組成物Bが、第2の円筒32の中に含まれる。
【0025】
ここで図5Bを参照すると、空気圧が、第1の圧力引込口82の中に矢印Cの方向に向かって導入されると、空気圧が第1の円筒30の中で遠位方向に第1のプランジャ78を駆動する。第1のプランジャ78が遠位方向に動くと、第1のプランジャ78が第1の組成物Aを遠位方向に強制し、第1の排出チューブ80の外に矢印Eの方向に向かって強制する。同様に、空気圧が、第1の圧力引込口88の中に矢印Dの方向に向かって導入されると、空気圧が第2の円筒32の中で遠位方向に第2のプランジャ84を駆動することにより、第2の組成物Bを第2の排出チューブ86から矢印Fの方向に向かって強制する。上に示されたように、第1の排出チューブ80および第2の排出チューブ86は、噴霧先端20と流体連通している。従って、第1の組成物Aと第2の組成物Bとが噴霧先端28の中に強制されることにより、その中で混合させられる。
【0026】
図7Aに例示されているように、噴霧先端20の一部分がスタティックミキサ200を含むことが、想定される。例えば、スタティックミキサ200は、排出チューブ28および/または(以下で考察される)噴霧チャンバ120の中に少なくとも部分的に配置され得る。さらに、スタティックミキサ200は、複数のバッフル202などを含み得る。この実施形態において、第1の組成物Aと第2の組成物Bとが、スタティックミキサ200を通るように強制されると、組成物Aと組成物Bとが、バッフル202によって繰り返し分割され、再統合され、実質的に均一な混合物を作り出し得る。この実施形態のバッフル202は、第1の組成物Aと第2の組成物Bとがバッフルを通過しても、実質的に動きのないままであり得る。次に、混合物は標的部位に向けて排出され得る。
【0027】
第1の成分と第2の成分、すなわち、第1の組成物Aと第2の組成物Bとを混合し噴霧し、次に、それらを塗布器デバイス10から排出する塗布器デバイス10の動作が記述される。二連式シリンジ18をハンドル16と組み立てる前に、所望の組成物Aおよび組成物Bを含む円筒30および円筒32を有する適切な二連式シリンジ18が、意図された使用に応じて選択される。図1および図2を参照すると、二連式シリンジ18が、最初に、第1の排出チューブ80を第1の噴霧ポート94の中に配置し、第2の排出チューブ86を第2の噴霧ポート96の中に配置することによってハンドル16の中に挿入される。第1の円周突起98が第1のリセス100の中に配置され、第2の円周突起102が第2のリセス104の中に配置される。上に示されたように、第1の円筒30および第2の円筒32は、ハンドル16の細長い部分22の中に形成された第1のチャネル90および第2のチャネル92の中に受け取られる。その後、二連式シリンジ18は、円筒30および円筒32それぞれの周りを、第1のクリップ68および第2のクリップ70を軸旋回させることによってハンドル16に固定される。
【0028】
図1および図2を参照すると、第1の圧力ライン38の遠位端40が、第1の円筒30における第1の圧力引込口82を覆って配置される。同様に、第2の圧力ライン44の遠位端46が、第2の円筒32における第2の圧力引込口88を覆って配置される。第3の圧力ライン50の遠位端52は、第3の圧力引込口106を覆って配置される。塗布器デバイス10は、コントローラ58に永久的に付着される制御ケーブル62を提供され得るか、または制御ケーブル62から取り外すことができる。
【0029】
図7Aを参照すると、噴霧先端20は、排出チューブ28と流体連通する噴霧チャンバ120を含む。示されているように、円筒30および円筒32の第1の排出チューブ80および第2の排出チューブ86はそれぞれ、噴霧チャンバ120と流体連通している。上に示されたように、第3の圧力引込口106は、噴霧先端20と流体連通し、その結果、噴霧チャンバ120と流体連通する。圧力ボア122が、第3の圧力引込口106から噴霧チャンバ120に延びている。従って、第3の圧力引込口106を通るように強制された空気圧が噴霧チャンバ120の中に導かれることにより、第1の排出チューブ80と第2の排出チューブ86とのそれぞれから排出される組成物Aと組成物Bとの混合および噴霧を促進する。噴霧チャンバ120に対する代替案として、排出チューブ80と排出チューブ86とが、排出チューブ28に直接的に接続されることにより、排出チューブ28の中で組成物を混合し得る。この実施形態において、圧力ボア122がまた、排出チューブ28と直接的に流体連通することにより、排出チューブ28の中の組成物を混合し、排出空気圧のソースを提供する。
【0030】
図8Aを参照すると、アクチュエータアセンブリ56のさらなるコンポーネントが記述される。接触スイッチ124が、ピストルグリップ24の中に配置され、制御ケーブル62に接続される。制御ケーブル62は、ピストルグリップ24の中に入り、グロメット126によってピストルグリップ24の中に支持される。トリガ60は、旋回点128において細長い部分22に軸旋回するように取り付けられている。トリガ60は、塗布器デバイス10を作動するために、ディプレッサ130を接触スイッチ124に対して係合し動かすように軸旋回可能である。ディプレッサ130は、スプリング132によって接触スイッチ124から離れるように付勢される。
【0031】
ここで図6、図7Bおよび図8Bを参照すると、塗布器デバイス10を作動させるために、調節器の流れ制御ノブ76、流れ制御ノブ74、および流れ制御ノブ72が、適切なレベルに設定される。トリガ60がスプリング132の付勢に抵抗して押し下げられ、圧低器130を動かし、接触スイッチ124と係合する。これが、コントローラ58を作動させ、次に、該コントローラ58が、第1の調節器34を作動させ、空気圧ソースの第1のソースを圧力ライン38を介して第1の円筒30に提供し、そして、第2の調節器36を作動させ、該第2の調節器36は、空気圧の第2のソースを圧力ライン44を介して第2の円筒32に提供する。円筒30および円筒32内の空気圧が、プランジャ78およびプランジャ84を遠位方向に駆動し、第1の組成物Aおよび第2の組成物Bを、プランジャ78およびプランジャ84それぞれの排出チューブ80および排出チューブ86に向けて強制する。このようにして、第1の組成物Aおよび第2の組成物Bが、噴霧先端20の噴霧チャンバ120の中に強制される。
【0032】
トリガ60が押し下げられると、トリガ60は第3の調節器49も作動させ、該第3の調節器49は、圧力ライン50および細長い部分22内の圧力ボア122を通り、噴霧チャンバ120に入る空気圧の流れをもたらす。空気圧が噴霧チャンバ120の中に強制されると、空気圧は、組成物Aと組成物Bとを混合し噴霧することにより、単一の組成物A+Bを形成し、該単一の組成物A+Bは、組織または骨に対する塗布のために、塗布器デバイス10から排出チューブ28を通って排出される。
【0033】
オペレータが、物質、例えば、組織接着剤または密閉剤、骨セメントなどを塗布する塗布器デバイス10を使用することを終了すると、トリガ60が解放され、それにより塗布器デバイスの作動を停止する。その後、クリップ68とクリップ70とが細長い部分22から離れるように軸旋回させられることにより、二連式シリンジ18を取り外し得る。塗布器デバイス10のさらなる使用が必要である場合には、再び、トリガ60が押し下げられ、第3の調節器49から噴霧チャンバ120および排出チューブ28の中に入る空気の流れに、その中に含まれるあらゆる残余の組成物を取り除かせる。さらなる組成物または異なる組成物を含む次の二連式シリンジ18が、ハンドル16の中に設置され、手順が繰り返され得る。
【0034】
噴霧先端20、または塗布器デバイス10の別の適切な部分が使い捨てであることが想定される。噴霧ポート94および噴霧ポート96が、細長い部分22の遠位端26の近くに挿入可能である取り外し可能なインサート(図示せず)に配置されることがさらに想定される。インサートもまた使い捨てであり得る。
【0035】
様々な改変が、本明細書において開示された実施形態に行われ得ることが理解される。例えば、開示された塗布器デバイスは、2つの組成物を混合するために二連式シリンジを使用するが、複数のバレルのシリンジが、追加の調節器と共に提供されることにより、塗布器デバイスを介して3つ以上の組成物を混合し得ることもまた想定される。さらに、上に示されたように、噴霧チャンバの使用に対する代替案として、円筒の排出チューブが、噴霧先端の排出チューブの中に直接的に導かれ、空気圧の第3のソースが、噴霧先端の排出チューブの中に直接的に導かれることにより、排出チューブの中で直接的に組成物を混合し得る。さらに、塗布器デバイスおよび調節器デバイスは、圧力ラインおよび制御ラインによって接続された別々のユニットとして記述されてきたが、コントローラを含む調節器アセンブリは、単一の小型のユニットとして塗布器アセンブリの中に完全に含まれ得る。さらにまた、流体もしくは気体、例えば、食塩水、油など、またはそれらの組み合わせを駆動する他のソースが、圧力を駆動するソースとしての空気の代替案として、または圧力を駆動するソースとしての空気と組み合わせて使用され得る。従って、上の記述は、限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内で他の改変を想定し得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従った塗布器アセンブリの斜視図である。
【図2】図2は、図1の塗布器アセンブリの斜視図であり、二連式シリンジがピストルグリップハンドルから分離されている。
【図3】図3は、図1および図2の塗布器アセンブリの上面図である。
【図4】図4は、図1〜図3の塗布器アセンブリの側面図である。
【図5A】図5Aは、図1〜図4の塗布器アセンブリの二連式シリンジの斜視図である。
【図5B】図5Bは、動作中の、図1〜図5Aの塗布器アセンブリの二連式シリンジの斜視図である。
【図6】図6は、動作中の、図1〜図5の塗布器アセンブリの斜視図である。
【図7A】図7Aは、部分的に断面で示され、かつ、作動前の、図1〜図6の塗布器アセンブリの上面図である。
【図7B】図7Bは、部分的に断面で示され、かつ、作動中の、図1〜図7Aの塗布器アセンブリの上面図である。
【図8A】図8Aは、部分的に断面で示され、かつ、作動前の、図1〜図7の塗布器アセンブリの側面図である。
【図8B】図8Bは、部分的に断面で示され、かつ、作動中の、図1〜図8Aの塗布器アセンブリの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科処置における使用のための塗布器デバイスであって、該塗布器デバイスは、
ハンドルと、該ハンドルに取り外し可能に取り付けられた二連式シリンジとを有する塗布器アセンブリと、
該塗布器アセンブリに圧力のソースを提供するように該塗布器アセンブリに接続された調節器アセンブリと
を備えている、塗布器デバイス。
【請求項2】
前記ハンドルの遠位端に提供され、かつ、前記二連式シリンジと流体連通する噴霧先端をさらに備えている、請求項1に記載の塗布器デバイス。
【請求項3】
前記噴霧先端は、前記二連式シリンジから受け取られた第1の組成物と第2の組成物とを混合するように構成されている、請求項2に記載の塗布器デバイス。
【請求項4】
前記二連式シリンジは、第1の円筒と第2の円筒とを含み、各円筒は、近位端において圧力吸入ポートを含み、遠位端において流体排出ポートを含む、請求項1に記載の塗布器デバイス。
【請求項5】
前記第1の円筒と前記第2の円筒とは、少なくとも部分的には互いから離される、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項6】
前記第1の円筒と前記第2の円筒とは接合される、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項7】
前記第1の円筒と前記第2の円筒とのそれぞれは、その中を動くことができるように取り付けられたプランジャを含む、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項8】
前記ハンドルは、一対のクリップを含み、各クリップは、前記第1の円筒と前記第2の円筒とのうちの1つを該ハンドルの中に保持する、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項9】
前記ハンドルの遠位端に提供された噴霧先端をさらに備え、該噴霧先端は、前記第1の円筒と前記第2の円筒とにおける流体排出ポートと流体連通する、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項10】
前記調節器アセンブリは、前記第1の円筒に圧力のソースを提供する第1の調節器と、前記第2の円筒に圧力のソースを提供する第2の調節器とを含む、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項11】
前記第1の調節器と前記第2の調節器とはそれぞれ、前記第1の円筒と前記第2の円筒とのうちのいずれかにおける圧力が、所定のレベルを超えたときには、該第1の円筒と該第2の円筒とに圧力のソースを停止するように構成された安全装置機構を含む、請求項10に記載の塗布器デバイス。
【請求項12】
前記第1の調節器と前記第2の調節器とのうちの少なくとも1つが、そこから排出される圧力の量を変更するように調整可能である、請求項10に記載の塗布器デバイス。
【請求項13】
前記調節器アセンブリは、前記二連式シリンジの中に含まれる第1の組成物と第2の組成物とを混合するために、前記ハンドルの遠位端に形成された噴霧先端に噴霧圧のソースを提供する第3の調節器を含む、請求項4に記載の塗布器デバイス。
【請求項14】
前記噴霧先端は、単一の流体排出ポートを有する、請求項2に記載の塗布器デバイス。
【請求項15】
前記調節器アセンブリからの圧力の流れを制御するように該調節器アセンブリと関連付けられたコントローラと、該コントローラを動作するように前記ハンドルと関連付けられたアクチュエータとを有するアクチュエータアセンブリをさらに備えている、請求項1に記載の塗布器デバイス。
【請求項16】
前記アクチュエータは、前記ハンドルに取り付けられたトリガと、接触スイッチとを含む、請求項15に記載の塗布器デバイス。
【請求項17】
前記噴霧先端の中に少なくとも部分的に配置されたスタティックミキサをさらに備えている、請求項2に記載の塗布器デバイス。
【請求項18】
外科処置における使用のための塗布器デバイスであって、該塗布器デバイスは、
ハンドルと、該ハンドルに取り外し可能に取り付けられた二連式シリンジとを有する塗布器アセンブリであって、該二連式シリンジは、第1の円筒と第2の円筒とを含み、各円筒は、近位端において圧力吸入ポートを含み、遠位端において流体排出ポートを含む、塗布器アセンブリと、
該第1の円筒の中に含まれる第1の成分を射出するために該塗布器アセンブリに圧力のソースを提供し、該第2の円筒の中に含まれる第2の成分を射出するために該塗布器アセンブリに圧力のソースを提供するように、該塗布器アセンブリに動作可能に接続された調節器アセンブリと、
該ハンドルの遠位端に提供され、かつ、該二連式シリンジの該流体排出ポートと流体連通する噴霧先端であって、該噴霧先端は、該第1の成分と該第2の成分とを混合するように構成されている、噴霧先端と
を備えている、塗布器デバイス。
【請求項19】
前記調節器アセンブリは、前記第1の円筒に空気圧を提供する第1の調節器と、前記第2の円筒に空気圧を提供する第2の調節器とを含む、請求項18に記載の塗布器デバイス。
【請求項20】
前記調節器アセンブリは、前記噴霧先端に空気圧を提供する第3の調節器を含む、請求項18に記載の塗布器デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2009−531142(P2009−531142A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502962(P2009−502962)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/007614
【国際公開番号】WO2007/126845
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】