説明

取付け面にユニットを振動が減衰されるように配置するための装置並びにこのような装置を備えたユニット

本発明は取付け面にユニットを振動が減衰されるように配置するための装置(22)に関する。公知の装置(22)は吊鐘状のケーシング(40)と、該ケーシング(40)内に配置された、振動を減衰する材料から成る振動減衰体(44)と、該振動減衰体(44)に受容された剛性のコア(56)と、該コア(56)並びに前記ケーシング(40)に配属された固定手段(82)とを有している。
本発明によれば前記振動減衰体(44)を鉢形に構成し、前記コア(56)と一緒に外径を少なくとも一度減径すること並びに前記ケーシング(40)の開放側に閉鎖装置(60)を備えることが提案されている。これによって構成部分の間には形状による接続が形成されるようになった。提案された当該装置(22)はこれにより、前記ユニット(10)に対する引っ張り及び圧縮力を同様に減衰することができるようになった。又、このような複数の振動減衰装置(22)は前記ユニット(10)の1つの共通の外面に配置可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1に記載した形式に相応する装置もしくはこのような装置を備えた、請求項10に記載した形式のユニットから出発している。このような装置は既にDE3941401C1号によって公知である。この公知の装置は図1に示されているように、アンチスキッドブレーキシステムの液圧ユニットを自動車の車体に、ブラケットと、該ブラケットと液圧ユニットとの間の結合装置としての当該装置とを用いて配置する形式で開示されている。前記公知の装置は吊鐘形の、片側に向かって開放したケーシングと、該ケーシング内に受容された、振動を減衰する材料から成る振動減衰体と、前記液圧ユニットに結合されかつ振動減衰体内に支承された円筒形のコアとを有している。吊鐘状のケーシングはねじ結合の形をした一般的な第1の固定手段でブラケットに固定され、第2の固定手段は当該装置を液圧ユニットに固定するためのピン結合を形成している。液圧ユニットを支承するためには図2によれば前記形式の装置は全部で3つ設けられている。これらの装置は液圧ユニットの互いに対向する2つの外面に配置されている。この理由は個々の装置は不都合な形式で、液圧ユニットに一空間方向で作用する力しか吸収もしくは減衰できないことにある。反対方向に作用する力を減衰するためにはしたがって、同形式の装置が互いに向き合って位置するように配置される。もちろん、このような配置は自動車への液圧ユニットの組込みを困難にする。さらに欠点であることは、公知の装置はあらかじめ組立可能な構成グループではなく、該構成グループの単個部品は複数の作業工程で結合されなければならないことである。自動車における組込み状態に関連して前記組立プロセスは時間がかかり、相応してコスト高である。
【0002】
発明の利点
請求項1の特徴を有する本発明による装置は、反対の空間方向に作用する力が唯一の装置によって同様に吸収され得るという利点を用している。これによってユニットを支承するために必要な装置は当該ユニットの共通の側に配置することができ、自動車における当該ユニットの取付けは容易になる。さらにたいていの場合には本発明による当該装置は2つで十分である。しかも、当該装置はあらかじめ組立可能でかつ自動車内に液圧ユニットを組込む前にすでに液圧ユニットに取付けられることができる。このように準備された液圧ユニットは自動車製造者のもとで少ない手間で組込まれることができる。すなわち当該装置の組立は不要である。したがって全体として単個部材は節減され、組立プロセスは著しく容易化される。
【0003】
請求項4によれば当該装置をユニットに係留するために設けられた固定手段がユニットの孔にプレス嵌め可能でかつ当該装置のケーシングに固定可能であるピンであると特に有利である。これによりプレス嵌め過程に必要な力は直接的にケーシングを介してピンに伝達されることができるので、弾性的な振動減衰体が過度に圧縮されかつプレス嵌め過程によって損傷されることもない。
【0004】
請求項5に記載されているように第2の固定手段をばね端部の間に配置された拡開体を有する、ループ状に曲げられた曲げばねとして構成することは、これに合わせて自動車側のブラケットを構成することにより、ユニットを工具なしで形状接続によって固定することを可能にする。請求項7の特徴によって拡開体は紛失しないように固定手段に保持されるので廃棄される必要のある過剰な構成部分は生じない。
【0005】
本発明の別の利点又は有利な構成は他の従属請求項又は以後の記述に開示してある。
【0006】
実施例の説明
図1にはアンチスキッドブレーキシステムの液圧ユニット10の斜視図が示されている。この液圧ユニット10はケーシングブロック12と、該ケーシングブロック12にねじ結合された電気モータ14と、該電気モータ14に向き合って位置する電気的な制御装置16とを有している。電気モータ14はケーシング40の内部に支承された、図1には見えない駆動装置を介して同様に認知できないポンプエレメントを駆動する。このポンプエレメントは液圧式の圧力媒体回路に圧力を発生させる。圧力媒体はマスタブレーキシリンダと該マスタブレーキシリンダに接続された圧力媒体貯蔵タンクを介して液圧ユニット10に対し準備される。このためには液圧式の接続部18が役立つ。制御装置16は装置ソケット20を介して電気的に接触可能であり、ケーシングブロック12内に配置された、同様に図示されていない液圧弁の制御に役立つ。この液圧弁はケーシングブロック12の内部の通路の間の圧力媒体接続を制御する。前記通路にはブレーキ導管を介して車輪ブレーキシリンダが接続可能である。このために液圧ユニット10において必要な液圧式の接続部は同様にケーシングブロック12に設けられているが、図1には示されていない。ポンプエレメントの運転及び液圧弁の調整過程に基づき、液圧ユニット10における圧力変動が発生する。この圧力変動は液圧ユニット10の固定を介して自動車の車体に伝達され、自動車の乗客により不快に感受される惧れがある。
【0007】
自動車の車体への圧力変動の伝達を減衰するためには図1によれば液圧ユニット10は本発明による振動減衰装置22を介してブラケット24に固定されている。この場合の前提条件は前記ブラケット24が自動車側に係留されていることである。全部で2つの振動減衰装置22が存在し、これらの振動減衰装置22は、電気モータ14が配置されている液圧ユニット10の外面に一緒に固定されている。車体側のブラケット24はアングルブラケット24として構成され、液圧ユニット10のケーシングブロック12の、接続部18に向き合った下面に対しわずかな間隔をおいて配置されたベースプレート26と、これからほぼ垂直に電気モータ14に向かって折曲げられた保持体28とを有している。この保持体28は振動減衰装置22のための受容部を形成し、電気モータ14の両側に配置され、ベースプレート26から電気モータ14の中心軸線のすぐ下の高さまで延びている。保持体28は2つの上方に開いた長手方向スリット30を有し、該長手方向スリット30には振動減衰装置22から突出する、ナット32を備えたねじピンが挿込まれている。該ナット32によって振動減衰装置22とブラケット24は互いにねじ結合される。本発明による振動減衰装置22の、ねじピン34とは反対側の端部は、液圧ユニット10のケーシングブロック12と結合、有利にはプレス結合されている。さらにブラケット24のベースプレート26にはケーシングブロック12の下側で、振動減衰材料から成る支持エレメント36が係留されている。この支持エレメント36はリング状に構成され、図示されていない、外へ開放した環状のリング溝を有している。このリング溝を介して支持エレメント36は相応する寸法の与えられたベースプレート26の切欠き内に固定されている。液圧ユニット10は支持エレメント36の、前記切欠きから突出する、ケーシングブロック12に向いた区分に支持されかつ浮遊する支承装置を構成するために、突出しかつ支持エレメント36を貫通するピン38を備えている。
【0008】
図2には本発明による振動減衰装置22は1つの可能な実施形態で縦断面図で示されている。この振動減衰装置22は有利には金属から成るほぼ吊鐘状のケーシング40から成っている。ケーシング40の閉鎖端部からはその長手軸線に対し同軸的にねじピン34が突出し、該ねじピン34の上にはナット32が螺合させられている。ナット32はシム円板42と協働する。振動減衰装置22のケーシング40の内部には振動減衰材料、例えばエラストマから成る振動減衰体44が受容されている。この振動減衰体44は底における切欠きを除いて鉢形に構成されている。振動減衰体44の閉じられた端部はケーシング40の閉じられた端部に接触する。さらに振動減衰体44は外径においても内径においても一度減径されている。この場合、内径における減径は円錐部として構成されているのに対し、外径における減径は直角に行なわれている。さらに振動減衰体44においてはこれにより垂直な肩54が形成されている。振動減衰体44の内部には円筒形の横断面を有する剛性のコア56が受容されている。このコア56の輪郭は振動減衰体44の内輪郭に合わせられている。これに応じてコア56は外径の大きい区分と外径の小さい区分とに分けられる。この場合、両方の区分の間の移行部は同様に円錐形に構成されている。直径の大きい区分はケーシング40の閉じた端部に向いた側に位置しているのに対し、直径の小さい区分は軸方向でケーシング40の開放端部から突出し、突出する前記区分で、液圧ユニット10のケーシングブロック12における、前記区分のために設けられた、袋孔形状の受容孔58にプレス嵌めされる。プレス嵌め量はなかんづく、同様に振動減衰装置22のケーシング40を越えて突出する振動減衰体44の、減径された外径を有する部分領域の長さによって決定される。振動減衰装置22のケーシング40はその開放端部にて、閉鎖装置60、例えばケーシング40の内部へ押込まれるリング円板62とそれに接触する支え円板64の形をした閉鎖装置で閉鎖される。支え円板62は場合によっては省略することができる。すなわち択一的に閉鎖装置60はケーシング40の縁曲げ部として構成されていることができる。図2による実施例においては、閉鎖装置60はケーシング40の内部に固定される限り、閉鎖装置60の内側にある端面で振動減衰体44の肩54に接触させられている。この関係に基づき構成エレメント:ケーシング40、振動減衰体44及びコア56は形状接続で1つの構成ユニットに纏められる。これにより引っ張り力も圧縮力も個々の振動減衰装置22により一様に吸収される。ケーシング40の底はその中央に肉厚部66を備えている。この肉厚部66はケーシング内部に向かってピン状の突起68として構成されている。この突起68は振動減衰体44の底における切欠きに係合し、これによりケーシング40と振動減衰体44との間のセンタリングを行なう。液圧ユニット10のケーシングブロック12の受容孔58に振動減衰装置22を押込む場合には押込み力はケーシング40を介してコア56に伝達される。この場合、振動減衰体44はケーシング40の底における突起68とコア56との間に存在する遊びが除かれかつ突起68がコア56に直接的に接触するまで弾性的に変形される。存在する遊びは振動減衰体が押込み過程で損傷を受けることがないように選択されている。前記突起とは反対側にてケーシング底の肉厚部66は円錐を形成している。さらに、手段32を介して液圧ユニット10が前記ブラケット24とねじ結合されると直ちに、図1に示されているように振動減衰装置22はブラケット24の長手方向スリット30内でセンタリングされる。
【0009】
図3には同様に、本発明による振動減衰装置22の別の実施例が長手方向断面図で示されている。この実施例の振動減衰装置22も、吊鐘形のケーシング40と、該ケーシング40内に配置された振動減衰体44と、該振動減衰体44に受容されたコア56とから構成されている。この場合にも各固定手段82はケーシング40とコア56とに配属されている。この場合には図2の実施例とは異ってピン70はケーシング40にかつねじピン34はコア56に配置されている。固定手段82の配置を前記の如く変更することにより振動減衰装置22をプレス嵌めするために必要な押込み力は直接的にケーシング40を介して、突出するピン70に伝達され、振動減衰体44の変形は行なわれない。これにより振動減衰体44における損傷は回避される。図2の実施例に対する別の相違は、この振動減衰装置22において、ケーシング40が振動減衰体44に向いた内壁に、表面構造72、例えば細溝を備えていることである。同様に、択一的にコア56及び/又は振動減衰体44自体がその互いに向き合った周面に任意の表面構造72を備えていることもできる。この処置によってコア56と振動減衰体44とケーシング40との間の形状接続が改善され、これらの構成部材の間に相対運動が行なわれることなく、ナット32とねじピン34との間の回転モーメントを増大させることができる。これによりナット32として、それ自体一般的に公知である自縄作用を有するナットを使用することができるようになる。このナットはその高められた引締め回転モーメントに基づき、自動的な弛みに対する付加的な安全性を有する。さらなる相違はコア56がナット32に向いた側に第2の拡径部74を有し、この拡径部74が長手方向軸線の方向で第1の拡径部76に対し間隔を有していることである。第2の拡径部74は第1の拡径部76に向いた側では円錐形に面取りされているが、反対側では垂直に切り立った面を有している。これにより形成された肩78は液圧ユニット10が組込まれた状態で、ナット32とは反対側で保持体28に面接触させられる。保持体28の長手方向スリット30において振動減衰装置22をセンタリング(図1)するためには、いまや、ナット32に保持体側で設けられたセンタリング円錐部80が役立つ。振動減衰装置22のケーシング40は肉厚部66のない底を有し、これにより図2の実施例におけるものよりも価格的に好適に製造される。
【0010】
図4の実施例はブラケット24の保持体28と協働する固定手段82の特に有利な構成を示している。前記固定手段82は、工具を使用することなく、液圧ユニット10を形状接続でブラケット24に係留することを可能にする。これにより、自動車内への液圧ユニット10の取付け過程はさらに簡易化される。このためには先きの実施例において使用されているナット32の代りに曲げばね84が設けられている。この曲げばね84は相互に負荷可能な2つのばね端部86、87を有する開放ループ形に曲げられたばねエレメントである。液圧ユニット10に向いたばね端86は振動減衰装置22のケーシング40に係留されているのに対し、これとは反対側の第2のばね端87は前記第1のばね端86に対し相対的に運動可能である。この相対運動可能なばね端87はその開放端部の領域にて内側に、突出する固定突起88を備えている。この固定突起88は液圧ユニット10が取付けられた状態で、ブラケット24の保持体28における対応する切欠きに係合する。液圧ユニット10をブラケット24に取付けるためには、ブラケット24の保持体28は固定突起88が係合するまで両方のばね端86、87の間に押込まれる。ばね端86、87の間に保持体88を導入することを可能にするためには曲げばね84の前記ばね端部86、87は曲げばね84が取付けられていない状態で細長い拡開部材92によって拡開される。拡開度は拡開部材92の肉厚のヘッド94によって決められる。このヘッド94は曲げばね84の閉じた端部に向けられ、保持体28の材料厚さよりもいくらか大きく設計されている。保持体28を曲げばね84の開放端部に導入することで拡開部材92のヘッド94が曲げばね84の曲率半径の領域に達するまで、拡開部材92は両方のばね端部86、87の間に、曲げばね84の閉じた端部に向かって押込まれる。前記曲率半径の領域は拡開部材92のヘッド94を完全に受容するので、固定手段84はスナップ式に閉鎖する。拡開部材92と曲げばね84の両方のばね端部86、87はいずれも一貫した細長い切欠き96を備えている。この切欠き96を通って振動減衰装置22のケーシング40に形成されたピン34が貫通するので、拡開部材92はブラケット24に液圧ユニット10が固定されたあとでも紛失しないように保持される。本実施例のピン34はねじピンとして構成されている。これは種々の自動車製造者に、記述した純形状接続的な固定の可能性の他に、ねじピンの上に螺合させられたナット32を用いた純摩擦接続的な固定の可能性及び前記固定の可能性の組み合わせへの道を開く。
【0011】
自動車の車体へ液圧ユニット10を係留する別の可能性は図5に示されている。図5にはアンカプレート98と、該アンカプレート98に固定された垂直に起立する控えボルト100とが示されている。控えボルト100は円筒形の横断面を有し、アーチ状に丸味の付けられた自由端部を有し、その外周面に沿って、軸方向に間隔をおいて位置する円錐形の環状の係止フック102を備えている。アーチ状の端部とは反対側に位置する第2の端部の領域に一体成形されたリング鍔104で控えボルト100はアンカプレート98に支えられる。アンカプレート98は切欠き106を備え、この切欠き106内には控えボルト100が区分的に挿入されている。このように構成されたアンカプレート98は自動車製造者により液圧ユニット10の予定されている取付け場所に取付けられる。この場合には、図5には明確に示されていない液圧ユニット10が先きに記述した振動減衰装置22を用いてブラケット24に固定されていることが前提条件となっている。ブラケット24は図5においては区分的に示されかつ係止部材108を備えており、この係止部材108は控えボルト100と協働する。この係止部材108は振動減衰作用を有する材料、例えばエラストマから成る振動減衰リング110から成り、環状の外に向かって開いたリング溝112を有している。リング溝112はその溝幅に関してブラケット24の壁厚さに適合させられている。さらに溝底は主としてブラケット24における一貫した切欠きの直径に相応しており、したがって振動減衰リング110は前記切欠きにおける前記リング溝112を介して半径方向にも軸方向にも固定可能である。振動減衰リング110の開口内にはさらに保持ブッシュ116が挿入されている。この保持ブッシュ116はその端部に環状の鍔118を有し、この鍔118は振動減衰リング110の一方の端面に面接触する。保持ブッシュ116の、鍔118とは反対側の端部には、組立方向に抗して円錐形に構成された、半径方向外方へ突起した係止フック120が一体成形されている。この係止フック120は振動減衰リング110の内側における対応するアンダカット部に係合する。保持ブッシュ116は振動減衰リング110に較べて比較的に剛性である構成部分であるので、保持ブッシュ116をこの振動減衰リング110内に組込んだあとで係止部材108は確実にブラケット24に係留される。さらに保持ブッシュ116はその内側に同様に軸方向に相前後して、控えボルト100の係止フック102とは反対に向けられた、同じ幾何学的な形状の係止フック102が多数設けられている。これにより、控えボルト100と係止部材108は比較的にわずかな、控えボルト100の長手方向に作用する力によって嵌合させられかつ相互に固定される。これにより、控えボルト100と係止部材108は液圧ユニット10で装備されたブラケット24と自動車側に取付けられたアンカプレート98との間に確実な形状接続を可能にする。記述した差込結合の最終状態で、振動減衰リング110はストッパ118とは反対側の端部で控えボルト100のリング鍔104に接触する。振動減衰体44と係止部材108における振動減衰リング110とに基づき、液圧ユニット10は振動技術的に自動車の車体から効果的に遮断される。ポンプエレメントの作動及び/又は液圧ユニット10の電磁弁の制御によって場合によって惹起される振動は効果的に減衰され、自動車の乗員によって運転騒音として感受されることはほとんどなくなる。例えばサービスを目的として液圧ユニット10を取外すためには先きに記述した、液圧ユニット10に固定された振動減衰装置22とブラケット24との間の結合が解消される。
【0012】
もちろん、本発明の基本思想を逸脱することなしに、記述した実施例の変更又は補完も可能である。これに関連して振動減衰装置22の振動減衰体44に、剛性のコア56の取付けを改善するためにその長手方向に沿ってスリットを設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による装置によって自動車のブラケットに固定されたアンチスキッドブレーキシステムの液圧ユニットを示す斜視図。
【図2】本発明による装置の第1実施例の縦断面図。
【図3】本発明の第2実施例の縦断面図。
【図4】本発明の第3実施例の縦断面図。
【図5】本発明の特に有利な実施例を示した図。
【符号の説明】
【0014】
10 液圧ユニット
12 ケーシングブロック
14 電気モータ
16 制御装置
18 接続部
20 装置ソケット
22 振動減衰装置
24 ブラケット
26 ベースプレート
28 保持体
30 長手方向スリット
32 ナット
34 ねじピン
36 支え部材
38 ピン
40 ケーシング
42 シム円板
44 振動減衰体
54 肩
56 コア
58 受容孔
60 閉鎖部
62 リング円板
66 肉厚部
68 突起
70 ピン
72 表面構造
74 拡径部
76 拡径部
78 肩
80 センタリング円錐部
82 固定手段
84 曲げばね
86、87 ばね端部
92 拡開部材
98 アンカプレート
100 控えボルト
106 切欠き
102 係止フック
108 係止部材
110 振動減衰リング
112 リング溝
116 保持ブッシュ
118 鍔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け面、特に自動車の車体にユニット、特にブレーキシステムの液圧ユニットを振動が減衰されるように配置するための装置(22)であって、ほぼ吊鐘形のケーシング(40)と該ケーシング(40)の内部に配置された振動を減衰する材料から成る振動減衰体(44)と、該振動減衰体(44)内に支承されたコア(56)と、該コア(56)及び前記ケーシング(40)に配属された固定手段(82)とを有している形式のものにおいて、前記振動減衰体(44)がほぼ鉢形に構成されかつ外径及び内径にて少なくとも1度減径された輪郭を有しており、前記振動減衰体(44)のほぼ閉じられた端部が前記ケーシング(40)の閉じられた端部に接触しており、前記コア(56)か前記振動減衰体(44)の輪郭に合わせられて、同様に外径にて少なくとも一度減径されており、前記コア(56)の外径の大きい端部が前記ケーシング(40)の閉じた端部に向けられており、前記ケーシング(40)が開放側に閉鎖装置(60)を備えており、該閉鎖装置(60)に前記振動減衰体(44)の減径された輪郭によって形成された肩(54)が接触していることを特徴とする、ユニットを振動が減衰されるように配置するための装置。
【請求項2】
前記閉鎖装置(60)が前記ケーシング(40)の縁曲げによって形成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記閉鎖装置(60)が前記ケーシング(40)の開放端部に固定されたリング円板(62)を有している、請求項1記載の装置。
【請求項4】
当該振動減衰装置(22)を前記ユニット(10)に係留するために設けられた第1の固定手段(82)が前記ユニット(10)の対応配置された孔にプレス嵌め可能なピン(70)であって、このピン(70)が振動減衰装置(22)の吊鐘状のケーシング(40)に対応配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記ユニット(10)を取付け面に係留するために設けられた当該振動減衰装置(22)の第2の固定手段(82)が2つの互いに相互に負荷可能なばね端部(86、87)を有する開いたループを成して曲げられた曲げばね(84)であり、前記ばね端部(86、87)の一方(86)が当該振動減衰装置(22)に係留されており、第2のばね端部(87)が前記第1のばね端(86)に対して相対的に運動可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記第2のばね端部(87)が内方へ突出する固定突起(88)を有し、両方の前記ばね端部(86、87)の間に拡開体(92)が移動可能に配置され、この拡開体(92)がその基本位置で前記ばね端部(86、87)を拡開させる、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記曲げばね(84)のばね端部(86、87)と前記拡開体(92)とが貫通する切欠き(96)を備え、この切欠き(96)を、前記ケーシング(40)から軸方向に突出するピン(34)が貫通している、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記振動減衰装置(22)の前記振動減衰体(44)がその長手方向にスリットを有している、請求項1から7までの装置。
【請求項9】
前記ケーシング(40)及び/又は前記コア(56)及び/又は振動減衰体(44)が互いに向き合った面に表面構造(72)、例えば細溝を備えている、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
ユニット、特にアンチスキッド装置の液圧ユニットであって、ケーシングブロック(12)と該ケーシングブロック(12)に固定された、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(22)を有する形式のものにおいて、前記装置(22)が前記ユニット(10)の共通の外面に固定されていることを特徴とするユニット。
【請求項11】
前記ユニット(10)が直接ブラケット(24)で取付け面に係留されており、この場合、前記ブラケット(24)がベースプレート(26)と、該ベースプレート(26)に対しほぼ垂直に起立した、当該装置(22)を固定するための保持体(28)とを有するアングルブラケットとして構成されている、請求項11記載のユニット。
【請求項12】
前記ベースプレート(26)に付加的に少なくとも1つの、振動を減衰する支え部材(36)が当該装置(22)に対し軸方向の間隔をおいて配置されており、前記支え部材(36)がリングの形を有し、該リングが外に向かって開放した環状の溝で、前記ベースプレート(26)の一貫した切欠きに保持されており、前記ユニット(10)が前記ベースプレート(26)に向いた側に、このリングを少なくとも部分的に貫通するピン(38)を有している、請求項11記載のユニット。
【請求項13】
前記取付け面が控えボルト(100)で装備されたアンカプレート(98)によって形成されており、前記ブラケット(24)が前記アンカプレート(98)の控えボルト(100)に対応配置された係止部材(108)を有し、この場合、前記係止部材(108)が前記ブラケット(24)の孔へ挿入可能な、振動を減衰する減衰リング(110)と前記減衰リング(110)に形状接続的に保持された保持ブッシュ(116)とを有し、前記控えボルト(100)と前記保持ブッシュ(116)とが互いに係止可能である、請求項11又は12記載のユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−501417(P2006−501417A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540519(P2004−540519)
【出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003231
【国際公開番号】WO2004/031012
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】