説明

向上した熱伝導率を有する硬質ポリウレタン発泡体の成形方法

本発明は、33〜38kg/m3の密度で減少された熱伝導率を有する、電気製品における用途のための成形硬質ポリウレタン発泡体およびその様な発泡体の製造方法に関する。成形硬質ポリウレタン発泡体は、10℃で、発泡体製造後24時間で測定して、ラムダ(mW/mK)に対する適用発泡体密度(kg/m3)対の比が1.65〜2.15を有し、1.1〜1.9の充填率で、反応混合物を減圧下で密閉金型キャビティ中へ射出する方法により得られ、反応混合物は、A)有機ポリイソシアネート、B)物理的発泡剤、C)3以上の官能性および200〜800のヒドロキシル数を持つ少なくとも1つのポリオールならびに全ポリオール配合物の0〜2.5重量%の水含有量を含むポリオール組成物、D)触媒、ならびにE)補助物質および/または添加剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、33〜38kg/m3の密度で、減少した脱型時間との組合せにおいて減少された熱伝導率を有する、電気製品における用途のための成形硬質ポリウレタン発泡体およびその様な発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン発泡体の成形は、発泡剤および水を含むポリウレタン反応性混合物を金型キャビティ中へ導入することにより通常行われ、発泡剤は、混合物中のイソシアネートおよびイソシアネート−反応性成分との間の重付加反応の過程で放出され、反応性混合物を発泡させてキャビティを充填する。
【0003】
硬質ポリウレタン成形発泡体の製造方法および特徴は、電気製品で使用されるものを含めてよく知られている。例えば、Polyurethane Handbook by G.Oertel et al.、2nd edition、Hanser Publishers、1993年を参照されたい。ポリウレタン発泡混合物は、一般に、大気圧で金型キャビティ中へ射出される。金型キャビティを完全に充填することおよび密度が均一である部品を製造することが困難な場合がある。キャビティ中への材料の流動を助けるために、金型キャビティの圧力の減少が特殊用途のために提案されており、例えば、米国特許第3970732号および第5972260号を参照されたい。
【0004】
ポリウレタン発泡体は電気製品において使用されるので、良好な断熱性を有すること、即ち、低ラムダ(Lambda)または低熱伝導率を有することが発泡体にとってまた望ましい。その様な発泡体の熱伝導率を減少するために、ラムダ値を改善する発泡体配合物について多数の報告が存在する。種々の配合物についての報告は、この産業が、塩化炭化水素を基にした発泡剤から炭化水素および/またはハイドロフルオロカーボン(HFC)発泡剤へと転換している傾向を特に示している。炭化水素発泡剤を伴う硬質ポリウレタン発泡体の製造例は、EP公開421269;707127;805831;832909;858477;906354;991686;1043350;1293524および1349883である。しかしながら、これらの配合物を、加工性および発泡体の断熱性の両方を最適化するために改質することのできる方法においてはなお限界が存在する。その他の問題は、ガス拡散による長期にわたる発泡体のラムダの増加である。また、加工条件における変動、特に、発泡体膨張、したがってその密度に影響を与える地理的および/または気候条件に起因する大気圧の変動による製品の整合性を伴う問題も存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、安定な条件下で、33〜38kg/m3の密度で低熱伝導率値を有する硬質ポリウレタン発泡体を製造するために発泡体配合物を最適化することである。また、本発明の目的は、密度分布および審美的な発泡体の均質性(空隙の減少)を最適化するために、化学よりもむしろ加工処理条件により金型充填時間を調整することである。また、本発明の目的は、発泡体のラムダを最小限に抑えながら、製造される発泡体の脱型時間を減少させることである。
【0006】
本発明の目的は、ポリウレタン発泡体形成系を、減少した空気圧で維持された金型中へ射出し、金型を充填し、過充填(これは、最少充填密度よりも高い発泡体の成形密度が得られる)を適用することにより達成される。本発明は、また、粘稠なポリオール−イソシアネート系の加工性を改善する。この加工処理条件は、更に、高い触媒充填を基にした速い反応系の使用または強力なアミンを基にした自触媒ポリオールの添加を可能にする。更に、本発明の発泡体は、良好な圧縮強度および寸法安定性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、したがって、1.1〜1.6の充填率で反応混合物を密閉金型キャビティ中へ射出する方法により得られる、10℃で、発泡体製造後24時間で測定して、ラムダ(mW/m.K)に対する成形発泡体密度(kg/m3)の比が1.8〜2.15を有する硬質ポリウレタン発泡体であって、金型キャビティが減圧下にあり、反応混合物が、
A)有機ポリイソシアネート、
B)物理的発泡剤、
C)3以上の官能性および300〜800のヒドロキシル数を持つ少なくとも1つのポリオールを含むポリオール組成物、
D)全ポリオール配合物の0〜2.5重量%で存在する水、
E)触媒、および
F)補助物質および/または添加剤、
を含み、発泡体が、33〜38kg/m3の成形密度を有する、発泡体を提供する。
【0008】
その他の実施形態では、本発明は、上で開示された成形硬質ポリウレタン発泡体の製造方法である。更なる実施形態では、本発明は、上述の発泡体を含む電気製品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明による硬質ポリウレタン発泡体が、33〜38kg/m3の通常の密度で、速い硬化および低熱伝導率を有することは驚くべきことである。更に、好都合な密度および熱伝導率性は、寸法安定性、圧縮強度または電気製品のハウジングの製造において使用される金属もしくはプラスチックライナーへの発泡体の接着性に関わる性能を犠牲にすることなしに達成される。
【0010】
本発明のテキストにおいて使用される種々の用語は以下の意味を有する:
ゲルまたはゲル化時間:ゲル時間は、混合開始から、スティックが、延伸された時に発泡体延伸繊維中へ導入される瞬間までを範囲とする。
膨張時間:膨張時間は、混合開始から、発泡体の膨張が完了する瞬間までを範囲とする。
不粘着時間:不粘着時間は、混合開始から、発泡体表面が作業者の指に粘着しなくなる瞬間までを範囲とする。
脱型時間:発泡体の射出および金型を開くまでの間の時間。
ポリオール組成物:イソシアネート分子と反応することのできる、存在するポリオール、架橋剤および鎖伸長剤の合計セット。
ポリオール配合物:ポリオール組成物+添加剤、例えば、物理的発泡剤を除く、触媒、界面活性剤、水等。
プレミックス:ポリオール配合物+全ての物理的発泡剤。
系または発泡体配合物:プレミックスおよびイソシアネート成分の組合せ。
自由膨張密度(FRD):300g以上の全体の系配合物重量から製造された自由膨張発泡体(周囲空気圧で)の中心から得られる、100x100x100mmブロックから測定される密度。FRDはkg/m3で報告される。
最小充填密度(MFD):金型を完全に充填するのに必要な最少重量およびこの金型の容量から決定される密度。MFDはkg/m3で報告される。
最少充填重量(MFW):金型を完全に充填するのに必要な最少重量。MFWはkgで報告される。
成形密度(MD):金型中に射出された重量およびこの金型の容量から決定される密度。MDはkg/m3で報告される。測定される成形密度は、サンプルの重量を計り、この重量を、サンプルの測定容量で割ることにより、mmにおける100x100x「厚さ」(スキンを含む)の最低5個のサンプルの平均から決定される。
過充填:過充填は、[射出された重量*100/MFW]として定義される。過充填はパーセントで報告される。
充填率:充填率は、[成形密度/FRD]として定義される。充填率は無次元数として報告される。
圧力:圧力は、金型における空気圧または金型壁上での発泡体の質量圧のいずれかである。全ての圧力は、mbar(またはhPa)単位の絶対圧で報告される。参照圧力は、海抜=0barゲージで、1000mbar=1000hPa=凡そ1気圧である。
【0011】
本発明の方法は、33〜38kg/m3の密度を有する硬質発泡体に対して一般に観察されるものよりも低い熱伝導率値を有する硬質ポリウレタン発泡体の製造を可能にする。低い内圧で維持された金型での電気製品発泡体配合物の射出は、水対補助発泡剤の比を調整するための更なる自由度を与える。この方法は、水(CO2)対物理的発泡剤比の良好な最適化、特に、ポリオール配合物で使用される水の水準での減少を可能にする。発泡体において発泡剤としての二酸化炭素の水準の減少は、長期にわたるラムダ増加を減少する。更に、発泡体配合物における水の減少は、イソシアネートの消費量の減少を可能にする。
【0012】
本発明では、ポリオールのタイプによるまたは発泡する塊の速い反応性(増加した触媒反応)による一層粘稠な系の加工処理ができる。本発明は、また、ポリウレタン配合物のコストおよびその様な発泡体を含む電気製品の廃棄による揮発性有機化合物の放出を減少させる、物理的発泡剤の絶対水準の減少を可能にすることもできる。
【0013】
本発明において有用なポリオールは、2個以上のイソシアネート反応性基、一般には、活性水素基、例えば、−OH、第一級または第二級アミン、および−SH等を含む化合物である。適当なポリオールの例は一般に公知であり、例えば、High Polymers、Vol.XVI;“Polyurethanes、Chemistry and Technology”、by Saunders and Frisch、Interscience Publishers、New York、Vol.I、32頁〜42頁、44頁〜54頁(1962年)およびVol.II、5頁〜6頁、198頁〜199頁(1964年);Organic Polymer Chemistry by K.J.Saunders、Chapman and Hall、London、323頁〜325頁(1973年);およびDevelopments in Polyurethanes、Vol.I、J.M.Burst、ed.、Applied Science Publishers、1頁〜76頁(1978年)等の刊行物に記載されている。適当なポリオールの例としては、ポリエステル、ポリラクトン、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリカーボネートポリオール、および種々のその他のポリオールが挙げられる。必要に応じて、ポリオール配合物は、また、コポリマーポリオール、例えば、スチレン/アクリロニトリル(SAN)、ポリイソシアネート重付加生成物(PIPA)またはポリ尿素ポリオール(PHD)等を含んでもよい。
【0014】
一般に、ポリオールは2〜8の官能性を有する。好ましくは、ポリオールまたはポリオール組成物は3〜6の平均官能性を有する。ポリオールまたはポリオール組成物は、一般に、150〜1,200のヒドロキシル数を有する。好ましくは、ヒドロキシル数は200〜1000、更に好ましくは300〜800である。
【0015】
例示的ポリエステルポリオールは、2〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは、8〜12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、および多価アルコール、好ましくは、2〜12個、好ましくは、2〜8個、更に好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するジオールから調製されてもよい。ジカルボン酸の例は、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マロン酸、ピメリン酸、2−メチル−1,6−ヘキサン酸、ドデンカン二酸、マレイン酸およびフマル酸である。好ましい芳香族ジカルボン酸は、フタル酸、イソフタル酸、テトラフタル酸およびナフタレン−ジカルボン酸の異性体である。その様な酸は、個々にまたは混合物として使用されてもよい。2価および多価アルコールの例としては、エタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびその他のブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよびその他のペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、グリセロール、およびトリメチルロールプロパンが挙げられる。ポリエステルポリオールの例は、ポリ(ヘキサンジオールアジペート)、ポリ(ブチレングリコールアジペート)、ポリ(エチレングリコールアジペート)、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)、ポリ(ヘキサンジオールオキサレート)、ポリ(エチレングリコールセベケート)等である。
【0016】
ポリエステルポリオールは実質的に純粋な反応体材料から調製することができるが、更に複雑な成分、例えば、フタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の製造からの副生成物、廃棄またはスクラップ残渣等を使用することができる。その他の源は再生PET(ポリエチレンテレフタレート)である。エステル交換反応またはエステル化後に、反応生成物は、アルキレンオキシドと場合により反応することができる。
【0017】
使用されてもよいポリエステルのその他の類はポリラクトンポリオールである。その様なポリオールは、ラクトンモノマー、例えば、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン、ξ−エナントラクトン等と、活性水素含有基を有する開始剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等との反応により調製される。その様なポリオールの製造は当該技術分野では公知である;例えば、米国特許第3169945号、第3248417号、第3021309号および第3021317号を参照されたい。好ましいラクトンポリオールは、ポリカプロラクトンポリオールとして知られている、ジ−、トリ−、およびテトラ−ヒドロキシル官能ε−カプロラクトンポリオールである。
【0018】
ポリエーテルポリオールとしては、適当な出発分子を、アルキレンオキシド、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンオキシド、またはこれらの混合物でアルコキシ化することにより得られるものが挙げられる。開始剤分子の例としては、水、アンモニア、アニリンまたは多価アルコール、例えば、62〜399の分子量を有する2価アルコール、特に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパンもしくはトリメチロールエタン等のアルカンポリオール、またはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールもしくはトリプロピレングリコール等のエーテル基を含む低分子量アルコールが挙げられる。その他の一般に使用される開始剤としては、ペンタエリスリトール、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ビスフェノールA等が挙げられる。その他の開始剤としては、第三級アミン、例えば、エタノールジアミン、トリエタノールジアミン、およびトルエンジアミン、メチルジフェニルアミン、アミノエチルピペラジン、エチレンジアミン、N−メチル−1,2−エタンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジメチルエタノールアミン、3,3−ジアミノ−N−メチルプロピルアミン、N,N−ジメチルジプロピレントリアミン、アミノプロピル−イミダゾールおよびこれらの混合物の種々の異性体等をまた含んでもよい直鎖および環状アミン化合物が挙げられる。好ましいのは、ポリ(プロピレンオキシド)ポリオールであり、ポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオールが使用される。これらのポリオールは、通常の方法により調製される通常の材料である。この重合のための触媒反応は、第三級アミン、KOH、CsOH、三フッ化ホウ素等の触媒、または複合シアン化物錯体(DMC)触媒、例えば、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛または第4級ホスファゼニウム化合物等を伴うアニオンまたはカチオンであることができる。アルカリ性触媒の場合では、これらのアルカリ性触媒は、適当な仕上げ工程、例えば、凝集、マグネシウムシリケート分離または酸中和等により製造の最後でポリオールから除去されるか、あるいはそのままで反応させられる。例えば、KOHは酸中和することができ、および/または追加触媒としてポリオール中に残して置くことができる。
【0019】
その他のポリエーテルポリオールとしては、ジオールとして市販されている、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールとしても知られているポリ(テトラメチレンオキシド)ポリオールが挙げられる。これらのポリオールは、Dreyfuss,P. and M.P.Dreyfuss、Adv.Chem.Series、91、335頁(1969年)において記載されている様に、テトラヒドロフランのカチオン開環および水での停止反応から調製される。
【0020】
ヒドロキシル基を含むポリカーボネートとしては、それ自体公知のもの、例えば、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)および/またはヘキサンジオール−(1,6)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールもしくはテトラエチレングリコール等のジオールと、ジアリールカーボネート、例えば、ジフェニルカーボネートもしくはホスゲンとの反応から得られる生成物等が挙げられる。
【0021】
適当な種々のその他のポリオールの例は、スチレン/アリルアルコールコポリマー;ジメチロールジシクロペンタジエンのアルコキシル化付加物;塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコールコポリマー;塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマー;2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸エチル、および/またはアクリル酸ブチルもしくは2−エチルヘキシルアクリレートのコポリマー;ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリル酸エチル、および/またはアクリル酸ブチルもしくは2−エチルヘキシルアクリレートのコポリマー等である。
【0022】
重合したスチレンおよびアクリロニトリル充填剤を含むコポリマーポリオールもポリオール配合物で使用することができる。
【0023】
発泡剤、例えば、フッ素化炭化水素または純粋の炭化水素等の溶解度を高めるために、第三級窒素を含むポリオールをポリオール組成物中に含むことが有利であってもよい。その様なアミン含有開始剤の例は上で与えられる。
【0024】
発泡体の熱伝導率を下げ、幾らかの自触媒効果を得るために、芳香族アミンで開始されるポリオールは、好ましくは、ポリオール組成物内に含まれる。その様なポリオールの例としては、米国特許第4883826号、第4939182号および第5120815号に開示されている様な、「マンニッヒ(Mannich)」ポリオールとしばしば呼ばれるフェノール/ホルムアルデヒド/アルカノールアミン樹脂のアルキレンオキシド付加物が挙げられる。芳香族ポリアミンを基にしたポリエーテルポリオールとしては、例えば、2,3−、3,4−、2,4−および2,6−トルエンジアミン、4,4’、2,4’−および2,2’−ジアミノジフェニルメタン、ポリフェニル−ポリメチレン−ポリアミン、1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミンおよびこれらの混合物で開始されるものが挙げられる。その様なポリオールは、例えば、その開示が参照として組み込まれる米国特許第5895793号および第59622542号に開示されている。使用される場合、芳香族アミン開始ポリオールは、ポリオール組成物の3〜90、好ましくは、10〜60重量部の水準で使用される。
【0025】
ポリオール組成物は、また、ポリオール配合物で必要とされるゲル化または発泡触媒の量を減少するためにその他の「自触媒」ポリオールを含んでもよい。その様な自触媒ポリオールは、少なくとも1つの第三級アミン、好ましくは、少なくとも1つのN−アルキルアミン基、更に好ましくは、少なくとも1つのN,N−ジアルキルアミノ基(ここで、アルキルは、1〜3個の炭素原子を含む)を含む。その様なポリオールの例は、米国特許第5476969号および第6762274号、PCT公開02/22702に開示され、第三級アミンジオールは、EP公開0488219において開示されている。ポリオール鎖における第三級アミン官能の集積は、ポリエーテルポリオールを作る場合のコモノマーとしてアルキルアジリジンを使用することにより行うことができる。その他の自触媒ポリオールは、WO94/02525に記載されている様な、第三級アミン基でキャップされた通常のポリオールである。使用される場合、その様な自触媒ポリオールは、ポリオール組成物の2〜80、好ましくは、5〜60重量%を含む。
【0026】
芳香族開始ポリオールに関連した難燃性による発泡体の難燃性からすると、ポリオール組成物の一部として芳香族開始ポリエーテルまたはポリエステルポリオールを使用することが有利である。芳香族開始ポリエーテルポリオールの例は、米国特許第3470118号および第4046721号に開示されている様な、しばしば「ノボラック」ポリオールと呼ばれるフェノール/ホルムアルデヒド樹脂のアルキレンオキシド付加物である。
【0027】
加工処理の容易さのためには、一般に低粘度を有するポリオールまたはポリオール組成物を使用することが好ましいが、本発明の加工処理条件は、補助発泡剤無しで、3000mPa.s以上の粘度(25℃で測定して)を有するポリオール配合物の使用を可能にする。高粘度を有するポリオール配合物は、系配合物の高い粘度をもたらす。系配合物の高い粘度は、長期にわたり良好な保持を伴う低いラムダ値を得る助けとなる小さなセルサイズを与える発泡体の膨張中のセル構造における液体の水抜きを妨げるものと考えられる。
【0028】
本発明での使用に適したポリイソシアネートは、脂肪族、環状脂肪族、脂環式、アリール脂肪族、芳香族ポリイソシアネートおよびこれらの誘導体である。その様な誘導体としては、アロホネート(allophonate)、ビウレットおよびNCO末端化プレポリマーが挙げられる。芳香族イソシアネート、特に、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。芳香族ジイソシアネート、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、粗TDI、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体、m−およびp−フェニルジイソシアネート、ならびに高官能ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等;芳香族トリイソシアネート、例えば、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよび2,4,6−トルエントリイソシアネート等;芳香族テトライソシアネート;脂肪族イソシアネート、例えば、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート等;および脂環式イソシアネート、例えば、ヒドロメチレンジフェニルジイソシアネート等を使用することが好ましい。
【0029】
1つの実施形態では、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI)を使用することが好ましい。本明細書で使用されるMDIは、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートおよび少なくとも2つのイソシアネート基を持つこれらの誘導体から選択されるポリイソシアネートを意味する。
【0030】
粗製の、ポリマーまたは純粋MDIは、ポリオールまたはポリアミンと反応して改質されたMDIを生成することができる。このMDIは、1分子当たり平均2〜3.5、好ましくは2.0〜3.2個のイソシアネート基を都合よく有する。特に好ましいのは、ポリウレタンを架橋するこれらの能力により、粗ジフェニルメタンジイソシアネートを伴うメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネートおよびこの混合物である。粗MDIは、好ましくは、30〜60%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体を含む。
【0031】
イソシアネートおよび粗ポリイソシアネートポリイソシアネートの混合物ならびにMDIおよびTDIプレポリマー、ポリマーおよびモノマーMDIとこれらとのブレンドも本発明の実施において使用されてもよい。
【0032】
本発明において発泡体を調製するために使用されるポリイソシアネートの合計量は、70〜150(またはそれ以下)のイソシアネート反応指数を与えるのに十分なものであるべきである。好ましくは、この指数は100〜140である。更に好ましくはこの指数は110〜130である。100のイソシアネート反応指数は、水およびポリオール組成物等からの、存在するイソシアネート反応性水素原子当たり1個のイソシアネート基に相当する。
【0033】
本発明での使用に適した物理的発泡剤は、凍結点より上の沸点を有するものである。好ましくは、発泡剤は、10℃より上、更に好ましくは15℃以上の沸点を有する。特に、低沸点炭化水素、低級単官能アルコール、アセタールまたは、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)またはハイドロフルオロカーボン(HFC)として知られている部分的にハロゲン化された炭化水素、ギ酸およびギ酸メチルが使用される。好ましいのは、12個までの炭素原子を有する環状および非環式飽和炭化水素である。発泡剤は個々にまたは互いの混合物で使用されてもよい。工業規格品の炭化水素が使用されてもよい。
【0034】
炭化水素発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、シクロブタン、2,2−ジメチルブタン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテルおよびジエチルエーテルが挙げられる。HFCまたはHFA(ヒドロフルオロアルカン)の例としては、例えば、トリフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ペンタフルオロブタン(HFC 365mfc)、ペルフルオロシクロブタン、ヘプタフルオロプロパン(HFC 227ea)、ペンタフルオロプロパン(HFC 245fa)、ヘキサフルオロプロパン、テトラフルオロエタン(HFC 134a)、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、ヘキサフルオロブタンおよびジフルオロエタンが挙げられる。
【0035】
金型内減圧により、高沸点、即ち、50℃より上を有する発泡剤、例えば、シクロヘキサンまたはメチル−シクロヘキサン等は、本発明において使用することができる。
【0036】
場合により、0℃より下の沸点を有する製品、例えば、イソブテン等は、これまでに列挙されたその他の発泡剤と組み合わせることができる。
【0037】
これらの化合物との組合せにおいて使用されてもよいその他の発泡剤は、クリプトンまたはキセノン等の希ガスである。
【0038】
全ての前述の物理的発泡剤は、純粋な成分としてならびにこれらの種々の物理的発泡剤の混合物として使用することができる。
【0039】
水は化学的補助発泡剤として使用されてもよい。一般に、減圧によって、1000mbarの参照圧力にわたって、水は、全ポリオール配合物の2.5重量%以下の水準で存在する。好ましくは、水の量は、全ポリオール配合物の0.1〜2重量%である。更に好ましくは、水は、ポリオール配合物の0.2〜1.5重量%で存在する。なお更に好ましい実施形態では、水の量は、ポリオール配合物の組成物の1.0重量%未満である。水の含有量が多過ぎると、発泡体の脆弱性および熱伝導率の増加ならびに発泡体の老化(発泡体の外への形成されたCO2のセルガス拡散による熱伝導率の経時的増加)をもたらすことになる。
【0040】
炭化水素、HFCまたはこれらの組合せの量は、一般に、ポリオール配合物の100部当たり少なくとも5部である。好ましくは、物理的発泡剤の量は、ポリオール配合物の100部当たり30部以下である。好ましくは、物理的発泡剤の量は、ポリオール配合物の100部当たり12〜25部である。
【0041】
発泡剤は、好ましくは、ポリウレタンのための少なくとも1つの形成成分、例えば、ポリイソシアネートまたはポリオール配合物等の中へ公知の方法で導入される。必要に応じて、発泡剤は、当該技術分野で公知の適当な混合手段により反応中へ直接導入されてもよい。発泡剤、特に炭化水素発泡剤は、ポリオール配合物におけるエマルションの形態で使用されてもよい。
【0042】
本発明の硬質発泡体を製造するために使用される触媒は、特に、反応性水素原子、特にヒドロキシル基を含む化合物と、有機の改質または非改質ポリイソシアネートとの反応を強力に促進する化合物である。この目的のために好ましい触媒は、第三級アミン、スズおよびビスマス化合物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属カルボキシレート、第4級アンモニウム塩、s−ヘキサヒドロトリアジンおよびトリス(ジアルキルアミノメチル)フェノールである。
【0043】
適当な触媒の例は、有機金属化合物、好ましくは、有機スズ化合物、例えば、有機カルボン酸のスズ(II)塩等、例えば、酢酸スズ(II)、スズ(II)オクトエート、スズ(II)エチルヘキソエートおよびラウリン酸スズ(II)、ならびに有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエートおよびジオクチルスズジアセテートである。有機金属化合物は、単独でまたは好ましくは強塩基性アミンとの組合せで使用される。アミンの例は、2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン等のアミジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、ジメチルピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ[3.3.0]オクタンおよび好ましくは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の第三級アミン、ならびにトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN−エチルジエタノールアミンおよびジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミン化合物である。市販品の例は、Air Products and Chemicals inc.から入手できる、Polycat 5、Polycat 8、Polycat 12、Polycat 41、Polycat 46、Dabco 33 LV、Dabco T−12、Dabco TMR−2、KAO 1、Curithane 52、Curithane 206である。
【0044】
その他の適当な触媒は、トリス(ジアルキルアミノアルキル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、特に、トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等、アルカリ金属ヒドロキシヒド、例えば、水酸化ナトリウム等およびアルカリ金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシドおよびカリウムイソプロポキシド等、およびまた10〜20個の炭素原子を有し、できれば側部ヒドロキシル基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、カリウムアセテート、カリウムオクトエート、ナトリウムアセテート、鉄アセチルアセトネート、およびこれらのブレンドである。
【0045】
既に述べた通り、更なる触媒活性は、マンニッヒポリオールあるいはTDA、MDA、ピペラジン誘導体、N−メチルもしくはN−ジメチル部分を含む脂肪族アミンまたはこれらの組合せで開始されるポリオールの場合の様に、それが窒素を含む場合はポリオールブレンドにより与えられてもよい。
【0046】
本発明における系の所望の反応性を得るためには、一般に、ポリオール配合物の全重量を基準にして、触媒または触媒の組合せの0.001〜10重量%、特に、0.5〜6重量%。触媒的ポリオールがポリオール組成物中に存在する場合は、ポリオール配合物における一般的なポリウレタン触媒の水準は減少させることができる。
【0047】
所望の反応性は、金型内で圧力が減少される本発明の条件下で良好な金型充填を与える発泡状態を与えるべきである。良好な金型充填とは、金型が、内部空隙のない硬質発泡体で完全に充填されることを意味する。発泡剤およびイソシアネートを含む発泡体配合物は、極めて微細なセル、速い硬化および向上した熱伝導率を有する硬質発泡体を製造するべきである。更に、発泡体は良好な物理的強度ならびに熱および湿潤老化に対する適当な抵抗性を有しながら、長期にわたり低ラムダ値を維持するべきである。
【0048】
本発明で使用されるポリオール配合物は、一般に、発泡が高圧装置、例えば、Cannon、Krauss−MaffeiまたはHenneckeによって作られた高圧装置等を使用して自由膨張条件下で行われる場合は、15〜50秒、好ましくは18〜45秒、更に好ましくは20〜40秒のゲル化時間をもたらす。充填時間は、混合/射出の時間から、金型が完全に充填される時間までの範囲である。充填時間は、発泡体で金型の容易な(更に液体)充填を可能にし、発泡体と金属またはプラスチックライナーとの間の界面での空隙形成を回避するために、ゲル化時間よりも10〜30%速いものであるべきである。金型内圧力は、ゲル化時間に基づく充填時間に合わせて変動することができる。
【0049】
必要に応じて、種々の添加剤が、本発明の硬質発泡体を製造するために反応混合物中へ導入することができる。例は、界面活性物質、発泡安定剤、セル調節剤、難燃剤、充填剤、染料、顔料、加水分解阻害剤、静真菌性または静菌性物質である。
【0050】
適当な界面活性物質は、例えば、出発物質の均質化を助けるのに役立ち、また、発泡体のセル構造を調節するのに適したものであっても良い化合物である。それらは、GE Plastics、Air ProductsおよびDegussaにより、それぞれに、NIAX(商標)、DABCO(商標)およびTEGOSTAB(商標)の商標で供給される。挙げることのできるその他の例は、ひまし油スルフェートまたは脂肪酸のナトリウム塩および脂肪酸のアミン塩、例えば、ジエチルアミンオレエート、ジエタノールアミンステアレート、ジエタノールアミンリシノレート、スルホン酸の塩、例えば、ドデシルベンゼン−もしくはジナフチルメタンジスルホン酸のアルカリ金属もしくはアンモニウム塩ならびにリシノレイン酸等の乳化剤である。発泡安定剤としては、例えば、シロキサン−オキシアルキレンコポリマーおよびその他のオルガノポリシロキサン、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪族アルコール、パラフィン油、ひまし油またはリシノレエートエステル、ロート油および落花生油ならびにパラフィン、脂肪族アルコールおよびジメチルポリシロキサン等のセル調節剤が挙げられる。側基としてポリオキシアルキレンおよびフルオロアルカン基を有する上述のオリゴマーアクリレートは、また、乳化作用、セル構造の改善および/または発泡体の安定化に適している。界面活性物質は、通常、ポリオール配合物の100部当たり、0.01〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部の量で使用される。クリーニング剤、例えば、ペルフルオロアルカン等は、これらが発泡体セル構造を調節する助けとなるので硬質発泡体の分野において重要な添加剤であり、したがって、これらは、本発明で使用することができる。
【0051】
任意の公知の液体または固体難燃剤は、本発明で使用することができる。一般に、その様な難燃剤は、ハロゲン置換ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスホネートエステルおよび無機難燃剤である。一般に、その様な難燃剤は、ハロゲン置換ホスフェート、無機難燃剤または有機リン化合物である。一般的なハロゲン置換ホスフェートは、トリクレシルホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)−ホスフェート、クロロプロピルビス(ブロモプロピル)ホスフェートおよびテトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェートである。無機難燃剤としては、赤燐、アルミニウムオキシド水和物、三酸化アンチモン、硫酸アンモニウム、膨張性グラファイト、尿素もしくはメラミンシアヌレートまたは少なくとも2つの難燃剤の混合物が挙げられる。一般に、存在する場合、難燃剤は、ポリオール配合物の100重量部当たり、5〜50重量部、好ましくは5〜25重量部の難燃剤の水準で添加される。
【0052】
充填剤の例としては、タルク、粘土、シリカ、炭酸カルシウム、グラファイト、ガラス、カーボンブラック、ABS等のプラスチック粉末;ガラス繊維もしくはその他のセラミック、またはポリアミド等のポリマー、プロピレンもしくは再生ポリウレタン発泡体が挙げられる。
【0053】
触媒、発泡剤およびその他の任意の成分は、好ましくは、ポリオール成分と混合される。発泡体は、ポリオール配合物とイソシアネート成分とを、凡そ20℃で、発泡剤の存在下で混合し、1000mbarの参照圧力より下の内部空気圧を有する金型キャビティ中へ、ポリオールおよびポリイソシアネートが反応し、硬化する様な条件下で射出することにより作られる。良好な反応および硬化を得るために成分を予備加熱しまたは反応混合物に熱を適用することは通常必要ないが、必要に応じて加熱が使用されてもよい。しかしながら、金型キャビティは、金型、またはプラスチックおよび金属ライナーへの発泡体の十分な接着を与えるために、一般に加熱され、好ましくは、30〜60℃、更に好ましくは40〜50℃に加熱される。金型は、本発明によれば、使用される発泡組成物で良好な充填を与えるのに十分な内部空気圧を有する。内部金型圧力は、300〜950mbar、好ましくは400〜900mbar、更に好ましくは500〜850mbarの間で変動することができる。内部空気圧は、成形密度が、充填対ゲル化時間の正確な均衡で得ることができる様に調節される。あるいはまた、発泡組成物の射出直後に真空を適用してもよいが、これは好ましい選択ではない。減少された金型内圧力下での射出により、または射出直後の真空の適用により、発泡組成物は流動が可能となり、大気圧を基にした現行方法よりも迅速に、そして更に効率よくキャビティを充填し、したがって、更に粘稠な、または更に反応性の発泡配合物が本発明で使用することができる。金型キャビティへ部分的真空を適用するための方法は当該技術分野において公知であり、例えば、米国特許第5454582号および第5972260号を参照されたい。金型キャビティにおける減圧下での射出前に、キャビティは、可燃性の発泡剤が発泡体配合物において使用される場合の安全性のために、不活性ガス、例えば、窒素でパージされてもよい。
【0054】
硬化した発泡体は、好ましくは、そのコアにおいて切り取ったサンプルについて、10℃の平均温度で、発泡体製造後24時間で測定して、20mW/mK未満、好ましくは、19mW/mK未満、更に好ましくは、18mW/mK未満のラムダ値(k−ファクター)を示す。発泡体の成形密度は、一般に、33〜38kg/m3である。好ましくは、密度は34〜37、更に好ましくは34〜36kg/m3である。使用される部分的真空下で所望の密度範囲内の発泡体を得るためおよび全体の金型キャビティが適切に充填されるのを確実にするために、金型は、一般に、1.03を超え、1.9よりは高くない充填率まで充填される。好ましくは、充填率は、1.06〜1.6、更に好ましくは1.1〜1.5に設定される。
【0055】
脱型時間は、治具から取り出した場合に十分に寸法的に安定であるために、発泡目的物、例えば、冷蔵庫等にとって必要とされる時間により決定される。脱型時間は、4〜7cmの壁厚を持つ標準のヨーロッパの冷蔵庫およびフリーザーに対しては、望ましくは2〜7分、好ましくは、6分未満、更に好ましくは2〜5分であり、更に厚い壁は、更に長い脱型時間、例えば、12cm厚に対しては10分を明らかに必要としよう。ポリウレタン配合物の脱型時間性能を比較するための1つの方法は、異なるポリウレタン配合物で製造した、ライナー無しの成形発泡体の後膨張を測定することである。この測定は発泡後24時間で行われる。発泡体は、元の金型厚に関して比較することができる十分な塊の膨張を可能とするために異なる時間で脱型される。後膨張(時間tでの)は、金型厚で割った発泡体の最大厚である。結果はパーセントで報告される。現在、ヨーロッパ市場の冷蔵庫の両方のキャビネット壁については3〜4mmの合計変形は許容されるものと見なされる。
【0056】
ラムダ比は、成形密度(kg/m3で)対、10℃の平均温度で、発泡体製造後24時間で測定される発泡体のラムダ値(mW/m.Kで)の比である。本発明方法により製造されると、ラムダ比は、一般に、1.65を超え、好ましくは1.70を超え、更に好ましくは1.75を超える値を有する。最大で成形密度は38kg/m3である。ポリウレタン系の制約を基にした場合、ラムダ比の値は、一般に、2.50未満、好ましくは2.15未満である。
【0057】
本発明の方法から製造される硬質ポリウレタン発泡体は、好ましくは、冷蔵装置、特に、冷蔵庫およびフリーザーのためのハウジングにおける発泡体充填キャビティのための断熱材として、および温水貯蔵タンクのジャケットとして使用される。製品は、また、その様な用途におけるコンポジット要素として使用されてもよい。
【0058】
以下の実施例は本発明を例示するために与えられるもので、決して限定するものとして解釈されるべきものではない。別段の記載がない限り、全ての部は、ポリオール配合物の100部当たりである。
【0059】
実施例で使用された原材料の説明は次の通りである:
DSD 287.02 Dow Chemical Companyから入手できる、365のヒドロキシル数、25℃で2000mPa.sの粘度および2.3%の水含有量で配合されたポリオール。
Voratec SD 308 Dow Chemical Companyから市販されている、385のヒドロキシル数、25℃で3500mPa.sの粘度および2.4%の水含有量で配合されたポリオール。
ポリオール配合物A 1.0%の水だけを含む以外はVoractec SD 308と同じに配合されたポリオール。
Voranol RN 482 Dow Chemical Companyから入手できる、490のヒドロキシル数を持つプロポキシル化ソルビトール。
Voranol CP 1055 Dow Chemical Companyから入手できる、156のヒドロキシル数を持つプロポキシル化グリセロール。
Voranol RA 640 Dow Chemical Companyから入手できる、640のヒドロキシル数を持つプロポキシル化エチレンジアミン。
Stepanpol PS 3152 Stepanから入手ができ、315のヒドロキシル数を有する芳香族ポリエステルポリオール。
Tercarol 5903 Dow Chemical Companyから入手できる、440のヒドロキシル数を持つプロポキシル化トルエンジアミン。
ポリオールA 500のヒドロキシル数を持つプロポキシル化アンモニア。
Voratec SD 100 Dow Chemical Companyから入手できるポリマーMDI。
Polycat 5 Air Products & Chemicals Inc.から入手できるアミン触媒。
Polycat 8 Air Products & Chemicals Inc.から入手できるアミン触媒。
Dabco TMR−30 Air Products & Chemicals Inc.から入手できる触媒。
Silicon A 商標TEGOSTAB(商標)Aのシリコン界面活性剤としてGoldschmidt−Degussaから入手できる硬質発泡体界面活性剤。
Silicon B 商標NIAX(商標)の界面活性剤として入手できる、GE Plasticsから入手できる硬質発泡体界面活性剤。
【0060】
全ての発泡体は、大気圧が約1,000mbar(またはhPa)の実験室で、金型射出ホールに結合した混合ヘッドを備えた高圧キャノン装置を使用して作製される。プレミックスおよびイソシアネートは、90bar以上の圧力で射出される。ブレット(Brett)金型は、194x35x6cmの寸法を持つアルミニウム製であり、発泡中の金型において加圧下の発生を可能にするために排出口を持たず、したがって、発泡塊の押出しは存在しない。金型の内部圧力は、中型容量真空ポンプ(1500l/分)に接続された500リットルのバッファタンクに接続したパイプを介して調節される。バッファタンクにおける真空、したがって、金型内空気圧は調節バルブで維持される。このブレット金型で製造される発泡体は、ラムダ、圧縮強度、成形密度、および密度分布を測定するために使用することができる。寸法が70x40x10cmの第二の金型(ジャンボ(Jumbo)金型)は、後膨張、したがって、発泡体の硬化速度を測定するための目的で異なる時間で脱型された発泡体を得るために同様に射出される。金型温度は約45℃である。金型に適用される離型剤は、Acmosから供給されるACMOS 180−52である。この方法の適用は、電気製品産業、例えば、以下の実施例5で示されるもので使用されるものに類似の冷蔵庫金型で行われる。
【0061】
ラムダは、ISO 12939−01/DIN 52612により、24℃でまたは10℃(平均温度)で測定される。発泡体サンプルは、発泡体製造後24時間の成形部分のコアから切り取られ、これらのサンプルは、切り取り後直ちに測定される。ラムダ老化を測定するために、前述のサンプルは、発泡体サンプルを25℃で50%相対湿度で維持しながらその後特定の時間間隔で測定される。炭化水素の発泡体に対して10℃および24℃で測定されたラムダ結果の間の差が、ラムダ(24)=ラムダ(10)+1.4mW/m.Kであることはこの分野で一般に認められている。
【0062】
成形発泡体および自由膨張発泡体密度は、ASTM 1622−88により測定される。
【0063】
kPaでの発泡体圧縮強度は、DIN 53421−06−84により測定される。
【0064】
発泡体の後膨張の差は、発泡体硬化の水準を測定するため、および発泡体配合物が変化した場合に冷蔵庫の製造のための脱型時間を比較するための1つの方法である。後膨張は、24時間後の最大発泡体厚を元の金型厚で割って計算される。発泡体が早く脱型されると、後膨張は高くなる。同様に、同じ脱型時間で減少した発泡体膨張は、その様な発泡体配合物の早い脱型を可能にする。
【0065】
後膨張は、ブレット成形発泡体およびジャンボ成形発泡体の両方で測定される。後膨張は、また、金型寸法に依存するので、異なる金型からの結果は互いに比較することができない。
【0066】
キャビネットの比較のために、完全に組立てられた冷蔵庫キャビネットが、組立て前のラインから取り出され、キャビネットのプラスチック内部ライナーに十分に取付けられた木製マスクを有する、きっちりと密閉された治具内に置かれる。治具と金属外部ライナーとの間および木製マスクとプラスチック内部ライナーとの間の両方の「空間」領域は排気することができる。これらの「空間」領域における内部圧力は、中型容量真空ポンプ(1500l/分)に接続された500リットルのバッファタンクに接続したパイプを介して調節される。「空間」領域に対するキャビネットの標準の排出開口部(金属とプラスチックライナーとの間の開口スリット、内部ライナーにおける前穿孔排出ホール等)は、ポリウレタン発泡体で充填されるべきキャビネットキャビティにおいて内部圧力が達成されることを可能にする。バッファタンクにおける真空、したがって、金型内空気圧は、調節バルブで維持される。
(比較例C1*およびC2*
【0067】
この産業において現在使用されている通常の配合物(2.4%の水を伴うVORATEC SD308)(比較例C1)は、22.2kg/m3の自由膨張密度を有する。この配合物を、標準発泡体を製造するために約1000mbarの周囲圧力で金型中へ射出した。次いで、この系を、800mbarに維持された金型内に射出した(比較例C2)。これらの比較例は、従来技術で教示されている様な減少した金型内圧力だけの使用が、発泡体の断熱および後膨張において改善を与えないことを示す。金型内で20%減少した空気圧は、発泡体密度において期待した減少をもたらし、実際は通常よりも更に高い過充填が、得られる発泡体の直後の収縮を回避するために減圧では適用されねばならなかった。32.6kg/m3の成形密度を有する製造された発泡体は、寸法的に安定性を残した。両方の場合において、ブレットの脱型時間は、後膨張およびスキン形成を最小にするために7分である。ジャンボ成形発泡体の後膨張は、発泡配合物が同じで成形密度は8%を超えて異ならないことを条件に、短い脱型時間で後膨張における増加および結果における類似性を示す。C1およびC2の配合物および発泡体の性質は表1で与えられる。
【0068】
【表1】

【0069】
これらの比較例は、水−イソシアネート反応により発生した二酸化炭素を39.5%含む発泡体膨張のためのガスを0.337モル使用する。CO2が、ポリウレタン発泡体の外へ素早く拡散する傾向にあることはよく知られている。
(実施例1)
【0070】
比較例C1およびC2の配合物を、Voratec SD 308の水含有量を減らし、Polycat 5およびPolycat 8を添加することにより改質する(表2)。また、水の減少を補うためにシクロペンタンの水準を僅かに増加する。断熱(ラムダ)の明らかな減少(5%)が、比較例C1およびC2の発泡体に対して実施例1の発泡体で観察される。また、後膨張値は、C1およびC2の参照発泡体に対して著しく低い。これは、実施例1の発泡体で製造される冷蔵庫の脱型時間が短いことを意味する。同じPU配合物が、1000mbarの参照圧力で成形される場合(比較例C3)は同等のラムダとなるが、成形密度および後膨張は更に高くなる。高い密度は経済的に適さず、これらは、また、金型壁に許容し難い発泡圧力(約1.8bar)を与える。
【0071】
【表2】

【0072】
発泡体の特徴、特に、圧縮強度および寸法安定性は、比較例C1の発泡体と比肩し得るものである。ブレット脱型時間は、実施例1に対しては5分未満である。実施例1の後膨張データおよびラムダデータは、比較例1、2および3よりも著しく小さいが、実施例1の成形密度は、比較例の1および2の成形密度に比肩し得るものである。比較例3の成形密度は、比較例2よりも著しく高く、これは、低い金型内圧力の使用である本発明の利点を明らかにする。
【0073】
実施例1および比較例3は、20.0%のCO2を含むガスの0.281モルを基とする。したがって、本発明でのCO2の顕著な減少がそこに存在する。更に、イソシアネートの水準も、115の指数で行われる比較例1および2に対して実施例1では減少する。
(実施例2および3)
【0074】
実施例1の配合物を、実施例2のために更に触媒を増加して改質する。実施例3は、全体的に異なるポリオールの組合せを有する。イソシアネートの量は、指数を115で維持するために釣り合いをとる。製造された発泡体の配合および性質は表3で与えられる。両者共に、比較例C1およびC2に対して、熱伝導率の重要な改善(>6%)を示す。また、後膨張は、7分での脱型の比較例よりも、5分での脱型で更に小さい。驚くべきことに、これらの性質は、成形密度および発泡体の圧縮強度に悪影響を及ぼすことなく達成される。
【0075】
【表3】

【0076】
実施例2および3の速いゲル化時間は、実施例1よりも改善された断熱(ラムダ)を与える。更に、実施例2および3の後膨張データは、比較例C1およびC2よりも改善される。追加の芳香族ポリオール(実施例3対実施例2)は、更なるラムダ減少を与える。したがって、高い芳香族性を伴う速いゲル化系は本発明では好ましい。
【0077】
実施例3および4の発泡体におけるガス水準は、20.0%のCO2を伴う0.281モルである。
(実施例4)
【0078】
実施例4は、向上した断熱およびこの方法の早い脱型を確認するその他の発泡体配合物を基にする。
【0079】
【表4】

【0080】
再度、発泡体は、比較例1、2および3ならびに実施例2および3を超える改善された断熱(ラムダ)を伴って製造された。一般に脱型はラムダおよび/または密度の犠牲において改善され、あるいはラムダは脱型および/または密度の犠牲において改善されるが、本発明で製造される発泡体は、市場で受け入れられている成形密度を維持しながらラムダおよび脱型を改善することができる。
【0081】
実施例5の発泡体におけるガス水準は、17.8%のCO2を伴う0.309モルである。
(比較例C4、C5および実施例5)
【0082】
比較例C4およびC5ならびに実施例5は、周囲圧力での物理的発泡剤の通常の量と、減圧でのこの発泡剤の量の半分とを比較する、配合物DSD 287.02で作製した電気製品のキャビネットである。これらの実験は、上部に90mmまでの壁厚を持つフリーザー部分と底部に65mmの壁厚を持つ冷蔵庫部分を有する、190cmの高さのコンビ冷蔵庫のキャビネットについて行った。これらの冷蔵庫の通常の脱型時間は6分である。製造された発泡体の配合および性質は表5で与えられる。後膨張(mmで)は、キャビネットの種々の場所で測定され、上部、左および右側面での位置毎に平均される。C4およびC5は、周囲圧力で製造され、それぞれに5分および6分で脱型された比較のキャビネットである。実施例5は、800mbarで製造され、5分で脱型された同様のキャビネットである。驚くべきことに、これらの性質は、成形密度および発泡体の圧縮強度に悪影響を及ぼすことなく達成される。
【0083】
【表5】

【0084】
比較例C5の長い脱型時間は、比較例C4よりも改善された側壁変形を与える。実施例6での少ない物理的発泡剤および金型内減圧の使用により、驚くべきことに、同様の成形密度および良好な密度分布を得ることができる。良好な密度分布は発泡体においておよび金型壁に対して少ない応力をもたらし、短い脱型時間で同様の良好な変形を得ることを可能にする。低い物理的発泡剤水準は僅かに高いラムダを与えるが、VOCは、その寿命の最後で電気製品を解体する場合に減少される。
【0085】
本発明のその他の実施形態は、本明細書または本明細書に開示された本発明の実施例の検討から当業者には明らかとなる。明細書および実施例は、添付の特許請求の範囲で示される本発明の正確な範囲および精神を以って、例示に過ぎないものとして考慮されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.03〜1.9の充填率で反応混合物を密閉金型キャビティ中へ射出する方法により得られ、発泡体製造後24時間で測定して、ラムダ(10)(mW/m.K)に対する成形発泡体密度(kg/m3)の比が1.65〜2.15を有する成形硬質ポリウレタン発泡体であって、前記金型キャビティが減圧下にあり、前記反応混合物が、
A)有機ポリイソシアネート、
B)物理的発泡剤、
C)3以上の官能性および300〜800のヒドロキシル数を持つ少なくとも1つのポリオールを含むポリオール組成物、
D)全ポリオール配合物の0〜2.5重量%で存在する水、
E)触媒、および
F)補助物質および/または添加剤、
を含み、前記発泡体が33〜38kg/m3の成形密度を有する発泡体。
【請求項2】
前記金型キャビティの圧力が300〜950mbarである、請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
前記金型キャビティが500〜850mbarの初期圧力を有する、請求項2に記載の発泡体。
【請求項4】
前記充填率が1.1〜1.6である、前記請求項のいずれかに記載の発泡体。
【請求項5】
イソシアネート指数が105〜125である、前記請求項のいずれかに記載の発泡体。
【請求項6】
有機ポリイソシアネートが、4,4’−、2,4’−および2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニル−ポリメチレンポリイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、またはこれらの混合物から選択される芳香族ポリイソシアネートである、前記請求項のいずれかに記載の発泡体。
【請求項7】
有機ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリフェニル−ポリメチレンポリイソシアネートの混合物であり、前記ジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量が、前記ポリイソシアネートの30〜60重量%である、請求項6に記載の発泡体。
【請求項8】
10℃の平均温度で、発泡体製造後24時間で測定して、18〜21〜21mW/m.Kの熱伝導率を有する、請求項1に記載の発泡体。
【請求項9】
19〜20mW/m.Kのラムダを有する、請求項1に記載の発泡体。
【請求項10】
物理的発泡剤が10℃を超える沸点を有する、請求項1に記載の発泡体。
【請求項11】
前記発泡剤が、炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ギ酸メチルまたはトランス−ジクロロエテンである、請求項10に記載の発泡体。
【請求項12】
前記発泡剤が、245fa、365mfc、227またはこれらの混合物である、請求項10に記載の発泡体。
【請求項13】
前記発泡剤が、n−ペンタン、イソ−ペンタン、シクロペンタン、n−ブタン、シクロヘキサンまたはこれらの混合物から選択される炭化水素である、請求項10に記載の発泡体。
【請求項14】
前記物理的発泡剤が、ポリオール組成物の10〜30重量%の量で存在する、請求項10に記載の発泡体。
【請求項15】
脱型時間が6分未満である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項16】
脱型時間が5分未満である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項17】
ポリオール組成物が、25℃で1000mPa.sの粘度を有する、請求項1に記載の発泡体。
【請求項18】
ポリオール組成物が、アミンを含む少なくとも1つの芳香族開始剤分子上への、少なくとも1つのアルキレンオキシドのアニオン重合付加により調製される少なくとも1つのポリオールを含む、請求項1に記載の発泡体。
【請求項19】
前記開始剤が、芳香族ポリカルボン酸、芳香族ヒドロカルボン酸および芳香族アミノカルボン酸、芳香族モノアミンおよびポリアミン、フェノールの縮合体、ホルムアルデヒドおよび場合によりジアルカノールアミン、またはこれらの混合物から選択される、請求項18に記載の発泡体。
【請求項20】
前記開始剤分子が、1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、1,3−、2,4−、3,4−および2,6−トリレンジアミン、4,4’−、2,4’−および2,2−ジアミノジフェニルメタン、ポリフェニル−ポリメチレン−ポリアミン、およびこれらの混合物から選択される芳香族ポリアミンである、請求項18に記載の発泡体。
【請求項21】
前記芳香族アミン開始ポリオールが、ポリオール組成物の10〜60重量%を占める、請求項20に記載の発泡体。

【公表番号】特表2009−516022(P2009−516022A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540091(P2008−540091)
【出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/042979
【国際公開番号】WO2007/058793
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】