説明

取引管理プログラム及び取引管理方法

【課題】予め登録されたパスワード忘れ用の情報を用いることなく忘れられたパスワードを取得することができる取引管理プログラム及び取引管理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題は、コンピュータに、前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行させることにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売買取引情報を管理する取引管理プログラム及び取引管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば中古車等のオークション業界では、インターネットオークションによる売買取引が増加している。インターネットオークションに参加するためには、ユーザIDとパスワードによるログインが必要となるが、ユーザがパスワードを忘却する場合が多い。このためオークション主催者側では、パスワードの問い合わせ対応による対応コストが増大するという問題があった。そこで一般的なログイン手続きを要するポータルサイトでは、パスワード忘れの対策として、予めユーザによる簡単な質問と回答を登録しておく。ユーザは、パスワードを忘れた際に登録した質問の回答を入力する。するとポータサイト側からユーザに対してパスワードが通知又は再発行される。
【0003】
例えば非特許文献1によれば、パスワードを忘れた場合の質問の回答として、予め登録されたメールアドレスとユーザの氏名の入力を促す画面が表示されることがわかる。また非特許文献2には、パスワードを忘れた場合に、ユーザの登録情報と予め登録された秘密の数字を入力してパスワードを照会することが記載されている。非特許文献3によれば、パスワードを忘れた場合の質問の回答として、予め登録したメールアドレスの入力を促す画面が表示されることがわかる。
【非特許文献1】THE KANSAI POWER CO., INC.ALL "ユーザ名/パスワード忘れ入力"、[平成19年3月22日検索]、インターネット<http://www.fururu.net/e-patio/html/pass1.html>
【非特許文献2】@NIFTY"パスワードの照会"、[平成19年3月22日検索]インターネット<http://support.nifty.com/support/member/kaiininfo/pwlost.htm>
【非特許文献3】CENT Networks Japan K.K."パスワードのお問い合わせ"、[平成19年3月22日検索]インターネット<https://member.japan.cnet.com/askpass/askpass.cgi>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、パスワードを忘れた場合の対策として、例えば利用者をユーザIDとパスワード以外で特定するための質問と回答などのパスワード忘れ用の情報を予め登録しておく必要がある。さらにパスワード忘れ用の情報は、パスワードを忘れた際に使用されるため、利用者側で管理または記憶しておく必要がある。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、利用者がパスワードを忘れた際に、予め登録されたパスワード忘れ用の情報を用いることなく利用者を特定し、特定した利用者へパスワードを通知することができる取引管理プログラム及び取引管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ネットワークを介して接続される利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理サーバとしてコンピュータを機能させるための取引管理プログラムであって、前記コンピュータに、前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行させるように構成される。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ネットワークを介して接続される利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理方法であって、コンピュータが前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行するように構成される。
【0008】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、上記取引管理方法による処理手順を演算処理装置に実行させる該取引管理プログラムを記憶した記憶媒体とすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、利用者がパスワードを忘れた際に、予め登録されたパスワード忘れ用の情報を用いることなく利用者を特定し、特定された利用者へパスワードを通知する取引管理プログラム及び取引管理方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。
【0011】
図1は、本発明の概略を説明する概略図である。本発明の取引管理サーバ200を含む売買取引システム100は、取引管理サーバ200と利用者側端末300とがネットワーク400を介して接続されて構成されている。売買取引システム100で行われる売買取引は、例えばオークションなどである。
【0012】
取引管理サーバ200は、利用者のユーザIDとパスワードを含む利用者情報と、利用者情報に対応した売買取引情報とが格納された売買取引情報データベース210を有する。利用者は、利用者側端末300においてユーザIDとパスワードを入力することで、売買取引システム100にログインして売買取引に参加することができる。
【0013】
取引管理サーバ200は、利用者がパスワードを忘れた際に、売買取引情報データベース210に格納された売買取引情報に基づき利用者へパスワードを通知する。したがって利用者は、パスワードを忘れた場合にシステム管理者(主催者)にパスワードを問い合わせたり、事前に登録したパスワード忘れ用の情報を入力したりせずにパスワードを取得することができる。また取引管理サーバ200によれば、利用者から主催者側へのパスワードの問い合わせを減らすことができ、主催者側の管理負担を軽減させることができる。
【0014】
以下に売買取引システム100におけるパスワードの通知処理について、図1、図2を参照して説明する。図2は、売買取引システムにおけるパスワード通知を説明する画面遷移図である。
【0015】
利用者側端末300において、ログインの際に利用者からパスワード通知要求がなされると、利用者側端末300にはユーザID入力欄とパスワードの通知方法を選択させる選択欄とを備える画面が表示される。利用者側端末300においてユーザIDが入力されてパスワードの通知方法が選択されると、パスワード通知要求と共に入力されたユーザIDと選択された通知方法とが取引管理サーバ200へ送信される(ステップS10)。
【0016】
図2の画面21は利用者側端末300におけるログイン画面の例であり、画面22はユーザID及びパスワードの通知方法の入力画面の例である。
【0017】
図1に戻って、取引管理サーバ200は、パスワード通知要求を質問作成要求として受けとり、売買取引情報データベース210を参照してユーザIDに対応した取引実績情報から質問情報を生成する(ステップS11)。生成された質問情報は、利用者側端末300へ送信される(ステップS12)。利用者側端末300において質問の回答が入力されると回答内容が取引管理サーバ200へ送信される(ステップS13)。
【0018】
図2の画面23は、利用者側端末300において取引管理サーバ200から取得した質問情報が表示された画面の例である。利用者は、この画面上で質問の回答を入力することで回答内容を取引管理サーバ200へ送信できる。
【0019】
図1に戻って、取引管理サーバ200は、取得した回答内容と売買取引情報データベース210内の利用者の取引実績情報とを照合する(ステップS14)。取引管理サーバ200は、照合結果が一致した場合、S10で取得したユーザIDと対応したパスワードを売買取引情報データベース210から読み出して、利用者側端末300へ選択された通知方法で通知する(ステップS15)。照合結果が一致しない場合、取引管理サーバ200は照合エラーのメッセージを利用者側端末300へ送信する(ステップS16)。
【0020】
図2の画面24は、パスワードの通知方法に「画面上」が選択された場合に、利用者側端末300に表示される画面の例である。図2の画面25は、パスワードの通知方法に「メール送信」が選択された場合に、利用者側端末300に表示される画面の例である。画面26は、取引管理サーバ200での照合がエラーだった場合に利用者側端末300に表示される画面の例である。
【0021】
このように、売買取引システム100では、取引管理サーバ200において利用者の取引実績情報を用いて質問情報を生成し、質問に対する回答内容と取引実績情報とを照合はしてパスワードを通知する。すなわち取引管理サーバ200は、利用者のユーザIDとユーザIDに対応した取引実績情報に基づき利用者を認証してパスワードを通知するため、パスワード忘れの際にユーザを認証するための情報を予め登録する必要がない。
【0022】
図3は、本発明の一実施例に係る取引管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【0023】
図3において、取引管理サーバ200は、コンピュータ装置であって、CPU(Central Processing Unit)31と、メモリユニット32と、表示ユニット33と、出力ユニット34と、入力ユニット35と、通信ユニット36と、記憶装置37と、ドライバ38とで構成され、システムバスBに接続される。
【0024】
CPU31は、メモリユニット32に格納されたプログラムに従って取引管理サーバ200を制御する。メモリユニット32は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等にて構成され、CPU31にて実行されるプログラム、CPU31での処理に必要なデータ、CPU31での処理にて得られたデータ等を格納する。また、メモリユニット32の一部の領域が、CPU31での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
【0025】
表示ユニット33は、CPU31の制御のもとに必要な各種情報を表示する。出力ユニット34は、利用者からの指示に応じて各種情報を出力するために用いられる。入力ユニット35は、マウス、キーボード等を有し、シミュレーションシステム100が処理を行なうための必要な各種情報を利用者が入力するために用いられる。
【0026】
通信ユニット36は、取引管理サーバ200が例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介する通信の制御をするための装置である。
【0027】
記憶装置37は、例えば、ハードディスクユニットにて構成され、各種処理を実行するプログラム等のデータを格納する。
【0028】
取引管理サーバ200によって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)等の記憶媒体39によって取引管理サーバ200に提供される。即ち、プログラムが保存された記憶媒体39がドライバ38にセットされると、ドライバ38が記憶媒体39からプログラムを読み出し、その読み出されたプログラムがシステムバスBを介して記憶装置37にインストールされる。そして、プログラムが起動されると、記憶装置37にインストールされたプログラムに従ってCPU31がその処理を開始する。
【0029】
尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。本発明に係る処理を実現するプログラムは、通信ユニット36によってネットワークを介してダウンロードし、記憶装置37にインストールするようにしても良い。また、取引管理サーバ200が外部との接続を行うUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを有する場合には、USB接続によって外部記憶媒体からプログラムを読み込んでもよい。
【0030】
利用者側端末300は、例えば取引管理サーバ200とネットワークを介して通信可能なPC(パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等の演算処理装置と記憶装置とを有する情報処理端末である。
【0031】
以下に図面を参照して本発明の実施例について説明する。本実施例では、本発明を売買取引の一形態であるインターネットオークションに適用した例について説明する。
【0032】
図4は、取引管理サーバの機能構成図である。
【0033】
売買取引情報データベース210は、利用者データベース220と取引実績情報データベース230とを有する。利用者データベース220には、利用者のユーザIDが格納されたユーザID部211、ユーザIDに対応したパスワードが格納されたパスワード部212、ユーザIDに対応した利用者の登録情報が格納された登録情報部213とを有する。利用者データベース220では、ユーザID、パスワード及び登録情報が関連付けされて格納されている。図5は、利用者データベースに格納された情報の例を示す図である。図5に示す利用者データベースに格納された情報では、登録情報部213に格納された登録情報が利用者名のみとなっているが、登録情報には利用者の住所、連絡先、メールアドレス、FAX番号などが含まれていても良い。
【0034】
取引実績情報データベース230には、利用者の取引実績情報である出品情報が格納された出品情報部231と、落札情報が格納された落札情報部232とを有する。出品情報部231に格納された出品情報及び落札情報部232に格納された落札情報は、ユーザIDと対応付けされた情報である。
【0035】
ここで本実施例における出品、落札、成約、流札について説明する。
【0036】
出品とは、品物をオークションで売りに出すことを示す。すなわち出品者とは、品物を販売する側の利用者を示す。落札とは、オークションに出品された品物に入札して品物を手に入れることである。すなわち落札者とは、出品された品物を購入する側の利用者を示す。
【0037】
成約とは売買取引が成立することであり、出品された品物が落札された状態を示す。本実施例では、この状態を出品者側では成約と呼び、落札者側では落札と呼ぶ。流札とは、出品された品物が落札されずにオークションが終了することを示す。よって、出品者にとっての出品結果は、成約と流札の2種類がある。成約の場合は、落札者との間で出品した品物の売買取引を行うことができる。流札の場合は、出品した品物は売買取引の対象とならずに売れ残った状態となる。
【0038】
取引実績情報データベース230の出品情報部231には、利用者の出品に関する情報が格納されている。出品情報とは、例えば品物がオークションに出品された日付け(開催日)、取引毎に割り振られる取引番号、出品した品物の名称、結果、品物を落札した利用者のユーザID(落札者ID)、落札金額などが含まれる。落札情報部232には、落札した日付、落札した品物名、品物を出品した利用者のユーザID(出品者ID)、落札金額などが含まれる。
【0039】
図6は、取引実績情報データベースに格納された取引実績情報の例を示す図である。図6に示す取引実績情報では、オークション開催日毎に各利用者の取引実績情報を格納しているが、取引実績情報データベース230では利用者毎にそれぞれの取引実績情報が格納されていても良い。
【0040】
本実施例では、売買取引情報データベース210は取引管理サーバ200内に設けられたものとしたが、これに限定されるものではない。売買取引情報データベース210は、例えば取引管理サーバ200の外部に設けられ、取引管理サーバ200と適切な接続方法で接続されていても良い。売買取引情報データベース210は、取引管理サーバ200から参照可能な状態であれば良い。売買取引情報データベース210は、例えば図3に示す記憶装置37に記憶されている。
【0041】
図4に戻って、取引管理サーバ200を構成する処理部240について説明する。以下に説明する処理部240の有する各部の処理は、図3に示すCPU31により実行される。
【0042】
処理部240は、テンプレート部243、回答処理部244、表示フォーム生成部245、パスワード通知部246、質問情報生成部250、回答リスト生成部260、回答情報照合部270とを有する。
【0043】
テンプレート部243は、質問テンプレート243a、検索条件テンプレート243bとを有する。質問テンプレート243a及び検索条件テンプレート243bについての詳細は後述する。尚テンプレート部243は、例えば図3に示す記憶装置37に記憶されていても良いし、記憶媒体39に記憶されていても良い。
【0044】
回答処理部244は、回答情報に関する処理を行う。表示フォーム生成部245は、利用者側端末300に情報を表示させる表示フォームを生成する。パスワード通知部246は、選択された通知方法で利用者側端末300へパスワードを通知する。
【0045】
質問情報生成部250は、利用者側端末300へ送信する質問情報を生成する。回答リスト生成部260は、質問情報に含まれる回答リストを生成する。回答情報照合部270は、取得した回答情報と、取引実績情報データベース230に格納された取引実績情報とを照合する。質問情報生成部250、回答リスト生成部260及び回答情報照合部270の詳細は後述する。
【0046】
取引管理サーバ200では、利用者側端末300からユーザIDとパスワード通知方法とを含む質問作成要求を受けると、質問情報生成部250が質問テンプレート243aとユーザIDに対応した取引実績情報とを用いて質問情報を生成する。取引管理サーバ200は、表示フォーム生成部245により質問情報を表示させる質問表示フォームを生成し、利用者側端末300へ送信する。
【0047】
取引管理サーバ200は、利用者側端末300に表示された質問表示フォームに回答が入力されると、回答処理部244の処理により回答情報を取得する。回答情報を取得すると、取引管理サーバ200は回答情報照合部270により検索条件テンプレート243bとユーザIDに対応した取引実績情報とを用いて回答情報を照合する。
【0048】
取引管理サーバ200は、照合結果が一致した場合、パスワード通知部246により選択された通知方法でパスワードを利用者側端末300へ通知する。
【0049】
以下に本実施例の質問情報生成部250及び回答リスト生成部260による質問情報の生成処理、回答処理部244による回答情報に関する処理、回答情報照合部270による回答情報の照合処理についてそれぞれ図面を参照して説明していく。
【0050】
まず、質問情報の生成処理について説明に先立ち、取引管理サーバ200が質問作成要求を受けるまでの処理を説明する。図7は、取引管理サーバが質問作成要求を受けるまでの処理を説明するフローチャートである。
【0051】
売買取引システム100において、利用者側端末300は、ログイン画面においてパスワード通知要求を受けると、パスワード通知要求画面を表示させる。尚ここでのログイン画面は、図2の画面21に相当し、パスワード通知要求画面は図2の画面22に相当する。
【0052】
利用者からユーザIDと、パスワード通知方法とが選択されると(ステップS71)、利用者側端末300は画面上の入力値を取得して質問作成要求を生成する(ステップS72)。よって質問作成要求には、利用者に入力されたユーザID、パスワード通知方法が含まれる。尚パスワードの通知先が新たに登録された場合には、登録された通知先情報も含まれる。通知先情報とは、例えば電子メールアドレスやFAX番号などである。利用者側端末300は、生成した質問作成要求を取引管理サーバ200へ送信する(ステップS73)。
【0053】
取引管理サーバ200で、質問生成要求を受けて質問情報生成部250が質問情報の生成を開始する。
【0054】
以下に、質問情報生成部250における質問情報の生成処理について説明する。質問情報生成部250は、質問テンプレート243aを参照して質問情報を生成する。
【0055】
質問テンプレート243aは、質問情報が生成される際に参照されるテンプレートであり、予めシステム管理者などにより作成されてテンプレート部243に格納されている。図8を参照して質問テンプレート243aについて説明する。図8は質問テンプレートの例を示す図である。
【0056】
本実施例の質問テンプレート243aでは、質問毎に質問区分、質問区分に対応付けられた質問内容と回答方法等の項目を有する。質問内容とは利用者側端末300へ表示させる質問文であり、出品情報に関する質問文と落札情報に関する質問文とがある。回答方法とは、利用者側端末300側で表示された質問文に対する利用者端末300上での回答内容の入力方法を示す。具体的には、例えば質問文に対する回答を利用者に手入力させる方法と、質問文に対する回答を回答リストより選択させて入力させる方法とがある。
【0057】
図8に示す質問テンプレート243aでは、質問区分Aの場合、質問内容は「yyy年mm月dd日〜yyy年mm月dd日の出品件数」となっており、回答方法が手入力となっている。よって質問区分Aの質問では、質問文が表示された画面において、手入力された件数の数値を回答内容とする。また質問区分Eの質問の場合、質問内容は「yyy年mm月dd日に成約した品物名」となっており、回答方法が回答リストより選択させる方法となっている。よって質問区分Eの質問では、画面に表示された後述する回答リストから選択された品物名が回答内容となる。
【0058】
また質問テンプレート243aによれば、選択された質問区分に対応付けられた質問文に日付を示す値を入力することで、質問文と回答方法とが含まれる質問情報を生成することができる。
【0059】
ここで図4に戻って、質問情報生成部250及び回答リスト生成部260の詳細について説明する。
【0060】
質問情報生成部250は、質問数決定部251、集計期間決定部252、質問区分選択部253、質問期間決定部254を有する。
【0061】
質問数決定部251は、乱数により生成する質問数を決定する。集計期間決定部252は、質問情報の生成に用いる取引実績情報を集計する期間(集計期間)を乱数により決定する。尚、集計期間の最大期間は、システム管理者などにより予め決められていても良い。質問区分選択部253は、乱数により質問テンプレート243aの質問区分をランダムに選択する。質問期間決定部254は、集計期間決定部252により決定された集計期間から、乱数により質問文に入力される期間である質問期間を決定する。
【0062】
回答リスト生成部260は、回答方法に回答リストを用いる質問区分が選択された場合に回答リストを生成する。本実施例の回答リストを用いる質問区分とは、質問テンプレート243aの質問区分D〜質問区分Fである。よって回答リスト生成部260は、質問区分選択部253により質問区分D〜質問区分Fの何れかが選択された場合に回答リストを生成する。
【0063】
回答リスト生成部260は、品名リスト作成部261、ダミー品名追加部262、固定条件追加部263、並び順変更部264とを有する。
【0064】
品名リスト作成部261は、取引実績情報データベース230に格納された取引実績情報に含まれる全て品物名をリストにした全品名リストを作成する。品名リスト作成部261はさらに、ユーザIDに対応した取引実績情報に含まれる品物名をリストにした回答リストを作成する。ダミー品名追加部262は、ダミー品名として追加する品名の数と品名を決定し、回答リストに追加する
固定条件追加部263は、予め設定された固定の選択枝を回答リストに追加する。固定の選択枝は、システム管理者により取引管理サーバ200に設定されていても良い。並び順変更部264は、ダミー品名及び固定の選択枝が追加された回答リストの並び順を乱数により決定して変更する。
【0065】
以下に、図9を参照して、質問情報生成部250による質問情報の生成処理及び回答リスト生成部260による回答リストの生成処理について説明する。図9は、質問情報の生成処理及び回答リストの生成処理を説明するフローチャートである。
【0066】
取引管理サーバ200において、ユーザIDとパスワード通知方法の情報が含まれる質問生成要求を取得すると(ステップS91)、質問情報生成部250は、質問数決定部251により生成する質問数を決定する(ステップS92)。次に質問情報生成部250は、集計期間決定部252により、取引実績情報の集計期間を決定する(ステップS93)。
【0067】
質問情報生成部250は、質問テンプレート243aを参照し、質問区分選択部253により質問区分を選択する(ステップS94)。質問区分が選択されると、質問期間決定部254は、選択された質問区分に対応した質問文に入力する質問期間を決定する。質問情報生成部250質問期間を選択された質問区分に対応した質問文に当てはめて質問文を完成させる(ステップS95)。
【0068】
質問文が生成されると、質問情報生成部250は、制生成された質問文に質問番号を付与し、ステップS91で取得したユーザIDと質問区分とに対応付けて質問情報とする。
【0069】
質問情報生成部250は、ステップS95で生成された質問文の質問区分が質問区分A〜Cの何れか一つであった場合、一度選択された質問区分を次回の選択対象の質問区分から除外する(ステップS96)。質問情報生成部250は、ステップS92で決定された質問数回、ステップS94からステップS96までの処理を繰り返す。図10は、質問情報生成部により生成された質問情報の例を示す図である。
【0070】
取引管理サーバ200は、ステップS95で生成された質問文の質問区分が質問区分D〜Fの何れか一つであった場合、回答リスト生成部260により回答リストを生成する。
【0071】
以下に図9及び図11を参照して回答リストの生成処理を説明する。図11は、取引実績情報から回答リストを生成する例を示す図である。図11では、図6に示す取引実績情報から回答リストを生成する場合を示す。
【0072】
回答リスト生成部260は、品名リスト作成部261により、ステップS93で決定された集計期間において、取引実績情報に含まれる全て品物名をリストにした全品名リストAを作成する(ステップS97)。全品名リストAを図11(A)に示す。
【0073】
次に回答リスト生成部260は、ダミー品名追加部262により、追加するダミー品名の数を乱数により決定する(ステップS98)。
【0074】
次に回答リスト生成部260は、S91で取得したユーザIDに対応した取引実績情報に含まれる品物名をリストにした回答リストA1を作成する(ステップS99)。
【0075】
回答リストA1の作成方法を説明する。ここではユーザID00001の場合を考える。品名リスト作成部261は、図6に示す取引実績情報において、出品者IDまたは落札者IDの何れか一方に00001が含まれる取引番号で扱われた品物名を抽出してリストにする。図6に示す取引実績情報では、取引番号00001、00002、00004、00005が該当する。品名リスト作成部261は、該当する取引番号の取引で扱われた品物名のリストを回答リストA1として作成する。回答リストA1を図11(B)に示す。
【0076】
図9に戻って、ダミー品名追加部262は、全品名リストAから回答リストA1を除いた品名から、ステップS98で決められたダミー品名数の品名を選択し、回答リストA1に追加する(ステップS100)。図11(C)に全品名リストから回答リストを除いた品名リストを示す。
【0077】
図11を参照すると、全品名リストAから回答リストA1を除いた品名は、「チタンサイクロン」のみである。そこでダミー品名追加部262は、ダミーとして追加する品名が何件に決定されていても、このチタンサイクロンをダミー品名として回答リストへ追加する。
【0078】
このとき、例えば全品名リストAから回答リストA1を除いた品名が5種類あり、ダミーとして追加される品名の件数が2件と決定されていた場合には、ダミー品名追加部262は、5種類の品目からランダムに2種類の品目を選択して回答リストA1に追加する。
【0079】
図9に戻って、次に回答リスト生成部260は、固定条件追加部263により、設定された固定の選択枝を回答リストA1に追加する(ステップS101)。本実施例では、固定の選択枝を「なし」とした。選択枝「なし」は、回答リストA1に該当する品物名が存在しない場合を示す選択枝とした。
【0080】
次に回答リスト生成部260は、並び順変更部264により、ダミー品名と固定の選択枝が追加された回答リストA1の並び順をランダムに変更し、回答リストA1の生成を終了する(ステップS102)。生成された回答リストA1は、質問情報に含まれる情報として、利用者側端末300へ送信される。
【0081】
以上のようにして、回答リストA1を含む質問情報が生成されると、表示フォーム生成部245は、利用者側端末300に質問情報を表示させるための質問表示フォームHを生成する(ステップS103)。そして取引管理サーバ200は、質問表示フォームHを利用者側端末300へ送信する(ステップS104)。利用者側端末300では、受信した質問表示フォームHにしたがって、質問を表示装置に表示し(ステップS105)、質問区分に対応した回答欄を表示する(ステップS106)。
【0082】
利用者側端末300では、質問表示フォームHの回答欄に決められた回答方法で回答内容を入力することにより、回答情報を取引管理サーバ200へ提供することができる。
【0083】
図12に、利用者側端末において表示された質問表示フォームに回答内容が入力された画面の例を示す。
【0084】
以上で質問情報生成部250による質問情報の生成処理の説明を終わる。
【0085】
次に、回答処理部244による回答情報に関する処理について説明する。
【0086】
回答処理部244は、回答テンプレート244aを有し、回答内容が入力された質問表示フォームHから、回答テンプレートにしたがって情報を抽出して回答情報を生成する。
【0087】
図13は、回答テンプレートの例を示す図である。本実施例の回答テンプレート244aでは、回答情報を3つに分類する。3つの分類とは、回答情報のキー、質問に対する回答内容、パスワードの通知方法である。
【0088】
回答情報のキーに分類される項目は、ユーザID及び質問文に入力された質問期間である。回答内容に分類される項目は、質問区分及び質問区分に対応した回答方法で入力された入力値(文字列)である。パスワードの通知方法に分類される項目は、選択されたパスワード通知方法とパスワード通知先である。
【0089】
本実施形例では、パスワード通知方法は質問生成要求に含まれるものとしたため、質問表示フォームHから抽出される情報は回答情報のキーに分類される項目の入力値及び回答に分類される項目の入力値である。
【0090】
尚本回答処理部244は、質問表示フォームHにパスワードの通知方法を選択させる選択欄やパスワード通知先情報を入力する通知先入力欄が設けられても良い。この場合、回答テンプレート244aにしたがってパスワード通知方法に分類される項目の入力値が抽出されて回答情報の一部とされても良い。
【0091】
また本実施例では質問表示フォームHから回答情報を抽出する際に、回答情報を分類して抽出しているが、回答情報を分類せずに回答テンプレート244aの項目にしたがって回答情報を抽出しても良い。
【0092】
図14を参照して回答処理部244の処理について説明する。図14は、回答処理部による処理を説明するフローチャートである。
【0093】
利用者側端末300において表示された質問表示フォームHに回答が入力されると(ステップS141)、回答処理部244は回答テンプレート244aを参照し、質問表示フォームHから回答情報のキーに分類される項目の入力値及び回答内容に分類される項目の入力値を抽出する(ステップS142)。回答処理部244は、ステップS141の処理を質問表示フォームHに表示された質問数回繰り返す。回答処理部244は、各質問毎に抽出した入力値を回答情報として取得する(ステップS143)。
【0094】
図15を参照して回答情報の生成について具体的に説明する。図15は、回答情報の例を示す図である。図15は、図12に示す質問表示フォームHから取得した回答情報を示している。
【0095】
回答処理部244は、例えば質問1の質問文と回答内容から、回答テンプレート244aの項目にしたがって、回答情報のキーとしてユーザID00001及び質問期間である2006/10/28〜2006/10/28を抽出する。また回答処理部244は、回答内容として、質問区分A及び入力値0件を抽出する。回答処理部244は、抽出された回答情報のキー及び回答内容の入力値を質問1の回答情報とする。回答処理部244は、同様にして質問表示フォームHに表示された全ての質問に対する回答情報を取得する。すなわち回答処理部244は、質問表示フォームHから、回答情報のキーに分類される項目の入力値と回答内容に分類される項目の入力値とを抽出し、回答情報とする。
【0096】
尚以下の本実施例の説明では、回答処理部244は取引管理サーバ200が備えるものとしたが、回答処理部244と同様の機能が利用者側端末300に設けられていても良い。その場合利用者側端末300では、利用者側端末300の有する回答処理部244により質問表示フォームHから回答情報を取得し、取引管理サーバ200へ送信すれば良い。
【0097】
以上で回答処理部244による回答情報に関する処理の説明を終わる。
【0098】
次に、回答情報照合部270による回答情報の照合処理について説明する。
【0099】
回答情報照合部270は、質問情報及び検索条件テンプレート243bを用いて検索条件を生成し、生成した検索条件で取引実績情報データベース230を検索した結果と回答情報とを照合する。
【0100】
ここで検索条件テンプレート243bについて説明する。
【0101】
図16は、検索条件テンプレートの例を示す図である。検索条件テンプレート243bは、取引実績情報データベース230において、回答情報と照合する取引実績情報を検索するための検索条件を作成するためのテンプレートである。検索条件テンプレート243bでは、質問情報に含まれる情報を検索条件テンプレート243bの有する各項目に設定するにより検索条件を生成する。検索条件テンプレート243bは予めシステム管理者などにより作成されてテンプレート部243に作成されている。
【0102】
検索条件テンプレート243bは、質問テンプレート243aと対応したテンプレート
である。検索条件テンプレート243bでは、質問テンプレート243aの質問区分に対応付けられた検索条件、検索により取得する取得値、回答情報との照合方法などの項目を有する。
【0103】
例えば質問区分Aの場合について説明する。質問テンプレート243aによれば、質問区分Aは質問期間(yyy年mm月dd日〜yyy年mm月dd日)の出品件数を問う質問であり、回答方法は手入力である。
【0104】
検索条件テンプレート243bでは、質問区分Aに対する検索条件として、条件1に出品者ID(ユーザID)、条件2に質問期間「yyy年mm月dd日〜yyy年mm月dd日」、取得値として出品件数、照合方法として取得値と回答情報の入力値との照合と決められている。ここで条件1に設定されるユーザIDは、質問作成要求に含まれるユーザIDである。また条件2に設定される質問期間は、質問情報生成部250の質問期間決定部254により決定された質問期間である。
【0105】
したがって質問区分Aに対応する検索条件は、「出品者IDがユーザIDで、且つyyy年mm月dd日〜yyy年mm月dd日の取引実績情報」となる。また、取得値は、この検索条件により取引実績情報データベース230内を検索した結果取得した取引実績情報の件数となる。
【0106】
尚本実施例の検索条件テンプレート243bでは、回答方法が回答リストより選択させる方法の質問区分の場合、回答リストに追加された固定の選択枝に対応した検索条件テンプレートを別に備えている。質問テンプレート243aでは、質問区分D〜質問区分Fの回答方法が回答リストにより選択させる方法である。また本実施例の回答リストA1に追加された固定の選択枝は「なし」である。したがって検索条件テンプレート243bは、質問区分D〜質問区分Fにおいて固定の選択枝「なし」が選択された場合の検索条件テンプレートを備えている。
【0107】
検索条件テンプレート243bの備える回答リストA1において「なし」が選択された場合の検索条件テンプレートでは、取得値として質問期間中の出品件数、照合方法として取得値と0との照合とされている。すなわち取得値である質問期間中の出品件数が0であった場合、回答情報及び取引実績情報が一致するものとした。
【0108】
また検索条件テンプレート243bでは、回答リストA1から「なし」以外の何れかの品物名が選択された場合、取得値として選択された品物の件数、照合方法として取得値が0以外であるかの照合とされている。すなわち取得値が0でなければ、回答情報及び取引実績情報が一致するものとした。
【0109】
ここで図4に戻って、回答情報照合部270の詳細について説明する。
【0110】
回答情報照合部270は、検索条件生成部271、取引実績検索部272、照合部273を有する。
【0111】
検索条件生成部271は、検索条件テンプレート243bを参照して回答情報の質問区分に対応した検索条件を生成する。取引実績検索部272は、検索条件生成部271により生成された検索条件で取引実績情報を検索する。照合部273は、検索結果と回答情報との照合を行う。
【0112】
以下に図17を参照して、回答情報照合部270による照合処理を説明する。図17は、回答情報照合部による照合処理を説明するフローチャートである。
【0113】
取引管理サーバ200が回答情報を取得すると(ステップS171)、検索条件生成部241は、回答情報の質問区分にしたがって検索条件テンプレート243bから対応する検索条件テンプレートを選択する(ステップS172)。次に検索条件生成部271は、選択した検索条件テンプレートに設定される情報を質問情報から取得し、取得した情報を検索条件テンプレートに設定して検索条件を生成する(ステップS173)。
【0114】
検索条件が生成されると、取引実績検索部272は、生成された検索条件で取引実績情報データベース230内を検索する(ステップS174)。照合部273は、検索結果と回答情報とを照合する(ステップS175)。
【0115】
ここで、図6、図10、図15、図16、図18を参照してステップS172からステップS175までの照合処理を具体的に説明する。図18は、回答情報照合部により生成された検索条件の例を示す図である。図18では、図16に示す検索条件テンプレート243bと図10に示す質問情報とにより生成した検索条件を示す。以下に図18に示す検索条件を用いて図6に示す取引実績情報を検索した結果と、図15に示す回答情報とが照合される場合について説明する。
【0116】
回答情報照合部270が図15に示す回答情報を取得すると、検索条件生成部271は、各質問毎に質問区分に対応した検索条件を生成する。
【0117】
例えば質問区分Aの質問1の場合、検索条件生成部271は、質問区分Aに対応する検索テンプレート(図16参照)を選択し、質問情報(図10参照)に含まれるユーザID及び質問期間を選択した検索条件テンプレートに設定する。ここで質問期間の項目に設定される情報は、質問情報生成部250の質問期間決定部254において乱数により決定された値である。その結果、質問1に対応した検索条件として「出品者ID=00001且つ2006/10/28〜2006/10/28の出品件数」が生成される(図18参照)。このとき検索条件テンプレート243bの照合方法は、取得値である件数及び回答情報の入力値の照合である。
【0118】
取引実績検索部272が図6に示す取引実績情報を上記検索条件で検索した場合、取得値は0である。また図15に示す回答情報の入力値も0である。したがって照合部273は、検索条件テンプレートの照合方法にしたがい、取得値及び回答情報の入力値を照合する。ここでは取得値及び入力値は共に0であるから、照合部273は照合結果を一致するものとし、回答情報の入力値が正しい値であると判定する。
【0119】
また例えば質問区分Dの質問4の場合、検索条件生成部271は、質問区分Dに対応する検索テンプレートを選択する。質問区分Dは、回答方法が回答リストによる選択であるから、質問区分Dに対応した検索条件テンプレートは固定の選択枝「なし」に対応した検索条件テンプレートと、「なし」以外に対応した検索条件テンプレートとを備える。
【0120】
ここで検索条件生成部271は、質問区分Dの質問に対する回答が「なし」であるため、質問区分Dの検索条件テンプレートのうち、「なし」に対応した検索条件テンプレートを選択して検索条件を生成する。検索条件生成部271は、質問情報に含まれるユーザID及び質問期間を選択した検索条件テンプレートに設定する。その結果、質問4に対応した検索条件として、「出品者ID=00001且つ2006/10/28〜2006/10/28の出品」が生成される(図18参照)。また検索条件テンプレート243bの照合方法は、出品件数の取得値と入力値「なし」との照合である。この場合取得値が0の場合、取得値及び入力値が一致するものする。
【0121】
取引実績検索部272が図6に示す取引実績情報を上記検索条件で検索した場合、取得値は0である。よって照合部273は、入力値及び取得値の照合結果を一致するものとし、回答情報の入力値が正しい値であると判定する。
【0122】
照合部273による各質問毎の照合結果を図19に示す。図19は、照合部による質問毎の照合結果の例を示す図である。
【0123】
回答情報照合部270は、以上に説明したステップS172からステップS175までの回答情報の照合処理を、質問数回繰り返す。
【0124】
ここで図17に戻って、照合部273は質問毎の回答情報の照合結果によりパスワードを通知するか否かを判断する(ステップS176)。本実施例では、全ての回答情報が取引実績情報と一致した場合のみ、パスワードを通知する。
【0125】
全ての質問に対する回答情報と取引実績情報との照合結果が一致した場合、回答情報照合部270は、利用者データベース220に格納されたユーザIDと対応付けられたパスワードを取得する。パスワード通知部246は、取得したパスワードを選択されたパスワード通知方法により利用者側端末300へ通知する(ステップS177)。
【0126】
例えば選択されたパスワード通知方法がFAXであった場合、パスワード通知部246は利用者データベース220の登録情報部213から、ユーザIDに対応付けられたFAX番号を取得し、取得したFAX番号へパスワードを示す文字列を送信する(ステップS178)。FAXが送信されると、表示フォーム生成部245はFAXによりパスワードを通知した旨を示す表示フォームを生成する。表示フォームは利用者側端末300へ送信されて、利用者側端末300において表示される(ステップS179)。
【0127】
また選択されたパスワード通知方法が電子メールであった場合、パスワード通知部246は、利用者データベース220の登録情報部213からユーザIDと対応付けられた電子メールアドレスを取得し、取得した電子メールアドレスへパスワードを示す文字列を送信する(ステップS180)。電子メールが送信されると、表示フォーム生成部245は電子メールによりパスワードを通知した旨を示す表示フォームを生成する。表示フォームは利用者側端末300へ送信されて、利用者側端末300において表示される(ステップS181)。
【0128】
また選択されたパスワード通知方法が画面への表示であった場合、表示フォーム生成部245は、パスワードを示す文字列を含む表示フォームを生成し、利用者側端末300減送信し、利用者側端末300の表示装置にパスワードを表示させる(ステップS182)。
【0129】
ステップS176において、全ての回答情報が取引実績情報と一致しなかった場合、表示フォーム生成部245は照合エラーを示す表示フォームを生成し、利用者側端末300へ送信し、利用者側端末300に表示させる(ステップS183)。
【0130】
本実施例では以上のようにして回答情報及び取引実績情報の照合処理を行う。以上で回答情報照合部270による回答情報の照合処理の説明を終わる。
【0131】
このように、本実施例では、ユーザIDと対応付けされた取引実績情報を用いて質問情報を生成し、回答情報と取引実績情報とを照合した結果に基づきパスワードを通知する。このため本実施例では、予め登録されたパスワード忘れ用の情報を用いることなく忘れられたパスワードを取得することができる。
【0132】
また本実施例の取引管理サーバ200の有するテンプレート部243、回答処理部244、表示フォーム生成部245、パスワード通知部246、質問情報生成部250、回答リスト生成部260、回答情報照合部270は、本発明のパスワード通知機能を実現するパスワード通知機能部500を構成しても良い。
【0133】
パスワード通知機能部500は、取引管理サーバ200とは別に設けられたASP(Application Service Provider)サーバに搭載されても良い。図20に、パスワード通知機能部が搭載されたASPサーバを有する売買取引システムを示す。
【0134】
パスワード通知機能部500を有するASPサーバ600は、売買取引システム100Aを構成する複数の取引管理サーバの有する売買取引情報データベースと連携することにより、各取引管理サーバへパスワード通知機能を提供することができる。
【0135】
このように、本発明によれば、利用者がパスワードを忘れた際に、売買取引情報に基づき利用者へパスワードを通知する。よって、利用者がパスワードを忘れた際に、予め登録されたパスワード忘れ用の情報を用いることなく利用者を特定し、特定された利用者へパスワードを通知することができる。
【0136】
本発明は、以下に記載する付記のような構成が考えられる。
(付記1)
ネットワークを介して接続される利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理サーバとしてコンピュータを機能させるための取引管理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、
利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、
前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行させるための取引管理プログラム。
(付記2)
前記質問情報生成手順は、乱数を用いて前記質問情報の生成に用いる値の範囲を決定することを特徴とする付記1に記載の取引管理プログラム。
(付記3)
前記質問情報生成手順は、前記乱数を用いて決定された値を質問情報を生成するための質問情報テンプレートに設定して質問情報を生成することを特徴とする付記2に記載の取引管理プログラム。
(付記4)
前記質問情報生成手順は、少なくとも販売情報又は購入情報を含む質問情報を生成することを特徴とする付記1ないし3の何れか一に記載の取引管理プログラム。
(付記5)
前記コンピュータに、
前記質問情報に含まれる情報と、前記質問情報の回答内容とに基づき回答情報を取得する回答情報取得手順を実行させることを特徴とする付記1ないし4の何れか一項に記載の取引管理プログラム。
(付記6)
前記コンピュータに、
前記回答情報と、前記売買取引情報データベースに格納された前記取引実績情報を照合する照合手順を実行させ、
前記照合手順は、前記質問情報に対応した検索条件を生成し、生成された前記検索条件により前記売買取引情報データベース内を検索した結果と、前記回答情報とを照合することを特徴とする付記5に記載の取引管理プログラム。
(付記7)
前記照合手順は、前記質問情報に対応した検索条件を生成するための検索条件テンプレートを選択し、選択した前記検索条件テンプレートに、前記質問情報に含まれる前記乱数により決定された値を設定して検索条件を生成する検索条件生成手順を有することを特徴とする付記6に記載の取引管理プログラム。
(付記8)
ネットワークを介して接続された利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理方法であって、コンピュータが、
前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、
利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、
前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行することを特徴とする取引管理方法。
(付記9)
ネットワークを介して接続される利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理サーバであって、
前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手段と、
利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手段と、
前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けらけた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手段とを有することを特徴とする取引管理サーバ。
【0137】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の概略を説明する概略図である。
【図2】売買取引システムにおけるパスワード通知を説明する画面遷移図である。
【図3】本発明の一実施例に係る取引管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図4】取引管理サーバの機能構成図である。
【図5】利用者データベースに格納された情報の例を示す図である。
【図6】取引実績情報データベースに格納された取引実績情報の例を示す図である。
【図7】取引管理サーバが質問作成要求を受けるまでの処理を説明するフローチャートである。
【図8】質問テンプレートの例を示す図である。
【図9】質問情報の生成処理及び回答リストの生成処理を説明するフローチャートである。
【図10】質問情報生成部により生成された質問情報の例を示す図である。
【図11】取引実績情報から回答リストを生成する例を示す図である。
【図12】利用者側端末に表示された質問表示フォームに回答が入力された画面の例を示す図である。
【図13】回答テンプレートの例を示す図である。
【図14】回答処理部による処理を説明するフローチャートである。
【図15】回答情報の例を示す図である。
【図16】検索条件テンプレートの例を示す図である。
【図17】回答情報照合部による照合処理を説明するフローチャートである。
【図18】回答情報照合部により生成された検索条件の例を示す図である。
【図19】照合部による質問毎の照合結果の例を示す図である。
【図20】パスワード通知機能部が搭載されたASPサーバを有する売買取引システムを示す図である。
【符号の説明】
【0139】
100 売買取引システム
200 取引管理サーバ
210 売買取引情報データベース
220 利用者データベース
230 取引実績情報データベース
243a 質問テンプレート
243b 検索条件テンプレート
244a 回答テンプレート
245 表示フォーム生成部
246 パスワード通知部
250 質問情報生成部
260 回答リスト生成部
270 回答情報照合部
300 利用者側端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理サーバとしてコンピュータを機能させるための取引管理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、
利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、
前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行させるための取引管理プログラム。
【請求項2】
前記質問情報生成手順は、乱数を用いて前記質問情報の生成に用いる値の範囲を決定することを特徴とする請求項1に記載の取引管理プログラム。
【請求項3】
前記質問情報生成手順は、前記乱数を用いて決定された値を質問情報を生成するための質問情報テンプレートに設定して質問情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の取引管理プログラム。
【請求項4】
ネットワークを介して接続される利用者側端末の利用者の売買取引情報を管理する取引管理方法であって、コンピュータが、
前記利用者側端末から利用者を識別する利用者識別情報とパスワード取得要求とを受信する受信手順と、
利用者識別情報と、前記利用者識別情報と対応した取引実績情報とが格納された売買取引情報データベースを参照して利用者の売買取引に関する質問情報を生成する質問情報生成手順と、
前記利用者端末から受信した前記質問情報の回答内容が前記売取引情報データベースに格納された前記利用者の取引実績情報と一致したとき、前記利用者識別情報に対応付けられた前記利用者のパスワードを前記利用者端末へ送信するパスワード送信手順とを実行することを特徴とする取引管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−269054(P2008−269054A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108136(P2007−108136)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000237156)株式会社エフ・エフ・シー (100)
【Fターム(参考)】