説明

商品流通システム

【課題】 利用者の個人情報の開示を最小限に抑えると共にセキュリティ性を向上することが出来、更にシステム運営が単純化出来、顧客の利便性も向上出来る商品流通システムを提供する。
【解決手段】 商品を収容する複数の収容部6と、前記各収容部6の開閉扉を施錠する施錠機構と、該施錠機構を制御する制御部9と、商品をウェブサイト上で発注する商品発注部22と、該商品発注部22により発注した商品の代金決済を行う代金決済部21と、商品発注部22により商品を発注する際に取得した代金決済カード4の代金決済カードID情報と、商品コード情報と、受取指定日情報とを関連付けて受注コード情報を生成する受注コード情報生成部23とを有し、代金決済部21は該受注コード情報生成部23により関連付けられた受注コード情報と、代金決済カードID情報と、商品コード情報とに基づいて代金決済を行い、制御部9は、代金決済部21による決済の認証情報に基づいて各収容部6の開閉扉の解錠を行うように構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の収容部を有するロッカー装置を利用して商品の受け渡しと決済を行うように構成した商品流通システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット通信販売、インターネットオークション、バーチャルモール店舗等の通信回線を利用した商品の無店舗販売システム(無店舗流通システム)が広く普及している。例えばインターネット通信販売の場合、顧客はパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)をインターネットに接続し、通信販売会社のホームページにアクセスして商品発注を行う。その際、通信販売会社側は商品代金の回収を確実にするため、例えば顧客の住所、氏名、電話番号、クレジットカード番号等の顧客情報の入力を要求しているのが一般である。
【0003】
しかし、顧客側にすれば、インターネット通信販売等による商品が配達される際に留守になることがあり、更に安全上から自宅での商品受取りを希望しない場合も多い。
【0004】
そこで、これらの問題を解決する方法として、ロッカー装置を利用して商品の受け渡しを行うと共に、商品の代金支払いを第三者機関である決済管理事業者を介して行う方法が一部で採用されている。ロッカー装置は専門の管理会社が運営管理し、鉄道の駅、空港、ホテル、コンビニエンスストア(以下、「コンビニ」という)等の各所に設置し、例えば通信回線を利用して共通の管理装置により遠隔管理する。
【0005】
各ロッカー装置には通し番号若しくは整理番号等の番号が付され、ホームページ等で設置場所とその番号を公開し、利用者はその番号により受け渡し場所のロッカー装置を指定出来るようになっている。
【0006】
決済管理事業者はコンピュータによる決済管理システムを運営し、無店舗販売システムを利用する顧客は、自己の住所、氏名、電話番号等の顧客情報を決済管理システムに予め登録しておく。顧客は商品購入の際に、インターネット通信販売会社等の通信販売画面等に購入する商品、自己の電話番号及び引き取る地域若しくは場所に設置されたロッカー装置の番号を入力すると共に、決済管理システムに当該商品の代金を入金する。
【0007】
一方、商品を受注したインターネット通信販売会社等は、例えば決済管理事業者から前記入金の通知を受け取った後、指定されたロッカー装置の収容部に商品を預け入れると共に、電話等により収容部の扉の解錠情報を顧客に通知する。そして顧客は受け取った解錠情報をロッカー装置に入力して注文した商品を引き取り、インターネット通信販売会社等は商品の代金に相応する金額を決済管理事業者から受け取る。
【0008】
しかし上記方法はロッカー装置の管理事業者に加えて決済管理事業者を介在させるので流通システムが複雑化するという問題がある。また顧客は決済事業者に自己の住所、氏名、電話番号等の多くの顧客情報を予め登録する必要があり、それらの情報が決済管理システムから外部に漏れる事故も想定する必要がある。
【0009】
そこで、顧客情報を最小限にした商品の受け渡しと決済のシステムが特許文献1(特開2002−117455号公報)に提案されている。特許文献1に提案されたシステムは、ロッカー装置と受注管理装置を備え、顧客は管理装置に対し購入する商品とロッカー装置を指定すると共に、自己のメール番号を通知する。管理装置は注文された商品の注文コードを顧客に通知すると共に、ロッカー装置の特定の収容部への商品配送を指定する。顧客はロッカー装置に出向き、受け取った注文コードを入力し、且つ代金を支払うことにより収容部の開閉扉が解錠されるので、注文した商品を取り出すことが出来るものである。
【0010】
【特許文献1】特開2002−117455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前述の特許文献1で提案されたシステムは、商品の注文ごとに注文コードを顧客に通知する必要があり、顧客はその注文コードに対応して生成された解錠コードをロッカー装置に入力して解錠しなければならない。そのためシステム運営が複雑化すると共に、商品コード、管理装置から生成された注文コード、解錠コード等の複数のコード情報が錯綜して利用者が混乱を来たし顧客の利便性も十分でないと言う問題がある。また顧客が注文コードや解錠コードを紛失したとき、或いは顧客が注文コードや解錠コードの盗難にあったときは注文した商品の引き取りが出来なくなるという問題もある。
【0012】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、利用者の個人情報の開示を最小限に抑えると共にセキュリティ性を向上することが出来、更にシステム運営が単純化出来、顧客の利便性も向上出来る商品流通システムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明に係る商品流通システムの第1の構成は、商品を収容する複数の収容部と、前記各収容部の開閉扉を施錠する施錠機構と、前記施錠機構を制御する制御部と、商品をウェブサイト上で発注する商品発注手段と、前記商品発注手段により発注した商品の代金決済を行う代金決済手段と、前記商品発注手段により商品を発注する際に取得した代金決済カードID情報と、商品コード情報と、受取指定日情報とを関連付けて受注コード情報を生成する受注コード情報生成手段とを有し、前記代金決済手段は、前記受注コード情報生成手段により関連付けられた受注コード情報と、代金決済カードID情報と、商品コード情報とに基づいて代金決済を行い、前記制御部は、前記代金決済手段による決済の認証情報に基づいて解錠を行うように構成したことを特徴とする。
【0014】
尚、代金決済カードID情報として、携帯電話機の電話番号情報を採用することも出来、代金決済として携帯電話機の使用料金に対して物品購入代金として課金することでも良い。
【0015】
また、本発明に係る商品流通システムの第2の構成は、前記第1の構成において、前記代金決済カードID情報は、クレジトカード、プリペイドカード、電子マネーカードのうちの少なくとも何れか1つのIDコード番号とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る商品流通システムによれば、商品発注手段により商品を発注する際に取得したクレジトカード、プリペイドカード、電子マネーカード等の代金決済カードID情報と、商品コード情報と、受取指定日情報とを受注コード情報生成手段により関連付けして受注コード情報を生成し、代金決済手段が受注コード情報生成手段により関連付けられた受注コード情報と、代金決済カードID情報と、商品コード情報とに基づいて代金決済を行い、前記制御部が該代金決済手段による決済の認証情報に基づいて解錠を行うことにより利用者の個人情報の開示を最小限に抑えると共にセキュリティ性を向上することが出来、更に必要最低限のコード情報のみを利用してシステム運営を単純化出来、顧客の利便性も向上出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図により本発明に係る商品流通システムの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る商品流通システムの構成を示す概念図、図2はロッカー装置に設けられる制御装置と管理装置に設けられる制御装置の構成を示すブロック図、図3はロッカー装置の正面図、図4は本発明に係る商品流通システムにおける商品の流通を説明する図、図5は本発明に係る商品流通システムにおける商品の預入手順を示すフローチャート、図6は本発明に係る商品流通システムにおけるロッカー装置に預け入れられた商品の引取手順を示すフローチャート、図7は本発明に係る商品流通システムで利用されるデータ構造の一例を示す図である。
【0018】
図1及び図2において、1はロッカー装置、2は該ロッカー装置1を複数管理する管理装置、3は商品の預入者(商品の売主)、4は商品の引取者(顧客)が所有するクレジットカード、プリペイドカード、電子マネーカード、パスモカード(株式会社パスモの登録商標) 、スイカカード(東日本旅客鉄道株式会社の登録商標)等の代金決済を行うことが出来る代金決済カード、5は商品の預入者3の配送部門若しくは依頼した外部の配送事業者の配送車である。尚、図1にはロッカー装置1が1基のみ示されているが、同様な構成からなる複数のロッカー装置1を共通の管理装置2で管理するようになっている。
【0019】
ロッカー装置1は商品を収容する複数の収容部6と操作部7を有し、各収容部6には電子錠式で施錠・解錠されるオートロック式の開閉扉が設けられる。操作部7の背面には、図2に示して後述する各収容部6の開閉扉を施錠する施錠機構を選択的に駆動する駆動部15を制御する制御部9や通信部14等が設けられ、管理装置2には、図2に示して後述する制御手段17、各ロッカー装置1と通信回線20により通信する通信手段19等が設けられる。またインターネット通信販売会社等の商品の預入者3には図示しない通信装置や記憶装置を備えた管理システムが備えられる。
【0020】
本実施形態のロッカー装置1には、図3に示すように、インターネット等の無線通信回線20を介してウェブサイト上の仮想店舗で商品を販売する出店店舗表示板1aが設けられており、該出店店舗表示板1aに表示された目的の仮想店舗のウェブサイトに操作部7に設けられたタッチパネル表示画面を利用してアクセスし、それらのウェブサイト上で商品発注手段となる商品発注部22により商品を発注出来るようになっている。尚、図3の出店店舗表示板1aの表示例は各社の登録商標である。
【0021】
1bは商品コマーシャル画面であり、出店店舗表示板1aに表示された仮想店舗で販売する商品のコマーシャル画像が放映される。1cは音楽CD(Compact Disc)や映画のDVD(Digital Versatile Disc)、或いは雑誌や文庫本等の書籍等の流行商品を販売する自動販売部であり、1dは出店店舗表示板1aに表示された仮想店舗で音楽会やコンサート、スポーツ等の興行チケットや旅行会社が発行する旅券チケット等を購入した場合に各チケットを印刷出力するチケットプリンタである。
【0022】
1eは出店店舗表示板1aに表示された仮想レンタル店舗でレンタルしたビデオ、CD、DVD、図書、書籍等の返却ポストである。また、1fは出店店舗表示板1aに表示された仮想店舗で配信した音楽や着メロ(携帯電話機の着信メロディ)などの音楽情報をダウンロードするダウンロードマシーンである。
【0023】
尚、図示しないが、切手や収入印紙、葉書などの自動販売機、郵便料金計算機、住民票等の発行機、私書箱、不用品交換、無料雑誌配布、クリーニングサービス等の種々の用途に適用させた構成とすることも出来る。
【0024】
図2はロッカー装置1に設けられる制御装置8と、管理装置2に設けられる制御装置16のブロック図である。ロッカー装置1の制御装置8はコンピュータで構成される制御部9、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、外部記憶装置等で構成される記憶部10、キーボードやタッチパネル、カードリーダ1g等で構成される入力部11、液晶やプラズマディスプレー等で構成される表示部12、プリンタ等で構成される出力部13、モデム等で構成される通信部14及び各収容部6の開閉扉の施錠または解錠を行う施錠機構を選択駆動するための駆動部15、代金投入部、カードリーダ1g及び金銭検査部等により構成され、商品発注部22により発注した商品の代金決済を行う代金決済手段となる代金決済部21を備えている。
【0025】
23は受注コード情報生成手段となる受注コード情報生成部であり、図7に示すように、商品発注部22により商品を発注する際に取得した商品の引取者(顧客)が所有するクレジットカード、プリペイドカード、電子マネーカード、パスモカード(株式会社パスモの登録商標) 、スイカカード(東日本旅客鉄道株式会社の登録商標)等の代金決済を行うことが出来る代金決済カード4の代金決済カードID情報となるIDコード番号(図7のカードID欄24a参照)と、商品コード情報(図7の商品コード欄24b参照)と、受取指定日情報(図7の受取指定日欄24c参照)とを関連付けて受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)を生成する。受注コード情報生成部23により生成される受注コード情報には商品発注部22により発注した商品情報とその商品の発注個数情報とが関連付けられている。
【0026】
また、受注コード情報生成部23により関連付けられた代金決済カードID情報(図7のカードID欄24a参照)と、商品コード情報(図7の商品コード欄24b参照)と、受取指定日情報(図7の受取指定日欄24c参照)と、受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)と、は記憶手段となる記憶部10に記憶される。
【0027】
そして、代金決済部21は、受注コード情報生成部23により関連付けられた受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)と、代金決済カードID情報(図7のカードID欄24a参照)と、商品コード情報(図7の商品コード欄24b参照)とに基づいて代金決済を行う。
【0028】
また、制御部9は、代金決済部21による決済の認証情報に基づいてロッカー装置1の各開閉扉の解錠制御を行う。
【0029】
ロッカー装置1の記憶部10には商品の預入者3が予め登録した預入者認識情報が記憶されており、ロッカー装置1の制御部9は商品の預入制御と引取制御を行う。
【0030】
また、ロッカー装置1の記憶部10には、商品の引取者が商品発注部22により商品を発注する際に登録したクレジットカード、プリペイドカード、電子マネーカード、パスモカード(株式会社パスモの登録商標) 、スイカカード(東日本旅客鉄道株式会社の登録商標)等の代金決済を行うことが出来る代金決済カード4の代金決済カードID情報となるIDコード番号(図7のカードID欄24a参照)に関連付けられた受注コード情報となる受注番号(図7の受注番号欄24f参照)が登録引取者認識情報及びロッカー装置1の解錠キー情報として記憶されている。
【0031】
尚、引取者が所有する携帯電話機25やパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)のメールアドレス情報(図7のメールアドレス欄24d参照)や携帯電話番号情報(図7の携帯電話番号欄24e参照)等も任意であるが登録しても構わない。
【0032】
一方、管理装置2の制御装置16はコンピュータで構成される制御手段17、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、外部記憶装置等で構成され、各ロッカー装置1を利用する商品の預入者3が登録した金融機関の口座番号情報を記憶する記憶手段18及びモデム等で構成される通信手段19を備えている。
【0033】
尚、ロッカー装置1の通信部14、管理装置2の通信手段19、商品の預入者3の図示しない通信装置、商品の引取者の携帯電話機25はインターネット等の無線通信回線20を介して相互に通信出来るようになっている。
【0034】
管理装置2の制御手段17は、商品の預入者がロッカー装置1に預け入れた商品の代金が引取者の代金支払いにより決済されたことをロッカー装置1から通信手段19により受信すると共に、当該代金に相応する金額を記憶手段18に予め記憶された商品の預入者3が登録した金融機関の口座に振り込む制御を行う。
【0035】
また、管理装置2の記憶手段18には、各ロッカー装置1を利用する商品の預入者3が予め登録した電子メールアドレス情報が記憶され、管理装置2の制御手段17は、ロッカー装置1に預け入れた商品の代金に相応する金額を記憶手段18に記憶された商品の預入者3が登録した金融機関の口座に振り込んだ事実を記憶手段18に記憶された当該商品の預入者3の電子メールアドレスに電子メールで通知することが出来る。
【0036】
また、管理装置2の記憶手段18には、各ロッカー装置1を利用する商品の預入者3が予め登録した預入者認識情報と、商品の引取者が商品発注部22により商品を発注する際に登録した代金決済カード4の代金決済カードID情報に関連付けられた受注コード情報が記憶され、管理装置2の制御手段17は、商品の預入者3の預入者認識情報と、当該商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報に関連付けられた受注コード情報とをそれぞれ通信手段19により各ロッカー装置1に通知すると共に、各ロッカー装置1の制御部9は、該各ロッカー装置1の通信部14を介して受信した商品の預入者3の預入者認識情報と、該商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報に関連付けられた受注コード情報とを該各ロッカー装置1の記憶部10に記憶する制御を行う。
【0037】
管理装置2の記憶手段18には、各ロッカー装置1を利用する商品の引取者の電子メールアドレス情報が任意に記憶され、各ロッカー装置1の制御部9は、ロッカー装置1に当該引取者宛ての商品が預け入れられたことを各ロッカー装置1の通信部14により管理装置2に通知し、管理装置2の制御手段17は、管理装置2の通信手段19により受信した当該商品の預入情報を管理装置2の記憶手段18に記憶された当該引取者の電子メールアドレスに電子メールで通知する。
【0038】
次に図4を参照して図1の商品流通システムによる商品の流通方法を説明する。本実施形態では管理装置2により複数のロッカー装置1を集中管理する場合である。先ず、ステップSにおいて、本システムを利用する商品の預入者(商品の売主)3は通信回線20を介して管理装置2に自己に関する預入者認識情報、例えば自己の認識コード情報または携帯電話番号情報(実際には携帯電話機の電話番号情報とそれに続く機器識別番号情報を含む、以下同じ)を登録する。その際、電子メールアドレス情報を登録すると商品の預入情報や商品の代金に相応する金額の振込み情報を管理装置2から通信回線20により受け取ることが可能になる。
【0039】
これらの情報の登録により当該預入者3は本システムの利用者として又は利用会員として登録されたものとして取り扱われる。尚、商品の預入者3がロッカー装置1への商品の預入作業を外部の搬送事業者に委託する場合は、当該委託された搬送事業者がその認識情報を管理し使用する。
【0040】
一方、ステップSにおいて、本システムを利用する商品の引取者(商品を購入する顧客)は、操作部7を操作して出店店舗表示板1aに表示された各社のウェブサイトにアクセスし、購入を希望する商品を見出したときに、商品発注部22により商品を発注すると共に受取指定日を指定し、商品の受け取りを希望する場所若しくは地域に設置されたロッカー装置1の番号を入力し、カードリーダ1gにより代金決済カード4の代金決済カードID情報を読み取らせる。このとき、図7に示すように、自己の代金決済カード4の代金決済カードID情報(図7のカードID欄24a参照)と、商品コード情報(図7の商品コード欄24b参照)と、受取指定日情報(図7の受取指定日欄24c参照)とが受注コード情報生成部23により関連付けられて受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)を生成し、これらの各情報が一旦、記憶部10に記憶され、通信部14、通信回線20、通信手段19を介して管理装置2に送られ、記憶手段18に記憶されて登録される。
【0041】
その際、電子メールアドレス情報や携帯電話機25の電話番号情報を任意で登録することが出来、登録した場合には注文した商品の預入情報を管理装置2から通信回線20により受け取ることが可能になる。そして、これらの情報の登録により当該商品の引取者は本システムの利用者として又は利用会員として登録されたものとして取り扱われる。
【0042】
商品の預入者3は注文情報を受信すると、ステップSにおいて、受注可能な場合は当該商品を受注した事実と配送予定日(指定されたロッカー装置1への預入予定日)を商品の引取者の携帯電話機25に通知する。次いで、ステップSにおいて、商品の預入者3は注文商品を自己の配送部門または外部に委託した配送事業者により指定されたロッカー装置1に配送して預け入れる。
【0043】
ロッカー装置1に注文された商品が預け入れられると、ステップSにおいて、管理装置2からその商品の引取者の携帯電話機25に商品預入通知がメールされ、商品の引取者は当該ロッカー装置1に出向く。
【0044】
尚、商品預入通知は商品の引取者に直接連絡する他に、ホテルや駅等の公共施設のフロント受付に連絡し、フロントから商品の引取者に商品の届け物があることを知らせることでも良い。
【0045】
次に、ステップSにおいて、代金決済カード4の読み取りによる引取者認識と商品代金の支払いにより収容部6の開閉扉を解錠して注文した商品を引き取る。
【0046】
即ち、代金決済部21は、受注コード情報生成部23により関連付けられた受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)と、代金決済カードID情報(図7のカードID欄24a参照)と、商品コード情報(図7の商品コード欄24b参照)とに基づいて代金決済を行う。商品代金の支払いはクレジットカード、プリペイドカード、電子マネーカード、パスモカード(株式会社パスモの登録商標) 、スイカカード(東日本旅客鉄道株式会社の登録商標)、デビットカード等の金銭カード等により代金決済を行う。尚、現金や携帯電話機25の架電料金扱い等で決済を行うことも出来る。
【0047】
そして、ロッカー装置1の制御部9は、代金決済部21による決済の認証情報に基づいて駆動部15を駆動し、商品が収容された該当する各収容部6の開閉扉の解錠を行う。
【0048】
また、
【0049】
商品代金の支払いを現金で行う場合は、代金決済部21を構成する代金投入部から現金を投入し、代金決済カード4で行う場合はカードリーダ1gに該代金決済カード4を接触或いはかざして読み取らせ、携帯電話機25の架電料金扱いにする場合は入力部11のタッチセンサからその旨入力する。何れの場合でも代金決済部21を構成する金銭検査部で代金が商品代金と一致するか否か検査し、一致した場合はその情報を制御部9に送り、該制御部9は記憶部10にその代金支払い情報を記憶し且つ収容部6の開閉扉の解錠制御を行う。
【0050】
商品の引取者による商品代金の支払いがなされとき、ロッカー装置1の制御部9はその支払い情報を通信回線20により管理装置2に通知する。管理装置2の制御手段17はその支払い情報を当該商品の預入者3に電子メールにて通知する(ステップS)。
【0051】
図5は商品の預入手順を具体的に示すフローチャートである。先ず、預け入れすべき商品の配送担当者は、ステップS11でロッカー装置1の表示部12に表示されるメニュー画面から「預入」を選択する。すると表示部12に例えば「預入者の認識情報を入力してください」とのメッセージが表示されるので、配送担当者はステップS12で商品の預入者認識情報をロッカー装置1に入力する。
【0052】
預入者認識情報が認識コードである場合は、ロッカー装置1に備えた操作部7のタッチセンサ等による入力部11から認識コードを入力し、預入者認識情報が該預入者の携帯電話機の携帯電話番号情報である場合は、ロッカー装置1の表示部12に表示される電話番号を呼び出すと、その呼び出し信号が預入者の預入者認識情報として通信部14から制御部9に入力される。
【0053】
次にステップS13でロッカー装置1の制御部9による預入制御は、入力部11から入力されるか若しくは通信部14により受信される商品の預入者3の預入者認識情報が記憶部10に予め記憶された商品の預入者3の預入者認識情報と一致したときに、収容部6の開閉扉の施錠機構を駆動部15により駆動して該収容部6の開閉扉の解錠制御を行うが、入力部11或いは通信部14から入力された預入者3の預入者認識情報と、記憶部10に予め記憶された商品の預入者3の預入者認識情報とが一致しないと判断したときは、ステップS14でその旨のメッセーを表示部12に表示して前記ステップS12に戻り、前記ステップS13において、入力部11或いは通信部14から入力された預入者3の預入者認識情報と、記憶部10に予め記憶された商品の預入者3の預入者認識情報とが一致したと判断したときはステップS15に移る。
【0054】
配送担当者はステップS15で操作部7のタッチセンサ等の入力部11を操作し、預け入れる商品の引取者の引取者認識情報として、該引取者から通知された受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)を入力する。
【0055】
制御部9による預入制御は、入力部11から入力されるか若しくは通信部14により受信される当該商品の引取者の受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)と当該商品の代金情報とを記憶部10に記憶する制御を行うが、制御部9はステップS16で入力した引取者の受注コード情報が記憶部10に予め記憶された引取者の登録引取者認識情報としての代金決済カードID番号情報に関連付けられた受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)の中に存在するか否かを判断し、存在していないと判断したときはステップS17でその旨のメッセージを表示部12に表示して前記ステップS15に戻り、前記ステップS16において、前記ステップS15で入力した引取者の受注コード情報が記憶部10に予め記憶された引取者の登録引取者認識情報としての代金決済カードID番号情報に関連付けられた受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)の中に存在していると判断したときはステップS18で空いている収容部6の開閉扉の解錠制御を行うように駆動部15を制御する。
【0056】
尚、商品の引取者の引取者認識情報の登録をしないシステムとした場合は、ステップS16が省略され、ステップS15から直接ステップS18に移る。
【0057】
次に配送担当者はステップS19で商品をロッカー装置1の収容部6に収容して開閉扉を閉じることにより商品の預入を行う。収容部6の開閉扉を閉じるとステップS20で施錠機構が作動して開閉扉は自動施錠(オートロック)される。その際、出力部13から配送伝票が出力される。配送伝票には例えば預入者名、預入日時、預け入れた収容部6の番号、引取者の携帯電話機25の携帯電話番号等が記載される。
【0058】
次にステップS21で制御部9は空き状態から商品収容状態に変わった収容部6の状態を使用状況情報として記憶部10に記憶する。この記憶内容は制御部9が新たに商品を収容出来る空き収容部6を検索する場合に利用される。
【0059】
図6は預け入れられた商品の引取手順を具体的に示すフローチャートである。先ず商品の引取者は指定したロッカー装置1に出向き、ステップS31で表示部12に表示されたメニューの中から「引取」を選択する。すると表示部12に例えば「お手持ちの代金決済カードをカードリーダにかざしてください」等というメッセージが表示されるので、ステップS32で商品の引取者は所持した代金決済カード4をカードリーダ1gにかざして代金決済カードID情報を読み取らせる。
【0060】
制御部9による引取制御は、カードリーダ1gにより読み取った商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報が、記憶部10に予め記憶された当該商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報と一致し、且つ、入力部11により入力した商品コード情報が受注コード情報生成部23により該代金決済カード4の代金決済カードID情報と関連付けられた商品コード情報と一致し、且つ、代金決済部21に入力された金額情報が記憶部10に予め記憶された当該商品の代金情報と一致したときに、各収容部6の開閉扉を施錠する施錠機構を駆動部15により駆動して当該商品を収容した収容部6の開閉扉の解錠制御を行う。
【0061】
ここで、先ず制御部9はステップS33において、前記ステップS32で入力された商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報と、前記図5のステップS15において、配送担当者が入力した受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)に関連付けられた商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報とを比較し、一致しないと判断したときはステップS34でその旨のメッセージを表示部12に表示してステップS32に戻り、前記ステップS33において、前記ステップS32で入力された商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報と、前記図5のステップS15において、配送担当者が入力した受注コード情報(図7の受注番号欄24f参照)に関連付けられた商品の引取者の代金決済カード4の代金決済カードID情報とが一致したと判断したときは表示部12に支払い金額が表示され、ステップS35で商品の引取者は表示部12に表示される金額を代金決済部21により代金決済カード4から支払う。尚、この金額表示は制御部9が記憶部10に記憶された当該商品の代金情報を検索して行う。
【0062】
ステップS35で商品の引取者が表示部12に表示された金額を代金決済部21により代金決済カード4から支払うと、ステップS36で制御部9は当該商品を収容している収容部6の開閉扉の解錠制御を行うように駆動部15を制御して該収容部6の開閉扉を解錠する。
【0063】
次にステップS37で引取者が収容部6に収容されている商品を取り出し、開閉扉を閉じると、ステップS38で施錠機構が作動して開閉扉は自動施錠(オートロック)される。次にステップS39で制御部9は空き状態から商品収容状態に変わった収容部6の状態を使用状況情報として記憶部10に記憶する。この記憶内容は制御部9が新たに商品を収容出来る空き情報を検索する場合に利用される。
【0064】
尚、代金決済部21による商品の代金の決済は、商品発注部22により商品を発注する際に予めチャージしたプリペイド式の代金決済カード4から商品の代金の決済を行っても良いし、商品の引取者が商品を引き取る際に予めチャージしたプリペイド式の代金決済カード4や後払いのクレジット式の代金決済カード4から商品の代金の決済を行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の活用例として、複数の収容部を有するロッカー装置を利用して商品の受け渡しと決済を行うように構成した商品流通システムに適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る商品流通システムの構成を示す概念図である。
【図2】ロッカー装置に設けられる制御装置と管理装置に設けられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ロッカー装置の正面図である。
【図4】本発明に係る商品流通システムにおける商品の流通を説明する図である。
【図5】本発明に係る商品流通システムにおける商品の預入手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る商品流通システムにおけるロッカー装置に預け入れられた商品の引取手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る商品流通システムで利用されるデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1…ロッカー装置
1a…出店店舗表示板
1b…商品コマーシャル画面
1c…自動販売部
1d…チケットプリンタ
1e…返却ポスト
1f…ダウンロードマシーン
1g…カードリーダ
2…管理装置
3…預入者(商品の売主)
4…引取者(顧客)の代金決済カード
5…配送車
6…収容部
7…操作部
8…制御装置
9…制御部
10…記憶部
11…入力部
12…表示部
13…出力部
14…通信部
15…駆動部
16…制御装置
17…制御手段
18…記憶手段
19…通信手段
20…通信回線
21…代金決済部
22…商品発注部
23…受注コード情報生成部
24a…カードID欄
24b…商品コード欄
24c…受取指定日欄
24d…メールアドレス欄
24e…携帯電話番号欄
25…携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収容する複数の収容部と、
前記各収容部の開閉扉を施錠する施錠機構と、
前記施錠機構を制御する制御部と、
商品をウェブサイト上で発注する商品発注手段と、
前記商品発注手段により発注した商品の代金決済を行う代金決済手段と、
前記商品発注手段により商品を発注する際に取得した代金決済カードID情報と、商品コード情報と、受取指定日情報とを関連付けて受注コード情報を生成する受注コード情報生成手段と、
を有し、
前記代金決済手段は、前記受注コード情報生成手段により関連付けられた受注コード情報と、代金決済カードID情報と、商品コード情報とに基づいて代金決済を行い、
前記制御部は、前記代金決済手段による決済の認証情報に基づいて解錠を行うように構成したことを特徴とする商品流通システム。
【請求項2】
前記代金決済カードID情報は、クレジトカード、プリペイドカード、電子マネーカードのうちの少なくとも何れか1つのIDコード番号とされたことを特徴とする請求項1に記載の商品流通システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−245034(P2009−245034A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89107(P2008−89107)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.着メロ
【出願人】(506053629)ポストキューブシステム株式会社 (7)
【Fターム(参考)】