説明

含フッ素エラストマー組成物及び成形品

【課題】加硫促進剤として第4級ホスホニウム塩を使用した場合でも、未加硫部分の発生を抑制することができる含フッ素エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー、ポリヒドロキシ芳香族化合物、第4級ホスホニウム塩、二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物、並びに、酸化防止剤、を含むことを特徴とする含フッ素エラストマー組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素エラストマー組成物及び成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、(a)パーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマー、(b)有機過酸化物、(c)多官能性共架橋剤、(d)1又は2個のtert−ブチル基を持つヒドロキシフェニル基を1分子中に1から4個含むフェノール系酸化防止剤、を含有することを特徴とする含フッ素エラストマー加硫組成物が記載されている。また、この含フッ素エラストマー加硫組成物をOリング等のシール部品とすれば、耐熱老化性と高温におけるシール特性が大幅に改良され、Oリング等のシール部品として、長期間にわたってシール性を保持できることが記載されている。
【0003】
含フッ素エラストマーとしては、特許文献1に記載されたパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマーのほか、ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーも知られている。ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーは、含フッ素エラストマーのなかでも、圧縮永久歪みが小さく、成形性がよいので、多くの分野で用いられている。
【0004】
ポリオール架橋には、加硫促進剤として第4級ホスホニウム塩や第4級アンモニウム塩などの第4級オニウム塩が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−279535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第4級ホスホニウム塩を加硫促進剤として使用して含フッ素エラストマーからシール部品を製造すると、第4級アンモニウム塩を加硫促進剤として使用するよりも、シール性能が向上するという利点がある。しかしながら、第4級ホスホニウム塩を加硫促進剤として使用すると、未加硫部分の発生による不良が発生しやすい欠点がある。
【0007】
本発明の目的は、加硫促進剤として第4級ホスホニウム塩を使用した場合でも、未加硫部分の発生を抑制することができる含フッ素エラストマー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は鋭意検討した結果、汎用ゴムの劣化を防止するために添加される酸化防止剤を使用すると、加硫促進剤として第4級ホスホニウム塩を使用することによる欠点、すなわち、未加硫部分の発生が抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。汎用ゴムは、太陽光、酸素、オゾン、熱などによって劣化しやすいことから、酸化防止剤が添加されることが多い。一方、フッ素ゴムは、本来耐候性や耐熱性に優れることから、酸化防止剤が添加されることはない。本発明はこのような常識に反して完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー、ポリヒドロキシ芳香族化合物、第4級ホスホニウム塩、二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物、並びに、酸化防止剤、を含むことを特徴とする含フッ素エラストマー組成物である。
【0010】
上記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤、及び、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0011】
上記ポリヒドロキシ芳香族化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパンであることが好ましい。
【0012】
上記第4級ホスホニウム塩は、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、及び、ベンジルトリフェニルホスホニウムの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
上記酸化防止剤は、含フッ素エラストマー100質量部に対して0.5質量部未満であることが好ましい。
【0014】
本発明は、上記の含フッ素エラストマー組成物から得られることを特徴とする成形品でもある。上記成形品は、シール材であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、加硫促進剤として第4級ホスホニウム塩を含むので、加硫成形して得られるシール部品は優れたシール性能を示す。同時に、第4級ホスホニウム塩を使用することによる欠点であった未加硫部分の発生による成形不良が抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明を詳述する。
【0017】
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、(1)ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー、(2)ポリヒドロキシ芳香族化合物、(3)第4級ホスホニウム塩、(4)二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物、並びに、(5)酸化防止剤、を含む。
【0018】
(1)ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー
ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーとしては、特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有する含フッ素エラストマーであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。
【0019】
上記ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーは、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF単位を含む共重合体であることが好ましい。
【0020】
VdF単位を含む共重合体としては、VdF単位及び含フッ素エチレン性単量体に基づく繰り返し単位(但し、VdF単位は除く。)を含む共重合体であることが好ましい。VdF単位を含む共重合体は、更に、VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の繰り返し単位を含むことも好ましい。
【0021】
VdF単位を含む共重合体としては、30〜85モル%のVdF単位及び70〜15モル%の含フッ素エチレン性単量体由来の繰り返し単位を含むことが好ましく、30〜80モル%のVdF単位及び70〜20モル%の含フッ素エチレン性単量体由来の繰り返し単位を含むことがより好ましい。VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の繰り返し単位は、VdF単位と含フッ素エチレン性単量体由来の繰り返し単位の合計量に対して、0〜40モル%であることが好ましく、0〜30モル%であることがより好ましく、0〜20モル%であることがさらに好ましく、0〜10モル%であることが特に好ましい。
【0022】
含フッ素エチレン性単量体としては、たとえばテトラフルオロエチレン〔TFE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、フルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体があげられるが、これらのなかでも、TFE、HFP及びフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0023】
上記フルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、一般式(1):
CF=CFO(CFCFYO)−(CFCFCFO)−Rf (1)
(式中、YはF又はCFを表し、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0〜5の整数を表し、qは0〜5の整数を表す。)、及び、一般式(2):
CFX=CXOCFOR (2)
(式中、XはH、F又はCFを表し、Rは、直鎖又は分岐した炭素数1〜6のフルオロアルキル基、若しくは、炭素数5〜6の環状フルオロアルキル基を表す。)
からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0024】
一般式(2)におけるRは、H、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を1〜2個含むフルオロアルキル基であってもよい。
【0025】
上記フルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、パーフルオロアルキルビニルエーテル〔PAVE〕であることが好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)又はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることがより好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)であることが更に好ましい。これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
【0026】
VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体としては、たとえばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル(但し、フッ素原子を有するものを除く)などがあげられる。
【0027】
上記VdF単位を含む共重合体として、具体的には、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/プロピレン/TFE共重合体などの1種または2種以上が好ましくあげられる。これらのVdF単位を含む共重合体のなかでも、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、及び、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、VdF/HFP共重合体、及び、VdF/HFP/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0028】
VdF/HFP共重合体としては、VdF/HFPのモル比が45〜85/55〜15であるものが好ましく、より好ましくは50〜80/50〜20であり、さらに好ましくは60〜80/40〜20である。
【0029】
VdF/HFP/TFE共重合体としては、VdF/HFP/TFEのモル比が40〜80/10〜35/10〜35のものが好ましい。
【0030】
VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEのモル比が65〜90/3〜25/3〜25のものが好ましい。
【0031】
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/TFE/PAVEのモル比が40〜90/0〜25/0〜40/3〜35のものが好ましく、より好ましくは40〜80/3〜25/3〜40/3〜25である。
【0032】
ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーは、フッ素含有率が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることが更に好ましい。フッ素含有率の上限値は特に限定されないが、74質量%以下であることが好ましい。フッ素含有率が低すぎると、耐薬品性、耐燃料油性、燃料低透過性が劣る傾向がある。
【0033】
上記ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーのモノマー組成は19F−NMRにて測定することができ、フッ素含有率は、19F−NMRにて測定されたポリマー組成から計算によって求めることができる。
【0034】
ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーは、加工性が良好な点から、ムーニー粘度(ML1+10(121℃))が5〜140であることが好ましく、10〜120であることがより好ましく、20〜100であることが更に好ましい。
また、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))は、10〜200であることが好ましく、20〜150であることがより好ましく、30〜100であることが更に好ましい。
【0035】
ムーニー粘度は、ASTM−D1646およびJIS K6300に準拠して測定することができる。
測定機器 :ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度 :121℃又は100℃
【0036】
ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーは、数平均分子量が20,000〜1,200,000のものが好ましく、30,000〜300,000のものがより好ましく、50,000〜200,000のものがさらに好ましく用いられる。
【0037】
ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーは、ガラス転移温度が5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。
【0038】
ガラス転移温度は、METTLER TOLEDO社製のDSCにて測定し、10mgのポリマーを−50〜150℃の温度範囲で昇温スピード10℃/分、セカンドスキャンの条件で熱収支を測定し、検知された2つの変極点から、中点法により求めることができる。
【0039】
(2)ポリヒドロキシ芳香族化合物
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、ポリオール加硫剤としてポリヒドロキシ芳香族化合物を含む。ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、たとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールAなどがあげられる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよい。
【0040】
これらの中でも、耐熱性が優れることから、ビスフェノールAFが好ましい。
【0041】
ポリヒドロキシ芳香族化合物の含有量としては、含フッ素エラストマー100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜3質量部がさらに好ましい。ポリヒドロキシ芳香族化合物が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
【0042】
(3)第4級ホスホニウム塩
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、加硫促進剤として第4級ホスホニウム塩を含む。第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、たとえば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリフェニルホスホニウムの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン塩、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロライド、及び、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどを挙げることができる。これらの中でも、架橋性及び架橋フッ素ゴムの物性が優れる点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)、ベンジルトリフェニルホスホニウムの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン塩が好ましい。
【0043】
第4級ホスホニウム塩の含有量としては、含フッ素エラストマー100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.2〜2.0質量部がより好ましく、0.3〜1.5質量部がさらに好ましい。第4級ホスホニウム塩の含有量が、0.1質量部未満であると架橋速度が遅くなるため生産性が悪くなる傾向があり、5.0質量部をこえると架橋速度が速くなりすぎるためスコーチや成形不良が発生しやすくなる、あるいは圧縮永久ひずみが悪くなる傾向がある。
【0044】
また、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFの固溶体、特開平11−147891号公報に開示されている化合物を用いることもできる。
【0045】
(4)二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、受酸剤として、二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物を含む。二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物としては、例えばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉛などの酸化物及び水酸化物が挙げられる。二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物は、酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムの一方又は両方であることが好ましい。
【0046】
二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物は、ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。
【0047】
(5)酸化防止剤
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、酸化防止剤を含む。酸化防止剤としては、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤などが挙げられる。
【0048】
上記アミン系酸化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系酸化防止剤、芳香族第二級アミン、チオウレア、有機チオ酸、及び、ジチオカルバミン酸系酸化防止剤等が挙げられる。
【0049】
アミン−ケトン系酸化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン、ジフェニルアミンとアセトンとの反応物、アニリンとアセトンとの反応物等が挙げられる。
【0050】
芳香族第二級アミンとしては、オクチル化ジフェニルアミン、ジ−tert−ブチル−ジフェニルアミン等のアルキル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(=4,4’−ジクミル−ジフェニルアミン)、スチレン化ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、及び、フェノチアジン誘導体等が挙げられる。
【0051】
チオウレアとしては、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素、RNC(=S)NRで表されるチオ尿素誘導体(R〜Rは、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基若しくはジアルキルアミノ基で置換されたアルキル基、シクロアルキル基及びフェニル基から選ばれる)が挙げられる。
チオ尿素誘導体としては、例えば、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、1,3−ジブチル−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3−オキシジエチレン−2−チオ尿素、1−n−ブチル−3−オキシジエチレン−2−チオ尿素、エチレンチオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)、1−メトキシプロピル−3−ブチル−2−チオ尿素、1−ジメチルアミノプロピル−3−ブチル−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3−シクロヘキシル−2−チオ尿素、1−ジメチルアミノプロピル−3−フェニル−2−チオ尿素、1−ジエチルアミノプロピル−3−オキシジエチレン−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3,3−ジブチル−2−チオ尿素、1−ジメチルアミノピロピル−3,3−ジイソプロピル−2−チオ尿素、1−ジエチルアミノプロピル−3−メチル−3−シクロヘキシル−2−チオ尿素、1−メトキシプロピル−3−フェニル−3−シクロヘキシル−2−チオ尿素が挙げられる。
【0052】
有機チオ酸としては、チオジプロピオン酸ジラウリル等が挙げられる。
【0053】
ジチオカルバミン酸系酸化防止剤としては、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
【0054】
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及び、ポリフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
【0055】
モノフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、スチレン化フェノール等が挙げられる。
【0056】
ビスフェノール系酸化防止剤としては、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応物、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)等の2,2’−メチレン−ビス(4−アルキル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(1−メチルシクロヘキシル−p−クレゾール)]、及び、2,2’−ジハイドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等が挙げられる。
【0057】
ポリフェノール系酸化防止剤としては、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン等の2,5−ジ−tert−アルキルハイドロキノン等が挙げられる。
【0058】
上記亜リン酸系酸化防止剤としては、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)等が挙げられる。
【0059】
上記ベンゾイミダゾール系酸化防止剤としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩、及び、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
【0060】
また、酸化防止剤として、上記に例示したものの他、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0061】
上記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤、及び、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、フェノール系酸化防止剤であることがより好ましく、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン重合体、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、及び、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが更に好ましい。
【0062】
上記酸化防止剤は、取扱い性と上記ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーへの分散が容易である観点から、室温では固体で融点が200℃以下であるものが好ましい。
【0063】
上記酸化防止剤は、最終製品であるシール材の特性(特に破断伸びと圧縮永久ひずみ性)への悪影響という観点から、ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー100質量部に対して、1質量部未満であることが好ましく、0.5質量部未満であることがより好ましい。下限は特に限定されないが、0.01質量部であってよく、0.05質量部が好ましく、0.10質量部がより好ましい。
【0064】
さらに、必要に応じて含フッ素エラストマーに使用される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、表面非粘着剤、難燃剤などの各種添加剤を含有させることができ、前記のものとは異なる常用の加硫剤や加硫促進剤を1種またはそれ以上含有してもよい。
【0065】
本発明における含フッ素エラストマー組成物は、ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー、ポリヒドロキシ芳香族化合物、第4級ホスホニウム塩、二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物、酸化防止剤、ならびに充填剤などのその他の配合剤を、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより得られる。ゴム混練り装置としては、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機などを用いることができる。
【0066】
含フッ素エラストマー組成物を混練りして室温に12時間以上放置した後、再度混練りすることで、さらに分散性を高めることもできる。
【0067】
本発明の含フッ素エラストマー組成物から得られることを特徴とする成形品も本発明の1つである。
【0068】
本発明の成形品は、上記含フッ素エラストマー組成物を、成形し、架橋することによって製造される。架橋条件としては、ポリヒドロキシ芳香族化合物などの種類により適宜決めればよいが、通常、100〜200℃の温度で、5〜60分で一次架橋を行い、さらに必要に応じて二次架橋焼成を行う。
【0069】
また、架橋方法としては、プレス架橋、スチーム架橋など通常用いられている方法はもちろんのこと、常圧、加圧、減圧下においても、また、空気中においても、どのような条件下においても架橋反応を行うことができる。
【0070】
本発明の成形品は、耐薬品性、耐油性、耐熱性を兼ね備えるため、シール材や燃料ホースとして有用であり、特に自動車のエンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置などのシール材や燃料ホースとして有用なものである。
【0071】
例えば、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材はエンジンならびに周辺装置に用いることができ、シール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、パッキン、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、酸素センサー用シール、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、キャブレターのセンサー用ダイアフラム等として用いることができる。
【0072】
半導体製造分野では、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、ガスケット、ダイアフラム等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング、シール材として、クォーツウィンドウのOリング、シール材として、チャンバーのOリング、シール材として、ゲートのOリング、シール材として、ベルジャーのOリング、シール材として、カップリングのOリング、シール材として、ポンプのOリング、シール材、ダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用のOリングとして用いることができる。
【0073】
航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)リング、バルブ、パッキン、シール材等があげられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステルシール、ガスケットおよびO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。
【0074】
プラント等の化学品分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)リング、シール材等があげられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等の化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、分析機器、理化学機器のシール、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
【0075】
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、乾式複写機のシール、弁部品等として用いることができる。
【0076】
食品プラント機器分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)リング、シール材等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
【0077】
原子力プラント機器分野では、パッキン、Oリング、シール材、ダイアフラム、バルブ等があげられる。
【0078】
一般工業分野では、パッキング、Oリング、シール材、ダイアフラム、バルブ等があげられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)等に用いられる。
【0079】
電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール等として用いられる。
【0080】
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
【0081】
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、コンピューターのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。
【0082】
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、例えばエンジンのオイルパンのガスケット、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤等があげられる。
【0083】
また、磁気記録装置(ハードディスクドライブ)用のガスケット、半導体製造装置やウェハー等のデバイス保管庫等のシーリング材等のクリーン設備用シール材に特に好適に用いられる。
【0084】
さらに、耐薬品性、ガス低透過性、難燃性等の特性を活かし、燃料電池セル電極間やその周辺配管等に用いられるパッキン等の燃料電池用のシール材等にも特に好適に用いられる。
【実施例】
【0085】
つぎに本発明を実施例および比較例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0086】
実施例および比較例で用いた各種薬品について詳細に説明する。
含フッ素エラストマーA:ポリオール架橋可能な2元含フッ素エラストマー(VdF/HFP=78/22(モル%))、フッ素含有量:66質量%、ムーニー粘度ML1+10(100℃):45
含フッ素エラストマーB:ポリオール架橋可能な3元含フッ素エラストマー(VdF/HFP/TFE=61/18/21(モル%))、フッ素含有量:68.5質量%、ムーニー粘度ML1+10(100℃):65
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(ビスフェノールAF):ダイキン工業(株)製
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC):北興化学工業(株)製
酸化マグネシウム:協和化学(株)製の酸化マグネシウム(MA150)
水酸化カルシウム:近江化学工業(株)製の水酸化カルシウム(CALDIC♯2000)
カーボンブラック:Cancarb社製のカーボンブラック(N990)
【0087】
酸化防止剤
(A)BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール):川口化学工業(株)製のアンテージBHT
(B)TMDQ:(2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン重合体):川口化学工業(株)製のアンテージRD
(C)MBMBP:(2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)):大内新興化学工業(株)製のノクラックNS−6
(D)DPPD:(N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン):大内新興化学工業(株)製のノクラックDP
(E)MBI:(2−メルカプトベンゾイミダゾール):大内新興化学工業(株)製のノクラックMB
(F)TNPP:(亜リン酸トリス(ノニルフェニル)):大内新興化学工業(株)製のノクラックTNP
【0088】
比較例1
100質量部の含フッ素エラストマーAに対して、ポリヒドロキシ芳香族化合物(ビスフェノールAF)を2質量部、第4級ホスホニウム塩(BTPPC)を0.4質量部、オープンロールにて混練した後、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カーボンブラック、およびカルナバWAXを、表1の配合比になるように添加し、オープンロールにて混練し、含フッ素エラストマー組成物を調製した。含フッ素エラストマー組成物の架橋特性を下記の方法により測定した。
得られた含フッ素エラストマー組成物を物性試験用シート及びO−リング成型用金型に充填し、表1に示す温度および時間でプレスして架橋し、さらにオーブンで、表1に示す温度および時間で加熱し、架橋成形品として120mm×140mm×2mm厚みの物性試験用シート(架橋ゴムシート)とP−24サイズのO−リングを得た。
得られた架橋ゴムシートの特性を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0089】
<加硫性>
含フッ素エラストマー組成物の架橋曲線をJSRキュラストメーターII型を用い、表1に示す架橋温度で測定し、誘導時間(T10)、90%架橋時間(T90)、最小トルク(ML)、最大トルク(MH)を求めた。
【0090】
<常態物性>
JISK6251に準じて、6号ダンベルを用いて、O−リングの100%伸び引張応力(M100)、引張り強さ(MPa)、伸び(%)、硬さPEAK(ショアA)を測定した。また、JISK6253に準じて、3秒後の成形品の硬度(ショアA)を測定した。
【0091】
<圧縮永久ひずみ性(CS)>
JISB2401に準じて200℃で70時間での25%圧縮の圧縮永久歪みを測定した。
【0092】
<成型不良>
P−8サイズのO−リング金型(5×13=65個取り)を用いて、表1に示す温度および時間でプレスし、得られたO−リング表面を10倍のルーペを用いて観察した。
◎:未加硫部分が観察されない。
○:わずか(1箇所以上3箇所以下)に未加硫部分が観察される。
△:わずか(4箇所以上9箇所以下)に未加硫部分が観察される。
×:未加硫部分が多数(10箇所以上)観察される。
【0093】
実施例1〜11、比較例2
表1及び表2に示す酸化防止剤を添加した、又は、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーBを使用したほかは、比較例1と同様にして、含フッ素エラストマー組成物を調製し、含フッ素エラストマー組成物を成形することで物性試験用シートとO−リングを得た。結果を表1及び表2に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、シール材や燃料ホース等の製造に好適に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー、
ポリヒドロキシ芳香族化合物、
第4級ホスホニウム塩、
二価の金属酸化物および/または二価の金属水酸化物、並びに、
酸化防止剤、
を含むことを特徴とする含フッ素エラストマー組成物。
【請求項2】
前記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤、及び、ベンゾイミダゾール系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の含フッ素エラストマー組成物。
【請求項3】
前記ポリヒドロキシ芳香族化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパンである請求項1又は2記載の含フッ素エラストマー組成物。
【請求項4】
前記第4級ホスホニウム塩は、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、及び、ベンジルトリフェニルホスホニウムの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1、2又は3記載の含フッ素エラストマー組成物。
【請求項5】
前記酸化防止剤は、含フッ素エラストマー100質量部に対して、0.5質量部未満である請求項1、2、3又は4記載の含フッ素エラストマー組成物。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載の含フッ素エラストマー組成物から得られることを特徴とする成形品。
【請求項7】
シール材である請求項6記載の成形品。

【公開番号】特開2012−62464(P2012−62464A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175772(P2011−175772)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】