説明

取付システム

【課題】ブレードをロータ本体へ取り付けるために取付システムを提供する。
【解決手段】アンカー76と、半径方向外側へ延びブレード70の基部へ結合したピッチ変化ロッド75とを含むピッチ制御機構を有する。アンカー及びロッドは、ロッドの縦軸線周りに回動可能である。ピッチ制御機構は、ブレードとアンカー間のトルク伝達構造を含み、ブレードとアンカー間の相対的な半径方向の動きを許容しトルク伝達構造を通じてピッチ変化トルクをブレードへ伝達する。ブレードピッチの変化を許容しブレード遠心荷重をロータ本体71へ伝達する主軸受構造80a、80bを有する。ブレードピッチの変化中のアンカーおよびロッドの回動を許容しピッチ変化機構遠心荷重をロータ本体へ伝達する副軸受構造81を有する。主軸受装置および副軸受装置によりアンカーとブレードとの半径方向の間隔が維持される。主軸受構造の損傷時にブレード遠心荷重をロータ本体へ逸らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラブレードをロータ本体へ取り付けるための取付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、二軸・二重反転プロペラガスタービンエンジンが、概して符号10で示されると共に、主軸線である回転軸線9を有している。このエンジン10は、コアエンジン11を備えている。そのコアエンジン11は、軸流方向へ直列に、吸気口12、低圧圧縮機14(LPC)、高圧圧縮機15(HPC)、燃焼装置16、高圧タービン17(HPT)、低圧タービン18(LPT)、出力タービン19(FPT)、およびコア排気ノズル20を有している。ナセル21が、コアエンジン11を概して取り囲むと共に、吸気口12およびノズル20、並びにコア排気ダクト22を画成している。エンジン10は、2つの反転式プロペラ(二重反転プロペラ)23,24をも備えている。それらのプロペラ23,24は、出力タービン19に取り付けられ、このタービン19によって駆動される。出力タービン19は、二重反転ブレード列25,26を備えている。但し別の構成において、出力タービンは、遊星歯車箱によって二重反転プロペラを駆動する単回転タービン(single rotation turbine)であってもよい。
【0003】
ガスタービンエンジン10は、吸気口12へ進入する空気が、LPC14によって加速および圧縮されて、HPC15内へと差し向けられ、そこで更なる圧縮が行われるように、従来のやり方で作動する。HPC15から排気された圧縮空気は、燃焼装置16内へと差し向けられて、そこで燃料と混合され、その混合気が燃焼させられる。その結果として生じる高温の燃焼生成物は、それから通過しつつ膨張し、それにより高圧、低圧、および出力の各タービン17,18,19を駆動してから、ノズル20を通じて排気されて、幾らかの推進力をもたらす。高圧、低圧、および出力の各タービン17,18,19は、それぞれ、適当な相互連結シャフトによって、高圧、低圧の各圧縮機15,14、およびプロペラ23,24を駆動する。プロペラ23,24は通常、推進力の大部分をもたらす。
【0004】
プロペラ23,24は、それらがもし解き放たれたならば航空機や人々、或いは地上の施設に対する多大な損害を引き起こし得る、重大な構成部品である。
【0005】
航空機用プロペラは、単ロータ式であろうと二重反転式であろうと、或いは図1に示すような推進式であろうと牽引式であろうと、ピッチ制御機構(PCM)を介してブレードのピッチを変化させる手段を通常有している。これは、推力放出の効率を最適化するためとフライトエンベロープ(飛行包絡線)全体を通じて騒音を低減するため、逆推力をもたらすため、および、何らかの動力装置故障の場合に抗力や回転速度を制御すべくブレードをフェザー回転にするのを可能とするためである。PCMを構成するのに多くの確立されたやり方が存在するが、全ては動力源、原動機、原動機からブレードまでの機構、およびフェイルセイフシステムを特徴付けるものである。動力源は、静止範囲内か回転範囲内にあることができるが、静止範囲から回転範囲への制御的な連絡の問題を避けるため、また欠陥のある構成部品のより容易なライン交換のために、静止範囲内にあるのがより一般的である。但し、動力源が静止範囲内にある場合には、動力を(1つないし複数の)回転範囲へ伝達する手段が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、偶然のブレード放出に対する増強された保護をもたらすために、バックアップ(予備)の保持能力を有する、プロペラブレードをロータ本体へ取り付けるための取付システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも部分的には、そのような能力をもたらすように都合よくピッチ制御機構を適合させられることの実現に基づいている。
【0008】
そこで、本発明の第1の態様は、ブレードをロータ本体へ取り付けるための取付システムであって、
アンカーと、このアンカーから半径方向外側へ延びてブレードの基部へ結合したピッチ変化ロッドとを含み、ブレードピッチを変化させるためにアンカーおよびロッドがロッドの縦軸線周りに回動可能となっているピッチ制御機構と、
ブレードピッチの変化を許容しつつ、ブレード遠心荷重をロータ本体へ伝達する主軸受構造と、
ブレードピッチの変化中におけるアンカーおよびロッドの回動を許容しつつ、ピッチ変化機構遠心荷重をロータ本体へ伝達する副軸受構造と、
を有し、
ピッチ制御機構は、ブレードとアンカーとの間のトルク伝達構造を更に含み、それは、ブレードとアンカーとの間の相対的な半径方向の動きを許容しつつ、当該トルク伝達構造を通じてピッチ変化トルクをブレードへ伝達させることができるようなものであり、
通常運転時には、主軸受装置および副軸受装置によって、アンカーとブレードとの半径方向の間隔が維持され、
当該取付システムは、バックアップ保持構造を更に有し、このバックアップ保持構造は、アンカーに対するブレードの外向きの半径方向移動につながる主軸受構造の損傷時には、ブレード遠心荷重を副軸受構造を通じてロータ本体へ逸らすように作動する、取付システムを提供する。
【0009】
かくして、ブレードのピッチを変化させる一次的な機能を有するピッチ制御機構が、主軸受構造の損傷時には、ブレード遠心荷重に対するバックアップの荷重経路をもたらすこともできる。このことは、著しい安全上の利点である。更に、バックアップ保持構造の採用に伴う重量的な不利は通常、ほとんどないのである。
【0010】
この取付システムは、以下の選択的特徴の、任意の1つ、または(互いに矛盾しない範囲で)任意の組合せを有していてもよい。
【0011】
ブレードは、典型的にはプロペラブレードであるが、例えばファンブレードであってもよい。
【0012】
ロータ本体は、半径方向外側ハブと半径方向内側ハブとを有していてもよく、主軸受構造は、外側ハブにおいてブレード遠心荷重をロータ本体へ伝達し、副軸受構造は、内側ハブにおいてピッチ変化機構遠心荷重をロータ本体へ伝達するものであってよい。例えば、内側ハブと外側ハブとは、使用時にエンジン排気ガスを通す環状部によって互いに分離されていてもよい。
【0013】
トルク伝達構造は、ピッチ変化ロッドの半径方向外側端部と、ブレードの基部との間に設置されることができる。但し、もう一つの選択は、トルク伝達構造が、ピッチ変化ロッドの半径方向内側端部と、アンカーとの間に設置されることである。
【0014】
トルク伝達構造は、雄型および雌型の結合部材によってもたらすことができるのが好都合である。例えば、それらの結合部材は、当該部材同士の間でトルクを伝達できるように、それぞれの互いに噛み合うスプラインの組を有していてもよい。
【0015】
ブレードは、トルク伝達構造の所でロータ本体から分離可能となっていることが好ましい。
【0016】
バックアップ保持構造は、ブレード遠心荷重を副軸受構造を通じてロータ本体へ逸らせるように係合する前に、アンカーに対するブレードの外向きの半径方向移動を5mmまで、好ましくは3または2mmまで許容することができる。
【0017】
バックアップ保持構造は、トルク伝達構造と隣り合うことができるのが好都合である。
【0018】
当接面同士によってバックアップ保持構造がもたらされており、それらの当接面は、通常運転時には互いに間隔を離されているが、アンカーに対するブレードの外向きの半径方向移動時には、それらの当接面同士の間に形成される界面を渡ってブレード遠心荷重を逸らせるように互いに係合するようにしてもよい。それらの当接面は、ラグ、ねじ山、ペグ、フックスロット(だるま穴)などによって、もたらすことができる。
【0019】
ピッチ制御機構は、アンカーを回動させるためのクランク(例えば、ベルクランクなど)を更に含んでおり、そのクランクはユニゾンリング(unison ring)によって操作可能であるようにしてもよい。
【0020】
本発明の第2の態様は、
ロータ本体と、
プロペラブレードまたはファンブレードの列と、
を有し、
ロータ本体に対して各ブレードが、第1の態様によるそれぞれの取付システムによって繋ぎ留められている、プロペラ組立体またはファン組立体を提供する。
【0021】
本発明の第3の態様は、
動力装置と、
この動力装置によって動力を供給される、1つないし複数の第2の態様によるプロペラ組立体またはファン組立体と、
を有したエンジン構成を提供する。
【0022】
例えば、動力装置は、ガスタービンエンジンとすることができる。エンジン構成は、各々が第2の態様による、二重反転プロペラ組立体を有していてもよい。
【0023】
ここで、添付図面を参照して、本発明の実施形態を例として説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】二軸二重反転プロペラガスタービンエンジンの縦断面を模式的示す図。
【図2】別の二軸二重反転プロペラガスタービンエンジンの縦断面を模式的示す図。
【図3】プロペラブレードをロータ本体へ取り付けるための取付システムを模式的に示す図。
【図4】通常運転時の図3の取付システムを模式的に示す図。
【図5】主軸受構造の損傷後における図3の取付システムを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
中心線40を有する、推進式二重反転プロペラターボプロップエンジンの模式的な縦断面が、図2に示されている。このエンジンは、ジェネレータセクション41を有している。そのジェネレータセクション41は、流れ方向へ直列に、低圧42aおよび高圧42bの各圧縮機サブセクション、燃焼器サブセクション43、並びに、高圧44bおよび低圧44aの各タービンサブセクションを備えている。ジェネレータ駆動シャフト45a,45bが、それぞれの圧縮機サブセクションとタービンサブセクションとを連結している。ジェネレータセクションの下流側にあるのは、後方へ延びる動力駆動シャフト47を駆動する出力タービン46である。
【0026】
動力駆動シャフト47の遠位端部は、当該動力駆動シャフトと同心の遊星歯車組立体50を駆動する。この歯車組立体は、当該組立体の上流側にある第1のプロペラ組立体51aを駆動すると共に、当該組立体の下流側にある反転式の第2のプロペラ組立体51bを駆動する。各プロペラ組立体は、プロペラブレード52a,52bの列を有している。各ブレードは、ブレードピッチを変化させられるように、自らの縦軸線周りに回動可能となっている。各プロペラ組立体についてのピッチ変化は、それぞれの主液圧アクチュエータ53a,53bによって成し遂げられる。それらのアクチュエータ53a,53bは、対応する同調リング54a,54bをエンジンの軸線方向に動かす。それらの同調リングの軸線方向の動きは、各ブレードの基部から延びるピッチロッド・ベルクランク構成55a,55bを介して、当該ブレードを回動させる。
【0027】
図3は、プロペラブレード70をロータ本体71へ取り付けるための取付システムの更なる詳細を模式的に示している。このシステムは、図1や図2に示す型式のエンジンで用いるのに適しているが、例えば単プロペラ組立体や牽引式エンジンにも適用可能な、もっと広い適用可能性を有している。ロータ本体は、中心線O−Oを有すると共に、半径方向内側部分72および半径方向外側部分73を備えている。それらの半径方向内側部分72と外側部分73との間には、エンジンからの熱排気ガスのための流出環状部74がある。この流出環状部を横切って、PCMのピッチ制御ロッド75が延びている。このロッドの半径方向内側端部は、アンカー76にて終止している。一方、このロッドの半径方向外側端部は、トルク伝達構造の雄型結合部材77aにて終止している。ブレードは、その基部の所に頸部78を有している。この頸部78は、トルク伝達構造の雌型結合部材77bを担持している。
【0028】
各結合部材77a,77bは、それぞれのスプラインの組を有している。ブレード70をロータ本体71へ取り付けるために、それらのスプラインの組同士が互いに噛み合わされる。そして、ピッチ制御ロッド75の縦軸線周りのアンカー76およびロッド75の回動がブレードのピッチ変化へと繋がるように、結合部材同士を渡ってトルクを伝達させることができる。PCMは、例えばアンカーを回動させるベルクランクを有していてもよい。そして、所与のプロペラ組立体の全プロペラにおけるPCMのベルクランクは、同調リングによって操作することができる。或いは、アンカーが、ピッチ・ラムシリンダや、これと同様の構成部品となっていてもよい。
【0029】
ピッチ制御ロッド75の半径方向外側端部は、ラグ(突片)構造79aを担持してもいる。このラグ構造79aにおいては、互いに等間隔を置かれた少なくとも3つ(但し、好ましくは4つ以上)のラグが、ロッドの当該端部の外周を取り巻いて配置されている。対応するラグ構造79bが、ブレード頸部78上で雌型結合部材77bの上方に形成されている。ブレード70をロータ本体71へ取り付けるためには、ラグ構造79bにおけるラグ同士の間の隙間がラグ構造79aのラグと一致し、同様にラグ構造79aにおけるラグ同士の間の隙間がラグ構造79bのラグと一致するようにブレードが保持される。かくして、図3の矢印の半径方向へブレードを移動させるときに、2つのラグ構造同士を互いに通過させることができる。結合部材77a,77bも互いに通過させるときに、それらの結合部材におけるスプラインの組同士が相互に噛み合う。それらのスプラインの組同士が互いに通り越して噛み合いが外れるまで、ブレードを移動させ続ける。そして、2つのラグ構造のラグ同士が互いに重なり合うようにブレードを回すことができる。それから、スプラインの組同士が再び噛み合うように、ブレードを逆方向へ移動させる。但し、互いに重なり合うラグ構造同士は、相互に接触することは許されておらず、その代わり、相互に約2から3mmの間隔を置いて保持される。
【0030】
互いに重なり合うラグ構造79a,79bは、ブレードのためのバックアップ保持構造をもたらす。このバックアップ保持構造の動作は、以下でより詳細に説明する。
【0031】
上述したようにトルク伝達構造およびバックアップ保持構造が創設された後で、図4に示すように、ブレード遠心荷重をロータ本体71へ伝達するために主軸受構造が形成される。この主軸受構造は、内側80aおよび外側80bの軸受を備えている。それらの軸受80a,80bは、ブレード頸部78によって担持される適当な構造の所に設置されている。例えば、内側軸受は玉軸受とすることができ、外側軸受はテーパころ軸受や玉軸受とすることができる。軸受80a,80bは、ブレード遠心荷重を、ロータ本体における外側部分73のハブ(図示せず)へ伝達する。
【0032】
PCM遠心荷重は、アンカー76の周囲に形成された副軸受構造81によってロータ本体71へ伝達される。この軸受構造は、PCM遠心荷重を、ロータ本体の内側部分72におけるもう1つのハブ(図示せず)へ伝達するものであり、例えば球面ころ軸受とすることができる。
【0033】
従って通常運転時には、ブレードからの遠心荷重と、PCMからの遠心荷重とは、互いに異なる経路に沿ってロータ本体へ伝達される。
【0034】
しかしながら、ブレード70が極めて重要な構成部品であることから、主軸受構造の部分的ないし全体的な損傷の場合には、バックアップ保持構造が、ブレード遠心荷重に対するバックアップ荷重経路をもたらす。そのような損傷は、例えば、内側80aおよび外側80bの軸受におけるものや、ロータ本体71の外側部分73のハブにおけるものであり得る。
【0035】
具体的には、主軸受構造および副軸受構造は、アンカー76とブレード70との間の半径方向の間隔を維持する。主軸受構造の損傷時には、図5に示すように、バックアップ保持構造の重なり合うラグ構造79a,79b同士が互いに係合するまで、即ち、ラグによってもたらされる(通常は間隔を離されている)当接面同士が互いに接触するまで、ブレードが(矢印で示すように)外側へ移動する。その結果、それらの当接面同士の間に形成される界面を渡ってブレード遠心荷重を逸らすことができる。そして、ブレード遠心荷重は、ピッチロッド75に沿ってアンカー76を通じて副軸受構造へ伝達され、そこからロータ本体71の内側部分72のハブへ伝達される。副軸受構造を通る荷重が増大するせいで、ブレードがピッチを効率的に変えることはできないかもしれない。しかしながら、内側のハブがつかんでいる限りは、ブレードを安全に保持することができる。湿性の(即ち、給油を伴った)損傷の場合の半径方向接触面を内側のハブにもたらすことは、たとえ副軸受構造における軸受損傷の後であっても、ブレードのピッチを変える能力を増大させるかもしれない。
【0036】
かくして、当該取付システムは、ブレードの一次的な保持機能不全の場合に、効果的なブレードの保持を可能とし、PCMアンカー76への代替的な経路によってブレード遠心荷重が伝えられるという利点を有している。PCMは、比較的少数の変更にてバックアップの保持を成すように適合させることができ、従って構成部品の費用や重量を著しく増大させることはない。
【0037】
本発明を、上述した典型的な実施形態との関連において説明してきたが、この開示が与えられたときには、多くの等価な修正や変形が当業者に明らかとなるであろう。例えば、オープンロータ・エンジンとの関連において本発明を上述したが、本発明は、ターボファン・エンジンやダクテッドファン・エンジンのブレードを取り付けるのにも適合されてよい。また、バックアップ保持構造は、ラグ以外の構成、例えばねじ山、ペグ、フックスロットなどによって形成されてもよい。従って、上記で述べた本発明の典型的な実施形態は、例示的なものであって限定するものではない、とみなされる。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対する様々な変更が成されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレード(70)をロータ本体へ取り付けるための取付システムであって、
アンカー(76)と、このアンカーから半径方向外側へ延びてブレードの基部へ結合したピッチ変化ロッド(75)とを含み、ブレードピッチを変化させるためにアンカーおよびロッドがロッドの縦軸線周りに回動可能となっているピッチ制御機構と、
ブレードピッチの変化を許容しつつ、ブレード遠心荷重をロータ本体へ伝達する主軸受構造(80a,80b)と、
ブレードピッチの変化中におけるアンカーおよびロッドの回動を許容しつつ、ピッチ変化機構遠心荷重をロータ本体へ伝達する副軸受構造(81)と、
を有し、
ピッチ制御機構は、ブレードとアンカーとの間のトルク伝達構造(77a,77b)を更に含み、それは、ブレードとアンカーとの間の相対的な半径方向の動きを許容しつつ、当該トルク伝達構造を通じてピッチ変化トルクをブレードへ伝達させることができるようなものであり、
通常運転時には、主軸受装置および副軸受装置によって、アンカーとブレードとの半径方向の間隔が維持され、
当該取付システムは、バックアップ保持構造(79a,79b)を更に有し、このバックアップ保持構造は、アンカーに対するブレードの外向きの半径方向移動につながる主軸受構造の損傷時には、ブレード遠心荷重を副軸受構造を通じてロータ本体へ逸らすように作動する、取付システム。
【請求項2】
ロータ本体は、半径方向外側ハブと半径方向内側ハブとを有し、主軸受構造は、外側ハブにおいてブレード遠心荷重をロータ本体へ伝達し、副軸受構造は、内側ハブにおいてピッチ変化機構遠心荷重をロータ本体へ伝達する、請求項1記載の取付システム。
【請求項3】
内側ハブと外側ハブとは、使用時にエンジン排気ガスを通す環状部(74)によって互いに分離されている、請求項2記載の取付システム。
【請求項4】
トルク伝達構造は、ピッチ変化ロッドの半径方向外側端部と、ブレードの基部との間に設置されている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項5】
トルク伝達構造は、雄型(77a)および雌型(77b)の結合部材によってもたらされている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項6】
ブレードは、トルク伝達構造の所でロータ本体から分離可能となっている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項7】
バックアップ保持構造は、ブレード遠心荷重を副軸受構造を通じてロータ本体へ逸らせるように係合する前に、アンカーに対するブレードの外向きの半径方向移動を5mmまで許容する、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項8】
バックアップ保持構造は、トルク伝達構造と隣り合っている、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項9】
当接面同士によってバックアップ保持構造がもたらされており、それらの当接面は、通常運転時には互いに間隔を離されているが、アンカーに対するブレードの外向きの半径方向移動時には、それらの当接面同士の間に形成される界面を渡ってブレード遠心荷重を逸らせるように互いに係合する、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項10】
ピッチ制御機構は、アンカーを回動させるためのクランクを更に含んでおり、そのクランクはユニゾンリングによって操作可能である、前記請求項のうちいずれか一項に記載の取付システム。
【請求項11】
ロータ本体と、
プロペラブレードまたはファンブレードの列と、
を有し、
ロータ本体に対して各ブレードが、前記請求項のうちいずれか一項に記載のそれぞれの取付システムによって繋ぎ留められている、プロペラ組立体またはファン組立体。
【請求項12】
動力装置と、
この動力装置によって動力を供給される、1つないし複数の請求項11記載のプロペラ組立体またはファン組立体と、
を有したエンジン構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−1394(P2013−1394A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134510(P2012−134510)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(590005438)ロールス‐ロイス、パブリック、リミテッド、カンパニー (21)
【氏名又は名称原語表記】ROLLS−ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】