説明

吸引装置

【課題】インクジェットヘッドを乾燥させることなくフラッシング部近傍のインクミストを偏り無く吸引することで、インクの吐出不良やインクミストの基板への付着が原因で画素形成性能に影響を及ぼすことを防止する吸引装置を提供する。
【解決手段】インク液滴を吐出する液滴吐出ユニットより吐出されたインク液滴を下方から受ける液滴受け部と、前記液滴吐出ユニットと前記液滴受け部の間で発生し、浮遊するインクミストを吸引する吸気部と、を備える吸引装置であって、前記液滴受け部は、前記液滴吐出ユニットより吐出されたインク液滴を受けて内部に貯留することで、該液滴吐出ユニット直下に液溜まりを形成する機構を有し、前記吸気部は、前記液滴受け部と対をなしており、インクミストを吸引する開口を有し、前記開口は、前記液滴受け部の下方に位置する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタを製造する分野に主として使用されるものであり、詳しくは、インクジェットヘッドの塗布液のフラッシング処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶用ディスプレイは、カラーフィルタ、TFT用アレイ基板などにより構成されている。この中でカラーフィルタは、ガラス基板上に格子状のブラックマトリックスで縁取られる各画素を、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)3色に分けて規則正しく形成したもので、カラー液晶用ディスプレイの色形成の中枢をなす部材である。このカラーフィルタの形成方法に関し、従来のフォトリソ法と呼ばれる方法に代わり、工程の簡素化およびコストダウンを目的として、近年、R、G、Bの各塗布液(インク)を直接インクジェットヘッドにより供給してR、G、Bの各画素を形成するインクジェット法が、工業的に行われるようになってきている。
【0003】
インクジェット法により画素を形成する方法を実施する場合、実施途中にインクジェットヘッドからのインクの吐出を行わない状態が続くと、インクジェットヘッドが有する吐出ノズル内でインク溶媒が蒸発し、それによってインク粘度が高くなる。ノズル内でインク粘度が高くなると、ノズルの詰まりを引き起こし、インク塗布時にノズルからインクが吐出されずに画素形成に不具合を起こすという問題が発生する虞がある。この問題を防ぐために、基板交換時などの基板へのインク塗布の合間において、基板に塗布を行う場所とは別の場所にてインクの吐出(捨て打ち)を連続的に行うことでインクの乾燥を防ぐ、いわゆるフラッシングと呼ばれる方法が広く用いられている。
【0004】
ただし、フラッシングを行う場合、インクの吐出にともなって霧状に浮遊するインクミストが発生する。これが回収されずにインクジェット塗布装置内を浮遊すると、基板に付着し、基板の汚染や欠点の原因となる。この問題を回避するため、下記に示す特許文献1では、フラッシング時のインクジェットヘッドの近傍に吸引装置を設け、インクジェットヘッドの近傍で発生するインクミストを吸引、回収することで、塗布装置内にインクミストが浮遊することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−80208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載された吸引装置では、インクミストを吸収しきれず、浮遊したインクミストが基板の汚染の要因となるという問題があった。すなわち、フラッシングに伴うインクミストの飛散に対して吸引は一方向からしか行っていないため、吸引方向と反対方向に飛散したインクミストを全て吸引することは困難である。そのため、吸引方向の反対側では、吸引しきれないインクミストが存在し、それが塗布装置内を浮遊して基板を汚染していた。また、この問題を回避するために、インクミストをより多く吸引しようと吸引力を大きくした場合、吸引による強い気流がインクジェットヘッドをかすめ、この気流がインクジェットヘッド内のノズルに充填されているインクの溶媒の蒸発を促進させ、インクの粘度が高まることが原因で吐出不良を引き起していた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッドを乾燥させること無くフラッシング部近傍のインクミストを残さず吸引することで、インクの吐出不良やインクミストの基板への付着が原因で画素形成性能に影響を及ぼすことを防止する吸引装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の吸引装置は、インク液滴を吐出する液滴吐出ユニットより吐出されたインク液滴を下方から受ける液滴受け部と、前記液滴吐出ユニットと前記液滴受け部の間で発生し、浮遊するインクミストを吸引する吸気部と、を備える吸引装置であって、前記液滴受け部は、前記液滴吐出ユニットより吐出されたインク液滴を受けて内部に貯留することで、該液滴吐出ユニット直下に液溜まりを形成する機構を有し、前記吸気部は、前記液滴受け部と対をなしており、インクミストを吸引する開口を有し、前記開口は、前記液滴受け部よりも下方に位置することを特徴としている。
【0009】
上記吸引装置によれば、液滴受け部の下方から吸引を行うことにより、液滴受け部の外周を囲むように下向きの気流が発生し、液滴吐出ユニットのノズル付近では気流はほとんど発生しない。また、液滴受け部の内部にインクを貯留することにより、液滴受け部内のインク液から溶剤が揮発して、液滴受け部の上部に位置するノズルは湿潤な状態が保持される。これらにより、ノズル内のインクが乾燥することなくインクミストの吸引を行うことができる。
【0010】
また、前記開口の外周部から前記液滴受け部の外周部までの距離は、該開口の外周にわたって一定である構成とすることができる。
【0011】
この構成によれば、液滴受け部の外周に対して全周にわたって吸気量をほぼ均一にでき、液滴吐出ユニットおよび液滴受け部の外部へ飛散しようとするインクミストを偏りなく吸引することができる。
【0012】
また、前記液滴受け部は、複数配列されており、隣り合う該液滴受け部同士の間には隙間を有し、この隙間を通じてインクミストが前記液滴吐出ユニットと前記液滴受け部の間から前記開口へ流れる構成とすることができる。
【0013】
この構成によれば、液滴受け部が複数配列されていても、上記の隙間を通じて、液滴吐出ユニットと前記液滴受け部の間のインクミストを前記液滴受け部の全周にわたって吸気部から吸引することが可能である。
【0014】
また、前記開口は、上方から該吸気部を見下ろした場合に前記液滴受け部の底面によって隠れており、前記液滴受け部の底面は、該底面に対して下方向に突き出た側板を該液滴受け部外周に沿って有し、該側板の下端の高さは、前記開口の高さ以下である構成とすることができる。
【0015】
この構成によれば、液滴受け部から溢れたインク液は側板の下端から下方へ落ちるため、インク液が液滴受け部の底面まで回り込んで下方へ落ちることを防ぐことが可能であり、インク液の吸引により吸気部が目詰まりしたり故障したりすることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の吸引装置によれば、インクジェットヘッドを乾燥させることなくフラッシング部近傍のインクミストを偏り無く吸引でき、吐出不良やインクミストの基板への付着が原因で画素形成性能に影響を及ぼすことなくフラッシングを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の吸引装置を含めたインクジェット塗布装置の概略図であり、上面図である。
【図2】フラッシング時のインクジェット塗布装置の上面図である。
【図3】本発明の一実施形態における吸引装置を側面から見た場合の断面図である。
【図4】吸気部の詳細図であり、上面図である。
【図5】フラッシングに関するインクジェット塗布装置の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0019】
図1および図2は、本発明の吸引装置を含めたインクジェット塗布装置の概略図であり、上面図である。
【0020】
インクジェット塗布装置1は、吐出ユニット10、吸引装置2、基板搭載部3、吐出ユニット移動軸4を有しており、基板への塗布およびフラッシングを行う。吐出ユニット10はR、B、Gインクを吐出する複数のノズルを有し、吐出ユニット移動軸4を駆動させることにより、この吐出ユニット10が吸引装置2および基板搭載部3の上方をY軸方向に移動させることもできる。この吐出ユニット10によりガラス基板5へのR、B、G画素の形成を行う場合は、図1に示す通り吐出ユニット10は基板搭載部3に搭載された基板5の上方に位置し、吐出ユニット10が吐出ユニット移動軸4によって基板5の端から端まで移動するのと同時にR、B、Gインクの塗布が行われ、画素が形成される。また、フラッシングを行う場合は、図2に示す通り吐出ユニット10は吸引装置2の上方へ移動し、そこで連続的にインクの吐出を行う。この際、吸引装置2にてインクを受けつつ、インクの吐出時に発生するインクミストを吸引することで、インクジェット塗布装置1内にインクミストが浮遊して基板にインクミストが付着することを防止することが可能である。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態における吸引装置を側面から見た場合の断面図である。吸引装置2は、液滴受け部20および吸気部30を有しており、フラッシング実施時は吐出ユニット10は液滴受け部20の真上に位置し、吐出ユニット10から吐出されるインクを液滴受け部20が受け、吸気部30は、吐出ユニット10からインクが吐出された際に浮遊するインクミストを吸引する。
【0022】
本実施形態における液滴受け部20は、複数のトレイ21を有しており、このトレイ21は、それぞれ平板の底面21a、およびその外縁に沿って上向きに突出した側壁21bを有する形状を有している。この形状をとることで、吐出ユニット10から吐出されたインクをトレイ21の中に受け、液溜まりとして貯留することが可能である。このように液溜まりをトレイ21内に有することで、この液溜まり内のインクの溶剤が揮発することを利用して、トレイ21の上方にある吐出ユニット10およびノズルを湿潤な状態に保持することが可能である。
【0023】
また、各トレイ21は、インク抜き機構22を有しており、インク抜き機構22を図示しないポンプなどと接続し、ポンプを動作させることで、トレイ21内に貯留されたインクを抜いている。このように各トレイ21にてインクを抜くことで、トレイ21内にインクが吐出され続けてインクが溢れ出ることを防止している。また、各トレイ21は、スポンジなどで形成される吸収体23を有しており、吐出ユニット10から吐出されたインクを吸収体23が含んだ状態で液溜まりを形成することにより、インク抜き機構22にてトレイ21内のインクを抜いても、この吸収体23が含んでいるインクによって上記の湿潤な状態を保持できる。ここで、本実施形態では上記のインク抜き機構22および吸収体23を有しているが、インク抜き機構22を有さずに定期的にトレイ内のインクを手動で回収する形態、吸収体23を有さずにトレイ21内にインクを直接貯留し、トレイ内のインクが空になることが無いように抜く量を制御してインク抜き機構22によってインクを抜く形態、もしくは両方とも有さない形態としても良い。
【0024】
また、隣接する液滴受け部20同士の間には隙間を設けている。これにより、吐出ユニット10と液滴受け部20との間で浮遊するインクミストが液滴受け部20の全周から下方へ流れることができる。そこで、後述の吸気部30によって液滴受け部20の下方から吸引することで、フラッシング時に吐出ユニット10と液滴受け部20との間で発生するインクミストを液滴受け部20の全周から吸引することが可能である。
【0025】
また、各トレイ21は、側板24を有している。側板24は、底面21aの外周に沿って下向きに突出し、その側板24の下端の高さが後述の吸気部開口32の高さ以下になるように設けられている。それに併せて、吸気部30は、吐出ユニット10側から見下ろした場合に、吸気部開口32が底面21aによって隠れる位置にあるように配置されている。このように上記の位置に吸気部30を配置し、側板24を各トレイ21の外周に設けることにより、万が一トレイ21からインクがこぼれ、側壁21bおよび側板24を伝って下方へ落ちた場合でも、インクがトレイ21の底面にまで回り込んで吸気部開口32に入ることを防ぐことが可能である。これにより、インクの混入が原因で吸気部30が故障することを防ぐことができる。
【0026】
本実施形態における吸気部30は、液滴受け部20と同数の筐体31を有している。各筐体31は、各液滴受け部20の下方に、各トレイ21の底面21aと対向するように配置されている。すなわち、液滴受け部20と対をなすように設けられている。各筐体31は、平板の底面31a、およびその外縁に沿って上向きに突出した側壁31bを有しており、筐体31の上端には開口32を有し、そこから空気の出入りが可能である。また、各筐体31は、底面31aにおいて、ダクト33と接続されており、この接続部において底面31aは開口を有している。そして、ダクト33の反対端から図示しない排気ファンなどを駆動させることにより吸気部30内で吸引力が発生し、吐出ユニット10と液滴受け部20の周辺のインクミストを吸引することができる。また、吸気部30にて吸引を行っている際、図中に矢印で示すように、吐出ユニット10および液滴受け部20の全周にわたって下向きの気流が発生する。この気流に乗ってインクミストは吸気部30へ取り込まれる。
【0027】
このとき、吐出ユニット10および液滴受け部20の全周にわたって吸気を行うことから、液滴受け部の20の外周より内側の部分では空気の流れは発生しにくくなる。すなわち、吐出ユニット10と液滴受け部20の上面との間の部分では気流がほとんど発生せず、これにより、気流が原因で吐出ユニット10が乾燥することを防ぐことができる。これに加え、前述の通りトレイ21内の液溜まりから揮発するインク溶剤によって湿潤な環境が保持されるため、吐出ユニット10の乾燥が原因で吐出ユニット10内の各ノズルが吐出不良となることを防ぐことができる。
【0028】
ここで、吸気部30へ取り込まれるインクミストは、図中の矢印の通りトレイ21および側板24を回りこんで吸気部開口32に到達するため、一部のインクミストは吸気部30に吸引される前に側板24と衝突する。側板24と衝突したインクミストは、側板24に付着し、インクとなって下へ落ちるため、その分だけ吸気部30へ吸引されるインクミストの量が減少する。したがって、側板24が無い場合には、吸気部30がインクミストを吸引し続けることにより、そのインクミストが吸気部30の内壁と衝突してインクになり、そのインクによって吸気部30が目詰まりしたり故障したりする問題があるが、側板24を設けることにより、その問題を軽減することも可能である。
【0029】
また、本実施形態では、図4に示す通り、筐体31の形状および配置を、開口32の外周部から前記液滴受け部の外周部までの距離が該開口の外周にわたって一定になるように設定されている。こうすることにより、液滴受け部20の全周にわたって吸気部30によって吸気される量を均一にすることができ、その結果、吐出ユニット10と液滴受け部20の間のインクミストが液滴受け部20の全周にわたって偏りなく吸引することができる。また、本実施形態では、開口32を筐体31の上端に上向きに有しているが、スリットやパンチング穴を側壁31bに空けるなど横向きの開口32を側壁31bの全周に均等に設け、液滴受け部20の全周から偏りなく吸引するようにしても構わない。なお、ここでいう一定とは、製作上の誤差などは無視する概念であり、製作上の誤差により距離に若干のばらつきを有する場合であっても一定に含まれる。
【0030】
また、各吸気部30は吸気部取付け部40に取付けており、この吸気部取付け部40は、図3に示した通り、水平面に対して傾きを持った平板としている。本実施形態の吸引装置では、トレイ21から溢れ出たインクは、側壁21bを伝って吸気部取付け部40の表面へ落ちる。この際、吸気部取付け部40を傾いた平板とすることによって、インクは高さの低い方へ流れ、吸気部取付け部40の表面で最も低いところにインクが集まる。そこに排液口41を用意することにより、インク液が吸気部取付け部40にたまり続けることなく、効率よく排液口41から排液することが可能である。
【0031】
また、本実施形態では、図に示す通り、ダクト33内に弁34および軸35を有している。ここで、ダクト33は円筒状の形状をとっており、弁34はダクト33の内部の断面形状に合わせて円盤状の形状をとり、その直径方向に通された軸35により、ダクト33の内部と接続されている。軸35を中心に弁34をダクト33の内部で回転させることで、ダクト33に対する弁34の角度が変化し、ダクト33を通る気体の流量を調整することができる。この機構を有することで、複数の吸気部30の相互間の流量を調整し、均一にもすることができる。ここで、本実施形態では、弁34による流量調整は手動で軸35を回転させて実施しているが、別途流量計を準備し、その計測結果をフィードバックして自動制御で複数の吸気部30相互間の流量調整を実施しても良い。
【0032】
次に、フラッシングに関するインクジェット画素形成装置1の動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。ここで、本実施形態では、吸気部30による吸気動作は、フラッシング動作中であるか否かに関わらず、常に実施している。
【0033】
まず、インクジェット画素形成装置1内で基板搭載部3へ搭載した基板への画素形成動作が完了する(ステップS1)。この画素形成動作が完了後、次の基板への画素形成動作が開始するまで、ステップS2以降に示すフラッシング動作および吸気部30による吸引動作が行われる。次に、吐出ユニット10が吸引装置2の上方へ移動する(ステップS2)。吐出ユニット10の移動が完了し、基板の上方から吐出ユニット10が完全に退避した後、基板搭載部3上にて基板の交換動作が開始する(ステップ3)。
【0034】
次に、吐出ユニット10からインクが吐出され、フラッシングが開始される(ステップS4)。前記の通り、基板の交換動作が完了するまで、フラッシングは連続的に実施される。その間、吸気部30による吸気動作により、吐出ユニット10と液滴受け部20との間で発生したインクミストが吸引される。
【0035】
次に、位置合わせ/角度合わせを含めた基板交換動作が終了すると(ステップS5)、まず、吐出ユニット10によるフラッシングが終了する(ステップS6)。その後、基板搭載部3上方へ吐出ユニット10が移動し(ステップS7)、次の基板への画素形成動作が始まる(ステップS8)。
【0036】
前述の通り、本実施形態では、吸気部30による吸気動作はフラッシング動作中であるか否かに関わらず常に実施しているが、これに対し、フラッシング動作中のみ吸引動作を行うよう、フラッシング動作前に吸引動作を開始させ、フラッシング後に吸引動作を終了させるように動作時間を制御しても良い。
【0037】
以上説明した通りの吸引装置によれば、液滴受け部20の真下にある吸気部30から吸引を行うことにより、吐出ユニット10を乾燥させること無く吐出ユニット10と液滴受け部20の間に発生するインクミストを偏り無く吸引でき、インクミストが基板5に付着して画素形成性能に影響を及ぼすことを防止することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 インクジェット画素形成装置
2 吸引装置
3 基板搭載部
4 吐出ユニット移動軸
5 基板
10 吐出ユニット
20 液滴受け部
21 トレイ
21a 底面
21b 側壁
22 インク抜き機構
23 吸収体
24 側板
30 吸気部
31 筐体
31a 底面
31b 側壁
32 開口
33 ダクト
34 弁
35 軸
40 吸気部取付け部
41 排液口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク液滴を吐出する液滴吐出ユニットより吐出されたインク液滴を下方から受ける液滴受け部と、
前記液滴吐出ユニットと前記液滴受け部の間で発生し、浮遊するインクミストを吸引する吸気部と、
を備える吸引装置であって、
前記液滴受け部は、前記液滴吐出ユニットより吐出されたインク液滴を受けて内部に貯留することで、該液滴吐出ユニット直下に液溜まりを形成する機構を有し、
前記吸気部は、前記液滴受け部と対をなしており、インクミストを吸引する開口を有し、
前記開口は、前記液滴受け部よりも下方に位置することを特徴とする吸引装置。
【請求項2】
前記開口の外周部から前記液滴受け部の外周部までの距離は、該開口の外周にわたって一定であることを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。
【請求項3】
前記液滴受け部は、複数配列されており、隣り合う該液滴受け部同士の間には隙間を有し、この隙間を通じてインクミストが前記液滴吐出ユニットと前記液滴受け部の間から前記開口へ流れることを特徴とする、請求項1または2に記載の吸引装置。
【請求項4】
前記開口は、上方から該吸気部を見下ろした場合に前記液滴受け部の底面によって隠れており、前記液滴受け部の底面は、該底面に対して下方向に突き出た側板を該液滴受け部外周に沿って有し、該側板の下端の高さは、前記開口の高さ以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の吸引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−96149(P2012−96149A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245126(P2010−245126)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】