合鍵管理システム、合鍵管理サーバ、携帯電話機および合鍵管理方法
【課題】使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減すること。
【解決手段】本発明によれば、合鍵を発行した後に、任意のタイミングで合鍵の有効化あるいは無効化を行うことができる。そのため、合鍵について設定を希望する使用条件が変化する度に、新たな合鍵を発行する必要がなくなる。
したがって、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
【解決手段】本発明によれば、合鍵を発行した後に、任意のタイミングで合鍵の有効化あるいは無効化を行うことができる。そのため、合鍵について設定を希望する使用条件が変化する度に、新たな合鍵を発行する必要がなくなる。
したがって、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠の鍵として機能する携帯電話機に発行された合鍵を管理するための合鍵管理システム、合鍵管理サーバ、携帯電話機および合鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触ICチップを備えた携帯電話機が利用されるようになっており、このような携帯電話機を電気錠の鍵として用いる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、合鍵の作成を管理するサーバを有し、マスターキー管理者の端末装置からドアの合鍵を作成する要求信号をサーバに送信すると、マスターキー管理者の端末装置に、合鍵を作成するためのアプリケーションプログラムを送信して、マスターキー管理者の端末装置からのみ合鍵を作成可能とした合鍵発行システムが開示されている。
この合鍵発行システムでは、マスターキー管理者の端末装置上で合鍵を作成するためのアプリケーションプログラムを実行する際に、合鍵の使用条件、例えば、合鍵を有効に使用できる開始日時、合鍵を有効に使用できる期間の終わりを示す終了日時等を設定して合鍵を作成することを可能としている。
【特許文献1】特開2006−16956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、携帯電話機等の携帯端末を電気錠の鍵として用いる従来の技術においては、合鍵に使用条件を設定する場合、合鍵作成時に各種の使用条件が設定され、その合鍵については、作成時に設定された使用条件の下でのみ使用が可能とされる。
そのため、例えば、一時的に合鍵を使用させたい相手に対して、有効期限を設定した合鍵を発行した場合、有効期限を過ぎると合鍵が使用できない状態となる。そして、合鍵が無効となった後、再び同一の相手に合鍵を発行する場合、その度に同様の発行手続きを繰り返すこととなり、合鍵発行の手続きが煩雑なものになる。
このように、従来の技術においては、使用条件を設定した合鍵を利用する際に大きな手間を要することとなっていた。
本発明の課題は、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するため、本発明は、
出入り口の施開錠を行う電気錠(例えば、図1の電気錠20)と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタ(例えば、図1の非接触ICリーダ/ライタ30)と、該非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置(例えば、図1の鍵制御装置10)と、前記電気錠を施開錠させる合鍵の管理を行う合鍵管理サーバ(例えば、図1の合鍵管理サーバ40)と、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機(例えば、図1の携帯電話機50,60)とを含み、前記合鍵管理サーバと鍵制御装置および携帯電話機とがネットワーク(例えば、図1のネットワーク70)を介して通信可能に構成された合鍵管理システムであって、第1の携帯電話機(例えば、マスター鍵用携帯電話機50)は、前記合鍵管理サーバに対し、前記電気錠の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼手段(例えば、図7の合鍵発行依頼手段51)と、前記合鍵管理サーバによって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を、前記合鍵管理サーバに指示する合鍵有効化制御手段(例えば、図7の合鍵有効化制御部54)とを備え、前記合鍵管理サーバは、前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼手段によって合鍵の発行が依頼された場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行手段(例えば、図4の鍵ID発行部42)と、前記合鍵有効化制御手段によって合鍵の有効化あるいは無効化が指示された場合に、前記合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替え手段(例えば、図4の鍵ID有効/無効切り替え部45)と、前記有効/無効切り替え手段によって切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示手段(例えば、図4の鍵ID有効/無効切り替え部45)とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、合鍵を発行した後に、任意のタイミングで合鍵の有効化あるいは無効化を行うことができる。そのため、合鍵について設定を希望する使用条件が変化する度に、新たな合鍵を発行する必要がなくなる。
したがって、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図を参照して本発明を適用した合鍵管理システムの実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る合鍵管理システム1のシステム構成を示す図である。
図1において、合鍵管理システム1は、鍵制御装置10と、電気錠20と、非接触ICリーダ/ライタ30と、合鍵管理サーバ40と、携帯電話機50,60と、ネットワーク70とを含んで構成される。
鍵制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、メインメモリ、補助記憶装置等を内部に備え、合鍵発行の対象となる玄関ドアの電気錠20を制御する装置である。また、鍵制御装置10は、ネットワーク70を介してサーバ20と通信可能に構成されている。
【0007】
図2は、鍵制御装置10の機能構成を示す図である。
図2において、鍵制御装置10は、電気錠制御部11と、鍵ID保持部12と、鍵ID認証部13と、鍵利用回数書き込み部14と、通信部15とを含んで構成される。
電気錠制御部11は、電気錠20の開閉を制御する機能を有しており、鍵ID認証部13から、鍵のID(鍵ID)が認証されたことを示す認証信号が入力されると、電気錠20に開錠あるいは施錠の指示信号を出力することにより、電気錠20を開錠したり施錠したりする。
【0008】
このとき、電気錠制御部11は、電気錠20の開錠を行う毎に、その鍵IDによって電気錠20の開錠を行ったことを示す開錠信号を鍵利用回数書き込み部14に出力する。
また、電気錠制御部11は、鍵ID認証部13から、鍵のID(鍵ID)が認証されなかったことを示す非認証信号が入力されると、電気錠20の開閉が行えない旨の警告音を出力させるアラーム信号を電気錠20に出力する。
なお、電気錠制御部11は、CPUが上記のように電気錠の開閉を行うアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID保持部12は、通信部15を介して合鍵管理サーバ40から受信した鍵IDをテーブル形式で記憶している。
【0009】
図3は、鍵ID保持部12が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
図3において、鍵IDテーブルには、鍵IDと、その鍵の有効期限と、その鍵に設定された利用回数制限とが対応付けて記憶されている。
これら鍵IDテーブルに情報が記憶された鍵は、合鍵管理サーバ40によって、現在有効とされている鍵であり、合鍵管理サーバ40から鍵を無効とする指示信号を受信した場合、無効とされた鍵に関する情報が鍵IDテーブルから削除される。
なお、鍵ID保持部12は、半導体メモリあるいはハードディスク装置等の補助記憶装置上に実現される。
【0010】
図2に戻り、鍵ID認証部13は、通信部15を介して、携帯電話機50,60等の非接触ICから読み取られた鍵IDが入力されると、鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶されている鍵IDと、入力された鍵IDとを照合する。そして、鍵ID認証部13は、入力された鍵IDが、鍵IDテーブルに記憶されているいずれかの鍵IDと一致した場合、電気錠制御部11に対し、鍵IDが認証されたことを示す認証信号を出力する。反対に、入力された鍵IDが、鍵IDテーブルに記憶されているいずれの鍵IDとも一致しない場合、鍵ID認証部13は、電気錠制御部11に対し、鍵IDが認証されなかったことを示す非認証信号を出力する。
【0011】
なお、鍵ID認証部13は、CPUが上記のように電気錠の認証を行うアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵利用回数書き込み部14は、電気錠制御部11から、電気錠20の開錠を行ったことを示す開錠信号が入力されると、鍵ID保持部12が記憶している鍵IDテーブルから、その開錠に使用された鍵の利用回数制限を読み出す。そして、鍵利用回数書き込み部14は、読み出した利用回数制限を“1”減算して、鍵IDテーブルに書き戻すことにより、その鍵の利用回数制限を更新する。
【0012】
なお、鍵利用回数書き込み部14は、CPUが上記のように鍵の利用回数制限を更新するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
通信部15は、鍵制御装置10が外部装置と信号を入出力するためのインターフェース(I/F)としての機能を有しており、具体的には、鍵制御装置10が電気錠20と通信を行うための電気錠I/F、鍵制御装置10が非接触ICリーダ/ライタ30と通信を行うための非接触IC用I/F、鍵制御装置10がネットワーク70を介して通信を行うためのネットワークI/Fを備えている。
【0013】
図1に戻り、電気錠20は、住宅の玄関ドア等、施錠の対象となる出入り口に設置された電気錠装置であり、鍵制御装置10から入力される施錠あるいは開錠の指示信号に応じて、出入り口の施錠あるいは開錠を行う。
非接触ICリーダ/ライタ30は、携帯電話機50,60に備えられたFelica(登録商標)等の非接触ICチップの読み込みおよび書き込みを行う装置である。本実施形態においては、非接触ICリーダ/ライタ30は、携帯電話機50,60の非接触ICに記憶されている電気錠の鍵IDを読み取る。そして、非接触ICリーダ/ライタ30は、読み取った電気錠の鍵IDを鍵制御装置10に出力する。
【0014】
合鍵管理サーバ40は、CPU、メインメモリ、補助記憶装置等を内部に備え、鍵制御装置10によって制御される電気錠20の鍵について、合鍵の発行、発行した合鍵の有効および無効の切り替え制御に関する処理を行う。また、合鍵管理サーバ40は、ネットワーク70を介して、鍵制御装置10、携帯電話機50,60と通信可能に構成されている。
【0015】
図4は、合鍵管理サーバ40の機能構成を示す図である。
図4において、合鍵管理サーバ40は、ユーザ認証部41と、鍵ID発行部42と、鍵ID保持部43と、鍵ID送信部44と、鍵ID有効/無効切り替え部45と、通信部46とを含んで構成される。
ユーザ認証部41は、合鍵管理システム1内に存在する電気錠20それぞれについて、電気錠20のID(電気錠ID)と、その電気錠20について合鍵の発行を指示できる携帯電話機50,60のユーザ名とを対応付けて保持している。
【0016】
そして、ユーザ認証部41は、通信部46を介して合鍵発行依頼信号を受信すると、合鍵発行依頼信号に示された電気錠IDについて、保持しているユーザ名と、合鍵発行依頼信号を送信した携帯電話機50,60のユーザ名とを照合する。
さらに、ユーザ認証部41は、合鍵発行依頼信号に示された電気錠IDについて、受信した合鍵発行依頼信号のユーザ名が、保持しているユーザ名と一致した場合、鍵ID発行部42に対し、その電気錠IDについて、ユーザが認証されたことを示す認証信号を出力する。反対に、受信した合鍵発行依頼信号のユーザ名が、保持しているユーザ名と一致しない場合、ユーザ認証部41は、鍵ID発行部42に対し、ユーザが認証されなかったことを示す非認証信号を送信する。
【0017】
なお、ユーザ認証部41は、半導体メモリあるいはハードディスク装置等の補助記憶装置が、電気錠20のID(電気錠ID)と、その電気錠20について合鍵の発行を指示できる携帯電話機50,60のユーザ名とを対応付けて保持し、CPUが上記のようにユーザの認証を行うアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID発行部42は、ユーザ認証部41から合鍵発行の認証信号が入力されると、認証されたユーザに対し、その電気錠IDによって示される電気錠20の合鍵を発行する。このとき、鍵ID発行部42は、合鍵発行依頼信号に、合鍵に設定する使用条件(例えば、有効期限あるいは利用回数制限等)が含まれている場合、その使用条件を設定して合鍵を発行する。
【0018】
そして、鍵ID発行部42は、発行した合鍵を示す鍵IDと、その鍵がマスター鍵であるか合鍵であるかを示す鍵区分と、その合鍵が対応する電気錠20の電気錠IDと、その合鍵に設定されている使用条件(有効期限、利用回数制限等)とを対応付けて、鍵ID保持部43に出力する。
ここで、鍵ID発行部42によって発行された合鍵は、全て無効な状態とされており、以後、合鍵の発行を依頼した携帯電話機50,60のユーザが合鍵の有効化を依頼することに対応して、鍵ID有効/無効切り替え部45により有効化される。
なお、鍵ID発行部42は、CPUが上記のように鍵IDを発行するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID保持部43は、鍵ID発行部42によって作成された電気錠20の鍵をテーブル形式で記憶している。
【0019】
図5は、鍵ID保持部43が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
図5において、鍵IDテーブルには、鍵IDと、その鍵がマスター鍵であるか合鍵であるかを示す鍵区分と、その合鍵が対応する電気錠20の電気錠IDと、その合鍵に設定されている使用条件(有効期限、利用回数制限等)と、その合鍵が現在有効なものであるか否かを示す情報とが対応付けて記憶されている。
鍵IDテーブルに記憶された各合鍵は、合鍵の発行を依頼した携帯電話機50,60のユーザから有効化あるいは無効化の制御が行われることに対応して、有効/無効が切り替えられる。
なお、鍵ID保持部43は、半導体メモリあるいはハードディスク装置等の補助記憶装置上に実現される。
【0020】
図4に戻り、鍵ID送信部44は、鍵ID発行部42によって合鍵が発行され、その合鍵が鍵ID保持部43に記憶されることに対応して、発行された合鍵の鍵IDをダウンロードするためのWebページを作成し、そのURL(Uniform Resource Locator)を、合鍵発行依頼信号において指定された携帯電話機50,60に送信する。なお、このURLにおいて指定された携帯電話機50,60が鍵IDをダウンロードした場合、鍵ID送信部44は、指定した携帯電話機によって鍵IDがダウンロードされた旨のメッセージ(以下、「鍵ID取得通知」と言う。)を、合鍵発行依頼を送信した携帯電話機50,60に送信する。
【0021】
また、鍵ID送信部44は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、鍵IDが有効化された場合、その合鍵の鍵IDおよび使用条件を鍵制御装置10に送信する。
ここで、合鍵の送信先となる携帯電話機が、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって指定された相手の携帯電話機であることをより確実なものとするために、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって指定された相手へのショートメッセージサービスによって、鍵IDを送信したり、あるいは、上記URLを送信したりすることが可能である。また、同様に、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって指定された相手が、事前にPKI(Public Key Infrastructure)に基づく電子証明書を取得しておき、その公開鍵によって、鍵IDを暗号化して送信することも可能である。
【0022】
なお、鍵ID送信部44は、CPUが、上記のように、発行された合鍵の鍵IDをダウンロードするためのURLを携帯電話機50,60に送信する処理および鍵IDが有効化された場合に、使用条件を鍵制御装置10に送信する処理のためのアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID有効/無効切り替え部45は、通信部46を介して、合鍵の発行権限を有する携帯電話機50,60のユーザから、鍵IDを指定して合鍵の有効化あるいは無効化を制御する有効/無効切り替え信号を受信すると、鍵ID保持部43が記憶している鍵IDテーブルにおいて、その鍵IDに関する有効あるいは無効の状態を更新する。
【0023】
また、鍵ID有効/無効切り替え部45は、鍵IDを無効化した場合、その鍵IDを無効化させる指示信号を鍵制御装置10に送信する。
なお、鍵ID有効/無効切り替え部45は、CPUが上記のように鍵IDの有効あるいは無効の状態を更新するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
通信部46は、合鍵管理サーバ40がネットワーク70を介して通信を行うためのインターフェースである。
携帯電話機50,60は、CPU、メインメモリ、補助記憶装置等を備えている。また携帯電話機50,60は、Felica等の非接触ICチップを備え、非接触ICリーダ/ライタ30によって、非接触IC内に記憶された情報が読み取られる。
ここで、携帯電話機50,60は、マスター鍵を保持する場合と、合鍵を保持する場合とで、必要となる構成が異なるものである。
【0024】
以下、携帯電話機50がマスター鍵を保持し、携帯電話機60が合鍵を保持する場合を例に挙げて、それらの構成を説明する。
図6は、マスター鍵を保持する携帯電話機50の機能構成を示す図である。
図6において、マスター鍵を保持する携帯電話機50(以下、適宜「マスター鍵用携帯電話機50」と言う。)は、合鍵発行依頼部51と、合鍵使用条件設定部52と、鍵ID保持部53と、合鍵有効化制御部54と、非接触ICチップ55と、非接触ICリーダ/ライタ56と、通信部57とを含んで構成される。
合鍵発行依頼部51は、携帯電話機50のユーザによって、マスター鍵用携帯電話機50が記憶しているマスター鍵の合鍵を作成させるための指示入力が行われると、通信部57を介して、合鍵管理サーバ40に対し、携帯電話機50に記憶されているマスター鍵の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼信号を送信する。
【0025】
このとき、合鍵発行依頼部51は、マスター鍵に対応している電気錠20の電気錠IDと、携帯電話機50のユーザ名と、合鍵を発行する相手の携帯電話機60のユーザ名と、後述する合鍵使用条件設定部52によって設定された合鍵の使用条件とを合鍵発行依頼信号に含めて送信する。
なお、合鍵発行依頼部51は、半導体メモリが電気錠IDおよび携帯電話機50のユーザ名を記憶し、CPUが、携帯電話機50に備えられた入力ボタンから合鍵を発行する相手の携帯電話機60のユーザ名の入力を受け付けて、合鍵発行依頼信号を送信するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
【0026】
合鍵使用条件設定部52は、合鍵発行依頼部51によって合鍵の発行が依頼される場合、あるいは、合鍵有効化制御部54によって合鍵(鍵ID)の有効化や無効化が行われる場合に、その合鍵について設定する使用条件(例えば、有効期限、利用回数制限、合鍵を無効化する期間、合鍵を無効化した後に再有効化する条件等)の入力を受け付ける。
そして、合鍵使用条件設定部52は、設定された使用条件を合鍵発行依頼部51あるいは合鍵有効化制御部54に出力する。
【0027】
なお、合鍵使用条件設定部52は、CPUが、携帯電話機50が備える入力ボタンから使用条件の入力を受け付け、入力された使用条件を合鍵発行依頼部51あるいは合鍵有効化制御部54に出力するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID保持部53は、携帯電話機50をマスター鍵用携帯電話機50として機能させるためのマスター鍵の鍵IDを記憶している。
【0028】
なお、鍵ID保持部53は、半導体メモリ等の補助記憶装置上に実現される。
合鍵有効化制御部54は、合鍵発行依頼部51の依頼によって合鍵管理サーバ40から合鍵が発行された後に、ユーザの指示入力に応じて、無効な合鍵の有効化あるいは有効な合鍵の無効化を切り替える有効/無効切り替え信号を合鍵管理サーバ40に送信する。
このとき、合鍵有効化制御部54は、合鍵使用条件設定部52によって、合鍵の使用条件が設定された場合、その使用条件を有効/無効切り替え信号に含めて送信する。
【0029】
ここで、合鍵有効化制御部54は、合鍵発行依頼部51によって合鍵の発行が依頼された際に設定されている使用条件に対し、携帯電話機50のユーザが、合鍵の有効/無効を切り替えるために任意のタイミングで起動される。そして、合鍵発行時から変化した状況に合わせて、より高い自由度をもって、合鍵の有効/無効を切り替えることを可能としている。
【0030】
なお、合鍵有効化制御部54は、CPUが上記のように合鍵の有効化あるいは無効化を切り替える合鍵有効/無効切り替え信号を送信するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
非接触ICチップ55は、携帯電話機50をマスター鍵用携帯電話機50として機能させるためのマスター鍵の鍵IDを記憶しており、非接触ICリーダ/ライタ30にかざされた際に、記憶している鍵IDが読み取られる。
非接触ICリーダ/ライタ56は、携帯電話機60等、他の機器に備えられたFelica等の非接触ICチップの読み込みおよび書き込みを行う装置である。
通信部57は、携帯電話機50がネットワーク70を介して通信を行うためのインターフェースである。
【0031】
次に、合鍵を保持する携帯電話機60について説明する。
図7は、合鍵を保持する携帯電話機60の機能構成を示す図である。
図7において、合鍵を保持する携帯電話機60(以下、適宜「合鍵用携帯電話機60」と言う。)は、鍵ID取得部61と、鍵ID保持部62と、鍵利用回数書き込み部63と、非接触ICチップ64と、通信部65とを含んで構成される。
【0032】
鍵ID取得部61は、合鍵用携帯電話機60のユーザによる指示入力に応じて、通信部65を介して、合鍵管理サーバ40から合鍵の鍵IDを受信する。このとき、鍵ID取得部61は、合鍵管理サーバ40から受信した合鍵をダウンロードするためのURLにアクセスして、発行された合鍵を取得する。
このとき取得される鍵IDは、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって合鍵用携帯電話機60を相手として発行が依頼されたものであり、取得直後は、無効な状態とされている。
鍵ID保持部62は、鍵ID取得部61によって合鍵管理サーバ40から取得した合鍵をテーブル形式で記憶している。
【0033】
図8は、鍵ID保持部62が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
図8において、鍵IDテーブルには、鍵IDと、その鍵の利用回数の履歴とが対応付けて記憶されている。
鍵IDテーブルに記憶された各合鍵は、その合鍵を用いて開錠される度に、鍵利用回数書き込み部63によって、利用回数の履歴が“1”加算される。
図7に戻り、鍵利用回数書き込み部63は、非接触ICチップ64に記憶された合鍵の鍵IDが開錠のために読み取られる度に、鍵ID保持部62が記憶している鍵IDテーブルから、その合鍵の利用回数を読み出す。そして、鍵利用回数書き込み部63は、読み出した利用回数を“1”加算して、鍵IDテーブルに書き戻すことにより、その鍵の利用回数を更新する。
【0034】
なお、鍵利用回数書き込み部63は、CPUが上記のように鍵の利用回数を更新するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
非接触ICチップ64は、携帯電話機60を合鍵用携帯電話機60として機能させるための合鍵の鍵IDを記憶しており、非接触ICリーダ/ライタ30にかざされた際に、記憶している鍵IDが読み取られる。
通信部65は、携帯電話機60がネットワーク70を介して通信を行うためのインターフェースである。
図1に戻り、ネットワーク70は、インターネットあるいは携帯電話通信網を含むネットワークであり、鍵制御装置10、合鍵管理サーバ40、携帯電話機50,60の間で送受信される情報を伝達する。
【0035】
(動作)
次に、動作を説明する。
(合鍵の発行処理)
図9は、合鍵管理システム1における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
また、図10は、合鍵の発行処理が実行される際の合鍵管理システム1におけるシーケンス図である。
以下、図10のシーケンス図を参照しつつ、図9のフローチャートについて説明する。
図9において、合鍵の発行処理が開始されると、マスター鍵用携帯電話機50は、合鍵発行依頼部51によって、合鍵用携帯電話機60を相手として指定した合鍵発行依頼信号を合鍵管理サーバ40に送信する(ステップS1)。
【0036】
合鍵管理サーバ40は、合鍵発行依頼信号を受信すると、ユーザ認証部41によってユーザ認証を行った後、鍵ID発行部42によって、合鍵の鍵IDをダウンロードするためのWebページを作成し、指定された合鍵用携帯電話機60に対して、作成したWebページのURLを送信する(ステップS2)。
すると、合鍵用携帯電話機60は、鍵ID取得部61によって、合鍵管理サーバ40から受信したURLにアクセスし、発行された合鍵の鍵IDを取得する(ステップS3)。合鍵用携帯電話機60は、取得した鍵IDを非接触ICチップ64に記憶させ、非接触ICチップ64が非接触ICリーダ/ライタ30にかざされたときに、鍵IDが非接触ICリーダ/ライタ30に読み取られる状態となる。
【0037】
ステップS3において、合鍵用携帯電話機60によって鍵IDが取得(ダウンロード)されると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID送信部44によって、鍵ID取得通知をマスター鍵用携帯電話機50に送信する(ステップS4)。
マスター鍵用携帯電話機50は、鍵ID取得通知を受信すると、ユーザの指示入力に応じて、合鍵有効化制御部54によって、合鍵管理サーバ40に対し、合鍵の鍵IDを有効化するための有効/無効切り替え信号を送信する(ステップS5)。
【0038】
マスター鍵用携帯電話機50から有効/無効切り替え信号を受信すると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、その合鍵の鍵IDを有効化し、鍵ID送信部44によって、その有効化された鍵IDを鍵制御装置10に送信する(ステップS6)。
有効化された鍵IDを受信すると、鍵制御装置10は、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶する(ステップS7)。
【0039】
ステップS7の後、合鍵管理システム1は、合鍵の発行処理を終了する。
合鍵の発行処理が終了することにより、合鍵用携帯電話機60を非接触ICリーダ/ライタ30にかざすと(図10参照)、非接触ICチップ64に記憶された鍵IDが読み出されて、鍵制御装置10内に記憶されている有効な鍵IDと一致した場合に、電気錠20の施開錠が行われる状態となる。
なお、上記処理において、合鍵に使用条件が設定されている場合、鍵IDと共に、その使用条件が送受信され、鍵制御装置10および合鍵管理サーバ40に記憶される。
【0040】
(合鍵の有効/無効切り替え処理)
次に、発行された合鍵の有効/無効を切り替える有効/無効切り替え処理について説明する。
図11は、合鍵管理システム1における有効/無効切り替え処理を示すフローチャートである。
図11において、有効/無効切り替え処理が開始されると、マスター鍵用携帯電話機50は、ユーザの指示入力に応じて、合鍵有効化制御部54によって、合鍵管理サーバ40に対し、合鍵の鍵IDの有効化あるいは無効化を行うための有効/無効切り替え信号を送信する(ステップS101)。
【0041】
このとき、マスター鍵用携帯電話機50は、ユーザの指示入力により、合鍵使用条件設定部52によって、合鍵を無効化する期間、合鍵を無効化した後に再有効化する条件(例えば、合鍵を無効化した後、次に鍵制御装置10がマスター鍵を読み取ったことを合鍵管理サーバ40に通知したこと等)を設定し、有効/無効切り替え信号に使用条件として含めることが可能である。
有効/無効切り替え信号を受信すると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、その合鍵の鍵IDの有効/無効を切り替え、その結果に応じて、鍵制御装置10に対し、合鍵を有効化あるいは無効化させる信号を送信する(ステップS102)。
【0042】
具体的には、合鍵管理サーバ40は、合鍵を有効化した場合、鍵ID送信部44によって、その有効化された鍵IDを鍵制御装置10に送信し、合鍵を無効化した場合、その無効化された鍵IDを削除させる指示信号を鍵制御装置10に送信する。
合鍵を有効化あるいは無効化させる信号を受信すると、鍵制御装置10は、合鍵を有効化させる場合、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶し、合鍵を無効化させる場合、鍵ID保持部12に記憶されている鍵IDテーブルから、その合鍵の鍵IDを削除する(ステップS103)。
ステップS103の後、合鍵管理システム1は、有効/無効切り替え処理を終了する。
【0043】
(鍵制御装置10の開錠処理)
次に、鍵制御装置10が実行する開錠処理について説明する。
図12は、鍵制御装置10が実行する開錠処理を示すフローチャートである。
図12において、開錠処理が開始されると、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64が非接触ICリーダ/ライタ30にかざされ、鍵制御装置10は、このとき読み取られた非接触ICチップ64内の鍵IDおよびその合鍵の利用回数を取得する(ステップS201)。
すると、鍵制御装置10は、鍵ID認証部13によって、鍵IDテーブルを参照し、ステップS201において取得された鍵IDが正当なもの(合鍵管理サーバ40によって有効とされ、かつ、利用回数が利用回数制限以下であるもの)であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0044】
ステップS202において、取得された鍵IDが正当なものでないと判定した場合、鍵制御装置10は、この開錠処理を終了し、一方、取得された鍵IDが正当なものであると判定した場合、鍵利用回数書き込み部14によって、鍵IDテーブルにおけるその鍵IDの利用回数を読み出し、その利用回数を“1”加算して鍵IDテーブルに書き戻す(ステップS203)。
そして、鍵制御装置10は、電気錠制御部11によって、電気錠20を開錠させる指示信号を出力し、電気錠20を開錠する(ステップS204)。
ステップS204の後、鍵制御装置10は、開錠処理を終了する。
【0045】
(鍵制御装置10の施錠処理)
次に、鍵制御装置10が実行する施錠処理について説明する。
図13は、鍵制御装置10が実行する施錠処理を示すフローチャートである。
図13において、施錠処理が開始されると、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64が非接触ICリーダ/ライタ30にかざされ、鍵制御装置10は、このとき読み取られた非接触ICチップ64内の鍵IDを取得する(ステップS301)。
すると、鍵制御装置10は、鍵ID認証部13によって、鍵IDテーブルを参照し、ステップS301において取得された鍵IDが正当なもの(合鍵管理サーバ40によって有効とされたもの)であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0046】
ステップS302において、取得された鍵IDが正当なものでないと判定した場合、鍵制御装置10は、この施錠処理を終了し、一方、取得された鍵IDが正当なものであると判定した場合、電気錠制御部11によって、電気錠20を施錠させる指示信号を出力し、電気錠20を施錠する(ステップS303)。
ステップS303の後、鍵制御装置10は、施錠処理を終了する。
上述の開錠処理および施錠処理のように、鍵IDの開錠回数を計数して、設定された利用回数制限となった場合、その鍵IDを正当でないものとして取り扱うことで、合鍵の利用回数について、使用条件を定めることが可能となる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る合鍵管理システム1においては、マスター鍵用携帯電話機50の依頼により、合鍵管理サーバ40が合鍵用携帯電話機60に合鍵を発行する場合、無効な状態で鍵IDが発行される。そして、合鍵用携帯電話機60が無効な鍵IDを取得した後、マスター鍵用携帯電話機50が合鍵管理サーバ40に対して合鍵を有効化させることに対応して、発行された合鍵が有効なものとなる。さらに、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64に記憶されたその鍵IDが非接触ICリーダ/ライタ30にかざされた場合に、鍵制御装置10によって電気錠20の施開錠が行われる状態となる。
【0048】
したがって、合鍵を他者に対して発行するユーザは、合鍵の発行時以外に、任意のタイミングで合鍵の有効化を行うことができるため、合鍵の発行時に想定された使用開始時期が、その後に変化した場合でも、柔軟に使用開始時期を変化させることができる。
また、合鍵管理システム1においては、マスター鍵用携帯電話機50の依頼により、有効化された合鍵を無効化することができる。
【0049】
したがって、合鍵の発行時以外に、任意のタイミングで合鍵の無効化を行うことができるため、合鍵の発行時に想定された使用終了時期が、その後に変化するような場合であっても、柔軟に使用終了時期を変化させることができる。
また、合鍵管理システム1においては、訪問頻度が高く、かつ、訪問時にのみ合鍵を有効化したい相手等、合鍵の管理が複雑となる相手に対して合鍵を発行する場合に、無効な状態の合鍵を発行し、必要に応じて合鍵の有効化、無効化を切り替えることができる。
したがって、柔軟に合鍵の使用条件を設定できると共に、合鍵の発行を受ける相手においても、合鍵を使用する度に合鍵を受け取る必要がなくなる。
【0050】
さらに、合鍵管理システム1においては、有効な状態の合鍵を無効化する場合に、合鍵を無効化する期間や、合鍵を無効化した後に再有効化する条件を設定することができる。
そのため、マスター鍵用携帯電話機50のユーザが、一定期間、自宅を留守にする場合に、その間、合鍵を無効化しておくことや、不定期に自宅を留守にする場合に、帰宅してマスター鍵が使用された場合に、合鍵管理サーバ40が合鍵を有効化する等、柔軟に合鍵の管理を行うことができる。
したがって、合鍵を利用する要求が発生する度に合鍵を発行する必要がなくなる。
このように、本発明によれば、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
【0051】
(応用例1)
上記実施形態においては、合鍵発行時に、マスター鍵用携帯電話機50が、合鍵用携帯電話機60によって鍵IDがダウンロードされた旨を示す鍵ID取得通知を受信した後、ユーザの指示入力によって、その鍵IDを有効化するための有効/無効切り替え信号を送信するものとして説明したが(図9のステップS5)、以下のフローチャートに示すように、この処理をマスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56を利用して行うことが可能である。
【0052】
図14は、本応用例における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
図14において、ステップS401からステップS404の処理は、図9におけるステップS1からステップS4の処理とそれぞれ同様である。
ステップS404の後、マスター鍵用携帯電話機50は、鍵ID取得通知を受信すると、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64に記憶されている無効な状態の鍵IDが、非接触ICリーダ/ライタ56によって読み取られることに対応して、合鍵有効化制御部54によって、合鍵管理サーバ40に対し、合鍵の鍵IDを有効化するための有効/無効切り替え信号を送信する(ステップS405)。
【0053】
マスター鍵用携帯電話機50から有効/無効切り替え信号を受信すると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、その合鍵の鍵IDを有効化し、鍵ID送信部44によって、その有効化された鍵IDを鍵制御装置10に送信する(ステップS406)。
有効化された鍵IDを受信すると、鍵制御装置10は、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶する(ステップS407)。
【0054】
ステップS407の後、合鍵管理システム1は、合鍵の発行処理を終了する。
このような処理とした場合、マスター鍵用携帯電話機50のユーザが、合鍵用携帯電話機60のユーザを確認しながら合鍵の有効化を行うこととなるため、合鍵を有効化する上でのセキュリティを向上させることができる。
また、マスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56によって、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64を読み取ることで、有効/無効切り替え信号を送信できるため、合鍵を有効化するための手間をさらに軽減することができる。
【0055】
(応用例2)
上記実施形態においては、合鍵発行時に、合鍵用携帯電話機60が合鍵管理サーバ40から無効な状態の鍵IDをダウンロードするものとして説明したが(図9のステップS1〜ステップS3)、以下のフローチャートに示すように、合鍵の受け渡しを、マスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56と、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64とを利用して行うことが可能である。
【0056】
図15は、本応用例における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
図15において、合鍵の発行処理が開始されると、マスター鍵用携帯電話機50は、合鍵発行依頼部51によって、マスター鍵用携帯電話機50自身を指定した合鍵発行依頼信号を合鍵管理サーバ40に送信する(ステップS501)。
合鍵管理サーバ40は、合鍵発行依頼信号を受信すると、ユーザ認証部41によってユーザ認証を行った後、鍵ID発行部42によって、合鍵の鍵IDをマスター鍵用携帯電話機50および鍵制御装置10に送信する(ステップS502)。
【0057】
なお、このとき送信される鍵IDは、マスター鍵用携帯電話機50が受信するものであるため、有効な状態として送信することができる。
ステップS502の後、合鍵の鍵IDを受信すると、鍵制御装置10は、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶する(ステップS503)。
合鍵の鍵IDを受信したマスター鍵用携帯電話機50は、非接触ICリーダ/ライタ56に合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64がかざされることに対応して、受信した鍵IDを非接触ICチップ64に書き込む(ステップS504)。
【0058】
ステップS504の後、合鍵管理システム1は、合鍵の発行処理を終了する。
このような処理とした場合、マスター鍵用携帯電話機50のユーザが、合鍵用携帯電話機60のユーザを確認しながら合鍵を受け渡すこととなるため、合鍵を発行する上でのセキュリティをさらに向上させることができる。
また、マスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56によって、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64を読み取ることで、合鍵の受け渡しを行うため、合鍵を発行するための手間をさらに軽減することができる。
【0059】
(応用例3)
上記実施形態においては、合鍵管理サーバ40が、鍵制御装置10によって制御される電気錠20の鍵について、合鍵の発行、発行した合鍵の有効および無効の切り替え制御に関する処理を行うものとして説明したが、合鍵管理サーバ10の合鍵管理機能を、マスター鍵用携帯電話機50に備えることが可能である。
具体的には、合鍵管理サーバ40が備えるユーザ認証部41、鍵ID発行部42、鍵ID保持部43、鍵ID送信部44および鍵ID有効/無効切り替え部45の機能をマスター鍵用携帯電話機50が備え、合鍵管理サーバ40を用いることなく、合鍵の発行および管理をマスター鍵用携帯電話機50が行うものとできる。
【0060】
この場合、携帯電話機50のユーザによる指示入力によって、携帯電話機50が合鍵を発行し、ネットワーク70を介して、あるいは、非接触ICリーダ/ライタ56を介して、マスター鍵用携帯電話機50から合鍵用携帯電話機60に合鍵が受け渡される。そして、マスター鍵用携帯電話機50から、任意のタイミングで合鍵の有効化あるいは無効化を行うことができる。
このような構成とすることにより、マスター鍵用携帯電話機50において合鍵の発行および有効化/無効化の制御を行うことができ、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
なお、本応用例の場合、鍵ID発行部42が合鍵発行手段、通信部57あるいは非接触ICリーダ/ライタ56が合鍵受け渡し手段、鍵ID有効/無効切り替え部45が有効/無効切り替え手段および鍵制御装置指示手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1実施形態に係る合鍵管理システム1のシステム構成を示す図である。
【図2】鍵制御装置10の機能構成を示す図である。
【図3】鍵ID保持部12が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
【図4】合鍵管理サーバ40の機能構成を示す図である。
【図5】鍵ID保持部43が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
【図6】マスター鍵を保持する携帯電話機50の機能構成を示す図である。
【図7】合鍵を保持する携帯電話機60の機能構成を示す図である。
【図8】鍵ID保持部62が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
【図9】合鍵管理システム1における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
【図10】合鍵の発行処理が実行される際の合鍵管理システム1におけるシーケンス図である。
【図11】合鍵管理システム1における有効/無効切り替え処理を示すフローチャートである。
【図12】鍵制御装置10が実行する開錠処理を示すフローチャートである。
【図13】鍵制御装置10が実行する施錠処理を示すフローチャートである。
【図14】応用例1における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
【図15】応用例2における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 合鍵管理システム、10 鍵制御装置、11 電気錠制御部、12,43,53,62 鍵ID保持部、13 鍵ID認証部、14,63 鍵利用回数書き込み部、15,46,57,65 通信部、20 電気錠、30,56 非接触ICリーダ/ライタ、40 合鍵管理サーバ、41 ユーザ認証部、42 鍵ID発行部、44 鍵ID送信部、45 鍵ID有効/無効切り替え部、50,60 携帯電話機、51 合鍵発行依頼部、52 合鍵使用条件設定部、54 合鍵有効化制御部、55,64 非接触ICチップ、61 鍵ID取得部、70 ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠の鍵として機能する携帯電話機に発行された合鍵を管理するための合鍵管理システム、合鍵管理サーバ、携帯電話機および合鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触ICチップを備えた携帯電話機が利用されるようになっており、このような携帯電話機を電気錠の鍵として用いる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、合鍵の作成を管理するサーバを有し、マスターキー管理者の端末装置からドアの合鍵を作成する要求信号をサーバに送信すると、マスターキー管理者の端末装置に、合鍵を作成するためのアプリケーションプログラムを送信して、マスターキー管理者の端末装置からのみ合鍵を作成可能とした合鍵発行システムが開示されている。
この合鍵発行システムでは、マスターキー管理者の端末装置上で合鍵を作成するためのアプリケーションプログラムを実行する際に、合鍵の使用条件、例えば、合鍵を有効に使用できる開始日時、合鍵を有効に使用できる期間の終わりを示す終了日時等を設定して合鍵を作成することを可能としている。
【特許文献1】特開2006−16956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、携帯電話機等の携帯端末を電気錠の鍵として用いる従来の技術においては、合鍵に使用条件を設定する場合、合鍵作成時に各種の使用条件が設定され、その合鍵については、作成時に設定された使用条件の下でのみ使用が可能とされる。
そのため、例えば、一時的に合鍵を使用させたい相手に対して、有効期限を設定した合鍵を発行した場合、有効期限を過ぎると合鍵が使用できない状態となる。そして、合鍵が無効となった後、再び同一の相手に合鍵を発行する場合、その度に同様の発行手続きを繰り返すこととなり、合鍵発行の手続きが煩雑なものになる。
このように、従来の技術においては、使用条件を設定した合鍵を利用する際に大きな手間を要することとなっていた。
本発明の課題は、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するため、本発明は、
出入り口の施開錠を行う電気錠(例えば、図1の電気錠20)と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタ(例えば、図1の非接触ICリーダ/ライタ30)と、該非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置(例えば、図1の鍵制御装置10)と、前記電気錠を施開錠させる合鍵の管理を行う合鍵管理サーバ(例えば、図1の合鍵管理サーバ40)と、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機(例えば、図1の携帯電話機50,60)とを含み、前記合鍵管理サーバと鍵制御装置および携帯電話機とがネットワーク(例えば、図1のネットワーク70)を介して通信可能に構成された合鍵管理システムであって、第1の携帯電話機(例えば、マスター鍵用携帯電話機50)は、前記合鍵管理サーバに対し、前記電気錠の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼手段(例えば、図7の合鍵発行依頼手段51)と、前記合鍵管理サーバによって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を、前記合鍵管理サーバに指示する合鍵有効化制御手段(例えば、図7の合鍵有効化制御部54)とを備え、前記合鍵管理サーバは、前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼手段によって合鍵の発行が依頼された場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行手段(例えば、図4の鍵ID発行部42)と、前記合鍵有効化制御手段によって合鍵の有効化あるいは無効化が指示された場合に、前記合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替え手段(例えば、図4の鍵ID有効/無効切り替え部45)と、前記有効/無効切り替え手段によって切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示手段(例えば、図4の鍵ID有効/無効切り替え部45)とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、合鍵を発行した後に、任意のタイミングで合鍵の有効化あるいは無効化を行うことができる。そのため、合鍵について設定を希望する使用条件が変化する度に、新たな合鍵を発行する必要がなくなる。
したがって、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図を参照して本発明を適用した合鍵管理システムの実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る合鍵管理システム1のシステム構成を示す図である。
図1において、合鍵管理システム1は、鍵制御装置10と、電気錠20と、非接触ICリーダ/ライタ30と、合鍵管理サーバ40と、携帯電話機50,60と、ネットワーク70とを含んで構成される。
鍵制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、メインメモリ、補助記憶装置等を内部に備え、合鍵発行の対象となる玄関ドアの電気錠20を制御する装置である。また、鍵制御装置10は、ネットワーク70を介してサーバ20と通信可能に構成されている。
【0007】
図2は、鍵制御装置10の機能構成を示す図である。
図2において、鍵制御装置10は、電気錠制御部11と、鍵ID保持部12と、鍵ID認証部13と、鍵利用回数書き込み部14と、通信部15とを含んで構成される。
電気錠制御部11は、電気錠20の開閉を制御する機能を有しており、鍵ID認証部13から、鍵のID(鍵ID)が認証されたことを示す認証信号が入力されると、電気錠20に開錠あるいは施錠の指示信号を出力することにより、電気錠20を開錠したり施錠したりする。
【0008】
このとき、電気錠制御部11は、電気錠20の開錠を行う毎に、その鍵IDによって電気錠20の開錠を行ったことを示す開錠信号を鍵利用回数書き込み部14に出力する。
また、電気錠制御部11は、鍵ID認証部13から、鍵のID(鍵ID)が認証されなかったことを示す非認証信号が入力されると、電気錠20の開閉が行えない旨の警告音を出力させるアラーム信号を電気錠20に出力する。
なお、電気錠制御部11は、CPUが上記のように電気錠の開閉を行うアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID保持部12は、通信部15を介して合鍵管理サーバ40から受信した鍵IDをテーブル形式で記憶している。
【0009】
図3は、鍵ID保持部12が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
図3において、鍵IDテーブルには、鍵IDと、その鍵の有効期限と、その鍵に設定された利用回数制限とが対応付けて記憶されている。
これら鍵IDテーブルに情報が記憶された鍵は、合鍵管理サーバ40によって、現在有効とされている鍵であり、合鍵管理サーバ40から鍵を無効とする指示信号を受信した場合、無効とされた鍵に関する情報が鍵IDテーブルから削除される。
なお、鍵ID保持部12は、半導体メモリあるいはハードディスク装置等の補助記憶装置上に実現される。
【0010】
図2に戻り、鍵ID認証部13は、通信部15を介して、携帯電話機50,60等の非接触ICから読み取られた鍵IDが入力されると、鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶されている鍵IDと、入力された鍵IDとを照合する。そして、鍵ID認証部13は、入力された鍵IDが、鍵IDテーブルに記憶されているいずれかの鍵IDと一致した場合、電気錠制御部11に対し、鍵IDが認証されたことを示す認証信号を出力する。反対に、入力された鍵IDが、鍵IDテーブルに記憶されているいずれの鍵IDとも一致しない場合、鍵ID認証部13は、電気錠制御部11に対し、鍵IDが認証されなかったことを示す非認証信号を出力する。
【0011】
なお、鍵ID認証部13は、CPUが上記のように電気錠の認証を行うアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵利用回数書き込み部14は、電気錠制御部11から、電気錠20の開錠を行ったことを示す開錠信号が入力されると、鍵ID保持部12が記憶している鍵IDテーブルから、その開錠に使用された鍵の利用回数制限を読み出す。そして、鍵利用回数書き込み部14は、読み出した利用回数制限を“1”減算して、鍵IDテーブルに書き戻すことにより、その鍵の利用回数制限を更新する。
【0012】
なお、鍵利用回数書き込み部14は、CPUが上記のように鍵の利用回数制限を更新するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
通信部15は、鍵制御装置10が外部装置と信号を入出力するためのインターフェース(I/F)としての機能を有しており、具体的には、鍵制御装置10が電気錠20と通信を行うための電気錠I/F、鍵制御装置10が非接触ICリーダ/ライタ30と通信を行うための非接触IC用I/F、鍵制御装置10がネットワーク70を介して通信を行うためのネットワークI/Fを備えている。
【0013】
図1に戻り、電気錠20は、住宅の玄関ドア等、施錠の対象となる出入り口に設置された電気錠装置であり、鍵制御装置10から入力される施錠あるいは開錠の指示信号に応じて、出入り口の施錠あるいは開錠を行う。
非接触ICリーダ/ライタ30は、携帯電話機50,60に備えられたFelica(登録商標)等の非接触ICチップの読み込みおよび書き込みを行う装置である。本実施形態においては、非接触ICリーダ/ライタ30は、携帯電話機50,60の非接触ICに記憶されている電気錠の鍵IDを読み取る。そして、非接触ICリーダ/ライタ30は、読み取った電気錠の鍵IDを鍵制御装置10に出力する。
【0014】
合鍵管理サーバ40は、CPU、メインメモリ、補助記憶装置等を内部に備え、鍵制御装置10によって制御される電気錠20の鍵について、合鍵の発行、発行した合鍵の有効および無効の切り替え制御に関する処理を行う。また、合鍵管理サーバ40は、ネットワーク70を介して、鍵制御装置10、携帯電話機50,60と通信可能に構成されている。
【0015】
図4は、合鍵管理サーバ40の機能構成を示す図である。
図4において、合鍵管理サーバ40は、ユーザ認証部41と、鍵ID発行部42と、鍵ID保持部43と、鍵ID送信部44と、鍵ID有効/無効切り替え部45と、通信部46とを含んで構成される。
ユーザ認証部41は、合鍵管理システム1内に存在する電気錠20それぞれについて、電気錠20のID(電気錠ID)と、その電気錠20について合鍵の発行を指示できる携帯電話機50,60のユーザ名とを対応付けて保持している。
【0016】
そして、ユーザ認証部41は、通信部46を介して合鍵発行依頼信号を受信すると、合鍵発行依頼信号に示された電気錠IDについて、保持しているユーザ名と、合鍵発行依頼信号を送信した携帯電話機50,60のユーザ名とを照合する。
さらに、ユーザ認証部41は、合鍵発行依頼信号に示された電気錠IDについて、受信した合鍵発行依頼信号のユーザ名が、保持しているユーザ名と一致した場合、鍵ID発行部42に対し、その電気錠IDについて、ユーザが認証されたことを示す認証信号を出力する。反対に、受信した合鍵発行依頼信号のユーザ名が、保持しているユーザ名と一致しない場合、ユーザ認証部41は、鍵ID発行部42に対し、ユーザが認証されなかったことを示す非認証信号を送信する。
【0017】
なお、ユーザ認証部41は、半導体メモリあるいはハードディスク装置等の補助記憶装置が、電気錠20のID(電気錠ID)と、その電気錠20について合鍵の発行を指示できる携帯電話機50,60のユーザ名とを対応付けて保持し、CPUが上記のようにユーザの認証を行うアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID発行部42は、ユーザ認証部41から合鍵発行の認証信号が入力されると、認証されたユーザに対し、その電気錠IDによって示される電気錠20の合鍵を発行する。このとき、鍵ID発行部42は、合鍵発行依頼信号に、合鍵に設定する使用条件(例えば、有効期限あるいは利用回数制限等)が含まれている場合、その使用条件を設定して合鍵を発行する。
【0018】
そして、鍵ID発行部42は、発行した合鍵を示す鍵IDと、その鍵がマスター鍵であるか合鍵であるかを示す鍵区分と、その合鍵が対応する電気錠20の電気錠IDと、その合鍵に設定されている使用条件(有効期限、利用回数制限等)とを対応付けて、鍵ID保持部43に出力する。
ここで、鍵ID発行部42によって発行された合鍵は、全て無効な状態とされており、以後、合鍵の発行を依頼した携帯電話機50,60のユーザが合鍵の有効化を依頼することに対応して、鍵ID有効/無効切り替え部45により有効化される。
なお、鍵ID発行部42は、CPUが上記のように鍵IDを発行するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID保持部43は、鍵ID発行部42によって作成された電気錠20の鍵をテーブル形式で記憶している。
【0019】
図5は、鍵ID保持部43が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
図5において、鍵IDテーブルには、鍵IDと、その鍵がマスター鍵であるか合鍵であるかを示す鍵区分と、その合鍵が対応する電気錠20の電気錠IDと、その合鍵に設定されている使用条件(有効期限、利用回数制限等)と、その合鍵が現在有効なものであるか否かを示す情報とが対応付けて記憶されている。
鍵IDテーブルに記憶された各合鍵は、合鍵の発行を依頼した携帯電話機50,60のユーザから有効化あるいは無効化の制御が行われることに対応して、有効/無効が切り替えられる。
なお、鍵ID保持部43は、半導体メモリあるいはハードディスク装置等の補助記憶装置上に実現される。
【0020】
図4に戻り、鍵ID送信部44は、鍵ID発行部42によって合鍵が発行され、その合鍵が鍵ID保持部43に記憶されることに対応して、発行された合鍵の鍵IDをダウンロードするためのWebページを作成し、そのURL(Uniform Resource Locator)を、合鍵発行依頼信号において指定された携帯電話機50,60に送信する。なお、このURLにおいて指定された携帯電話機50,60が鍵IDをダウンロードした場合、鍵ID送信部44は、指定した携帯電話機によって鍵IDがダウンロードされた旨のメッセージ(以下、「鍵ID取得通知」と言う。)を、合鍵発行依頼を送信した携帯電話機50,60に送信する。
【0021】
また、鍵ID送信部44は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、鍵IDが有効化された場合、その合鍵の鍵IDおよび使用条件を鍵制御装置10に送信する。
ここで、合鍵の送信先となる携帯電話機が、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって指定された相手の携帯電話機であることをより確実なものとするために、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって指定された相手へのショートメッセージサービスによって、鍵IDを送信したり、あるいは、上記URLを送信したりすることが可能である。また、同様に、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって指定された相手が、事前にPKI(Public Key Infrastructure)に基づく電子証明書を取得しておき、その公開鍵によって、鍵IDを暗号化して送信することも可能である。
【0022】
なお、鍵ID送信部44は、CPUが、上記のように、発行された合鍵の鍵IDをダウンロードするためのURLを携帯電話機50,60に送信する処理および鍵IDが有効化された場合に、使用条件を鍵制御装置10に送信する処理のためのアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID有効/無効切り替え部45は、通信部46を介して、合鍵の発行権限を有する携帯電話機50,60のユーザから、鍵IDを指定して合鍵の有効化あるいは無効化を制御する有効/無効切り替え信号を受信すると、鍵ID保持部43が記憶している鍵IDテーブルにおいて、その鍵IDに関する有効あるいは無効の状態を更新する。
【0023】
また、鍵ID有効/無効切り替え部45は、鍵IDを無効化した場合、その鍵IDを無効化させる指示信号を鍵制御装置10に送信する。
なお、鍵ID有効/無効切り替え部45は、CPUが上記のように鍵IDの有効あるいは無効の状態を更新するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
通信部46は、合鍵管理サーバ40がネットワーク70を介して通信を行うためのインターフェースである。
携帯電話機50,60は、CPU、メインメモリ、補助記憶装置等を備えている。また携帯電話機50,60は、Felica等の非接触ICチップを備え、非接触ICリーダ/ライタ30によって、非接触IC内に記憶された情報が読み取られる。
ここで、携帯電話機50,60は、マスター鍵を保持する場合と、合鍵を保持する場合とで、必要となる構成が異なるものである。
【0024】
以下、携帯電話機50がマスター鍵を保持し、携帯電話機60が合鍵を保持する場合を例に挙げて、それらの構成を説明する。
図6は、マスター鍵を保持する携帯電話機50の機能構成を示す図である。
図6において、マスター鍵を保持する携帯電話機50(以下、適宜「マスター鍵用携帯電話機50」と言う。)は、合鍵発行依頼部51と、合鍵使用条件設定部52と、鍵ID保持部53と、合鍵有効化制御部54と、非接触ICチップ55と、非接触ICリーダ/ライタ56と、通信部57とを含んで構成される。
合鍵発行依頼部51は、携帯電話機50のユーザによって、マスター鍵用携帯電話機50が記憶しているマスター鍵の合鍵を作成させるための指示入力が行われると、通信部57を介して、合鍵管理サーバ40に対し、携帯電話機50に記憶されているマスター鍵の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼信号を送信する。
【0025】
このとき、合鍵発行依頼部51は、マスター鍵に対応している電気錠20の電気錠IDと、携帯電話機50のユーザ名と、合鍵を発行する相手の携帯電話機60のユーザ名と、後述する合鍵使用条件設定部52によって設定された合鍵の使用条件とを合鍵発行依頼信号に含めて送信する。
なお、合鍵発行依頼部51は、半導体メモリが電気錠IDおよび携帯電話機50のユーザ名を記憶し、CPUが、携帯電話機50に備えられた入力ボタンから合鍵を発行する相手の携帯電話機60のユーザ名の入力を受け付けて、合鍵発行依頼信号を送信するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
【0026】
合鍵使用条件設定部52は、合鍵発行依頼部51によって合鍵の発行が依頼される場合、あるいは、合鍵有効化制御部54によって合鍵(鍵ID)の有効化や無効化が行われる場合に、その合鍵について設定する使用条件(例えば、有効期限、利用回数制限、合鍵を無効化する期間、合鍵を無効化した後に再有効化する条件等)の入力を受け付ける。
そして、合鍵使用条件設定部52は、設定された使用条件を合鍵発行依頼部51あるいは合鍵有効化制御部54に出力する。
【0027】
なお、合鍵使用条件設定部52は、CPUが、携帯電話機50が備える入力ボタンから使用条件の入力を受け付け、入力された使用条件を合鍵発行依頼部51あるいは合鍵有効化制御部54に出力するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
鍵ID保持部53は、携帯電話機50をマスター鍵用携帯電話機50として機能させるためのマスター鍵の鍵IDを記憶している。
【0028】
なお、鍵ID保持部53は、半導体メモリ等の補助記憶装置上に実現される。
合鍵有効化制御部54は、合鍵発行依頼部51の依頼によって合鍵管理サーバ40から合鍵が発行された後に、ユーザの指示入力に応じて、無効な合鍵の有効化あるいは有効な合鍵の無効化を切り替える有効/無効切り替え信号を合鍵管理サーバ40に送信する。
このとき、合鍵有効化制御部54は、合鍵使用条件設定部52によって、合鍵の使用条件が設定された場合、その使用条件を有効/無効切り替え信号に含めて送信する。
【0029】
ここで、合鍵有効化制御部54は、合鍵発行依頼部51によって合鍵の発行が依頼された際に設定されている使用条件に対し、携帯電話機50のユーザが、合鍵の有効/無効を切り替えるために任意のタイミングで起動される。そして、合鍵発行時から変化した状況に合わせて、より高い自由度をもって、合鍵の有効/無効を切り替えることを可能としている。
【0030】
なお、合鍵有効化制御部54は、CPUが上記のように合鍵の有効化あるいは無効化を切り替える合鍵有効/無効切り替え信号を送信するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
非接触ICチップ55は、携帯電話機50をマスター鍵用携帯電話機50として機能させるためのマスター鍵の鍵IDを記憶しており、非接触ICリーダ/ライタ30にかざされた際に、記憶している鍵IDが読み取られる。
非接触ICリーダ/ライタ56は、携帯電話機60等、他の機器に備えられたFelica等の非接触ICチップの読み込みおよび書き込みを行う装置である。
通信部57は、携帯電話機50がネットワーク70を介して通信を行うためのインターフェースである。
【0031】
次に、合鍵を保持する携帯電話機60について説明する。
図7は、合鍵を保持する携帯電話機60の機能構成を示す図である。
図7において、合鍵を保持する携帯電話機60(以下、適宜「合鍵用携帯電話機60」と言う。)は、鍵ID取得部61と、鍵ID保持部62と、鍵利用回数書き込み部63と、非接触ICチップ64と、通信部65とを含んで構成される。
【0032】
鍵ID取得部61は、合鍵用携帯電話機60のユーザによる指示入力に応じて、通信部65を介して、合鍵管理サーバ40から合鍵の鍵IDを受信する。このとき、鍵ID取得部61は、合鍵管理サーバ40から受信した合鍵をダウンロードするためのURLにアクセスして、発行された合鍵を取得する。
このとき取得される鍵IDは、マスター鍵用携帯電話機50のユーザによって合鍵用携帯電話機60を相手として発行が依頼されたものであり、取得直後は、無効な状態とされている。
鍵ID保持部62は、鍵ID取得部61によって合鍵管理サーバ40から取得した合鍵をテーブル形式で記憶している。
【0033】
図8は、鍵ID保持部62が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
図8において、鍵IDテーブルには、鍵IDと、その鍵の利用回数の履歴とが対応付けて記憶されている。
鍵IDテーブルに記憶された各合鍵は、その合鍵を用いて開錠される度に、鍵利用回数書き込み部63によって、利用回数の履歴が“1”加算される。
図7に戻り、鍵利用回数書き込み部63は、非接触ICチップ64に記憶された合鍵の鍵IDが開錠のために読み取られる度に、鍵ID保持部62が記憶している鍵IDテーブルから、その合鍵の利用回数を読み出す。そして、鍵利用回数書き込み部63は、読み出した利用回数を“1”加算して、鍵IDテーブルに書き戻すことにより、その鍵の利用回数を更新する。
【0034】
なお、鍵利用回数書き込み部63は、CPUが上記のように鍵の利用回数を更新するアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。
非接触ICチップ64は、携帯電話機60を合鍵用携帯電話機60として機能させるための合鍵の鍵IDを記憶しており、非接触ICリーダ/ライタ30にかざされた際に、記憶している鍵IDが読み取られる。
通信部65は、携帯電話機60がネットワーク70を介して通信を行うためのインターフェースである。
図1に戻り、ネットワーク70は、インターネットあるいは携帯電話通信網を含むネットワークであり、鍵制御装置10、合鍵管理サーバ40、携帯電話機50,60の間で送受信される情報を伝達する。
【0035】
(動作)
次に、動作を説明する。
(合鍵の発行処理)
図9は、合鍵管理システム1における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
また、図10は、合鍵の発行処理が実行される際の合鍵管理システム1におけるシーケンス図である。
以下、図10のシーケンス図を参照しつつ、図9のフローチャートについて説明する。
図9において、合鍵の発行処理が開始されると、マスター鍵用携帯電話機50は、合鍵発行依頼部51によって、合鍵用携帯電話機60を相手として指定した合鍵発行依頼信号を合鍵管理サーバ40に送信する(ステップS1)。
【0036】
合鍵管理サーバ40は、合鍵発行依頼信号を受信すると、ユーザ認証部41によってユーザ認証を行った後、鍵ID発行部42によって、合鍵の鍵IDをダウンロードするためのWebページを作成し、指定された合鍵用携帯電話機60に対して、作成したWebページのURLを送信する(ステップS2)。
すると、合鍵用携帯電話機60は、鍵ID取得部61によって、合鍵管理サーバ40から受信したURLにアクセスし、発行された合鍵の鍵IDを取得する(ステップS3)。合鍵用携帯電話機60は、取得した鍵IDを非接触ICチップ64に記憶させ、非接触ICチップ64が非接触ICリーダ/ライタ30にかざされたときに、鍵IDが非接触ICリーダ/ライタ30に読み取られる状態となる。
【0037】
ステップS3において、合鍵用携帯電話機60によって鍵IDが取得(ダウンロード)されると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID送信部44によって、鍵ID取得通知をマスター鍵用携帯電話機50に送信する(ステップS4)。
マスター鍵用携帯電話機50は、鍵ID取得通知を受信すると、ユーザの指示入力に応じて、合鍵有効化制御部54によって、合鍵管理サーバ40に対し、合鍵の鍵IDを有効化するための有効/無効切り替え信号を送信する(ステップS5)。
【0038】
マスター鍵用携帯電話機50から有効/無効切り替え信号を受信すると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、その合鍵の鍵IDを有効化し、鍵ID送信部44によって、その有効化された鍵IDを鍵制御装置10に送信する(ステップS6)。
有効化された鍵IDを受信すると、鍵制御装置10は、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶する(ステップS7)。
【0039】
ステップS7の後、合鍵管理システム1は、合鍵の発行処理を終了する。
合鍵の発行処理が終了することにより、合鍵用携帯電話機60を非接触ICリーダ/ライタ30にかざすと(図10参照)、非接触ICチップ64に記憶された鍵IDが読み出されて、鍵制御装置10内に記憶されている有効な鍵IDと一致した場合に、電気錠20の施開錠が行われる状態となる。
なお、上記処理において、合鍵に使用条件が設定されている場合、鍵IDと共に、その使用条件が送受信され、鍵制御装置10および合鍵管理サーバ40に記憶される。
【0040】
(合鍵の有効/無効切り替え処理)
次に、発行された合鍵の有効/無効を切り替える有効/無効切り替え処理について説明する。
図11は、合鍵管理システム1における有効/無効切り替え処理を示すフローチャートである。
図11において、有効/無効切り替え処理が開始されると、マスター鍵用携帯電話機50は、ユーザの指示入力に応じて、合鍵有効化制御部54によって、合鍵管理サーバ40に対し、合鍵の鍵IDの有効化あるいは無効化を行うための有効/無効切り替え信号を送信する(ステップS101)。
【0041】
このとき、マスター鍵用携帯電話機50は、ユーザの指示入力により、合鍵使用条件設定部52によって、合鍵を無効化する期間、合鍵を無効化した後に再有効化する条件(例えば、合鍵を無効化した後、次に鍵制御装置10がマスター鍵を読み取ったことを合鍵管理サーバ40に通知したこと等)を設定し、有効/無効切り替え信号に使用条件として含めることが可能である。
有効/無効切り替え信号を受信すると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、その合鍵の鍵IDの有効/無効を切り替え、その結果に応じて、鍵制御装置10に対し、合鍵を有効化あるいは無効化させる信号を送信する(ステップS102)。
【0042】
具体的には、合鍵管理サーバ40は、合鍵を有効化した場合、鍵ID送信部44によって、その有効化された鍵IDを鍵制御装置10に送信し、合鍵を無効化した場合、その無効化された鍵IDを削除させる指示信号を鍵制御装置10に送信する。
合鍵を有効化あるいは無効化させる信号を受信すると、鍵制御装置10は、合鍵を有効化させる場合、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶し、合鍵を無効化させる場合、鍵ID保持部12に記憶されている鍵IDテーブルから、その合鍵の鍵IDを削除する(ステップS103)。
ステップS103の後、合鍵管理システム1は、有効/無効切り替え処理を終了する。
【0043】
(鍵制御装置10の開錠処理)
次に、鍵制御装置10が実行する開錠処理について説明する。
図12は、鍵制御装置10が実行する開錠処理を示すフローチャートである。
図12において、開錠処理が開始されると、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64が非接触ICリーダ/ライタ30にかざされ、鍵制御装置10は、このとき読み取られた非接触ICチップ64内の鍵IDおよびその合鍵の利用回数を取得する(ステップS201)。
すると、鍵制御装置10は、鍵ID認証部13によって、鍵IDテーブルを参照し、ステップS201において取得された鍵IDが正当なもの(合鍵管理サーバ40によって有効とされ、かつ、利用回数が利用回数制限以下であるもの)であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0044】
ステップS202において、取得された鍵IDが正当なものでないと判定した場合、鍵制御装置10は、この開錠処理を終了し、一方、取得された鍵IDが正当なものであると判定した場合、鍵利用回数書き込み部14によって、鍵IDテーブルにおけるその鍵IDの利用回数を読み出し、その利用回数を“1”加算して鍵IDテーブルに書き戻す(ステップS203)。
そして、鍵制御装置10は、電気錠制御部11によって、電気錠20を開錠させる指示信号を出力し、電気錠20を開錠する(ステップS204)。
ステップS204の後、鍵制御装置10は、開錠処理を終了する。
【0045】
(鍵制御装置10の施錠処理)
次に、鍵制御装置10が実行する施錠処理について説明する。
図13は、鍵制御装置10が実行する施錠処理を示すフローチャートである。
図13において、施錠処理が開始されると、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64が非接触ICリーダ/ライタ30にかざされ、鍵制御装置10は、このとき読み取られた非接触ICチップ64内の鍵IDを取得する(ステップS301)。
すると、鍵制御装置10は、鍵ID認証部13によって、鍵IDテーブルを参照し、ステップS301において取得された鍵IDが正当なもの(合鍵管理サーバ40によって有効とされたもの)であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0046】
ステップS302において、取得された鍵IDが正当なものでないと判定した場合、鍵制御装置10は、この施錠処理を終了し、一方、取得された鍵IDが正当なものであると判定した場合、電気錠制御部11によって、電気錠20を施錠させる指示信号を出力し、電気錠20を施錠する(ステップS303)。
ステップS303の後、鍵制御装置10は、施錠処理を終了する。
上述の開錠処理および施錠処理のように、鍵IDの開錠回数を計数して、設定された利用回数制限となった場合、その鍵IDを正当でないものとして取り扱うことで、合鍵の利用回数について、使用条件を定めることが可能となる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る合鍵管理システム1においては、マスター鍵用携帯電話機50の依頼により、合鍵管理サーバ40が合鍵用携帯電話機60に合鍵を発行する場合、無効な状態で鍵IDが発行される。そして、合鍵用携帯電話機60が無効な鍵IDを取得した後、マスター鍵用携帯電話機50が合鍵管理サーバ40に対して合鍵を有効化させることに対応して、発行された合鍵が有効なものとなる。さらに、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64に記憶されたその鍵IDが非接触ICリーダ/ライタ30にかざされた場合に、鍵制御装置10によって電気錠20の施開錠が行われる状態となる。
【0048】
したがって、合鍵を他者に対して発行するユーザは、合鍵の発行時以外に、任意のタイミングで合鍵の有効化を行うことができるため、合鍵の発行時に想定された使用開始時期が、その後に変化した場合でも、柔軟に使用開始時期を変化させることができる。
また、合鍵管理システム1においては、マスター鍵用携帯電話機50の依頼により、有効化された合鍵を無効化することができる。
【0049】
したがって、合鍵の発行時以外に、任意のタイミングで合鍵の無効化を行うことができるため、合鍵の発行時に想定された使用終了時期が、その後に変化するような場合であっても、柔軟に使用終了時期を変化させることができる。
また、合鍵管理システム1においては、訪問頻度が高く、かつ、訪問時にのみ合鍵を有効化したい相手等、合鍵の管理が複雑となる相手に対して合鍵を発行する場合に、無効な状態の合鍵を発行し、必要に応じて合鍵の有効化、無効化を切り替えることができる。
したがって、柔軟に合鍵の使用条件を設定できると共に、合鍵の発行を受ける相手においても、合鍵を使用する度に合鍵を受け取る必要がなくなる。
【0050】
さらに、合鍵管理システム1においては、有効な状態の合鍵を無効化する場合に、合鍵を無効化する期間や、合鍵を無効化した後に再有効化する条件を設定することができる。
そのため、マスター鍵用携帯電話機50のユーザが、一定期間、自宅を留守にする場合に、その間、合鍵を無効化しておくことや、不定期に自宅を留守にする場合に、帰宅してマスター鍵が使用された場合に、合鍵管理サーバ40が合鍵を有効化する等、柔軟に合鍵の管理を行うことができる。
したがって、合鍵を利用する要求が発生する度に合鍵を発行する必要がなくなる。
このように、本発明によれば、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
【0051】
(応用例1)
上記実施形態においては、合鍵発行時に、マスター鍵用携帯電話機50が、合鍵用携帯電話機60によって鍵IDがダウンロードされた旨を示す鍵ID取得通知を受信した後、ユーザの指示入力によって、その鍵IDを有効化するための有効/無効切り替え信号を送信するものとして説明したが(図9のステップS5)、以下のフローチャートに示すように、この処理をマスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56を利用して行うことが可能である。
【0052】
図14は、本応用例における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
図14において、ステップS401からステップS404の処理は、図9におけるステップS1からステップS4の処理とそれぞれ同様である。
ステップS404の後、マスター鍵用携帯電話機50は、鍵ID取得通知を受信すると、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64に記憶されている無効な状態の鍵IDが、非接触ICリーダ/ライタ56によって読み取られることに対応して、合鍵有効化制御部54によって、合鍵管理サーバ40に対し、合鍵の鍵IDを有効化するための有効/無効切り替え信号を送信する(ステップS405)。
【0053】
マスター鍵用携帯電話機50から有効/無効切り替え信号を受信すると、合鍵管理サーバ40は、鍵ID有効/無効切り替え部45によって、その合鍵の鍵IDを有効化し、鍵ID送信部44によって、その有効化された鍵IDを鍵制御装置10に送信する(ステップS406)。
有効化された鍵IDを受信すると、鍵制御装置10は、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶する(ステップS407)。
【0054】
ステップS407の後、合鍵管理システム1は、合鍵の発行処理を終了する。
このような処理とした場合、マスター鍵用携帯電話機50のユーザが、合鍵用携帯電話機60のユーザを確認しながら合鍵の有効化を行うこととなるため、合鍵を有効化する上でのセキュリティを向上させることができる。
また、マスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56によって、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64を読み取ることで、有効/無効切り替え信号を送信できるため、合鍵を有効化するための手間をさらに軽減することができる。
【0055】
(応用例2)
上記実施形態においては、合鍵発行時に、合鍵用携帯電話機60が合鍵管理サーバ40から無効な状態の鍵IDをダウンロードするものとして説明したが(図9のステップS1〜ステップS3)、以下のフローチャートに示すように、合鍵の受け渡しを、マスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56と、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64とを利用して行うことが可能である。
【0056】
図15は、本応用例における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
図15において、合鍵の発行処理が開始されると、マスター鍵用携帯電話機50は、合鍵発行依頼部51によって、マスター鍵用携帯電話機50自身を指定した合鍵発行依頼信号を合鍵管理サーバ40に送信する(ステップS501)。
合鍵管理サーバ40は、合鍵発行依頼信号を受信すると、ユーザ認証部41によってユーザ認証を行った後、鍵ID発行部42によって、合鍵の鍵IDをマスター鍵用携帯電話機50および鍵制御装置10に送信する(ステップS502)。
【0057】
なお、このとき送信される鍵IDは、マスター鍵用携帯電話機50が受信するものであるため、有効な状態として送信することができる。
ステップS502の後、合鍵の鍵IDを受信すると、鍵制御装置10は、受信した鍵IDを鍵ID保持部12の鍵IDテーブルに記憶する(ステップS503)。
合鍵の鍵IDを受信したマスター鍵用携帯電話機50は、非接触ICリーダ/ライタ56に合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64がかざされることに対応して、受信した鍵IDを非接触ICチップ64に書き込む(ステップS504)。
【0058】
ステップS504の後、合鍵管理システム1は、合鍵の発行処理を終了する。
このような処理とした場合、マスター鍵用携帯電話機50のユーザが、合鍵用携帯電話機60のユーザを確認しながら合鍵を受け渡すこととなるため、合鍵を発行する上でのセキュリティをさらに向上させることができる。
また、マスター鍵用携帯電話機50の非接触ICリーダ/ライタ56によって、合鍵用携帯電話機60の非接触ICチップ64を読み取ることで、合鍵の受け渡しを行うため、合鍵を発行するための手間をさらに軽減することができる。
【0059】
(応用例3)
上記実施形態においては、合鍵管理サーバ40が、鍵制御装置10によって制御される電気錠20の鍵について、合鍵の発行、発行した合鍵の有効および無効の切り替え制御に関する処理を行うものとして説明したが、合鍵管理サーバ10の合鍵管理機能を、マスター鍵用携帯電話機50に備えることが可能である。
具体的には、合鍵管理サーバ40が備えるユーザ認証部41、鍵ID発行部42、鍵ID保持部43、鍵ID送信部44および鍵ID有効/無効切り替え部45の機能をマスター鍵用携帯電話機50が備え、合鍵管理サーバ40を用いることなく、合鍵の発行および管理をマスター鍵用携帯電話機50が行うものとできる。
【0060】
この場合、携帯電話機50のユーザによる指示入力によって、携帯電話機50が合鍵を発行し、ネットワーク70を介して、あるいは、非接触ICリーダ/ライタ56を介して、マスター鍵用携帯電話機50から合鍵用携帯電話機60に合鍵が受け渡される。そして、マスター鍵用携帯電話機50から、任意のタイミングで合鍵の有効化あるいは無効化を行うことができる。
このような構成とすることにより、マスター鍵用携帯電話機50において合鍵の発行および有効化/無効化の制御を行うことができ、使用条件を設定して合鍵を利用する際の手間を軽減することができる。
なお、本応用例の場合、鍵ID発行部42が合鍵発行手段、通信部57あるいは非接触ICリーダ/ライタ56が合鍵受け渡し手段、鍵ID有効/無効切り替え部45が有効/無効切り替え手段および鍵制御装置指示手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1実施形態に係る合鍵管理システム1のシステム構成を示す図である。
【図2】鍵制御装置10の機能構成を示す図である。
【図3】鍵ID保持部12が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
【図4】合鍵管理サーバ40の機能構成を示す図である。
【図5】鍵ID保持部43が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
【図6】マスター鍵を保持する携帯電話機50の機能構成を示す図である。
【図7】合鍵を保持する携帯電話機60の機能構成を示す図である。
【図8】鍵ID保持部62が記憶している鍵IDテーブルを示す図である。
【図9】合鍵管理システム1における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
【図10】合鍵の発行処理が実行される際の合鍵管理システム1におけるシーケンス図である。
【図11】合鍵管理システム1における有効/無効切り替え処理を示すフローチャートである。
【図12】鍵制御装置10が実行する開錠処理を示すフローチャートである。
【図13】鍵制御装置10が実行する施錠処理を示すフローチャートである。
【図14】応用例1における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
【図15】応用例2における合鍵の発行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 合鍵管理システム、10 鍵制御装置、11 電気錠制御部、12,43,53,62 鍵ID保持部、13 鍵ID認証部、14,63 鍵利用回数書き込み部、15,46,57,65 通信部、20 電気錠、30,56 非接触ICリーダ/ライタ、40 合鍵管理サーバ、41 ユーザ認証部、42 鍵ID発行部、44 鍵ID送信部、45 鍵ID有効/無効切り替え部、50,60 携帯電話機、51 合鍵発行依頼部、52 合鍵使用条件設定部、54 合鍵有効化制御部、55,64 非接触ICチップ、61 鍵ID取得部、70 ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入り口の施開錠を行う電気錠と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタと、該非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置と、前記電気錠を施開錠させる合鍵の管理を行う合鍵管理サーバと、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機とを含み、前記合鍵管理サーバと鍵制御装置および携帯電話機とがネットワークを介して通信可能に構成された合鍵管理システムであって、
第1の携帯電話機は、
前記合鍵管理サーバに対し、前記電気錠の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼手段と、
前記合鍵管理サーバによって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を、前記合鍵管理サーバに指示する合鍵有効化制御手段とを備え、
前記合鍵管理サーバは、
前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼手段によって合鍵の発行が依頼された場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行手段と、
前記合鍵有効化制御手段によって合鍵の有効化あるいは無効化が指示された場合に、前記合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替え手段と、
前記有効/無効切り替え手段によって切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示手段とを備えることを特徴とする合鍵管理システム。
【請求項2】
前記合鍵発行手段は、前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼手段によって合鍵の発行が依頼された場合に、無効な状態とした前記合鍵を発行することを特徴とする請求項1記載の合鍵管理システム。
【請求項3】
前記第1の携帯電話機において、
前記合鍵発行依頼手段は、第2の携帯電話機を指定して前記合鍵の発行を前記合鍵管理サーバに依頼し、
前記合鍵有効化制御手段は、前記合鍵管理サーバの合鍵発行手段によって、第2の携帯電話機に対し、無効な状態とされた前記合鍵が発行された場合に、該合鍵を有効化させる指示入力に対応して、前記合鍵管理サーバに、該無効な状態で発行された前記合鍵の有効化を指示することを特徴とする請求項1または2記載の合鍵管理システム。
【請求項4】
前記第1の携帯電話機は、
前記電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタをさらに備え、
前記合鍵発行依頼手段は、第2の携帯電話機を指定して前記合鍵の発行を前記合鍵管理サーバに依頼し、
前記合鍵有効化制御手段は、前記合鍵管理サーバの合鍵発行手段によって、第2の携帯電話機に対し、無効な状態とされた前記合鍵が発行された場合に、該第2の携帯電話機における前記非接触ICチップに記憶された該合鍵を、前記非接触ICリーダ/ライタが読み取ることに対応して、前記合鍵管理サーバに、該無効な状態で発行された前記合鍵の有効化を指示することを特徴とする請求項1または2記載の合鍵管理システム。
【請求項5】
前記第1の携帯電話機は、
前記電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタをさらに備え、
前記合鍵発行依頼手段は、該第1の携帯電話機を指定して前記合鍵の発行を前記合鍵管理サーバに依頼し、
前記合鍵有効化制御手段は、前記合鍵管理サーバの合鍵発行手段によって、第1の携帯電話機に対し、前記合鍵が発行された場合に、該第1の携帯電話機における非接触ICリーダ/ライタから第2の携帯電話機における前記非接触ICチップに該合鍵を書き込むことを特徴とする請求項1または2記載の合鍵管理システム。
【請求項6】
前記第1の携帯電話機は、
前記合鍵有効化制御手段によって合鍵の無効化を指示する際に、合鍵の無効化に関する条件を設定する無効化条件設定手段をさらに備え、
前記合鍵管理サーバにおける有効/無効切り替え手段は、前記無効化条件設定手段によって設定された条件に従って、前記合鍵を無効化することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の合鍵管理システム。
【請求項7】
出入り口の施開錠を行う電気錠と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタと、該非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置と、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機とを含み、前記鍵制御装置と携帯電話機とがネットワークを介して通信可能に構成された合鍵管理システムであって、
第1の携帯電話機は、
合鍵の発行を依頼する指示入力が行われた場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行手段と、
前記合鍵発行手段によって発行された前記合鍵を、第2の携帯電話機に受け渡す合鍵受け渡し手段と、
前記合鍵発行手段によって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を行う指示入力が行われた場合に、該合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替え手段と、
前記有効/無効切り替え手段によって切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示手段とを備えることを特徴とする合鍵管理システム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の合鍵管理システムを構成する合鍵管理サーバ。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の合鍵管理システムを構成する携帯電話機。
【請求項10】
出入り口の施開錠を行う電気錠と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタと、非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置と、前記電気錠を施開錠させる合鍵の管理を行う合鍵管理サーバと、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機とを含み、前記合鍵管理サーバと鍵制御装置および携帯電話機とがネットワークを介して通信可能に構成された合鍵管理システムにおける合鍵管理方法であって、
第1の携帯電話機において、
前記合鍵管理サーバに対し、前記電気錠の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼ステップと、
前記合鍵管理サーバによって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を、前記合鍵管理サーバに指示する合鍵有効化制御ステップとを含み、
前記合鍵管理サーバにおいて、
前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼ステップで合鍵の発行が依頼された場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行ステップと、
前記合鍵有効化制御ステップで合鍵の有効化あるいは無効化が指示された場合に、前記合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替えステップと、
前記有効/無効切り替えステップで切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示ステップとを含むことを特徴とする合鍵管理方法。
【請求項1】
出入り口の施開錠を行う電気錠と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタと、該非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置と、前記電気錠を施開錠させる合鍵の管理を行う合鍵管理サーバと、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機とを含み、前記合鍵管理サーバと鍵制御装置および携帯電話機とがネットワークを介して通信可能に構成された合鍵管理システムであって、
第1の携帯電話機は、
前記合鍵管理サーバに対し、前記電気錠の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼手段と、
前記合鍵管理サーバによって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を、前記合鍵管理サーバに指示する合鍵有効化制御手段とを備え、
前記合鍵管理サーバは、
前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼手段によって合鍵の発行が依頼された場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行手段と、
前記合鍵有効化制御手段によって合鍵の有効化あるいは無効化が指示された場合に、前記合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替え手段と、
前記有効/無効切り替え手段によって切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示手段とを備えることを特徴とする合鍵管理システム。
【請求項2】
前記合鍵発行手段は、前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼手段によって合鍵の発行が依頼された場合に、無効な状態とした前記合鍵を発行することを特徴とする請求項1記載の合鍵管理システム。
【請求項3】
前記第1の携帯電話機において、
前記合鍵発行依頼手段は、第2の携帯電話機を指定して前記合鍵の発行を前記合鍵管理サーバに依頼し、
前記合鍵有効化制御手段は、前記合鍵管理サーバの合鍵発行手段によって、第2の携帯電話機に対し、無効な状態とされた前記合鍵が発行された場合に、該合鍵を有効化させる指示入力に対応して、前記合鍵管理サーバに、該無効な状態で発行された前記合鍵の有効化を指示することを特徴とする請求項1または2記載の合鍵管理システム。
【請求項4】
前記第1の携帯電話機は、
前記電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタをさらに備え、
前記合鍵発行依頼手段は、第2の携帯電話機を指定して前記合鍵の発行を前記合鍵管理サーバに依頼し、
前記合鍵有効化制御手段は、前記合鍵管理サーバの合鍵発行手段によって、第2の携帯電話機に対し、無効な状態とされた前記合鍵が発行された場合に、該第2の携帯電話機における前記非接触ICチップに記憶された該合鍵を、前記非接触ICリーダ/ライタが読み取ることに対応して、前記合鍵管理サーバに、該無効な状態で発行された前記合鍵の有効化を指示することを特徴とする請求項1または2記載の合鍵管理システム。
【請求項5】
前記第1の携帯電話機は、
前記電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタをさらに備え、
前記合鍵発行依頼手段は、該第1の携帯電話機を指定して前記合鍵の発行を前記合鍵管理サーバに依頼し、
前記合鍵有効化制御手段は、前記合鍵管理サーバの合鍵発行手段によって、第1の携帯電話機に対し、前記合鍵が発行された場合に、該第1の携帯電話機における非接触ICリーダ/ライタから第2の携帯電話機における前記非接触ICチップに該合鍵を書き込むことを特徴とする請求項1または2記載の合鍵管理システム。
【請求項6】
前記第1の携帯電話機は、
前記合鍵有効化制御手段によって合鍵の無効化を指示する際に、合鍵の無効化に関する条件を設定する無効化条件設定手段をさらに備え、
前記合鍵管理サーバにおける有効/無効切り替え手段は、前記無効化条件設定手段によって設定された条件に従って、前記合鍵を無効化することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の合鍵管理システム。
【請求項7】
出入り口の施開錠を行う電気錠と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタと、該非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置と、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機とを含み、前記鍵制御装置と携帯電話機とがネットワークを介して通信可能に構成された合鍵管理システムであって、
第1の携帯電話機は、
合鍵の発行を依頼する指示入力が行われた場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行手段と、
前記合鍵発行手段によって発行された前記合鍵を、第2の携帯電話機に受け渡す合鍵受け渡し手段と、
前記合鍵発行手段によって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を行う指示入力が行われた場合に、該合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替え手段と、
前記有効/無効切り替え手段によって切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示手段とを備えることを特徴とする合鍵管理システム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の合鍵管理システムを構成する合鍵管理サーバ。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の合鍵管理システムを構成する携帯電話機。
【請求項10】
出入り口の施開錠を行う電気錠と、該電気錠の鍵が記憶された非接触ICチップの読み込みあるいは書き込みを行う非接触ICリーダ/ライタと、非接触リーダ/ライタから入力された前記電気錠の鍵の内容に応じて該電気錠に施開錠の指示信号を入力する鍵制御装置と、前記電気錠を施開錠させる合鍵の管理を行う合鍵管理サーバと、非接触ICチップを備えた複数の携帯電話機とを含み、前記合鍵管理サーバと鍵制御装置および携帯電話機とがネットワークを介して通信可能に構成された合鍵管理システムにおける合鍵管理方法であって、
第1の携帯電話機において、
前記合鍵管理サーバに対し、前記電気錠の合鍵の発行を依頼する合鍵発行依頼ステップと、
前記合鍵管理サーバによって発行された合鍵の有効化あるいは無効化を、前記合鍵管理サーバに指示する合鍵有効化制御ステップとを含み、
前記合鍵管理サーバにおいて、
前記第1の携帯電話機における合鍵発行依頼ステップで合鍵の発行が依頼された場合に、その依頼に応じた合鍵を発行する合鍵発行ステップと、
前記合鍵有効化制御ステップで合鍵の有効化あるいは無効化が指示された場合に、前記合鍵の有効あるいは無効を切り替える有効/無効切り替えステップと、
前記有効/無効切り替えステップで切り替えられた前記合鍵の有効あるいは無効の状態に応じて、前記鍵制御装置における該合鍵の認証可否を切り替える鍵制御装置指示ステップとを含むことを特徴とする合鍵管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−291566(P2008−291566A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139649(P2007−139649)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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