説明

合成ガスの製造方法

電力、化学物質、二酸化炭素及び水素を生成するための方法を提供する。約1050°F〜約1900°Fの温度に加熱された流動反応ゾーンにおいて、1つ又は複数の供給原料と1つ又は複数の酸化剤とを混合して、二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を含む合成ガスを生成することができる。1つ又は複数の実施形態において、合成ガスの少なくとも一部を1つ又は複数のタービンのための燃料源として使用して、1つ又は複数の発電機を駆動することができる。1つ又は複数の実施形態において、合成ガスの少なくとも一部を1つ又は複数のガス変換器に導入して、メタノール、ギ酸アルキル、ジメチルエーテル、アンモニア、フィッシャー・トロプシュ生成物、それらの誘導体又はそれらの組合せを生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、広くは、炭化水素のガス化に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、石炭系供給原料、廃棄ポリマー材料及び/又はバイオマス材料のガス化に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス化は、通常は、炭素含有材料を一酸化炭素及び水素ガスに変換するために高圧で実施される高温プロセスである。このガスは、化学物質又は合成炭化水素燃料の合成にしばしば使用されるため、「合成ガス」、又はより簡潔には「シンガス」としばしば称する。電気又は蒸気を生成するための燃料、及び水素源としてシンガスを使用することができる。
【0003】
ガス化に対する典型的な供給物としては、純粋、又は重質原油などの加工原料の残留物、油砂から回収された歴青、頁岩油からの油母、コークス並びに他の高硫黄及び/又は高金属含有残留物である石油系材料;ガス;並びに様々な炭素質廃棄物質が挙げられる。乾燥又は懸濁化供給原料を高温及び(通常は)高圧にてガス化装置において還元(酸素欠乏)雰囲気中で反応させる。得られたシンガスは、典型的には、一酸化炭素として供給炭素含有量の約85パーセントを含有し、残りは、二酸化炭素とメタンの混合物である。
【0004】
3つの基本的な種類のガス化装置は、固定床式、流動床式及び噴流床式である。固定床式ガス化装置は、比較的低い出口温度(425℃〜600℃)で動作し、他の2つの種類のガス化装置と比較して必要な酸素量が少ない。しかし、生成物シンガスは、実質的な未変換メタン、並びに副産物タール及び油を含む。流動床式ガス化装置は、より中程度の出口温度(900℃〜1050℃)で動作し、必要な酸素量が同等の固定床式ガス化装置より多い。流動床式ガス化装置による合成ガスは、より高純度であるが、炭素変換率は、はるかに高い温度(1250℃〜1600℃)で動作し、はるかに高いエネルギー入力を必要とするが、それによってより高純度の合成ガスを得ることができる同等の噴流床式ガス化装置より低い。
【0005】
噴流ガス化装置及び一部の固定床式ガス化装置のより低いゾーンにおける高温は、供給物における無機材料を、ガス化装置から除去されると固化する溶融ガラス状材料に変換して、粗砂に類似し、一般にスラグと呼ばれる材料を生成する。流動床式ガス化装置は、ガラス状でなく、単に固化又は凝集した乾燥灰を生成する。ガス化装置によっては、より低温で(非スラギングガス化装置)、又はより高温で低粘度の液体として(スラギングガス化装置)灰を除去するのが望ましい。この不活性スラグ又は灰は、建設及び建築産業に様々な用途がある。
【0006】
ガス化装置への回収又はリサイクルに向けて微量元素及び他の不純物を除去するために、実証された商業的技術を用いて原料シンガスを処理することができる。硫黄を市場向きの硫黄元素又は硫酸として回収することができる。燃料源に加えて、シンガスを燃料、化学物質、肥料及び工業ガスの製造における原料として使用することができる。
【0007】
本実施形態の上記特徴を詳しく理解できるように、そのいくつかが添付の図面に示されている実施形態を参照することによって、以上に要約した本発明のより具体的な説明を把握することができる。添付の図面は、典型的な実施形態のみを示すため、その範囲を限定するものと見なされるべきではない。本明細書における発明は、他の同等に効果的な実施形態に対応し得るからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】1つ又は複数の実施形態による例示的なガス化システムを示す図である。
【図2】1つ又は複数の実施形態による例示的なガス化装置を示す図である。
【図3】1つ又は複数の実施形態による別の例示的なガス化システムを示す図である。
【図4】1つ又は複数の実施形態によるさらに別の例示的なガス化システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態を、上記図面を参照しながら以下に詳述する。
【0010】
次に、詳細に説明する。添付の請求項の各々は、侵害目的で、請求項に規定の様々な要素又は制限の同等物を含むものと認識される個別の発明を規定する。文脈に応じて、「発明」に対する以下の言及は、いくつかの場合において、一部の具体的な実施形態のみを指してもよい。他の場合において、「発明」に対する言及は、必ずしもすべてでない1つ又は複数の請求項に記載の主題を指すことになる。次に、具体的な実施形態、型及び実施例を含む本発明の各々を以下に詳細に説明するが、本発明は、この特許における情報が利用可能な情報及び技術と一緒になった場合に、当業者が本発明を構築・利用することを可能にするように含まれるこれらの実施形態、型又は実施例に限定されない。
【0011】
1つ又は複数の実施形態において、供給原料を合成ガス又は単に「シンガス」に変換するためのガス化システム及びプロセスを提供する。記載したガス化システム及びプロセスは、柔軟性、効率性、及び低放射又はゼロ放射を伴う安全性の優れたバランスを提供する。該システム及びプロセスは、不純物が少なく、酸素消費量が小さく、低温ガス効率がより高いシンガス流を生成することができる。生成されたシンガスを、電気、燃料、化学物質、蒸気及び水素を含むが、それらに限定されない市場向けの製品にさらに加工することができる。
【0012】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の供給原料と1つ又は複数の酸化剤とを流動反応ゾーンにて混合することができる。1つ又は複数の吸着剤を随意に利用する。反応ゾーンを1050°F〜1900°F(即ち比較的低温)に加熱して、二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を含む合成ガスを提供することができる。合成ガスの少なくとも一部を1つ又は複数のガス又は燃焼タービンに送り、又は供給して、電力及び/又は電気を生成することができる。合成ガスの少なくとも一部を1つ又は複数のガス変換器に送って、1つ又は複数のフィッシャー・トロプシュ生成物、化学物質及び/又は供給原料メタノール、それらの誘導体及び/又はアンモニアとメタノールを含むそれらの組合せを生成することができる。
【0013】
1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置への水素及び一酸化炭素源は、ガス化プロセスそのものによる。1つ又は複数の実施形態において、水素及び一酸化炭素を要求に応じてガス化装置に独立に供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、第2の材料を使用して、例えばガス化装置供給の中断中に、ガス化装置に入る酸素を除去することによって、酸素濃度が、ガス化装置内に存在する水素との無制御な反応を指示するのに十分なレベルまで上昇するのを防止することができる。1つ又は複数の実施形態において、第2の材料は、残留酸素を除去することができる反応性炭素を含有する灰を含むことができる。
【0014】
図面を参照すると、図1は、1つ又は複数の実施形態による例示的なガス化システムを示す。1つ又は複数の実施形態において、ガス化システムは、1つ又は複数のガス化装置200と、微粒子除去システム300と、85%以上の一酸化炭素と水素の混合物を含み、残りが主に二酸化炭素及びメタンである合成ガス(「シンガス」)流410を生成するためのガス浄化システム400とを含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化システムは、1つ又は複数のフィッシャー・トロプシュ生成物、化学物質及び/又は供給原料メタノール、それらの誘導体、及び/又はアンモニアとメタノールを含むそれらの組合せを生成するための1つ又は複数のガス変換器500を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化システムは、1つ又は複数の水素分離器600、燃料電池650、燃焼タービン700、蒸気タービン800、廃熱ボイラー850、及び燃料、電力、蒸気及び/又はエネルギーを生成するための発生器775、875を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化システムは、本質的に窒素のない合成ガスを生成するための1つ又は複数の空気分離ユニット(「ASU」)900を含むことができる。
【0015】
ガス流210を介する1つ又は複数の供給原料及びガス流205を介する1つ又は複数の酸化剤を1つ又は複数のガス化装置200に導入して、原料シンガス流280を生成することができる。1つ又は複数の実施形態において、酸化剤の種類及び量は、シンガス、そしてそれから製造される下流生成物の組成及び物理特性を決定づけ得る。1つ又は複数の酸化剤としては、空気;酸素;本質的に酸素;酸素が豊富な空気;及び酸素と空気の混合物;窒素とアルゴンなどの酸素と不活性ガスの混合物等を挙げることができるが、それらに限定されない。1つ又は複数の実施形態において、酸化剤は、約65容量%以上の酸素、又は約70容量%以上の酸素、又は約75容量%以上の酸素、又は約80容量%以上の酸素、又は約85容量%以上の酸素、又は約90容量%以上の酸素、又は約95容量%以上の酸素、又は約99容量%以上の酸素を含有することができる。本明細書に用いられているように、「本質的に酸素」という用語は、51容量%以上の酸素を含有する酸素流を指す。本明細書に用いられているように、「酸素が豊富な空気」という用語は、21容量%以上の酸素を含有する空気を指す。酸素が豊富な空気を、例えば、空気の低温蒸留、圧力スウィング吸着、膜分離又はそれらの任意の組合せから得ることができる。
【0016】
1つ又は複数の実施形態において、酸化剤流205は、無窒素、又は本質的に無窒素であり得る。「本質的に無窒素」とは、酸化剤流205が約5容量%以下の窒素、4容量%以下の窒素、3容量%以下の窒素、2容量%以下の窒素又は1容量%以下の窒素を含有することを意味する。
【0017】
「供給原料」という用語は、本明細書に用いられているように、固体、気体又は液体にかかわらず、原材料を指す。例えば、供給原料は、1つ又は複数の炭素質材料を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、炭素質材料としては、バイオマス(即ち、植物及び/又は動物物質或いは植物及び/又は動物由来物質);石炭(例えば、高ナトリウム及び低ナトリウム褐炭、褐炭、亜歴青炭及び/又は無煙炭);頁岩油;コークス;タール;アスファルテン;低灰分又は無灰分ポリマー;炭化水素系ポリマー材料;バイオマス由来材料;又は製造処理に由来する副産物を挙げることができるが、それらに限定されない。炭化水素系ポリマー材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、他のポリオレフィンを含むポリスチレン、単独重合体、共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物を含む熱可塑剤、エラストマー、ゴム;PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリブレンド、酸素を含有するポリ炭化水素;炭化水素ワックスなどの石油精製装置及び石油化学プラントからの重炭化水素汚泥及び残留生成物;それらの混合物、それらの誘導体;並びにそれらの組合せを挙げることができる。
【0018】
1つ又は複数の実施形態において、供給原料は、2つ以上の炭素質材料(即ち炭素含有材料)の混合物又は組合せを含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料は、2つ以上の低灰分又は無灰分ポリマーの混合物又は組合せ、バイオマス由来材料、製造処理に由来する副産物を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料は、カーペット及び/又はバンパー及びダッシュボードを含むプラスチック製自動車パーツ/部品などの1つ又は複数の廃棄消費者製品と組み合わせた1つ又は複数の炭素質材料を含むことができる。当該廃棄消費者製品は、好ましくは、ガス化装置200内に適合する大きさに好適に縮小される。1つ又は複数の実施形態において、供給原料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの任意の組合せなどの1つ又は複数のリサイクルプラスチックを含むことができる。よって、該プロセスは、既に製造された材料を適正に処分するための指令を順守するのに有用であり得る。
【0019】
1つ又は複数の実施形態において、供給原料流210は、乾燥供給物であるか、スラリー又は懸濁物としてガス化装置200に搬送され得る。1つ又は複数の実施形態において、供給原料を例えば水分18%まで乾燥させ、次いで、ガス化装置200に供給する前に、1つ又は複数の平行ボウルミルなどのミリング装置によって粉砕することができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料は、約50ミクロンから約500ミクロン、又は約50ミクロンから約400ミクロンの平均粒径を有することができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料の平均粒径は、約150ミクロンから約450ミクロン、又は約250ミクロンから約400ミクロンの範囲であり得る。
【0020】
原料シンガス流280は、1つ又は複数のガス化装置200を出る。原料シンガス流280は、85%以上の一酸化炭素及び水素を含有することができ、残りは、主に二酸化炭素及びメタンである。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、90%以上の一酸化炭素及び水素、95%以上の一酸化炭素及び水素、97%以上の一酸化炭素及び水素、又は99%以上の一酸化炭素及び水素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280の一酸化炭素含有量は、約10容量%、20容量%又は30容量%の低含有量から50容量%、70容量%又は85容量%の高含有量の範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280の一酸化炭素含有量は、約15容量%、25容量%又は35容量%の低含有量から65容量%、75容量%又は85容量%の高含有量の範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280の水素含有量は、約1容量%、5容量%又は10容量%の低含有量から30容量%、40容量%又は50容量%の高含有量の範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280の水素含有量は、約20容量%から30容量%の範囲であり得る。
【0021】
1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、25容量%未満の窒素、メタン、二酸化炭素、水、硫化水素及び塩化水素の混合物を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、20容量%未満の窒素、メタン、二酸化炭素、水、硫化水素及び塩化水素の混合物を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、15容量%未満の窒素、メタン、二酸化炭素、水、硫化水素及び塩化水素の混合物を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、10容量%未満の窒素、メタン、二酸化炭素、水、硫化水素及び塩化水素の混合物を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、5容量%未満の窒素、メタン、二酸化炭素、水、硫化水素及び塩化水素の混合物を含有することができる。
【0022】
1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280の二酸化炭素含有量は、約25容量%以下、20容量%以下、15容量%以下、10容量%以下、5容量%以下、3容量%以下、2容量%以下又は1容量%以下です。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280のメタン含有量は、約15容量%以下、10容量%以下、5容量%以下、3容量%以下、2容量以下又は1容量%以下である。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280の含水量は、約40容量%以下、30容量%以下、25容量%以下、20容量%以下、15容量%以下、10容量%以下、5容量%以下、3容量%以下、2容量%以下又は1容量%以下である。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280は、無窒素、又は例えば窒素含有量が0.5容量%未満の本質的に無窒素である。
【0023】
1つ又は複数の微粒子除去システム300を使用して、あらゆる微粒子から原料シンガス流280を部分的又は完全に除去して、微粒子流305及び分離シンガス流310を提供することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の冷却器275(「一次冷却器」)を使用して原料シンガス流280を冷却して、微粒子除去システム300に入る前に冷却された原料シンガス流290を供給することができる。例えば、原料シンガス流280を約1000°F以下まで冷却することができる。1つ又は複数の実施形態において、原料シンガス流280を約900°F以下、800°F以下、700°F以下、600°F以下、500°F以下、400°F以下又は300°F以下まで冷却することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の微粒子除去システム300の前に原料シンガス流280を冷却することは、随意である。例えば、原料シンガス流280をそのまま微粒子除去システム300に供給して、高温ガス微粒子を除去することができる(例えば、1050°F〜1900°F)。
【0024】
1つ又は複数の微粒子除去システム300は、従来のディスエンゲージャー及び/又はサイクロンなどの1つ又は複数の分離装置(不図示)を含むことができる。約0.1ppmwの検出限界未満の出口微粒子濃度を提供することが可能な微粒子制御装置(「PCD」)を使用することもできる。例示的なPCDとしては、焼結金属フィルタ、金属フィルタキャンドル及び/又はセラミックフィルタキャンドル(例えば、鉄アルミナイドフィルタ材料)を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0025】
ガス流305からの固体微粒子をガス化装置200に再循環させるか(不図示)、又は示されるように、システムから除去することができる。1つ又は複数の冷却器375(「二次冷却器」)を使用して、分離されたシンガス流310を冷却して、冷却分離シンガス流390を提供することができる。分離シンガス流390は、300°Fから550°Fなどの約650°F以下の温度を有することができる。冷却分離シンガス流390を1つ又は複数のガス浄化システム400内で処理して、汚染物質を除去し、廃ガス流405及び処理シンガス流410を提供することができる。1つ又は複数のガス浄化システム400は、分離シンガス流390における硫黄及び/又は硫黄含有化合物を除去するためのシステム、プロセス又はデバイスを含むことができる。例示的な触媒ガス浄化システム400としては、チタン酸亜鉛、亜鉄酸亜鉛、酸化錫、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム又はそれらの混合物を挙げることができるが、それらに限定されない。例示的なプロセス系ガス浄化システム400としては、Selexol(商標)プロセス、Rectisol(登録商標)プロセス、CrystaSulf(登録商標)プロセス及びSulfinol(登録商標)ガス処理プロセスを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0026】
1つ又は複数の実施形態において、メチル−ジエタノールアミン(MDEA)のような1つ又は複数のアミン溶媒を使用して、シンガス流390からあらゆる酸性ガスを除去することができる。Selexol(ポリエチレングリコールのジメチルエーテル)又はRectisol(登録商標)(低温メタノール)などの物理的溶媒を使用することもできる。シンガス流390が硫化カルボニル(COS)を含有する場合は、硫化カルボニルを触媒上で水と反応させることによって加水分解により硫化水素に変換し、次いで上記方法を用いて吸収させることができる。シンガス流390が水銀を含有する場合は、硫黄含浸活性炭素の層を使用して水銀を除去することができる。
【0027】
1つ又は複数の実施形態において、コバルト−モリブデン(「Co−Mo」)触媒を1つ又は複数の処理ユニット400に組み込んで、シンガスのサワーシフト変換を行うことができる。Co−Mo触媒は、約100ppmwのH2SなどのH2Sの存在下で約550°Fの温度にて動作することができる。Co−Mo触媒を使用して、サワーシフトを行う場合は、上記の硫黄除去方法及び/又は技術のいずれかを用いて、続く下流の硫黄除去を達成することができる。
【0028】
ガス浄化システム400から得られた処理シンガス流410を燃焼させて、電力及び/又は蒸気を製造又は生成することができる。1つ又は複数の実施形態において、処理シンガス流410を商品として販売することができる。1つ又は複数の実施形態において、処理シンガス流410を使用して、フィッシャー・トロプシュ生成物、化学物質及び/又は供給原料を生成することができる。1つ又は複数の実施形態において、水素を処理シンガス流410から分離し、水素化プロセス、燃料電池エネルギープロセス、アンモニア製造に、且つ燃料として使用することができる。1つ又は複数の実施形態において、一酸化炭素を処理シンガス流410から分離し、酢酸、ホスゲン/イソシアネート、ギ酸及びプロピオン酸などの化学物質の製造に使用することができる。
【0029】
さらに図1を参照すると、1つ又は複数のガス変換器500を使用して、ガス流510(「変換ガス流510」)を介して処理シンガス流410を1つ又は複数のフィッシャー・トロプシュ生成物、化学物質及び/又は供給原料に変換することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のガス変換器500の少なくとも1つは、COをCO2に変換することによって合成ガスの水素対一酸化炭素比(H2:CO)を調整するための1つ又は複数のシフト反応器を含むことができる。1つ又は複数のシフト反応器内で、水−ガスシフト反応は、触媒の存在下及び/又は高温で処理シンガス流410における一酸化炭素の少なくとも一部を水と反応させて、水素及び二酸化炭素を生成する。1つ又は複数のシフト反応器としては、単段断熱固定床式反応器、段間冷却、蒸気発生又は急冷反応器を備えた多段断熱固定床式反応器;蒸気発生又は冷却を備えた管状固定床式反応器;流動床式反応器、又はそれらの任意の組合せを挙げることができるが、それらに限定されない。1つ又は複数の実施形態において、シフト触媒及び高温(約900°Fの)二酸化炭素吸着剤が充填された多数の固定床反応器を有する圧力スウィング吸着ユニットを利用する吸着増強水−ガスシフト(SEWGS)プロセスを使用することができる。様々なシフト触媒を採用することができる。
【0030】
少なくとも1つの具体的な実施形態において、シフト反応器は、直列に配置された2つの反応器を含むことができる。第1の反応器を高温(約650°Fから約750°F)で動作させて、鉄−クロム触媒を使用して、処理シンガス流410に存在するCOの大部分を比較的高反応速度でCO2に変換することができる。第2の反応器を比較的低温(約300°Fから約400°F)で動作させて、酸化銅と酸化亜鉛の混合物を使用して、COのCO2への変換を完了することができる。
【0031】
1つ又は複数の実施形態において、シフト反応器500から回収された二酸化炭素を燃料回収プロセスで使用して、油及びガスの回収を向上させることができる。例示的な油回収プロセスにおいて、「標準的な」油が存在する既存の油溜の下の領域内に二酸化炭素を射出し、流し込むことができる。次いで、原油で除去した水及び二酸化炭素を分離し、再利用することができる。
【0032】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のガス変換器500の少なくとも1つを使用して、精製所/石油化学供給原料、輸送燃料、合成原油、液体燃料、潤滑油、アルファオレフィン及びワックス等を含む1つ又は複数のフィッシャー・トロプシュ(「F−T」)生成物を製造することができる。反応器の構成に応じて、約190℃から約450℃の範囲の条件下で、銅、ルテニウム、鉄又はコバルト系触媒又はそれらの組合せを使用して、任意の種類の反応器、例えば、固定床式反応器、移動床式反応器、流動床式反応器、スラリー、バブリング床式反応器で反応を実施することができる。さらなる反応及び触媒の詳細を米国特許出願第20050284797号並びに米国特許第5,621,155号;同第6,682,711号;同第6,331,575号;同第6,313,062号;同第6,284,807号;同第6,136,868号;同第4,568663号;同第4,663,305号;同第5,348,982号;同第6,319,960号;同第6,124,367号;同第6,087,405号;同第5,945,459号;同第4,992,406号;同第6,117,814号;同第5,545,674及び同第6,300,268号に見いだすことができる。
【0033】
F−T生成物は、様々な製品へのさらなる化学反応及び改良に向けて精製所に出荷され得る液体である。一定の生成物、例えば、C4〜C5炭化水素は、要望に応じて、水素処理してオレフィン不純物を除去するか、又は水素処理せずに採用して、広範なワックス製品を製造することができる高品質パラフィン溶媒であり得る。C16+液体炭化水素製品を様々な水素変換反応、例えば、水素分解、水素異性化触媒脱蝋、同種脱蝋等、又はそれらの組合せによって改良して、中間留出物、ディーゼル及び低凝固点ジェット燃料、高セタンジェット燃料等、イソパラフィン溶媒、潤滑油等、例えば、輸送車両に好適な潤滑油配合成分及び潤滑油基本原料、泥土の掘削に使用するのに好適な無毒の掘削油、技術的及び医薬品グレードの白色油、化学原材料及び様々な特製品を製造することができる。
【0034】
少なくとも1つの具体的な実施形態において、1つ又は複数のガス変換器500の少なくとも1つは、1つ又は複数のF−T生成物を製造するための1つ又は複数のスラリーバブルカラム反応器を含むことができる。スラリーバブルカラム反応器は、レニウムによって推進され、チタニアに支持され、約0.01から約1の範囲のRe:Co重量比を有し、2重量%から50重量%のコバルトを含有するコバルト触媒を使用して、220℃未満の温度、及び約10から約600psi又は約250から約350psiで動作することができる。1つ又は複数の実施形態において、スラリーバブルカラム反応器内の触媒は、触媒銅又は鉄族金属の塩が含浸されたチタン支持体、ポリオール又は多価アルコール及び所望によりレニウム化合物又は塩を含むことができるが、それらに限定されない。ポリオール又は多価アルコールの例としては、グリコール、グリセロール、デリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ダルシトール、グルシオトール、ソルビトール及びマンニトールが挙げられる。濃縮塩水溶液、例えば、硝酸コバルト又は酢酸コバルトとしての触媒金属、銅又は鉄族金属をポリオール、及び所望により過レニウム酸と混合しながら、水の量を調節して、溶液中15重量%のコバルトを得て、所望により初期湿潤技術を用いて、所望により噴霧乾燥及び焼成されたルチル又はアナターゼチタニア支持体上に触媒を含浸することができる。この方法は、レニウム推進剤の必要性を小さくする。さらなる詳細を米国特許第5,075,269号及び同第6,331,575号に見いだすことができる。
【0035】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のガス変換器500の少なくとも1つを使用して、メタノール、ギ酸アルキル、ジメチルエーテル、アンモニア、無水酢酸、酢酸、酢酸メチル、酢酸エステル、酢酸ビニル及びポリマー、ケテン、ホルムアルデヒド、ジメチルエーテル、オレフィン、それらの誘導体、及び/又はそれらの組合せを製造することができる。メタノール製造には、例えば、液相メタノールプロセスを使用することができる(LPMEOH(商標))。このプロセスでは、閑散時は実質的な時間にわたってアイドリングしながら反応熱を節約する一方、良好な触媒活性を維持することができる不活性炭化水素油反応媒体にスラリーバブルカラム反応器及び触媒を使用して、シンガス流410における一酸化炭素を直接メタノールに変換することができる。さらなる詳細を米国特許出願第2006/0149423号及び先に公開されたHeydorn,E.C.、Street,B.T及びKornosky,R.M.、「液体相メタノール(LPMEOH(商標))プロジェクト運用体験(Liquid Phase Methanol (LPMEOHTM) Project Operational Experience)」(1998年10月4〜7日のサンフランシスコにおけるガス化技術委員会会議で発表された)。メタノールを製造するための気相プロセスを用いることもできる。例えば、銅系触媒を使用するプロセス、インペリアルケミカルインダストリープロセス、ルルギプロセス及び三菱プロセスを使用することができる。
【0036】
アンモニア製造では、1つ又は複数のガス変換器500の少なくとも1つを、LeBancら、「アンモニア(Ammonia)」、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第2巻、第3版、1978、494〜500頁に記載のHaber−Boschプロセスを実施するように構成することができる。ギ酸アルキル、例えば、ギ酸メチルの製造では、一酸化炭素とメタノールをアルカリ触媒又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属メトキシド触媒の存在下で液相又は気相にて反応させるいくつかのプロセスのいずれかを用いることができる。さらなる詳細を米国特許第3,716,619号;同第3,816,513号;及び同第4,216,339号に見いだすことができる。
【0037】
図1に示されていないが、二酸化炭素を変換ガス流510から分離及び/又は回収することができる。1つ又は複数の実施形態において、物理的吸着技術を使用することができる。好適な吸着剤及び技術としては、炭酸プロピレン物理的吸着剤溶媒並びに他の炭酸アルキル、2から12個のグリコール単位のポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Selexol(商標)プロセス)、n−メチル−ピロリドン、スルホン酸塩、Sulfinol(登録商標)ガス処理プロセスの使用が挙げられるが、それらに限定されない。
【0038】
変換ガス流510の少なくとも一部を販売、又は図示されていないさらなる下流のプロセスを用いて改良することができる。1つ又は複数の実施形態において、変換ガス流510の少なくとも一部を1つ又は複数の水素分離器600に誘導することができる。1つ又は複数の実施形態において、処理シンガス流410の少なくとも一部は、上記の1つ又は複数のガス変換器500をバイパスすることができ、1つ又は複数の水素分離器600に直接供給され得る。
【0039】
1つ又は複数の水素分離器600は、水素をシンガスから選択的に分離して、1つ又は複数の浄化水素流及び1つ又は複数の廃棄ガス流を供給するための任意のシステム又は装置を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、水素分離器600は、二酸化炭素が豊富なガス流605及び水素が豊富なガス流615を供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、水素が豊富なガス流615の少なくとも一部を1つ又は複数の燃料電池650への供給原料として使用することができ、水素が豊富なガス流615の少なくとも一部を1つ又は複数の燃焼器750における燃料として使用する前に処理シンガス流410と混合することができる。1つ又は複数の実施形態において、水素分離器600は、圧力スウィング吸収、低温蒸留及び半透過膜を利用することができる。好適な吸収剤としては、苛性ソーダ、炭酸カリウム又は他の無機塩基及び/又はアラノラミンを挙げることができる。
【0040】
1つ又は複数の実施形態において、処理シンガス流410の少なくとも一部を1つ又は複数の燃焼器750で燃焼して、高圧/高温排気ガス流720を供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、排気ガス流720を1つ又は複数の燃焼タービン700に導入して、排気ガス流810及び機械的軸動力を供給して、1つ又は複数の発電機775を駆動することができる。1つ又は複数の実施形態において、排気ガス流810を1つ又は複数の熱回収システム850に導入して、ガス流820を介して蒸気を供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス流820における蒸気の第1の部分を1つ又は複数の蒸気タービン800に導入して、機械的軸動力を供給して、1つ又は複数の発電機875を駆動することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス流820内の蒸気の第2の部分をガス化装置200及び/又は他の補助的なプロセス装置に導入することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の蒸気タービン800からのより低圧の蒸気を、ガス流830を介して1つ又は複数の熱回収システム850にリサイクルすることができる。
【0041】
1つ又は複数の実施形態において、ASU900からの純粋な酸素をガス化装置200に供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ASU900は、窒素が希薄で酸素が豊富なガス流910を1つ又は複数のガス化装置200に供給することによって、システムにおける窒素濃度を最小限に抑えることができる。ほぼ純粋な酸素ガス流を使用すると、ガス化装置200は、例えば、0.5%未満の窒素/アルゴンを含有する、本質的に無窒素のシンガス流280を生成することが可能になる。1つ又は複数の実施形態において、ASU900は、ガス流905を介して空気が補給され得る高圧、低温型分離器であり得る。ASUからの不良の窒素ガス流915を以下により詳細に説明するように燃焼タービンに添加し、又は用益として利用することができる。
【0042】
1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200に供給される全酸化剤の50%までを、ガス流910を介してASU900により供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200に供給される全酸化剤の40%までを、ガス流910を介してASU900により供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置に供給される全酸化剤の30%までを、ガス流910を介してASU900により供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置に供給される全酸化剤の20%までを、ガス流910を介してASU900により供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置に供給される全酸化剤の10%までを、ガス流910を介してASU900により供給することができる。
【0043】
図2は、1つ又は複数の実施形態による例示的なガス化装置を示す。ガス化装置200は、単一の反応器装置、或いは直列又は並列に配置された2つ以上の反応器装置を含むことができる。各反応器装置は、1つ又は複数の混合ゾーン215、ライザー220及びディスエンゲージャー230、240を含むことができる。各反応器装置を互いに独立に構成することもできるし、1つ又は複数の混合ゾーン215、ライザー220、ディスエンゲージャー230、240を共有できるように構成することもできる。説明を簡潔、且つわかりやすくするために、ガス化装置200の実施形態を単一反応器装置の脈絡でさらに説明する。
【0044】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の供給原料(ガス流210を介する)と1つ又は複数の酸化剤(ガス流205を介する)を混合ゾーン215で混合して、ガス混合物を提供することができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料及び酸化剤を、示されるように混合ゾーン215に注入するか、又は混合ゾーン(不図示)に注入する前に混合することができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料及び酸化剤をガス化装置200に順次注入することができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料及び酸化剤をガス化装置200に同時に注入することができる。ガス化装置200に対する供給(即ち、供給原料及び酸化剤の導入)は、所望の生成物の種類及びグレードに応じて連続的又は断続的であり得る。
【0045】
ガス懸濁物は、混合ゾーン215を通じて、ライザー220内に移動し、そこでさらなる滞留時間により、チャーガス化反応、メタン/蒸気改質反応、タール分解反応及び/又は水−ガスシフト反応が生じることが可能になる。ライザー220は、混合ゾーン215より高温で動作することができ、混合ゾーン215より小さい直径を有することができる。1つ又は複数の実施形態において、ライザー220における表面ガス速度は、約10ft/sから約90ft/s、又は約20ft/sから約80ft/s、約30ft/sから約70ft/s、又は約30ft/sから約40ft/s、又は約35ft/sから約60ft/sの範囲であり得る。ライザー220における好適な温度は、約600°Fから約2000°Fの範囲であり得る。
【0046】
ガス混合物は、ライザー220を出て、ディスエンゲージャー230、240に入り、そこでより大きい微粒子をガスから分離し、管柱250及び/又はj形脚255を含むが、それらに限定されない1つ又は複数の導管を介して、混合ゾーン215にリサイクルすることができる。j形脚255は、有効固体滞留時間を延ばし、炭素変換率を増加させ、固体を混合ゾーン215にリサイクルするための通気要件を最小限にするための非機械的「j形弁」を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、ディスエンゲージャー230、240は、サイクロンであり得る。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のループシールなどの1つ又は複数の微粒子移送装置245をディスエンゲージャー230、240の下流に配置して、分離された微粒子を回収することができる。原料シンガス流280におけるあらゆる捕集微粒子又は残留微粒子を、(図1に示される)1つ又は複数の微粒子除去システム300を使用して除去することができる。
【0047】
1つ又は複数の実施形態において、供給原料の平均粒径を対照変数として用いて、管柱250を介して混合ゾーンにリサイクルされる固体の微粒子密度を最適化することができる。1つ又は複数の実施形態において、供給原料の粒径を、微粒子質量循環率を最適化し、混合ゾーン215及びライザー220内のガス混合物の流動特性を向上させるように変化させることができる。
【0048】
1つ又は複数の吸着剤をガス化装置200に添加することもできる。1つ又は複数の実施形態において、吸着剤を添加して、ガス化装置200内の気相におけるナトリウム蒸気などのシンガスからの汚染物質を捕捉することができる。1つ又は複数の実施形態において、吸着剤を添加して、酸素が、混合ゾーン215内の供給原料から水素(例えば水)との望ましくない副反応をもたらし得る濃度に達するのを遅延又は防止するのに十分な速度又はレベルで酸素を除去することができる。1つ又は複数の実施形態において、吸着剤を使用して、ガス化装置における供給原料粒子を分散又はコーティングして、粒子が凝集する傾向を弱めることができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の酸化剤を混合ゾーン215の底部に導入して、再循環微粒子内に含まれるあらゆる炭素を燃焼させることにより、混合ゾーン215及びライザー220内の温度を上昇させて、灰(「チャー」)を形成することができる。1つ又は複数の実施形態において、吸着剤を約5μmから約100ミクロン又は約10ミクロンから約75ミクロンの平均粒径まで粉砕することができる。例示的な吸着剤としては、炭素が豊富な灰、石灰岩、ドロマイト及び粉コークスを挙げることができるが、それらに限定されない。供給原料から放出された残留硫黄を供給物における原生カルシウム又はカルシウム系吸着剤によって捕捉して、硫化カルシウムを形成することができる。
【0049】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の酸化剤を、混合ゾーン215の温度を制御するのに好適な速度で混合ゾーン215に導入することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の酸化剤は、過剰空気を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の酸化剤は、酸素と炭素のモル比を、混合ゾーン215において、二酸化炭素より一酸化炭素の形成を優先させる準化学量論的濃度に維持できる準化学量論的空気であり得る。1つ又は複数の実施形態において、酸化剤を介して混合ゾーン215に供給される酸素は、混合ゾーン215に供給されるすべての炭素の完全燃焼に必要な酸素の化学量論量の5パーセント未満であり得る。存在すれば、動作及び供給中断時間中に反応器温度を安定化させる固体を再循環させることによって、空気中の過剰の酸素及び蒸気を消費することができる。
【0050】
ガス化装置200における滞留時間及び温度は、水−ガスシフト反応が平衡に達するのに十分である必要がある。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215における供給原料の滞留時間は、約2秒を超える。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215における供給原料の滞留時間は、約5秒を超える。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215における供給原料の滞留時間は、約10秒を超える。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200の動作温度は、約500°F、750°F又は1000°Fから、約1200°F、1500°F又は1800°Fの範囲である。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200の動作温度は、約700°Fから約1750°Fの範囲である。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200の動作温度は、約900°Fから約1600°Fの範囲である。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200の動作温度は、約1200°Fから約1600°Fの範囲である。
【0051】
1つ又は複数の実施形態において、約1050°Fから約1900°F又は約1540°Fから約1710°Fなどの灰を融解させない程度の温度範囲でガス化装置200を動作させることができる。再循環する固体が、流入供給原料と接触する前に、混合ゾーン215の底部の再循環固体中の炭素を燃焼させることによって熱を供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215を約950°Fから約1200°Fの温度とし、所望により粉コークス又は同等物を混合ゾーン215に供給して、混合ゾーン215の温度をさらに約1650°Fまで上昇させることによって立上げを開始することができる。
【0052】
1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200の動作温度をライザー220内の固体の再循環速度及び滞留時間によって;混合ゾーン215へのリサイクルの前に灰の温度を低下させることによって;混合ゾーン215への蒸気の添加によって;及び/又は混合ゾーン215への酸化剤の添加によって制御することができる。再循環する固体は、タールの形成を最小限にする流入供給原料を迅速に加熱するように働くこともできる。
【0053】
1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215を約0psigから約650psigの圧力で動作させて、反応器の単位断面積当たりの熱出力を増加させ、任意の後続の出力周期におけるエネルギー出力を高めることができる。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215を約100psigから約550psigの圧力で動作させることができる。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215を約100psigから約450psigの圧力で動作させることができる。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215を約100psigから約350psigの圧力で動作させることができる。
【0054】
1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200において生成されるシンガスは、一酸化炭素、水素、酸素、炭化水素、硫黄、固体、それらの混合物、それらの誘導体又はそれらの組合せを含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200において生成されるシンガスは、本質的に無窒素であり得る。1つ又は複数の実施形態において、該プロセスは、供給原料の炭素の少なくとも約85%又は90%又は95%又は98%又は99%をシンガスに変換する。
【0055】
1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200において生成するシンガスは、約5容量%から約50容量%の一酸化炭素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約15容量%から約40容量%の一酸化炭素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約20容量%から約30容量%の一酸化炭素を含有することができる。
【0056】
1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約5容量%から約25容量%の水素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約10容量%から約25容量%の水素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約10容量%から約20容量%の水素を含有することができる。
【0057】
1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約0.5容量%から約3.0容量%の窒素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約0.5容量%から約2.0容量%の窒素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約1.5容量%から約3.0容量%の窒素を含有することができる。
【0058】
1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約1容量%から約20容量%のメタンを含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約5容量%から約15容量%のメタンを含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約5容量%から約10容量%のメタンを含有することができる。
【0059】
1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約30容量%未満の二酸化炭素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約25容量%未満の二酸化炭素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約20容量%未満の二酸化炭素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約15容量%未満の二酸化炭素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、シンガスは、約10容量%未満の二酸化炭素を含有することができる。
【0060】
1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置200から出る合成ガスは、熱損失及び希釈効果について補正した約50Btu/scfから約75Btu/scf、又は約50Btu/scfから約100Btu/scf、又は約50Btu/scfから約110Btu/scf、又は約50Btu/scfから約140Btu/scf、又は約50Btu/scfから約180Btu/scf、又は約50Btu/scfから約200Btu/scf、又は約50Btu/scfから約250Btu/scf、又は約50Btu/scfから約275Btu/scfの熱量を有することができる。
【0061】
蒸気をガス化装置200に供給して、ガス化装置200における水素対一酸化炭素比(H2:CO)を制御することができる。ガス化装置200の出口温度は、比例して同等のガス化装置(即ちスラグ型)より低くなるため、シンガスにおける熱的加熱対化学的加熱量は、ガス化装置200において比較的小さくなる。したがって、蒸気を使用して、より高温で動作する他の噴流ガス化装置より小さいエネルギーペナルティでH2:CO比をシフトにより調整することができる。ガス化装置内の動作温度が低い(即ち2900°F)ため、より小さいエネルギーを消費して、H2:CO比が制御・最適化されるため、ガス化装置200内の蒸気需要を相応に増加させることなく水素生成量を増加させることができる。例えば、ガス化装置200を出る合成ガスは、少なくとも0.2のH2:COを有することができる。1つ又は複数の実施形態において、H2:CO比は、少なくとも0.5である。1つ又は複数の実施形態において、H2:CO比は、約0.25から約2.5である。1つ又は複数の実施形態において、H2:CO比は、約0.4から約2.0である。1つ又は複数の実施形態において、H2:CO比は、約0.5から約1.5である。1つ又は複数の実施形態において、H2:CO比は、約0.8から約1.0である。
【0062】
図3は、1つ又は複数の実施形態による別の例示的なガス化システムを示す。1つ又は複数の実施形態において、ガス化システムは、効率性をさらに向上させるための1つ又は複数の統合燃焼タービン730を含むことができる。1つ又は複数のガス化装置200、微粒子除去システム300、ガス処理システム400、ガス変換器500、水素分離器600、蒸気タービン800、熱回収システム850、発生器775、875及び空気分離ユニット900は、上記のものと同一であり得る。
【0063】
1つ又は複数の実施形態において、合成ガス流410の少なくとも一部を水素が豊富なガス流615の少なくとも一部と混合して、1つ又は複数の燃焼タービン730のための燃料ガスを供給することができる。燃焼タービン730は、高温排気ガス(ガス流810)及び軸動力を生成して、1つ又は複数の発生器775を駆動することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の熱回収システム850を使用して、燃焼タービン排気ガス流810からの熱(一般には約1100°F)を回収して、1つ又は複数の発生器875を駆動するための軸動力を提供することができる蒸気タービン800に後に使用するための蒸気(ガス流820)を生成することができる。蒸気タービン800からのより低圧の蒸気を(ガス流830を介して)熱回収システム850に戻すことができる。
【0064】
1つ又は複数の実施形態において、熱回収システム850は、より高温の排気ガス(ガス流810を介する)とより低圧の蒸気(ガス流830)との間で熱を交換して、より高圧の蒸気(ガス流820)を生成することが可能な閉鎖ループ加熱システム、例えば、廃熱ボイラー及びシェル−チューブ熱交換機である。熱回収システム850は、補助燃料なしで1500psigまでの1000°Fの超過熱/再加熱蒸気を供給することができる。
【0065】
1つ又は複数の実施形態において、ガス流705を介する雰囲気空気を燃焼タービン730に導入して、ガス流710を介する圧縮空気をガス化装置200及び/又はASU900に直接供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、ASU900内で分離された窒素を除去する、且つ/又は1つ又は複数の燃焼タービン730(ガス流915)に戻して、燃焼タービン730における燃焼温度を下げることによってNOx放出量を低減することができる。窒素は、熱量を有さない希釈剤、即ち熱シンクとして作用する。NOxの形成をさらに最小限に抑えるために、燃焼タービン730に入るシンガス流410を水で飽和することができる(不図示)。
【0066】
ガス流820内の高圧スチームの少なくとも一部を1つ又は複数のガス化装置200及び/又は他の補助蒸気消費プロセス装置(不図示)に導入することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス流820からの残留熱を、当業者に良く知られている凝縮システムに戻すか、又は地域の蒸気消費者に販売することができる。
【0067】
図4は、1つ又は複数の実施形態によるさらに別の例示的なガス化システムを示す。例示的なガス化システムは、ガス化装置のための窒素含有酸化剤ガス流203を利用する。ガス流203における1つ又は複数の窒素含有酸化剤は、空気;酸素が豊富な空気;酸素と空気の混合物;及び酸素と窒素の混合物等を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、窒素含有酸化剤は、約20容量%以上の酸素、又は約25容量%以上の酸素、又は約30容量%以上の酸素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、窒素含有酸化剤は、少なくとも5容量%の窒素を含有することができる。1つ又は複数の実施形態において、窒素含有酸化剤の窒素含有量は、約5容量%、10容量%又は20容量%の低濃度から約25容量%、50容量%又は80容量%の高濃度の範囲であり得る。
【0068】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の微粒子及び窒素を含有する原料シンガス流283を、1つ又は複数の冷却器275を使用して冷却して、冷却原料シンガス流298を供給することができる。1つ又は複数の微粒子除去システム300を使用して、冷却原料シンガス流298から微粒子を部分的又は完全に除去して、微粒子流305及び分離シンガス流313を供給することができる。分離シンガス流313を、1つ又は複数の二次冷却器375を使用して冷却して、冷却分離シンガス流393を供給することができる。冷却分離シンガス流393を1つ又は複数のガス浄化システム400内で処理して、廃ガス流405及び処理シンガス流413を供給することができる。
【0069】
窒素を含有する処理シンガス流413を1つ又は複数のガス変換器500内で変換してガス流510を供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のガス変換器500は、処理シンガス流413から窒素を除去して、約20ppbv以下又は約10ppbv以下の量のHCN及びNH3を含有するフィッシャー/トロプシュ原料ガス流を供給するための低温又はメンブレン型システムを含むことができる。窒素除去システムを使用して、システム内の窒素濃度を維持することもできる。ガス流503を介してシステムから窒素を回収及び/又は除去することができる。
【0070】
変換ガス流510の少なくとも一部を販売するか、又はさらなる下流プロセス(不図示)を用いて改良することができる。1つ又は複数の実施形態において、変換ガス流510の少なくとも一部を1つ又は複数の水素分離器600に向けることができる。1つ又は複数の実施形態において、処理シンガス流413の少なくとも一部は、上記の1つ又は複数のガス変換器500をバイパスすることができ、1つ又は複数の水素分離器600に直接供給され得る。
【0071】
水素が豊富なガス流615の少なくとも一部を1つ又は複数の燃料電池650への供給原料として使用することができ、水素が豊富なガス流615の少なくとも一部を、1つ又は複数の燃焼器750における燃料として使用する前に、処理シンガス流413と混合することができる。水素が豊富なガス流615は、変換ガス流510及び/又は処理シンガス流413の窒素含有量に応じて異なる量の窒素を含むことができる。
【0072】
1つ又は複数の実施形態において、水素分離器600は、窒素を除去する、又は少なくとも本質的に除去して、無窒素又は本質的に無窒素の水素が豊富なガス流615及び/又は無窒素又は本質的に無窒素の二酸化炭素が豊富なガス流605を供給するための少なくとも1つの窒素分離ユニットを含むことができる。分離した窒素を、ガス流503を介してシステムから回収及び/又は除去することができる。
【0073】
1つ又は複数の実施形態において、合成ガス流413の少なくとも一部を水素が豊富なガス流615の少なくとも一部と混合して、軸動力を1つ又は複数の発生器775に提供することができる1つ又は複数の燃焼タービン730のための燃料ガスを供給することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の熱回収システム850を使用して、燃焼タービン排気ガス流810(一般に1100°F)からの熱を回収して、軸動力を1つ又は複数の発生器875に提供することができる蒸気タービン800に後に使用するための蒸気(ガス流820)を生成することができる。蒸気タービン800からのより低圧の蒸気を(ガス流830を介して)熱回収システム850に戻すことができる。
【0074】
1つ又は複数の実施形態において、ガス流705を介する雰囲気空気を燃焼タービン730に導入して、ガス流710を介する圧縮空気をガス化装置200に直接供給することができる。示されていないが、ガス流503を介する分離窒素を除去し、且つ/又は1つ又は複数の燃焼タービン730に戻して、燃焼タービン730における燃焼温度を下げることによってNOx放出量を減少させることができる。窒素は、熱量を有さない希釈剤、即ち熱シンクとして作用する。NOxの形成をさらに最小限に抑えるために、燃焼タービン730に入るシンガス流413を水で飽和することができる(不図示)。
【0075】
ガス流820内の高圧蒸気の少なくとも一部を1つ又は複数のガス化装置200及び/又は他の補助蒸気消費プロセス装置(不図示)に導入することができる。1つ又は複数の実施形態において、ガス流820からの残留熱を当業者に良く知られている凝縮システムに戻すか、又は地域の蒸気消費者に販売することができる。
【0076】
任意の1つ又は複数の上記実施形態を別の実施形態と組み合わせることができる。記載のガス化システムは、柔軟性、効率性、及び低放射又はゼロ放射を伴う安全性の優れたバランスを提供する。様々な実施形態におけるガス化装置は、他の循環又は流動床式ガス化装置と比較して、有意に高い循環率、速度及び密度で動作する。これにより、スループットがより高くなり、混合状態がより良好になり、熱及び質量伝達速度が向上する。石炭灰のスラギングは、回収できない大量のエネルギーを必要とするため、該ガス化装置は、スラギングガス化装置と比べて効率性を大きく向上させる。加えて、非スラギング条件は、長い耐火寿命により有用である。単段動作は、さらに効率性を向上させる。現在のガス化装置に対する他の利点としては、優れた気体/固体接触により炭素変換率が高いこと、水消費量が少ないこと、固体再循環率が高いこと、硫黄捕捉率が高いこと、スループットが高いこと、及び小さいフットプリント並びに簡単な機械設計に寄与する高い熱放出率が挙げられる。
【0077】
一連の上限値及び一連の下限値を用いて、一定の実施形態及び特徴について説明した。特に指定する場合を除いて、任意の下限から任意の上限までの範囲が考えられる。一定の下限、上限及び範囲が、1つ又は複数の請求項に記載されている。すべての数値は、「約」又は「およそ」指定値であり、当業者が想定する実験誤差及び変動が考慮されている。
【0078】
様々な用語を以上に定義した。請求項に用いられている用語が以上に定義されていなければ、当業者が、少なくとも1つの公開又は公布特許に反映されている用語に与えた最も広い定義が与えられるべきである。また、本出願に引用されているすべての特許、試験手順及び他の特許は、当該開示が本出願と矛盾せず、当該組み込みが許可されるすべての法的権利に矛盾しない範囲内で参照により全面的に組み込まれている。
【0079】
上記内容は、本発明の実施形態に向けられるが、その基本的な範囲から逸脱することなく本発明の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案することができ、その範囲は、添付の請求項によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力、化学物質、二酸化炭素及び水素を生成するための方法であって、
流動反応ゾーンにおいて、1つ又は複数の供給原料と1つ又は複数の酸化剤とを混合するステップと、
該反応ゾーンを1050°F〜1900°Fの温度に加熱して、二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を含む合成ガスを提供するステップと、
該合成ガスの少なくとも一部を1つ又は複数のタービンに送るステップと、
該合成ガスの少なくとも一部をメタノール、ギ酸アルキル、ジメチルエーテル、アンモニア、フィッシャー・トロプシュ生成物、それらの誘導体又はそれらの組合せに変換するステップと
を含む方法。
【請求項2】
合成ガスが本質的に無窒素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
石灰岩、ドロマイト又はその両方を含有する1つ又は複数の吸着剤を供給原料及び酸化剤と混合するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
供給原料が、250μmから400μmの範囲の平均粒径を有する粒子に粉砕されている石炭を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
酸化剤が、少なくとも70容量%の酸素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酸化剤が、少なくとも70容量%の空気を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
供給原料が、高ナトリウム褐炭、低ナトリウム褐炭、亜歴青炭、歴青炭及び無煙炭からなる群から選択されている石炭系材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
合成ガスが、要求に応じて該1つ又は複数のタービン及びガス変換器に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
電力、二酸化炭素及び水素を生成するための方法であって、
1050°F〜1900°Fに加熱された反応ゾーンにおいて、ポリマー、バイオマス及び石炭を含む供給原料を、1つ又は複数の酸化剤と混合して、二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を含む合成ガスを生成するステップであって、該ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブレンド、他のポリオレフィン、及びさらなる成分として酸素に限定されたポリ炭化水素からなる群から選択されている、該ステップと、
該合成ガスのすべて又は一部を1つ又は複数のタービンに送るステップと、
該合成ガスのすべて又は一部を1つ又は複数のガス変換器に送って、水素、メタノール、ギ酸アルキル、ジメチルエーテル、アンモニア、フィッシャー・トロプシュ生成物、それらの誘導体又はそれらの組合せを生成するステップと
を含む方法。
【請求項10】
該合成ガスが、本質的に無窒素である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
吸着剤を該反応ゾーンに添加するステップであって、該吸着剤は、石灰岩、ドロマイト又はそれらの組合せを含むステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
該石炭が、150μmから450μmの平均粒径を有する粒子に粉砕されている、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
該ポリマーが、150μmから450μmの平均粒径を有する粒子に粉砕されている、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
加熱前に、粉コークスが該反応ゾーンに供給され、950°F〜1200°Fの温度に加熱される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
石炭が、高ナトリウム褐炭、低ナトリウム褐炭、亜歴青炭、歴青炭及び無煙炭からなる群から選択されている、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
酸化剤が、少なくとも70容量%の酸素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
酸化剤が、少なくとも70容量%の空気を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
該1つ又は複数の燃焼タービンの少なくとも1つが、複合サイクルシステムの一部である、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
該1つ又は複数の燃焼タービンの少なくとも1つが、統合ガス化複合サイクルの一部である、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
電力、化学物質、二酸化炭素及び水素を生成するための方法であって、
プラスチック、石炭、灰及び1つ又は複数の酸化剤を流動反応ゾーンにおいて約1050°Fから約1900°Fの温度で混合するステップであって、該プラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、それらの誘導体又はそれらの組合せを含んでいる、該ステップと、
二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を含む1つ又は複数の合成ガス流を生成するステップと、
該1つ又は複数の合成ガス流の少なくとも一部を1つ又は複数のタービンに送るステップと、
該1つ又は複数の合成ガス流の少なくとも一部を1つ又は複数のガス変換器に送って、メタノール、ギ酸アルキル、ジメチルエーテル、アンモニア、フィッシャー・トロプシュ生成物、それらの誘導体又はそれらの組合せを生成するステップと
を含む方法。
【請求項21】
該合成ガス流が、本質的に無窒素である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
石灰岩、ドロマイト又はその両方を含有する1つ又は複数の吸着剤を該石炭及び酸化剤と混合するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
該酸化剤が、少なくとも70容量%の酸素を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
該酸化剤が、少なくとも70容量%の空気を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
該石炭系供給原料が、高ナトリウム褐炭、低ナトリウム褐炭、亜歴青炭及び歴青炭及び無煙炭からなる群から選択されている、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
該合成ガス流が、要求に応じて該燃焼タービン及びガス変換器に供給される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
電力、化学物質、二酸化炭素及び水素を生成するための方法であって、
石炭系供給原料と窒素含有酸化剤を流動反応ゾーンにおいて混合するステップと、
該反応ゾーンを約1050°F〜1900°Fの温度に加熱して、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素及び水素を含む合成ガス流を提供するステップと、
該合成ガス流の少なくとも一部を1つ又は複数のタービンに送るステップと、
該合成ガス流の少なくとも一部を変換して、メタノール、ギ酸アルキル、ジメチルエーテル、アンモニア、フィッシャー・トロプシュ生成物、それらの誘導体又はそれらの組合せを生成するステップと
を含む方法。
【請求項28】
石灰岩、ドロマイト又はその両方を含有する1つ又は複数の吸着剤を該石炭及び酸化剤と混合するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
石炭が、250μmから400μmの範囲の平均粒径を有する粒子に粉砕されている、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
該石炭系供給原料が、高ナトリウム褐炭、低ナトリウム褐炭、亜歴青炭、歴青炭、無煙炭及びそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
該合成ガス流が、要求に応じて該燃焼タービンに供給される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
該燃焼タービンからの空気を空気分離ユニットに通して、本質的無窒素流を生成し、該本質的無窒素流の少なくとも一部を該反応ゾーンにリサイクルするステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
電力、化学物質、二酸化炭素及び水素を生成するための方法であって、
流動反応ゾーンにおいて、1つ又は複数の炭素質材料を含む1つ又は複数の供給原料と、1つ又は複数の酸化剤とを混合するステップと、
該反応ゾーンを1050°F〜1900°Fの温度に加熱して、エラント酸素(errant oxygen)遊離酸素、二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を生成するステップと、
エラント酸素が、水素と無制御の反応を持続させるのに十分な濃度に達するのを遅らせる、又は防止するのに十分な速度及びレベルでエラント酸素を吸収又は消費することが可能な1つ又は複数の材料を添加するステップと
を含む方法。
【請求項34】
石灰岩、ドロマイト又はその両方を含有する1つ又は複数の吸着剤を該1つ又は複数の供給原料及び酸化剤と混合するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
該炭素質材料が、250μmから400μmの範囲の平均粒径を有する粒子に粉砕されている、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
該供給原料が、高ナトリウム褐炭、低ナトリウム褐炭、亜歴青炭、歴青炭及び無煙炭からなる群から選択されている、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
第2の該材料は、炭素が豊富な灰を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
該炭素が豊富な灰が、該流動反応ゾーン内を循環する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
該エラント酸素が該供給原料の供給の中断中に該流動反応ゾーンに入る、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−505026(P2010−505026A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530345(P2009−530345)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/017959
【国際公開番号】WO2008/042050
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(506288771)ケロッグ ブラウン アンド ルート エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】